説明

パターン付基板及びその形成方法、並びに半導体装置及びその作製方法

【課題】隣接する膜パターンの間隔を制御することが可能なパターン付基板の作製方法を提供する。また、膜パターンの幅の制御が可能で、特に、幅が細く且つ厚みのあるパターン付基板の作製方法を提供する。また、アンテナのインダクタンスのバラツキが少なく、起電力の高い導電膜を有する基板の作製方法を提供することを課題とする。また、歩留まり高く半導体装置を作製する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】基板、絶縁膜又は導電膜上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成した後、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜表面に印刷法を用いて組成物を印刷し、組成物を焼成して膜パターンを形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷法を用いて形成された絶縁膜、導電膜、半導体膜等のパターン付基板、及びその形成方法に関する。また、スクリーン印刷法により形成された膜パターンを有する半導体装置及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷法は、図2(B)に示すように、基板101の上方に、枠103に金網(メッシュ)104及びマスク用の乳剤105を有するスクリーン印刷版100を設け、図2(A)に示すように、スクリーン印刷版上に組成物106を設け、スキージ107やローラー等を用いて組成物106を押しつけながら押し出して、基板101の表面に塗布する方法である。ここでは、図2(B)はスクリーン印刷版を設けた基板の斜視図であり、A−Bの断面図を図2(A)に示す。
【0003】
この後、図2(C)に示すように、基板101上に塗布された組成物111を、乾燥及び焼成して、図2(D)及び(E)に示すような、膜パターン131を形成する。
【0004】
スクリーン印刷法は、工程数や必要な装置の数が少なく、製造方法が比較的簡便であるため、製造コストやスループットの面で有利である。このため、基板上に設けられる配線、プラズマディスプレイパネルや発光表示装置に含まれる隔壁、画素電極、、ICやLSIなどのはんだバンプや半導体素子を覆うパッケージなどの形成工程に採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スクリーン印刷法によって組成物を基板上に印刷する場合、網目の開口部を充填して塗布された組成物同士が、接して繋がり、線状の組成物となる。このため、開口部を充填して塗布された組成物の領域132と、接続した組成物の領域133とでは、図2(E)の上面図に示すように、マスクの形状と異なり、側面において湾曲した(うねった)形状の組成物が形成される。即ち、隣接する膜パターン131同士の間隔134が異なる。また、組成物の表面もマスクの開口部に対応して膜厚が異なり、表面が凹凸状となる。
【0006】
このような形状のペ−ストを焼成した膜パターンも同様に、隣接する膜パターンの間隔が異なる。また、表面が凹凸状である。
【0007】
このような膜パターンを用いて無線によるデータの受信や送信が可能な無線チップ(IDタグ、ICタグ、ICチップ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、RFID(Radio Frequency Identification)ともよばれる)等のアンテナを形成すると、アンテナのインダクタンスが変化し、共振周波数の低下と、それに伴う起電力の低下が生じるという問題があった。また、隣接するアンテナと短絡しやすいという問題がある。
【0008】
また、組成物の線幅が狭い領域133では、組成物同士が分離しやすく、歩留まりの低下を招くという問題がある。更には、組成物の粘度によっては、導電膜の膜厚が薄くなる。これを回避する手法として、組成物を複数回印刷する方法が挙げられるが、工程数が増大するとともに、隣接する組成物が繋がってしまうという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、隣接する膜パターンの間隔を制御することが可能なパターン付基板の作製方法を提供する。また、膜パターンの幅の制御が可能で、特に、幅が細く且つ厚みのあるパターン付基板の作製方法を提供する。また、アンテナのインダクタンスのバラツキが少なく、起電力の高い導電膜を有する基板の作製方法を提供することを課題とする。また、歩留まり高く半導体装置を作製する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一は、基板、絶縁膜又は導電膜上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成した後、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜表面に印刷法を用いて組成物を印刷し、組成物を焼成して膜パターンを形成することを特徴とする膜パターン付基板の形成方法、及び半導体装置の作製方法である。
【0011】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、基板、絶縁膜又は導電膜の表面の一面に形成する。
【0012】
膜パターンは、導電膜、絶縁膜、又は半導体膜である。
【0013】
膜パターンが導電膜の場合、膜パターンはアンテナ、画素電極、配線として機能する。また、膜パターンが絶縁膜の場合、隔壁層として機能する。また、膜パターンが半導体膜の場合、半導体素子の活性領域として機能する。
【0014】
また、本発明の一は、基板上に半導体素子を形成し、半導体素子を覆い、且つ半導体素子に接続する導電膜の一部を露出する開口部を有する絶縁膜を形成し、絶縁膜及び露出された前記導電膜上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成し、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に印刷法を用いて組成物を印刷し、前記組成物を焼成して導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0015】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、絶縁膜及び露出された前記導電膜の表面の一面に形成する。
【0016】
また、本発明の一は、基板上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に形成されるパターン付基板である。
【0017】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、基板において膜パターンが形成される面の一面に形成される。
【0018】
膜パターンは、導電膜、絶縁膜、又は半導体膜である。
【0019】
膜パターンが導電膜の場合、膜パターンはアンテナ、画素電極、配線として機能する。また、膜パターンが絶縁膜の場合、隔壁層として機能する。また、膜パターンが半導体膜の場合、半導体素子の活性領域として機能する。
【0020】
また、本発明の一は、基板上に半導体素子と、且つ前記半導体素子のソース領域又はドレイン領域に接続する導電膜と前記導電膜表面に形成される珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に形成される導電膜とを有することを特徴とする半導体装置である。
【0021】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、導電膜表面の一面に形成される。
【0022】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜の不活性な基は、フルオロアルキル基、アルキル基、フルオロアリル基、及びアリル基から選ばれた少なくとも一種の官能基である。
【発明の効果】
【0023】
本発明において、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に印刷法により組成物を塗布することで、膜パターンの側面の凹凸、即ちうねりを低減することができる。このため、幅や隣接間隔が均一な膜パターンを形成することができる。
【0024】
このような膜パターンをアンテナに用いることで、インダクタンスのばらつきの少ないアンテナを形成することが出来る。また、起電力の高いアンテナを形成することができる。また、このような膜パターンを配線や隔壁層等に用いることで、バラツキの少ない半導体装置を作製することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
ここでは、基板上にスクリーン印刷法により膜パターンを形成する工程について、図1を用いて説明する。
【0027】
図1(A)、(C)及び(D)はパターン付基板の断面図であり、図1(B)、(E)は、パターン付基板の斜視図である。また、図1(B)におけるA−Bの断面図を図1(A)に示し、図1(E)におけるA−Bの断面図を図1(D)に示す。
【0028】
基板101上に、酸素、珪素及び不活性な基を有する膜102を形成する。次に、酸素、珪素及び不活性な基を有する膜102上に、スクリーン印刷法により組成物を塗布する。具体的には、金網(メッシュ)104及びマスク用の乳剤105が枠103に設けられたスクリーン印刷版100を基板上に設ける。次に、スクリーン印刷版上に組成物(ペースト)106を設け、スキージ107やローラー等を用いて組成物106を押し出す。この結果、酸素、珪素及び不活性な基を有する膜102上に組成物111を塗布することができる(図1(A)〜(C)参照)。なお、スキージやローラーで組成物を押し出す前に、スクレッパで組成物をスクリーン印刷版上に広げてもよい。
【0029】
次に、塗布された組成物111を乾燥及び焼成することで、膜パターン112を形成することができる(図1(D)及び(E)参照。)。
【0030】
基板101としては、ガラス基板、石英基板、アルミナなどのセラミック等絶縁物質で形成される基板、プラスチック基板、シリコンウェハ、金属板等を用いることができる。
【0031】
プラスチック基板の代表例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリイミドからなるプラスチック基板、直径数nmの無機粒子が分散された有機材料で形成される基板等が挙げられる。また、基板101は可とう性を有するものでもよい。ここでは、基板101としてポリカーボネートを用いる。
【0032】
また、酸素、珪素及び不活性な基を有する膜102は、Rn−Si−X(4−n)(n=1、2、3)の化学式で表される有機シランの組成物を用いて形成する。Rn−Si−X(4−n)(n=1、2、3)の化学式で表される有機シランのRは、フルオロアルキル基、アルキル基、フルオロアリル基、アリル基などの比較的不活性な基である。また、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アセトキシ基など、基質表面の水酸基と結合が可能な加水分解基からなる。
【0033】
有機シランの一例として、Rにフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルシラン(以下、FASと示す。)を用いることができる。FASのRは、(CF)(CF(CH(x:0以上10以下の整数、y:0以上4以下の整数)で表される構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。代表的なFASとしては、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0034】
また、有機シランの一例として、Rにアルキル基を有するアルコキシシランを用いることができる。アルコキシシランとしては、炭素数2〜30のアルキル基が好ましい。代表的には、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)、エイコシルトリエトキシシラン、トリアコンチルトリエトキシシランがあげられる。
【0035】
また、有機シランの一例として、Rにアリル基を有するアルコキシシランを用いることができる。アルコキシシランとしては、炭素数6〜8のアリル基を有するアルコキシシランが好ましく、代表的には、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、トルイルトリエトキシシランなどがある。
【0036】
また、有機シランの一例として、Rにフルオロアリル基を有するアルコキシシランを用いることができる。アルコキシシランとしては、炭素数6〜9のフルオロアリル基を有するアルコキシシランが好ましく、代表的には、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、(ペンタフルオロフェニル)プロピルトリエトキシシランなどがある。
【0037】
ここで、基板としてガラス基板を用い、その表面を有機シランの一例としてCF(CFCHCHSi(OCHで処理した場合のガラス基板表面の構造を図17に示す。ガラス基板表面と酸素が結合し、当該酸素と珪素が結合し、当該珪素と比較的不活性な基であるCF(CFCHCHとが結合している。さらには、隣接する珪素は酸素を介して結合している。
【0038】
すなわち、基板表面を比較的不活性な基が覆っているため、表面における表面エネルギーは相対的に小さくなる。また、表面エネルギーの異なる組成物は、当該膜上で弾かれやすくなる。例えば水に対する接触角は、CF<CF<CFの順に増大し、表面エネルギーは相対的に小さくなる。また、フッ化炭素鎖長が長いほど、接触角が大きくなり、表面エネルギーが相対的に小さくなる傾向にある。この結果、組成物は表面エネルギーの小さな膜の表面を流動し、安定な形状にとどまる。
【0039】
以下、基板または部材表面を有機シランで処理して形成した膜を、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と示す。
【0040】
有機シランの組成物の溶媒としては、nーペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒又はテトラヒドロフランなどを用いる。
【0041】
上記材料を用いて珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102を形成する場合、上記材料を、塗布法、液相法、蒸着法等を用いて形成する。また、上記材料を基板101表面に化学吸着させて形成しても良い。化学吸着させることで、単分子膜を形成することができる。
【0042】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102を単分子膜で形成すると、後に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜の一部を分解するとき、短時間で分解することが可能である。また、厚さが均一であるため、バラツキなく珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を分解することが可能である。単分子膜の形成方法としては、密閉容器内に基板及び有機シランを有する組成物を配置し蒸発させて絶縁膜表面に有機シランを化学吸着させた後、アルコールで洗浄することで、酸素、珪素及び不活性な基を有する単分子膜を形成することができる。また、有機シランを有する溶液中に、基板を浸漬することで、絶縁膜表面に有機シランが化学吸着して単分子膜となり、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成することが可能である。
【0043】
ここでは、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102としては、FAS試薬を含む密閉容器に基板を封入し、50度〜200度、好ましくは100〜200度で5分以上加熱して、FASを基板101表面に吸着させて形成する。
【0044】
組成物106としては、形成する膜パターンの構成に応じて適宜用いることができる。導電性の膜パターンを形成する場合、組成物としては導電性ペーストを用いればよい。導電性ペーストとしては、径が数nm〜数μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解又は分散させたものを用いる。導電性粒子としては、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、及びBaのいずれか一つ以上の元素微粒子、ハロゲン化銀の微粒子、又は分散性ナノ粒子を用いることができる。また、これらの材料からなる導電膜を積層して膜パターン112を形成することができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子を凝集させるバインダー、溶媒、分散剤、及び被覆剤として機能する有機樹脂から選ばれた一つ又は複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
【0045】
絶縁性の膜パターンを形成する場合、組成物としては、絶縁性ペーストを用いればよい。絶縁性ペーストとしては、絶縁性粒子とバインダーからなるペーストを用いることができる。絶縁性粒子としては、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
【0046】
また、絶縁性ペーストとして、熱硬化型樹脂、光硬化性樹脂等を用いることができる。代表的には、ポリイミド、アクリル、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン、、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)等を含むペーストがあり、レジストも含まれる。また、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、シリケート系SOG(Spin on Glass)、及びポリシラザン系SOG、並びにアルコキシシリケート系SOG、ポリメチルシロキサン等が挙げられる。
【0047】
また、組成物として、導電性粒子が分散された異方性導電ペーストを用いることができる。
【0048】
組成物は、フルオロアルキル基やアルキル基などの比較的不活性な基、酸素、及び珪素を有する膜上に印刷されるため、組成物の表面エネルギーが安定化するような形状となる。このため、組成物の側面の凸凹(うねり)が低減される。このような組成物を乾燥及び焼成することで、凸凹が低減された膜パターンを形成することが可能である。
【実施例1】
【0049】
ここでは、異なる幅の開口部が設けられた乳剤を有するスクリーン印刷版を用いて、導電性の組成物を塗布し焼成したときの膜パターンの幅について図16を用いて説明する。ここでは、基板として、ガラス基板と、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を有するガラス基板との2種類を用いた。また、導電性の組成物として、住友電気工業株式会社製、製品名AGEP−201X(銀粒子、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、エポキシ樹脂を含む)のAgペーストを用いた。また、金網の太さ14μm、金網の開口部の幅が53μmであるスクリーン印刷版を用いた。また、スクリーン印刷版の乳剤の開口部の幅は、30μm〜180μmまで10μmごとに設定した。
【0050】
珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を有するガラス基板の作製方法としては、170度に加熱したホットプレート上に、ガラス基板及びその周囲にFASが設けられたトレイを設置し、トレイを封して、10分加熱してガラス基板の表面にFASを吸着させた。この後、ガラス基板表面をエタノールで洗浄して、均一な膜厚の珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成した。
【0051】
次に、各基板の表面から1.665mmの間隔をおいてスクリーン印刷版を設置した。次に、スクレッパを用いてAgペーストをスクリーン印刷版の上に広げた。このときの条件を、スクレッパ圧力0.182MPa、スキージストローク速度20mm/secとした。
【0052】
次に、スキージを押下して、Agペーストを基板表面に印刷した。このときの条件を、スキージ圧力0.165MPa、スキージ角度80度、スキージ硬さ80、スキージストローク速度8mm/secとした。この後、200度で30分加熱して、Agペ−ストを焼成して膜パターンを形成した。
【0053】
このときの、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を有するガラス基板上に形成した膜パターンの幅(実測値)の平均値を表1〜表3に示す。表1は、粘度が40Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(試料1)の幅(実測値)の平均値を示し、表2には、粘度が200Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(試料2)の幅(実測値)の平均値を示し、表3には、粘度が400Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(試料3)の幅(実測値)の平均値を示す。また、ガラス基板上の膜パターンの幅(実測値)の平均値を表4〜6に示す。表4には、粘度が40Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(比較試料1)の幅(実測値)の平均値を示し、表5には、粘度が200Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(比較試料2)の幅(実測値)の平均値を示し、表6には、粘度が400Pa・sのAgペーストを用いて形成した膜パターン(比較試料3)の幅(実測値)の平均値を示す。また、表1〜表6をもとに、それぞれの基板におけるスクリーン印刷版の開口部の幅の設計値と膜パターンの幅の関係を図16に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
図16において、横軸をスクリーン印刷版の開口部の幅の設計値、縦軸を膜パターンの幅(実測値)の平均値とした。また、実線により、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜が形成されたガラス基板上での膜パターン(試料1〜3)の幅を示し、破線により、ガラス基板上での膜パターン(比較試料1〜3)の幅を示した。また、それぞれ丸印はAgペーストの粘度が40Pa・sのときの膜パターン(試料1及び比較試料1)の幅(実測値)の平均値を示し、三角印はAgペーストの粘度が200Pa・sときの膜パターン(試料2及び比較試料2)の幅(実測値)の平均値を示し、四角印はAgペーストの粘度が400Pa・sのときの膜パターン(試料3及び比較試料3)の幅(実測値)の平均値を示した。
【0061】
図16に示すように、ガラス基板上に形成された膜パターンは、スクリーン印刷版の設計値より太くなっている。一方、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に形成された膜パターンは、スクリーン印刷版の設計値が30〜80μmの間では、スクリーン印刷版の設計値と比較して若干太くなった。なお、このときの膜パターンの幅は、ガラス基板上に形成した膜パターンの幅よりも細くなった。また、スクリーン印刷版の設計値が90〜100μmの間では、スクリーン印刷版設計値とほぼ同じ幅となった。また、スクリーン印刷版の設計値が110〜180μmの間では、ほぼスクリーン印刷版の設計値と比較して若干細くなった。
【0062】
以上の結果から、スクリーン印刷法により、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に組成物を塗布することで、膜パターンの幅の制御が可能である。
【0063】
次に、上記条件により、乳剤の開口部の幅が110μmのスクリーン印刷版を用いて形成した膜パターンの断面SEM図(前面上方から観察)を、図18に示す。
【0064】
図18(A)は、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を有するガラス基板1801上に形成された膜パターン1802である。なお、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は単分子膜であるため、SEMで観察することが困難であった。膜パターンの幅は98μmであり、最大膜厚が19μmであった。一方、図18(B)は、ガラス基板1811上に形成された膜パターン1812である。膜パターンの幅は148μmであり、最大膜厚が13μmであった。以上の図より、酸素、珪素及び不活性な基を有するガラス基板上に組成物を印刷すると、開口部とほぼ同様の幅を有し、且つ側面の凸凹が低減された膜パターンを形成することが可能である。
【0065】
次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を介して導電膜の電気抵抗を測定した。その測定結果について図19を用いて説明する。
【0066】
図19(A)に示すように、ガラス基板1901上に、スパッタリング法により膜厚5μmのアルミニウム膜1902を形成した。次に、アルミニウム膜1902上に、上記方法によりFASを吸着させた後、アルコールで洗浄して、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1903を形成した。このときの珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、膜厚がきわめて薄く、SEMで観察が困難であった。次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1903上に、上記方法によりAgペーストを塗布し焼成して膜厚5μmのAg膜1904a、1904bを形成して、試料Aを作製した。また、図19(B)に示すように、ガラス基板1901上にスパッタリング法により膜厚5μmのアルミニウム膜1902を形成し、アルミニウム膜上に印刷法によりAgペーストを塗布し焼成して、膜厚5μmのAg膜1904a、1904bを形成して、試料Bを作製した。
【0067】
この後、試料A及び試料Bそれぞれにおいて、Ag膜1904a、1904bの間の電気抵抗率を、テスターを用いて測定したところ、試料A及び試料Bの抵抗率は、それぞれ0.2Ωであった。この結果から、導電膜は、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を介して導通をとることが可能であることがわかった。
【実施例2】
【0068】
本実施例では、本発明を用いて導電性を有する膜パターン及び当該膜パターンを有する半導体装置を形成する工程について図3を用いて説明する。半導体装置として無線チップ、無線タグ、無線IC、RFID、ICタグなどの半導体装置を用いて説明する。また、本実施例においては、導電性を有する膜パターンとして、無線によるデータの受信や送信が可能なアンテナを用いて説明する。
【0069】
図3(A)、(C)及び(D)はアンテナを有する基板の断面図であり、図3(B)、(E)は、アンテナを有する基板の斜視図である。また、図3(B)におけるA−Bの断面図を図3(A)に示し、図3(E)におけるA−Bの断面図を図3(D)に示す。
【0070】
基板101上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102を形成する。次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102上に、スクリーン印刷法により組成物を塗布する。具体的には、金網(メッシュ)104及びマスク用の乳剤105が枠103に設けられたスクリーン版を基板上に設ける。次に、スクリーン印刷版100上に導電性の組成物306を設け、スキージ107を用いて導電性の組成物306を押し出す。この結果、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102上に、導電性の組成物313を塗布することができる(図3(A)〜(C)参照)。
【0071】
ここでは、基板101としてガラス基板を用いる。また、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102は、FASを基板表面に吸着させて形成する。また、導電性の組成物306は、Agペーストを用いる。
【0072】
次に、塗布された導電性の組成物313を乾燥及び焼成することで、コイル状のアンテナ312を形成することができる(図3(D)及び(E)参照。)。
【0073】
以上の工程により、側面における凹凸を低減したアンテナを形成することができる。また、アンテナを有する基板を形成することができる。導電膜の間隔も均一となる。この結果、インダクタンスにばらつきの少なく、起電力の高いアンテナを形成することができる。
【0074】
次に、上記アンテナを有する基板を用いて形成された無線チップに代表される半導体装置について図4及び図5を用いて説明する。
【0075】
本発明の半導体装置は、複数の回路が集積された構成を有し、複数の電界効果トランジスタを有する層530が形成されている。また、アンテナが基板上に形成されている。ここでは、実施形態1で形成される膜パターンをアンテナとして有する基板531を示す(図4(A)参照。)。複数の電界効果トランジスタを有する層530は様々な複数の電界効果トランジスタを有する。
【0076】
まず、複数の電界効果トランジスタを有する層530の断面構造について説明する。単結晶半導体基板500上には、素子分離領域506a〜506cを介して電界効果トランジスタ511、512が形成されている。電界効果トランジスタ511、512は公知の手法を用いて形成することができる。
【0077】
一方、アンテナ321を有する基板531には、導電膜の接続端子312aが形成されている。
【0078】
図4に示すように、電界効果トランジスタ511の導電層541と接続端子312aとを接続させて半導体装置が形成される。具体的には、アンテナを有する基板531と、複数の電界効果トランジスタを有する層530とが、異方性導電接着剤552で接着されている。また、異方性導電接着剤552には、導電性粒子551が分散されており、当該導電性粒子551を介してアンテナの接続端子312aと、電界効果トランジスタ511のソース電極又はドレイン電極として機能する導電層541とが接続されている。
【0079】
異方性導電接着剤の代表例としては、分散した導電性粒子551(粒径が、数nm〜数十μm)を含有する接着性樹脂であり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、導電性粒子551は、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される。また、これらの元素の多層構造を有する粒子でも良い。更には、樹脂で形成された粒子の表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される薄膜が形成された導電性粒子を用いてもよい。
【0080】
導電性粒子551が、直径が1〜100nm、好ましくは5〜50nmである場合、一つ又は複数の導電性粒子551と接続端子312aが接続する。この場合、一つ又は複数の導電性粒子551で接続端子312aと導電層541の間隔を保持する。
【0081】
また、図4(C)に示すように、直径が0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmの導電性粒子553が含まれる接着層554を用いても良い。この場合、導電層541と接続端子312aは、垂直方向に押しつぶされた形状の導電性粒子553で接続される。このときは、導電性粒子553で導電層541と接続端子312aの間隔を保持する。
【0082】
電界効果トランジスタの代わりに、絶縁基板上に設けられたTFTを有する層を用いてもよい。
【0083】
次に、単結晶半導体基板の代わりにTFTを用いて回路を形成し、アンテナをTFTの裏面にて接続する例を、図5を用いて説明する。ここで、TFTの裏面とは、TFTが形成される絶縁膜703側のことをいう。
【0084】
図5(A)に示すように、基板上に設けられたTFT701、702を有する層上に基体750を設け、基板からTFT701、702を有する層を剥離し、剥離した面にアンテナ321を有する基板531を、異方性導電接着剤562で貼りあわせることが可能である(図5(A)参照)。
【0085】
なお、ここでは、TFT701のソース配線又はドレイン配線として機能する導電膜724aは、絶縁膜723、722、703の開口部を充填する領域724cを有する。このため、絶縁膜703の開口部に導電膜が露出するため、TFTの裏面にて、アンテナとして機能する導電膜とTFTとを接続することが可能である。絶縁膜723、722、703の開口部は、絶縁膜723、722をエッチングしてソース領域及びドレイン領域719a、719b及び絶縁膜703を露出した後、絶縁膜703の露出部をエッチングし開口部を形成することで、形成することができる。
【0086】
基体750としては、実施の形態で示される基板101やフィルムを用いることが可能である。フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルム等を利用することができる。また、フィルムと被処理体には、加熱処理や加圧処理のような熱圧着が行われる。加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
【0087】
また、フィルムの表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤を含む層に相当する。シート材にシリカコートを用いることが好ましく、例えば、接着層とポリエステル等のフィルムとシリカコートを積層させたシート材を利用することができる。
【0088】
基板からTFT701、702を有する層を剥離する方法としては、(1)基板に、300〜500度程度の耐熱性を有する基板を用い、当該基板と絶縁膜703との間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該TFT701、702を有する層を物理的に剥離する方法、(2)基板と絶縁膜703との間に、水素を含む非晶質珪素膜を設けレーザ光を照射する、またはガスや溶液でのエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該TFT701、702を有する層を剥離する方法、(3)TFT701、702を有する層が形成された基板を機械的に削除、又は溶液によるエッチング除去により、当該TFT701、702を有する層を切り離す方法、(4)耐熱性の高い基板と絶縁膜703の間に剥離層及び金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、剥離層の一部を溶液やCF等のガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において物理的に剥離する方法等を用いればよい。
【0089】
異方性導電接着剤562は、異方性導電接着剤552と同様に導電性粒子561が分散された接着剤である。TFT701、702を有する層と、導電膜を有する基板531とを圧着することで、これらを接着することが可能であり、且つ絶縁膜703、722、723の開口部を充填する領域724cと導電膜の接続端子321aとを、導電性粒子561を介して電気的に接続することが可能である。
【0090】
更には、TFT701、702を有する層の裏面と共に、表面にアンテナを有する基板581を、異方性導電接着剤572を用いて貼り合せてもよい(図5(B)参照。)。代表的には、露出させたTFT702のソース電極又はドレイン電極724bの一部と、アンテナを有する基板581上に形成された導電膜の接続端子121aとを異方性導伝粒子571で電気的に接続させることが可能である。
【0091】
上記のように、剥離したTFT701、702を有する層を、フレキシブル基板やフィルムに貼り合わせると、厚さが薄く、軽く、落下しても割れにくい半導体装置を提供することができる。また、フレキシブル基板は可撓性を有するため、曲面や異形の形状上に貼り合わせることが可能となり、多種多様の用途が実現する。また、基板を再利用すれば、安価な半導体装置の提供が可能である。
【0092】
また、複数のアンテナを有する場合、一つのアンテナが破損しても、他のアンテナで外部装置から供給される電磁波を受信することが可能であるため、耐久性を向上させることが可能である。また、複数のアンテナの通信する周波数帯が異なる場合、複数の周波数帯を受信することが可能であるため、リーダライタの選択幅が広がる。
【0093】
以上の構成により、無線チップなどの半導体装置が作製される。
【実施例3】
【0094】
本実施例では、本発明を用いて導電性を有する膜パターン及び当該膜パターンを有する半導体装置を形成する工程について図6及び図7を用いて説明する。本実施例において、導電性を有する膜パターンとして画素電極を用い、半導体装置として発光表示装置を用いて説明する。
【0095】
図6(A)は、封止前における画素部の上面図を示す図であり、図6(A)中の鎖線A−A’で切断した断面図が図6(B)であり、鎖線B−B’で切断した断面図が図6(C)である。
【0096】
第1の基板210上には、珪素、酸素及び不活性な基を有する膜212が形成され、その上にストライプ状に複数の第1の電極213が等間隔で配置されている。また、第1の電極213上には、各画素に対応する開口部を有する隔壁214が設けられ、開口部を有する隔壁214は、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、若しくはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜))で構成されている。また、上記材料に黒色顔料やカーボンブラックを分散させて、遮光性を有する隔壁としてもよい。このように遮光性をもたせることで、開口部を有する隔壁214はブラックマトリクス(BM)として機能させている。なお、各画素に対応する開口部が発光領域221となる。
【0097】
開口部を有する隔壁214上に、第1の電極213と交差する互いに平行な複数の逆テーパ状の隔壁222が設けられる。逆テーパ状の隔壁222はフォトリソグラフィ法に従い、未露光部分がパターンとして残るポジ型感光性樹脂を用い、パターンの下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって形成する。この逆テーパ状の隔壁222も上述した遮光性を有する材料で形成し、さらにコントラストの向上を図ってもよい。
【0098】
逆テーパ状の隔壁222の高さは、有機化合物を含む層215R、215G、215B及び第2の電極216の膜厚より大きく設定することで、それぞれの有機化合物を含む層215R、215G、215Bと、第2の電極216とが電気的に独立して形成される。第2の電極216は、第1の電極213と交差する方向に伸長する互いに平行なストライプ状の電極である。なお、逆テーパ状の隔壁222上にも有機化合物を含む膜及び導電膜が形成される。
【0099】
ここでは、有機化合物を含む層215R、215G、215Bを選択的に形成し、3種類(R、G、B)の発光が得られるフルカラー表示可能な発光装置を形成する例を示している。有機化合物を含む層215R、215G、215Bはそれぞれ互いに平行なストライプパターンで形成されている。
【0100】
また、全面に有機化合物を含む層を形成し、単色の発光素子を設けてもよく、モノクロ表示可能な発光装置、或いはエリアカラー表示可能な発光装置としてもよい。また、白色発光が得られる発光装置として、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。隔壁214を遮光性を有する材料で形成することで、ブラックマトリクスとして機能するため、着色層のみからなるカラーフィルタを用いることができる。
【0101】
また、発光素子の封止は、シール材を用いて第2の基板を貼り合わせることによって行う。必要があれば、第2の電極216を覆う保護膜を形成してもよい。なお、第2の基板としては、水分に対するバリア性の高い基板が好ましい。また、必要であれば、シール材で囲まれた領域内に乾燥剤を配置してもよい。
【0102】
また、第1の電極213を光反射性を有する導電材料とし、第2の電極216を透光性を有する導電材料とした場合には、発光素子からの発光を第2の基板を通過させて取り出すトップエミッション型の発光装置とすることができる。第1の電極213として、炭素及びニッケルを含むアルミニウム合金膜を、単層、或いは透明導電膜との積層の下層側に用いると、通電、或いは熱処理によりITOや酸化珪素を有するITOと、炭素及びニッケルを含むアルミニウム合金膜とのコンタクト抵抗値に大きな変動がないため好ましい。
【0103】
また、第1の電極213を、透光性を有する導電材料とし、第2の電極216を光反射性を有する導電材料とした場合には、発光素子からの発光を第1の基板210を通過させて取り出すボトムエミッション型の発光装置とすることができる。
【0104】
また、第1の電極213および第2の電極216をともに透光性を有する導電材料とした場合には、発光素子からの発光を第1の基板及び第2の基板の両方を透過させることを両方行うことが可能な発光装置とすることができる。
【0105】
次に、図6に示す表示装置の作製方法を図7を用いて説明する。
【0106】
図6(B)に示す領域の作製工程を図7(A)、(C)、(E)、及び(G)に示し、図6(C)に示す領域の作製工程を図7(B)、(D)、(F)、及び(H)に示す。
【0107】
基板210上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜212を形成し、スクリーン印刷法により酸化亜鉛、酸化インジウムを有する組成物を塗布し、乾燥及び焼成を行ってストライプ状の第1の電極213を形成する(図7(A)及び(B)参照。)。
【0108】
次に、第1の電極213上に、各画素に対応する開口部を有する隔壁214を形成する。隔壁は、上記材料を用いてスクリーン印刷法や、塗布法及びエッチング法等の公知の手法により形成することができる。ここでは、黒色顔料やカーボンブラックを分散させてなる感光性または非感光性の有機材料を印刷し、乾燥及び焼成して開口部を有する隔壁214を形成する。
【0109】
次に、開口部を有する隔壁214上に、第1の電極213と交差し、且つ互いに平行な複数の逆テーパ状の隔壁222を形成する。ここでは、ポジ型感光性樹脂を塗布し、乾燥焼成した後、フォトリソグラフィ法に従い露光した後現像して、未露光部で形成される逆テーパ状の隔壁を形成する。このとき、隔壁の下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって、逆テーパ状とすることができる。この逆テーパ状の隔壁222も上述した遮光性を有する材料で形成することで、さらにコントラストの向上を図ることができる(図7(C)及び(D)参照。)。
【0110】
次に、有機化合物を含む層215R、215G、215Bを選択的に形成する。有機化合物を含む層215R、215G、215Bは、それぞれ互いに平行なストライプパターンで形成されている。この結果、3種類(R、G、B)の発光が得られるフルカラー表示可能な発光装置を形成することが可能である(図7(E)及び(F)参照。)。
【0111】
次に、第2の電極216を形成する。なお、第2の電極として、反射性を有する導電層をスパッタリング法や蒸着法等の公知の手法により形成する。なお、ここでは、逆テーパを有する隔壁222で、各画素部が区切られている。このため、有機化合物を含む層215R、215G、215B及び第2の電極216は、逆テーパ状の隔壁222の頭部によって形成が妨げられる。このため、公知のフォトリソグラフィ工程を用いずとも、逆テーパ状の隔壁222ごとに、有機化合物を含む層及び第2の電極を分断することができる。
【0112】
この後、基板210を対向基板で封止することで、表示装置を形成することができる。封止を行った後、FPCなどを実装した表示装置の上面図を図13に示す。
【0113】
なお、本明細書中における表示装置は、表示装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)、TAB(Tape Automated Bonding)テープ又はTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、若しくはTABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、若しくは表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0114】
基板1301と対向基板1310が対向するようにシール材1311で貼り付けられている。シール材1311としては光硬化樹脂を用いれば良く、脱ガスが少なく、吸湿性の低い材料が好ましい。また、シール材1311は基板間隔を一定に保つため、フィラー(棒状またはファイバー状のスペーサ)や球状のスペーサを添加したものであっても良い。なお、対向基板1310としては基板1301と熱膨張係数が同一の材料が好ましく、ガラス(石英ガラスを含む)もしくはプラスチックを用いることができる。
【0115】
図13に示すように画像表示を構成する画素部は、走査線群とデータ線群が互いに直交するように交差している。
【0116】
図6における第1の電極213が図13のデータ線1303に相当し、第2の電極216が走査線1302に相当し、逆テーパ状の隔壁222が隔壁1304に相当する。データ線1303と走査線1302の間には有機化合物を含む層が挟まれており、1305で示される交差部が画素1つ分となる。
【0117】
なお、データ線1303は配線端で入力端子1307と電気的に接続され、入力端子1307を介してFPC1309bに接続される。また、走査線1302は入力端子1306を介してFPC1309aに接続される。
【0118】
また、必要であれば、射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。また偏光板、又は円偏光板に加熱処理を施すアンチリフレクション処理を施してもよい。その後さらに、外部衝撃から保護するためハードコート処理を施すとよい。ただし、偏光板、又は円偏光板を用いると、偏光板、又は円偏光板により光の取り出し効率が低下してしまう。また、偏光板、又は円偏光板自体のコストが高く、且つ、劣化しやすい。
【0119】
以上の工程により、画素電極及び発光表示装置を形成することが可能である。
【実施例4】
【0120】
本実施例では、TFTに接続される導電膜を有する半導体装置の作製方法について、図8を用いて説明する。基板700上に複数のトランジスタを有する層が設けられている。これらのTFTは、pチャネル型TFT、nチャネル型TFT等を適宜組み合わせて構成することが可能である。ここでは、TFTをnチャネル型TFTで示す。
【0121】
TFT701、702は、基板700上に形成された絶縁膜703上に設けられている。また、TFT701、702と、パッシベーション膜として機能する絶縁膜722を覆うように、絶縁膜723が設けられており、これらの絶縁膜723は、表面を平坦化するために設けられている。ソース配線又はドレイン配線として機能する導電膜724a、724bは、ソース領域及びドレイン領域719a、719bに接し、絶縁膜723に設けられたコンタクトホールを充填する。
【0122】
また、導電膜724a、724bを覆うように、絶縁膜726、727が設けられている。これらの絶縁膜726、727は、表面を平坦化する目的と、TFT701、702及び導電膜724a、724bを保護する目的で設けられている。
【0123】
絶縁膜726、727を形成した後、絶縁膜726、727に、一部開口部を設けて、導電膜724aを露出する。次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜728を形成する。ここでは、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜728としては、実施形態に示す珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜102と同様の物質を適宜用いることができる(図8(A)参照。)。
【0124】
次に、開口部上に形成された珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜728上に、スクリーン印刷法を用いて導電性の組成物を塗布する。この結果、所望の形状を有する導電性の組成物731が珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜728上に塗布される。導電性の組成物は実施の形態に示す導電性の組成物を適宜用いることができる(図8(B)参照。)。
【0125】
次に、以上の工程により、所望の形状を有する導電性の組成物を乾燥及び焼成してTFTに接続する導電膜741を形成することができる。なお、導電膜741は、接続端子、配線やアンテナとして機能する。
【実施例5】
【0126】
本実施例では、TFTに接続される導電膜を有する半導体装置の作製方法について、図9を用いて説明する。ここでは、スクリーン印刷法により形成する導電膜として画素電極を形成し、半導体装置として液晶表示装置を形成する。
【0127】
実施例4と同様に、基板700上にTFT701、及びTFT701覆う絶縁膜722、723を形成する。次に、絶縁膜722、723の一部をエッチングして開口部を設けた後、ソース領域及びドレイン領域719aに接続する導電膜724aを形成する。
【0128】
次に、絶縁膜723及び導電膜724a上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜751を形成する。
【0129】
次に、スクリーン印刷法により、珪素、酸素及び不活性な基を有する膜751上に、実施の形態1と同様に第1の画素電極752を印刷する(図9(B)参照。)。
【0130】
画素電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズなどを含む組成物を用いて印刷し、焼成して、透光性を有する画素電極を形成することができる。このような画素電極を用いることで、透過型液晶表示装置を作製することができる。
【0131】
また、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅))、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いて印刷し、焼成して、反射性を有する画素電極を形成することができる。このような画素電極を用いることで、反射型液晶表示装置を作製することができる。
【0132】
さらには、上記透光性を有する画素電極及び反射性を有する画素電極を一画素ごとに設けることで、半透過型液晶表示装置を作製することができる。
【0133】
以上の工程により、アクティブマトリクス基板を形成することができる。
【0134】
次に、印刷法やスピンコート法により、絶縁膜を成膜し、ラビングを行って配向膜753を形成する。なお、配向膜753は、斜方蒸着法により形成することもできる。
【0135】
次に、図示しないが、配向膜764、第2の画素電極(対向電極)763、及び着色層762が設けられた対向基板761において、画素部の周辺の領域に液滴吐出法により閉ループ状のシール材を形成する。シール材には、フィラーが混入されていてもよく、さらに、対向基板761にはカラーフィルタや遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。
【0136】
次に、ディスペンサ式(滴下式)により、シール材で形成された閉ループ内側に、液晶材料を滴下したのち、真空中で、対向基板とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせ、紫外線硬化を行って、液晶材料が充填された液晶層765を形成する。なお、液晶層765を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)の代わりに、対向基板を貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶材料を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いることができる。
【0137】
この後、走査線、信号線の接続端子部に、接続導電層を介して配線基板、代表的にはFPC(Flexible Print Crcuit)を貼り付ける。以上の工程により、液晶表示装置を形成することができる。
【0138】
なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース配線(ゲート配線)の間または画素部に設けてもよい。この場合、上記したTFTと同様の工程で作製し、画素部のゲート配線層とダイオードのドレイン又はソース配線層とを接続することにより、静電破壊を防止することができる。
【実施例6】
【0139】
本実施形態では、半導体装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。
【0140】
基板1100の一表面に、絶縁膜1001、剥離層1102a、1102bを形成する(図10(A)参照。)。
【0141】
基板1100は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの等を用いる。上記に挙げた基板1100には、大きさや形状に制約がないため、例えば、基板1100として、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。この利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
【0142】
剥離層1102a、1102bは、基板1100の一表面に絶縁膜1001を形成した後、フォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成した後、該レジストを用いて選択的に導電層をエッチングして形成する。剥離層1102a、1102bは、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は前記元素を主成分とする合金材料、若しくは前記元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
【0143】
剥離層1102a、1102bが単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金がある。
【0144】
剥離層1102a、1102bが積層構造の場合、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を含む層を形成することが好ましい。
【0145】
剥離層1102a、1102bとして、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合として、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化珪素を含む層を形成することで、タングステン層と酸化珪素層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、NOプラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成するとよい。
【0146】
タングステンの酸化物は、WOxで表される。Xは2≦x≦3の範囲内にあり、xが2の場合(WO)、xが2.5の場合(W)、xが2.75の場合(W11)、xが3の場合(WO)などがある。
【0147】
また、上記の工程によると、基板1100と剥離層1102a、1102bとの間に絶縁膜1001を設けているが、本発明はこの工程に制約されない。基板1100に接するように剥離層1102a、1102bを形成してもよい。
【0148】
ここでは、基板1100としてガラス基板を用い、絶縁膜1101として厚さ100nmの酸化窒化珪素膜をCVD法により形成し、剥離層1102a、1102bとして、厚さ30nmのタングステン層をスパッタリング法により形成する。
【0149】
次に、図10(B)に示すように、剥離層1102a、1102bを覆うように、下地となる絶縁膜1105を形成する。絶縁膜1105は、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜は、基板1100からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
【0150】
ここでは、下地となる絶縁膜1105として、スパッタリング法により厚さ200nmの酸化珪素膜を形成する。
【0151】
次に、絶縁膜1105上に、非晶質半導体膜(例えば非晶質珪素を含む膜)を形成する。続いて、非晶質半導体膜を公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化法を組み合わせた方法等)により結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして結晶質半導体膜1127〜1130を形成する。
【0152】
結晶質半導体膜1127〜1130の作製工程の具体例を挙げると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚66nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、必要に応じて連続発振またはパルス発振のレーザ光を照射し、フォトリソグラフィ法により形成したレジストマスクを用いて選択的に結晶性半導体膜をエッチングして結晶質半導体膜1127〜1130を形成する。
【0153】
また、結晶質半導体膜上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体膜を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体膜には、リンやアルゴンの不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタリング法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体膜中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体膜を除去する。そうすると、結晶質半導体膜中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
【0154】
次に、結晶質半導体膜1127〜1130を覆う絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、または酸化窒化珪素膜を、単層又は積層して形成する。
【0155】
ここでは、絶縁膜として、酸化窒化珪素膜をCVD法により形成する。
【0156】
次に、絶縁膜上に、第1の導電膜と第2の導電膜を積層して形成する。第1の導電膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、公知の手段により、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。
【0157】
第1の導電膜と第2の導電膜との組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル(TaN)層とタングステン(W)層、窒化タングステン(WN)層とタングステン層、窒化モリブデン(MoN)層とモリブデン(Mo)層等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。
【0158】
ここでは、第1の導電膜として厚さ30nmのタンタル窒化物層を形成し、第2の導電膜として厚さ370nmのタングステン層を形成する。
【0159】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電膜(ゲート電極とよぶことがある)1107〜1110を形成する。
【0160】
次に、結晶質半導体膜1127〜1130に、イオンドープ法又はイオン注入法により、n型導電性を付与する不純物元素を低濃度に添加して、n型不純物領域及びp型不純物領域を形成する。
【0161】
次に、絶縁膜と導電膜1107〜1110を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜(無機膜と表記することがある)や、有機樹脂などの有機材料を含む膜(有機膜と表記することがある)を、単層又は積層して形成する。
【0162】
ここでは、絶縁膜としてCVD法により酸化窒化珪素膜を形成する。
【0163】
次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電膜1107〜1110の側面に接する絶縁膜(以下、サイドウォール絶縁膜とよぶ)1115〜1118を形成する。サイドウォール絶縁膜1115〜1118は、後にソース領域及びドレイン領域を形成するためのドーピング用のマスクとして用いる。
【0164】
なお、サイドウォール絶縁膜1115〜1118を形成するためのエッチング工程により、絶縁膜もエッチングされ、ゲート絶縁膜1119〜1122が形成される。ゲート絶縁膜1119〜1122は、導電膜1107〜1110及びサイドウォール絶縁膜1115〜1118と重なる膜である。このように、ゲート絶縁膜がエッチングされてしまうのは、ゲート絶縁膜とサイドウォール絶縁膜1115〜1118の材料のエッチングレートが同じであるためであり、図10(B)ではその場合を示している。従って、ゲート絶縁膜とサイドウォール絶縁膜1115〜1118の材料のエッチングレートが異なる場合には、サイドウォール絶縁膜1115〜1118を形成するためのエッチング工程を経ても、ゲート絶縁膜が残存する場合がある。
【0165】
続いて、サイドウォール絶縁膜1115、1117をマスクとして、結晶質半導体膜1127、1129にn型の導電性を付与する不純物元素を添加して、第1のn型不純物領域(LDD領域ともよぶ)1123a、1123cと、第2のn型不純物領域(ソース領域及びドレイン領域ともよぶ)1124a、1124cとを形成する。
【0166】
また、結晶質半導体膜1128、1130にp型の導電性を付与する不純物元素を添加して、第1のp型不純物領域(LDD領域ともよぶ)1123b、1123dと、第2のp型不純物領域(ソース領域及びドレイン領域ともよぶ)1124b、1124dとを形成する。
【0167】
第1のn型不純物領域1123a、1123cが含む不純物元素の濃度は、第2のn型不純物領域1124a、1124cの不純物元素の濃度よりも低い。また、第1のp型不純物領域1123b、1123dが含む不純物元素の濃度は、第2のp型不純物領域1124b、1124dの不純物元素の濃度よりも低い。
【0168】
上記工程を経て、n型の薄膜トランジスタ1131、1133が完成する。また、p型の薄膜トランジスタ1132、1134が完成する。
【0169】
n型の薄膜トランジスタ1131、1133は、LDD構造を有し、第1のn型不純物領域と第2のn型不純物領域とチャネル形成領域を含む活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極として機能する導電膜とを有する。また、p型の薄膜トランジスタ1132、1134は、LDD構造を有し、第1のn型不純物領域と第2のn型不純物領域とチャネル形成領域を含む活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極として機能する導電膜とを有する。
【0170】
次に、薄膜トランジスタ1131〜1134を覆うように、単層又は積層で絶縁膜を形成する。ここでは、薄膜トランジスタ1131〜1134を覆うように、絶縁膜を2層積層して形成した場合を示し、1層目の絶縁膜1141として厚さ50nmの酸化窒化珪素を含む膜を形成し、2層目の絶縁膜1142として厚さ600nmの酸化珪素を含む膜を形成する。
【0171】
なお、絶縁膜1141、1142を形成する前、又は絶縁膜1141、1142のうちの1つ又は複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法又はRTA法などを適用するとよい。
【0172】
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜1141、1142をエッチングして、n型不純物領域1124a、1124c、p型不純物領域1124b、1124dを露出させるコンタクトホールを形成する(図10(C)参照。)。
【0173】
次に、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成し、当該導電膜をパターン加工して、導電膜1155〜1162を形成する。導電膜1155〜1162は、TFTのソース配線又はドレイン配線として機能する。
【0174】
導電膜1155〜1162は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ネオジウム(Nd)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。
【0175】
ここでは、導電膜1155〜1162として、絶縁膜1142側から順に厚さ60nmのチタン層、40nmのチタン窒化物層、500nmのアルミニウム層、60nmのチタン層、40nmのチタン窒化物層をスパッタリング法により形成する。
【0176】
次に、導電膜1155〜1162を覆うように、単層又は積層で絶縁膜1163を形成する(図10(D)参照。)。導電膜1155〜1162を覆う絶縁膜1163は、ここでは、無機絶縁膜で形成する。無機絶縁膜として、厚さ1.5μmのシロキサンポリマーを塗布し、乾燥及び焼成を行って絶縁膜1163を形成する。
【0177】
次に、薄膜トランジスタを覆う絶縁膜1142と同様に導電膜1155〜1162を覆う絶縁膜1163にコンタクトホールを形成した後、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1164を形成する。ここでは、FASを絶縁膜1163に化学吸着させて、単分子で形成される珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1164を形成する。
【0178】
次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1164上に、スクリーン印刷法により、導電性の組成物を印刷したのち、乾燥及び焼成を行って厚さ5〜40μmの導電膜1165を形成する。導電膜1165は、アンテナの一部として機能する。
【0179】
ここでは、導電膜1165として、Agペーストを用いる。以上の工程により、TFTに接続するアンテナとして機能する導電膜1165を形成することができる。
【0180】
この後、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1164及びアンテナとして機能する導電膜1165上に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む膜、窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜等の保護膜を形成しても良い。
【0181】
次に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜1164及び導電膜1165上に、絶縁膜1181を形成する。絶縁膜1181は、後の剥離工程での保護膜として設けるため、平坦化膜であることが好ましい(図10(E)参照。)。
【0182】
ここでは、絶縁膜1181として、スクリーン印刷法により厚さ15μmのエポキシ樹脂層を形成する。なお、絶縁膜1105から絶縁膜1181まで積層された層を、以下複数の薄膜トランジスタを有する層1170とする。
【0183】
次に、剥離層1102a、1102bが露出するように、開口部1182を形成する。開口部1182は、レーザアブレーション法やフォトリソグラフィ法により絶縁膜1105、1141、1142、1163、1181の一部を除去して形成する。
【0184】
ここでは、紫外線レーザから射出されるレーザビームを照射して、開口部1182を形成する(図11(A)参照。)。
【0185】
次に、開口部1182にエッチング剤を導入して、剥離層1102a、1102bの一部を除去する(図11(B)参照。)。一部エッチングされた剥離層を残存する剥離層1183、1184と示す。エッチング剤は、ウエットエッチングであれば、フッ酸を水やフッ化アンモニウムで希釈した混合液、フッ酸と硝酸の混合液、フッ酸と硝酸と酢酸の混合液、過酸化水素と硫酸の混合液、過酸化水素とアンモニア水と水の混合液、過酸化水素と塩酸と水の混合液等を用いる。また、ドライエッチングであれば、フッ素等のハロゲン系の原子や分子を含む気体、又は酸素を含む気体を用いる。好ましくは、エッチング剤として、フッ化ハロゲン又はハロゲン化合物を含む気体又は液体を使用する。
【0186】
ここでは、三フッ化塩素(ClF)を使用して、剥離層の一部をエッチングする。残存する剥離層を1183、1184と示す。
【0187】
次に、複数のトランジスタを有する層1170において絶縁膜1181の表面と基体1186とを粘着剤1185を用いて接着させると共に、基板1100及び剥離層1102a、1102bを剥がす(図11(C)参照。)。
【0188】
ここでは、粘着性の低いフィルムが設けられた転置用ローラーを基体1186として、粘着剤1185を絶縁膜1181に押しつけながらローラーを回転することで、絶縁膜1105上に設けられた複数のトランジスタを有する層1170のみが転置される。このような転置用ローラーは、シリコン系樹脂、又はフッ素系樹脂により形成することができる。
【0189】
このとき、基体1186と複数のトランジスタを有する層1170との接着強度は、基板1100と絶縁膜1105との密着強度より高くなるように設定する。そして、絶縁膜1105上に設けられた複数のトランジスタを有する層のみを基板から剥離する。
【0190】
次に、複数のトランジスタを有する層1170から基体1186を剥離する。
【0191】
次に、フィルム1191を絶縁膜1105に貼り付ける(図12(A)参照。)。フィルム1191として、実施例2に開示した基体750を適宜用いることができる。ここでは、接着層とPETフィルムとシリカコートを積層させたシート材をフィルム1191として用いると、封止後に内部への水分等の侵入を防ぐことが可能である。
【0192】
次に、粘着剤1185を絶縁膜1181から除去する(図12(B)参照。)。
【0193】
ここでは、紫外線を粘着剤1185に照射して粘着剤1185を除去する。
【0194】
次に、フィルム1192を複数のトランジスタを有する層1170の表面及びフィルム1191に接着して、複数のトランジスタを有する層1170を封止する(図12(C)参照、)。フィルム1192も、フィルム1191と同様の物を適宜用いることができる。
【0195】
ここでは、フィルム1192として、接着層とPETフィルムとシリカコートを積層させたシート材をフィルム1192として用いる。
【0196】
その後、フィルム1191、1192の接着領域において、複数のトランジスタを有する層を個々に切断する。その結果、無線チップを形成することが可能である。
【実施例7】
【0197】
本実施例では無線チップに代表される半導体装置の構成について、図14を参照して説明する。図14に示すように、本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調/変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、データバス17、アンテナ(アンテナコイル)18、センサ21、センサ回路22を有する。
【0198】
電源回路11は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調/変調回路13は、リーダライタ19と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路14は、記憶回路16を制御する機能を有する。アンテナ18は、電磁界或いは電波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
【0199】
記憶回路16は、一対の導電膜間に有機化合物層又は相変化層が挟まれた記憶素子を有することを特徴とする。なお、記憶回路16は、一対の導電膜間に有機化合物層又は相変化層が挟まれた記憶素子のみを有していてもよいし、他の構成の記憶回路を有していてもよい。他の構成の記憶回路とは、例えば、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリから選択される1つ又は複数に相当する。
【0200】
センサ21は抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどの素子で形成される。センサ回路22はインピーダンス、リアクタンス、インダクタンス、電圧又は電流の変化を検出し、アナログ/デジタル変換(A/D変換)して制御回路14に信号を出力する。
【実施例8】
【0201】
本発明により無線チップとして機能する半導体装置を形成することができる。半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図15(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図15(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図15(B)参照)、乗物類(自転車等、図15(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図15(E)、図15(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。また、植物類、動物類、人体等に用いることが出来る。
【0202】
半導体装置は、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に無線チップを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に無線チップを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。本発明より形成することが可能な無線チップは、基板上に形成した薄膜集積回路を、公知の剥離工程により剥離した後、カバー材に設けるため、小型、薄型、軽量であり、物品に実装しても、デザイン性を損なうことがない。更には、可とう性を有するため、瓶やパイプなど曲面を有するものにも用いることが可能である。
【0203】
また、本発明より形成することが可能な半導体装置を、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、荷札に設けられる半導体装置に記録された情報を、ベルトコンベアの脇に設けられたリーダライタで読み取ることで、流通過程及び配達先等の情報が読み出され、商品の検品や荷物の分配を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の膜パターンを形成する工程を示した断面図及び斜視図である。
【図2】本発明の膜パターンを形成する工程を示した断面図及び斜視図である。
【図3】本発明のアンテナを形成する工程を示した断面図及び斜視図である。
【図4】本発明の半導体装置の構造を示した断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の構造を示した断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の構造を示した上面図及び断面図である。
【図7】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図8】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図9】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図10】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図11】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図12】本発明の半導体装置を作製する工程を示した断面図である。
【図13】本本発明の半導体装置の構造を示した上面図である。
【図14】本発明の半導体装置の構造を示した図である。
【図15】本発明の半導体装置の応用例を示す図である。
【図16】スクリーン印刷版の開口部の幅の設計値と膜パターンの幅の平均値の関係を示す図である。
【図17】改質されたガラス基板の表面構造を示した図である。
【図18】膜パターン断面SEM図を示した図である。
【図19】膜パターンの抵抗率を測定する素子の構造を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と、前記酸素、珪素及び不活性な基を有する膜上に形成される膜パターンとを有することを特徴とするパターン付基板。
【請求項2】
請求項1において、前記膜パターンは導電膜、絶縁膜、または半導体膜であることを特徴とするパターン付基板。
【請求項3】
請求項1または2において、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、前記基板において前記膜パターンが形成される面の一面に形成されることを特徴とするパターン付基板。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記不活性な基は、フルオロアルキル基又はアルキル基であることを特徴とするパターン付基板。
【請求項5】
基板上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成した後、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜表面に印刷法を用いて組成物を印刷し、前記組成物を焼成して膜パターンを形成することを特徴とするパターン付基板の作製方法。
【請求項6】
請求項5において、前記膜パターンは導電膜、絶縁膜、または半導体膜であることを特徴とするパターン付基板の作製方法。
【請求項7】
請求項5または6において、前記基板表面の一面に前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成することを特徴とするパターン付基板の作製方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項において、前記不活性な基は、フルオロアルキル基又はアルキル基であることを特徴とするパターン付基板の作製方法。
【請求項9】
絶縁膜上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に形成される導電膜とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9において、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、前記絶縁膜において前記導電膜が形成される面の一面に形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
基板上に半導体素子と、且つ前記半導体素子に接続する第1導電膜と、前記半導体素子を覆い、且つ前記第1導電膜の一部を露出する開口部を有する絶縁膜と、露出された前記第1導電膜及び前記絶縁膜表面に形成される珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜と、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に形成される第2導電膜とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11において、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜は、前記半導体素子に接続する導電膜及び前記絶縁膜表面において、前記導電膜が形成される面の一面に形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11または12において、前記導電膜はアンテナ、画素電極、または配線として機能することを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか一項において、前記不活性な基は、フルオロアルキル基又はアルキル基であることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
絶縁膜上に珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成した後、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜表面に印刷法を用いて組成物を印刷し、前記組成物を焼成して膜パターンを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項16】
請求項15において、前記絶縁膜表面の一面に前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項17】
請求項15または16において、前記膜パターンは導電膜、絶縁膜、または半導体膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
基板上に半導体素子を形成し、前記半導体素子を覆い、且つ前記半導体素子に接続する導電膜の一部を露出する開口部を有する絶縁膜を形成し、前記絶縁膜及び露出された前記導電膜上に、珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成し、前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜上に印刷法を用いて組成物を印刷し、前記組成物を焼成して導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項19】
請求項18において、前記絶縁膜及び露出された前記導電膜の表面の一面に前記珪素及び酸素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項20】
請求項11または19において、前記導電膜はアンテナ、電極、または配線として機能する導電膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項21】
請求項15乃至20のいずれか一項において、前記不活性な基は、フルオロアルキル基又はアルキル基であることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−245544(P2006−245544A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9791(P2006−9791)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】