説明

異物除去方法及び記憶媒体

【課題】異物を除去するためのレーザ光照射装置及び受光装置を利用して基板の位置合わせを行い、基板に対して適正な後処理を施すことができる異物除去方法を提供する。
【解決手段】異物除去装置に設けられた異物を除去するためのレーザ光照射部34からステージ33に載置されて回転するウエハWの端部にずれ測定用のレーザ光を照射し、照射したレーザ光のうちウエハWの端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光をパワーメータ35で受光してレーザ光の出力を検出し、回転するウエハWの回転角を検出し、検出したレーザ光の出力データと回転角データとに基づいてウエハWのずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいてウエハWのずれを補正し、その後、ウエハWの端部にレーザ光照射部34から洗浄用のレーザ光を照射すると共に異物と反応する処理ガスを噴射してウエハWに付着した異物を分解、除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去方法及び記憶媒体に関し、特に、プラズマエッチング処理後の半導体基板表面に付着した異物を除去する異物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CF系処理ガスから生成されたプラズマを用いて基板としてのウエハにプラズマ処理、例えばプラズマエッチング処理を施すと、CF系処理ガスに起因するCF系デポがウエハ表面に付着することがある。ウエハ表面に付着したCF系デポはプラズマ(陽イオン)によるスパッタによって除去されるが、ウエハの周縁部(以下、「ベベル部」という)はプラズマによってスパッタされ難いために、付着したCF系デポが除去されない。
【0003】
そこで、後処理装置を用いてベベル部に付着したCF系デポ(例えば、BSP)を除去することが行われている。具体的には、後処理装置においてウエハのベベル部へレーザ光を照射してベベル部を加熱すると共に、このベベル部に向けてオゾンガスを供給し、化学反応によってCF系デポをCO、COやFに分解して除去する。
【0004】
レーザ光を用いてウエハ表面に付着した異物を除去する後処理装置において、ウエハをプロセスチャンバ(反応室)から後処理室へ搬送し、後処理室の載置台(ステージ)へ載せる前に、ウエハの位置ずれを検出し、これを補正する必要がある。
【0005】
このような基板処理装置におけるウエハの位置ずれを補正する方法又は位置合わせ方法として、従来、CCDカメラを用いて位置ずれ量をモニタし、これを補正しつつ基板処理装置のステージ上にウエハをセンタリングする方法、又はステージ上に位置決め治具(以下、「ステージプレート」という)を載せ、このステージプレート上にウエハを載置する方法が採用されていた。
【0006】
しかしながら、CCDカメラを用いる方法は、装置コストが嵩むだけでなく、カメラを設置するスペースを確保する必要があり、且つCCDカメラを定期的に補正しなければならないという欠点がある。また、ステージプレートを用いる方法は、位置決め回数が多いことに起因して位置ずれ量が積算されてずれ量が大きくなるという問題がある。
【0007】
図7は、ステージプレートを用いた基板の位置合わせ方法の問題点を示す説明図であり、図7(A)は、基板処理装置の載置台に載置されたウエハWの平面図、図7(B)は、図7(A)の側面図である。
【0008】
図7(A)、(B)において、載置台としてのステージ71はシャフト72を介してモータ73に接続されているが、ステージ71に対するシャフト72の位置合わせ段階で、シャフト72の中心とステージ71の中心との間にずれ量7Aが発生する。また、ステージ71上にステージプレート74が載置されるが、ステージ71の中心とステージプレート74の中心との間にずれ量7Bが発生する。さらに、ステージプレート74上にウエハWが位置決めして載置されるが、ステージプレート74の中心とウエハWの中心との間にずれ量7Cが発生する。従って、シャフト72の中心とウエハWの中心との間の最終的なずれ量は、7A+7B+7Cとなって現れる。また、ウエハWに対して各種処理を施すことによって次第にずれ幅が大きくなる場合もある。
【0009】
このように中心位置がずれたままのウエハWを、搬送ロボットによって後処理装置に搬送し、載置台であるステージに載置すれば、自ずと位置ずれしたままのウエハWに対して後処理が施されることになる。従って、後処理装置のステージ上に載置したウエハWの位置ずれを検出すると共に、ずれを補正して適正な後処理を施すための技術が求められている。
【0010】
一方、被処理基板であるウエハの切り欠き位置を検知してウエハWの位置合わせを行う従来技術を開示する公知文献として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、ステージ上に載置されたウエハWの外側端面にその水平方向からレーザ光を照射し、反射波をレーザ光受光部で受けて結像させ、外側端面の遠近に応じて変動する結像位置に基づいて切り欠き位置を認識し、切り欠き位置及び回転角度検知手段の出力結果に基づいてウエハWの位置ずれを検出して補正する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平5−206250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来技術は、基板の位置合わせに適用する専用のレーザ光照射装置及び受光装置が必要となり、装置が大型化するうえ、装置コストが高騰するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、所定の処理が施された基板表面に付着した異物を除去する異物除去装置を用いた異物除去方法であって、異物を除去するために設けられたレーザ光照射装置及び受光装置を利用して基板の位置合わせを行い、これによって基板に対して適正な後処理を施すことができる異物除去方法及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の異物除去方法は、基板を載置して回転する載置台と、該載置台に載置されて回転する前記基板の端部に異物洗浄用のレーザ光を照射して前記基板の表面に付着した異物を除去するレーザ光照射部と、該レーザ光照射部から照射されたレーザ光の出力を検出するレーザ光受光部とを備えた異物除去装置を用いた基板に付着した異物除去方法において、前記レーザ光照射部から前記載置台に載置されて回転する前記基板の端部にずれ測定用のレーザ光を照射する照射ステップと、前記照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、前記基板の端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光を前記レーザ光受光部によって受光してレーザ光の出力を検出する出力検出ステップと、前記回転する基板の回転角を検出する回転角検出ステップと、前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データと前記回転角検出ステップで検出した回転角データとに基づいて前記基板のずれ量を算出する算出ステップと、前記算出したずれ量に基づいて前記基板のずれを補正する補正ステップと、前記ずれ補正後の基板の端部に前記レーザ光照射部から異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記基板に付着した異物を分解、除去する分解ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の異物除去方法は、請求項1記載の異物除去方法において、前記算出ステップは、予め求められた前記基板の中心と前記載置台の回転中心とのずれ量と、前記レーザ光受光部によって受光される前記ずれ測定用のレーザ光の出力データとの関係に基づいて前記基板のずれ量を算出することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の異物除去方法は、請求項1又は2記載の異物除去方法において、前記算出ステップで算出した基板のずれ量に基づいて、前記載置台に前記基板を載置する搬送ロボットをフィードバック制御することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の異物除去方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異物除去方法において、前記補正ステップは、前記載置台に載置された前記基板を、前記載置台の基板載置面から突出するピン部材によって一旦持ち上げ、前記基板を保持したまま前記ずれ量を相殺するXY方向に移動させ、その後、前記ピン部材を前記載置台に埋没させて前記基板を前記載置台に載置するステップであることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の異物除去方法は、請求項1記載の異物除去方法において、前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データに基づいて前記基板のずれ量と前記基板の外径寸法とを求め、前記基板のずれを補正した後、前記基板の外周端から所定範囲の基板表面に前記異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記所定範囲の基板表面に付着した異物を分解、除去することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の異物除去方法は、請求項5記載の異物除去方法において、前記所定範囲は、少なくとも前記基板のベベル部及び裏面平面部であり、各部ごとに前記異物洗浄用のレーザ光の照射条件を変更させることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の異物除去方法は、請求項6記載の異物除去方法において、前記ベベル部への前記異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、前記ベベル部の断面円弧状の法線に沿った方向とし、前記裏面平面部への前記異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、前記裏面平面部に対して垂直方向とすることを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の異物除去方法は、請求項7記載の異物除去方法において、前記ベベル部における前記異物洗浄用のレーザ光の走査速度を、前記裏面平面部における前記異物洗浄用のレーザ光の走査速度よりも遅くするか、又は前記ベベル部における前記異物洗浄用のレーザ光の出力を、前記裏面平面部における前記異物洗浄用のレーザ光の出力よりも大きくすることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するために、請求項9記載の記憶媒体は、基板を載置して回転する載置台と、該載置台に載置されて回転する前記基板の端部に異物洗浄用のレーザ光を照射して前記基板の表面に付着した異物を除去するレーザ光照射部と、該レーザ光照射部から照射されたレーザ光の出力を検出するレーザ光受光部とを備えた異物除去装置を用いた基板に付着した異物除去方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記異物除去方法は、前記レーザ光照射部から前記載置台に載置されて回転する前記基板の端部にずれ測定用のレーザ光を照射する照射ステップと、前記照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、前記基板の端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光を前記レーザ光受光部によって受光してレーザ光の出力を検出する出力検出ステップと、前記回転する基板の回転角を検出する回転角検出ステップと、前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データと前記回転角検出ステップで検出した回転角データとに基づいて前記基板のずれ量を算出する算出ステップと、前記算出したずれ量に基づいて前記基板のずれを補正する補正ステップと、前記ずれ補正後の基板の端部に前記レーザ光照射部から異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記異物を分解、除去する分解ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の異物除去方法及び請求項9記載の記憶媒体によれば、異物除去装置に設けられた異物を洗浄、除去するためのレーザ光照射部から載置台に載置されて回転する基板の端部にずれ測定用のレーザ光を照射する照射ステップと、照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、基板の端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光をレーザ光受光部によって受光してレーザ光の出力を検出する出力検出ステップと、回転する基板の回転角を検出する回転角検出ステップと、出力検出ステップで検出したずれ測定用のレーザ光の出力データと回転角検出ステップで検出した回転角データとに基づいて基板のずれ量を算出する算出ステップと、算出したずれ量に基づいて基板のずれを補正する補正ステップと、ずれ補正後の基板の端部に前記レーザ光照射部から異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記基板に付着した異物を分解、除去する分解ステップと、を有するので、新たな装置を設置することなく、既存の装置を利用して被処理基板の位置ずれを補正して適正な後処理を施すことができ、これによって、従来技術に比べて後処理に要する時間を短縮することができる。また、位置合わせ時に被処理基板を直接測定対象としているので、基板の位置ずれを生じる虞が少ない。
【0023】
請求項2記載の異物除去方法によれば、算出ステップが、予め求められた基板の中心と載置台の回転中心とのずれ量と、レーザ光受光部によって受光されるずれ測定用のレーザ光の出力データとの関係に基づいて基板のずれ量を算出するので、正確なずれ量を求めることができる。
【0024】
請求項3記載の異物除去方法によれば、算出ステップで算出した基板のずれ量に基づいて、載置台に基板を載置する搬送ロボットをフィードバック制御するので、基板を載置台上に正確に位置決めすることができるようになる。
【0025】
請求項4記載の異物除去方法によれば、補正ステップが、載置台に載置された基板を、載置台の基板載置面から突出するピン部材によって一旦持ち上げ、基板を保持したままずれ量を相殺するXY方向に移動させ、その後、ピン部材を載置台に埋没させて基板を載置台に載置するステップであるので、基板の位置ずれを正確に補正することができ、これによって適正な後処理を行うことができる。
【0026】
請求項5記載の異物除去方法によれば、出力検出ステップで検出したずれ測定用のレーザ光の出力データに基づいて基板のずれ量と基板の外径寸法とを求め、基板のずれを補正した後、基板の外周端から所定範囲の基板表面に異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に異物と反応する処理ガスを噴射して所定範囲の基板表面に付着した異物を分解、除去するので、無駄な処理を極力なくして後処理時間を短縮することができる。
【0027】
請求項6記載の異物除去方法によれば、所定範囲が、少なくとも基板のベベル部及び裏面平面部であり、各部ごとに異物洗浄用のレーザ光の照射条件を変更させるので、基板を溶融することなく、適性温度によって適性な後処理を行うことができる。
【0028】
請求項7記載の異物除去方法によれば、ベベル部への異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、ベベル部の断面円弧状の法線に沿った方向とし、裏面平面部への異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、裏面平面部に対して垂直方向とするので、処理対象面にレーザ光を正確に照射して効率よく発熱させることができ、これによって異物の分解効率が向上する。
【0029】
請求項8記載の異物除去方法によれば、ベベル部における異物洗浄用のレーザ光の走査速度を、裏面平面部における異物洗浄用のレーザ光の走査速度よりも遅くするか、又はベベル部における異物洗浄用のレーザ光の出力を、裏面平面部における異物洗浄用のレーザ光の出力よりも大きくするので、各処理対象面を加熱し過ぎることなく、異物の分解温度まで加熱して効率よく異物を分解、除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係る異物除去方法に適用されるベベル部洗浄装置を備えた基板処理システムの概略構成を示す図である。
【0032】
図1において、この基板処理システム10は、平面視五角形状のトランスファモジュール11と、該トランスファモジュール11の一側面に接続された2つのプロセスモジュール12、13と、該2つのプロセスモジュール12、13に対向するようにトランスファモジュール11の他側面に接続された2つのプロセスモジュール14、15と、矩形状の搬送室としてのローダーモジュール16と、トランスファモジュール11及びローダーモジュール16の間に配置されてこれらを連結する2つのロード・ロックモジュール17、18とを備える。
【0033】
トランスファモジュール11はその内部に配置された屈伸及び回転自在な搬送アーム19を有し、搬送アーム19は、プロセスモジュール12〜15やロード・ロックモジュール17、18の間においてウエハWを搬送する。
【0034】
プロセスモジュール12はウエハWを収容する処理室容器(チャンバ)を有し、該チャンバ内部に処理ガスとしてCF系デポ性ガス、例えば、CHFガス及びハロゲン系ガス、例えば、HBrガスの混合ガスを導入し、チャンバ内部に電界を発生させることによって導入された処理ガスからプラズマを発生させ、該プラズマによってウエハWにエッチング処理を施す。
【0035】
トランスファモジュール11、プロセスモジュール12〜15の内部は減圧状態に維持され、トランスファモジュール11と、プロセスモジュール12〜15のそれぞれとは真空ゲートバルブ(図示省略)を介して接続される。
【0036】
また、ローダーモジュール16の内部圧力が大気圧に維持される一方、トランスファモジュール11の内部圧力は真空に維持される。そのため、各ロード・ロックモジュール17、18は、それぞれトランスファモジュール11との連結部に真空ゲートバルブ(図示省略)を備えると共に、ローダーモジュール16との連結部に大気ドアバルブ(図示省略)を備えることによって、その内部圧力を調整可能な真空予備搬送室として構成される。また、各ロード・ロックモジュール17、18はローダーモジュール16及びトランスファモジュール11の間において受渡されるウエハWを一時的に載置するためのウエハ載置台17a及び18aを有する。
【0037】
ローダーモジュール16には、ロード・ロックモジュール17、18の他、例えば25枚のウエハWを収容する容器としてのフープ(Front Opening Unified Pod)20がそれぞれ載置される3つのフープ載置台21と、フープ20から搬出されたウエハWの位置をプリアライメントするオリエンタ23と、後処理装置としての、ベベル部洗浄装置24が接続されている。オリエンタ23はローダーモジュール16の長手方向に関する一端に配置され、ベベル部洗浄装置24は、他端に配置されている。
【0038】
ローダーモジュール16は、内部に配置された、ウエハWを搬送するスカラ型デュアルアームタイプの搬送アーム25を有する。搬送アーム25は、フープ載置台21に載置されたフープ20からウエハWを取り出し、取り出したウエハWをロード・ロックモジュール17、18、オリエンタ23又はベベル部洗浄装置24へ搬出入する。
【0039】
図2は、図1におけるベベル部洗浄装置24の概略構成を示す断面図である。
【0040】
図2において、ベベル部洗浄装置24は、所定の処理が施され後処理の対象となるウエハWを収容する筺体状のチャンバ31と、該チャンバ31内に配置され、且つチャンバ31の下部から立設されたシャフト32に支持される円板状のステージ33とを備える。ステージ33はウエハWを載置するが、ステージ33の直径は、ウエハWの直径よりも小さく設定されているので、ウエハWのベベル部は、ステージ33から突出し、ベベル部の表面だけでなく裏面もチャンバ31内の空間に露出される。
【0041】
ステージ33は、ウエハWを吸着する機構、例えば、静電チャック又は真空チャックを有し、シャフト32は、その中心軸回りに回転してステージ33に載置されたウエハWを回転可能に支持する。チャンバ31には、ウエハWのベベル部における裏面に対向するように配置されたレーザ光照射部34と、該レーザ光照射部34とウエハWのベベル部を介して相対するレーザ光の受光部としてのパワーメータ35を有し、また、ウエハWのベベル部に向けてオゾン含有ガスとしての処理ガスを吹きつけて供給するガス供給ノズル36と、ベベル部周辺のガスを吸引して除去するガス吸引ノズル37とを有する。
【0042】
ベベル部洗浄装置24では、ウエハWのベベル部に付着したCF系デポに向けて処理ガスを供給すると共に、洗浄用のレーザ光を照射して熱エネルギを付与する。このとき、CF系デポ38は処理ガス中のオゾンガスとの化学反応によってCO、CO、F等に分解され、レーザ光によって付与された熱エネルギは化学反応を促進させる。分解生成ガスとしてのCO、CO、Fの大部分はガス吸引ノズル37が吸引して除去する。なお、ウエハWの端部に照射する洗浄用のレーザ光の出力とウエハWの回転速度に基づいてウエハWのベベル部の温度が決定される。ここで、ウエハWは、水平面内において回転するので、ウエハWにおける全てのベベル部がレーザ光照射部34やガス供給ノズル36の前を通過し、全てのベベル部からCF系デポ38が除去される。
【0043】
ベベル部洗浄装置24は、チャンバ31の上方に配置されたファンフィルタユニット(図示しない)と、チャンバ31の下方に配置された排気装置(図示しない)とを備え、ファンフィルタユニットは、チャンバ31内において上方から下方へ流れるダウンフローを発生させる。ダウンフローは、ガス吸引ノズル37が吸引できなかったCO、COやFを巻き込んでチャンバ31内から除去するだけでなく、シャフト32又はステージ33の回転に起因して生じたパーティクルや、不意にベベル部から剥離したCF系デポ38がチャンバ31内を舞い上がってウエハWの上方へ回り込むのを防止する。
【0044】
また、ベベル部洗浄装置24は処理ガス供給系39を備える。処理ガス供給系39は、図示省略した酸素ガス供給系に接続されて酸素ガスの流量を測定・制御する酸素ガス用マスフローコントローラ40と、図示省略した窒素ガス供給部に接続されて窒素ガスの流量を測定・制御する窒素ガス用マスフローコントローラ41と、酸素ガス用マスフローコントローラ40及び窒素ガス用マスフローコントローラ41に接続される処理ガス生成器42と、この処理ガス生成器42及びガス供給ノズル36の間に介在し、且つ処理ガスの流量を測定・制御する処理ガス用マスフローコントローラ43と、主として処理ガス生成器42の動作を制御するコントローラ44とを有する。
【0045】
処理ガス生成器42は、酸素ガス用マスフローコントローラ40によって流量が所定量に調整された酸素ガスと窒素ガス用マスフローコントローラ41によって流量が微量に調整された窒素ガスを含む原料ガスから処理ガスとしてのオゾンガス含有ガスを生成する。
【0046】
次に、このような構成のベベル部洗浄装置24を用いた本発明の実施の形態に係る異物除去方法について、図3〜5を用いて詳細に説明する。
【0047】
図3は、本実施の形態における異物除去方法のフローチャートである。
【0048】
図3において、基板表面に付着した異物を除去する異物除去処理を開始する際、先ず、図1のプロセスモジュール12内で、所定のプラズマ処理が施された被処理基板としてのウエハWを搬送アーム19によってプロセスモジュール12のチャンバから搬出し(ステップS1)、例えばロード・ロックモジュール18を介してローダーモジュール16に搬入する。次いで、ローダーモジュール16に搬入したウエハWを搬送アーム25によってベベル部洗浄装置24に搬入し、該ベベル部洗浄装置24のチャンバ31内のステージ33上に載置する(ステップS2)。
【0049】
次いで、ベベル部洗浄装置24のステージ33に載置したウエハWのずれ量を検出し(ステップS3)、ずれ補正を行う(ステップS4)。ウエハWのずれ量の検出及びずれ補正については、後述する。その後、ずれ補正後のウエハWに対して洗浄用のレーザ光を照射してベベル部に付着した異物としてのベベル部ポリマーを分解、除去して本処理を終了する(ステップS5)。
【0050】
図4(A)〜(F)は、ウエハWの位置ずれ量を検出し、ずれ補正を行う方法を示す説明図である。
【0051】
図4(A)、(B)において、ウエハWを載置するステージ33は、該ステージ33の基板載置面から所定間隔だけ上方に突出する複数のピン部材45を備えており、チャンバ31に搬入されたウエハWは、ピン部材45によって支持される。このとき、シャフト32の中心32aと、ステージ33の中心33aとのずれ量は幅aとして現れ、ステージ33の中心33aとウエハWの中心Wとのずれ量は幅bとして現れる。従って、シャフト32の中心32aとウエハWの中心Wとのずれ量は、(a+b)となる(図4(C))。
【0052】
ウエハWをチャンバ31に搬入した当初は、図4(A)に示したように、ウエハWの中心Wとシャフト32の中心32aとが幅(a+b)だけずれた状態のまま、ピン45がピンダウンし、ウエハWはステージ33上に載置される(図4(D))。
【0053】
次に、ウエハWの中心Wとシャフト32の中心32aとが幅(a+b)だけずれた状態のままモータ46を駆動し、ステージ33上のウエハWを、シャフト32の中心32aを回転の中心として回転させながら、ウエハWの端部裏面側(図4中、下方)に配置されたレーザ光照射部34(図2参照)から、回転するウエハWの外周部に向けて、例えば0.6φオーダに絞ったずれ測定用のレーザ光を照射し、該照射されたレーザ光のうちウエハWの端部で遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光をウエハWを介して対向配置されたパワーメータ35で受光し、レーザ光の出力を検出する。
【0054】
ここで、レーザ光照射部34から照射されたずれ測定用のレーザ光がウエハWによって全く遮られない場合は、照射されたレーザ光が100%パワーメータ35に到達するが、照射されたずれ測定用のレーザ光の一部が、ウエハWの端部で遮られ、残りのレーザ光がパワーメータ35に到達する場合、回転するウエハWの端部によって、レーザ光を遮る量が変化すると、パワーメータ35によってウエハWのずれ量に応じたレーザ光の受光出力を測定することができる。従って、予めパワーメータ35におけるずれ測定用のレーザ光の受光出力と、ウエハWのずれ量との関係を求めておくことにより、パワーメータ35におけるレーザ光の受光出力に基づいてウエハWのずれ量を検出することができる。このとき、ベベル部洗浄装置24におけるレーザ光照射部34は、該レーザ光照射部34から照射されたずれ測定用のレーザ光の一部、例えば半分がウエハWの端部によって遮られ、残りの一部、例えば半分がウエハWの端部を通過してパワーメータ35に到達する位置に配置される。これによって、ウエハWのずれ方向に拘わらず、ずれ量が検出し易くなる。なお、この場合、パワーメータ35の受光出力が一定ならば、ウエハWは位置すれしていないことになる。
【0055】
図5は、受光部で受光されるずれ測定用のレーザ光の出力(レーザ光照射部34から照射されたずれ測定用のレーザ光の出力に対するパワーメータ35が受光したレーザ光の出力の割合(%))とウエハWのエッジ位置のずれ量(ウエハWの中心Wとシャフト32の中心32aとのずれ量と同じ)との関係を求めた図(検量線)である。
【0056】
図5において、縦軸はパワーメータ35によって受光されたずれ測定用のレーザ光の出力(%)を示し、横軸はウエハWのずれ量(ウエハWのエッジ位置)(mm)を示す。レーザ光の出力が10%〜90%の範囲内においては、レーザ光出力とウエハWのずれ量とがリニアに対応しており、パワーメータ35によって受光されたずれ測定用のレーザ光の出力に基づいて、ウエハWのずれ量が求まる。また、このとき、ウエハWの回転角θをロータリエンコーダなどの回転角検出器(図示しない)で検出し、ウエハWのずれ量と、回転角θとの関係が求められる。
【0057】
次いで、求めたウエハWのずれ量に基づいてウエハWの位置ずれを補正する。すなわち、パワーメータ35で受光したレーザ光の出力データと、回転角検出器で求めたウエハWの回転角データとをベベル部洗浄装置24の制御装置(図示しない)に入力する。データが入力された制御装置は入力データに基づいて、ステージ33のピン部材45を制御する。ピン部材45はウエハWを載置したまま一旦上昇し、X−Yステージ上でずれ量に対応する所定幅だけ移動してずれ量を相殺し、これによってウエハWのずれを補正した後、ピンダウンしてウエハWを、図4(E)、(F)に示す正規の位置にセンタリングする。また制御装置は、搬送アーム25のティーチング座標に補正データをフィードバックさせて搬送アーム25をフィードバック制御する。
【0058】
このようにしてウエハWの位置ずれを補正した後、ウエハWを回転させ、ベベル部に向けて処理ガスとしてのオゾン含有ガスを供給すると共に、レーザ光照射部34から洗浄用のレーザ光を照射して熱エネルギを付与し、これによって、ベベル部に付着したCF系デポ38を、オゾンガスとの化学反応によって分解、除去する。分解生成ガスとしてのCO、CO、F等はガス吸引ノズル37で吸引、除去される。
【0059】
本実施の形態によれば、ベベル部ポリマーを洗浄、除去するために設けられたレーザ光照射部34及びパワーメータ35を利用してウエハWの位置ずれを検出し、ずれ補正(センタリング)を行った後、ベベル部ポリマーを除去するので、ウエハWのベベル部に正確にレーザ光を照射して確実にベベル部ポリマーを分解、除去することができ、処理時間を短縮することができる。すなわち、位置ずれしたままのウエハWに対してベベル部ポリマーを除去する場合に比べて、無駄な処理を確実になくすことができ、必要最小限のウエハ表面にレーザ光を適正に走査することができるので、処理時間の短縮及びコストの削減を図ることができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、既存の設備を使用して、ウエハWの位置ずれを検出し、ずれ補正を行うことができるので、改めて位置ずれ検出用の装置を追加することなく、既存の装置の機能を有効利用することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、予め作成した、レーザ出力とウエハWのエッジ位置のずれ量との関係を示す検量線を用いるので、ウエハWのずれ量を正確に検出することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、位置ずれの測定対象であるウエハWの端部を直接監視してずれ量を測定することにより、従来技術のように、位置合わせを複数回繰り返すことによるずれ量の積算を回避することができ、且つ校正が不要となる。また、後処理装置の小型化及び工数削減にも繋がる。
【0063】
本実施の形態において、ずれ測定用のレーザ光の出力及び異物洗浄用のレーザ光の出力は、特に限定されるものではなく、所期の目的を達成でき、且つウエハWを加熱し過ぎない程度に調整される。加熱し過ぎによるウエハWの変質、熔解等を回避するためである。
【0064】
本実施の形態において、ベベル部洗浄装置24のチャンバ31に搬入されるウエハWのずれ量は、例えばプロセスチャンバ内の静電チャック(ESC)等に起因して発生する各ウエハWにおいて固有のものであり、搬送アームのティーチングによっても解消できない場合がある。従って、搬送アームの座標に対するフィードバック制御によって個別にずれ補正を行うことが好ましい。
【0065】
本実施の形態において、ウエハWのずれ量検出及びずれ補正と、ベベル部ポリマーの分解除去を同時に行うこともできる。また、ウエハWの端部にノッチが存在すると、ノッチの大きさに従ってレーザ分散光が得られるので、この分散光をレーザ光受光部によって測定することにより、ウエハWの位置ずれの検出と共に、又はこれとは別に、ベベル部に形成されたノッチを検出することもできる。また、ノッチ検出後の各ウエハWのノッチを位置合わせしつつ、フープ等に収容することもできる。
【0066】
次に、本実施の形態に係る異物除去方法の変形例を説明する。
【0067】
本実施の形態は、図3の異物除去処理フローにおけるステップS3に代えて、パワーメータ35によって受光したずれ測定用のレーザ光の出力データに基づいてウエハWのずれ量を算出すると共に、ウエハWの外径寸法を測定する(ステップS6)。レーザ光照射部34から照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、回転するウエハWの端部によって一部が遮られた残りの一部がパワーメータ35によって受光される場合、ウエハWの中心Wがシャフト32の中心32aに対してずれていると、回転するウエハWの図5におけるエッジ位置は、サインカーブを描いて変動する。従って、このサインカーブに基づいてウエハWの外径寸法を算出することができる。
【0068】
ウエハWのずれ量及び外径寸法を算出した後、ウエハWのずれ補正を行い(ステップS5)、その後、算出したウエハWの外径寸法をウエハWの洗浄開始位置にフィードバックし、ウエハWのベベル部及び裏面平面部、又はベベル部、裏面平面部及びベベル部と裏面平面部との中間部に対し、適正な条件で異物除去処理を施す。
【0069】
図6は、本変形例における異物除去方法を示す説明図である。
【0070】
ウエハWのベベル部に対しては、図6(A)に示したように、異物洗浄用のレーザ光を、できるだけ断面湾曲面の法線方向から照射させるために、斜め方向(d1方向)から照射する。このとき照射されるレーザ光とベベル部表面とが垂直となる部分が裏面平面部に比べて少ないので、レーザ光の走査速度を裏面平面部を走査する場合よりも遅くして異物であるベベル部ポリマーの分解に必要な温度を確保する。
【0071】
一方、ウエハWの裏面平面部に対しては、異物洗浄用のレーザ光を洗浄面に対して垂直となる方向(d3方向)から照射する。この場合、裏面平面部に対するレーザ光照射角度を容易に垂直にすることができるので、レーザ光の走査速度を、ベベル部におけるレーザ光の走査速度と同じ速度に設定すると裏面平面部の温度が上がりすぎてウエハWの変質又は溶融を招くことにもなる。従って、裏面平面部においては異物洗浄用のレーザ光の走査速度をベベル部の走査速度よりも速くして、余剰の加熱を回避する。なお、裏面平面部における異物洗浄用のレーザ光の照射出力を、ベベル部における異物洗浄用のレーザ光の照射出力よりも小さくすることによって異物の分解に必要な適正温度を確保するようにしてもよい。また、ベベル部と裏面平面部との中間部(以下、単に「中間部」という)における異物洗浄用のレーザ光の照射条件は、ベベル部の条件と裏面平面部の条件との間の条件が適宜選択される。
【0072】
ところで、従来は、ウエハWの正確な外径寸法を測定することなく、例えは300φのウエハWに対して、例えば0.2mmの誤差を見込んだ外径寸法を考慮し(図6(C)参照)、且つ各レーザ光照射領域(以下、「洗浄領域」ともいう。)の境界部においてレーザ光の照射不良を防ぐために、洗浄領域の境界部において重複部分を加味した処理を行っていた(図6(D)参照)。従って、ウエハWの実外径寸法と、誤差を見込んだ外径寸法との差6A(図6(C))に対応する面積、及びベベル部洗浄領域61と中間部洗浄領域62との重複部分6Bに対応する面積、中間部洗浄領域62と裏面平面部洗浄領域63との重複部分6Cに対応する面積に対して重複して洗浄用のレーザ光を走査させることになり、処理面積の増加に伴って処理時間が長くなるという問題があった。
【0073】
これに対して本変形例においては、ウエハWの実外径寸法を測定することによって、図6(B)に示したように、ウエハWのベベル部洗浄領域61、中間部洗浄領域62及び裏面平面部洗浄領域63を正確に把握して各洗浄領域に対応した適正な条件で異物の洗浄処理を行う。
【0074】
本実施の形態によれば、被処理基板であるウエハWのずれ量を補正すると共に、ウエハWの外径寸法を正確に把握した後、ウエハWのベベル洗浄領域61、中間部洗浄領域62、及び裏面平面部洗浄領域63を正確に区別して把握し、各部位に最適な処理条件によって異物洗浄処理を施すことができるので、無駄な処理をなくし、処理時間を短縮することができる。
【0075】
本実施の形態において、ウエハWのずれ量の検出と同時にウエハWの外径寸法を測定するようにしたが、ウエハWのずれ量を検出し、ずれ補正を行った後、ウエハWを回転させ、回転するウエハWの端部に対して改めて測定用のレーザ光を照射することによってウエハWの外径寸法を検出するようにしてもよい。
【0076】
本実施の形態において、主としてウエハWのベベル部における異物を洗浄、除去する場合について説明したが、本発明は、ウエハWのベベル部以外、例えば裏面の全範囲に付着した異物(BSP)を除去する場合にも同様に適用できる。
【0077】
上述した各実施の形態において、異物除去処理が施される基板は半導体デバイス用のウエハに限られず、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等に用いる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であってもよい。
【0078】
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0079】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0080】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0081】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0082】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る異物除去方法に適用されるベベル部洗浄装置を備えた基板処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるベベル部洗浄装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における異物除去方法のフローチャートである。
【図4】ウエハの位置ずれを検出し、ずれ補正を行う方法を示す説明図である。
【図5】受光部で受光されるずれ測定用のレーザ光の出力とウエハWのエッジ位置のずれ量との関係を求めた図(検量線)である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例を示す説明図である。
【図7】ステージプレートを用いた基板の位置合わせ方法の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0084】
10 基板処理システム
11 トランスファモジュール
12 プロセスモジュール
16 ローダーモジュール
20 フープ
23 オリエンタ
24 ベベル部洗浄装置
32 シャフト
33 ステージ
34 レーザ光照射部
35 パワーメータ
36 ガス供給ノズル
37 ガス吸引ノズル
61 ベベル部洗浄領域
62 中間部洗浄領域
63 裏面平面部洗浄領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置して回転する載置台と、該載置台に載置されて回転する前記基板の端部に異物洗浄用のレーザ光を照射して前記基板の表面に付着した異物を除去するレーザ光照射部と、該レーザ光照射部から照射されたレーザ光の出力を検出するレーザ光受光部とを備えた異物除去装置を用いた基板に付着した異物除去方法において、
前記レーザ光照射部から前記載置台に載置されて回転する前記基板の端部にずれ測定用のレーザ光を照射する照射ステップと、
前記照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、前記基板の端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光を前記レーザ光受光部によって受光してレーザ光の出力を検出する出力検出ステップと、
前記回転する基板の回転角を検出する回転角検出ステップと、
前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データと前記回転角検出ステップで検出した回転角データとに基づいて前記基板のずれ量を算出する算出ステップと、
前記算出したずれ量に基づいて前記基板のずれを補正する補正ステップと、
前記ずれ補正後の基板の端部に前記レーザ光照射部から異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記基板に付着した異物を分解、除去する分解ステップと、
を有することを特徴とする異物除去方法。
【請求項2】
前記算出ステップは、予め求められた前記基板の中心と前記載置台の回転中心とのずれ量と、前記レーザ光受光部によって受光される前記ずれ測定用のレーザ光の出力データとの関係に基づいて前記基板のずれ量を算出することを特徴とする請求項1記載の異物除去方法。
【請求項3】
前記算出ステップで算出した基板のずれ量に基づいて、前記載置台に前記基板を載置する搬送ロボットをフィードバック制御することを特徴とする請求項1又は2記載の異物除去方法。
【請求項4】
前記補正ステップは、前記載置台に載置された前記基板を、前記載置台の基板載置面から突出するピン部材によって一旦持ち上げ、前記基板を保持したまま前記ずれ量を相殺するXY方向に移動させ、その後、前記ピン部材を前記載置台に埋没させて前記基板を前記載置台に載置するステップであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異物除去方法。
【請求項5】
前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データに基づいて前記基板のずれ量と前記基板の外径寸法とを求め、前記基板のずれを補正した後、前記基板の外周端から所定範囲の基板表面に前記異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記所定範囲の基板表面に付着した異物を分解、除去することを特徴とする請求項1記載の異物除去方法。
【請求項6】
前記所定範囲は、少なくとも前記基板のベベル部及び裏面平面部であり、各部ごとに前記異物洗浄用のレーザ光の照射条件を変更させることを特徴とする請求項5記載の異物除去方法。
【請求項7】
前記ベベル部への前記異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、前記ベベル部の断面円弧状の法線に沿った方向とし、前記裏面平面部への前記異物洗浄用のレーザ光の照射方向を、前記裏面平面部に対して垂直方向とすることを特徴とする請求項6記載の異物除去方法。
【請求項8】
前記ベベル部における前記異物洗浄用のレーザ光の走査速度を、前記裏面平面部における前記異物洗浄用のレーザ光の走査速度よりも遅くするか、又は前記ベベル部における前記異物洗浄用のレーザ光の出力を、前記裏面平面部における前記異物洗浄用のレーザ光の出力よりも大きくすることを特徴とする請求項7記載の異物除去方法。
【請求項9】
基板を載置して回転する載置台と、該載置台に載置されて回転する前記基板の端部に異物洗浄用のレーザ光を照射して前記基板の表面に付着した異物を除去するレーザ光照射部と、該レーザ光照射部から照射されたレーザ光の出力を検出するレーザ光受光部とを備えた異物除去装置を用いた基板に付着した異物除去方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、
前記異物除去方法は、
前記レーザ光照射部から前記載置台に載置されて回転する前記基板の端部にずれ測定用のレーザ光を照射する照射ステップと、
前記照射されたずれ測定用のレーザ光のうち、前記基板の端部に遮られたレーザ光を除く残りのレーザ光を前記レーザ光受光部によって受光してレーザ光の出力を検出する出力検出ステップと、
前記回転する基板の回転角を検出する回転角検出ステップと、
前記出力検出ステップで検出した前記ずれ測定用のレーザ光の出力データと前記回転角検出ステップで検出した回転角データとに基づいて前記基板のずれ量を算出する算出ステップと、
前記算出したずれ量に基づいて前記基板のずれを補正する補正ステップと、
前記ずれ補正後の基板の端部に前記レーザ光照射部から異物洗浄用のレーザ光を照射すると共に前記異物と反応する処理ガスを噴射して前記異物を分解、除去する分解ステップと、
を有することを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−141237(P2010−141237A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318236(P2008−318236)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】