説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】混晶層に発生する転位、結晶欠陥を抑制することができる半導体装置を提供すること。
【解決手段】p型のSi基板13表面のn型ウェル層16の両端に形成され、SiおよびGeからなる混晶層18と、これらの混晶層18の表面にそれぞれ形成されたp型の不純物注入層19、20と、これらの不純物注入層19、20をそれぞれドレイン領域、ソース領域とするpMOSFET15−1と、を具備する素子領域11と、この素子領域11を囲うようにSi基板13の表面に形成された素子分離層14−1と、この素子分離層14−1外のSi基板13の表面に前記素子領域11の混晶層18と同一材料で形成され、その主方向が、Si基板13の<110>方向とは異なるダミーパターン35と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混晶層を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トランジスタのより一層の性能の向上が望まれている。この要望に対し、基板材料とは格子定数が異なる混晶層をソース領域とドレイン領域とに形成し、これらの領域と基板材料との格子定数の違いによってチャネル領域に圧縮応力または引っ張り応力を発生させることによりドレイン電流を増加させる方法が知られている。(特許文献1参照)。以下、この種のトランジスタの構造の一例として、pチャネル型MOS型電界効果トランジスタ(pMOSFET)の構造を説明する。
【0003】
例えばSi基板の表面に形成されたn型のチャネル領域の一部は、エッチングにより凹状に削られており、この凹状の領域には、シリコンゲルマニウム(SiGe)からなるp型の混晶層がエピタキシャル成長により形成されている。これらの混晶層上には、それぞれソース電極またはドレイン電極が形成されており、また、これらの電極間のチャネル領域上には、ゲート電極が形成されている。
【0004】
このようなpMOSFETにおいて、p型の混晶層は、シリコンゲルマニウム層に、例えばボロン(B)からなる不純物を注入した後にアニール処理を行うことにより形成される。このp型の混晶層を形成する際のアニール処理は、混晶層の低抵抗化と浅接合化の両立を図るために、例えば、フラッシュランプまたはレーザを用いて熱エネルギーを瞬時に供給することにより行われる(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−294780号公報
【特許文献2】特開2007−123844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の特許文献1によれば、p型の混晶層は、ゲルマニウム(Ge)を高濃度で含有させ、チャネル領域の近くに形成し、その体積を大きく形成するほど、ドレイン電流を増加させる効果を得ることができるものである。しかし、ゲルマニウム等の不純物を高濃度で含有させた混晶層を臨界膜厚以上に厚膜化した場合、混晶層に転位、結晶欠陥が生じることによりチャネル領域にかかる圧縮応力が緩和されるため、混晶層を形成することによるドレイン電流を増加させる効果を十分に得ることができないという問題がある。
【0007】
また、形成された混晶層が臨界膜厚以下であっても、上述のアニール処理の際に、Si基板内部において熱応力が増大し、この熱応力により、Si基板に転位、結晶欠陥が生じる。特に、Si基板と混晶層との界面近傍に転位、結晶欠陥が生じやすく、この転位、結晶欠陥がSi基板若しくは混晶層へと進展し、チャネル領域にかかる圧縮応力が緩和されるため、混晶層を形成することによるドレイン電流を増加させる効果を十分に得ることができないという問題がある。
【0008】
なお、シリコンカーボン(Si:C)層からなるn型の混晶層をエピタキシャル成長させることにより、チャネル領域に引っ張り応力を発生させて形成されたnチャネルMOS型電界効果トランジスタ(nMOSFET)の場合にも、上述と同様の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体装置は、半導体基板表面に形成され、ゲート電極、第1導電型のドレイン領域及びソース領域を有する第2導電型のトランジスタと、前記第2導電型のトランジスタのチャネルとなる領域の両端に形成され、前記半導体基板を構成する第1の原子および、前記第1の原子の格子定数と異なる格子定数の第2の原子からなる第1の混晶層と、前記ドレイン領域及びソース領域上にそれぞれ形成されたドレイン電極およびソース電極と、を具備する素子領域と、この素子領域を囲うように前記半導体基板の表面に形成された素子分離層と、この素子分離層外の前記半導体基板の表面に第1の原子および第2の原子からなり、その主方向が、前記半導体基板の<110>方向とは異なる複数の第2の混晶層と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面に、素子領域と非素子領域とを電気的に分離する素子分離層を形成する工程と、前記素子領域の表面に第1導電型の不純物注入層を形成する工程と前記第1導電型の不純物注入層上にゲート電極を形成する工程と、前記半導体基板の前記ゲート電極下の領域の両端に第1の開口を形成する工程と、前記非素子領域に複数の第2の開口を形成する工程と、前記半導体基板を構成する第1の原子および、この第1の原子の格子定数と異なる格子定数の第2の原子からなる第1の混晶層を、前記第1の開口内に、エピタキシャル成長により形成すると同時に、前記第1の混晶層と同一材料からなり、その主方向が前記半導体基板の<110>方向とは異なる第2の混晶層を、前記第2の開口内に、エピタキシャル成長により形成する工程と、前記第1の混晶層の表面に、それぞれ第2導電型の不純物注入層を形成する工程と、前記不純物注入層上にドレイン電極およびソース電極を形成する工程と、を具備することを特徴とする方法である。
【0011】
ここで、第2の混晶層を、半導体基板の<110>方向とは異なる方向に延長形成するように形成する理由は、この方向が、半導体基板の<110>方向と比較して原子間力が強いためである。この原子間力の強い方向が主方向となるように第2の混晶層を形成することにより、第2の混晶層で発生する転移、結晶欠陥を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、混晶層に発生する転位、結晶欠陥を抑制することができる半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【図2】図1のX−X´に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のY−Y´に沿って示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のY−Y´に沿って示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のY−Y´に沿って示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図16】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図17】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図19】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程における活性化アニールの温度プロファイルを示す。
【図20】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図21】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を図1のX−X´に沿って示す断面図である。
【図22】本発明の他の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【図23】本発明の他の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【図24】本発明の他の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、素子領域11と非素子領域12とによって構成されている。これらの領域11、12は、p型のSi基板13表面に枠状に形成された第1の素子分離層14−1によって互いに電気的に分離されている。
【0016】
素子領域11は、第1の素子分離層14−1内に形成されている。第1の素子分離層14−1内は、さらに第2の素子分離層14−2によって互いに分離されている。なお、これらの第1、第2の素子分離層14−1、14−2は、例えばSTI(Shallow trench isolation)構造であって、例えばSiO等からなる。
【0017】
第2の素子分離層14−2によって分離された一方の素子領域11内には、pMOSFET15−1が形成されている。そして、他方の素子領域11内には、nMOSFET15−2が形成されている。これらのpMOSFET15−1とnMOSFET15−2とは、それぞれ図中の矢印aで示すように、チャネル方向がSi基板の結晶軸<110>方向に向くように形成されている。また、pMOSFET15−1とnMOSFET15−2とは、後述するように、これらの上部に形成された配線により電気的に接続されており、これによってCMOSFET15が形成されている。すなわち、第1の素子分離層14−1内には、CMOSFET15が形成されている。
【0018】
図2は、図1のX−X´に沿った断面図である。以下に、図2を参照して、素子領域11の構造について説明する。
【0019】
まず、素子領域11を構成するpMOSFET15−1の構造について説明する。図1Bに示すように、p型のSi基板13表面において、pMOSFET15−1が形成される領域には、n型のウェル層16が形成されている。このn型のウェル層16は、pMOSFET15−1のチャネル領域として機能するものであり、チャネル方向がSi基板13の結晶軸<110>方向に沿うように形成されている。
【0020】
nウェル層16の表面上には、ドレイン領域19およびソース領域20の一部を形成するための凹状の開口17(リセス領域17)が離間して形成されている。これらの開口17(リセス領域17)には、混晶層18が、エピタキシャル成長によりSi基板13から上方に盛り上がって形成されている。これらの混晶層18は、それぞれの表面に、p+型の不純物注入層19−1、20−1が形成されている。
【0021】
さらに、Si基板13の表面には、p+型の不純物注入層19−1、20−1とそれぞれ接合するようにp型の不純物注入層19−2、20−2が形成されている。これらのp型の不純物注入層19−2、20−2は、それぞれp+型の不純物注入層19−1、20−1よりも浅く形成されている。このようなp型の不純物注入層19−2とp+型の不純物注入層19−1により、ドレイン領域19が形成され、p型の不純物注入層20−2とp+型の不純物注入層20−1により、ソース領域20が形成されている。
【0022】
混晶層18は、Geが25%の濃度で含有されたSiGeからなる。しかし、この混晶層18のGeの濃度は箇所によって異なっており、混晶層18の表面から内部方向に向かってGeが高濃度になるように形成されていてもよい。一例として、開口17(リセス領域17)と混晶層18の下部表面との境界面近傍においては0〜25%、混晶層18の内部の中心近傍においては25〜15%、Si基板13から盛り上がった混晶層18の上部表面近傍においては15〜0%になるように形成される。
【0023】
なお、混晶層18におけるSi濃度は、シリサイド反応が容易に得られる濃度とすることが望ましい。
【0024】
このような混晶層18は、図1における矢印aの方向が、Si基板の結晶軸<110>方向に向くように形成されている。すなわち、混晶層18を、図1における矢印aの方向に延長形成するように形成されている。
【0025】
なお、以降の説明において、延長形成される方向を主方向と称す。従って、例えば平面形状が長方形の場合において、主方向とは、長方形の長手方向を意味する。
【0026】
上述したそれぞれの混晶層18上には、例えばニッケル白金(NiPt)等の高融点金属からなるドレイン電極21またはソース電極22が形成されている。ここで、混晶層18の上部表面はシリサイド化されており、各電極21、22は、このシリサイド層23を介して混晶層18上に形成されている。
【0027】
また、nウェル層16上において、ドレイン領域19とソース領域20との間には、図1に示すように、ゲート絶縁膜24を介してゲート電極25が帯状に形成されている。ここで、ゲート絶縁膜24は、例えば熱酸窒化膜(Si酸窒化膜)からなり、ゲート電極25は、例えばpoly−Siからなる。
【0028】
上述したゲート絶縁膜23は、SiO膜などの酸化膜または、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)などを含む金属酸化膜であってもよい。また、ゲート電極24は、金属材料含有されたものであってもよい。
【0029】
なお、このゲート電極24の両側壁には、例えばSiOからなるゲート側壁26が形成されている。
【0030】
次に、nMOSFET15−2の構造について説明する。図2に示すように、p型のSi基板13表面には、n+型の不純物注入層27−1および、n+型の不純物注入層27−1より浅いn型の不純物注入層27−2が形成されている。これらの不純物注入層27−1、27−2は、互いに接合して形成されており、これらによって、ドレイン領域27が形成されている。同様に、p型のSi基板13表面において、ドレイン領域27と離間した位置には、n+型の不純物注入層28−1および、n+型の不純物注入層28−1より浅いn型の不純物注入層28−2が形成されている。これらの不純物注入層28−1、28−2は、互いに接合して形成されており、これらによって、ソース領域28が形成されている。
【0031】
上述したn+型の不純物注入層27−1、28−1上には、例えばニッケル白金(NiPt)等の高融点金属からなるドレイン電極29またはソース電極30が形成されている。
【0032】
また、p型のSi基板13表面において、ドレイン領域27とソース領域28との間には、図1に示すように、ゲート絶縁膜31を介してゲート電極32が帯状に形成されている。そして、このゲート電極32の両側壁には、ゲート側壁33が形成されている。
【0033】
これらのゲート絶縁膜31、ゲート電極32、ゲート側壁33は、上述のpMOSFETのゲート絶縁膜24、ゲート電極25、ゲート側壁26とそれぞれ同様である。
【0034】
以上に説明したpMOSFET15−1とnMOSFET15−2とが形成されたSi基板13上には、層間絶縁膜(図1、図2においては図示せず)が形成されおり、この層間絶縁膜上には、配線層(図示せず)が形成されている。上述したpMOSFET15−1、nMOSFET15−2は、この配線層に形成された配線(図示せず)と、層間絶縁膜に形成された複数のコンタクトホール(図1、図2においては図示せず)に形成されたヴィア(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0035】
具体的には、pMOSFET15−1のゲート電極25とnMOSFET15−2のゲート電極32とは、コンタクトホールに形成されたヴィア(図示せず)を介して、入力端子(図示せず)に接続された配線に共通に接続されている。同様に、pMOSFET15−1のドレイン電極21とnMOSFET15−2のドレイン電極29とは、コンタクトホールに形成されたヴィア(図示せず)を介して、出力端子(図示せず)に接続された配線に共通に接続されている。また、pMOSFET15−1のソース電極22は、コンタクトホールに形成されたヴィア(図示せず)を介して、電源(図示せず)に接続された配線に接続されており、nMOSFET15−2のソース電極30は、コンタクトホールを介して接続された配線を介して接地される。
【0036】
すなわち、既に説明した素子領域11とは、この領域11の上部に形成された配線層と電気的に接続された領域と定義することもできる。反対に、以下に説明する非素子領域12とは、配線層と電気的に接続されない領域と定義することもできる。
【0037】
次に、図1に示す非素子領域12について説明する。
【0038】
非素子領域12には、例えば長辺が1μm程度の長方形のダミーパターン35が格子状に形成されている。これらのダミーパターン35は、図2に示す素子領域11の混晶層18と同様の材料(SiGe)、同様のGe濃度、および同様の形成方法により形成された混晶層ある。
【0039】
ダミーパターン35は、図2に示す混晶層18が形成された凹状の開口17(リセス領域17)と同様の複数の開口(リセス領域)(図2においては図示せず)が、非素子領域12に格子状に形成されており、この非素子領域12に形成された開口(リセス領域)上に形成されている。
【0040】
このようなダミーパターン35は、上述した素子領域11の混晶層18を形成する際に、安定したエピタキシャル成長を実現するために設けられている。
【0041】
すなわち、上述した素子領域11の混晶層18の表面積は、Si基板13の表面積と比較して極めて微小である。エピタキシャル成長は、通常、Si基板13に対するエピタキシャル層の被覆率が極めて微小な場合、正常に成膜されず、成膜された場所によって膜厚が異なる等の問題が生じる。従って、ダミーパターン35は、Si基板13の表面積に対するエピタキシャル層の表面積の被覆率を高くするために設けられており、これにより、素子領域11の混晶層18を形成する際に、安定したエピタキシャル成長を実現している。
【0042】
なお、上述の被覆率は、Si基板13の表面積に対する全ての開口面積(全てのリセス領域の面積)の開口率と同義であり、本実施形態の半導体装置において、被覆率、すなわち開口率は、例えば10%である。
【0043】
このように、素子領域11の混晶層18を安定して成膜するために設けられたダミーパターン35は、図1に示すように、ダミーパターン35の主方向(図中の矢印b)が、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成されている。
【0044】
以上に、本実施形態に係る半導体装置の構造について説明した。次に、上述した半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0045】
先ず、図3に示すように、Si基板13表面の一部にnウェル層16を形成する。このnウェル層16は、p型のSi半導体基板13表面において、図1に示すpMOSFET15−1が形成される領域に開口を有するフォトレジスト膜(図示せず)を設け、このフォトレジスト膜をマスクとして用いてSi基板13にn型不純物のV属原子、例えばリン(P)をイオン注入することによって形成される。
【0046】
次に、図4に示すように、Si基板13上からフォトレジスト膜を除去後、素子領域11の外周および、この素子領域11を2箇所に分けるようにトレンチ36を形成する。トレンチ36は、例えばフォトリソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)により形成される。
【0047】
次に、図5に示すように、少なくともトレンチ36の内部を埋めるようにSi基板13上にSiO等の絶縁膜(図示せず)を堆積し、Si基板13の表面から絶縁膜を除去することにより、STI(Shallow trench isolation)構造の第1の素子分離層14−1、第2の素子分離層14−2を形成する。
【0048】
絶縁膜の堆積は、例えばLPCVD(Low Presure Chemical Vapor Deposition)法により行われる。また、絶縁膜の除去は、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により行われる。
【0049】
次に、図6に示すように、Si基板13の表面全体に、後にゲート絶縁膜24、31となる熱酸窒化膜(Si酸窒化膜)、後にゲート電極25、32となるpoly−Si膜、後にオフセット絶縁膜40となるSi窒化膜(Si)をこの順に堆積する。これらの膜は、それぞれ例えばLPCVD法により堆積される。
【0050】
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィおよびRIEによって、素子領域11内のnウェル層16上および、Si基板13上に、ゲート絶縁膜24、31、ゲート電極25、32、オフセット絶縁膜40がこの順で積層された帯状の積層構造体41を形成する。
【0051】
次に、図8に示すように、帯状の積層構造体41を被覆するように例えばSi酸化膜を成膜し、このSi酸化膜をエッチバックすることにより、積層構造体41の側壁に、ゲート側壁42を形成する。さらに、図8に示すnウェル層16上および、図9に示す非素子領域12上の一部に開口を有するフォトレジスト膜43を、Si基板13上に形成する。
【0052】
ここで、図8に示されるゲート側壁42を形成するために成膜するSi酸化膜は、Si窒化膜、または、Si酸化膜とSi窒化膜とが積層された積層膜であってもよい。
【0053】
Si酸化膜等の成膜は、例えばLPCVD法により行われる。また、エッチバックは、例えばRIEなどの異方性のドライエッチング法により行われる。
【0054】
次に、図10、図11に示すように、オフセット絶縁膜40、ゲート側壁42、およびフォトレジスト膜43をマスクとして使用し、Si基板13の表面をリセスエッチングすることにより、Si基板13表面に凹状の開口17、34(リセス領域17、34)を形成する。開口17、34(リセス領域17、34)は、例えば80nm程度の深さであって、Si基板13の表面積に対する全ての開口17、34(リセス領域17、34)の合計面積の開口率が10%になるように形成される。
【0055】
次に、希フッ酸を用いた洗浄処理により、Si基板13表面の自然酸化膜を除去した後、図12に示すように、開口17(リセス領域17)に、SiとSiより格子定数の大きいGeとからなる混晶層18をエピタキシャル成長させると同時に、図13に示すように、開口34(リセス領域34)に、図12の混晶層18と同一のダミーパターン35をエピタキシャル成長させる。このとき、図12に示す混晶層18は、その主方向が、Si基板13の結晶軸<110>方向に向くように形成される。また、図13に示すダミーパターン35、すなわち、非素子領域の混晶層35は、その主方向が、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成される。
【0056】
上述した素子領域の混晶層18、非素子領域の混晶層35におけるGe濃度は、詳細は上述したため省略するが、一つの混晶層内において、箇所によって異なるように形成されてもよい。Ge濃度が箇所によって異なるような混晶層18、35は、エピタキシャル成長の際に用いられる成膜ガスであるGeHのガス流量を、段階的に変化させることにより形成することができる。
【0057】
次に、図14に示すように、図12、図13に示されたフォトレジスト膜43を除去し、さらにオフセット絶縁膜40、ゲート側壁42を薬液により除去する。この後、第1の素子分離層14−1と第2の素子分離層14−2とで囲まれる2箇所の領域のうち、第1の混晶層18およびゲート電極25が形成された領域以外を例えばフォトレジスト膜45aでマスクする。このフォトレジスト膜45aをマスクとして、p型不純物となるIII族原子、例えばBFを注入することにより、混晶層18とゲート電極25との間のSi基板13の表面に、p型の不純物注入層19−2、20−2を形成する。ここで、BFイオン注入の条件は、例えば加速エネルギー2keVで、ドーズ量1×1015cm−2とする。
【0058】
なお、この工程において、混晶層18の表面にもp型の不純物注入層(図示せず)が形成される。
【0059】
次に、図15に示すように、図14に示されるフォトレジスト膜45aを除去した後、第1の素子分離層14−1と第2の素子分離層14−2とで囲まれる領域のうち、ゲート電極32が形成された領域以外を例えばフォトレジスト膜45bでマスクする。このフォトレジスト膜45bをマスクとして、n型不純物となるV族原子、例えばヒ素(As)イオンを注入することにより、Si基板13の表面に、n型の不純物注入層27−2、28−2を形成する。ここで、Asイオン注入の条件は、例えば加速エネルギー2keVで、ドーズ量1×1015cm−2とする。
【0060】
次に、図16に示すように、図15に示されるフォトレジスト膜45bを除去した後、ゲート絶縁膜24、31およびゲート電極25、32の側壁に、例えばSi酸化膜およびSi窒化膜からなる多層構造のゲート側壁26、33を、図8に示されたゲート側壁42と同様に形成する。この後に、再び第1の素子分離層14−1と第2の素子分離層14−2とで囲まれる2箇所の領域のうち、第1の混晶層18およびゲート電極25が形成された領域以外を例えばフォトレジスト膜45cでマスクする。このゲート側壁26、33およびフォトレジスト膜45cをマスクとして、イオン注入法により、例えば、ホウ素(B)からなるp型不純物を注入することにより、混晶層18の表面に、p+型の不純物注入層19−1、20−1を形成する。これにより、ドレイン領域19およびソース領域20が形成される。ここで、Bイオン注入の条件は、例えば加速エネルギー2keVで、ドーズ量3×1015cm−2とする。
【0061】
次に、図17に示すように、図16に示されるフォトレジスト膜45cを除去した後、再び第1の素子分離層14−1と第2の素子分離層14−2とで囲まれる領域のうち、ゲート電極32が形成された領域以外を例えばフォトレジスト膜47でマスクする。このゲート側壁33およびフォトレジスト膜47をマスクとして、イオン注入法により、例えば、ヒ素(As)からなるn型不純物を注入することにより、混晶層18の表面に、n+型の不純物注入層27−1、28−1を形成する。これにより、ドレイン領域27およびソース領域28が形成される。ここで、Asイオン注入の条件は、例えば加速エネルギー20keVで、ドーズ量3×1015cm−2とする。
【0062】
次に、図18に示すように、フォトレジスト膜47を除去した後、ハロゲンランプから放射される光46を用いたSpike RTA(Rapid Thermal Annealing)により、例えば1050℃でアニールする。このアニールにより、p+型の不純物注入層19−1、20−1に注入されたホウ素が格子位置に置換されて取り込まれる。従って、イオン注入により混晶層18に発生した結晶欠陥は回復し、電気的に活性化される。
【0063】
そして、図19に示す温度プロファイルを有する昇降温速度が10℃/sec以上で、フラッシュランプを用いて活性化アニールを行う。
【0064】
ここで、活性化アニール温度は、例えば1200℃である。この活性化アニール温度は、1150℃以上が好ましく、より好ましくは1200℃以上である。
【0065】
次に、混晶層18および、ドレイン領域27、ソース領域28以外をフォトレジスト膜(図示せず)でマスクし、例えば、ニッケル白金(NiPt)からなる高融点金属膜を形成する。さらに、フォトレジスト膜(図示せず)を除去した後、アニール処理を行う。これにより、図20に示すように、混晶層18上にドレイン電極21およびソース電極22を形成するとともに、n+型の不純物領域27、28上に、ドレイン電極29およびソース電極30を形成する。
【0066】
なお、電極形成前のアニール処理により、混晶層18の表面はシリサイド化されている。従って、ニッケル白金からなるドレイン電極21、ソース電極22は、混晶層18表面のシリサイド層23上に形成される。
【0067】
次に、図21に示すように、Si基板13の表面に、例えばSiO等からなる層間絶縁膜48を堆積する。そして、ゲート電極25、32、ドレイン電極21、29、ソース電極22、30上に、コンタクトホール49を形成する。
【0068】
最後に、層間絶縁膜48上に配線層(図示せず)を形成する。そして、この配線層に形成された配線と、ゲート電極25、32同士、およびドレイン電極21、29同士を、それぞれコンタクトホール49に形成されるヴィア(図示せず)を介して接続すると同時に、pMOSFETのソース電極22と電源(図示せず)とをコンタクトホール40に形成されるヴィア(図示せず)を介して接続し、また、nMOSFETのソース電極30を、コンタクトホール49に形成されたヴィア(図示せず)を介して接地することにより、半導体装置が形成される。
【0069】
以上に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明した。
【0070】
上述の半導体装置によれば、ダミーパターン35の主方向を、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成することにより、製造工程における種々の熱工程を経た上で、さらにフラッシュランプアニール工程を経た後であっても、ダミーパターン35における転位、結晶欠陥の発生を抑制することができる。従って、素子領域11の混晶層18に転位、結晶欠陥が進展することを抑制することができる。この理由については、後述する。
【0071】
また、本実施形態の半導体装置において、素子領域11に形成されたそれぞれの混晶層18のGe濃度は、開口17(リセス領域17)と混晶層18の下部表面との境界面から混晶層18の中心方向に向かって徐々に増大するように形成された。これにより、Si基板13と混晶層18との格子不整合に起因する周辺への転位と結晶欠陥の発生を抑制することができる。さらに、段階的にSiGe由来の応力を効果的にnウェル層16に印加することができる。
【0072】
さらに、本実施形態の半導体装置において、素子領域11に形成されたそれぞれの混晶層18のGe濃度は、混晶層18の中心から混晶層18の上部表面方向に向かって徐々に低下するように形成された。これにより、混晶層18の上部表面と、ソース電極22またはドレイン電極21との良好なコンタクトを実現することができる。
【0073】
ここで、上述した本実施形態に係る半導体装置によって、転位、結晶欠陥を抑制することができる理由について説明する。
【0074】
Si基板13の結晶軸<110>方向は、一般には劈開方向に相当する方向である。この方向は原子間の結合力の弱い方向であるため、この方向に転位が発生しやすい。従って、ダミーパターン35の主方向をSi基板13の結晶軸<110>方向よりずらすことにより、SiGe/Si界面における結晶格子の不整合性や歪に対する耐性に繋がったものと推測される。
【0075】
なお、一般に、Si基板に混晶層が形成されている場合、上述した本実施形態の半導体装置の製造方法のように、例えば1200度のように高温で活性化アニールすると、Si基板の塑性変形量ΔBowが増大する。このような塑性変形量ΔBowの増大は、混晶層内に転位が高密度に発生したことによって、誘起された現象と推測される。上述した実施形態とは異なり、混晶層18の主方向をSi基板13の結晶軸<110>方向に向くように形成した場合、ダミーパターン35のような比較的に表面積が大きな領域では、特に高密度に転位、結晶欠陥が発生することは、本願発明者等によって確認されている。本願発明者等が光学顕微鏡によって観察したところ、混晶層18を有する領域内において、Si基板13の結晶軸<110>方向に転位が観察された。これは、混晶層18のサイズが大きくなるほど、より高密度に転位が観察された。このように、転位発生に混晶層のサイズ依存性がある理由は、以下の通りである。
【0076】
混晶層の体積が増えるほど、Si基板13を構成するSiと混晶層との格子不整合率が増大する。この格子不整合率の増大により、混晶層近傍へのストレス量が増加したためである。さらにその上で、昇降温速度が10℃/sec以上と大きい極短時間アニールにより、基板最表層部に限定して高温になり、基板が膨張すること、活性化アニール中において、基板の表層部と裏層部と温度差が大きくなり、基板の厚み方向に熱応力が発生することにより、混晶層のサイズに伴い転位発生に対する耐熱性マージンが低くなると推測される。
【0077】
以上に、本実施形態に係る半導体装置について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではない。
【0078】
例えば、素子領域11に形成される半導体素子は、CMOSFET15に限定されない。例えば、素子領域11に形成される半導体素子は、混晶層18を有するpMOSFETであってもよい。
【0079】
また、上述の実施形態に係る半導体装置において、非素子領域12のダミーパターン35は、この主方向が、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成された。しかし、図22に示すように、素子領域11の混晶層18が、この主方向が、図中の矢印a´に示すように、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成されてもよい。この図22の例においては、pMOSFET15−1、nMOSFET15−2のチャネル方向も、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成されている。
【0080】
また、ダミーパターン35の平面形状は、ダミーパターン35の主方向が、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に向くように形成されればよく、形状は限定されない。従って、ダミーパターン35は、例えば図23、図24に示すような平面形状であってもよい。
【0081】
例えば、図23に示すダミーパターン35は、図22と比較して、主方向の長さを変えず、Si基板13の結晶軸<110>方向に沿う方向の長さL1を短くした例である。このように、転位、結晶欠陥が生じ安い方向の長さL1を短くすることにより、ダミーパターン35に発生する転位、結晶欠陥をより抑制することができる。
【0082】
また、図24に示すダミーパターン35は、図23と比較して、主方向が図中の矢印b´に示すように、Si基板13の結晶軸<100>方向(結晶軸<110>方向から45度回転した方向)に向くように形成された例である。このように、ダミーパターン35の主方向が、転位、結晶欠陥が生じ難いSi基板13の結晶軸<100>方向に向くようにダミーパターン35を形成することにより、ダミーパターン35に発生する転位、結晶欠陥をより抑制することができる。
【0083】
さらに図24においては、素子部の混晶層18の主方向(図中の矢印a´´)も、Si基板13の結晶軸<100>方向に向くように形成されている。
【0084】
なお、ダミーパターン35の主方向がSi基板13の結晶軸<100>方向に向くようにダミーパターン35を形成することにより、ダミーパターン35に発生する転位、結晶欠陥をより抑制することができる理由は、この方向が、低格子密度であるため、結晶格子の不整合性を補正し結晶格子の不整合率が小さくなり、極短時間アニールに対する転位進展の抑制に繋がったためであると推測される。
【0085】
このように、ダミーパターン35は、この主方向がSi基板13の結晶軸<100>方向に向き、Si基板13の結晶軸<110>方向の距離が短くなる形状が好ましい。
【0086】
以上に、ダミーパターン35の好ましい形状について説明したが、ダミーパターン35の形状は上述したような長方形に限定されるものではなく、例えば多角形あるいは楕円等の如何なる形状であってもよい。これらの各形状の場合、Si基板13の結晶軸<110>方向とは異なる方向に延長形成されればよい。なお、多角形あるいは楕円等の形状のダミーパターン35も、長方形の場合と同様に、主方向がSi基板13の結晶軸<100>方向に向き、Si基板13の結晶軸<110>方向の距離が短くなる形状が好ましい。
【0087】
また、ダミーパターン35の配置および数は、ダミーパターン35および素子領域11の混晶層18の合計面積の、Si基板13の表面積に対する被覆率が、正常なエピタキシャル成長を実現できる程度の割合になるように形成されればよく、配置および数も限定されない。
【0088】
また、本実施形態においては、熱光源としてXeフラッシュランプを用いたアニール方法によって説明している。しかし、熱光源はXeフラッシュランプに限定されるものではなく、例えば、他の希ガス、水銀、及び水素を用いたフラッシュランプ、エキシマレーザー、YAGレーザー、一酸化炭素ガス(CO)レーザー、及び二酸化炭素(CO)レーザー等のレーザー、あるいはXeアーク放電ランプ等のような高輝度発光が可能な光源であっても良い。また、従来のハロゲンランプ、抵抗加熱ヒーター等で熱処理する場合にも適用することが可能である。
【0089】
また、本実施形態においては、Si基板13を使用した場合について説明したが、必ずしもSi基板13を含めたバルクの単結晶ウエハを用いる必要はなく、エピタキシャルウエハ、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0090】
11・・・素子領域
12・・・非素子領域
13・・・Si基板
14−1・・・第1の素子分離層
14−2・・・第2の素子分離層
15・・・CMOSFET
15−1・・・pMOSFET
15−2・・・nMOSFET
16・・・n型のウェル層
17・・・開口(リセス領域)
18・・・混晶層
19・・・pMOSFETのドレイン領域
20・・・pMOSFETのソース領域
21・・・pMOSFETのドレイン電極
22・・・pMOSFETのソース電極
23・・・シリサイド層
24・・・pMOSFETのゲート絶縁膜
25・・・pMOSFETのゲート電極
26・・・pMOSFETのゲート側壁
27・・・nMOSFETのドレイン領域
28・・・nMOSFETのソース領域
29・・・nMOSFETのドレイン電極
30・・・nMOSFETのソース電極
31・・・nMOSFETのゲート絶縁膜
32・・・nMOSFETのゲート電極
33・・・nMOSFETのゲート側壁
34・・・非素子領域の開口(リセス領域)
35・・・ダミーパターン(非素子領域の混晶層)
36・・・トレンチ
40・・・オフセット絶縁膜
41・・・積層構造体
42・・・ゲート側壁
43、45、47・・・フォトレジスト膜
46・・・ハロゲンランプから放射される光
48・・・層間絶縁膜
49・・・コンタクトホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板表面に形成され、ゲート電極、第1導電型のドレイン領域及びソース領域を有する第2導電型のトランジスタと、
前記第2導電型のトランジスタのチャネルとなる領域の両端に形成され、前記半導体基板を構成する第1の原子および、前記第1の原子の格子定数と異なる格子定数の第2の原子からなる第1の混晶層と、
前記ドレイン領域及びソース領域上にそれぞれ形成されたドレイン電極およびソース電極と、
を具備する素子領域と、
この素子領域を囲うように前記半導体基板の表面に形成された素子分離層と、
この素子分離層外の前記半導体基板の表面に第1の原子および第2の原子からなり、その主方向が、前記半導体基板の<110>方向とは異なる複数の第2の混晶層と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の混晶層は、その主方向が、前記半導体基板の<100>方向に一致することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の混晶層は、その主方向が、前記半導体基板の<110>方向とは異なることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の混晶層は、その主方向が、前記半導体基板の<100>方向に一致することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の表面に、素子領域と非素子領域とを電気的に分離する素子分離層を形成する工程と、
前記素子領域の表面に第1導電型の不純物注入層を形成する工程と
前記第1導電型の不純物注入層上にゲート電極を形成する工程と、
前記半導体基板の前記ゲート電極下の領域の両端に第1の開口を形成する工程と、
前記非素子領域に複数の第2の開口を形成する工程と、
前記半導体基板を構成する第1の原子および、この第1の原子の格子定数と異なる格子定数の第2の原子からなる第1の混晶層を、前記第1の開口内に、エピタキシャル成長により形成すると同時に、前記第1の混晶層と同一材料からなり、その主方向が前記半導体基板の<110>方向とは異なる第2の混晶層を、前記第2の開口内に、エピタキシャル成長により形成する工程と、
前記第1の混晶層の表面に、それぞれ第2導電型の不純物注入層を形成する工程と、
前記不純物注入層上にドレイン電極およびソース電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の混晶層を形成する工程は、主方向が、前記半導体基板の<100>方向に一致する第2の混晶層を、前記第2の開口内に、エピタキシャル成長により形成する工程であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1の混晶層を形成する工程は、主方向が、前記半導体基板の<110>方向とは異なる第1の混晶層を、第1の開口内に、エピタキシャル成長により形成する工程であることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の混晶層を形成する工程は、主方向が、前記半導体基板の<100>方向に一致する第1の混晶層を、前記第1の開口内に、エピタキシャル成長により形成する工程であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2011−14762(P2011−14762A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158503(P2009−158503)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】