説明

半導体デバイスの製造方法および半導体デバイス

【課題】下地膜の結晶性の影響を抑え、高誘電率の結晶構造としたキャパシタ絶縁膜とする。
【解決手段】基板200の上に形成された結晶質膜310の上に非晶質膜320を形成する非晶質膜形成工程と、非晶質膜320の上に結晶質膜310の結晶構造とは独立して制御される結晶構造を持つ絶縁膜330を形成する結晶性絶縁膜形成工程と、を有する。結晶性絶縁膜形成工程においては、基板200を加熱して前記絶縁膜330の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造方法および半導体デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体デバイスにはキャパシタ絶縁膜を備えたものがある。キャパシタ絶縁膜の材料としては、高誘電率を得るためHfO(酸化ハフニウム)やZrO(酸化ジルコニウム)等が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのキャパシタ絶縁膜材は、特に正方晶系の結晶構造を取ることで誘電率が増す。しかしHfOやZrO等の膜を成膜する際に、それらがどのような結晶構造を取るかは下地膜の結晶性の影響を強く受けるため、所定の結晶構造を持つ、高誘電率のキャパシタ絶縁膜を得ることは困難であった。
【0004】
そこで本発明の目的は、下地膜の結晶性の影響を抑え、高誘電率の結晶構造としたキャパシタ絶縁膜を有する半導体デバイスの製造方法および半導体デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、基板の上に形成された結晶質膜の上に非晶質膜を形成する非晶質膜形成工程と、前記非晶質膜の上に前記結晶質膜の結晶構造とは独立して制御される結晶構造を持つ絶縁膜を形成する結晶性絶縁膜形成工程と、を有する半導体デバイスの製造方法である。
【0006】
本発明の他の態様は、基板の上に形成された結晶性を有する下部電極と、前記下部電極の上に形成された非晶質膜と、前記非晶質膜の上に形成され、少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜と、を有する半導体デバイスである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、下地膜の結晶性の影響を抑え、高誘電率の結晶構造としたキャパシタ絶縁膜を有する半導体デバイスの製造方法および半導体デバイスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の斜透視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態で好適に用いられる処理炉の構成図であって、特に処理室部分を断面図で示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態で好適に用いられる処理炉の構成図であって、特に処理室部分を図2のA−A断面図で示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法における、AlO膜形成工程のガス供給タイミング図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法における、HfO膜形成工程のガス供給タイミング図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体デバイスの主要構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るキャパシタ絶縁膜の結晶構造の例を示す図面であって、(A)が一例としての単斜晶系の結晶格子を示す図面であり、(B)が一例としての正方晶系の結晶格子を示す図面である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るキャパシタ絶縁膜の結晶構造の違いを示す図面であって、(A)が単斜晶系の結晶状態を示す模式図であって、(B)が正方晶系の結晶状態を示す模式図である。
【図10】本発明の実施例に係るキャパシタ絶縁膜および比較例に係るキャパシタ絶縁膜の比誘電率を示すグラフ図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を示すフロー図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法における、HfAlO膜形成工程のガス供給タイミング図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る半導体デバイスの主要構造を示す断面図である。
【図14】比較例に係る半導体デバイスの主要構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る半導体デバイスの製造方法の一工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る半導体デバイスの製造方法の説明に先立って、まずはかかる製造方法を実施する基板処理装置について、その構成を以下に説明する。
【0011】
(1)基板処理装置の全体構成
基板処理装置の一例として、基板処理装置101の構成例について、図1を用いて説明する。図1は基板処理装置101の斜透視図である。カセットステージ114のある面を基板処理装置101の正面とし、正面の側を基板処理装置101の前方、それとは反対の処理炉202のある側を後方、基板処理装置101の正面に向かって右手を右、左手を左とした。基板処理装置101の上下は、重力方向のとおりである。
【0012】
図1に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置101は筐体111を備えている。基板としてのウエハ200を筐体111内外へ搬送するには、複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収納容器)としてのカセット110が使用される。カセット110を筐体111内外へ搬送する開口であるカセット搬入搬出口(基板収納容器搬入搬出口、図示せず)の筐体111内側には、カセットステージ(基板収納容器受渡し台)114が設けられている。カセット110は、図示しない工場内搬送装置によってカセットステージ114上に載置され、また、カセットステージ114上から筐体111外へ搬出されるように構成されている。
【0013】
カセット110は、工場内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に向けて90°回転させ、カセット110内のウエハ200を水平姿勢とさせ、カセット110のウエハ出し入れ口を筐体111内の後方に向かせることが可能なように構成されている。
【0014】
筐体111内の前後方向でみた略中央部には、カセット棚(基板収納容器載置棚)105が設置されている。カセット棚105は、複数段、複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105には、後述するウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。また、カセットステージ114の上方には、予備カセット棚107が設けられ、予備のカセット110を保管するように構成されている。
【0015】
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収納容器搬送装置)118が設けられている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aと、カセット110を保持したまま水平移動可能な搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bと、を備えている。これらカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107、移載棚123の間で、カセット110を搬送するように構成されている。
【0016】
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設けられている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bと、を備えている。なお、ウエハ移載装置125aは、ウエハ200を水平姿勢で保持するツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作により、ウエハ200を移載棚123上のカセット110内からピックアップして後述するボート(基板保持具)217へ装填(ウエハチャージ)したり、ウエハ200をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して移載棚123上のカセット110内へ収納したりするように構成されている。
【0017】
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部には開口が設けられ、かかる開口は炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理炉202の構成については後述する。
【0018】
処理炉202の下方には、ウエハ200を移載棚123上のカセット110内からボート(基板保持具)217へ装填・脱装する空間である移載室124が設けられている。移載室124内には、ボート217を昇降させて処理炉202内外へ搬入搬出させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が設けられている。アーム128上には、ボート217を垂直に支持するとともに、ボートエレベータ115によりボート217が上昇したときに処理炉202の下端部を気密に閉塞する炉口蓋体としてのシールキャップ219が水平姿勢で設けられている。
【0019】
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200を、水平姿勢で、かつその中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に保持するように構成されている。
【0020】
カセット棚105の上方には、供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット134aが設けられている。クリーンユニット134aは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
【0021】
また、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびボートエレベータ115側の反対側にあたる筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう供給ファンと防塵フィル
タとを備えたクリーンユニット(図示せず)が設置されている。図示しない前記クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるように構成されている。
【0022】
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置101の動作について説明する。
【0023】
まず、カセット110が、工場内搬送装置によってカセット搬入搬出口(図示せず)から搬入され、ウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、筐体111の後方に向けて90°回転させられる。その結果、カセット110内のウエハ200は水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口は筐体111内の後方を向く。
【0024】
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107から移載棚123に移載されるか、もしくは直接、移載棚123に搬送される。
【0025】
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによって、ウエハ出し入れ口を通じてカセット110からピックアップされ、ウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作によって移載室124の後方にあるボート217に装填(ウエハチャージ)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載機構125は、カセット110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
【0026】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、ウエハ200群を保持したボート217が処理炉202内へ搬入(ボートローディング)される。ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。かかる処理については後述する。処理後は、ウエハ200およびカセット110は、上述の手順とは逆の手順で筐体111の外部へ搬出される。
【0027】
(3)処理炉の構成
続いて、本実施形態に係る処理炉202の構成について、図2、および図3を参照しながら説明する。図2は、図1に示す基板処理装置101の処理炉202の構成図であって、特に処理室201部分を断面図で示してある。また図3は、処理炉202部分を図2のA−A断面図で示している。
【0028】
(処理室)
本実施形態に係る処理炉202は、ウエハ200の表面に処理ガスを供給し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法によりウエハ200上に例えばAlO(酸化アルミニウム)等の薄膜を形成することが可能なように、例えば縦型処理炉として構成されている。
【0029】
図2に示すように、処理炉202は、反応管203とマニホールド209とを有している。反応管203は、例えば石英(SiO)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性を有する
非金属材料から構成され、上端部が閉塞され、下端部が開放された円筒形状に構成されている。マニホールド209は、例えばSUS等の金属材料から構成され、上端部及び下端部が開放された円筒形状に構成されている。反応管203は、マニホールド209により下端部側から縦向きに支持されている。反応管203の下端部、マニホールド209の上部および下部の開口端部にはそれぞれ環状のフランジが設けられている。反応管203下端部とマニホールド209上端部のフランジ間にはOリングなどの封止部材220設けられ、両者の間は気密に封止されている。
【0030】
反応管203及びマニホールド209の内部には、基板としてのウエハ200を複数積層して収容する処理室201が形成されている。そして、基板支持機構としてのボート217が、上述した昇降機構としてのボートエレベータ115によって下方から処理室201内に挿入されるように構成されている。
【0031】
ボート217は、複数枚(例えば75枚から100枚)のウエハ200を、略水平状態で所定の隙間(基板ピッチ間隔)をもって多段に保持するように構成されている。ウエハ200を装填したボート217の最大外径は、反応管203及びマニホールド209の内径よりも小さくなるように構成されている。ボート217は、ボート217を保持する保持体としてのボート支持台218を介してシールキャップ219上に搭載されている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。ボートエレベータ115が上昇した際には、マニホールド209下端部のフランジとシールキャップ219との間に設けられた封止部材220によって、両者の間は気密に封止される。先に述べた反応管203とマニホールド209との間、並びにマニホールド209とシールキャップ219との間が気密に封止されることで、処理室201内の気密性が保たれる。また、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を垂直方向に昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬送することが可能となっている。
【0032】
シールキャップ219の下方には、回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されており、処理室201内の気密性を保持したまま、複数のウエハ200を搭載したボート217を回転させることができるように構成されている。ボート217を回転させることで、ウエハ200の処理均一性を向上させることができる。
【0033】
反応管203の外周には反応管203と同心円状の円筒形状に、加熱機構としてのヒータ207が設けられており、処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱する。ヒータ207は、保持板としてのヒータベース210に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータベース210は、マニホールド209を固定している。
【0034】
主に、反応管203、マニホールド209、及びシールキャップ219により処理室201が構成され、ヒータ207、反応管203、マニホールド209、及びシールキャップ219により処理炉202が構成される。
【0035】
(多孔ノズル)
処理炉202は、処理室201内にウエハ200の積層方向に沿って立設され、複数のガス供給口248a、248cをそれぞれ有する多孔ノズル270aと多孔ノズル270cとを備えている。多孔ノズル270aおよび多孔ノズル270cは、垂直部と水平部とを有するL字形状にそれぞれ構成されている。多孔ノズル270aおよび多孔ノズル270cの垂直部は、反応管203の内壁を沿うように鉛直方向にそれぞれ配設されている。多孔ノズル270aおよび多孔ノズル270cの水平部は、マニホールド209の側壁を
それぞれ貫通するように設けられている。多孔ノズル270aの水平部は二股に分岐しており、例えば一種類または二種類のガスを処理室201内に供給可能なように構成されている。すなわち多孔ノズル270aは、二股に分岐した水平部が処理室201の下方で合流して垂直部に連通する合流タイプガス供給ノズルである。そして多孔ノズル270cは、一本の水平部が処理室201の下方で垂直部に連通する、独立した形の分離タイプガス供給ノズルである。
【0036】
多孔ノズル270aおよび多孔ノズル270cの垂直部側面には、複数のガス供給口248a、248cが鉛直方向に配列するようにそれぞれ設けられている。ガス供給口は、積層されたウエハ200の間にそれぞれ開口するように構成されている。ガス供給口は、処理室201内の略中心(処理室201内に搬入されたウエハ200の略中心)を向くようにそれぞれ構成されており、ガス供給口から供給されるガスは、それぞれ処理室201内の略中心に向けて噴射されるように構成されている。なお、ガス供給口248a、248cの開口径は、それぞれ下部から上部にわたって同一であってもよく、下部から上部にわたって徐々に大きくされてもよい。
【0037】
(酸化剤供給機構)
多孔ノズル270aの一方の上流端(水平端)には、例えば酸化剤としてのOガスを供給するガス供給管232aの下流端が接続されている。ガス供給管232aには上流側から順に、図示しないOガス供給源、流量制御機構であるマスフローコントローラ241a、開閉弁であるバルブ252aが設けられている。バルブ252aを開けることにより、マスフローコントローラ241aにより流量制御しながら、Oガス供給源から処理室201内にOガスを供給可能なように構成されている。ガス供給管232aのバルブ252aの下流側にはさらに、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234aの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234aには上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源と、図示しないマスフローコントローラと、バルブ254aとが設けられている。バルブ254aを開けることにより、マスフローコントローラにより流量制御しながら、不活性ガス供給源から処理室201内に不活性ガスを供給可能なように構成されている。不活性ガスを供給することで、Oガスの供給終了後、不活性ガスをパージして処理室201内に残留したOガスを排除したり、ガス供給管232a不使用時に他のガスを供給する場合に、他のガスの逆流を防止したりすることができる。
【0038】
主に、ガス供給管232a、バルブ252a、多孔ノズル270a、ガス供給口248aにより、処理室201内に酸化剤を供給する酸化剤供給機構が構成される。
【0039】
(第1原料供給機構)
多孔ノズル270aの他方の上流端(水平端)には、例えば液体原料としてのTMA(トリメチルアルミニウム:(CHAl)を気化させて得られる第1原料(気化ガス)としてのTMAガスを供給するガス供給管233bの下流端が接続されている。TMAは常温で液体であるため、処理室201内にTMAガスを供給するには、TMAを加熱して気化させてから供給する方法、キャリアガスとなるHe(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、N(窒素)などの不活性ガスをTMAの液体の中に供給し、TMAを気化させたガスをキャリアガスと共に処理室201内へと供給する方法(バブリング方式)などがある。以下に述べるのは、例としてキャリアガスを使用してTMAガスを供給する場合の構成である。
【0040】
この、キャリアガスを用いたTMAガスの供給系は上流側から順に、キャリアガスを供給するキャリアガス供給管232bとTMAガスを供給するガス供給管233bとを有する。キャリアガス供給管232bには上流側から順に、図示しないキャリアガス供給源、マスフローコントローラ241b、バルブ252b、TMA容器261bが設けられてい
る。TMA容器261b内にはTMAの液体が貯蔵されており、キャリアガス供給管232bの下流端はTMAの液体中に浸漬されている。そして、ガス供給管233bの上流端はTMA容器261b内のTMAの液面上方に配置されている。ガス供給管233bの下流側にはバルブ253bが設けられ、ガス供給管233bの下流端は、先述のように多孔ノズル270aの他方の上流端に接続されている。TMA容器261bからマニホールド209までのガス供給管233bには、ヒータ281bが設けられ、ガス供給管233bを例えば50〜60℃に保っている。バルブ252bを開けることにより、マスフローコントローラ241bにより流量制御しながら、キャリアガス供給源からTMA容器261b内にキャリアガスを供給してTMAの気化ガスを発生させることが可能なように構成されている。そして、バルブ253bを開けることにより、TMA容器261b内で発生したTMAガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給することが可能なように構成されている。
【0041】
ガス供給管233bのバルブ253bの下流側にはさらに、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234bの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234bには上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源と、図示しないマスフローコントローラと、バルブ254bとが設けられている。バルブ254bを開けることにより、マスフローコントローラにより流量制御しながら、不活性ガス供給源から処理室201内に不活性ガスを供給可能なように構成されている。
【0042】
多孔ノズル270aの垂直部分上部は、TMAの分解温度以上の領域に延在している。しかし、多孔ノズル270aの垂直部分下部の、ガス供給管233bとガス供給管232aとが合流する箇所は、TMAの分解温度未満の領域であり、ウエハ200およびその周辺の温度よりも低い温度領域である。
【0043】
主に、キャリアガス供給管232b、バルブ252b、TMA容器261b、ガス供給管233b、バルブ253b、多孔ノズル270a、ガス供給口248aにより、処理室201内に第1原料を供給する第1原料供給機構が構成される。
【0044】
(第2原料供給機構)
多孔ノズル270cの上流端(水平端)には、例えば液体原料としてのTEMAH(テトラキスエチルメチルアミノハフニウム:Hf(NEtMe))を気化させて得られる第2原料(気化ガス)としてのTEMAHガスを供給するガス供給管233cの下流端が接続されている。TEMAHは常温で液体であるため、TMAの場合と同様、ここでは例としてキャリアガスを使用してTEMAHガスを供給する場合の構成について述べる。
【0045】
この、キャリアガスを用いたTEMAHガスの供給系は上流側から順に、キャリアガスを供給するキャリアガス供給管232cとTEMAHガスを供給するガス供給管233cとを有する。キャリアガス供給管232cには上流側から順に、図示しないキャリアガス供給源、マスフローコントローラ241c、バルブ252c、TEMAH容器261cが設けられている。TEMAH容器261c内にはTEMAHの液体が貯蔵されており、キャリアガス供給管232cの下流端はTEMAHの液体中に浸漬されている。そして、ガス供給管233cの上流端はTEMAH容器261c内のTEMAHの液面上方に配置されている。ガス供給管233cの下流側にはバルブ253cが設けられ、ガス供給管233cの下流端は、先述のように多孔ノズル270cの上流端に接続されている。TEMAH容器261cからマニホールド209までのガス供給管233cには、ヒータ281cが設けられ、ガス供給管233cを例えば130℃に保っている。バルブ252cを開けることにより、マスフローコントローラ241cにより流量制御しながら、キャリアガス供給源からTEMAH容器261c内にキャリアガスを供給してTEMAHの気化ガスを発生させることが可能なように構成されている。そして、バルブ253cを開けることに
より、TEMAH容器261c内で発生したTEMAHガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給することが可能なように構成されている。
【0046】
ガス供給管233cのバルブ253cの下流側にはさらに、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234cの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234cには上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源と、図示しないマスフローコントローラと、バルブ254cとが設けられている。バルブ254cを開けることにより、マスフローコントローラにより流量制御しながら、不活性ガス供給源から処理室201内に不活性ガスを供給可能なように構成されている。
【0047】
そして主に、キャリアガス供給管232c、バルブ252c、TEMAH容器261c、ガス供給管233c、バルブ253c、多孔ノズル270c、ガス供給口248cにより、処理室201内に第2原料を供給する第2原料供給機構が構成される。
【0048】
(排気機構)
マニホールド209の側壁には、排気管231が接続されている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ251、真空排気装置としての真空ポンプ246が設けられている。APCバルブ251は、弁を開閉することで真空排気・排気停止ができ、さらに弁を開度調節することが可能な開閉弁である。真空ポンプ246を作動させつつ、APCバルブ251の開閉弁の開度を調整することにより、処理室201内を所望の圧力とすることが可能なように構成されている。
【0049】
主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ251、真空ポンプ246により、処理室201内の雰囲気を排気する排気機構が構成される。なお、排気管231等を含む排気機構は、図3に示すように、例えば多孔ノズル270a、270cと近接する位置に設けられている。ただし図2においては、排気機構の詳細な構造を示すため、紙面右側の、多孔ノズル270a、270cと対向する位置に図示した。
【0050】
図3に示すように、反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づき、ヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル270a、および270cと同様に、L字形状に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0051】
(制御機構)
制御機構であるコントローラ280は、マスフローコントローラ241a、241b、241c、APCバルブ251、252a、252b、252c、253b、253c、254a、254b、254c、ヒータ207、圧力センサ245、温度センサ263、真空ポンプ246、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。コントローラ280により、マスフローコントローラ241a、241b、241cの流量調整動作、APCバルブ251、252a、252b、252c、253b、253c、254a、254b、254cの開閉動作、さらにAPCバルブ251の圧力調整動作、ヒータ207の温度調整動作、圧力センサ245の圧力検出動作、温度センサ263による温度検出動作、真空ポンプ246の起動・停止、回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータ115の昇降動作の制御が行われる。
【0052】
(4)半導体デバイスの製造方法
続いて本実施形態に係る基板処理工程について、図15を用いて説明する。本実施形態
に係る基板処理工程は、例えばDRAM等の半導体デバイスの製造工程の一工程として実施される。図15に、半導体デバイスの主要構造部を形成する工程、すなわち下部電極形成工程、処理炉202による基板処理工程、相転移工程、および上部電極形成工程を示した。処理炉202による基板処理工程は図4に示すように、さらにAlO膜形成工程、HfO膜形成工程等を有する。以下、各工程について詳述する。
【0053】
〔下部電極形成工程〕
まず、処理炉202における基板処理工程に先駆けて、処理炉202とは異なる処理炉にて、シリコンからなるウエハ200上に下部電極として例えばTiN(窒化チタン)膜を形成する。このときTiN膜は、結晶性を持つ結晶質膜として形成される。
【0054】
〔処理炉202による基板処理工程〕
続いて、本実施形態にかかる基板処理工程の一工程について説明する。従来のCVD法やALD法では、例えばCVD法であれば、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを同時に供給し、またALD法であれば、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを交互に供給する。そして、ガス供給時のガス供給流量、ガス供給時間、処理室201内の温度、プラズマ方式の場合はプラズマパワー等の成膜条件を制御することによりAlO膜等を形成する。例えばAlO膜の形成においては、膜の組成比が化学量論組成であるO/Al≒0.67となるように、成膜条件を制御する。あるいは、形成する膜の組成比が化学量論組成とは異なる所定の組成比となるように、成膜条件を制御することも可能である。すなわち、形成する膜を構成する複数の元素のうち、少なくともひとつの元素が他の元素よりも化学量論組成に対して過剰となるように、成膜条件を制御する。このように、形成される膜を構成する複数の元素の比率、すなわち、膜の組成比を制御しつつ、成膜を行うことが可能である。以下において、ALD法により、異なる種類の元素を含む複数種類のガスを交互に供給して、化学量論組成を有する膜を形成するシーケンス例について説明する。
【0055】
CVD法の一種であるALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料を含む反応性ガスを1種類ずつ交互にウエハ200上に供給し、1原子層単位で基板上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。ALD法によりウエハ200上にAlO膜を形成する場合には、例えばAl含有原料を供給する工程と酸化剤を供給する工程とを1サイクルとし、このサイクルを所定回数実施する。1回のサイクルでは、不連続な1原子層未満、または数原子層のAlO膜が形成される。したがってAlO膜の膜厚は、サイクルの繰り返し回数により制御することができる。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、サイクルを20回行うことで20ÅのAlO膜を形成することができる。
【0056】
図4は、処理炉202にかかる基板処理工程のフロー図である。また、図5は本実施形態にかかる第1原料供給、酸化剤供給を交互に繰り返す際のそれぞれの供給・排気のタイミングを例示するタイミングチャートとしてのシーケンス図であり、図6は第2原料供給、酸化剤供給を交互に繰り返す際のそれぞれの供給・排気のタイミングを例示するタイミングチャートとしてのシーケンス図である。本実施形態では、第1の金属元素をAl(アルミニウム)とし、第1の金属元素を含む第1原料としてAl含有原料を用い、ウエハ200上に所望の非晶質膜(アモルファス膜)、例えばAlO膜を形成する。次に、第2の金属元素をHf(ハフニウム)とし、第2の金属元素を含む第2原料としてHf含有原料を用い、AlO膜上に所望の絶縁膜、例えばHfO膜を形成する。ここでAlO膜はAlを含む任意の組成の酸化アルミニウム膜であり、HfO膜はHfOを含む任意の組成の酸化ハフニウム膜である。
【0057】
Al含有原料としては、本実施形態においては例えばTMA(トリメチルアルミニウム
:(CHAl)を使用する。また、Hf含有原料としては例えば、TEMAH(テトラキスエチルメチルアミノハフニウム:Hf(NEtMe))、Hf(O−tBu)、TDMAH(テトラキスジメチルアミノハフニウム:Hf(NMe)、TDEAH(テトラキスジエチルアミノハフニウム:Hf(NEt)、Hf(MMP)、HfCl(ハフニウム四塩化物)等を使用することができる。本実施形態では、例えばTEMAHを使用する。なお、上記化学式中、「Et」はCを、「Me」はCHを、「O−tBu」はOC(CHを、「MMP」はOC(CHCHOCHをそれぞれ表わす。
【0058】
酸化剤としては、例えばHO(水蒸気)やO(オゾン)等を用いることができる。成膜中の膜の厚さが下部電極から5〜20Å程度のときには、下部電極のTiN膜が酸化されやすい。このため、酸化剤としてHOを用いたり、およそ200g/N・m以下の低濃度のOを用いると、TiN膜が酸化されるのを抑制することができる。一方、成膜中の膜がTiN膜の酸化を充分に抑制できる厚さとなったら、酸化剤として200g/N・m以上の高濃度のOを用いると、形成される膜の中の不純物が低減し、膜質が向上する。本実施形態では、酸化剤として例えばOを用いる。
【0059】
以下、先述の処理炉202により実施される基板処理工程について詳述する。以下の説明において、図3にかかる処理炉202を構成する各部の動作は、コントローラ280により制御される。
【0060】
(基板搬入工程S1)
まず、複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)する。そして、複数枚のウエハ200を保持したボート217を、ボートエレベータ115によって持ち上げて処理室201内に搬入(ボートローディング)する。この状態で、シールキャップ219は封止部材220を介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。基板搬入工程S1においては、バルブ254a,254b,254cを開けて、処理室201内にパージガスとしてのNガス等の不活性ガスを供給し続けることが好ましい。
【0061】
(減圧工程S2、昇温工程S3)
続いて、バルブ254a,254b,254cを閉じ、処理室201内が、例えば26〜10000Paの範囲となるように、処理室201内を真空ポンプ246により排気する。また、ウエハ200が所望の温度、例えば150℃〜250℃、より好ましくは250℃となるように、ヒータ207によって処理室201内の温度を制御する。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合をフィードバック制御する。そして、回転機構267によりボート217を回転させ、ウエハ200の回転を開始する。
【0062】
(AlO膜形成工程S4〜S8)
続いて、TiN膜上に非晶質膜としてのAlO膜を形成する。すなわち、図4のS4〜S7を1サイクルとし、このサイクルを所定回数行う(S8)ことにより、TiN膜上に所定膜厚のα−AlO(アモルファス・酸化アルミニウム)膜を形成する。
【0063】
(第1原料供給工程S4)
第1原料供給工程S4では、処理室201内に第1原料としてのTMAガスを流し、TiN膜表面にTMA分子を吸着させる。具体的には、バルブ252bを開けることにより、マスフローコントローラ241bにより流量制御しながら、図示しないキャリアガス供給源からTMA容器261b内に、キャリアガスを例えば1slm以下の流量で供給してTMAの気化ガスを発生させる。そして、バルブ253bを開けることにより、TMA容器261b内で発生したTMAガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給する。こ
のときAPCバルブ251の開度を調整して、処理室201内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば60Paに維持する。TMAガスの供給時間は、例えば10秒とする。その後さらにTMA分子をTiN膜表面に吸着させるために、APCバルブ251を閉じて排気を止め、例えば0〜10秒間、高圧雰囲気にTiN膜表面をさらしてもよい。所定時間が経過したら、バルブ252b、253bを閉じると共に、APCバルブ251を開ける。
【0064】
なおこの操作を行う間、ガス供給管232aの途中につながっている不活性ガス供給管234a、およびガス供給管233cの途中につながっている不活性ガス供給管234cから、バルブ254a、254cを開けて不活性ガスを流すと、ガス供給管232a、233cの側にTMAガスが回り込むのを防ぐことができる。
【0065】
このとき処理室201内に流れているガスは、TMAガス並びにN、Ar等のキャリアガスおよび不活性ガスのみであり、Oガス等の酸化剤は存在しない。したがって、TMAガスは気相反応を起こすことなく、ウエハ200上のTiN膜等の表面部分と化学吸着(表面反応)を起こして、TMA分子の吸着層またはAl層を形成する。TMA分子の吸着層とは、TMA分子の連続的な吸着層のほか、不連続な吸着層をも含む。Al層とは、Alにより構成される連続的な層のほか、これらが重なってできるAl薄膜をも含む。なお、これらすべてを指して、Al含有層という場合もある。
【0066】
(真空排気工程S5)
バルブ252b、253bを閉じ、処理室201内への第1原料の供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内を真空排気し、残留しているTMAの気化ガスを排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a、234b、234cからそれぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留TMAガスを排除する効果をさらに高めることができる。
【0067】
(酸化剤供給工程S6)
酸化剤供給工程S6では、処理室201内に酸化剤としてのOガスを流し、TiN膜上にAlO膜を形成する。具体的には、バルブ252aを開けることにより、マスフローコントローラ241aにより流量制御しながら、図示しないOガス供給源から処理室201内にOガスを供給する。このときAPCバルブ251の開度を調整して、処理室201内の圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。Oガスは、例えば250g/mの濃度で流量を15slmとする。Oガスの供給時間は、例えば20秒とする。所定時間が経過したら、バルブ252aを閉じると共に、APCバルブ251を開ける。
【0068】
なおこの操作を行う間、ガス供給管233bの途中につながっている不活性ガス供給管234b、およびガス供給管233cの途中につながっている不活性ガス供給管234cから、バルブ254b、254cを開けて不活性ガスを流すと、ガス供給管233b、233cの側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
【0069】
このようにOガスを供給することにより、ウエハ200上に吸着したAl含有層とOガスとが化学吸着(表面反応)を起こして、1原子層未満から数原子層のAlOの薄膜がウエハ200上に成膜される。
【0070】
(真空排気工程S7)
バルブ252aを閉じ、処理室201内へのOガスの供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内を真空排気し、残留しているOガスを排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a、234b、234cからそれ
ぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留Oガスを排除する効果をさらに高めることができる。
【0071】
(サイクル工程S8)
上記S4〜S7を1サイクルとし、このサイクルを所定回数実施することにより、TiN膜上に所定膜厚、例えば0.5〜5Åのα−AlO膜を形成する。このように少なくともAlO膜形成工程S4〜S8が終了した段階では、AlO膜は非晶質膜となっている。これにより、後述するHfO膜形成工程S9〜S13にてHfO膜を形成する際、下地のTiN膜の結晶性によるHfO膜への影響を抑制することができる。図5に、上述のサイクルを2サイクル行う例を示す。図5の横軸は経過時間を示し、縦軸は各ガスの供給・排気のタイミングを示している。
【0072】
(HfO膜形成工程S9〜S13)
続いて、α−AlO膜上に絶縁膜としてのα−HfO(アモルファス・酸化ハフニウム)膜を形成する。すなわち、図4のS9〜S12を1サイクルとし、このサイクルを所定回数行う(S13)ことにより、α−AlO膜上に所定膜厚のα−HfO膜を形成する。HfO膜形成工程S9〜S13におけるウエハ温度は、例えば150℃〜250℃、より好ましくは250℃とする。ウエハ温度が150〜250℃の範囲でHfO膜形成工程S9〜S13を行うと、単斜晶系の結晶構造となりづらく、α−HfO膜が得られやすい。
【0073】
(第2原料供給工程S9)
第2原料供給工程S9では、処理室201内に第2原料としてのTEMAHガスを流し、α−AlO膜表面にTEMAH分子を吸着させる。具体的には、バルブ252cを開けることにより、マスフローコントローラ241cにより流量制御しながら、図示しないキャリアガス供給源からTEMAH容器261c内に、キャリアガスを例えば5slmの流量で供給してTEMAHの気化ガスを発生させる。そして、バルブ253cを開けることにより、TEMAH容器261c内で発生したTEMAHガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給する。このときAPCバルブ251の開度を調整して、処理室201内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。TEMAHガスの供給時間は、例えば1〜120秒とする。その後さらにTEMAH分子をα−AlO膜表面に吸着させるために、APCバルブ251を閉じて排気を止め、例えば0〜4秒間、高圧雰囲気にα−AlO膜表面をさらしてもよい。所定時間が経過したら、バルブ252c、253cを閉じると共に、APCバルブ251を開ける。
【0074】
なおこの操作を行う間、ガス供給管232aの途中につながっている不活性ガス供給管234aおよび、ガス供給管233bの途中につながっている不活性ガス供給管234bから、バルブ254a、254bを開けて不活性ガスを流すと、ガス供給管232a、233bの側にTEMAHガスが回り込むことを防ぐことができる。
【0075】
このとき処理室201内に流れているガスは、TEMAHガス並びにN、Ar等のキャリアガスおよび不活性ガスのみであり、Oガス等の酸化剤は存在しない。したがって、TEMAHガスは気相反応を起こすことなく、α−AlO膜等の表面部分と化学吸着(表面反応)を起こして、TEMAH分子の吸着層またはHf層を形成する。TEMAH分子の吸着層とは、TEMAH分子の連続的な吸着層のほか、不連続な吸着層をも含む。Hf層とは、Hfにより構成される連続的な層のほか、これらが重なってできるHf薄膜をも含む。なお、これらすべてを指して、Hf含有層という場合もある。
【0076】
(真空排気工程S10)
バルブ252c、253cを閉じ、処理室201内への第2原料の供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内を真空排気し、残留しているTEMAHの
気化ガスを排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a、234b、234cからそれぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留TEMAHガスを排除する効果をさらに高めることができる。
【0077】
(酸化剤供給工程S11)
酸化剤供給工程S11では、処理室201内に酸化剤としてのOガスを流し、α−AlO膜上にHfO膜を形成する。具体的には、バルブ252aを開けることにより、マスフローコントローラ241aにより流量制御しながら、図示しないOガス供給源から処理室201内にOガスを供給する。このときAPCバルブ251の開度を調整して、処理室201内の圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。Oガスは、例えば250g/mの濃度で流量を15slmとする。Oガスの供給時間は、例えば120秒とする。所定時間が経過したら、バルブ252aを閉じると共に、APCバルブ251を開ける。
【0078】
なおこの操作を行う間、ガス供給管233bの途中につながっている不活性ガス供給管234b、およびガス供給管233cの途中につながっている不活性ガス供給管234cから、バルブ254b、254cを開けて不活性ガスを流すと、ガス供給管233b、233cの側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
【0079】
このようにOガスを供給することにより、α−AlO膜上に吸着したHf含有層とOガスが化学吸着(表面反応)を起こして、1原子層未満から数原子層のHfOの薄膜がα−AlO膜上に成膜される。
【0080】
(真空排気工程S12)
バルブ252aを閉じ、処理室201内へのOガスの供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内を真空排気し、残留しているOガスを排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a、234b、234cからそれぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留Oガスを排除する効果をさらに高めることができる。
【0081】
(サイクル工程S13)
上記S9〜S12を1サイクルとし、このサイクルを所定回数実施することにより、α−AlO膜上に所定膜厚、例えば30〜100Åの、絶縁膜としてのα−HfO膜を形成する。このようにHfO膜形成工程S9〜S13が終了した段階では、HfO膜はアモルファス構造となっている。これにより、後述する相転移工程にてα−HfO膜の結晶構造の少なくとも一部を、容易に正方晶系へと相転移させることができる。図6に、上述のサイクルを2サイクル行う例を示す。図6の横軸は経過時間を示し、縦軸は各ガスの供給・排気のタイミングを示している。
【0082】
(基板搬出工程S14)
所定膜厚のα−AlO膜、α−HfO膜の形成が完了したら、上述の手順とは逆の手順により、成膜後のウエハ200を処理室201内から搬出する。すなわち、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降して、マニホールド209の下端を開口するとともに、処理済のウエハ200をボート217に保持した状態でマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済みのウエハ200はボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。なお、ボート217を搬出するときには、バルブ254a,254b,254cを開け、処理室201内にパージガスを供給し続けることが好ましい。以上により、処理炉202による基板処理工程を終了する。
【0083】
〔相転移工程〕
処理炉202による基板処理工程終了後、図15に示す相転移工程にて、ウエハ200上に形成したα−HfO膜をアニーリング(加熱処理)することで、α−HfO膜の結晶構造の少なくとも一部を正方晶系へと相転移させる。この相転移工程は、例えば処理炉202とは異なる加熱炉にて行う。その際の加熱炉としては、例えばランプ加熱ユニットを有する炉を使用する。アニーリング中の雰囲気ガスとしては、N(窒素)、Ar(アルゴン)、H(水素)、O(酸素)等を用いる。これらの雰囲気ガスは、所望の膜に応じてガス種を変えることが可能である。本実施形態では、Nを用いた処理例について説明する。
【0084】
加熱炉の処理室内に、Nを例えば0.5slm〜5slmの範囲内、好ましくは3slmの流量で供給し、ウエハ温度が400℃〜700℃の範囲であって、好ましくは600℃となるよう、ランプユニットを用いてウエハを加熱する。400℃〜700℃の温度範囲は、成膜時に適用すればHfO膜が正方晶系の結晶構造をとりうる温度である。このような温度でウエハを1分間、保持することにより、α−HfO膜の結晶構造の少なくとも一部が正方晶系へと相転移した、結晶性絶縁膜としてのHfO膜が形成される。このように、非晶質膜であるAlO膜によって下地のTiNの結晶性の影響が抑えられるので、アモルファス構造となるようHfO膜を形成したうえで、少なくともその一部を容易に正方晶系へと相転移させることができる。
【0085】
〔上部電極形成工程〕
図15に示す上部電極形成工程は、例えば処理炉202とは異なる処理炉にて行う。先の工程で形成した正方晶系のHfO膜の上に、上部電極として例えばTiN膜を形成する。以上の工程を経て、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
【0086】
以上の工程を経て得られた、本実施形態にかかる半導体デバイス1の主要構造の断面図を、図7に示す。図7の半導体デバイス1は本実施形態の製造方法を用い、シリコンからなるウエハ200上に、結晶性を有する下部電極であるTiN膜310を形成し、TiN膜310上に非晶質膜であるAlO膜320を形成し、AlO膜320上に少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜であるHfO膜330を、そしてHfO膜330上に上部電極であるTiN膜340を、それぞれ形成したものである。
【0087】
(5)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示すひとつまたは複数の効果を奏する。
【0088】
本実施形態によれば、シリコンからなるウエハ200の上に形成された結晶性の下部電極であるTiN膜310の上に非晶質膜であるAlO膜320を形成している。これにより下地のTiN膜310の結晶性による影響が抑えられ、HfO膜形成工程S9〜S13においてキャパシタ絶縁膜となるHfO膜330をアモルファス構造となるよう形成することができる。そして相転移工程においては、ウエハ200を加熱してHfO膜330の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させることができる。これによって、高誘電率の結晶構造を持つHfO膜330を得ることができ、高誘電率のキャパシタ絶縁膜を有する半導体デバイス1を製造することができる。
【0089】
ところで、α−AlO膜を形成することなくHfO膜を形成する場合、HfO膜は、下地のTiN膜310の結晶性による影響を受けて単斜晶系(monoclinic)となり、誘電率が低い膜となる。これに対し、本実施形態のようにα−AlO膜を形成したうえでHfO膜等を形成する場合、α−HfO膜を経て少なくとも一部が正方晶系(tetragonal)のHfO膜とすることができ、誘電率が高い膜を得ることができる。ここで、誘電率が結晶構造の違いによって変化する様子について、図8および図9を用いて
説明する。
【0090】
図8(A)に単斜晶系の結晶格子を示し、図8(b)に正方晶系(tetragonal)の結晶格子を示す。図8(A)および(B)において、黒い球体で表わされたのがHf原子であり、白い球体で表わされたのがO原子である。図8(A)に示す単斜晶系と比較して、図8(B)に示す正方晶系の構造では分子体積が小さくなっている。このことは、正方晶系の構造においては結晶内部の分極子密度が単斜晶系に比べて増すことを意味している。この状態を同一分子数あたりで示した図が、図9である。図9(A)は単斜晶系の結晶状態を、図9(B)は正方晶系の結晶状態を、それぞれ模式的に示した図である。図9(A)および(B)においても、黒い球体がHf原子であり、白い球体がO原子である。図9(B)に示すように、正方晶系の結晶構造では単斜晶系と比べ、同一分子数あたりの表面積が減少するので、電荷密度が上がって誘電率が高くなる。以上、金属原子がHfの場合を例に説明したが、金属原子がZrである場合や、その他の金属酸化膜である場合であっても、結晶構造の違いによる同様の誘電率変化の効果がみられる。
【0091】
また、本実施形態のようにアニールによって正方晶系への相転移を行う場合には、アニール前のHfO膜を単斜晶系ではなくアモルファス構造とすることが重要である。単斜晶系は安定した構造を有するため、正方晶系へは相転移しづらいからである。アモルファスの状態からアニール温度を制御することによって、各系へと選択的に相転移させることが可能となる。
【0092】
さらに本実施形態においては、ウエハ200の上に形成された結晶性を有する下部電極であるTiN膜310と、TiN膜310の上に形成された非晶質膜であるAlO膜320と、AlO膜320の上に形成され、少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜であるHfO膜330と、を有する半導体デバイスとしている。これによって、高誘電率のキャパシタ絶縁膜を有する半導体デバイス1を製造することができる。
【0093】
[実施例]
以下に、本発明の実施例について比較例と共に説明する。
【0094】
下部電極上に非晶質膜を形成した場合と形成しない場合とで、その上に形成されるキャパシタ絶縁膜の比誘電率の差を比較した。実施例にかかる半導体デバイスとして、第1の実施形態の製造方法と同様の方法を用い、図7に示す構造と同様、シリコンからなるウエハ200の上に、結晶質のTiN膜310を形成し、TiN膜310の上に非晶質膜であるAlO膜320を形成し、AlO膜320の上に少なくとも一部が正方晶系のHfO膜330を形成し、HfO膜330の上にTiN膜340を形成した。そして、比較例にかかる半導体デバイス3は、AlO膜形成工程S4〜S8を除く第1の実施形態の製造方法と同様の方法を用いて製造し、図14に示すように、AlO膜320を有していない点以外は実施例と同様の構造とした。
このように製造された実施例および比較例の、HfO膜330の比誘電率を測定したデータを図10に示す。図10の縦軸は比誘電率kである。図10に示すように、TiN膜310とHfO膜330との間にAlO膜320を設けることで、HfO膜330の比誘電率が高まることが分かる。
【0095】
[第2の実施の形態]
続いて、第2の実施形態にかかる半導体デバイスの製造方法について説明する。第2の実施形態においては、第1の実施形態で説明したものと同様の基板処理装置101を用い、処理炉202においてかかる製造方法を実施するものとし、基板処理装置101および処理炉202の構成や動作についての説明は省略する。
【0096】
(1)半導体デバイスの製造方法
本実施形態にかかる半導体デバイスの製造方法の一工程として実施される、基板処理工程について説明する。ただし、下部電極形成工程および上部電極形成工程は第1の実施形態で示したものと同じ方法で実施するものとし、ここでは処理炉202による基板処理工程および相転移工程の詳細について、図11および図12を参照して説明をする。
【0097】
〔処理炉202による基板処理工程〕
図11は、処理炉202にかかる基板処理工程のフロー図である。また、図12は本実施形態にかかる第2原料供給、第3原料供給、および酸化剤供給を交互に繰り返す際のそれぞれの供給・排気のタイミングを例示するタイミングチャートとしてのシーケンス図である。本実施形態では、第2の金属元素をHfとし、第2の金属元素を含む第2原料としてHf含有原料を用い、ウエハ上に所望の第1の絶縁膜、例えばHfO膜を形成する。次に、第3の金属元素をAlとし、第3の金属元素を含む第3原料としてAl含有原料を用い、HfO膜上に所望の第2の絶縁膜、例えばAlO膜を形成する。ここでHfO膜はHfOを含む任意の組成の酸化ハフニウム膜であり、AlO膜はAlを含む任意の組成の酸化アルミニウム膜である。
【0098】
本実施形態においては、Hf含有原料として例えばTEMAHを用い、Al含有原料として例えばTMAを用いる。酸化剤としては、例えばOを使用する。
【0099】
以下、処理炉202により実施される基板処理工程について詳述するが、図11に示す基板処理工程S1〜サイクル工程S8まで、および基板搬出工程S20については第1の実施形態と同様であるから、ここでは積層膜としてのHfAlO膜形成工程S9〜S19の詳細について説明をする。ここでHfAlO膜は、任意の組成を持つハフニウムアルミネート膜である。
【0100】
(HfO膜形成工程S9〜S13)
AlO膜形成工程S4〜S8により形成された非晶質膜としてのAlO膜上に、第1の絶縁膜としてのα−HfO膜を形成する。すなわち、図11のS9〜S12を1サイクルとし(第1のサイクル)、このサイクルを所定回数行う(S13)ことにより、α−AlO膜上に所定膜厚のα−HfO膜を形成する。HfO膜形成工程S9〜S13におけるウエハ温度は、AlO膜形成工程S4〜S8と同様、例えば150℃〜250℃、より好ましくは250℃とする。この温度範囲では単斜晶系の結晶構造となりづらく、α−HfO膜が得られやすい。各工程の詳細については第1の実施形態と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0101】
(AlO膜形成工程S14〜S18)
続いて、α−HfO膜上に第2の絶縁膜としてのα−AlO膜を形成する。すなわち、図11のS14〜S17を1サイクルとし(第2のサイクル)、このサイクルを所定回数行う(S18)ことにより、α−HfO膜上に所定膜厚のα−AlO膜を形成する。AlO膜形成工程S14〜S18におけるウエハ温度は、HfO膜形成工程S9〜S13と同様、例えば150℃〜250℃、より好ましくは250℃とする。各工程の詳細については第1の実施形態のAlO膜形成工程S4〜S8と同様であるから、ここでは説明を省略する。なお本実施形態では、第3原料を第1原料と同一のAl含有元素、より具体的にはTMAガスとするので、第3原料であるTMAガスの供給には、第1原料供給機構を用いる。すなわち本実施形態においては、第1原料供給機構は第3原料供給機構をも兼ねる。
【0102】
(サイクル工程S19)
そして、S9〜S13までのHfO膜形成工程と、S14〜S18までのAlO膜形成工程とを1サイクルとし、これを所定回数繰り返すことにより、非晶質膜としてのAlO
膜上に所望の膜厚のα−HfAlO膜を形成する。好ましくは、HfO膜形成工程S9〜S13を所定回数行うごとに、1サイクルもしくは2サイクルのAlO膜形成工程S14〜S18を行う。図12に、上述のサイクルを各2サイクル行う例を示す。図12の横軸は経過時間を示し、縦軸は各ガスの供給・排気のタイミングを示している。このように、AlO膜形成工程S14〜S18を挿入する割合によって、α−HfO膜中のα−AlO膜の含有率を制御することができる。α−AlO膜の含有率は、後のアニール温度に応じて適宜設定することができる。アニール温度が600℃程度の場合は、α−AlO膜の含有率を例えば1〜10%の範囲となるよう設定することができ、より好ましくは8%以上とすると、α−HfAlO膜をほぼ100%、正方晶系へと相転移させることができる。アニール温度が700℃程度の場合は、α−AlO膜の含有率を例えば16%以上にするとよい。α−HfAlO膜は、例えば30〜100Åの膜厚となるよう成膜を行う。
【0103】
〔相転移工程〕
上記によりウエハ200上に形成したα−HfAlO膜をアニーリング(加熱処理)することで、α−HfAlO膜の結晶構造の少なくとも一部を正方晶系へと相転移させる。第1の実施形態と同様、本実施形態においては、処理炉202とは異なるランプ加熱ユニットを有する加熱炉にてアニーリングを行うものとし、雰囲気ガスには例えばNを用いる。
【0104】
加熱炉の処理室内に、Nを例えば0.5slm〜5slmの範囲内、好ましくは3slmの流量で供給し、ウエハ温度が400℃〜700℃の範囲であって、好ましくは600℃となるよう、ランプユニットを用いてウエハを加熱する。400℃〜700℃の温度範囲は、成膜時に適用すればHfAlO膜が正方晶系の結晶構造をとりうる温度である。このような温度でウエハを1分間、保持することにより、α−HfAlO膜の結晶構造の少なくとも一部が正方晶系へと相転移した、結晶性絶縁膜としてのHfAlO膜が形成される。
【0105】
以上の工程を経て得られた、本実施形態にかかる半導体デバイス2の主要構造の断面図を、図13に示す。図13の半導体デバイス2は本実施形態の製造方法を用い、シリコンからなるウエハ200上に、結晶性を有する下部電極であるTiN膜310を形成し、TiN膜310上に非晶質膜であるAlO膜320を形成し、AlO膜320上に少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜であるHfAlO膜331を、そしてHfAlO膜331上に上部電極であるTiN膜340を、それぞれ形成したものである。図13に示すように相転移前は、α−HfO膜332とα−AlO膜333とが交互に繰り返される積層膜334となっている。
【0106】
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示すひとつまたは複数の効果を奏する。
【0107】
本実施形態によれば、結晶性のTiN膜310の上に非晶質膜であるAlO膜320を形成しているから、HfAlO膜形成工程S9〜S19においてキャパシタ絶縁膜となるHfAlO膜331をアモルファス構造となるよう形成することができる。そして相転移工程においては、ウエハ200を加熱してHfAlO膜331の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させることができ、高誘電率の結晶構造を持つHfAlO膜331を得ることができる。
【0108】
また本実施形態によれば、相転移前のHfAlO膜331を第1の絶縁膜であるα−HfO膜332と、第2の絶縁膜であるα−AlO膜333とにより形成したので、より容易に正方晶系へと相転移させることができ、キャパシタ絶縁膜中、正方晶系の結晶構造をとる部分の割合を増やすことができる。
【0109】
HfO膜を形成する場合、Hfとは異なる金属元素、例えばAl等を添加すると、その混在比に応じて相転移温度が変化する。つまりHfに比してAlの混在比を上げていくと、より低いアニール温度で相転移させることができる。あるいはアニール温度が同じであれば、Alを含まないHfO膜よりも、膜中のより多くの部分を正方晶系へと相転移させることができる。一般に、HfO膜の比誘電率kは15〜40であり、AlO膜の比誘電率kは6〜13であるが、上記製造方法により得られた結晶性のHfAlO膜の比誘電率kは、例えば40程度であった。
【0110】
[他の実施の形態]
以上、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、いずれも第2原料としてHf含有原料を用いる場合について説明したが、第2原料としてZr(ジルコニウム)含有原料を用い、第1の実施形態においてはキャパシタ絶縁膜を少なくとも一部が正方晶系であるZrO膜等とし、第2の実施形態においてはキャパシタ絶縁膜を少なくとも一部が正方晶系であるZrAlO膜等とすることができる。
【0111】
一般に、単斜晶系のZrO膜の比誘電率kは25であり、単斜晶系のHfO膜よりも高い値を示す。このため、HfO膜やHfAlO膜の代わりにZrO膜やZrAlO膜を形成し、一部を正方晶系とすることで、より高誘電率のキャパシタ絶縁膜を得ることが期待できる。この場合Zr含有原料には、例えばTEMAZ(テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム:Zr(NEtMe)、)、Zr(O−tBu)、TDMAZ(テトラキスジメチルアミノジルコニウム:Zr(NMe)、TDEAZ(テトラキスジエチルアミノジルコニウム:Zr(NEt)、Zr(MMP)等を使用することができる。例えば第2原料としてTEMAZを用い、第3原料としてTMAを用い、酸化剤としてOガスを用いて形成した結晶性のZrAlO膜の比誘電率kは、40程度であった。
【0112】
また、上述した各実施形態ではスタック型DRAMを例に挙げて説明したが、本発明が適用される半導体デバイスは例えばトレンチ型DRAMであってもよく、その他キャパシタ絶縁膜や電荷保持膜を有する種々の半導体デバイスにも適用されうる。さらに本発明は、DRAMのキャパシタ絶縁膜を形成する場合に限られず、MOSFETやフラッシュメモリのゲート絶縁膜等、他の絶縁膜を形成する場合にも好適に適用可能である。
【0113】
また、本実施形態にかかる製造方法を実施する基板処理装置として、ALD法を用いた縦型処理炉を例に挙げて説明したが、本発明は例えばCVDやプラズマ技術を用いた各種基板処理装置にて実施をすることが可能である。さらに、アニール処理や、上部電極および下部電極形成を、同一の処理炉で行うことも可能である。
【0114】
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0115】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
【0116】
本発明の第1の態様は、
基板の上に形成された結晶質膜の上に非晶質膜を形成する非晶質膜形成工程と、
前記非晶質膜の上に前記結晶質膜の結晶構造とは独立して制御される結晶構造を持つ絶縁膜を形成する結晶性絶縁膜形成工程と、を有する
半導体デバイスの製造方法である。
【0117】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記非晶質膜の上に前記絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記基板を加熱して前記絶縁膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する。
【0118】
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記非晶質膜は第1の金属元素を含む非晶質金属酸化膜であり、
前記絶縁膜は第2の金属元素を含む金属酸化膜である。
【0119】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記非晶質膜形成工程は、
前記第1の金属元素を含む第1原料を所定温度に加熱した基板に供給する工程と、
酸化剤を所定温度に加熱した前記基板にさらに供給する工程と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施する。
【0120】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記第2の金属元素を含む第2原料を所定温度に加熱した前記基板に供給する工程と、
前記酸化剤を所定温度に加熱した前記基板にさらに供給する工程と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施する。
【0121】
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記絶縁膜は、
第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有する積層膜であり、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記非晶質膜の上に前記第1の絶縁膜を形成する第1の絶縁膜形成工程と、
前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成する第2の絶縁膜形成工程と、
前記基板を加熱して前記積層膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する。
【0122】
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記非晶質膜は第1の金属元素を含む非晶質金属酸化膜であり、
前記積層膜は第2の金属元素および第3の金属元素を含む金属酸化膜である。
【0123】
本発明の第8の態様は、第6または第7の態様に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記非晶質膜形成工程は、
前記第1の金属元素を含む第1原料を所定温度に加熱した基板に供給する工程と、
酸化剤を所定温度に加熱した前記基板にさらに供給する工程と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施する。
【0124】
本発明の第9の態様は、第6〜第8の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記第2の金属元素を含む第2原料を所定温度に加熱した前記基板に供給し、前記酸化
剤を所定温度に加熱した前記基板にさらに供給する工程と、
前記第3の金属元素を含む第3原料を所定温度に加熱した前記基板に供給し、前記酸化剤を所定温度に加熱した前記基板にさらに供給する工程と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施する。
【0125】
本発明の第10の態様は、第7〜第9の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記第1の金属元素は前記第3の金属元素と同一である。
【0126】
本発明の第11の態様は、第3〜第5の態様のいずれかまたは第7〜第10の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記第1の金属元素はアルミニウムであり、
前記第2の金属元素はハフニウムまたはジルコニウムである。
【0127】
本発明の第12の態様は、第1〜第11の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記非晶質膜形成工程および前記結晶性絶縁膜形成工程における前記基板の温度は150℃以上250℃以下である。
【0128】
本発明の第13の態様は、第3〜第5の態様のいずれかまたは第6〜第12の態様のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記相転移工程は、
窒素、アルゴン、水素、酸素のいずれかのガス雰囲気下で行い、
加熱した前記基板の温度は400℃以上700℃以下である。
【0129】
本発明の第14の態様は、
基板の上に形成された結晶性を有する下部電極と、
前記下部電極の上に形成された非晶質膜と、
前記非晶質膜の上に形成され、少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜と、を有する半導体デバイスである。
【0130】
本発明の第15の態様は、
結晶質膜が形成された基板を収容する処理室と、
前記処理室内の前記基板を加熱する加熱機構と、
前記処理室内に第1の金属元素を含む第1原料を供給する第1原料供給機構と、
前記処理室内に第2の金属元素を含む第2原料を供給する第2原料供給機構と、
前記処理室内に酸化剤を供給する酸化剤供給機構と、
前記処理室内を排気する排気機構と、
前記加熱機構と、前記第1原料供給機構と、前記第2原料供給機構と、前記酸化剤供給機構と、前記排気機構とを制御する制御機構と、を有し、
前記制御機構は、
前記加熱機構により前記処理室内に収容された前記基板を所定の温度に加熱させ、
前記第1原料供給機構による前記処理室内への前記第1原料の供給と、
前記排気機構による前記第1原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記処理室内への前記酸化剤の供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施させることによって前記結晶質膜の上に非晶質膜を形成させ、
前記第2原料供給機構による前記処理室内への前記第2原料の供給と、
前記排気機構による前記第2原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記処理室内への前記酸化剤の供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施させることによって前記非晶質膜の上に絶縁膜を形成させる
基板処理装置である。
【0131】
本発明の第16の態様は、
結晶質膜が形成された基板を収容する処理室と、
前記処理室内の前記基板を加熱する加熱機構と、
前記処理室内に第1の金属元素を含む第1原料を供給する第1原料供給機構と、
前記処理室内に第2の金属元素を含む第2原料を供給する第2原料供給機構と、
前記処理室内に第3の金属元素を含む第3原料を供給する第3原料供給機構と、
前記処理室内に酸化剤を供給する酸化剤供給機構と、
前記処理室内を排気する排気機構と、
前記加熱機構と、前記第1原料供給機構と、前記第2原料供給機構と、前記第3原料供給機構と、前記酸化剤供給機構と、前記排気機構とを制御する制御機構と、を有し、
前記制御機構は、
前記加熱機構により前記処理室内に収容された前記基板を所定の温度に加熱させ、
前記第1原料供給機構による前記処理室内への前記第1原料の供給と、
前記排気機構による前記第1原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記処理室内への前記酸化剤の供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施させることによって前記結晶質膜の上に非晶質膜を形成させ、
前記第2原料供給機構による前記処理室内への前記第2原料の供給と、
前記排気機構による前記第2原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記処理室内への前記酸化剤の供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を第1のサイクルとし、
前記第3原料供給機構による前記処理室内への前記第3原料の供給と、
前記排気機構による前記第2原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記処理室内への前記酸化剤の供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を第2のサイクルとし、
第1のサイクルおよび第2のサイクルを所定の組み合わせで所定回数実施させることによって前記非晶質膜の上に絶縁膜を形成させる
基板処理装置である。
【0132】
本発明の第17の態様は、
結晶質膜が形成された基板を収容する処理室内に収容する基板収容工程と、
加熱機構により前記処理室内に収容された基板を加熱する加熱工程と、
第1原料供給機構による第1の金属元素を含む第1原料の前記処理室内への供給と、
排気機構による前記第1原料の排気と、
酸化剤供給機構による酸化剤の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施することによって前記結晶質膜の上に非晶質膜を形成させる非晶質膜形成工程と、
第2原料供給機構による第2の金属元素を含む第2原料の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記第2原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記酸化剤の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施することによって前記非晶質膜の上に絶縁膜を形成させる
絶縁膜形成工程と、
雰囲気ガス供給機構により雰囲気ガスを前記処理室内に供給し、前記加熱機構により前記絶縁膜が形成された前記基板をさらに加熱して、前記絶縁膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する
半導体デバイスの製造方法である。
【0133】
本発明の第18の態様は、
結晶質膜が形成された基板を収容する処理室内に収容する基板収容工程と、
加熱機構により前記処理室内に収容された基板を加熱する加熱工程と、
第1原料供給機構による第1の金属元素を含む第1原料の前記処理室内への供給と、
排気機構による前記第1原料の排気と、
酸化剤供給機構による酸化剤の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施することによって前記結晶質膜の上に非晶質膜を形成させる非晶質膜形成工程と、
第2原料供給機構による第2の金属元素を含む第2原料の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記第2原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記酸化剤の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、
第3原料供給機構による第3の金属元素を含む第3原料の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記第3原料の排気と、
前記酸化剤供給機構による前記酸化剤の前記処理室内への供給と、
前記排気機構による前記酸化剤の排気と、を1サイクルとし、
このサイクルを所定回数実施することによって前記非晶質膜の上に絶縁膜を形成させる絶縁膜形成工程と、
雰囲気ガス供給機構により雰囲気ガスを前記処理室内に供給し、前記加熱機構により前記絶縁膜が形成された前記基板をさらに加熱して、前記絶縁膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する
半導体デバイスの製造方法である。
【0134】
本発明の第19の態様は、
基板の上に形成された結晶質膜の上に非晶質膜を形成する非晶質膜形成工程と、
前記非晶質膜の上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜を加熱して前記絶縁膜の少なくとも一部の結晶構造を変化させる相転移工程と、を有する成膜方法である。
【符号の説明】
【0135】
101 基板処理装置
200 ウエハ
201 処理室
280 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に形成された結晶質膜の上に非晶質膜を形成する非晶質膜形成工程と、
前記非晶質膜の上に前記結晶質膜の結晶構造とは独立して制御される結晶構造を持つ絶縁膜を形成する結晶性絶縁膜形成工程と、を有する
ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記非晶質膜の上に前記絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記基板を加熱して前記絶縁膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する
ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記絶縁膜は、
第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有する積層膜であり、
前記結晶性絶縁膜形成工程は、
前記非晶質膜の上に前記第1の絶縁膜を形成する第1の絶縁膜形成工程と、
前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成する第2の絶縁膜形成工程と、
前記基板を加熱して前記積層膜の少なくとも一部を正方晶系へ相転移させる相転移工程と、を有する
ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項4】
基板の上に形成された結晶性を有する下部電極と、
前記下部電極の上に形成された非晶質膜と、
前記非晶質膜の上に形成され、少なくとも一部が正方晶系の結晶性絶縁膜と、を有することを特徴とする半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−155033(P2011−155033A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13863(P2010−13863)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】