説明

半導体装置の製造方法

【課題】Pt残留物、Pt汚染物あるいはPt膜を効果的にエッチングし、且つ、エッチング装置の金属部材の腐食進行を抑制することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコンを含む半導体基板1上または半導体基板1上に形成されたシリコンを含む導電膜4上に、貴金属膜または貴金属を含む金属膜を形成する工程(a)と、工程(a)の後、半導体基板1に対して熱処理を行い、半導体基板1上または導電膜4上に貴金属を含むシリサイド膜7を形成する工程(b)と、工程(b)の後、第1の薬液を用いて未反応の貴金属を活性化する工程(c)と、第2の薬液を用いて工程(c)で活性化された未反応の貴金属を溶解する工程(d)とを行う。工程(d)は、工程(c)から30分以内に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、特に、貴金属を含むシリサイド層や貴金属を含む電極等を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)微細プロセスではデバイスの更なる高性能化・低消費電力化が求められている。そのような状況において、従来のCMOSプロセスではシリサイド抵抗をさらに低くするために、シリサイド材料としてNiやCoを用いたNiSiやCoSiが用いられている。
【0003】
しかしながら、一方で、微細プロセスでは接合リーク電流の低減のためにNiSiやCoSiのシリサイド反応を抑制する必要がある。そのため、シリサイド材料としてNiまたはCoにPtまたはPdを5〜10%程度混入した合金が用いられている。中でもシリサイド材料としてNiとPtの合金(NiPt)を用いた場合には、耐熱性の向上および接合リーク電流の抑制の効果が期待される。
【0004】
シリサイド化の工程では、合金をSi基板上に成膜後、熱酸化処理を施すことで合金とSiが反応してシリサイドが形成されるが、残留する未反応の合金は除去する必要がある。ここで、例えばシリサイド材料としてNiとPtの合金(NiPt)を用いた場合、シリサイド形成後に未反応のNiPtを除去するために、硫酸と過酸化水素の混合液のような酸化力の高い酸が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図11(a)、(b)は従来のシリサイド形成工程を示す図である。図11(a)に示す工程では、上面の一部がシリサイド形成領域として露出したシリコンからなる半導体基板123を準備した後、半導体基板123の非シリサイド領域上に絶縁膜124を形成し、次いで、シリサイド材料としてNiPt125を半導体基板123上の全体に成膜する。その後、熱酸化処理を施すことでシリサイド領域においてNiSiとNiPtSiとの混晶のシリサイド層126を形成する。なお、以降の記載においては、NiSiとNiPtSiとの混晶をまとめてNiPtSiと称する。
【0006】
次に、図11(b)に示す工程では、未反応のNiPt125を除去し、NiPtSiのみを残す。本工程では、硫酸と過酸化水素の混合溶液127を用いて未反応のNiPt125を除去する。
【0007】
しかしながら、シリサイド形成プロセスにおいて未反応のNiPt125を除去するために硫酸と過酸化水素の混合液のような酸化力の高い酸を用いると、Niを溶解することは出来るが、化学反応性が低いPtは溶解することが出来ず、半導体基板上に残留する。このため、Ptの残留を防ぐためには、混合溶液127に代えて、これよりも強力な酸化力を有する王水(硝酸、塩酸を含む溶液)が用いられる(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、近年、ICカードや汎用マイコン向けに強誘電体メモリ(FeRAM)や強誘電体メモリ混載ロジックLSIの実用化が盛んとなり、FeRAMの容量膜として、PZT(Pb(ZrTi)O)やSBT(SrBiTa)などの強誘電体膜が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-124487号公報
【特許文献2】特開2008-118088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、これらの強誘電体膜が直接、基板に接していると基板が酸化されて容量特性が劣化してしまうため、これらの強誘電体膜を使用する場合には、下部容量電極および上部容量電極としてこれらの強誘電体膜と反応しない貴金属が使用されており、その中でも特にPtが上部電極と下部電極に使用されることが多い。ここで、容量素子の形成において、Ptを下部電極と上部電極に用いる場合、下部電極と上部電極の形成工程でPtを成膜するが、その際、基板裏面にPt汚染物が付着する。基板裏面上または裏面絶縁膜上にPt汚染物が1×1010atom/cm程度残留していると、容量素子のライフタイムや電気特性に悪影響が出る。
【0011】
そこで、基板裏面のPt汚染物を除去することが必要になるが、Ptは王水にしか溶解しないため、一般的な金属除去薬液であるSPM(硫酸と過酸化水素水の溶液)やHPM(塩酸と過酸化水素水の溶液)を用いてもPt汚染物を低減することは出来ない。そのため、基板裏面のPt汚染物を低減するには王水が用いられる。また、下部電極の形成時と上部電極の形成時において、不要なPt膜をウェットエッチングで溶解除去する場合にも王水が用いられる。
【0012】
しかしながら、王水(硝酸、塩酸を含む溶液)やその希釈水を用いてPt残留物、Pt汚染物あるいはPt膜を溶解しようとすると、以下のような課題が発生する。
【0013】
王水は、王水中の塩化ニトロシルの酸化力によってPtを塩化物として溶解させるが、塩化ニトロシルが形成されてからその濃度が安定するためには、王水調合後1〜2時間を要する。また一方で、王水調合後から時間が経過するにつれて塩化ニトロシル濃度が低下し、王水調合後20時間を越えるとPtのエッチングレートが極端に低下して事実上Ptを溶解しなくなる。すなわち、Pt溶解能を確保するためには、王水調合直後から2時間までは薬液を使用せずに待機する必要があり、かつ、王水調合後20時間を越えた時点で液交換を行う必要がある。このような待機時間の存在や頻繁な薬液交換のため、エッチング装置の稼働率は著しく低下する。また、王水は腐食性が極めて高いために、装置に防食対策を施してもその金属部分の腐食を完全に防止することは出来ず、金属部材を頻繁に交換する必要がある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、Pt残留物、Pt汚染物あるいはPt膜を効果的にエッチングし、且つ、エッチング装置の金属部材の腐食進行を抑制することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、シリコンを含む半導体層を有する基板上または前記基板上に形成されたシリコンを含む導電膜上に、貴金属を含む金属膜を形成する工程(a)と、前記工程(a)の後、前記基板に対して熱処理を行って前記貴金属とシリコンとを反応させ、前記基板上または前記導電膜上に前記貴金属を含むシリサイド膜を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後、第1の薬液を用いて未反応の前記貴金属を活性化する工程(c)と、第2の薬液を用いて前記工程(c)で活性化された未反応の前記貴金属を溶解する工程(d)とを備え、前記工程(d)は、前記工程(c)から30分以内に行われる。
【0016】
この方法によれば、シリサイド膜の形成後に貴金属を溶解する工程のみを行う場合に比べて、貴金属を含む残留物の除去を著しく効果的に行うことが可能となる。また、工程(d)では未反応の貴金属が活性化した状態で除去できるので、第2の薬液中の有効成分の濃度が低くても貴金属を除去することができ、従来よりも長時間第2の薬液を使用することが可能となる。さらに、従来の方法に比べて第2の薬液の薬液による処理を低温で行うことができるので、エッチング装置の金属部分の腐食を抑え、第2の薬液の蒸発や変質も抑えることができる。
【0017】
前記貴金属は白金(Pt)であり、前記第1の薬液は硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液であり、前記第2の薬液は塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液であってもよい。この場合、Ptによる汚染を防ぎつつ、Ptを含むシリサイドを形成することができる。
【0018】
前記第1の薬液は、硫酸と過酸化水素水との混合溶液、硫酸とオゾン水との混合溶液および電解硫酸水のうちから選ばれた1つであることが好ましい。
【0019】
前記工程(c)では、前記第1の薬液が、80℃以上の液温度で使用されることが好ましい。
【0020】
前記第1の薬液について、前記硫酸と過酸化水素との混合溶液における混合比は体積比で1〜5:1の比率であり、前記硫酸とオゾン水との混合溶液における混合比は1〜5:1の比率であることが好ましい。
【0021】
前記第2の溶液は、硝酸と塩酸との混合液、塩酸と過酸化水素水との混合液、塩酸とオゾン水との混合液、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液、塩酸と三酸化クロムを混合した溶液、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液およびそれらの希釈液のうちから選ばれた1つであることが好ましい。
【0022】
前記工程(c)では、前記第2の薬液が、40℃以上の液温度で使用されることにより、エッチング装置の腐食を効果的に抑えることができるので、好ましい。
【0023】
前記硝酸と塩酸との混合液における硝酸と塩酸の混合比は1:3〜7の比率であり、前記塩酸と過酸化水素水との混合液における塩酸と過酸化水素水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸とオゾン水との混合液における塩酸とオゾン水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液は塩酸に過マンガン酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に三酸化クロムを混合した溶液は塩酸に三酸化クロムを1〜5wt%混入した溶液であり、前記塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液は塩酸に塩素酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液は塩酸に四酸化オスミウムを1〜6wt%混入した溶液であり、それらの希釈液における希釈度は7倍以下であることが好ましい。
【0024】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、基板上に形成された層間絶縁膜上に、第1の貴金属を含む第1の金属膜を形成する工程(a)と、前記工程(a)の後、前記基板の裏面に付着した前記第1の貴金属を含む汚染物を除去する工程(b)と、前記工程(a)の後、前記第1の金属膜を選択的に除去して下部電極を形成する工程(c)と、前記下部電極上に、容量絶縁膜を形成する工程(d)と、前記容量絶縁膜上及び前記基板上に、第2の貴金属を含む第2の金属膜を形成する工程(e)と、前記工程(e)の後、前記基板の裏面に付着した前記第2の貴金属を含む汚染物を除去する工程(f)と、前記工程(e)の後、前記第2の金属膜を選択的に除去して上部電極を形成する工程(g)とを備えている。
【0025】
この方法によれば、工程(b)、(f)で基板裏面に付着する貴金属を含む汚染物を除去するので、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0026】
前記工程(b)と前記工程(c)とは同時に行い、前記工程(b)及び前記工程(c)では、第1の薬液として硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属を活性化した後、第2の薬液として塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属を溶解し、前記工程(f)と前記工程(g)とは同時に行い、前記工程(f)及び前記工程(g)では、前記第1の薬液を用いて前記第2の貴金属を活性化した後、前記第2の薬液を用いて前記第2の貴金属を溶解することにより、下部電極及び上部電極を形成しながら基板裏面の汚染物を効果的に除去できるので、好ましい。
【0027】
前記工程(b)および前記工程(c)において、前記第2の薬液を用いて前記第1の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第1の貴金属を活性化する処理から30分以内に行い、前記工程(f)および前記工程(g)において、前記第2の薬液を用いて前記第2の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第2の貴金属を活性化する処理から30分以内に行うことが好ましい。
【0028】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、基板上に形成された層間絶縁膜上に、下から順に、第1の貴金属を含む第1の金属膜、絶縁膜および第2の貴金属を含む第2の金属膜を形成する工程(a)と、前記第2の金属膜、絶縁膜および第1の金属膜を一括して選択的に除去して、前記第1の金属膜から下部電極を、前記絶縁膜から容量絶縁膜を、前記第2の金属膜から上部電極をそれぞれ形成する工程(b)と、前記工程(b)の後、前記基板の裏面に付着した前記第1の貴金属および前記第2の貴金属を含む汚染物を除去する工程(c)とを備えている。
【0029】
この方法によれば、工程(b)でキャパシタを作製した後に基板裏面に付着した第1の貴金属及び第2の貴金属を含む汚染物を除去できるので、信頼性の高い半導体記憶装置等を作製することができる。
【0030】
また、前記工程(c)では、第1の薬液として硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属および前記第2の貴金属を活性化し、第2の薬液として塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を溶解することが好ましい。
【0031】
前記工程(c)において、前記第2の薬液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を活性化する処理から30分以内に行うことが好ましい。
【0032】
前記第1の薬液は、硫酸と過酸化水素水との混合溶液、硫酸とオゾン水との混合溶液および電解硫酸水のうちから選ばれた1つであることが好ましい。
【0033】
前記第1の薬液は80℃以上の液温度で使用されることが好ましい。
【0034】
前記第1の薬液について、前記硫酸と過酸化水素との混合溶液における硫酸と過酸化水素との混合比は1〜5:1の比率であり、前記硫酸とオゾン水との混合溶液における硫酸とオゾン水との混合比は1〜5:1の比率であることが好ましい。
【0035】
前記第2の溶液は、硝酸と塩酸との混合液、塩酸と過酸化水素水との混合液、塩酸とオゾン水との混合液、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液、塩酸と三酸化クロムを混合した溶液、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液およびそれらの希釈液から選ばれた溶液であってもよい。
【0036】
前記第2の薬液は40℃以上の液温度で使用されることが好ましい。
【0037】
前記硝酸と塩酸との混合液における硝酸と塩酸の混合比は1:3〜7の比率であり、前記塩酸と過酸化水素水との混合液における塩酸と過酸化水素水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸とオゾン水との混合液における塩酸とオゾン水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液は塩酸に過マンガン酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に三酸化クロムを混合した溶液は塩酸に三酸化クロムを1〜5wt%混入した溶液であり、前記塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液は塩酸に塩素酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液は塩酸に四酸化オスミウムを1〜6wt%混入した溶液であり、それらの希釈液における希釈度は7倍以下であってもよい。
【発明の効果】
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、王水やその希釈水を用いてPt残留物、Pt汚染物あるいはPt膜を溶解する際に、王水やその希釈水の液寿命を向上させ、エッチング装置の稼働率を向上することができ、また、エッチング装置の金属部材の腐食進行を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態における半導体装置の製造方法を説明するための、PtのPH-電位図である。
【図3】第1の実施形態に係る方法と従来の方法において、Ptのエッチング量と王水調合後の経過時間との関係を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る方法と従来の方法において、ウェハ面内でのPtのエッチング量を示す図である。
【図5】(a)、(b)は、従来の方法で洗浄処理した半導体基板のSEM画像を示す図であり、(c)は、第1の実施形態に係る方法で洗浄処理した半導体基板のSEM画像を示す図である。
【図6】希釈王水によるウェハ面内のPtエッチング量の放置時間依存性を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る方法によるOD間ショートを表した図である。
【図8】塩酸と酸化剤を含む混合液を用いた場合の従来の方法と第1の実施形態に係る方法でのPtのエッチング量を示す図である。
【図9】(a)〜(j)は、第2の実施形態に係るFeRAMの製造方法を示す断面図である。
【図10】60秒間の希釈王水処理のみを行った場合と、第2の実施形態に係る方法を用いた場合とでのICP−MS測定による基板裏面のPt汚染量の評価結果を示す図である。
【図11】(a)、(b)は従来のシリサイド形成工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。同図は、シリサイドの例としてNiPtシリサイドを形成する工程を示している。
【0042】
まず、図1(a)に示す工程で、シリコンからなる半導体基板1にSTI等により素子分離領域2を形成した後、素子分離領域2に囲まれた半導体基板1上に、ゲート酸化膜3と、そのゲート酸化膜3上に設けられ、多結晶シリコンからなるゲート電極(導電膜)4とを形成する。次に、公知の方法を用いてゲート電極4の両側面にシリコン酸化膜からなるサイドウォール5を形成し、半導体基板1のうちゲート電極4の両側方に位置する領域に高濃度の不純物を含むソース・ドレイン拡散層5aを形成し、MOS型トランジスタを形成する。
【0043】
次に、図1(b)に示す工程で、半導体基板1の上面全体の上に不純物が導入されていないシリコン酸化膜6を膜厚20nm〜70nmで成膜し、次いで、シリサイド反応層を形成しない非シリサイド領域上にはシリコン酸化膜6を残し、シリサイド反応層を形成するシリサイド領域上ではシリコン酸化膜6を除去する。その後、シリサイド材料としてPt含有量が2〜10wt%で膜厚が7〜15nmのNiPt膜7を半導体基板1上の全体に形成し、シリサイド反応を均一にするために保護膜として膜厚が7〜15nmのTiN膜8をNiPt膜7上に形成する。
【0044】
次に、図1(c)に示す工程で、200〜400℃の温度下で熱処理を施すことで、半導体基板1のソース・ドレイン拡散層5a上およびゲート電極4上のNiPt膜7をそれぞれ半導体基板1のシリコンと反応させ、膜厚が8.5nm〜16.5nmのNiPtSiからなるシリサイド層9を形成する。この際、素子分離領域2や非シリサイド領域のシリコン酸化膜6上のNiPt膜7はシリサイド反応しない。
【0045】
次に、図1(d)に示す工程で、SPM処理(HSO:H=1〜5:1、処理温度80℃以上160℃以下)を施すことでTiN膜8と未反応のNiPt膜7を除去する。この後、半導体基板1を水洗、乾燥する。ここで、SPMを用いた場合、TiN膜8とNiPt膜7中のNiは溶解できるがPtを溶解することができないため、半導体基板1上や素子分離領域2上およびゲート電極4上にPt粒子11が残留する。なお、上記のSPMの組成比は、濃度が98wt%の濃硫酸(HSO)と31wt%の過酸化水素水とを所定の体積比で混合することを表している。
【0046】
しかしながら、上記した条件のSPM処理を行なえば、TiN膜8と未反応のNiPt膜7中のNiを溶解すると同時に、シリサイド層9の表面に溶解腐食反応を防止するシリコン酸化膜10を形成することができる。また、上記した条件のSPM処理を行なえば、図2に示すPH−電位図からわかるように、強酸下で酸化還元電位を1.3eV以上とすることができ、PtOやPtOHのラジカルが形成される。これらのラジカルによってPt粒子11が活性化される。なお、1.3eV以上の酸化還元電位は、過酸化水素水を用いても実現することができる。また、Pt粒子11を活性化させる溶液はSPMに限定されるものではなく、他に硫酸系に酸化剤を加えた薬液があり、例えば硫酸とオゾン水の混合液(HSO:O=1〜5:1(体積比)、処理温度80℃以上160℃以下)、電解硫酸液(処理温度80℃以上100℃以下)などの溶液がある。ここで、硫酸とオゾン水の混合液を生成するのに用いられる硫酸は98wt%であり、オゾン水はオゾン濃度が20ppmのものである。ここで、活性化されたPt粒子11は、通常の60〜180秒程度の水洗では、活性化前の状態に戻ることはほとんどないと考えられる。
【0047】
次に、図1(e)に示す工程で、活性化されたPt粒子11を王水(硝酸:塩酸1:3〜7、処理温度40℃以上70℃以下)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液によって溶解する。なお、王水処理のみの場合、55℃以上にしなければPt粒子を除去することができなかったが、本実施形態の方法では、Pt粒子11を活性化しているため、40℃以上であればエッチングレートを大きく落とさずにPt粒子11を除去することができる。本実施形態の方法では、王水での処理温度を下げることができるので、薬液(王水)の蒸発を低減するとともに薬液をより安定化できるので、従来の方法に比べて製造コストを大きく低減することが可能となる。さらに、処理温度を下げることでエッチング装置での金属腐食を低減することもできる。
【0048】
図3は、本実施形態の方法と従来の方法において、Ptのエッチング量と王水調合後の経過時間との関係を示す図である。ここでは、SPM(HSO:H=1〜5:1)処理を100℃〜160℃で行って基板上に残留するPt粒子を活性化させた後に、希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4)を用いて60℃、90秒間処理した場合(本実施形態の方法)と、残留するPt粒子の活性化処理を行なわず、希釈王水処理のみの場合(従来の方法)とを示している。
【0049】
図3から分かるように、希釈王水処理のみの場合では、Ptのエッチング量は希釈王水調合直後から1時間まではあまり大きくなく、その後増加するものの調合後20時間以降は全くエッチングされておらず、薬液寿命が短い。一方、上記のSPM処理でPtを活性化させた場合は、調合直後から調合後120時間までPtのエッチング量は安定し、かつPtの活性化処理なしの場合に比べて2倍以上に向上しており、薬液寿命は非常に長い。これは、活性化されたPtは活性化されていないPtよりも低濃度の塩化ニトロシル濃度で溶解できるためであると推測される。
【0050】
図4は、本実施形態の方法と従来の方法において、ウェハ内の位置ごとのPtのエッチング量を示す図である。ここでは、枚葉式洗浄装置を用いてSPM(HSO:H=1〜5:1、処理温度100℃〜160℃)の処理によって残留Pt粒子を活性化させた後に、120秒の水洗と60秒の乾燥を行い、その後、希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4、処理温度60℃)で90秒間処理した場合(本実施形態の方法)と、残留Pt粒子の活性化処理を行なわず、希釈王水処理のみの場合における、希釈王水の調合後3時間経過時でのPtのウェハ面内エッチング量分布を示したものである。
【0051】
図4から分かるように、希釈王水処理のみの場合では、ウェハ外周部のエッチング量がウェハ中央部のエッチング量に比べて大きく低下している。一方、上記のSPM処理でPtを活性化させた場合は、ウェハ中央部のエッチング量とほぼ同等のエッチング量を示し、かつPtの活性化処理なしの場合に比べてウェハ外周部のエッチング量が約5倍に増加している。従来の方法において、ウェハ外周部でエッチング量がウェハ中央部よりも小さくなっているのは、外周部で王水の流れが速くなるため王水が十分に滞留できないことや、ウェハ外周部では供給される王水の温度が低下していること等によると考えられる。一方、本実施形態の方法において、ウェハ周辺部でのエッチング量の低下が抑えられているのは、王水の温度が低下してもPtが活性化しているためにエッチングレートが下がりにくいためと推察される。
【0052】
図5(a)、(b)は、従来の方法で洗浄処理した半導体基板の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図であり、(c)は、本実施形態の方法で洗浄処理した半導体基板のSEM画像を示す図である。図5(a)、(b)は、残留Pt粒子の活性化処理を行わず、希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4)による処理のみを60℃でそれぞれ120秒間、及び180秒間行った結果を示す。また、図5(c)は、SPM(HSO:H=1〜5:1)を用いて100℃〜160℃で処理することで残留Pt粒子を活性化させた後に、希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4)を用いて60℃で30秒間処理した結果を示す。
【0053】
図5から分かるように、希釈王水処理のみの場合では120秒間処理してもPt粒子が除去されず、180秒間処理することでようやくPt粒子が除去されている。一方、上記のSPM処理でPtを活性化させた場合は、わずか30秒間処理するだけでPt粒子が完全に除去されている。このように、本実施形態の方法によれば、処理時間の大幅な短縮が可能となる。
【0054】
図6は、希釈王水によるウェハ面内のPtエッチング量の放置時間依存性を示す図である。同図の横軸はウェハ中心からの距離を示す。ここでは、Ptを活性化するSPM処理工程におけるSPM吐出終了直後からPt粒子を溶解する希釈王水処理工程における希釈王水吐出開始直前までの時間を、4分、30分、60分にした場合の結果を示す。ここで、SPM処理後のウェハは120秒間の水洗後、60秒間乾燥させてから大気中で放置した。ウェハは装置で処理をするためにケースの各スロット位置に戻した状態で放置される。
【0055】
図6から分かるように、SPM処理と希釈王水処理のとの間の放置時間が30分であればウェハ外周部もウェハ中心部と同様の高いエッチング量を示すが、SPM処理後60分まで放置するとPtはエッチングされるものの、Ptウェハ外周部でのエッチング量が著しく低下する。このことから、Ptエッチング量の観点からは、Pt粒子の活性化の工程とPt粒子溶解の工程の間の放置時間は30分以下に制限することが好ましい。なお、放置時間が長くなると大気中の酸素の影響によって活性Ptラジカルが消滅したり、Pt粒子の表面電位が元の状態に戻ったりするためにPtのエッチング量が落ちるものと推測される。SPM処理工程の水洗、乾燥後に酸素を含有しない雰囲気、例えば窒素雰囲気中でウェハを保管することで希釈王水処理までの時間を30分以上に延長することができる。
【0056】
図7は、SPM処理によるPt粒子の活性化工程と、希釈王水で30秒間処理するPt粒子の溶解工程とを60分間間隔をおいて分割処理した場合と、両工程を連続して行った場合とにおける、素子分離領域を挟んで隣接した活性領域(OD)間の電気的分離評価(ショート評価)結果を示す図である。ここでは、SPM(HSO:H=1〜5:1)を用いて100℃〜160℃でPt粒子の活性化工程を行い、希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4)を用いて60℃でPt粒子の溶解工程を行った。
【0057】
図7から分かるように、SPM処理後60分経過してから希釈王水で処理するとOD間ショート不良が多発するが、SPM処理直後に希釈王水で処理するとOD間ショート不良は発生していない。ここで、ショート不良は発生の有無はリーク電流が1X10−2pA/μm以上かどうかで判定している。このことから、OD間ショート評価の観点からは、Pt粒子の活性化工程とPt粒子の溶解工程の間の放置時間は60分以下に制限することが好ましい。
【0058】
以上のように、硫酸系に酸化剤を加えた薬液の処理によってPtを活性化させた後に、王水またはその希釈水処理を行うと、Ptの表面が活性化されてPtが溶解しやすくなる。このために、従来よりも王水の液寿命を6倍長時間化することが出来る。また、Ptの表面が活性化されることでPtが溶解しやすくなるために、王水またはその希釈水処理の際にPtのエッチングレートが従来の2倍以上に向上する。その結果、薬液の処理時間を半分以下に短縮することができ、エッチング装置の稼働率の大幅な向上がもたらされ、1回の処理でのエッチング装置の腐食を従来に比べて低減することができる。このように、本実施形態の洗浄方法によれば、SPMのみを用いた場合、及び希釈王水のみを用いた場合に比べてPtの除去効果が飛躍的に高まっており、SPMと希釈王水を用いることの相乗効果を得ることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、Pt残留物を溶解する溶液は、王水(硝酸:塩酸1:3〜7、40℃以上70℃以下)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いたが、これに限定されるものではなく、塩素と酸化剤を含む薬液であってもよい。例えば、塩酸と過酸化水素水との混合液(HCl:H=3〜5:1、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸とオゾン水の混合液(HCl:O=3〜5:1、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液(KMnO:1〜7wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に三酸化クロムを混合した溶液(CrO:1〜5wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液(KClO:1〜7wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液(OsO:1〜6wt%、処理温度40℃以上70℃以下)や以上の溶液を水で1〜7倍に希釈した希釈液であっても王水と同様の効果を得ることができる。
【0060】
図8は、塩酸と酸化剤を含む混合液を用いた場合の従来の方法(図中の「活性化処理無し」)と本実施形態の方法(図中の「活性化処理あり」)でのPtのエッチング量を示す図である。ここでは、Pt残留物を溶解する溶液の例として、塩酸と過酸化水素水の混合液(HCl:H=5:1、処理温度50℃)、塩酸とオゾン水の混合液(HCl:O=5:1、処理温度50℃)、塩酸と塩素酸カリウムを混合した溶液(KClO:5wt%、処理温度50℃)、塩酸と過マンガン酸カリウムの混合液(KClO:5wt%、処理温度50℃)を挙げ、それぞれで90秒処理した結果を示す。また、SPMはHSO:H=1〜5:1のものを使用した。
【0061】
図8から分かるように、各薬液ともSPM処理を施すことでPtエッチング量が著しく増加し、Ptを溶解していることが分かる。このように、塩酸と酸化剤との混合液を用いてもSPM処理と組み合わせることによって効果的にPtを除去できることが分かる。また、上記した塩素と酸化剤を含む薬液である、塩酸と過水の混合液(HCl:H=3〜5:1、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸とオゾン水の混合液(HCl:O=3〜5:1、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液(KMnO:1〜7wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に三酸化クロムを混合した溶液(CrO:1〜5wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液(KClO:1〜7wt%、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液(OsO:1〜6wt%、処理温度40℃以上70℃以下)およびこれらの溶液を水で7倍以下に希釈した希釈液は、王水またはその希釈水よりも腐食性の弱い薬液であるため、エッチング装置に用いられる金属部材の腐食進行を抑制できる効果をもたらす。そのため、Ptの表面を活性化する処理と同一装置で処理しても安全性が高く、より安価な装置で汚染を防止することができる。
【0062】
ここで、2チャンバー仕様などのマルチチャンバー装置の場合、処理シーケンスは、まず一方のチャンバーにてPtを活性化する薬液を施し、その後、120秒の水洗と必要であれば60秒の乾燥を行なった後に、他方のチャンバーにてPtを溶解する薬液を施し、120秒の水洗と60秒の乾燥を行なう。また、一つのチャンバーで複数の薬液プロセス処理が可能な1チャンバーマルチプロセス仕様装置の場合の処理シーケンスは、まずPtを活性化する薬液を施し、120秒の水洗後、Ptを溶解する薬液を施し、120秒の水洗と60秒の乾燥を行なう。
【0063】
また、本実施形態では、Pt粒子の活性化の工程と、王水またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いたPt粒子溶解の工程との間の放置時間を30分以下に制限することが好ましいとしたが、Pt粒子の活性化の工程と上記した他の塩素と酸化剤を含む各種薬液によるPt粒子溶解の工程間の放置時間についても30分以下に制限することが好ましい。
【0064】
なお、Pt粒子の活性化工程およびPt除去工程を実施するエッチング装置として枚葉式洗浄装置あるいは使い捨てのスプレー式洗浄装置を使用すれば、バッチ式洗浄装置による処理に比べて同一処理槽内でのウェハへのパーティクル転写を防止できるためより好ましい。
【0065】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と重複する部分については同一符号を使用し、その説明は省略する。
【0066】
図9(a)〜(j)は、第2の実施形態に係るFeRAMの製造方法を示す断面図である。本実施形態のFeRAMは、強誘電体膜をPtからなる下部電極と上部電極との間に挟んでなる容量素子とMOS型トランジスタとを組み合わせて形成されている。
【0067】
まず、図9(a)に示す工程で、第1の実施形態で示したMOS型トランジスタをシリコンからなる半導体基板1上に形成する。次に、半導体基板1上に、シリコン酸化膜からなる第1の層間絶縁膜13をCVD法により成膜した後、MOS型トランジスタのソース・ドレイン拡散層と電気的に接続するコンタクトホール形成領域をエッチングにより開口し、ホール内にTi膜、タングステン膜をこの順で成膜してコンタクトプラグ14を形成する。
【0068】
次に、図9(b)に示す工程で、容量素子の下部電極15となるPt膜15aを成膜した後、Pt膜15a上にハードマスク30を所定形状に形成する。
【0069】
次に、図9(c)に示す工程で、SPM(HSO:H=1〜5:1)を用いた80℃以上160℃以下での処理によって、除去したい領域のPt表面を活性化した後に、王水(硝酸:塩酸1:3〜7)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いて40℃以上70℃以下で不要なPtを除去し、下部電極15を形成する。
【0070】
次に、図9(d)に示す工程で、半導体基板1上に、シリコン酸化膜からなる第2の層間絶縁膜16を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いた研磨により下部電極15の上面を露出させる。次に、例えばPZT等からなる強誘電体膜を下部電極15及び第2の層間絶縁膜16の上に形成した後に、強誘電体膜上にフォトレジストパターンまたはハードマスクを所定形状に形成し、不要な強誘電体膜をドライエッチングによって除去する。その後、ハードマスクも除去する。これにより、所定形状の強誘電体膜17を形成する。
【0071】
次に、図9(e)に示す工程で、容量素子の上部電極18となるPt膜18aを第2の層間絶縁膜16及び強誘電体膜17上に成膜した後、Pt膜上に所定形状のハードマスク35を形成する。
【0072】
次に、図9(f)に示す工程で、SPM(HSO:H=1〜5:1)を用いて80℃以上160℃以下で処理することによって、除去したい領域のPt表面を活性化する。続いて、王水(硝酸:塩酸1:3〜7)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いて40以上70℃以下で不要なPtを除去し、上部電極18を形成する。
【0073】
なお、図9(b)〜(f)では、容量素子の下部電極15、強誘電体膜17および上部電極18をそれぞれ別々にパターニングして形成したが、図9(g)、(h)に示すように、容量素子の下部電極15となるPt膜と、PZT等からなる強誘電体膜17と、容量素子の上部電極18となるPt膜とを連続して成膜した後、フォトレジストパターンまたはハードマスク40を所定形状に形成し、不要な上下層のPt膜と中層の強誘電体膜とをドライエッチングで一括に除去して容量素子を形成しても構わない。
【0074】
次に、図9(i)に示す工程で、容量素子を覆うように、半導体基板1上にシリコン酸化膜からなる第3の層間絶縁膜19を形成した後、第3の層間絶縁膜19における上部電極18上の部分に、上部配線21と上部電極18とを接続するための開口部20をドライエッチング法で形成する。
【0075】
次に、図9(j)に示すように、この開口部20を埋め込むように、半導体基板上に金属膜を形成した後、所望の形状にパターニングして上部配線21を形成する。その後、上部配線21を覆うように、半導体基板1上にシリコン窒化膜等からなる第4の層間絶縁膜22を形成することで、強誘電体容量素子を有する半導体メモリ装置を形成する。
【0076】
本実施形態の半導体装置の製造方法において、図9(b)に示すPt膜15aの成膜後、図9(e)に示す上部電極18となるPt膜18aの成膜後、または図9(g)、(h)に示す下部電極15となるPt膜、強誘電体膜17となるPZT膜17aおよび上部電極18となるPt膜18aの成膜後、および不要なPtとPZTを一括でドライエッチング除去した後に、半導体基板1の裏面にPt汚染物32が付着する。
【0077】
先に説明したように、基板裏面上または基板裏面の絶縁膜上にPt汚染物が1×1010atom/cmより多く残留していると、容量素子のライフタイムや電気特性に悪影響を及ぼす。一方、基板裏面のPt汚染物を除去するために、一般的な金属除去薬液であるSPM(硫酸と過酸化水素水との混合溶液)やHPM(塩酸と過酸化水素水との混合溶液)を用いても、Ptは王水にしか溶解しないため、Pt汚染物を低減することが出来ない。そこで、基板裏面のPt汚染物を低減するために王水またはその希釈王水を用いる。
【0078】
図10は、60秒間の希釈王水処理(硝酸:塩酸:水=1:5:4、処理温度60℃)のみを行った場合と、本実施形態の方法を用いた場合とでのICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)測定による基板裏面のPt汚染量の評価結果を示す図である。本実施形態の方法として、SPM(HSO:H=1〜5:1)処理を施してPtを活性化させた後に希釈王水(硝酸:塩酸:水=1:5:4、処理温度60℃、処理時間60秒)で処理した場合を示している。
【0079】
図10から分かるように、希釈王水処理のみの場合では基板裏面に残留するPt汚染量が5×1010atom/cm程度であるのが、本実施形態の方法で処理した場合ではPt汚染量が1×1010atom/cm以下まで低減できている。
【0080】
本実施形態では、図9(b)に示す下部電極15を構成するPt膜15aの成膜後、図9(e)に示す上部電極18を構成するPt膜18aの成膜後、あるいは図9(h)に示すPt膜15aとPZT膜17aとPt膜18aの成膜後に不要なPtとPZTを一括でドライエッチング除去した後に、基板裏面に対してSPM(HSO:H=1〜5:1、処理温度80℃以上160℃以下)の処理を施してPtを活性化し、続いて王水(硝酸:塩酸1:3〜7、40℃以上70℃以下)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液によって不要なPtを除去している。これと同時に、以上の結果が示すように、本実施形態の方法によれば、基板裏面に付着するPt汚染物を、容量素子のライフタイムや電気特性に悪影響を及ぼさないレベルまで低減することができる。
【0081】
また、第1の実施形態で図3を用いて説明したように、SPM(HSO:H=1〜5:1、処理温度100℃以上160℃以下)によってPtを活性化させた場合は、調合直後から120時間後までPtが安定してエッチングされ、さらに、エッチング量が活性化処理なしの場合に比べて2倍以上に向上する。
【0082】
本実施形態においてもこのエッチング方法を使用しているため、図9(c)および(f)にあるように、SPM処理でPtを活性化させた後に王水処理を行うことで従来よりも王水の液寿命が6倍長くなり、またPtエッチング量が2倍以上向上するため、処理時間を半分以下に短縮することができ、装置稼働率を大幅に向上することが出来る。また、40℃以上70℃以下の比較的低い温度で処理できるので、王水の蒸発や変質を抑えることができる。加えて、下部電極15や上部電極18をドライエッチングで形成する場合に比べて工程数を増加させずに基板裏面のPt汚染を効果的に防ぐことができる。
【0083】
なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、Pt粒子の活性化の工程の薬液吐出終了直後から、王水またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いたPt粒子溶解の工程の王水吐出開始直前までの時間を30分以下に制限することが好ましい。
【0084】
また、Ptを活性化させる溶液としては、SPM以外に硫酸系に酸化剤を加えた薬液があり、硫酸とオゾン水の混合液(HSO:O=1:1〜5、処理温度80℃以上160℃以下)、電解硫酸液(処理温度80℃以上100℃以下)などの溶液でも上記と同様の効果が得られる。
【0085】
また、本実施形態では、下部電極または上部電極として、Pt以外にIr(イリジウム)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Os(オスミウム)の単層または積層膜で構成される貴金属を用いても構わない。ここで、下部電極または上部電極としてIrが使用された場合、Irを活性化するには酸化還元電位が1.0eV以上の薬液の処理を行うことで活性なIrラジカルが形成される。また、Irを活性化する薬液としてSPM(HSO:H=3〜8:1、処理温度60℃以上140℃以下)、硫酸とオゾン水の混合液(HSO:O=3〜8:1、処理温度60℃以上140℃以下)、電解硫酸液(処理温度60℃以上100℃以下)などの溶液がある。
【0086】
なお、本実施形態では、下部電極形成時と上部電極形成時の不要なPtなどの貴金属を溶解する工程や、基板裏面に付着したPt汚染物などの貴金属汚染物を除去する工程などに使用する溶液として、王水(硝酸:塩酸1:3〜7、処理温度40℃以上70℃以下)またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いたが、これに限定されるものではなく、塩素と酸化剤を含む薬液であれば、例えば、塩酸と過酸化水素水の混合液(HCl:H=3〜5:1、処理温度40℃以上70℃以下)、塩酸とオゾン水の混合液(HCl:O=3〜5:1、40℃以上70℃以下)、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液(KMnO:1〜7wt%、40℃以上70℃以下)、塩酸に三酸化クロムを混合した溶液(CrO:1〜5wt%、40℃以上70℃以下)、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液(KClO:1〜7wt%、40℃以上70℃以下)、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液(OsO:1〜6wt%、40℃以上70℃以下)や以上の溶液を水で1〜7倍に希釈した希釈液であっても同様の効果を得ることができる。以上の溶液は王水またはその希釈水よりも腐食性が弱いが、Ptなどの貴金属が活性化された後に用いるとPtなどの貴金属を溶解することが出来る。さらに、以上の溶液は、王水またはその希釈水よりも腐食性の弱い薬液であるため、エッチング装置に用いられる金属部材の腐食進行を抑制できる効果をもたらす。そのため、Ptの表面を活性化する処理と同一装置で処理しても安全性が高く、より安価な装置で汚染を防止することができる。
【0087】
また、本実施形態では、Ptの活性化の工程のSPM吐出終了直後から、王水またはそれを水で7倍以下に希釈した希釈溶液を用いたPt溶解の工程の希釈王水吐出開始直前までの時間を30分以下に制限することが好ましいとしたが、Ptの活性化の工程の薬液吐出終了直後から上記した他の塩素と酸化剤を含む各種薬液によるPt溶解の工程の薬液吐出開始直前までの時間についても30分以下に制限することが好ましい。
【0088】
なお、Ptの活性化工程およびPt除去工程を実施するエッチング装置として枚葉式洗浄装置あるいは使い捨てのスプレー式洗浄装置を使用すれば、バッチ式洗浄装置を用いる場合に比べてウェハへのパーティクル転写を防止できるためより好ましい。
【0089】
なお、本実施形態の方法では下部電極15の形成、及び上部電極18の形成をPtの活性化及びPtの溶解と同時に行っているが、下部電極15及び上部電極18をそれぞれドライエッチングで形成した後、SPMと王水等を用いて基板裏面に残留するPtの除去を行ってもよい。
【0090】
また、以上で説明した各実施形態に係る半導体装置において、半導体基板以外にも、シリコンを含む半導体層を有するSOI基板などを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上に説明したように、本発明の半導体装置の製造方法は、貴金属を含むシリサイドを有する半導体装置や貴金属を用いた電極を有する半導体装置などに有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 半導体基板
2 素子分離領域
3 ゲート酸化膜
4 ゲート電極
5 サイドウォール
5a ソース・ドレイン拡散層
6 シリコン酸化膜
7 NiPt膜
8 TiN膜
9 シリサイド層
10 シリコン酸化膜
11 Pt粒子
13 第1の層間絶縁膜
14 コンタクトプラグ
15 下部電極
15a Pt膜
16 第2の層間絶縁膜
17 強誘電体膜
17a PZT膜
18 上部電極
18a Pt膜
19 第3の層間絶縁膜
20 開口部
21 上部配線
22 第4の層間絶縁膜
30、35、40 ハードマスク
32 Pt汚染物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンを含む半導体層を有する基板上または前記基板上に形成されたシリコンを含む導電膜上に、貴金属を含む金属膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後、前記基板に対して熱処理を行って前記貴金属とシリコンとを反応させ、前記基板上または前記導電膜上に前記貴金属を含むシリサイド膜を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、第1の薬液を用いて未反応の前記貴金属を活性化する工程(c)と、
第2の薬液を用いて前記工程(c)で活性化された未反応の前記貴金属を溶解する工程(d)とを備え、
前記工程(d)は、前記工程(c)から30分以内に行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記貴金属は白金であり、前記第1の薬液は硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液であり、前記第2の薬液は塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の薬液は、硫酸と過酸化水素水との混合溶液、硫酸とオゾン水との混合溶液および電解硫酸水のうちから選ばれた1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(c)では、前記第1の薬液が、80℃以上の液温度で使用されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の薬液について、前記硫酸と過酸化水素との混合溶液における混合比は体積比で1〜5:1の比率であり、前記硫酸とオゾン水との混合溶液における混合比は1〜5:1の比率であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の溶液は、硝酸と塩酸との混合液、塩酸と過酸化水素水との混合液、塩酸とオゾン水との混合液、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液、塩酸と三酸化クロムを混合した溶液、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液およびそれらの希釈液のうちから選ばれた1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(c)では、前記第2の薬液が、40℃以上の液温度で使用されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記硝酸と塩酸との混合液における硝酸と塩酸の混合比は1:3〜7の比率であり、前記塩酸と過酸化水素水との混合液における塩酸と過酸化水素水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸とオゾン水との混合液における塩酸とオゾン水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液は塩酸に過マンガン酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に三酸化クロムを混合した溶液は塩酸に三酸化クロムを1〜5wt%混入した溶液であり、前記塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液は塩酸に塩素酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液は塩酸に四酸化オスミウムを1〜6wt%混入した溶液であり、それらの希釈液における希釈度は7倍以下であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板上に形成された層間絶縁膜上に、第1の貴金属を含む第1の金属膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後、前記基板の裏面に付着した前記第1の貴金属を含む汚染物を除去する工程(b)と、
前記工程(a)の後、前記第1の金属膜を選択的に除去して下部電極を形成する工程(c)と、
前記下部電極上に、容量絶縁膜を形成する工程(d)と、
前記容量絶縁膜上及び前記基板上に、第2の貴金属を含む第2の金属膜を形成する工程(e)と、
前記工程(e)の後、前記基板の裏面に付着した前記第2の貴金属を含む汚染物を除去する工程(f)と、
前記工程(e)の後、前記第2の金属膜を選択的に除去して上部電極を形成する工程(g)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(b)と前記工程(c)とは同時に行い、前記工程(b)及び前記工程(c)では、第1の薬液として硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属を活性化した後、第2の薬液として塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属を溶解し、
前記工程(f)と前記工程(g)とは同時に行い、前記工程(f)及び前記工程(g)では、前記第1の薬液を用いて前記第2の貴金属を活性化した後、前記第2の薬液を用いて前記第2の貴金属を溶解することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(b)および前記工程(c)において、前記第2の薬液を用いて前記第1の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第1の貴金属を活性化する処理から30分以内に行い、
前記工程(f)および前記工程(g)において、前記第2の薬液を用いて前記第2の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第2の貴金属を活性化する処理から30分以内に行うことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
基板上に形成された層間絶縁膜上に、下から順に、第1の貴金属を含む第1の金属膜、絶縁膜および第2の貴金属を含む第2の金属膜を形成する工程(a)と、
前記第2の金属膜、絶縁膜および第1の金属膜を一括して選択的に除去して、前記第1の金属膜から下部電極を、前記絶縁膜から容量絶縁膜を、前記第2の金属膜から上部電極をそれぞれ形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記基板の裏面に付着した前記第1の貴金属および前記第2の貴金属を含む汚染物を除去する工程(c)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(c)では、第1の薬液として硫酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属および前記第2の貴金属を活性化し、第2の薬液として塩酸系溶液と酸化剤との混合溶液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を溶解することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記工程(c)において、前記第2の薬液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を溶解する処理は、前記第1の薬液を用いて前記第1の貴金属及び前記第2の貴金属を活性化する処理から30分以内に行うことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1の薬液は、硫酸と過酸化水素水との混合溶液、硫酸とオゾン水との混合溶液および電解硫酸水のうちから選ばれた1つであることを特徴とする請求項10または13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1の薬液は80℃以上の液温度で使用されることを特徴とする請求項10、13〜15のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1の薬液について、前記硫酸と過酸化水素との混合溶液における硫酸と過酸化水素との混合比は1〜5:1の比率であり、前記硫酸とオゾン水との混合溶液における硫酸とオゾン水との混合比は1〜5:1の比率であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2の溶液は、硝酸と塩酸との混合液、塩酸と過酸化水素水との混合液、塩酸とオゾン水との混合液、塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液、塩酸と三酸化クロムを混合した溶液、塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液、塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液およびそれらの希釈液から選ばれた溶液であることを特徴とする請求項10、13〜17のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2の薬液は40℃以上の液温度で使用されることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記硝酸と塩酸との混合液における硝酸と塩酸の混合比は1:3〜7の比率であり、前記塩酸と過酸化水素水との混合液における塩酸と過酸化水素水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸とオゾン水との混合液における塩酸とオゾン水との混合比は3〜5:1の比率であり、前記塩酸に過マンガン酸カリウムを混合した溶液は塩酸に過マンガン酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に三酸化クロムを混合した溶液は塩酸に三酸化クロムを1〜5wt%混入した溶液であり、前記塩酸に塩素酸カリウムを混合した溶液は塩酸に塩素酸カリウムを1〜7wt%混入した溶液であり、前記塩酸に四酸化オスミウムを混合した溶液は塩酸に四酸化オスミウムを1〜6wt%混入した溶液であり、それらの希釈液における希釈度は7倍以下であることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−157684(P2010−157684A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190917(P2009−190917)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】