説明

半導体装置の製造方法

【課題】p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる所望のしきい値を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にHf、 Zrの少なくとも1つと、Si、O、Nを含むゲート絶縁膜を形成し、第1、第2のゲート電極層を形成し、第1のゲート電極層上および第2のゲート電極層上に、第1の金属含有層を形成し、第2の金属含有層を形成し、保護膜を形成し、保護膜を選択的に除去し、残存する保護膜をマスクとして、第1の金属含有層および第2の金属含有層を選択的に除去し、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去された第2のゲート電極層上に、第3の金属含有層を成膜し、加熱処理により、第1のゲート電極層を合金化するとともに、第2のゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、金属ゲート電極に係わり、特に、n型MOS(MeTal Oxide Semiconductor)FET(Field−Effect Transistor)、p型MOSFETで組成が異なる金属ゲート電極を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタのゲート空乏層を抑制のために、金属ゲート電極が用いられている。FUSI(fully Silicided)ゲートは、現在用いられている半導体装置の製造方法と適合し易く、より好ましい。
【0003】
しかし、このFUSIゲートは、仕事関数の制御が難しい。ここで、ゲート絶縁膜であるSiOにAs、P、Bを導入することにより、FUSIゲートの仕事関数を変える(しきい値を変える)ことは可能である。しかし、この手法によっては、所望の値を得られていない。
【0004】
さらに、ゲートにおけるリーク電流を抑制するため、ゲート絶縁膜として、SiOに代えて、高誘電体絶縁膜が用いられている。
【0005】
例えば、この高誘電体絶縁膜には、ハフニウム珪酸窒化(HfSiON)膜が用いられる。しかし、ゲート電極の組成(例えば、NiSi)に対して、しきい値の変化する範囲は、さらに狭くなる。
【0006】
そこで、従来の半導体装置の製造方法には、FUSIゲートの組成を変え、また組み合わせることで、より所望の値に近いしきい値のFUSIゲートを形成するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
ここで、上記従来技術は、ゲートのポリシリコンをシリサイド化させるために、該ポリシリコン上にNiを成膜する。そして、TiNを保護膜として、塩酸と過酸化水素水の混合液により、p型MOS構造、n型MOS構造に対応して、Niを選択的に除去する。そして、加熱処理することにより、ゲートのポリシリコンを、選択的にシリサイド化させる。
【0008】
しかし、上記従来技術において、塩酸と過酸化水素水の混合液では該ポリシリコン上のNiを十分除去することができない。したがって、所望のしきい値を得ることができないという問題があった。
【特許文献1】特開2005−167251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる所望のしきい値を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、
第1導電型のMOSFETおよびこの第1導電型のMOSFETと導電型が異なる第2導電型のMOSFETを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に高誘電体絶縁膜のゲート絶縁膜を形成し、
前記第1導電型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域の前記ゲート絶縁膜上に、SiまたはGeの少なくとも一方を含む第1のゲート電極層を形成するとともに、前記第2導電型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域の前記ゲート絶縁膜上に、前記第1のゲート電極層と同じ組成を有する第2のゲート電極層を形成し、
前記第1のゲート電極層上および前記第2のゲート電極層上に、第1の金属含有層を形成し、
前記第1の金属含有層上に、金属の拡散を防止するための第2の金属含有層を形成し、
第2の金属含有層上に、保護膜を形成し、
前記第2導電型のMOSFETの前記第2のゲート電極層の上方に位置する保護膜を選択的に除去し、
残存する前記保護膜をマスクとして、前記保護膜が選択的に除去された領域の前記第1の金属含有層および前記第2の金属含有層を選択的に除去し、
前記第1の金属含有層および前記第2の金属含有層が選択的に除去された前記第2のゲート電極層上に、第3の金属含有層を、この第3の金属含有層の含有する金属または合金が前記第1の金属含有層の含有する金属または合金と同じ場合は前記第1の金属含有層と膜厚が異なるように、成膜し、
加熱処理により、前記第1の金属含有層に含有された金属と前記第1のゲート電極層とを反応させて、前記第1のゲート電極層を合金化するとともに、加熱処理により、前記第3の金属含有層に含有された金属と前記第2のゲート電極層とを反応させて、前記第2のゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した各実施例について図面を参照しながら説明する。なお、各実施例においては、簡単のため、LSI中の1組のn型MOSFETとp型MOSFETを並べて示すが、この配置に限定されない。
【実施例1】
【0013】
実施例1に係る第1導電型のMOSFETおよびこの第1導電型のMOSFETと導電型が異なる第2導電型のMOSFETを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法について説明する。
【0014】
なお、本実施例においては、例えば、第1導電型をp型、第2導電型をn型とし、半導体基板にシリコン基板を選択した場合について説明する。しかし、導電型を逆にした場合も同様に適用が可能である(他の実施例も同様)。
【0015】
図1Aないし図1Iは、本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【0016】
先ず、図1Aに示すように、シリコン基板1にトレンチを形成し、そのトレンチにシリコン酸化膜を埋め込むことによって、STI(Shallow Trench Isolation)2を形成する。その後、シリコン基板1のp型MOSFET領域に不純物を注入し熱拡散することによりnウェルを選択的に形成するとともに、シリコン基板1のn型MOSFET領域に不純物を注入し熱拡散することによりpウェルを選択的に形成する。
【0017】
次に、シリコン基板1上にフニュウム珪酸化膜(HfSiO膜)を形成し、このHfSiO膜中に窒素を転化した後、熱処理を行って、例えば3nm程度の膜厚を有する高誘電体絶縁膜であるハフニウム珪酸窒化膜(HfSiON膜)3に改質する。このHfSiON膜3がゲート絶縁膜(高誘電体絶縁膜)として機能する。
【0018】
すなわち、p型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域のHfSiON膜(ゲート絶縁膜)3上に、Siを含むゲート電極層であるポリシリコン層4を形成する。同様にして、n型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域のHfSiON膜(ゲート絶縁膜)3上に、該ゲート電極層と同じ組成を有するゲート電極層であるポリシリコン層4を形成する。なお、ゲート電極層には、poly−Geが含まれる層が選択されてもよい。このポリシリコン層4は、例えば、100nm程度の膜厚を有する。
【0019】
そして、このHfSiON膜3上にCVD(Chemical Vapor Deposition)により、ゲート電極材料としてポリシリコン層4を形成する。そして、このポリシリコン層4上にハードマスク材であるSiN膜5を形成する(図1B)。
【0020】
なお、ゲート絶縁膜としては、上記HfSiON膜3の代わりに、Hf、 Zr、Alの少なくとも1つと、Si、O、Nを含む膜を選択してもよい。
【0021】
次に、SiN膜5をハードマスクとして、poly−Si/HfSiONゲートを形成する(図1C)。
【0022】
次に、CVDおよびRIE(Reactive Ion Etching)により側壁SiNを形成する(図1D)。
【0023】
次に、シリコン基板1にソース/ドレイン拡散層を形成した後、サリサイドプロセスを用いてソース/ドレインシリサイドコンタクト(NiPtSi層)6を形成する(図1E)。
【0024】
次に、p型MOSFET領域およびn型MOSFET領域上に、例えばCVD等により、SiN膜7を成膜する(図1F)。
【0025】
次に、このSiN膜7上に、例えばCVD等により、少なくともポリシリコン層4よりも厚い膜厚でSiO2層8を成膜する(図1G)。
【0026】
次に、SiN膜をエッチングストッパとしてCMP(chemical Mechanical Polishing)により、SiO2層8を平坦化する(図1H)。
【0027】
次に、ポリシリコン層4上のSiN膜7、 SiO2層8を、RIEによりエッチングし除去する(図1I)。
【0028】
ここで、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図2Aないし図2Iは、本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図2Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。
【0029】
図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図2A)、このポリシリコン層4上に、Ni膜9、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第1の金属含有層であるNi膜9を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0030】
なお、第1の金属含有層は、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0031】
また、第2の金属含有層は、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0032】
そして、例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)により、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0033】
なお、保護膜は、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0034】
そして、フォトリソグラフィによりp型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト12で覆い、n型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図2B)。
【0035】
次に、レジスト12をマスクとして、RIEにより、n型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図2C)。
【0036】
すなわち、n型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン膜4)の上方に位置する該保護膜(SiN膜11)を選択的に除去する。
【0037】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でn型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜9とp型MOSFET領域のレジスト12を剥離する(図2D)。これにより、n型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0038】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(n型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜9)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0039】
このように、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜9)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0040】
次に、p型MOSFET領域のSiN膜11上およびn型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Ni膜13をスパッタにより成膜する(図2E)。
【0041】
すなわち、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去されたn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第3の金属含有層(Ni膜13)を、第1の金属含有層(Ni膜9)と膜厚が異なるように、成膜する。
【0042】
本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜9)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜13)の膜厚と比が、3:2になるように(すなわち、第1の金属含有層(Ni膜9)の膜厚よりも第3の金属含有層(Ni膜13)の膜厚の方が薄くなるように)成膜する。
【0043】
なお、第3の金属含有層は、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0044】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0045】
次に、例えば、500℃、30秒間、RTA(Rapid Thermal Annealing)を行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNi2Si層4aを形成するとともに、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層4bを形成する(図2F)。
【0046】
すなわち、加熱処理により、第1の金属含有層(Ni膜9)に含有された金属(Ni)とp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化する。さらに、加熱処理により、第3の金属含有層(Ni膜13)に含有された金属(Ni)とn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する。
【0047】
ここで、既述のように、Ni膜9とNi膜13との膜厚が異なる(本実施例ではNi膜13の方がNi膜9よりも薄い)ため、シリサイド化により得られる組成も異なる。
【0048】
すなわち、例えば、一方のゲート電極層(本実施例ではp型MOSFET領域のゲート電極層)の組成をNiX1SiY1で表し、他方のゲート電極層(本実施例ではn型MOSFET領域のゲート電極層)の組成をNiX2SiY2で表す。このとき、各係数X1、X2、Y1、およびY2は、X1/Y1>X2/Y2の関係が成立するものである。
【0049】
このように、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。
【0050】
したがって、この時点で、これらのn型MOSFETとp型MOSFETとは、しきい値が異なることとなる。
【0051】
次に、合金化したn型MOSFET領域のゲート電極層であるNi2Si層4aに、例えば10nm〜20nmの深さでAlをイオン注入する(図2G)。なお、Alの他、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wから選択される金属をイオン注入してもよい。
【0052】
次に硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜13を剥離する(図2H)。
【0053】
次に、例えば、500℃で30秒間RTAし、AlをHfSiON膜3とNi2Si膜4aとの界面(すなわち、ゲート絶縁膜とゲート電極との界面)に達するように拡散させて偏析させる(図2I)。これにより、AlをNi2Si膜4a中にイオン注入しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値をより顕著に変更することができる。なお、単にAlをNi2Si膜4a中に拡散させる場合でも、AlをNi2Si膜4a中にイオン注入しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値を変更することができる。
【0054】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線するための工程について説明する。図3Aないし図3Dは、本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるn型MOSFETおよびp型MOSFETの領域の断面図である。なお、図3Aが示す工程は、図2Iが示す工程と同じである。
【0055】
図2Aないし図2Iの工程によりシリサイド化されたゲート電極(Ni2Si膜4a、NiSi層4b)を形成した後(図3A)、RIEにより、SiO2膜8をエッチングする(図3B)。
【0056】
次に、SiH、NH等を用いてPCVDによりSiN膜11aを成膜する。そして、TEOS等を用いた層間絶縁膜SiO2層14を全面堆積する。そして、この層間絶縁膜SiO2層14を、CMPにより平坦化する(図3C)。
【0057】
次に、ソース・ドレイン領域(NiPtSi層6)、ゲート電極(Ni2Si膜4a、NiSi層4b)に繋がるように層間絶縁膜SiO2層14にコンタクト孔を形成し、例えば、W等の金属を充填する。そして、ソース・ドレイン領域(NiPtSi層6)、ゲート電極(Ni2Si膜4a、NiSi層4b)と他の回路構成とを接続する配線層15(例えば、Al/TiN/Ti層、またはCu/TiN/Ti層)を形成する(図3D)。
【0058】
以降は、さらに2層目以上の配線工程を行うことにより、LSIが完成することになる。
【0059】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【0060】
なお、本実施例1においては、第1の金属含有層の膜厚が第3の金属含有層の膜厚が厚いものとして説明したが、逆の場合であっても、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる所望のしきい値を得ることができる。
【実施例2】
【0061】
実施例1では、n型MOSFETのしきい値を変更するために、ゲート電極層をシリサイド化し、さらにAlをイオン注入する半導体装置の製造方法について述べた。
【0062】
本実施例では、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したAl膜をこのゲート電極層に拡散させる半導体装置の製造方法について述べる。
【0063】
なお、本実施例2の半導体装置の製造方法は、実施例1で説明した図1Aから図1Iまでの工程は同様である。
【0064】
以下、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図4Aないし図4Gは、本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図4Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。また、図中、実施例1と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0065】
先ず、図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図4A)、このポリシリコン層4上に、Ni膜9、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第1の金属含有層であるNi膜9を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0066】
なお、第1の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0067】
また、第2の金属含有層は、実施例1と同様に、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0068】
そして、例えば、PCVDにより、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0069】
そして、フォトリソグラフィによりp型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト12で覆い、n型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図4B)。
【0070】
次に、レジスト12をマスクとして、RIEにより、n型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図4C)。
【0071】
なお、保護膜は、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0072】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でn型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜9とp型MOSFET領域のレジスト12を剥離する(図4D)。これにより、n型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0073】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(n型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜9)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0074】
このように、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜9)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0075】
次に、p型MOSFET領域のSiN膜11上およびn型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Al膜16、Ni膜213をスパッタにより成膜する(図4E)。すなわち、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去されたn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、Al膜16を介して、第3の金属含有層(Ni膜213)を、第1の金属含有層(Ni膜9)と膜厚が異なるように、成膜する。
【0076】
本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜9)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜213)の膜厚と比が、3:2になるように成膜する。また、Al膜16の膜厚は、例えば、0.3nm〜10nm程度が選択される。これより厚くても、同様の効果が得られる。
【0077】
なお、第3の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0078】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0079】
また、スパッタされるAl膜16に代えて、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wから選択される金属をポリシリコン層4上にスパッタしてもよい。この場合、スパッタされる金属は、第3の金属含有層と組成が異なる必要がある。
【0080】
次に、例えば、500℃、30秒間、RTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNi2Si層204aを形成するとともに、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層204bを形成する。また、このRTAにより、Ni2Si層204a中に、スパッタされていたAl膜16のAlを、HfSiON膜3とNi2Si膜204aとの界面(すなわち、ゲート絶縁膜とゲート電極との界面)に達するように拡散させて偏析させる(図4F)。
【0081】
すなわち、加熱処理により、第1の金属含有層(Ni膜9)に含有された金属(Ni)とp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化する。さらに、加熱処理により、第3の金属含有層(Ni膜213)に含有された金属(Ni)とn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する。既述のように、Ni膜9の膜厚とNi膜213の膜厚とが異なり、そしてシリサイド化の速度が異なるため、シリサイド化により得られる組成も異なる。
【0082】
このように、実施例1と同様に、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。したがって、この時点で、これらのn型MOSFETとp型MOSFETとは、しきい値が異なることとなる。
【0083】
また、Al膜16を形成しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値をより顕著に変更することができる。
【0084】
また、単にAlをNi2Si膜4a中に拡散させる場合でも、Al膜16を形成しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値を変更することができる。
【0085】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜213を剥離する(図4G)。
【0086】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線しLSIを形成するための工程は、実施例1の図3Aないし図3Dと同様である。なお、図3Aが示す工程は、図4Gが示す工程と同じである。
【0087】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【実施例3】
【0088】
実施例1では、n型MOSFETのしきい値を変更するために、ゲート電極層をシリサイド化し、さらにAlをこのゲート電極層に拡散する半導体装置の製造方法について述べた。
【0089】
本実施例では、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したTi膜をこのゲート電極層に拡散させる半導体装置の製造方法について述べる。
【0090】
なお、本実施例3の半導体装置の製造方法は、実施例1で説明した図1Aから図1Iまでの工程は同様である。
【0091】
以下、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図5Aないし図5Gは、本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図5Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。また、図中、実施例1、2と同じ符号は、実施例1、2と同様の構成を示す。
【0092】
先ず、図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図5A)、このポリシリコン層4上に、Ni膜9、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第1の金属含有層であるNi膜9を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0093】
なお、第1の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0094】
また、第2の金属含有層は、実施例1と同様に、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0095】
そして、例えば、PCVDにより、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0096】
そして、フォトリソグラフィによりp型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト12で覆い、n型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図5B)。
【0097】
次に、レジスト12をマスクとして、RIEにより、n型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図5C)。
【0098】
すなわち、n型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン膜4)の上方に位置する該保護膜(SiN膜11)を選択的に除去する。
【0099】
なお、保護膜は、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0100】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でn型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜9とp型MOSFET領域のレジスト12を剥離する(図5D)。これにより、n型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0101】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(n型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜9)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0102】
このように、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜9)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0103】
次に、p型MOSFET領域のSiN膜11上およびn型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Ti膜17、Ni膜313をスパッタにより成膜する(図5E)。すなわち、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去されたゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、Ti膜17を介して、第3の金属含有層(Ni膜313)を、第1の金属含有層(Ni膜9)と膜厚が異なるように、成膜する。
【0104】
本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜9)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜313)の膜厚と比が、3:1になるように成膜する。また、Ti膜17の膜厚は、例えば、1nm〜10nm程度が選択される。このTi膜17がポリシリコン層4とNi膜313との間に介在することにより、後述するn型MOSFET領域のシリサイド化がp型MOSFET領域のシリサイド化よりも減速される。
【0105】
なお、第3の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0106】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0107】
次に、例えば、500℃、30秒間、RTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNiSi層304aを形成するとともに、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層304bを形成する。また、このRTAにより、Tiは主にNiSi層304aの表面に集中して存在するが、NiSi層304a中に拡散してもよい (図5F)。
【0108】
すなわち、加熱処理により、第1の金属含有層(Ni膜9)に含有された金属(Ni)とp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化する。さらに、加熱処理により、第3の金属含有層(Ni膜313)に含有された金属(Ni)とn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する。既述のように、Ni膜9の膜厚とNi膜313の膜厚とが異なり、そしてシリサイド化の速度が異なるため、シリサイド化により得られる組成も異なる。
【0109】
このように、実施例1と同様に、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。したがって、この時点で、これらのn型MOSFETとp型MOSFETとは、しきい値が異なることとなる。
【0110】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜313を剥離する(図5G)。
【0111】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線しLSIを形成するための工程は、実施例1の図3Aないし図3Dと同様である。なお、図3Aが示す工程は、図5Gが示す工程と同じである。
【0112】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【実施例4】
【0113】
実施例2では、n型MOSFETのしきい値を変更するために、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したAl膜をこのゲート電極層に拡散させる半導体装置の製造方法について述べた。
【0114】
本実施例では、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したAl膜をこのゲート電極層に拡散させる他の半導体装置の製造方法について述べる。
【0115】
なお、本実施例4の半導体装置の製造方法は、実施例1で説明した図1Aから図1Iまでの工程は同様である。
【0116】
以下、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図6Aないし図6Gは、本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図6Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。また、図中、実施例1、2と同じ符号は、実施例1、2と同様の構成を示す。
【0117】
先ず、図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図6A)、このポリシリコン層4上に、Al膜16、Ni膜409、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、Al膜16を介して、第1の金属含有層であるNi膜409を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0118】
なお、第1の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0119】
また、第2の金属含有層は、実施例1と同様に、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0120】
そして、例えば、PCVDにより、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0121】
そして、フォトリソグラフィによりn型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト412で覆い、p型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図6B)。
【0122】
次に、レジスト412をマスクとして、RIEにより、p型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図6C)。
【0123】
すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン膜4)の上方に位置する該保護膜(SiN膜11)を選択的に除去する。
【0124】
なお、保護膜は、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0125】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でn型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜409とn型MOSFET領域のレジスト412を剥離する(図6D)。これにより、p型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0126】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(p型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜409)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0127】
このように、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜409)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0128】
次に、n型MOSFET領域のSiN膜11上およびp型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Ni膜413をスパッタにより成膜する(図6E)。すなわち、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去されたp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第3の金属含有層(Ni膜413)を、第1の金属含有層(Ni膜409)と膜厚が異なるように、成膜する。
【0129】
本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜409)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜413)の膜厚と比が、2:3になるように成膜する。また、Al膜16の膜厚は、例えば、0.3nm〜10nm程度が選択される。
【0130】
なお、第3の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0131】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0132】
また、スパッタされるAl膜16に代えて、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wから選択される金属をポリシリコン層4上にスパッタしてもよい。この場合、スパッタされる金属は、第1の金属含有層と組成が異なる必要がある。
【0133】
次に、例えば、500℃、30秒間、RTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNi2Si層404aを形成するとともに、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層404bを形成する。また、このRTAにより、Ni2Si層404a中に、スパッタされていたAl膜16のAlを、HfSiON膜3とNi2Si膜404aとの界面(すなわち、ゲート絶縁膜とゲート電極との界面)に達するように拡散させ偏析させる(図6F)。
【0134】
既述のように、Ni膜409の膜厚とNi膜413の膜厚とが異なり、そしてシリサイド化の速度が異なるため、シリサイド化により得られるゲート電極層の組成も異なる。
【0135】
このように、実施例1と同様に、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。したがって、この時点で、これらのn型MOSFETとp型MOSFETとは、しきい値が異なることとなる。
【0136】
また、Al膜16を形成しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値をより顕著に変更することができる。
【0137】
また、単にAlをNi2Si膜4a中に拡散させる場合でも、Al膜16を形成しない場合と比較して、n型MOSFETのゲート電極のしきい値を変更することができる。
【0138】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜413を剥離する(図6G)。
【0139】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線しLSIを形成するための工程は、実施例1の図3Aないし図3Dと同様である。
【0140】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【実施例5】
【0141】
実施例3では、n型MOSFETのしきい値を変更するために、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したTi膜をこのゲート電極層に拡散させる半導体装置の製造方法について述べた。
【0142】
本実施例では、ゲート電極層をシリサイド化し、スパッタにより形成したTi膜をこのゲート電極層に拡散させる他の半導体装置の製造方法について述べる。
【0143】
なお、本実施例5の半導体装置の製造方法は、実施例1で説明した図1Aから図1Iまでの工程は同様である。
【0144】
以下、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図7Aないし図7Gは、本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図7Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。また、図中、実施例1、3と同じ符号は、実施例1、3と同様の構成を示す。
【0145】
先ず、図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図7A)、このポリシリコン層4上に、Ti膜17、Ni膜9、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、Ti膜17を介して、第1の金属含有層であるNi膜509を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0146】
なお、第1の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0147】
また、第2の金属含有層は、実施例1と同様に、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0148】
そして、例えば、PCVDにより、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0149】
そして、フォトリソグラフィによりn型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト12で覆い、p型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図7B)。
【0150】
次に、レジスト512をマスクとして、RIEにより、p型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図7C)。
【0151】
すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン膜4)の上方に位置する該保護膜(SiN膜11)を選択的に除去する。
【0152】
なお、保護膜は、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0153】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でp型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜509/Ti膜17とn型MOSFET領域のレジスト512を剥離する(図7D)。これにより、p型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0154】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(p型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜509)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0155】
このように、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜509)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0156】
次に、n型MOSFET領域のSiN膜11上およびp型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Ni膜513をスパッタにより成膜する(図7E)。すなわち、第1の金属含有層および第2の金属含有層が選択的に除去されたp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第3の金属含有層(Ni膜513)を、第1の金属含有層(Ni膜9)と膜厚が異なるように、成膜する。
【0157】
本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜509)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜513)の膜厚と比が、1:3になるように成膜する。また、Ti膜17の膜厚は、例えば、1nm〜10nm程度が選択される。このTi膜17がポリシリコン層4とNi膜509との間に介在することにより、後述するn型MOSFET領域のシリサイド化がp型MOSFET領域のシリサイド化よりも減速される。
【0158】
なお、第3の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0159】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0160】
また、スパッタされるTi膜17に代えて、Ni、Co、Pt、Hf、Zr、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wから選択される金属をポリシリコン層4上にスパッタしてもよい。この場合、スパッタされる金属は、第1の金属含有層と組成が異なる必要がある。
【0161】
次に、例えば、500℃、30秒間、RTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNiSi2層504aを形成するとともに、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層504bを形成する(図7F)。
【0162】
すなわち、加熱処理により、第1の金属含有層(Ni膜509)に含有された金属(Ni)とn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化する。さらに、加熱処理により、第3の金属含有層(Ni膜513)に含有された金属(Ni)とp型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)とを反応させて、このゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する。既述のように、Ni膜509の膜厚とNi膜513の膜厚とが異なり、そしてシリサイド化の速度が異なるため、シリサイド化により得られる組成も異なる。
【0163】
このように、実施例1と同様に、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。したがって、この時点で、これらのn型MOSFETとp型MOSFETとは、しきい値が異なることとなる。
【0164】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜513を剥離する(図7G)。
【0165】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線しLSIを形成するための工程は、実施例1の図3Aないし図3Dと同様である。なお、図3Aが示す工程は、図5Gが示す工程と同じである。
【0166】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【実施例6】
【0167】
実施例1では、n型MOSFET、p型MOSFETのしきい値を変更するために、ゲート電極層を同時にシリサイド化する半導体装置の製造方法について述べた。
【0168】
本実施例では、n型MOSFETのゲート電極層とp型MOSFETの電極層を別々にシリサイド化させる半導体装置の製造方法について述べる。
【0169】
なお、本実施例6の半導体装置の製造方法は、実施例1で説明した図1Aから図1Iまでの工程は同様である。
【0170】
以下、p型MOSFETおよびn型MOSFETのゲート電極領域の構成に注目して説明する。図8Aないし図8Jは、本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の各工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。なお、図8Aが示す工程は、図1Iが示す工程と同じである。また、図中、実施例1と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0171】
先ず、図1Aないし図1Iの工程によりHfSiON膜3、ポリシリコン層4を形成した後(図8A)、このポリシリコン層4上に、Ni膜9、TiN膜10を順にスパッタにより形成する。すなわち、p型MOSFET領域のゲート電極層およびn型MOSFET領域のゲート電極層(ポリシリコン層4)上に、第1の金属含有層であるNi膜9を形成するとともに、この第1の金属含有層上に、第1の金属含有層に含有された金属(Ni)の拡散を防止するための第2の金属含有層であるTiN膜10を形成する。
【0172】
なお、第1の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0173】
また、第2の金属含有層は、実施例1と同様に、TiNに代えて、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0174】
そして、例えば、PCVDにより、TiN膜10上に、SiN膜11を成膜する。すなわち、第2の金属含有層であるTiN膜10上に、保護膜であるSiN膜11を形成する。
【0175】
そして、フォトリソグラフィによりp型MOSFET領域のSiN膜11の上面をレジスト12で覆い、n型MOSFET領域のSiN膜11の上面が露出するように開口させる(図8B)。
【0176】
次に、レジスト12をマスクとして、RIEにより、n型MOSFET領域のSiN膜11を選択的に除去する(図8C)。
【0177】
なお、保護膜は、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiNに代えて、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のあるSiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成されるようにしてもよい。
【0178】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液でn型MOSFET領域のTiN膜10/Ni膜9とp型MOSFET領域のレジスト12を剥離する(図8D)。これにより、n型MOSFET領域のポリシリコン層4の上面が露出する。
【0179】
すなわち、残存する保護膜(SiN膜11)をマスクとして、該保護膜が選択的に除去された領域(n型MOSFET領域)の第1の金属含有層(Ni膜9)、第2の金属含有層(TiN膜10)を硫酸と過酸化水素水の混合液により選択的に除去する。
【0180】
このように、実施例1と同様に、硫酸と過酸化水素水の混合液に耐性のある保護膜(SiN膜11)を用いることにより、剥離液として硫酸と過酸化水素水の混合液を選択できる。例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いる場合と比較して、第1の金属含有層(Ni膜9)、2の金属含有層(TiN膜10)の除去がし易い。
【0181】
次に、例えば、520℃、30秒間、第1のRTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、p型MOSFETのゲート電極としてNiSi層804bを形成する (図8E)。
【0182】
次に、p型MOSFET領域のSiN膜11上およびn型MOSFET領域のポリシリコン層4上に、Ni膜613をスパッタにより成膜する(図8F)。
【0183】
なお、本実施例においては、第1の金属含有層(Ni膜9)の膜厚と第3の金属含有層(Ni膜613)の膜厚と比が、2:3になるように成膜する。
【0184】
なお、第3の金属含有層は、実施例1と同様に、Niに代えて、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有するようにしてもよい。
【0185】
また、第3の金属含有層の含有する金属または合金が第1の金属含有層の含有する金属または合金と異なる場合は、膜厚が同じであってもよい。
【0186】
次に、例えば、500℃、30秒間、第2のRTAを行いポリシリコン層4のシリサイド化(合金化)を行う。これにより、n型MOSFET領域のゲート電極としてNi2Si層604aを形成する(図8G)。
【0187】
次に、合金化したn型MOSFET領域のゲート電極層であるNi2Si層4aに、例えばRp(Projection Range)10nm〜20nmの深さでAlをイオン注入する(図8H)。なお、Alの他、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wから選択される金属をイオン注入してもよい。
【0188】
次に、硫酸と過酸化水素水の混合液で、p型MOSFET領域のNi膜613を剥離する(図8I)。
【0189】
次に、例えば、500℃、30秒間、第3のRTAを行い、Ni2Si層604a中にイオン注入されたAlを、HfSiON膜3とNi2Si膜604aとの界面(すなわち、ゲート絶縁膜とゲート電極との界面)に達するように拡散させて偏析させる(図8J)。なお、上記第1ないし第3のRTAは、それぞれ異なる温度、時間、雰囲気を設定することができる。
【0190】
既述のように、Ni膜9の膜厚とNi膜613の膜厚とが異なり、RTAの温度が異なるため、シリサイド化により得られる組成も異なる。このように、実施例1と同様に、n型MOSFET領域のゲート電極とp型MOSFET領域のゲート電極とは、異なる組成を有する。
【0191】
上述のように、n型MOSFET、p型MOSFETのシリサイド化を異なる温度、時間、雰囲気で形成できるので、実施例1よりも適切な形成条件を選択することができる。
【0192】
ここで、以上のようにして形成されたゲート電極を有するn型MOSFET、p型MOSFETを配線しLSIを形成するための工程は、実施例1の図3Aないし図3Dと同様である。なお、図3Aが示す工程は、図8Jが示す工程と同じである。
【0193】
以上のように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、p型MOSFETとn型MOSFETとの間で異なる、所望のしきい値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1A】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1B】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1C】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1D】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1E】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1F】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1G】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1H】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図1I】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の断面図である。
【図2A】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2B】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2C】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2D】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2E】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2F】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2G】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2H】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図2I】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図3A】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびp型MOSFETの領域の断面図である。
【図3B】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびp型MOSFETの領域の断面図である。
【図3C】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびp型MOSFETの領域の断面図である。
【図3D】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造方法の工程におけるn型MOSFETおよびp型MOSFETの領域の断面図である。
【図4A】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4B】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4C】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4D】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4E】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4F】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図4G】本発明の実施例2に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5A】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5B】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5C】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5D】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5E】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5F】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図5G】本発明の実施例3に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6A】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6B】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6C】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6D】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6E】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6F】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図6G】本発明の実施例4に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7A】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7B】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7C】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7D】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7E】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7F】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図7G】本発明の実施例5に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8A】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8B】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8C】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8D】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8E】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8F】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8G】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8H】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8I】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【図8J】本発明の実施例6に係る半導体装置の製造方法の工程におけるp型MOSFETおよびn型MOSFETの領域の要部(ゲート電極領域)の断面図である。
【符号の説明】
【0195】
1 シリコン基板
2 STI
3 ハフニウム珪酸窒化膜(HfSiON膜)
4 ポリシリコン層
4a、204a、304a、404a、504a、604a NiSi層
4b、204b、304b、404b、504b、604b NiSi層
5 SiN膜
6 ソース/ドレインシリサイドコンタクト(NiPtSi層)
7 SiN膜
8 SiO2
9、409、509 Ni膜
10 TiN膜
11 SiN膜
12 レジスト
13、213、313、413、513、613 Ni膜
14 層間絶縁膜SiO2
15 配線層
16 Al膜
17 Ti膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のMOSFETおよびこの第1導電型のMOSFETと導電型が異なる第2導電型のMOSFETを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に高誘電体絶縁膜のゲート絶縁膜を形成し、
前記第1導電型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域の前記ゲート絶縁膜上に、SiまたはGeの少なくとも一方を含む第1のゲート電極層を形成するとともに、前記第2導電型MOSFETのゲート電極が形成されるゲート電極領域の前記ゲート絶縁膜上に、前記第1のゲート電極層と同じ組成を有する第2のゲート電極層を形成し、
前記第1のゲート電極層上および前記第2のゲート電極層上に、第1の金属含有層を形成し、
前記第1の金属含有層上に、金属の拡散を防止するための第2の金属含有層を形成し、
第2の金属含有層上に、保護膜を形成し、
前記第2導電型のMOSFETの前記第2のゲート電極層の上方に位置する保護膜を選択的に除去し、
残存する前記保護膜をマスクとして、前記保護膜が選択的に除去された領域の前記第1の金属含有層および前記第2の金属含有層を選択的に除去し、
前記第1の金属含有層および前記第2の金属含有層が選択的に除去された前記第2のゲート電極層上に、第3の金属含有層を、この第3の金属含有層の含有する金属または合金が前記第1の金属含有層の含有する金属または合金と同じ場合は前記第1の金属含有層と膜厚が異なるように、成膜し、
加熱処理により、前記第1の金属含有層に含有された金属と前記第1のゲート電極層とを反応させて、前記第1のゲート電極層を合金化するとともに、加熱処理により、前記第3の金属含有層に含有された金属と前記第2のゲート電極層とを反応させて、前記第2のゲート電極層を合金化し、異なる組成のゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の金属含有層は、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有し、
前記第2の金属含有層は、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れか、または、TiN、W、WN、TaN、HfN、ZrN、TaC、MoNの何れかを含む合金、を含有し、
前記第3の金属含有層は、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかの金属、または、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Laの何れかを含む合金、を含有し、
前記保護膜は、SiN、SiON、GeN、GeON、またはこれらの混合物、または、HfSiON、ZrSiON、SiBN、TiSiON、AlSiONの何れかから構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
硫酸と過酸化水素水の混合液を用いて、残存する前記保護膜をマスクとして、前記保護膜が選択的に除去された領域の前記第1の金属含有層および前記第2の金属含有層を選択的に除去する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
合金化した前記第2のゲート電極層に、Ni、Co、Pt、Ti、Hf、Zr、Al、Y、La、Ta、In、Ga、Tl、Wの少なくとも1つの金属をイオン注入し、この金属が前記第2のゲート電極層中に拡散するように加熱処理する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2のゲート電極層上にTiで構成される金属層を形成した後、Niで構成される前記第3の金属含有層を形成し、
加熱処理により、前記第3の金属含有層に含有されたNiと前記第2のゲート電極層とを反応させて前記第2のゲート電極層を合金化する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1の電極層および前記第2の電極層は、ポリシリコンで構成され、
第1の金属含有層は、Niで構成され、
第2の金属含有層は、TiNで構成され、
第3の金属含有層は、前記第1の金属含有層よりも薄い膜厚を有するとともに、Niで構成され、
第1の金属含有層のNiと第1のゲート電極層とを反応させてシリサイド化してNiX1SiY1を形成するとともに、第3の金属含有層のNiと前記第2のゲート電極層とを反応させてシリサイド化してNiX2SiY2を形成し(なお、各係数はX1/Y1>X2/Y2の関係にある)、
シリサイド化した前記第2のゲート電極層にAlをイオン注入し、このAlを前記ゲート絶縁膜と前記第2のゲート電極層の界面に到達するように加熱処理する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【公開番号】特開2008−141003(P2008−141003A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326091(P2006−326091)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】