説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】微細化されたCMOS半導体装置に適したpMOSとnMOSにおいてそれぞれ適切に制御されたGe濃度分布及び形状を有するSi/SiGeゲート電極構造を備えた半導体装置を提供することである。
【解決手段】上記の課題を解決した半導体装置は、半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜との界面近くで高いゲルマニウム濃度を有し、その反対側表面で低いゲルマニウム濃度を有する第1のゲート電極と、前記絶縁膜上に形成され、電極中でほぼ一様なゲルマニウム濃度を有し、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を有する第2のゲート電極とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に、ゲート電極に微細化に適したシリコン及びシリコン・ゲルマニウム積層膜構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン及びシリコン・ゲルマニウムの積層膜(以降、Si/SiGeと表わす)をMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(以降、MOSと表わす)のゲート電極に使用する技術が、注目されている。適切に形成されたSi/SiGeゲート電極は、種々の利点を有する。例えば、ゲート電極の空乏層の形成を抑制すること、p型MOSFET(以降、pMOSと表わす)の電流駆動力を向上できること、である。
【0003】
しかし、ゲート電極上側表面のGe濃度が上昇すると、ゲート電極上に形成するシリサイドの抵抗が大きくなるという問題がある。このため、シリサイド形成前のゲート電極の表面Ge濃度は、低いことが好ましい。この問題を解決するために、SiGe層上に多結晶Si層を設ける技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、さらにゲート電極を熱酸化して電極の断面形状をT型に制御する技術が、開示されている。しかし、相補型MOSFET(以降、CMOSと表わす)への応用に関しては、言及されていない。
【0004】
SiGeゲート電極をCMOSに適用するためには、さらに解決すべき課題がある。上記したpMOSの電流駆動力を向上させるためには、ゲート電極中の、特にゲート絶縁膜との界面近傍のゲルマニウム(Ge)濃度を高くすることが好ましい。しかし、nMOSでは、ゲート絶縁膜との界面近傍のGe濃度が高くなると、pMOSとは逆に電流駆動力が低下するという問題がある。したがって、pMOSとnMOSとにおいてゲート電極中のGe濃度をそれぞれ適切に制御することが課題である。
【0005】
Si/SiGe電極を有するCMOSにおけるpMOS及びnMOSのそれぞれのゲート電極中のGe濃度を制御する技術が、非特許文献1に発表されている。非特許文献1では、p型ゲート電極の多結晶の構造を制御することによってn型ゲート電極の多結晶構造と異なる構造に形成している。その結果、p型ゲート電極のSiGe膜中のGe濃度を高く維持している。すなわち、Si/SiGeゲート電極を結晶化する際に、pMOSでは、下部のSiGe層の結晶粒径が小さく、上部のSi層の結晶粒径が大きくなるようにする。一方、nMOSでは、結晶粒径の制御を行わないため、下部SiGe層、上部Si層ともに小さな結晶粒径になる。このようにして、Geの拡散経路になる結晶粒界の密度をpMOSのゲート電極中では少なく、nMOSのゲート電極中では多くできる。その結果、pMOSのゲート電極中においてのみ、ゲート電極とゲート絶縁膜との界面近傍のGe濃度を高くすることができる。上記のような結晶粒径分布を形成するために、pMOSのゲート電極を、従来の多結晶SiGe膜と多結晶Si膜の連続形成ではなく、下部多結晶SiGe膜、中間層非晶質Si膜、中間層非晶質SiGe膜、及び上部非晶質Si膜の4層構造として形成する。その後、この4層膜を結晶化することによって結晶粒径を制御しているため、製造プロセスが複雑であるという問題がある。
【0006】
CMOS半導体装置が微細化されるにともなって、短チャネル効果を緩和するためにゲート端のソース/ドレインにエクステンションを形成する際に問題が生じている。ゲート電極を加工後にエクステンションのイオン注入を行う従来法では、ゲート電極下のエクステンションの横方向拡散量がpMOSではnMOSより大きくなり、オーバーラップ量が不均一になる。これは、エクステンションにドープする不純物の拡散係数の違いに起因する。これを解決するため、例えば、ゲート電極加工後に、pMOSではnMOSよりも厚いオフセットスペーサを形成すること、pMOSの熱処理をnMOSより低温で行うこと、等が提案されている。しかし、いずれにしてもプロセスの複雑化若しくはデバイス性能の低下を避けられない。
【0007】
したがって、微細化されたCMOS半導体装置に適したゲート電極形成技術が要求されている。すなわち、pMOSとnMOSとにおいて、Si/SiGeゲート電極中のGe濃度をそれぞれ適切に制御する技術、及びエクステンションとゲート電極とのオーバーラップ量を適切に制御する技術である。
【特許文献1】公開特許公報第2002−26318号。
【非特許文献1】Hwa Sung Rhee, Jung Il Lee, Sang Su Kim, Geum Jong Bae, Nae-In Lee, Do Hyung Kim, Jung In Hong, Ho-Kyu Kang, Kwang Pyuk Suh, 2002 Symposium On VLSI Technology Digest of Technical Papers, 13.3, pp. 126-127, “A New Double-Layered Structure for Mass-Production-Worthy CMOSFETs with Poly-SiGe Gate”.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、微細化されたCMOS半導体装置に適したpMOSとnMOSにおいてそれぞれ適切に制御されたGe濃度分布及び形状を有するSi/SiGeゲート電極構造を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、本発明の種々の態様によって解決される。
【0010】
本発明の1態様による半導体装置は、半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜との界面近くで高いゲルマニウム濃度を有し、その反対側表面で低いゲルマニウム濃度を有する第1のゲート電極と、前記絶縁膜上に形成され、電極中でほぼ一様なゲルマニウム濃度を有し、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を有する第2のゲート電極とを具備する。
【0011】
本発明の他の態様による半導体装置は、半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜との界面近くで高いゲルマニウム濃度を有し、その反対側表面で低いゲルマニウム濃度を有し、1×1015atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下の濃度の炭素、窒素、酸素の少なくともいずれか1を有する第1のゲート電極と、前記絶縁膜上に形成され、電極中でほぼ一様なゲルマニウム濃度を有し、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を有する第2のゲート電極とを具備する。
【0012】
本発明のさらに他の態様による半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に第1のシリコン膜を形成する工程と、前記第1のシリコン膜上にシリコンとゲルマニウムを含む半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜上に第2のシリコン膜を形成する工程と、第2のゲート電極を形成する領域の少なくとも前記第2のシリコン膜に6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を導入する工程と、前記第1のシリコン膜、半導体膜及び第2のシリコン膜を加工して第1及び第2のゲート電極を形成する工程と、前記第1及び第2のゲート電極を形成した前記半導体基板を熱処理して前記第1及び第2のゲート電極中のゲルマニウム濃度分布をそれぞれ異なる分布にする工程とを具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、微細化されたCMOS半導体装置に適したpMOSとnMOSにおいてそれぞれ適切に制御されたGe濃度分布及び形状を有するゲート電極構造を備えた半導体装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、pMOSとnMOSにおいてそれぞれのSi/SiGeゲート電極中のGe濃度分布及びゲート電極の形状を適切に制御することによって、CMOS半導体装置の微細化に対する上記の課題を解決して、微細化を容易にしたものである。
【0015】
以下に、本発明のいくつかの実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。図面では、一貫して対応するものは同じ参照符号で表わしている。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、SiGe層上に形成した非晶質Si層を結晶化させる前に、pMOSのゲート電極とnMOSのゲート電極に添加する不純物種及び濃度をそれぞれ変える。これによって、結晶化後のSi/SiGeゲート電極中のGe濃度をpMOSとnMOSで異なる所望の濃度分布に制御したCMOS半導体装置である。
【0017】
本実施形態によるSi/SiGeゲート電極中のGe濃度分布の一例を図1に示す。図1(a)は、pMOSのゲート電極中のGe濃度分布の一例であり、(b)は、nMOSのゲート電極中のGe濃度分布の一例である。図の横軸は、ゲート電極厚さを示し、右端がゲート電極とゲート絶縁膜との界面であり、左端が表面である。縦軸は、ゲート電極中の全原子数に対するゲルマニウム濃度を示す。図から明らかなように、pMOSでは、ゲート電極−ゲート絶縁膜界面近くのゲート電極中にGe濃度のピークがあり、表面側ではGe濃度が低い分布を有し、Ge濃度差が大きい。これに対して、nMOSでは、全体としてほぼ一様なGe濃度分布を有するが、ゲート絶縁膜との界面近くでGe濃度がやや高く、表面側で徐々に低くなり、全体としてGe濃度差が小さい。
【0018】
Si/SiGeゲート電極中の全原子数に対するGe濃度は、MOSFETの電流駆動能力の観点から、好ましくは、ゲート絶縁膜との界面近くでは、pMOSでは15%以上50%以下、nMOSでは10%以下である。pMOSにおけるGe濃度の上限は、ゲート電極の加工容易性に基づいている。また、表面のGe濃度は、pMOS及びnMOSのいずれでも5%以下であることが好ましい。これは、ゲート電極上に形成するシリサイド膜の形成容易性に基づいている。
【0019】
上記のような、pMOSとnMOSとにおいて異なったGe濃度分布を有するSi/SiGeゲート電極を備えたCMOS半導体装置の製造方法を図2(a)から図5(b)を用いて説明する。本実施形態は、本発明を容易に理解する目的で記載されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0020】
(1)まず、図2(a)に示したように、半導体基板10、例えば、シリコン基板に素子分離12及びウェル(図示せず)を形成する。素子分離12は、シリコン基板10に、例えば、浅い素子分離溝12t形成して、この素子分離溝12tを酸化膜で埋めて形成するSTI(shallow trench isolation)を使用できる。このSTIの他に、LOCOS(local oxidation of silicon)により素子分離12を形成することもできる。その後、pMOS領域及びnMOS領域にそれぞれイオン注入し、アニールを行って、ウェル(図示せず)を形成する。
【0021】
(2)次に、図2(b)に示したように、シリコン基板10の全面にゲート絶縁膜14を形成する。ゲート絶縁膜14としては、熱酸化若しくはCVD(chemical vapor deposition)−シリコン酸化膜(SiO膜)、CVD−シリコン窒化膜(SiN膜)、SiN膜を酸化したシリコン酸窒化膜(SiON膜)、若しくはSiO膜より高い誘電率を有するタンタル酸化膜(Ta膜)などの高誘電率絶縁膜を使用することができる。このゲート絶縁膜14上に第1のシリコン膜(Si膜)22、シリコンゲルマニウム膜(SiGe膜)24、及び第2のSi膜26を順次堆積する。第1のSi膜22は、シードSi膜とも呼ばれる薄いSi膜であり、この上に形成するSiGe膜24を一様に堆積させるために使用される。
【0022】
SiGe膜24は、SiとGeとを含む膜であれは良く、その組成比は、任意とすることができる。SiGe膜24の成膜時における結晶粒の構造は、柱状構造とすることが好ましい。これは、SiGe膜24を柱状構造にすることによって、他の構造、例えば、非晶質、粒状構造の場合よりも、ゲート電極中の不純物の活性化率が高くなるためである。しかも、SiGe膜24の上に形成する第2のSi膜26を非晶質にすることによって、後で述べるように、シリサイドのシート抵抗上昇も抑制することができる。さらに成膜時のSiGe中の全原子数に対するGe濃度(ピーク濃度)は、20%以上50%以下であることが望ましい。20%以上のGe濃度はpMOSの不純物の活性化率を上げるために必要であり、50%以下にするのは後のゲート電極加工のウェットエッチング工程でSiGe膜24がエッチングされないために必要である。
【0023】
また、SiGe膜24上に形成される第2のSi膜26は、非晶質、粒状、柱状などが成膜可能であるが、非晶質にすることが好ましい。これは、SiGeゲート電極を形成する際に、ゲート電極中のGeの拡散を抑制する効果が、非晶質Si膜が最も高いためである。
【0024】
さらに、第2のSi膜26とSiGe膜24との膜厚比(Si膜厚/SiGe膜厚)を3以上に設定することが好ましい。第2のSi膜26を厚くすることによって、前述のようにpMOSとnMOSとにおいてゲート電極中のGe濃度分布を大きく変えることが可能になる。
【0025】
(3)次に、nMOS形成領域にGeの再分布を促進する不純物をドープする。すなわち、図3(a)に示したように、リソグラフィによりnMOS形成領域を残して他の領域をレジスト30で覆う。レジスト30をマスクとしてnMOS形成領域の少なくとも第2のSi膜26中にn型不純物、例えば、ヒ素(As)、リン(P)をイオン注入する。イオン注入は、第2のSi膜26に限定されずにSiGe膜24にも不純物が注入されてもよい。注入する不純物濃度は、後で説明するように、6×1020atoms/cm以上であることが好ましい。さらに、第2のSi膜26の結晶性をさらに完全に非晶質化するためにイオン注入を行う。注入するイオン種は、周期律表の第4族の元素、例えば、Si、Geが好ましいが、他の元素、例えば、スズ(Sn)も使用することができる。イオン注入量は、イオン種により異なり、質量の大きな元素ほど少ない注入量で非晶質化できる。この非晶質化のためのイオン注入は、前述のn型不純物のイオン注入によって第2のSi膜26が十分に非晶質化されているのであれば、省略することが可能である。
【0026】
(4)次に、pMOS形成領域に不純物をドープする。図3(b)に示したように、nMOS領域の場合と同様にリソグラフィによりpMOS形成領域を残して他の領域をレジスト32で覆う。レジスト32をマスクとしてpMOS形成領域の少なくとも第2のSi膜26中にp型不純物、例えば、ホウ素(B)をイオン注入する。Bのイオン注入は、SiGe膜24に到達しないことが好ましい。さらに、第2のSi膜26中に、例えば、窒素(N)、炭素(C)、酸素(O)の少なくともいずれか1をイオン注入する。これらの不純物は、この後に行われるゲート電極の結晶化プロセスにおいて、Geが第2のSi膜26中へ拡散することを抑制する働きをする。このイオン注入量は、1×1015atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下であることが好ましい。このp型不純物のイオン注入及びGeの拡散抑制不純物のイオン注入は、いずれか一方若しくは両者を省略することができる。
【0027】
また、上記の(3)及び(4)のイオン注入工程は、その工程内及び工程間で順番を任意に変更することが可能である。
【0028】
(5)次に、Si/SiGe膜を加工してゲート電極20を形成する。第2のSi膜26上に形成したレジスト(図示せず)に、ゲート電極20のパターンをリソグラフィにより形成する。このレジストをマスクとして、異方性ドライエッチング(RIE:reactive ion etching)により第2のSi膜26、SiGe膜24及び第1のSi膜22を順に除去して、ゲート電極20を形成する。このようにして形成したゲート電極20の断面形状は、側面がほぼ垂直でありpMOSとnMOSとで違いがない。このゲート電極20の加工は、上述したようにレジストマスクでなく、第2のSi膜26上に形成した、例えば、SiN膜、SiO膜にレジストのゲート電極20のパターンを転写する、いわゆるハードマスクを使用して行うこともできる。
【0029】
その後、アニールを非酸化性雰囲気、例えば、窒素中で、温度、例えば、950℃から1100℃で行う。このアニールによって、ゲート電極中に注入した不純物を電気的に活性化させると同時に第2のSi膜26を結晶化させ、SiGe膜24中のGeをSi/SiGeゲート電極20中で再分布させる。この時に、工程(3)及び(4)においてイオン注入した各種の不純物のそれぞれの効果によって、pMOSのゲート電極20pとnMOSのゲート電極20nとにおいて、それぞれ異なった所望のGe濃度分布を形成することができる。すなわち、pMOSでは、Si/SiGe膜中にGeの拡散を抑制する不純物をドープしているため、ゲート電極20p中のGe濃度は、ゲート電極−ゲート絶縁膜界面近くでピークがあり、表面側ではGe濃度が低い、大きなGe濃度差を有する分布になる。これに対して、nMOSでは、Si/SiGe膜中にGeの拡散を促進する不純物をしているため、ゲート絶縁膜との界面近くでGe濃度がやや高いが、全体としてほぼ一様なGe濃度であり、Ge濃度差が小さい分布になる。
【0030】
結晶化されたゲート電極20の結晶粒径も、pMOSとnMOSとで異なる。nMOSのゲート電極20nは、pMOSのゲート電極20pよりも大きな結晶粒径になる。これは、アニールする前のnMOSのゲート電極20n中に高濃度のn形不純物をドープしてあることと、第2のSi膜26が十分に非晶質化されていることのために、アニールによって結晶粒が大きく成長するためである。この結晶粒径分布は、非特許文献1に示されたpMOSゲート電極中の結晶粒径がnMOSゲート電極中のそれよりも大きくなることと反対の分布である。
【0031】
このアニール温度は、ゲート電極20中にイオン注入した不純物の活性化率を大きくするために950℃以上の温度であることが好ましく、ゲート加工後の形状が変形しないために1100℃以下の温度であることが好ましい。
【0032】
また、このアニールは、省略することが可能であり、この場合は、後で行うソース/ドレインの活性化アニール等で兼ねることができる。
【0033】
その後、ゲート電極をわずかに酸化して、後酸化膜34を形成する。この後酸化膜34は、ゲート絶縁膜14の信頼性を高めるために形成される。このようにして、図4(a)に示した構造を形成できる。
【0034】
(6)次に、浅くかつ低濃度のソース/ドレイン、すなわち、エクステンション36を形成する。ゲート電極20をマスクとして、pMOS領域にはp型不純物、例えば、ホウ素(B)を、nMOS領域にはn型不純物、例えば、ヒ素(As)を低エネルギーでイオン注入する。続いて、アニールを行い、イオン注入した不純物を活性化させて、不純物濃度が低く拡散深さが浅いエクステンション36p、36nを形成する。このようにして、図4(b)に示したように、エクステンション36を形成できる。
【0035】
活性化アニール時のホウ素の拡散は、ヒ素の拡散より早いため、イオン注入時にpMOSのゲート電極20pの側面に、nMOSゲート電極20nの側面より厚い、いわゆるオフセットスペーサを形成することができる。このオフセットスペーサを使用することによって、pMOSとnMOSとにおいて、エクステンション36とゲート電極20とのオーバーラップ量がほぼ等しくなるように調整することができる。
【0036】
(7)次に、ゲート電極20の側面に側壁38,40を形成する。まず、第2のSiO膜38を全面に、例えば、CVDで形成する。続いて、SiN膜40を第2のSiO膜38の上に形成する。第2のSiO膜38をストッパとしてSiN膜40をRIEでエッチングして、ゲート電極20の側面にだけSiN膜40を残す。そして、シリコン基板10をストッパとして、第2のSiO膜38を同様にRIEによって除去して、シリコン基板10を露出させる。このようにして、図5(a)に示した第2のSiO膜38とSiN膜40とからなる2層の側壁をゲート電極20の側面に形成できる。この側壁形成時に、同時にゲート電極20の上面に形成されていたSiN膜40及び第2のSiO膜38も除去されて、ゲート電極20の上面が露出する。
【0037】
ここでは、2層の側壁38,40として説明したが、側壁は、単層膜若しくは3層以上の多層膜とすることもできる。また、第2のSiO膜38を除去する工程は、この後のシリサイド44を形成する工程(9)の前に行うことも可能である。
【0038】
(8)次に、ソース/ドレイン42を形成する。ゲート電極20及びゲート側壁38、40をマスクとして、pMOS領域にはp型不純物、例えば、ホウ素(B)を、nMOS領域にはn型不純物、例えば、ヒ素(As)を高濃度にイオン注入する。このイオン注入の条件は、工程(6)で形成したエクステンション36よりも、高エネルギーかつ高濃度である。続いて、アニールを行い、イオン注入した不純物を活性化させて、ソース/ドレイン42p、42nを形成する。このアニールは、イオン注入した不純物を十分に活性化させるが、拡散深さを不必要に深くしないために高温の極短時間のアニール(RTA:rapid thermal annealing)若しくはスパイクアニールが好ましい。このようにして、図5(a)に示したように、エクステンション36より不純物濃度が高く拡散深さが深いソース/ドレイン42p、42nを形成できる。
【0039】
(9)次に、ソース/ドレイン42上及びゲート電極20上にシリサイド44を形成する。シリサイド44の形成は、金属膜、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、をソース/ドレイン42上及びゲート電極20上に形成してアニールすることによって下層のシリコンと反応させる方法、あるいは、所定のシリサイドの組成を有する膜をスパッタ若しくはCVDにより直接形成する方法等を使用できる。このようにして、図5(b)に示した構造を形成できる。
【0040】
その後、層間絶縁膜の形成、多層配線の形成等の半導体装置に必要な工程を行って、CMOS半導体装置を完成する。
【0041】
次に、工程(3)で述べたnMOSのゲート電極20n中にドープするn型不純物濃度について説明する。Geの拡散を促進するために必要なn型不純物濃度は、実験的に求めることができる。本実施形態のように、SiGe膜上にSi膜を形成した後、n型不純物を2×1020atoms/cmから7×1020atoms/cmの間でそれぞれ異なる濃度をドープしてアニールを行い、Si/SiGe膜中でGeが再分布をする状態を測定した。図6は、ドープしたn型不純物濃度とアニール後のSi/SiGe膜中でのGe濃度の最大値と最小値の差との関係を示す図である。図6の横軸はn型不純物濃度を示し、縦軸はGe濃度差を示す。図6からn型不純物濃度が高くなるにつれGeの再分布が促進され、Ge濃度差が小さくなることが理解される。nMOSのゲート電極20nでは、上記したようにGe濃度差を5%以下にすることが好ましい。したがって、図6から6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物をnMOSゲート電極20nにドープすれば良いことが知られる。一方、p型不純物を添加した場合には、図示しないが、このように顕著なGeの再分布は測定されず、p型不純物濃度を6×1020atoms/cm以上に高くしてもpMOSのゲート電極20p中のGe濃度差は、大きいままであった。
【0042】
ゲート電極20p、20n中への不純物の導入を、ゲート電極20の加工前後で2回に分けてイオン注入すると、ゲート電極20中の不純物量とソース/ドレイン42中の不純物量を独立に設計できる。そのため、高濃度ソース/ドレイン42の拡散にともなう短チャネル効果を抑制しつつ、ゲート電極20中の不純物の活性化率を向上させることができる。
【0043】
このように、nMOSゲート電極20n中に6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物をドープしてアニールすることによって、nMOSとpMOSとでSi/SiGeゲート電極20中のGe濃度分布を大きく変えることができる。すなわち、図1に示したように、nMOSゲート電極20nではほぼ一様なGe濃度分布を有し、pMOSゲート電極20p中では、ゲート絶縁膜14との界面近くで高濃度のGe濃度分布を有するCMOS半導体装置を形成できる。
【0044】
さらに、MOSFETの特性面から、Si/SiGeゲート電極20中の全原子数に対するGe濃度は、ゲート絶縁膜14との界面近くにおいてnMOSでは、10%以下であることが好ましい。pMOSでは、Ge濃度が15%以上、50%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20%以上である。ゲート電極20表面のGe濃度は、nMOS、pMOSのいずれも5%以下であることが好ましい。ゲート電極20中のGe濃度差は、nMOSでは5%以下である、pMOSでは15%以上であることが好ましい。
【0045】
なお、ゲート電極20中への不純物の導入を、上記のようにゲート加工前とゲート加工後(ソース/ドレイン42形成時)の2回に分けてイオン注入することによって、MOSFETの短チャネル特性を向上するとともに、ゲート電極20中での不純物の活性化率を向上できる。
【0046】
pMOSゲート電極20p中のGeの再分布をより確実に抑制するために、上記のように、窒素、炭素、酸素の少なくともいずれか1を1×1015atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下の濃度でドープすることが好ましい。これは、これらの不純物が、Si膜中でのSi原子の自己拡散を抑制する効果を持つためである考えられる。Si原子の自己拡散が抑制されると、Si膜から外へ出るSi原子が少なくなり、その結果、Ge原子がSi膜中に拡散して入り難くなる。すなわち、Geの再分布が抑制されると考えられる。
【0047】
本実施形態によって、pMOSではゲート電極20p中のゲート絶縁膜14との界面近くのGe濃度を15%以上、50%以下の濃度にすることで、ドーパント不純物の活性化率を向上させることができ、電流駆動力を向上できる。一方、nMOSでは電流駆動力を減少させないためにゲート電極20n中のGe濃度を10%以下に低くすることができる。その結果、pMOSとnMOSの両方で性能の高いCMOS半導体装置を提供することができる。
【0048】
本実施形態の製造方法によれば、Si/SiGe積層構造のゲート電極をpMOS及びnMOSで作り分ける必要が無くなり、結果として工程数の増加を防ぐことが出来る。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、微細化されたCMOS半導体装置に適した、pMOSとnMOSにおいてそれぞれ適切に制御されたGe濃度分布を有するSi/SiGeゲート電極構造を形成することができる。その結果、高性能なCMOS半導体装置を製造することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、Si/SiGeゲート電極中のGe濃度分布を第1の実施形態と同様にpMOSとnMOSにおいてそれぞれ適切に制御すると同時に、pMOSとnMOSとでエクステンション36とゲート電極20とのオーバーラップ量をほぼ等しくなるように制御したCMOS半導体装置である。このオーバーラップ量の制御は、図7に示したようにpMOSのゲート電極20pの形状を逆テーパ形状に制御することによって実現される。
【0051】
エクステンションにドープする不純物は、一般に、pMOSでは、ホウ素(B)であり、nMOSでは、ヒ素(As)である。ホウ素の拡散係数は、ヒ素の拡散係数より大きいため、同じアニールをするとホウ素の横方向拡散距離がAsのそれより大きくなる。エクステンションのイオン注入は、一般にゲート電極をマスクとして行う。上記の横方向拡散距離の差を補正するため、pMOSのゲート電極の形状を電極下部が上部よりも幅が狭くなる、いわゆる逆テーパ形状にする。一方、nMOSのゲート電極は、通常の垂直形状にする。このように、ゲート電極20の形状を変えることによって、pMOSとnMOSとにおいてエクステンション36とゲート電極20とのオーバーラップ量を、ほぼ等しくなるように制御できる。
【0052】
本実施形態の製造プロセスの一例を図8(a)から図9(b)を用いて説明する。製造プロセスは、ゲート電極の形成の前後を除いては、第1の実施形態とほぼ同様である。そこで、同じプロセスである第1の実施形態の工程(4)までは、説明を省略する。
【0053】
図8(a)は、第1の実施形態の工程(4)が終わった図であり、nMOS形成領域の少なくとも第2のSi膜26中には、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物、例えば、As、をイオン注入し、そして必要に応じて第2のSi膜26をさらに十分に非晶質化するために周期律表の第4族元素、例えば、Si、をイオン注入してある。pMOS形成領域には、GeがSiGe膜24から第2のSi膜26への拡散することを抑制するために、1×1015atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下の濃度の、N,C,Oの少なくともいずれか1をイオン注入してある。
【0054】
(5)本実施形態では、ゲート電極20を加工する前にアニールを行い、Geを再分布させる。具体的には、上記のイオン注入をしたシリコン基板10を、950℃から1100℃の温度の、非酸化性雰囲気中でアニールする。上記したように、この時に、前の工程でイオン注入した各種の不純物のそれぞれの効果によって、pMOS形成領域とnMOS形成領域とにおいて、それぞれ異なった所望のGe濃度分布を形成することができる。すなわち、pMOS形成領域では、Si/SiGe積層膜中のゲート絶縁膜14との界面近くでGe濃度が高く、表面では、Ge濃度が低くなるGe濃度分布になる。一方、nMOS形成領域では、全体がほぼ一様なGe濃度分布になる。このアニールによって、上記積層膜のそれぞれの界面は消失する。
【0055】
その後、上記の積層膜をゲート電極20に加工する。積層膜26/24/22上に形成したレジスト(図示せず)に、ゲート電極20のパターンをリソグラフィにより形成し、このレジストをマスクとして、RIEにより積層膜26/24/22を加工する。この加工時に、Ge濃度の高い部分でサイドエッチが大きくなるように、RIE条件及びガスを選択する。このようにして、図8(b)に示したように、pMOSのゲート電極20pとnMOSのゲート電極20nとでゲート電極20の形状を作り分ける。すなわち、pMOSのゲート電極20pでは、ゲート絶縁膜14に近い部分でGe濃度が高いため、ゲート電極20pのチャネル方向の幅が表面近くの幅より狭くなる、いわゆる逆テーパ形状にする。
【0056】
この逆テーパ形状は、ウェットエッチングによっても形成できる。例えば、pMOS、nMOSともにゲート電極をRIEで垂直に形成した後に、Ge濃度が高い部分でエッチングが早く進行するようにエッチング液の組成を調整して、エッチングを行う。これによって、Ge濃度が高いpMOSのゲート電極20pのゲート絶縁膜14との界面近くでだけエッチングが促進され、ゲート電極20pがサイドエッチされて、逆テーパ形状に形成される。
【0057】
そして、ゲート電極をわずかに酸化して、後酸化膜34を形成する。このようにして、図8(b)に示した構造を形成する。
【0058】
(6)次に、エクステンション36を形成する。ゲート電極20p、20nをマスクとして、イオン注入を行う。図9(a)に示したように、pMOSのゲート電極20pが逆テーパ形状をしているため、オフセットスペーサを使用しなくても、pMOSのゲート電極20p端とエクステンションイオン注入層36piの端までの間に間隔ができる。一方、nMOSでは、ゲート電極20n端とエクステンションイオン注入層36niの端とが一致する。
【0059】
その後、第1の実施形態と同様に、エクステンション36の活性化アニール、側壁38,40の形成、ソース/ドレイン42の形成、及びシリサイド44の形成を行って、図9(b)に示したCMOSを形成する。
【0060】
その後、層間絶縁膜の形成、多層配線の形成等の半導体装置に必要な工程を行って、CMOS半導体装置を完成する。
【0061】
このようにして、pMOSのゲート電極20p中では、Ge濃度がゲート絶縁膜14との界面近くで高く表面では低い分布であり、逆テーパの断面形状とすることができる。nMOSのゲート電極20n中では、ほぼ一様のGe濃度分布であり、ほぼ一様な断面形状を形成することができる。
【0062】
さらに、本実施形態によれば、pMOSではゲート電極20p上部の幅を、ゲート電極20p下部より広くし、nMOSではゲート電極20n上部の幅をゲート電極20n下部と同等にする。このような構造にすることで、同じ膜厚のオフセットスペーサを使用しても、pMOSにおけるオフセットスペーサ幅を擬似的に厚くすることが可能となる。その結果、同一の熱工程を用いてもCMOSの性能を損なうことはなく、高性能のCMOS半導体装置を実現できる。
【0063】
本発明によれば、nMOS領域とpMOS領域とにおいて、第2のSi膜26/SiGe膜24を同時成膜しても、後の熱工程でnMOSとpMOSのそれぞれゲート電極20p、20n中で異なるGe濃度分布を形成できる。すなわち、それぞれのゲート電極20に対して所望のGe濃度分布を実現させることができる。そして、このGe濃度分布を利用して、pMOSのゲート電極20pの形状を逆テーパ形状とすることができる。このようにしてpMOSとnMOSともに高性能なCMOS半導体装置を提供することが可能となる。
【0064】
以上説明したように、本発明によれば、微細化されたCMOS半導体装置に適したpMOSとnMOSのゲート電極においてそれぞれ適切に制御されたGe濃度分布及び電極形状を有するSi/SiGeゲート電極を形成することができる。その結果、高性能なCMOS半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態にしたがった半導体装置のSi/SiGeゲート電極中のゲルマニウム濃度分布を説明するための図である。図1(a)は、pMOSゲート電極中のゲルマニウム濃度分布の一例であり、図1(b)は、nMOSゲート電極中のゲルマニウム濃度分布の一例である。
【図2】図2(a),(b)は、本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【図3】図3(a),(b)は、図2(b)に続く第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【図4】図4(a),(b)は、図3(b)に続く第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【図5】図5(a),(b)は、図4(b)に続く第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、nMOSのSi/SiGeゲート電極中におけるドープした不純物濃度とゲルマニウム濃度差との関係を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態による半導体装置の一例を説明するための図である。
【図8】図8(a),(b)は、第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【図9】図9(a),(b)は、図8(b)に続く第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
10…半導体基板,12…素子分離,14…ゲート絶縁膜,20p,20n…ゲート電極,22…第1のSi膜,24…SiGe膜,26…第2のSi膜,30,32…レジスト膜,34…後酸化膜,36…エクステンション,38…第2のSiO膜,40…SiN膜,42…ソース/ドレイン,44…シリサイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜との界面近くで高いゲルマニウム濃度を有し、その反対側表面で低いゲルマニウム濃度を有するシリコン・ゲルマニウムからなる第1のゲート電極と、
前記絶縁膜上に形成され、電極中でほぼ一様なゲルマニウム濃度を有し、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を有するシリコン・ゲルマニウムからなる第2のゲート電極と
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜との界面近くで高いゲルマニウム濃度を有し、その反対側表面で低いゲルマニウム濃度を有し、1×1015atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下の濃度の炭素、窒素、酸素の少なくともいずれか1を有するシリコン・ゲルマニウムからなる第1のゲート電極と、
前記絶縁膜上に形成され、電極中でほぼ一様なゲルマニウム濃度を有し、6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を有するシリコン・ゲルマニウムからなる第2のゲート電極と
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記シリコン・ゲルマニウムからなる第1のゲート電極は、前記絶縁膜との界面近くで全原子数に対するゲルマニウム濃度が15%以上50%以下であり、前記表面のゲルマニウム濃度が5%以下であり、この第1のゲート電極中におけるゲルマニウム濃度差が10%以上であって、
前記シリコン・ゲルマニウムからなる第2のゲート電極は、前記絶縁膜との界面近くで全原子数に対するゲルマニウム濃度が10%以下であり、表面のゲルマニウム濃度が5%以下であり、この第2のゲート電極中におけるゲルマニウム濃度差が5%以下であることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のゲート電極の前記絶縁膜との界面におけるチャネル方向の幅は、前記第1のゲート電極の前記表面における同方向の幅よりも小さく、その寸法差は、前記第2のゲート電極における寸法差よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第1のシリコン膜を形成する工程と、
前記第1のシリコン膜上にシリコンとゲルマニウムを含む半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜上に第2のシリコン膜を形成する工程と、
第2のゲート電極を形成する領域の少なくとも前記第2のシリコン膜中に6×1020atoms/cm以上の濃度のn型不純物を導入する工程と、
前記第1のシリコン膜、半導体膜及び第2のシリコン膜を加工して第1及び第2のゲート電極を形成する工程と、
前記第1及び第2のゲート電極を形成した前記半導体基板を熱処理して前記第1及び第2のゲート電極中のゲルマニウム濃度分布をそれぞれ異なる分布にする工程と
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−100599(P2006−100599A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285461(P2004−285461)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】