説明

半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器

【課題】生産性に優れた半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、基板7の一方の面側に、トランジスタ4のゲート絶縁体層44を形成する第1の工程と、ゲート絶縁体層44上に、厚さ方向に貫通する貫通部91を備える絶縁体層9を形成する第2の工程と、貫通部91内の底部付近のゲート絶縁体層44上、および、貫通部91の周囲の絶縁体層9上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成し、ゲート絶縁体層44上に形成された電極を用いて、ゲート電極45を形成するとともに、絶縁体層9上に形成された電極を用いて、画素電極6を形成する第3の工程とを有する。また、平面視で、貫通部91の開口部の縁が、当該貫通部91の底部の縁より内側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、アクティブマトリクス駆動方式を採用するLCD(Liquid Crystal Display)パネルには、複数の画素電極と、前記各画素電極に対応して設けられたスイッチング素子とを備えるアクティブマトリクス装置が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
一般に、アクティブマトリクス装置では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)が用いられている。
【0003】
このTFTとしては、基板上に、ソース電極およびドレイン電極と、半導体層が形成され、これら各部の上にゲート絶縁体層、ゲート電極がこの順に積層されたトップゲート構造のものが知られている。そして、一般に、このTFTのゲート絶縁体層上に、画素電極が設けられる。すなわち、互いに離間するゲート電極および画素電極の双方がゲート絶縁体層上に直接的に形成されている。
【0004】
しかし、このようなアクティブマトリクス装置では、ゲート絶縁膜上に一様に形成した導体層をエッチングによりパターンニングしてゲート電極および画素電極を形成する必要がある。
そのため、従来のアクティブマトリクス装置では、上記パターンニングのためのエッチングや、そのエッチングに際してマスクとして用いるレジスト層を除去するためのエッチングが必要となり、エッチングプロセスが多くなり、製造工程が複雑化し、生産性が低いと言う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−6782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、生産性に優れた半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板の一方の面側に、互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように設けられたゲート絶縁体層とを形成する第1の工程と、
前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に、厚さ方向に貫通する貫通部を備える絶縁体層を形成する第2の工程と、
前記貫通部内の底部付近の前記ゲート絶縁体層上、および、前記貫通部の周囲の前記絶縁体層上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成し、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、ゲート電極を形成するとともに、前記絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続される画素電極を形成する第3の工程とを有することを特徴とする。
このような本発明によれば、ゲート絶縁膜上に一様に形成した導体層をエッチングによりパターンニングしてゲート電極および画素電極を形成する場合に比し、エッチング工程を減らすことができ、その結果、生産性を優れたものとすることができる。
【0008】
本発明の半導体装置の製造方法では、平面視で、前記貫通部の開口部の縁が、当該貫通部の底部の縁より内側に位置するのが好ましい。さらに、前記貫通部の開口部から底部に向けて当該貫通部の内径(幅)が小さくなるように形成することが好ましい。
これにより、第3の工程において、前記貫通部内の底部付近の前記ゲート絶縁体層上、および、前記貫通部の周囲の前記絶縁体層上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成することができる。なお、貫通部の深さ方向での少なくとも一部の範囲に、前述したような幅が拡がる部分が形成されていればよく、当該拡がる部分以外の範囲において、貫通部の幅が一定または狭くなる部分が形成されていてもよい。また、前述したような幅が拡がる部分は、連続的に幅が拡がっていてもよいし、段階的に幅が拡がっていてもよい。
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法では、前記第2の工程の後かつ前記第3の工程の前に、前記絶縁体層および前記ゲート絶縁体層をこれらの厚さ方向に貫通して前記ソース電極または前記ドレイン電極に導通する導体部を形成する工程を有し、
前記第3の工程では、前記導体部を介して前記画素電極と前記ソース電極または前記ドレイン電極とを電気的に接続することが好ましい。
これにより、ソース電極またはドレイン電極と画素電極との間にゲート絶縁体層が存在していても、ソース電極またはドレイン電極と画素電極とを導通させることができる。
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法では、前記導体部を形成する工程では、導電性材料を含む液状材料を付与し硬化または固化させることにより前記導体部を形成することが好ましい。
これにより、比較的簡単かつ確実に、所望の寸法および位置に高精度に導体部を形成することができる。
【0011】
本発明の半導体装置の製造方法では、前記液状材料は、前記ゲート絶縁体層上に対する溶解性を有するものであることが好ましい。
これにより、液状材料の付与に先立ってゲート絶縁体層の導体部形成予定部位に予め穿孔する工程が不要となるので、半導体装置の製造工程がより簡略化され、生産性をより高めることができる。
【0012】
本発明の半導体装置の製造方法では、前記導体部を形成する工程では、前記液状材料の硬化または固化に伴う体積減少によって前記導体部の前記絶縁体層側の端面に形成される凹部が前記ゲート絶縁体層側から前記画素電極側に向けて拡がるように、前記導体部を形成することが好ましい。
これにより、簡単かつ確実に、導体部と画素電極とを電気的に接続することができる。
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法では、前記第3の工程では、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極、または、前記絶縁体層上に形成された前記電極を、部分的に切断または除去する工程を有することが好ましい。
これにより、隣接する画素電極同士またはゲート電極同士を個別化(孤立化)することができる。このような分離工程は、レーザーや機械加工により比較的簡単に行える。
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法は、基板の一方の面側に、互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層とを形成する工程と、
前記半導体層とは反対の面側に、厚さ方向に貫通する貫通部を備える絶縁体層を形成する工程と、
前記貫通部内の底部付近の前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように、ゲート絶縁体層を形成する工程と、
前記貫通部内の前記ゲート絶縁体層上、および、前記貫通部の周囲の前記絶縁体層上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成し、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、ゲート電極を形成するとともに、前記絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続される画素電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、生産性に優れた半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置は、本発明の半導体装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、生産性に優れた半導体装置を提供することができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、基板と、
前記基板の一方の面側に互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように設けられたゲート絶縁体層と、前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に設けられたゲート電極とを備えるトランジスタと、
前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に設けられた絶縁体層と、
前記絶縁体層の前記ゲート絶縁体層とは反対の面側に設けられ、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続された画素電極とを有し、
前記絶縁体層は、前記画素電極側から前記ゲート絶縁体層側に向けて幅が拡がる部分を有するように形成された厚さ方向に貫通する貫通部を備え、
前記ゲート電極は、前記貫通部内の底部付近の前記ゲート絶縁体層上に設けられていることを特徴とする。
これにより、生産性に優れた半導体装置を提供することができる。また、貫通部の壁面に電極材料が付着されにくくなるので、画素電極とゲート電極とがショートするのを防止することができる。その結果、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0016】
本発明の半導体装置では、前記ゲート絶縁体層および前記絶縁体層を厚さ方向に貫通するように設けられ、前記ソース電極または前記ドレイン電極と前記画素電極とを電気的に接続する導体部を有することが好ましい。
これにより、ソース電極またはドレイン電極と画素電極との間にゲート絶縁体層が存在していても、ソース電極またはドレイン電極と画素電極とを導通させることができる。
本発明の半導体装置では、前記ゲート電極および前記画素電極は、気相成膜法により同時に形成されたものであることが好ましい。
これにより、生産性に優れた半導体装置を提供することができる。
【0017】
本発明のアクティブマトリクス装置は、本発明の半導体装置を備えることを特徴とする。
これにより、生産性に優れたアクティブマトリクス装置を提供することができる。
本発明の電気光学装置は、本発明のアクティブマトリクス装置を備えることを特徴とする。
これにより、生産性に優れた電気光学装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えることを特徴とする。
これにより、生産性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態にかかる半導体装置を備えるアクティブマトリクス装置を示す平面図である。
【図2】図1中のA−A線断面図である。
【図3】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるソース電極およびドレイン電極の形成工程を説明するための図である。
【図4】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における半導体層の形成工程を説明するための図である。
【図5】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるゲート絶縁体層の形成工程を説明するための図である。
【図6】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における絶縁体層の形成工程を説明するための図である。
【図7】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における導体部の形成工程を説明するための図である。
【図8】図7に示す導体部の形成工程を説明するための図である。
【図9】図7に示す導体部の形成工程を説明するための図である。
【図10】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図である。
【図11】図10に示すゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図である。
【図12】図10に示すゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図である。
【図13】図12に示す工程の他の例を説明するための図である。
【図14】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法の他の例を説明するための図である。
【図15】図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法の他の例を説明するための図である。
【図16】本発明の電気光学装置を電気泳動表示装置に適用した場合の実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図17】本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図18】本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<アクティブマトリクス装置>
図1は、本発明の実施形態にかかる半導体装置を備えるアクティブマトリクス装置を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
【0020】
図1に示すアクティブマトリクス装置1は、複数の第1の配線2と、この複数の第1の配線2に交差するように設けられた複数の第2の配線3と、第1の配線2と第2の配線3との各交点付近に設けられたトランジスタ4、5と、トランジスタ4、5の対毎に対応して設けられた複数の画素電極6とを有し、これらが基板7上に設けられている。
また、各トランジスタ4、5は、図2に示すように、ソース電極41およびドレイン電極42と、半導体層43と、ゲート絶縁体層44と、ゲート電極45とを有している。
【0021】
本実施形態では、複数のトランジスタ4、5のうち図1中左右方向(行方向)に並設された複数のトランジスタ4、5は、それらのゲート電極45が互いに一体的に形成され、第2の配線3を構成している。そして、この第2の配線3の一端部31は、基板7上に設けられた接続用電極8に導体部(導体ポスト)11を介して電気的に接続されている。この接続用電極8には、例えば、ACF(異方性導電性フィルム)やACP(異方性導電性ペースト)を介してFPC(フレキシブルプリント基板)が接合され、これにより、外部との電気的接続がなされる。
【0022】
また、各トランジスタ4、5に備えられたソース電極41は、第1の配線2に電気的に接続され、また、ドレイン電極42は、導体部(導体ポスト)10を介して画素電極(個別電極)6に電気的に接続されている。また、図示しないが、第1の配線2の一端部は、基板7上にて接続用電極を構成し、前述した第2の配線3と同様、外部との電気的接続がなされる。
【0023】
本実施形態では、複数の第1の配線2と複数の第2の配線3は、互いに直交するように配列されている。そして、複数の第1の配線2は、行選択のためのものであり、複数の第2の配線3は、列選択のためのものである。すなわち、第1の配線2および第2の配線3のうち、一方がデータ線であり、他方が走査線である。このような複数の第1の配線2と複数の第2の配線3を用いて行選択および列選択を行うことにより、選択的に所望のトランジスタ4、5を作動させることができる。
また、複数の画素電極6は、複数のトランジスタ4、5に対応してマトリクス状に配置されている。
【0024】
以下、アクティブマトリクス装置1を構成する各部を順次詳細に説明する。
基板7は、トランジスタ4、5を構成する各層(各部)を支持するものである。
基板7には、例えば、ガラス基板、プラスチック基板(樹脂基板)、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板等を用いることができる。トランジスタ4、5に可撓性を付与する場合には、基板7には、樹脂基板が選択される。
【0025】
この基板7上には、下地層が設けられていてもよい。下地層としては、例えば、基板7表面からのイオンの拡散を防止する目的、ソース電極41およびドレイン電極42と、基板7との密着性(接合性)を向上させる目的等により設けられる。
この下地層は、例えば、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、ポリイミド、ポリアミド、架橋により不溶化したポリマー等により構成することができる。
【0026】
このような基板7の一方の面(上面)上には、複数のトランジスタ4、5が設けられている。
トランジスタ4、5は、それぞれ、トップゲート型のトランジスタである。なお、トランジスタ4およびトランジスタ5は、同様の構成であるので、以下では、トランジスタ4について代表的に説明し、トランジスタ5についてはその説明を省略する。
【0027】
トランジスタ4では、基板7上に、ソース電極41およびドレイン電極42が互いに離間して設けられ、これらのソース電極41およびドレイン電極42に接触するようにして半導体層43が設けられている。そして、この半導体層43の上面(基板7とは反対側の面)に接触するようにしてゲート絶縁体層44が設けられ、さらに、このゲート絶縁体層44の上面(半導体層43とは反対側の面)上には、ソース電極41とドレイン電極42との間の領域に対応するようにゲート電極45が設けられている。
【0028】
このトランジスタ4では、半導体層43のうち、ソース電極41とドレイン電極42との間の領域が、キャリアが移動するチャネル領域となっており、このチャネル領域に誘起された大部分のキャリアは、半導体層43のゲート絶縁体層44との界面に沿って移動する。
なお、以下では、このチャネル領域において、キャリアの移動方向の長さ、すなわちソース電極41とドレイン電極42との間の距離をチャネル長、チャネル長方向と直交する方向の長さをチャネル幅と言う。
【0029】
ソース電極41およびドレイン電極42のそれぞれの構成材料としては、例えば、Pd、Pt、Au、W、Ta、Mo、Al、Cr、Ti、Cuまたはこれらを含む合金等の金属材料が挙げられ、チャネル領域を移動するキャリアの種類に応じて適宜選択するのが好ましい。
例えば、キャリアとしてホールがチャネル領域を移動するpチャネルトランジスタの場合には、仕事関数が比較的大きいPd、Pt、Au、Ni、Cuまたはこれら金属を含む合金を使用するのが好ましい。
【0030】
また、ソース電極41およびドレイン電極42のそれぞれの構成材料としては、前記の金属材料の他、ITO、FTO、ATO、SnO等の導電性酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(poly−ethylenedioxythiophene)のようなポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の導電性高分子材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
なお、前記導電性高分子材料は、通常、塩化鉄、ヨウ素、無機酸、有機酸、ポリスチレンサルフォニック酸のようなポリマー等がドープされ、導電性を付与された状態で用いられる。
ソース電極41およびドレイン電極42の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、30〜300nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
【0032】
ソース電極41とドレイン電極42との間の距離(離間距離)、すなわち、チャネル長は、100μm以下であるのが好ましく、2〜30μm程度であるのがより好ましく、5〜20μm程度であるのがさらに好ましい。チャネル長を前記下限値より小さくすると、複数のトランジスタ4間において、チャネル長にばらつきが生じ、特性(トランジスタ特性)がばらつくおそれがある。一方、チャネル長を前記上限値より大きくすると、しきい電圧の絶対値が大きくなるとともに、ドレイン電流の値が小さくなり、トランジスタ4の特性が不十分となるおそれがある。
【0033】
チャネル幅は、0.1〜5mm程度であるのが好ましく、0.2〜2mm程度であるのがより好ましい。チャネル幅を前記下限値より小さくすると、ドレイン電流の値が小さくなり、トランジスタ4の特性が不十分となるおそれがある。一方、チャネル幅を前記上限値より大きくすると、トランジスタ4が大型化してしまうとともに、寄生容量の増大や、ゲート絶縁体層44を介したゲート電極45へのリーク電流の増大を招くおそれがある。
このようなソース電極41およびドレイン電極42の基板7とは反対側の面上には、半導体層43が設けられている。なお、この半導体層43は、少なくともソース電極41とドレイン電極42との間に設けられていればよい。
【0034】
半導体層43は、無機半導体材料、有機半導体材料(半導体的な電気伝導を示す有機材料)を主材料として構成されている。
無機半導体材料としては、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等が挙げられる。
有機半導体材料としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体のような低分子の有機半導体材料や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ポリアリールアミン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂、フルオレン−ビチオフェン共重合体、フルオレン−アリールアミン共重合体またはこれらの誘導体のような高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)を主とするものを用いるのが好ましい。共役系高分子材料は、その特有な電子雲の広がりにより、キャリアの移動能が特に高い。
【0035】
高分子の有機半導体材料は、簡易な方法で成膜することができるとともに、比較的容易に配向させることができる。また、このうち、空気中で酸化され難く、安定であること等の理由から、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)としては、フルオレン−ビチオフェン共重合体、フルオレン−アリールアミン共重合体、ポリアリールアミンまたはこれらの誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とするものを用いるのが特に好ましい。
【0036】
また、高分子の有機半導体材料を主材料として構成される半導体層43は、薄型化・軽量化が可能であり、可撓性にも優れるため、フレキシブルディスプレイのスイッチング素子等として用いられるトランジスタへの適用に適している。
半導体層43の平均厚さは、1〜200nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
【0037】
半導体層43上(半導体層43の基板7とは反対の面側)には、ソース電極41、ドレイン電極42および半導体層43を覆うように、ゲート絶縁体層44が設けられている。
このゲート絶縁体層44は、ソース電極41およびドレイン電極42に対してゲート電極45を絶縁するものである。
本実施形態では、ゲート絶縁体層44は、基板7上(上面上)の領域のうち各接続用電極8の一部を除く領域のほぼ全域に対し一様に形成されている。なお、ゲート絶縁体層44は、ソース電極41およびドレイン電極42に対してゲート電極45を絶縁することができれば、基板7上の領域のうち各接続用電極8の一部を除く領域に対して部分的に設けられていてもよい。
【0038】
このゲート絶縁体層44の構成材料としては、公知のゲート絶縁体材料であれば、種類は特に限定されるものではなく、有機材料、無機材料のいずれも使用可能である。
有機材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
一方、無機材料としては、シリカ、窒化珪素、酸化アルミ、酸化タンタル等の金属酸化物、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウムチタン酸鉛等の金属複合酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゲート絶縁体層44の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜5000nm程度であるのが好ましく、50〜1000nm程度であるのがより好ましい。ゲート絶縁体層44の厚さを前記範囲とすることにより、ソース電極41およびドレイン電極42とゲート電極45とを確実に絶縁しつつ、トランジスタ4の動作電圧を低くすることができる。
【0040】
なお、ゲート絶縁体層44は、単層構成のものに限定されず、複数層の積層構成のものであってもよい。
ゲート絶縁体層44上(ゲート絶縁体層44の半導体層43とは反対の面側)には、ゲート電極45が設けられている。
特に、ゲート電極45は、後述する絶縁体層9の貫通部91内の底部付近のゲート絶縁体層44上に設けられている。
【0041】
ゲート電極45の構成材料としては、前述したソース電極41およびドレイン電極42で挙げたものと同様のものを用いることができる。
ゲート電極45の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜5000nm程度であるのが好ましく、1〜5000nm程度であるのがより好ましく、10〜5000nm程度であるのがさらに好ましい。
【0042】
なお、ゲート電極45は、多孔質であってもよい。これにより、ゲート電極45は、高い通気性を有するものとなる。その結果、仮に、トランジスタ4が、一時的に高温多湿な環境に晒されたとしても、低温低湿な環境に戻したときに、その内部に浸入した酸素や水分は、速やかにトランジスタ4の外部に排出されるようになる。そのため、トランジスタ4の内部には、酸素や水分が貯留することが防止され、その特性を好適に維持することができる。
なお、このような構成は、ソース電極41およびドレイン電極42に適用することもできる。
【0043】
さらに、ゲート絶縁体層44上(ゲート絶縁体層44の半導体層43とは反対の面側)には、絶縁体層9が設けられている。
この絶縁体層9は、平面視したときに、前述したゲート電極45および第2の配線3に対応して、厚さ方向に貫通する貫通部91が形成されている。これにより、絶縁体層9には、複数のランド部92が設けられている。この複数のランド部92は、複数の画素電極6に対応する平面視形状をなす部分を有し、これらの部分のうち、図1にて左右方向に隣接する部分同士が連結したような形状をなしている。
【0044】
特に、平面視で、貫通部91の開口部(開口側の部分)の縁が、当該貫通部91の底部の縁より内側に位置している。具体的には、貫通部91は、その開口側(図2にて上側)から底部側(図2にて下側)に向けて幅(内径)が拡がるように(逆テーパ形状をなすように)形成されている。すなわち、貫通部91は、その横断面でみたときに、画素電極6側からゲート絶縁体層44側に向けて幅が拡がるように(幅が漸増するように)形成されている。これにより、貫通部91の壁面に電極材料が付着されにくくなるので、画素電極6とゲート電極45とがショートするのを防止することができる。その結果、アクティブマトリクス装置1の信頼性を向上させることができる。また、貫通部91を逆テーパ形状とすることにより、画素電極6の大面積化を図り、アクティブマトリクス装置1の開口率を高めることもできる。
【0045】
なお、本実施形態では、貫通部91は、その深さ方向での全域に亘って開口部側から底部側に向けて拡がるように形成されているが、貫通部91の深さ方向での少なくとも一部の範囲に、開口側から底部側に向けて幅が拡がる部分が形成されていればよく、当該拡がる部分以外の範囲において、貫通部91の幅が一定または狭くなる部分が形成されていてもよい。この場合、このような幅が拡がる部分は、貫通部91の開口近傍に形成されているのが好ましい。これにより、前述したような効果(ショートの防止、開口率の向上)を顕著なものとすることができる。また、このような幅が拡がる部分は、本実施形態では連続的に幅が拡がっているが、1段階または複数段階で段階的に幅が拡がっていてもよい。
【0046】
このような貫通部91を備える絶縁体層9は、後述する製造工程の第3の工程において、ゲート電極45を気相成膜により形成する際に、マスクとして機能するものである。
かかるマスクとして絶縁体層9を用いると、逆テーパ形状をなす貫通部91の壁面に成膜材料(電極材料)が付着するのを防止することができる。そのため、1回の気相成膜だけで、ゲート電極45と電極6Aとを離間した状態で形成することができる。その結果、アクティブマトリクス装置1の生産性を向上させることができる。
この絶縁体層9の構成材料としては、絶縁性を有し、かつ、前述したような貫通部91を形成し得るものであればよく、前述したゲート絶縁体層44の構成材料と同様のものを用いることができるが、フォトレジスト材料を用いるのが好ましい。これにより、前述したような逆テーパ形状をなす貫通部91を簡単かつ高精度に形成することができる。
【0047】
そして、絶縁体層9(より具体的には各ランド部92)のゲート絶縁体層44とは反対側の面上には、複数の画素電極6が設けられている。
このような絶縁体層9上に設けられた複数の画素電極6は、後述するようにアクティブマトリクス装置1を用いて電気泳動表示装置20を構築した際に、各画素を駆動させるための電圧を印加する一方の電極を構成するものである。
【0048】
各画素電極6の構成材料としては、例えば、Ni、Pd、Pt、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Co、Al、Cs、Rb等の金属、これらを含むMgAg、AlLi、CuLi等の合金、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
このような各画素電極6には、対応するトランジスタ4のドレイン電極42が導体部10を介して電気的に接続されている。導体部10は、前述したゲート絶縁体層44および絶縁体層9をこれらの厚さ方向に貫通するように設けられている。
このようなトランジスタ4において、ゲート電極45に印加する電圧を変化させることにより、ソース電極41とドレイン電極42との間に流れる電流量が制御される。
【0050】
すなわち、ゲート電極45に電圧が印加されていないOFF状態では、ソース電極41とドレイン電極42との間に電圧を印加しても、半導体層43中にほとんどキャリアが存在しないため、微少な電流しか流れない。一方、ゲート電極45に電圧が印加されているON状態では、半導体層43のゲート絶縁体層44に面した部分に可動電荷(キャリア)が誘起され、ソース電極41とドレイン電極42との間のチャネル領域に流路が形成される。この状態でソース電極41とドレイン電極42との間に電圧を印加すると、チャネル領域を通って電流が流れる。
以上説明したように構成されたアクティブマトリクス装置1によれば、前述したような貫通部91内の底部付近のゲート絶縁体層44上にゲート電極45が形成され、そして、貫通部91の周囲の絶縁体層9上に画素電極6が形成されているので、後述する製造方法を用いて、優れた生産性で製造することができる。
【0051】
<アクティブマトリクス装置の製造方法>
次に、本発明のアクティブマトリクス装置の製造方法の一例として、前述したアクティブマトリクス装置1の製造方法を説明する。
図3は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるソース電極およびドレイン電極の形成工程を説明するための図、図4は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における半導体層の形成工程を説明するための図、図5は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるゲート絶縁体層の形成工程を説明するための図、図6は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における絶縁体層の形成工程を説明するための図、図7は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法における導体部の形成工程を説明するための図、図8は、図7に示す導体部の形成工程を説明するための図、図9は、図7に示す導体部の形成工程を説明するための図、図10は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法におけるゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図、図11は、図10に示すゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図、図12は、図10に示すゲート電極および画素電極の形成工程を説明するための図、図13は、図12に示す工程の他の例を説明するための図、図14は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法の他の例を説明するための図、図15は、図1に示すアクティブマトリクス装置の製造方法の他の例を説明するための図である。
【0052】
なお、図3〜7、10において、それぞれ、(a)は、平面図、(b)は、(a)中のA−A線断面図である。また、図12において、(a)は、平面図、(b)は、(a)中のB−B線断面図である。
アクティブマトリクス装置1の製造方法は、[A]ソース電極41、ドレイン電極42と、半導体層43およびゲート絶縁体層44を形成する工程(第1の工程)と、[B]絶縁体層9を形成する工程(第2の工程)と、[C]導体部10を形成する工程と、[D]ゲート電極45および画素電極6を形成する工程(第3の工程)とを有する。
【0053】
以下、これらの各工程を順次詳細に説明する。
[1](第1の工程)
工程[A]は、<A1>ソース電極41およびドレイン電極42を形成する工程と、<A2>半導体層43を形成する工程と、<A3>ゲート絶縁体層44を形成する工程とを有する。
【0054】
<A1>
まず、基板7を用意し、その基板7の一方の面上に、図3に示すように、ソース電極41(第1の配線2)およびドレイン電極42を形成する。
また、このとき、ソース電極41およびドレイン電極42の形成と同時に、接続用電極8も形成する。
【0055】
なお、以下では、接続用電極8の形成に関しては、ソース電極41およびドレイン電極42の形成と同様であるので、その説明を省略する。
より具体的に説明すると、例えば、ソース電極41およびドレイン電極42が金属を主材料として構成されている場合、まず、基板7上に金属膜(金属層)を形成する。
この金属膜は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等により形成することができる。
【0056】
この金属膜上に、フォトリソグラフィー法により、ソース電極41およびドレイン電極42等の形状に対応する形状のレジスト層を形成する。このレジスト層をマスクとして用いて、金属膜の不要部分を除去する。
この金属膜の除去には、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
その後、レジスト層を除去することにより、図3に示すように、ソース電極41およびドレイン電極42が得られる。
なお、ソース電極41およびドレイン電極42は、それぞれ、例えば、導電性粒子を含有するコロイド液(分散液)、導電性ポリマーを含有する液体(溶液または分散液)等の液状材料を基板7上に供給して被膜を形成した後、必要に応じて、この被膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することもできる。
【0058】
また、次工程<A2>に移行するのに先立って、特に、ソース電極41およびドレイン電極42は、後処理を施すようにするのが好ましい。
例えば、ソース電極41およびドレイン電極42を金属材料を主材料として構成した場合には、プラズマ処理(例えば、アルゴンプラズマ処理、酸素プラズマ処理)を施すのが好適である。これにより、ソース電極41およびドレイン電極42の表面に付着する有機物を除去することができ、その結果、得られるトランジスタ4の特性をより向上させることができる。また、後述する工程<A2>において、有機半導体材料またはその前駆体を含有する液状材料を滴下し硬化することで半導体層43を形成する場合、滴下された液状材料の不本意な挙動を抑制することができる。
【0059】
特に、ソース電極41およびドレイン電極42等をNi、Cuを主材料として構成した場合には、酸素プラズマ処理を施すのが好適である。これにより、ソース電極41およびドレイン電極42等の表面に付着する有機物を除去とともに、表面付近を酸化させることができ、その仕事関数の増大させることができる。その結果、pチャネル型のトランジスタ4を構築する場合には、その特性が特に優れたものとなる。
【0060】
<A2>
次に、図4に示すように、半導体層43を形成する。
半導体層43は、例えば、有機絶縁材料で構成する場合、有機半導体材料またはその前駆体を含む溶液をソース電極41とドレイン電極42との間およびその近傍に塗布(供給)した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することができる。
有機半導体材料またはその前駆体を含む溶液を塗布(供給)する方法としては、塗布法、印刷法(インクジェット法、スクリーン印刷法)等を用いることができる。
また、半導体層43は、マスク蒸着を用いても形成することができる。
【0061】
<A3>
次に、図5に示すように、ゲート絶縁体層44Aを形成する。
このゲート絶縁体層44Aは、後述する工程[C]において前述したゲート絶縁体層44となるものであり、導体部10、11が挿通される貫通孔が形成されていない以外は、ゲート絶縁体層44と同様である。
このようなゲート絶縁体層44Aは、例えば、有機絶縁材料で構成する場合、有機絶縁材料またはその前駆体を含む溶液を半導体層43上を覆うように塗布(供給)した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することができる。
【0062】
有機絶縁体材料またはその前駆体を含む溶液を半導体層43上へ塗布(供給)する方法としては、塗布法、印刷法等を用いることができる。
また、ゲート絶縁体層44Aを無機材料で構成する場合、ゲート絶縁体層44Aは、例えば、熱酸化法、CVD法、SOG法等により形成することができる。また、原材料にポリシラザンを用いることで、ゲート絶縁体層44Aとして、シリカ膜、窒化珪素膜を湿式プロセスで成膜することが可能である。
【0063】
特に、ゲート絶縁体層44Aは、有機絶縁材料で構成するのが好ましく、特に、高分子材料で構成するのが好ましい。これにより、後述する工程[C]において、液状材料を用いて導体部10、11を形成する場合、かかる液状材料に高分子材料を溶解し得るものを用いると、かかる液状材料をゲート絶縁体層44Aに対して付与することで、ゲート絶縁体層44Aに導体部10、11のための貫通孔を形成することができる。
【0064】
[B](第2の工程)
次に、図6に示すように、絶縁体層9を形成する。
このとき、絶縁体層9には、ゲート電極45(第2の配線3)に対応する貫通部91が形成されている。また、絶縁体層9には、導体部10の形成予定部位に、厚さ方向に貫通する貫通部93も形成されている。
これらの貫通部91、92は、前述したように、図6(b)中の上側から下側に向けて拡がるように形成されている。そのため、後述する工程[D]において、互いに離間したゲート電極45および画素電極6を気相成膜法により一括して形成することができる。
【0065】
絶縁体層9の形成方法としては、前述したような逆テーパ状の貫通部91を備える絶縁体層9を形成することができるものであれば、特に限定されないが、フォトリソグラフィー法が好適に用いられる。
より具体的には、ゲート絶縁体層44A上に、フォトレジスト材料(例えば、日本ゼオン社製 ZPN2464等)を塗布し、露光、現像を行うことで、貫通部91を備える絶縁体層9を形成する。なお、フォトレジスト材料としては、ポジ型、ネガ型のいずれを用いてもよい。
【0066】
また、上記露光に用いる光源としては、前述したような逆テーパ状の断面形状をなす貫通部91を形成することができれば、特に限定されず、各種光源を用いることができ、面光源であっても、点光源であってもよい。
また、上記露光は、塗布されたフォトレジスト材料に対し、光源からの光をマスクを介して選択的に照射することができる。
【0067】
また、上記露光は、塗布されたフォトレジスト材料に対し、光源からの光を走査しながら選択的に照射してもよい。この場合、光源からの光の出射方向を絶縁体層9に対して傾斜させることで、前述したような逆テーパ状の断面形状をなす貫通部91を比較的簡単に形成することができる。
また、上記露光は、塗布されたフォトレジスト材料に対し、光源からの光をレンズ等の光学系を介して照射してもよい。この場合、かかる光学系による光の結像点を絶縁体層9に対してその厚さ方向にずらすことで、前述したような逆テーパ状の断面形状をなす貫通部91を比較的簡単に形成することができる。
【0068】
[C]
次に、図7に示すように、導体部10を形成する。このとき、導体部10は、絶縁体層9およびゲート絶縁体層44Aをこれらの厚さ方向に貫通してドレイン電極42に導通する。
このような工程[C]を第2の工程[B]の後かつ第3の工程[D]の前に行うことで、後述する第3の工程[D]において、導体部10を介して画素電極6とドレイン電極42とを電気的に接続することができる。これにより、ドレイン電極42と画素電極6との間にゲート絶縁体層44Aが存在していても、ドレイン電極42と画素電極6とを導通させることができる。
【0069】
また、このとき、導体部11も、導体部10と同様にして形成する。
導体部10の形成方法としては、特に限定されないが、印刷法(インクジェット法、スクリーン印刷法)が好適に用いられる。
すなわち、導体部10を形成する工程[C]では、導電性材料を含む液状材料を付与し硬化または固化させることにより導体部10を形成するのが好ましい。これにより、比較的簡単かつ確実に、所望の寸法および位置に高精度に導体部10を形成することができる。
【0070】
印刷法を用いて導体部10、11を形成する場合、例えば、Agやカーボンブラック等の導電性粒子(導電性材料)を含有するコロイド液(分散液)、導電性ポリマー(導電性材料)を含有する液体(溶液または分散液)等の液状材料をゲート絶縁体層44A上に供給した後、必要に応じて、後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施す。
本実施形態では、この液状材料は、ゲート絶縁体層44Aを溶解し得る(ゲート絶縁体層44Aに対する溶解性を有する)ものである。
【0071】
これにより、ゲート絶縁体層44Aに対して液状材料を付与することで、ゲート絶縁体層44Aに導体部10、11のための貫通孔を形成することができる。その結果、液状材料の付与に先立ってゲート絶縁体層44Aの導体部10形成予定部位に予め穿孔する工程が不要となるので、アクティブマトリクス装置1(半導体装置)の製造工程がより簡略化され、生産性をより高めることができる。
【0072】
より具体的に説明すると、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて液状材料をゲート絶縁体層44上に付与する場合、図8(a)に示すように、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)100から上記の液状材料10Aの液滴をゲート絶縁体層44上の所定部位に付与する。
このようなインクジェット法によれば、所定量の液滴を容易かつ位置精度よく滴下することができる。
【0073】
ここで、液状材料10Aには、溶媒または分散媒が含まれている。
かかる溶媒または分散媒としては、用いる導電性粒子または導電性ポリマー等の種類や滴下条件などに応じて決定され、特に限定されず、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
【0074】
中でも、ゲート絶縁体層44Aが高分子材料(有機材料)で構成され、かつ、液状材料10Aがゲート絶縁体層44Aに対する溶解性を有する場合、溶媒または分散媒として、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒が好適に用いられる。
液状材料10Aの粘度(常温)は、特に限定されないが、通常、2〜20cps程度であるのが好ましく、4〜8cps程度であるのがより好ましい。液状材料10Aの粘度をかかる範囲とすることにより、ノズルからの液滴の吐出をより安定的に行うことができる。液状材料10Aの粘度が上記範囲より小さい場合には、吐出時に変位させるピエゾ素子の振動が減衰しづらいので、吐出が不安定になり易い傾向がある。また、液状材料10Aの粘度が上記範囲より大きい場合には、液状材料10Aの流路抵抗が大きいため、高速で印刷する際、液状材料10Aの供給が追い付かず、やはり不安定になるおそれがある。
【0075】
なお、液状材料10Aの粘度は、例えば、導電性粒子または導電性ポリマーの濃度、溶媒または分散媒の種類や組成等を適宜設定することにより調整することができる。
また、液状材料10Aの1滴の粒径(平均)は、導体部10、11の形状や面積などに応じて決定され、特に限定されないが、通常、0.1〜40pL程度であるのが好ましく、1〜30pL程度であるのがより好ましい。また、液状材料10Aの液滴の1滴の量(平均)をかかる範囲とすることにより、より精密な形状を形成することができる。液滴の体積が小さすぎると、液状材料10Aの種類などによっては、液状材料10Aをノズルから安定的に吐出させるのが難しくなる。また、液滴の体積が大きすぎると、付与領域の面積や形状などによっては、付与領域内に収まるように液状材料10Aを滴下するのが難しくなる。
【0076】
液滴の滴下数は、1滴であっても、複数滴であってもよい。
また、スクリーン印刷法を用いて液状材料をゲート絶縁体層44上に付与する場合、図8(b)に示すように、ゲート絶縁体層44上の所定部位に対応した開口112を有するスクリーン111上に液状材料を供給し、その液状材料10Aをスキージ(板状部材)110でスクリーン111側に圧し付けながらスクリーン111に沿って移動させることで、開口112から液状材料10Aを押し出し、ゲート絶縁体層44A上の所定部位に供給する。
【0077】
また、上述したような液状材料10Aの付与に先立ち、ゲート絶縁体層44Aの導体部10、11形成予定部位に穿孔処理を施してもよい。
この場合、例えば、図9に示すように、レーザー120からのレーザー光の照射により、導体部10、11の形成予定部位に対応して、ゲート絶縁体層44Aに貫通孔441を形成する。これにより、液状材料10Aがゲート絶縁体層44Aに対して溶解性を有しない場合であっても、導体部10、11を形成することができる。また、液状材料10Aがゲート絶縁体層44Aに対して溶解性を有する場合でも、貫通孔441を予め形成することで、液状材料10Aの付与量を多くすることができ、液状材料10Aが乾燥・固化して収縮しても、所望の大きさの導体部10、11を形成することができる。
【0078】
また、導体部10を形成する工程では、液状材料10Aの硬化または固化に伴って体積が減少し、この体積減少によって導体部10の絶縁体層9側(画素電極6が形成される側)の端面に凹部101が形成されるが(図7および図8(a)参照)、その形成される凹部101がゲート絶縁体層44側から画素電極6側に向けて拡がるように、導体部10を形成するのが好ましい。例えば、凹部101がゲート絶縁体層44側から画素電極6側に向けて拡がるように、液状材料10Aの供給量や濃度等を調整する。
これにより、後述する工程[D]において、気相成膜を行った時に、導体部10の絶縁体層9の端上と絶縁体層9上との間で導体膜(画素電極6)が途切れるのを防止することができる。そのため。簡単かつ確実に、導体部10と画素電極6とを電気的に接続することができる。
【0079】
[D](第3の工程)
次に、ゲート電極45および画素電極6を形成する。
より具体的には、本工程[D]は、<D1>ゲート電極45(電極)をゲート絶縁体層44上に形成するとともに、複数の画素電極6となるべき電極(導体層)6Aを絶縁体層9上に形成する工程と、<D2>電極6Aを用いて複数の画素電極6を形成する工程とを有する。
【0080】
<D1>
まず、気相成膜法により、図10に示すように、ゲート電極45(電極)をゲート絶縁体層44上に形成するとともに、複数の画素電極6となるべき電極(導体層)6Aを絶縁体層9上に形成する。
この電極6Aは、前述したランド部92に対応した平面視形状をなしている。すなわち、電極6Aは、図10にて左右方向に隣接する画素電極6同士が連結部61Aを介して連結したような形状をなしている。
【0081】
かかる気相成膜法としては、互いに離間したゲート電極45および画素電極6を一括形成(同時形成)することができるものであれば、特に限定されず、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等を用いることができるが、蒸着が好適に用いられる。
【0082】
工程<D1>の気相成膜法として蒸着を用いる場合、例えば、図11に示すように、各接続用電極8の一部を含む周縁部のみを覆うマスク131を介して、蒸着源130から導電性材料を絶縁体層9に向けて飛翔させる。
すると、貫通部91内の底部付近のゲート絶縁体層44上には、ゲート電極45が形成され、また、貫通部91の周囲の絶縁体層9上には、電極6Aが形成される。
【0083】
このとき、貫通部91が前述したように逆テーパー状の断面形状をなしているので、ゲート電極45と電極6Aとが離間した状態で形成される。
このようにして、貫通部91内の底部付近のゲート絶縁体層44上、および、貫通部91の周囲の絶縁体層9上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成することができる。
【0084】
<D2>
次に、図12に示すように、電極6Aを用いて複数の画素電極6を形成する。
より具体的には、電極6Aの連結部61Aを除去することで、除去部61を形成し、複数の画素電極6を得る。
このように絶縁体層9上に形成された電極6Aを部分的に除去する工程(分離工程)を有することで、隣接する画素電極6同士を個別化(孤立化)することができる。このような分離工程は、レーザーや機械加工により比較的簡単に行える。
【0085】
レーザー140を用いて電極6Aの連結部61Aを除去する場合、このレーザー140としては、連結部61Aを除去することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、エキシマーレーザー(例えばKrF、5W、300Hz程度のもの)が好適に用いることができる。
このようにして、絶縁体層9上に形成された電極6Aを用いて、画素電極6を形成することができる。
【0086】
また、上記の方法に代えて、図13に示すように、プレス機150を用いて連結部61Aを切断してもよい。
なお、図14(a)に示すように、絶縁体層9は、画素電極6に対応する部分同士が分離していてもよい。この場合、工程<D1>では、ゲート電極45(電極)となるべき電極45A(第2の配線3となるべき電極3A)がゲート絶縁体層44上に形成されるとともに、複数の画素電極6が絶縁体層9上に形成される。したがって、工程<D2>では、図14(b)に示すように、ゲート電極45同士を分離するように、電極45Aを部分的に切断または除去して、除去部451を形成すればよい。これにより、電極45Aを用いて複数のゲート電極45を形成することができる。
【0087】
また、このようにプレス機150を用いて機械的に連結部61Aを切断する場合には、基板7、ゲート絶縁体層44および絶縁体層9は、ぞれぞれ、高分子材料を主材料として構成されていることが望ましい。これによって、プレス機150による連結部61Aの切断に際し基板7、ゲート絶縁体層44および絶縁体層9に機械的な圧力が加えられても、基板7、ゲート絶縁体層44および絶縁体層9にクラックが発生するのを防止することができる。
【0088】
[5]保護膜形成工程
次に、図11(b)に示すように、貫通部91を埋めるように、絶縁性を有する保護膜12を形成する。これにより、ゲート電極45同士、画素電極6とゲート電極45との間等の不本意な短絡を防止することができる。
保護膜12は、前述した工程[3]と同様の方法を用いて形成することができる。
また、保護膜12の構成材料としては、ゲート絶縁体層44や絶縁体層9と同様のものを用いることができる。
【0089】
なお、保護膜12は、必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。
以上のような工程を経て、図1および図2に示すアクティブマトリクス装置1が得られる。
以上説明したようなアクティブマトリクス装置1の製造方法によれば、ゲート絶縁膜上に一様に形成した導体層をエッチングによりパターンニングしてゲート電極および画素電極を形成する場合に比し、エッチング工程を減らすことができ、その結果、生産性を優れたものとすることができる。
【0090】
<電気光学装置>
次に、本発明の電気光学装置の一例として、前述したアクティブマトリクス装置を備えた電気泳動表示装置を説明する。なお、本発明の電気光学装置は、前述したような本発明のアクティブマトリクス装置を備えるものであれば、特に限定されず、電気泳動表示装置の他、液晶表示装置(液晶装置)、有機EL装置や無機EL装置等のエレクトロルミネッセンス装置等に適用することも可能である。
【0091】
図16は、本発明の電気光学装置を電気泳動表示装置に適用した場合の実施形態を模式的に示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図16中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図16に示す電気泳動表示装置20は、電気泳動表示シート(フロントプレーン)21と、前述したアクティブマトリクス装置1である回路基板(バックプレーン)22と、電気泳動表示シート21と回路基板22とを接合する接着剤層24と、電気泳動表示シート21と回路基板22との間の間隙を気密的に封止する封止部25とを有している。
【0092】
電気泳動表示シート21は、平板状の基部211と、基部211の下面上に設けられた電極212(共通電極)と、電極212の下面(一方の面)側に設けられ、マイクロカプセル231およびバインダ232で構成された電気泳動分散液層(マイクロカプセル含有層)23とを有している。
一方、回路基板22は、平板状の基部221、基部221の上面上に設けられた複数の電極222と、図示しないトランジスタとを有している。この回路基板22は、前述したアクティブマトリクス装置1と同様の構成を有するものである。
【0093】
以下、各部の構成について順次説明する。
基部211および基部221は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配される各部材を支持および保護する機能を有する。
基部211および基部221としては、それぞれ、前述したアクティブマトリクス装置1の基板7と同様のものを用いることができる。
【0094】
このような基部211の電気泳動分散液層23側の面上には、共通電極である電極212が設けられ、一方、基部221の電気泳動分散液層23側の面上には、個別電極(画素電極)である複数の電極222が設けられている。
電極212と電極222との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じ、この電界が電気泳動分散液層23の電気泳動粒子(表示粒子)235に作用する。
【0095】
本実施形態では、電極212が共通電極とされ、電極222がマトリックス状(行列状)に分割された個別電極(トランジスタに接続された画素電極)とされており、電極212と1つの電極222とが重なる部分が1画素を構成する。
なお、電極212も、電極222と同様に複数に分割するようにしてもよい。
また、電極212がストライプ状に分割され、電極222も同様にストライプ状に分割され、これらが交差するように配置された形態であってもよい。
【0096】
各電極212、222の構成材料としては、前述したアクティブマトリクス装置1の画素電極6の構成材料と同様のものを用いることができる。
なお、各基部211、221および各電極212、222のうち、表示面側に配置される基部および電極(本実施形態では、基部211および電極212)は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。これにより、後述する電気泳動分散液234中における電気泳動粒子235の状態、すなわち電気泳動表示装置20に表示された情報(画像)を目視により容易に認識することができる。
【0097】
電気泳動表示シート21では、電極212の下面に接触して、電気泳動分散液層23が設けられている。
この電気泳動分散液層23は、電気泳動分散液234をカプセル本体(殻体)233内に封入した複数のマイクロカプセル231が、バインダ232で固定(保持)されて構成されている。
【0098】
マイクロカプセル231は、電極212と電極222との間に、単層で(厚さ方向に重なることなく1個ずつ)配設されている。本実施形態では、マイクロカプセル231は、電極212と接着剤層とで挟持されても、上下方向に圧縮(圧迫)されず、ほぼ球形状をなしている。
なお、マイクロカプセル231は、上下方向に圧迫されて、例えば、縦断面形状で楕円または矩形に近い形状をなしていてもよい。
【0099】
カプセル本体233の粒径としては、体積平均粒子径が30〜60μmであることが好ましく、40〜50μmであることがより好ましい。カプセル本体233の粒径がこのような範囲であることにより、寸法精度よく電気泳動分散液層23を形成することができる。
カプセル本体(殻体)233の構成材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0100】
また、カプセル本体233の構成材料には、架橋剤により架橋(立体架橋)を形成するようにしてもよい。これにより、カプセル本体233の強度をさらに向上させることができる。その結果、マイクロカプセル231が崩壊するのをより防止することができる。
なお、隣り合うマイクロカプセル231同士は、本実施形態では接して配置されているが、離れて配置されていてもよい。
【0101】
マイクロカプセル231には、後述するように白色粒子235aと着色粒子(黒色粒子)235bとが内包されている。これにより、マイクロカプセル231に内包される電気泳動粒子235が後述するように動作するので、表示を均一にすることができる。
カプセル本体233内に封入された電気泳動分散液234は、少なくとも1種の電気泳動粒子235(本実施形態では、着色粒子235bと白色粒子235aとの2種)を液相分散媒236に分散(懸濁)してなるものである。
【0102】
電気泳動粒子235の液相分散媒236への分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、撹拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
液相分散媒236としては、カプセル本体233に対する溶解性が低く、かつ比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。
【0103】
具体的には、かかる液相分散媒236としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)を主成分とするものが好適に用いられる。流動パラフィンを主成分とする液相分散媒236は、電気泳動粒子235の凝集抑制効果が高く、かつカプセル本体233の構成材料との親和性が低い(溶解性が低い)。そのため、電気泳動表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィンは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
【0104】
また、液相分散媒236(電気泳動分散液234)中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤(アニオン性またはカチオン性)、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
さらに、液相分散媒236には、必要に応じて、各種染料を溶解するようにしてもよい。
【0105】
電気泳動粒子235は、荷電を有し、電界が作用することにより、液相分散媒236中を電気泳動し得る粒子であれば、いかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、顔料粒子、樹脂粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
【0106】
電気泳動粒子235の平均粒径は、10〜500nm程度であるのが好ましく、20〜300nm程度であるのがより好ましい。電気泳動粒子235の平均粒径を前記範囲とすることにより、電気泳動粒子235同士の凝集や、液相分散媒236中における沈降を確実に防止することができ、その結果、電気泳動表示装置20の表示品質の劣化を好適に防止することができる。
【0107】
バインダ232は、例えば、電極212に対してマイクロカプセル231を固定する目的、電極222および電極212間の絶縁性を確保する目的等により供給される。これにより、電気泳動表示装置20の耐久性および信頼性をより向上させることができる。
このバインダ232には、各電極222、212、カプセル本体233(マイクロカプセル231)との親和性(密着性)に優れ、かつ、絶縁性に優れる樹脂材料が好適に使用される。
【0108】
本実施形態では、電気泳動表示シート21と回路基板22とが、接着剤層24を介して接合されている。これにより、電気泳動表示シート21と回路基板22とをより確実に固定することができる。
この接着剤層24は、電気泳動表示シート21と回路基板22とを接合(固定)する機能の他、I:絶縁性を有するもの、II:電気泳動表示シート21側から回路基板22へのイオンの拡散を防止する機能、III:電気泳動表示シート21と回路基板22とを接合する際の応力を緩和する機能を有しているのが好ましい。
【0109】
Iの機能を有することにより、電極222と電極212との間での短絡を確実に防止して、電気泳動粒子235に確実に電界を作用させることができる。
IIの機能を有することにより、回路基板22に設けられた回路(特にトランジスタ)の特性の低下を防止または抑制することができる。
また、IIIの機能を有することにより、電気泳動表示装置20の製造時(作成時)にマイクロカプセル231や回路基板22に設けられたトランジスタ等の破壊を防止することができる。
【0110】
このような接着剤層24は、ポリウレタンを主材料として構成されているのが好ましい。ポリウレタンは、接着剤層24に、前述したような各種機能を確実に付与することができることから好ましい。
なお、接着剤層24の構成材料には、ポリウレタンに代えて、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ABS樹脂、ビニル−アクリル酸エステル共重合体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0111】
基部211と基部221との間であって、それらの縁部に沿って、封止部25が設けられている。この封止部25により、各電極222、212、電気泳動分散液層23および接着剤層24が気密的に封止されている。これにより、電気泳動表示装置20内への水分の浸入を防止して、電気泳動表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
【0112】
封止部25の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、封止部25は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
このような電気泳動表示装置20は、次のようにして作動する。
【0113】
以下、電気泳動表示装置20の作動(動作)方法について説明する。
電気泳動表示装置20の電極222と電極212との間に電圧を印加すると、これらの間に電界が生じる。すなわち、電気泳動分散液層23に電界が生じる。
電気泳動分散液層23に生じた電界にしたがって、電気泳動粒子235(着色粒子235b、白色粒子235a)は、いずれかの電極に向かって電気泳動する。
【0114】
例えば、白色粒子235aとして正荷電を有するものを用い、着色粒子(黒色粒子)5bとして負荷電のものを用いた場合、電極222を正電位とすると、白色粒子235aは、電極212側に移動して、電極212に集まる。一方、着色粒子235bは、電極222側に移動して、電極222に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、白色粒子235aの色が見えること、すなわち、白色が見えることになる。
【0115】
これとは逆に、電極222を負電位とすると、白色粒子235aは、電極222側に移動して、電極222に集まる。一方、着色粒子235bは、電極212側に移動して、電極212に集まる。このため、電気泳動表示装置20を上方(表示面側)から見ると、着色粒子235bの色が見えること、すなわち、黒色が見えることになる。
このような構成において、電気泳動粒子235(白色粒子235a、着色粒子235b)の帯電量や、電極222または4の極性、電極222、4間の電位差等を適宜設定することにより、電気泳動表示装置20の表示面側には、白色粒子235aおよび着色粒子235bの色の組み合わせや、電極222、212に集合する粒子の数等に応じて、所望の情報(画像)が表示される。
このような電気泳動表示装置20(電気光学装置)は、前述したようなアクティブマトリクス装置1を備えているので、優れた生産性を有する。
【0116】
<電子機器>
以上のような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える本発明の電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図17は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図17に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
【0117】
<<ディスプレイ>>
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図18は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図18中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図18に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図17に示す構成と同様のものである。
【0118】
本体部801は、その側部(図18(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
【0119】
また、本体部801の表示面側(図18(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
【0120】
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図18中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
【0121】
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
このような電子機器は、前述したようなアクティブマトリクス装置1を備えているので、優れた生産性を有する。
なお、本発明の電子機器は、以上のようなものへの適用に限定されず、例えば、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができ、これらの各種電子機器の表示部に、電気泳動表示装置20を適用することが可能である。
【0122】
以上、本発明の半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の半導体装置の製造方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。また、例えば、本発明の半導体装置、アクティブマトリクス装置、電気光学装置および電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、ゲート絶縁体層44を形成した後に、絶縁体層9を形成した場合を例に説明したが、ゲート絶縁体層の形成前に、前述した貫通部91のような貫通部を有する絶縁体層を形成し、この絶縁体層の貫通部内にゲート絶縁体層を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0123】
1‥‥アクティブマトリクス装置 2‥‥第1の配線 3‥‥第2の配線 3A‥‥電極 4‥‥トランジスタ 5‥‥トランジスタ 6‥‥画素電極 6A‥‥電極 7‥‥基板 8‥‥接続用電極 9‥‥絶縁体層 10‥‥導体部 10A‥‥液状材料 11‥‥導体部 12‥‥保護膜 20‥‥電気泳動表示装置 21‥‥電気泳動表示シート 22‥‥回路基板 23‥‥電気泳動分散液層 24‥‥接着剤層 25‥‥封止部 31‥‥一端部 41‥‥ソース電極 42‥‥ドレイン電極 43‥‥半導体層 44‥‥ゲート絶縁体層 44A‥‥ゲート絶縁体層 45‥‥ゲート電極 45A‥‥電極 61‥‥除去部 61A‥‥連結部 91‥‥貫通部 92‥‥ランド部 93‥‥貫通部 100‥‥インクジェットヘッド 101‥‥凹部 110‥‥スキージ 111‥‥スクリーン 112‥‥開口 120‥‥レーザー 130‥‥蒸着源 131‥‥マスク 140‥‥レーザー 150‥‥プレス機 211‥‥基部 212‥‥電極 221‥‥基部 222‥‥電極 231‥‥マイクロカプセル 232‥‥バインダ 233‥‥カプセル本体 234‥‥電気泳動分散液 235‥‥電気泳動粒子 235a‥‥白色粒子 235b‥‥着色粒子 236‥‥液相分散媒 441‥‥貫通孔 451‥‥除去部 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809‥‥操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方の面側に、互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように設けられたゲート絶縁体層とを形成する第1の工程と、
前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に、厚さ方向に貫通する貫通部を備える絶縁体層を形成する第2の工程と、
前記貫通部内の底部付近の前記ゲート絶縁体層上、および、前記貫通部の周囲の前記絶縁体層上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成し、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、ゲート電極を形成するとともに、前記絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続される画素電極を形成する第3の工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
平面視で、前記貫通部の開口部の縁が、当該貫通部の底部の縁より内側に位置する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程の後かつ前記第3の工程の前に、前記絶縁体層および前記ゲート絶縁体層をこれらの厚さ方向に貫通して前記ソース電極または前記ドレイン電極に導通する導体部を形成する工程を有し、
前記第3の工程では、前記導体部を介して前記画素電極と前記ソース電極または前記ドレイン電極とを電気的に接続する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記導体部を形成する工程では、導電性材料を含む液状材料を付与し硬化または固化させることにより前記導体部を形成する請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記液状材料は、前記ゲート絶縁体層上に対する溶解性を有するものである請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記導体部を形成する工程では、前記液状材料の硬化または固化に伴う体積減少によって前記導体部の前記絶縁体層側の端面に形成される凹部が前記ゲート絶縁体層側から前記画素電極側に向けて拡がるように、前記導体部を形成する請求項3ないし5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第3の工程では、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極、または、前記絶縁体層上に形成された前記電極を、部分的に切断または除去する工程を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
基板の一方の面側に、互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層とを形成する工程と、
前記半導体層とは反対の面側に、厚さ方向に貫通する貫通部を備える絶縁体層を形成する工程と、
前記貫通部内の底部付近の前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように、ゲート絶縁体層を形成する工程と、
前記貫通部内の前記ゲート絶縁体層上、および、前記貫通部の周囲の前記絶縁体層上に、気相成膜法により同時にかつ互いに接触しないようにそれぞれ電極を形成し、前記ゲート絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、ゲート電極を形成するとともに、前記絶縁体層上に形成された前記電極を用いて、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続される画素電極を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
基板と、
前記基板の一方の面側に互いに離間して設けられたソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた半導体層と、前記半導体層の前記基板とは反対の面側を覆うように設けられたゲート絶縁体層と、前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に設けられたゲート電極とを備えるトランジスタと、
前記ゲート絶縁体層の前記半導体層とは反対の面側に設けられた絶縁体層と、
前記絶縁体層の前記ゲート絶縁体層とは反対の面側に設けられ、前記ソース電極または前記ドレイン電極に電気的に接続された画素電極とを有し、
前記絶縁体層は、前記画素電極側から前記ゲート絶縁体層側に向けて幅が拡がる部分を有するように形成された厚さ方向に貫通する貫通部を備え、
前記ゲート電極は、前記貫通部内の底部付近の前記ゲート絶縁体層上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
前記ゲート絶縁体層および前記絶縁体層を厚さ方向に貫通するように設けられ、前記ソース電極または前記ドレイン電極と前記画素電極とを電気的に接続する導体部を有する請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記ゲート電極および前記画素電極は、気相成膜法により同時に形成されたものである請求項10または11に記載の半導体装置。
【請求項13】
請求項9ないし12のいずれかに記載の半導体装置を備えることを特徴とするアクティブマトリクス装置。
【請求項14】
請求項13に記載のアクティブマトリクス装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項15】
請求項14に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−272843(P2010−272843A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52402(P2010−52402)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】