説明

半導体装置、及びその製造方法

【課題】 金属層と半導体層との接続抵抗の上昇を抑えた積層ゲート電極を有する半導体装置、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体装置10は、半導体基板11に形成された第1導電型のソース領域及びドレイン領域14と、ソース領域とドレイン領域との間に形成されたチャネル領域16と、チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜21とを有する。半導体装置10は更に、ゲート絶縁膜上に形成された金属ゲート電極層22と、金属ゲート電極層上に形成された、第1導電型とは逆の導電型である第2導電型の半導体ゲート電極層23とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されてなるMOS型半導体装置、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高性能化のためにMOS型半導体装置の微細化が進められるにつれて、MOS型半導体装置のチャネル長が短縮されてきている。MOS型半導体装置のゲート電極には一般的にポリシリコンが使用されている。より具体的には、Nチャネル型MOSFET(以下、NMOS)、及びPチャネル型MOSFET(以下、PMOS)のそれぞれにおいて、それぞれの閾値電圧の観点から、N型、及びP型にドープされたポリシリコンが使用されている。今後の更なる微細化の進展によりチャネル長がますます短縮されると、ゲート電極が幅狭化し、ポリシリコンゲートのゲート抵抗が増大する。
【0003】
これに関連し、ゲート電極を金属で形成する試みがなされている。しかしながら、金属ゲート電極は、半導体であるポリシリコンから成るゲート電極と比較して加工性に劣るという性質を有する。
【0004】
この金属ゲート電極の問題を解決するために、ゲート電極として、ゲート絶縁膜上に薄く形成された金属層とその上に形成されたポリシリコン層とから成る積層ゲート電極を採用することが検討されている。また、このような積層ゲート電極において、ポリシリコン層の上にシリサイド層を形成してゲート電極を更に低抵抗化することや、金属層/ポリシリコン層界面での反応を抑制するために金属層を多層化することが提案されている。
【特許文献1】米国特許第7098516号明細書
【特許文献2】米国特許第7226831号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/017122号明細書
【特許文献4】特開2006−156807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲート電極として、ゲート絶縁膜上に金属層とポリシリコン層とを含む積層ゲート電極を形成した場合、金属層に接する側のポリシリコン層に空乏層が形成され、トランジスタのオン電流が減少するという問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点に従った半導体装置は、半導体基板に形成された第1導電型のソース領域及び第1導電型のドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間に形成されたチャネル領域と、チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成された金属ゲート電極層と、金属ゲート電極層上に形成された第1導電型とは逆の導電型である第2導電型の半導体ゲート電極層とを有する。
【0007】
本発明の他の一観点に従った半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上に金属ゲート電極層を形成する工程と、金属ゲート電極層上に第1導電型の半導体ゲート電極層を形成する工程と、半導体ゲート電極層及び金属ゲート電極層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、ゲート電極をマスクとしてイオン注入を行い、半導体基板内に前記第1導電型とは逆の導電型である第2導電型のソース/ドレイン領域を形成する工程とを有する。
【発明の効果】
【0008】
ここで開示される半導体装置及びその製造方法によれば、金属層と半導体層との接続抵抗の上昇を抑えた積層ゲート電極を有する半導体装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置10の主要部を概略的に示す。半導体装置10は、半導体基板11、素子分離領域12、ゲート電極13、ソース/ドレイン領域14を有する。この半導体装置10はまた、必要に応じてのLDD(Lightly Doped Drain)領域15を有する。ソース/ドレイン領域14及びLDD領域15は、一対のソース/ドレインとして機能し、ゲート電極13の下の半導体基板11内に、チャネル領域16を画成している。図示された半導体装置10はPMOSであり、ソース/ドレイン領域14及びLDD領域15はP型にドープされ、N型半導体基板内、あるいはN型又はP型の半導体基板に形成されたNウェルなどのN型半導体領域内に形成されている。半導体基板11は、例えばシリコン(Si)ウェハ、又はSOI(Silicon On Insulator)ウェハ等とし得る。素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)であり、同一の半導体基板内に形成された隣接する半導体装置を絶縁分離する。
【0011】
ゲート電極13は、ゲート絶縁膜21上に形成された、金属ゲート電極層22及び半導体ゲート電極層23を有し、半導体装置10は更に、半導体ゲート電極層23上に保護膜24、及びこれらを含む積層体の側壁にサイドウォール25を有する。ゲート絶縁膜21は、例えば二酸化シリコン(SiO)層、窒化シリコン(SiN)層、ハフニウム酸化物(HfO)等の高誘電率誘電体層、又はこれらの組み合わせを有する。ゲート絶縁膜21として高誘電率誘電体層を用いる場合、チャネル領域でのキャリア移動度の観点から、ゲート絶縁膜21は、0.5nm−0.7nm程度のSiO層とその上の2nm程度の高誘電率誘電体層との積層とするのが好ましい。金属ゲート電極層22は、この場合はPMOSである半導体装置10の閾値電圧Vthを制御するものであり、PMOSの動作に適した仕事関数の金属を有する。例えば、図1における金属ゲート電極層22は、5eV程度の仕事関数の金属を有する。他の例では、図1における金属ゲート電極層22は、例えばハフニウム窒化物(HfN)、チタン窒化物(TiN)又はタンタル窒化物(TaN)等の導電性金属窒化物を有する。半導体ゲート電極層23は、ソース/ドレイン領域14の導電型(P型)と逆の導電型(N型)にドープされたポリシリコンを有する。保護膜24は、サイドウォール25をマスクとしたソース/ドレイン領域14への不純物注入時に、半導体ゲート電極層23に不純物が注入されるのを阻止するのに十分な厚さを有し、例えば、30nm程度の厚さのSiN膜を含む。
【0012】
金属ゲート電極層22は、上述のように、半導体装置10の閾値電圧を制御する機能も有する。また、金属ゲート電極層22は、加工の容易性を考慮して、例えば10nm程度など、半導体ゲート電極層23の厚さ(例えば、50nm)より小さい厚さに形成されることが好ましい。
【0013】
半導体装置10のゲート電極13は、金属ゲート電極層22及びN型ポリシリコンゲート電極層23を含む積層ゲート電極を有する。これにより、PMOSトランジスタである半導体装置10のゲート電極に負電圧が印加され、PMOSトランジスタである半導体装置10がオンとなる状態において、N型ポリシリコンゲート電極層23中のキャリアは金属ゲート電極層側に移動するため、空乏化の問題が発生しない。従って、N型ポリシリコンの半導体ゲート電極層23と金属ゲート電極層22との電気的接続が確保される。
【0014】
以上、本発明の第1実施形態に係る半導体装置10を、PMOSを参照して説明した。しかしながら、この第1実施形態はNMOSにも同様に適用可能である。その場合、N型及びP型の各導電型は逆にされる。すなわち、ソース/ドレイン領域14及びLDD領域15はN型、半導体ゲート電極層23はP型にドープされる。また、この場合、金属ゲート電極層22は、NMOSの動作に適した仕事関数を有する金属から成る。例えば、NMOSの金属ゲート電極層22は、4eV程度の仕事関数を有する金属を有する。他の例では、NMOSの金属ゲート電極層22は、例えばハフニウム炭化物(HfC)、チタン炭化物(TiC)又はタンタル炭化物(TaC)等の導電性金属炭化物を有する。さらに、半導体装置10は、所謂ポケット領域等を有していてもよい。
【0015】
続いて、図2を用いて、図1の半導体装置10の製造方法を説明する。図2において、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を用いる。
【0016】
先ず図2(a)に示すように、例えばシリコンウェハである半導体基板11に素子分離領域としてSTI12を形成した後、半導体基板11の全面に、後にゲート酸化膜21に画成される絶縁層21’を形成する。半導体基板11は、必要に応じて、形成されるPMOS又はNMOSに対応したNウェル又はPウェルを有する。STI12の形成方法は、当業者に周知であり、ここでは説明を要しない。絶縁層21’は、例えば、熱酸化により成長されたSiO層、化学的気相成長(CVD)法により堆積されたSiO層、SiN層、若しくはHfO等の高誘電率誘電体層、又はこれらの組み合わせを有する。
【0017】
次に、図2(b)に示すように、後に金属ゲート電極層22に形成される金属層22’、半導体ゲート電極層23に形成される半導体層23’、及び保護膜24に形成される例えばSiN膜から成る絶縁層24’を堆積する。さらに、絶縁層24’上に、パターニングされたレジスト層26を形成する。金属層22’は、例えば、HfN、TiN又はTaN等の導電性金属窒化物であってもよく、その場合、物理的気相成長(PVD)法又は原子層堆積(ALD)法によって、例えば10nmの厚さに成膜し得る。SiN層24’は、例えばNH及びSiHの混合ガスを用いたCVD法によって、例えば30nmの厚さに成膜し得る。レジスト層26は、例えば、周知のフォトリソグラフィによってパターニングし得る。
【0018】
半導体層23’は、ポリシリコンとしてもよく、その場合、例えばSiHガスを用いたCVD法によって、例えば580℃の温度で50nmの厚さに成膜し得る。半導体層23’は、堆積時に、あるいは堆積後のイオン注入によって、PMOSの場合はリン(P)又はヒ素(As)等のN型不純物、NMOSの場合にはボロン(B)等のP型不純物でドープされる。
【0019】
次に、図2(c)に示すように、レジスト層26をマスクとして用いて、ゲート絶縁膜21、金属ゲート電極層22、半導体ゲート電極層23及び保護膜24を含んだ積層体を形成する。さらに、必要に応じて、イオン注入27によってLDD領域15を形成し、レジスト層26を除去する。この積層体(21−24)の形成は、反応性イオンエッチング(RIE)等のエッチングを用いて行い得る。代替的に、レジスト層26をマスクとしたエッチングによって保護膜24を画成した後にレジスト層26を除去し、保護膜24をハードマスクとして残りの層をエッチングしてもよい。なお、図2においては、この段階で絶縁層21’をエッチングしているが、絶縁層21’は、後のサイドウォール25形成の工程で除去してもよい。
【0020】
イオン注入27によるLDD領域15の形成は、レジスト層26及び/又は積層体(21−24)をマスクとして、例えば、PMOSの場合はBを1keVの加速エネルギー、1×1015cm−2のドーズ量で、NMOSの場合にはAsを4keVの加速エネルギー、1×1015cm−2のドーズ量で、半導体基板11に注入して行う。さらに、この段階で、ポケット注入を行ってもよい。これは、例えば、PMOSの場合はAsを80keVの加速エネルギー、2×1013cm−2のドーズ量で、NMOSの場合にはBを10keVの加速エネルギー、2×1013cm−2のドーズ量で、半導体基板11に注入して行う。
【0021】
そして、図2(d)に示すように、積層体(21−24)の両側の側壁にサイドウォール25を形成し、イオン注入28及びその後の熱処理によってソース/ドレイン領域14を形成する。サイドウォール25の形成は、例えば、積層体(21−24)の上方及び側方を含めて半導体基板11の全面にSiO膜などの絶縁膜を堆積した後、この絶縁膜を異方性エッチングすることによって行うことができる。イオン注入28は、例えば、PMOSの場合はBを5keVの加速エネルギー、5×1015cm−2のドーズ量で、NMOSの場合にはPを20keVの加速エネルギー、7×1015cm−2のドーズ量で、半導体基板11に注入して行う。このとき、図2(b)の段階で不純物がドープされた半導体ゲート電極層23は、保護膜24によってイオン注入28から保護される。すなわち、PMOSの場合には、半導体ゲート電極層23はN型、ソース/ドレイン領域14はP型にドープされ、NMOSの場合には、半導体ゲート電極層23はP型、ソース/ドレイン領域14はN型にドープされる。イオン注入28後の熱処理は、ソース/ドレイン領域14に注入された不純物が活性化されるように、例えば急速熱アニール(RTA)によって行うことができる。以上の工程群により、図1の半導体装置10が得られる。
【0022】
続いて、図3及び図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る半導体装置10の変形例を説明する。図3及び図4において、図1及び図2と同一の構成要素には同一の参照符号を用いる。
【0023】
図3に示す半導体装置30は、図1の半導体装置10と、ゲート電極33上に保護膜24に代えて金属半導体化合物層34を有する点、及びソース/ドレイン領域14に金属半導体化合物層39を有する点を除いて同様である。
【0024】
金属半導体化合物層34は、例えば、ニッケル(Ni)シリサイド、コバルト(Co)シリサイド又はタングステン(W)シリサイド等の金属シリサイドを含み、金属ゲート電極層22及び半導体ゲート電極層23とともにゲート電極を構成する。金属ゲート電極層22、及び例えばポリシリコンを含む半導体ゲート電極層23の上に、低抵抗の金属シリサイド層を有することにより、この半導体装置30は図1の半導体装置10より低抵抗のゲート電極を実現することが可能である。特に、金属ゲート電極層22が上述のような金属窒化物又は金属炭化物から成る場合など、金属ゲート電極層22より低抵抗の金属半導体化合物層34を形成することが好ましい。なお、金属半導体化合物層34が厚いほど全体としてのゲート抵抗が低減されるが、製造プロセスの観点から、金属半導体化合物層34と39とは同一工程にて形成することが好ましい。その場合、金属半導体化合物層34の厚さは、ソース/ドレイン領域14に適したシリサイド化プロセスによって制約されるため、半導体ゲート電極層23は部分的にのみシリサイド化され、シリサイド化されない部分が残存することになる。
【0025】
図4は、図3の半導体装置30の製造方法を示す。半導体装置30の製造方法は、図2(a)−(d)に示された半導体装置10の製造方法を含み、図4(a)の工程は図2(d)の工程に続くものである。
【0026】
図4(a)に示すように、先ず、半導体ゲート電極層23上の保護膜24を除去する。この除去は、例えば、保護膜24がSiNから成り、サイドウォール25がSiOから成る場合、SiNとSiOとの間で選択性を有するエッチングによって行うことができる。
【0027】
次に、図4(b)に示すように、半導体ゲート電極層23上の金属半導体化合物層34及びソース/ドレイン領域14上部の金属半導体化合物層39を形成する。金属半導体化合物層34及び39の形成は、図4(a)の構造の全面に、Ni、Co又はW等の高融点金属を堆積し、この金属のシリサイドを形成するのに適した温度で熱処理することにより行うことができる。例えば、スパッタ法によってNiを厚さ5nmに堆積した後に熱処理を加えることで、半導体ゲート電極層23の上部及びソース/ドレイン領域14の上部がニッケルシリサイド層34及び39に変換される。また、シリサイド層を均一に形成するために、NiにPtを添加してもよい。
【0028】
なお、金属半導体化合物層34及び39は、異なる工程で、異なる金属を用いて、あるいは、異なる厚さに形成することも可能である。例えば、ゲート抵抗の低減の観点から、金属半導体化合物層34を金属半導体化合物層39より厚く形成してもよい。
【0029】
また、ソース/ドレイン領域14の金属半導体化合物層39は、ゲート抵抗低減の観点からは必ずしも必要なものではない。
【0030】
以上、本発明の一実施形態に係るPMOS及びNMOSの構造及びその製造方法を説明した。続いて、PMOS及びCMOSの双方を有する相補型MOSFET(CMOS)への本発明の適用を説明する。
【0031】
図5は、本発明の第2実施形態に係るCMOS型半導体装置50の主要部を概略的に示す。CMOS型半導体装置50は、PMOS50a及びNMOS50bを有し、これらのMOSFET50a、50bは、それぞれ、半導体基板51内の素子分離領域52によって隔てられたN型半導体領域、P型半導体領域に形成されている。PMOS50a、NMOS50bは、それぞれ、ゲート電極53a、53bと、ソース/ドレイン領域54a、54bと、必要に応じてのLDD領域55a、55bとを有する。PMOS50aのソース/ドレイン領域54a及びLDD領域55aはP型にドープされ、NMOS50bのソース/ドレイン領域54b及びLDD領域55bはN型にドープされている。半導体基板51は、例えばSiウェハ、又はSOIウェハ等とし得る。素子分離領域12は、例えばSTIであり、PMOS50aとNMOS50bとを絶縁分離する。
【0032】
PMOS50aのゲート電極53aは、金属ゲート電極層62a及び半導体ゲート電極層63aを含む。PMOS50aは更に、ゲート電極53a下のゲート絶縁膜61、ゲート電極53a上の保護膜64、及びこれらを含む積層体の側壁に形成されたサイドウォール65を有する。金属ゲート電極層62aは、PMOS50aの動作に適した仕事関数を有する金属から成る。例えば、金属ゲート電極層62aは、5eV程度の仕事関数を有する金属、又はHfN、TiN若しくはTaN等の導電性金属窒化物を有する。半導体ゲート電極層63aは、ソース/ドレイン領域54aの導電型(P型)と逆の導電型(N型)に高濃度にドープされたポリシリコンを有する。
【0033】
一方、NMOS50bのゲート電極53bは、金属ゲート電極層62b及び半導体ゲート電極層63bを含む。NMOS50bは更に、ゲート電極53b下のゲート絶縁膜61、ゲート電極53b上の保護膜64、及びこれらを含む積層体の側壁に形成されたサイドウォール65を有する。金属ゲート電極層62bは、NMOS50bの動作に適した仕事関数を有する金属から成る。例えば、金属ゲート電極層62bは、4eV程度の仕事関数を有する金属、又はHfC、TiC若しくはTaC等の導電性金属炭化物を有する。半導体ゲート電極層63bは、ソース/ドレイン領域54bの導電型(N型)と逆の導電型(P型)に高濃度にドープされたポリシリコンを有する。
【0034】
また、PMOS50a及びNMOS50bそれぞれの金属ゲート電極層62a及び62bは、例えば10nm程度など、それぞれの半導体ゲート電極層63a及び63bの厚さ(例えば、50nm)より小さい厚さに形成されるのが好ましい。
【0035】
CMOS型半導体装置50においては、PMOS50aのゲート電極53aは、金属ゲート電極層62a及びN型ポリシリコンゲート電極層63aを含む積層ゲート電極を有する。また、NMOS50bのゲート電極53bは、金属ゲート電極層62b及びP型ポリシリコンゲート電極層63bを含む積層ゲート電極を有する。これにより、PMOS50a及びNMOS50bそれぞれのオン状態において、ポリシリコンゲート電極層63a及び63bには空乏化の問題が発生しない。
【0036】
なお、ゲート絶縁膜61、保護膜64、サイドウォール65の材料及び厚さなどは、図1のPMOS10を参照して説明されたものと同様とし得る。しかしながら、これらの構造の材料及び厚さなどは、必要に応じて、PMOS50aとNMOS50bとで異なるように選定されてもよい。また、CMOS型半導体装置50は、所謂ポケット領域等を有していてもよい。
【0037】
続いて、図6及び図7を用いて、図5のCMOS型半導体装置50の製造方法を説明する。図6及び図7において、図5と同一の構成要素には同一の参照符号を用いる。また、図2に示されたPMOS又はNMOSの製造方法と共通する事項については詳細には説明しない。
【0038】
先ず図6(a)に示すように、半導体基板51に素子分離領域としてSTI52を形成した後、半導体基板51の全面に、絶縁層61’、金属層62a’、及び誘電体層66を順次形成し、レジスト層67の塗布・パターニングを行う。半導体基板51は、例えばシリコンウェハであり、PMOSが形成されるN型のPMOS領域と、NMOSが形成されるP型のNMOS領域とを有している。絶縁層61’は、後にPMOS及びNMOSのゲート絶縁膜に形成される層であり、例えば、SiO層、SiN層、若しくはHfO等の高誘電率誘電体層、又はこれらの組み合わせを有する。金属層62a’は、例えば、厚さ10nmのHfN層から成る。誘電体層66は後に除去される層であり、例えばSiNから成る。レジスト層67は、PMOS領域を覆い且つNMOS領域を露出させるようにパターニングされる。
【0039】
次に、誘電体層66及び金属層62a’のパターニングにより、図6(b)に示すようにPMOS領域上にのみ誘電体層66及び金属層62a’を残存させる。金属層62a’は、例えば、硝酸アンモニウムを用いてエッチングすることができる。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、図6(b)の構造上に、金属層62b’、及び誘電体層68を形成し、レジスト層69の塗布・パターニングを行う。金属層62b’は、例えば、厚さ10nmのHfC層から成る。誘電体層68は後に除去される層であり、例えばSiNから成る。レジスト層69は、NMOS領域を覆い且つPMOS領域を露出させるようにパターニングされる。
【0041】
次に、図6(b)の工程と同様にして、誘電体層68及び金属層62b’のパターニングにより、図6(d)に示すようにNMOS領域上にのみ誘電体層68及び金属層62b’を残存させる。これにより、PMOS領域上には絶縁層61’、金属層62a’及び誘電体層66が積層され、NMOS領域上には絶縁層61’、金属層62b’及び誘電体層68が積層された構造が得られる。
【0042】
続いて、図7(a)に示すように、PMOS領域上の誘電体層66の除去と、N型にドープされたポリシリコン層63a’の全面堆積と、誘電体層64’の堆積及びパターニングとを行う。N型のポリシリコン層63a’は、好ましくは、P又はAsでドープされる。誘電体層64’は例えば、SiN膜を有し、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて、PMOS領域を覆い且つNMOS領域を露出させるようにパターニングされる。
【0043】
次に、図7(b)に示すように、誘電体層64’をマスクとして、NMOS領域上のポリシリコン層63a’及び誘電体層68を除去する。
【0044】
次に、図7(c)に示すように、P型にドープされたポリシリコン層63b’の全面堆積と、誘電体層64’の堆積及びパターニングと、PMOS領域上のポリシリコン層63b’の除去を行う。P型のポリシリコン層63b’は、好ましくは、Bでドープされる。ここで堆積された誘電体層64’は、PMOS領域上のポリシリコン層63b’の除去のため、NMOS領域を覆い且つPMOS領域を露出させるようにパターニングされる。また、ここで堆積された誘電体層64’は、図7(a)の工程で堆積された誘電体層と同一の材料(例えば、SiN)及び実質的に同一の厚さ(例えば、30nm)とし得る。これにより、PMOS領域上には絶縁層61’、金属層62a’、N型ポリシリコン層63a’及び誘電体層64’が積層され、NMOS領域上には絶縁層61’、金属層62b’、P型ポリシリコン層63b’及び誘電体層64’が積層された構造が得られる。
【0045】
次に、図7(d)に示すように、PMOS領域において、図2(b)−(d)を参照して説明されたようにして、積層構造のパターニング、LDD領域55aのイオン注入、サイドウォール65の形成、及びソース/ドレイン領域54aのイオン注入を行う。この間、NMOS領域をフォトレジストで覆ったままにすることにより、NMOS領域をエッチングやイオン注入から保護することができる。
【0046】
そして、図7(e)に示すように、NMOS領域において、図2(b)−(d)を参照して説明されたようにして、積層構造のパターニング、LDD領域55bのイオン注入、サイドウォール65の形成、及びソース/ドレイン領域54bのイオン注入を行う。この間、PMOS領域をフォトレジストで覆ったままにすることにより、PMOS領域をエッチングやイオン注入から保護することができる。以上の工程群により、図5のCMOS型半導体装置50が得られる。
【0047】
図6及び図7に示したCMOS型半導体装置50の製造方法によれば、PMOS50a及びNMOS50bの半導体ゲート電極層63a及び63bは、それぞれ、ポリシリコン層63a’及び63b’の堆積時にN型及びP型にドープされる。そして、保護膜64はソース/ドレイン領域54a及び54bを形成する際のイオン注入工程において、半導体ゲート電極層63a及び63bにイオンが注入されることを防ぐ。
【0048】
図8は、CMOS型半導体装置50を製造する他の1つの方法を示す。この方法は、図6及び図7の方法と比較して、半導体ゲート電極層63a及び63bのドーピングがソース/ドレイン領域54a及び54bのイオン注入に先立って行われる点で同じであるが、このドーピングがイオン注入によって行われる点で相違する。
【0049】
図8に示す製造方法は、図6及び図7の製造方法と、図6(a)−(d)の工程群を共通とする。すなわち、図8(a)に示す工程は、図6(d)の工程に続くものである。図8の製造方法においては、図8(a)に示すように、図6(d)に示したPMOS領域上の誘電体層66及びNMOS領域上の誘電体層68をともに除去し、PMOS領域及びNMOS領域の双方上にポリシリコン層63’及び誘電体層64’を堆積する。ポリシリコン層63’は、好ましくはアンドープのポリシリコンから成るが、N型又はP型にドープされていてもよい。
【0050】
次に、図8(b)に示すように、NMOS領域を覆い且つPMOS領域を露出させるようにパターニングされたレジスト層81を形成し、N型不純物のイオン注入82を行う。これにより、PMOS領域上のポリシリコン層63’のみが選択的にドープされ、N型のポリシリコン層63a’に変換される。このN型不純物のイオン注入82においては、好ましくは、P、As又はSbを注入し得る。
【0051】
次に、図8(c)に示すように、NMOS領域上のレジスト層81を除去し、レジスト層81とは逆にPMOS領域を覆い且つNMOS領域を露出させるようにパターニングされたレジスト層83を形成し、P型不純物のイオン注入84を行う。これにより、NMOS領域上のポリシリコン層63’のみが選択的にドープされ、P型のポリシリコン層63b’に変換される。このP型不純物のイオン注入84においては、好ましくは、B、Ga又はInを注入し得る。
【0052】
そして、図8(d)及び(e)に示すようにして、図5のCMOS型半導体装置50が得られる。これらの工程は、図7(d)及び(e)と同様である。
【0053】
図8の製造方法は、PMOS及びNMOSの双方に対して、ポリシリコン層63’及び誘電体層64’を同時に形成することが可能であり、製造上のスループット向上及びコスト削減が可能である。
【0054】
図9は、CMOS型半導体装置50を製造する更なる他の1つの方法を示す。この方法は、図6−図8を用いて説明された2つの方法と比較して、半導体ゲート電極層63a及び63bのドーピングがソース/ドレイン領域54a及び54bのイオン注入と同時に行われる点で相違する。
【0055】
図9に示す製造方法は、図6及び図7の製造方法と、図6(a)−(d)の工程群を共通とする。すなわち、図9(a)に示す工程は、図6(d)の工程に続くものである。図9の製造方法においては、図9(a)に示すように、図6(d)に示したPMOS領域上の誘電体層66及びNMOS領域上の誘電体層68をともに除去し、PMOS領域及びNMOS領域の双方上にポリシリコン層63’及び誘電体層64’を堆積する。ポリシリコン層63’は、好ましくはアンドープのポリシリコンから成るが、N型又はP型にドープされていてもよい。誘電体層64’は、この場合、後に行われるソース/ドレイン領域54a及び54bへのイオン注入によってCMOS型半導体装置50の半導体ゲート電極層63a及び63bにも不純物が注入されるように十分薄く形成される。他の例では、誘電体層64’ひいてはCMOS型半導体装置50の保護層64は形成されなくてもよい。
【0056】
次に、図9(b)に示すように、PMOS及びNMOSの、ゲート積層体の形成と、LDD領域55a及び55bのイオン注入と、サイドウォール65の形成とを行う。ゲート積層体の形成のためのエッチングやサイドウォール65の形成は、この場合、PMOS及びNMOSの双方に対して同時に行うことができる。
【0057】
次に、図9(c)に示すように、PMOSのゲート積層体の頂部とNMOSのゲート積層体の頂部以外とを覆い、それ以外の領域を露出させるようにパターニングされたレジスト層91を形成し、P型不純物のイオン注入92を行う。これにより、PMOSのソース/ドレイン領域54aが形成されるとともに、NMOSのポリシリコンゲート電極層63’がP型ポリシリコンゲート電極層63bに変換される。このP型不純物のイオン注入92においては、好ましくは、B、Ga又はInを注入し得る。
【0058】
次に、図9(d)に示すように、レジスト層91を除去し、レジスト層91とは逆にNMOSのゲート積層体の頂部とPMOSのゲート積層体の頂部以外とを覆い、それ以外の領域を露出させるようにパターニングされたレジスト層93を形成し、N型不純物のイオン注入94を行う。これにより、NMOSのソース/ドレイン領域54bが形成されるとともに、PMOSのポリシリコンゲート電極層63’がN型ポリシリコンゲート電極層63aに変換される。最後に、レジスト層93を除去することにより、保護層64の厚さ又は有無を除いて図5のCMOS型半導体装置50と同一の構造が得られる。
【0059】
図9の製造方法は、ゲート電極53a及び53b上でのレジスト層91及び93のパターニングを必要とするが、PMOS及びNMOSの双方に対して、ポリシリコン層63’及び誘電体層64’の形成、並びにゲート電極53a及び53bの形成を同時に行うことができ、製造上のスループット向上及びコスト削減が可能である。
【0060】
図10は、本発明の第3実施形態に係るCMOS型半導体装置100の主要部を概略的に示す。CMOS型半導体装置100は、該装置が含むPMOS100a及びNMOS100bの双方の半導体ゲート電極層113がともにN型にドープされていることを除いて、図5に示した第2実施形態に係るCMOS型半導体装置50と同一である。
【0061】
すなわち、PMOS100a、NMOS100bは、それぞれ、ゲート電極103a、103bと、ソース/ドレイン領域104a、104bと、必要に応じてLDD領域105a、105bとを有する。そして、PMOS100aのゲート電極103aは金属ゲート電極層112a及び半導体ゲート電極層113を含む。PMOS100aは更に、ゲート電極103a下のゲート絶縁膜111、ゲート電極103a上の保護膜114、及びこれらを含む積層体の側壁に形成されたサイドウォール115を有する。一方、NMOS100bのゲート電極103bは金属ゲート電極層112b及び半導体ゲート電極層113を含む。NMOS100bは更に、ゲート電極103b下のゲート絶縁膜111、ゲート電極103b上の保護膜114、及びこれらを含む積層体の側壁に形成されたサイドウォール115を有する。
【0062】
金属ゲート電極層112aは、PMOS100aの動作に適した仕事関数を有する金属層を含む。例えば、金属ゲート電極層62aは、5eV程度の仕事関数を有する金属、又はHfN、TiN若しくはTaN等の導電性金属窒化物を有する。一方、金属ゲート電極層112bは、NMOS100bの動作に適した仕事関数を有する金属層を含む。例えば、金属ゲート電極層112bは、4eV程度の仕事関数を有する金属、又はHfC、TiC若しくはTaC等の導電性金属炭化物を有する。
【0063】
半導体ゲート電極層113は、この場合、PMOS100aにおいては、図5のPMOS50aと同様にN型にドープされているが、NMOS100bにおいては、図5のNMOS50bとは逆にN型にドープされている。すなわち、PMOS100aのみが、ソース/ドレイン領域の導電型と逆の導電型にドープされたポリシリコンゲート電極層を有する。
【0064】
従って、PMOS100aにおいては、オン状態においてポリシリコンゲート電極層113の空乏化の問題は発生しないが、NMOS100bにおいては、オン状態において、ポリシリコンゲート電極層113に空乏層が発生する。しかしながら、半導体ゲート電極層と金属ゲート電極層との界面付近において、N型不純物はP型不純物よりも高濃度に存在させることにより、空乏層の広がりを抑制することができる。
【0065】
図11は、図10のCMOS型半導体装置100の製造方法の一例を示す。この方法は、図6及び図7のCMOS型半導体装置50の製造方法に対応するものであり、図6及び図7の製造方法と、図6(a)−(d)の工程群を共通とする。すなわち、図11(a)に示す工程は、図6(d)の工程に続くものである。
【0066】
図11のCMOS型半導体装置100の製造方法においては、図11(a)に示すように、図6(d)に示したPMOS領域上の誘電体層66及びNMOS領域上の誘電体層68をともに除去し、PMOS領域及びNMOS領域の双方上にポリシリコン層113’及び誘電体層114’を堆積する。ポリシリコン層113’は堆積時に、好ましくはP又はAsで、N型にドープされる。
【0067】
そして、図11(b)及び(c)に示すようにして、図10のCMOS型半導体装置100が得られる。これらの工程は、図7(d)及び(e)と同様である。
【0068】
図11の製造方法は、PMOS及びNMOSの双方に対して、ポリシリコン層113’及び誘電体層114’を同時に形成することが可能であり、図6及び図7の製造方法と比較して、製造上のスループット向上及びコスト削減が可能である。
【0069】
なお、ここでは、CMOS型半導体装置100の製造方法を、図6及び図7のCMOS型半導体装置50の製造方法に対応する方法、すなわち、PMOS100a及びNMOS100bの半導体ゲート電極層113が堆積時にN型にドープされる方法を例にとって説明した。しかしながら、CMOS型半導体装置100は、図8のCMOS型半導体装置50の製造方法に対応する方法、すなわち、半導体ゲート電極層113が堆積後且つパターニング前にN型不純物のイオン注入によってドープされる方法によっても製造され得る。この場合にも、CMOS型半導体装置100は、CMOS型半導体装置50と比較して、このイオン注入時のレジスト形成(図8のレジスト層81、83)やP型不純物のイオン注入(図8のイオン注入84)が不要となり、製造上のスループット向上及びコスト削減が可能である。さらに、CMOS型半導体装置100は、図9のCMOS型半導体装置50の製造方法に対応する方法、すなわち、半導体ゲート電極層113がNMOS100bのソース/ドレイン領域114bと同時にドープされる方法によっても製造され得る。この場合には、PMOS及びNMOSのソース/ドレイン領域114a及び114bのイオン注入時のレジスト層(図9の91及び93)のパターンに変更を加えればよい。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、第1実施形態について図3及び図4を参照して説明した、半導体ゲート電極層23上に金属半導体化合物層34を有する変形例は、図5−図11に示した第2及び第3の実施形態にも等しく適用可能である。
【0071】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
半導体基板に形成された、第1導電型のソース領域及び前記第1導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に形成されたチャネル領域と、
前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成された金属ゲート電極層と、
前記金属ゲート電極層上に形成された、前記第1導電型とは逆の導電型である第2導電型の半導体ゲート電極層と
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記半導体ゲート電極層上に形成された金属半導体化合物層、を更に有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記半導体ゲート電極層上に形成された保護膜、を更に有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記金属ゲート電極層は金属窒化物又は金属炭化物を有することを特徴とする付記1乃至3いずれか一に記載の半導体装置。
(付記5)
半導体基板の第1領域に形成された、N型ソース領域とN型ドレイン領域と、
前記N型ソース領域と前記N型ドレイン領域との間に形成された第1チャネル領域と、
該第1チャネル領域上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
該第1ゲート絶縁膜上に形成された第1金属ゲート電極層と、
該第1金属ゲート電極層上に形成されたP型半導体ゲート電極層と、
前記半導体基板の第2領域に形成された、P型ソース領域とP型ドレイン領域と、
前記P型ソース領域と前記P型ドレイン領域との間に形成された第2チャネル領域と、
該第2チャネル領域上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
該第2ゲート絶縁膜上に形成された第2金属ゲート電極層と、
該第2金属ゲート電極層上に形成されたN型半導体ゲート電極層と、
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記6)
前記第1金属ゲート電極層及び前記第2金属ゲート電極層は、それぞれ、金属炭化物及び金属窒化物を有することを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
(付記7)
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に金属ゲート電極層を形成する工程と、
前記金属ゲート電極層上に第1導電型の半導体ゲート電極層を形成する工程と、
前記半導体ゲート電極層及び前記金属ゲート電極層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとしてイオン注入を行い、前記半導体基板内に前記第1導電型とは逆の導電型である第2導電型のソース/ドレイン領域を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記イオン注入を行う前に、前記半導体ゲート電極層上に保護膜を形成する工程を更に有することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記ソース/ドレイン領域を形成する工程の後に、前記半導体ゲート電極層を露出させるように前記保護膜を除去する工程と、
露出された前記半導体ゲート電極層上に金属半導体化合物層を形成する工程と、
を更に有することを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置を製造する方法の工程群を示す断面図である。
【図3】図1の半導体装置の変形例を概略的に示す断面図である。
【図4】図3の半導体装置を製造する方法の工程群を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る半導体装置を概略的に示す断面図である。
【図6】図5の半導体装置を製造する方法の工程群を示す断面図である。
【図7】図5の半導体装置を製造する方法の、図6に続く工程群を示す断面図である。
【図8】図5の半導体装置を製造する他の方法の工程群を示す断面図である。
【図9】図5の半導体装置を製造する更なる他の方法の工程群を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る半導体装置を概略的に示す断面図である。
【図11】図10の半導体装置を製造する方法の工程群を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10、30、50、100 半導体装置
11、51、101 半導体基板
12、52、102 素子分離領域
13、33、53a、53b、103a、103b ゲート電極
14、54a、54b、104a、104b ソース/ドレイン領域
15、55a、55b、105a、105b LDD領域
16 チャネル領域
21、61、111 ゲート絶縁膜
22、62a、62b、112a、112b 金属ゲート電極層
23、63a、63b、113 半導体ゲート電極層
24、64、114 保護膜
25、65、115 サイドウォール
27、28、82、84、92、94 イオン注入
34、39 金属半導体化合物層
50a、100a PMOS
50b、100b NMOS
67、69、81、83、91、93 レジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成された、第1導電型のソース領域及び前記第1導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に形成されたチャネル領域と、
前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成された金属ゲート電極層と、
前記金属ゲート電極層上に形成された、前記第1導電型とは逆の導電型である第2導電型の半導体ゲート電極層と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体ゲート電極層上に形成された金属半導体化合物層、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に金属ゲート電極層を形成する工程と、
前記金属ゲート電極層上に第1導電型の半導体ゲート電極層を形成する工程と、
前記半導体ゲート電極層及び前記金属ゲート電極層をパターニングしてゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとしてイオン注入を行い、前記半導体基板内に前記第1導電型とは逆の導電型である第2導電型のソース/ドレイン領域を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記イオン注入を行う前に、前記半導体ゲート電極層上に保護膜を形成する工程と、
前記ソース/ドレイン領域を形成する工程の後に、前記半導体ゲート電極層を露出させるように前記保護膜を除去する工程と、
露出された前記半導体ゲート電極層上に金属半導体化合物層を形成する工程と
を更に有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−21363(P2010−21363A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180623(P2008−180623)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】