2つの仕事関数を備えたCMOSデバイスの製造方法
【課題】本発明は、2つの仕事関数の半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、基板の第1領域及び第2領域上にデバイスを設けることを備える。これは、基板の第1領域及び第2領域上に誘電性層を設けること、及び第1及び第2領域の両方の誘電性層の上部にゲート電極を設けることによってなされる。第1領域上のゲート電極及び第2領域上のゲート電極の両方は仕事関数を有する。上記方法は、さらに、誘電性層とゲート電極との間で第1領域上にキャッピング層を設けることで第1領域上のゲート電極の仕事関数を変更し、及び第2領域における誘電性層とゲート電極との間の界面でスピーシーズを導入するようにスピーシーズを埋め込むことにより第2領域上のゲート電極の仕事関数を変更することを備える。
【解決手段】製造方法は、基板の第1領域及び第2領域上にデバイスを設けることを備える。これは、基板の第1領域及び第2領域上に誘電性層を設けること、及び第1及び第2領域の両方の誘電性層の上部にゲート電極を設けることによってなされる。第1領域上のゲート電極及び第2領域上のゲート電極の両方は仕事関数を有する。上記方法は、さらに、誘電性層とゲート電極との間で第1領域上にキャッピング層を設けることで第1領域上のゲート電極の仕事関数を変更し、及び第2領域における誘電性層とゲート電極との間の界面でスピーシーズを導入するようにスピーシーズを埋め込むことにより第2領域上のゲート電極の仕事関数を変更することを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの仕事関数を備えたCMOSデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSデバイスを作製ため、N−MOS及びP−MOS型トランジスタゲートのそれぞれに2つの明確に異なる仕事関数(WF)が必要である。このゲート仕事関数は、ゲート電極用に使用される材料により主に決定されるので、2つの仕事関数の要求は、通常、所定のゲート誘電体用の2つの異なる材料、とりわけ2つの異なる金属の使用を意味する。そのような2つの金属へのアプローチの処理フロー又は統合は、非常に扱いにくく、多くの処理工程を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明に関し、2つの仕事関数を備えたCMOSデバイスの形成方法を開示し、該方法は、処理工程数を低減した単純化された処理フローを提供する。P−MOS及びN−MOSトランジスタの両方について、ゲート電極に同じ材料を使用し、それぞれのトランジスタ・ゲートの仕事関数を調節することを提案する。これは、(1)ゲート誘電体の埋め込み、又は(2)ゲート電極とホスト・ゲート誘電性材料との間に誘電性キャッピング層の挿入、及び/又は(3)完全にシリサイドされた(FUSI)ゲート形成の前にホスト・ゲート電極の埋め込みによりなされる。本発明の実施形態は、特にFUSIゲートを有するデバイスに適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様では、本発明は、2つの仕事関数半導体デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板の第1領域上のデバイス、及び第2領域上のデバイスを提供することを備える。本発明の実施形態によれば、このことは、
−基板の第1及び第2の領域上に誘電性層を設けること、ここで、第1領域上の誘電性層は第2領域上の誘電性層に完全に堆積され、それゆえ同じ特性、例えば同じ材質、同じ厚さ等を有する、及び
−第1及び第2の両領域の誘電性層上にゲート電極を設けること、ここで、第1領域上のゲート電極は第2領域上のゲート電極に完全に堆積され、それ故、同じ特性、例えば同じ材質、同じ厚さ等を有する、
によってなされる。
【0005】
本発明の第一の態様の実施形態に係る方法は、さらに、
誘電性層とゲート電極との間の第1領域上にキャッピング層を設けることにより第1領域上のデバイスの仕事関数を変化させること、及び
誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことにより第2領域上のデバイスの仕事関数を変更すること、
を備える。
【0006】
本発明の実施形態の利点は、ゲート材料の選択的な除去が必要でないということである。普通の導電性、例えば金属又はFUSIのゲート電極は、nmos及びpmosデバイスの両方に使用可能である。このことは、二重相のFUSI CMOSスキーム、例えばnmos用のNiSi、pmos用Niリッチ、が使用されるとき、従来の方法に比較して、N+/P+境界での電位問題を低減又はさらに削除する。後者の場合、NiSi(nmos)とNiリッチ(pmos)とのゲート電極間の界面の長さは、高密度アプリケーションに対する関心事でありえる。nmos及びpmos両方の普通の(つまり同じ相)FUSI電極の場合、本発明の実施形態のように、この問題/関心事は解決される。更に、nmos及びpmos両方のNiリッチFUSIの使用は、FUSI CMOS統合プロセス用のより高いプロセスウインドウに導き、従ってより有利な生産能力を有する。
【0007】
本発明の実施形態に従い、仕事関数は、ゲート誘電体を適合させることにより変更される。これは、以下により詳しく説明するように、酸化膜換算膜厚(EOT)を低く維持しながら、好ましくはできるだけ低くしながら、キャッピング及び埋め込みによりなすことができる。このEOT要求は、何も堆積又は埋め込みができないことを意味する。
【0008】
本発明の実施形態では、第1領域上のデバイスはN−MOSデバイスである。本発明の実施形態では、第2領域上のデバイスはP−MOSデバイスである。本発明の実施形態では、誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことは、誘電性層の上にゲート電極を設ける前に実行可能である。他の実施形態では、誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことは、電極形成後に行なわれることがある。
【0009】
本発明の実施形態に係る方法は、更に、誘電性層とゲート電極との間の第2領域上にキャッピング層を設けることを含むことができる。この方法は、埋め込みの間、二重のキャッピングが保護のために設けられる。
【0010】
本発明の実施形態に係る方法は、更に、デバイスの処理の間、ゲート耐圧を保護するためのキャッピング層を設けることを含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態に係る方法では、誘電性層と電極との間の界面にスピーシーズを含むことは、イオン注入によりスピーシーズを導入することを備えることができる。導入されたスピーシーズは、仕事関数調整要素である。イオン注入でスピーシーズを導入することは、誘電性層の特定位置にレジスト層を設けること、及びそのレジスト層によってカバーされない領域へのイオン注入を実行することを含む。
【0012】
本発明の実施形態に係る方法は、半導体デバイスの仕事関数をさらに調整するため、プレ及び/又はポストキャッピング層堆積窒化条件を調整することを備えることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る方法では、キャッピングは、DyOによって実行可能である。そのようなDyOキャッピング層は、選択的なウェットエッチングによって除去可能である。この選択的なウェットエッチングは、低pHのHCl系溶液によって実行可能である。上記選択的なウェットエッチング溶液のpH値は、5未満が可能であり、より好ましくは2と4の間である。
【0014】
本発明の実施形態に係る方法では、ゲート電極は、FUSI電極であってもよい。
【0015】
第2態様において、本発明の実施形態は、DyO層を除去する方法を提供し、その方法は、選択的なウェットエッチングを行なうことを含む。その選択的なウェットエッチングは、HCl系溶液によって実行可能である。有利なことは、そのようなHCl系溶液は、DyO層、その中でもHfSiON又はSiON層の方に選択的にエッチングすることを可能にすることである。
【0016】
第3態様では、本発明は、第1のタイプの半導体デバイス及び第2タイプの半導体デバイスを備えた、2仕事関数半導体デバイスを提供する。各半導体デバイスは、
−基板上のゲート誘電体、及び
−ゲート誘電体上のゲート電極、を備え、
ここで、第1タイプの半導体デバイスのゲート電極は、第2タイプの半導体デバイスのゲート電極と一体的に堆積され、したがって、同じ特性、例えば同じ材料、同じ厚さなど、を有し、また、第1タイプの半導体デバイスのゲート誘電体は、同じ基材で作製されるが誘電性層と電極との間の界面で異なるスピーシーズを含んでいる第2タイプの半導体デバイスのゲート誘電体と異なる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、特別な実施形態に関して、図面を参照して記載される。しかしながら、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は、単に模式的なものであり、限定するものではない。図面では、構成要素のうちのいくつかのサイズは、図示のために拡大され、実際の寸法にて描かれないことがある。寸法及び相対的な寸法は、本発明の実施への実際の縮小とは対応していない。
【0018】
さらに、明細書及び特許請求の範囲において、第1、第2、第3のような用語は、類似の構成要素間での区別のために使用され、ランキングや他の方法において、順番を一時的に、空間的に記述するのに必ずしも必要ではない。そのように使用された用語は、適切な状況の下で交換可能であり、また、ここに記載された本発明の実施形態は、ここに記載された又は図示された以外の他の順序において操作可能であるということが理解されねばならない。
【0019】
さらに、明細書及び特許請求の範囲において、上部、底部、上方、下方、及びそれに類似する用語は、描写的な目的のために使用され、相対的な位置を記述するために必ずしも必要ではない。そのように使用された用語は、適切な状況の下で交換可能であり、また、ここに記載された本発明の実施形態は、ここに記載された又は図示された以外の他の配向において操作可能であるということが理解されねばならない。
【0020】
特許請求の範囲にて使用される「備える」の用語は、それ以後に列挙された手段に限定されるように解釈されるべきでないということに注意すべきである。即ち、それは、他の要素又はステップを排除するものではない。それは、記載された特徴、整数、ステップ、又は構成部分の存在を言及されるように明示するように解釈されるべきであり、一つ若しくは複数の他の特徴、整数、ステップ、又は構成部分、あるいはそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「手段A及びBを備えるデバイス」の表現の範囲は、構成部分A及びBからだけ成るデバイスに限定されるべきではない。本発明に関して、デバイスに関連する構成部分のみがA及びBであるということを意味する。
【0021】
同様に、また特許請求の範囲にて使用される「連結された」の用語は、接続だけに関するものに制限されると解釈されるべきではない。用語「連結された」及び「接続された」は、それらの派生語と共に用いられることがある。これらの用語が互いに同意語として意図されないことが理解されるべきである。したがって、表現「デバイスBに連結されたデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接に接続されるデバイス又はシステムに限定されるべきでない。それは、他のデバイス又は手段を含む経路であることができるAの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「連結された」は、2つ以上の要素が直接に物理的又は電気的に接触することを意味することができ、あるいは、2つ以上の要素が互いに直接に接触するのではなく、さらに互いに協働し相互作用することを意味することができる。
【0022】
本明細書を通して記載した「1つの実施形態」又は「実施形態」は、実施形態に関連して記載された特別な特性、構造、特徴が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書の全体にわたり様々な箇所に記載の「1つの実施形態において」又は「実施形態において」の表現は、必ずしも同じ実施形態を参照していないが、同じ実施形態を参照していてもよい。更に、特別な特性、構造、特徴は、この開示から当業者に明らかなように一つ以上の実施形態において、いずれかの適切な方法で組み合わせられることができる。
【0023】
同様に、本発明の典型的な実施形態の記述では、発明の種々の特徴は、開示を合理化し、一以上の種々の創造性のある態様の理解を援助する目的のため、一つの実施形態、図、又は記述において、時々、グループ化されることを認識すべきである。しかしながら、開示の方法は、クレームされた発明が各請求項で明らかに詳述されるよりも多くの特徴を必要とする意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、創造性のある態様は、一つの先に示された実施形態のすべての特徴よりも少ないところにある。したがって、詳細な説明に従う請求項は、それにより、本発明の別個の実施形態としてそれ自身で主張する各請求項と共に、この詳細な説明に明らかに組み入れられる。
【0024】
更に、ここに記載された幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれた他の特徴ではない幾つかの特徴を含んでおり、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であり、かつ技術の当業者によって理解されるように、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の請求項において、クレームされたいずれの実施形態も、いずれの組み合わせの中でも用いることができる。
【0025】
更に、幾つかの実施形態は、方法、又はコンピュータシステムのプロセッサ又は機能を実行する他の手段によって実行可能な方法の要素の組み合わせとして、ここに記載される。したがって、そのような方法又は方法の要素を実行するための必要な指示を備えたプロセッサは、上記方法又は方法の要素を実行するための手段を形成する。更に、装置の実施形態における、ここに記載された要素は、本発明を実行する目的の要素により実行された機能を実行するための手段の一例である。
【0026】
ここに提供される記述では、多数の特定の細部が述べられている。しかしながら、本発明の実施形態は、それらの特定の細部なしで実行可能であることが理解されよう。他の例では、公知の方法、構造、及び技術は、この記述の理解を不明瞭にしないために詳細には示されていない。
【0027】
本発明は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明によって記載される。本発明の他の実施形態は、本発明の真の思想又は技術的な教えから逸脱せずに当業者の知識により形成可能であることは明らかである。ここで、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【0028】
本発明の実施形態では、用語「基板」は、使用可能な、あるいはデバイス、回路又はエピタキシャル層が形成される、いずれの基礎をなす一つ若しくは複数の材料を含むことができる。他の実施形態では、この「基板」は、例えば不純物添加シリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウムリン(InP)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)基板のような、半導体基板を含むことができる。上記「基板」は、例えば半導体基板部分に加えて、SiO2又はSi3N4層のような絶縁層を含むことができる。したがって、基板の用語は、また、シリコン・オン・ガラス、シリコン・オン・サファイア基板を含んでいる。用語「基板」は、対象の層又は部分の下にある層用の要素を一般的に定義するために使用される。また、「基板」は、層、例えばガラスや金属層が形成される他のいかなるベース材であってもよい。
【0029】
基板、例えば、半導体基板(10)は、2つの異なった領域(N−MOS領域I、及びP−MOS領域II)を備え、露出した表面を有する。半導体基板(10)の露出表面は、少なくとも2つの異なった半導体材料の領域を備え、その領域(IとII)は互いに分離されている。それらの領域(IとII)は、能動的な領域として一般的に知られ、一方、それらの間の分離部は、表面絶縁(LOCOS)又は浅溝型素子分離(STI)として典型的に知られている。p型の能動的な領域として典型的に知られている1つのタイプの領域(I)では、N−MOS型トランジスタが形成され、一方、n−タイプの能動的な領域として典型的に知られている別のタイプの領域(II)では、P−MOS型トランジスタが形成されることになる。基板の露出表面上には、図1及び図9に示されるように、ホスト・ゲート誘電体(11)が堆積される。ホスト・ゲート誘電体(11)は、例えばSiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;両層(HfO2/SiO2のような)、又はHfZrO、HfZrSiO、HfLaO、HfLaSiOのような3成分の誘電体が可能である。
【0030】
1つのタイプの基板領域は、任意に、図2及び図10に示されるようなフォトレジスト(12)で覆われていることがある。典型的な実施形態では、領域(I)は、図1〜図8により示された実施形態において感光層(12)で覆われ、一方、別の領域タイプ(II)は、露出したままである。しかしながら、ゲート誘電体の選択に依存して、及び、例えばゲート誘電体や、ゲート誘電体とゲート電極との間の中間層又は両方の組み合わせにおけるイオン注入である、トランジスタ・ゲートの仕事関数を調節する方法の選択に依存して、別のタイプの領域(II)をカバーすることを選択したり、及び図9〜図16に図示される実施形態で示されるように露出した1つの領域(I)を有することを選択したりすることができる。
【0031】
次に、露出した領域(II、I)のホスト・ゲート誘電体は、図3及び図11に示されるように、選択された埋め込みスピーシーズ(13)が埋め込まれる。優先的に、NMOS用のイオン注入スピーシーズは、ランタノイド元素(Yb、La、Dy、Er、Gd、Scなど)、又はP、As、Sbや、(Yb+P)のようなこれらの化合物のようなドーパントの一つを含むことができる。PMOSに関し、イオン注入スピーシーズは、Al、O、Ru、Pt、W、Mo、B、又は(Al+B)のようなその組み合わせを含むことができる。
【0032】
埋め込み後、他方の領域(I、II)における他方の誘電性層と比べて変更された電気的特性(14)を有する一方の領域(II、I)における誘電性層を残して、図4及び図12に示すように、レジスト(12)が除去される。
【0033】
次に、図5及び図13に示すように、高kのキャップ層(15)が両方のタイプの領域(I、II)、つまりホスト誘電性層(11)及び変更されたホスト誘電性層(14)の両方の上に任意に堆積可能である。高kのキャップ層は、誘電率がSiO2の誘電率よりも高い、つまり4を超える層である。そして高kのキャップ層(15)は、例えば図6及び図14に示されるようなパターン化されたフォトレジスト・マスク(16)、並びに、図7及び図15に示されるような選択的なウェットエッチング工程を用いることによって、変更されたホスト誘電性層で覆われた領域(II、I)から選択的に取り除かれる。
【0034】
図8及び図16は、フォトレジスト(16)の除去後の、最終のゲート誘電性スタックを示す。高kのキャップ層(15)の選択的ウェットエッチング及びフォトレジスト(16)除去の両方は、ゲート誘電体を完全に保全するようなゲート誘電体処理に対する強い要求に合うように選択され、それによってその誘電性特性は実質的に保持される。これらの処理工程は、別の実施形態でより詳しく説明する。
【0035】
最終ゲート誘電体スタックの準備後に、最終ゲート誘電体スタックの上部にゲート電極が設けられる。本発明の実施形態に従い、ゲート電極は、第1及び第2領域における両方のゲートスタック上に一体的にそれぞれ設けられ、それによって、同じ特性、例えば同じ電極材料、同じ電極厚さなど、を有するゲート電極が提供される。
【0036】
ゲート仕事関数を調整するためのさらなる3つの方法は、N−MOS及びP−MOS型トランジスタ用の同じゲート電極材料を備えたCMOSデバイスを形成するときに、本発明の実施形態に従って開示される。これらの方法は、それ自身又は組み合わせて用いることができる。
【0037】
(1) ホスト・ゲート誘電体へのイオン注入による仕事関数調整
ホスト・ゲート誘電体(11)への埋め込み(13)は、図3及び図11におけるように、ゲート電極、例えば多結晶シリコン又は金属ゲート電極のような半導体ゲート電極を形成する前に実施可能である。
【0038】
又は、図17及び図19に示すように、埋め込み(13)は、パターン化されていないゲート電極によって行うことができる。このことは、埋め込みは、ゲート電極形成の前又は後に実行可能であることを意味する。後者の場合、ゲート電極(17)は、単一の電極材料層、例えば半導体材料又は金属から成ることができるか、又は、金属を有するポリシリコンあるいは第2金属を有する第1金属のようなスタック層を備えることができる。後者の場合、ホスト・ゲート誘電体(11)へゲート電極(17)を介しての埋め込みは、スタックの第1層がホスト・ゲート誘電体上に堆積された後、又は複数の層、つまり全ゲート電極スタックが堆積された後、処理可能である。
【0039】
ゲート電極は、ポリシリコン・ゲートのような半導体ゲート、低い埋め込みエネルギーが使用されたときでも埋め込まれたスピーシーズ(13)がホスト・ゲート誘電体(11)に到達可能であるような低い埋め込み阻止能を有する金属ゲート、MIPS(ポリシリコン+金属ゲートスタック)、完全にシリサイドされた(FUSI)ゲート、又はN−MOS及びP−MOS上のこれらの異なったゲート電極の組み合わせであってもよい。
【0040】
ホスト・ゲート誘電体(11)のイオン注入による仕事関数の調整方法は、また、例えば、高品質ホスト・ゲート誘電体(11)の誘電特性が後で修正されながら、厚いホスト・ゲート誘電体(11)が良好な電気的特性を有して形成可能であるように酸化膜換算膜厚(EOT)を調整することに関して良好な方法を提供する。
【0041】
フォトレジストがイオン注入プロセス(13)の間、保護マスクとして用いられる。フォトレジストを除去した後、ポスト・イオン注入アニールが好ましくは必要である。このアニール・ステップは、複数の目的を有している。即ち、1)Vt調整のためのターゲットとされた場所へ埋め込むスピーシーズを飛ばすこと。この場所は、ホスト・ゲート誘電体(11)、又はゲート電極とホスト誘電体(11)との界面のどちらかであり得る。2)新しいゲート誘電体(14)(図4、図12、図18及び図20におけるように)の形成を容易にすること。3)イオン注入後にゲート誘電体(14)中の可能な破損を修理すること。
【0042】
(2) ホスト・ゲート誘電体とゲート電極との間の高kの誘電性キャップ層を用いることによる仕事関数調整
キャップ層(15)は、選択的に堆積するか、又はNMOS(I)又はPMOS(II)領域からそれぞれ選択的に取り除くことができる。適切な熱の蓄え(例えば結合スパイク又はレーザー・アニールによって供給された)の下では、キャップ層は、混合誘電体を形成するためにホスト誘電体と相互に作用することができるか、又はホスト誘電体と混ざらないことを示すことができる。キャップ層は、また、電極材料と反応することがある。
【0043】
キャップ層は、NMOS用の、La系酸化物(YbO、DyO、LaO、ErO、GdO)又はScO、及びPMOS用のAlOからの酸化物であることができる。DyScOのような3元素、又はSiあるいはN混合物(DyScON)との化合物のような4元素の酸化物もまた考えられる。
【0044】
電極は、ポリシリコンゲート、金属ゲート、MIPS(ポリシリコン+金属ゲートスタック)、十分にシリサイド化された(FUSI)ゲート、又は、N−及びP−MOS上の異なるゲート電極の化合物のいずれか一方であることができる。又、方法は、EOTスケーリング用の良好な方法も提供する。
【0045】
ホスト・ゲート誘電体は、SiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;二重層(HfO2/SiO2のような)、又は、HfZrO HfZrSiOのような三元素誘電体であることができる。
【0046】
(3) FUSI形成前のゲート電極におけるイオン注入による仕事関数調整
半導体ゲート電極へのイオン注入を用いることにより、またFUSIプロセス間の熱サイクル及びスノープロー効果の両方と結合されることにより、埋め込まれたスピーシーズは、これらのスピーシーズがホスト・ゲート誘電体(11)と反応するか、又はゲート電極とホスト・ゲート誘電体との間の界面を修正する部分である、ゲート電極とホスト・ゲート誘電体(11)との間の界面の方へ押される。半導体材料とシリサイド形成金属間の反応により金属合金を形成することにより完全にシリサイド化されたゲート電極を形成するとき、半導体ゲートに埋め込まれたスピーシーズは、反応しない半導体材料と比較して、形成された金属合金において低い可溶性を呈する。したがって、埋め込まれたスピーシーズは、形成された金属合金の前に移動される。この現象は、スノープロー効果として知られている。
【0047】
FUSIゲート形成は、Ni、Co、Pt、NiPt、NiYbの金属のうちの1つとポリSi(a−Si、Si、SiGe、Ge)、又はドープしたポリSi(a−Si、Si、SiGe、Ge)の反応を通じて起こる。
【0048】
優先的に、NMOS用のイオン注入スピーシーズは、ランタニド元素(Yb、la、Dy、Er、Gd、Scなど)、又はP、As,Sbのようなドーパントの一つや、(Yb+P)のようなそれらの組み合わせを含むことができる。PMOSに関し、イオン注入スピーシーズは、Al、O、Ru、Pt、W、Mo、B、又は(Al+B)のようなそれらの組み合わせを含むことができる。
【0049】
ホスト・ゲート誘電体は、SiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;二重層(HfO2/SiO2のような)又はHfZrO、HfZrSiO、HfLaO、HfLaSiOのような三元素誘電体であることができる。
【0050】
例
さらに、2つの誘電体層を用いて、つまりN−MOS及びP−MOS型トランジスタ用の異なるゲート誘電性層をそれぞれ形成することによりCMOS FETを作製するため、上述の仕事関数調整方法を用いることによるいくつかの特定の完成方法を開示する。
【0051】
方法1:NMOS上のキャップ層(15)及びPMOS上のイオン注入(13)
方法1は、図1〜8に示されている。図1では、ホスト誘電体(11)層は、2つの異なる領域、つまり(I)NMOS及び(II)PMOSを備える半導体基板(10)上に堆積される。半導体基板は、例えばSi、SiGe、SOI、Ge、及びIII−V材料のいずれかであることができる。方法は、プレーナ型又はFinFETの構造のいずれかを有するトランジスタの生産に適用することができる。
【0052】
ホスト誘電体(11)は、例えばSiON、HfSiON、HfO2、HfSiO、ZrO2、HfZrO、HfLaO、HfLaSiOのうちの一つであることができる。特別の実施形態では、ホスト誘電体(11)は、1〜20Å間の厚さを有する、薄いSiON層である。
【0053】
PMOS領域用のイオン注入スピーシーズ(13)は、Al又はOであることができる。後の処理において、高kのキャップ層(15)がNMOS領域(I)上に形成されるならば、ゲート電極の選択に依存して、イオン注入は、選択されなくてもよい。
【0054】
高kのキャップ層(15)は、ホスト誘電体(11)の上部に堆積され、その後、PMOS領域(II)から選択的に除去される。高kのキャップ層(15)は、次の酸化物DyO、ScO、LaO、YbO、DyScO、DyYbO、DyLaOのうちの一つであることができる。
【0055】
シングル・ゲート電極アプローチでは、N−MOS及びP−MOS型トランジスタの両者のゲート電極は、一体的に作製され、よって、同じ特性を有する。即ち、上記ゲート電極は、例えば、とりわけ、ポリシリコン、アモルファス・シリコン、SiGe、NiリッチなFUSI、次の金属窒化物(TiN、TaN)、金属炭化物/炭素窒化物(TaC、TaCN)、金属酸化−(炭化)窒化物(TaCNO、MoON、WON)の一つ、又はMIPS(上部にポリシリコン・キャップ層を備えた上記の金属電極のうちの一つ)であり同じ厚さを有するような、同じ材料から作製される。
【0056】
熱的焼きなましに際して、NMOS領域(I)上の最終誘電体は、キャップ層(15)とホスト誘電体(11)間の混合、又は2つの特殊な層から成るスタックのいずれかであることができる。
【0057】
方法2:PMOS上のキャップ層(15)及びNMOS上のイオン注入(13)
方法2は、図9〜図16に示されている。図9では、ホスト誘電体(11)層は、2つの異なる領域、つまり(I)NMOS及び(II)PMOSを備える半導体基板(10)上に堆積される。半導体基板は、例えばSi、SiGe、SOI、Ge及びIII−V材料のいずれかであることができる。方法は、プレーナ型又はFinFETのいずれかの構造を有するトランジスタの生産に適用することができる。
【0058】
ホスト誘電体(11)は、例えばSiON、HfSiON、HfO2、HfSiO、ZrO2、HfZrO、HfLaO、HfLaSiOのうちの一つであることができる。特別な実施形態では、ホスト誘電体(11)は、1〜20Å間の厚さを備えた薄いSiON層である。
【0059】
NMOS領域(I)用のイオン注入スピーシーズ(13)は、Yb、La、Dy、Er、Gd、Sc、P、As、Sbのうちの一つであることができる。高kのキャップ層(15)が後の処理においてPMOS領域(II)上に形成されるならば、ゲート電極の選択に依存して、埋め込みをしないことが選択可能である。
【0060】
ホスト誘電体(11)の上部に堆積され、NMOS領域(I)から選択的に除去される高kのキャップ層(15)は、AlO若しくはAlN、又はAlONのようなそれらの組み合わせであることができる。前の処理の間に、NMOS領域(II)におけるホスト・ゲート誘電体(11)に埋め込みが行なわれるならば、ゲート電極の選択に依存して、キャップ無しが選択可能である。
【0061】
シングル・ゲート電極アプローチでは、N−MOS及びP−MOS型トランジスタの両者のゲート電極は、一体的に作製され、よって、同じ特性を有する。即ち、上記ゲート電極は、例えば、とりわけ、ポリシリコン、アモルファス・シリコン、SiGe、NiリッチなFUSI、次の金属窒化物(TiN、TaN)、金属炭化物/炭素窒化物(TaC、TaCN)、金属酸化−(炭化)窒化物(TaCNO、MoON、WON)の一つ、又はMIPS(上部にポリシリコン・キャップ層を備えた上記の金属電極のうちの一つ)であり同じ厚さを有するような、同じ材料から作製される。
【0062】
熱的焼きなましに際して、PMOS領域(II)上の最終誘電体は、キャップ層(15)とホスト誘電体(11)間の混合、又は2つの特殊な層から成るスタックのいずれかであることができる。
【0063】
方法3:PMOS上のキャップ層(15)及びNMOS上のキャップ層(15’)
方法1及び方法2の組み合わせである第三の方法も提供される。この方法は、方法1でのようなNMOS領域(I)用の第1の高kキャップ層を使用し、かつ方法2でのようなPMOS領域(II)用の第2の、異なった、高kキャップ層を用いる。この実施形態では、キャップ層は、NMOS(I)及びPMOS(II)領域に選択的にそれぞれ形成される。これは、第2キャップ層を堆積し、他の領域、例えばPMOS(II)における第1キャップ層からこの第2キャップ層を選択的に除去した後、例えば、第1キャップ層を堆積し、一方の領域、例えばNMOS(I)から選択的にこの第1キャップ層を取り除くことによって行うことができる。この実施形態では、埋め込みは用いられず、対象とされる仕事関数は、NMOS(I)及びPMOS(II)領域用の2つの異なるキャップ層を用いることによりそれぞれ得られる。
【0064】
基板、ホスト誘電体(11)、キャップ層(15)及びゲート電極に関する材料選択は、方法1及び方法2によるものである。
【0065】
単一のFUSIゲート電極 −2つの誘電体プロセス完成の流れ
特別の実施形態では、CMOS完成用の単純化された方法を記載する。この方法は、高機能な応用例(低Vt)を含めて、広いVt範囲に適している。この方法は、NMOSデバイス上のホスト誘電体層の上部の高kキャップ層、及びNMOS及びPMOSデバイスの両方に同時に形成された単相のNiリッチのFUSI電極を使用する。
【0066】
該方法は、ホスト・ゲート誘電体上に薄い高kキャップ層(例えば、DyO、ScO、LaO)の使用により、低Vtのn−タイプ電極もNiリッチのFUSIで達成可能であるように仕事関数(WF)が調整可能であるという利点がある。ホスト・ゲート誘電体は、例えばSiO2、SiON、又はHfSiONのような高k材料のうちの一つであってもよい。高kを有する誘電体は、SiO2の誘電率、つまり4より高い誘電率を有する誘電体を意味する。そのような高kの誘電体の誘電率は、好ましくは10〜40の範囲、好ましくは15〜30の範囲である。
【0067】
NMOSデバイス上のDyOキャップ層、及び単相のNiリッチなFUSIゲート電極を用いた実施形態の結果が以下に示される。
【0068】
提案されたCMOS完成のフローでは、高kのキャップ層15は、図1〜図8に示すようにPMOSデバイスから選択的に取り除かれ、NiリッチのFUSI相は、後でNMOS及びPMOSのデバイス用に同時に形成される。高kキャップ層の選択的な除去、及び後のフォトレジストの除去は、本発明の別個の実施形態の目的をなす。
【0069】
さらに、ゲート仕事関数調整(NiリッチのFUSIゲート電極を備えたp又はn型のデバイスのための)は、例えばPMOS用のAl又はNMOS用のP/Ybのようなキャッピング層によりカバーされていないデバイスの誘電体層への仕事関数調整要素の埋め込みによって達成することができる。プレ又はポストの高kキャップ堆積窒化条件調整は、また、仕事関数をさらに調整するために使用可能である。
【0070】
NMOS及びPMOSデバイスの両方のための単相のFUSI(Niリッチ)ゲート電極のさらなる利点は、2重相のFUSI CMOSスキームが用いられるときに、NMOSゲート電極とPMOSゲート電極との間の境界での電位問題を排除することである。シリサイド相で、特別な金属シリサイドの所定のタイプ、即ち、金属リッチな(シリコンがプア)又は金属プアな(シリコンがリッチ)シリサイドが示される。2重相のFUSIの場合、NiSi(NMOS)とNiリッチな(PMOS)ゲート電極との間の界面領域の長さは、非常に高密度の応用例に関するものでありえる。本発明の実施形態のように、NMOS及びPMOSの両方に関する単相FUSI電極の場合、この界面問題が解決される。
【0071】
NMOS及びPMOSの両者用のNiリッチな相FUSIの使用は、また、FUSI CMOS完成プロセス用のより高いプロセスウインドウへ我々を導き、よって、生産可能性のさらなる利点となる。
【0072】
実験
NiSi又はNi31Si12 FUSIゲートを備えた短いチャネルn−FETデバイスがセルフアラインCMPに基づくアプローチを使用して製造された。最適化されたMOCVD HfSiON(2.3nm)又は熱SiON(2nm)は、ホスト誘電体として堆積された。その後、極めて薄いDyOキャップ層(5Å)が550℃でDy(EDMDD)3及びO2先駆物質を用いて、AVD(登録商標)によって堆積された。SiO2表面(3〜7nm)をエッチングした傾斜を備えたMOSCAPは、5又は10ÅのDyOを有する両方のNiSi又はNi2Si FUSIのeWFを評価するために用いられた。
【0073】
DyOキャップ層を備えたHfSiON
VfbとEOTとのプロット(図26)から、DyOキャップ層で、HfSiON上のNi FUSIの有効なWFが、DyO厚さ及びNiシリサイド相に依存して、Si伝導帯エッジの方へ調整されることが理解可能である。図27では、FUSI/DyO/HfSiONゲートスタックのXTEMは、完全なデバイス製造後、HfSiONとDyOとの間で十分に混ざることを示す。高周波キャパシタンス電圧(HFCV)測定(図28)を用いて、HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体の厚さTinvがそれぞれ約1.72nm又は1.75nmであるとわかる。動作状態のよい短いチャネルデバイス(Lg=100nm)ドレイン電流に対するゲート電圧(Id−Vg)カーブは、NiSi FUSI電極を備えたHfSiON及びDyO/HfSiONデバイスの両方に関して約70mV/Decの良好なサブトレショールド傾斜(SS)とともに図29に実証されている。さらに、両デバイスは、それらの良好な短チャネル効果を提案する同様のドレイン誘起電位障壁低下(DIBL)値(〜65mV/V)を示す。DyOキャップを利用することは、それらのCVデータ(図28)に対応して、300mVの、NiSi FUSIデバイスの閾値電圧(Vt)低下に帰着することが観察されている。図30では、DyO/HfSiONスタックを備えたデバイスは、基準のHfSiONデバイスへ同様のVtロールオフ特性を維持する。NiSi/DyO/HfSiONスタックを備えた長いチャネルデバイス(チャネル長Lg=1μmを備えた)のVtは、0.22Vであり、低Vt要求を満たしている。
【0074】
NiリッチのFUSIは、特にHfSiON上でその高い仕事関数(WF)により、良好なpFET電極の候補であることはよく知られている。よって、図30において、5ÅのDyOキャップ層を有するNi21Si12FUSI nFETsのVtは、NiSi FUSIのそれよりも約30mV低くなるように生産されることに注目することは興味がある。同じ図において、1nmのDyOキャップを用いる場合、Ni2Si FUSI nFETのVtは、約0.35Vであることが予想される。N又はFのチャネル埋め込みと組み合わせて、このデータは、単相のNi2Siゲートを用いて、低Vt FUSI/HfSiON CMOSを実現するための可能性を実証する。図31では、HfSiON上でDyOキャップを様々なLgを備えたすべてのデバイスに用いるときに、可動性又はゲートリーク(転換)の低下は、観察されない。
【0075】
DyOキャップ層を備えたSiON
DyO/SiONのXTEM(図32)は、完全なデバイス製作の後に、新しいDySiONケイ酸塩形成を提案する。DyOキャップを用いたSiON上のNi FUSIのWFを低下させるWFの範囲は、キャップ厚さ及びシリサイド相(図32の挿入図)に依存する。nFETs(図33)のHFCVから、DyOキャップは、HfSiONの場合に対比して、約0.8ÅまでSiONの厚さTinvの低下を導くということに注目するのは興味がある。図34から、DyOキャップは、そのわずかに薄い厚さTinvにかかわらず、SiON(〜150xまで)と比較して、ゲートリークJG(@Vdd=1.1V)を著しく減少することが理解できる。図35から判るように、DyOキャップは、基準のSiON nFETsと比較して、閾値電圧(Vt)ロールオフ特性を低下させない。5ÅのDyOキャップでは、nFETのVt、NiSi/Ni31Si12 FUSIゲートを備えたlinは、それぞれ0.18V/0.38Vである(チャネル長Lg=1μm)。図32を考慮すると、1nmのDyOキャップ及びNi2Si FUSIゲートを備えたデバイスのVtは、約0.28Vになると予想される。p−FET用のAlのプレドーピング、又はN/F埋め込みチャネルのプロセスを組み合わせて、このデータは、単一相Ni2Siゲートを使用した低Vt FUSI/SiON CMOSを実現することが実行可能であることを示している。
【0076】
高kキャップ層の選択的なウェットエッチング
この実施形態では、HfO、HfSiONx、HfDyOx、HfScOxのような下にあるホスト誘電体の方へDyO又はDyScO系のキャップ層を選択的に除去することができるウェットエッチング溶液が提案されている。ランタニド元素(LaOを含む)からの同様の酸化物は、提案された溶液で同様に選択的に除去可能であろう。
【0077】
選択的な除去プロセス用の保護マスクとして、異なる材料が選択可能であろう。この特定の実施形態では、フォトレジストは、残っているキャップ層(15)及び露出したホスト誘電体(11、14)の両方へ良好な選択性で除去されることから、フォトレジストが保護マスクとして用いられる。
【0078】
高kキャップ層(15)は、ホスト誘電体(11)の上部に堆積される。このように、基板(10)の全体は、高kキャップ層で覆われる。フォトレジスト(16)は、標準の方法でコートされる。その後、レジスト(16)は、高kキャップ層(15)上で、例えばDyOが後に除去されるべきウエハの領域から取り除かれる。残っているレジストは、DyOキャップ層(15)エッチング/除去用の保護マスクとして用いられる。DyO除去の化学的作用は、非常に小さな厚さの変化がk値における大きな変化をもたらす場合があるので、キャップ層(15)へのレジストパターンの良好な形成/移動が保証されかつ下にあるホスト誘電体層(11)の方へ選択的になされるように、フォトレジスト(16)保護マスクをそのままにするように選択される。DyOの除去後、パターン化されたレジスト保護層(16)は、除去されるべきである。このレジスト除去のプロセスは、ホスト誘電材料(11)及び高kキャップ層(15)に選択的になるように選択される。
【0079】
高kキャップ層(DyO)除去
特定の実施形態では、HfO2、HfSiO、HfSiON、又は同様の高k層からDyO系のキャップ層(15)(図21を参照)を選択的に取り除くために、低pH溶液が使用される。図17は、酸性化された溶液において、DyO、DyScO及びLaOのエッチング速度を示す。
【0080】
希釈されたHCl溶液のような酸は、評価された。しかしながら、ここに記載された実施形態は、HCl系の溶液の使用に制限されない。HNO3、H3PO4、H2SO4、HBr、酢酸、ギ酸、プロピオン酸のような他の希釈された酸を用いることができる。
【0081】
概念を実証するために用いられるHCl稀釈の例としては、水9にHCl1の割合である。これは、約3.6 w/w%、つまり約1.2M(mol/l)の濃度、又は約0のpHを意味する。より広い濃度範囲が有益であり、pH範囲は、pH0〜pH5であり、より好ましくはpH0〜pH4である。実験では、温度は25℃であったが、他の温度もまた使用可能である。低い温度は、反応速度を減少させる可能性があり、一方、高い温度は、高kキャップ層の除去を加速する。
【0082】
DyO除去の実験は、ビーカー、及び市販の単一のウエハー・スプレー・ツール中で行われた。しかしながら、その方法は、これらのツール・タイプ又はカテゴリーに制限されるものではなく、バッチ・スプレー・プロセッサー、又は再循環槽もまた使用可能であろう。
【0083】
希釈されたHFは、DyO(もし他の酸と組み合わせが必要ならば)を除去するために使用可能であるが、これは、レジスト ハードマスクのパターンの完全な損失を引き起こす可能性があり、Hf系の高k材が使用されたならば、下にあるホスト誘電体を攻撃することから、本発明の実施形態による完成アプローチの中で用いることはできない。HCl及びHF/HCl(0.03M/1.2M)の溶液は、DUVレジストとのそれらの互換性に関する単一のウエハー・ツール上でチェックされる。図22は、HCl及びHF/HCl化学的作用でのDUV(遠紫外線)レジストの互換性を示す。図18(a)は、非処理のレジスト特性、つまりリソグラフィーパターニング後で、ウェットエッチング腐食液にさらす前のSEMの断面を示し、図18(b)は、HF/HCl処理されたレジスト特性を示し、図18(c)は、HCl処理されたレジスト特性を示す。HF/HClプロセスの後、レジストパターンの損失が観察されることは明らかである。SEMの平面で、検査も行なわれており、同じ結果であった。これは、エッチング混合物としてのHFの制限された使用を示している。
【0084】
図23は、DyO除去のエッチング速度を要約している。エッチング速度実験は、25℃の温度で、HCl(3.6w/w%)で、単一のウエハースピンプロセッサー・ツールで行なわれた。方法の順番は、希釈されたHCl(dHCl)への露出、水でのすすぎ、回転乾燥だった。観察されるように、DyO層は、dHCl内で容易に除去される。エッチング速度は、比較的高い。また、図17に示されるデータから認識可能なように、より薄められたHClは、より信頼でき、より製造可能な値へエッチング速度を減少させるであろう。
【0085】
DyOを除去するために用いられる溶液は、ホスト誘電体層を実質的にそのままにしておくべきである。異なるホスト誘電体層(HfO2、HfSiON、SiON)は、25℃の温度で、希釈されたHCl(3.6w/w%)溶液にさらされた。その結果は、図24に要約されている。テストされたホスト誘電体層は、本質的にふれられず、その結果、表1に要約されるように優れた選択性となる。
【0086】
表1: 3.7w−%のHCl溶液及びフォトレジスト ハードマスクを用いて異なるホスト誘電体への高kキャップ層除去の選択性。
【0087】
【表1】
【0088】
図36は、選択的なDyOキャップ除去後にnFETsを、基準ウエハ(つまりいずれの選択的なウェットエッチングプロセス無しに新たなHfSiON又は新たなDyO/HfSiONを備えたnFETs)と比較することにより、同様のVfb及びTinv変化を示している。2つのゲート誘電体を有するnFETsに関して、図37は、DyOキャップ層により約180mVのVt低下を示し、これは、CVデータ(図36)と一致している。
【0089】
フォトレジスト除去
非常に低いpHを有するので、業界基準のSPM清浄液は、用いることができない。上述から判るように、これは、このステップで望まないDyOを除去するのに理想的である。
【0090】
中性又はアルカリ性の水性ストリッパ、又は非水性のストリッピング溶液が好ましくは用いられる。中性又はアルカリ性pHの水性ストリッピング溶液の場合、酸化成分は、フォトレジストを酸化させて、かつそれを可溶性にするのに存在する必要がある。本発明の実施形態では、有機系の溶剤ストリッパの使用を主張する。レジストは、多くの溶剤に溶解可能であり、仮のリストを含むが、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブタノール、アセトニトリル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、N−エチルピロリドン(NEP)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロフルフリラルコール(THFA)に限定されるものではない。
【0091】
そのようなレジストストリッパ調剤は、市販されている(例えばFujifilmからのMicrostrip 2001)。本発明では、例としてこのレジストストリッパ調剤が使用され、ビーカー内で希釈されずに調整され、80℃に加熱された。高温での他のアプローチが恐らく同様に可能であろう。用いられる順番は、Microstrip 2001へ浸し、10分の水でのすすぎ、及びMarangoniによる乾燥だった。
【0092】
SEMの平面で、レジスト除去速度が検査され、レジストは1分以内で完全に除去されることが観察された。プロセスウインドウを確立するため、ホスト誘電体と高kキャップ層のこの化学作用での互換性が検査された。80℃でのMicrostrip 2001(ビーカー調整)に関する結果は、図25に示されている。20分の時間枠では、テストされたいずれの層においても、厚さの低下(損失)はほとんど観察されない。レジスト除去が1分未満にて達成されることから、このことは、ホスト誘電体又は高kキャップ層を損傷することなく、レジストの十分な過剰エッチングを可能にする。
【0093】
レジスト除去は、静的なタンク内で行われるが、再循環槽内でも可能であり、単一ウエハ又はバッチスプレープロセッサで行われる。レジストの洗浄効率を向上させるため、メガソニック放射又は流体ジェットスプレー(例えば、Nano Spray −ナノ組織材料の熱スプレー)によるような物理的な除去力が、レジスト除去プロセスの間、使用可能である。
【0094】
さらに、有機溶媒によるレジストの除去後、ウエハ表面からレジスト又は溶媒のいずれかから残余の汚れをさらに除去するために、追加の水性系(低又はアルカリpH)の洗浄溶液が使用可能である。そのような水性系の清浄液は、室温又は高い温度でNH4OH/H2O2/H2Oの混合物を含むことができる。これは、静的なタンク内でなすことができるが、再循環槽内でも可能であり、単一ウエハ又はバッチスプレープロセッサで行われる。レジストの洗浄効率を向上させるため、メガソニック放射又は流体ジェットスプレー(例えばNano Spray)によるような物理的な除去力が、このプロセスの間、使用可能である。
【0095】
上述の説明は、本発明のある実施形態を詳細である。しかしながら、たとえどのように詳しく説明が本文においてなされていても、本発明は、多くの方法で実施されるであろう。ある特徴、又は本発明の態様を説明するときの特別な用語の使用は、その用語が関連する本発明の態様又は特性の特定の特徴を含むことに限定されるように、その用語が再定義されているということを意味するように取られるべきではないことに注意すべきである。
【0096】
種々の実施形態に適用されるように、上述の詳細な説明が本発明の新規な特徴を示し、記載し、指摘しているが、示されたデバイスやプロセスの形態や詳述における様々な省略、代用及び変更は、本発明の精神から逸脱することなく当業者によってなされるであろうことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図2】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図3】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図4】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図5】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図6】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図7】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図8】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図9】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図10】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図11】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図12】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図13】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図14】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図15】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図16】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図17】本発明の実施形態に係る、領域II(pmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図18】本発明の実施形態に係る、領域II(pmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図19】本発明の実施形態に係る、領域I(nmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図20】本発明の実施形態に係る、領域I(nmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図21】酸性化された溶液で、特に希釈されたHClにて、DyO、DyScO及びLaOの10nm厚の層のエッチング速度をそれぞれ示す。
【図22】HCL及びHF/HCl化学でのDUVレジストの互換性を示す。図では、図18において(a)は未処理のサンプルを示し、(b)はHF/HClで処理されたサンプルを示し、(c)はHClで処理されたサンプルを示す。
【図23】SWスプレーツールにおける25°Cの温度でdHCl(3.6 w/w%)でのDyを含む酸化物の除去を示す。
【図24】SWスプレーツールにおける25°Cの温度でdHCl(3.6 w/w%)との高k層の互換性を示す。
【図25】ビーカー・セット・アップにおける80°Cでマイクロストリップ2001と高k層及び高kキャップ層の互換性を示す。
【図26】本発明の実施形態に従い、DyOで覆ったHfSiON上のNi FUSI電極の仕事関数WF(Vfb)をプロットしている。
【図27】本発明の実施形態に従い、NiSi FUSI/DyO/HfSiONゲートスタックのXTEMを示す。
【図28】DyO層キャップ層の有、無でのHfSiON上のFUSIデバイスの高周波キャパシタンス電圧(HFCV)測定の結果を示す。
【図29】短いチャネルデバイス(Lg=100nm)のためのDyOキャップ層の有無でのHfSiON n−FETのId−Vg曲線をプロットしている。
【図30】HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体を備えたn−FETに関するチャネル長(Lg)の関数としてのスレショルド電圧(Vt、sat)をプロットしている。
【図31】HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体を備えたnFETに関するチャネル長(Lg)対ゲートリーク(JG)をプロットしている。
【図32】ソース/ドレイン活性化の後、NiSi/DyO(0.5nm)/SiON(2nm)ゲートのXTEMを示す。
【図33】DyOキャップ層の有無でのnFETs NiSi/SiONのHFCV測定の結果を示す。
【図34】SiON又はDyO/SiONの誘電体を備えたnFETに関するチャネル長(Lg)対ゲートリーク(JG)をプロットしている。
【図35】SiON又はDy/SiONの誘電体を備えたnFETに関するスレショルド電圧(Vt,sat)対チャネル長(Lg)をプロットしている。
【図36】基準ウエハと、選択的なDyOキャップ層除去後の同じウエハとに関するC−V曲線間の比較をプロットしている。
【図37】ゲート電流(Ig)対2つのゲート誘電体(同じウエハー上の)を有するMIPS nFETSのゲート電圧(Vg)をプロットしている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの仕事関数を備えたCMOSデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSデバイスを作製ため、N−MOS及びP−MOS型トランジスタゲートのそれぞれに2つの明確に異なる仕事関数(WF)が必要である。このゲート仕事関数は、ゲート電極用に使用される材料により主に決定されるので、2つの仕事関数の要求は、通常、所定のゲート誘電体用の2つの異なる材料、とりわけ2つの異なる金属の使用を意味する。そのような2つの金属へのアプローチの処理フロー又は統合は、非常に扱いにくく、多くの処理工程を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明に関し、2つの仕事関数を備えたCMOSデバイスの形成方法を開示し、該方法は、処理工程数を低減した単純化された処理フローを提供する。P−MOS及びN−MOSトランジスタの両方について、ゲート電極に同じ材料を使用し、それぞれのトランジスタ・ゲートの仕事関数を調節することを提案する。これは、(1)ゲート誘電体の埋め込み、又は(2)ゲート電極とホスト・ゲート誘電性材料との間に誘電性キャッピング層の挿入、及び/又は(3)完全にシリサイドされた(FUSI)ゲート形成の前にホスト・ゲート電極の埋め込みによりなされる。本発明の実施形態は、特にFUSIゲートを有するデバイスに適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様では、本発明は、2つの仕事関数半導体デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、基板の第1領域上のデバイス、及び第2領域上のデバイスを提供することを備える。本発明の実施形態によれば、このことは、
−基板の第1及び第2の領域上に誘電性層を設けること、ここで、第1領域上の誘電性層は第2領域上の誘電性層に完全に堆積され、それゆえ同じ特性、例えば同じ材質、同じ厚さ等を有する、及び
−第1及び第2の両領域の誘電性層上にゲート電極を設けること、ここで、第1領域上のゲート電極は第2領域上のゲート電極に完全に堆積され、それ故、同じ特性、例えば同じ材質、同じ厚さ等を有する、
によってなされる。
【0005】
本発明の第一の態様の実施形態に係る方法は、さらに、
誘電性層とゲート電極との間の第1領域上にキャッピング層を設けることにより第1領域上のデバイスの仕事関数を変化させること、及び
誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことにより第2領域上のデバイスの仕事関数を変更すること、
を備える。
【0006】
本発明の実施形態の利点は、ゲート材料の選択的な除去が必要でないということである。普通の導電性、例えば金属又はFUSIのゲート電極は、nmos及びpmosデバイスの両方に使用可能である。このことは、二重相のFUSI CMOSスキーム、例えばnmos用のNiSi、pmos用Niリッチ、が使用されるとき、従来の方法に比較して、N+/P+境界での電位問題を低減又はさらに削除する。後者の場合、NiSi(nmos)とNiリッチ(pmos)とのゲート電極間の界面の長さは、高密度アプリケーションに対する関心事でありえる。nmos及びpmos両方の普通の(つまり同じ相)FUSI電極の場合、本発明の実施形態のように、この問題/関心事は解決される。更に、nmos及びpmos両方のNiリッチFUSIの使用は、FUSI CMOS統合プロセス用のより高いプロセスウインドウに導き、従ってより有利な生産能力を有する。
【0007】
本発明の実施形態に従い、仕事関数は、ゲート誘電体を適合させることにより変更される。これは、以下により詳しく説明するように、酸化膜換算膜厚(EOT)を低く維持しながら、好ましくはできるだけ低くしながら、キャッピング及び埋め込みによりなすことができる。このEOT要求は、何も堆積又は埋め込みができないことを意味する。
【0008】
本発明の実施形態では、第1領域上のデバイスはN−MOSデバイスである。本発明の実施形態では、第2領域上のデバイスはP−MOSデバイスである。本発明の実施形態では、誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことは、誘電性層の上にゲート電極を設ける前に実行可能である。他の実施形態では、誘電性層と電極との間の界面でスピーシーズを含むことは、電極形成後に行なわれることがある。
【0009】
本発明の実施形態に係る方法は、更に、誘電性層とゲート電極との間の第2領域上にキャッピング層を設けることを含むことができる。この方法は、埋め込みの間、二重のキャッピングが保護のために設けられる。
【0010】
本発明の実施形態に係る方法は、更に、デバイスの処理の間、ゲート耐圧を保護するためのキャッピング層を設けることを含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態に係る方法では、誘電性層と電極との間の界面にスピーシーズを含むことは、イオン注入によりスピーシーズを導入することを備えることができる。導入されたスピーシーズは、仕事関数調整要素である。イオン注入でスピーシーズを導入することは、誘電性層の特定位置にレジスト層を設けること、及びそのレジスト層によってカバーされない領域へのイオン注入を実行することを含む。
【0012】
本発明の実施形態に係る方法は、半導体デバイスの仕事関数をさらに調整するため、プレ及び/又はポストキャッピング層堆積窒化条件を調整することを備えることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る方法では、キャッピングは、DyOによって実行可能である。そのようなDyOキャッピング層は、選択的なウェットエッチングによって除去可能である。この選択的なウェットエッチングは、低pHのHCl系溶液によって実行可能である。上記選択的なウェットエッチング溶液のpH値は、5未満が可能であり、より好ましくは2と4の間である。
【0014】
本発明の実施形態に係る方法では、ゲート電極は、FUSI電極であってもよい。
【0015】
第2態様において、本発明の実施形態は、DyO層を除去する方法を提供し、その方法は、選択的なウェットエッチングを行なうことを含む。その選択的なウェットエッチングは、HCl系溶液によって実行可能である。有利なことは、そのようなHCl系溶液は、DyO層、その中でもHfSiON又はSiON層の方に選択的にエッチングすることを可能にすることである。
【0016】
第3態様では、本発明は、第1のタイプの半導体デバイス及び第2タイプの半導体デバイスを備えた、2仕事関数半導体デバイスを提供する。各半導体デバイスは、
−基板上のゲート誘電体、及び
−ゲート誘電体上のゲート電極、を備え、
ここで、第1タイプの半導体デバイスのゲート電極は、第2タイプの半導体デバイスのゲート電極と一体的に堆積され、したがって、同じ特性、例えば同じ材料、同じ厚さなど、を有し、また、第1タイプの半導体デバイスのゲート誘電体は、同じ基材で作製されるが誘電性層と電極との間の界面で異なるスピーシーズを含んでいる第2タイプの半導体デバイスのゲート誘電体と異なる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、特別な実施形態に関して、図面を参照して記載される。しかしながら、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は、単に模式的なものであり、限定するものではない。図面では、構成要素のうちのいくつかのサイズは、図示のために拡大され、実際の寸法にて描かれないことがある。寸法及び相対的な寸法は、本発明の実施への実際の縮小とは対応していない。
【0018】
さらに、明細書及び特許請求の範囲において、第1、第2、第3のような用語は、類似の構成要素間での区別のために使用され、ランキングや他の方法において、順番を一時的に、空間的に記述するのに必ずしも必要ではない。そのように使用された用語は、適切な状況の下で交換可能であり、また、ここに記載された本発明の実施形態は、ここに記載された又は図示された以外の他の順序において操作可能であるということが理解されねばならない。
【0019】
さらに、明細書及び特許請求の範囲において、上部、底部、上方、下方、及びそれに類似する用語は、描写的な目的のために使用され、相対的な位置を記述するために必ずしも必要ではない。そのように使用された用語は、適切な状況の下で交換可能であり、また、ここに記載された本発明の実施形態は、ここに記載された又は図示された以外の他の配向において操作可能であるということが理解されねばならない。
【0020】
特許請求の範囲にて使用される「備える」の用語は、それ以後に列挙された手段に限定されるように解釈されるべきでないということに注意すべきである。即ち、それは、他の要素又はステップを排除するものではない。それは、記載された特徴、整数、ステップ、又は構成部分の存在を言及されるように明示するように解釈されるべきであり、一つ若しくは複数の他の特徴、整数、ステップ、又は構成部分、あるいはそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「手段A及びBを備えるデバイス」の表現の範囲は、構成部分A及びBからだけ成るデバイスに限定されるべきではない。本発明に関して、デバイスに関連する構成部分のみがA及びBであるということを意味する。
【0021】
同様に、また特許請求の範囲にて使用される「連結された」の用語は、接続だけに関するものに制限されると解釈されるべきではない。用語「連結された」及び「接続された」は、それらの派生語と共に用いられることがある。これらの用語が互いに同意語として意図されないことが理解されるべきである。したがって、表現「デバイスBに連結されたデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接に接続されるデバイス又はシステムに限定されるべきでない。それは、他のデバイス又は手段を含む経路であることができるAの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「連結された」は、2つ以上の要素が直接に物理的又は電気的に接触することを意味することができ、あるいは、2つ以上の要素が互いに直接に接触するのではなく、さらに互いに協働し相互作用することを意味することができる。
【0022】
本明細書を通して記載した「1つの実施形態」又は「実施形態」は、実施形態に関連して記載された特別な特性、構造、特徴が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書の全体にわたり様々な箇所に記載の「1つの実施形態において」又は「実施形態において」の表現は、必ずしも同じ実施形態を参照していないが、同じ実施形態を参照していてもよい。更に、特別な特性、構造、特徴は、この開示から当業者に明らかなように一つ以上の実施形態において、いずれかの適切な方法で組み合わせられることができる。
【0023】
同様に、本発明の典型的な実施形態の記述では、発明の種々の特徴は、開示を合理化し、一以上の種々の創造性のある態様の理解を援助する目的のため、一つの実施形態、図、又は記述において、時々、グループ化されることを認識すべきである。しかしながら、開示の方法は、クレームされた発明が各請求項で明らかに詳述されるよりも多くの特徴を必要とする意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、創造性のある態様は、一つの先に示された実施形態のすべての特徴よりも少ないところにある。したがって、詳細な説明に従う請求項は、それにより、本発明の別個の実施形態としてそれ自身で主張する各請求項と共に、この詳細な説明に明らかに組み入れられる。
【0024】
更に、ここに記載された幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれた他の特徴ではない幾つかの特徴を含んでおり、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であり、かつ技術の当業者によって理解されるように、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の請求項において、クレームされたいずれの実施形態も、いずれの組み合わせの中でも用いることができる。
【0025】
更に、幾つかの実施形態は、方法、又はコンピュータシステムのプロセッサ又は機能を実行する他の手段によって実行可能な方法の要素の組み合わせとして、ここに記載される。したがって、そのような方法又は方法の要素を実行するための必要な指示を備えたプロセッサは、上記方法又は方法の要素を実行するための手段を形成する。更に、装置の実施形態における、ここに記載された要素は、本発明を実行する目的の要素により実行された機能を実行するための手段の一例である。
【0026】
ここに提供される記述では、多数の特定の細部が述べられている。しかしながら、本発明の実施形態は、それらの特定の細部なしで実行可能であることが理解されよう。他の例では、公知の方法、構造、及び技術は、この記述の理解を不明瞭にしないために詳細には示されていない。
【0027】
本発明は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明によって記載される。本発明の他の実施形態は、本発明の真の思想又は技術的な教えから逸脱せずに当業者の知識により形成可能であることは明らかである。ここで、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【0028】
本発明の実施形態では、用語「基板」は、使用可能な、あるいはデバイス、回路又はエピタキシャル層が形成される、いずれの基礎をなす一つ若しくは複数の材料を含むことができる。他の実施形態では、この「基板」は、例えば不純物添加シリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウムリン(InP)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)基板のような、半導体基板を含むことができる。上記「基板」は、例えば半導体基板部分に加えて、SiO2又はSi3N4層のような絶縁層を含むことができる。したがって、基板の用語は、また、シリコン・オン・ガラス、シリコン・オン・サファイア基板を含んでいる。用語「基板」は、対象の層又は部分の下にある層用の要素を一般的に定義するために使用される。また、「基板」は、層、例えばガラスや金属層が形成される他のいかなるベース材であってもよい。
【0029】
基板、例えば、半導体基板(10)は、2つの異なった領域(N−MOS領域I、及びP−MOS領域II)を備え、露出した表面を有する。半導体基板(10)の露出表面は、少なくとも2つの異なった半導体材料の領域を備え、その領域(IとII)は互いに分離されている。それらの領域(IとII)は、能動的な領域として一般的に知られ、一方、それらの間の分離部は、表面絶縁(LOCOS)又は浅溝型素子分離(STI)として典型的に知られている。p型の能動的な領域として典型的に知られている1つのタイプの領域(I)では、N−MOS型トランジスタが形成され、一方、n−タイプの能動的な領域として典型的に知られている別のタイプの領域(II)では、P−MOS型トランジスタが形成されることになる。基板の露出表面上には、図1及び図9に示されるように、ホスト・ゲート誘電体(11)が堆積される。ホスト・ゲート誘電体(11)は、例えばSiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;両層(HfO2/SiO2のような)、又はHfZrO、HfZrSiO、HfLaO、HfLaSiOのような3成分の誘電体が可能である。
【0030】
1つのタイプの基板領域は、任意に、図2及び図10に示されるようなフォトレジスト(12)で覆われていることがある。典型的な実施形態では、領域(I)は、図1〜図8により示された実施形態において感光層(12)で覆われ、一方、別の領域タイプ(II)は、露出したままである。しかしながら、ゲート誘電体の選択に依存して、及び、例えばゲート誘電体や、ゲート誘電体とゲート電極との間の中間層又は両方の組み合わせにおけるイオン注入である、トランジスタ・ゲートの仕事関数を調節する方法の選択に依存して、別のタイプの領域(II)をカバーすることを選択したり、及び図9〜図16に図示される実施形態で示されるように露出した1つの領域(I)を有することを選択したりすることができる。
【0031】
次に、露出した領域(II、I)のホスト・ゲート誘電体は、図3及び図11に示されるように、選択された埋め込みスピーシーズ(13)が埋め込まれる。優先的に、NMOS用のイオン注入スピーシーズは、ランタノイド元素(Yb、La、Dy、Er、Gd、Scなど)、又はP、As、Sbや、(Yb+P)のようなこれらの化合物のようなドーパントの一つを含むことができる。PMOSに関し、イオン注入スピーシーズは、Al、O、Ru、Pt、W、Mo、B、又は(Al+B)のようなその組み合わせを含むことができる。
【0032】
埋め込み後、他方の領域(I、II)における他方の誘電性層と比べて変更された電気的特性(14)を有する一方の領域(II、I)における誘電性層を残して、図4及び図12に示すように、レジスト(12)が除去される。
【0033】
次に、図5及び図13に示すように、高kのキャップ層(15)が両方のタイプの領域(I、II)、つまりホスト誘電性層(11)及び変更されたホスト誘電性層(14)の両方の上に任意に堆積可能である。高kのキャップ層は、誘電率がSiO2の誘電率よりも高い、つまり4を超える層である。そして高kのキャップ層(15)は、例えば図6及び図14に示されるようなパターン化されたフォトレジスト・マスク(16)、並びに、図7及び図15に示されるような選択的なウェットエッチング工程を用いることによって、変更されたホスト誘電性層で覆われた領域(II、I)から選択的に取り除かれる。
【0034】
図8及び図16は、フォトレジスト(16)の除去後の、最終のゲート誘電性スタックを示す。高kのキャップ層(15)の選択的ウェットエッチング及びフォトレジスト(16)除去の両方は、ゲート誘電体を完全に保全するようなゲート誘電体処理に対する強い要求に合うように選択され、それによってその誘電性特性は実質的に保持される。これらの処理工程は、別の実施形態でより詳しく説明する。
【0035】
最終ゲート誘電体スタックの準備後に、最終ゲート誘電体スタックの上部にゲート電極が設けられる。本発明の実施形態に従い、ゲート電極は、第1及び第2領域における両方のゲートスタック上に一体的にそれぞれ設けられ、それによって、同じ特性、例えば同じ電極材料、同じ電極厚さなど、を有するゲート電極が提供される。
【0036】
ゲート仕事関数を調整するためのさらなる3つの方法は、N−MOS及びP−MOS型トランジスタ用の同じゲート電極材料を備えたCMOSデバイスを形成するときに、本発明の実施形態に従って開示される。これらの方法は、それ自身又は組み合わせて用いることができる。
【0037】
(1) ホスト・ゲート誘電体へのイオン注入による仕事関数調整
ホスト・ゲート誘電体(11)への埋め込み(13)は、図3及び図11におけるように、ゲート電極、例えば多結晶シリコン又は金属ゲート電極のような半導体ゲート電極を形成する前に実施可能である。
【0038】
又は、図17及び図19に示すように、埋め込み(13)は、パターン化されていないゲート電極によって行うことができる。このことは、埋め込みは、ゲート電極形成の前又は後に実行可能であることを意味する。後者の場合、ゲート電極(17)は、単一の電極材料層、例えば半導体材料又は金属から成ることができるか、又は、金属を有するポリシリコンあるいは第2金属を有する第1金属のようなスタック層を備えることができる。後者の場合、ホスト・ゲート誘電体(11)へゲート電極(17)を介しての埋め込みは、スタックの第1層がホスト・ゲート誘電体上に堆積された後、又は複数の層、つまり全ゲート電極スタックが堆積された後、処理可能である。
【0039】
ゲート電極は、ポリシリコン・ゲートのような半導体ゲート、低い埋め込みエネルギーが使用されたときでも埋め込まれたスピーシーズ(13)がホスト・ゲート誘電体(11)に到達可能であるような低い埋め込み阻止能を有する金属ゲート、MIPS(ポリシリコン+金属ゲートスタック)、完全にシリサイドされた(FUSI)ゲート、又はN−MOS及びP−MOS上のこれらの異なったゲート電極の組み合わせであってもよい。
【0040】
ホスト・ゲート誘電体(11)のイオン注入による仕事関数の調整方法は、また、例えば、高品質ホスト・ゲート誘電体(11)の誘電特性が後で修正されながら、厚いホスト・ゲート誘電体(11)が良好な電気的特性を有して形成可能であるように酸化膜換算膜厚(EOT)を調整することに関して良好な方法を提供する。
【0041】
フォトレジストがイオン注入プロセス(13)の間、保護マスクとして用いられる。フォトレジストを除去した後、ポスト・イオン注入アニールが好ましくは必要である。このアニール・ステップは、複数の目的を有している。即ち、1)Vt調整のためのターゲットとされた場所へ埋め込むスピーシーズを飛ばすこと。この場所は、ホスト・ゲート誘電体(11)、又はゲート電極とホスト誘電体(11)との界面のどちらかであり得る。2)新しいゲート誘電体(14)(図4、図12、図18及び図20におけるように)の形成を容易にすること。3)イオン注入後にゲート誘電体(14)中の可能な破損を修理すること。
【0042】
(2) ホスト・ゲート誘電体とゲート電極との間の高kの誘電性キャップ層を用いることによる仕事関数調整
キャップ層(15)は、選択的に堆積するか、又はNMOS(I)又はPMOS(II)領域からそれぞれ選択的に取り除くことができる。適切な熱の蓄え(例えば結合スパイク又はレーザー・アニールによって供給された)の下では、キャップ層は、混合誘電体を形成するためにホスト誘電体と相互に作用することができるか、又はホスト誘電体と混ざらないことを示すことができる。キャップ層は、また、電極材料と反応することがある。
【0043】
キャップ層は、NMOS用の、La系酸化物(YbO、DyO、LaO、ErO、GdO)又はScO、及びPMOS用のAlOからの酸化物であることができる。DyScOのような3元素、又はSiあるいはN混合物(DyScON)との化合物のような4元素の酸化物もまた考えられる。
【0044】
電極は、ポリシリコンゲート、金属ゲート、MIPS(ポリシリコン+金属ゲートスタック)、十分にシリサイド化された(FUSI)ゲート、又は、N−及びP−MOS上の異なるゲート電極の化合物のいずれか一方であることができる。又、方法は、EOTスケーリング用の良好な方法も提供する。
【0045】
ホスト・ゲート誘電体は、SiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;二重層(HfO2/SiO2のような)、又は、HfZrO HfZrSiOのような三元素誘電体であることができる。
【0046】
(3) FUSI形成前のゲート電極におけるイオン注入による仕事関数調整
半導体ゲート電極へのイオン注入を用いることにより、またFUSIプロセス間の熱サイクル及びスノープロー効果の両方と結合されることにより、埋め込まれたスピーシーズは、これらのスピーシーズがホスト・ゲート誘電体(11)と反応するか、又はゲート電極とホスト・ゲート誘電体との間の界面を修正する部分である、ゲート電極とホスト・ゲート誘電体(11)との間の界面の方へ押される。半導体材料とシリサイド形成金属間の反応により金属合金を形成することにより完全にシリサイド化されたゲート電極を形成するとき、半導体ゲートに埋め込まれたスピーシーズは、反応しない半導体材料と比較して、形成された金属合金において低い可溶性を呈する。したがって、埋め込まれたスピーシーズは、形成された金属合金の前に移動される。この現象は、スノープロー効果として知られている。
【0047】
FUSIゲート形成は、Ni、Co、Pt、NiPt、NiYbの金属のうちの1つとポリSi(a−Si、Si、SiGe、Ge)、又はドープしたポリSi(a−Si、Si、SiGe、Ge)の反応を通じて起こる。
【0048】
優先的に、NMOS用のイオン注入スピーシーズは、ランタニド元素(Yb、la、Dy、Er、Gd、Scなど)、又はP、As,Sbのようなドーパントの一つや、(Yb+P)のようなそれらの組み合わせを含むことができる。PMOSに関し、イオン注入スピーシーズは、Al、O、Ru、Pt、W、Mo、B、又は(Al+B)のようなそれらの組み合わせを含むことができる。
【0049】
ホスト・ゲート誘電体は、SiO2、SiON;HfO2、HfSiO、HfSiON;ZrO2、ZrSiO、ZrSiON;二重層(HfO2/SiO2のような)又はHfZrO、HfZrSiO、HfLaO、HfLaSiOのような三元素誘電体であることができる。
【0050】
例
さらに、2つの誘電体層を用いて、つまりN−MOS及びP−MOS型トランジスタ用の異なるゲート誘電性層をそれぞれ形成することによりCMOS FETを作製するため、上述の仕事関数調整方法を用いることによるいくつかの特定の完成方法を開示する。
【0051】
方法1:NMOS上のキャップ層(15)及びPMOS上のイオン注入(13)
方法1は、図1〜8に示されている。図1では、ホスト誘電体(11)層は、2つの異なる領域、つまり(I)NMOS及び(II)PMOSを備える半導体基板(10)上に堆積される。半導体基板は、例えばSi、SiGe、SOI、Ge、及びIII−V材料のいずれかであることができる。方法は、プレーナ型又はFinFETの構造のいずれかを有するトランジスタの生産に適用することができる。
【0052】
ホスト誘電体(11)は、例えばSiON、HfSiON、HfO2、HfSiO、ZrO2、HfZrO、HfLaO、HfLaSiOのうちの一つであることができる。特別の実施形態では、ホスト誘電体(11)は、1〜20Å間の厚さを有する、薄いSiON層である。
【0053】
PMOS領域用のイオン注入スピーシーズ(13)は、Al又はOであることができる。後の処理において、高kのキャップ層(15)がNMOS領域(I)上に形成されるならば、ゲート電極の選択に依存して、イオン注入は、選択されなくてもよい。
【0054】
高kのキャップ層(15)は、ホスト誘電体(11)の上部に堆積され、その後、PMOS領域(II)から選択的に除去される。高kのキャップ層(15)は、次の酸化物DyO、ScO、LaO、YbO、DyScO、DyYbO、DyLaOのうちの一つであることができる。
【0055】
シングル・ゲート電極アプローチでは、N−MOS及びP−MOS型トランジスタの両者のゲート電極は、一体的に作製され、よって、同じ特性を有する。即ち、上記ゲート電極は、例えば、とりわけ、ポリシリコン、アモルファス・シリコン、SiGe、NiリッチなFUSI、次の金属窒化物(TiN、TaN)、金属炭化物/炭素窒化物(TaC、TaCN)、金属酸化−(炭化)窒化物(TaCNO、MoON、WON)の一つ、又はMIPS(上部にポリシリコン・キャップ層を備えた上記の金属電極のうちの一つ)であり同じ厚さを有するような、同じ材料から作製される。
【0056】
熱的焼きなましに際して、NMOS領域(I)上の最終誘電体は、キャップ層(15)とホスト誘電体(11)間の混合、又は2つの特殊な層から成るスタックのいずれかであることができる。
【0057】
方法2:PMOS上のキャップ層(15)及びNMOS上のイオン注入(13)
方法2は、図9〜図16に示されている。図9では、ホスト誘電体(11)層は、2つの異なる領域、つまり(I)NMOS及び(II)PMOSを備える半導体基板(10)上に堆積される。半導体基板は、例えばSi、SiGe、SOI、Ge及びIII−V材料のいずれかであることができる。方法は、プレーナ型又はFinFETのいずれかの構造を有するトランジスタの生産に適用することができる。
【0058】
ホスト誘電体(11)は、例えばSiON、HfSiON、HfO2、HfSiO、ZrO2、HfZrO、HfLaO、HfLaSiOのうちの一つであることができる。特別な実施形態では、ホスト誘電体(11)は、1〜20Å間の厚さを備えた薄いSiON層である。
【0059】
NMOS領域(I)用のイオン注入スピーシーズ(13)は、Yb、La、Dy、Er、Gd、Sc、P、As、Sbのうちの一つであることができる。高kのキャップ層(15)が後の処理においてPMOS領域(II)上に形成されるならば、ゲート電極の選択に依存して、埋め込みをしないことが選択可能である。
【0060】
ホスト誘電体(11)の上部に堆積され、NMOS領域(I)から選択的に除去される高kのキャップ層(15)は、AlO若しくはAlN、又はAlONのようなそれらの組み合わせであることができる。前の処理の間に、NMOS領域(II)におけるホスト・ゲート誘電体(11)に埋め込みが行なわれるならば、ゲート電極の選択に依存して、キャップ無しが選択可能である。
【0061】
シングル・ゲート電極アプローチでは、N−MOS及びP−MOS型トランジスタの両者のゲート電極は、一体的に作製され、よって、同じ特性を有する。即ち、上記ゲート電極は、例えば、とりわけ、ポリシリコン、アモルファス・シリコン、SiGe、NiリッチなFUSI、次の金属窒化物(TiN、TaN)、金属炭化物/炭素窒化物(TaC、TaCN)、金属酸化−(炭化)窒化物(TaCNO、MoON、WON)の一つ、又はMIPS(上部にポリシリコン・キャップ層を備えた上記の金属電極のうちの一つ)であり同じ厚さを有するような、同じ材料から作製される。
【0062】
熱的焼きなましに際して、PMOS領域(II)上の最終誘電体は、キャップ層(15)とホスト誘電体(11)間の混合、又は2つの特殊な層から成るスタックのいずれかであることができる。
【0063】
方法3:PMOS上のキャップ層(15)及びNMOS上のキャップ層(15’)
方法1及び方法2の組み合わせである第三の方法も提供される。この方法は、方法1でのようなNMOS領域(I)用の第1の高kキャップ層を使用し、かつ方法2でのようなPMOS領域(II)用の第2の、異なった、高kキャップ層を用いる。この実施形態では、キャップ層は、NMOS(I)及びPMOS(II)領域に選択的にそれぞれ形成される。これは、第2キャップ層を堆積し、他の領域、例えばPMOS(II)における第1キャップ層からこの第2キャップ層を選択的に除去した後、例えば、第1キャップ層を堆積し、一方の領域、例えばNMOS(I)から選択的にこの第1キャップ層を取り除くことによって行うことができる。この実施形態では、埋め込みは用いられず、対象とされる仕事関数は、NMOS(I)及びPMOS(II)領域用の2つの異なるキャップ層を用いることによりそれぞれ得られる。
【0064】
基板、ホスト誘電体(11)、キャップ層(15)及びゲート電極に関する材料選択は、方法1及び方法2によるものである。
【0065】
単一のFUSIゲート電極 −2つの誘電体プロセス完成の流れ
特別の実施形態では、CMOS完成用の単純化された方法を記載する。この方法は、高機能な応用例(低Vt)を含めて、広いVt範囲に適している。この方法は、NMOSデバイス上のホスト誘電体層の上部の高kキャップ層、及びNMOS及びPMOSデバイスの両方に同時に形成された単相のNiリッチのFUSI電極を使用する。
【0066】
該方法は、ホスト・ゲート誘電体上に薄い高kキャップ層(例えば、DyO、ScO、LaO)の使用により、低Vtのn−タイプ電極もNiリッチのFUSIで達成可能であるように仕事関数(WF)が調整可能であるという利点がある。ホスト・ゲート誘電体は、例えばSiO2、SiON、又はHfSiONのような高k材料のうちの一つであってもよい。高kを有する誘電体は、SiO2の誘電率、つまり4より高い誘電率を有する誘電体を意味する。そのような高kの誘電体の誘電率は、好ましくは10〜40の範囲、好ましくは15〜30の範囲である。
【0067】
NMOSデバイス上のDyOキャップ層、及び単相のNiリッチなFUSIゲート電極を用いた実施形態の結果が以下に示される。
【0068】
提案されたCMOS完成のフローでは、高kのキャップ層15は、図1〜図8に示すようにPMOSデバイスから選択的に取り除かれ、NiリッチのFUSI相は、後でNMOS及びPMOSのデバイス用に同時に形成される。高kキャップ層の選択的な除去、及び後のフォトレジストの除去は、本発明の別個の実施形態の目的をなす。
【0069】
さらに、ゲート仕事関数調整(NiリッチのFUSIゲート電極を備えたp又はn型のデバイスのための)は、例えばPMOS用のAl又はNMOS用のP/Ybのようなキャッピング層によりカバーされていないデバイスの誘電体層への仕事関数調整要素の埋め込みによって達成することができる。プレ又はポストの高kキャップ堆積窒化条件調整は、また、仕事関数をさらに調整するために使用可能である。
【0070】
NMOS及びPMOSデバイスの両方のための単相のFUSI(Niリッチ)ゲート電極のさらなる利点は、2重相のFUSI CMOSスキームが用いられるときに、NMOSゲート電極とPMOSゲート電極との間の境界での電位問題を排除することである。シリサイド相で、特別な金属シリサイドの所定のタイプ、即ち、金属リッチな(シリコンがプア)又は金属プアな(シリコンがリッチ)シリサイドが示される。2重相のFUSIの場合、NiSi(NMOS)とNiリッチな(PMOS)ゲート電極との間の界面領域の長さは、非常に高密度の応用例に関するものでありえる。本発明の実施形態のように、NMOS及びPMOSの両方に関する単相FUSI電極の場合、この界面問題が解決される。
【0071】
NMOS及びPMOSの両者用のNiリッチな相FUSIの使用は、また、FUSI CMOS完成プロセス用のより高いプロセスウインドウへ我々を導き、よって、生産可能性のさらなる利点となる。
【0072】
実験
NiSi又はNi31Si12 FUSIゲートを備えた短いチャネルn−FETデバイスがセルフアラインCMPに基づくアプローチを使用して製造された。最適化されたMOCVD HfSiON(2.3nm)又は熱SiON(2nm)は、ホスト誘電体として堆積された。その後、極めて薄いDyOキャップ層(5Å)が550℃でDy(EDMDD)3及びO2先駆物質を用いて、AVD(登録商標)によって堆積された。SiO2表面(3〜7nm)をエッチングした傾斜を備えたMOSCAPは、5又は10ÅのDyOを有する両方のNiSi又はNi2Si FUSIのeWFを評価するために用いられた。
【0073】
DyOキャップ層を備えたHfSiON
VfbとEOTとのプロット(図26)から、DyOキャップ層で、HfSiON上のNi FUSIの有効なWFが、DyO厚さ及びNiシリサイド相に依存して、Si伝導帯エッジの方へ調整されることが理解可能である。図27では、FUSI/DyO/HfSiONゲートスタックのXTEMは、完全なデバイス製造後、HfSiONとDyOとの間で十分に混ざることを示す。高周波キャパシタンス電圧(HFCV)測定(図28)を用いて、HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体の厚さTinvがそれぞれ約1.72nm又は1.75nmであるとわかる。動作状態のよい短いチャネルデバイス(Lg=100nm)ドレイン電流に対するゲート電圧(Id−Vg)カーブは、NiSi FUSI電極を備えたHfSiON及びDyO/HfSiONデバイスの両方に関して約70mV/Decの良好なサブトレショールド傾斜(SS)とともに図29に実証されている。さらに、両デバイスは、それらの良好な短チャネル効果を提案する同様のドレイン誘起電位障壁低下(DIBL)値(〜65mV/V)を示す。DyOキャップを利用することは、それらのCVデータ(図28)に対応して、300mVの、NiSi FUSIデバイスの閾値電圧(Vt)低下に帰着することが観察されている。図30では、DyO/HfSiONスタックを備えたデバイスは、基準のHfSiONデバイスへ同様のVtロールオフ特性を維持する。NiSi/DyO/HfSiONスタックを備えた長いチャネルデバイス(チャネル長Lg=1μmを備えた)のVtは、0.22Vであり、低Vt要求を満たしている。
【0074】
NiリッチのFUSIは、特にHfSiON上でその高い仕事関数(WF)により、良好なpFET電極の候補であることはよく知られている。よって、図30において、5ÅのDyOキャップ層を有するNi21Si12FUSI nFETsのVtは、NiSi FUSIのそれよりも約30mV低くなるように生産されることに注目することは興味がある。同じ図において、1nmのDyOキャップを用いる場合、Ni2Si FUSI nFETのVtは、約0.35Vであることが予想される。N又はFのチャネル埋め込みと組み合わせて、このデータは、単相のNi2Siゲートを用いて、低Vt FUSI/HfSiON CMOSを実現するための可能性を実証する。図31では、HfSiON上でDyOキャップを様々なLgを備えたすべてのデバイスに用いるときに、可動性又はゲートリーク(転換)の低下は、観察されない。
【0075】
DyOキャップ層を備えたSiON
DyO/SiONのXTEM(図32)は、完全なデバイス製作の後に、新しいDySiONケイ酸塩形成を提案する。DyOキャップを用いたSiON上のNi FUSIのWFを低下させるWFの範囲は、キャップ厚さ及びシリサイド相(図32の挿入図)に依存する。nFETs(図33)のHFCVから、DyOキャップは、HfSiONの場合に対比して、約0.8ÅまでSiONの厚さTinvの低下を導くということに注目するのは興味がある。図34から、DyOキャップは、そのわずかに薄い厚さTinvにかかわらず、SiON(〜150xまで)と比較して、ゲートリークJG(@Vdd=1.1V)を著しく減少することが理解できる。図35から判るように、DyOキャップは、基準のSiON nFETsと比較して、閾値電圧(Vt)ロールオフ特性を低下させない。5ÅのDyOキャップでは、nFETのVt、NiSi/Ni31Si12 FUSIゲートを備えたlinは、それぞれ0.18V/0.38Vである(チャネル長Lg=1μm)。図32を考慮すると、1nmのDyOキャップ及びNi2Si FUSIゲートを備えたデバイスのVtは、約0.28Vになると予想される。p−FET用のAlのプレドーピング、又はN/F埋め込みチャネルのプロセスを組み合わせて、このデータは、単一相Ni2Siゲートを使用した低Vt FUSI/SiON CMOSを実現することが実行可能であることを示している。
【0076】
高kキャップ層の選択的なウェットエッチング
この実施形態では、HfO、HfSiONx、HfDyOx、HfScOxのような下にあるホスト誘電体の方へDyO又はDyScO系のキャップ層を選択的に除去することができるウェットエッチング溶液が提案されている。ランタニド元素(LaOを含む)からの同様の酸化物は、提案された溶液で同様に選択的に除去可能であろう。
【0077】
選択的な除去プロセス用の保護マスクとして、異なる材料が選択可能であろう。この特定の実施形態では、フォトレジストは、残っているキャップ層(15)及び露出したホスト誘電体(11、14)の両方へ良好な選択性で除去されることから、フォトレジストが保護マスクとして用いられる。
【0078】
高kキャップ層(15)は、ホスト誘電体(11)の上部に堆積される。このように、基板(10)の全体は、高kキャップ層で覆われる。フォトレジスト(16)は、標準の方法でコートされる。その後、レジスト(16)は、高kキャップ層(15)上で、例えばDyOが後に除去されるべきウエハの領域から取り除かれる。残っているレジストは、DyOキャップ層(15)エッチング/除去用の保護マスクとして用いられる。DyO除去の化学的作用は、非常に小さな厚さの変化がk値における大きな変化をもたらす場合があるので、キャップ層(15)へのレジストパターンの良好な形成/移動が保証されかつ下にあるホスト誘電体層(11)の方へ選択的になされるように、フォトレジスト(16)保護マスクをそのままにするように選択される。DyOの除去後、パターン化されたレジスト保護層(16)は、除去されるべきである。このレジスト除去のプロセスは、ホスト誘電材料(11)及び高kキャップ層(15)に選択的になるように選択される。
【0079】
高kキャップ層(DyO)除去
特定の実施形態では、HfO2、HfSiO、HfSiON、又は同様の高k層からDyO系のキャップ層(15)(図21を参照)を選択的に取り除くために、低pH溶液が使用される。図17は、酸性化された溶液において、DyO、DyScO及びLaOのエッチング速度を示す。
【0080】
希釈されたHCl溶液のような酸は、評価された。しかしながら、ここに記載された実施形態は、HCl系の溶液の使用に制限されない。HNO3、H3PO4、H2SO4、HBr、酢酸、ギ酸、プロピオン酸のような他の希釈された酸を用いることができる。
【0081】
概念を実証するために用いられるHCl稀釈の例としては、水9にHCl1の割合である。これは、約3.6 w/w%、つまり約1.2M(mol/l)の濃度、又は約0のpHを意味する。より広い濃度範囲が有益であり、pH範囲は、pH0〜pH5であり、より好ましくはpH0〜pH4である。実験では、温度は25℃であったが、他の温度もまた使用可能である。低い温度は、反応速度を減少させる可能性があり、一方、高い温度は、高kキャップ層の除去を加速する。
【0082】
DyO除去の実験は、ビーカー、及び市販の単一のウエハー・スプレー・ツール中で行われた。しかしながら、その方法は、これらのツール・タイプ又はカテゴリーに制限されるものではなく、バッチ・スプレー・プロセッサー、又は再循環槽もまた使用可能であろう。
【0083】
希釈されたHFは、DyO(もし他の酸と組み合わせが必要ならば)を除去するために使用可能であるが、これは、レジスト ハードマスクのパターンの完全な損失を引き起こす可能性があり、Hf系の高k材が使用されたならば、下にあるホスト誘電体を攻撃することから、本発明の実施形態による完成アプローチの中で用いることはできない。HCl及びHF/HCl(0.03M/1.2M)の溶液は、DUVレジストとのそれらの互換性に関する単一のウエハー・ツール上でチェックされる。図22は、HCl及びHF/HCl化学的作用でのDUV(遠紫外線)レジストの互換性を示す。図18(a)は、非処理のレジスト特性、つまりリソグラフィーパターニング後で、ウェットエッチング腐食液にさらす前のSEMの断面を示し、図18(b)は、HF/HCl処理されたレジスト特性を示し、図18(c)は、HCl処理されたレジスト特性を示す。HF/HClプロセスの後、レジストパターンの損失が観察されることは明らかである。SEMの平面で、検査も行なわれており、同じ結果であった。これは、エッチング混合物としてのHFの制限された使用を示している。
【0084】
図23は、DyO除去のエッチング速度を要約している。エッチング速度実験は、25℃の温度で、HCl(3.6w/w%)で、単一のウエハースピンプロセッサー・ツールで行なわれた。方法の順番は、希釈されたHCl(dHCl)への露出、水でのすすぎ、回転乾燥だった。観察されるように、DyO層は、dHCl内で容易に除去される。エッチング速度は、比較的高い。また、図17に示されるデータから認識可能なように、より薄められたHClは、より信頼でき、より製造可能な値へエッチング速度を減少させるであろう。
【0085】
DyOを除去するために用いられる溶液は、ホスト誘電体層を実質的にそのままにしておくべきである。異なるホスト誘電体層(HfO2、HfSiON、SiON)は、25℃の温度で、希釈されたHCl(3.6w/w%)溶液にさらされた。その結果は、図24に要約されている。テストされたホスト誘電体層は、本質的にふれられず、その結果、表1に要約されるように優れた選択性となる。
【0086】
表1: 3.7w−%のHCl溶液及びフォトレジスト ハードマスクを用いて異なるホスト誘電体への高kキャップ層除去の選択性。
【0087】
【表1】
【0088】
図36は、選択的なDyOキャップ除去後にnFETsを、基準ウエハ(つまりいずれの選択的なウェットエッチングプロセス無しに新たなHfSiON又は新たなDyO/HfSiONを備えたnFETs)と比較することにより、同様のVfb及びTinv変化を示している。2つのゲート誘電体を有するnFETsに関して、図37は、DyOキャップ層により約180mVのVt低下を示し、これは、CVデータ(図36)と一致している。
【0089】
フォトレジスト除去
非常に低いpHを有するので、業界基準のSPM清浄液は、用いることができない。上述から判るように、これは、このステップで望まないDyOを除去するのに理想的である。
【0090】
中性又はアルカリ性の水性ストリッパ、又は非水性のストリッピング溶液が好ましくは用いられる。中性又はアルカリ性pHの水性ストリッピング溶液の場合、酸化成分は、フォトレジストを酸化させて、かつそれを可溶性にするのに存在する必要がある。本発明の実施形態では、有機系の溶剤ストリッパの使用を主張する。レジストは、多くの溶剤に溶解可能であり、仮のリストを含むが、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブタノール、アセトニトリル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、N−エチルピロリドン(NEP)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロフルフリラルコール(THFA)に限定されるものではない。
【0091】
そのようなレジストストリッパ調剤は、市販されている(例えばFujifilmからのMicrostrip 2001)。本発明では、例としてこのレジストストリッパ調剤が使用され、ビーカー内で希釈されずに調整され、80℃に加熱された。高温での他のアプローチが恐らく同様に可能であろう。用いられる順番は、Microstrip 2001へ浸し、10分の水でのすすぎ、及びMarangoniによる乾燥だった。
【0092】
SEMの平面で、レジスト除去速度が検査され、レジストは1分以内で完全に除去されることが観察された。プロセスウインドウを確立するため、ホスト誘電体と高kキャップ層のこの化学作用での互換性が検査された。80℃でのMicrostrip 2001(ビーカー調整)に関する結果は、図25に示されている。20分の時間枠では、テストされたいずれの層においても、厚さの低下(損失)はほとんど観察されない。レジスト除去が1分未満にて達成されることから、このことは、ホスト誘電体又は高kキャップ層を損傷することなく、レジストの十分な過剰エッチングを可能にする。
【0093】
レジスト除去は、静的なタンク内で行われるが、再循環槽内でも可能であり、単一ウエハ又はバッチスプレープロセッサで行われる。レジストの洗浄効率を向上させるため、メガソニック放射又は流体ジェットスプレー(例えば、Nano Spray −ナノ組織材料の熱スプレー)によるような物理的な除去力が、レジスト除去プロセスの間、使用可能である。
【0094】
さらに、有機溶媒によるレジストの除去後、ウエハ表面からレジスト又は溶媒のいずれかから残余の汚れをさらに除去するために、追加の水性系(低又はアルカリpH)の洗浄溶液が使用可能である。そのような水性系の清浄液は、室温又は高い温度でNH4OH/H2O2/H2Oの混合物を含むことができる。これは、静的なタンク内でなすことができるが、再循環槽内でも可能であり、単一ウエハ又はバッチスプレープロセッサで行われる。レジストの洗浄効率を向上させるため、メガソニック放射又は流体ジェットスプレー(例えばNano Spray)によるような物理的な除去力が、このプロセスの間、使用可能である。
【0095】
上述の説明は、本発明のある実施形態を詳細である。しかしながら、たとえどのように詳しく説明が本文においてなされていても、本発明は、多くの方法で実施されるであろう。ある特徴、又は本発明の態様を説明するときの特別な用語の使用は、その用語が関連する本発明の態様又は特性の特定の特徴を含むことに限定されるように、その用語が再定義されているということを意味するように取られるべきではないことに注意すべきである。
【0096】
種々の実施形態に適用されるように、上述の詳細な説明が本発明の新規な特徴を示し、記載し、指摘しているが、示されたデバイスやプロセスの形態や詳述における様々な省略、代用及び変更は、本発明の精神から逸脱することなく当業者によってなされるであろうことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図2】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図3】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図4】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図5】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図6】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図7】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図8】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図9】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図10】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図11】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図12】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図13】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図14】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図15】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図16】2つのプロセス統合フローが模式的に表わされている。各プロセスフローは、高kキャップ層堆積、及びこの高kキャップ層の選択的除去によるゲート誘電体埋め込みのステップを備える。
【図17】本発明の実施形態に係る、領域II(pmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図18】本発明の実施形態に係る、領域II(pmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図19】本発明の実施形態に係る、領域I(nmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図20】本発明の実施形態に係る、領域I(nmos)上のパターン化されていないゲート電極を介するゲート誘電体埋め込みを示す。
【図21】酸性化された溶液で、特に希釈されたHClにて、DyO、DyScO及びLaOの10nm厚の層のエッチング速度をそれぞれ示す。
【図22】HCL及びHF/HCl化学でのDUVレジストの互換性を示す。図では、図18において(a)は未処理のサンプルを示し、(b)はHF/HClで処理されたサンプルを示し、(c)はHClで処理されたサンプルを示す。
【図23】SWスプレーツールにおける25°Cの温度でdHCl(3.6 w/w%)でのDyを含む酸化物の除去を示す。
【図24】SWスプレーツールにおける25°Cの温度でdHCl(3.6 w/w%)との高k層の互換性を示す。
【図25】ビーカー・セット・アップにおける80°Cでマイクロストリップ2001と高k層及び高kキャップ層の互換性を示す。
【図26】本発明の実施形態に従い、DyOで覆ったHfSiON上のNi FUSI電極の仕事関数WF(Vfb)をプロットしている。
【図27】本発明の実施形態に従い、NiSi FUSI/DyO/HfSiONゲートスタックのXTEMを示す。
【図28】DyO層キャップ層の有、無でのHfSiON上のFUSIデバイスの高周波キャパシタンス電圧(HFCV)測定の結果を示す。
【図29】短いチャネルデバイス(Lg=100nm)のためのDyOキャップ層の有無でのHfSiON n−FETのId−Vg曲線をプロットしている。
【図30】HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体を備えたn−FETに関するチャネル長(Lg)の関数としてのスレショルド電圧(Vt、sat)をプロットしている。
【図31】HfSiON又はDyO/HfSiON誘電体を備えたnFETに関するチャネル長(Lg)対ゲートリーク(JG)をプロットしている。
【図32】ソース/ドレイン活性化の後、NiSi/DyO(0.5nm)/SiON(2nm)ゲートのXTEMを示す。
【図33】DyOキャップ層の有無でのnFETs NiSi/SiONのHFCV測定の結果を示す。
【図34】SiON又はDyO/SiONの誘電体を備えたnFETに関するチャネル長(Lg)対ゲートリーク(JG)をプロットしている。
【図35】SiON又はDy/SiONの誘電体を備えたnFETに関するスレショルド電圧(Vt,sat)対チャネル長(Lg)をプロットしている。
【図36】基準ウエハと、選択的なDyOキャップ層除去後の同じウエハとに関するC−V曲線間の比較をプロットしている。
【図37】ゲート電流(Ig)対2つのゲート誘電体(同じウエハー上の)を有するMIPS nFETSのゲート電圧(Vg)をプロットしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの仕事関数半導体デバイスの製造方法において、
−基板の第1領域及び第2領域上に誘電性層を設けること、ここで第1領域上の誘電性層は第2領域上の誘電性層とともに一体に堆積され、さらに、
−第1及び第2領域の両方の誘電性層の上部にゲート電極を設けること、ここで第1領域上のゲート電極は第2領域上のゲート電極とともに一体に堆積され、かつ第1領域上のゲート電極及び第2領域上のゲート電極の両方は仕事関数を有し、
によって、基板の第1領域及び第2領域上にそれぞれデバイスを設けることを備え、
上記方法は、さらに、
誘電性層とゲート電極との間で第1領域上にキャッピング層を設け第2領域上には設けないことで第1領域上のゲート電極の仕事関数を変更し、及び
第1領域ではなく第2領域における誘電性層とゲート電極との間の界面でスピーシーズを導入するようにスピーシーズを埋め込むことにより第2領域上のゲート電極の仕事関数を変更する、
ことを備えた、2つの仕事関数半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
第1領域上のデバイスは、N−MOSデバイスである、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
第2領域上のデバイスは、P−MOSデバイスである、請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
誘電性層とゲート電極との間の界面でのスピーシーズの埋め込みは、誘電性層の上部にゲート電極を設ける前に行われる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
誘電性層とゲート電極との間の界面でのスピーシーズの埋め込みは、ゲート電極形成後に行われる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
スピーシーズの埋め込みは、誘電性層の特定位置上にレジスト層を設け、レジスト層にて覆われていない領域にイオン注入することを備える、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
キャッピング層を設けることは、DyDxキャッピング層を設けることでなされる、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
選択的ウェットエッチングによりキャッピング層を除去することをさらに備える、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
選択的ウェットエッチングは、5未満のpHを有する低pH溶液によりなされる、請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
ゲート電極は、FUSIゲート電極である、請求項1から9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
2つの仕事関数半導体デバイスであって、該デバイスは、第1タイプのデバイス及び第2タイプのデバイスを備え、各タイプのデバイスは、
−基板上のゲート誘電体と、及び
−ゲート誘電体上のゲート電極とを備え、該ゲート電極は仕事関数を有し、
ここで、第1タイプデバイスのゲート電極は、第2タイプデバイスのゲート電極とともに一体に作製され、第1タイプデバイスのゲート誘電体は、第2タイプデバイスのゲート誘電体とともに一体に作製され、及び、2つの仕事関数半導体デバイスは、さらに、第2タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間ではなく第1タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間にキャッピング層を備え、第1タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間の界面ではなく第2タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間の界面に埋め込まれたスピーシーズを備える、2つの仕事関数半導体デバイス。
【請求項1】
2つの仕事関数半導体デバイスの製造方法において、
−基板の第1領域及び第2領域上に誘電性層を設けること、ここで第1領域上の誘電性層は第2領域上の誘電性層とともに一体に堆積され、さらに、
−第1及び第2領域の両方の誘電性層の上部にゲート電極を設けること、ここで第1領域上のゲート電極は第2領域上のゲート電極とともに一体に堆積され、かつ第1領域上のゲート電極及び第2領域上のゲート電極の両方は仕事関数を有し、
によって、基板の第1領域及び第2領域上にそれぞれデバイスを設けることを備え、
上記方法は、さらに、
誘電性層とゲート電極との間で第1領域上にキャッピング層を設け第2領域上には設けないことで第1領域上のゲート電極の仕事関数を変更し、及び
第1領域ではなく第2領域における誘電性層とゲート電極との間の界面でスピーシーズを導入するようにスピーシーズを埋め込むことにより第2領域上のゲート電極の仕事関数を変更する、
ことを備えた、2つの仕事関数半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
第1領域上のデバイスは、N−MOSデバイスである、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
第2領域上のデバイスは、P−MOSデバイスである、請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
誘電性層とゲート電極との間の界面でのスピーシーズの埋め込みは、誘電性層の上部にゲート電極を設ける前に行われる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
誘電性層とゲート電極との間の界面でのスピーシーズの埋め込みは、ゲート電極形成後に行われる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
スピーシーズの埋め込みは、誘電性層の特定位置上にレジスト層を設け、レジスト層にて覆われていない領域にイオン注入することを備える、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
キャッピング層を設けることは、DyDxキャッピング層を設けることでなされる、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
選択的ウェットエッチングによりキャッピング層を除去することをさらに備える、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
選択的ウェットエッチングは、5未満のpHを有する低pH溶液によりなされる、請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
ゲート電極は、FUSIゲート電極である、請求項1から9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
2つの仕事関数半導体デバイスであって、該デバイスは、第1タイプのデバイス及び第2タイプのデバイスを備え、各タイプのデバイスは、
−基板上のゲート誘電体と、及び
−ゲート誘電体上のゲート電極とを備え、該ゲート電極は仕事関数を有し、
ここで、第1タイプデバイスのゲート電極は、第2タイプデバイスのゲート電極とともに一体に作製され、第1タイプデバイスのゲート誘電体は、第2タイプデバイスのゲート誘電体とともに一体に作製され、及び、2つの仕事関数半導体デバイスは、さらに、第2タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間ではなく第1タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間にキャッピング層を備え、第1タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間の界面ではなく第2タイプデバイスの誘電性層とゲート電極との間の界面に埋め込まれたスピーシーズを備える、2つの仕事関数半導体デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2008−211182(P2008−211182A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−2367(P2008−2367)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(591060898)アンテルユニヴェルシテール・ミクロ−エレクトロニカ・サントリュム・ヴェー・ゼッド・ドゥブルヴェ (302)
【氏名又は名称原語表記】INTERUNIVERSITAIR MICRO−ELEKTRONICA CENTRUM VZW
【出願人】(507350912)タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2367(P2008−2367)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(591060898)アンテルユニヴェルシテール・ミクロ−エレクトロニカ・サントリュム・ヴェー・ゼッド・ドゥブルヴェ (302)
【氏名又は名称原語表記】INTERUNIVERSITAIR MICRO−ELEKTRONICA CENTRUM VZW
【出願人】(507350912)タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.
【Fターム(参考)】
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