説明

液晶表示装置及びその製造方法

【課題】データ線から発生する電気力線が画素電極に進入することを防止し、開口率を大きくすることができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板100Aは、データ線12を覆う無機絶縁膜15と、データ線12の上方において無機絶縁膜15上に設けられた突起状の有機絶縁膜21と、有機絶縁膜21を覆い、かつ、上方から見たときにデータ線12を覆うシールド共通電極26と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置、特に、横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、高開口率及び高精細を達成するために、データ線からの電界が画素部に及ぶことを防止するため、データ線からの電界をシールドし、データ線を覆うように共通電極を形成する技術が特許文献1及び2に示されている。
【0003】
また、この技術を用いた場合には、共通電極とデータ線との間の寄生容量の増大が問題となる。このため、この寄生容量を減らすために、共通電極とデータ線との間に形成される絶縁層間膜として、低誘電率で無色な透明膜(例えば、無機膜としてはシリコン窒化膜(SiNx)、有機膜としてはアクリル系の膜)を用いる方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、シリコン窒化膜をCVD法で成膜する場合、成膜時間が長いため、1μm以上の厚膜を得るためには、長時間を要するなどの製造上の困難が生じる。また、アクリル系有機膜を得るためには、高価な専用の塗布装置等のフォトリソグラフィーラインが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−119237公報(段落番号0057、図12)
【特許文献2】特開平10−186407公報(段落番号0058、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図35及び図36に従来の横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置の構造を示す。図35は、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と呼ぶ)が形成されるTFT基板100を液晶側から見た場合の平面図であり、図36は、図35のA−A’線に沿った本液晶表示装置の断面図である。
【0007】
図36に示すように、本液晶表示装置は、TFT基板100と、TFT基板100に対向して配置されている対向基板200と、TFT基板100と対向基板200との間に形成されている液晶220の層と、から構成されている。
【0008】
TFT基板100は、ガラスからなる第一透明基板101と、第一透明基板101の上面(以下、液晶220に近い側の面を上面、液晶220から遠い側の面を下面と呼ぶ)上に形成された櫛歯状の共通電極127と、第一透明基板101の上面上に形成されたゲート配線105(図35参照)と、共通電極127を覆って第一透明基板101の上面上に形成された無機性の第一絶縁層間膜106と、第一絶縁層間膜106上に形成されたデータ線112と、第一絶縁層間膜106上に形成された櫛歯状の画素電極113と、データ線112及び画素電極113を覆って第一絶縁層間膜106上に形成された無機性の第二絶縁層間膜(パッシベーション膜)115と、第二絶縁層間膜115上に形成された配向膜120と、第一透明基板101の下面上に形成された偏光板130と、薄膜トランジスタと、から構成されている。
【0009】
薄膜トランジスタは、共通電極127と同層に形成されたアイランド109と、データ線112と同層に形成されたドレイン電極110及びソース電極111と、上記のゲート配線105と、から構成されている。
【0010】
対向基板200は、ガラスからなる第二透明基板201と、第二透明基板201の上面上に部分的に形成されたブラックマトリクス層202と、第二透明基板201の上面上及びブラックマトリクス層202上に部分的に形成された色層203と、ブラックマトリクス層202及び色層203を覆って形成された平坦化層204と、平坦化層204上に形成された配向膜120と、第二透明基板201の下面上に形成された導電層205と、導電層205上に形成された偏光板210と、から構成されている。
【0011】
TFT基板100と対向基板200との間にはスペーサー(図示せず)が挟み込まれており、液晶220の層を一定の厚さに保持している。
【0012】
また、TFT基板100及び対向基板200の周囲には、液晶220の漏出を防止するためのシール材(図示せず)が設けられている。
【0013】
図35及び図36に示した液晶表示装置においては、データ線112から発生する電気力線が画素電極113に入らないようにするため、データ線112の横に位置する共通電極127の面積を大きく取る必要があった。このため、図35及び図36に示した液晶表示装置は、開口率を大きくできないという問題点を有していた。
【0014】
また、開口率を上げるため、共通電極127をデータ線112よりも液晶220に近い層で形成し、データ線112を共通電極127でシールドする方法が考えられる。この場合、シールド層としての共通電極127との結合容量を低減させるため、データ線112と共通電極127との間には有機系絶縁層間膜を形成する。
【0015】
有機系絶縁層間膜を形成する一般的な方法は、溶剤により液体化された感光性を有する有機系樹脂の液体(以下「フォトレジスト」と称する)を塗布装置でスリット塗布やスピン塗布し、所望の膜厚にする工程と、フォトレジストに対して、露光・現像・ベークからなるフォトリソグラフィー工程を施し、所望の有機膜パターン形状を得る工程と、からなる。
【0016】
有機系絶縁層間膜に使用する材料としてはアクリル系樹脂が多く用いられる。
【0017】
アクリル系樹脂は、透明であるため、液晶表示装置における画素の部分に使用できるというメリットがあるが、同時に、以下のようなデメリットをも有していた。
(1)フォトリソグラフィー工程において、アクリル系樹脂は、一般的なノボラック系フォトレジスト塗布装置においてノボラック系樹脂と混在して使用することができない。このため、アクリル系樹脂専用の塗布装置を必要としていた。
(2)フォトリソグラフィー工程において、アクリル系樹脂用の現像液とノボラック系樹脂用の現像液とは異なるため、一般的なノボラック系フォトレジスト現像装置において、アクリル系樹脂をノボラック系樹脂と混在して現像することができない。このため、アクリル系樹脂専用の現像装置を必要としていた。
(3)アクリル系フォトレジストは常温保管できない。このため、冷蔵保管を行う必要があった。
(4)アクリル系フォトレジストは、常温では、経時変化が大きく、増粘し易い。
(5)アクリル系フォトレジストは固化し易いため、塗布装置のメンテナンス頻度が多くなることを避けられない。
(6)アクリル系フォトレジストは、ノボラック系フォトレジストに比較して、非常に高価である。
【0018】
これに対して、ノボラック系樹脂のデメリットは、ノボラック系樹脂は有色材料であるため、液晶表示装置の画素部に使用できない、という点のみである。
【0019】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、データ線から発生する電気力線が画素電極に進入することを防止し、開口率を大きくすることができる横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
本発明は、さらに、有機系絶縁層間膜としてフォトリソグラフィー工程で一般的に使用されているノボラック系有機膜を使用することを可能にするため、ノボラック系有機膜のデメリットである有色性を回避することができる横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置を提供すること及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するため、薄膜トランジスタと、データ線と、画素電極と、共通電極とを備える第1基板と、第2基板と、前記第1と前記第2基板との間に挟まれる液晶とを備え、前記データ線を介して前記薄膜トランジスタに画像信号が印加され、前記画像信号を受けた前記画素電極と前記共通電極との間に電界が発生させ、前記電界により前記液晶が前記第1基板に平行な平面内で回転する液晶表示装置において、前記第1基板は、前記データ線を覆う無機絶縁膜と、前記データ線の上方において前記無機絶縁膜上に設けられた、有色材料からなる突起状の有機絶縁膜と、前記有機絶縁膜を覆い、かつ、上方から見たときに前記データ線を覆うシールド共通電極と、を有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0022】
前記第1基板上にはさらに前記薄膜トランジスタを選択するゲート配線が設けられ、前記ゲート配線及び前記データ線は前記第1基板の周辺でそれぞれゲート配線端子電極及びデータ線端子電極に接続され、前記ゲート配線端子電極及び前記データ線端子電極は前記無機絶縁膜の上方において前記共通電極と同時に形成されるゲート端子取出し電極及びデータ端子取出し電極にそれぞれ接続されていることが好ましい。
【0023】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、前記データ線端子電極と前記データ端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取出し電極の間に、透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることが好ましい。
【0024】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、不透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、前記データ線端子電極と前記データ端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取出し電極の間に、不透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることが好ましい。
【0025】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、不透明導電層と透明導電層との積層からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、前記データ線端子電極と前記データ端子取り出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取り出し電極の間に、不透明導電層と透明導電層との積層からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることが好ましい。
【0026】
例えば、前記シールド共通電極は透明導電膜から構成される。
【0027】
あるいは、前記シールド共通電極は不透明導電膜と透明導電膜との積層膜から構成することもできる。
【0028】
前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極は同じ層に設けられることが好ましい。
【0029】
あるいは、前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極は異なる層に設けられることが好ましい。
【0030】
あるいは、前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極はジグザグ状電極に形成され、前記データ線及び突起状の前記有機絶縁膜も前記ジグザグ状電極に平行に設けられることが好ましい。
【0031】
あるいは、前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極はジグザグ状電極に形成され、前記データ線及び突起状の前記有機絶縁膜は、前記画素電極及び前記共通電極に略平行な部分とラビング方向に略平行な部分とから形成されていることが好ましい。
【0032】
前記突起状の有機絶縁膜が前記ゲート配線上の無機絶縁膜上にも設けられ、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことが好ましい。
【0033】
前記突起状の有機絶縁膜が前記薄膜トランジスタ上の無機絶縁膜上にも設けられ、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことが好ましい。
【0034】
前記突起状の有機絶縁膜が、前記ゲート配線の近傍を除いて前記データ線上の無機絶縁膜上に形成され、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことが好ましい。
【0035】
相互に別の走査線により制御され上下に隣接する画素の前記シールド共通電極が相互に電気的に接続されており、前記シールド共通電極を相互に接続する部分が、前記シールド共通電極を形成する導電層により、前記データ線と重ならない位置に形成されていることが好ましい。
【0036】
前記上下に隣接する画素の前記シールド共通電極を接続する部分が、各画素において、他の導電層でシールドされていないゲート線のうち6割以上を覆っていることが好ましい。
【0037】
前記突起状の有機絶縁膜は、その液晶側の表面が、前記シールド共通電極によって覆われていることが好ましい。
【0038】
前記第2基板には、ブラックマトリクス層と、色層と、前記ブラックマトリクス及び前記色層を覆う平坦化膜と、が設けられ、前記平坦化膜の厚さが1.5μm以上であることが好ましい。
【0039】
前記第2基板には、ブラックマトリクス層が設けられ、前記ブラックマトリクス層の抵抗率が1E9Ω・cm以上であることが好ましい。
【0040】
前記第2基板の前記データ線に対向する位置に、異なる2色の色層を積層した遮光膜が形成されていることが好ましい。
【0041】
本発明は、さらに、第1基板と第2基板との間に液晶を挟み、前記第1基板上に互いに交差するゲート配線及びデータ線を形成し、前記ゲート配線及び前記データ線が交差する点に対応して薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタのソース電極を形成すると同時に画素電極を形成し、前記画素電極に平行する共通電極を形成する液晶表示装置の製造方法であって、前記共通電極は前記データ線よりも前記液晶側に位置して前記データ線を覆うように形成され、かつ、前記共通電極は前記データ線上の無機絶縁膜上に設けられた、有色材料からなる突起状の有機絶縁膜を覆うシールド共通電極を有する形状に形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
【0042】
本発明は、さらに、第1基板と第2基板との間に液晶を挟み、前記第1基板上に互いに交差するゲート配線及びデータ線を形成し、前記ゲート配線及び前記データ線が交差する点に対応して薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタのソース電極に接続された画素電極を形成し、前記画素電極に平行に共通電極を形成する液晶表示装置の製造方法であって、前記共通電極は前記データ線よりも前記液晶側に位置して前記データ線を覆うように形成され、かつ、前記共通電極は前記データ線上の無機絶縁膜上に設けられた突起状の、有色材料からなる有機絶縁膜を覆うシールド共通電極を有する形状に形成され、前記画素電極は前記共通電極と同時に形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
【0043】
前記突起状の有機絶縁膜はその液晶側の表面が前記シールド共通電極により覆われて外部から遮断されることが好ましい。
【0044】
前記突起状の有機絶縁膜はノボラック系樹脂からなり、前記無機絶縁膜上にノボラック系樹脂の突起を形成し、前記突起を200乃至270℃の範囲の温度で30乃至120分間焼成することが好ましい。
【0045】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成の前に、前記突起に対して100乃至150℃の範囲の温度で30秒乃至15分間の熱処理を行うことが好ましい。
【0046】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成は、昇温速度を5℃/分乃至15℃/分の範囲で200乃至270℃の範囲内の所望の温度にすることが好ましい。
【0047】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成は、前記ノボラック系樹脂の200乃至270℃の範囲内の温度での焼成に至る途中で、100乃至150℃での定温加熱時間を設けることにより行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0049】
第一に、共通電極はデータ線よりも液晶側に位置してデータ線を覆い、かつ、データ線上の無機絶縁膜上に設けられた突起状の有機絶縁膜を覆うシールド共通電極を有するので、シールド共通電極により、データ線からの電気力線を終端することができる。これにより、画素電極をデータ線の近傍に配置することができるようになり、開口率を向上させることができる。
【0050】
第二に、ノボラック樹脂(及びその類似の物質)系有機膜をTFT基板の絶縁層間膜に適用することにより、データ線をシールドする共通電極とデータ線との間の寄生容量を低減させることができ、信号の遅延や消費電力を抑えることが可能となる。また、ゲート線上にノボラック有機層間膜を形成し、これを共通電極でシールドする場合には、ゲート線の寄生容量を低減することができ、ゲート線の遅延に伴うフリッカや画素書込みの面内不均一を抑制することができる。
【0051】
第三に、アクリル系フォトレジストよりも安価なノボラック系フォトレジストを用いることにより、TFT基板を安価に製造することができる。
【0052】
第四に、TFT基板における層間絶縁膜としての有機膜の占有面積を極力小さくし、かつ、画素部に有機膜を配置しないため、画素部に配置する透明導電膜からなる櫛歯電極の膜質を向上させることが可能となり、櫛歯電極パターンを精度良く形成することが可能となる。
【0053】
第五に、モリブデン(Mo)や銅(Cu)のような大気腐食性を有する金属からなる電極を有機絶縁膜で覆うことにより、大気暴露を防止し、電極の防食性能を大幅に向上させることが可能となる。
【0054】
第六に、モリブデン(Mo)や銅(Cu)のような大気腐食性を有する金属からなる電極を2層の透明導電膜で覆うことにより、大気暴露を防止し、電極の防食性能を大幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置における図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図3(a)はデータ線の形状を示す部分的な平面図であり、図3(b)は、図3(a)の点線で囲んだ四角形の領域Sの拡大図であり、図3(c)は、データ線の形状の他の例を示す部分的な平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置における図4のA−A’線に沿った断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置における図6のA−A’線に沿った断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置における図8のA−A’線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置における図10のA−A’線に沿った断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置における図12のA−A’線に沿った断面図である。
【図14】図1及び図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置におけるTFT基板の製造工程を順に示す同TFT基板の断面図であり、図1のA−A’線に沿った断面(画素部)の他に、TFT素子、共通電極配線コンタクト部、データ線端子部、ゲート配線端子(共通配線端子)部、ゲート配線の各断面を含む断面図である。
【図15】図14に続く製造工程を示す断面図である。
【図16】図15に続く製造工程を示す断面図である。
【図17】図17(a)はゲート端子電極の一例の平面図であり、図17(b)はデータ線端子電極の一例の平面図である。
【図18】ノボラック系有機絶縁層と、ノボラック系有機絶縁層を覆うゲート配線シールド(またはデータ線シールド)と、ゲート配線(またはデータ線)との位置関係を示す断面図である。
【図19】本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図20】本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置における図19のA−A’線に沿った断面図である。
【図21】図21(a)は、一例として作成した19型SXGAパネルのゲート配線(走査線)の方向において、面内の画素電極の電位の平均値をプロットした結果(面内フィードスルー電圧差)を示すグラフであり、図21(b)は、19型SXGAパネルにおいて、フィードスルー電圧の面内ポイントを示す概略図である。
【図22】本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図23】本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置における図22のA−A’線に沿った断面図である。
【図24】ノボラック系有機膜を形成する方法のフローチャートである。
【図25】アクリル系有機膜を形成する方法のフローチャートである。
【図26】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第一の例の断面図である。
【図27】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第二の例の断面図である。
【図28】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第三の例の断面図である。
【図29】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第四の例の断面図である。
【図30】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第五の例の断面図である。
【図31】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第六の例の断面図である。
【図32】大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第七の例の断面図である。
【図33】大気腐食性の無いメタルを配線材に使用した横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第一の例の断面図である。
【図34】大気腐食性の無いメタルを配線材に使用した横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第二の例の断面図である。
【図35】従来の液晶表示装置において、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板を液晶側から見た場合の平面図である。
【図36】図35のA−A’線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置500の構造を図1及び図2に示す。図1は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図2は、図1のA−A’線に沿った本液晶表示装置500の断面図である。
【0057】
図2に示すように、本液晶表示装置500は、TFT基板100Aと、TFT基板100Aに対向して配置されている対向基板200Aと、TFT基板100Aと対向基板200Aとの間に形成されている液晶220の層と、から構成されている。
【0058】
TFT基板100Aは、ガラスからなる第一透明基板1と、第一透明基板1の上面上に形成された無機性の第一絶縁層間膜6と、第一絶縁層間膜6上に形成されたデータ線12と、第一絶縁層間膜6上に形成された櫛歯状の画素電極13と、データ線12及び画素電極13を覆って第一絶縁層間膜6上に形成された無機性の第二絶縁層間膜(パッシベーション膜)15と、第二絶縁層間膜15上においてデータ線12の上方に形成されたノボラック系有機絶縁層21と、第二絶縁層間膜15上において画素電極13の間に形成された櫛歯状の共通電極27と、ノボラック系有機絶縁層21を覆って第二絶縁層間膜15上に形成された、共通電極27と同層のデータ線シールド26と、共通電極27、データ線シールド26及び第二絶縁層間膜15を覆う配向膜120と、第一透明基板101の下面上に形成された偏光板110と、第一透明基板1の上面上に形成されたゲート配線5(図1参照)と、薄膜トランジスタと、から構成されている。
【0059】
薄膜トランジスタは、図1に示すように、アイランド9と、データ線12と同層に形成されたドレイン電極10及びソース電極11と、上記のゲート配線5と、から構成されている。
【0060】
ゲート配線5は薄膜トランジスタを選択するために設けられており、ゲート配線5及びデータ線12はTFT基板100Aの外周部においてそれぞれゲート配線端子電極51(図26参照)及びデータ線端子電極53(図26参照)に接続されている。
【0061】
対向基板200Aは、ガラスからなる第二透明基板201と、第二透明基板201の上面上に部分的に形成されたブラックマトリクス層202と、第二透明基板201の上面上及びブラックマトリクス層202上に部分的に形成された色層203と、ブラックマトリクス層202及び色層203を覆って形成された平坦化層204と、平坦化層204上に形成された配向膜120と、第二透明基板201の下面上に形成された導電層205と、導電層205上に形成された偏光板210と、から構成されている。
【0062】
すなわち、対向基板200Aは、図36に示した対向基板200と同一の構造を有している。
【0063】
TFT基板100Aと対向基板200Aとの間にはスペーサー(図示せず)が挟み込まれており、液晶220の層を一定の厚さに保持している。
【0064】
また、TFT基板100A及び対向基板200Aの周囲には、液晶220の漏出を防止するためのシール材(図示せず)が設けられている。
【0065】
本実施形態に係る液晶表示装置500においては、図2に示すように、データ線12の直上に、無機性の第二絶縁層間膜15及びノボラック系有機絶縁層21を介して、共通電極27と同層のデータ線シールド26を配置し、データ線シールド26でデータ線12を覆うようにしている。
【0066】
このため、データ線シールド26により、データ線12から発生する電気力線が終端され、画素電極13にデータ線12からの電気力線が入ることを防止することができる。
【0067】
データ線12とその直上のデータ線シールド26との寄生容量が大きいと、信号の遅延や消費電力の増大と言った問題が出てくる。これらの問題を解決するため、ノボラック樹脂を主成分としたノボラック系有機絶縁層21の厚さを第二絶縁層間膜15の厚さよりも大きくすることにより、寄生容量を充分に小さくすることができる。
【0068】
データ線12の直上のデータ線シールド26により、データ線12からの電気力線を終端したことにより、画素電極13をデータ線12の近傍に配置することができるようになり、開口率を向上させることができる。
【0069】
図1に示すように、画素電極13及び共通電極27とデータ線12は、液晶220の初期配向方向(ラビング方向)Rにおいて、相互に平行になるように液晶220をラビング方向に対して対称な2方向に回転させることができる。すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置500はマルチドメインIPSを構成する。マルチドメインIPSにおいては、一の方向に回転したドメインと他の方向に回転したドメインとは互いに補償するため、視野角特性を向上させることができる。
【0070】
なお、対向基板200Aの一構成要素である平坦化膜204は、ブラックマトリクス層202及び色層203を覆うものであり、その膜厚は、1.5μm以上であることが望ましい。平坦化膜204の膜厚を1.5μm以上とすることにより、ブラックマトリクス層202とノボラック系有機絶縁層21を覆うデータ線シールド26との間隔を十分広くとることができるため、ブラックマトリクス層202による電界の阻害がなくなり、良好な表示を得ることができる。
【0071】
また、ブラックマトリクス層202の抵抗率は1E9Ω・cm以上であることが望ましい。これにより、ブラックマトリクス層202による電界の阻害を抑制することができ、良好な表示を得ることができる。
【0072】
また、データ線12に対向する位置においては、ブラックマトリクス層202を形成することに代えて、この部分を相異なる2色以上の色層の積層膜を形成することもできる。この場合においても、2色以上の色層の積層膜は、十分に余分な光を遮断する作用を有すると同時に、この積層部分の抵抗は非常に大きいので、抵抗率の大きなブラックマトリクス層202を形成する場合に比べて、さらに、この部分での電界の阻害による影響を受けることが少なくなり、良好な表示性能を得ることができる。
【0073】
図3(a)はデータ線12の形状を示す部分的な平面図であり、図3(b)は、図3(a)の点線で囲んだ四角形の領域Sの拡大図である。
【0074】
データ線12は、図3(b)に示すように、ジグザグ(櫛歯状)に屈曲する形状を有している。データ線12を画素電極13及び共通電極27と平行となるようにジグザグに屈曲させることにより、画素表示部の光透過領域を効率よく形成することができる。
【0075】
図3(c)は、データ線12の形状の他の例を示す部分的な平面図である。
【0076】
データ線12は、図3(c)に示すように、ラビング方向Rと平行な直線部分12aをラビング方向Rと平行に一定間隔でジグザグに配置し、それらの直線部分12aを傾斜した傾斜部分12bで接合するように形成することもできる。このようにしても、光利用効率を大きく落とすことはない。
【0077】
さらに、データ線12に沿うように形成するノボラック系有機絶縁層21のパターンは、データ線12がラビング方向Rに平行に延在する直線部分12aにおいては、ラビング方向Rに平行なパターンとして形成することができる。このようにすると、ラビングする際に、ラビング布がノボラック系有機絶縁層21のパターンから受ける影響を小さくすることができるため、ノボラック系有機絶縁層21のパターンの近傍の配向膜120の配向をより均一に行うことができる。これにより、液晶220の配向方向が安定し、表示コントラストを向上させることができる。
【0078】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置510の構造を図4及び図5に示す。図4は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図5は、図4のA−A’線に沿った本液晶表示装置510の断面図である。
【0079】
第1の実施形態に係る液晶表示装置500においては、画素電極13及び共通電極27とデータ線12は、ラビング方向Rに対して平行になるようにジグザグ(櫛歯状)に屈曲している。これにより、2方向に横電界を発生させ、この電界により、液晶220をラビング方向Rに対して対称な2方向に回転させる。一の方向に回転したドメインと他の方向に回転したドンメインは互いに補償するため、視野角特性を向上させることができる。
【0080】
すなわち、図1及び図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置500はマルチドメインIPS構造を有している。
【0081】
これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置510においては、図4と図1との比較から明らかであるように、図1及び図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置500とは異なり、データ線12、画素電極13及び共通電極27(データ線シールド26を含む)がゲート配線5に対して垂直な方向に、屈曲することなく、直線状に延びている。
【0082】
すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置510はシングルドメインIPS構造を有している。このように、本発明は、マルチドメインIPSのみならず、シングルドメインIPSに対しても適用することができる。
【0083】
データ配線5上の第二無機絶縁層間膜15上に設けられたノボラック系有機絶縁層21及びこれを覆うデータ線シールド(共通電極)26は、図4に示すように、画素部のデータ線12の上を全て覆うように形成することもできる。このように、データ線12をノボラック系有機絶縁層21及びデータ線シールド(共通電極)26で覆うことにより、例えば、データ線シールド(共通電極)26のパターンを形成する際のエッチング液(エッチャント)がデータ線12上の第二無機絶縁層間膜15のピンホールに染み込んで、データ線12を断線させるといった問題を抑制することができる。
【0084】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置520の構造を図6及び図7に示す。図6は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図7は、図6のA−A’線に沿った本液晶表示装置520の断面図である。
【0085】
本実施形態に係る液晶表示装置520は、図1及び図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置500と比較して、画素電極が2層に分けて形成されている点が異なっている。すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置520においては、画素電極は上層画素電極313と下層画素電極413とから構成されている。
【0086】
第1の実施形態に係る液晶表示装置500においては、画素電極13は、第一絶縁層間膜6上に形成されているのに対して、本実施形態に係る液晶表示装置520においては、下層画素電極413は第一絶縁層間膜6上に形成されており、上層画素電極313は、第二絶縁層間膜(パッシベーション膜)15上に、すなわち、最上層に形成されている。上層画素電極313が形成される位置を除いて、本実施形態に係る液晶表示装置520は第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同一の構造を有している。
【0087】
本実施形態に係る液晶表示装置520によっても、第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同様の効果を得ることができる。
【0088】
第2の実施形態に係る液晶表示装置510と同様に、本実施形態に係る液晶表示装置520においても、データ配線5上の第二無機絶縁層間膜15上に設けられたノボラック系有機絶縁層21及びこれを覆うデータ線シールド(共通電極)26は、図6に示すように、画素部のデータ線12の上を全て覆うように形成することもできる。このように、データ線12をノボラック系有機絶縁層21及びデータ線シールド(共通電極)26で覆うことにより、例えば、データ線シールド(共通電極)26のパターンを形成する際のエッチング液(エッチャント)がデータ線12上の第二無機絶縁層間膜15のピンホールに染み込んで、データ線12を断線させるといった問題を抑制することができる。
【0089】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置530の構造を図8及び図9に示す。図8は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図9は、図8のA−A’線に沿った本液晶表示装置530の断面図である。
【0090】
本実施形態に係る液晶表示装置530においては、第3の実施形態に係る液晶表示装置520と同様に、画素電極は上層画素電極313と下層画素電極413とから構成されており、下層画素電極413第一絶縁層間膜6上に形成され、上層画素電極313は、第二絶縁層間膜(パッシベーション膜)15上に、すなわち、最上層に形成されている。上層画素電極313が形成される位置を除いて、本実施形態に係る液晶表示装置530は第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同一の構造を有している。
【0091】
本実施形態に係る液晶表示装置530によっても、第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同様の効果を得ることができる。
【0092】
本実施形態に係る液晶表示装置530においては、図8に示すように、データ線12を覆う第二無機絶縁層間膜15上に設けられたノボラック系有機絶縁層21は、画素部のデータ線12の上を全て覆うように形成し、かつ、ノボラック系有機絶縁層21を覆うデータ線シールド(共通電極)26は表示に関係のある領域にだけ限定して形成することもできる。
【0093】
ノボラック系有機絶縁層21及びデータ線シールド(共通電極)26をこのように形成することにより、データ線12がノボラック系有機絶縁層21で覆われているため、データ線シールド(共通電極)26のパターンを形成する際のエッチング液(エッチャント)がデータ線12上の第二無機絶縁層間膜15のピンホールに染み込んで、データ線12を断線させるといった問題を抑制することができる。
【0094】
さらに、データ線シールド(共通電極)26は必要な部分にのみ形成されているため、データ線12とデータ線シールド(共通電極)26との間の容量の増加を防止することができる。
【0095】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置540の構造を図10及び図11に示す。図10は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図11は、図10のA−A’線に沿った本液晶表示装置540の断面図である。
【0096】
本実施形態に係る液晶表示装置540においては、第3の実施形態に係る液晶表示装置520と同様に、画素電極は上層画素電極313と下層画素電極413とから構成されており、下層画素電極413第一絶縁層間膜6上に形成され、上層画素電極313は、第二絶縁層間膜(パッシベーション膜)15上に、すなわち、最上層に形成されている。上層画素電極313が形成される位置を除いて、本実施形態に係る液晶表示装置540は第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同一の構造を有している。
【0097】
本実施形態に係る液晶表示装置540によっても、第1の実施形態に係る液晶表示装置500と同様の効果を得ることができる。
【0098】
本実施形態に係る液晶表示装置540においては、図10に示すように、データ線12を覆う第二無機絶縁層間膜15上に設けられたノボラック系有機絶縁層21及びこれを覆うデータ線シールド(共通電極)26は、表示に関係のある領域だけに限定して形成し、データ線12とゲート配線5とが交差する領域の近傍には、ノボラック系有機絶縁層21及びこれを覆うデータ線シールド(共通電極)26を設けないようにすることもできる。
【0099】
図1に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置500、図4に示した第2の実施形態に係る液晶表示装置510、図6に示した第3の実施形態に係る液晶表示装置520、図8に示した第4の実施形態に係る液晶表示装置530の場合には、ノボラック系有機絶縁層21が全データ線12に対して壁のように存在するため、パネル内に液晶220を注入するような場合に、液晶220が入りにくいといった問題点がある。これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置540においては、ノボラック系有機絶縁層21のパターンに隙間があるため、このような問題が軽減されるという効果がある。
【0100】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置550の構造を図12及び図13に示す。図12は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図13は、図12のA−A’線に沿った本液晶表示装置550の断面図である。
【0101】
図6及び図7に示した第3の実施形態に係る液晶表示装置520はマルチドメインIPS構造を有している。
【0102】
これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置550においては、図12と図6との比較から明らかであるように、図6及び図7に示した第3の実施形態に係る液晶表示装置520とは異なり、データ線12、画素電極13及び共通電極27(データ線シールド26を含む)がゲート配線5に対して垂直な方向に、屈曲することなく、直線状に延びている。
【0103】
すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置550はシングルドメインIPS構造を有している。これ以外の構造は第3の実施形態に係る液晶表示装置520と同様である。
【0104】
このように、第3の実施形態に係る液晶表示装置520は、マルチドメインIPSとしてのみならず、シングルドメインIPSとして構成することも可能である。同様に、第4の実施形態に係る液晶表示装置530及び第5の実施形態に係る液晶表示装置540も、マルチドメインIPSとしてのみならず、シングルドメインIPSとして構成することも可能である。
【0105】
(第7の実施形態)
図14、図15及び図16は、図1及び図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置500におけるTFT基板100Aの製造工程を順に示す同TFT基板の断面図であり、図1のA−A’線に沿った断面(画素部)の他に、TFT素子、共通電極配線コンタクト部、データ線端子部、ゲート配線端子(共通配線端子)部、ゲート配線の各断面を含む断面図である。以下、第7の実施形態として、第1の実施形態に係る液晶表示装置500の製造方法を図14乃至図16を参照して製造工程順に説明する。
【0106】
先ず、図14(a)に示すように、第一透明基板1上に、スパッタ法により、モリブデン(Mo)を400nmの厚さで成膜する。次いで、モリブデン膜に対してフォトリソグラフィーを行い、ゲート電極2、共通電極配線3、ゲート端子電極4及びゲート配線5を形成する。
【0107】
ここで、配線材料は、Mo系以外でも可能であり、例えば、Cr系、Al系、Cu系、Ag系、Ti系、W系の金属であっても良い。
【0108】
次いで、図14(b)に示すように、ゲート電極2、共通電極配線3、ゲート端子電極4及びゲート配線5を覆って第一透明基板1上に膜厚100nmの二酸化シリコン(SiO2)膜をCVD法で成膜し、この二酸化シリコン(SiO2)膜上に、シリコン窒化膜(ゲート−SiNx)を300nm厚さでCVD法により成膜する。これらの二酸化シリコン(SiO2)膜及びシリコン窒化膜が第1絶縁層間膜6を形成する。
【0109】
さらに、シリコン窒化膜上に、アモルファスシリコン膜(a−Si)7を215nm、n+型アモルファスシリコン(a−Si)膜8を50nmの厚さで順にCVD法で成膜する。
【0110】
次に、フォトリソグラフィーを行い、a−Siドライエッチングにより、不要なa−Siを除去して、図14(b)に示すように、アイランド9を形成する。
【0111】
その上にスパッタ法で再びモリブデン(Mo)を210nmの厚さで成膜し、モリブデン膜に対してフォトリソグラフィーを行い、図14(c)に示すように、薄膜トランジスタのドレイン電極10及びソース電極11を形成する。
【0112】
ドレイン電極10及びソース電極11の形成と同時に、データ線12、画素電極13及びデータ線端子電極14を形成する。
【0113】
ドレイン電極10、ソース電極11、データ線12、画素電極13及びデータ線端子電極14の配線材料としては、Mo系以外の金属を選択することもできる。例えば、Cr系、Al系、Cu系、Ag系、Ti系、W系の金属であっても良い。
【0114】
続いて、薄膜トランジスタのバックチャネル部の余分なn+型アモルファスシリコン(a−Si)膜8をドライエッチでエッチングし、除去する(図14(c))。
【0115】
その上に膜厚300nmの窒化シリコン(SiNx)からなるパッシベーション膜15をCVD法により成膜し、270℃程度の熱処理をする。この熱処理は、ノボラック系有機膜の焼成工程で代用することにより、省くこともできる。
【0116】
その後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングを行い、あるいは、バッファードフッ酸によるエッチング及びドライエッチングからなるウェット及びドライプロセスを用いて、パッシベーション膜15及び第1絶縁層間膜6(データ線端子電極14上はパッシベーション膜15のみ)を開口し、図15(a)に示すように、コンタクトホール16、17、18を形成する。コンタクトホール16は共通電極配線3に、コンタクトホール17はデータ線端子電極14に、コンタクトホール18はゲート端子電極4にそれぞれ達している。
【0117】
このようなコンタクトホール16、17、18を形成することにより、その後のノボラック系有機絶縁層21のパターン形成時のレジスト剥離液によるダメージを避けることができる。
【0118】
次いで、パッシベーション膜15上に第1回目の膜厚40nmのITOをスパッタ法で成膜し、フォトリソグラフィーを行い、図15(b)に示すように、層間コンタクト19を形成する。
【0119】
ここまでの工程により、逆スタガ型TFTが完成する。
【0120】
次いで、図15(c)に示すように、パッシベーション膜15及び層間コンタクト19を覆って、焼成後の膜厚が2μm程度になるように感光性耐熱性ノボラックレジスト20を塗布する。
【0121】
次いで、感光性耐熱性ノボラックレジスト20に対してフォトリソグラフィーを行い、データ線12、共通電極配線3、データ線端子電極14、ゲート端子電極4及びゲート配線5上にのみノボラック系有機絶縁層21、22、23、24、25を残し、他のノボラックレジスト20は除去する。
【0122】
その後、140℃での熱処理を行い、ノボラック系有機絶縁層21、22、23、24、25をメルトさせ、図16(a)に示すように、ノボラック系有機絶縁層21、22、23、24、25の断面形状を逆U字状にする。その後、焼成炉に入れ、240℃で加熱し、焼き締める。
【0123】
次いで、図16(a)に示した基板上に第2回目の膜厚40nmのITOをスパッタ法で成膜し、このITO膜に対してフォトリソグラフィーを行い、図16(b)に示すように、データ線シールド26、櫛歯状の共通電極27、共通電極用ITO28、データ線端子用ITO29及びゲート配線端子・共通配線端子用ITO30を形成する。
【0124】
共通電極配線3及びデータ線端子電極14、ゲート端子電極4を構成する大気腐食性金属であるモリブデン(Mo)は層間コンタクト(第1のITO)19と共通電極用ITO(第2のITO)28の2層で覆われているため、モリブデン(Mo)の防食性能が向上する。
【0125】
ゲート端子電極4の一例の平面図を図17(a)に、データ線端子電極14の一例の平面図を図17(b)に示す。
【0126】
大気腐食性金属であるモリブデン(Mo)からなるゲート端子電極4は、パッシベーション膜(SiNx)15及び第1絶縁層間膜6に形成されたコンタクトホール18の内壁を覆っている層間コンタクト(第1のITO)19に接続されている。更に、ゲート配線端子・共通配線端子用ITO(第2のITO)30で層間コンタクト(第1のITO)19を覆うことにより、ゲート端子電極4の耐腐食性をより向上させることができる。
【0127】
図18は、ノボラック系有機絶縁層25(または21)と、ノボラック系有機絶縁層25を覆うゲート配線シールド31(またはデータ線シールド26)と、ゲート配線5(またはデータ線12)との位置関係を示す断面図である。
【0128】
図18に示すように、ノボラック系有機絶縁層25が水平方向においてゲート配線5からはみ出している量は0.5μm乃至4.0μmの範囲に設定されている。同様に、ノボラック系有機絶縁層21が水平方向においてデータ線12からはみ出している量は0.5μm乃至4.0μmの範囲に設定されている。
【0129】
また、ゲート配線シールド31(またはデータ線シールド26)が水平方向においてノボラック系有機絶縁層25(または21)からはみ出している量は0μm乃至3.0μmの範囲に設定されている。この範囲内においてゲート配線シールド31(またはデータ線シールド26)を形成することにより、データ線12とデータ線シールド26との寄生容量、ゲート配線5とゲート配線シールド31との寄生容量のバラツキを小さくすることができ、データ線12(または、データ線12及びゲート配線5の両方)からの漏れ電界のシールド性も充分となる。
【0130】
また、ノボラック系有機絶縁層25(又は21)がゲート配線シールド(ITOシールド)31(又はデータ線シールド26)で完全に覆われているため、ノボラック系有機絶縁層25、21がITOエッチャントやレジスト剥離液に直接暴露されることがなくなるので、ノボラック系有機絶縁層25、21の薬液による劣化を防止することができる。
【0131】
耐熱性ノボラック系有機絶縁層の典型的な比誘電率は4.2程度であり、SiNx膜の3分の2程度と小さいため、SiNx膜よりも薄い膜厚で寄生容量を低減することができるという効果もある。
【0132】
また、データ線12の直上に、無機性の第二絶縁層間膜15及びノボラック系有機絶縁層21を介して、共通電極を構成するデータ線シールド(ITO)26を配置し、データ線シールド(ITO)26でデータ線12を覆うことにより、データ線12からの電気力線を終端することができる。これにより、画素電極13にデータ線12からの電気力線が進入することを防止することができる。
【0133】
データ線12とその直上のデータ線シールド26との寄生容量が大きいと、信号の遅延や消費電力の増大などの問題が生じるが、ノボラック樹脂を主成分としたノボラック系有機絶縁層21を第二絶縁層間膜15に比較して厚くし、寄生容量を充分に小さくすることにより、この問題を解決することができる。
【0134】
データ線12の直上のデータ線シールド26でデータ線12からの電気力線を終端することにより、画素電極13をデータ線12の近傍に配置することができるようになり、開口率を向上させることができる。
【0135】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置560の構造を図19及び図20に示す。図19は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図20は、図19のA−A’線に沿った本液晶表示装置560の断面図である。
【0136】
本実施形態に係る液晶表示装置560は、図10及び図11に示した第5の実施形態に係る液晶表示装置540の変形例に相当する。
【0137】
上記のように、図10及び図11に示した第5の実施形態に係る液晶表示装置540においては、液晶注入効率を上げるために、ゲート配線5とデータ線12との交差領域を除いたデータ線12上のみにノボラック系有機絶縁層21を残している。
【0138】
このようにノボラック系有機絶縁層21を形成した場合、データ線12とデータ線シールド(共通電極)26との間の容量増加を避けるため、ゲート配線5とデータ線12の交差領域上においてはデータ線12上にデータ線シールド(共通電極)26を配置することができない。従って、第5の実施形態に係る液晶表示装置540においては、ゲート配線(走査ライン)5ごとにデータ線シールド(共通電極)26は独立している。
【0139】
これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置560においては、ノボラック系有機絶縁層21を残していないゲート配線5とデータ線12との交差領域において、データ線12を避けて、上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を相互に接続している。すなわち、データ線シールド(共通電極)26をデータ線12と重ならないようにデータ線12上を通過させ、上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26をこれと同じ導電層で相互に接続している。この点以外の構造は第5の実施形態に係る液晶表示装置540と同様である。
【0140】
なお、共通電極27は画素電極313に重ならないように配置されている。
【0141】
本実施形態に係る液晶表示装置560は、以上のような構造を有することにより、以下の効果を奏することができる。
【0142】
例えば、対角18インチ以上のような大型で高精細のパネルにおいては、共通電極配線3の配線抵抗Rcと各画素の画素電極13と共通電極27の間の容量Cpとによる時定数が大きくなることが避けられない。この結果として、あるゲート配線5(走査線)によって書きこみが制御されている画素群においては、ゲート配線5(走査線)の電圧の立ち下がりにおいて、画素電極13の電位が、ゲート配線5(走査線)との容量結合(主として、トランジスタの寄生容量)により、一斉に電圧降下を起こす。このとき、画素電極13と共通電極27との間の容量Cpにより、共通電極配線3の電位も降下し、配線抵抗Rcと容量Cpとの積に比例する時定数に応じて、共通電極配線3の遅延が生じてしまう。
【0143】
このように共通電極配線3に遅延が生じると、画素電極13の電位がより大きな電圧降下を瞬間的に引き起こす。この結果、ゲート配線5(走査線)の電圧の立ち下がりにおいて、データ線12の電位と画素電極13の電位との差が大きくなる。
【0144】
一方、ゲート配線5(走査線)にも遅延が生じるので、データ線12の電位と画素電極13の電位との間に差分が生じると、ゲート配線5(走査線)がオフになり切らない間に、データ線12から画素電極13への電荷の流れ(画素電極13への再書込み)が生じる。共通電極配線3の遅延による共通電極27の電位の下方への変動により、この再書き込み量が大きくなる。
【0145】
この結果、共通電極配線3の遅延が一定時間後に設定値まで回復した状態において、画素電極13の電位がより高くなることになる。従って、共通電極27の電位がより高い状態において、画素電極13の平均電位と共通電極27の電位とが等しくなり、両者の間にDC電位を生じなくなり、フリッカや残像を抑制することができる。
【0146】
一例として作成した19型SXGAパネルのゲート配線5(走査線)の方向において、面内の画素電極13の電位の平均値をプロットした結果(面内フィードスルー電圧差)を図21(a)に示す。
【0147】
すなわち、図21(a)に示す面内フィードスルー電圧差は、フィードスルー電圧の面内ばらつきを、正負フレームの画素電圧平均値の面内分布として表したものである。なお、図21(b)は、19型SXGAパネルにおいて、フィードスルー電圧の面内ポイントを示す概略図である。
【0148】
図10及び図11に示した第5の実施形態に係る液晶表示装置540のように上下のデータ線シールド(共通電極)26を接続しない場合は、図中の「上下接続なし」と記したプロットのように、画素電極13の平均電位がゲート配線5(走査線)に沿って面内で大きく変動し、面内で一様にフリッカを抑制することが困難となる。
【0149】
これに対して、本実施形態に係る液晶表示装置560のように、上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を相互に接続すると、データ線シールド(共通電極)26はゲート配線5(走査線)の電位の変動の生じない画素につながる共通電極配線3に接続されることとなり、その結果、上述のような共通電極配線3の電位の下方への変動が顕著に抑制されることとなる。
【0150】
その結果、上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を接続する際の抵抗を図21(a)のように変化させて、画素電極13の平均電位を評価したところ、接続抵抗が750kΩ以下である場合に、ゲート配線(走査線)5の方向における画素電極13の平均電位の変動を顕著に抑制することができた。
【0151】
すなわち、図21(a)からは、データ線シールド(共通電極)26をマトリクス化することにより、面内のフィードスルー電圧の面内ばらつきを低減させ、また、データ線シールド(共通電極)26の接続抵抗が750kΩ/画素以下の場合に、大きな効果が得られることが分かる。
【0152】
また、このような共通電極27の遅延を抑制することにより、ゲート配線(走査線)5がオンしている期間中の共通電極配線3の遅延をも抑制することができ、横クロストークをも抑制することができる。
【0153】
また、上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を接続する際に、ノボラック系有機絶縁層21が形成されていないゲート配線5とデータ線12との交差領域付近において、データ線12と重ならないようにデータ線シールド(共通電極)26を相互に接続しているため、データ線12とデータ線シールド(共通電極)26との間の容量が増加することがない。このため、データ線12の遅延や共通電極配線3の遅延が増大することもなく、良好な品質を維持することができる。
【0154】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置570の構造を図22及び図23に示す。図22は、薄膜トランジスタが形成されるTFT基板100Aを液晶側から見た場合の平面図であり、図23は、図22のA−A’線に沿った本液晶表示装置570の断面図である。
【0155】
本実施形態に係る液晶表示装置570においては、第8の実施形態に係る液晶表示装置560と同様に、隣接する上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を相互に接続しているとともに、隣接する上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26どうしを接続する領域を広げて、ゲート配線5上を広い範囲でデータ線シールド(共通電極)26の接続領域によって覆っている。この点以外の構造は第5の実施形態に係る液晶表示装置540と同様である。
【0156】
以上のような構造を有する第9の実施形態に係る液晶表示装置570によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0157】
本実施形態に係る液晶表示装置570においては、第8の実施形態に係る液晶表示装置560と同様に、隣接する上下の画素のデータ線シールド(共通電極)26を相互に接続していることに加えて、ゲート配線5上をデータ線シールド(共通電極)26と等電位の接続領域で覆っている。
【0158】
これにより、共通電極配線3の遅延を低減させることができることに加えて、ゲート配線5とブラックマトリクス層202との間の容量結合を低減させることができ、この結果として、ブラックマトリクス層202の電位は、ゲート配線5のオフ時のマイナス電位により、マイナス電位にバイアスされることを抑制することができる。このため、ブラックマトリクス層202の電位のデータ線シールド(共通電極)26の電位からの変動に伴う残像等の問題を抑制することが可能となる。
【0159】
実験的には、他の導電層で覆われていないゲート配線5の6割以上をデータ線シールド(共通電極)26と等電位の接続領域で覆うことにより、顕著な効果が得られた。
【0160】
また、本実施形態に係る液晶表示装置570においても、ノボラック系有機絶縁層21が形成されていないゲート配線5とデータ線12との交差部付近において、データ線12と重ならないようにデータ線シールド(共通電極)26を接続しているため、データ線12とデータ線シールド(共通電極)26との間の容量の増加を防止することができる。このため、データ線12の遅延や共通電極配線3の遅延が増大することもなく、良好な品質を維持することができる。
【0161】
以上の第1乃至第6、第8及び第9の実施形態に係る液晶表示装置500、510、520、530、540、550、560、570、においては、ノボラック系有機絶縁層21を絶縁層間膜として用いている。
【0162】
図24はノボラック系有機絶縁膜を形成する方法のフローチャートであり、図25はアクリル系有機絶縁膜を形成する方法のフローチャートである。以下、図24及び図25を参照して、ノボラック系有機絶縁層21を絶縁層間膜として用いることによる利点を、アクリル系有機膜を絶縁層間膜として用いた場合と比較して、説明する。
【0163】
図24及び図25に示すように、ノボラック系有機膜を形成する方法及びアクリル系有機膜を形成する方法の基本的な工程は同一である。以下、両方法の基本的な工程を説明する。
【0164】
先ず、レジストを塗布する前に、洗浄ユニット315を用いて対象物を洗浄する(ステップS1)。
【0165】
次いで、対象物にレジストを塗布する(ステップS2)。レジストの塗布は、通常、インライン型フォトリソグラフィー装置を用いて自動的に行われる。インライン型フォトリソグラフィー装置は通常フォトリソグラフィー用ノボラックレジストを塗布するラインと有機膜形成用ノボラックレジストを塗布するラインとを有しており、ノボラック系有機膜を形成する場合には、有機膜形成用ノボラックレジストを塗布するラインを選択して、レジストの塗布が行われる。これに対して、アクリル系有機膜を形成する場合には、冷蔵保管庫319内に冷蔵保管しておいたレジスト309をシーズニングした後、このレジスト309が対象物に塗布される。
【0166】
次いで、レジストを塗布した対象物の表面を洗浄する(ステップS3)。レジスト塗布(ステップS2)の際、さらに、レジスト塗布後の対象物の洗浄の際(ステップS3)には、レジスト廃液311が発生する。
【0167】
次いで、減圧下で対象物に塗布したレジストを乾燥させる(ステップS4)。
【0168】
次いで、レジストをプリベークする(ステップS5)。
【0169】
以上のレジスト塗布(ステップS2)、洗浄(ステップS3)、乾燥(ステップS4)及びプリベーク(ステップS5)はレジスト塗布ユニット316を用いて行われる。
【0170】
次いで、露光ユニット317を用いて、レジストを所定のパターンに露光する(ステップS6)。
【0171】
次いで、現像液312を用いて、露光したレジストを現像する(ステップS7)。ノボラック系有機膜用レジストの現像においては、現像液312はそのまま用いられるが、アクリル系有機膜用レジストの現像においては、現像液312は現像液希釈ユニット320を用いて一旦希釈され、希釈された現像液313が用いられる。
【0172】
レジストの現像に際しては、現像廃液314が発生する。
【0173】
次いで、現像したレジストをポストベークする(ステップS8)。レジストの露光(ステップS7)及びポストベーク(ステップS8)は現像ユニット318を用いて行われる。
【0174】
上記のように、アクリル系有機膜及びノボラック系有機膜の形成に際しては、何れもフォトリソグラフィー工程を介して有機膜パターンが形成される。
【0175】
フォトリソグラフィーにおいて用いられるフォトレジストは、通常、ノボラック系のものが殆どである。通常フォトリソグラフィー用のノボラック系レジストと有機膜形成用のアクリル系レジストとが混ざると、それらのレジストが固化する可能性があるので、アクリル系有機膜の形成に際しては、レジスト塗布(ステップS2)、端面洗浄(ステップS3)、レジスト廃液311を別個にする必要がある。
【0176】
また、通常フォトリソグラフィー用のノボラック系レジストと有機膜形成用のアクリル系レジストとでは、用いられる現像液312の濃度が異なるので、異なる濃度の現像液312をそれぞれ準備しなければならない。
【0177】
また、現像工程(ステップS7)においても、アクリル系現像廃液314とノボラック系現像廃液314とが混ざると、固化する可能性があるので、アクリル系有機膜の形成に際しては、現像工程(ステップS7)、希釈現像液313、現像廃液314を別個にする必要がある。
【0178】
一方、通常フォトリソグラフィー用のノボラック系レジストと有機膜形成用のノボラック系レジストとでは、主成分が同じノボラック樹脂であるため、フォトリソグラフィー用装置を共用することができる。そのため、有機膜形成のために高価なフォトリソグラフィー用装置をわざわざ準備する必要がなく、通常フォトリソグラフィー用のフォトリソグラフィー用装置を用いることができる。
【0179】
加えて、アクリル系レジストは常温保存での劣化(実際には増粘する)が激しいため、アクリル系レジスト専用の冷蔵庫309を用意することが必要となる。これに対して、ノボラック系レジストの場合、専用の冷蔵庫を用意する必要はない。
【0180】
さらに、アクリル系レジストの場合、専用のレジスト廃液設備が必要になるため、ノボラック系レジスト廃液処理よりもレジスト廃液処理コストが大きくなる。
【0181】
以上のように、ノボラック系有機膜を絶縁層間膜として用いることにより、アクリル系有機膜を絶縁層間膜として用いる場合と比較して、種々の利点を得ることができる。
【0182】
(第10の実施形態)
ノボラック系有機絶縁膜を絶縁層間膜として用い、かつ、そのノボラック系有機膜の下層にモリブデン(Mo)などの比較的低抵抗ではあるが大気腐食性の高いメタルを使用する場合、そのメタルの大気腐食を防止することを可能にするアクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の数例を以下に説明する。
【0183】
(第一の例)
図26は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第一の例の断面図である。
【0184】
なお、本例のみならず、以下に示す例における薄膜トランジスタ(TFT)は全て逆スタガ型TFTである。
【0185】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12はデータ線下層膜ITO(第1の透明導電膜)56及びデータ線重畳メタル(ドレインメタル)54からなる。データ線12の上方には、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21が形成され、さらに、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0186】
共通電極27の櫛歯電極及び画素電極13の櫛歯電極は透明導電膜で構成される。
【0187】
大気腐食性メタルMoの端子コンタクト部52はデータ線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)53によって引き出され、無機性のパッシベーション膜15で完全に覆われている。
【0188】
コンタクトホール17はデータ端子用ITO(第2の透明導電膜)29で覆われ、データ配線端子を形成する。
【0189】
ゲート端子電極(Mo)4はコンタクトホール18を介してゲート配線端子・共通配線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)51と接続され、さらに、無機性のパッシベーション膜15で完全に覆われている。
【0190】
ゲート配線端子・共通配線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)51上のパッシベーション膜15の一部を開口し、ゲート配線端子・共通配線端子用ITO(第2の透明導電膜)30で覆い、ゲート配線端子・共通配線端子が形成される。ここで、データ線端子部の端子ITO電極53及びゲート配線端子・共通配線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)51はいずれも、データ線12の下層に同層の透明導電膜で形成される。
【0191】
本例に係るTFT基板構造は、8回のフォトレジスト工程を実施することにより、作製することができる。
【0192】
(第二の例)
図27は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第二の例の断面図である。
【0193】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0194】
共通電極27の櫛歯電極及び画素電極13の櫛歯電極は透明導電膜で構成されている。その際、データ線シールド(透明導電膜)26及び櫛歯電極をそれぞれ第1透明導電膜19と第2透明導電膜28(または29,30)のいずれで構成してもよく、あるいは、第2透明導電膜28(または29,30)の単層で構成しても良い。
【0195】
大気暴露するデータ線端子電極14、ゲート端子電極4にそれぞれ到達しているコンタクトホール17、18は第1透明導電膜19で覆われ、第1透明導電膜19はさらに第2透明導電膜29、30で覆われる。これにより、大気腐食性メタルの腐食性を向上させることができる。この場合、データ線端子用ITO(第2の透明導電膜)29がデータ線12の端子取り出し電極、ゲート配線端子・共通配線端子用ITO(第2の透明導電膜)30がゲート配線5の端子取り出し電極となる。
【0196】
(第三の例)
図28は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第三の例の断面図である。
【0197】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0198】
画素電極13の櫛歯電極はデータ線12と同層であり、データ線12と同じメタルで構成されている。共通電極27の櫛歯電極は、無機性のパッシベーション膜15上にデータ線シールド26と同じ透明導電膜で構成されている。
【0199】
大気暴露するデータ線端子電極14、ゲート端子電極4にそれぞれ到達しているコンタクトホール17、18は第1透明導電膜19で覆われ、第1透明導電膜19はさらに第2透明導電膜29、30で覆われる。これにより、大気腐食性メタルの腐食性を向上させることができる。
【0200】
(第四の例)
図29は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第四の例の断面図である。
【0201】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0202】
共通電極27の櫛歯電極及び画素電極13の櫛歯電極は透明導電膜で構成されている。その際、データ線シールド(透明導電膜)26及び櫛歯電極は第2透明導電膜28(または29,30)の単層で構成される。
【0203】
共通電極用コンタクトホール16は、無機性の第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15に開口され、第1透明導電膜19で覆われることにより、層間コンタクトを形成している。続いて、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール16にノボラック系有機膜22を充填し、更に、ノボラック系有機膜22は第2透明導電膜28で覆われる。
【0204】
ゲート配線端子部においては、ゲート端子電極4の上方において第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15が開口され、コンタクトホール18が形成され、このコンタクトホール18を第1透明導電膜19で覆うことにより、コンタクトが形成される。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール18をノボラック系有機膜24で充填し、更に、ノボラック系有機膜24を第2透明導電膜30で覆う。
【0205】
データ線端子部においては、データ線端子電極14の上方において、無機性のパッシベーション膜15を開口し、コンタクトホール17を形成し、このコンタクトホール17を第1透明導電膜19で覆って、コンタクトを形成している。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール17をノボラック系有機膜23で充填し、更に、ノボラック系有機膜23を第2透明導電膜29で覆う。
【0206】
ここで、データ線端子部、ゲート配線端子部及び共通電極端子部において、第1の透明導電膜で形成された電極19を各々データ配線端子下敷電極、ゲート配線端子下敷電極及び共通電極端子下敷電極と呼ぶことにする。
【0207】
(第五の例)
図30は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第五の例の断面図である。
【0208】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0209】
共通電極27の櫛歯電極及び画素電極13の櫛歯電極は透明導電膜で構成されている。その際、データ線シールド(透明導電膜)26及び櫛歯電極は第2透明導電膜28(または29,30)の単層で構成される。
【0210】
共通電極用コンタクトホール16は第1透明導電膜19で覆われ、第1透明導電膜19は更に第2透明導電膜28で覆われる。
【0211】
ゲート配線端子部においては、ゲート端子電極4の上方において第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15が開口され、コンタクトホール18が形成され、このコンタクトホール18を第1透明導電膜19で覆うことにより、コンタクトが形成される。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール18をノボラック系有機膜24で充填し、更に、ノボラック系有機膜24を第2透明導電膜30で覆う。
【0212】
データ線端子部においては、データ線端子電極14の上方において、無機性のパッシベーション膜15を開口し、コンタクトホール17を形成し、このコンタクトホール17を第1透明導電膜19で覆って、コンタクトを形成している。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール17をノボラック系有機膜23で充填し、更に、ノボラック系有機膜23を第2透明導電膜29で覆う。
【0213】
(第六の例)
図31は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第六の例の断面図である。
【0214】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0215】
画素電極13の櫛歯電極はデータ線12と同層であり、データ線12と同じメタルで構成されている。共通電極27の櫛歯電極は、無機性のパッシベーション膜15上にデータ線シールド26と同じ透明導電膜で構成されている。
【0216】
共通電極用コンタクトホール16は、無機性の第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15に開口され、第1透明導電膜19で覆われることにより、層間コンタクトを形成している。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール16にノボラック系有機膜22を充填し、更に、ノボラック系有機膜22は第2透明導電膜28で覆われる。
【0217】
ゲート配線端子部においては、ゲート端子電極4の上方において第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15が開口され、コンタクトホール18が形成され、このコンタクトホール18を第1透明導電膜19で覆うことにより、コンタクトが形成される。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール18をノボラック系有機膜24で充填し、更に、ノボラック系有機膜24を第2透明導電膜30で覆う。
【0218】
データ線端子部においては、データ線端子電極14の上方において、無機性のパッシベーション膜15を開口し、コンタクトホール17を形成し、このコンタクトホール17を第1透明導電膜19で覆って、コンタクトを形成している。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール17をノボラック系有機膜23で充填し、更に、ノボラック系有機膜23を第2透明導電膜29で覆う。
【0219】
(第七の例)
図32は、大気腐食性メタルの腐食防止構造を有する横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第七の例の断面図である。
【0220】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0221】
画素電極13の櫛歯電極はデータ線12と同層であり、データ線12と同じメタルで構成されている。共通電極27の櫛歯電極は、無機性のパッシベーション膜15上にデータ線シールド26と同じ透明導電膜で構成されている。
【0222】
共通電極用コンタクトホール16は、無機性の第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15に開口され、第1透明導電膜19及び第2透明導電膜28で覆われる。
【0223】
ゲート配線端子部においては、ゲート端子電極4の上方において第一絶縁層間膜6及び第二絶縁層間膜15が開口され、コンタクトホール18が形成され、このコンタクトホール18を第1透明導電膜19で覆うことにより、コンタクトが形成される。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール18をノボラック系有機膜24で充填し、更に、ノボラック系有機膜24を第2透明導電膜30で覆う。
【0224】
データ線端子部においては、データ線端子電極14の上方において、無機性のパッシベーション膜15を開口し、コンタクトホール17を形成し、このコンタクトホール17を第1透明導電膜19で覆って、コンタクトを形成している。続いて、大気腐食性メタルの腐食を完全に防止するため、第1透明導電膜19で覆われたコンタクトホール17をノボラック系有機膜23で充填し、更に、ノボラック系有機膜23を第2の透明導電膜29で覆う。
【0225】
なお、以上説明した第二乃至第七の例に係るTFT基板構造においては、コンタクトホール16、17、18を覆う第1透明導電膜19を大気腐食性メタルの代りに、大気腐食性の少ないクロム(Cr)のような金属から構成することもできる。クロム(Cr)を用いた場合には、外気の水分等に対するブロッキング性がさらに増し、耐腐食性を高めることができる。
【0226】
さらに、第二乃至第七の例に係るTFT基板構造においては、コンタクトホール16、17、18を覆う大気腐食性メタルからなる第1透明導電膜19の代わりに、大気腐食性の少ないクロム(Cr)のような金属と表面のコンタクト性が良好なITO(Indium−Tin Oxide)のような金属とからなる積層膜を用いることもできる。
【0227】
このようにすることにより、外気の水分等に対するブロッキング性がさらに増し、耐腐食性を高めることができると同時に、この積層膜と第2の透明導電膜29との間のコンタクト抵抗を減ずることができ、端子から配線への間の抵抗を減ずることができ、クロストーク等の少ない良好な表示を得ることができる。
【0228】
また、第二乃至第七の例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方の有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を覆うデータ線シールド(透明導電膜)26として第1または第2の透明導電膜を用いたが、この代わりに、クロム(Cr)のような不透明膜と透明膜との積層膜を用いることもできる。これにより、画素を黒表示とする場合に、有機絶縁膜の近傍を通過する光を遮断することができ、黒表示時の輝度を低下させることができ、コントラストが向上する。
【0229】
(第11の実施形態)
ノボラック系有機絶縁膜を絶縁層間膜として用い、かつ、そのノボラック系有機膜の下層にクロム(Cr)などの比較的抵抗は高いが大気腐食性の無いメタルを使用する場合のアクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の例を以下に説明する。
【0230】
(第一の例)
図33は、大気腐食性の無いメタルを配線材に使用した横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第一の例の断面図である。
【0231】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0232】
共通電極27の櫛歯電極及び画素電極13の櫛歯電極は透明導電膜で構成されている。
【0233】
共通電極配線用コンタクトホール16、データ線端子部用コンタクトホール17、ゲート配線端子部用コンタクトホール18においては、共通電極配線3、データ線端子電極14及びゲート端子電極4を構成するメタルを透明導電膜で覆うか、あるいは、メタル単層で大気暴露させても良い。
【0234】
本例においては、第1の透明導電膜19又は第2透明導電膜28、29、30により、引き出し電極を形成する場合を示している。
【0235】
(第二の例)
図34は、大気腐食性の無いメタルを配線材に使用した横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置のTFT基板構造の第二の例の断面図である。
【0236】
本例に係るTFT基板構造においては、データ線12の上方に有機層間膜(ノボラック系有機膜)21を形成し、有機層間膜(ノボラック系有機膜)21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。
【0237】
画素電極13の櫛歯電極はデータ線12と同層であり、データ線12と同じメタルで構成されている。共通電極27の櫛歯電極は、無機性のパッシベーション膜15上にデータ線シールド26と同じ透明導電膜で構成されている。
【0238】
共通電極配線用コンタクトホール16、データ線端子部用コンタクトホール17、ゲート配線端子部用コンタクトホール18においては、共通電極配線3、データ線端子電極14及びゲート端子電極4を構成するメタルを透明導電膜で覆うか、あるいは、メタル単層で大気暴露させても良い。
【0239】
本例においては、第1の透明導電膜19又は第2透明導電膜28、29、30により、引き出し電極を形成する場合を示している。
【0240】
第10の実施形態における第一乃至第七の例及び第11の実施形態における第一及び第二の例においては、データ線12の上方のみにノボラック系有機層間膜21を形成し、ノボラック系有機層間膜21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされている。ノボラック系有機層間膜は、データ線12の上方のみではなく、図34の破線で示すように、ゲート配線5の上方においても形成することができ、この場合においても、ノボラック系有機層間膜21は共通電極を構成するデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされる。
【0241】
あるいは、薄膜トランジスタの上方にもデータ線シールド(透明導電膜)26でシールドされたノボラック系の有機層間膜を形成することもできる。これにより、さらに画素の有効表示領域を広げることができ、高開口率で明るい表示を得ることができる。
【0242】
本発明に係る液晶表示装置は上記の第1乃至第11の実施形態に限定されるものではなく、以下のように、種々の変更が可能であるとともに、以下のような特徴を有している。
【0243】
例えば、腐食性のある金属からなる端子電極を2層の透明導電膜を相互に接続することにより形成することができる。この端子電極は8回のフォトリソグラフィーで製造することが可能である。
【0244】
また、端子部において、モリブデン(Mo)や銅(Cu)のような大気腐食性を有するメタルへのスルーホールを一回目の透明導電膜で覆い、さらに、そのスルーホールを有機絶縁膜で埋める。次いで、2回目の透明導電膜で覆う。2回目の透明導電膜の形成時には、櫛歯状の画素電極も同時に形成する。この構造は7回(又は6回)のフォトリソグラフィーで製造することが可能である。
【0245】
あるいは、大気暴露する端子部において、モリブデン(Mo)や銅(Cu)のような大気腐食性を有するメタルへのスルーホールを一回目の透明導電膜で覆い、さらに、スルーホールを有機絶縁膜で埋める。一方、大気暴露しない画素部のスルーホールは有機膜で埋めず、更に2回目の透明導電膜で覆う。2回目の透明導電膜の形成時には、櫛歯状の画素電極も同時に形成する。この構造は7回(又は6回)のフォトリソグラフィーで製造することが可能である。
【0246】
あるいは、端子部において、モリブデン(Mo)や銅(Cu)のような大気腐食性を有するメタルへのスルーホールを1回目の透明導電膜で覆い、更に2回目の透明導電膜で覆い、2層構造にすることにより、大気腐食性を有するメタルの大気からの水分等をブロックする。2回目の透明導電膜の形成時には、櫛歯状の画素電極も同時に形成する。この構造は7回(又は6回)のフォトリソグラフィーで製造することが可能である。
【0247】
データ線12を無機層と有機層との積層構造から構成し、さらに、この積層構造を絶縁膜で覆い、データ線12の上方において、共通電極がデータ線12を覆うように形成することができる。ノボラック樹脂(及びその類似の物質)を主成分とする有機絶縁膜は、データ線12上もしくはデータ線12上及びゲート配線5上もしくはこれらの近傍にのみ形成される。共通電極は、さらに、ゲート配線5も覆うように形成することもできる。
【0248】
あるいは、有機絶縁膜は、データ線12上もしくはデータ線12及びゲート配線5上を覆う領域のみに形成され、櫛歯状の共通電極及び画素電極は最上層において同層で形成することができる。
【0249】
あるいは、有機絶縁膜は、データ線12上もしくはデータ線12及びゲート配線5上を覆う領域のみに形成され、櫛歯状の共通電極及び画素電極は無機絶縁膜を間に挟んで配置することができる。無機絶縁膜の膜厚は、共通電極と画素電極との間のショートが起きず、かつ、液晶中に印加される電界が適度に得られるように、100nm乃至600nmとすることが好ましい。
【0250】
あるいは、有機絶縁膜は、データ線12上もしくはデータ線12及びゲート配線5上を覆う領域のみに形成され、データ線12上或いはゲート配線5上の有機膜はみ出し量は0.5μm乃至4μm、有機絶縁膜上のゲート配線シールドの張り出し量は0.5μm乃至6μmとすることが好ましい。
【0251】
また、ゲート配線5とデータ線12との交差領域を無機膜と有機膜との積層膜からなる絶縁膜で覆い、薬液の染み込みを防止することにより、データ線12の断線を防止することができる。
【0252】
あるいは、データ線12上を全て無機膜と有機膜との積層膜からなる絶縁膜で覆い、ゲート配線5とデータ線12との交差領域を除いて、共通電極でシールドすることにより、データ線12と共通電極シールドとの間の容量を低減することができる。
【0253】
あるいは、データ線12上とゲート配線5上とを全て無機膜と有機膜との積層膜からなる絶縁膜で覆い、ゲート配線5とデータ線12との交差領域を除いて、共通電極でシールドすることにより、データ線12と共通電極シールドとの間の容量及びゲート配線5と共通電極シールドとの間の容量を低減することができる。
【0254】
ノボラック系有機膜の形成時に、ノボラック系有機絶縁膜を200乃至270℃の高温で30乃至120分間焼成することにより、レジスト剥離液などのアルカリ系薬液、有機溶剤、ITOエッチャントなどの酸系薬液に対するノボラック系有機絶縁膜の耐性を向上させ、後工程におけるノボラック系有機絶縁膜形状を安定化させることができる。例えば、ノボラック系有機絶縁膜形成後に共通電極を形成する際のフォトリソグラフィー工程において、ノボラック系有機絶縁膜がダメージを受けることがなくなる。また、ノボラック系有機膜の形成後に昇温する工程、例えば、配向膜を焼成する工程等において、ノボラック系樹脂膜が分解して、脱ガスが発生し、これに伴い、焼成炉や液晶パネル自体に不純物として取り込まれるといった問題をなくすことができる。この場合、さらに焼成温度を235乃至255℃の範囲にすることにより上記効果が顕著に発揮される。
【0255】
有機絶縁膜を形成した後に無機絶縁膜にコンタクトホールを形成すると、コンタクトホール形成用のレジストパターンを剥離する際に、有機絶縁膜が剥離液に晒されて劣化する恐れがある。しかしながら、本発明においては、有機絶縁膜を形成する前に無機絶縁膜にコンタクトホールを形成するので、有機絶縁膜が直接レジスト剥離液に暴露されることはなく、より安定的に有機膜の形状を維持することができる。
【0256】
ノボラック系有機絶縁膜の形成時において、現像後焼成前に100乃至150℃程度の熱処理を30秒乃至15分間行うことにより、データ線12またはゲート配線5上において、逆U字型の断面形状を有するノボラック系有機膜を得ることができる。これにより、ラビング時に有機絶縁膜の形状が液晶配向に与える影響を緩和することができ、より均一なホモジニアス配向の状態を得ることができる。
【0257】
あるいは、ノボラック系有機絶縁膜の形成時において、焼成前の熱処理を行わず、焼成時の昇温速度を5℃/分乃至15℃/分とすることにより、データ線12またはゲート配線5上において、逆U字型の断面形状を有するノボラック系有機絶縁膜を得ることができる。これにより、ラビング時に有機絶縁膜の形状が液晶配向に与える影響を緩和することができ、より均一なホモジニアス配向の状態を得ることができる。
【0258】
あるいは、ノボラック系有機絶縁膜の形成時において、焼成前の熱処理を行わず、焼成時に100乃至150℃の範囲内の温度での定温加熱時間を設けて有機絶縁膜をメルトさせ、その後、200℃以上に加熱焼成する(例えば、200乃至270℃の高温で30乃至120分間の焼成を行う)。この加熱方法により、データ線12またはゲート配線5上において、逆U字型の断面形状を有するノボラック系有機絶縁膜を得ることができる。これにより、ラビング時に有機絶縁膜の形状が液晶配向に与える影響を緩和することができ、より均一なホモジニアス配向の状態を得ることができる。
【0259】
パッシベーション(SiNx)膜15の成膜以降の工程で行うTFTの熱処理をノボラック有機絶縁膜焼成工程で代用することにより、熱処理工程の工程を短縮することができる。
【符号の説明】
【0260】
1、101、201 ガラス基板
2 ゲート電極
3 共通電極配線
4 ゲート端子電極(Mo)
5、105 ゲート配線
6、106 第1絶縁層間膜(無機絶縁層間膜)
9、109 アイランド
10、110 ドレイン電極
11、111 ソース電極
12、112 データ線
13、113、313 画素電極(櫛歯電極)
14 データ線端子部の端子電極
15、115 パッシベーション膜(無機絶縁層間膜)
16、17、18 コンタクトホール
19 層間コンタクト(第1のITO)
20、21、22、23、24、25 ノボラック系有機絶縁層(レジスト)
26 データ線シールド(共通電極)
27、127 共通電極(櫛歯電極)
28 共通電極用ITO(第2のITO)
29 データ線端子用ITO(第2の透明導電膜)
30 ゲート配線端子・共通配線端子用ITO(第2の透明導電膜)
31 ゲート配線シールド
51 ゲート配線端子・共通配線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)
52 端子コンタクト部(ドレインメタル)
53 データ線端子部の端子ITO電極(第1の透明導電膜)
54 データ線重畳メタル(ドレインメタル)
55 層間コンタクト(ドレインメタル)
56 データ線下層膜ITO(第1の透明導電膜)
100、100A TFT基板
110、130、210 偏光板
120 配向膜
126 共通電極
200、200A 対向基板
201 ガラス基板
202 ブラックマトリクス
203 色層
204 平坦化膜
205 導電層
220 液晶
313 上層画素電極(櫛歯電極)
413 下層画素電極(櫛歯電極)
500 第1の実施形態に係る液晶表示装置
510 第2の実施形態に係る液晶表示装置
520 第3の実施形態に係る液晶表示装置
530 第4の実施形態に係る液晶表示装置
540 第5の実施形態に係る液晶表示装置
550 第6の実施形態に係る液晶表示装置
560 第7の実施形態に係る液晶表示装置
570 第8の実施形態に係る液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタと、データ線と、画素電極と、共通電極とを備える第1基板と、
第2基板と、
前記第1と前記第2基板との間に挟まれる液晶とを備え、
前記データ線を介して前記薄膜トランジスタに画像信号が印加され、前記画像信号を受けた前記画素電極と前記共通電極との間に電界が発生させ、前記電界により前記液晶が前記第1基板に平行な平面内で回転する液晶表示装置において、
前記第1基板は、
前記データ線を覆う無機絶縁膜と、
前記データ線の上方において前記無機絶縁膜上に設けられた突起状の、有色材料からなる有機絶縁膜と、
前記有機絶縁膜を覆い、かつ、上方から見たときに前記データ線を覆うシールド共通電極と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1基板上にはさらに前記薄膜トランジスタを選択するゲート配線が設けられ、前記ゲート配線及び前記データ線は前記第1基板の周辺でそれぞれゲート配線端子電極及びデータ線端子電極に接続され、
前記ゲート配線端子電極及び前記データ線端子電極は前記無機絶縁膜の上方において前記共通電極と同時に形成されるゲート端子取出し電極及びデータ端子取出し電極にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、
前記データ線端子電極と前記データ端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取出し電極の間に、透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、不透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、
前記データ線端子電極と前記データ端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取出し電極の間に、不透明導電膜からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記ゲート配線端子電極と前記ゲート端子取出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記ゲート配線端子電極及び前記ゲート端子取出し電極の間に、不透明導電層と透明導電層との積層からなり、該両電極とは別の導電層が形成されており、
前記データ線端子電極と前記データ端子取り出し電極とが相互に接続されているとともに、その接続箇所には、前記データ線端子電極及び前記データ端子取り出し電極の間に、不透明導電層と透明導電層との積層からなり、該両電極とは別の導電層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記シールド共通電極が透明導電膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記シールド共通電極が不透明導電膜と透明導電膜との積層膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極は同じ層に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極は異なる層に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極はジグザグ状電極に形成され、前記データ線及び突起状の前記有機絶縁膜も前記ジグザグ状電極に平行に設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記画素電極と前記共通電極とは相互に平行に形成されており、前記画素電極及び前記共通電極はジグザグ状電極に形成され、前記データ線及び突起状の前記有機絶縁膜は、前記画素電極及び前記共通電極に略平行な部分とラビング方向に略平行な部分とから形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記突起状の有機絶縁膜が前記ゲート配線上の無機絶縁膜上にも設けられ、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記突起状の有機絶縁膜が前記薄膜トランジスタ上の無機絶縁膜上にも設けられ、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記突起状の有機絶縁膜が、前記ゲート配線の近傍を除いて前記データ線上の無機絶縁膜上に形成され、かつ、前記突起状の有機絶縁膜を前記シールド共通電極が覆うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
相互に別の走査線により制御され上下に隣接する画素の前記シールド共通電極が相互に電気的に接続されており、前記シールド共通電極を相互に接続する部分が、前記シールド共通電極を形成する導電層により、前記データ線と重ならない位置に形成されていること特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記上下に隣接する画素の前記シールド共通電極を接続する部分が、各画素において、他の導電層でシールドされていないゲート線のうち6割以上を覆っていることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記突起状の有機絶縁膜は、その液晶側の表面が、前記シールド共通電極によって覆われていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記第2基板には、ブラックマトリクス層と、色層と、前記ブラックマトリクス及び前記色層を覆う平坦化膜と、が設けられ、
前記平坦化膜の厚さが1.5μm以上であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第2基板には、ブラックマトリクス層が設けられ、前記ブラックマトリクス層の抵抗率が1E9Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第2基板の前記データ線に対向する位置に、異なる2色の色層を積層した遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
第1基板と第2基板との間に液晶を挟み、前記第1基板上に互いに交差するゲート配線及びデータ線を形成し、前記ゲート配線及び前記データ線が交差する点に対応して薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタのソース電極を形成すると同時に画素電極を形成し、前記画素電極に平行する共通電極を形成する液晶表示装置の製造方法であって、
前記共通電極は前記データ線よりも前記液晶側に位置して前記データ線を覆うように形成され、かつ、前記共通電極は前記データ線上の無機絶縁膜上に設けられた突起状の、有色材料からなる有機絶縁膜を覆うシールド共通電極を有する形状に形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項22】
第1基板と第2基板との間に液晶を挟み、前記第1基板上に互いに交差するゲート配線及びデータ線を形成し、前記ゲート配線及び前記データ線が交差する点に対応して薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタのソース電極に接続された画素電極を形成し、前記画素電極に平行に共通電極を形成する液晶表示装置の製造方法であって、
前記共通電極は前記データ線よりも前記液晶側に位置して前記データ線を覆うように形成され、かつ、前記共通電極は前記データ線上の無機絶縁膜上に設けられた突起状の、有色材料からなる有機絶縁膜を覆うシールド共通電極を有する形状に形成され、前記画素電極は前記共通電極と同時に形成されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記突起状の有機絶縁膜はその液晶側の表面が前記シールド共通電極により覆われて外部から遮断されることを特徴とする請求項21又は22に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記突起状の有機絶縁膜はノボラック系樹脂からなり、前記無機絶縁膜上にノボラック系樹脂の突起を形成し、前記突起を200乃至270℃の範囲の温度で30乃至120分間焼成することを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成の前に、前記突起に対して100乃至150℃の範囲の温度で30秒乃至15分間の熱処理を行うことを特徴とする請求項24に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項26】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成は、昇温速度を5℃/分乃至15℃/分の範囲で200乃至270℃の範囲内の所望の温度にすることにより行われることを特徴とする請求項24又は25に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項27】
前記ノボラック系樹脂の前記焼成は、前記ノボラック系樹脂の200乃至270℃の範囲内の温度での焼成に至る途中で、100乃至150℃での定温加熱時間を設けることにより行われることを特徴とする請求項24又は26に記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−187030(P2009−187030A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123017(P2009−123017)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【分割の表示】特願2004−70110(P2004−70110)の分割
【原出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【出願人】(303018827)NEC液晶テクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】