説明

11−ベータヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害剤としてのアダマンチルアセトアミド

【化1】


[式中、
nは1または2の整数を表し、RおよびRは各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシを表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、RはC6−12シクロアルキルを表し、好適にはシクロ−オクタニルおよびシクロヘキシルから選択されるか、或はRは下記の式
【化2】


の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基は場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、QはHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されている)、好適にはトリフルオロメチルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、RおよびRは各々独立して水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキル(フェニルで置換されている)を表し、RおよびRは各々独立して水素またはC1−4アルキルを表し、RおよびR10は各々独立して水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルを表し、LはC1−4アルキルを表し、Hetはピリジニル、チオフェニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、Hetはピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、Arはフェニル、ナフチルまたはインデニルを表す]
これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
代謝症候群は有病率が西洋社会ばかりでなくまたアジアおよび発展途上国でも増大している病気である。それは肥満、特に中心性または内蔵性肥満、インスリン非依存性糖尿病、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心臓病および最終的に慢性の腎不全で特徴づけられる(非特許文献1)。脂肪間質細胞が分化して成熟した含脂肪細胞になる時にグルココルチコイドおよび11β−HSD1が重要な因子であることが知られている。11β−HSD1のmRNAの濃度は肥満患者の内蔵間質細胞の中の方が皮下組織の中よりも高い。その上、遺伝子導入マウスの脂肪組織の中で11β−HSD1を過剰発現させるとそれに伴って脂肪組織の中のコルチコステロン濃度が高くなって、内蔵肥満、インスリン感受性、インスリン非依存性糖尿病、高脂血症および過食症になる(非特許文献2)。従って、11β−HSD1が内蔵肥満および代謝症候群の発症に関与している可能性が最も高い。
【0002】
11β−HSD1を阻害すると結果として脂肪間質細胞の分化が減少しかつ増殖が増加する。その上、グルココルチコイドが欠乏(副腎摘出)すると、インスリンおよびレプチンが拒食症および体重損失を助長する能力が高くなるが、この効果は、グルココルチコイドを投与すると逆転する(非特許文献3)。このようなデータは、11β−HSD1によるコルチゾンの再活性化の度合が高くなると肥満度が悪化する可能性があることと肥満患者の脂肪細胞の中に存在するそのような酵素を阻害するのが有益であり得ることを示唆している。肥満はまた心血管系危険にも関係している。コルチゾール分泌率とHDLコレステロールの間の有意な関係が男性および女性の両方に存在し、このことは、グルココルチコイドが心血管系危険の鍵となる成分を調節していることを示唆している。同様に、高齢者における大動脈硬化もまた内蔵脂肪過多に関係している。
グルココルチコイドおよび緑内障
グルココルチコイドを外因的に投与した時およびクッシング症候群の場合のようにグルココルチコイドの産生量が増す特定の状態では眼圧が高くなることで緑内障の危険性が高くなる。房水流出に対する抵抗が高くなると小柱網およびこれの細胞内マトリックスがグルココルチコイドに誘発されて変化することが原因でコルチコステロイドによって誘発されて眼圧が高くなる。また、コルチコステロイドによって臓器培養ウシ前部小柱網の中のフィブロネクチンの量ばかりでなくI型およびIV型のコラーゲンの量も多くなることが非特許文献4に報告されている。11β−HSD1は角膜上皮の基底細胞および非色素上皮細胞の中に発現する。グルココルチコイド受容体のmRNAが検出されたのは小柱網の中のみである一方、非色素上皮細胞の中にはグルココルチコイド受容体、電解質コルチコイド受容体および11β−HSD1のmRNAが存在していた。カルベノキソロンを患者に投与すると結果として眼圧が有意に低くなり(非特許文献5)、このことは、緑内障を治療する時にHSD1阻害剤がある役割を果たすであろうことを示唆している。
【0003】
従って、本発明で解決すべき根本的課題は、11β−HSD1に高い選択性を示す効力のある11β−HSD阻害剤を同定することとそれをコルチゾール過剰産生に伴う病状、例えば肥満、糖尿病、肥満関連心疾患および緑内障などを治療する時に用いることであった。
【非特許文献1】C.T.Montague他、(2000)、Diabetes、49、883−888
【非特許文献2】H.Masuzaki他(2001)、Science、294、2166−2170
【非特許文献3】P.M.Stewart他(2002)、Trends Endocrin.Metabol、13、94−96
【非特許文献4】Zhou他、Int J Mol Med(1998)1、339−346
【非特許文献5】S.Rauz他(2001)、Invest.Ophtamol.Vis.Science、42、2037−2042
【発明の開示】
【0004】
本発明は、式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
nは、0、1または2の整数を表し、
mは、0または1の整数を表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシ、Het−O−C1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニルまたはC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
は、水素、Ar、C1−8アルキル、C6−12シクロアルキル、または下記の式
【0007】
【化2】

【0008】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記Ar、C6−12シクロアルキルまたは一価基は場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニル、1,3−ジオキソリルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、特に、Rは、場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニル、1,3−ジオキソリルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよい式a)またはb)で表される一価基を表し、
は、水素、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルを表し、
Qは、C3−8シクロアルキル、HetまたはArを表し、ここで、前記C3−8シクロアルキル、HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(C1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、Het、C1−4アルキルまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ−C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
Lは、場合によりC1−4アルキルまたはフェニルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、
Hetは、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアゾリル、テトラゾリルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、特にピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、特に選択したピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Arは、フェニル、ビフェニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される環を1個以上含有する炭素環状基を表し、
Arは、フェニル、ビフェニル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、1,2−ジヒドロナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態に関する。
【0009】
この上に示した定義および本明細書の以下で用いる如きハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称であり、C1−4アルキルは炭素原子数が1から4の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2,2−ジメチルエチルなどを定義するものであり、C1−8アルキルは炭素原子数が1から8の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばC(1−4)アルキルで定義した基およびペンチル、ヘキシル、オクチル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、2,2,−ジメチルペンチルなどを定義するものであり、C3−8シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルの総称であり、C6−12シクロアルキルは、シクロヘプチルおよびシクロオクタニル、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンの総称であり、C1−4アルキルオキシは、直鎖もしくは分枝飽和炭化水素基、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、1−メチルエチルオキシ、2−メチルプロピルオキシなどを定義するものである。
【0010】
本明細書の上で用いた如き用語「オキソまたはカルボニル」は、(=O)が結合している炭素原子と一緒にカルボニル部分を形成していることを指す。
【0011】
本明細書の上に記述した如き薬学的に受け入れられる付加塩は、これに、前記式(I)で表される化合物が形成し得る無毒の治療活性酸付加塩形態を包含させることを意味する。後者を、便利には、塩基形態をそのような適切な酸で処理することで得ることができる。適切な酸には、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸など、硫酸、硝酸、燐酸など、または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などが含まれる。
【0012】
本明細書の上に記述した如き薬学的に受け入れられる付加塩は、これに式(I)で表される化合物が形成し得る無毒の治療活性塩基付加塩形態を包含させることを意味する。そのような塩基付加塩形態の例は、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム塩など、およびまた薬学的に受け入れられるアミン、例えばアンモニア、アルキルアミン、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン、アミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどとの塩である。
【0013】
逆に、前記塩形態を適切な塩基もしくは酸で処理することでそれらを遊離の酸もしくは塩基形態に変化させることも可能である。
【0014】
本明細書の上で用いた如き用語「付加塩」に、また、前記式(I)で表される化合物ばかりでなくこれらの塩が形成し得る溶媒和物も包含させる。そのような溶媒和物は例えば水化物、アルコラートなどである。
【0015】
本明細書の上で用いた如き用語「立体化学異性体形態」は、前記式(I)で表される化合物が取り得る可能ないろいろな異性体形態ばかりでなく立体配座形態を定義するものである。特に明記も指示もしない限り、化合物の化学的表示は、可能なあらゆる立体化学的および立体配座的異性体形態の混合物を表し、前記混合物は基本的分子構造を有するあらゆるジアステレオマー、鏡像異性体および/または配座異性体を含有する。前記式(I)で表される化合物のあらゆる立体化学異性体形態(純粋な形態または互いの混合物の両方とも)を本発明の範囲内に包含させることを意図する。
【0016】
式(I)で表される化合物のN−オキサイド形態は、これに1個もしくは数個の窒素原子が酸化されていわゆるN−オキサイドになっている式(I)で表される化合物を包含させることを意味する。
【0017】
興味の持たれる化合物の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
(i)nが1または2の整数を表すが、但しnが2を表す時にはQがHetまたはArを表すことを条件とし、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(ii)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシ、Het−O−C1−4アルキルを表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニルまたはC3−6シクロアルキルを形成しており、
(iii)Rがフェニル、C6−12シクロアルキル、または下記の式
【0018】
【化3】

【0019】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記フェニル、C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニル、フェニルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、特に、Rが場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニル、フェニルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよい式a)またはb)で表される一価基を表し、
(iv)Rが水素またはC1−4アルキルを表し、
(v)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(C1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、および1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(vi)Hetがピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
(vii)Arが場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシまたはハロで置換、好適にはメチルまたはメトキシで置換されていてもよいフェニルもしくはナフチルを表す。
【0020】
別の興味の持たれる化合物の群は下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
(i)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10を表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(ii)RがC6−12シクロアルキル、または下記の式
【0021】
【化4】

【0022】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニル、ヒドロキシまたは1,3−ジオキソリルから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特に、Rが場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよい式a)またはb)で表される一価基を表し、
(iii)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニルまたはヒドロキシカルボニルから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(iv)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルカルボニルから選択され、
(v)RおよびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルから選択され、
(vi)LがC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
(vii)Hetがピリジニル、ピリミジニル、インドリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
(viii)Hetがピペリジニル、ピペラジニル、ピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のC1−4アルキル置換基で置換されていてもよく、
(ix)Hetがテトラゾリルを表し、
(x)Hetがモルホリニルを表し、
(xi)Hetがピロリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のヒドロキシ置換基、好適には1個のヒドロキシ置換基で置換されていてもよく、
(xii)Hetがピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、好適にはモルホリニルを表し、
(xiii)Arが、フェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表す。
【0023】
特別な群の式(I)で表される化合物は高いHSD1特異性を示すことが分かった化合物である。そのような式(I)で表される化合物の場合には下記の制限の中の1つ以上が当てはまる:
(i)nが0、1または2の整数を表し、
(ii)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10を表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(iii)RがC6−12シクロアルキル、好適にはシクロ−オクタニル、または下記の式
【0024】
【化5】

【0025】
の中の1つ、好適には前記式(a)または(b)で表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、好適には、場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシで置換されていてもよい前記式a)で表される一価基を表し、
(iv)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(v)RおよびRが各々独立して水素またはC1−4アルキルを表し、
(vi)RおよびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルオキシカルボニルを表し、
(vii)LがC1−4アルキルを表し、
(viii)Hetがピリジニル、ピペリジニル、チオフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソールから選択される複素環を表し、
(ix)Hetがピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
(x)Hetがモルホリニルを表し、
(xi)Arがフェニル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、ナフチルまたはインデニルを表す。
【0026】
HSD1特異性が高いサブグループの阻害剤は優れた細胞活性を示すことが分かり、これは下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成されるサブグループである:
(i)nが0、1または2の整数を表し、
(ii)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(iii)RがC6−12シクロアルキル、好適にはシクロ−オクタニル、または下記の式
【0027】
【化6】

【0028】
の中の1つ、特に前記式(a)または(b)で表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、好適には場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシで置換されていてもよい前記式a)で表される一価基を表し、
(iv)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(1個のHet−カルボニルで置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(v)RおよびRが各々独立して水素またはC1−4アルキルを表し、
(vi)LがC1−4アルキルを表し、
(vii)Hetがピリジニル、ピペリジニル、チオフェニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソールから選択される複素環を表し、
(viii)Hetがピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
(ix)Hetがモルホリニルを表し、
(x)Hetがモルホリニルを表し、
(xi)Hetがモルホリニルを表し、
(ix)Arがフェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、ナフチルまたはインデニルを表す。
【0029】
本発明に従う興味の持たれるさらなる化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる前記式(I)で表される化合物である:
(i)nが1または2の整数を表し、
(ii)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(iii)RがC6−12シクロアルキルを表し、好適にはシクロ−オクタニルおよびシクロヘキシルから選択されるか、或はRが下記の式
【0030】
【化7】

【0031】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特に前記式(a)または(b)で表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、好適には場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシで置換されていてもよい前記式a)で表される一価基を表し、
(iv)QがC3−8シクロアルキル、HetまたはArを表し、ここで、前記C3−8シクロアルキル、HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されている)、好適にはトリフルオロメチルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(v)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
(vi)LがC1−4アルキルを表し、
(vii)Hetがピリジニル、ピペリジニルまたはチオフェニルから選択される複素環を表し、
(viii)Hetがピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
(ix)Arがフェニル、ナフチルまたはインデニルを表す。
【0032】
式(I)で表される特別な群の化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる化合物である:
(i)nが0、1または2の整数を表し、
(ii)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(iii)RがC6−12シクロアルキルを表し、好適にはシクロ−オクタニルおよびシクロヘキシルから選択されるか、或はRが下記の式
【0033】
【化8】

【0034】
の中の1つ、好適には前記式(a)で表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
(iv)Rが水素またはC1−4アルキルを表し、
(v)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニルで置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(vi)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、またはフェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
(vii)LがC1−4アルキルを表し、
(viii)Hetがピリジニル、チオフェニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
(ix)Hetがピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
(x)Hetがピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環、好適にはモルホリニルを表し、
(xi)Arがフェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、2,3−ジヒドロインデニル、1,2−ジヒドロナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、ナフチルまたはインデニルを表す。
【0035】
好適な化合物の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
(i)Qがフェニルを表し、ここで、前記フェニルが場合によりハロ、好適にはクロロまたはフルオロ、またはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシから選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、
(ii)nが1であり、
(iii)mが0であり、
(iv)RおよびRがC1−4アルキル、好適にはメチルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキル、好適にはシクロプロピルを形成しており、
(v)Rが水素を表し、
(vi)Rが下記の式
【0036】
【化9】

【0037】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記一価基が場合によりハロ、カルボニル、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、特にRが場合によりハロ、カルボニル、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい前記式(a)または(b)で表される一価基、好適には場合によりヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシで置換されていてもよい前記式a)で表される一価基を表す。
【0038】
また、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる前記式(I)で表される化合物にも興味が持たれる:
(i)Hetがピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
(ii)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、および1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、或はQがフェニルを表し、ここで、前記フェニルが場合によりハロ、好適にはクロロまたはフルオロ、またはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシから選択される1個または2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(iii)nが1または2の整数を表すか、或はnが1であり、
(iv)mが0であり、
(v)RおよびRが水素、C1−4アルキル、NR10、好適にはC1−4アルキル、特にメチルを表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキル、好適にはシクロプロピルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
(vi)Rが水素を表し、
(vii)Rが下記の式
【0039】
【化10】

【0040】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記一価基が場合によりハロ、カルボニル、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシ、好適にはメトキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、或は
がC6−12シクロアルキル、好適にはシクロ−オクタニル、または下記の式
【0041】
【化11】

【0042】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、或はRがC6−12シクロアルキル、または下記の式
【0043】
【化12】

【0044】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、好適にはRが下記の式
【0045】
【化13】

【0046】
の中の1つで表される一価基を表し、ここで、前記一価基が場合によりハロ、カルボニル、ヒドロキシまたはC1−4アルキルオキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基、好適にはブロモ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシまたはメトキシから選択される置換基で置換されていてもよく、更により好適には、R置換基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、オキソ、カルボニルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基、好適にはブロモ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシまたはメトキシから選択される置換基で置換されていてもよい2−アダマンチルである化合物であり、
(viii)RおよびRが各々独立して水素またはC1−4アルキルを表し、
(ix)RおよびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルオキシカルボニルを表し、
(x)LがC1−4アルキルを表し、
(xi)Hetがピリジニル、ピペリジニル、チオフェニルまたは1,3−ベンゾジオキソールから選択される複素環を表し、
(xii)Hetがピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
(xiii)Arがフェニル、ナフチルまたはインデニルを表す。
【0047】
特別な群の化合物は、Rが場合により置換されていてもよい2−アダマンチルでありそしてQが場合により置換されていてもよいフェニルである前記式(I)で表される化合物であり、それらを本明細書では以降式(I’)
【0048】
【化14】

【0049】
[式中、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシまたはHet−O−C1−4アルキル、好適にはC1−4アルキル、特にメチルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキル、特にシクロプロピルまたはシクロブチルを形成しており、
は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニルを表し、
Uは、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニルまたはヒドロキシを表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ−C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
11およびR12は、各々独立して、水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、Het−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択され、
Hetは、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアゾリル、テトラゾリルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、好適にはピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、好適にはピペラジニルまたはモルホリニル、特にモルホリニルを表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態と呼ぶ。
【0050】
また、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる前記式(I’)で表される化合物にも興味が持たれる:
(i)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、好適にはメチルまたはメトキシを表し、
(ii)Rが水素を表し、
(iii)Uが水素、ヒドロキシまたはハロ、特に水素、ヒドロキシ、フルオロまたはクロロを表し、
(iv)RおよびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ−C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、またはハロで置換されているC1−4アルキルカルボニルから選択され、
(v)RおよびRがC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
(vi)R11およびR12が各々独立して水素、C1−4アルキル、例えば特にメチルまたはプロピルなど、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、Het、C1−4アルキルまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アミン、Het、Het−カルボニルまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択され、
(vii)Hetがピペリジニル、ピリダジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、ここで、前記Hetが場合によりC1−4アルキル、特にメチルで置換されていてもよく、
(viii)Hetがテトラゾリルを表し、
(ix)Hetがモルホリニルを表し、
(x)Hetがピリダジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、ここで、前記Hetが場合によりカルボニルまたはC1−4アルキルで置換されていてもよい。
【0051】
また、式(I”)
【0052】
【化15】

【0053】
[式中、
は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニルを表し、
Uは、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニルまたはヒドロキシを表し、
Qは、HetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ−C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
Hetは、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される二環状複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Arは、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を2個含有する炭素環状基を表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態にも興味が持たれる。
【0054】
さらなる群の化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる前記式(I”)で表される化合物である:
(i)Uが水素、ハロまたはヒドロキシを表し、
(ii)QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルで置換されているC1−4アルキルオキシ、およびヒドロキシカルボニルで置換されているC1−4アルキルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
(iii)Hetがベンゾチオフェニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニルまたは2H−ベンゾチオピラニルから選択される二環状複素環を表し、
(iv)Arがベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニルまたは5,6,7,8−テトラヒドロナフチルを表す。
【0055】
本発明のアミド化合物の調製は、有機化学技術分野の技術者が通常用いるいくつかの標準的合成方法のいずれかを用いて実施可能であり、それらは例えば「Introduction to organic chemistry」、StreitweiserおよびHeathcock、Macmillan Publishing Co.,Inc.、第2版、ニューヨーク、24.7章(パートA)、753−756頁に記述されている。本アミドの調製は、一般に、適切なカルボン酸と相当するアミンの間の求核付加を塩基触媒を用いて起こさせること(スキーム1)でか或は適切なアミンを相当するハロゲン化アシルと反応(スキーム2)させるか或は無水物またはエステルと反応させて必要なアミドを生じさせる求核置換反応で実施可能である。
【0056】
酸とアミンを連成させようとする時には標準的な化学的連成剤、例えばカルボニルジイミダゾール(CDI)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または塩酸1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)などをヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在有り無しで用いる。一般的には、式(III)で表されるカルボン酸を式(II)で表されるアミンに塩基触媒反応条件下で添加すると結果としてアミン塩が生じるが、それは弱酸および塩基と平衡状態にある。その平衡を式(I)で表されるアミドが生成する方向に追いやる目的で、その反応混合物に脱水素剤、例えばカルボジイミド、例えばDCCおよびCDIなどを添加する。
【0057】
【化16】

【0058】
代替態様では、前記カルボン酸を例えば塩化チオニルまたは塩化オクザリルなどと反応させることで相当するハロゲン化アシルに変化させる。その後、本技術分野で公知の反応手順、例えばショッテン−バウマン方法などを用いて、前記ハロゲン化アシル(V)を前記式(II)で表されるアミンに添加することで前記式(I)で表されるアミドを生じさせる。
【0059】
【化17】

【0060】
前記式(III)で表されるカルボン酸および前記式(II)で表されるアミドは容易に入手可能であるか、或は本技術分野で良く知られた方法を用いて調製可能である。数多くの化合物が例えばAldrich Chemicalsから商業的に入手可能であるか、或はそのような化合物を商業的に入手することができない時には、入手可能な前駆体を用い、本技術分野で良く知られている簡単な変換を用いることで容易に調製可能である。
【0061】
前記カルボン酸の調製は、最も頻繁に、例えばニトリルの加水分解(スキーム3)、有機金属化合物の炭酸化または第一級アルコールまたはアルデヒドの酸化で行われ、例えば「Introduction to organic chemistry」、StreitweiserおよびHeathcock、Macmillan Publishing Co.,Inc.、第2版、ニューヨーク、19.6章、509−511頁を参照のこと。前記式(III)で表されるカルボン酸の調製を、特に、例えばナトリウムヘキサメチルジシラザンおよびヨウ化メチルまたはジブロモブタンなどを用いて相当する(ヘテロ)アリールアセトニトリル(VI)に変換を受けさせてジアルキルもしくはスピロアルキル誘導体(VII)を生じさせ(例えばTrivedi他、J.Med.Chem.1993、36、3300を参照)た後に加水分解を酸性もしくは塩基性条件下で受けさせて所望のカルボン酸IIIを生じさせることで実施する。そのような加水分解で用いるに適した酸および塩基は、例えばHSOおよびKOHである。この加水分解反応は便利にマイクロ波加熱を用いて実施可能である。前記式(VI)で表されるニトリルの多くは商業的に入手可能であるか、或はそれらを入手することができない時には、入手可能な(ヘテロ)アリール−メチル誘導体(X)に例えばN−ブロモスクシナミド(NBS)を用いた臭素置換を本技術分野で公知の条件下で受けさせた後に例えばKCNを用いて臭素をCNに置き換えることなどでそれらを容易に調製することができる。
【0062】
【化18】

【0063】
多くの場合、Qがブロモ置換アリールを表すカルボン酸(III−A)に更に反応スキーム4に従う修飾も受けさせた。1番目の段階で、ヘック反応を用いて、ブロモ置換基にアクリル酸エステル、アミドまたはアクリロニトリルを用いた修飾を受けさせることで式(XII)で表される化合物を得た。二重結合と官能基に還元を受けさせることで式(XIV)で表される置換アミンを得た。
【0064】
【化19】

【0065】
Qが環を2個含有する炭素環状基を表す式(I)で表される化合物の場合、例えばトリメチルシリルシアニドを相当するケトン(XV)に添加した後に標準的条件を用いてニトリル化合物(XVI)に酸もしくは塩基による加水分解を受けさせることなどで、式(III−B)で表される適切な二環状カルボン酸を合成した。ケトンを入手できない場合、相当する酸(XVIII)に分子内環化を起こさせることでそれの合成を行った(スキーム5を参照)。
【0066】
【化20】

【0067】
前記式(II)で表されるアミンの調製を、一般的には、本技術分野で公知の技術(例えば「Introduction to organic chemistry」、StreitweiserおよびHeathcock、Macmillan Publishing Co.,Inc.、第2版、ニューヨーク、24.6章、742−753頁を参照)を用いて実施するが、それには適切な(ヘテロ)アリールハライドに直接的アルキル置換を受けさせることによる合成、特にガブリエル合成、相当するニトロまたはニトリル化合物に還元を受けさせることによる合成、還元アミン化、例えばエッシュワイラー−クラーク反応などを用いた還元アミン化、特にアルデヒドまたはケトン(VIII)をヒドロキシルアミンと反応させることで調製可能なオキシム(IX)に還元を受けさせることによる合成(スキーム6)が含まれる。後者の場合、前記オキシムに水素化リチウムアルミニウムによる還元または適切な触媒、例えばラネーニッケルなどを用いた接触水添による還元を受けさせるが、前記還元は不活性な無水溶媒、例えばエーテルまたはテトラヒドロフラン(THF)など中で実施可能である。
【0068】
【化21】

【0069】
上述した合成方法のいずれか1つを用いて式(I)で表される化合物を合成するさらなる例を本明細書の以下の実験部分に示す。
【0070】
必要または望まれる場合、下記のさらなる段階のいずれか1つ以上を任意順で実施してもよい:
(i)いくらか残存する保護基1種または2種以上の除去、
(ii)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態を式(I)で表されるさらなる化合物またはこれの保護形態に変換、
(iii)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態を式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物に変換、
(iv)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物を式(I)で表される化合物またはこれの保護形態に変換、
(v)式(I)で表される化合物またはこれの保護形態のN−オキサイド、塩、第四級アミンまたは溶媒和物を式(I)で表される化合物またはこれの保護形態の別のN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンまたは溶媒和物に変換、
(vi)式(I)で表される化合物が(R)と(S)鏡像異性体の混合物として得られる場合、その混合物に分割を受けさせて所望の鏡像異性体を得ること、
(vii)Qが環を1または2個含有するブロモ置換炭素環状基で構成されている式(I)で表される化合物の場合、下記を包含するいろいろな変換が可能である(例えばスキーム7を参照):
a)例えばヨウ化アルキルを用いたアルキル置換、
b)バックウォルド反応を用いたアミンへの変換、
c)ヘック反応条件を用いたアリール置換、
d)ヘック反応条件を用いたアルキル置換、
e)例えばシアン化カリウムを用いたニトリルへの変換そして可能ならばそのようにして得たニトリルを更にアミンに変化させ、そしてそれにアルキル置換またはアシル化を本技術分野で公知の条件下で受けさせることも可能である。
【0071】
【化22】

【0072】
本分野の技術者は、この上に記述した方法で中間体化合物の官能基を保護基でブロックしておく必要があり得ることを理解するであろう。
【0073】
保護しておくのが望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリル基(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、ベンジルおよびテトラヒドロピラニルが含まれる。アミノに適した保護基には、t−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルが含まれる。カルボン酸に適した保護基にはC(1−6)アルキルまたはベンジルエステルが含まれる。
【0074】
官能基の保護および脱保護は反応段階前または後に実施可能である。
【0075】
保護基の使用はJ W F McOmie編集「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press(1973)および「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、T W GreeneおよびP G M Wutz、Wiley Interscience(1991)に詳細に記述されている。
【0076】
加うるに、従来技術で公知の方法を用いて、式(I)で表される化合物が有するN原子にCH−Iによるメチル置換を適切な溶媒、例えば2−プロパノン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなど中で受けさせることも可能である。
【0077】
また、本技術分野で公知の官能基変換手順に従って前記式(I)で表される化合物を互いに変化させることも可能であり、それらのいくつかの例を本明細書の上に挙げた。
【0078】
また、三価の窒素をこれのN−オキサイド形態に変化させるに適することが本技術分野で公知の手順に従って前記式(I)で表される化合物を相当するN−オキサイド形態に変化させることも可能である。前記N−オキサイド化反応は、一般に、前記式(I)で表される出発材料を3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)オキサジリジンまたは適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることで実施可能である。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれ、適切な有機過酸化物には、ペルオキシ酸、例えば過安息香酸(benzenecarboperoxoic acid)またはハロ置換過安息香酸、例えば3−クロロ過安息香酸など、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸など、アルキルヒドロパーオキサイド、例えばt−ブチルヒドロパーオキサイドなどが含まれ得る。適切な溶媒は、例えば水、低級アルカノール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエンなど、ケトン、例えば2−ブタノンなど、ハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロメタンなど、そしてそのような溶媒の混合物である。
【0079】
本技術分野で公知の手順を適用することで式(I)で表される化合物の立体化学的に高純度の異性体形態を得ることができる。物理的方法、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配液クロ(counter−current distribution,liquid chromatography)などでジアステレオマーを分離することができる。
【0080】
本発明の式(I)で表される化合物の中の数種および中間体の中の数種は不斉炭素原子を含有し得る。本技術分野の公知の手順を用いることで前記化合物および前記中間体の高純度の立体化学的異性体形態を得ることができる。例えば、物理的方法、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば向流分配液クロなどの如き方法を用いてジアステレオ異性体の分離を行うことができる。最初にラセミ混合物に適切な分割剤(resolving agents)、例えばキラリティーを持つ酸などによる変換を受けさせてジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物を生じさせた後、前記ジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物に物理的分離、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば液クロなどの方法を用いて物理的分離を受けさせそして最後に前記分離したジアステレオマー塩もしくは化合物を相当する鏡像異性体に変化させることで、前記ラセミ混合物から鏡像異性体を得ることができる。また、高純度の立体化学的異性体形態の適切な中間体および出発材料を用いることでも高純度の立体化学的異性体形態を得ることができるが、但し介在する反応が立体特異的に起こることを条件とする。
【0081】
式(I)で表される化合物および中間体の鏡像異性体形態を分離する代替様式は、液クロ、特にキラル固定相を用いた液クロの使用を包含する。
【0082】
本発明の化合物用の鏡像異性体中間体の特別な群は、Rが場合により置換されていてもよい2−アダマンチルを表す前記式(I)で表される化合物の合成で用いる中間体、即ちシンおよびアンチ異性体である1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンで構成される群である。
【0083】
1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンの調製を、一般的には、2−アミノアダマンタンに水酸化を例えば硝酸と硫酸の混合物などを用いて受けさせることで実施する(Khimiko Farmatsevticheskii Zhurnal 1986、20、810;Zhurnal Organichsekoi Khimii 1976、2369)。
【0084】
【化23】

【0085】
前記反応では1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンの2種類のステレオマー(stereomer)が生じるが、それらの比率はシン異性体に有利で3:1から1:1である。アンチ異性体が示すHSD1阻害活性の方が向上していることを確認したことから、アンチ異性体に有利な選択率がより良好な合成方法が得られたならば、それは望ましいことである。
【0086】
別法として、相当するケトンに還元アミン化を受けさせることでも1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンを得ることができる、即ちイミンのオキシム生成に続いて二重結合に還元を受けさせることで環状ケトンをアミンに変化させることができる。前記還元は水素化リチウムアルミニウム、ラネーニッケルまたは貴金属(炭素に担持されているパラジウム、白金、ルテニウムまたはロジウムの如き)を用いて実施可能である。ホウ水素化物を用いた還元アミン化が代替の1段階方法(例えば2003年3月のAdvanced of organic chemistryに記述されている良く知られた方法)である。そのような還元の選択性は基質(ケトン)の構造および使用する触媒に依存する。
【0087】
オキシムの還元またはアンモニアを用いた還元アミン化で1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンを得た時に生じる2種類の異性体をLCMCでもGCMSでも検出することができないことを考慮すると、それらを分離するのは非常に困難である。式(III)で表される酸を用いた連成反応を実施すると式(I)で表される2種類の連成生成物の混合物がもたらされるが、これらはクロマトグラフィーで分離可能である。しかしながら、合成費用を軽減しかつアンチ異性体の収率を向上させようとする時に中間体を鏡像異性体的に高純度にしないで済めば、その方が望ましいであろう。
【0088】
本発明の目的は上述した問題の解決法を提供することにあり、これを、5−ヒドロキシ−アダマンタン−2−オンにL(−)−1−フェニル−エチルアミンによる還元アミン化を触媒、例えば炭素に担持されているルテニウムなどを用いて受けさせることを含んで成る1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタン製造方法(スキーム8)で構成させる。得られる選択率はアンチステレオマー(anti−stereomer)に有利で3:1である。そのようにして得た異性体の分離は容易であり、そして次にアンチ4−(1−フェニル−エチルアミノ)−アダマンタン−1−オールに脱ベンジルを受けさせることで高純度のアンチ−1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンを得る。
【0089】
【化24】

【0090】
詳細には、1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンを下記から調製した:
a)4−(1−フェニル−エチルアミノ)−アダマンタン−1−オール
【0091】
【化25】

【0092】
の調製
商業的に入手可能な5−ヒドロキシアダマンタン−2−オン(0.1モル)とL(−)−アルファ−メチル−ベンジルアミン(0.105モル)とアルミニウムイソプロポキサイド(0.1モル)と活性炭に担持されているロジウム(20モル%)を500mlのトルエンに入れて懸濁させた後、4%のチオフェン溶液を20ml加えた。この反応混合物を50℃で24時間撹拌した。前記触媒を濾別した後、その濾液に濃縮を真空下で受けさせた。2種類の異性体トランス:シスを3:1の比率で含有する残留物にカラムクロマトグラフィーによる精製を受けさせることで中間体XVIII−Aを12gと中間体XVIII−Bを4g得た。
b)1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタン
【0093】
【化26】

【0094】
の調製
アミンXVIII−A(0.05モル)をメタノール(100ml)に溶解させ、活性炭に担持されているパラジウム(0.002モル)を加えた後、この混合物に水添を室温で16時間受けさせた。前記触媒を濾別した後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせた。その残留物をジクロロメタンと一緒にして磨り潰すことで表題の化合物(II−A)(7.5g)を得た。
【0095】
本明細書の上に挙げた反応手順で用いる如き中間体および出発材料の中の数種は公知化合物であり、商業的に入手可能であるか或は本技術分野で公知の手順に従って調製可能である。
【0096】
本発明の化合物は薬理学的特性を有することからそれらは有用である。従って、それらを薬剤として用いることができ、特にコルチゾール過剰産生に伴う病状、例えば肥満、糖尿病、肥満関連心疾患および緑内障などを治療するための薬剤として用いることができる。
【0097】
本明細書の以下の実験部分に記述するように、組換え型11b−HSD1酵素を用いた酵素検定でHPLC精製および量化方法を用いてコルチゾンからコルチゾールへの変換率を測定することで、本化合物が11b−HSD1還元酵素活性(コルチゾンからコルチゾールへの変換)に対する阻害効果をインビトロで立証した。また、細胞が基になった検定でも11b−HSD1還元酵素阻害をインビトロで立証したが、そのような検定は、試験を受けさせるべき化合物を11b−HSD1を発現する細胞に接触させそして前記細胞の細胞媒体の中で前記化合物がコルチゾールの生成に対して示す効果を評価することを含んで成る。本発明の検定で好適に用いた細胞は、マウス線維芽細胞3T3−L1細胞、HepG2細胞、ブタ腎臓細胞、特にLCC−PK1細胞およびラット肝細胞から成る群から選択した細胞である。
【0098】
従って、本発明は、式(I)、(I’)、(I”)で表される化合物およびこれらの薬学的に受け入れられるN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態を治療、より詳細には細胞増殖媒介性病気の治療または予防で用いることも提供する。本明細書では以降、式(I)、(I’)、(I”)で表される化合物およびこれらの薬学的に受け入れられるN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態を本発明に従う化合物と呼ぶこともあり得る。
【0099】
本発明に従う化合物が有用であることを考慮して、細胞増殖症、例えばアテローム性動脈硬化症、再狭窄および癌などに苦しんでいる動物、例えばヒトを包含する哺乳動物を治療する方法を提供し、この方法は、本発明に従う化合物を有効量で投与することを含んで成る。
【0100】
前記方法は、温血動物(ヒトを包含)に本発明に従う化合物を有効量で全身または局所的に投与することを含んで成る。
【0101】
従って、本発明の1つの目的は、薬剤として用いるに適した本発明に従う化合物を提供すること、特にコルチゾール過剰産生に伴う病状、例えば肥満、糖尿病、肥満関連心疾患および緑内障などを治療するための薬剤を製造する時に本発明に従う化合物を使用することにある。
【0102】
本発明は、さらなる面において、この上に記述した細胞増殖症または徴候のいずれかを治療するための薬剤を製造する時に本発明に従う化合物を用いることを提供する。
【0103】
治療効果の達成に要する本発明に従う化合物(ここではまた活性材料とも呼ぶ)の量は、勿論、個々の化合物、投与経路、受益者の年齢および状態、そして治療すべき個々の疾患または病気に伴って変わるであろう。1日当たりの適切な用量は体重1kg当たり0.001mgから500mg、特に体重1kg当たり0.005mgから100mgであろう。ある治療方法では、また、本活性材料を1日当たり1から4回服用する計画で投与することを含めてもよい。
【0104】
本活性材料を単独で投与することは可能であるが、それを薬剤組成物として提供する方が好適である。従って、本発明は、更に、本発明に従う化合物を薬学的に受け入れられる担体または希釈剤と一緒に含んで成る薬剤組成物も提供する。そのような担体または希釈剤は本組成物に含める他の材料と適合しかつそれの受益者に有害ではない意味で「受け入れられる」必要がある。
【0105】
本発明の薬剤組成物は薬剤技術で良く知られている如何なる方法で調製されてもよく、例えばGennaro他、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18版、Mack Publishing Company、1990、特にパート8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照)に記述されている如き方法を用いて調製可能である。治療有効量の個々の化合物を活性材料として塩基形態または付加塩形態で薬学的に受け入れられる担体との密な混合物として一緒にするが、前記担体が取り得る形態は投与に望まれる調剤の形態に応じて幅広く多様であり得る。望ましくは、本薬剤組成物を好適には全身投与、例えば経口、経皮または非経口投与などに適した単位投薬形態物、または局所的投与、例えば吸入、鼻スプレー、点眼またはクリーム、ゲル、シャンプーなどの単位投薬形態物にする。例えば、本組成物を経口投薬形態で調製する時、通常の薬学的媒体のいずれも使用可能であり、例えば液状の経口用調剤、例えば懸濁液、シロップ、エリキシルおよび溶液などの場合には水、グリコール、油、アルコールなど、または粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合には固体状担体、例えば澱粉、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いてもよい。投与が容易なことから錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形態物に相当し、この場合には明らかに固体状の薬剤担体を用いる。非経口用組成物の場合の担体は少なくとも大部分が一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助する材料などを含有させることも可能である。例えば、注射可能溶液を調製することも可能であり、その場合の担体は食塩水溶液、グルコース溶液、または食塩水とグルコース溶液の混合物を含んで成る。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。経皮投与に適した組成物の場合、その担体に場合により浸透向上剤および/または適切な湿潤剤を含めてもよく、それらを場合によりいずれかの性質を有する適切な添加剤と少しの比率で組み合わせてもよく、そのような添加剤は、皮膚に対して有害な影響を決して有意な度合では引き起こさない添加剤である。前記添加剤は皮膚への投与を助長しそして/または所望組成物の調製に役立ち得る。そのような組成物はいろいろな様式で投与可能であり、例えば経皮パッチ、スポットオン(spot−on)または軟膏などとして投与可能である。局所投与に適した組成物として、薬剤を局所的に投与する目的で通常用いられるあらゆる組成物を挙げることができ、例えばクリーム、ゼリー、包帯剤、シャンプー、チンキ、ペースト、塗り薬、軟膏、粉末などを挙げることができる。前記組成物をエーロゾルで塗布することも可能であり、例えば噴射剤、例えば窒素、二酸化炭素、フレオンなどを用いるか、或は噴射剤を用いないで、例えばポンプスプレー、滴、ローションまたは半固体、例えば消毒綿で塗布可能な濃密な組成物などを用いて塗布することも可能である。特に、半固体状組成物、例えば軟膏、クリーム、ゼリー、塗り薬などを便利に用いる。
【0106】
上述した薬剤組成物を単位投薬形態で調合するのが特に有利である、と言うのは、その方が投与が容易でありかつ投薬が均一であるからである。本明細書および本明細書の請求の範囲で用いる如き「単位投薬形態物」は、各単位が要求される薬剤担体と一緒に所望治療効果をもたらすように計算して前以て決めておいた量の活性材料を含有する単位調剤として用いるに適した物理的に個々別々の単位を指す。そのような単位投薬形態物の例は錠剤(切り目が入っている錠剤または被覆されている錠剤を包含)、カプセル、ピル、粉末、パケット、ウエハース、注射可能溶液もしくは懸濁液、茶サジ一杯、テーブルスプーン一杯など、そしてそれらを複数に分けた物(segregated multiples)である。
【0107】
式(I)、(I’)、(II”)で表される化合物が薬剤組成物の中で示す溶解性および/または安定性を向上させる目的でα−、β−もしくはγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体を用いるのが有利であり得る。また、共溶媒、例えばアルコールなどを用いて式(I)、(I’)、(II”)で表される化合物が薬剤組成物の中で示す溶解性および/または安定性を向上させることも可能である。水性組成物を調製しようとする時には、水溶性が高いことから本主題化合物の付加塩の方が明らかに適切である。
【実施例】
【0108】
実験部分
本明細書では以降、用語「RT」は室温を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「AcOH」は酢酸を意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「DME」はジメチルエーテルを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「iPrOH」はイソプロパノールを意味し、「HOBt」は1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールを意味し、「DMA」はN,N−ジメチルアセトアミドを意味し、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、「NaHMDS」はN−ナトリウムヘキサメチルジシラザンを意味し、「DPPP」は1,3−プロパンジイル−ビス[ジフェニルホスフィン]を意味し、「EDCI」は一塩酸N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを意味し、「DAST」は三フッ化(ジメチルアミノ)硫黄を意味し、そしてExtrelut(商標)はMerck KgaA(Darmstadt、ドイツ)の製品であり、これはケイソウ土が入っている短いカラムである。
A. 中間体の製造
実施例A1
【0109】
【化27】

【0110】
ビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オンオキシム[16473−10−2](1.4g)を無水THF(30ml)に溶解させた後、四水素化リチウムアルミニウム溶液(15ml、ジエチルエーテル中1M)を加えた。この溶液を還流下で16時間沸騰させた。水(0.6ml)、15%のNaOH(0.6ml)そして水(1.8ml)を加えた後、濾過し、その濾液を乾燥(MgSO)させた後、蒸発させることで粗アミンを得た。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、15%のクエン酸で抽出した。その水層を1MのKOHで塩基性にした後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させることで中間体(1)と中間体(2)が1:1のアミン混合物(0.5g)を得た;NMR(CDCl)δ1.2−2.1(m、CH)、2.45(t、1H)、2.9(m、1H)。
実施例A2
a)
【0111】
【化28】

【0112】
市販のスピロ[1,3−ジオキソラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−6’−オン[50776−11−9](2.3g、0.012モル)(ジケタール含有量が約30%)をエタノールに溶解させた後、塩酸ヒドロキシルアミン(1.7g、0.025モル)とNaOH(1.0g)を水(30ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この混合物を一晩撹拌した。揮発物を真空下で蒸発させた後、その残留物をジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させることでオキシム中間体(3)(2.4g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.3−2.3(m、CH)、2.5(bs、1H)、3.5(bs、1H)、3.95(s、4H、CHCH)。
b)
【0113】
【化29】

【0114】
6−ヒドロキシイミノ−アダマンタン−2−イルエチレンケタール(2.4g)を7MのNH/MeOH(100ml)に溶解させ、ラネーニッケル(1g)を加えた後、この混合物に水添を14℃で受けさせた。その混合物を濾過した後、蒸発させることで中間体(4)を2.0g得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.3−2.3(m、CH)、3.23(bs、2H、NH2)、3.95(s、4H、CHCH)。
実施例A3
a)
【0115】
【化30】

【0116】
3−メトキシ−5−メチルベンゼンアセトニトリル(0.016モル)をTHF(20ml)に入れることで生じさせた溶液を−40℃に冷却した後、NaHMDS(0.0355モル)を滴下して、この混合物を−30℃で1時間撹拌した。ヨードメタン(0.0355モル)をTHF(適量)に入れることで生じさせた混合物を<−30℃で滴下し、この反応混合物を−40℃で1時間撹拌した後、この混合物を室温に到達させて一晩撹拌した。その結果として得た混合物を1NのHClで処理した後、層分離を起こさせた。その粗生成物をCHCl/ヘキサン(3/2)で抽出処理することで所望生成物を単離して中間体(5)を2.5g(83%)得た。
b)
【0117】
【化31】

【0118】
中間体(5)(0.013モル)をエタノール(40ml)に入れることで生じさせた溶液に水中6Nの水酸化カリウム(20ml)を加えた後、この反応混合物をマイクロ波条件下160℃で4時間撹拌した。この混合物を水で希釈した後、DIPEで抽出した。その水層を濃HClで酸性にしてpHを1にした後、ジクロロメタンで抽出した。その有機抽出液を水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。その結果として得た残留物をヘキサン下で磨り潰した後、所望生成物を集めることで、中間体(6)を1.69g(61.5%)得た。
c)
【0119】
【化32】

【0120】
中間体(6)(0.005モル)をジクロロメタン(20ml)に入れることで生じさせた溶液を−78℃に冷却した後、ジクロロメタン中のトリブロモボラン(1M)(10.5ml)を滴下した。この反応混合物を室温に到達させて室温で一晩撹拌した。水(50ml)に続いて6NのKOH(10ml)を加えた後の混合物を30分間撹拌した。その水層を分離してジクロロメタンで抽出した後、濃HClで酸性にしてpHを1にし、そしてジクロロメタン(3x40ml)で抽出した。その有機抽出液を水そして食塩水で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(7)を0.620g得た。
d)
【0121】
【化33】

【0122】
中間体(7)(0.0032モル)をジクロロメタン(30ml)に入れることで生じさせた溶液にクロロ(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシラン(0.0048モル)、1H−イミダゾール(0.0048モル)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.020g)を加えた後、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。その結果として生じた沈澱物を濾別した後、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物(1.6g)をDIPE下で磨り潰した後、所望生成物を集めることで中間体(8)を0.85g得た。
実施例A4
a)
【0123】
【化34】

【0124】
1−ブロモ−3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゼン[51719−69−8](0.085モル)をエタノール(100ml)に入れることで生じさせた溶液に、シアン化カリウム(0.09モル)を水(20ml)に入れることで生じさせた溶液を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した後、この混合物(18g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/ヘプタンを2/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(9)を7.5g(90%)得た。
b)
【0125】
【化35】

【0126】
中間体(9)(0.036モル)をTHF(150ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素下で−40℃に冷却し、THF中のNaHMDS(2M)(0.080モル)を<−25℃で滴下した後、この反応混合物を−30℃で1時間撹拌した。ヨードメタン(0.080ml)をTHF(20ml)に入れることで生じさせた混合物を<−30℃で滴下し、その結果として得た混合物を室温に到達させた後、一晩撹拌した。HCl(1N、100ml)を加えた後、層分離を起こさせた。その水層にEtOAcによる抽出を2回受けさせた後、その有機層を一緒にして5%のNaHCO溶液、水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させた。最後に、溶媒を蒸発させることで中間体(10)を8.2g得た。
c)
【0127】
【化36】

【0128】
中間体(10)(0.034モル)をエタノール(160ml)に入れることで生じさせた溶液に、水酸化カリウム(10g)を水(60ml)に入れることで生じさせた混合物を加えた後、この反応混合物を撹拌しながら週末に渡って還流させた。この混合物を氷水で希釈した後、ジクロロメタンで抽出することで抽出液(I)と水層(I)を得た。水層(I)をHClで酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。前記抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで残留物を8g得た(LCMS:Pが90%)。その残留物をヘキサン下で磨り潰した後、生成物画分を2画分集めることで画分1:中間体(11)を2.8g得た。
d)
【0129】
【化37】

【0130】
中間体(11)(0.001モル)をDMF(6ml)に入れることで生じさせた溶液にN,N−ジエチルエタンアミン(0.005モル)、2−プロペン酸のフェニルメチルエステル(0.002モル)、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン(0.0006モル)そして次にPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0002モル)を加えた。この反応混合物を90℃に加熱して90℃で4時間振とうした。この混合物をEtOAcそしてDIPEで希釈した後、その結果として生じた沈澱物を濾別し、そしてその濾液を水で3回洗浄した。その水層を1NのHClで酸性にした後、EtOAcで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(12)を0.340g得た。
実施例A5
【0131】
【化38】

【0132】
3−ブロモ−α,α−ジメチルベンゼン酢酸[81606−47−5](0.001モル)をDMF(6ml)に溶解させた後、N,N−ジエチルエタンアミン(0.005モル)に続いて2−プロペン酸のフェニルメチルエステル[2495−35−4](0.002モル)を加えた。トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン(0.0006モル)そしてPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0002モル)を加えた後、この反応混合物を90℃で4時間振とうした。この混合物をEtOAcで希釈した後、水で洗浄した。その水層を集め、1NのHClで酸性にしてpHを1−2にした後、EtOAcで抽出した。その抽出液を一緒にし、水そして食塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発(真空)させることで中間体(13)を0.340g得た。
実施例A6
【0133】
【化39】

【0134】
3−ブロモ−α,α−ジメチルベンゼン酢酸[81606−47−5](0.001モル)をN,N−ジエチルエタンアミン(適量)に溶解させ、この溶液に脱気を受けさせた後、N,N−ジエチルエタンアミン(0.005モル)、4−(1−オキソ−2−プロペニル)モルホリン[5117−12−4](0.002モル)、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン(0.0005モル)およびPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.00015モル)を加えた。この反応混合物を90℃で一晩振とうした後、EtOAcで希釈した。ジカライトを用いて前記触媒を濾別してEtOAcで洗浄した後、水を加えて、その有機層を分離した。その水層をEtOAcで抽出し、HClで酸性にしてpHを1にした後、EtOAcで再び抽出した。その抽出液を水そして食塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(14)を0.291g得た。
実施例A7
a)
【0135】
【化40】

【0136】
3−ブロモ−α,α−ジメチルベンゼン酢酸エチルエステル[81606−46−4](0.0018モル)と2−プロペンニトリル(1g)と酢酸のパラジウム(2+)塩(0.0006モル)とDPPP[6737−42−4](0.0012モル)と酢酸のカリウム塩(1g)をエタノール(150ml)に入れることで生じさせた混合物を100℃で15時間反応させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その結果として生じた溶液を洗浄した。その粗生成物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/ヘプタンを3/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(15)を0.750g得た。
b)
【0137】
【化41】

【0138】
中間体(15)(0.0031モル)に還元を活性炭に担持されているパラジウム(触媒量)に続いてラネーニッケル(触媒量)を用いて受けさせた。水素(3当量)の吸収が行った後、前記触媒を濾別し、そしてその濾液に蒸発を受けさせることで中間体(16)を0.7g得た。
c)
【0139】
【化42】

【0140】
中間体(16)(0.0012モル)と炭酸カリウム(0.006モル)をDMF(15ml)に入れることで生じさせた溶液に1,1’−オキシビス[2−クロロエタン][111−44−4](0.0025モル)を加えた後、この反応混合物を100℃で22時間撹拌した。その混合物を濾過した後、濾過残留物をEtOAcで希釈し、次に水で洗浄した後、乾燥させた。最後に、溶媒を蒸発させることで中間体(17)を0.6g得た。
d)
【0141】
【化43】

【0142】
中間体(17)(0.0012モル)をエタノール(12ml)に入れることで生じさせた溶液に水酸化カリウム(6ml)を加えた後、この反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。この混合物を冷却し、水で希釈した後、DIPEで抽出した。その水層を濃HClで酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を水そして食塩水で洗浄した後、溶媒を蒸発させた。その水層に濃縮(真空)を受けさせた後、その結果として得た濃縮物をメタノールで洗浄した。最後に、溶媒を蒸発させることで中間体(18)を0.400g得た。
実施例A8
【0143】
【化44】

【0144】
3,5−ジメトキシ−α,α−ジメチルベンゼンアセトニトリル[22972−63−0](0.011モル)をエタノール(40ml)に入れることで生じさせた溶液に水酸化カリウム(6N)(10ml)を加えた後、この反応混合物を撹拌しながら5日間還流させ、次にこの混合物を水で希釈した後、ジクロロメタンで抽出した。その水層をHClで酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。その抽出液を水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させ、そして溶媒を蒸発させることで中間体(19)を0.190g得た。
実施例A9
【0145】
【化45】

【0146】
中間体(11)(0.001モル)をDMF(10ml)に入れることで生じさせた溶液にN,N−ジエチルエタンアミン(0.005モル)、4−(1−オキソ−2−プロペニル)モルホリン[5117−12−4](0.002モル)、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン[1038−95−5](0.0006モル)そして次にPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.00016モル)を加え、この反応混合物を90℃で一晩撹拌した後、EtOAc(20ml)で希釈した。その結果として得た混合物を水で洗浄し、その水層を1NのHClで酸性にしてpHを1にした後、EtOAcで抽出した。その抽出液を乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで残留物を0.500g得た(LCMS:Pが69%)。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(20)を0.196g(62%)得た。
実施例A10
a)
【0147】
【化46】

【0148】
2−フェノキシベンゼンアセトニトリル[25562−98−5](0.010モル)をTHF(40ml)に窒素下で溶解させて、この混合物を−40℃に冷却した後、THF中のNaHMDS(2M)(0.025モル)を滴下して、この混合物を30分間撹拌した。ヨードメタン(0.030モル)をTHF、p.a.(10ml)に入れることで生じさせた混合物を滴下し、室温に到達させた後、その反応混合物を2時間撹拌した。ジカライトを用いて前記混合物を濾別した後、その濾過残渣をEtOAcで洗浄し、そしてその濾液に0.1MのHCl(60ml)を加えた。その水層を分離した後、EtOAcで2回抽出した。その有機層を一緒にし、水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで中間体(21)を2.7g得た。
b)
【0149】
【化47】

【0150】
中間体(21)(0.002モル)を水中の水酸化カリウム(6M)(10ml)とエタノール(20ml)に入れることで生じさせた溶液をマイクロ波ラブステーション(labstation)(Milestone Inc.)のテフロン製容器に入れた後、その密封容器内の溶液を170℃で6時間撹拌した。次に、その得た混合物を冷却した後、EtOAcで洗浄した。その水層を分離した後、HClで酸性にした。最後に、その結果として生じた沈澱物を濾別することで中間体(22)を得た。
実施例A11
a)
【0151】
【化48】

【0152】
3,5−ジフルオロベンゼンアセトニトリル[122376−76−5](0.013モル)をTHF、p.a.(60ml)に窒素下で溶解させて、この混合物を−30℃に冷却した後、THF中のNaHMDS(2M)(0.029モル)を滴下して、この混合物を1時間撹拌した。ヨードメタン(0.030モル)をTHF、p.a.(10ml)に入れることで生じさせた混合物を滴下した後、室温に到達させながら反応混合物を6時間撹拌した。ジカライトを用いて前記混合物を濾過した後、その濾過残渣をEtOAcで洗浄し、そしてその濾液を1NのHClで処理した。その有機層を分離し、水そして食塩水で洗浄し、乾燥させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで中間体(23)を2.4g得た。
b)
【0153】
【化49】

【0154】
中間体(23)(0.013モル)を水中の水酸化カリウム(6M)(20ml)とエタノール(40ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながら24時間還流させ、冷却した後、この反応混合物をEtOAcで洗浄した。その水層をHClで酸性にした後、結果として生じた沈澱物を濾別することで中間体(24)を1.5g(60%)得た。
実施例A12
a)
【0155】
【化50】

【0156】
2,6−ジフルオロベンゼンアセトニトリル[654−01−3](0.013モル)をTHF(25ml)に窒素下で溶解させて、この混合物を−40℃に冷却した後、THF中のNaHMDS(2M)(0.028モル)を滴下して、この混合物を30分間撹拌した。ヨードメタン(0.028モル)を滴下した後、室温に到達させながら反応混合物を6時間撹拌した。ジカライトを用いて前記混合物を濾過した後、その濾過残渣をEtOAcで洗浄し、そしてその濾液を1NのHClで処理した。その有機層を分離し、水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(2.2g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(25)を1.4g得た。
b)
【0157】
【化51】

【0158】
中間体(25)(0.006モル)を氷酢酸(20ml)に入れることで生じさせた溶液に塩酸(40ml)を加えた後、この反応混合物を撹拌しながら24時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、その残留物をジクロロメタンに溶解させて、炭酸ナトリウム(1M)で洗浄した。その水層を濃HClで酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。その有機抽出液を集め、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(26)を0.6g(72%)得た。
実施例A13
【0159】
【化52】

【0160】
3,4−ジヒドロ−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボニトリル[74187−63−6](0.017モル)に窒素下で塩化錫(II)(0.068モル)を加えた後、酢酸(20ml)そして塩酸(20ml)を加えて、その反応混合物を窒素下で撹拌しながら一晩還流させた。この混合物を冷却し、氷の中に注ぎ出した後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで残留物を1.4g得た(Pが54%)。この残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(27)を1g得た。
実施例A14
a)
【0161】
【化53】

【0162】
2,3−ジヒドロ−8−メトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン[20351−79−5](0.02モル)とヨウ化亜鉛(0.125g)をトリクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた混合物を氷の上に置いて窒素下で撹拌した。トリメチルシランカルボニトリル[7677−24−9](0.067モル)を滴下した後、この反応混合物を一晩撹拌した。ジクロロメタン(50ml)を加えた後、この混合物を炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。その有機層を乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(28)を4g得た。
b)
【0163】
【化54】

【0164】
中間体(28)(0.0072モル)を酢酸(15ml)と塩酸(15ml)に入れることで生じさせた混合物を窒素下で撹拌しながら一晩還流させた後、この反応混合物を冷却した。この混合物を水の中に注ぎ出した後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を希水酸化ナトリウム溶液で抽出した後、その水層を塩酸で酸性にして、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで残留物を1g得た(Pが56%)。その残存する画分をBiotage使用フラッシュ−40カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(29)を0.39g(28%)得た。
実施例A15
【0165】
【化55】

【0166】
3,4−ジヒドロ−4−[(トリメチルシリル)オキシ]−2H−1−ベンゾチオピラン−4−カルボニトリル[74187−62−5](0.021モル)を酢酸(40ml)と塩酸(40ml)に入れることで生じさせた混合物をDean−Starcl設定で撹拌しながら一晩還流させた。この反応混合物を冷却した後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層をNaCO溶液で洗浄した後、その水層をHClで酸性にしてpHを2にして、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を分離し、洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで中間体(30)を0.7g得た。
実施例A16
a)
【0167】
【化56】

【0168】
3,4−ジヒドロ−5,7−ジメチル−1(2H)−ナフタレノン[13621−25−5](0.02モル)とヨウ化亜鉛(0.125g)をトリクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた混合物を氷の上で撹拌しながらこれにトリメチルシランカルボニトリル[7677−24−9](0.075モル)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、NaHCO溶液で2回洗浄した。その有機層を乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(31)を5.7g得た。
b)
【0169】
【化57】

【0170】
中間体(31)(0.02モル)を酢酸(40ml)と塩酸(40ml)に入れることで生じさせた混合物を窒素下で撹拌しながら3日間還流させた。この反応混合物を冷却した後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層をNaCO溶液で抽出した後、その水層を塩酸で酸性にして、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を分離し、洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで中間体(32)を1.2g(29%)得た。
実施例A17
a)
【0171】
【化58】

【0172】
5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デカノン[20098−14−0](0.01モル)と(αS)−α−メチルベンゼンメタンアミン[2627−86−3](0.01モル)をエタノール(20ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら週末に渡って還流させた後、溶媒を蒸発(真空)させることで中間体(33)を2.8g得た。
b)
【0173】
【化59】

【0174】
の製造
中間体(33)(0.001モル)をTHF(無水)(5ml)で取り上げ、この混合物を窒素下で0℃に冷却した後、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(0.00115モル)およびトリフルオロ酢酸(0.00344モル)を加えて、この反応混合物を0℃で撹拌した。ジクロロメタン(10ml)および飽和NaHCO溶液を加えた。有機層を分離し、NaHCOで洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcを95/5)で精製した。生成物画分を2画分集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(34)を0.130gおよび中間体(35)を0.090g得た。
実施例A18
【0175】
【化60】

【0176】
塩酸1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンカルボン酸[92932−74−6](0.00117モル)とN,N−ジエチルエタンアミン(0.2g)を2−プロパノン(10ml)と水(10ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌した後、ジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル[24424−99−5](0.0022モル)を加えた。この反応混合物を週末に渡って撹拌した後、ジクロロメタンの中に注ぎ出して、水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで中間体(36)を0.38g得た。
B. 本化合物の製造
実施例B1
【0177】
【化61】

【0178】
2,2−ジメチル−(4−クロロフェニル)酢酸[6258−30−6](2.0g、10ミリモル)と塩酸2−アミノアダマンタン[13074−39−0](1.9g、10ミリモル)をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、HOBt(2.7g、20モル)、N,N−ジエチルエタンアミン(2.1g、20ミリモル)およびEDCI(2.1g、11ミリモル)を加えた後、この混合物を一晩撹拌した。この反応混合物を15%のクエン酸、飽和NaHCOそして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、真空下で蒸発させた。その残留物をイソプロパノールから再結晶化させることで化合物1を2.0(6ミリモル、60%)得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.47(s、6H、(CH3)2)、3.79(d、1H、CH)、6.42(d、1H、NH)、7.38(dd、Ar−H)。
LC−MS:M+1 332.89、334.89
実施例B2
【0179】
【化62】

【0180】
化合物1(1.7g、5ミリモル)をメタノール(100ml)に溶解させ、活性炭に担持されているパラジウム(10%)を0.5gおよびCaO(1g)を加えた後、この混合物に水添を50℃で受けさせた。1当量の水素の吸収が起こった後、その反応物を濾過し、乾燥するまで蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。その残留物をジイソプロピルエーテルから結晶化させることで化合物2を0.65g(60%)得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.49(s、6H、(CH3)2)、3.79(d、1H、CH)、6.21(d、1H、NH)、7.25−7.37(m、5H、Ar−H)。
LC−MS:M+1 298.44
実施例B3
【0181】
【化63】

【0182】
2,2−ジメチルフェニル酢酸[826−55−1]を乾燥ジクロロメタンに溶解させ、塩化オクザリルを添加した後、DMFを1滴添加した。撹拌を2時間行った後の溶液に蒸発を乾燥まで受けさせ、それを10mlのジクロロメタンに再溶解させた後、2−アミノアダマンタン[13074−39−0]とトリエチルアミンをジクロロメタンに入れることで生じさせた溶液に加えた。この混合物を一晩撹拌し、15%のクエン酸で抽出し、飽和NaHCOそして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、真空下で蒸発させた。その残留物をイソプロピルエーテルから再結晶化させた。
NMR(CDCl)δ1.3−1.8(m、CH)、1.55(s、6H、(CH3)2)、2.31(s、6H、2xCH3)、3.96(d、1H、CH)、5.50(d、1H、NH)、6.91(s、1H、Ar−H)、6.99(s、2H、ArH)。
実施例B4
a)
【0183】
【化64】

【0184】
2−メチル−2−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸(2.0g、10ミリモル)と塩酸2−アミノアダマンタン[13074−39−0](1.9g、10ミリモル)をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、HOBt(2.7g、20モル)、N,N−ジエチルエタンアミン(2.1g、20ミリモル)およびEDCI(2.1g、11ミリモル)を加えた後、この混合物を一晩撹拌した。この反応混合物を15%のクエン酸、飽和NaHCOそして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた後、真空下で蒸発させた。その残留物をイソプロパノールから再結晶化させることで化合物4を2.0g(6ミリモル、60%)得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.48(s、6H、(CH3)2)、3.75(s、3H、OCH3)、3.79(d、1H、CH)、6.23(s、1H、NH)、6.8−7.3(m、3H、Ar−H)。
b)
【0185】
【化65】

【0186】
化合物4を乾燥ジクロロメタンに溶解させて−78℃に冷却した後、三臭化ホウ素を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、アンモニア水溶液の上に注いだ後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。その固体状残留物を酢酸エチルから結晶化させることで化合物5を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.44(s、6H、(CH3)2)、3.79(d、1H、CH)、6.18(d、1H、NH)、6.65−7.16(dd、4H、Ar−H)、9.35(s、1H、OH)。
c)
【0187】
【化66】

【0188】
化合物4をDMFに溶解させた後、ブロモ酢酸エチルを炭酸カリウムと一緒に添加した。この混合物を60℃で一晩撹拌し、氷の上に注いだ後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を1MのNaHCOそして食塩水で洗浄した後、蒸発させた。その残留物をエタノールに溶解させ、1Mの水酸化カリウムを加えた後、この混合物を2時間撹拌した。その溶液を1MのHClで酸性にし、EtOAcで抽出し、その有機層を乾燥させた後、蒸発させた。その残留物を酢酸エチルから結晶化させることで化合物6を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.47(s、6H、(CH3)2)、3.78(d、1H、CH)、4.67(s、2H、CH2COOH)、6.23(d、1H、NH)、6.77−7.3(m、4H、Ar−H)。
実施例B5
【0189】
【化67】

【0190】
化合物4をDMFに溶解させた後、塩酸ジメチルアミノエチルクロライドに続いてKCOを加えた。この混合物を60℃で一晩撹拌し、氷の上に注いだ後、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を1MのNaHCOそして食塩水で洗浄した後、蒸発させた。その残留物をiPrOHに加熱を伴わせて溶解させ、しゅう酸を加えた後、結晶性アミンを濾過することで化合物7を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.4−1.8(m、CH)、1.49(s、6H、(CH3)2)、2.78(s、6H、N(CH3)2)、3.43(t、2H、CH2)、3.79(d、1H、CH)、4.27(t、2H、CH2)、6.29(d、1H、NH)、6.85−7.35(m、4H、Ar−H)。
実施例B6
【0191】
【化68】

【0192】
α,α−2,2−ジメチルフェニル酢酸[826−55−1](2.5g、15ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(50ml)に溶解させた後、塩化オクザリル(1.5ml、0.017モル)およびDMFを1滴加えた。撹拌を2時間行った後の溶液に蒸発を乾燥まで受けさせ、50mlのジクロロメタンに再溶解させた後、2−アミノ−アダマンタン(CAS 13074−39−0)(2.5g、15ミリモル)とN,N−ジエチルエタンアミン(3.0g、30ミリモル)をジクロロメタン(50mL)に入れることで生じさせた溶液に加えた。この混合物を一晩撹拌し、15%のクエン酸、飽和NaHCOそして食塩水で抽出し、MgSOで乾燥させた後、真空下で蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン中3−5%のMeOH)にかけることで化合物8:
NMR(CDCl)δ1.2−1.85(m、CH)、1.59(s、6H、(CH)、1.95−2.00(m、2H、CH)、3.91(dt、1H、CH)、5.32(d、1H、NH)、7.25−7.47(m、5H、Ar−H)、
を1.8gおよび化合物9:
NMR(CDCl)δ1.2−1.7(m、CH)、1.56(s、6H、(CH)、2.05−2.10(m、2H、CH)、3.83(dt、1H、CH)、5.32(d、1H、NH)、7.25−7.50(m、5H、Ar−H)、
を1.8g得た。
実施例B7
【0193】
【化69】

【0194】
化合物8(80mg)をジクロロメタン(2ml)に溶解させて窒素下で−78℃に冷却した。DAST(0.1ml)を加えた後の混合物を撹拌しながら室温になるまで温めた。飽和NaHCOを加えた後、層分離を起こさせた。その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、蒸発させた。その残留物をジイソプロピルエーテルから結晶化させることで化合物10を40mg(50%)得た。
NMR(CDCl)δ1.2−1.85(m、CH)、1.59(s、6H、(CH)、1.95−2.10(m、2H、CH)、3.93(dt、1H、CH)、5.27(d、1H、NH)、7.27−7.43(m、5H、Ar−H)。
実施例B8
【0195】
【化70】

【0196】
化合物8(100mg、0.3ミリモル)をジクロロメタン(2ml)に溶解させて−78℃に冷却した後、三臭化ホウ素(0.15ml、1.5mg)を加えた。この反応混合物を室温になるまで温め、ジクロロメタンで希釈した後、氷と濃アンモニアの混合物の上に注いだ。層分離を起こさせ、その有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、蒸発させた。その残留物を酢酸エチルから結晶化させることで化合物11を得た。LC−MS:M+1 393.34、395.34;
NMR(CDCl)δ1.25−1.52(m、CH)、1.57(s、6H、(CH)、1.90−2.42(m、CH)、3.97(dt、1H、CH)、5.37(d、1H、NH)、6.28−7.30(m、4H、Ar−H)。
実施例B9
【0197】
【化71】

【0198】
2,2−ジメチルフェニル酢酸[826−55−1](0.5g、2.7ミリモル)を乾燥ジクロロメタンに溶解させた後、塩化オクザリル(0.4g)およびDMFを1滴加えた。撹拌を2時間行った後の溶液に蒸発を乾燥まで受けさせ、10mlのジクロロメタンに再溶解させた後、6−オキソ−アダマンタン−2−イルアミンとエチレンのケタール(0.6g、2.7ミリモル)とN,N−ジエチルエタンアミン(0.5ml)をジクロロメタンに入れることで生じさせた溶液に加えた。この混合物を一晩撹拌し、15%のクエン酸、飽和NaHCOそして食塩水で抽出し、MgSOで乾燥させた後、真空下で蒸発させた。その残留物をシリカゲルで精製(溶離剤:ジクロロメタン中5%のMeOH)しそして化合物12をイソプロピルエーテルから再結晶化させることで600mg(50%)得た。
NMR(CDCl)δ1.52−2.05(m、CH)、1.60(s、6H、(CH)、3.85(dt、1H、CH)、3.85−3.90(m、4H、CH2CH2)、5.45(d、1H、NH)、7.23−7.42(m、5H、Ar−H)。
実施例B10
【0199】
【化72】

【0200】
実施例B9で得たケタール(450mg)をアセトン(10ml)に溶解させ、1MのHCl(5ml)を添加した後、この混合物を45℃で3時間撹拌した。この反応混合物に濃縮そしてジクロロメタンによる抽出を受けさせた。その有機層を飽和NaHCOそして食塩水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。その残留物をエタノールから結晶化させることで化合物13を300mg得た。
NMR(CDCl)δ1.52−1.75(m、CH)、1.60(s、6H、(CH)、1.95−2.15(m、2H、CH)、2.30(d、2H、CH)、2.50(s、2H、CH)、4.12(dt、1H、CH)、5.45(d、1H、NH)、7.27−7.47(m、5H、Ar−H)。
実施例B11
【0201】
【化73】

【0202】
化合物13(50mg)をMeOHに溶解させた後、NaBH(50mg)を加えた。この混合物を室温で6時間撹拌した。1MのHClを添加した後の混合物をジクロロメタンで抽出した。その有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5%のMeOH)で化合物14を20mg(40%)得た。
NMR(CDCl)δ1.52−2.00(m、CH)、1.60(s、6H、(CH)、3.85(dt、1H、CH)、5.45(d、1H、NH)、7.23−7.42(m、5H、Ar−H)。
実施例B12
【0203】
【化74】

【0204】
重合体に担持させておいたN−シクロヘキシルカルボジイミド(0.0004モル)をジクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた混合物に1−フェニルシクロプロパンカルボン酸(0.00028モル)を加えた。この混合物を15分間撹拌した。2−メチル−2−プロパンアミン(0.0002モル)を加えた後の反応混合物を室温で一晩撹拌した。前記樹脂を濾別した後、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をシリカゲルを前以て充填しておいた液クロカラム(14ml;溶離剤:ジクロロメタン)を用いて精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物17を得た。
実施例B13
【0205】
【化75】

【0206】
重合体に担持させておいたカルボジイミド(0.0004モル)をジクロロメタン(5ml)に入れて懸濁させた。次に、1−フェニルシクロプロパンカルボン酸(0.00028モル)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.00001モル)を加えた後の混合物を20分間撹拌した。トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−メタンアミン[0.0002モル;6変数(variables)]を加えた後の反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濾過した。その濾過残渣をジクロロメタンで洗浄した後、その濾液の溶媒を蒸発させた。その残留物をTRIKONEX FlashTube(商標)使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/EtOAcを9/2)で精製した。生成物画分を集めた後、抽出を行ない、そしてその抽出液に蒸発を受けさせることで化合物31を0.037g得た。
実施例B14
a)
【0207】
【化76】

【0208】
m,α−ジメチルヒドロアトロパ酸(0.001モル)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.0011モル)と一塩酸N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.00105モル)をジクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で完全に溶解するまで(±20分間)撹拌した。塩酸2−アダマンタンアミン(0.0013モル)をジクロロメタン(2ml)とトリエチルアミン(1ml)とDMF(0.5ml)に入れることで生じさせた混合物を添加した後、その結果として得た混合物を室温で一晩撹拌した。水(2ml)を加えた後の混合物を10分間撹拌した。この混合物をExtrelut(商標)に通して濾過した後、その濾液の溶媒を蒸発させた。その残留物をTRIKONEX FlashTube(商標)使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcを95/5)で精製した。生成物画分を集めた後、HPLCで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(89)を得た。
b)
【0209】
【化77】

【0210】
化合物(89)(0.005モル)と1−ブロモ−2,5−ピロリジンジオン(0.0055モル)と2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)[cas:78−67−1](0.030g)をテトラクロロメタン(50ml)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながら1時間還流させた後、沈澱物を濾別し、そして溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その溶液を2%のNaHCO溶液、水そして食塩水で洗浄した。この混合物を乾燥させた後、溶液を蒸発させることで生成物を2g得た。その残留物の一部(0.100g)を高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(270)を得た。
c)
【0211】
【化78】

【0212】
化合物(270)(0.0013モル)とシアン化カリウム(0.0065モル)とヨウ化カリウム(0.00013モル)をアセトニトリル(10ml)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で一晩撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その溶液をHOで抽出した。この混合物をExtrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/EtOAcを2/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(161)を0.12g(96%)得た。
d)
【0213】
【化79】

【0214】
アンモニアをメタノールに入れることで生じさせた混合物(50ml)に化合物(161)(0.0009モル)を入れることで生じさせた混合物に水添を14℃でラネーニッケル(触媒量)を触媒として用いて受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせることで化合物(170)を0.270g(88%)得た。
d)
【0215】
【化80】

【0216】
化合物(170)(0.0006モル)と炭酸カリウム(0.0018モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(8ml)に入れることで生じさせた懸濁液を15分間撹拌しながら、1−クロロ−2−(クロロメトキシ)エタン(0.00066モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(適量)に入れることで生じさせた混合物を滴下した後、この反応混合物を室温で週末に渡って撹拌した。この混合物を65℃に一晩加熱した後、更に1−クロロ−2−(クロロメトキシ)エタン(0.030g)を加えた。その結果として得た混合物を65℃で3時間撹拌した後、水の中に注ぎ出して、ジクロロメタンで抽出した。高性能液クロを用いて生成物の精製を行った。生成物画分を集め、溶媒を蒸発させた後、その残留物を活性炭と一緒にして振とうすることで化合物(191)を0.021g(8.5%)得た。
実施例B15
【0217】
【化81】

【0218】
化合物(170)(0.0003モル)と炭酸カリウム(0.001モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に入れることで生じさせた懸濁液に、ヨードメタン(0.001モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)に入れることで生じさせた混合物を滴下し、この反応混合物を室温で一晩撹拌した後、その混合物を水の中に注ぎ出して、ジクロロメタンで洗浄した。その結果として得た混合物をExtrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させることで生成物を得た(NMR:CTS、LCMS:100% MW 382)。その残留物をDIPE下で磨り潰し、結果として生じた沈澱物を濾別した後、乾燥させることで化合物(178)を0.075g(65%)得た。
実施例B16
a)
【0219】
【化82】

【0220】
3−ブロモ−α,α−ジメチルベンゼン酢酸(0.0004モル)と塩酸2−アダマンタンアミン(0.0006モル)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.0008モル)をジクロロメタン(5ml)とDMF(1ml)とN,N−ジエチルエタンアミン(3ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌した後、一塩酸N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.00045モル)を加えた後の反応混合物を一晩撹拌した。水(2ml)を加えた後の混合物を10分間撹拌した後、Extrelut(商標)に通して濾過した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をTRIKONEX FlashTube(商標)使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を高性能液クロで更に精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、NaCO溶液で洗浄した。この混合物をExtrelut(商標)に通して濾過した後、有機溶媒を蒸発させることで化合物(271)を0.0148g得た。
b)
【0221】
【化83】

【0222】
化合物(271)(0.00080モル)と2−プロペン酸のエチルエステル(1g)と酢酸パラジウム(II)(0.0002モル)と1,3−プロパンジイルビス[ジフェニルホスフィン](0.0004モル)とトリエチルアミン(1ml)をTHF(100ml)に入れることで生じさせた混合物を125℃で16時間反応させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物(0.5g)をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)で精製した。生成物画分を2画分集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(180)を0.120g(97%)得た。
c)
【0223】
【化84】

【0224】
化合物(180)(0.0003モル)をTHF(40ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を活性炭に担持されているパラジウム(10%)(0.03g)を触媒として用いて受けさせた。水素(1当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)で精製した。生成物画分を2画分集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(193)を0.045g得た。
d)
【0225】
【化85】

【0226】
化合物(193)(0.00015モル)と1,4−ジオキサン(0.5ml)を塩酸(2ml)に入れることで生じさせた混合物を75℃で1時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、シリカ−パス(silica−path)の上に置いて濾過した(ジクロロメタン)。その濾液に蒸発を受けさせた後、その結果として生じた残留物を乾燥させることで化合物(196)を0.025g(45%)得た。
実施例B17
【0227】
【化86】

【0228】
化合物(271)(0.00013モル)とPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.026g)と1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.033g)とZn/Zn(CN)(0.012g/0.105g)とアジ化ナトリウム(0.100g)と塩化アンモニウム(0.082g)をDMA(50ml)に入れることで生じさせた混合物をマイクロ波の中に入れて150℃で45分間反応させた。次に、この反応混合物を水の中に注ぎ出した後、EtOAc/DIPEで抽出した。その抽出液を水で洗浄し、Extrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その水相にジクロロメタンによる抽出を受けさせた後、Extrelut(商標)を用いて濾過を行った。溶媒を蒸発させた後、その残留物を高性能逆相液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(159)を得た。
実施例B18
【0229】
【化87】

【0230】
化合物(271)(0.0005モル)をTHF(5ml)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にN下でブチルリチウム(0.0011モル)を滴下した後、この混合物を30分間撹拌した。次に、ヨードプロパン(0.0006モル)をTHF(5ml)に入れることで生じさせた混合物を滴下した後の反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。この混合物を一晩かけて温めた後、飽和NHCl溶液(5ml)を加えた。その有機層を分離し、洗浄し、Extrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(0.170g)をシリカゲル(5g)を前以て充填しておいた液クロカラムで精製した(溶離剤:ヘキサン/EtOAcが10/1)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を高性能逆相液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(166)を得た。
実施例B19
a)
【0231】
【化88】

【0232】
化合物(271)(0.00013モル)とPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.026g)と1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.033g)とZn/Zn(CN)(0.012g/0.105g)をDMA(50ml)に入れることで生じさせた混合物をマイクロ波の中に入れて150℃で15分間反応させた後、この反応混合物を水の中に注ぎ出して、EtOAc/DIPEで抽出した。その抽出液を水で洗浄した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲルを前以て充填しておいた液クロカラムを用いた固相抽出(溶離剤:CHCl)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(272)を0.055g得た。
b)
【0233】
【化89】

【0234】
アンモニアをメタノールに入れることで生じさせた溶液(50ml)に化合物(272)(0.001モル)を入れることで生じさせた混合物に水添を14℃でラネーニッケル(触媒量)を触媒として用いて受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その濾液を濾過し、そしてその濾液に蒸発を受けさせたことで化合物(273)を0.270g得た。
c)
【0235】
【化90】

【0236】
化合物(273)(0.00015モル)とN,N−ジエチルエタンアミン(0.0003モル)をジクロロメタン(適量)に入れることで生じさせた溶液を室温で15分間撹拌した。次に、4−クロロブタノイルクロライド[4635−59−0](0.000165モル)をジクロロメタン(2.5ml)に入れることで生じさせた混合物を滴下した後、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をHCl(1N)、5%のNaHCO溶液そして水で洗浄した。その結果として得た混合物をExtrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(274)(無色油)を0.072g得た。
d)
【0237】
【化91】

【0238】
化合物(274)(0.00014モル)をジクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた溶液にN,N,N−トリエチルベンゼンメタンアミニウムクロライド(0.00015モル)および水酸化ナトリウム(50%)(0.5ml)を加えた後、この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をHCl(1N)、5%のNaHCO溶液そして水で2回洗浄した。その結果として得た混合物をExtrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させることで無色油を0.050g得た。その残留物をシリカゲルを前以て充填しておいた液クロカラムを用いた固相抽出(溶離剤:CHCl/CHOHを90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(160)を0.024g得た。
実施例B20
a)
【0239】
【化92】

【0240】
中間体(29)(0.0019モル)をN,N−ジエチルエタンアミン(2ml)とジクロロメタン(15ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.002モル)を加えた。次に、N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.002モル)を加えた後の混合物を10分間撹拌した。塩酸2−アダマンタンアミン(0.0022モル)を加えた後の反応混合物を一晩撹拌した。クエン酸溶液(2ml)を加えた後、その結果として得た混合物をExtrelut(商標)に通して濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた後、その残留物をTRIKONEX FlashTube(商標)使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcを90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留画分を高性能液クロで精製した後、生成物画分を集めて、溶媒を蒸発させることで化合物(171)を0.155g(25%)得た。
b)
【0241】
【化93】

【0242】
化合物(171)(0.00044モル)をメタノール(50ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を活性炭に担持されているパラジウム(0.1g)を触媒として用いて一晩受けさせた。水素(1当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別し、その濾液に蒸発を受けさせた後、その残留物を乾燥(真空)させることで化合物(172)を0.12g得た。
実施例B21
【0243】
【化94】

【0244】
化合物(170)(0.0006モル)とホルムアルデヒド(0.2g)をメタノール(40ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を50℃で活性炭に担持されているパラジウム(0.05g)を触媒として用いてチオフェン溶液(0.1ml)の存在下で受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、HCl(1N)、5%のNaHCO溶液そして食塩水で洗浄した。その混合物をExtrelut(商標)の上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/(CHOH/NH(1%))を90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(192)を得た。
実施例B22
a)
【0245】
【化95】

【0246】
化合物(271)(0.0005モル)と2−プロペン酸のフェニルメチルエステル(0.002モル)とPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0001モル)とトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン[6163−58−2](0.00025モル)とN,N−ジブチル−1−ブタナミン(0.0025モル)をDMF(5ml)に入れることで生じさせた混合物を90℃で一晩撹拌した後、この反応混合物を冷却した。水(3ml)を加えた後の混合物をEtOAcで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(198)を0.167g得た。
b)
【0247】
【化96】

【0248】
化合物(198)(0.0003モル)を酢酸(4ml)と塩酸(2ml)に入れることで生じさせた混合物を60℃で一晩撹拌した後、この反応混合物を冷却して、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を分離し、洗浄し、乾燥させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(202)を0.045g得た。
実施例B23
a)
【0249】
【化97】

【0250】
中間体(36)(0.0013モル)をジクロロメタン(10ml)とN,N−ジエチルエタンアミン(3ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.002モル)を加えた。次に、一塩酸N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.002モル)を加えた後の混合物を10分間撹拌した。DMF(2ml)を加えた後に塩酸2−アダマンタンアミン(0.0016モル)を加えて、その反応混合物を一晩撹拌した。この混合物を水(2ml)、水酸化カリウム溶液で洗浄しそして再び水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(204)を0.176g得た。
b)
【0251】
【化98】

【0252】
TFAをジクロロメタンに入れることで生じさせた溶液(28%)(3ml)に化合物(204)(0.00036モル)を入れることで生じさせた混合物を3時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、その溶液をNaCO溶液で洗浄した。その有機層を分離し、Extrelut(商標)に通して濾過した後、溶媒を蒸発させることで化合物(208)を0.116g得た。
実施例B24
【0253】
【化99】

【0254】
ヨウ化1−[(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)カルボニル]−3−メチル−1H−イミダゾリウム[548763−29−7](0.0028モル)と塩酸2−アダマンタンアミン(0.0028モル)をN,N−ジエチルエタンアミン(2ml)およびジクロロメタンとTHFとDMF(1/1/0.5)の混合物(50ml)に入れることで生じさせた混合物を週末に渡って撹拌した後、この反応混合物を氷の中に注ぎ出して、ジクロロメタンで抽出した。その抽出液をクエン酸溶液(15%)で洗浄し、その有機層を乾燥させた後、濾過した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をTRIKONEX FlashTube(商標)使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOAcを90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(252)を0.18g得た。
実施例B25
【0255】
【化100】

【0256】
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(0.00586モル)をEtOAc(10ml)に入れることで生じさせた溶液に2−イソシアナト−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン[71189−14−5](0.0053モル)を加えた後の反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物を2−プロパノールから結晶化させた。最後に、所望生成物を集めることで融点が163−165℃の化合物(200)を0.500g得た。
実施例B26
【0257】
【化101】

【0258】
の製造
4−アミノ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−オール[75375−89−2](0.01モル)とN,N−ジエチルエタンアミン(0.01モル)をジクロロメタンとTHFとDMF(1/1/0.2)の混合物(100ml)に入れることで生じさせた溶液にヨウ化1−[(3,4−ジヒドロ−1(2H)−キノリニル)カルボニル]−3−メチル−1H−イミダゾリウム[213134−25−9](0.01モル)を加えた後、この反応混合物を一晩撹拌した。この混合物を1NのHCl、2Nの水酸化カリウムそして塩化ナトリウムで洗浄した後、乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/EtOAcを3/1−>1/1)で精製した。生成物画分を2画分集めた後、溶媒を蒸発させることで融点が185−188℃の化合物(219)を1.5g(46%)と融点が170−172℃の化合物(218)を1.4g(44%)得た。
実施例B27
【0259】
【化102】

【0260】
化合物(270)(0.0003モル)をジクロロメタン(5ml)に入れることで生じさせた溶液に1−メチルピペラジン(0.0015モル)を一度に加えた後の混合物を室温で一晩撹拌した。水酸化ナトリウム(1N)(1ml)を加えた後の反応混合物を30分間激しく撹拌した。層分離を起こさせた後、その水層に抽出を受けさせた。その有機層を乾燥させ、濾別した後、溶媒を蒸発させることで化合物(231)を得た。
実施例B28
【0261】
【化103】

【0262】
化合物(270)(0.00044モル)をジクロロメタン(10ml)に入れることで生じさせた溶液にモルホリン(0.0012モル)を加えた後の混合物を室温で一晩撹拌した。水酸化ナトリウム(1N)(1ml)を加えた後の反応混合物を15分間激しく撹拌した。その水層を分離した後、有機層を水で洗浄しそしてExtrelut(商標)に通して濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた後、その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(232)を得た。
実施例B29
a)
【0263】
【化104】

【0264】
1−イソキノリンカルボン酸(0.0056モル)をDMF(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.0067モル)を加えた。次に、一塩酸N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.00067モル)を加えた後の混合物を20分間撹拌した。1−アダマンタンアミン[768−94−5](0.0067モル)を加えた後の反応混合物を3時間撹拌した。その結果として得た混合物を水の中に注ぎ出した後、EtOAcで抽出した。その有機層を分離して洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留画分をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(265)を1.5g得た。
【0265】
【化105】

【0266】
化合物(265)(0.004モル)と塩酸(12N)(1ml)をメタノール(50ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を活性炭に担持されている白金(1g)を触媒として用いて一晩受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1−>95/5)で精製した。生成物画分を2画分集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(267)を0.8g得た。
実施例B30
a)
【0267】
【化106】

【0268】
化合物238(0.0036モル)をCHCl(50ml)に溶解させて、この溶液を−70℃に冷却した後、DAST(0.0015モル)を滴下し、そしてその反応混合物を−70℃で30分間撹拌した。冷却用浴を取り外した後、その混合物を1時間かけて室温に到達させ、そして次に飽和NaHCO溶液を分割して加えた。その有機層を分離して水そして食塩水で洗浄した後、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(278)(LCMS:Pが94%)を1g得た。
b)
【0269】
【化107】

【0270】
化合物(278)(0.002モル)をTHF(50ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を10%Pd/C(0.2g)を触媒として用いて受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発(真空)を受けさせた。その残留物をDIPE下で磨り潰し、その粗生成物を集めた後、シリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)で精製した。生成物画分を集めた後、それらの溶媒を蒸発させることで化合物(279)を得た。
実施例B31
a)
【0271】
【化108】

【0272】
中間体12(0.0192モル)とN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.021モル)とHOBt(0.021モル)をDMF(10ml)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で30分間撹拌した後、塩酸2−アミノ−アダマンタン[62058−03−1](0.0231モル)をDMF(適量)に入れて加え、そしてその反応混合物を一晩撹拌した。結果として得た粗生成物をDIPE下で磨り潰した後、所望生成物を集めることで化合物(280)を7.8g(83%)得た。
b)
【0273】
【化109】

【0274】
化合物(280)(0.0065モル)をTHF(150ml)に入れることで生じさせた混合物に水添をB(1g)を触媒として用いて受けさせた。水素(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発(真空)を受けさせることで化合物(281)を2.6g(100%)得た。
c)
【0275】
【化110】

【0276】
化合物(281)(0.00024モル)とN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.000275モル)とHOBt(0.000275モル)をDMF(10ml)に入れることで生じさせた溶液を室温で30分間撹拌した後、B(0.000325モル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、水そして5%のNaHCO溶液で洗浄した後、Extrelut(商標)に通して濾過した。溶媒を蒸発させた後、その残留物(0.200g)をシリカゲル(2g)使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを95/5)で精製した。高純度生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。最後に、所望生成物を乾燥(真空)させることで化合物(277)を0.106g得た。
【0277】
表1、2および3に、この上に示した実施例に従って調製した如き本発明の化合物を挙げる。
【0278】
【表1】

【0279】
【表2】

【0280】
【表3】

【0281】
【表4】

【0282】
【表5】

【0283】
【表6】

【0284】
【表7】

【0285】
【表8】

【0286】
【表9】

【0287】
【表10】

【0288】
【表11】

【0289】
【表12】

【0290】
表4に、この上に示した実施例の中の1つに従って調製した化合物を挙げる。これらの表の中では下記の省略形を用いた:・HClは塩酸塩を表す。
【0291】
【表13】

【0292】
【表14】

【0293】
【表15】

【0294】
【表16】

【0295】
【表17】

【0296】
【表18】

【0297】
【表19】

【0298】
【表20】

【0299】
【表21】

【0300】
【表22】

【0301】
【表23】

【0302】
【表24】

【0303】
【表25】

【0304】
【表26】

【0305】
【表27】

【0306】
【表28】

【0307】
C. 薬理学的実施例
実施例C.1:化合物が11b−ヒドロキシステロイド脱水素酵素タイプ1およびタイプ2に対して示す効果を試験する酵素検定
最終体積が100μlの反応混合物のトリスHCl緩衝液(pH7.2)含有量を30mMにし、NADPH含有量を180μMにし、EDTA含有量を1mMにし、コルチゾン含有量を2μMにし、薬剤および/または溶媒含有量を1μlにしそして組換え型蛋白質含有量を11μgにすることで、化合物が11b−HSD1に対して示す効果がコルチゾンからコルチゾールへの変換(還元酵素活性)に依存することを研究した。
【0308】
最終体積が100μlの反応混合物の燐酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)含有量を0.1mMにし、NADPH含有量を300μMにし、コルチゾール含有量を25μMにし、薬剤および/または溶媒含有量を1μlにしそして組換え型蛋白質含有量を3.5μgにすることで、11b−HSD1脱水素酵素活性(コルチゾールからコルチゾンへの変換)に対する効果を研究した。
【0309】
最終体積が100μlの反応混合物の燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)含有量を0.1mMにし、NAD含有量を300μMにし、コルチゾール含有量を100nM(これの中の2nMは3H放射能標識付き)にし、薬剤および/または溶媒含有量を1μlにしそして組換え型蛋白質含有量を2.5μgにすることで、11b−HSD2依存脱水素酵素活性に対する効果を研究した。
【0310】
あらゆるインキュベーションを37Cの水浴中で45分間実施した。コルチコステロンを内部標準として20μg入れておいた100μlのアセトニトリルを添加することで反応を停止させた。遠心分離を行った後、その上澄み液をHypersyl BDS−C18カラムが備わっているHPLCにかけて0.05mMの酢酸アンモニウム/メタノール(50/50)を溶媒として用いることで、生成物の生成を分析した。上述した検定の全部で、試験を受けさせるべき薬剤を原液から取り出して、最終濃度が−10−5Mから3.10−9Mの範囲になるようにして試験を行った。そのようにして得た用量反応曲線からpIC50値を計算して、下記の如くスコアを付けた:スコア1=pIC50値<5、スコア2=pIC50値が5から6の範囲、スコア3=pIC50値>6。このようにして得た結果のいくつかを以下の必要に要約する(この表の中のNTは試験せずを表す)。
実施例C.2:化合物が11b−ヒドロキシステロイド脱水素酵素タイプ1およびタイプ2に対して示す効果を試験する細胞検定
分化した3T3−L1細胞およびラット肝細胞を用いて11b−HSD1活性に対する効果を測定した。
【0311】
12穴プレートにマウス線維芽細胞3T3−L1細胞(ATCC−CL−173)を細胞密度が1ml当たり16500個になるように種付けした後、DMEM培地(熱で不活化したウシ胎仔血清を10%、グルタミンを2mMおよびゲンタマイシンを25mg補充)に入れて37CでCOが5%の湿った雰囲気の中で7日間増殖させた。培地を週に2回刷新した。線維芽細胞をインスリン含有量が2μg/mlでIBMXが55μg/mlでデキサメタゾン含有量が39.2μg/mlの増殖用培地に入れて37CでCOが5%の湿った雰囲気の中で含脂肪細胞に分化させた。
【0312】
オスラットの一次肝細胞をBD−Biocoat Matrigelマトリックス多穴プレートに細胞密度が250000個/穴になるように種付けした後、Nu血清含有量が5%でペニシリン含有量が100U/mlでストレプトマイシン含有量が100μg/mlでアンフォテリシンB含有量が0.25μg/mlで硫酸ゲンタマイシン含有量が50μg/mlでインスリン含有量が5μg/mlでデキサメタゾン含有量が392ng/mlのDMEM−HAMのF12培地に入れて37CでCOが5%の湿った雰囲気の中で10日間インキュベートした。培地を週に3回刷新した。
【0313】
試験化合物と一緒に4時間プレインキュベートした後の培養物に0.5μCiのH−コルチゾンまたはデヒドロコルチコステロンを添加した。1時間後、15mlのジエチルエーテルを用いてExtrelut−カラムから培地を抽出して、その抽出液にHPLCによる分析をこの上に記述した如く受けさせた。
【0314】
HepG2およびLCC−PK1細胞を用いて11b−HSD2活性に対する効果を研究した。HepG2細胞(ATCC HB−8065)を12穴プレートに細胞密度が100,000個/mlになるように種付けして、MEM−Rega−3培地(熱で不活化したウシ胎仔血清を10%、L−グルタミンを2mMおよび重炭酸ナトリウムを補充)に入れて37CでCOが5%の湿った雰囲気の中で増殖させた。培地を週に2回刷新した。
【0315】
ブタ腎臓細胞(LCC−PK1、ATCC CRL−1392)を12穴プレートに細胞密度が150,000個/mlになるように種付けして、培地199(アールズ修飾塩溶液、ペニシリンを100U/ml、ストレプトマイシンを100μg/mlおよびウシ胎仔血清を10%補充)に入れて37CでCOが5%の湿った雰囲気の中で増殖させた。培地を週に2回刷新した。実験を開始する24時間前に培地を炭を用いたストリッピングを受けさせておいた(charcoal stripped)ウシ胎仔血清を10%入れておいた培地と交換した。試験化合物と一緒に4時間プレインキュベートした後の培養物に0.5μCiのH−コルチゾールまたはコルチコステロンを添加した。1時間後、15mlのジエチルエーテルを用いてExtrelut−カラムから培地を抽出して、その抽出液にHPLCによる分析をこの上に記述した如く受けさせた。
【0316】
酵素検定の場合と同様に、試験を受けさせるべき薬剤を原液から取り出して、最終濃度が−10−5Mから3.10−9Mの範囲になるようにして試験を行った。そのようにして得た用量反応曲線からpIC50値を計算して、下記の如くスコアを付けた:スコア1=pIC50値<5、スコア2=pIC50値が5から6の範囲、スコア3=pIC50値>6。このようにして得た結果のいくつかを以下の表に要約する(この表の中のNTは試験せずを表す)。
【0317】
【表29】

【0318】
【表30】

【0319】
【表31】

【0320】
【表32】

【0321】
D. 組成物実施例
本発明に従って動物およびヒト被験体に全身または局所的に投与するに適した典型的な薬剤組成物を以下の配合に例示する。
【0322】
本実施例の全体に渡って用いる如き「活性材料」(A.I.)は、式(I)で表される化合物またはこれの薬学的に受け入れられる付加塩に関する。
実施例D.1:膜被覆錠剤
錠剤中心部の調製
A.I.(100g)とラクトース(570g)と澱粉(200g)の混合物を充分に混合した後、ドデシル硫酸ナトリウム(5g)とポリビニルピロリドン(10g)を約200mlの水に入れることで生じさせた溶液で湿らせた。この湿らせた粉末混合物をふるいにかけ、乾燥させた後、再びふるいにかけた。次に、微結晶性セルロース(100g)および水添植物油(15g)を加えた。その全体を充分に混合した後、圧縮して錠剤にすることで、各々が活性材料を10mg含有する錠剤を10,000個得た。
被覆
メチルセルロース(10g)を変性エタノール(75ml)に入れることで生じさせた溶液に、エチルセルロース(5g)をCHCl(150ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。次に、CHCl(75ml)および1,2,3−プロパントリオール(2.5ml)を加えた。ポリエチレングリコール(10g)を溶融させてジクロロメタン(75ml)に溶解させた。後者の溶液を前者に加えた後、オクタデカン酸マグネシウム(2.5g)、ポリビニルピロリドン(5g)および濃カラー懸濁液(concentrated colour suspension)(30ml)を加えて、その全体を均一にした。被覆装置を用いて、そのようにして得た混合物で前記錠剤中心部を覆った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
nは、0、1または2の整数を表し、
mは、0または1の整数を表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシ、Het−O−C1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニルまたはC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
は、水素、Ar、C1−8アルキル、C6−12シクロアルキル、または下記の式
【化2】

の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記Ar、C6−12シクロアルキルまたは一価基は場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニル、1,3−ジオキソリルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、水素、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルを表し、
Qは、C3−8シクロアルキル、HetまたはArを表し、ここで、前記C3−8シクロアルキル、HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(C1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、Het、C1−4アルキルまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ−C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
Lは、場合によりC1−4アルキルまたはフェニルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、
Hetは、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアゾリル、テトラゾリルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、特にピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、特に選択したピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Arは、フェニル、ビフェニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される環を1個以上含有する炭素環状基を表し、
Arは、フェニル、ビフェニル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、1,2−ジヒドロナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。
【請求項2】

【化3】

[式中、
nは、0、1または2の整数を表し、
mは、0または1の整数を表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシ、Het−O−C1−4アルキルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニルまたはC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
は、水素、Ar、C1−8アルキル、C6−12シクロアルキル、または下記の式
【化4】

の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記Ar、C6−12シクロアルキルまたは一価基は場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニル、1,3−ジオキソリルまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、水素またはC1−4アルキルを表し、
Qは、C3−8シクロアルキル、HetまたはArを表し、ここで、前記C3−8シクロアルキル、HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
Lは、場合によりC1−4アルキルまたはフェニルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、
Hetは、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Arは、フェニル、ビフェニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表し、
Arは、フェニル、ビフェニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、フルオレニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される環を1個以上含有する炭素環状基を表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。
【請求項3】
nが1または2の整数を表すが、但しnが2を表す時にはQがHetまたはArを表すことを条件とし、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、および1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルから選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよい請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10を表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
がC6−12シクロアルキル、または下記の式
【化5】

の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニル、ヒドロキシまたは1,3−ジオキソリルから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニルまたはヒドロキシカルボニルから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルカルボニルから選択され、
およびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルから選択され、
LがC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
Hetがピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetがピペリジニル、ピペラジニル、ピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のC1−4アルキル置換基で置換されていてもよく、
Hetがテトラゾリルを表し、
Hetがモルホリニルを表し、
Hetがピロリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のヒドロキシ置換基、好適には1個のヒドロキシ置換基で置換されていてもよく、
Arが、フェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表す、
請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10を表すか、或はRとRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
がC6−12シクロアルキル、または下記の式
【化6】

の中の1つで表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、カルボニル、ヒドロキシまたは1,3−ジオキソリルから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、Het、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキルカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニルまたはヒドロキシカルボニルから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、1個または可能ならば2または3個のハロ置換基で置換されているC1−4アルキルカルボニルから選択され、
およびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルから選択され、
LがC1−4アルキル、好適にはメチルを表し、
Hetがピリジニル、ピリミジニル、インドリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetがピペリジニル、ピペラジニル、ピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のC1−4アルキル置換基で置換されていてもよく、
Hetがテトラゾリルを表し、
Hetがモルホリニルを表し、
Hetがピロリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetが場合により1個または可能ならば2個以上のヒドロキシ置換基、好適には1個のヒドロキシ置換基で置換されていてもよく、
Hetがピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環、好適にはモルホリニルを表し、
Arが、フェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を1個以上含有する炭素環状基を表す、
請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
nが0、1または2の整数を表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10を表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
がC6−12シクロアルキル、好適にはシクロ−オクタニル、または下記の式
【化7】

の中の1つ、好適には前記式(a)または(b)で表される一価基を表し、ここで、
前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
QがHetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニルまたはHet−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、Het、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRが各々独立して水素またはC1−4アルキルを表し、
およびR10が各々独立して水素またはC1−4アルキルオキシカルボニルを表し、
LがC1−4アルキルを表し、
Hetがピリジニル、ピペリジニル、チオフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソールから選択される複素環を表し、
Hetがピリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetがモルホリニルを表し、
Arがフェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、ナフチルまたはインデニルを表す、
請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
nが0、1または2の整数を表し、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、そしてnが2の場合にはRまたはRのいずれかが存在しないで不飽和結合を形成していてもよく、
がC6−12シクロアルキルを表し、好適にはシクロ−オクタニルおよびシクロヘキシルから選択されるか、或はRが下記の式
【化8】

の中の1つ、好適には前記式(a)で表される一価基を表し、ここで、前記C6−12シクロアルキルまたは一価基が場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから成る群から選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
が水素またはC1−4アルキルを表し、
QがHetまたはArを表し、ここで、前記C3−8シクロアルキル、HetまたはArが場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2、3個またはそれ以上の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニルで置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRが各々独立して水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキル(フェニルで置換されている)を表し、
LがC1−4アルキルを表し、
Hetがピリジニル、チオフェニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetがピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetがピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環、好適にはモルホリニルを表し、
Arがフェニル、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、2,3−ジヒドロインデニル、1,2−ジヒドロナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、ナフチルまたはインデニルを表す、
請求項1記載の化合物。
【請求項8】
該化合物が
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−メチル−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−メトキシ−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−ヒドロキシ−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3,5−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−3−(フェニルメトキシ)ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−(カルボキシメトキシ)−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−フルオロトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2β,3β,5β,7β)−N−(5−メトキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
(1α,2α,3β,5β,7β)−N−(5−メトキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−(カルボキシメトキシ)−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシ−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−メチル−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−メトキシ−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3−ヒドロキシ−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−3,5−ジメチル−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−4−フルオロ−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−1−フェニル−シクロプロパンカルボキサミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−2,6−ジフルオロ−ベンゼンアセトアミド、
N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−2−イル)−α,α−ジメチル−2−チオフェンアセトアミド、
N−(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)−2−メチル−2−(5−メチルピリジン−3−イル)プロパンアミド、
N−(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)−2−メチル−2−(6−メチルピリジン−2−イル)プロパンアミド、
3−(3−{2−[(5−フルオロ−2−アダマンチル)アミノ]−1,1−ジメチル−2−オキソエチル}−5−メチルフェニル)プロピオン酸、
4−(3−{2−[(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)アミノ]−1,1−ジメチル−2−オキソエチル}−5−メチルフェニル)酪酸、
t−ブチル−4−[3−(3−{2−[(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)アミノ]−1,1−ジメチル−2−オキソエチル}−5−メチルフェニル)プロパノイル]−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート、
N−(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド、
N−2−アダマンチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボキサミド、
N−(5−ヒドロキシ−2−アダマンチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキサミド、
である請求項1記載の化合物またはこれのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩または立体化学異性体形態。
【請求項9】
薬学的に受け入れられる担体を含有しかつ請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を活性材料として有効11β−HSD1阻害量で含有して成る薬剤組成物。
【請求項10】
請求項8記載の薬剤組成物を製造する方法であって、薬学的に受け入れられる担体と有効11β−HSD1阻害量の請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を密に混合することを特徴とする方法。
【請求項11】
薬剤として使用するための請求項1から8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
コルチゾール過剰産生に伴う病状、例えば肥満、糖尿病、肥満関連心疾患、痴呆、認知、骨粗しょう症および緑内障などを治療するための薬剤を製造する時に請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を用いる使用。
【請求項13】
式(I’)
【化9】

[式中、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、NR10、C1−4アルキルオキシまたはHet−O−C1−4アルキル、好適にはC1−4アルキル、特にメチルを表すか、或は
とRがこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキル、特にシクロプロピルまたはシクロブチルを形成しており、
は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニルを表し、
Uは、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニルまたはヒドロキシを表し、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
11およびR12は、各々独立して、水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetおよびNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、C2−4アルケニル(フェニル−C1−4アルキル−オキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、Het−カルボニルから選択される1個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロ、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アミン、シアノ、Het、Het−カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択され、
Hetは、ピリジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアゾリル、テトラゾリルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、好適にはピペラジニルまたはモルホリニルを表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、好適にはピペラジニルまたはモルホリニル、特にモルホリニルを表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。
【請求項14】
式(I”)
【化10】

[式中、
は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニルを表し、
Uは、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、フェニル、ハロ、オキソ、カルボニルまたはヒドロキシを表し、
Qは、HetまたはArを表し、ここで、前記HetまたはArは場合によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、Het、フェニル、フェニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR、C1−4アルキルオキシ(ヒドロキシカルボニル、HetまたはNRから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)、およびC1−4アルキル(ハロまたはヒドロキシカルボニルから独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、各々独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニル(ハロ、C1−4アルキルおよびC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2または3個の置換基で置換されている)から選択されるか、或はRおよびRは、各々独立して、フェニルで置換されているC1−4アルキルを表し、
およびRは、各々独立して、水素またはC1−4アルキルから選択され、
およびR10は、各々独立して、水素、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
Hetは、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、1,8−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、キノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、フタラジニル、2H−ベンゾピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラニル、2H−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾチオピラニルまたは1,3−ベンゾジオキソリルから選択される二環状複素環を表し、
Hetは、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、2H−ピロリル、ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Hetは、2H−ピラニル、4H−ピラニル、フラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピリジニル、ピペリジニルまたはフラニルから選択される一環状複素環を表し、
Hetは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される一環状複素環を表し、ここで、前記Hetは場合によりヒドロキシ、カルボニル、C1−4アルキルまたはC1−4アルキルオキシから各々独立して選択される1個または可能ならば2個以上の置換基で置換されていてもよく、
Arは、ベンゾシクロブテン、ベンゾシクロヘプタニル、ベンゾスベレニル、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルまたはナフチルから成る群から選択される、環を2個含有する炭素環状基を表す]
で表される化合物、これのN−オキサイド形態、薬学的に受け入れられる付加塩および立体化学異性体形態。
【請求項15】
薬剤として使用するための式(I’)または(I”)で表される化合物。
【請求項16】
コルチゾール過剰産生に伴う病状、例えば肥満、糖尿病、肥満関連心疾患、痴呆、認知、骨粗しょう症および緑内障などを治療するための薬剤を製造する時に式(I’)または(I”)で表される化合物を用いる使用。
【請求項17】
1−ヒドロキシ−4−アミノアダマンタンの製造方法であって、
【化11】

i)相当するケトン(XIII)に還元アミン化を受けさせ、
ii)そのようにして得た式(XVIII)で表されるアミンのステレオマーを分離し、そして
iii)前記式(XVIII)で表される化合物に脱ベンジルを受けさせる、
ことを含んで成る方法。

【公表番号】特表2006−511570(P2006−511570A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561497(P2004−561497)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/051021
【国際公開番号】WO2004/056745
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】