説明

車両の制御方法および装置

【課題】全ての部分システムから操作できエンジンのトルクに関する情報を交換できるエンジン制御システムへのインターフェースを提供する。
【解決手段】エンジンの出力パラメータ、即ち空気量106、噴射量102、点火時期104を調節することにより変化させることができるエンジントルクの設定値110、110aがトラクションコントロール等の部分システムからエンジン制御システムに伝達されて、それぞれ出力パラメータの少なくとも一つを調節することにより調達される。そのためのエンジン制御システムへのインターフェースは、エンジンにより発生されるトルクに基づいて動作し、部分システムはそのインターフェースを介してトルクに関する情報148、156を交換し車両を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御方法および装置、更に詳細には、部分システムを結合する通信システムを介して情報を交換する少なくとも2つの部分システムを備え、前記部分システムの少なくとも一つが車両の駆動ユニットの制御に用いられる車両の制御方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既に今日の車両は、例えば電子噴射及び点火制御システムおよび/あるいはABSシステム(アンチロックブレーキングシステム)等多数の電子システムにより特徴づけられている。車両の環境調和、消費、安全性および/あるいは快適性に対して将来更に高まる要請を満たすことができるようにするために、他の電子装置がより多く導入されなければならない。それに対しては、まず、電子エンジン出力制御システム(いわゆるEガスシステム)、車速制御システム、トラクションコントロールシステムないしエンジン制動トルク制御システム(ASR/MSR)および/あるいは電子トランスミッション制御システムが挙げられるが、シャシー制御システム(電子サスペンション)、電子後輪操舵を含むステアリングシステム、車間制御システム、ナビゲーションシステムおよび/あるいは交通案内システム等も挙げられる。
【0003】
この場合、上述した部分システムは、最低限その機能の2、3の部分領域において車両の駆動出力に作用を及ぼす。例えば、トランスミッション制御装置はギアシフト動作の間に、トラクションコントロールシステム(ASR)はスリップ制御のために、車間制御システムは前方を走行する車両との距離を制御するために、等である。従って、車両を制御する全システムの複雑性が増大する。しかし、車両を良好を制御するためには、部分システムを最適に協働させることが必要である。特に個々の部分システムが相互に依存するのを減少させ、それにより各部分システムを独立して用いまた支配することが一つの目的になる。
【0004】
この方向での第1歩が特許文献1に提案されている。ここでは運転者の要求に基づいて階層的に配置されたシステム構成が提案されており、その場合個々の論理的な部分システム間にインターフェースが定められており、このインターフェースを介して次に深い階層面から調節すべき量に関する情報が伝達されている。例えば、空気供給、燃料供給並びに点火時点の制御を介してエンジン出力を調節するために、エンジン制御を行なう部分システムにエンジントルク設定値に関する情報が伝達されている。エンジン制御へのインターフェースに関する詳細な説明は、この公報には開示されていない。
【0005】
また、ドイツ特許出願DEーP4232974.4からは、必要な燃焼トルクを計算し調節して空気供給並びに点火を変化させることにより所望のエンジントルクを調達することが知られている。
【0006】
また、ドイツ特許出願DEーP4220243.4からは、エンジントルクを調節するとき損失トルク、他の負荷の消費トルク、並びに例えばアイドルコントローラの補正トルクを考慮に入れ、これらのトルク成分を適応すること、即ちこれらのトルク成分のあり得る変動を考慮に入れることが知られている。
【特許文献1】ドイツ特許公開公報第4111023号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、エンジン制御システム(駆動ユニット制御システム)の他に少なくとも一つの電子部分システムを備えた車両において、エンジン制御システムへのインターフェースを設け、このインターフェースが、存在する全ての部分システムから操作でき、しかもエンジンタイプに依存することなく、またエンジン制御システムと通信する部分システムに依存することなく、該インターフェースを用いることができる車両の制御方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この課題は、部分システムを結合する通信システムを介して情報を交換する少なくとも2つの部分システムを備え、前記部分システムの少なくとも一つが車両の駆動ユニットの制御に用いられ、少なくとも駆動ユニットから発生すべきトルクを表す量が前記少なくとも一つの部分システムから駆動ユニット制御システムに伝達され、前記量が、求められた数の噴射を中止ないし行うこと、点火角を補正すること、運転者の要求と無関係に空気供給を調節すること、の処置の少なくとも一つにより調節される構成により解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成により、個々の部分システムが相互に依存するのを減少させ、各部分システムの独立した適用と支配を可能にするエンジン制御システムへの統一的なインターフェースが得られる。
【0010】
特に本発明構成の利点は、提案されたインターフェースがモジュールとして構成されているので、エンジン制御システムの下位構造(例えば空気供給の電子制御)を省略した場合インターフェースの効果が減殺されることがないことである。
【0011】
特に、インターフェースに影響を与えることなく種々のタイプの制御システム間の通信が可能なように、提案されたインターフェースが構成されることに意義がある。
【0012】
本発明によるインターフェースの構成により、エンジンの出力能力、エンジンから発生されるトルクあるいは発生される出力を細かく調量することができ、また部分システムからのエンジンへの作用時に更に発生する排ガス量を減少させることが可能になる。
【0013】
更に、それぞれの精度の要求にしたがってエンジン制御システムの領域においてインターフェースを実現するための構造並びに特性値マップないし特性曲線を簡単化することができるという利点がある。
【0014】
特に、本発明のインターフェースは、噴射中止および/あるいは点火角補正を介したトラクションコントロールおよび/あるいはエンジン制動トルク制御(ASRおよび/あるいはMSR)への作用および/あるいはギアシフト動作間のトランスミッション制御のエンジンへの作用との関連において利点を有する。
【0015】
他の利点は、以下の実施例の説明並びに従属請求項から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1には、例示的に概略ブロック図として車両用の制御システムが図示されている。同図において、10は燃料計量部12、空気計量部14、および/あるいは点火調節部16を備えたエンジン制御用の制御ユニット(システム)である。更に、オートマチックトランスミッションを制御するための制御ユニット18、制動を制御するための、並びに必要に応じてトラクションコントロールないしエンジン制動トルク制御(エンジンドラッグトルク制御)を行なうための制御ユニット20および/あるいは走行動特性制御ないしシャシー制御(サスペンション制御)を行なうための制御ユニット22が設けられている。これらの制御ユニットは、バス系24、例えばいわゆるCANバスを介して互いに接続され相互に情報を交換する。
【0018】
バス系24にはさらに対応する導線26〜28を介してエンジン、動力伝達機構および/あるいは車両の運転パラメータを検出する測定装置30〜32が接続されている。その場合、検出される運転パラメータは、例えばエンジン回転数、エンジン温度、バッテリ電圧、車輪回転数、車速、アウトプット回転数、ギア位置、タービン回転数等、一般的に知られた運転パラメータである。更に、バス系24には、導線34〜36を介して種々の制御機能を実施するための調節装置(アクチュエータ)38〜40が接続される。これらは、例えば燃料噴射システム、点火システム、電気的に制御可能な絞り弁、例えばクラッチ等のオートマチックトランスミッションの調節装置、シャシー用の調節装置(電気的に制御可能なスプリングーダンパー要素)並びにブレーキ作動用の圧力システム等である。
【0019】
図1に示した制御ユニットは、必要な運転パラメータを検出することにより各ユニットに割り当てられた機能を実施し、種々の調節装置に対して制御値を形成する。その場合、例えばトラクションコントロールないしエンジン制動トルク制御、ギアシフト動作を行なうトランスミッション制御に関連した部分機能並びにシャシー制御時駆動ユニットの駆動出力への作用(介入)、従ってエンジン制御システム10(駆動ユニット制御システム)への作用が必要になる。制御ユニット18〜22とエンジン制御システム10間の通信は所定のインターフェースを介して行なわれる。統一的で、一覧性がありモジュールとして構成された上述した利点を備えたインターフェースは以下に説明する本発明の構成により得られる。
【0020】
図2には、エンジン制御システムに対する接続が図示されている。その場合、説明される構成が本発明の実施例を表しており、その実施例により本発明の構成において最大の情報交換が可能なインターフェースが形成される。好ましい実施例では、一つあるいは複数の伝達情報を省略することもできる。
【0021】
図2には、右側にエンジン制御システム10が図示されており、このエンジン制御システムは、一点鎖線で図示した制御システムでまとめられた個々の制御ユニットないし部分システム18〜22とバス系24を介して接続される。制御機能を実施するためにバス系24を介して制御システム間で情報が交換される。この情報には、まずエンジンの出力発生ないし出力能力を特徴付ける量の大きさを示す設定値、例えばエンジンのクランク軸に現れる目標クラッチトルク(mokupsol)がある。あるいは図示トルク(燃焼トルクmovsol)の設定値を伝達することができる。燃焼トルクとクラッチトルク間の関係は簡単な換算により得られ、燃焼トルクは、駆動ユニットの質量により消費される損失トルク(moverl)と他の負荷のトルク成分(mona)の合計をクラッチトルクに加算したものに対応する。更に、エンジンの出力に対する設定値(Psol)を伝達することもできる。
【0022】
それぞれ車両制御システムの仕様に従ってエンジン制御システム10には例えば制御ユニット18〜22に関するステータス情報が供給され、かつ/あるいは運転者の要求ないし意図(mokupf)が供給される。エンジン制御システムで運転者の要求が形成される場合には、この情報の伝達は省略でき、ないしはエンジン制御システム10から部分システム18〜22への伝達が行なわれる。更に、部分システム18〜22が互いに結合されて伝達される設定値に既に部分システム18〜22の全ての運転状態が考慮されているとき、例えばトランスミッション制御ユニットが上位に位置する制御ユニットとしてトラクションコントロール(以下ASRという)/エンジン制動トルク制御(以下MSRという)および/あるいはシャシー制御の本来の要求からエンジン調節用の対応する設定値を求めているときには、部分システム18〜22のステータスに関する情報の伝達を省略することができる。
【0023】
エンジン制御システム10から部分システム18〜22には、設定値により表される量の実際値、例えばクラッチトルクの実際値(mokupist)ないし代替的に使用される量の実際値に関する情報、これらの量の最大値と最小値(mokupmax、mokupmin)に関する情報、燃焼により調達されるこの量の値(mokupfu)に関する情報並びにエンジン制御のステータス情報、例えば点火調節への作用あるいは燃料計量への作用(例えば噴射中止)が可能かの情報あるいはエンジンの運転状態(アイドルか減速運転(エンジンブレーキ))に関する情報が供給される。
【0024】
それぞれ車両制御システムの仕様に従って、それぞれ操作量と作用の可能性が得らる程度に従って、またそれぞれ各情報の必要性に従って伝達される情報の数を減少させることができる。例えば噴射および点火への作用を有し空気供給を電子的に変化させることのできないASR制御に対してだけは、運転者の要求、最大クラッチトルクおよび場合により実際クラッチトルクの情報交換を省略することができる。
【0025】
空気供給を介した緩慢に変化可能なトルクへの作用だけでなく、噴射と点火角を介した急速なトルクへの作用も実現する本発明のインターフェースでは、例えば、電気的に空気供給を調節する可能性がない場合には、空気供給を調節する部分だけアクティブでなくなるようにすることができる。
【0026】
その場合、基本的な考え方は、所望の出力発生ないし所望の出力能力、好ましくは所望のエンジントルクを全ての提供されるエンジン操作量(空気供給、点火調節および燃料供給)を変化させることにより実現することである。その場合、今日のシステムでは、空気供給は直接アクセルペダルにより決められるか、あるいはアクセルペダルから電気的に切り離して電気的に調節することができる。最初の場合には、運転者は定常状態においてエンジントルクを設定し、ASR制御あるいはトランスミッション制御のエンジンへの作用は点火調節および/あるいは燃料計量を変化させることにより、例えば噴射を中止することにより行なわれる。空気供給が電子的に調節される場合には、例えば動力伝達系列(パワートレイン)制御の上位配置の機構により、あるいはエンジン制御システム自体により運転者要求に対応する目標エンジントルクmokupfが設定される。
【0027】
図3は、エンジン制御の領域における統合されたエンジントルクインターフェースの好ましい実施例を示す。その場合、エンジン制御システムには、運転者からの目標クラッチトルクmokupf、部分システム18〜22からの目標クラッチトルクmokupsol並びに存在する部分システムのステータスに関する情報、例えばASRあるいはMSRがアクティブかどうかの情報が伝達される。
【0028】
見やすくする理由からインターフェースの表現手段としてブロック回路図を選択したが、実際には本発明のインターフェースはコンピュータプログラムとして実現される。図3では、ブロック回路図の種々の箇所で同一のパラメータと機能が用いられている。図示を明瞭にする理由からこれらには同一の参照符号が付されているかないし同一参照符号で示されている。実際には、単に対応する機能を有する機能要素が存在するだけで、その結果がコンピュータプログラムの種々の箇所で利用されることは自明である。
【0029】
図3には概略的に駆動ユニット100、特に内燃機関が図示されており、この内燃機関に関連して概略図示した燃料計量を制御する装置102、点火時点を制御する装置104、並びに絞り弁を介して空気供給を制御する装置106が設けられている。あるいは、駆動ユニットは通常空気の調節を行なわないディーゼルエンジンあるいは対応した作用が可能な電動モータ(電気エンジン)とすることもできる。
【0030】
図3には、部分システムからエンジン制御システムに供給される値と、エンジン制御システムから部分システムに出力される値と、通常存在する空気供給、燃料計量並びに点火時点への作用機能間のインターフェースが図示されている。従来のシステムでは空気供給は、絞り弁をアクセルペダルと機械的に結合させることにより運転者により設定され、従って変化させることができない。従って電気的な調節機能を備えたシステムには存在する「空気系統」108は点線で囲んで図示されている。
【0031】
第1の導線110により部分システムの一つからクラッチトルクの設定値mokupsolが選択回路112に供給される。更に、この選択回路には導線114を介して運転者の要求mokupfが、また導線116を介して部分システムのステータス情報が供給される。この選択回路112は、ステータス情報に基づいて部分システムによって設定された目標トルク値と運転者の要求の最小値選択ないし最大値選択(ASRの場合には最小値選択、MSRの場合には最大値選択)を行なう。
【0032】
選択回路の後段には補正回路118、120が設けられ、ここで選択回路から伝達された設定値が損失トルク成分moverlと他の負荷の消費トルク成分monaで補正される。その場合、損失トルクは従来から知られているように適応可能な特性値マップ112から回転数とエンジン温度に基づいて求められる。また消費トルクは、適応可能な特性値マップ124から空調装置、ステアリング装置、トランスミッションなど付加機器の運転状態に従って求められる。損失トルクmoverlと消費トルクmonaは補正回路118と120において目標値mokupsolに加算され、それにより図示トルクあるいは燃焼トルクmovsolの目標値が得られる。
【0033】
運転者の要求あるいは部分システムからの作用値に基づいて求められたこの目標燃焼トルク値は、理想的な条件の元に設定される目標値に対応する。従って、この目標燃焼トルク値は他の補正回路126において実際の点火調節値により補正されるので、その結果給気(λ=1でシリンダに供給される空気と燃料の混合気量ないし空気量、チャージ)により調達される目標トルク成分movfusolが得られる。その場合、補正は、最適な点火角zwoptと点火マップにより設定される実際の点火角zwkfの差に関係する関数Fで目標トルク値movsolを割り算することにより行なわれる。zwopt並びにzwkfは負荷および回転数に従って不図示の特性値マップから読み出される。
【0034】
このようにして求められた空気調節の目標燃焼トルク成分movfusolは給気によるトルク調節に用いられる。
【0035】
目標トルク値movfusolは補正回路126に続く特性値マップ128においてエンジン回転数nに関連して空気質量目標値tlsolに変換される。空気量制御器130には目標値tlsolと、例えば熱薄膜式空気流量計で検出された空気質量の実際値tlHFMが供給される。この空気量制御器は実際値の目標値からのずれ量を形成し、それにより目標値tlsolが補正回路132において乗算的に補正される。補正回路132に続く補正回路134においてこの目標値は更にエンジン温度に従って補正され、絞り弁位置目標値用特性値マップ136に導かれる。ここで補正された空気質量目標値に基づいて絞り弁を調節するための絞り弁位置目標値DKsolが形成される。絞り弁は電子アクセルペダル装置138により、場合により絞り弁の実際位置等の他の運転パラメータに従って調節される。計量される燃料量の調節は公知のように空気質量値tlHFMと回転数nに基づいて行なわれる。
【0036】
アクセルペダルと絞り弁が機械的に結合されている場合には、点線で囲まれた「空気系統」108はアクティブにならず、運転者の要求mokupfはエンジン制御システムにより読み込まれることはなく、運転者により設定された内燃機関への給気に基づいて以下に説明するように計算されたトルク値で、設定された給気により所定の空燃比で得られる燃焼トルクの大きさを示すトルク値mokupfuが必要に応じ運転者の要求として他の部分システムに伝達される。
【0037】
点火および/あるいは燃料計量を介して急速にエンジンへの作用を行なうために、エンジンにより実現されるトルクを燃焼トルク(圧縮段階で発生する機械的なエネルギ)と損失トルク(制動トルク、即ち摩擦および絞り損失により消費されるエネルギ)に分けるのが好ましい。
【0038】
燃料計量への作用は、通常所定の行程中少なくとも個々のシリンダへの燃料供給を停止することにより行なわれる。このような方法を以下では噴射中止とよぶ。噴射中止と点火への作用によって主にエンジンの燃焼トルクmovは影響されるが、摩擦損失と絞り損失でまとめられる損失トルクないし制動トルクは余り影響されない。従って、噴射中止を介した燃料計量への作用並びに点火角補正を介した点火角への作用を後述するように行なうとき、目標クラッチトルクmokupsolは、空気系統に関連して説明したように、エンジン制動トルクmoverlと付加機器の消費トルクmonaを用いて燃焼トルク目標値に変換される。
【0039】
エンジン制動トルクと消費トルクはほぼ一定であるか、ないし公知の方法(冒頭の従来技術を参照)で適応させることができるので、目標燃焼トルクmovsolを、既に部分システムあるいは上位に配置の制御ユニットにおいて求め、それによりクラッチトルク目標値ではなく、燃焼トルク目標値をエンジン制御用に伝達することもできる。同様に、既に部分システムあるいは上位に配置の制御ユニットにおいて発生すべきエンジン出力Psolを求め、これをエンジン制御システムに伝達するようにすることもできる。後者の2つの場合にはインターフェースは燃焼トルク値ないしエンジン出力値に基づいて動作する。
【0040】
図3において、目標燃焼トルクの計算は参照符号110a、118a、120a、122aおよび124aを付した要素により行なわれる。この構成は、空気回路に関連して説明したものに対応する。続く計算ブロック140において、燃焼目標トルクmovsolは、部分システム(116a)のステータス情報並びに給気の調節により発生する燃焼トルク成分movfu(導線141を介して供給され後述するように求められる)を考慮して、点火角補正値dzwおよび/あるいは噴射中止用の値X(例えば、所定数のクランク角回転内にXシリンダの噴射を中止させる。Xは1より小さくすることもできる)に変換される。その場合、140により行なわれる機能は、点火角へのおよび/あるいは噴射への作用を決める一般的な機能であり、図4から図6に好ましい実施例として例示的に図示されている。
【0041】
給気により発生する燃焼トルクmovfuは、通常の条件(点火角への作用がない回転数/負荷マップによる点火角、λ=1の排ガス組成)に対して以下のようにして求められる値である。
【0042】
冒頭で述べたドイツ特許出願DEーP4232974.4の技術から知られた特性値マップ142、即ち給気モデルにより回転数と空気質量測定値tlHFMからエンジンに流入する空気質量流量tlistが形成される。この空気質量流量は、次のエンジンマップ144において回転数に関連して出力ないしトルク発生に関し最適な点火角zwoptに対する最適な燃焼トルク値movoptに変換される。この値は、次の乗算回路146において、最適な点火角zwoptと丁度支配している運転状態(点火角への作用なし)の元に選ばれるマップ点火角zwkf(ブロック126参照)の差に関係する関数Fにより補正される。このように補正された値は通常の条件で給気により発生され、特性値マップ140に供給される燃焼トルクmovfuに対応する。
【0043】
このようにして求められた燃焼トルク値movfuは、補正回路118bと120bにおいて上述した負荷によるトルク成分monaとトルク制動値によるトルク成分moverlによる補正(減算)が行なわれてマップ点火角でのクラッチトルク値mokupfuに変換され、導線148を介して部分システムに供給される。
【0044】
更に、特性値マップ144において求められた最適な燃焼トルク値movoptは、補正回路150において最適な点火角zwoptと実際に調節された点火角zwist(即ち、必要に応じて例えばノッキング制御あるいはアイドル制御のような他の補正量を考慮して)間の差に関係する関数Fによって補正され、計算回路152において行なわれる可能性のある噴射の中止が考慮されて、また補正回路118cと120cにおいて消費トルク成分monaと損失トルク成分moverlを減算して、更に計算回路154aにおいてエンジン回転数変動に従って求められるエンジンの運動質量によるトルク成分を減算して実際に得られるクラッチトルクmokupistの測定値に変換され、導線156を介して部分システムに導かれる。
【0045】
更に、特性値マップ140において求められた中止すべき噴射の数が、噴射装置102に出力される。この噴射装置は例えば交替的に入れ替る中止パターンにより噴射を中止する。点火角補正値dzwは第1の補正回路158と第2の補正回路160において最適点火角zwoptを減算することによりまたマップ点火角zwkfを加算することによりマップ点火角の補正量dzwkfに換算され、点火システム104に供給され点火調節が行なわれる。
【0046】
ここで、図3に示したインターフェースによりエンジンの出力パラメータへの全ての3つの作用可能性が示されていることに注意しておく。好ましい実施例では、これらの3つの全ての出力パラメータは電子的な方法で調整できるので、インターフェースは図示したような方法で構成することができる。点火補正および/あるいは噴射中止を決めるブロック140における計算に対しては、以下に説明する式が適用される。
【0047】
それに対して他の実施例として、空気供給へ電気的に作用できない単なる点火への作用(図4参照)および/あるいは噴射中止(図5と図6を参照)を設けるようにすることもできる。これらの実施例においても図3に図示し説明したインターフェース構造の作用可能性は不変のまま効果的に応用できる。その場合、空気調節を行なわない場合には点線で図示されたブロック108が省略され、もっぱら点火への作用だけの場合(図4)には噴射系統並びにブロック152が、またもっぱら噴射への作用だけの場合(図5)には点火角補正(ブロック158、160を除去、zwkf=zwistなのでブロック150、146をまとめる)が省略される。噴射中止および点火角への作用が設けられる場合には、図6に示す構成が得られる。
【0048】
各ブロックは図3の同じ機能を行なうので、同じ参照符号を付し図3に関連して説明したことに関しては改めて説明は行なわれない。
【0049】
特性値マップおよび特性曲線(例えば、122、124、128、130、140、142、144等)の複雑性を減少させることによりインターフェースを簡単化することができる。それによりインターフェースの基本構造に介入しなくても任意の複雑性のインターフェースを実現することができる。
【0050】
以下に、インターフェースの動作を種々の例に基づいて詳細に説明する。
【0051】
まず、トルク減少要求を説明する。急速なトルクへの作用(介入)が必要な場合には、これは、要求された燃焼トルクmovsolと通常条件の元に給気により発生される燃焼トルクmovfuを比較することにより行なわれる。例えばASR作用時あるいはトランスミッション制御の対応する減少要求によりmovsolがmovfuより小さい場合には、トルク減少は点火角を変化させることによりおよび/あるいは噴射パルスを中止することにより行なわれる。緩慢に減少させる作用は、空気供給を調節することにより行なわれる。その場合、点火角への作用および噴射中止のパターンに対して種々の方法が考えられる。また、movsolによる空気供給の調節は、作用できる場合には空気系統108を介して行なわれ、作用できない場合には空気供給は運転者の設定値に対応し、movfuの値になる。
【0052】
まず、点火角への作用のみが可能な場合(図4)について説明する。この場合には、燃焼トルク目標値movsolと、計算回路140により求められる点火角補正dzw間の関係は、次の式
【0053】
【数1】

【0054】
により与えられる。但し、F(dzw)は、最適点火角に対する点火角補正量に関係したトルク減少係数(特性曲線の形となる)を表し、特性曲線として格納される。また、dzwは、目標点火角と最適点火角間の差を表す。その場合、ブロック140は導線141を介してブロック144の出力線と接続されている。これは、点火ないし噴射への作用量movfuの計算の根拠となる図3の一般的な図示に対応する。
【0055】
最適点火角に対する点火角補正値dzwは次の式
【0056】
【数2】

【0057】
で示される逆関数から得られる。この計算された値は、吸入空気量と回転数の関数である最大許容点火角補正値dzwmaxにより制限されるので、シリンダにより吸入された混合気がなお点火することが保証される。その後、最適点火角を減算し、またマップ点火角を加算することにより点火調節システムのマップ点火角に対する点火角補正値dzwkfが求められる(式(3)を参照)。その場合、マップ点火角zwkfは、トルクインターフェースによる点火への作用がない場合に得られる点火角のことである。
【0058】
【数3】

【0059】
点火角補正だけでは大きなトルク変化を実現することができないので、点火角補正だけの方法を使用するのは、電子アクセルペダルシステムとの関連において効果がある。というのは、この場合には、迅速な応答は点火角補正だけで得なければならないからである。この場合、空気供給の調節と点火角補正が同時に行なわれる。
【0060】
第2番目の方法として、噴射パルスを中止ないし中断することにより燃料計量に作用することだけでトルクを減少させることが行なわれる(図5を参照)。その場合、所定段階数のいわゆる中止段数(中止の度合)が設けられる。Z段階の中止によりシリンダの噴射中止の最大可能な段数が定められる。例えば、4シリンダエンジンで8段階の中止が設けられ、その場合クランク軸の4回転に渡ってそれぞれ中止の度合に従い個々のシリンダが停止される(第1段では0.5シリンダ停止、第2段では1シリンダ停止、第3段では1.5シリンダ停止等)。即ち、第2段では、各サイクル(カム軸1回転、クランク軸2回転)毎に第1シリンダに対する燃料噴射が中止され、他のシリンダには燃料が供給される。また第3段では、各サイクル毎に第1シリンダに対する噴射が中止され、各2番目のサイクル毎に例えば第3シリンダに対する噴射が中止される。これは平均してみると、1.5シリンダに対する噴射中止となり、1.5シリンダの停止に対応する。また第8段階では、各サイクルで全てのシリンダに対する噴射が中止となり、4シリンダの停止、即ち完全な停止に対応する。その場合、任意のシリンダの係数、例えば1.75シリンダ、1.25シリンダ等が可能であり、それぞれ2つの段階間の所望のトルクギャップ、即ち隣り合う2つの段階のトルク差に従って選ばれる。
【0061】
シリンダを停止させるときエンジンから発生される燃焼トルクを求める場合、所定数のクランク軸回転にわたって平均をとらなければならない。その場合、クランク軸の回転回数は中止段数に対応させる。上述の例では、4クランク軸回転となる。
【0062】
目標燃焼トルクmovsolと調節された空気供給により発生する燃焼トルクmovfu間の関係は、中止がZ段階あり噴射が中止されたシリンダがXの場合(X段階の中止)でかつ少なくとも停止されないシリンダではマップ点火角zwkfが不変である場合には、
【0063】
【数4】

【0064】
のようになる。
【0065】
この場合、噴射が中止されたシリンダからの燃焼トルクmovfuへの成分は0であることを考慮しなければならない。上述の式をXについて解くと、目標燃焼トルクを調達するために適当な段階の中止ないし所定クランク軸角に渡って噴射を中止すべきシリンダ数
【0066】
【数5】

【0067】
が得られる。
【0068】
その場合、中止の度合が可能な数あるいは存在する数であるようにするために、計算されたXの値(ブロック140を参照)は場合によっては端数を切り上げ(あるいは切捨て)しなければならない。切り上げることにより所望のトルク減少に比較し幾分減少が大きくなるので、これは好ましい処置となる。
【0069】
噴射中止パターンは通常交替的に入れ替るパターンとして構成されるので、各シリンダには所定時間内にそれぞれ噴射中止の程度に応じて燃料が供給されなくなる。これによりエンジンの回転円滑度が改善され、停止されたシリンダが冷えすぎるのが防止される。
【0070】
トルクを減少させる他の例として燃料計量および点火角への作用が図示されている(図6)。その場合、図6でブロック140において値movfuを用いる代りに、シリンダの停止が既に考慮されている最適点火角に対する実効燃焼トルクmoveが用いられることに注意しておく。これは、単に計算の他の可能性を示すものである。燃焼トルクを求める場合噴射が中止されるシリンダは、図3の例ではブロック140において考慮されている。
【0071】
トルク減少は上述の例の組み合せにより以下の式、即ち
【0072】
【数6】

【0073】
により得られる。
【0074】
目標燃焼トルクを求める場合、2つの考え方がとられる。まず、例えば排ガス放出を減少させるために、噴射中止に比較して点火角への作用に高い優先順位が割り当てられる。これは、それぞれ所定のクラッチトルク目標値に従って許容される最大の点火角変化dzwmaxまで点火角への作用が許可され、それ以上のトルク減少が要求されたときに初めてシリンダ停止が許可されることを意味する。従ってまず式(6)において中止段数が0に設定され、もっぱら点火角補正だけが行なわれる場合と同様に式(2)に従って点火角補正値dzwが計算される。点火角補正値が所定の最大値より小さい場合には、噴射中止は行なわれず、上述したように点火角への作用が行なわれる。しかし、点火角補正値dzwが所定の最大補正値よりも大きいときには、噴射を中止すべきシリンダ数は式(6)に従い最大点火角補正値dzwmaxを代入することにより計算され、次の式、即ち
【0075】
【数7】

【0076】
により与えられる。
【0077】
端数切り上げ並びに中止パターンの選択に従い所定数のシリンダの噴射が中止される。極めて正確に目標クラッチトルクを得ることが要求される場合には、停止シリンダ数の端数が切り上げられた値がもう一度上記式(6)に代入され、以下の式、即ち
【0078】
【数8】

【0079】
に従って点火角補正値dzwが求められる。
【0080】
この場合には、噴射中止パターンは粗いものでよく、例えばシリンダ数に対応する段階数に制限される。2つの段階の中止間で発生するトルクギャップは点火角補正で補償される。上述した式(8)は、数Xが中止の全段階数Zより小さいときのみに成立する。両値が等しい場合には、点火角補正は行なわれず、エンジンは、丁度制動トルクと付加的な負荷(機器)による損失トルクを含む最小トルクmokupminに達する。駆動出力のさらなる減少はエンジンへの作用によっては可能ではなく、例えばブレーキあるいはトランスミッションへの作用により行なわれる。その場合、考慮すべきことは、空気供給を電気的に変化させる車両では燃料調節並びに点火調節と同時に空気供給の調節が行なわれることである。
【0081】
第2の方法は、点火角への作用より噴射中止に高い優先順位をもたせる方法である。この方法では、点火角補正は2つの段階の中止間のエンジントルクを微調整するだけに用いられる。
【0082】
この方法では、式(6)において点火角補正値dzwは最適な点火角とマップ点火角間の差に設定される。噴射を中止すべきシリンダ数Xは式(5)から得られる。この値は端数が切捨てられて整数にされ、続いて式(8)から噴射を中止すべきシリンダ数Xを代入することにより点火角補正値dzwが計算される。点火角補正値はマップ点火角に関連させられ、式(3)のマップ点火角補正値になる。計算された噴射を中止すべきシリンダ数から中止パターンが求められ、噴射装置によりこれが実現される。その場合、噴射中止の段数は小さくてもよく、例えばシリンダ数に対応する。2つの段階間のトルクギャップは点火角補正により補償される。
【0083】
同様な方法がトルク増大要求の場合、例えばMSR作用あるいはトランスミッション制御により行なわれる。
【0084】
その場合、クラッチ目標トルクmokupsol(movsol)は、通常の条件で給気により形成されるトルク成分mokupfu(movfu)よりも大きくなる。急速なトルク形成は点火角を最適点火角zwoptないしノック限界まで変化させることによってのみ行なわれる。通常、マップ点火角はすでに最適点火角近辺にあるので、点火角変化によってはトルク増大は達成することはできない。MSRによる急速なトルク増大の要求は減速運転(エンジンブレーキ)時、式(5)において噴射を中止すべきシリンダ数を計算し、噴射中止の最大段階数と噴射を中止すべきシリンダ数間の差を用いることにより、達成される。MSRにより燃料カットは中止される。
【0085】
好ましくは、トルク増大の要求は、クラッチトルクmokupsolを空気系統(アイドルアクチュエータあるいはEガス、図3を参照)を介して調節することにより実現される。アイドリングの場合には、基本的には外部からのエンジンへの作用は許されない。アイドリング情報は、減速運転情報と同様に(その間ASR作用は不可能である)、インターフェースを介して部分システムに出力される。
【0086】
エンジン制動トルクmoverlは、エンジン摩擦損失とエンジン絞り損失からなり、エンジン温度、エンジン回転数および吸気管圧力に関係する。この値は、好ましくは吸気管圧力Psが0での制動トルク(絞り弁は閉じており、空気質量は0である)と吸気管圧力に関係したトルク補正値dmoverlに分解でき、
【0087】
【数9】

【0088】
のようになる。
【0089】
絞り弁が閉じたときの制動トルクは、同様に好ましくはエンジン回転数に関係した制動トルクとエンジン温度に関係した制動トルクに分解でき、アイドリング時公知の技術に従い適応される。従来の技術に従い付加機器からのトルク需要が求められる。制動トルクの補正量は、吸気管圧力に従って特性曲線の補間により求められる。吸気管圧力を測定する圧力センサがない場合には、吸気管圧力は吸気温度と給気量の積に置き換えることができる。というのは、吸気管圧力は給気量と吸気温度の積に比例するからである。
【0090】
実際エンジントルクmokupistは、実際に実現された噴射中止のシリンダ数Xと点火角の実際値から式(6)に従い制動トルクと付加機器のトルク成分ないしエンジンの慣性モーメントを考慮して算出される。
【0091】
この値は、最小トルクmokupmin(=ー(moverl+mona))と通常の条件での給気により調達されるクラッチトルクmokupfuとともに他の制御装置に伝達される。そのときの空気密度を考慮して達成可能な最大クラッチトルクmokupmaxも他の制御装置に伝達される。通常の条件でのクラッチトルクmokupfuは他の制御装置での閉ループ制御における基準点として用いられる。例えば、ASRでは最大許容クラッチトルクmozulが車輪スリップから計算される。この値が通常の条件でのクラッチトルクより小さいときには、ASRステータスビットがセットされ、許容クラッチトルクがクラッチトルク目標値としてエンジン制御システムに送出される。許容エンジントルクが通常の条件で得られるクラッチトルクより大きいときには、ASRステータスビットがリセットされ、作用が終了する。MSRの場合には、ASRで行なわれたのと逆になる。
【0092】
トランスミッション制御では、ギアシフト中急速な所望のトルク増大は、次のようにすることにより、即ち、トランスミッション制御装置がギアシフト過程後に望まれるトルクを運転者要求を介して設定し、ギアシフト過程の間に実際に実現すべきトルク作用を介したクラッチトルクmokupsolを出力することにより、効果的に実現することができる。この場合、通常の条件で給気により実現されるクラッチトルクmokupfuはそのとき要求されたクラッチトルクmokupsolより大きい。この両値間のトルク差は点火角補正により補償され、ギアシフト後の運転者の要求へ実際クラッチトルクを増大させることは、点火角補正を戻すことにより実現される。
【0093】
トルクマップからの最適点火角での燃焼トルクmovoptの計算は、種々のエンジン回転数で、給気量tListに従ってほぼ線形になっており、好ましくは、精度要求が大きくない場合には、
【0094】
【数10】

【0095】
のように簡略化できる。
【0096】
ここで、G(n)は、回転数に関係した係数を示し、この係数はほぼ回転数に関係する燃焼効率によって決められ、精度を更に減少する場合には、回転数依存性のない平均の係数により置き換えることができる。
【0097】
上述した構成は、水素エンジンのような他の駆動コンセプトに関連しても効果的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】車両の現代の制御システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明のインターフェースの実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明のインターフェースの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】点火への作用だけを行なう本発明のインターフェースの簡略化された実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】燃料計量への作用だけを行なう本発明のインターフェースの簡略化された実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】点火調節と燃料計量への作用を行なう本発明のインターフェースの実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
10 エンジン制御システム
12 燃料計量装置
14 空気計量装置
16 点火調節装置
18 トランスミッション制御ユニット
20 トラクションコントロールユニット
22 シャシー制御ユニット
30、32 測定装置
38、40 調節装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分システムを結合する通信システムを介して情報を交換する少なくとも2つの部分システムを備え、前記部分システムの少なくとも一つが車両の駆動ユニットの制御に用いられ、少なくとも駆動ユニットから発生すべきトルクを表す量が前記少なくとも一つの部分システムから駆動ユニット制御システムに伝達され、前記量が、求められた数の噴射を中止ないし行うこと、点火角を補正すること、運転者の要求と無関係に空気供給を調節すること、の処置の少なくとも一つにより調節されることを特徴とする車両の制御方法。
【請求項2】
前記駆動ユニット制御システムに駆動ユニットから発生すべきクラッチトルク、駆動ユニットから発生すべき燃焼トルクあるいは駆動ユニットから発生すべき出力に関する設定値が供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記部分システムが、トラクションコントロール、エンジン制動トルク制御、トランスミッション制御および/あるいはシャシー制御を行なうシステムであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの部分システムから伝達される設定値は、点火および/あるいは燃料計量および/あるいは空気供給を制御するための調節値に変換されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記駆動ユニット制御システムに前記少なくとも一つの部分システムからステータス情報が伝達され、それに従って駆動ユニット制御システムにより要求トルクの調節が行なわれることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つの部分システムに駆動ユニットの実際の運転状態に関する駆動ユニット制御システムのステータス情報が伝達されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
部分システムを結合する通信システムを介して情報を交換する少なくとも2つの部分システムを備え、前記部分システムの少なくとも一つが車両の駆動ユニットの制御に用いられ、少なくとも駆動ユニットから発生すべきトルクを表す量が前記少なくとも一つの部分システムから駆動ユニット制御システムに伝達され、前記量が、求められた数の噴射を中止ないし行うこと、点火角を補正すること、運転者の要求と無関係に空気供給を調節すること、の処置の少なくとも一つにより調節されることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの部分システムは、トラクションコントロール、エンジン制動トルク制御、トランスミッション制御および/あるいはシャシー制御を行ない、これらの制御により駆動ユニットから発生すべきトルクに対して要求トルクが発生され、これが点火および/あるいは噴射の補正によりおよび/あるいは空気供給の調節により調達されることを特徴とする請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−157227(P2008−157227A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324238(P2007−324238)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【分割の表示】特願平5−289672の分割
【原出願日】平成5年11月19日(1993.11.19)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】