走行支援装置
【課題】補給所までの車両の走行をより適切に支援することのできる走行支援装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション情報に基づき、最寄りのステーションを検索すると(ステップS20)、このサービスステーションまでの尿素水溶液消費量の予測を行なう(ステップS22)。そして、尿素水溶液残量が、尿素水溶液消費量よりも所定値α以上大きくない場合(ステップS26;YES)、ユーザに警告がなされる(ステップS28)。そして、尿素水溶液を欠乏させることなく、サービスステーションに到達できる内燃機関(ディーゼルエンジン)の制御条件が演算される(ステップS28)。そして、この演算結果に基づき、EGR量を増加制御することで、排気中のNOx量を低下させ、尿素水溶液の消費を低減させる。
【解決手段】ナビゲーション情報に基づき、最寄りのステーションを検索すると(ステップS20)、このサービスステーションまでの尿素水溶液消費量の予測を行なう(ステップS22)。そして、尿素水溶液残量が、尿素水溶液消費量よりも所定値α以上大きくない場合(ステップS26;YES)、ユーザに警告がなされる(ステップS28)。そして、尿素水溶液を欠乏させることなく、サービスステーションに到達できる内燃機関(ディーゼルエンジン)の制御条件が演算される(ステップS28)。そして、この演算結果に基づき、EGR量を増加制御することで、排気中のNOx量を低下させ、尿素水溶液の消費を低減させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の走行支援装置としては、例えば特許文献1に見られるように、車両原動機の燃料の残量と、走行時の平均燃料消費率(平均燃費)とに基づき、車両が目的地まで走行可能か否かを判断し、可能でないと判断されるときには到達可能な燃料の補給所の位置情報を表示するものも提案されている。この支援装置によれば、目的地までの走行が可能でないと判断されるときであっても、車両が補給所まで案内されるために、補給所にて燃料を補給することができ、ひいては車両を目的地まで走行させることができる。
【0003】
ところで、車両の燃料消費率はユーザの運転性向によって異なる。そして、上記支援装置では、走行時の平均燃費に基づき走行可能距離が算出されるために、この走行可能距離には、ユーザ(ドライバ)の運転性向が反映されることとなる。このため、ユーザの運転性向が変われば、走行支援装置によって示される補給所も異なることになる。これにより、例えば、運転の仕方によっては到達可能な補給所が案内の対象とならないことがある。
【0004】
このように、燃料の補給所まで車両の走行を支援することに関しては、従来の走行支援装置は未だ改良の余地の残るものとなっていた。
【0005】
なお、上記原動機の燃料を管理するものに限らず、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置にあっては、補給所までの走行の支援に未だ改良の余地が残るこうした実情も概ね共通したものとなっている。
【特許文献1】特開2004−151053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、補給所までの車両の走行をより適切に支援することのできる走行支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0008】
手段1は、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置において、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報と、前記車両に残存する前記被補給物の量とに基づき、前記車両が前記被補給物を欠乏させることなく前記補給所へ到達することのできる前記車両の運転条件を演算する演算手段を備えることを特徴とする。
【0009】
車両の運転には、ユーザの運転性向が反映される。したがって、補給所まで車両を走行させる際に必要な被補給物の量も、ユーザの運転性向に依存して変化する。
【0010】
この点、上記構成では、補給所へ到達することができる車両の運転条件が演算されるために、ユーザの運転性向にかかわらず、ユーザが補給所まで走行することを適切に支援することができる。
【0011】
手段2は、手段1において、前記演算手段は、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報に基づき、前記車両に残存する前記被補給物の量が前記補給所への到達に十分であるか否かを判断し、前記補給所への到達に十分でないと判断するとき、前記演算を行なうことを特徴とする。
【0012】
上記構成では、被補給物の量が十分でないと判断されるときに上記運転条件を演算することで、被補給物を欠乏させることなく補給所まで到達することができるよう、走行を適切に支援することができる。
【0013】
なお、「補給所への到達に十分でない」とは、いかなる運転をしても補給所へ到達できなくなる被補給物の量に対してマージンを持たせた量とする。換言すれば、ユーザの運転態様によっては、被補給物を欠乏させることなく補給所へ到達することが困難となるときとする。
【0014】
手段3は、手段1又は2において、前記演算手段による演算結果に基づき、前記補給所へ到達するための車両の運転についての制約情報を通知する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成では、ユーザに上記制約情報を提供することで、ユーザにより車両を確実に補給所に到達させることが可能となる。すなわち、たとえユーザの運転性向によっては燃料を欠乏させずに補給所へ到達することが困難であったとしても、ユーザが制約情報に従って車両を運転することで、自己の運転性向を改め、燃料を欠乏させることなく補給所へ到達することが可能となる。
【0016】
手段4は、手段3において、前記制約情報を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定することを特徴とする。
【0017】
上記構成では、制約情報が上記走行条件や被補給物の量に基づき可変設定されるために、より適切に走行を支援することができる。すなわち、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量に近似すればするほど制約を厳しくすることで、ユーザが補給所へ確実に到達することを可能とする。また、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量より多ければ多いほど制約を緩くすることで、ユーザの運転の自由度を広げることができる。したがって、上記構成では、ユーザによる補給所までの走行をより適切に支援することができる。
【0018】
手段5は、手段3又は4において、前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、前記制約情報が、前記車両のアクセル操作態様、及び前記車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制約情報であることを特徴とする。
【0019】
一般に、車両の走行中の加速度が大きいほど燃料消費率が大きくなることが知れられている。また、車両の平均的な速度(平均車速)と燃料消費率との間には、燃料消費率を最小化する平均車速が存在するとされている。
【0020】
この点、上記構成では、アクセル操作態様と車両の平均的な速度との少なくとも一方についての制約情報を通知することで、補給所まで原動機の燃料を欠乏させることのないよう、走行を適切に支援することができる。
【0021】
手段6は、手段1〜4のいずれかにおいて、前記演算手段による演算結果に基づき、前記車両の運転に制限を加える手段を更に備えることを特徴とする。
【0022】
上記構成では、車両の運転に制限を加えるために、演算手段により演算された車両の運転条件に従って、ユーザが車両を運転する手間を除くことや、ユーザによって直接制御できない部分について、その制御の制限を行なうこと等ができる。
【0023】
手段7は、手段6において、前記運転の制限態様を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定することを特徴とする。
【0024】
上記構成では、運転の制限態様が上記走行条件や被補給物の量に基づき可変設定されるために、より適切に走行を支援することができる。すなわち、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量に近似すればするほど制限を厳しくすることで、補給所へ確実に到達することを可能とする。また、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量よりも多ければ多いほど制限を緩くすることで、運転の自由度を広げることができる。したがって、上記構成では、補給所までの走行をより適切に支援することができる。
【0025】
手段8は、手段6又は7において、前記車両の運転に制限が加えられるとき、その旨を通知する手段を更に備えることを特徴とする。
【0026】
上記構成では、車両の運転に制限が加えられるときにその旨が通知されるために、ユーザに制限が加えられていることを認識させることができる。
【0027】
手段9は、手段〜8のいずれかにおいて、前記運転の制限が、前記車両の原動機の制御制限として行なわれることを特徴とする。
【0028】
上記構成では、原動機の制御制限を行なうことで、被補給物の消費量を好適に抑制することができる。
【0029】
手段10は、手段9において、前記原動機が、排気系の排気を吸気系に還流させる排気還流装置を備える内燃機関であるとともに、前記被補給物が、前記排気中の窒素酸化物を浄化するための尿素水溶液であり、前記制御制限が、前記吸気系に還流させる排気量を増量側に制限するものであることを特徴とする。
【0030】
上記構成では、吸気系に還流される排気量を増大させることで、排気系に排出される排気中の窒素酸化物の量を低減することができる。このため、窒素酸化物を浄化するために用いられる尿素水溶液の消費量を低減することができ、ひいては、尿素水溶液を欠乏させることなく確実に補給所に到達することができるように走行を支援することができる。
【0031】
しかも、この吸気系に還流される排気量は、ユーザによって直接制御できるものではないため、内燃機関の制御制限を行なう手段を設けることが特に有効である。
【0032】
手段11は、手段6〜10のいずれかにおいて、前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、前記運転の制限が、前記車両の加速度、及び車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制限であることを特徴とする。
【0033】
一般に、車両の走行中の加速度が大きいほど燃料消費率が大きくなることが知れられている。また、車両の平均的な速度(平均車速)と燃料消費率との間には、燃料消費率を最小化する平均車速が存在するといわれている。
【0034】
この点、上記構成では、車両の加速度と車両の平均的な速度との少なくとも一方についての制限がなされることで、補給所まで原動機の燃料を欠乏させることのないよう、走行を適切に支援することができる。
【0035】
なお、上記手段1〜4、6〜9のいずれかは、手段12によるように、前記被補給物は、ガソリン、軽油、窒素酸化物浄化用の尿素水溶液、液化水素、及び圧縮天然ガスの少なくとも1つを含むことを特徴とするようにしてもよい。
【0036】
ここで、特に窒素酸化物浄化用の尿素水溶液や、液化水素、圧縮天然ガスは、これを補給する補給所の数がガソリンや軽油と比較して少ないために、上記手段1〜4、6〜8のいずれかの走行支援装置による走行支援の効果をより好適に奏することができる。
【0037】
手段13は、手段1〜12のいずれかにおいて、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報には、前記補給所と前記車両との間の距離、前記補給所と前記車両との高度差、前記補給所と前記車両との間の路面の高度変化、前記車両を取り巻く大気の状態についての情報の少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0038】
上記構成において、補給所と車両との間の距離や、補給所と車両との高度差、補給所と車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態は、車両が補給所に到達するまでに消費する被補給物の量と相関を有する。このため、こうした情報を走行条件に関する情報として有することで、車両が被補給物を欠乏させることなく補給所へ到達することのできる車両の運転条件を適切に演算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる走行支援装置を、ディーゼルエンジンを搭載した車両に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図1に、上記車両のうち、走行支援装置及びその周辺の構成を示す。
【0041】
図示されるように、車両の原動機としての上記ディーゼルエンジン(内燃機関B2)は、動力伝達装置B4を介して車両に駆動力を付与する。内燃機関B2は、中央処理装置やメモリ等を備えて構成される電子制御装置B6により、その出力特性が制御される。内燃機関B2には、燃料供給装置B8から燃料(軽油)が供給される。燃料供給装置B8の貯蔵する燃料量は、燃料残量認識装置B10によって監視されている。そして、燃料残量認識装置B10は、燃料供給装置B8の貯蔵する燃料量についての検出値を、電子制御装置B6に出力する。更に、内燃機関B2には、尿素水溶液供給装置B12から、排気中の排気浄化装置(NOx)を浄化するための尿素水溶液が供給される。尿素水溶液供給装置B12の貯蔵する尿素水溶液の量は、尿素水溶液残量認識装置B14によって監視されている。そして、尿素水溶液残量認識装置B14は、尿素水溶液供給装置B12の貯蔵する尿素水溶液量についての検出値を、電子制御装置B6に出力する。
【0042】
ナビゲーションシステムB16は、GPS(Global Positioning System)等、車両の現在位置を検出する機能や、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の情報提供源からの道路交通情報を受信する機能、車両の現在位置についての情報や道路交通情報を電子制御装置B6やユーザ等に出力する機能等を備えている。
【0043】
ここで、内燃機関B2及び電子制御装置B6の構成について、図2を用いて更に説明する。
【0044】
図示されるように、内燃機関2(先の図1中、内燃機関B2)において、吸気通路4と燃焼室6とは、吸気バルブ8の開動作により連通される。燃焼室6には、燃焼室6に突出するようにして燃料噴射弁10が設けられている。そして、吸気通路4から燃焼室6に吸入される空気と燃料噴射弁10から噴射される燃料との混合気が燃焼に供されることで、出力軸12に駆動力が付与される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ14の開動作により、排気通路16に排出される。排気通路16には、その上流から順に、酸化触媒18、NOx吸蔵触媒20、選択還元型触媒22が設けられている。
【0045】
酸化触媒18は、例えば、白金に酸化アルミニウムを混合したものを、ステンレス製のメタル担体等に付与した構造とすればよい。
【0046】
NOx吸蔵触媒20は、排気中の酸素濃度が濃いときに排気中のNOxを酸化して硝酸塩の状態で一時的に吸蔵し、排気中の酸素濃度が低下したときにNOxを分解して放出するものである。
【0047】
選択還元型触媒22は、アンモニアを利用して排気中のNOxを浄化するものである。選択還元型触媒22の上流(詳しくは、NOx吸蔵触媒20と選択還元型触媒22との間)には、排気通路16に尿素水溶液を噴出する噴射ノズル24が設けられている。この噴射ノズル24には、尿素水溶液タンク26からポンプ28によって汲み上げられた尿素水溶液が供給される。ちなみに、先の図1に示した尿素水溶液供給装置B12は、これら噴射ノズル24、尿素水溶液タンク26、及びポンプ28を備えて構成される。また、尿素水溶液タンク26内の尿素水溶液残量は、尿素水溶液センサ30により検出され、電子制御装置B6に供給される。ちなみに、先の図1に示した尿素水溶液残量認識装置B14は、尿素水溶液センサ30を備えて構成される。
【0048】
内燃機関2は、更に排気還流装置を備えている。この排気還流装置は、排気通路16と吸気通路4とを連通させる排気還流通路40と、排気還流通路40の流路面積を調整するEGRバルブ41とを備えて構成されている。そして、排気還流通路40を介して吸気通路4に還流される排気の量が、EGRバルブ41によって調整される。
【0049】
なお、上記電子制御装置B6は、尿素水溶液センサ30をはじめ、内燃機関2の運転状態や運転環境等を検出する各種センサの検出値、更には、アクセルペダルの操作量を検出するセンサの検出値等を取り込み、これに基づき、内燃機関2の各種アクチュエータを操作することで、その出力特性を制御する。
【0050】
特に、本実施形態では、選択還元型触媒22を用いて排気中のNOxを浄化するために、噴射ノズル24を操作する。以下、これについて詳述する。
【0051】
図3に、選択還元型触媒22を用いた排気の浄化にかかる処理の手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0052】
この一連の処理では、まずステップS10において、内燃機関2の出力軸12の回転速度と、燃料噴射弁10から噴射される燃料量とに基づき、NOxの生成量を推定算出する。すなわち、NOxの生成量は、内燃機関2の回転速度及び燃料噴射量と相関を有することに鑑み、これら2つのパラメータによってNOxの生成量を推定算出する。具体的には、内燃機関2の回転速度と燃料噴射量とを独立変数とし、NOxの生成量を従属変数とする2次元マップを、実験等により取得したデータに基づき作成し、これを電子制御装置B6に予め記憶しておく。そして、電子制御装置B6においてこのマップを用いたマップ演算によりNOxの生成量を算出する。
【0053】
続くステップS12では、ステップS10において算出されるNOxの生成量に基づき、先の図2に示したNOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxの量を推定算出する。ここでは、例えば上記ステップS10において算出されるNOxの生成量が全てNOx吸蔵触媒20に吸蔵されると想定し、このNOxの生成量の積算値を、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOx量として算出してもよい。
【0054】
続くステップS14では、上記ステップS12で算出されたNOx吸蔵量が所定以上であるか否かを判断する。この判断は、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxの量がNOx吸蔵触媒20が吸蔵することのできる量と略等しくなる等、NOx吸蔵触媒20によるNOxの吸蔵が困難となる所定の条件下にあるか否かを判断するためのものである。
【0055】
そして、NOx吸蔵量が所定以上であると判断されると、ステップS16において、先の図2に示した噴射ノズル24を操作することにより、排気通路16に尿素水溶液を噴射する。ここでは、尿素水溶液の噴射と併せて、燃料噴射制御を、通常時のモードから、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxを分解放出させるモードに切り替える。この切り替えられたモードは、例えば、燃料のメイン噴射に先立ちパイロット噴射を行うとともに、通常時のモードよりも噴射時期が遅いタイミングでメイン噴射を行い、更にメイン噴射に続いて非着火のタイミングでポスト噴射を行なうものとしてもよい。
【0056】
なお、ステップS14においてNOx吸蔵量が所定未満であると判断されるときや、ステップS16の処理が完了したときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0057】
上記態様にて尿素水溶液と選択還元型触媒22を用いることで、NOx吸蔵触媒20のNOx吸蔵量が過剰となる前に、確実にNOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxを浄化することができる。ただし、車両に尿素水溶液を供給するサービスステーションは、内燃機関2の燃料である軽油を供給するサービスステーションと比較してその数が少ないため、尿素水溶液が欠乏したとき、これを補給することは比較的困難なものとなっている。
【0058】
そこで、本実施形態では、サービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、車両に残存する尿素水溶液の量がサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断するようにする。そして、十分でないと判断されるときには、上記走行条件と、残存する尿素水溶液の量とに基づき、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算する。これにより、尿素水溶液を供給することのできるサービスステーションにユーザが車両を確実に到達させることができるように、走行支援を行なう。以下、これについて詳述する。
【0059】
図4に、尿素水溶液を欠乏させることなく車両を走行させることができるように支援する走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0060】
この一連の処理では、まずステップS20において、ナビゲーション情報に基づき、最寄りのサービスステーションを検索する。ここでナビゲーション情報は、先の図1に示したナビゲーションシステムB16から取得される情報であり、例えば、図5に示すように、GPS等により取得される情報である。この図では、車両V(詳しくは、ナビゲーションシステムB16)が、通信衛星SAと通信しているところを模式的に示している。
【0061】
続くステップS22では、ナビゲーション情報に基づき、検索されたサービスステーションまでの尿素水溶液消費量を予測(算出)する。ここでは、検索されたサービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、サービスステーションまでの尿素水溶液の消費量を演算する。ここで、走行条件とは、サービスステーションと車両との距離のみならず、サービスステーションと車両との高度差、サービスステーションと車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態(風速、気温等)等の条件を含めることが望ましい。ちなみに、この尿素水溶液消費量は、尿素水溶液の消費量の最小値である。換言すれば、ユーザの運転性向による尿素水溶液の消費のばらつきを考慮せず、尿素水溶液の消費を最小とするように内燃機関2の駆動制御を行なったときの尿素水溶液の消費量を意味する。
【0062】
ステップS22において尿素水溶液の消費量が算出されると、ステップS24では、現在の尿素水溶液の残量が、検索されたサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断する。具体的には、尿素水溶液残量が、予測された尿素水溶液消費量に所定値αを加算したもの未満か否かを判断する。ここで、所定値αは、ユーザの運転性向による尿素水溶液消費量のばらつき以上に設定される。すなわち、ステップS24では、ユーザがいかなる運転をしても、尿素水溶液を欠乏させることなく余裕を持って検索されたサービスステーションまで到達することができるだけの残量があるか否かを判断する。
【0063】
そして、ステップS24で尿素水溶液残量が予測された尿素水溶液残量未満であると判断されると、ステップS26で、ユーザに対して警告を行なう。ここでは、例えばナビゲーションシステムB16により、音声案内を行なうようにする。
【0064】
続くステップS28では、まず、尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションまで到達することができる内燃機関2の制御条件を演算する。そして、演算結果に基づき、内燃機関2の制御を制限する。具体的には、先の図2に示した排気還流通路40を介して吸気通路4に還流される排気の量(EGR量)を増量させるようにする。これにより、排気通路16に排出される排気中のNOxの濃度の低下を図る。このNOxの濃度の低下は、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されるNOxの増加速度を低下させ、ひいては、先の図3に示した処理を行なうタイミングを遅延させることができる(又は、処理を行なう頻度を低下させることができる)。
【0065】
このEGR量の増量制御の態様は、上記走行条件や尿素水溶液残量に応じて可変設定する。すなわち、尿素水溶液残量が上記予測された尿素水溶液消費量に近似すればするほど、EGR量を増量制御する度合いを大きくする。また、尿素水溶液残量が上記予測された尿素水溶液消費量よりも多ければ多いほど、EGR量の増量制御の度合いを小さくする。
【0066】
こうした態様にてEGR量の増量制御を行なうときには、ユーザにその旨を通知する。具体的には、図6に示すように、先の図1に示したナビゲーションシステムB16の表示部50において、エコランモードのランプを点灯させる。
【0067】
ちなみに、上記ナビゲーション情報には、サービスステーションの営業時間に関する情報等が含まれることが望ましい。これにより、上記最寄りのサービスステーションを、車両との距離がもっとも近いステーションとするのではなく、車両が到達したときに営業しているステーションのうちもっとも近いものとすることができる。
【0068】
なお、上記ステップS24において尿素水溶液残量が十分であると判断されるときや、ステップS28の処理を完了したときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0069】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0070】
(1)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報と、車両に残存する尿素水溶液の量とに基づき、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算した。これにより、ユーザの運転性向にかかわらず、サービスステーションまで走行することを適切に支援することができる。
【0071】
(2)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報に基づき、尿素水溶液残量がサービスステーションへの到達に十分でないと判断されるとき、上記演算を行なった。これにより、尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションまで到達することができるよう、走行をより適切に支援することができる。
【0072】
(3)上記演算結果に基づき、EGR量を増量側に制限した。これにより、NOxを浄化するために用いられる尿素水溶液の消費量を低減することができ、ひいては、尿素水溶液を欠乏させることなく確実にサービスステーションに到達させるように走行を支援することができる。特に、このEGR量の制限は、ユーザの運転によって行なえるものではない。このため、電子制御装置B6による内燃機関2の制御として行なうことが特に有効である。
【0073】
また、尿素水溶液を欠乏させることなく車両をサービスステーションへ到達させるために噴射ノズル24を介して噴射される尿素水溶液の量を低減することも考えられるが、この場合、排気特性が悪化する。これに対し、EGR量の増量側への制限は、排気特性を悪化させることなく尿素水溶液の消費量を低減することのできる手法ともなっている。
【0074】
(4)EGR量の増量制御態様を、サービスステーションと車両との間の走行条件や、尿素水溶液残量に応じて可変設定することで、走行をより適切に支援することができる。
【0075】
(5)内燃機関2の制御制限がなされているとき、その旨を通知することで、制御制限がなされていることをユーザが認識することができる。
【0076】
(6)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報として、サービスステーションと車両との間の距離、サービスステーションと車両との高度差、サービスステーションと車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態についての情報を含めることで、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を適切に演算することができる。
【0077】
(7)NOx浄化用の尿素水溶液を欠乏させることなく車両を尿素水溶液のサービスステーションまで走行させることができるように走行の支援を行なった。この尿素水溶液のサービスステーションの数は、軽油のサービスステーションの数と比較して少ないために、上記(1)〜(5)の効果をより好適に奏することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0079】
本実施形態では、内燃機関2の燃料である軽油を欠乏させることなくそのサービスステーションまで走行を支援する。
【0080】
図7に、本実施形態にかかる走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0081】
この一連の処理では、まずステップS30において、ナビゲーション情報に基づき、最寄りのサービスステーションを検索する。続くステップS32では、ナビゲーション情報に基づき、検索されたサービスステーションまでの燃料消費量を予測(算出)する。ここでは、検索されたサービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、サービスステーションまでの燃料の消費量を演算する。ちなみに、この燃料消費量は、燃料の消費量の最小値である。換言すれば、ユーザの運転性向による燃料の消費のばらつきを考慮せず、燃料の消費を最小とするように車両の運転を行なったときの燃料の消費量を意味する。
【0082】
ステップS32において燃料の消費量が算出されると、ステップS34では、現在の燃料の残量が、検索されたサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断する。具体的には、燃料残量が、予測された燃料消費量に所定値βを加算したもの未満か否かを判断する。ここで、所定値βは、ユーザの運転性向による燃料消費量のばらつき以上に設定される。すなわち、ステップS34では、ユーザがいかなる運転をしても、燃料を欠乏させることなく余裕を持って検索されたサービスステーションまで到達することができるだけの残量があるか否かを判断する。
【0083】
そして、ステップS34で燃料残量が予測された燃料残量未満であると判断されると、ステップS36で、ユーザに対して警告を行なう。
【0084】
続くステップS38では、まず、燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算する。そして、この演算結果に基づき、車両の運転を制限する。具体的には、車両の加速度と、車両の平均的な速度(平均車速)とを制限する。これは、以下の理由による。
【0085】
図8に、車両の加速特性と燃料消費率との関係を模式的に示す。図8では、加速度が大きい順に、A,B,Cとしている。図に示されるように、一般に、ある車速Xからそれよりも速い車速Yに到達するまでの加速度が小さい方が燃料消費率が小さいとされている。このため、本実施形態では、急激な加速を制限する処理を行なう。具体的には、内燃機関2の出力トルクの急激な増加を抑制する処理を行なう。例えば、アクセルペダルが急激に踏み込まれても、燃料噴射弁10を介して噴射される燃料量の急激な増加を抑制するような処理を行なう。
【0086】
一方、図9に、平均車速と燃料消費率との関係を模式的に示す。ここでは、平均車速が大きいものから順に、A,B,C,Dとしている。図に示されるように、一般に、平均車速と燃料消費率との関係には、燃料消費率が最小となる最も効率のよい平均車速があるとされている。このため、本実施形態では、もっとも効率のよくなる車速となるように車速を制限する処理を行なう。ちなみに、もっとも効率のよくなる車速は、車両走行時に平均車速と燃料消費率との関係についてのデータを逐次収集し、この収集されたデータに基づき求めるようにすればよい。
【0087】
なお、こうした加速制限や平均車速の制限の度合いも、走行条件や燃料残量に応じて可変設定する。また、これら制限は、ステップS36の警告をした後、ユーザの許可を得て行なうようにすることが望ましい。また、ユーザからの許可が得られたときであっても、運転の制限を行なうときには、図10に示すように、制限をしている旨を表示部50に表示する(エコランモードの点灯)。ちなみに、燃料が十分にあり運転の制限を行なわないときのナビゲーションシステムB16の表示部50の表示例を図11に示す。ここでは、エコランモードが点灯されていない。
【0088】
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(4)〜(6)に準じた効果を得ることができる。
【0089】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、上記第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0090】
本実施形態では、運転制限を行なう代わりに、車両が燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算した後、この演算結果に基づき、燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達するための車両の運転についての制約情報をユーザに通知する。
【0091】
図12に、本実施形態にかかる走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0092】
この一連の処理においても、ステップS40〜S44において、先の図7のステップS30〜S34と同様の処理を行なう。続くステップS46では、燃料を欠乏させずにサービスステーションへ到達できる運転条件を演算する。そして、ステップS48では、この演算結果に基づき、車両の運転についての制約情報を例えば上記表示部50等を通じて出力する。なお、ここでも、この制約情報は、走行条件や燃料残量に応じて可変設定する。
【0093】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(6)に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
【0094】
(8)燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達することのできる運転条件を演算し、この演算結果に基づき、燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達するための車両の運転についての制約情報を通知した。これにより、ユーザが制約情報を用いることで、車両を確実にサービスステーションに到達させることが可能となる。すなわち、たとえユーザの運転性向によっては燃料を欠乏させずにサービスステーションへ到達することが困難であったとしても、ユーザが制約情報に従って車両を運転することで、自己の運転性向を改め、燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することが可能となる。
【0095】
(9)制約情報を、サービスステーションと車両との間の走行条件、及び車両に残存する燃料の量に応じて可変設定した。これにより、ユーザによるサービスステーションまでの走行をより適切に支援することができる。
【0096】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0097】
・上記第1の実施形態における内燃機関2の制御制限としては、EGR量の増量制御に限らない。例えば、燃料噴射量を減少させる制限であってもよい。
【0098】
・上記第1及び第2の実施形態において、内燃機関2の制御態様や車両の運転態様を、走行条件や、尿素水溶液残量、燃料残量に応じて可変としなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0099】
・上記第3の実施形態において、車両の運転についての制約情報を、走行条件や燃料残量に応じて可変としなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0100】
・走行支援装置としては、ディーゼルエンジンを搭載する車両の走行を支援するものにも限らない。例えばガソリンエンジンを搭載した車両や電気自動車の走行を支援するものであってもよい。
【0101】
・車両の走行によって消費されて補給所により補給される被補給物としては、上記尿素水溶液や軽油に限らない。例えば、ガソリンや、液化水素、圧縮天然ガス(CNG)等でもよい。
【0102】
・車両に残存する被補給物の量が補給所への到達に十分であるか否かを判断する手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、先の図4において、車両の走行中に取得される平均の燃料消費率に基づき、上記判断を行なうものであってもよい。
【0103】
・走行支援装置としては、車両に残存する被補給物の量が最寄りの補給所への到達に十分でないと判断されるときに、制約情報の通知や、運転の制限を行なうものにも限らない。例えば、複数の補給所の任意の1つに到達するために十分な被補給物がないときに、これらの補給所に到達するための制約情報を通知することで、ユーザが、被補給物を欠乏させることなく任意の補給所へ到達することを適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明にかかる走行支援装置の第1の実施形態について、車両内の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態にかかる内燃機関と電子制御装置とを示す図。
【図3】同実施形態にかかるNOxの浄化の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態における車両と通信衛星との通信を模式的に示す図。
【図6】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図7】第2の実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【図8】車両の加速度と燃料消費率との関係を示す図。
【図9】平均車速と燃料消費率との関係を示す図。
【図10】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図11】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図12】第3の実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0105】
2…内燃機関、B6…電子制御装置、20…NOx吸蔵触媒、22…選択還元型触媒、24…噴射ノズル、26…尿素水溶液タンク、28…ポンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の走行支援装置としては、例えば特許文献1に見られるように、車両原動機の燃料の残量と、走行時の平均燃料消費率(平均燃費)とに基づき、車両が目的地まで走行可能か否かを判断し、可能でないと判断されるときには到達可能な燃料の補給所の位置情報を表示するものも提案されている。この支援装置によれば、目的地までの走行が可能でないと判断されるときであっても、車両が補給所まで案内されるために、補給所にて燃料を補給することができ、ひいては車両を目的地まで走行させることができる。
【0003】
ところで、車両の燃料消費率はユーザの運転性向によって異なる。そして、上記支援装置では、走行時の平均燃費に基づき走行可能距離が算出されるために、この走行可能距離には、ユーザ(ドライバ)の運転性向が反映されることとなる。このため、ユーザの運転性向が変われば、走行支援装置によって示される補給所も異なることになる。これにより、例えば、運転の仕方によっては到達可能な補給所が案内の対象とならないことがある。
【0004】
このように、燃料の補給所まで車両の走行を支援することに関しては、従来の走行支援装置は未だ改良の余地の残るものとなっていた。
【0005】
なお、上記原動機の燃料を管理するものに限らず、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置にあっては、補給所までの走行の支援に未だ改良の余地が残るこうした実情も概ね共通したものとなっている。
【特許文献1】特開2004−151053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、補給所までの車両の走行をより適切に支援することのできる走行支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0008】
手段1は、車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置において、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報と、前記車両に残存する前記被補給物の量とに基づき、前記車両が前記被補給物を欠乏させることなく前記補給所へ到達することのできる前記車両の運転条件を演算する演算手段を備えることを特徴とする。
【0009】
車両の運転には、ユーザの運転性向が反映される。したがって、補給所まで車両を走行させる際に必要な被補給物の量も、ユーザの運転性向に依存して変化する。
【0010】
この点、上記構成では、補給所へ到達することができる車両の運転条件が演算されるために、ユーザの運転性向にかかわらず、ユーザが補給所まで走行することを適切に支援することができる。
【0011】
手段2は、手段1において、前記演算手段は、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報に基づき、前記車両に残存する前記被補給物の量が前記補給所への到達に十分であるか否かを判断し、前記補給所への到達に十分でないと判断するとき、前記演算を行なうことを特徴とする。
【0012】
上記構成では、被補給物の量が十分でないと判断されるときに上記運転条件を演算することで、被補給物を欠乏させることなく補給所まで到達することができるよう、走行を適切に支援することができる。
【0013】
なお、「補給所への到達に十分でない」とは、いかなる運転をしても補給所へ到達できなくなる被補給物の量に対してマージンを持たせた量とする。換言すれば、ユーザの運転態様によっては、被補給物を欠乏させることなく補給所へ到達することが困難となるときとする。
【0014】
手段3は、手段1又は2において、前記演算手段による演算結果に基づき、前記補給所へ到達するための車両の運転についての制約情報を通知する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成では、ユーザに上記制約情報を提供することで、ユーザにより車両を確実に補給所に到達させることが可能となる。すなわち、たとえユーザの運転性向によっては燃料を欠乏させずに補給所へ到達することが困難であったとしても、ユーザが制約情報に従って車両を運転することで、自己の運転性向を改め、燃料を欠乏させることなく補給所へ到達することが可能となる。
【0016】
手段4は、手段3において、前記制約情報を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定することを特徴とする。
【0017】
上記構成では、制約情報が上記走行条件や被補給物の量に基づき可変設定されるために、より適切に走行を支援することができる。すなわち、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量に近似すればするほど制約を厳しくすることで、ユーザが補給所へ確実に到達することを可能とする。また、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量より多ければ多いほど制約を緩くすることで、ユーザの運転の自由度を広げることができる。したがって、上記構成では、ユーザによる補給所までの走行をより適切に支援することができる。
【0018】
手段5は、手段3又は4において、前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、前記制約情報が、前記車両のアクセル操作態様、及び前記車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制約情報であることを特徴とする。
【0019】
一般に、車両の走行中の加速度が大きいほど燃料消費率が大きくなることが知れられている。また、車両の平均的な速度(平均車速)と燃料消費率との間には、燃料消費率を最小化する平均車速が存在するとされている。
【0020】
この点、上記構成では、アクセル操作態様と車両の平均的な速度との少なくとも一方についての制約情報を通知することで、補給所まで原動機の燃料を欠乏させることのないよう、走行を適切に支援することができる。
【0021】
手段6は、手段1〜4のいずれかにおいて、前記演算手段による演算結果に基づき、前記車両の運転に制限を加える手段を更に備えることを特徴とする。
【0022】
上記構成では、車両の運転に制限を加えるために、演算手段により演算された車両の運転条件に従って、ユーザが車両を運転する手間を除くことや、ユーザによって直接制御できない部分について、その制御の制限を行なうこと等ができる。
【0023】
手段7は、手段6において、前記運転の制限態様を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定することを特徴とする。
【0024】
上記構成では、運転の制限態様が上記走行条件や被補給物の量に基づき可変設定されるために、より適切に走行を支援することができる。すなわち、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量に近似すればするほど制限を厳しくすることで、補給所へ確実に到達することを可能とする。また、残存する被補給物の量が、車両が補給所へ到達するために最低限必要な被補給物の量よりも多ければ多いほど制限を緩くすることで、運転の自由度を広げることができる。したがって、上記構成では、補給所までの走行をより適切に支援することができる。
【0025】
手段8は、手段6又は7において、前記車両の運転に制限が加えられるとき、その旨を通知する手段を更に備えることを特徴とする。
【0026】
上記構成では、車両の運転に制限が加えられるときにその旨が通知されるために、ユーザに制限が加えられていることを認識させることができる。
【0027】
手段9は、手段〜8のいずれかにおいて、前記運転の制限が、前記車両の原動機の制御制限として行なわれることを特徴とする。
【0028】
上記構成では、原動機の制御制限を行なうことで、被補給物の消費量を好適に抑制することができる。
【0029】
手段10は、手段9において、前記原動機が、排気系の排気を吸気系に還流させる排気還流装置を備える内燃機関であるとともに、前記被補給物が、前記排気中の窒素酸化物を浄化するための尿素水溶液であり、前記制御制限が、前記吸気系に還流させる排気量を増量側に制限するものであることを特徴とする。
【0030】
上記構成では、吸気系に還流される排気量を増大させることで、排気系に排出される排気中の窒素酸化物の量を低減することができる。このため、窒素酸化物を浄化するために用いられる尿素水溶液の消費量を低減することができ、ひいては、尿素水溶液を欠乏させることなく確実に補給所に到達することができるように走行を支援することができる。
【0031】
しかも、この吸気系に還流される排気量は、ユーザによって直接制御できるものではないため、内燃機関の制御制限を行なう手段を設けることが特に有効である。
【0032】
手段11は、手段6〜10のいずれかにおいて、前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、前記運転の制限が、前記車両の加速度、及び車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制限であることを特徴とする。
【0033】
一般に、車両の走行中の加速度が大きいほど燃料消費率が大きくなることが知れられている。また、車両の平均的な速度(平均車速)と燃料消費率との間には、燃料消費率を最小化する平均車速が存在するといわれている。
【0034】
この点、上記構成では、車両の加速度と車両の平均的な速度との少なくとも一方についての制限がなされることで、補給所まで原動機の燃料を欠乏させることのないよう、走行を適切に支援することができる。
【0035】
なお、上記手段1〜4、6〜9のいずれかは、手段12によるように、前記被補給物は、ガソリン、軽油、窒素酸化物浄化用の尿素水溶液、液化水素、及び圧縮天然ガスの少なくとも1つを含むことを特徴とするようにしてもよい。
【0036】
ここで、特に窒素酸化物浄化用の尿素水溶液や、液化水素、圧縮天然ガスは、これを補給する補給所の数がガソリンや軽油と比較して少ないために、上記手段1〜4、6〜8のいずれかの走行支援装置による走行支援の効果をより好適に奏することができる。
【0037】
手段13は、手段1〜12のいずれかにおいて、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報には、前記補給所と前記車両との間の距離、前記補給所と前記車両との高度差、前記補給所と前記車両との間の路面の高度変化、前記車両を取り巻く大気の状態についての情報の少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0038】
上記構成において、補給所と車両との間の距離や、補給所と車両との高度差、補給所と車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態は、車両が補給所に到達するまでに消費する被補給物の量と相関を有する。このため、こうした情報を走行条件に関する情報として有することで、車両が被補給物を欠乏させることなく補給所へ到達することのできる車両の運転条件を適切に演算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる走行支援装置を、ディーゼルエンジンを搭載した車両に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図1に、上記車両のうち、走行支援装置及びその周辺の構成を示す。
【0041】
図示されるように、車両の原動機としての上記ディーゼルエンジン(内燃機関B2)は、動力伝達装置B4を介して車両に駆動力を付与する。内燃機関B2は、中央処理装置やメモリ等を備えて構成される電子制御装置B6により、その出力特性が制御される。内燃機関B2には、燃料供給装置B8から燃料(軽油)が供給される。燃料供給装置B8の貯蔵する燃料量は、燃料残量認識装置B10によって監視されている。そして、燃料残量認識装置B10は、燃料供給装置B8の貯蔵する燃料量についての検出値を、電子制御装置B6に出力する。更に、内燃機関B2には、尿素水溶液供給装置B12から、排気中の排気浄化装置(NOx)を浄化するための尿素水溶液が供給される。尿素水溶液供給装置B12の貯蔵する尿素水溶液の量は、尿素水溶液残量認識装置B14によって監視されている。そして、尿素水溶液残量認識装置B14は、尿素水溶液供給装置B12の貯蔵する尿素水溶液量についての検出値を、電子制御装置B6に出力する。
【0042】
ナビゲーションシステムB16は、GPS(Global Positioning System)等、車両の現在位置を検出する機能や、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の情報提供源からの道路交通情報を受信する機能、車両の現在位置についての情報や道路交通情報を電子制御装置B6やユーザ等に出力する機能等を備えている。
【0043】
ここで、内燃機関B2及び電子制御装置B6の構成について、図2を用いて更に説明する。
【0044】
図示されるように、内燃機関2(先の図1中、内燃機関B2)において、吸気通路4と燃焼室6とは、吸気バルブ8の開動作により連通される。燃焼室6には、燃焼室6に突出するようにして燃料噴射弁10が設けられている。そして、吸気通路4から燃焼室6に吸入される空気と燃料噴射弁10から噴射される燃料との混合気が燃焼に供されることで、出力軸12に駆動力が付与される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ14の開動作により、排気通路16に排出される。排気通路16には、その上流から順に、酸化触媒18、NOx吸蔵触媒20、選択還元型触媒22が設けられている。
【0045】
酸化触媒18は、例えば、白金に酸化アルミニウムを混合したものを、ステンレス製のメタル担体等に付与した構造とすればよい。
【0046】
NOx吸蔵触媒20は、排気中の酸素濃度が濃いときに排気中のNOxを酸化して硝酸塩の状態で一時的に吸蔵し、排気中の酸素濃度が低下したときにNOxを分解して放出するものである。
【0047】
選択還元型触媒22は、アンモニアを利用して排気中のNOxを浄化するものである。選択還元型触媒22の上流(詳しくは、NOx吸蔵触媒20と選択還元型触媒22との間)には、排気通路16に尿素水溶液を噴出する噴射ノズル24が設けられている。この噴射ノズル24には、尿素水溶液タンク26からポンプ28によって汲み上げられた尿素水溶液が供給される。ちなみに、先の図1に示した尿素水溶液供給装置B12は、これら噴射ノズル24、尿素水溶液タンク26、及びポンプ28を備えて構成される。また、尿素水溶液タンク26内の尿素水溶液残量は、尿素水溶液センサ30により検出され、電子制御装置B6に供給される。ちなみに、先の図1に示した尿素水溶液残量認識装置B14は、尿素水溶液センサ30を備えて構成される。
【0048】
内燃機関2は、更に排気還流装置を備えている。この排気還流装置は、排気通路16と吸気通路4とを連通させる排気還流通路40と、排気還流通路40の流路面積を調整するEGRバルブ41とを備えて構成されている。そして、排気還流通路40を介して吸気通路4に還流される排気の量が、EGRバルブ41によって調整される。
【0049】
なお、上記電子制御装置B6は、尿素水溶液センサ30をはじめ、内燃機関2の運転状態や運転環境等を検出する各種センサの検出値、更には、アクセルペダルの操作量を検出するセンサの検出値等を取り込み、これに基づき、内燃機関2の各種アクチュエータを操作することで、その出力特性を制御する。
【0050】
特に、本実施形態では、選択還元型触媒22を用いて排気中のNOxを浄化するために、噴射ノズル24を操作する。以下、これについて詳述する。
【0051】
図3に、選択還元型触媒22を用いた排気の浄化にかかる処理の手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0052】
この一連の処理では、まずステップS10において、内燃機関2の出力軸12の回転速度と、燃料噴射弁10から噴射される燃料量とに基づき、NOxの生成量を推定算出する。すなわち、NOxの生成量は、内燃機関2の回転速度及び燃料噴射量と相関を有することに鑑み、これら2つのパラメータによってNOxの生成量を推定算出する。具体的には、内燃機関2の回転速度と燃料噴射量とを独立変数とし、NOxの生成量を従属変数とする2次元マップを、実験等により取得したデータに基づき作成し、これを電子制御装置B6に予め記憶しておく。そして、電子制御装置B6においてこのマップを用いたマップ演算によりNOxの生成量を算出する。
【0053】
続くステップS12では、ステップS10において算出されるNOxの生成量に基づき、先の図2に示したNOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxの量を推定算出する。ここでは、例えば上記ステップS10において算出されるNOxの生成量が全てNOx吸蔵触媒20に吸蔵されると想定し、このNOxの生成量の積算値を、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOx量として算出してもよい。
【0054】
続くステップS14では、上記ステップS12で算出されたNOx吸蔵量が所定以上であるか否かを判断する。この判断は、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxの量がNOx吸蔵触媒20が吸蔵することのできる量と略等しくなる等、NOx吸蔵触媒20によるNOxの吸蔵が困難となる所定の条件下にあるか否かを判断するためのものである。
【0055】
そして、NOx吸蔵量が所定以上であると判断されると、ステップS16において、先の図2に示した噴射ノズル24を操作することにより、排気通路16に尿素水溶液を噴射する。ここでは、尿素水溶液の噴射と併せて、燃料噴射制御を、通常時のモードから、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxを分解放出させるモードに切り替える。この切り替えられたモードは、例えば、燃料のメイン噴射に先立ちパイロット噴射を行うとともに、通常時のモードよりも噴射時期が遅いタイミングでメイン噴射を行い、更にメイン噴射に続いて非着火のタイミングでポスト噴射を行なうものとしてもよい。
【0056】
なお、ステップS14においてNOx吸蔵量が所定未満であると判断されるときや、ステップS16の処理が完了したときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0057】
上記態様にて尿素水溶液と選択還元型触媒22を用いることで、NOx吸蔵触媒20のNOx吸蔵量が過剰となる前に、確実にNOx吸蔵触媒20に吸蔵されたNOxを浄化することができる。ただし、車両に尿素水溶液を供給するサービスステーションは、内燃機関2の燃料である軽油を供給するサービスステーションと比較してその数が少ないため、尿素水溶液が欠乏したとき、これを補給することは比較的困難なものとなっている。
【0058】
そこで、本実施形態では、サービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、車両に残存する尿素水溶液の量がサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断するようにする。そして、十分でないと判断されるときには、上記走行条件と、残存する尿素水溶液の量とに基づき、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算する。これにより、尿素水溶液を供給することのできるサービスステーションにユーザが車両を確実に到達させることができるように、走行支援を行なう。以下、これについて詳述する。
【0059】
図4に、尿素水溶液を欠乏させることなく車両を走行させることができるように支援する走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0060】
この一連の処理では、まずステップS20において、ナビゲーション情報に基づき、最寄りのサービスステーションを検索する。ここでナビゲーション情報は、先の図1に示したナビゲーションシステムB16から取得される情報であり、例えば、図5に示すように、GPS等により取得される情報である。この図では、車両V(詳しくは、ナビゲーションシステムB16)が、通信衛星SAと通信しているところを模式的に示している。
【0061】
続くステップS22では、ナビゲーション情報に基づき、検索されたサービスステーションまでの尿素水溶液消費量を予測(算出)する。ここでは、検索されたサービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、サービスステーションまでの尿素水溶液の消費量を演算する。ここで、走行条件とは、サービスステーションと車両との距離のみならず、サービスステーションと車両との高度差、サービスステーションと車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態(風速、気温等)等の条件を含めることが望ましい。ちなみに、この尿素水溶液消費量は、尿素水溶液の消費量の最小値である。換言すれば、ユーザの運転性向による尿素水溶液の消費のばらつきを考慮せず、尿素水溶液の消費を最小とするように内燃機関2の駆動制御を行なったときの尿素水溶液の消費量を意味する。
【0062】
ステップS22において尿素水溶液の消費量が算出されると、ステップS24では、現在の尿素水溶液の残量が、検索されたサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断する。具体的には、尿素水溶液残量が、予測された尿素水溶液消費量に所定値αを加算したもの未満か否かを判断する。ここで、所定値αは、ユーザの運転性向による尿素水溶液消費量のばらつき以上に設定される。すなわち、ステップS24では、ユーザがいかなる運転をしても、尿素水溶液を欠乏させることなく余裕を持って検索されたサービスステーションまで到達することができるだけの残量があるか否かを判断する。
【0063】
そして、ステップS24で尿素水溶液残量が予測された尿素水溶液残量未満であると判断されると、ステップS26で、ユーザに対して警告を行なう。ここでは、例えばナビゲーションシステムB16により、音声案内を行なうようにする。
【0064】
続くステップS28では、まず、尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションまで到達することができる内燃機関2の制御条件を演算する。そして、演算結果に基づき、内燃機関2の制御を制限する。具体的には、先の図2に示した排気還流通路40を介して吸気通路4に還流される排気の量(EGR量)を増量させるようにする。これにより、排気通路16に排出される排気中のNOxの濃度の低下を図る。このNOxの濃度の低下は、NOx吸蔵触媒20に吸蔵されるNOxの増加速度を低下させ、ひいては、先の図3に示した処理を行なうタイミングを遅延させることができる(又は、処理を行なう頻度を低下させることができる)。
【0065】
このEGR量の増量制御の態様は、上記走行条件や尿素水溶液残量に応じて可変設定する。すなわち、尿素水溶液残量が上記予測された尿素水溶液消費量に近似すればするほど、EGR量を増量制御する度合いを大きくする。また、尿素水溶液残量が上記予測された尿素水溶液消費量よりも多ければ多いほど、EGR量の増量制御の度合いを小さくする。
【0066】
こうした態様にてEGR量の増量制御を行なうときには、ユーザにその旨を通知する。具体的には、図6に示すように、先の図1に示したナビゲーションシステムB16の表示部50において、エコランモードのランプを点灯させる。
【0067】
ちなみに、上記ナビゲーション情報には、サービスステーションの営業時間に関する情報等が含まれることが望ましい。これにより、上記最寄りのサービスステーションを、車両との距離がもっとも近いステーションとするのではなく、車両が到達したときに営業しているステーションのうちもっとも近いものとすることができる。
【0068】
なお、上記ステップS24において尿素水溶液残量が十分であると判断されるときや、ステップS28の処理を完了したときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0069】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0070】
(1)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報と、車両に残存する尿素水溶液の量とに基づき、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算した。これにより、ユーザの運転性向にかかわらず、サービスステーションまで走行することを適切に支援することができる。
【0071】
(2)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報に基づき、尿素水溶液残量がサービスステーションへの到達に十分でないと判断されるとき、上記演算を行なった。これにより、尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションまで到達することができるよう、走行をより適切に支援することができる。
【0072】
(3)上記演算結果に基づき、EGR量を増量側に制限した。これにより、NOxを浄化するために用いられる尿素水溶液の消費量を低減することができ、ひいては、尿素水溶液を欠乏させることなく確実にサービスステーションに到達させるように走行を支援することができる。特に、このEGR量の制限は、ユーザの運転によって行なえるものではない。このため、電子制御装置B6による内燃機関2の制御として行なうことが特に有効である。
【0073】
また、尿素水溶液を欠乏させることなく車両をサービスステーションへ到達させるために噴射ノズル24を介して噴射される尿素水溶液の量を低減することも考えられるが、この場合、排気特性が悪化する。これに対し、EGR量の増量側への制限は、排気特性を悪化させることなく尿素水溶液の消費量を低減することのできる手法ともなっている。
【0074】
(4)EGR量の増量制御態様を、サービスステーションと車両との間の走行条件や、尿素水溶液残量に応じて可変設定することで、走行をより適切に支援することができる。
【0075】
(5)内燃機関2の制御制限がなされているとき、その旨を通知することで、制御制限がなされていることをユーザが認識することができる。
【0076】
(6)サービスステーションと車両との間の走行条件に関する情報として、サービスステーションと車両との間の距離、サービスステーションと車両との高度差、サービスステーションと車両との間の路面の高度変化、車両を取り巻く大気の状態についての情報を含めることで、車両が尿素水溶液を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を適切に演算することができる。
【0077】
(7)NOx浄化用の尿素水溶液を欠乏させることなく車両を尿素水溶液のサービスステーションまで走行させることができるように走行の支援を行なった。この尿素水溶液のサービスステーションの数は、軽油のサービスステーションの数と比較して少ないために、上記(1)〜(5)の効果をより好適に奏することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0079】
本実施形態では、内燃機関2の燃料である軽油を欠乏させることなくそのサービスステーションまで走行を支援する。
【0080】
図7に、本実施形態にかかる走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0081】
この一連の処理では、まずステップS30において、ナビゲーション情報に基づき、最寄りのサービスステーションを検索する。続くステップS32では、ナビゲーション情報に基づき、検索されたサービスステーションまでの燃料消費量を予測(算出)する。ここでは、検索されたサービスステーションと車両との間の走行条件に基づき、サービスステーションまでの燃料の消費量を演算する。ちなみに、この燃料消費量は、燃料の消費量の最小値である。換言すれば、ユーザの運転性向による燃料の消費のばらつきを考慮せず、燃料の消費を最小とするように車両の運転を行なったときの燃料の消費量を意味する。
【0082】
ステップS32において燃料の消費量が算出されると、ステップS34では、現在の燃料の残量が、検索されたサービスステーションへの到達に十分であるか否かを判断する。具体的には、燃料残量が、予測された燃料消費量に所定値βを加算したもの未満か否かを判断する。ここで、所定値βは、ユーザの運転性向による燃料消費量のばらつき以上に設定される。すなわち、ステップS34では、ユーザがいかなる運転をしても、燃料を欠乏させることなく余裕を持って検索されたサービスステーションまで到達することができるだけの残量があるか否かを判断する。
【0083】
そして、ステップS34で燃料残量が予測された燃料残量未満であると判断されると、ステップS36で、ユーザに対して警告を行なう。
【0084】
続くステップS38では、まず、燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算する。そして、この演算結果に基づき、車両の運転を制限する。具体的には、車両の加速度と、車両の平均的な速度(平均車速)とを制限する。これは、以下の理由による。
【0085】
図8に、車両の加速特性と燃料消費率との関係を模式的に示す。図8では、加速度が大きい順に、A,B,Cとしている。図に示されるように、一般に、ある車速Xからそれよりも速い車速Yに到達するまでの加速度が小さい方が燃料消費率が小さいとされている。このため、本実施形態では、急激な加速を制限する処理を行なう。具体的には、内燃機関2の出力トルクの急激な増加を抑制する処理を行なう。例えば、アクセルペダルが急激に踏み込まれても、燃料噴射弁10を介して噴射される燃料量の急激な増加を抑制するような処理を行なう。
【0086】
一方、図9に、平均車速と燃料消費率との関係を模式的に示す。ここでは、平均車速が大きいものから順に、A,B,C,Dとしている。図に示されるように、一般に、平均車速と燃料消費率との関係には、燃料消費率が最小となる最も効率のよい平均車速があるとされている。このため、本実施形態では、もっとも効率のよくなる車速となるように車速を制限する処理を行なう。ちなみに、もっとも効率のよくなる車速は、車両走行時に平均車速と燃料消費率との関係についてのデータを逐次収集し、この収集されたデータに基づき求めるようにすればよい。
【0087】
なお、こうした加速制限や平均車速の制限の度合いも、走行条件や燃料残量に応じて可変設定する。また、これら制限は、ステップS36の警告をした後、ユーザの許可を得て行なうようにすることが望ましい。また、ユーザからの許可が得られたときであっても、運転の制限を行なうときには、図10に示すように、制限をしている旨を表示部50に表示する(エコランモードの点灯)。ちなみに、燃料が十分にあり運転の制限を行なわないときのナビゲーションシステムB16の表示部50の表示例を図11に示す。ここでは、エコランモードが点灯されていない。
【0088】
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(4)〜(6)に準じた効果を得ることができる。
【0089】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、上記第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0090】
本実施形態では、運転制限を行なう代わりに、車両が燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することのできる車両の運転条件を演算した後、この演算結果に基づき、燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達するための車両の運転についての制約情報をユーザに通知する。
【0091】
図12に、本実施形態にかかる走行支援の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置B6により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0092】
この一連の処理においても、ステップS40〜S44において、先の図7のステップS30〜S34と同様の処理を行なう。続くステップS46では、燃料を欠乏させずにサービスステーションへ到達できる運転条件を演算する。そして、ステップS48では、この演算結果に基づき、車両の運転についての制約情報を例えば上記表示部50等を通じて出力する。なお、ここでも、この制約情報は、走行条件や燃料残量に応じて可変設定する。
【0093】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(6)に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
【0094】
(8)燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達することのできる運転条件を演算し、この演算結果に基づき、燃料を欠乏させることなくサービスステーションに到達するための車両の運転についての制約情報を通知した。これにより、ユーザが制約情報を用いることで、車両を確実にサービスステーションに到達させることが可能となる。すなわち、たとえユーザの運転性向によっては燃料を欠乏させずにサービスステーションへ到達することが困難であったとしても、ユーザが制約情報に従って車両を運転することで、自己の運転性向を改め、燃料を欠乏させることなくサービスステーションへ到達することが可能となる。
【0095】
(9)制約情報を、サービスステーションと車両との間の走行条件、及び車両に残存する燃料の量に応じて可変設定した。これにより、ユーザによるサービスステーションまでの走行をより適切に支援することができる。
【0096】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0097】
・上記第1の実施形態における内燃機関2の制御制限としては、EGR量の増量制御に限らない。例えば、燃料噴射量を減少させる制限であってもよい。
【0098】
・上記第1及び第2の実施形態において、内燃機関2の制御態様や車両の運転態様を、走行条件や、尿素水溶液残量、燃料残量に応じて可変としなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0099】
・上記第3の実施形態において、車両の運転についての制約情報を、走行条件や燃料残量に応じて可変としなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0100】
・走行支援装置としては、ディーゼルエンジンを搭載する車両の走行を支援するものにも限らない。例えばガソリンエンジンを搭載した車両や電気自動車の走行を支援するものであってもよい。
【0101】
・車両の走行によって消費されて補給所により補給される被補給物としては、上記尿素水溶液や軽油に限らない。例えば、ガソリンや、液化水素、圧縮天然ガス(CNG)等でもよい。
【0102】
・車両に残存する被補給物の量が補給所への到達に十分であるか否かを判断する手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、先の図4において、車両の走行中に取得される平均の燃料消費率に基づき、上記判断を行なうものであってもよい。
【0103】
・走行支援装置としては、車両に残存する被補給物の量が最寄りの補給所への到達に十分でないと判断されるときに、制約情報の通知や、運転の制限を行なうものにも限らない。例えば、複数の補給所の任意の1つに到達するために十分な被補給物がないときに、これらの補給所に到達するための制約情報を通知することで、ユーザが、被補給物を欠乏させることなく任意の補給所へ到達することを適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明にかかる走行支援装置の第1の実施形態について、車両内の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態にかかる内燃機関と電子制御装置とを示す図。
【図3】同実施形態にかかるNOxの浄化の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態における車両と通信衛星との通信を模式的に示す図。
【図6】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図7】第2の実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【図8】車両の加速度と燃料消費率との関係を示す図。
【図9】平均車速と燃料消費率との関係を示す図。
【図10】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図11】同実施形態におけるナビゲーションシステムの表示部の表示例を示す図。
【図12】第3の実施形態にかかる走行支援の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0105】
2…内燃機関、B6…電子制御装置、20…NOx吸蔵触媒、22…選択還元型触媒、24…噴射ノズル、26…尿素水溶液タンク、28…ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置において、
前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報と、前記車両に残存する前記被補給物の量とに基づき、前記車両が前記被補給物を欠乏させることなく前記補給所へ到達することのできる前記車両の運転条件を演算する演算手段を備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項2】
前記演算手段は、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報に基づき、前記車両に残存する前記被補給物の量が前記補給所への到達に十分であるか否かを判断し、前記補給所への到達に十分でないと判断するとき、前記演算を行なう請求項1記載の走行支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の走行支援装置において、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記補給所へ到達するための車両の運転についての制約情報を通知する手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項4】
前記制約情報を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定する請求項3記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、
前記制約情報が、前記車両のアクセル操作態様、及び前記車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制約情報である請求項3又は4記載の走行支援装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の走行支援装置において、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記車両の運転に制限を加える手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項7】
前記運転の制限態様を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定する請求項6記載の走行支援装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載の走行支援装置において、
前記車両の運転に制限が加えられるとき、その旨を通知する手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項9】
前記運転の制限が、前記車両の原動機の制御制限として行なわれる請求項6〜8のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項10】
前記原動機が、排気系の排気を吸気系に還流させる排気還流装置を備える内燃機関であるとともに、前記被補給物が、前記排気中の窒素酸化物を浄化するための尿素水溶液であり、
前記制御制限が、前記吸気系に還流させる排気量を増量側に制限するものである請求項9記載の走行支援装置。
【請求項11】
前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、
前記運転の制限が、前記車両の加速度、及び車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制限である請求項6〜9のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項12】
前記被補給物は、ガソリン、軽油、窒素酸化物浄化用の尿素水溶液、液化水素、及び圧縮天然ガスの少なくとも1つを含む請求項1〜4、6〜9のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項13】
前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報には、前記補給所と前記車両との間の距離、前記補給所と前記車両との高度差、前記補給所と前記車両との間の路面の高度変化、前記車両を取り巻く大気の状態についての情報の少なくとも1つが含まれる請求項1〜12のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項1】
車両の走行により消費されて補給所により補給される被補給物を管理する走行支援装置において、
前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報と、前記車両に残存する前記被補給物の量とに基づき、前記車両が前記被補給物を欠乏させることなく前記補給所へ到達することのできる前記車両の運転条件を演算する演算手段を備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項2】
前記演算手段は、前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報に基づき、前記車両に残存する前記被補給物の量が前記補給所への到達に十分であるか否かを判断し、前記補給所への到達に十分でないと判断するとき、前記演算を行なう請求項1記載の走行支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の走行支援装置において、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記補給所へ到達するための車両の運転についての制約情報を通知する手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項4】
前記制約情報を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定する請求項3記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、
前記制約情報が、前記車両のアクセル操作態様、及び前記車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制約情報である請求項3又は4記載の走行支援装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の走行支援装置において、
前記演算手段による演算結果に基づき、前記車両の運転に制限を加える手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項7】
前記運転の制限態様を、前記補給所と前記車両との間の走行条件、及び前記車両に残存する前記被補給物の量の少なくとも一方に応じて可変設定する請求項6記載の走行支援装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載の走行支援装置において、
前記車両の運転に制限が加えられるとき、その旨を通知する手段を更に備えることを特徴とする走行支援装置。
【請求項9】
前記運転の制限が、前記車両の原動機の制御制限として行なわれる請求項6〜8のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項10】
前記原動機が、排気系の排気を吸気系に還流させる排気還流装置を備える内燃機関であるとともに、前記被補給物が、前記排気中の窒素酸化物を浄化するための尿素水溶液であり、
前記制御制限が、前記吸気系に還流させる排気量を増量側に制限するものである請求項9記載の走行支援装置。
【請求項11】
前記被補給物が、前記車両の原動機の燃料であり、
前記運転の制限が、前記車両の加速度、及び車両の平均的な速度の少なくとも一方についての制限である請求項6〜9のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項12】
前記被補給物は、ガソリン、軽油、窒素酸化物浄化用の尿素水溶液、液化水素、及び圧縮天然ガスの少なくとも1つを含む請求項1〜4、6〜9のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項13】
前記補給所と前記車両との間の走行条件に関する情報には、前記補給所と前記車両との間の距離、前記補給所と前記車両との高度差、前記補給所と前記車両との間の路面の高度変化、前記車両を取り巻く大気の状態についての情報の少なくとも1つが含まれる請求項1〜12のいずれかに記載の走行支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−226171(P2006−226171A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39982(P2005−39982)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]