説明

LXRモジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物およびこのような化合物を、肝臓X受容体(LXR)の活性と関連する疾患または障害の処置または予防に使用するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願との相互参照
本発明は、2004年2月11日出願の米国仮特許出願60/544,149に対する優先権の利益を主張する。この出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本出願に包含される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物および、このような化合物を肝臓X受容体(LXR)の活性と関連する疾患または障害の処置または予防に使用する方法を提供する。
【0003】
背景
肝臓X受容体(LXR)、LXRαおよびLXRβは、コレステロールおよび胆汁酸を含む数種の重要な脂質の代謝を制御する核受容体である。LXRβは体内のあちこちに発現されるが、LXRαは肝臓におよびわずかに腎臓、小腸、脂肪組織、脾臓および副腎で発現される。
【0004】
LXRは、ATP結合カセットトランスポーター−1(ABCA1)プロモーターに結合し、該遺伝子の発現を増加させてABCA1タンパク質を発現させる。ABCA1は、肝臓外細胞から発生期の高密度リポタンパク質(HDL)粒子上へのコレステロール流出の制御に関与する、膜に結合した輸送タンパク質である。ABCA1遺伝子の変異は低レベルのHDL、ならびに附随するアテローム性動脈硬化症、心筋梗塞および虚血性卒中のような心臓血管疾患の危険性の増大をもたらす。LXRαおよびβアゴニストは、ABCA1遺伝子発現を増加させ、それによりHDLコレステロールを増加させ、そして結果として、コレステロールの正味の吸収および心臓血管疾患の危険性の両方を減少させる。LXRアゴニストはまたアポリポタンパク質E(apoE)およびABCG1のマクロファージ発現を上方制御し、この両方とも細胞コレステロールの流出に関与する。ABCA1、ABCG1および/またはapoE発現の上方制御を介したマクロファージコレステロール流出の刺激、ならびにコレステロールエステル伝導タンパク質およびリポタンパク質リパーゼを含む他の標的遺伝子の発現の増加により、LXRアゴニストは血漿リポタンパク質に作用する。
【0005】
本発明の新規化合物は、LXRの活性を調節し、故に、心臓血管疾患、炎症ならびにインスリン抵抗性および肥満のようなグルコース代謝の障害のような、LXR関連疾患の処置に有用であることが予測される。
【0006】
発明の概要
第一の局面において、本発明は式I:
【化1】

〔式中、
Yは、O、NRおよびSから選択され;ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;
nは、0、1、2、3および4から選択され;
は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)R、−XOC(O)R、−XC(O)OR、−XOR、−XS(O)、−XS(O)R、−XSR、−XNR、−XC(O)NR、−XNRC(O)R、−XNRC(O)OR、−XNRC(O)NR、−XNRC(NR)NR、−XP(O)(OR)OR、−XOP(O)(OR)OR、−XS(O)NR、−XS(O)NR、−XSNR、−XNRS(O)、−XNRS(O)R、−XNRSR、−XNRC(O)NR、−および−XC(O)SRから選択され;ここで、Xは、結合またはC1−6アルキレンであり;そして、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択されるか;または、RおよびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一体となってC5−10ヘテロアリールまたはC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;ここでRまたはRとRの組合せの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;
【0007】
は、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、シクロアルキル−アルキルまたはヘテロシクロアルキル−アルキルは、所望により、ハロ、シアノ−C0−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−OXR、−OXC(O)NR、−OXC(O)NRXC(O)OR、−OXC(O)NRXOR、−OXC(O)NRXNR、−OXC(O)NRXS(O)0−2、−OXC(O)NRXNRC(O)R、−OXC(O)NRXC(O)XC(O)OR、−OXC(O)NR、−OXC(O)OR、−OXOR、−OXR、−XR、−OXC(O)R、−OXS(O)0−2および−OXC(O)NRCR[C(O)Rから独立して選択される1個から5個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは結合およびC1−6アルキレンから選択され、ここで、Xの任意のメチレンは、所望により、C(O)、NR、S(O)およびOから選択される2価ラジカルで置換でき;RおよびRは、独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;RはC6−10アリール−C0−4アルキル、C5−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアルキルは、−C(O)OR10で置換された水素を有してよく;そして、R、RまたはRの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)OR10、−XOR10、−XR11、−XOR11、−XC(O)R11、−XNR10C(O)OR10、−XNR10C(O)R10、−XNR10S(O)0−210、−XS(O)0−211、−XC(O)R10、−XC(O)NR1011、−XC(O)NR10OR10、−XC(O)NR1010、−XS(O)0−2NR1010および−XS(O)0−210から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;ここで、R10は独立して水素、C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルキルから選択され;そして、R11は、C6−10アリール、C3−8ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され;
【0008】
は、1個から3個のC1−6アルキルラジカルで置換されていてよいC1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ−置換−C1−10アルキル、ハロ−置換−C1−10アルコキシおよびC3−12シクロアルキルから選択される。〕
の化合物;ならびに、そのN−オキシド誘導体、S−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物;ならびに、このような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。
【0009】
第二の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物;またはその薬学的に許容される塩を、1個以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0010】
第三の局面において、本発明は、動物におけるLXR活性の調節により、疾患の病状および/または総体的症状を予防、阻止または軽減できるものである疾患の処置法であって、該動物に治療的有効量の式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0011】
第四の局面において、本発明は、動物におけるLXR活性が疾患の病状および/または総体的症状に関連しているものである疾患の処置用医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0012】
第五の局面において、本発明は、式Iの化合物およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、ならびにその薬学的に許容される塩の製造法を提供する。
【0013】
発明の詳細な記載
定義
基ならびに他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構成要素としての“アルキル”は、直鎖または分枝鎖のいずれかであり得る。C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ−置換アルキルは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0014】
“アリール”は、6個から10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体である。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチルであり得、好ましくはフェニルである。“アリーレン”は、アリール基由来の2価基を意味する。“ヘテロアリール”は、アリールについて定義の通りであり、ここで、環員の1個以上がヘテロ原子である。例えばヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。“C6−10アリールC0−4アルキル”は、アルキレン基を介して接続している、上記で定義の通りのアリールである。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルは、フェネチル、ベンジルなどを含む。
【0015】
“シクロアルキル”は、示す環原子数を含む、飽和または部分的不飽和、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。“ヘテロシクロアルキル”は、示す環炭素の1個以上が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である。)で置換されている以外、本明細書で定義の通りのシクロアルキルである。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イルなどを含む。
【0016】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを意味するが、ブロモまたはヨードであってもよい。
【0017】
LXR受容体に関連する“調節”は、LXR受容体およびLXR経路と関連するその生物学的活性の活性化(例えば、標的遺伝子の転写制御)を意味する。LXR受容体の調節は、上方制御(すなわち、アゴナイズ、活性化または刺激)または下方制御(すなわち拮抗、阻止または抑制)であり得る。LXRモジュレーターの作用形態は、直接的、例えば、リガンドとしてLXR受容体への結合を介するものであり得る。該調節はまた、間接的、例えば、他の方法でLXR受容体と結合しそして活性化する他の分子への結合および/またはその修飾を介してであってもよい。故に、LXRの調節は、LXRアゴニストリガンドの生物活性(すなわち、LXR受容体と結合および/または活性化するその能力)の変化、またはリガンドの細胞レベルの変化を含む。
【0018】
“処置”、“処置する”および“処置し”は、疾患および/またはその随伴症状の軽減もしくは減退法を意味する。
【0019】
好ましい態様の記載
本発明は、LXR活性の調節により、疾患の病状および/または総体的症状を予防、阻止または軽減できるものである疾患の処置のための、化合物、組成物および方法を提供し、該方法は、動物に治療的有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0020】
一つの態様において、nは、0、1、2および3から選択される、式Iの化合物に関する。
【0021】
他の態様において、Rは、ハロ、C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルキルから選択される。
【0022】
他の態様において、Rは、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキルおよびC3−12シクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここでRの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキルまたはシクロアルキル−アルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−OXR、−OXC(O)NR、−OXC(O)NRXC(O)OR、−OXC(O)NRXOR、−OXC(O)NRXNR、−OXC(O)NRXS(O)0−2、−OXC(O)NRXNRC(O)R、−OXC(O)NRXC(O)XC(O)OR、−OXC(O)NR、−OXC(O)OR、−OXOR、−OXR、−XR、−OXC(O)Rおよび−OXC(O)NRCR[C(O)Rから独立して選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよく;ここで、Xは、結合およびC1−6アルキレンから選択され;RおよびRは、独立して、水素、シアノ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C2−6アルケニルおよびC3−12シクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;Rは、C6−10アリール−C0−4アルキル、C5−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアルキルは、−C(O)OR10で置換された水素を有していてよく;そして、Rの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)OR10、−XC(O)R10、−XC(O)NR1010、−XS(O)0−2NR1010および−XS(O)0−210から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;ここで、R10は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、Rは、所望により1個から3個のC1−6アルキルラジカルで置換されていてよいC1−10アルキルおよびC3−12シクロアルキルから選択される。
【0023】
他の態様において、Rは、ハロ、メチル、エチルおよびトリフルオロメチルから選択され;そして、Rは、t−ブチル、メチル−シクロペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、1−エチル−1−メチル−プロピルおよびメチル−シクロヘキシルから選択される。
【0024】
さらなる態様において、Rは、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、シクロペンチル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1H−インダゾリル、1H−インドリル、ナフチルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルから選択され;ここで、Rの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキルまたはシクロアルキル−アルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ、トリフルオロ−メトキシ、ジフルオロ−メトキシ、エテニル、メチル−スルファニル、メチル−カルボニル−アミノ、ホルムアミジル、トリフルオロ−メチル、メチル、フェニル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル−カルボニル、フェノキシ、フェニル−カルボニル、ピリジニル、1H−インドリル、ピリミジニル、アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ、チオフェニル、メチル−スルファニル、メチル−ホルムアミジル、メチル−カルボニル、エテニル、フェノキシ、メトキシ−カルボニル、ベンゾキシ、イソプロピル、フラニル、イソプロピルオキシ、[1,3]ジオキソラニルおよびシアノ−メチルから選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよく;ここで、Rの任意のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル置換基は、所望により、ハロ、メチル、シアノ、カルボキシ、カルボキシ−メチル、シアノ−メチル、メトキシ、カルボニル−メチル、エチル、トリフルオロ−メチル、ヒドロキシ、イソプロピル、メチル−スルホニル−アミノ、ジメチル−アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ、アミノ−スルホニル、クロロ−メチル−カルボニル−アミノ、ジエチル−アミノ−カルボニル、1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル、4−オキソ−ピペリジン−1−イル−カルボニル、ベンジル−ホルムアミジル、モルホリノ−カルボニル、シクロプロピル−ホルムアミジル、イソブチル−ホルムアミジル、エチル−ホルムアミジル、ブトキシ、エトキシ、ベンジル、シクロペンチル−ホルムアミジル、2−メトキシ−プロピオニル、メトキシ−メチル−アミノ−カルボニル、メチル−カルボニル−アミノ、2−オキソ−ピペリジン−1−イル−ブチル、t−ブチル、メチル−スルホニル−アミノ、メトキシ−メチル、ベンゾ−アミノ−カルボニル、メトキシ−カルボニル、メトキシ−カルボニル−エチル、エトキシ−カルボニル、エトキシ−カルボニル−メチル、フェノキシ、ヒドロキシ−メチル、t−ブトキシ−カルボニル、t−ブトキシ−カルボニル−アミノ、フェニル−スルホニル、フェニル、アセチル−アミノ、メチル−スルホニル、メトキシ−カルボニル−アミノ、1−カルボキシ−エチルおよびトリフルオロ−メトキシから選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよい。
【0025】
好ましい式Iの化合物は、下記実施例および表Iに詳述する。
【0026】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、LXRの活性を調節し、それ自体、LXR活性が疾患の病状および/または総体的症状に関連しているものである疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらに、LXR活性が疾患の病状および/または総体的症状に関連しているものである疾患または障害の処置用医薬の製造において使用するための、本発明の化合物を提供する。LXR介在疾患または状態は、炎症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高脂血症およびインスリン抵抗性、II型糖尿病、および肥満を含むグルコース恒常性の障害を含む心臓血管疾患を含む。
【0027】
リポタンパク質代謝は、肝臓からの超低密度リポタンパク質(VLDL)としてのトリグリセリドとコレステロールに富む粒子の産生、これらのリポタンパク質粒子の血漿内での修飾(VLDLから中間密度(IDL)ないし低密度リポタンパク質(LDL))ならびに粒子の血漿からの、また肝臓による排泄から成る。この過程は、トリグリセリドおよび遊離コレステロールの体細胞への輸送を提供する。逆コレステロール輸送は、過剰のコレステロールが肝外組織から肝臓に戻る機構と提案される。
【0028】
本工程は、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールにより行われる。肝臓からのリポタンパク質産生(VLDL、HDL)、(全て)血漿内での粒子の修飾ならびにその後の肝臓への排泄のための回帰の組み合わせが血漿中の定常状態コレステロール濃度に寄与する。本発明の化合物は、動脈からのコレステロール流出の増加により、コレステロール輸送を増加させる。本発明は、逆コレステロール輸送増加用医薬の製造のための、本発明の化合物の使用を含む。加えて、本発明は、コレステロール吸収阻害用化合物ならびに正味のコレステロール吸収を阻害するための医薬の製造用の本発明の化合物の使用を提供する。
【0029】
本発明の化合物はまた、炎症および神経変性疾患または神経学的障害の予防または処置に有用であり得る。従って、本発明はまた炎症の予防または処置法ならびに神経変性疾患もしくは神経学的障害、特にニューロン変性、神経傷害もしくは可塑性の障害により特徴付けられる神経変性疾患もしくは障害またはCNSの炎症の予防または処置法を提供する。脳におけるニューロン変性、炎症、コレステロールおよび脂質異常により特徴付けられ、故に、ニューロンの増殖および/または修復により利益を受ける具体的疾患または状態は、卒中、アルツハイマー病、前頭側頭認知症(タウオパチー)、末梢神経障害、パーキンソン病、レビー小体型認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症およびニーマン・ピック病を含む。ニューロン変性および/または可塑性の障害により特徴付けられる疾患または状態は、統合失調症および鬱病のような精神医学的疾患を含む。神経傷害により特徴付けられる疾患または状態は、外傷を含む脳および/または脊髄傷害と関連する状態を含む。加えて、本発明の化合物は、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬、喘息などのような炎症性要素を伴う様々な疾患の処置に使用できる。
【0030】
LXRアゴニストは糖耐性を改善し、そしてglut4発現を増加させる(2002年12月23日出願の米国仮特許出願60/436,112;2003年12月22日出願の米国特許出願10/745,334)。肝臓および脂肪組織においてグルコース代謝に係わる遺伝子の協調した制御が存在する。肝臓において、LXRアゴニストは、肝臓糖新生に重要な数個の遺伝子の発現、例えば、PGC−1α、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)、およびグルコース−6−ホスファターゼ発現を阻害する。これらの糖新生遺伝子の阻止は、肝臓グルコース利用を促進させるグルコキナーゼの誘導を伴う。脂肪組織においてglut4 mRNAレベルがLXRアゴニストにより上方制御されること、および3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みがインビトロで増加することも発見された。
【0031】
これらに発見に一致して、本発明は、本発明の化合物を対象に投与することにより、対象の細胞内のglut4発現を促進させる方法を提供する。本発明はまた、糖尿病および肥満または高血糖のような関連障害を、これらの疾患の症状を軽減するための有効量の本発明の化合物を対象に投与することにより、処置する方法を提供する。例えば、II型糖尿病は本発明の方法により処置され得る。細胞によるインスリンおよびグルコース取り込みを増加することにより、本発明の化合物の投与はまた、インスリン障害(例えば、抵抗性、不活性または欠乏)および/または細胞への不十分なグルコース輸送により特徴付けられる他の疾患を処置できる。
【0032】
本発明の化合物はまた、肝臓糖新生に重要な役割を有する多くの遺伝子の発現レベルを制御する。従って、本発明はさらに、このような遺伝子(例えば、PGC−1およびPEPCK)の発現を調節することによる、対象の糖新生を減少させる方法を提供する。
【0033】
膵臓において、LXR活性化は、膵臓β細胞におけるグルコースおよび脂質代謝の調節を介してインスリン分泌を刺激し、LXRの抗糖尿病作用の他の機構を示唆する。LXRモジュレーターは、故に、糖耐性を、膵臓からのインスリン分泌の増加により制御する。
【0034】
前記によって、本発明は、さらに、このような処置を必要とする対象における、前記のいずれかの疾患または障害を予防または処置する方法であって、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。上記使用の全てに関して、必要な投与量は投与の形態、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化するであろう。
【0035】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、単独で、または1種以上の治療剤との組み合わせで、当分野で既知の通常の許容される形態のいずれかを介して、治療的有効量で投与される。治療的有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および総体的健康、使用する化合物の効力および他の因子に従って広範囲で変化し得る。一般に、十分な結果が、約0.03から2.5mg/体重kgの1日投与量で漸進的に得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトでの指示される1日投与量は、約0.5mgから約100mgであり、簡便には、例えば1日4回までの分割用量でまたは徐放性形態で投与する。経口投与用の適当な単位投与形態は、約1から50mg活性成分を含む。
【0036】
本発明の化合物は、医薬組成物として任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば、注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または鼻腔内にまたは坐薬形態でまたは吸入形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物を少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング法のような慣用法により製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む、錠剤またはゼラチンカプセルであり得る。注射用組成物は、水性等張性溶液または懸濁液であってよく、そして坐薬は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造できる。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含み得る。経皮投与用の適当な製剤は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を介した通過を助けるための薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、化合物を宿主の皮膚に制御されかつ予定された速度で長時間にわたり送達するための速度制御バリア、および該デバイスを宿主の皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用できる。例えば、皮膚および眼への、局所投与用の製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。このようなものは、可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含むことができる。
【0037】
本発明の化合物を、治療的有効量で1種以上の治療剤と組み合わせて投与できる(薬学的組み合わせ剤)。例えば、心臓血管、炎症性および/または神経変性疾患の処置において、相乗効果が使用する他の物質と起こり得る。このような化合物の例は、フィブラート、TZD、メトホルミンなどを含む。本発明の化合物を他の治療剤と組み合わせて投与するとき、併用投与する化合物の投与量は、もちろん、用いる併用剤、用いる具体的薬剤、処置すべき状態などに依存して変化するであろう。
【0038】
本発明はまた、a)本明細書に記載の本発明の化合物である第一剤を遊離形または薬学的に許容される塩形で、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、医薬的組み合わせ剤、例えばキットを提供する。本キットはその投与のための指示書を含み得る。
【0039】
本明細書で用いる“併用投与”または“組み合わせ投与”などの用語は、選択した治療剤の単独の患者への投与を含むことを意味し、薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0040】
本明細書で使用する“医薬的組み合わせ剤”は、2個以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する製品を意味し、そして活性成分の固定されたおよび固定されていない組み合わせの両方を含む。用語“固定された組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方とも患者に同時に、1個の物または投与の形態として投与することを意味する。用語“固定されていない組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方とも患者に、別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続的に投与することを意味し、ここで、このような投与は患者体内で2個の化合物の治療的有効レベルを提供する。後者はカクテル療法、例えば3個以上の活性成分の投与にも適用される。
【0041】
本発明の化合物の製造法
本発明はまた、本発明の化合物の製造法を含む。記載の反応において、官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終生成物において望まれるときに、反応への望まない参加を避けるために、保護する必要があるかもしれない。慣用の保護基を、標準実務に従い使用でき、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0042】
式Iの化合物は、下記反応スキームIの通りに進行して製造できる:
【化2】

【0043】
〔式中、N、R、RおよびRは、発明の概要において式Iで定義した通りである。〕。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、ジクロロメタンなど)および適当な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で、式2の化合物と式3の化合物を反応させることにより製造する。反応は、約10から約40℃の温度で行い、完了まで20時間かかる。
【0044】
本発明の化合物の製造のための付加的工程
本発明の化合物は、遊離塩基形の化合物と薬学的に許容される無機または有機酸を反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形の化合物と、薬学的に許容される無機または有機塩基を反応させることにより製造できる。あるいは、塩形の本発明の化合物を、出発物質または中間体の塩を使用して製造できる。
【0045】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基は、各々対応する塩基付加塩または酸付加塩から製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物を、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形の本発明の化合物は、対応する遊離酸から、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより変換できる。
【0046】
酸化されていない形の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0から80℃で、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、リン三塩化物、三臭化物など)で処理することにより、製造できる。
【0047】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細は、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照)。例えば、適当なプロドラッグを、誘導体化されていない本発明の化合物と、適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカーボンクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)を反応させることにより製造できる。
【0048】
本発明の化合物の被保護誘導体は、当業者に既知の手段により製造できる。保護基の創成およびそれらの除去に適応できる技術の詳述は、T. W. Greene, “Protegting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0049】
本発明の化合物は簡便には溶媒和物(例えば、水和物)として製造し、または本発明の工程中のそれが形成される。本発明の化合物の水和物は、簡便には、水性/有機溶媒混合物から、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して、再結晶することにより製造できる。
【0050】
本発明の化合物は、本化合物のラセミ混合物を光学活性分解剤と反応させ、ジアステレオ異性体化合物の対を形成させ、ジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分割は、本発明の電子対を共有するジアステレオマー誘導体を使用して行うことができるが、解離可能複合体が好ましい(例えば、結晶ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィー、または好ましくは、溶解性の差異に基づく分離/分割技術により、分離できる。光学的に純粋なエナンチオマーを次いで、分解剤と共に、ラセミ化をもたらさない任意の実際的手段により回収する。ラセミ混合物の分割は、キラルHPLCを使用して行い得る。化合物の立体異性体の、そのラセミ混合物からの分割に適用できる技術のさらなる詳述は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolution”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0051】
要約すると、式Iの化合物は下記を含む工程により製造できる:
(a)反応スキームIのもの;そして
(b)所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により塩形の本発明の化合物の塩ではない形への変換;
(d)所望により酸化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望によりN−オキシド形の本発明の化合物の酸化されていない形への変換;
(f)所望により本発明の化合物の個々の異性体の異性体混合物からの分割;
(g)所望により誘導体化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;そして
(h)所望によりプロドラッグ誘導体の本発明の化合物の誘導体化されていない形への変換。
【0052】
出発物質の製造が特に記載されていない限り、該化合物は既知であるか、当分野で既知のもしくは下記実施例に記載の通りの方法に準じて製造できる。
【0053】
当業者は、上記の変換が本発明の化合物を製造するための方法の単なる代表であって、他の既知の方法を同様に使用できることを認識しよう。
【0054】
実施例
本発明を、さらに、本発明の式Iの化合物の製造を説明する下記実施例により例示するが、それにより限定しない。
【0055】
実施例1
Tert−ブチル2−(2,4,6−トリフルオロ−N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンザミド酢酸塩
【化3】

【0056】
3−アミノフェノール(4.58mmol)のDMF溶液(15mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.58mmol)およびブロモ酢酸tert−ブチル(4.58mmol)を添加し、反応混合物を、50℃にて2時間撹拌する。酢酸エチルおよび水を反応混合物に添加して、層を分離する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を蒸発させる。tert−ブチル2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸塩を得、それをさらなる精製なしに次工程に用いる。
【0057】
前工程で得られたtert−ブチル2−(3−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸塩のCHCl溶液(15mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.16mmol)を添加し、次いで2,4,6−トリフルオロベンゾイルクロライド(9.16mmol)を滴下する。反応混合物を室温にて12時間撹拌する。濃縮およびDMSOに再溶解後、残渣を分取LCMS(10から90%CHCN)により精製し、tert−ブチル2−(2,4,6−トリフルオロ−N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンザミド)酢酸塩を得る:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.06 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.78 (s, 2H), 6.69 (d, J = 8 Hz, 1H), 6.48 (t, J = 8 Hz, 2H), 5.85 (bs, 1H), 4.42 (s, 2H), 1.49 (s, 9H); MS: (ES) 382.1 (M+1)
【0058】
実施例2
Tert−ブチル2−(N−(3−(2,6−ジメトキシフェニル)フェニル)−2,6−ジフルオロベンザミド)酢酸塩
【化4】

【0059】
3−ブロモアニリン(69.8mmol)のCHCl溶液200mLに、窒素雰囲気下で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(69.8mmol)を添加し、次いで2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド(69.8mmol)を滴下する。反応混合物を、室温で5時間撹拌する。TLC(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)および分析LCMS(20から100%CHCN)により、出発物質から生成物への完全な変換が示される。水を反応混合物に添加し、層を分離する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を蒸発させる。生成物、N−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミドを、さらに精製することなしに次工程に用いる。
【0060】
N−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミドのDMF溶液200mLに、室温および窒素雰囲気下で、油分散中60%のNaH(104.7mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を30分間攪拌する。ブロモ酢酸tert−ブチル(104.7mmol)を添加し、反応物を室温で撹拌する。12時間後、反応は、TLC(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)および分析LCMS(20から100%CHCN)により完了している。酢酸エチルおよび水を反応混合物に添加し、層を分離する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を蒸発させる。粗物質を、自動カラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの勾配)により精製し、tert−ブチル2−(N−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフルオロベンザミド)酢酸塩を得る:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36 (bs, 1H), 7.20 (m, 1H), 7.07( m, 2H), 6.96 (t, J = 8 Hz, 1H), 6.62 (td, J1 = 8 Hz, J2 = 1.2 Hz), 4.32 (s, 2H), 1,39 (s, 9H); MS: (ES) 448.0 (M+23)
【0061】
Tert−ブチル2−(N−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフルオロベンザミド)酢酸塩(0.55mmol)を、2,6−ジメトキシフェニルボロン酸(6.13mmol)およびPd(PhP)(0.024mmol)と共に混合する。固形混合物に、窒素下、NaCO 2M(0.83mL)を添加し、次いでDMF(5.6mL)を添加する。反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後、85℃で12時間加熱する。反応混合物を、自動カラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの勾配)により精製し、tert−ブチル2−(N−(3−(2,6−ジメトキシフェニル)フェニル)−2,6−ジフルオロベンザミド)酢酸塩を得る:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.19 (m, 6H), 6.69 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 6.58 (d. J = 8.4 Hz, 2H), 4.46 (s, 2H), 3.64 (s, 6H), 1,48 (s, 9H); MS: (ES) 484.1 (M+23)
【0062】
実施例3
Tert−ブチル2−(2,6−ジフルオロ−N−(3−(4−カルボキシベンジルオキシ)フェニル)ベンザミド)酢酸塩
【化5】

【0063】
3−アミノフェノール(6.98mmol)のCHCl溶液20mLに、窒素雰囲気下で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.98mmol)を添加し、次いで、2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド(6.98mmol)を滴下する。反応混合物を室温で5時間撹拌し、生成物2,6−ジフルオロ−N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンズアミドを、分取HPLCにより精製する:1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.68 (s, 1H), 9.55 (bs, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.23 (m, 2H), 7.12 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.05 (m, 1H), 6.54 (m, 1H)。
【0064】
2,6−ジフルオロ−N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(0.9mmol)のCHCN溶液4mLを、炭酸カリウム(1.36mmol)およびメチル4−(ブロモメチル)ベンゾエートで処理する。反応混合物を80℃で48時間加熱する。溶媒を蒸発させ、自動カラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの勾配)で精製して、O−アルキル化生成物である2,6−ジフルオロ−N−(3−(4−カルボメトキシベンジルオキシフェニル)ベンズアミドを得る。
【0065】
2,6−ジフルオロ−N−(3−(4−カルボメトキシベンジルオキシフェニル)ベンズアミド(0.61mmol)のDMF溶液4mLに、まず油分散中60%NaH(0.73mmol)およびその30分後、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.67mmol)を添加する。反応物を、室温で12時間撹拌する。反応混合物のLCMS分析(10から90%CHCN)は、反応が完了したことを示す。DMFを蒸発させ、粗tert−ブチル2−(2,6−ジフルオロ−N−(3−(4−カルボメトキシベンジルオキシ)フェニル)ベンザミド)酢酸塩を、最後にMeOH4mLに溶解し、そしてLiOH 3M(1.95mmol)で処理する。反応混合物を、分取LCMS(10から90%CHCN)により精製し、tert−ブチル2−(2,6−ジフルオロ−N−(3−(4−カルボキシベンジルオキシ)フェニル)−ベンザミド)酢酸塩を得る:1H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.12 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 (m, 2H), 6.91 (m, 2H), 6.81 (m, 1H), 6. 70 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.45 (s, 2H), 1.51 (s, 9H); MS: (ES) 498.1 (M+1)
【0066】
上記実施例の方法を繰り返し、適当な出発物質を使用して、表1および表2に同定する通りの、式Iの化合物を得る。
【0067】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0068】
【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【0069】
アッセイ1−転写アッセイ
トランスフェクションアッセイを使用して、本発明の化合物のLXRの調節転写活性を調節する能力を評価する。簡単に言うと、LXRαまたはLXRβいずれかのリガンド結合ドメイン(LBD)に融合した酵母GAL4のDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質のための発現ベクターを、一過性トランスフェクションを介して、哺乳類細胞に、ルシフェラーゼ遺伝子がGAL4結合部位の制御下であるレポータープラスミドと共に挿入する。LXRモジュレーターへの暴露により、LXR転写活性が変化し、そしてこれをルシフェラーゼレベルの変化によりモニターできる。トランスフェクトされた細胞がLXRアゴニストに暴露されたとき、LXR依存性転写活性が増加し、ルシフェラーゼレベルが上昇する。
【0070】
293Tヒト胎児由来腎臓細胞(8×10)を、実験開始2日前に、175cmフラスコに、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/Fungizome、DMEM培地中に播種する。キメラタンパク質のトランスフェクション混合物を、GAL4−LXRLBD発現プラスミド(4μg)、UAS−ルシフェラーゼレポータープラスミド(5μg)、Fugene(3:1比;27μL)および無血清培地(210μL)を使用して調製する。トランスフェクション混合物を、20分、室温でインキュベートする。細胞をPBS(30mL)で洗浄して回収し、次いでトリプシン(0.05%;3mL)を使用して解離させる。トリプシンをアッセイ培地(DMEM、リポタンパク質欠損胎児ウシ血清(5%)、スタチン(例えばロバスタチン7.5μM)、およびメバロン酸(100μM))(10mL)の添加により不活性化する。細胞を、1:10希釈を使用して計数し、細胞濃度を160,000細胞/mLに調整する。細胞をトランスフェクション混合物(250μlのトランスフェクション混合物あたり10mLの細胞)と混合し、さらに30分、室温で、定期的な倒置による混合をしながらインキュベートする。細胞(50μl/ウェル)を次いで384白色、立方体底(solid-bottom)、TC処理プレートで培養する。細胞をさらに37℃、5.0%COで24時間インキュベートする。12点連続希釈物(対数の半分の連続希釈)を、1μMの化合物濃度で開始して、各試験化合物についてDMSO中で調製する。試験化合物(500nl)を、アッセイプレート中の細胞の各ウェルに添加し、細胞を37℃、5.0%COで24時間インキュベートする。細胞溶解/ルシフェラーゼアッセイ緩衝液Bright-GloTM(25%;25μl;Promega)を各ウェルに添加する。さらに5分、室温でインキュベーション後、ルシフェラーゼ活性を測定する。
【0071】
粗蛍光値を、それを、各プレートに存在するDMSOコントロールで割ることにより標準化する。標準化データを、XLfit3を使用して可視化し、用量応答曲線を、4パラメーターロジスティックモデルまたはシグモイド一部位用量応答方程式(XLfit3.05の方程式205)を使用して適合させる。EC50を、化合物が最大値と最低値の間の応答を誘発する濃度と定義する。相対的効果(または効果%)を、既知のLXRモジュレーターについて得た最大値の化合物、(3−{3−[(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2,2−ジフェニル−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−フェニル)−酢酸により誘発される応答と比較することにより計算する。
【0072】
アッセイ2−FRETコアクティベーター動員アッセイ
FRETアッセイを使用して、本発明の化合物がLXRリガンド結合ドメイン(LBD)に直接結合し、そしてLXRの転写活性を増強するタンパク質(例えばコアクティベーター)の動員を促進する能力を評価する。この無細胞アッセイは、LXR LBDと、その精製を簡単にするための標識(例えばGST、His、FLAG)から成る組み換え融合タンパク質、および、ステロイド受容体コアクティベーター1(SRC−1)のような、転写コアクティベータータンパク質のドメインと相互作用する核受容体由来の合成ビオチニル化ペプチドを使用する。一つの形式で、標識したLBD融合タンパク質を、ユーロピウムと結合したLBD標識に対する抗体(例えばEU標識抗GST抗体)を使用して標識でき、そしてコアクティベーターペプチドをストレプトアビジンに結合したアロフィコシアニン(APC)で標識できる。LXRに対するアゴニスト存在下、コアクティベーターペプチドがLXR LBDにより動員され、EUとAPC部分を近接させる。340nMでの光での複合体の励起により、EUはエネルギーを吸収し、APC部分に伝達し、665nmでの発光をもたらす。エネルギー伝達がないとき(EU−APC近接なしを示す)、EUは615nmで発光する。故に、発光される665対615nm光の比率が、コアクティベーターペプチド動員の、故に、LXR LBDに結合するアゴニストの強度の指標である。
【0073】
融合タンパク質、LXRαについてアミノ酸205−447(Genbank NM_005693)およびLXRβについてアミノ酸203−461(βについてNM_007121)が、pGEX4T-3(27-4583-03 Amersham Pharmacia Biotech)のSal1およびNot1部位でフレーム内でクローン化された。ビオチニル化ペプチド配列は、SRC−1(アミノ酸676から700):ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPSC−OH由来であった。
【0074】
FRET緩衝液(50mM Tris pH7.5、50mM KCl、1mM DTT、0.1%BSA)中に、親混合物(5nM GST−LXR−LBD、5nM ビオチニル化SRC−1ペプチド、10nM APC−ストレプトアビジン(Prozyme Phycolink ストレプトアビジンAPC, PJ25S)、および5nM EU抗GST抗体)を調製する。384ウェルプレートの各ウェルに、20μLのこの親混合物を添加する。最終FRET反応物:5nM 融合タンパク質、5nM SRC−1ペプチド、10nM APC−ストレプトアビジン、5nm EU抗GST抗体(PerkinElmer AD0064)。試験化合物を、対数の半分で希釈し、DMSO中12点連続希釈物を、1mMの濃度で開始し、100nLの化合物を、アッセイウェル中5μM−28pMの最終濃度となるよう、親混合物に移す。プレートを、室温で3時間インキュベートし、蛍光共鳴エネルギー移動を読む。結果を1000倍したAPC蛍光対EU蛍光比として示す。
【0075】
665nm対615nmの比を、データ分析を容易にするために1000倍する。DMSO値を、背景を担うために、比率から引く。データをXLfit3を使用して可視化し、用量応答曲線を、4パラメーターロジスティックモデルまたはシグモイド一部位用量応答方程式(XLfit3.05の方程式205)を使用して適合させる。EC50を、化合物が最大値と最低値の間の応答を誘発する濃度と定義する。相対的効果(または効果%)を、参照LXRモジュレーターについて得た最大値の化合物により誘発される応答と比較することにより計算する。
【0076】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば、本明細書に記載のインビトロ試験により示される通り、価値ある薬理学的特性を示す。本発明の化合物は、LXRβの転写アッセイについて、0.001μMから1.5μMの範囲のEC50を有し、20%から150%の範囲の効果%を示す。本明細書に詳述した実施例および態様は説明のためだけであり、それに照らした様々な修飾または変化が当業者には示唆され、本発明の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるべきであることは、理解される。ここで引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、引用により、その全体として、本明細書に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
Yは、O、NRおよびSから選択され;ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;
nは0、1、2、3および4から選択され;
は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)R、−XOC(O)R、−XC(O)OR、−XOR、−XS(O)、−XS(O)R、−XSR、−XNR、−XC(O)NR、−XNRC(O)R、−XNRC(O)OR、−XNRC(O)NR、−XNRC(NR)NR、−XP(O)(OR)OR、−XOP(O)(OR)OR、−XS(O)NR、−XS(O)NR、−XSNR、−XNRS(O)、−XNRS(O)R、−XNRSR、−XNRC(O)NR、−および−XC(O)SRから選択され;ここでXは、結合またはC1−6アルキレンであり;そして、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択されるか;または、RおよびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一体となってC5−10ヘテロアリールまたはC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;ここでRまたはRとRの組合せの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;
は、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、シクロアルキル−アルキルまたはヘテロシクロアルキル−アルキルは、所望により、ハロ、シアノ−C0−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−OXR、−OXC(O)NR、−OXC(O)NRXC(O)OR、−OXC(O)NRXOR、−OXC(O)NRXNR、−OXC(O)NRXS(O)0−2、−OXC(O)NRXNRC(O)R、−OXC(O)NRXC(O)XC(O)OR、−OXC(O)NR、−OXC(O)OR、−OXOR、−OXR、−XR、−OXC(O)R、−OXS(O)0−2および−OXC(O)NRCR[C(O)Rから独立して選択される1個から5個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは結合およびC1−6アルキレンから選択され、ここで、Xの任意のメチレンは、所望により、C(O)、NR、S(O)およびOから選択される2価ラジカルで置換でき;RおよびRは、独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;RはC6−10アリール−C0−4アルキル、C5−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアルキルは、−C(O)OR10で置換された水素を有してよく;そして、R、RまたはRの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)OR10、−XOR10、−XR11、−XOR11、−XC(O)R11、−XNR10C(O)OR10、−XNR10C(O)R10、−XNR10S(O)0−210、−XS(O)0−211、−XC(O)R10、−XC(O)NR1011、−XC(O)NR10OR10、−XC(O)NR1010、−XS(O)0−2NR1010および−XS(O)0−210から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;ここで、R10は独立して水素、C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルキルから選択され;そして、R11は、C6−10アリール、C3−8ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され;
は、1個から3個のC1−6アルキルラジカルで置換されていてよいC1−10アルキル、C1−10アルコキシ、ハロ−置換−C1−10アルキル、ハロ−置換−C1−10アルコキシおよびC3−12シクロアルキルから選択される。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される得、水和物、溶媒和物、異性体およびプロドラッグ。
【請求項2】
nが、0、1、2および3から選択され;YがOであり;
が、ハロ、C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルキルから選択され;
が、C6−10アリール−C0−4アルキル、C3−8ヘテロアリール−C0−4アルキルおよびC3−12シクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキルまたはシクロアルキル−アルキルが、所望により、ハロ、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−OXR、−OXC(O)NR、−OXC(O)NRXC(O)OR、−OXC(O)NRXOR、−OXC(O)NRXNR、−OXC(O)NRXS(O)0−2、−OXC(O)NRXNRC(O)R、−OXC(O)NRXC(O)XC(O)OR、−OXC(O)NR、−OXC(O)OR、−OXOR、−OXR、−XR、−OXC(O)Rおよび−OXC(O)NRCR[C(O)Rから独立して選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよく;ここで、Xが、結合およびC1−6アルキレンから選択され;RおよびRが、独立して水素、シアノ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C2−6アルケニルおよびC3−12シクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;Rが、C6−10アリール−C0−4アルキル、C5−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルから選択され;ここで、Rの任意のアルキルが、−C(O)OR10で置換された水素を有してよく;そして、Rの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルが、所望により、ハロ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XC(O)OR10、−XC(O)R10、−XC(O)NR1010、−XS(O)0−2NR1010および−XS(O)0−210から独立して選択される1個から4個のラジカルで置換されていてよく;ここで、R10が、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、Rが、所望により1個から3個のC1−6アルキルラジカルで置換されていてよいC1−10アルキルおよびC3−12シクロアルキルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、ハロ、メチル、エチルおよびトリフルオロメチルから選択され;そして、Rが、t−ブチル、メチル−シクロペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、1−エチル−1−メチル−プロピルおよびメチル−シクロヘキシルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、シクロペンチル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1H−インダゾリル、1H−インドリル、ナフチルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルから選択され;ここでRの任意のアリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキルまたはシクロアルキル−アルキルが、所望により、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ、トリフルオロ−メトキシ、ジフルオロ−メトキシ、エテニル、メチル−スルファニル、メチル−カルボニル−アミノ、ホルムアミジル、トリフルオロ−メチル、メチル、フェニル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリジニル−カルボニル、フェノキシ、フェニル−カルボニル、ピリジニル、1H−インドリル、ピリミジニル、アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ、チオフェニル、メチル−スルファニル、メチル−ホルムアミジル、メチル−カルボニル、エテニル、フェノキシ、メトキシ−カルボニル、ベンゾキシ、イソプロピル、フラニル、イソプロピルオキシ、[1,3]ジオキソラニルおよびシアノ−メチルから選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよく;ここでRの任意のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル置換基が、所望により、ハロ、メチル、シアノ、カルボキシ、カルボキシ−メチル、シアノ−メチル、メトキシ、カルボニル−メチル、エチル、トリフルオロ−メチル、ヒドロキシ、イソプロピル、メチル−スルホニル−アミノ、ジメチル−アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ、アミノ−スルホニル、クロロ−メチル−カルボニル−アミノ、ジエチル−アミノ−カルボニル、1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル、4−オキソ−ピペリジン−1−イル−カルボニル、ベンジル−ホルムアミジル、モルホリノ−カルボニル、シクロプロピル−ホルムアミジル、イソブチル−ホルムアミジル、エチル−ホルムアミジル、ブトキシ、エトキシ、ベンジル、シクロペンチル−ホルムアミジル、2−メトキシ−プロピオニル、メトキシ−メチル−アミノ−カルボニル、メチル−カルボニル−アミノ、2−オキソ−ピペリジン−1−イル−ブチル、t−ブチル、メチル−スルホニル−アミノ、メトキシ−メチル、ベンゾ−アミノ−カルボニル、メトキシ−カルボニル、メトキシ−カルボニル−エチル、エトキシ−カルボニル、エトキシ−カルボニル−メチル、フェノキシ、ヒドロキシ−メチル、t−ブトキシ−カルボニル、t−ブトキシ−カルボニル−アミノ、フェニル−スルホニル、フェニル、アセチル−アミノ、メチル−スルホニル、メトキシ−カルボニル−アミノ、1−カルボキシ−エチルおよびトリフルオロ−メトキシから選択される1個から3個のラジカルにより置換されていてよい、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項6】
動物における肝臓X受容体(LXR)活性の調節により、疾患の病状および/または総体的症状を予防、阻止または軽減できるものである疾患の処置法であって、該動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項7】
疾患または障害が心臓血管疾患、糖尿病、神経変性疾患および炎症から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
動物におけるLXR活性が疾患の病状および/または総体的症状に関連しているものである疾患または障害であって、心臓血管疾患、糖尿病、神経変性疾患および炎症から選択される疾患の処置用医薬の製造における、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項9】
動物におけるLXR活性の調節により、疾患の病状および/または総体的症状を予防、阻止または軽減できるものである疾患または障害の処置法であって、該動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項10】
さらに治療的有効量の請求項1記載の化合物を、他の治療的に関連した薬剤と組み合わせて投与することを含む、請求項9記載の方法。

【公表番号】特表2007−523087(P2007−523087A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553323(P2006−553323)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004652
【国際公開番号】WO2005/077122
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】