説明

半導体装置

【課題】信頼性が高く、特性の改善された半導体装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る半導体装置1は、ワンチップに規則性を有するレイアウト領域と、規則性のないレイアウト領域を備える半導体装置であって、下層導電層11と、下層導電層11上に形成された層間絶縁膜と、その上に形成された上層配線層M1と、下層導電層11と上層配線層M1とを、実質的に最短距離で電気的に接続するように配設した接続プラグ10とを備える。そして、規則性を有するレイアウト領域における少なくとも一部の領域において、下層導電層11と上層配線層M1との電気的接続が、下層導電層11の直上から延在する直上位置、当該直上位置から離間したシフト位置に配設した少なくとも2つの接続プラグ10と、これらを電気的に接続するための中間接続層20により行われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。より詳しくは、規則性のあるレイアウト領域を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置に用いられるSRAM(Static Random Access Memory)のメモリセルの基本的な構造として、4個のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ(2個の駆動用MOSトランジスタ及び2個の転送用MOSトランジスタ)と2個の高抵抗素子とで構成される高抵抗負荷型と、6個のMOSトランジスタ(2個の駆動用MOSトランジスタと2個の負荷用MOSトランジスタと2個の転送用MOSトランジスタ)で構成されるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型(例えば、特許文献1〜4)が知られている。近年、デザインルールの微細化による低電圧化の進展に伴って、動作特性の観点からCMOS型のSRAMが論理IC(Integrated Circuit)に混載される半導体記憶装置として広く用いられている。
【0003】
図30に、特許文献1に記載のCMOS型のSRAMのメモリセルの下層導電層のレイアウト例を示す。特許文献1に記載のメモリセルは、図30中の横方向に交互に配置されたPウェルとNウェルを有する。Pウェル上にNチャネル型MOSトランジスタN1〜N4が形成され、Nウェル上にPチャネル型MOSトランジスタP1,P2が形成されている。各MOSトランジスタのゲート電極配線層7や活性領域6には、上層配線(不図示)と接続するため、多くのコンタクトホールやビアホールなどのM1−接続プラグ10が設けられている。
【0004】
特許文献2において、メモリセルのサイズを縮小可能な構成が提案されている。図31に、特許文献2に記載のCMOS型のSRAMのメモリセルの部分断面図を示す。特許文献2に係るメモリセルは、素子分離領域5、活性領域6、ゲート電極配線層7、接続プラグ10、中間接続層20、ローカル配線26、27、第1配線層M1、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52、第3層間絶縁膜54などを備えている。中間接続層20の上下には、実質的に同心の接続プラグ10が配設されている。また、ローカル配線26は、離間する2つの活性領域6を結線するとともに、ローカル配線27と容量を形成している。
【特許文献1】特開平10−178110号公報
【特許文献2】特開2002−289703号公報
【特許文献3】特開2002−217316号公報
【特許文献4】特開2004−311610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図32に、CMOS型のシングルポートSRAMのメモリセルの等価回路図を示す。SRAMのメモリセルは、ビット線対(DIGT,DIGB)とワード線(WD)と接続される、2つのPチャネル型MOSトランジスタP1,P2、4つのNチャネル型MOSトランジスタN1〜N4の合計6つのトランジスタを有する。トランジスタP1、P2が、負荷トランジスタとして機能し、トランジスタN1、N2が駆動トランジスタとして機能する。また、トランジスタN3、N4が転送トランジスタとして機能する。SRAMのメモリセルを構成する6個のトランジスタのうち、P1とN1、P2とN2がそれぞれインバータを構成している。これら1対のインバータは、一対の交差配線(y1、y2)を介してメモリセル内で交差結合され、1ビットの情報を記憶する情報蓄積部としてのフリップフロップ回路を構成している。
【0006】
横型のSRAMセルを構成する場合、近年の半導体の微細化の進展に伴って、図32の交差配線の交差接続ノードX1、X2を近接させる必要が生じる。しかしながら、交差接続ノードX1、X2がショートすると致命的となる。
【0007】
図30の例において、最密レイアウトにする場合、例えば図中の矢印D5で示すように、下層導電層と上層配線間に配設するM1−接続プラグ10を近接させる必要が生じる。それに伴い、寄生容量やノイズ、信号干渉の動作マージンが悪化してきた。また、M1−接続プラグ10の近接に伴って、パターン欠陥が発生しやすく、歩留まり低下が問題となってきた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体装置は、ワンチップに、規則性を有するレイアウト領域と、規則性のないレイアウト領域を備える半導体装置であって、半導体基板内、及び当該半導体基板の極近傍に形成された下層導電層と、前記下層導電層上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された上層配線層と、前記下層導電層と前記上層配線層とを、実質的に最短距離で電気的に接続するように配設した接続プラグとを備える。そして、前記規則性を有するレイアウト領域における少なくとも一部の領域において、前記下層導電層と前記上層配線層との電気的接続が、前記下層導電層の直上から延在する直上位置、当該直上位置から離間したシフト位置に配設した少なくとも2つの接続プラグと、これらを電気的に接続するための中間接続層により行われている。
【0009】
ここで、「規則性を有するレイアウト領域」とは、例えば、SRAMのメモリセルのように、その配置に規則性があるものを云い、これに分類されないものを「規則性のないレイアウト領域」とする。
【0010】
本発明によれば、規則性を有するレイアウト領域に下層導電層と上層配線層との間に、上記のような平面視上、重畳しない位置に配置された2つの接続プラグと、これを電気的に接続する中間接続層を配設することにより、下層導電層のレイアウトを変更せずに、規則性を有するレイアウト内の上層配線層への接続プラグのレイアウトの設計マージンを高めることができる。例えば、下層導電層とコンタクトする接続プラグのサイズを最小かつ最近接とした状態で、中間接続層を介することによって中間接続層上に配置される接続プラグを離間させることが可能となる。これにより、リソグラフィー工程などの製造欠陥に起因するショート不良などの低減を図ることができる。また、寄生容量を緩和することも可能となる。また、接続プラグのアスペクト比を低減することができる。このため、接続プラグ内のバリアメタルのカバレッジを改善することができる。その結果、リーク不良や接続プラグ抵抗の低減を実現することができる。規則性を有するレイアウト領域に、上記構成を適用することにより、上記効果を十分に発揮することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信頼性が高く、特性の改善された半導体装置を提供することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降に説明する各種構成要素のサイズは、説明の便宜上のものであり、実際とは異なる。また、本発明の特徴部以外の構成部材は、適宜、図示及びその説明を省略する。
【0013】
[実施形態1]
図1に、本実施形態1に係る半導体装置のブロック図の一例を示す。同図に示すように、本実施形態1に係る半導体装置1は、ロジック回路部3Aを1つと、メモリ部であるSRAM部3Bを2つ備える所謂SoC(System on a Chip)デバイスである。SRAM部3Bは、メモリセル領域、デコーダ領域、メモリ制御回路領域などを備える。メモリセル領域には、複数のメモリセル4がマトリックス状に配置されている。本実施形態1においては、メモリセル4が、規則性を有するレイアウト領域である。また、規則性のないレイアウト領域として、ロジック回路部が相当する。
【0014】
図2(a)に、本実施形態1に係る半導体装置1のSRAM部3Bとロジック回路部3Aの模式的な部分断面図示す。また、図2(b)に、接続プラグの部分拡大説明図を示す。半導体装置1は、図2(a)に示すように、半導体基板2、素子分離領域5、活性領域6、ゲート電極配線層7、サイドウォール8、窒化シリコン9、上層配線層である第1配線層M1、第2配線層M2、第1配線層−接続プラグ(以降、「M1−接続プラグ」と云う)10、中間接続層20、第2配線層−接続プラグ(以降、「M2−接続プラグ」と云う)30、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52、第3層間絶縁膜53、第4層間絶縁膜54などを備えている。以降の説明において、第1配線層M1より下層にある導電層のうち、中間接続層20を除く導電層(例えば、活性領域6、ゲート電極配線層7)を総称して下層導電層11と称する。また、第1配線層M1より上層の配線層を上層配線層とも称する。
【0015】
M1−接続プラグ10やM2−接続プラグ30等は、通常、図2(b)に示すように、接続孔の底面及び側壁部を被覆するようにバリアメタル12が配設されている。バリアメタル12としては、例えば、チタン(Ti)や窒化チタン(TiN)を適用することができる。そして、バリアメタル12が被覆された接続孔内にタングステン(W)などの接続プラグ13が配設されることにより、M1−接続プラグ10が構成されている。バリアメタル12のカバレッジ不良は、コンタクト抵抗の上昇や、接合リークの原因となる。
【0016】
ロジック回路部3Aにおいて、下層導電層11と第1配線層M1は、下層導電層11の直上に延在されたM1−接続プラグ10を介して接続されている。一方、SRAM部3Bの下層導電層11と第1配線層M1は、前述と同様に、下層導電層11の直上に延在されているM1−接続プラグ10を介して接続されている個所の他、以下の構成により接続されている。すなわち、SRAM部3Bの下層導電層11と第1配線層M1の一部は、中間接続層20を用いることにより接続されている。そして、中間接続層20より上層のM1−接続プラグ10の位置を下層導電層11の直上からシフトさせている。換言すると、中間接続層20を介して上下に配置されるM1−接続プラグ10を、平面視上、重畳しないように配置している。なお、上記「平面視上、重畳しない位置」とは、複数のM1−接続プラグ10が配設されている場合に、上下に配置されるM1−接続プラグ10の同心が実質的に一致しないものを云う。
【0017】
中間接続層20を配設することにより、M1−接続プラグ10のアスペクト比を低減することができる。このため、接続プラグ内のバリアメタルのカバレッジを改善することができる。その結果、リーク不良や接続プラグ抵抗の低減を実現することができる。また、中間接続層により、M1−接続プラグ10の形成位置の設計自由度を高めることができる。例えば、活性領域6とコンタクトする接続プラグのサイズを最小かつ最近接とした状態で、中間接続層20上の2つの接続プラグを離間させる方向にシフトさせることが可能となる。これにより、リソグラフィー工程などの製造欠陥に起因するショート不良などの低減を図ることができる。また、寄生容量を緩和することも可能となる。
【0018】
次に、中間接続層20の具体的な配設例について、図3〜図6のSRAM部3Bの1メモリセル4のレイアウトを参照しつつ説明する。但し、説明の便宜上、以降の上面図において、サイドウォール8、窒化シリコン膜9、層間絶縁膜などの図示を適宜省略する。なお、本実施形態1に係るSRAM部3Bの等価回路図は、図32と同様である。
【0019】
図3(a)に、半導体基板2の表面に形成された活性領域6、ゲート電極配線層7などの下層導電層11、M1−接続プラグ10を含む下地の上面図を、図3(b)に図3(a)のIIIB-IIIB切断部断面図を、図3(c)に図3(a)のIIIC-IIIC切断部断面図を示す。
【0020】
図3(a)に示すように、中央領域に、Pチャネル型MOSトランジスタP1,P2が形成されたNウェル領域が配置され、その両側にNチャネル型MOSトランジスタN1、及びN3が形成されたPウェル領域と、Nチャネル型MOSトランジスタN2及びN4が形成されたPウェルとが配置されている。前述したようにトランジスタP1、P2が、負荷トランジスタとして機能し、トランジスタN1、N2が、駆動トランジスタとして機能する。また、トランジスタN3、N4が、転送トランジスタとして機能する。一対の駆動トランジスタと一対の負荷トランジスタは、1ビットの情報を記憶する情報蓄積部としてのフリップフロップ回路を構成している。このフリップフロップ回路は、一対のCMOSインバータで構成され、其々のCMOSインバータは、1つの駆動トランジスタN1(N2)と1つの負荷トランジスタP1(P2)で構成される。
【0021】
メモリセルを構成する6個のトランジスタは、単結晶シリコンからなる半導体基板2上の素子分離領域5によって周囲を囲まれた拡散領域である活性領域6に形成されている。活性領域6のうち、N型活性領域を6N,P型活性領域を6Pとする。トランジスタは、活性領域に形成されたソース/ドレイン領域と、この活性領域の表面に形成されたゲート絶縁膜(不図示)と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極配線層7を備える。
【0022】
ゲート電極配線層7は、例えば、不純物導入多結晶シリコン膜と高融点金属シリサイド膜(チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜等)の積層構造ないしはメタルゲート構造を有している。ゲート電極配線層7の側壁にはサイドウォール8が形成されている。さらに、ゲート電極配線層7の上部にはシリコン窒化膜9が形成されている。なお、活性領域6N、6Pのシリコン表面には金属シリサイド層が形成されていてもよい。
【0023】
第1層間絶縁膜51は、シリコン窒化膜9の上部に形成されている。第1層間絶縁膜51には、図3(b)に示すように、その表面から活性領域6N,6Pまで貫通する接続孔81が形成され、当該接続孔81内にはM1−接続プラグ10a、10b、10cが配設されている。同様にして、第1層間絶縁膜51には、図3(c)に示すように、その表面から活性領域6N,6Pまで貫通する接続孔81が形成され、当該接続孔81内にはM1−接続プラグ10d、10eが配設されている。M1−接続プラグ10は、例えば、タングステンなどを適用することができる。また、通常は、図2(b)に示すようなバリアメタル12が接続孔81内に形成されている。また、第1層間絶縁膜51には、ゲート電極配線層7の表面まで貫通する接続孔82が形成され、当該接続孔82には、同じくM1−接続プラグ10が配設されている(図2(a)参照)。
【0024】
図4(a)に、図3(a)の構成に対してさらに中間接続層20が形成された状態の上面図を、図4(b)に図4(a)のIVB-IVB切断部断面図を、図4(c)に図4(a)のIVC-IVC切断部断面図を示す。
【0025】
中間接続層20は、図4(a)に示すように、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10f(図3参照)の直上に、これらを被覆するように形成されている。すなわち、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10fの直上に、其々対応して中間接続層20a、20b、20c、20fが形成されている。これらの中間接続層のうちの少なくとも20b、20cは、その下層のM1−接続プラグ10b、10cが互いに対向する側において、M1−接続プラグ10b、10cと其々、レイアウト上オンラインとなるようにパターン形成されている。換言すると、中間接続層20b、20cは、その下層のM1−接続プラグ10b、10cが互いに対向する側において、M1−接続プラグ10b、10cよりも突出しないように、かつM1−接続プラグ10b、10cが露出しないように被覆されている。これにより、図4(b)に示すように、M1−接続プラグ10bとM1−接続プラグ10cの離間距離と、中間接続層20bと中間接続層20cの離間距離が略一致する。
【0026】
さらに、中間接続層20a、20cにおいては、図4(b)中の右側方向に延在領域を有し、中間接続層20b、20fにおいては、図4(a)中の左方向に延在領域を有する。中間接続層20は、第1配線層M1などの上層配線層に比して膜厚を薄く設定できるので、通常のCuダマシンプロセスのみではなく、スパッタリング法やCVD法などにより形成することもできる。材質としては特に限定されないが、例えば、タングステン、窒化チタン(TiN)、銅などの金属、又は金属に相当する導電性膜を適用することができる。抵抗を低減する観点から、低抵抗導電膜であることが好ましい。
【0027】
中間接続層20の膜厚は、特に限定されないが、成膜性が良好な範囲において膜厚を薄く設定することが、パターン精度の観点から好ましい。用いる材料、求められる抵抗特性に応じて一概には言えないが、例えば、第1配線層M1の膜厚の1/2から1/4程度の膜厚とすることができる。
【0028】
なお、本実施形態1においては、メモリセル領域のM1−接続プラグ10のうち、10a、10b、10c、10fの4つの直上にのみ中間接続層20を形成する例について述べたが、一例であって、中間接続層20の形成位置や数については任意である。
【0029】
図5(a)に、第2層間絶縁膜52と、その表面から中間接続層20若しくは第1層間絶縁膜51に形成されたM1−接続プラグ10の表面まで貫通する接続孔83、その接続孔83に配設されたM1−接続プラグ10が形成された状態の上面図を、図5(b)に図5(a)のVB-VB切断部断面図を、図5(c)に図5(a)のVC-VC切断部断面図を示す。
【0030】
図5(b)に示すように、中間接続層20aの上層にはM1−接続プラグ10gが、中間接続層20aの下層に配置されているM1−接続プラグ10aと、平面視上、重畳しないように配設されている。換言すると、中間接続層20aの下層に形成されるM1−接続プラグ10aの形成位置に対して、中間接続層20aの上層に形成されるM1−接続プラグ10gの位置を、図5(b)中右側にシフトさせている。同様にして、中間接続層20bの上層にはM1−接続プラグ10hが、中間接続層20bの下層に配置されているM1−接続プラグ10bと、平面視上、重畳しないように、図5(b)中の左側の延在領域の上層に配設されている。また、中間接続層20cの上層に形成されるM1−接続プラグ10iは、中間接続層20cの下層に配置されているM1−接続プラグ10cと、平面視上、重畳しないように、図5(b)中の右側の延在領域の上層に配設されている。なお、「接続プラグが平面視上、重畳しないように配設されている」とは、中間接続層を介して上下に配置されるM1−接続プラグ(例えば、10aと10g、10bと10h、10cと10i)の同心が実質的に一致していない状態を云い、そのシフト量は特に限定されない。
【0031】
M1−接続プラグ10d、10eの直上には、図5(c)に示すように、中間接続層を介さず、其々、M1−接続プラグ10j、10kが配設されている。
【0032】
図6に、図5(b)の切断部断面図に相当する領域において、第2層間絶縁膜52の上層にさらに第1配線層M1を形成した状態の切断部断面図を示す。M1−接続プラグ10g、10hの上層には、これらを電気的に接続するように第1配線層M1aのパターンが形成されている。また、M1−接続プラグ10iの上層には、前述の第1配線層M1aのパターンとは別の第1配線層M1bのパターンが形成されている。
【0033】
ここで、図6に示すように、M1−接続プラグ10hと10iの離間距離をD1,第1配線層M1a、M1bの離間距離をD2,M1−接続プラグ10bと10cの離間距離をD3とする。図6の例において、中間接続層20b、20cを設けることにより、中間接続層の下層に位置するM1−接続プラグ10b、10cを活性領域6の直上から延在する直上位置に配置させつつ、M1−接続プラグ10h、10iの離間距離D1を広げることができる。これに付随して、第1配線層M1a、M1bの離間距離D2も広げることが可能となる。
【0034】
比較例として、中間接続層を配設せずに直接、第1配線層M101a、M101bと活性領域6をM1−接続プラグにより接続する場合を考える。図33に、図6に相当する位置において中間接続層を設けない場合の切断部断面図を示す。このときのM1−接続プラグ110bと110cの離間距離を本実施形態1と同様にD3とする。第1配線層M101a、M101bの離間距離は、D4とする。中間接続層を設けていないので、D4は、少なくともD3と同一の長さか、若しくはD3よりも短い距離となる。D3の距離を、微細加技術により最近接とし、かつM1−接続プラグ110を最小とした場合、パターン欠陥による歩留まりの低下が懸念される。
【0035】
一方、本実施形態1によれば、活性領域6とコンタクトする接続プラグのサイズを最小かつ最近接とした状態で、第1配線層M1a、M1bのパターン間距離D2を広げることが可能となる。換言すると、離間距離D4(比較例に係るM1−配線層M101a、M101bの離間距離)<離間距離D2(本実施形態1に係るM1−接続層M1a、1bの離間距離)とすることができる。その結果、リソグラフィー工程などの製造欠陥に起因するショート不良などの低減を図ることができる。従って、微細化に伴うSRAMの歩留まりと性能劣化を解決することができる。また、中間接続層20を設けてM1−接続プラグを繋ぎ換えることにより、M1−接続プラグのアスペクト比を低減することができる。換言すると、比較例に係るM1−接続プラグのアスペクト比h2/r1>本実施形態に係るM1−接続プラグのアスペクト比h1/r1とすることができる。このため、接続孔の加工に伴うテーパ角やM1−接続プラグを構成するバリアメタルのカバレッジを改善することができる。その結果、リーク不良の抑制、接続抵抗の低減を実現することができる。
【0036】
本実施形態1によれば、メモリセル4の面積の縮小を図ったトランジスタの下層導電層のレイアウトを変えずに、上層配線との接続位置を調整することが可能となるため、設計自由度が増加する。これにより、接続孔の離間スペースを拡大したり、上層配線の形状やレイアウトに対する下層レイアウトからの制約を緩和したりすることができる。これにより、SRAMの微細化を実現しつつ、リソグラフィー等に起因するパターン欠陥やレイアウトに起因する寄生容量、ノイズ、信号干渉等による歩留まり低下や動作マージン悪化を低減したり、改善したりすることが可能となる
[実施形態2]
次に、上記実施形態とは異なる半導体装置の一例について説明する。なお、以降の説明において、上記実施形態と同一の要素部材は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0037】
本実施形態2に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る半導体装置1においては、中間接続層20を配設しない位置において、第1層間絶縁膜51の形成後に接続孔81、82を形成してM1−接続プラグ10(10a〜10f等)を配設し、さらに、第2層間絶縁膜52の形成後に接続孔83を形成してM1−接続プラグ10(10g〜10i等)を配設しているのに対し、本実施形態2に係る半導体装置においては、中間接続層を配設しない位置において、第1層間絶縁膜51及び第2層間絶縁膜52を形成した後に、第2層間絶縁膜52の表面から第1層間絶縁膜51の下層にある下層導電層11まで貫通する接続孔を形成してM1−接続プラグ10を配設している点において相違する。
【0038】
本実施形態2に係る半導体装置のSRAM部の1メモリセルのレイアウトを図7、図8を参照しつつ説明する。図7(a)に、半導体基板2表面に形成された活性領域6、ゲート電極配線層7などの下層導電層11、M1−接続プラグ10を含む下地のメモリセル204の上面図を、図7(b)に図7(a)のVIIB-VIIB切断部断面図を示す。
【0039】
第1層間絶縁膜51には、図7(a)に示すように、その表面から活性領域6N,6Pまで貫通する接続孔81が形成され、当該接続孔81内にはM1−接続プラグ10a、10b、10c、10fが配設されている。一方、それ以外の領域の第1層間絶縁膜51には、図7(a)(b)に示すように、上記実施形態1とは異なり、接続孔が形成されていない。
【0040】
図8(a)に、第2層間絶縁膜52と、その表面から配設されたM1−接続プラグ10が形成された状態のメモリセル204の上面図を、図8(b)に図8(a)のVIIIB-VIIIB切断部断面図を示す。
【0041】
中間接続層20は、図8(a)に示すように、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10f(図3参照)の直上に、これらを被覆するように形成されている。また、図5(b)と同様に、中間接続層20a、20b、20cの上層には、其々対応するM1−接続プラグ10g、10h、10iが実施形態1と同様に形成されている。一方、上記実施形態1において、M1−接続プラグ10d、10e、10j、10kが配設されていた位置には、図8(b)に示すように、第2層間絶縁膜52の表面から第1層間絶縁膜51の下層にある活性領域6まで貫通する接続孔84に、M1−接続プラグ10m、10nが形成されている。
【0042】
本実施形態2によれば、中間接続層20を設けることにより、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、メモリセル部の特定のコンタクトのみを最小サイズで構成し、それ以外の設計余裕度のあるコンタクトを、前記コンタクトサイズより大きくしたロジック部と共通のサイズのコンタクトで構成することにより、製造歩留まりの向上を図ることができる。
【0043】
[実施形態3]
本実施形態3に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る半導体装置1においては、M1−接続プラグ10の配置位置を下層導電層11の直上に延在されている直上位置からシフトさせたい領域のみに中間接続層20を配設していたのに対し、本実施形態2に係る半導体装置においては、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52の間隙であって、M1−接続プラグ10の配設する位置すべてに中間接続層20を配設する点において相違する。
【0044】
図9に、本実施形態3に係る半導体装置301のSRAM部3Bとロジック回路部3Aの模式的な部分断面図示す。ロジック回路部3Aにおいては、下層導電層と第1配線層M1は、下層導電層の直上に延在されたM1−接続プラグ10を介して接続されている。そして、第1層間絶縁膜51に形成された接続孔に配設されたM1−接続プラグ10と、第2層間絶縁膜52に形成された接続孔に配設されたM1−接続プラグ10との間に中間接続層20が配設されている。中間接続層20は、第1層間絶縁膜51の表面に形成されたM1−接続プラグ10を被覆するように、各接続プラグの露出部と同サイズ若しくは一回り大きいサイズの矩形状パターンが配設されている。
【0045】
SRAM部3Bにおいては、上記実施形態1と同様に、下層導電層11の直上に延在された直上位置からM1−接続プラグ10をシフトさせたい領域に中間接続層20を配設する他、本実施形態3に係るロジック回路部3Aと同様に、第1層間絶縁膜51に形成された接続孔に配設されたM1−接続プラグ10と、第2層間絶縁膜52に形成された接続孔に配設されたM1−接続プラグ10との間に中間接続層20が配設されている。これら中間接続層20を介して接続される上下の2つのM1−接続プラグ10は、平面視上、互いに重畳的に配設されている。
【0046】
図10(a)に、半導体基板2上に中間接続層20まで形成された状態の上面図を、図10(b)に図10(a)のXB-XB切断部断面図を、図10(c)に図10(a)のXC-XC切断部断面図を示す。
【0047】
中間接続層20は、図10(a)に示すように、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10f(図3参照)の直上に、これらを被覆するように形成されている。すなわち、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10fの直上に、其々対応して中間接続層20a、20b、20c、20fが形成されている。これらの中間接続層20a、20b、20c、20fは、その下層のM1−接続プラグ10の表出面積よりも大きくなるようにパターン形成されている。また、実施形態1と同様に、中間接続層のうちの少なくとも20b、20cは、その下層のM1−接続プラグ10b、10cが互いに対向する側において、M1−接続プラグ10b、10cと其々レイアウト上オンラインとなるようにパターン形成されている。さらに、中間接続層20a、20cにおいては、図4(b)中の右側方向に延在領域を有し、中間接続層20b、20fにおいては、図4(b)中の左方向い延在領域を有する。
【0048】
また、上述したM1−接続プラグ10a、10b、10c、10f以外のM1−接続プラグ10においても、其々対応する中間接続層20が形成されている。これらの位置においては、第1層間絶縁膜51の表面に露出するM1−接続プラグ10を被覆するように、同一サイズ、若しくはこれよりも一回りサイズの大きい中間接続層20が形成されている。例えば、図10(c)中のM1−接続プラグ10d、10e上には、第1層間絶縁膜51の表面に露出する領域を被覆するように、其々に対応するM1−接続プラグ10よりも一回りサイズの大きい中間接続層20d、20eが形成されている。
【0049】
本実施形態3によれば、中間接続層20を設けることにより、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、中間接続層を、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52に其々形成されるM1−接続プラグの接続位置に設けることにより、中間接続層を介して上下の接続プラグのサイズを変更することが可能となり、要求特性に応じたレイアウト設計やアスペクト比の改善を図ることができる。また、各層に形成する接続孔の位置ずれによる不具合を低減することができる。
【0050】
[実施形態4]
本実施形態4に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る半導体装置1においては、M1−接続プラグ10の配置位置を下層導電層11の直上から延在される直上位置からシフトさせたい領域のみに中間接続層20を配設していたのに対し、本実施形態4に係る半導体装置においては、上記位置に加え、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52の間隙であって、M1−接続プラグ10の配設する任意の位置に中間接続層20を配設している点において相違する。
【0051】
図11(a)に、半導体基板2上に中間接続層20まで形成された状態のメモリセル404の上面図を、図11(b)に図11(a)のXIB-XIB切断部断面図を、図11(c)に図11(a)のXIC-XIC切断部断面図を示す。
【0052】
中間接続層20は、上記実施形態1と同様に、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10f(図3参照)の直上に、これらを被覆するように形成されている(図11(a)参照)。すなわち、M1−接続プラグ10a、10b、10c、10fの直上に、其々対応して中間接続層20a、20b、20c、20fが形成されている。
【0053】
また、上述したM1−接続プラグ10a、10b、10c、10f以外のM1−接続プラグ10の任意の位置において、中間接続層20が形成されている。これらの位置においては、第1層間絶縁膜51の表面に露出するM1−接続プラグ10を被覆するように、同一サイズ若しくはこれよりも一回りサイズの大きいものを形成してもよいし、中間接続層20a、20b、20c、20fのように延在領域を有するものを配置してもよい。
【0054】
これにより、上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、中間接続層20の配設位置を適宜設定可能とすることにより、設計自由度を大幅に高めることができる。例えば、接続プラグのサイズが小さい領域や寄生容量が問題となる領域、若しくは接続プラグ同士が近接している領域においては、中間接続層20を配置し、これらが問題とならない領域においては中間接続層を配設しないで直接、接続プラグ同士を接続したり、下層導電層から第2層間絶縁膜52の表面までを1つの接続プラグにより構成したりすることができ、用途やニーズ、仕様に応じて最適な状態に設計することができる。
【0055】
[実施形態5]
本実施形態5に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る半導体装置1においては、下層導電層に接続するM1−接続プラグ10を接続個所ごとに配設していたのに対し、本実施形態2に係る半導体装置1においては、下層導電層に接続するM1−接続プラグ10を共有接続プラグとしている個所を有する点において相違する。
【0056】
図12(a)に、半導体基板2上に第1層間絶縁膜51、M1−接続プラグ10まで形成された状態のメモリセル504の上面図を、図12(b)に図12(a)のXIIB-XIIB切断部断面図を示す。
【0057】
本実施形態5においては、上記実施形態1の図3(a)に示すM1−接続プラグ10bと、同図中その下側において隣接配置されたM1−接続プラグ10を一体化して、1つの共有接続プラグ10pとしている(図12(b)参照)。また、上記実施形態1の図3(a)に示すM1−接続プラグ10fと、同図中その上側において隣接配置されたM1−接続プラグ10を一体化して、1つの共有接続プラグ10qとしている。
【0058】
図13(a)に、図12(a)の状態にさらに中間接続層20を配設した状態の上面図を、図13(b)に図13(a)のXIIIB-XIIIB切断部断面図を示す。中間接続層20a、20b、20c、20fの配置位置、及び形状は、上記実施形態1と同様とした。本実施形態5に係るM1−接続プラグ10pにおいては、中間接続層20をその面積の一部の領域と当接するように配設している(図13(a)(b)参照)。同様に、M1−接続プラグ10qにおいては、中間接続層20をその面積の一部の領域に当接するように配設している。
【0059】
図14(a)に、第2層間絶縁膜52、及び第2層間絶縁膜52の接続孔にM1−接続プラグ10が形成された状態の上面図を、図14(b)に図14(a)のXIVB-XIVB切断部断面図を示す。また、図15(a)に、第1配線層M1まで形成された状態の上面図を、図15(b)に図15(a)のXVB-XVB切断部断面図を、図15(c)に図15(a)のXVC-XVC切断部断面図を示す。また、図16(a)に、第2配線層M2まで形成された状態の上面図を、図16(b)に図16(a)のXVIB-XVIB切断部断面図を示す。
【0060】
第1層間絶縁膜51の表面に露出したM1−接続プラグ10の上層、及びその上層の一部に配設された中間接続層20を被覆するように第2層間絶縁膜52が形成され(図14(b)参照)、第1層間絶縁膜51のM1−接続プラグ10若しくはその上層の中間接続層20と接続するための接続孔を第2層間絶縁膜52に形成し、当該接続孔にM1−接続プラグ10が形成されている。具体的には、図14(b)に示すように、第1層間絶縁膜51に形成された共有接続プラグであるM1−接続プラグ10pと、第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10hが、中間接続層20bを介して接続されている。また、第1層間絶縁膜51に形成された共有接続プラグであるM1−接続プラグ10eと、第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10kが直接接続されている。
【0061】
第2層間絶縁膜52の表面に露出したM1−接続プラグ10の上層には、第1配線層M1が形成されている(図15(a)参照)。図15(b)に示すように、第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10g、10hの上層には、両者を被覆する第1配線層M1aのパターンが形成されている。また、第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10iの上層には、これを被覆する第1配線層M1bのパターンが形成されている。また、図15(c)に示すように、第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10j、10kの上層には、其々を被覆する第1配線層M1c、M1dが其々配設されている。これらの第1配線層M1のパターンは、折れ曲がりのない矩形形状で構成され、かつ第1配線層M1aとM1bは、下層レイアウトより離間して配置されている。
【0062】
第1配線層M1の上層には第3層間絶縁膜53が形成され、さらに第3層間絶縁膜53に形成された接続孔85に、M2−接続プラグ30が配設されている(図16(b)参照)。そして、第3層間絶縁膜53の上面に露出したM2−接続プラグ30を被覆するように第2層配線M2が配設されている(図16(a)(b)参照)。図16(b)の例においては、M2−接続プラグ30の上層に第2層配線M2bが形成され、その一部が、M2−接続プラグ30を介して第1配線層M1dと対向配置される。また、第2層間配線M2bの隣接位置には、別の第2層間配線M2aのパターンが形成されている。
【0063】
本実施形態5によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、共有接続プラグと、中間接続層20を組み合わせることにより、さらに、下層導電層の配置に制約されずに、上層配線層やM1−接続プラグ10の位置の設計自由度を効果的に高めることができる。
【0064】
[実施形態6]
本実施形態6に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態2と同様である。すなわち、上記実施形態2に係る半導体装置においては、1つの中間接続層20の上面と下面に接続されるM1−接続プラグが1つずつであったのに対し、本実施形態6に係る半導体装置においては、1つの中間接続層20の下層にM1−接続プラグ10が2つ配設されている点において相違する。これにより、ローカル配線の機能を中間接続層20に追加することができる。
【0065】
図17(a)に、第2層間絶縁膜52、この第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10まで形成された状態のメモリセル604の上面図を、図17(b)に図17(a)のXVIIB-XVIIB切断部断面図を示す。
【0066】
17(b)に示すように、中間接続層20gは、第1層間絶縁膜51に形成された2つのM1−接続プラグ10t、10u上を被覆するように配設されている。また、中間接続層20gの上層には、M1−接続プラグ10vが形成されている。換言すると、図17(b)において、活性領域6Paと第1配線層M1(不図示)は、M1−接続プラグ10u、中間接続層20g、M1−接続プラグ10vを介して接続されている。また、図17(b)において、ゲート電極配線層7と第1配線層M1(不図示)は、M1−接続プラグ10t、中間接続層20g、M1−接続プラグ10vを介して接続されている。さらに、活性領域6Pbは、不図示の第1配線層M1とM1−接続プラグ10wにより接続されている。
【0067】
本実施形態6によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、中間接続層20に、下層導電層11同士を連結するローカル配線機能を追加することにより、下層配線層の配置に制約されずに、配線構造の設計自由度を高めることができる。本実施形態6で示したローカル配線は、一例であって、例えば、フリップフロップ回路の交差配線を中間接続層により配設してもよい。また、本実施形態6においては、ローカル配線とした中間接続層20の上層に、第1配線層M1と接続するM1−接続プラグ10を設けた例について説明したが、ローカル配線の機能のみを有する中間接続層を配設してもよい。さらに、中間接続層に接続するM1−接続プラグ10の個数は限定されない。また、中間接続層の上面において、複数のM1−接続プラグ10を配設し、同一、又は異なる第1配線層M1のパターンに接続するようにしてもよい。
【0068】
[実施形態7]
次に、上記実施形態1とは異なる半導体装置701の一例について説明する。図18に、本実施形態7に係る半導体装置のブロック図の一例を示す。同図に示すように、本実施形態7に係る半導体装置701は、ロジック回路部3Aと、メモリ部であるSRAM部3B及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)部3Cが混載されている。
【0069】
図19に、本実施形態7に係る半導体装置701のロジック回路部3A、SRAM部3B、DRAM部3Cの模式的な部分断面図示す。半導体装置701は、上記実施形態1の図2(a)に示した構成部材に加え、図19に示すようにビット線−接続プラグ15、MIM−接続プラグ16、ビット線25、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量40、第4層間絶縁膜54、第5層間絶縁膜55を備えている。MIM容量40は、DRAM部3Cに形成されており、下層メタル41、容量絶縁膜42、上層メタル43を備える。なお、説明の便宜上、第2層配線M2を含む上層の配線層の図示を省略する。
【0070】
中間接続層20は、第1層間絶縁膜51上に形成されており、第1配線層M1は、図19に示すように、第4層間絶縁膜54上に形成されている。また、DRAM部3Cの第1層間絶縁膜51の直上には、中間接続層20と同一の材料により同一の工程で形成されたビット線25が配設されている。ビット線25は、ビット線−接続プラグ15により活性領域6と電気的に接続されている。また、DRAM部3Cにおいて、第2層間絶縁膜52の表面から活性領域6の表面まで貫通する接続孔が形成され、当該接続孔にMIM−接続プラグ16が配設されている。
【0071】
第3層間絶縁膜53には、MIM容量40を形成するために、第2層間絶縁膜52の表面まで貫通する開口部86が形成されている。この開口部86は、MIM−接続プラグ16が形成されている位置と重なるように形成されている。MIM容量40の下層メタル41は、開口部86の底部、及び側壁部を被覆するように形成されている。また、容量絶縁膜42は、下層メタル41の上層から開口部86近傍の第3層間絶縁膜53の表面まで被覆するように積層されている。さらに、上層メタル43は、容量絶縁膜42を被覆するように積層されている。
【0072】
第4層間絶縁膜54は、MIM容量40を被覆するように形成されている。そして、その上層に第1配線層M1が形成されている。第1配線層M1と下層導電層(活性領域6、ゲート電極配線層7等)は、各層間絶縁膜に設けられた接続孔に配設されたM1−接続プラグ10を介して接続されている。上記実施形態1と同様に、ロジック回路部3Aにおいては、中間接続層20を介さずに、下層導電層11の直上から延在するように直上位置に形成されたM1−接続プラグ10を介して下層導電層11とM1−接続プラグ10が接続されている。勿論、上記実施形態3のように、層間絶縁膜間のM1−接続プラグ同士の当接個所に中間接続層20を配設してもよい。
【0073】
本実施形態7においては、中間接続層20として、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52の間に配設する例について述べたが、第2層間絶縁膜52と第3層間絶縁膜53の間や、第3層間絶縁膜53と第4層間絶縁膜54の間などに配設してもよい。また、第1配線層M1の形成位置として、第4層間絶縁膜54の上層に形成する例を述べたが、一例であり、第3層間絶縁膜や、第4層間絶縁膜54より上層に配設してもよい。また、中間接続層20は、複数層に形成してもよい。例えば、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52の間の他、第3層間絶縁膜53と第4層間絶縁膜54の間に配設してもよい。この場合、MIM容量40の上層メタル43と中間接続層を同一の工程により、同一の材料で形成してもよい。
【0074】
本実施形態7によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、DRAM部3Cを設ける場合において、中間接続層20をビット線25と共用したり、MIM容量40の上層メタル43等と共用したりしてもよい。これにより、製造工程の効率化を図ることができる。なお、ビット線25は一例であって、ビット線25の位置にワード線を配設し、中間接続層と共用化してもよい。
【0075】
[実施形態8]
本実施形態8に係る半導体装置は、以下の点を除く基本的な構造は上記実施形態7と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る半導体装置1においては、第1配線層M1が、第2層間絶縁膜52上に配設されていたのに対し、本実施形態8に係る半導体装置においては、第1配線層M1が第3層間絶縁膜53上に配設されている点において相違する。また、本実施形態8においては、第2層間絶縁膜52上にMIM容量840が形成されている点において相違する。
【0076】
図20(a)に、第2層間絶縁膜52、及びこの第2層間絶縁膜52に形成されたM1−接続プラグ10が形成された状態のメモリセル804の上面図を、図20(b)に図20(a)のXXB-XXB切断部断面図を示す。また、図21に、図20(b)の上層にさらに、MIM容量840、第3層間絶縁膜53、M1−接続プラグ10、第1配線層M1を配設した状態の切断部断面図を示す。
【0077】
図20(b)に示すように、中間接続層20hは、第1層間絶縁膜51に形成された2つのM1−接続プラグ10a、10b上に配設されている。中間接続層20hの上層には、M1−接続プラグ10xが形成されている。換言すると、図20(b)において、活性領域6Paと第1配線層M1(不図示)は、M1−接続プラグ10b、中間接続層20h、M1−接続プラグ10xを介して接続されている。また、図20(b)において、活性領域6Nと第1配線層M1(不図示)は、M1−接続プラグ10a、中間接続層20h、M1−接続プラグ10xを介して接続されている。さらに、活性領域6Pbは、不図示の第1配線層M1とM1−接続プラグ10c、中間接続層20i、M1−接続プラグ10yにより接続されている。
【0078】
第2層間絶縁膜52上には、MIM容量840が形成されている。MIM容量840は、下層メタル841、容量絶縁膜842、上層メタル843を有する。そして、第3層間絶縁膜53の表面から、下層メタル841の表面まで貫通する接続孔にM1−接続プラグ10zが配設されている。また、第3層間絶縁膜53の表面から、上層メタル843の表面まで貫通する接続孔にM1−接続プラグ10z1が配設されている。第3層間絶縁膜53のM1−接続プラグ10zの露出領域には、第1配線層M1eが、第3層間絶縁膜53のM1−接続プラグ10z1の露出領域には、第1配線層M1fが配設されている。
【0079】
本実施形態8によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、中間接続層20に、下層導電層同士を連結するローカル配線機能を追加することにより、下層配線層の配置に制約されずに、配線構造の設計自由度を高めることができる。例えば、中間接続層20を適用してM1−接続プラグ10の配置位置の自由度を高めることで、下層導電層11の配置を維持しつつ、例えばSER(Soft Error Rates)耐性向上用にMIM容量などの機能素子を搭載することが可能となる。
【0080】
[実施形態9]
次に、CMOS型のデュアルポートSRAMのメモリセルに中間接続層を適用した例について説明する。図22に、CMOS型のデュアルポートSRAMのメモリセルの等価回路図を示す。SRAMのメモリセル904は、2つのPチャネル型MOSトランジスタP3,P4,6つのNチャネル型MOSトランジスタN5,N6,A1〜A4の合計8つのトランジスタを有する。前述のシングルポートSRAMセルとは異なり、データの入力及び出力を行うためのポートを2つ備えている。Aポートは、トランジスタA1及びA2により構成され、BポートはトランジスタA3及びA4とによって構成されている。トランジスタA1、A2により構成されたAポートには、ビット線対DBA,DTAと、ワード線WLAとが接続されている。トランジスタA3及びA4によって構成されたBポートには、ビット線対DBB,DTBと、ワード線WLBとが接続されている。なお、トランジスタP3,P4は、前述のトランジスタP1,P2と同様に負荷トランジスタとして機能し,トランジスタN5,N6が駆動トランジスタとして機能する。
【0081】
図23に、半導体基板2の表面に形成された活性領域6、ゲート電極配線層7などの下層導電層11、M1−接続プラグ10を含む下地の上面図を示す。図23に示すように、中央領域にPチャネル型MOSトランジスタP3,P4が形成されたNウェル領域が配置され、その両側にNチャネル型MOSトランジスタN5,A1及びA2が形成されたPウェル領域と、Nチャネル型MOSトランジスタN6,A3及びA4が形成されたPウェルとが配置されている。
【0082】
メモリセル904を構成する8個のトランジスタは、例えば、上記実施形態1と同様の材料及び製造方法により製造される。図23に示すように、M1−接続プラグ10B〜10Kは、不図示の第1層間絶縁膜51(図3参照)の表面から活性領域6N,6Pの表面、若しくはゲート電極配線層7の表面まで貫通する接続孔に配設されている。
【0083】
図24に、図23の構成に対してさらに中間接続層20A〜20D及びその上層に形成されるM1−接続プラグ10が形成された状態の上面図を示す。中間接続層20Aは、M1−接続プラグ10B及び10Cの第1層間絶縁膜51(不図示)の露出領域を被覆するように、図24中のY方向に延設されている。中間接続層20Bは、M1−接続プラグ10D,10G,10Hを被覆するように形成されている。具体的には、中間接続層20Bは、M1−接続プラグ10G及び10Hを被覆するように図24中のY方向に延設された領域と、M1−接続プラグ10Dを被覆するようにY方向に延設された領域と、これらを結ぶようにM1−接続プラグ10G及び10Hとの中央近傍からX方向に延設する領域とからなる。
【0084】
中間接続層20Cは、M1−接続プラグ10E,10F、10Iを被覆するように形成されている。具体的には、中間接続層20Cは、M1−接続プラグ10E及び10Fを被覆するようにY方向に延設された領域と、M1−接続プラグ10Iを被覆するようにY方向に延設された領域と、これらを結ぶようにM1−接続プラグ10E及び10Fの中央近傍からX方向に延設する領域とからなる。中間接続層20Dは、M1−接続プラグ10J及び10Kを被覆するように、Y方向に延設されている。
【0085】
中間接続側20Bは、図22で示したフリップフロップの交差配線Y2及びトランジスタA2との接続配線Y4を構成している。同様に、中間接続層20Cは、図22のフリップフロップの交差配線Y1及びトランジスタA3との接続配線Y5を構成している。また、中間接続層20Aは、図22中のトランジスタA1及びトランジスタN5の接続配線Y3を構成し、中間接続層20DはトランジスタA4及びトランジスタN6の接続配線Y4を構成する。
【0086】
各中間接続層20A〜20Dの上層には、第1配線層M1と接続するためのM1−接続プラグ10が不図示の第2層間絶縁膜52(図2参照)に配設されている。具体的には、中間接続層20Aの上層の概ね中央領域にはM1−接続プラグ10Lが、中間接続層20BのM1−接続プラグ10G及び10Hの概ね中央領域の上層にはM1−接続プラグ10Nが配設されている。同様にして、中間接続層20CのM1−接続プラグ10E及び10Fの概ね中央領域の上層には、M1−接続プラグ10Mが、中間接続層20Dの上層の概ね中央領域にはM1−接続プラグ10Pが配設されている。
【0087】
さらに、メモリセル904の境界部には、不図示の第2層間絶縁膜52の表面から活性領域6、若しくはゲート電極配線層7の表面まで貫通する接続孔にM1−接続プラグ10Q〜10Zが配設されている。M1−接続プラグ10Q、10Vは、其々GNDに接続される。これらのM1−接続プラグ10Q〜10Zは、中間接続層20を介さずに形成されている。本実施形態9においては、第2層間絶縁膜52の表面から第1層間絶縁膜51の下層にある下層導電層11まで貫通する接続孔が一括して形成され、M1−接続プラグ10が配設されている。
【0088】
図25に、図24の構成に対してさらに第1配線層M1が形成された状態の上面図を示す。不図示の第2層間絶縁膜52(図2参照)上には、M1−接続プラグ10と接続される第1配線層M1A〜M1Mが形成されている。具体的には、第1配線層M1Aは、M1−接続プラグ10L及び10Mを接続するように、「L」字形状のパターンが形成されている。これにより、中間接続層20Aと20Cが決線される。換言すると、第1配線層M1Aは、図22中の接続ノードX3として機能する。同様にして、第1配線層M1Bは、M1−接続プラグ10N及び10Pを接続するように、「L」字状のパターンが形成されている。これにより、中間接続層20Bと20Dが決線される。換言すると、第1配線層M1Bは、図22中の接続ノードX4として機能する。
【0089】
さらに、第1配線層M1C、M1Hは、其々M1−接続プラグ10Q、10Vと接続され、GNDに接続される。第1配線層M1D及びM1Jは、其々M1−接続プラグ10R,10Wと接続され、VDD電源に接続される。また、第1配線層M1Eは、M1−接続プラグ10Sと接続され、その上層でビット線DTBに接続される。同様に、第1配線層M1Fは、M1−接続プラグ10Tと接続され、その上層でビット線DBBに接続される。また、第1配線層M1Kは、M1−接続プラグ10Xと接続され、その上層でビット線DBAに接続される。さらに、第1配線層M1Lは、M1−接続プラグ10Yと接続され、その上層でビット線DTAに接続される。また、第1配線層M1Gは、M1−接続プラグ10Uと接続され、その上層でワード線MLBに接続される。同様に、第1配線層M1Mは、M1−接続プラグ10Zと接続され、その上層でワード線MLAに接続される。
【0090】
図26に、図25の構成に対してさらに第2配線層M2が形成された状態の上面図を示す。第1配線層M1Mの上層には、M2−接続プラグ30Aが配設されている。そして、M2−接続プラグ30Aの上層には、図26中のX方向に延在する第2配線層M2Aが形成されている。この第2配線層M2Aは、ワード線WLAとして機能する。同様にして、第1配線層M1Gの上層には、M2−接続プラグ30Bが配設されている。そして、M2−接続プラグ30Bの上層には、X方向に延在する第2配線層M2Bが形成されている。この第2配線層M2Bは、ワード線WLBとして機能する。
【0091】
本実施形態9によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、折れ曲がり形状の交差配線Y1、Y2を、第1配線層M1よりも膜厚の薄い中間接続層により形成しているので、リソグラフィー等の製造マージンを拡大できる。さらに、中間接続層20を用いることにより、セル内配線を第1配線層M1以下の配線で完結することができる。このため、第1配線層M1及び第2配線層M2で構成する場合に比して、ワード線の間に配置されるセル内配線を省略できるので、ノイズやカップリング不良の低減を図ることができる。
【0092】
[実施形態10]
次に、上記実施形態9とは別の構成のCMOS型のデュアルポートSRAMのメモリセルに中間接続層を適用した例について説明する。本実施形態10に係るSRAMのメモリセルは、ゲート間の間隔を狭めて横方向に延ばした形態となっている。
【0093】
図27に、半導体基板2の表面に形成された活性領域6、ゲート電極配線層7などの下層導電層11、M1−接続プラグ10を含む下地の上面図を示す。図27に示すように、中央領域にPチャネル型MOSトランジスタP3,P4が形成されたNウェル領域が配置され、その両側にNチャネル型MOSトランジスタN5,A1及びA2が形成されたPウェル領域と、Nチャネル型MOSトランジスタN6,A3及びA4が形成されたPウェルとが配置されている。
【0094】
図27に示すように、下層導電層11上にM1−接続プラグ10Aa〜10Amが形成されている。M1−接続プラグ10Aa〜10Amは、不図示の第1層間絶縁膜51(図3参照)の表面から活性領域6N,6Pの表面、若しくはゲート電極配線層7の表面まで貫通する接続孔に配設されている。本実施形態10に係るSRAMのメモリセルは、横方向に長い構造のため、トランジスタN6の拡散層抵抗(活性領域抵抗)を低減するために、活性領域にM1−接続プラグ10を2つ形成している。なお、活性領域に接続されるM1−接続プラグ10の個数は限定されるものでなないことは言うまでもない。
【0095】
図28に、図27の構成に対してさらに中間接続層20F〜20K、及びその上層に形成されるM1−接続プラグ10が形成された状態の上面図を示す。中間接続層20Fは、M1−接続プラグ10Aa及び10Abの第1層間絶縁膜51(不図示)の露出領域を被覆するように、図28中のY方向に延設されている。中間接続層20Gは、M1−接続プラグ10Ac,10Adを被覆するように、図中X方向に延設されている。中間接続層20Hは、M1−接続プラグ10Ae,10Afを被覆するように、Y方向に延設され、かつ、10Aeの配設位置から図中左側X方向に延設されている。換言すると、中間接続層20Hは、図28中「L」字がX方向及びY方向に対して反転した形状となっている。同様に、中間接続層20Iは、M1−接続プラグ10Ag,10Ahを被覆するように、Y方向に延設され、かつ、10Ahの配設位置から図中右側X方向に延設されている。換言すると、中間接続層20Iは、図28中「L」字形状となっている。また、中間接続層20Jは、M1−接続プラグ10Ai,10Ajを被覆するように、X方向に延設されている。さらに、中間接続層20Kは、M1−接続プラグ10Ak,10Amを被覆するように、Y方向に延設されている。
【0096】
中間接続層20G,20H、20I、20Jの上層には、第1配線層M1と接続するためのM1−接続プラグ10が不図示の第2層間絶縁膜52(図2参照)に配設されている。具体的には、中間接続層20Gの上層の概ね中央領域にはM1−接続プラグ10Anが、中間接続層20Jの上層の概ね中央領域にはM1−接続プラグ10Arが配設されている。また、中間接続層20Hには、M1−接続プラグ10Aeの位置から図中左側X方向に延設された領域にM1−接続プラグ10pが配設されている。同様に、中間接続層20Iの上層には、M1−接続プラグ10hの位置から図中右側X方向に延設された領域にM1−接続プラグ10qが配設されている。
【0097】
一方、中間接続層20F,20Kの上層には、第1配線層M1と接続するためのM1−接続プラグ10が配設されていない。すなわち、中間接続層20F、20Kは、専ら、下層導電層11との接続にのみ用いられるローカル配線としての役割を担う。
【0098】
さらに、メモリセル1004の境界部には、不図示の第2層間絶縁膜52の表面から活性領域6、若しくはゲート電極配線層7の表面まで貫通する接続孔にM1−接続プラグ10At〜10Beが配設されている。これらのM1−接続プラグ10At〜10Beは、中間接続層20を介さずに形成されている。本実施形態10においては、第2層間得絶縁膜52の表面から第1層間絶縁膜51の下層にある下層導電層11まで貫通する接続孔が一括して形成され、M1−接続プラグ10が配設されている。
【0099】
図29に、図28の構成に対してさらに第1配線層M1が形成された状態の上面図を示す。不図示の第2層間絶縁膜52(図2参照)上には、M1−接続プラグ10と接続される第1配線層M1P〜M1Aaが形成されている。具体的には、第1配線層M1Pは、M1−接続プラグ10An及び10Apを接続するように、X方向に延設されている。これにより、中間接続層20Gと20Hが決線される。換言すると、第1配線層M1Pは、図22中の接続ノードX4として機能する。同様にして、第1配線層M1Qは、M1−接続プラグ10Aq及び10Arを接続するように、X方向に延設されている。これにより、中間接続層20Iと20Jが決線される。換言すると、第1配線層M1Qは、図22中の接続ノードX3として機能する。
【0100】
さらに、第1配線層M1Rは、其々M1−接続プラグ10At、10Auと接続され、GNDに接続される。同様に、第1配線層M1Wは、其々M1−接続プラグ10Az、10Baと接続され、GNDに接続される。また、第1配線層M1T,M1U,M1V,M1Wは、其々M1−接続プラグ10Av、10Aw、10Ax,10Ayと接続される。同様に、第1配線層M1X,M1Y,M1Z,M1Baは、其々M1−接続プラグ10Bb、10Bc、10Bd,10Beと接続される。第1配線層M1S及びM1Xは、其々VDD電源に接続される。また、第1配線層M1Tは、その上層でビット線DTBに接続される。同様に、第1配線層M1Uは、その上層でビット線DBBに接続される。また、第1配線層M1Yは、その上層でビット線DBAに接続される。さらに、第1配線層M1Zは、その上層でビット線DTAに接続される。また、第1配線層M1Vは、その上層でワード線MLBに接続される。同様に、第1配線層M1Aaは、その上層でワード線MLAに接続される。
【0101】
本実施形態10によれば、中間接続層20を設けることにより上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、折れ曲がり形状を、第1配線層M1よりも膜厚の薄い中間接続層により形成しているので、リソグラフィー等の製造マージンを拡大できる。さらに、中間接続層20を専らローカル配線の機能として用いる態様も含めることにより、設計自由度を増加させることができる。
【0102】
本発明は、上記実施形態1〜10に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。各実施形態を組み合わせた態様も好適に適用できる。本発明は、特に、多層配線を有し、下層導電層11と上層配線層(第1配線層M1等)の間に容量素子等を混載する(例えば、MIM容量や混載DRAM)などのSoCデバイスにおいてより大きな効果を得ることができる。機能素子が配置された以外の領域の層間絶縁膜は、平坦化により厚くなり、下層導電層と上層配線層を接続する接続孔が長くなることによる開孔不良や、テーパ形状に起因するショートが生じやすいためである。また、接近したビア間の寄生容量の増大や、厚膜化に伴う接続プラグの抵抗の増大が問題となるが、本発明を適用することにより、これらの問題を抑制、若しくは解消することができる。
【0103】
また、中間接続層をSRAMのメモリセル内のフリップフロップ回路の交差配線に使用すると、ノードとビット、ワード線への接続孔との並立部分が削除できるため、これらのM1−接続プラグ間の寄生容量の影響を低減させることができる。さらに、これにより空いた上層スペースに容量素子を配置すれば、交差ノード間の容量を増やしてSER耐性が向上したSRAMセルを構成することができる。
【0104】
なお、上記実施形態おいては、中間接続層20を介して、その上下の接続プラグの位置を意図的にずらす個所として、SRAM部3Bのメモリセルアレイ領域に設ける例について説明したが、メモリセルアレイ領域のように規則性を有するレイアウト領域であれば、上記構成を好適に適用することができる。また、規則性を有するレイアウト領域に適用することで、上述の効果を十分に発揮させることができる。また、上下の接続プラグの位置を意図的にずらすための中間接続層を1層設ける例について説明したが、目的やニーズに応じてこのような中間接続層を複数層設けてもよい。また、中間接続層の上面及び下面に配置されるM1−接続プラグは、サイズが異なるものであってもよい。また、中間接続層は、上記実施形態で説明したビット線や、ローカル配線と共用する態様の他、周辺回路の接続パッドや配線層と中間接続層を共用することも可能である。また、IPマクロや機能素子(ROM、容量素子)と共用することも可能である。また、下層導電層と接続する上層配線として、第1配線層M1を例に挙げたが、第2層配線M2やそれより上層の配線であってもよい。また、中間接続層は、その上下に配置される接続プラグが電気的に接続可能であればよく、必ずしも下層に配置される接続プラグを完全に被覆していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施形態1に係る半導体装置のブロック図。
【図2】実施形態1に係る半導体装置の模式的部分拡大断面図。
【図3】(a)実施形態1に係るメモリセルの上面図。(b)図3(a)のIIIB-IIIB切断部断面図。(c)図3(a)のIIIC-IIIC切断部断面図。
【図4】(a)実施形態1に係るメモリセルの上面図。(b)図4(a)のIVB-IVB切断部断面図。(c)図4(a)のIVC-IVC切断部断面図。
【図5】(a)実施形態1に係るメモリセルの上面図。(b)図5(a)のVB-VB切断部断面図。(c)図5(a)のVC-VC切断部断面図。
【図6】実施形態1に係るメモリセルの第1配線層まで形成された状態の切断部断面図。
【図7】(a)実施形態2に係るメモリセルの上面図。(b)図7(a)のVIIB-VIIB切断部断面図。
【図8】(a)実施形態2に係るメモリセルの上面図。(b)図8(a)のVIIIB-VIIIB切断部断面図。
【図9】実施形態3に係る半導体装置の模式的部分拡大断面図。
【図10】(a)実施形態3に係るメモリセルの上面図。(b)図10(a)のXB-XB切断部断面図。(c)図10(a)のXC-XC切断部断面図。
【図11】(a)実施形態4に係るメモリセルの上面図。(b)図11(a)のXIB-XIB切断部断面図。(c)図11(a)のXIC-XIC切断部断面図。
【図12】(a)実施形態5に係るメモリセルの上面図。(b)図12(a)のXIIB-XIIB切断部断面図。
【図13】(a)実施形態5に係るメモリセルの上面図。(b)図13(a)のXIIIB-XIIIB切断部断面図。
【図14】(a)実施形態5に係るメモリセルの上面図。(b)図14(a)のXIVB-XIVB切断部断面図。
【図15】(a)実施形態5に係るメモリセルの上面図。(b)図15(a)のXVB-XVB切断部断面図。(c)図15(a)のXVC-XVC切断部断面図。
【図16】(a)実施形態5に係るメモリセルの上面図。(b)図16(a)のXVIB-XVIB切断部断面図。
【図17】(a)実施形態6に係るメモリセルの上面図。(b)図17(a)のXVIIB-XVIIB切断部断面図。
【図18】実施形態7に係る半導体装置のブロック図。
【図19】実施形態7に係る半導体装置の模式的部分拡大断面図。
【図20】(a)実施形態8に係るメモリセルの上面図。(b)図20(a)のXXB-XXB切断部断面図。
【図21】実施形態8に係るメモリセルの切断部断面図。
【図22】デュアルポート型のSRAMのメモリセルの等価回路図。
【図23】実施形態9に係るメモリセルの上面図。
【図24】実施形態9に係るメモリセルの上面図
【図25】実施形態9に係るメモリセルの上面図
【図26】実施形態9に係るメモリセルの上面図
【図27】実施形態10に係るメモリセルの上面図
【図28】実施形態10に係るメモリセルの上面図
【図29】実施形態10に係るメモリセルの上面図
【図30】特許文献1に記載のメモリセルの上面図。
【図31】特許文献2に記載のメモリセルの切断部断面図。
【図32】シングルポート型のSRAMのメモリセルの等価回路図。
【図33】比較例に係るメモリセルの第1配線層まで形成された状態の切断部断面図。
【符号の説明】
【0106】
1 半導体装置
2 半導体基板
3A ロジック回路部
3B SRAM部
3C DRAM部
4 メモリセル
5 素子分離領域
6 活性領域
7 ゲート電極
8 サイドウォール
9 窒化シリコン
10 M1−接続プラグ
15 ビット線−接続プラグ
16 MIM−接続プラグ
20 中間接続層
25 ビット線
30 M2−接続プラグ
40 MIM容量
41 下層メタル
42 容量絶縁膜
43 上層メタル
51 第1層間絶縁膜
52 第2層間絶縁膜
53 第3層間絶縁膜
54 第4層間絶縁膜
55 第5層間絶縁膜
81〜85 接続孔
86 開口部
N1〜N6 N型MOSトランジスタ
P1〜P4 P型MOSトランジスタ
A1〜A4 N型MOSトランジスタ
M1 第1配線層
M2 第2配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワンチップに、規則性を有するレイアウト領域と、規則性のないレイアウト領域を備える半導体装置であって、
半導体基板内、及び当該半導体基板の極近傍に形成された下層導電層と、
前記下層導電層上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された上層配線層と、
前記下層導電層と前記上層配線層とを、実質的に最短距離で電気的に接続するように配設した接続プラグと
を備え、
さらに、前記規則性を有するレイアウト領域における少なくとも一部の領域において、前記下層導電層と前記上層配線層との電気的接続が、前記下層導電層の直上から延在する直上位置、当該直上位置から離間したシフト位置に配設した少なくとも2つの接続プラグと、これらを電気的に接続するための中間接続層により行われている半導体装置。
【請求項2】
前記規則性のないレイアウト領域として、少なくともロジック回路部を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記下層導電層と前記上層配線層とを、実質的に最短距離で電気的に接続するように配設した接続プラグの間に前記中間接続層が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記中間接続層は、前記上層配線層よりも、膜厚が薄いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記中間接続層は、低抵抗導電膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記中間接続層は、電気的に分断された前記下層導電層の結線に用いられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記下層導電層は、ゲート電極配線層、及び前記半導体基板の拡散層からなる活性領域を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記規則性を有するレイアウト領域として、SRAMのメモリセルを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ワンチップ内に、DRAM部を備え、
前記DRAM部のビット線、若しくはワード線と前記中間接続層が同一のレイヤに配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記メモリセルが横型セルレイアウトからなることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
ワンチップに、少なくともロジック回路部と、規則性を有するレイアウト領域とを備える半導体装置であって、
前記規則性を有するレイアウト領域における少なくとも一部の領域において、半導体基板内、及び当該半導体基板の極近傍に形成された下層導電層は、当該下層導電層の直上から延在する直上位置、当該直上位置から離れたシフト位置に配設した少なくとも2つの接続プラグと、これらを電気的に接続するための中間接続層とにより、前記下層導電層上に形成された層間絶縁膜より上層に配置される上層配線層と電気的に接続されている半導体装置。
【請求項12】
規則性を有するレイアウト領域を有する規則性回路部が搭載された半導体装置であって、
前記規則性を有するレイアウト領域における少なくとも一部の領域において、半導体基板内、及び当該半導体基板の極近傍に形成された下層導電層は、当該下層導電層の直上から延在する直上位置、当該直上位置から離れたシフト位置に配設した少なくとも2つの接続プラグと、これらを電気的に接続するための中間接続層とにより、前記下層導電層上に形成された層間絶縁膜より上層に配置される上層配線層と電気的に接続されている半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2010−118597(P2010−118597A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292034(P2008−292034)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】