説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】 半導体装置の性能を向上させる。
【解決手段】 LDMOSFETのゲート電極30およびn+型ソース領域53上にサリサイド工程により金属シリサイド膜64を形成し、n-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52上にはこの金属シリサイド膜を形成しない。ゲート電極30のドレイン側の側壁上には、絶縁膜を介して、シリコン膜からなるサイドウォールスペーサが形成され、このサイドウォールスペーサによりフィールドプレート電極44が形成される。フィールドプレート電極44はゲート電極30上に延在しておらず、サリサイド工程ではゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、RF(Radio Frequency)パワーモジュールなどに使用される半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GSM(Global System for Mobile Communications)方式、PCS(Personal Communication Systems)方式、PDC(Personal Digital Cellular)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式といった通信方式に代表される移動体通信装置(いわゆる携帯電話)が世界的に普及している。
【0003】
一般に、この種の移動体通信装置は、電波の放射と受信をするアンテナ、電力変調された高周波信号を増幅してアンテナへ供給する高周波電力増幅器(RFパワーモジュール)、アンテナで受信した高周波信号を信号処理する受信部、これらの制御を行う制御部、そしてこれらに電源電圧を供給する電池(バッテリー)で構成される。
【0004】
特開2004−221344号公報(特許文献1)には、フォトレジスト膜をマスクにして多結晶シリコン膜をドライエッチングすることにより、ゲート電極のドレイン側の側面にフィールドプレート電極を形成する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2004−221344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動体通信装置のRFパワーモジュールの電力増幅回路に用いられる増幅素子として、HBT、HEMTなどの化合物半導体デバイス、シリコンバイポーラトランジスタ、LDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)などが、目的や状況に応じて使用されている。
【0006】
これらの増幅素子のうち、LDMOSFETは、ドレイン側に低不純物濃度のオフセットドレイン領域を介して高不純物濃度のドレイン領域を設けることによって、高いドレイン耐圧を確保する構造を採用したものであるが、化合物半導体デバイスに比較して電力付加効率は低いものの、バイアス制御が容易で、かつ量産性も高いという利点がある。
【0007】
携帯電話の多機能化やグローバル化などにより、RFパワーモジュールおよびそれに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)に要求される性能は年々高まってきている。例えば、RFパワーモジュールに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)の性能評価では、付加効率(電力効率)が高いことなどが重要視される。従って、付加効率のような性能をより向上させたRFパワーモジュールおよびそれに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)を提供することが求められている。付加効率を向上するには、ゲート電極などの表面に金属シリサイド膜を形成して低抵抗化することなどが考えられる。
【0008】
フォトレジスト膜をマスクにして多結晶シリコン膜をドライエッチングすることによりゲート電極のドレイン側の側面にフィールドプレート電極を形成する技術では、露光装置の精度等によって生じるフォトマスクの合わせズレを考慮し、フォトマスクとゲート電極との合わせ余裕が必要となるので、フィールドプレート電極の上端部は、ゲート電極の上部の一部を覆うように形成される。このような構造にサリサイド工程を適用した場合、フィールドプレート電極がゲート電極の上部に延在しているので、ゲート電極の上面の全面に金属シリサイド膜を形成することはできない。
【0009】
本発明の目的は、半導体装置の性能を向上させることができる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
本発明は、LDMOSFETのゲート電極のドレイン側の側面上に絶縁膜を介してサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極を形成したものである。
【0013】
また、本発明は、LDMOSFETのゲート電極上およびソース領域上に金属シリサイド膜を形成し、ドレイン領域上に金属シリサイド膜を形成していないものである。
【0014】
また、本発明は、配線基板と、前記配線基板上に搭載された半導体チップとを有する半導体装置であって、前記半導体チップはLDMOSFETにより形成された増幅回路を含み、前記LDMOSFETのゲート電極のドレイン側の側面上に絶縁膜を介してサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極を形成したものである。
【0015】
また、本発明は、導電体膜を異方性エッチングすることにより、LDMOSFETのゲート電極のドレイン側の側面に上に、絶縁膜を介して、前記導電体膜からなるサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極を形成するものである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0017】
半導体装置の性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0020】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0021】
本実施の形態は、例えばGSM方式などのネットワークを利用して情報を伝送するデジタル携帯電話(移動体通信装置)に使用されるRF(Radio Frequency)パワーモジュールなどに使用(搭載)される半導体装置である。
【0022】
ここで、GSM(Global System for Mobile Communication)は、デジタル携帯電話に使用されている無線通信方式の1つまたは規格をいう。GSMには、使用する電波の周波数帯が3つあり、900MHz帯をGSM900または単にGSM、1800MHz帯をGSM1800またはDCS(Digital Cellular System)1800若しくはPCN、1900MHz帯をGSM1900またはDCS1900若しくはPCS(Personal Communication Services)という。なお、GSM1900は主に北米で使用されている。北米ではその他に850MHz帯のGSM850を使用する場合もある。本実施の形態のRFパワーモジュール1は、例えばこれらの周波数帯(高周波帯)で使用されるRFパワーモジュール(高周波電力増幅装置、電力増幅モジュール、電力増幅器モジュール)である。また、本実施の形態では、例えばGSM900とDCS1800との2つの周波数帯が使用可能なデュアルバンド(Dual band)方式を例として説明するが、これに限定されるものではなく、例えば3つの周波数帯を使用可能なトリプルバンド(Triple band)方式や4つの周波数帯を使用可能なクアッドバンド(Quad band)方式などにも適用できる。
【0023】
図1は、本実施の形態のRFパワーモジュール(高周波電力増幅装置、高周波電力増幅モジュール、電力増幅モジュール、半導体装置)1を構成する増幅回路の回路ブロック図を示している。この図には、例えばGSM900とDCS1800との2つの周波数帯が使用可能(デュアルバンド方式)で、それぞれの周波数帯でGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)変調方式とEDGE(Enhanced Data GSM Environment)変調方式との2つの通信方式を使用可能なRFパワーモジュール1の回路ブロック図(増幅回路)が示されている。
【0024】
図1に示されるように、RFパワーモジュール1の回路構成は、3つの増幅段102A1,102A2,102A3からなるGSM900(824〜915MHz)用の電力増幅回路102Aと、3つの増幅段102B1,102B2,102B3からなるDCS1800(1710〜1910MHz)用の電力増幅回路102Bと、それら電力増幅回路102A,102Bの増幅動作の制御や補佐などを行う周辺回路103と、GSM900用の入力端子104aおよび電力増幅回路102A(1段目の増幅段102A1)間の整合回路(入力整合回路)105Aと、DCS1800用の入力端子104bおよび電力増幅回路102B(1段目の増幅段102B1)間の整合回路(入力整合回路)105Bと、GSM900用の出力端子106aおよび電力増幅回路102A(3段目の増幅段102A3)間の整合回路(出力整合回路)107Aおよびローパスフィルタ108Aと、DCS1800用の出力端子106bおよび電力増幅回路102B(3段目の増幅段102B3)間の整合回路(出力整合回路)107Bおよびローパスフィルタ108Bとを有している。また、GSM900用の電力増幅回路102Aの増幅段102A1と増幅段102A2の間には段間用の整合回路(段間整合回路)102AM1が設けられ、増幅段102A2と増幅段102A3の間には段間用の整合回路(段間整合回路)102AM2が設けられ、DCS1800用の電力増幅回路102Bの増幅段102B1と増幅段102B2の間には段間用の整合回路(段間整合回路)102BM1が設けられ、増幅段102B2と増幅段102B3の間には段間用の整合回路(段間整合回路)102BM2が設けられている。
【0025】
このうち、GSM900用の電力増幅回路102A(増幅段102A1〜102A3)と、DCS1800用の電力増幅回路102B(102B1〜102B3)と、周辺回路103とは、1つの半導体チップ(半導体増幅素子チップ、高周波用電力増幅素子チップ)2内に形成されている。他の形態として、GSM900用の電力増幅回路102A、DCS1800用の電力増幅回路102Bおよび周辺回路103を、複数の半導体チップにより形成することもでき、例えば、増幅段102A1,102B1が形成された半導体チップと、増幅段102A2,102B2が形成された半導体チップと、増幅段102A1,102B1が形成された半導体チップとを個別に形成することもできる。
【0026】
周辺回路103は、制御回路103Aと、上記増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3にバイアス電圧を印加するバイアス回路103Bなどを有している。制御回路103Aは、上記電力増幅回路102A,102Bに印加する所望の電圧を発生する回路であり、電源制御回路103A1およびバイアス電圧生成回路103A2を有している。電源制御回路103A1は、上記増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3の各々の出力用の増幅素子(ここではLDMOSFET)のドレイン端子に印加される第1電源電圧を生成する回路である。また、上記バイアス電圧生成回路103A2は、上記バイアス回路103Bを制御するための第1制御電圧を生成する回路である。ここでは、電源制御回路103A1が外部のベースバンド回路から供給される出力レベル指定信号に基づいて上記第1電源電圧を生成すると、バイアス電圧生成回路103A2が電源制御回路103A1で生成された上記第1電源電圧に基づいて、上記第1制御電圧を生成するようになっている。上記ベースバンド回路は、上記出力レベル指定信号を生成する回路である。この出力レベル指定信号は、電力増幅回路102A、102Bの出力レベルを指定する信号で、携帯電話と基地局との間の距離、すなわち、電波の強弱に応じた出力レベルに基づいて生成されているようになっている。
【0027】
各整合回路はインピーダンスの整合を行う回路であり、ローパスフィルタ108A,108Bは、電力増幅回路102A,102Bで発生した高調波(例えば2倍波や3倍波)成分を減衰させる回路である。
【0028】
RFパワーモジュール1のGSM900用の入力端子104aに入力されたRF入力信号は、整合回路105Aを経て電力増幅回路102Aに入力される。電力増幅回路102Aに入力されたRF入力信号は、増幅段102A1に入力されて増幅され、増幅段102A1の出力は整合回路102AM1を経て増幅段102A2に入力されて増幅され、増幅段102A2の出力は整合回路102AM2を経て増幅段102A3に入力されて増幅される。増幅段102A3の出力、すなわち電力増幅回路102Aの出力信号は、整合回路107Aおよびローパスフィルタ108Aを経て出力端子106aからRF出力信号として出力される。
【0029】
また、RFパワーモジュール1のDCS1800用の入力端子104bに入力されたRF入力信号は、整合回路105Bを経て電力増幅回路102Bに入力される。電力増幅回路102Bに入力されたRF入力信号は、増幅段102B1に入力されて増幅され、増幅段102B1の出力は整合回路102BM1を経て増幅段102B2に入力されて増幅され、増幅段102B2の出力は整合回路102BM2を経て増幅段102B3に入力されて増幅される。増幅段102B3の出力、すなわち電力増幅回路102Bの出力信号は、整合回路107Bおよびローパスフィルタ108Bを経て出力端子106bからRF出力信号として出力される。
【0030】
上記電力増幅回路102A,102Bのそれぞれは、上記3段の増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3として、3個のnチャネル型LDMOSFETを順次従属接続した回路構成を有している。すなわち、各増幅段102A1,102A2,102A3,102B1,102B2,102B3がnチャネル型LDMOSFETにより形成され、3個のnチャネル型LDMOSFET(すなわち増幅段102A1を構成するnチャネル型LDMOSFETと増幅段102A2を構成するnチャネル型LDMOSFETと増幅段102A3を構成するnチャネル型LDMOSFET)が順次接続(多段接続)されて電力増幅回路102Aが形成され、3個のnチャネル型LDMOSFET(すなわち増幅段102B1を構成するnチャネル型LDMOSFETと増幅段102B2を構成するnチャネル型LDMOSFETと増幅段102B3を構成するnチャネル型LDMOSFET)が順次接続(多段接続)されて電力増幅回路102Bが形成される。なお、本実施の形態では、3段の増幅段が接続(多段接続)されて各電力増幅回路102A,102Bを形成しているが、他の形態として、2段の増幅段または4段以上の増幅段を接続(多段接続)して各電力増幅回路102A,102Bを形成することも可能であり、この場合、各電力増幅回路102A,102Bは2個または4個以上のnチャネル型LDMOSFETが従属接続した回路構成となる。
【0031】
図2は本実施の形態のRFパワーモジュール1の概念的な断面図である。
【0032】
図2に示される本実施の形態のRFパワーモジュール1は、配線基板(モジュール基板)3と、配線基板3上に搭載(実装)された半導体チップ(半導体素子、能動素子)2と、配線基板3上に搭載(実装)された受動部品(受動素子、チップ部品)4と、半導体チップ2および受動部品4を含む配線基板3の上面を覆う封止樹脂(封止樹脂部)5とを有している。半導体チップ2および受動部品4は、配線基板3の導体層(伝送線路)に電気的に接続されている。また、RFパワーモジュール1は、例えば図示しない外部回路基板またはマザーボードなどに実装することもできる。
【0033】
配線基板3は、例えば、複数の絶縁体層(誘電体層)11と、複数の導体層または配線層(図示せず)とを積層して一体化した多層基板(多層配線基板)である。図2では、4つの絶縁体層11が積層されて配線基板3が形成されているが、積層される絶縁体層11の数はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。配線基板3の絶縁体層11を形成する材料としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム、Al23)などのようなセラミック材料を用いることができる。この場合、配線基板3はセラミック多層基板である。配線基板3の絶縁体層11の材料は、セラミック材料に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばガラスエポキシ樹脂などを用いても良い。
【0034】
配線基板3の上面(表面、主面)3a上と下面(裏面、主面)3b上と絶縁体層11間とには、配線形成用の導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されている。配線基板3の最上層の導体層によって、配線基板3の上面3aに導電体からなる基板側端子(端子、電極、伝送線路、配線パターン)12aが形成され、配線基板3の最下層の導体層によって、配線基板3の下面3bに導電体からなる外部接続端子(端子、電極、モジュール電極)12bが形成されている。外部接続端子12bは、例えば、図1における入力端子104a,104b、出力端子106a,106bなどに対応するものである。配線基板3の内部、すなわち絶縁体層11の間にも導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されているが、図2では簡略化のために図示を省略している。また、配線基板3の導体層により形成される配線パターンのうち、基準電位供給用の配線パターン(例えば配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cなど)は、絶縁体層11の配線形成面の大半の領域を覆うような矩形パターンで形成し、伝送線路用の配線パターンは帯状のパターンで形成することができる。
【0035】
配線基板3を構成する各導体層(配線層)は、必要に応じて絶縁体層11に形成されたビアホール(スルーホール)13内の導体または導体膜を通じて電気的に接続されている。従って、配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、必要に応じて配線基板3の上面3aおよび/または内部の配線層(絶縁体層11間の配線層)やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。なお、ビアホール13のうち、半導体チップ2の下方に設けられたビアホール13aは、半導体チップ2で生じた熱を配線基板3の下面3b側に伝導させるためのサーマルビアとして機能することもできる。
【0036】
半導体チップ2は、図1の回路ブロック図において半導体チップ2を示す点線で囲まれた回路構成に対応する半導体集積回路が形成された半導体チップ2である。従って、半導体チップ2内(または表層部分)には、電力増幅回路102A,102B(の増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3)を構成するLDMOSFET素子と、周辺回路103を構成する半導体素子などを含む半導体集積回路が形成されている。半導体チップ2は、例えば、単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)に半導体集積回路を形成した後、必要に応じて半導体基板の裏面研削を行ってから、ダイシングなどにより半導体基板を各半導体チップ2に分離したものである。
【0037】
配線基板3の半導体チップ2搭載領域には、キャビティと称する平面矩形状の窪み(凹部)14が設けられており、半導体チップ2は配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに、例えば半田15などの接合材(接着剤)によりフェイスアップでダイボンディングされている。半導体チップ2のダイボンディングには、半田15の代わりに銀ペーストなどを用いることもできる。半導体チップ2の表面(上面)に形成された電極(ボンディングパッド)2aは、ボンディングワイヤ8を介して配線基板3の上面3aの基板側端子12aに電気的に接続されている。また、半導体チップ2の裏面には裏面電極2b(後述する裏面電極81に対応)が形成されており、この半導体チップ2の裏面電極2bは、配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに半田15などの接合材により接続(接合)され、更にビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cに電気的に接続されている。なお、配線基板の小型化を優先させた設計とする時、窪み14を形成しない場合もある。
【0038】
受動部品4は、抵抗素子(例えばチップ抵抗)、容量素子(例えばチップコンデンサ)またはインダクタ素子(例えばチップインダクタ)などの受動素子からなり、例えばチップ部品からなる。受動部品4は、配線基板3の上面3aの基板側端子12aに半田17などの導電性の良い接合材(接着剤)により実装されている。半導体チップ2または受動部品4が電気的に接続された配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、配線基板2の内部の配線層やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。受動部品4は、例えば整合回路(入力整合回路)105A,105Bや整合回路(出力整合回路)107A,107Bなどを形成する受動部品である。また、整合回路(段間整合回路)102AM1,102AM2,102BM1,102BM2を形成する受動素子は、半導体チップ2内に形成することができるが、他の形態として、配線基板3上に搭載した受動部品4により整合回路(段間整合回路)102AM1,102AM2,102BM1,102BM2を形成することもできる。
【0039】
封止樹脂5は、半導体チップ2、受動部品4およびボンディングワイヤ8を覆うように配線基板3上に形成されている。封止樹脂5は、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料からなり、フィラーなどを含有することもできる。
【0040】
図3は、デジタル携帯電話機システムでのRFパワーモジュール1の実装例を示している。マザーボード151は、例えば多層配線構造を有するプリント配線基板等からなり、その主面上には、RFパワーモジュール1と、その他に必要に応じて複数のチップ部品152などの電子部品が搭載されている。RFパワーモジュール1は、上記配線基板3の下面3bの外部接続端子12bおよび基準電位供給用端子12cなどをマザーボード151の主面に向けた状態でマザーボード151上に搭載されている。このRFパワーモジュール1の外部接続端子12bおよび基準電位供給用端子12cなどは、半田等のような接合材153を介してそれぞれマザーボード151の配線パターンと接続されている。
【0041】
図4は、携帯電話などの移動体通信機器に搭載される高周波モジュールの構成例を示す説明図(システムブロック図)である。図4には、上記RFパワーモジュール1に対応するパワーアンプモジュールを含む高周波モジュール110の構成例が示されている。
【0042】
図4に示される高周波モジュール110は、HPA(High Power Amplifier)部111、高周波IC部112およびベースバンドLSI部113から形成されている。HPA部112は、信号電波の送受信用アンテナ115と電気的に接続する送受信切り替え用スイッチ回路116および送信信号を増幅するパワーアンプモジュール117などから形成されている。このパワーアンプモジュール117が上記RFパワーモジュール1に対応する。高周波IC部112は、受信信号から不要波を除去する高周波フィルタ118、受信信号を増幅するLNA(Low Noise Amplifier)119、PGA(Programmable Gain Amplifier)120、デジタル制御水晶発振器(Digital Controlled Crystal Oscillator;DCXO)121、RFVCO(Radio Frequency Voltage Controlled Oscillator)122、出力制御部123、VGA(Variable Gain Amplifier)124、変調回路125およびレギュレータ126などから形成されている。また、LNA119は、増幅器119Aと復調回路119Bとから形成されている。
【0043】
次に、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程およびその構造を図面を参照して説明する。図5〜図19は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程中の要部断面図である。
【0044】
まず、図5に示されるように、例えばp+型のシリコン(Si)単結晶からなり、その抵抗率(比抵抗)が例えば1〜10mΩ・cm程度の低抵抗基板とされている半導体基板(以下、単に基板という)21を準備する。それから、基板(半導体基板、半導体ウエハ)21の主面上に周知のエピタキシャル成長法を用いて、例えば抵抗率(比抵抗)が20Ωcm程度で膜厚が2μm程度のp型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層22を形成する。エピタキシャル層22の不純物濃度は基板21の不純物濃度よりも低く、エピタキシャル層22の抵抗率は基板21の抵抗率よりも高い。
【0045】
次に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてエピタキシャル層22の一部(打抜き層形成領域)をエッチングし、基板21に達する溝23を形成する。それから、溝23の内部を含む基板21上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いてp型多結晶シリコン膜を溝23内を埋めるように堆積した後、溝23の外部のp型多結晶シリコン膜をエッチバック法などで除去することにより、溝23の内部にp型多結晶シリコン膜からなるp型打抜き層24を形成する。p型打抜き層24は、エピタキシャル層22を貫通し、p型打抜き層24の底部は基板21に到達している。このように、不純物をドープしたp型多結晶シリコン膜を溝23の内部に埋め込むことにより、寄生抵抗の小さいp型打抜き層24を形成することができる。なお、多結晶シリコン膜に代えて溝23の内部に金属膜を埋め込むことにより、さらに寄生抵抗の小さい打抜き層を形成することもできる。また、寄生抵抗の小さい打ち抜き層が不要である場合には、高濃度かつ高エネルギーのp型不純物のイオン注入によりp型打抜き層24を形成してもよい。その後、エピタキシャル層22の主面に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより絶縁体からなる素子分離領域(図示せず)を形成する。
【0046】
次に、図6に示されるように、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてエピタキシャル層22の一部にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、パンチスルーストッパ用のp型ウエル26を形成する。p型ウエル26は、LDMOSFET形成領域の一部に形成され、主としてLDMOSFETのソース形成領域とチャネル形成領域とに形成される。また、p型ウエル26はLDMOSFETの閾値調整用としても用いられる。
【0047】
次に、エピタキシャル層22の表面をフッ酸などで洗浄した後、基板21を例えば800℃程度で熱処理(熱酸化処理)することなどによって、エピタキシャル層22の表面に例えば膜厚11nm程度の酸化シリコン膜などからなるゲート絶縁膜形成用の絶縁膜28aを形成する。絶縁膜28aは、熱酸化膜に代えて、窒素を含む酸化シリコン膜、いわゆる酸窒化膜を適用してもよい。この場合は、絶縁膜28aの界面におけるホットエレクトロンのトラップを低減することができる。また、熱酸化膜の上部にCVD法で酸化シリコン膜を堆積し、これら2層の酸化膜で絶縁膜28aを構成してもよい。
【0048】
次に、絶縁膜28aの上部にゲート電極30を形成する。ゲート電極30は、例えばn型多結晶シリコン膜(リン(P)などのn型の不純物をドープ(導入)した多結晶シリコン膜)などのシリコン膜からなる。例えば、エピタキシャル層22の主面上(すなわち絶縁膜28a上)にCVD法などにより例えば250nm程度の膜厚のn型多結晶シリコン膜29を堆積し、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてこのn型多結晶シリコン膜29をパターニングすることにより、パターニングされたn型多結晶シリコン膜29からなるゲート電極30が、p型ウエル26の表面に絶縁膜28aを介して形成される。ゲート電極30の下の絶縁膜28aが、LDMOSFETのゲート絶縁膜28となる。
【0049】
次に、図7に示されるように、ゲート電極30の側壁に酸化シリコン膜などの絶縁膜からなる側壁絶縁膜(サイドウォールスペーサ、側壁スペーサ)31を形成する。側壁絶縁膜31は、例えば、基板21上にCVD法などで例えば20〜30nm程度の膜厚の酸化シリコン膜(絶縁膜)を堆積した後、この酸化シリコン膜(絶縁膜)を異方性エッチングして形成することができる。
【0050】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてLDMOSFET形成領域21Aのエピタキシャル層22の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n-型オフセットドレイン領域(n-型半導体領域)33を形成する。n-型オフセットドレイン領域33は、ゲート電極30のドレイン側の側壁上の側壁絶縁膜31に対して自己整合的に形成される。
【0051】
-型オフセットドレイン領域33は、その端部がチャネル形成領域と接するように、側壁絶縁膜31の下部で終端する。n-型オフセットドレイン領域33の不純物濃度を低くすることにより、ゲート電極30とドレインとの間に空乏層が広がるようになるので、両者の間に形成される帰還容量(ドレインとゲート電極間の寄生容量、Cgd)が低減される。また、側壁絶縁膜31の形成を省略し、n-型オフセットドレイン領域33をゲート電極30に整合して形成することも可能であるが、上記のようにゲート電極30の側壁上に側壁絶縁膜31を形成してからn-型オフセットドレイン領域33を形成することで、ゲート電極30の端部での耐圧をより向上させることができる。
【0052】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてp型ウエル26の表面にヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n型ソース領域(n型半導体領域)34を形成する。n型ソース領域34は、ゲート電極30のソース側の側壁上の側壁絶縁膜31に対して自己整合的に形成される。
【0053】
n型ソース領域34は、その端部がチャネル形成領域と接するように、側壁絶縁膜31の下部で終端する。n型ソース領域34を比較的浅く形成することにより、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりを抑制できるので、しきい値電圧の低下を抑制することができる。
【0054】
次に、上記n型ソース領域34形成のためのイオン注入に引き続いて、p型ウエル26の表面にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、n型ソース領域34の下部にp型ハロー領域35を形成する。このp型ハロー領域35形成の際には、基板21の主面に対して斜め方向から不純物をイオン注入する斜めイオン注入法を用いる。p型ハロー領域35は、必ずしも形成する必要はないが、これを形成した場合は、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりがさらに抑制され、さらに短チャネル効果が抑制されるので、しきい値電圧の低下をさらに抑制することができる。
【0055】
次に、図8に示されるように、基板21上に、ゲート電極30を覆うように、絶縁膜41を形成する。絶縁膜41は、例えば酸化シリコン膜などからなり、その厚みは例えば40nm程度とすることができる。この絶縁膜41は、後述するシリコン膜42により形成されるフィールドプレート電極44とLDMOSFETのドレインとの間を電気的に絶縁するために形成される。
【0056】
次に、基板21上に、すなわち絶縁膜41上に、導電体膜としてシリコン膜(導電体膜)42を形成する。シリコン膜42は、n型またはp型の不純物が導入された低抵抗の多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)またはアモルファスシリコン膜であることが好ましい。シリコン膜42をアモルファスシリコン膜により形成した場合、成膜時にはアモルファスシリコン膜であったものが、その後の種々の高温工程(例えばイオン注入後の活性化アニール工程など基板温度が高温になる工程)により、多結晶シリコン膜になり得る。シリコン膜42の厚み(膜厚)は比較的厚く、例えば200nm程度とすることができる。
【0057】
次に、図9に示されるように、シリコン膜42を異方性エッチングしてエッチバックすることにより、ゲート電極30の側面(側壁)上に絶縁膜(側壁絶縁膜31および絶縁膜41)を介してシリコン膜42を残存させ、それ以外のシリコン膜42を除去する。これにより、ゲート電極30の側面(側壁)上にシリコン膜42からなるサイドウォールスペーサ(側壁スペーサ、サイドウォール)43を形成する。シリコン膜42からなるサイドウォールスペーサ43は、ゲート電極30のドレイン側とソース側の両方の側面(側壁)上に、側壁絶縁膜31および絶縁膜41を介して形成され、このうち、ゲート電極30のドレイン側の側面(側壁)上のサイドウォールスペーサ43がフィールドプレート電極44となる。シリコン膜42の異方性エッチング(エッチバック)の際には、ゲート電極30の上面上のシリコン膜42は完全に除去し、ゲート電極30の上面上の絶縁膜41が露出するようにする。また、シリコン膜42の異方性エッチング(エッチバック)の際には、後述するフィールドプレート電極44の引き出し部44a以外の領域上には、フォトレジスト層を形成していない。
【0058】
次に、図10に示されるように、基板21上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(フォトレジスト層、エッチングマスク層)45を形成する。フォトレジストパターン45は、ゲート電極30のドレイン側の側壁上のサイドウォールスペーサ43を覆い、ゲート電極30のソース側の側壁上のサイドウォールスペーサ43を露出するように形成される。このため、フォトレジストパターン45の端部がゲート電極30上に位置する。
【0059】
次に、図11に示されるように、フォトレジストパターン45をエッチングマスクとして用い、ゲート電極30のソース側の側壁上のサイドウォールスペーサ43をドライエッチングにより除去する。この際、ゲート電極30のドレイン側の側壁上のサイドウォールスペーサ43はフォトレジストパターン45に覆われているのでエッチングされずに残存する。また、ゲート電極30のソース側の側壁上の絶縁膜41も残存する。ゲート電極30のドレイン側の側壁上に残存するシリコン膜42からなるサイドウォールスペーサ43は、フィールドプレート電極44となる。従って、シリコン膜42をエッチバックすることにより形成されたサイドウォールスペーサ43からなるフィールドプレート電極44、すなわちサイドウォールスペーサ状(サイドウォール状)のフィールドプレート電極44が、ゲート電極30のドレイン側の側壁上に、側壁絶縁膜31および絶縁膜41を介して形成される。また、このフォトレジストパターン45を用いたソース側のサイドウォールスペーサ43のドライエッチングの際には、n型ソース領域34上の絶縁膜41を完全に除去してn型ソース領域34の表面を露出させることもできるが、絶縁膜41をエッチングストッパ膜として作用させ、膜厚が減少した絶縁膜41をn型ソース領域34上に残存させておけば、基板(n型ソース領域34)へのダメージを防止できるので、より好ましい。その後、フォトレジストパターン45を除去する。
【0060】
次に、図12に示されるように、n-型オフセットドレイン領域33の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、n-型オフセットドレイン領域33の一部には、ゲート電極30のドレイン側の側壁に形成されたフィールドプレート電極44(サイドウォールスペーサ43)に対して自己整合的にn型オフセットドレイン領域(n型半導体領域)51が形成される。
【0061】
-型オフセットドレイン領域33形成のためのイオン注入工程と、n型オフセットドレイン領域51形成のためのイオン注入工程とで、イオン注入の加速エネルギーを同じにすることで、n型オフセットドレイン領域51の接合深さは、n-型オフセットドレイン領域33の接合深さとほぼ同じになる。また、n型オフセットドレイン領域51に注入された不純物は、n-型オフセットドレイン領域33に注入された不純物と同じ導電型(ここではn型)の不純物なので、n型オフセットドレイン領域51の不純物濃度は、n-型オフセットドレイン領域33の不純物濃度よりも高くなる。また、n-型オフセットドレイン領域33は、側壁絶縁膜31に対して自己整合的に形成されるのに対し、n型オフセットドレイン領域51は、フィールドプレート電極44(サイドウォールスペーサ43)に対して自己整合的に形成されることから、n型オフセットドレイン領域51は、ゲート長方向に沿った絶縁膜41およびフィールドプレート電極44(サイドウォールスペーサ43)の合計の膜厚に相当する分、チャネル領域から離間して形成される。
【0062】
次に、n型オフセットドレイン領域51の一部とソース形成領域のp型ウエル26のそれぞれの上部に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとして、n型オフセットドレイン領域51とp型ウエル26のそれぞれにヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、n型オフセットドレイン領域51の一部には、n型オフセットドレイン領域51よりも不純物濃度が高く、かつn型オフセットドレイン領域51よりもさらにチャネル形成領域から離間したn+型ドレイン領域(n+型半導体領域)52が形成され、また、p型ウエル26には、n型ソース領域34よりも不純物濃度が高く、かつn型ソース領域34よりも底部の位置(接合深さ)が深いn+型ソース領域(n+型半導体領域)53が形成される。この際、n+型ソース領域53は、ゲート電極30のソース側の側壁上の絶縁膜41に対して自己整合的に形成され、n型ソース領域34に接して形成される。このため、n+型ソース領域53は、ゲート長方向に沿った絶縁膜41の膜厚に相当する分、チャネル形成領域から離間して形成される。
【0063】
ここまでの工程により、n-型オフセットドレイン領域33とn型オフセットドレイン領域51とn+型ドレイン領域52とからなるドレイン(ドレイン領域)、n型ソース領域34とn+型ソース領域53とからなるソース(ソース領域)、およびゲート電極30を有するLDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)のようなMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が基板21上のエピタキシャル層22の主面に形成される。なお、本実施の形態でMOSFETというときは、ゲート絶縁膜に酸化膜(酸化シリコン膜)を用いたMISFETだけでなく、酸化膜(酸化シリコン膜)以外の絶縁膜をゲート絶縁膜に用いたMISFETも含むものとする。なお、ここで基板21上のエピタキシャル層22に形成されるLDMOSFETは、上記電力増幅回路102A,102Bの各増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3を構成するLDMOSFETである。
【0064】
また、上記のように、シリコン膜42をエッチバックすることにより形成されたサイドウォールスペーサ43からなるフィールドプレート電極44、すなわちサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極44が、ゲート電極30のドレイン側の側面(側壁)に側壁絶縁膜31および絶縁膜41を介して形成されている。フィールドプレート電極44とLDMOSFETのドレイン(n-型オフセットドレイン領域33)とは、それらの間に介在する絶縁膜41により絶縁されており、フィールドプレート電極44とLDMOSFETのゲート電極30とは、それらの間に介在する絶縁膜31および絶縁膜41により絶縁されている。
【0065】
次に、図13に示されるように、p型打抜き層24の上部に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクにして、p型打抜き層24の表面にフッ化ホウ素(BF2)などのp型の不純物をイオン注入する。これにより、p型打抜き層24の上部領域にp+型半導体領域55を形成する。p型打抜き層24の上部領域にp+型半導体領域55を形成することで、p型打抜き層24の表面を低抵抗化することができる。
【0066】
次に、基板21上に絶縁膜61を形成する。すなわち、LDMOSFETのソース、ドレイン、ゲート電極30およびフィールドプレート電極44を覆うように絶縁膜61を形成する。絶縁膜61は、例えば酸化シリコン膜などからなり、その膜厚は例えば20nm程度とすることができる。絶縁膜61は、後述するサリサイド工程で、LDMOSFETのドレイン上に金属シリサイド膜64が形成されるのを防止するためのものである。
【0067】
次に、図14に示されるように、基板21上に、すなわち絶縁膜61上に、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(フォトレジスト層、エッチングマスク層)62を形成する。フォトレジストパターン62は、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52上を覆い、n+型ソース領域53およびゲート電極30上を覆わないように形成される。本実施の形態では、フォトレジストパターン62の端部がフィールドプレート電極44(サイドウォールスペーサ43)上に位置するようにする。このため、フォトレジストパターン62の端部はゲート電極30上に位置しない。
【0068】
次に、図15に示されるように、フォトレジストパターン62をエッチングマスクとして用い、露出する絶縁膜61(およびその下部の絶縁膜41)をドライエッチングにより選択的に除去する。このドライエッチングの際には、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52上の絶縁膜61はフォトレジストパターン62で覆われているのでエッチングされずに残存する。また、このドライエッチングの際には、n+型ソース領域53およびゲート電極30上はフォトレジストパターン62で覆われていないので、n+型ソース領域53およびゲート電極30上の絶縁膜(絶縁膜61および絶縁膜41)が除去され、n+型ソース領域53およびゲート電極30の上面が露出される。なお、フォトレジストパターン62の端部はフィールドプレート電極44上に位置しており、ゲート電極30上には位置していなかったので、ゲート電極30の上面の全面が露出することになる。また、フィールドプレート電極44のフォトレジストパターン62で覆われていなかった領域上の絶縁膜61も除去されるので、フィールドプレート電極44の一部(ゲート電極30に近い側の端部上面)も露出することになる。また、このドライエッチングの際には、ゲート電極30のドレイン側の側壁上の側壁絶縁膜31、絶縁膜41およびフィールドプレート電極44と、ゲート電極30のソース側の側壁上の側壁絶縁膜31および絶縁膜41とは残存する。その後、フォトレジストパターン62を除去する。
【0069】
次に、図16に示されるように、露出するn+型ソース領域53およびゲート電極30の上面上を含む基板21上に金属膜63を形成する。金属膜63は、例えばコバルト(Co)膜などからなる。上記のようにn+型ソース領域53およびゲート電極30の上面を露出させ、ドレイン領域(n-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52)を絶縁膜41、フィールドプレート電極44および絶縁膜61で覆った状態で金属膜63を形成するので、n+型ソース領域53およびゲート電極30の上面と金属膜63とは接触し、ドレイン領域(n-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52)と金属膜63とは接触しない。また、フィールドプレート電極44のうちのゲート電極30に近い側の端部上面も金属膜63に接触する。
【0070】
次に、熱処理を行うことにより、n+型ソース領域53およびゲート電極30のシリコン(Si)元素と、金属膜63の金属元素(例えばCo)とを反応させる。これにより、n+型ソース領域53およびゲート電極30の表面(上部)に、金属シリサイド膜64を選択的に形成することができる。この際、フィールドプレート電極44はシリコン膜42からなるので、金属膜61に接触していたフィールドプレート電極44の一部(ゲート電極30に近い側の端部上面)にも金属シリサイド膜64が形成される。その後、未反応の金属膜(例えばコバルト膜)63を除去する。図17には、金属シリサイド膜64を形成し、未反応の金属膜63を除去した状態が示されている。
【0071】
+型ソース領域53およびゲート電極30の表面(上部)に金属シリサイド膜64を形成することで、n+型ソース領域53およびゲート電極30の拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。また、フィールドプレート電極44の一部(ゲート電極30に近い側の端部近傍領域)の表面(上部)にも金属シリサイド膜64が形成されるので、フィールドプレート電極44の拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。
【0072】
このように、本実施の形態では、サリサイドプロセスを用いて、LDMOSFETのn+型ソース領域53およびゲート電極30の表面(上部)とフィールドプレート電極44(サイドウォールスペーサ43)の一部の表面(上部)とに金属シリサイド膜64を形成している。従って、LDMOSFETのn+型ソース領域53の表面(上部)に形成された金属シリサイド膜64と、ゲート電極30の表面(上部)に形成された金属シリサイド膜64と、フィールドプレート電極44の表面(上部)に形成された金属シリサイド膜64とは、同種の金属シリサイド(例えばコバルトシリサイド)からなる。
【0073】
また、本実施の形態では、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)とゲート電極30の表面(上部)とフィールドプレート電極44の一部の表面(上部)とに金属シリサイド膜64を形成しているが、LDMOSFETのドレイン(n-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52)の表面(上部)には金属シリサイド膜64を形成していない。また、本実施の形態では、フォトレジストパターン62の端部をフィールドプレート電極44上に位置させることで、ゲート電極30の上面の全面を露出させることができ、その後、金属膜63の堆積および熱処理を行って金属シリサイド膜64を形成しているので、ゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成することができる。
【0074】
次に、図18に示されるように、基板21上に絶縁膜(層間絶縁膜)71を例えばCVD法などを用いて形成する。絶縁膜71の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理して絶縁膜71の表面を平坦化する。絶縁膜71は、例えば相対的に薄い窒化シリコン膜とその上の相対的に厚い酸化シリコン膜とからなり、下層側の窒化シリコン膜は、後述するコンタクトホール72形成時のエッチングストッパ膜として機能することができる。また、絶縁膜71として、酸化シリコン膜などの単体膜を用いることもできる。
【0075】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクにして絶縁膜71をドライエッチングすることにより、絶縁膜71にコンタクトホール(開口部)72を形成する。コンタクトホール72は、LDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域52)、ソース(n+型ソース領域53)およびp型打抜き層24(p+型半導体領域55)のそれぞれの上部に形成される。また、図示しない断面において、ゲート電極30の引き出し部(後述する引き出し部30a)やフィールドプレート電極44の引き出し部(後述する引き出し部44a)の上部にもコンタクトホール72が形成される。
【0076】
次に、コンタクトホール72の内部にタングステン(W)膜を主体とするプラグ(導電体部、コンタクト層)73を埋め込む。例えば、コンタクトホール72の内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜71上にバリア膜(例えば窒化チタン膜など)を形成した後、タングステン膜をCVD法などによってバリア膜上にコンタクトホール72を埋めるように形成し、絶縁膜71上の不要なタングステン膜およびバリア膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグ73を形成することができる。コンタクトホール72に埋め込まれたプラグ73は、コンタクトホール72の底部でLDMOSFETのn+型ドレイン領域52、n+型ソース領域53、p型打抜き層24(p+型半導体領域55)などに電気的に接続される。すなわち、コンタクトホール72のうちのコンタクトホール72aに埋め込まれたプラグ73aは、コンタクトホール72aの底部でLDMOSFETのn+型ドレイン領域52に電気的に接続され、コンタクトホール72のうちのコンタクトホール72bに埋め込まれたプラグ73bは、コンタクトホール72bの底部でLDMOSFETのn+型ソース領域53に電気的に接続され、コンタクトホール72のうちのコンタクトホール72cに埋め込まれたプラグ73cは、コンタクトホール72cの底部でp型打抜き層24(p+型半導体領域55)に電気的に接続される。また、図示しない断面において、コンタクトホール72(後述するコンタクトホール72dに対応)に埋め込まれたプラグ73がゲート電極30に電気的に接続され、コンタクトホール72(後述するコンタクトホール72eに対応)に埋め込まれたプラグ73がフィールドプレート電極44に電気的に接続される。
【0077】
次に、絶縁膜71の上部に例えばアルミニウム(Al)合金膜を主体とする導電体膜からなる配線(第1層配線)74を形成する。配線74は、例えば、絶縁膜71上にアルミニウム合金膜を形成し、このアルミニウム合金膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより形成することができる。この配線74により、ドレイン電極74aおよびソース電極74bなどが形成される。
【0078】
ドレイン電極74aは、コンタクトホール72aに埋め込まれたプラグ73aを介して、LDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域52)に電気的に接続される。ソース電極74bは、コンタクトホール72bに埋め込まれたプラグ73bを介して、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)に電気的に接続されるとともに、コンタクトホール72cに埋め込まれたプラグ73cを介してp型打抜き層24に電気的に接続され、p型打抜き層24を介して更に基板21(および後述の裏面電極81)に電気的に接続される。従って、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)は、プラグ73(73a,73b)およびソース電極74bを介して、p型打抜き層24に電気的に接続され、更に基板21(および後述の裏面電極81)に電気的に接続される。
【0079】
次に、図19に示されるように、配線74(ドレイン電極74aおよびソース電極74b)を覆うように絶縁膜71上に酸化シリコン膜などからなる絶縁膜75をCVD法などにより形成し、続いて絶縁膜75の一部をエッチングして絶縁膜75にスルーホール(開口部)76を形成した後、スルーホール76の内部にタングステン(W)膜を主体とするプラグ77を埋め込む。それから、絶縁膜75の上部に例えばアルミニウム(Al)合金膜を主体とする導電体膜を形成し、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてこの導電体膜をパターニングすることで、パターニングされた導電体膜からなる配線(第2層配線)78を形成する。配線78と配線74(配線78とドレイン電極74a、配線78とソース電極74b)はプラグ77を介して電気的に接続される。他の形態として、プラグ77を形成せずに、絶縁膜75上に、スルーホール76内を埋めるように、例えばアルミニウム(Al)合金膜を主体とする導電体膜を形成し、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてこの導電体膜をパターニングすることで、パターニングされた導電体膜からなる配線(第2層配線)78を形成することもでき、この場合配線78の一部がスルーホール76内を埋めてスルーホール76の底部で配線74に電気的に接続される。
【0080】
次に、配線78を覆うように絶縁膜75上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などからなる表面保護膜79を形成する。その後、表面保護膜79の一部を選択的に除去して配線78の一部(図示しないパッド部)を露出した後、基板21の裏面(エピタキシャル層22を形成した側とは逆側の主面)を必要に応じて研磨し、続いて基板21の裏面の全面に裏面電極(裏面ソース電極)81を形成する。ここまでの工程により、半導体チップ2内の回路(電力増幅回路102A,102Bの増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3を構成するLDMOSFET素子を含む増幅回路)が略完成する。裏面電極81は、例えばニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜をスパッタリング法で順次堆積することによって形成することができる。裏面電極81は、p型打抜き層24、プラグ73(プラグ73a,73b)およびソース電極74aを通じて、LDMOSFETのソースに電気的に接続される。
【0081】
そして、基板21は、ダイシングなどにより半導体チップ(半導体チップ2)に個片化された後、前記図2に示されるように、裏面電極81(すなわち裏面電極2b)を介して配線基板3に半田付けされる。
【0082】
図20は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の概念的な平面レイアウト図(平面図)である。図21は、本実施の形態である半導体装置(半導体チップ2に対応)の要部平面図(部分拡大平面図)であり、図20の領域134に対応する領域が示されている。図21のA−A線の断面図が、図19にほぼ対応する。また、図21においては、理解を簡単にするために、p型打抜き層24、ゲート電極30、フィールドプレート電極44およびコンタクトホール72(コンタクトホール72a,72b,72c,72d,72e)のレイアウトが示されており、他の構成要素については図示を省略している。
【0083】
図20に示されるように、上記のようなLDMOSFETが形成された領域であるLDMOSFET形成領域131の周辺には、ドレイン電極74aに電気的に接続されたドレインパッド(パッド電極、ボンディングパッド)132と、ゲート電極30に電気的に接続されたゲートパッド(パッド電極、ボンディングパッド)133が配置されている。半導体装置(半導体チップ)のドレインパッド132にドレイン電圧を供給することで、LDMOSFET形成領域131に形成されているLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域52)にドレイン電圧が印加され、ゲートパッド133にゲート電圧を供給することで、LDMOSFET形成領域131に形成されているLDMOSFETのゲート電極30にゲート電圧が印加される。また、上記裏面電極81(すなわち裏面電極2b)にソース電圧(例えば接地電位または固定電位)を供給することで、LDMOSFET形成領域131に形成されているLDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)にソース電圧が印加される。
【0084】
LDMOSFET形成領域131では、図21に示されるように、単位セル(繰り返しピッチ)135のレイアウトが繰り返されている。一つの単位セル135により2つの単位LDMOSFET135aが形成される。図19の断面には、一つの単位セル135、すなわち2つの単位LDMOSFET135aの断面が示されている。LDMOSFET形成領域131においては、単位セル135のレイアウトが繰り返されることで、多数(複数)の単位LDMOSFET135aが形成され、これら多数(複数)の単位LDMOSFET131aが並列に接続されることで、各増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3が形成される。
【0085】
また、上記のようにゲート電極30はパターニングされたn型多結晶シリコン膜29により形成されているが、ゲート電極30の引き出し部(コンタクト部)30aも、ゲート電極30と同層の導電体層(すなわちn型多結晶シリコン膜29)によりゲート電極30と一体的に形成されている。ゲート電極30の引き出し部30aは、エピタキシャル層22の活性領域の外部の素子分離領域上に形成される。コンタクトホール72のうちのコンタクトホール72dがゲート電極30の引き出し部30a上に形成され、コンタクトホール72dを埋めるプラグ(プラグ73)がゲート電極30の引き出し部30aに電気的に接続されている。配線74と同層の配線からなるゲート配線(図19の断面図では図示されていない)およびコンタクトホール72dを埋めるプラグ73(図19の断面図では図示されていない)を通じて、ゲート電極30にゲート電位が印加されるようになっている。
【0086】
また、上記のようにフィールドプレート電極44はシリコン膜42を異方性エッチング(エッチバック)してゲート電極30の側壁上にサイドウォールスペーサ状にシリコン膜42(サイドウォールスペーサ43)を残すことにより形成されているが、フィールドプレート電極44の引き出し部(コンタクト部)44aも、フィールドプレート電極44と同層の導電体層(すなわちシリコン膜42)によりフィールドプレート電極44と一体的に形成されている。シリコン膜42を異方性エッチングしてサイドウォールスペーサ43を形成する工程では、サイドウォールスペーサ43の上部にはフォトレジスト層は形成していないが、引き出し部44a形成予定領域にはフォトレジスト層を形成してシリコン膜42を残すことにより、サイドウォールスペーサ43とともにサイドウォールスペーサ43と一体的にフィールドプレート電極44の引き出し部44aを形成している。フィールドプレート電極44の引き出し部44aは、エピタキシャル層22の活性領域の外部の素子分離領域上に形成される。
【0087】
コンタクトホール72のうちのコンタクトホール72eがフィールドプレート電極44の引き出し部44a上に形成され、コンタクトホール72eを埋めるプラグ(プラグ73)がフィールドプレート電極44の引き出し部44aに電気的に接続されている。コンタクトホール72eを埋めるプラグ(図19の断面図では図示されていない)はソース電極74bに電気的に接続され、それによって、フィールドプレート電極44は、コンタクトホール72eを埋めるプラグ(図19の断面図では図示されていない)およびソース電極74bを介してソース電位に接続される。他の形態として、コンタクトホール72eを埋めるプラグ(プラグ73)をソース電極74b以外の配線74に電気的に接続し、この配線74を通じてフィールドプレート電極44に、接地電位(または固定電位)を供給することもできる。また、フィールドプレート電極44に、ソース電位以外であってLDMOSFETのゲート電極30やドレイン(n+型ドレイン領域52)に印加される電圧よりも低い電位(接地電位または固定電位)を供給することもできる。
【0088】
図19にも示されるように、本実施の形態の半導体装置においては、上記のように、基板21の主面上にエピタキシャル層22が形成され、このエピタキシャル層22にLDMOSFETが形成されている。このLDMOSFETは、nチャネル型で構成されており、エピタキシャル層22に形成されたn-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52と、エピタキシャル層22に形成されたn型ソース領域34およびn+型ソース領域53と、エピタキシャル層22の表面に形成されたゲート絶縁膜28と、ゲート絶縁膜28の上部に形成されたゲート電極30とを備えている。
【0089】
n型オフセットドレイン領域51はゲート電極30から離間した位置に形成され、n+型ドレイン領域52はゲート電極30から更に離間した位置に形成されている。一方、n型ソース領域34およびn+型ソース領域53の下部のエピタキシャル層22には、その一端がゲート電極30の下部に延在するp型ウエル26からなるパンチスルーストッパ層が形成されている。このように、上記LDMOSFETは、ゲート電極30に対してオフセットされたドレインと、パンチスルーストッパ層とを備えたLD(Lateral Diffusion)構造を有している。
【0090】
また、LDMOSFETのソース側のエピタキシャル層22には、その底部が基板21に達するp+型の半導体領域からなるp型打抜き層24が形成されており、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)は、プラグ73(プラグ73a,73b)およびソース電極74bを介して、p型打抜き層24に電気的に接続され、更に基板21および裏面電極81に電気的に接続されている。このため、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)は、裏面電極81から供給されるソース電位(接地電位または固定電位)に電気的に接続される。
【0091】
ゲート電極30のドレイン側の側面(側壁)には、絶縁膜(側壁絶縁膜31および絶縁膜41)を介して、サイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極44が形成されている。フィールドプレート電極44は、例えばp型またはn型の低抵抗多結晶シリコン膜のようなシリコン膜で構成されている。
【0092】
+型ドレイン領域52には、ドレイン電極74aおよびプラグ73aを通じて、例えば0〜10V程度のドレイン電圧が印加される。ゲート電極30には、配線74と同層の配線からなるゲート配線(図19の断面図では図示されていない)およびプラグ73(図19の断面図では図示されていない)を通じて、例えば1.5V〜2V程度のゲート電位が印加される。また、フィールドプレート電極44は、接地電位または固定電位(ドレインに印加される電圧よりも低い固定電位)に接続されて固定される。例えば、フィールドプレート電極44は、ソース電位に接続されている。
【0093】
このように、本実施の形態では、n+型ドレイン領域52とゲート電極30との間の電位差に起因する電界が集中するn-型オフセットドレイン領域33の上部に、接地電位(または固定電位)に電気的に接続されたフィールドプレート電極44を形成している。これにより、n-型オフセットドレイン領域33の電界が低電位のフィールドプレート電極44によって緩和されるので、ホットキャリアの発生を抑制することが可能となる。これにより、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0094】
また、フィールドプレート電極44をゲート電極30のドレイン側の側面に形成し、このフィールドプレート電極44を接地電位(または固定電位)に電気的に接続して固定することにより、フィールドプレート電極44がゲート電極30とn+型ドレイン領域52の間のシールド電極として機能するので、ゲート、ドレイン間容量(帰還容量)を低減することが可能となる。また、フィールドプレート電極44の下が空乏化し、これもゲート、ドレイン間容量を低減するように作用する。このため、LDMOSFETの利得および効率を向上することができ、高周波特性を向上することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、サリサイドプロセスを用いてLDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)の表面(上部)とゲート電極30の表面(上部、上面)とフィールドプレート電極44の一部の表面(上部)とに金属シリサイド膜64を形成し、LDMOSFETのドレイン(n-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52)の表面(上部)には金属シリサイド膜64を形成していない。
【0096】
本実施の形態とは異なり、LDMOSFETのドレインの表面(上部)に金属シリサイド膜64を形成した場合、LDMOSFETのドレインには比較的高い電圧が印加されるので、エピタキシャル層22の表面に(すなわちゲート電極30とドレインとの間に)リークパスが発生し、LDMOSFET素子のリーク電流(ゲート電極30とドレイン間のリーク電流)が増加してしまう可能性がある。例えば、LDMOSFETのドレイン上に金属シリサイド膜64を形成すると、ドレイン/ドレインオフセット部の電界強度が増し、ドレインオフセット部が空乏化し、ゲート電極とオフセットドレイン部のオーバーラップ部分でリークが発生する可能性がある。これは、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能を低下させる可能性がある。
【0097】
それに対して、本実施の形態では、LDMOSFETのドレインの表面(上部)には金属シリサイド膜64を形成していないので、たとえLDMOSFETのドレインに比較的高い電圧を印加したとしても、エピタキシャル層22の表面に(すなわちゲート電極30とドレインとの間に)リークパスが生じるのを防止でき、LDMOSFET素子のリーク電流(ゲート電極30とドレイン間のリーク電流)を低減することができる。
【0098】
更に、本実施の形態では、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)の表面に金属シリサイド膜64を形成しているので、ソース抵抗やオン抵抗を低減でき、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能を向上させることができる。また、LDMOSFETのソースには、ドレインのような高電圧は印加されないので、本実施の形態のようにLDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)の表面に金属シリサイド膜64を形成したとしても、エピタキシャル層22の表面に(すなわちゲート電極30とソースとの間に)リークパスは発生せず、ゲート電極30とソース間のリーク電流は増大しない。
【0099】
また、本実施の形態では、ゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成している。ゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成することで、ゲート抵抗を低減でき、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能を向上することができる。
【0100】
また、本実施の形態では、フィールドプレート電極44の一部の表面に金属シリサイド膜64を形成しているので、フィールドプレート電極44の抵抗を低減でき、フィールドプレート電極44によるゲート、ドレイン間容量(帰還容量)の低減効果をより向上することができる。
【0101】
図22〜図25は、本発明者が検討した第1の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。第1の比較例の半導体装置の製造工程では、本実施の形態のようなサイドウォールスペーサ43からなるフィールドプレート電極44は形成しない。
【0102】
第1の比較例の半導体装置の製造工程では、本実施の形態と同様にして図7の構造が得られた後、本実施の形態とは異なり、図22に示されるように、絶縁膜41およびサイドウォールスペーサ43(シリコン膜42)を形成せず、n-型オフセットドレイン領域33の一部とソース形成領域の一部のそれぞれの上部に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとしてn型不純物をイオン注入することでn+型ドレイン領域52およびn+型ソース領域53を形成する。それから、p型打抜き層24の上部領域にp+型半導体領域55を形成する。
【0103】
次に、図23に示されるように、基板21上に絶縁膜61を形成してから、絶縁膜61上にフォトレジストパターン62aを形成する。フォトレジストパターン62aは、n-型オフセットドレイン領域33およびn+型ドレイン領域52上を覆うように形成しなければならないため、フォトレジストパターン62a形成時のマージン(例えばフォトマスクの位置合わせのずれなど)を考慮して、フォトレジストパターン62aの端部がゲート電極30の上面上に位置するようにする必要がある。
【0104】
次に、図24に示されるように、フォトレジストパターン62aをエッチングマスクとして用い、露出する絶縁膜61をドライエッチングにより選択的に除去する。これにより、n型ソース領域34およびn+型ソース領域53の表面と、ゲート電極30の上面の一部とが露出される。その後、フォトレジストパターン62aを除去する。
【0105】
次に、例えばコバルト(Co)膜などからなる金属膜を堆積してから熱処理することにより、n型ソース領域34およびn+型ソース領域53の表面と、ゲート電極30の上面の一部に金属シリサイド膜64を選択的に形成する。その後、未反応の金属膜(例えばコバルト膜)は除去する。図25には、金属シリサイド膜64を形成し、未反応の金属膜を除去した状態が示されている。
【0106】
以降の工程は、本実施の形態(の図18および図19の工程)とほぼ同様とすることができるので、ここではその説明は省略する。
【0107】
第1の比較例の半導体装置の製造工程では、絶縁膜61をフォトレジストパターン62aを用いてパターニングすることで、LDMOSFETのドレイン上を絶縁膜61で覆いかつソース上を露出させ、金属シリサイド膜64をドレイン上に形成することなくソース上に形成することを可能にしている。しかしながら、第1の比較例の半導体装置の製造工程では、露光装置の精度等によって生じるフォトマスクの合わせズレを考慮し、フォトレジストパターン62a形成時のフォトマスクの合わせ余裕が必要となるため、フォトレジストパターン62aの端部がゲート電極30の上面上に位置するようにする必要がある。このため、パターニングされた絶縁膜61の端部がゲート電極30の上部に位置することになり、ゲート電極30の上面が絶縁膜61によって部分的に覆われてしまう。このため、ゲート電極30の上面上に部分的にしか金属シリサイド膜64を形成することができない。例えば、ゲート電極30の上面における金属シリサイド膜64の形成面積は、ゲート電極30上面の面積の半分程度となってしまう。このため、本実施の形態と比較して、ゲート抵抗が増大し、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能が低下してしまう。また、第1の比較例の半導体装置の製造工程において、もしゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成しようとすると、フォトマスクの合わせ精度の関係から、パターニングされた絶縁膜61からLDMOSFETのドレインが露出する可能性が高くなり、ドレイン上に金属シリサイド膜64が形成されてしまうので、ゲート電極30とドレイン間のリーク電流が増大してしまう。
【0108】
それに対して、本実施の形態では、合わせ余裕を考慮しても、比較的厚いサイドウォールスペーサ43からなるフィールドプレート電極44上でフォトマスク(フォトレジストパターン62形成時)の合わせをすることできる。このため、フォトレジストパターン62の端部はフィールドプレート電極44上に位置し、絶縁膜61のエッチング工程において、ゲート電極30上の絶縁膜61を除去してゲート電極30の上面の全面を露出させることができ、ゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成することができる。これにより、ゲート抵抗を低減できる。また、本実施の形態では、フィールドプレート電極44をゲート電極30のドレイン側の側面に形成したことにより、ゲート、ドレイン間容量(帰還容量)を低減することが可能となる。
【0109】
図26〜図31は、本発明者が検討した第2の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。本実施の形態では、比較的厚いシリコン膜42からなるサイドウォールスペーサ43を形成しているが、第2の比較例の半導体装置の製造工程では、比較的厚い酸化シリコン膜142によりサイドウォールスペーサ143を形成している。
【0110】
第2の比較例の半導体装置の製造工程では、本実施の形態と同様にして図7の構造が得られた後、本実施の形態とは異なり、図26に示されるように、絶縁膜41の形成を省略し、更に、本実施の形態のシリコン膜42の代わりに酸化シリコン膜142を形成する。酸化シリコン膜142の膜厚は、本実施の形態の絶縁膜41の膜厚とシリコン膜42の膜厚とを足したものに相当する。
【0111】
次に、図27に示されるように、酸化シリコン膜142を異方性エッチングによりエッチバックし、ゲート電極30の側壁上に残存する酸化シリコン膜142からなるサイドウォールスペーサ143を形成する。
【0112】
酸化シリコン膜142のエッチバックの後、ゲート電極30のソース側とドレイン側の両側面(側壁)上に酸化シリコン膜142からなるサイドウォールスペーサ143が形成されているが、ゲート電極30のソース側の側面上のサイドウォールスペーサ143だけを除去することは困難である。もし、本実施の形態のようなフォトレジストパターン45を形成し、このフォトレジストパターン45でゲート電極30のドレイン側の側面(側壁)上のサイドウォールスペーサ143を覆い、ゲート電極30のソース側の側面(側壁)上のサイドウォールスペーサ143を露出させた状態でドライエッチングを行った場合、ゲート電極30のソース側の側面上のサイドウォールスペーサ143を除去することはできるが、LDMOSFETのソースとなる領域にドライエッチングによる大きなダメージが加わってしまう。
【0113】
このため、酸化シリコン膜142のエッチバックの後、図28に示されるように、ゲート電極30のソース側とドレイン側の両側面に酸化シリコン膜142からなるサイドウォールスペーサ143が残存する状態で、イオン注入を行い、n型オフセットドレイン領域51、n+型ドレイン領域52、n+型ソース領域53およびp+型半導体領域55を形成する。n型オフセットドレイン領域51は、ゲート電極30のドレイン側の側面のサイドウォールスペーサ143に対して自己整合的に形成され、n+型ソース領域53は、ゲート電極30のソース側の側面のサイドウォールスペーサ143に対して自己整合的に形成される。
【0114】
次に、本実施の形態と同様に、図29に示されるように、基板21上に絶縁膜61を形成する。それから、絶縁膜61上にフォトレジストパターン62を形成する。フォトレジストパターン62は、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52上を覆い、n+型ソース領域53およびゲート電極30上を覆わないように形成される。このため、フォトレジストパターン62の端部がゲート電極30のドレイン側の側面のサイドウォールスペーサ143上に位置するようにする。
【0115】
次に、図30に示されるように、フォトレジストパターン62をエッチングマスクとして用い、露出する絶縁膜61をドライエッチングにより選択的に除去する。これにより、n型オフセットドレイン領域51およびn+型ドレイン領域52上の絶縁膜61は残存し、n+型ソース領域53およびゲート電極30上の絶縁膜61は除去されて、n+型ソース領域53およびゲート電極30の上面が露出される。その後、フォトレジストパターン62を除去する。
【0116】
次に、例えばコバルト(Co)膜などからなる金属膜(金属膜61)を堆積してから熱処理することにより、n+型ソース領域53およびゲート電極30の表面(上部)に、金属シリサイド膜64を選択的に形成する。その後、未反応の金属膜(例えばコバルト膜)は除去する。図31には、金属シリサイド膜64を形成し、未反応の金属膜を除去した状態が示されている。
【0117】
以降の工程は、本実施の形態(の図18および図19の工程)とほぼ同様とすることができるので、ここではその説明は省略する。
【0118】
第2の比較例の半導体装置の製造工程では、比較的厚い酸化シリコン膜142を異方性エッチングによりエッチバックして、ゲート電極30のソース側とドレイン側の両側面上に酸化シリコン膜142からなる比較的厚いサイドウォールスペーサ143を形成する。このため、合わせ余裕を考慮しても、このサイドウォールスペーサ143上でフォトマスク(フォトレジストパターン62形成時)の合わせをすることできる。このため、フォトレジストパターン62の端部はサイドウォールスペーサ143上に位置し、絶縁膜61のエッチング工程において、ゲート電極30上の絶縁膜61を除去してゲート電極30の上面の全面を露出させることができ、ゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成することができる。これにより、ゲート抵抗を低減できる。
【0119】
しかしながら、第2の比較例の半導体装置の製造工程では、ゲート電極30のソース側とドレイン側の両側面に形成されたサイドウォールスペーサ143のうち、ゲート電極30のソース側の側面のサイドウォールスペーサ143だけを除去することは困難である。もし、本実施の形態のようなフォトレジストパターン45を形成し、このフォトレジストパターン45でゲート電極30のドレイン側の側面のサイドウォールスペーサ143を覆い、ゲート電極30のソース側の側面のサイドウォールスペーサ143を露出させた状態でドライエッチングを行った場合、ゲート電極30のソース側の側面のサイドウォールスペーサ143を除去することはできるが、LDMOSFETのソースとなる領域に大きなダメージが加わってしまう。
【0120】
このため、第2の比較例の半導体装置の製造工程では、ゲート電極30のソース側の側面上に厚いサイドウォールスペーサ143を残した状態でイオン注入を行ってn+型ソース領域53を形成することになるが、形成されたn+型ソース領域53とゲート電極30とがかなり離れてしまう(すなわちn+型ソース領域53がチャネル領域からかなり離間してしまう)ことになる。これは、ソース抵抗を増大させてしまい、本実施の形態に比較して、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能を低下させてしまう。
【0121】
それに対して、本実施の形態では、比較的厚いシリコン膜42を異方性エッチングによりエッチバックして、ゲート電極30の側面(側壁)上にシリコン膜42からなる比較的厚いサイドウォールスペーサ43を形成する。サイドウォールスペーサ43は、酸化シリコン膜のような絶縁膜に対して高いエッチング選択比を確保することができるシリコン膜により形成されているので、ゲート電極30のソース側とドレイン側の両側面(両側壁)上に形成されたサイドウォールスペーサ43のうち、ゲート電極30のソース側の側面(側壁)上のサイドウォールスペーサ43だけを容易に除去するができる。本実施の形態のように、フォトレジストパターン45でゲート電極30のドレイン側の側面のサイドウォールスペーサ43を覆い、ゲート電極30のソース側の側面(側壁)のサイドウォールスペーサ43を露出させた状態でドライエッチングを行った場合、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜41のエッチング速度に対してシリコン膜42(サイドウォールスペーサ43)のエッチング速度が高くなるような条件でドライエッチングを行うことができる。このため、ソースとなる領域を絶縁膜61によって保護してドライエッチングによるダメージを防止しながら、ゲート電極30のソース側の側面(側壁)上のサイドウォールスペーサ43を除去することができる。
【0122】
従って、本実施の形態では、ゲート電極30のソース側の側面上から厚いサイドウォールスペーサ43を除去した後で、イオン注入を行ってn+型ソース領域53を形成することができるので、形成されたn+型ソース領域53とゲート電極30との距離が離れてしまう(すなわちn+型ソース領域53がチャネル領域からかなり離間してしまう)ことを防止でき、ソース抵抗を低減することができる。また、LDMOSFETのオン抵抗も低減できる。また、本実施の形態では、フィールドプレート電極44をゲート電極30のドレイン側の側面(側壁)に形成したことにより、ゲート、ドレイン間容量(帰還容量)を低減することが可能となる。
【0123】
図32〜図35は、本発明者が検討した第3の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。本実施の形態では、シリコン膜42をエッチバックすることによりサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極44を形成しているが、第3の比較例の半導体装置の製造工程では、フォトレジストパターンをエッチングマスクとしてシリコン膜をパターニングすることによりフィールドプレート電極を形成している。
【0124】
本実施の形態と同様にして図7の構造が得られた後、第3の比較例の半導体装置の製造工程では、図32に示されるように、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜241を形成し、絶縁膜241上にシリコン膜242を形成する。シリコン膜242は多結晶シリコン膜からなり、シリコン膜242の膜厚は上記シリコン膜42の膜厚よりも薄い。
【0125】
次に、図33に示されるように、シリコン膜242上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(フォトレジスト層)243を形成する。それから、図34に示されるようにフォトレジストパターン243をエッチングマスクにしてシリコン膜242をドライエッチングすることにより、シリコン膜242をパターニングする。これにより、パターニングされたシリコン膜242からなるフィールドプレート電極244をゲート電極30のドレイン側の側面に形成する。第3の比較例では、フォトレジストパターン243をエッチングマスクにしたドライエッチングでシリコン膜242をパターニングしてフィールドプレート電極244を形成するので、フォトマスクとゲート電極30との合わせ余裕が必要となり、フィールドプレート電極244の上端部は、ゲート電極30の上部の一部を覆うように形成される。その後、図35に示されるように、フォトレジストパターン243を除去する。以降の工程は、ここではその説明を省略する。
【0126】
第3の比較例の半導体装置の製造工程では、フォトレジストパターン243をエッチングマスクにしたドライエッチングでシリコン膜242をパターニングしてフィールドプレート電極244を形成するので、露光装置の精度等によって生じるフォトマスクの合わせズレを考慮し、フォトマスク(フォトレジストパターン243形成時)とゲート電極30との合わせ余裕が必要となり、フィールドプレート電極244の上端部は、ゲート電極30の上部の一部を覆うように形成される。すなわち、ゲート電極30の上面がフィールドプレート電極244およびその下部の絶縁膜241によって部分的に覆われてしまう。このため、サリサイド工程を行って金属シリサイド膜64を形成するとしても、ゲート電極30の上面がフィールドプレート電極244およびその下部の絶縁膜241によって部分的に覆われていることから、ゲート電極30の上面上には部分的にしか金属シリサイド膜64を形成することができない。例えば、ゲート電極30の上面における金属シリサイド膜64の形成面積は、ゲート電極30上面面積の半分程度となってしまう。このため、本実施の形態と比較して、ゲート抵抗が増大し、LDMOSFET素子を有する半導体装置の性能が低下してしまう。また、第3の比較例の半導体装置の製造工程において、もしゲート電極30の上面の全面がフィールドプレート電極244に覆われないようにしようとすると、合わせ精度の関係から、ゲート電極30のドレイン側の側面上にフィールドプレート電極244を的確に形成できなくなる。
【0127】
それに対して、本実施の形態では、シリコン膜42を異方性エッチングによりエッチバックして、ゲート電極30の側面(側壁)にシリコン膜42からなる比較的厚いサイドウォールスペーサ43を形成し、このサイドウォールスペーサ43によってフィールドプレート電極44を形成している。このため、サイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極44が形成され、フィールドプレート電極44がゲート電極30の上面にオーバーラップすることを防止することができる。すなわち、フィールドプレート電極44はゲート電極30の上面上に延在しない。フィールドプレート電極44がゲート電極30の上面にオーバーラップせず、このサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極44上でフォトマスク(フォトレジストパターン62形成時)の合わせをすることできるので、フォトレジストパターン62の端部はフィールドプレート電極44上に位置し、サリサイド工程の前にゲート電極30の上面の全面を露出させることが可能であり、サリサイド工程でゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成することができる。これにより、ゲート抵抗を低減できる。
【0128】
このように、本実施の形態では、LDMOSFETのドレイン上に金属シリサイド膜64を形成しないようにすることで、LDMOSFET素子のリーク電流を低減でき、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域53)上に金属シリサイド膜64を形成することでソース抵抗やオン抵抗を低減でき、LDMOSFETのゲート電極30の上面の全面に金属シリサイド膜64を形成できるので、ゲート抵抗を低減でき、フィールドプレート電極44を形成したことにより、ゲート、ドレイン間容量(帰還容量)を低減できる。
【0129】
このようなLDMOSFETにより形成された増幅回路を半導体チップ2に形成することで、半導体チップ2の付加効率(効率、電力効率)ηaddを向上することができ、そのような半導体チップ2を用いたRFパワーモジュール1の付加効率(効率、電力効率)を向上させることができる。すなわち、リーク電流の低減と付加効率(効率、電力効率)の向上を両立させることができ、半導体装置(半導体チップ2および半導体チップ2を用いたRFパワーモジュール1)の性能を向上させることができる。
【0130】
ここで、付加効率ηaddは、第1式
ηadd=ηd(1−1/GP
と表される。
【0131】
上記式中のηdは、第2式
ηd=kγ(1−Ron/(Vdd×Id))
で表され、パワーゲイン(power gain)GPは、第3式
P=(fT/f)2×((4gd(Ri+Rs+Rg+πfTs)+4πfTgd(Ri+Rs+2Rg+2πfTs))-1
で表される。
【0132】
上記第2および第3式中のVddはドレイン電圧、Idはドレイン電流、Ronはオン抵抗、γは移動効率(transfer efficiency)、fTはカットオフ周波数、Rsはソース抵抗、Rgはゲート抵抗、Cgdは帰還容量に対応する。
【0133】
本実施の形態では、上記のように、オン抵抗Ron、ソース抵抗Rs、ゲート抵抗Rgおよび帰還容量Cgdを低減できる。上記第1〜第3式からも分かるように、ソース抵抗Rsの低減、ゲート抵抗Rgの低減および帰還容量Cgdの低減はいずれも付加効率ηaddを向上するように作用する。従って、本実施の形態では、LDMOSFETを有する半導体装置(半導体チップ2)およびそれを用いたRFパワーモジュール1の付加効率を向上させることができ、例えば5%程度付加効率を向上させることが可能になる。
【0134】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、携帯電話用の高周波電力増幅器などに用いる半導体装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の一実施の形態であるRFパワーモジュールを構成する増幅回路の回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるRFパワーモジュールの断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるデジタル携帯電話機システムのRFパワーモジュールの実装例の要部側面図である。
【図4】高周波モジュールの構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図20】本発明の一実施の形態である半導体装置の平面レイアウト図である。
【図21】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図22】第1の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図25】第2の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図26】図25に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図27】図26に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図32】第3の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図33】図32に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図35】図34に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【符号の説明】
【0137】
1 RFパワーモジュール
2 半導体チップ
2a電極
2b 裏面電極
3 配線基板
3a 上面
3b 下面
4 受動部品
5 封止樹脂
8 ボンディングワイヤ
11 絶縁体層
12a 基板側端子
12b 外部接続端子
12c 基準電位供給用端子
13 ビアホール
13a ビアホール
14 窪み
14a 導体層
15 半田
17 半田
21 基板
22 エピタキシャル層
23 溝
24 p型打抜き層
26 p型ウエル
28 ゲート絶縁膜
28a 絶縁膜
29 n型多結晶シリコン膜
30 ゲート電極
30a 引き出し部
31 側壁絶縁膜
33 n-型オフセットドレイン領域
34 n型ソース領域
35 p型ハロー領域
41 絶縁膜
42 シリコン膜
43 サイドウォールスペーサ
44 フィールドプレート電極
44a 引き出し部
45 フォトレジストパターン
51 n型オフセットドレイン領域
52 n+型ドレイン領域
53 n+型ソース領域
55 p+型半導体領域
61 絶縁膜
62 フォトレジストパターン
62a フォトレジストパターン
63 金属膜
64 金属シリサイド膜
71 絶縁膜
72 コンタクトホール
72a コンタクトホール
72b コンタクトホール
72c コンタクトホール
72d コンタクトホール
72e コンタクトホール
73 プラグ
73a プラグ
73b プラグ
73c プラグ
74 配線
74a ドレイン電極
74b ソース電極
75 絶縁膜
76 スルーホール
77 プラグ
78 配線
79 表面保護膜
81 裏面電極
102A,102B 電力増幅回路
102A1,102A2,102A3,102B1,102B2,102B3 増幅段
102AM1,102AM2,102BM1,102BM2 整合回路
103 周辺回路
103A 制御回路
103A1 電源制御回路
103A2 バイアス電圧生成回路
103B バイアス回路
104a,104b 入力端子
105A,105B 整合回路
106a,106b 出力端子
107A,107B 整合回路
108A,108B ローパスフィルタ
110 高周波モジュール
111 HPA部
112 高周波IC部
113 ベースバンドLSI部
115 送受信用アンテナ
116 送受信切り替え用スイッチ回路
117 パワーアンプモジュール
118 高周波フィルタ
119 LNA
119A 増幅器
119B 復調回路
120 PGA
121 デジタル制御水晶発振器
122 RFVCO
123 出力制御部
124 VGA
125 変調回路
126 レギュレータ
131 LDMOSFET形成領域
132 ドレインパッド
133 ゲートパッド
134 領域
135 単位セル
135a 単位LDMOSFET
142 酸化シリコン膜
143 サイドウォールスペーサ
151 マザーボード
152 チップ部品
153 接合材153
241 絶縁膜
242 シリコン膜
243 フォトレジストパターン
244 フィールドプレート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンからなる半導体基板主面に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極を有するLDMOSFETを含む半導体装置であって、
第1導電型の前記半導体基板と、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成され、シリコンからなる前記ゲート電極と、
前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ソース領域と、
前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ドレイン領域と、
を有し、
前記ゲート電極上および前記ソース領域上に金属シリサイド膜が形成され、前記ドレイン領域上に金属シリサイド膜が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面上に絶縁膜を介して形成されたサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極を更に有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極がシリコン膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極は導電体膜をエッチバックすることにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項2記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の上面に前記金属シリサイド膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極上に形成された前記金属シリサイド膜と前記ソース領域上に形成された前記金属シリサイド膜とが、同種の金属シリサイドからなることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
半導体基板主面に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極を有するLDMOSFETを含む半導体装置であって、
第1導電型の前記半導体基板と、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された前記ゲート電極と、
前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ソース領域と、
前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ドレイン領域と、
前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面上に絶縁膜を介して形成されたサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記ゲート電極上面に前記フィールドプレート電極が延在していないことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項7記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極がシリコン膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項7記載の半導体装置において、
前記フィールドプレート電極は導電体膜をエッチバックすることにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
配線基板と、前記配線基板上に搭載された半導体チップとを有する半導体装置であって、
前記半導体チップは、第1導電型の半導体基板にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ソース領域と、前記半導体基板の主面に形成された第2導電型の前記ドレイン領域とを有するLDMOSFETにより形成された増幅回路を含み、
前記ゲート電極上および前記ソース領域上に金属シリサイド膜が形成され、前記ドレイン領域上に金属シリサイド膜が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、高周波電力増幅モジュールであることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面上に絶縁膜を介してサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
半導体基板主面に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極を有するLDMOSFETを含む半導体装置の製造方法であって、
(a)第1導電型の前記半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程、
(c)前記半導体基板の主面上に前記ゲート電極を覆うように第1絶縁膜を形成する工程、
(d)前記第1絶縁膜上に第1導電体膜を形成する工程、
(e)前記第1導電体膜を異方性エッチングして、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面に前記第1導電体膜からなるサイドウォールスペーサ状のフィールドプレート電極を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電体膜はシリコン膜からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程では、
前記ゲート電極の前記ソース領域側の側面に前記第1導電体膜からなるサイドウォールスペーサ状の導電体部が形成され、
前記(e)工程後に、更に、
(f)前記ゲート電極の前記ソース領域側の側面の前記導電体部を除去し、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面の前記フィールドプレート電極を残す工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程では、シリコンからなる前記半導体基板が準備され、
前記(b)工程では、シリコンからなる前記ゲート電極が形成され、
前記(f)工程後に、更に、
(g)前記半導体基板の主面上に、前記ゲート電極および前記フィールドプレート電極を覆うように、第2絶縁膜を形成する工程、
(h)前記第2絶縁膜上の前記ドレイン領域上にエッチングマスク層を形成する工程、
(i)前記エッチングマスク層をエッチングマスクとしたエッチングにより、前記ゲート電極上および前記ソース領域上の前記第2絶縁膜を除去し、前記ドレイン領域上に前記第2絶縁膜を残す工程、
(j)前記ゲート電極上および前記ソース領域上に金属シリサイド膜を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記エッチングマスク層はフォトレジスト層からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記(h)工程では、
前記エッチングマスク層の端部が前記フィールドプレート電極上に位置するように、前記エッチングマスク層が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記(j)工程は、
(j1)前記ゲート電極上および前記ソース領域上を含む前記半導体基板上に金属膜を形成する工程、
(j2)熱処理を行い、前記金属膜と前記ゲート電極の上部および前記ソース領域の上部とを反応させて前記金属シリサイド膜を形成する工程、
(j3)未反応の前記金属膜を除去する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−80343(P2006−80343A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263670(P2004−263670)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】