説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】TLPMと保護素子を集積すること。TLPMとともに保護素子を作製すること。
【解決手段】複数のトレンチ5により、p型半導体基板1上のn型ウェル領域2aの表面層を、第1メサ領域33、第2メサ領域34および第3メサ領域35に分割する。第1メサ領域33、第2メサ領域34および第3メサ領域35に、それぞれn型ソース領域7、n型ドレイン領域6およびp型コレクタ領域4bを設ける。n型ウェル領域2a内で、トレンチ5の底面にn型拡張ドレイン領域3a,3bを設ける。n型ソース領域7とn型拡張ドレイン領域3bの間にp型チャネル領域4aを設ける。このような構造により、コレクタ電極9bとソース電極10の間に、p型コレクタ領域4bと、n型ウェル領域2aおよびn型拡張ドレイン領域3bと、p型チャネル領域4aと、n型ソース領域7からなるPNPNサイリスタ構造の保護素子を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特にスイッチング電源用IC、自動車パワー系駆動用ICまたはフラットパネルディスプレー駆動用ICなど、高耐圧で大電流を制御するICに用いられる低オン抵抗のパワーMOSFET(金属−酸化膜−半導体よりなる絶縁ゲート構造を有する電界効果トランジスタ)に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、携帯機器の急速な普及や通信技術の高度化などに伴い、パワーMOSFETを内蔵したパワーICの重要性が高まっている。横型パワーMOSFETを制御回路に集積したパワーICでは、従来のパワーMOSFET単体と制御駆動回路とを組み合わせてなる構成に対し、小型化、低消費電力化、高信頼性化および低コスト化などが期待される。そこで、CMOS回路よりなる制御駆動回路と横型パワーMOSFETとを同一半導体基板上に集積するため、CMOSプロセスをベースにした高性能な横型パワーMOSFETの開発が活発に行われている。
【0003】
パワーICに搭載される高耐圧パワーMOSFETの性能を表す重要な指標の1つに、単位面積あたりのオン抵抗がある。最近、このオン抵抗を低減するため、基板にトレンチを形成する技術が導入されている。図13は、従来のトレンチ構造を適用した横型パワーMOSFET(以下、TLPMとする)の構成を示す断面図である。
【0004】
図13に示すように、p型半導体基板51の表面領域にn型ウェル領域52が形成されており、その表面領域にp型オフセット領域54が形成されている。基板表面からはトレンチ55がp型オフセット領域54を貫通してn型拡張ドレイン領域53に達するように形成されている。トレンチ55の底部は、ドリフト領域となるn型拡張ドレイン領域53により囲まれている。
【0005】
トレンチ55の内側には、その側壁に沿ってゲート酸化膜63が設けられている。ゲート酸化膜63の内側には、ゲートポリシリコン電極61が設けられている。トレンチ55の、ゲートポリシリコン電極61の内側領域は、第1の層間絶縁膜65により埋められている。この第1の層間絶縁膜65の中央部には、基板表面の第2の層間絶縁膜66と第1の層間絶縁膜65を貫通してnプラグ領域68に達するタングステンプラグ69が設けられている。
【0006】
タングステンプラグ69は、バリアメタル71により囲まれている。タングステンプラグ69およびバリアメタル71は、n型拡張ドレイン領域53内に設けられたnプラグ領域68と基板表面に設けられたドレイン電極59を電気的に接続する。p型オフセット領域54において、トレンチ55の外側には、n型ソース領域57とp型ソース領域58が設けられている。n型ソース領域57およびp型ソース領域58は、第2の層間絶縁膜66を貫通するタングステンプラグ70とこれを囲むバリアメタル72を介して、ソース電極60に電気的に接続されている。
【0007】
ところで、プレーナ型のMOSFETにおいて、静電破壊(ESD:Electrostatic Discharge)対策として、保護用サイリスタを同一基板上に形成したものが公知である(例えば、特許文献1参照。)。また、ツェナーダイオードと高利得のサイリスタを組み合わせ、静電気の印加後にツェナーダイオードをブレークダウンさせ、サイリスタにて静電気を放電させるようにした静電気保護回路を内蔵する半導体装置が公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開2005−183499号公報
【特許文献2】特開2001−351986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
静電破壊に対する高い信頼性を確保するには、上記特許文献1または2に開示されているように、静電破壊対策を行うのが好ましい。これは、図13に示すようなTLPMにおいても同様である。静電破壊対策を行わない場合には、静電気によりドレインがグランドに対して正電位になったときに、活性領域に直接大電流が流れ、それによってTLPMが破壊される危険性がある。
【0010】
そこで、TLPMを有するパワーICにおいては、ダイオードなどの保護素子を外付けにすることが考えられる。しかし、その場合には、部品点数が増えるため、コスト増、歩留まりの低下および信頼性の低下を招くおそれがある。一方、上記特許文献1または2に開示されているような保護素子を設けることが考えられるが、それらの文献に開示されている保護素子をそのまま適用できるわけではない。TLPMとともに集積される保護素子には、TLPMと集積するのに適した構成であることと、TLPMの製造プロセスでTLPMとともに作製できることが求められる。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、TLPMとの集積に適した構成の保護素子を備えた半導体装置を提供することを目的とする。また、この発明は、TLPMの製造プロセスでTLPMとともに作製できる保護素子を備えた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる半導体装置は、半導体基板上に設けられた第1導電型のウェル領域と、前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、前記第2メサ領域の表面に設けられた第1導電型の第1ドレイン領域と、前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明にかかる半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、前記第2メサ領域の表面に設けられた第1導電型の第1ドレイン領域と、前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明にかかる半導体装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明にかかる半導体装置は、請求項請求項1または2に記載の発明において、前記第1ドレイン領域と前記拡張ドレイン領域の間に、第1導電型の第2ドレイン領域をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明にかかる半導体装置は、半導体基板上に設けられた第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域と、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、前記第2メサ領域の表面に設けられ、前記拡張ドレイン領域と接触された第1導電型の第1ドレイン領域と、前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明にかかる半導体装置は、第2導電型の半導体基板と、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域と、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、前記第2メサ領域の表面に設けられ、前記拡張ドレイン領域と接触された第1導電型の第1ドレイン領域と、前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明にかかる半導体装置は、請求項5または6に記載の発明において、前記第1ドレイン領域の下に第1導電型第2ドレイン領域をさらに備え、前記拡張ドレイン領域は前記第2ドレイン領域と接触されたことを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明にかかる半導体装置は、請求項3〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記コレクタ領域と前記拡張ドレイン領域の間に、第1導電型の第3ドレイン領域をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明にかかる半導体装置は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記トレンチの側壁のうち、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って設けられた第1フィールド酸化膜と、前記第1フィールド酸化膜に沿って設けられた第1フィールドプレート電極と、前記トレンチの側壁のうち、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って設けられた第2フィールド酸化膜と、前記第2フィールド酸化膜に沿って設けられた第2フィールドプレート電極と、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項10の発明にかかる半導体装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記活性領域の最外周に前記第2メサ領域が配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項11の発明にかかる半導体装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記活性領域の最外周に前記第2メサ領域が配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項12の発明にかかる半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面層にウェル領域を形成する工程と、前記ウェル領域の表面層に第2導電型のチャネル領域を形成する工程と、前記ウェル領域にトレンチを形成して、前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置される第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置される第3メサ領域に分割する工程と、前記ウェル領域内で前記トレンチの底面に第1導電型の拡張ドレイン領域を形成する工程と、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿ってゲート酸化膜を形成し、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って第1フィールド酸化膜を形成し、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って第2フィールド酸化膜を形成する工程と、前記ゲート酸化膜に沿ってゲート電極を形成し、前記第1フィールド酸化膜に沿って第1フィールドプレート電極を形成し、前記第2フィールド酸化膜に沿って第2フィールドプレート電極を形成する工程と、前記第1メサ領域にあるチャネル領域の表面層に第1導電型のソース領域を形成し、前記第2メサ領域の表面層に第1導電型の第1ドレイン領域を形成する工程と、前記第3メサ領域の表面層に第2導電型のコレクタ領域を形成する工程と、前記トレンチの内部、並びに前記第1メサ領域、前記第2メサ領域および前記第3メサ領域の上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する工程と、前記コンタクトホールを介して、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極を形成し、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極を形成し、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項13の発明にかかる半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面層にウェル領域を形成する工程と、前記ウェル領域の、活性領域の表面層に第2導電型のチャネル領域を形成し、前記活性領域の外側の保護素子領域の表面層に第2導電型のコレクタ領域を形成する工程と、前記ウェル領域にトレンチを形成して、前記ウェル領域を、前記活性領域において交互に配置される第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記保護素子領域に配置される第3メサ領域に分割する工程と、前記ウェル領域内で前記トレンチの底面に第1導電型の拡張ドレイン領域を形成する工程と、前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿ってゲート酸化膜を形成し、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って第1フィールド酸化膜を形成し、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って第2フィールド酸化膜を形成する工程と、前記ゲート酸化膜に沿ってゲート電極を形成し、前記第1フィールド酸化膜に沿って第1フィールドプレート電極を形成し、前記第2フィールド酸化膜に沿って第2フィールドプレート電極を形成する工程と、前記第1メサ領域にあるチャネル領域の表面層に第1導電型のソース領域を形成し、前記第2メサ領域の表面層に第1導電型の第1ドレイン領域を形成する工程と、前記トレンチの内部、並びに前記第1メサ領域、前記第2メサ領域および前記第3メサ領域の上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する工程と、前記コンタクトホールを介して、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極を形成し、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極を形成し、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項14の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項13に記載の発明において、前記チャネル領域と前記コレクタ領域を、同一マスクを用いてイオン注入を行うことにより同時に形成することを特徴とする。
【0026】
請求項15の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項12〜14のいずれか一つに記載の発明において、前記チャネル領域を形成する際に、前記ウェル領域の、前記活性領域の表面層に選択的に第1導電型の第2ドレイン領域を形成し、前記第1ドレイン領域を形成する際に、前記第2ドレイン領域の表面層に前記第1ドレイン領域を形成することを特徴とする。
【0027】
請求項16の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項12〜15のいずれか一つに記載の発明において、前記チャネル領域を形成する際に、前記ウェル領域の、前記保護素子領域の表面層に選択的に第1導電型の第3ドレイン領域を形成し、前記コレクタ領域を形成する際に、前記第3ドレイン領域の表面層に前記コレクタ領域を形成することを特徴とする。
【0028】
請求項17の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項16に記載の発明において、前記第2ドレイン領域と前記第3ドレイン領域を、同一マスクを用いてイオン注入を行うことにより同時に形成することを特徴とする。
【0029】
請求項18の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項12〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記ゲート酸化膜と前記第1フィールドプレート酸化膜と前記第2フィールドプレート酸化膜を同時に形成することを特徴とする。
【0030】
請求項19の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項12〜18のいずれか一つに記載の発明において、前記ゲート電極と前記第1フィールドプレート電極と前記第2フィールドプレート電極を同時に形成することを特徴とする。
【0031】
上記請求項1〜11の発明によれば、コレクタ電極とソース電極の間に、ウェル領域が第1導電型である場合には、第2導電型のコレクタ領域と、第1導電型のウェル領域および第1導電型の拡張ドレイン領域と、第2導電型のチャネル領域と、第1導電型のソース領域により、また、ウェル領域が第2導電型である場合には、第2導電型のコレクタ領域および第2導電型のウェル領域と、第1導電型の拡張ドレイン領域と、第2導電型のチャネル領域と、第1導電型のソース領域により、それぞれ保護素子としてPNPNサイリスタ構造ができる。それによって、静電気でドレインが正電位になった場合に、活性領域においてドレイン電極とソース電極の間で静電破壊が起こる前に、このサイリスタがラッチアップし、静電気を逃がすことができる。
【0032】
また、上記請求項12によれば、保護素子となるPNPNサイリスタ構造を構成する拡張ドレイン領域およびコレクタ電極を、それぞれTLPMを構成する拡張ドレイン領域およびソース電極と一緒に形成することができる。また、上記請求項17〜37の発明によれば、保護素子となるPNPNサイリスタ構造を構成する拡張ドレイン領域、コレクタ領域およびコレクタ電極を、それぞれTLPMを構成する拡張ドレイン領域、チャネル領域およびソース電極と一緒に形成することができる。従って、TLPMの製造プロセスで、TLPMとともに保護素子を作製することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明にかかる半導体装置によれば、TLPMとの集積に適した構成の保護素子を備えた半導体装置が得られる。また、本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、TLPMの製造プロセスでTLPMとともに作製できる保護素子を備えた半導体装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置およびその製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。図中の破線は、拡散領域を示す。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0035】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図1に示すように、活性領域31を囲むように保護素子領域32が設けられている。p型半導体基板1の表面領域には、n型ウェル領域2aが設けられている。n型ウェル領域2aにおいて、4本以上、図示例では4本のトレンチ5が基板表面から形成されている。n型ウェル領域2aは、これらのトレンチ5により、第1メサ領域33と第2メサ領域34と第3メサ領域35に分割されている。
【0036】
第1メサ領域33と第2メサ領域34は、活性領域31において交互に配置されており、活性領域31における最も外側には、第1メサ領域33が配置されている。第3メサ領域35は、保護素子領域32に配置されている。n型ウェル領域2aにおいて、第1メサ領域33と第2メサ領域34の間のトレンチ5の底部には、ドリフト領域となるn型拡張ドレイン領域3aがそのトレンチ底部を囲むように形成されている。また、n型ウェル領域2aにおいて、第1メサ領域33と第3メサ領域35の間のトレンチ5の底部には、ドリフト領域となるn型拡張ドレイン領域3bがそのトレンチ底部を囲むように形成されている。図では、n型拡張ドレイン領域3a,3bは拡散領域を示す。
【0037】
第2メサ領域34の表面層には、高不純物濃度のn型第1ドレイン領域6が設けられている。第1メサ領域33の表面層には、高不純物濃度のn型ソース領域7がトレンチ5に接して設けられている。また、第1メサ領域33の表面層には、高不純物濃度のp型ソース領域8がn型ソース領域7に接して設けられている。これらn型およびp型のソース領域7,8とn型ウェル領域2aおよびn型拡張ドレイン領域3a,3bの間には、p型チャネル領域4aがn型拡張ドレイン領域3a,3bに接して設けられている。なお、n型ソース領域7とp型ソース領域8がトレンチ5の奥行き方向(図面に垂直な方向)に交互に並んで配置されていてもよい。また、n型拡張ドレイン領域3a,3bは形成しなくてもよい場合もある。第3メサ領域35の表面層には、p型コレクタ領域4bが設けられている。
【0038】
各トレンチ5において、第1メサ領域33に接する側の側壁には、ゲート酸化膜13とゲート電極11が設けられている。また、各トレンチ5において、第2メサ領域34に接する側の側壁には、第1フィールドプレート酸化膜14aと第1フィールドプレート電極12aが設けられている。各トレンチ5において、第3メサ領域35に接する側の側壁には、第2フィールドプレート酸化膜14bと第2フィールドプレート電極12bが設けられている。各トレンチ5の、ゲート電極11と第1フィールドプレート電極12aの間、およびゲート電極11と第2フィールドプレート電極12bの間は、第1層間絶縁膜15で埋められている。
【0039】
n型ソース領域7、p型ソース領域8、n型第1ドレイン領域6およびp型コレクタ領域4bのそれぞれの一部を除いて、基板表面は第2層間絶縁膜16で覆われている。ドレイン電極9aは、バリアメタル21aで覆われたタングステンプラグ19aを介して、n型第1ドレイン領域6に電気的に接続している。ソース電極10は、バリアメタル22で覆われたタングステンプラグ20を介して、n型ソース領域7およびp型ソース領域8に電気的に接続している。従って、活性領域31に形成されたTLPMは、第2メサ領域34の表面からドレイン電流を引き出し、第1メサ領域33の表面からソース電流を引き出す構成となっている。
【0040】
また、コレクタ電極9bは、バリアメタル21bで覆われたタングステンプラグ19bを介して、p型コレクタ領域4bに電気的に接続している。コレクタ電極9bとソース電極10の間には、p型コレクタ領域4bと、n型ウェル領域2aおよびn型拡張ドレイン領域3bと、p型チャネル領域4aと、n型ソース領域7により、保護素子となるPNPNサイリスタ構造ができている。この保護素子は、第1メサ領域33および第3メサ領域35からの電流を引き出す構成となっている。これらドレイン電極9a、コレクタ電極9b、第1フィールドプレート電極12aおよび第2フィールドプレート電極12bは、配線により短絡されて同電位となる。
【0041】
ここで、第1メサ領域33と第2メサ領域34の間のトレンチ底面に設けられたn型拡張ドレイン領域3a(便宜上、第1拡張ドレイン領域3aとする)の不純物濃度は、第1メサ領域33と第3メサ領域35の間のトレンチ底面に設けられたn型拡張ドレイン領域3b(便宜上、第2拡張ドレイン領域3bとする)の不純物濃度に等しくてもよい。あるいは、第1拡張ドレイン領域3aの不純物濃度が第2拡張ドレイン領域3bの不純物濃度よりも低くてもよいし、高くてもよい。ただし、第2拡張ドレイン領域3bが第1拡張ドレイン領域3aよりも高不純物濃度であるのが望ましい。その理由は、保護素子領域32の耐圧が活性領域31の耐圧よりも低くなり、保護素子領域32を活性領域31よりも早くブレークダウンさせてラッチアップさせることができるので、保護素子として期待した性能が得られるからである。
【0042】
次に、図1に示す半導体装置の製造プロセスについて図2〜図5を参照しながら説明する。まず、p型半導体基板1の表面領域にn型ウェル領域2aを形成する。続いて、n型ウェル領域2aの表面領域にp型領域を形成する。続いて、酸化膜23をマスクとしてトレンチ5を形成し、p型領域を、活性領域31のp型チャネル領域4aと保護素子領域32のp型コレクタ領域4bに分割する。そして、バッファ酸化膜30を形成した後、各トレンチ5の底面に例えばリン(P31)を垂直または斜めにイオン注入する(図2)。
【0043】
ここで、ウェル領域2の導電型がp型ではなくn型であるのは、ウェル領域2がn型拡張ドレイン領域3a,3bとつながることによって第2メサ領域34の表面からドレイン電流を引き出すことができるようにするためである。なお、トレンチ5を形成した後に、n型ウェル領域2aと、p型チャネル領域4aおよびp型コレクタ領域4bを形成してもよい。また、上述したように、p型領域をトレンチ5で分割することにより、p型チャネル領域4aとp型コレクタ領域4bを同時に形成してもよいし、別々に形成してもよい。同時に形成する場合には、同一のマスクを用いてイオン注入を行うと、マスクの枚数を少なくでき、コストを低減することができるので、好ましい。
【0044】
次いで、酸化膜23を除去し、熱拡散を行って拡張ドレイン領域3a,3bを形成する。また、トレンチ5の内壁にゲート酸化膜13と第1フィールドプレート酸化膜14aと第2フィールドプレート酸化膜14bを形成し、さらにゲート電極11と第1フィールドプレート電極12aと第2フィールドプレート電極12bを形成する。続いて、基板表面に、n型第1ドレイン領域6とn型ソース領域7を形成するためのレジストマスク24を形成し、第1メサ領域33のトレンチ脇の部分と第2メサ領域34に同時に例えば砒素(As75)をイオン注入する(図3)。
【0045】
なお、ゲート酸化膜13と第1フィールドプレート酸化膜14aと第2フィールドプレート酸化膜14bを同時に形成してもよいし、別々に形成してもよい。また、ゲート電極11と第1フィールドプレート電極12aと第2フィールドプレート電極12bを同時に形成してもよいし、別々に形成してもよい。それらを同時に形成する場合には、上述したように、コストの点で、同一のマスクを用いて形成するのが好ましい。
【0046】
レジストマスク24を除去した後、基板表面に、p型ソース領域8を形成するためのレジストマスク25を形成し、例えばホウ素(B11)をイオン注入する(図4)。なお、ホウ素のイオン注入(図4)を行った後に砒素のイオン注入(図3)を行ってもよい。レジストマスク25を除去した後、熱拡散を行ってn型第1ドレイン領域6、n型ソース領域7およびp型ソース領域8を形成する。さらに、絶縁膜を堆積し、トレンチ5の、ゲート電極11と第1フィールドプレート電極12aの間、およびゲート電極11と第2フィールドプレート電極12bの間の部分をそれぞれ第1層間絶縁膜15で埋めるとともに、基板表面に第2層間絶縁膜16を堆積する。
【0047】
その後、第2層間絶縁膜16の表面を例えばCMP(化学機械研磨)などにより平坦化する。そして、第2層間絶縁膜16の上に所望のパターンのレジストマスク26を形成し、ドレイン用のタングステンプラグ19aとソース用のタングステンプラグ20とコレクタ用のタングステンプラグ19bを埋めるためのコンタクトホール27を開口する(図5)。レジストマスク26を除去し、バリアメタル21a,21b,22、タングステンプラグ19a,19b,20、およびドレイン電極9aとコレクタ電極9bとソース電極10となる配線を形成すると、図1に示す半導体装置が完成する。コンタクトホール27を形成する際、また各電極9a,9b,10を形成する際には、上述したように、コストの点で、それぞれ同一のマスクを用いて形成するのが好ましい。
【0048】
実施の形態1によれば、保護素子領域32にPNPNサイリスタ構造の保護素子が形成されるので、静電気でドレインが正電位になった場合に、活性領域31においてドレイン電極9aとソース電極10の間で静電破壊が起こる前に、サイリスタがラッチアップし、静電気を逃がすことができる。従って、TLPMとの集積に適した構成の保護素子を備えた半導体装置が得られる。また、同一のマスクを用いて保護素子の各部とTLPMの各部を同時に形成することができるので、TLPMの製造プロセスでTLPMとともに作製できる保護素子を備えた半導体装置を製造することができる。
【0049】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図6に示すように、実施の形態2の半導体装置は、実施の形態1において、活性領域31の最も外側に第2メサ領域34を配置したものである。従って、実施の形態2では、TLPMのソース側とドレイン側の配置が実施の形態1とは逆になっている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0050】
ただし、実施の形態1の説明において、第1拡張ドレイン領域3aと第2拡張ドレイン領域3bの不純物濃度の関係については、第2メサ領域34と第3メサ領域35の間のトレンチ底面に設けられたn型拡張ドレイン領域3bを第2拡張ドレイン領域3bとする。また、実施の形態2の半導体装置の製造方法については、活性領域31においてソース形成領域とドレイン形成領域の配置が実施例1とは逆になっているだけで、その他は実施の形態1と同じである。実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0051】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図7に示すように、実施の形態3の半導体装置は、実施の形態1において、n型第1ドレイン領域6と第1拡張ドレイン領域3aの間にn型第2ドレイン領域17aを設けたものである。n型第2ドレイン領域17aは、第1拡張ドレイン領域3aよりも高不純物濃度であるのが望ましい。その理由は、ドレイン電流を引き出す部分の拡散抵抗を減らすことによって、全体のオン抵抗を低減させることができるからである。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0052】
また、実施の形態3の半導体装置の製造方法については、実施の形態1の製造方法に、マスク1枚でn型第2ドレイン領域17aを形成する工程を追加すればよい。例えば、p型チャネル領域4aおよびp型コレクタ領域4bを形成するためのイオン注入を行う際に、これらのp型領域4a,4bを形成するためのイオン注入を行う際のマスクとは別のマスクを用いてn型不純物をイオン注入し、同一の不純物拡散処理によってp型チャネル領域4aおよびp型コレクタ領域4bとともにn型第2ドレイン領域17aを形成するようにしてもよい。実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、実施の形態1よりもオン抵抗の低減を図ることができる。
【0053】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図8に示すように、実施の形態4の半導体装置は、実施の形態2において、n型第1ドレイン領域6と第1拡張ドレイン領域3aの間にn型第2ドレイン領域17aを設けたものである。実施の形態4においても、実施の形態3と同様の理由により、n型第2ドレイン領域17aは、第1拡張ドレイン領域3aよりも高不純物濃度であるのが望ましい。その他の構成は、実施の形態2と同じである。また、実施の形態4の半導体装置の製造方法については、実施の形態3で説明した通りである。実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、実施の形態2よりもオン抵抗の低減を図ることができる。
【0054】
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図9に示すように、実施の形態5の半導体装置は、実施の形態1において、n型ウェル領域2aの代わりにp型ウェル領域2bを設けたものである。この場合には、p型コレクタ領域4bと第2拡張ドレイン領域3bの間に、n型第3ドレイン領域17bが第2拡張ドレイン領域3bにつながるように設けられているのが望ましい。その理由は、n型第3ドレイン領域17bによってp型コレクタ領域4bとp型ウェル領域2bを接合分離することによって、p型コレクタ領域4bとp型ウェル領域2bの間のリーチスルーによる耐圧低下を防ぐことができるからである。また、第1拡散ドレイン領域3aは、必ず形成し、n型第1ドレイン領域とつながるように設けられているのが望ましい。その理由は、メサ領域34でドレイン電流を引き出せるようにするためである。半導体基板1がp型の場合は、p型ウェル領域2bを形成しなくてもよい場合がある。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0055】
また、実施の形態5の半導体装置を製造する際には、実施の形態1の製造方法において、まずp型半導体基板1の表面領域にp型ウェル領域2bを形成する。また、例えば、p型チャネル領域4aおよびp型コレクタ領域4bを形成するためのイオン注入を行う際に、これらのp型領域4a,4bを形成するためのイオン注入を行う際のマスクとは別のマスクを用いてn型不純物をイオン注入し、同一の不純物拡散処理によってp型チャネル領域4aおよびp型コレクタ領域4bとともにn型第3ドレイン領域17bを形成すればよい。実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、実施の形態1よりも大幅な高耐圧化を実現できるので、オン抵抗と耐圧のトレードオフ関係を改善することができる。
【0056】
実施の形態6.
図10は、本発明の実施の形態6にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図10に示すように、実施の形態6の半導体装置は、実施の形態2において、n型ウェル領域2aの代わりにp型ウェル領域2bを設けたものである。実施の形態6においても、実施の形態5と同様の理由により、n型第3ドレイン領域17bが設けられているのが望ましく、また、拡張ドレイン領域3a、3bは、必ず形成し、n型第1ドレイン領域とつながるように設けられているのが望ましい。半導体基板1がp型の場合は、p型ウェル領域2bを形成しなくてもよい場合がある。その他の構成は、実施の形態2と同じである。また、実施の形態6の半導体装置の製造方法については、実施の形態2および実施の形態5で説明した通りである。実施の形態6によれば、実施の形態2と同様の効果が得られる。また、実施の形態2よりも大幅な高耐圧化を実現できるので、オン抵抗と耐圧のトレードオフ関係を改善することができる。
【0057】
実施の形態7.
図11は、本発明の実施の形態7にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図11に示すように、実施の形態7の半導体装置は、実施の形態3において、n型ウェル領域2aの代わりにp型ウェル領域2bを設けたものである。実施の形態7においても、実施の形態5と同様の理由により、n型第3ドレイン領域17bが設けられているのが望ましい。また、拡張ドレイン領域3a、3bは、必ず形成し、n型第2ドレイン領域とつながるように設けられているのが望ましい。半導体基板1がp型の場合は、p型ウェル領域2bを形成しなくてもよい場合がある。その他の構成は、実施の形態3と同じである。また、実施の形態7の半導体装置の製造方法については、実施の形態3および実施の形態5で説明した通りである。
【0058】
なお、n型第2ドレイン領域17aとn型第3ドレイン領域17bを形成するにあたって、同一マスクを用いてn型不純物のイオン注入を行い、同一の不純物拡散処理により、n型第2ドレイン領域17aとn型第3ドレイン領域17bを同時に形成するようにしてもよい。実施の形態7によれば、実施の形態3と同様の効果が得られる。また、実施の形態3よりも大幅な高耐圧化を実現できるので、オン抵抗と耐圧のトレードオフ関係を改善することができる。
【0059】
実施の形態8.
図12は、本発明の実施の形態8にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図12に示すように、実施の形態8の半導体装置は、実施の形態4において、n型ウェル領域2aの代わりにp型ウェル領域2bを設けたものである。実施の形態8においても、実施の形態5と同様の理由により、n型第3ドレイン領域17bが設けられているのが望ましい。また、拡張ドレイン領域3a、3bは、必ず形成し、n型第2ドレイン領域とつながるように設けられているのが望ましい。半導体基板1がp型の場合は、p型ウェル領域2bを形成しなくてもよい場合がある。その他の構成は、実施の形態4と同じである。また、実施の形態8の半導体装置の製造方法については、実施の形態4および実施の形態5で説明した通りである。
【0060】
なお、実施の形態7において説明したように、n型第2ドレイン領域17aとn型第3ドレイン領域17bを同一のマスクを用い、同一の不純物拡散処理を行うことによって、同時に形成するようにしてもよい。実施の形態8によれば、実施の形態4と同様の効果が得られる。また、実施の形態4よりも大幅な高耐圧化を実現できるので、オン抵抗と耐圧のトレードオフ関係を改善することができる。
【0061】
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、p型半導体基板1に代えてn型の半導体基板を用いてもよい。また、活性領域31において第1メサ領域33と第2メサ領域34が上記各実施の形態よりも多く設けられていてもよい。さらに、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としてもよい。さらに、第1フィールドプレート電極12a,12bおよび第2フィールドプレート電極14a、14bを備えない半導体装置においても同様の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる半導体装置およびその製造方法は、高耐圧で大電流を制御する集積回路に適する低オン抵抗のパワーMOSFETに有用であり、特に、スイッチング電源用IC、自動車パワー系駆動用IC、フラットパネルディスプレー駆動用ICなどに集積されるパワーMOSFETに適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の製造途中の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置の製造途中の構成を示す断面図である。
【図4】図1に示す半導体装置の製造途中の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造途中の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態5にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態6にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態7にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図13】TLPMの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 半導体基板
2a,2b ウェル領域
3a,3b 拡張ドレイン領域
4a チャネル領域
4b コレクタ領域
5 トレンチ
6 第1ドレイン領域
7 ソース領域
9a ドレイン電極
9b コレクタ電極
10 ソース電極
11 ゲート電極
12a 第1フィールドプレート電極
12b 第2フィールドプレート電極
13 ゲート酸化膜
14a 第1フィールドプレート酸化膜
14b 第2フィールドプレート酸化膜
15,16 層間絶縁膜
17a 第2ドレイン領域
17b 第3ドレイン領域
27 コンタクトホール
31 活性領域
32 保護素子領域
33 第1メサ領域
34 第2メサ領域
35 第3メサ領域



【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に設けられた第1導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、
前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、
前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、
前記第2メサ領域の表面に設けられた第1導電型の第1ドレイン領域と、
前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、
前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、
前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、
前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
第1導電型の半導体基板と、
活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、
前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、
前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、
前記第2メサ領域の表面に設けられた第1導電型の第1ドレイン領域と、
前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、
前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、
前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、
前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ドレイン領域の下に、第1導電型の第2ドレイン領域をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板上に設けられた第2導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、
前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域と、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、
前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、
前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、
前記第2メサ領域の表面に設けられ、前記拡張ドレイン領域と接触された第1導電型の第1ドレイン領域と、
前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、
前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、
前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、
前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
第2導電型の半導体基板と、
活性領域において交互に配置された第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置された第3メサ領域に分割するトレンチと、
前記トレンチの底面に設けられた第1導電型の拡張ドレイン領域と、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿って設けられたゲート酸化膜と、
前記ゲート酸化膜に沿って設けられたゲート電極と、
前記第1メサ領域の表面に設けられた第1導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記拡張ドレイン領域の間に設けられた第2導電型のチャネル領域と、
前記第2メサ領域の表面に設けられ、前記拡張ドレイン領域と接触された第1導電型の第1ドレイン領域と、
前記第3メサ領域の表面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、
前記ソース領域に電気的に接続するソース電極と、
前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極と、
前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記第1ドレイン領域の下に第1導電型第2ドレイン領域をさらに備え、前記拡張ドレイン領域は前記第2ドレイン領域と接触されたことを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記コレクタ領域と前記拡張ドレイン領域の間に、第1導電型の第3ドレイン領域をさらに備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記トレンチの側壁のうち、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って設けられた第1フィールド酸化膜と、
前記第1フィールド酸化膜に沿って設けられた第1フィールドプレート電極と、
前記トレンチの側壁のうち、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って設けられた第2フィールド酸化膜と、
前記第2フィールド酸化膜に沿って設けられた第2フィールドプレート電極と、
を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記活性領域の最外周に前記第1メサ領域が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記活性領域の最外周に前記第2メサ領域が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項12】
半導体基板の表面層にウェル領域を形成する工程と、
前記ウェル領域の表面層に第2導電型のチャネル領域を形成する工程と、
前記ウェル領域にトレンチを形成して、前記ウェル領域を、活性領域において交互に配置される第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記活性領域の外側の保護素子領域に配置される第3メサ領域に分割する工程と、
前記ウェル領域内で前記トレンチの底面に第1導電型の拡張ドレイン領域を形成する工程と、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿ってゲート酸化膜を形成し、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って第1フィールド酸化膜を形成し、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って第2フィールド酸化膜を形成する工程と、
前記ゲート酸化膜に沿ってゲート電極を形成し、前記第1フィールド酸化膜に沿って第1フィールドプレート電極を形成し、前記第2フィールド酸化膜に沿って第2フィールドプレート電極を形成する工程と、
前記第1メサ領域にあるチャネル領域の表面層に第1導電型のソース領域を形成し、前記第2メサ領域の表面層に第1導電型の第1ドレイン領域を形成する工程と、
前記第3メサ領域の表面層に第2導電型のコレクタ領域を形成する工程と、
前記トレンチの内部、並びに前記第1メサ領域、前記第2メサ領域および前記第3メサ領域の上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する工程と、
前記コンタクトホールを介して、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極を形成し、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極を形成し、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
半導体基板の表面層にウェル領域を形成する工程と、
前記ウェル領域の、活性領域の表面層に第2導電型のチャネル領域を形成し、前記活性領域の外側の保護素子領域の表面層に第2導電型のコレクタ領域を形成する工程と、
前記ウェル領域にトレンチを形成して、前記ウェル領域を、前記活性領域において交互に配置される第1メサ領域および第2メサ領域、並びに前記保護素子領域に配置される第3メサ領域に分割する工程と、
前記ウェル領域内で前記トレンチの底面に第1導電型の拡張ドレイン領域を形成する工程と、
前記トレンチの側壁のうち、前記第1メサ領域に接する側壁に沿ってゲート酸化膜を形成し、前記第2メサ領域に接する側壁に沿って第1フィールド酸化膜を形成し、前記第3メサ領域に接する側壁に沿って第2フィールド酸化膜を形成する工程と、
前記ゲート酸化膜に沿ってゲート電極を形成し、前記第1フィールド酸化膜に沿って第1フィールドプレート電極を形成し、前記第2フィールド酸化膜に沿って第2フィールドプレート電極を形成する工程と、
前記第1メサ領域にあるチャネル領域の表面層に第1導電型のソース領域を形成し、前記第2メサ領域の表面層に第1導電型の第1ドレイン領域を形成する工程と、
前記トレンチの内部、並びに前記第1メサ領域、前記第2メサ領域および前記第3メサ領域の上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する工程と、
前記コンタクトホールを介して、前記ソース領域に電気的に接続するソース電極を形成し、前記第1ドレイン領域に電気的に接続するドレイン電極を形成し、前記コレクタ領域に電気的に接続するコレクタ電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記チャネル領域と前記コレクタ領域を、同一マスクを用いてイオン注入を行うことにより同時に形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記チャネル領域を形成する際に、前記ウェル領域の、前記活性領域の表面層に選択的に第1導電型の第2ドレイン領域を形成し、前記第1ドレイン領域を形成する際に、前記第2ドレイン領域の表面層に前記第1ドレイン領域を形成することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記チャネル領域を形成する際に、前記ウェル領域の、前記保護素子領域の表面層に選択的に第1導電型の第3ドレイン領域を形成し、前記コレクタ領域を形成する際に、前記第3ドレイン領域の表面層に前記コレクタ領域を形成することを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2ドレイン領域と前記第3ドレイン領域を、同一マスクを用いてイオン注入を行うことにより同時に形成することを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記ゲート酸化膜と前記第1フィールドプレート酸化膜と前記第2フィールドプレート酸化膜を同時に形成することを特徴とする請求項12〜17のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記ゲート電極と前記第1フィールドプレート電極と前記第2フィールドプレート電極を同時に形成することを特徴とする請求項12〜18のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−324472(P2007−324472A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155027(P2006−155027)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】