説明

PLD回路、集積回路装置及び電子機器

【課題】消費電力を低減できるPLD回路、集積回路装置及び電子機器等を提供すること。
【解決手段】PLD回路は、各トランジスター列が直列接続されたプログラマブルな複数のトランジスターを有する第1〜第m(mは2以上の整数)のトランジスター列TA1〜TAmを含む。第1〜第mのトランジスター列TA1〜TAmの一端に第1の非直流電源VS1が供給される。第1〜第mのトランジスター列TA1〜TAmの各トランジスター列は、複数の入力信号XP(X1P〜XiP)、XN(X1N〜XiN)によってオン・オフされる。第1の非直流電源VS1の電圧により規定される第1のホールド期間に、第1〜第mのトランジスター列TA1〜TAmの他端のノードである第1〜第mのノードNA1〜NAmの電圧レベルを各々出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLD回路、集積回路装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
論理回路の消費電力を低減する技術として、断熱的論理回路が知られている。例えば特許文献1には、緩やかに立ち上がり緩やかに立ち下がる波形の電源電圧を使用することにより断熱的回路動作を実現する手法が開示されている。
【0003】
しかしながらこの手法では、ゲートの段数が多くなると後段のゲートほど断熱的回路動作からはずれてきて、低消費電力化の効果が減少するなどの課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−229754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、消費電力を低減できるPLD回路、集積回路装置及び電子機器等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、各トランジスター列が複数の直列接続されたプログラマブルなトランジスターを有する第1のトランジスター列〜第m(mは2以上の整数)のトランジスター列を含み、前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の一端に第1の非直流電源が供給され、前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の各トランジスター列は、複数の入力信号によってオン・オフされ、前記第1の非直流電源の電圧により規定される第1のホールド期間に、前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の他端のノードである第1のノード〜第mのノードの電圧レベルを各々出力するPLD回路に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、プログラマブルなトランジスターをプログラムすることで、所望の論理回路などを実現できる。さらにPLD回路に第1の非直流電源を供給し、第1のホールド期間に各トランジスター列の他端のノードの電圧レベルを出力することで、断熱的回路動作を行うことができる。その結果、例えば低消費電力の論理回路等を実現することが可能になる。
【0008】
また本発明の一態様では、前記第1のノード〜前記第mのノードは、共通出力ノードに共通接続され、前記共通出力ノードの電圧レベルを出力信号として出力してもよい。
【0009】
このようにすれば、各トランジスター列の出力の論理和などを出力することができる。
【0010】
また本発明の一態様では、バッファー回路用非直流電源が供給され、断熱的回路動作を行う複数のバッファー回路を含み、前記複数のバッファー回路は、前記バッファー回路用非直流電源の電圧により規定されるバッファーホールド期間に、前記複数の入力信号を各々出力してもよい。
【0011】
このようにすれば、断熱的回路動作によりバッファー回路の消費電力を低減することができる。またバッファーホールド期間に信号を出力することで、出力レベルを確定させることができるから、次段の各トランジスター列を確実に駆動することなどが可能になる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記バッファーホールド期間の開始後に、前記第1のホールド期間が開始し、前記第1のホールド期間の終了後に、前記バッファーホールド期間が終了してもよい。
【0013】
このようにすれば、バッファー回路からの信号レベルが確定した後に、各トランジスター列の第1のホールド期間が開始されるから、各トランジスター列は適正な断熱的回路動作を行うことができる。
【0014】
また本発明の一態様では、非断熱的回路動作を行う第1の保持回路と、非断熱的回路動作を行う第2の保持回路とを含み、前記第1の保持回路は、前記第1のホールド期間において前記出力信号を取り込み、保持する動作を行い、前記第2の保持回路は、前記バッファーホールド期間を除く期間において、前記第1の保持回路が保持する信号に基づいて出力を変化させてもよい。
【0015】
このようにすれば、第1の保持回路は、各トランジスター列の出力を確実に取り込むことができる。また第2の保持回路は、適正なタイミングでバッファー回路に入力される信号を変化させることができる。その結果、PLD回路は断熱的回路動作が可能になる。
【0016】
また本発明の一態様では、各トランジスター列が複数の直列接続されたプログラマブルなトランジスターを有する第m+1のトランジスター列〜第m+n(nは2以上の整数)のトランジスター列を含み、前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の一端に第2の非直流電源が供給され、前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の各トランジスター列は、前記第1のノード〜前記第mのノードからの信号によってオン・オフされ、前記第2の非直流電源の電圧により規定される第2のホールド期間に、前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の他端のノードである第1の出力ノード〜第nの出力ノードの電圧レベルを出力信号として各々出力してもよい。
【0017】
このようにすれば、第2の非直流電源が供給される各トランジスター列のトランジスターをプログラムすることで、所望の論理回路などを実現できる。さらに第2のホールド期間に各トランジスター列の他端のノードの電圧レベルを出力することで、断熱的回路動作を行うことができる。その結果、例えばANDプレーンやORプレーンを有する低消費電力の論理回路等を低コストで実現することなどが可能になる。
【0018】
また本発明の一態様では、バッファー回路用非直流電源が供給され、断熱的回路動作を行う複数のバッファー回路を含み、前記複数のバッファー回路は、前記バッファー回路用非直流電源の電圧により規定されるバッファーホールド期間に、前記複数の入力信号を各々出力してもよい。
【0019】
このようにすれば、断熱的回路動作によりバッファー回路の消費電力を低減することができる。またバッファーホールド期間に信号を出力することで、出力レベルを確定させることができるから、次段の各トランジスター列を確実に駆動することなどが可能になる。
【0020】
また本発明の一態様では、前記バッファーホールド期間の開始後に、前記第1のホールド期間が開始し、前記第1のホールド期間の開始後に、前記第2のホールド期間が開始し、前記第2のホールド期間の終了後に、前記第1のホールド期間が終了し、前記第1のホールド期間の終了後に、前記バッファーホールド期間が終了してもよい。
【0021】
このようにすれば、バッファー回路からの信号レベルが確定した後に、次段のトランジスター列の出力レベルが確定し、その後にさらに次段のトランジスター列の出力レベルが確定するから、各トランジスター列は適正な断熱的回路動作を行うことができる。
【0022】
また本発明の一態様では、非断熱的回路動作を行う第1の保持回路と、非断熱的回路動作を行う第2の保持回路とを含み、前記第1の保持回路は、前記第2のホールド期間において前記出力信号を取り込み、保持する動作を行い、前記第2の保持回路は、前記バッファーホールド期間を除く期間において、前記第1の保持回路が保持する信号に基づいて出力を変化させてもよい。
【0023】
このようにすれば、第1の保持回路は、各トランジスター列の出力を確実に取り込むことができる。また第2の保持回路は、バッファー回路に入力される信号を適正なタイミングで変化させることができる。その結果、PLD回路は断熱的回路動作が可能になる。
【0024】
また本発明の一態様では、前記第1の非直流電源は、共振回路により生成されてもよい。
【0025】
このようにすれば、電力損失の少ない第1の非直流電源を実現することが可能になる。
【0026】
また本発明の一態様では、前記第2の非直流電源は、共振回路により生成されてもよい。
【0027】
このようにすれば、電力損失の少ない第2の非直流電源を実現することが可能になる。
【0028】
本発明の他の態様は、断熱的回路動作を行うPLDアレイ部と、前記PLDアレイ部からの出力信号を保持する保持回路とを含み、前記保持回路は、非断熱的回路動作を行うPLD回路に関係する。
【0029】
本発明の一態様によれば、断熱的回路動作を行うPLD回路を実現することなどができる。その結果、例えば回路規模が大きく、かつ低消費電力の論理回路等を低コストで実現することなどが可能になる。
【0030】
本発明の他の態様は、上記に記載のPLD回路を含む集積回路装置及び電子機器に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】PLD回路の基本的な構成例。
【図2】PLD回路の第1の構成例。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、PLD回路のプログラミング方法。
【図4】図4(A)、図4(B)は、バッファー回路の一例。
【図5】PLD回路の第1の構成例の信号波形の一例。
【図6】PLD回路の第1の構成例の信号波形の別の例。
【図7】PLD回路の第2の構成例。
【図8】図8(A)、図8(B)は、レベル補償回路の一例。
【図9】PLD回路の第2の構成例の信号波形の一例。
【図10】第1、第2の保持回路の一例。
【図11】電源回路の一例。
【図12】電源回路の電圧波形の一例。
【図13】集積回路装置及び電子機器の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0033】
1.基本的な構成例
図1に本実施形態のPLD(Programmable Logic Device)回路の基本的な構成例を示す。本実施形態のPLD回路は、バッファー回路100、PLDアレイ部110及び第1、第2の保持回路120、130を含む。なお、本実施形態のPLD回路は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また、本実施形態のPLD回路は、PLA(Programmable Logic Array)などを含むものである。
【0034】
バッファー回路100は、入力信号X(X1〜Xi、iは2以上の整数)を受け、バッファリングしてPLDアレイ部110に出力する。バッファー回路100は、バッファー回路用非直流電源VSBが供給され、断熱的回路動作を行う。
【0035】
PLDアレイ部110は、複数の直列接続されたプログラマブルなトランジスターを有する複数のトランジスター列を含み、プログラマブルなトランジスターをプログラミングすることで、所望の論理演算を実行して出力信号Y(Y1〜Yn、nは2以上の整数)を出力する。PLDアレイ部110は、論理積演算を行うANDプレーン(ANDアレイ)及び論理和演算を行うORプレーン(ORアレイ)を含む。ANDプレーンは、第1の非直流電源VS1が供給され、断熱的回路動作を行う。またORプレーンは、第2の非直流電源VS2が供給され、断熱的回路動作を行う。なお、PLDアレイ部110は、ORプレーンを含まない構成としてもよい。また、ORプレーンをプログラマブルではなく固定型にした構成、すなわちPAL(Programmable Array Logic)であってもよい。
【0036】
第1の保持回路120は、第1の制御信号SA1に基づいて、PLDアレイ部110の出力信号Y(Y1〜Yn)を取り込み、その信号を保持する。第1の保持回路120は、非断熱的回路動作を行う。
【0037】
第2の保持回路130は、第2の制御信号SA2に基づいて、他の回路からの入力信号DIN及び第1の保持回路120が保持し出力する信号Z(Z1〜Zn)を取り込む。そして取り込んだ信号を、他の回路への出力信号DOUT及びバッファー回路100への出力信号X(X1〜Xi)として出力する。
【0038】
本実施形態のPLD回路では、バッファー回路100及びPLDアレイ部110が断熱的回路動作を行うことが特徴である。断熱的回路動作では、電源として非直流電源(図1では、VSB、VS1、VS2)を用いる。この非直流電源の電圧波形として、緩やかに変化する正弦波又は台形波などを用いることができる。非直流電源を用いることで、回路に印加される電源電圧が所定の電圧より大きくなる期間(ホールド期間)と、回路に印加される電源電圧が所定の電圧より小さくなる期間(非ホールド期間)とを設けることができる。なお、所定の電圧として、例えば高電位側電源VDDの電圧と低電位側電源VSSの電圧との中間の電圧を設定することができる。
【0039】
非ホールド期間において各トランジスターのゲート電圧(入力電圧)をLレベル(低電位レベル)からHレベル(高電位レベル)又はHレベルからLレベルに変化させる。非ホールド期間では、ドレイン電圧が小さいから、トランジスターがオンする際のドレイン損失を低く抑えることができる。次に電源電圧を緩やかに上昇させることで、ホールド期間に移行する。電源電圧が緩やかに上昇するから、各トランジスターのドレイン損失は低く抑えられる。そしてホールド期間では、各トランジスターの入力レベルに応じた出力レベルが出力される。例えば図1では、プログラミングに基づく所望の論理演算の結果が、出力信号Y(Y1〜Yn)としてホールド期間に出力される。また、ホールド期間から非ホールド期間に移行する際には、電源電圧を緩やかに降下させることで各トランジスターのドレイン損失を低く抑えることができる。このように非直流電源を用いることで、断熱的回路動作が可能になる。
【0040】
非直流電源は、例えば所定の電圧レベル(基準電圧レベル)より高い高電位レベル(例えばVDDレベル)と、所定の電圧レベル(基準電圧レベル)より低い低電位レベル(例えばVSSレベル)との間で時間的に電圧が変化する電源である。例えば非直流電源は、直流電圧に交流電圧を重畳することで得られる電源である。例えば本実施形態のPLD回路では、一定時間高電位レベルを保持した後に低電位レベルに降下し、再び高電位レベルに上昇する非直流電源が用いられる。また、例えば一定時間低電位レベルを保持した後に高電位レベルに上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源が用いられる。但し、本発明の非直流電源はこのような態様の電源に限定されるものではない。
【0041】
第1、第2の保持回路120、130は、上記の断熱的回路動作に適合するタイミングで信号を取り込み、保持する。具体的には、第1の保持回路120は、ホールド期間において出力信号Y(Y1〜Yn)を取り込み、保持する動作を行う。また第2の保持回路130は、非ホールド期間(広義にはホールド期間を除く期間)において、第1の保持回路120が保持する信号に基づいて出力X(X1〜Xi)を変化させる。
【0042】
本実施形態のPLD回路の断熱的回路動作では、ゲート伝搬遅延に起因する断熱的回路動作からのずれが生じない。後述するように、PLD回路では、いかに複雑な論理回路であってもANDプレーン及びORプレーンで構成することができるからである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のPLD回路によれば、緩やかに変化する非直流電源を用いることで、断熱的回路動作を行うPLD回路を実現することができる。その結果、論理積又は論理和で構成される所望の論理演算を、低消費電力のPLD回路で行うことができる。
【0044】
2.PLD回路の構成例
図2に、本実施形態のPLD回路の第1の構成例を示す。第1の構成例は、ANDプレーン(ANDアレイ)で構成され、ORプレーンを含まない構成である。本構成例は、第1〜第m(mは2以上の整数)のトランジスター列TA1〜TAmを含む。各トランジスター列TA1〜TAmは、複数の直列接続されたプログラマブルなトランジスターを有する。各トランジスター列TA1〜TAmの一端に、第1の非直流電源VS1が供給される。
【0045】
各トランジスター列TA1〜TAmは、複数の入力信号XP、XN(X1P〜XiP、X1N〜XiN)によりオン・オフされる。各トランジスター列TA1〜TAmは、第1の非直流電源VS1の電圧により規定される第1のホールド期間TH1に、第1〜第mのトランジスター列TA1〜TAmの他端のノードである第1〜第mのノードNA1〜NAmの電圧レベルを各々出力する。
【0046】
具体的には、例えばトランジスター列TA1の全てのトランジスターがオンしている場合には、第1のホールド期間TH1、すなわち非直流電源VS1が所定の電圧より高くなる期間において、第1のノードNA1の電位はHレベルになる。また例えばトランジスター列TA2に含まれるトランジスターのうち少なくとも1つがオフしている場合には、第1のホールド期間TH1において、第2のノードNA2は高インピーダンスになる。このようにすることで、各トランジスター列TA1〜TAmに入力される複数の入力信号XP、XN(X1P〜XiP、X1N〜XiN)の論理積(AND)が、第1〜第mのノードNA1〜NAmに各々出力される。
【0047】
各トランジスター列TA1〜TAmに入力される複数の入力信号XP、XN(X1P〜XiP、X1N〜XiN)は、非ホールド期間(第1のホールド期間TH1を除く期間)において、電圧レベルが変化する。そして非直流電源VS1の電圧は、緩やかに上昇し降下する。こうすることで各トランジスター列TA1〜TAm(ANDプレーン)は、断熱的回路動作を行うことができる。
【0048】
第1〜第mのノードNA1〜NAmは、共通出力ノードNCMに共通接続され、共通出力ノードNCMの電圧レベルを出力信号Yとして出力する。具体的には、例えば上記のように第1のノードNA1の電位がHレベルであり、第2のノードNA2が高インピーダンスである場合には、共通出力ノードNCMの電圧レベルはHレベルになり、出力信号YとしてHレベルが出力される。このようにすることで、第1〜第mのノードNA1〜NAmの出力の論理和(OR)を、出力信号Yとして出力することができる。
【0049】
さらに第1の構成例では、バッファー回路用非直流電源VSBP(又はVSBN)が供給され、断熱的回路動作を行う複数のバッファー回路100(100−1〜100−i)を含む。複数のバッファー回路100(100−1〜100−i)は、バッファー回路用非直流電源VSBP(又はVSBN)の電圧により規定されるバッファーホールド期間に、複数の入力信号X(X1〜Xi)の非反転信号XP(X1P〜XiP)及び反転信号XN(X1N〜XiN)を各々出力する。
【0050】
なお、バッファー回路用非直流電源VSBPとVSBNの違いについては、後述する図5、図6で説明する。
【0051】
具体的には、例えばバッファー回路100−1は、入力信号X1を受けて、その非反転信号X1P、反転信号X1Nを出力する。このようにすることで、複数の入力信号X(X1〜Xi)の非反転信号及び反転信号を生成することができるから、これらの信号をPLDアレイ部110に入力することで、所望の論理演算を行うことができる。さらにバッファー回路100は断熱的回路動作を行うから、消費電力を低減することができる。
【0052】
図3(A)〜図3(C)に、本実施形態のPLD回路のプログラミング方法を示す。図3(A)〜図3(C)には、1つの入力信号Xの非反転信号XP及び反転信号XNが、各々ゲートに入力される2つのN型トランジスターT1、T2が図示されている。実際にはトランジスターT1、T2のうち、いずれか一方又は両方のトランジスターが常時導通状態にプログラムされる。具体的には、このプログラミングは、例えばトランジスターのチャネル領域に不純物イオンを打ち込む(注入する)方法や、配線工程でトランジスターを短絡させる配線を形成する方法などで行うことができる。
【0053】
図3(A)の場合には、T2が常時導通状態であるから、入力信号Xが1(Hレベルの場合を1とする)の時に1が出力される。また図3(B)の場合には、T1が常時導通状態であるから、入力信号Xが0(Lレベルの場合を0とする)の時に1が出力される。また図3(C)の場合には、T1、T2が共に常時導通状態であるから、入力信号Xの値に関係なく1が出力される。上記のトランジスターT1、T2から成るトランジスター対を複数個直列に接続することで、複数の入力信号X(X1〜Xi)に対する論理積(AND)を出力することができる。
【0054】
図4(A)、図4(B)に、本実施形態のPLD回路に用いられるバッファー回路100の一例を示す。図4(A)、図4(B)のバッファー回路100は、非断熱的回路動作を行うインバーターINVと、トランジスターTP1、TN1から成る断熱的回路動作を行うインバーターと、トランジスターTP2、TN2から成る断熱的回路動作を行うインバーターとを含む。
【0055】
図4(A)のバッファー回路100には、直流電源である低電位側電源VSS(広義には第1の電源)及び高電位側電源VDD(広義には第2の電源)と、非直流電源であるバッファー回路用非直流電源VSBPとが供給される。また図4(B)のバッファー回路100には、上記のVSS、VDDと、非直流電源であるバッファー回路用非直流電源VSBNとが供給される。
【0056】
バッファー回路100が断熱的回路動作を行うためには、バッファーホールド期間THBを除く期間(非ホールド期間)において、入力信号Xが変化することが必要である。またバッファーホールド期間THBにおいて出力信号XP、XNのレベルが確定するから、次段の回路(PLDアレイ部110)は、バッファーホールド期間THBにおいてバッファー回路100の出力を受け取る必要がある。
【0057】
図5に、PLD回路の第1の構成例(図2)の信号波形の一例を示す。図5では、バッファー回路100として図4(A)に示す回路を用いる。バッファー回路用非直流電源VSBPは、最小電圧レベルがVSSレベルであり、最大電圧レベルがVDDレベルである非直流電圧波形を有する。図4(A)のバッファー回路では、VSBPが所定の電圧より高くなる期間がバッファーホールド期間THBである。バッファー回路用非直流電源VSBPにより規定されるバッファーホールド期間THBにおいて、バッファー回路100の複数の出力信号XP(X1P〜XiP)、XN(X1N〜XiN)が出力される。そしてバッファーホールド期間THBの期間内に設けられる第1のホールド期間TH1において、ANDプレーンの共通出力ノードの電圧レベルが出力信号Yとして出力される。なお、信号値が1の場合を実線で、信号値が0の場合を破線で示す。
【0058】
バッファー回路用非直流電源VSBPは、一定時間高電位レベル(VDDレベル)を保持した後に低電位レベル(VSSレベル)に降下し、再び高電位レベルに上昇する非直流電源である。バッファーホールド期間THBは、高電位レベルを保持する期間を含む期間である。
【0059】
第1の非直流電源VS1は、一定時間低電位レベルを保持した後に高電位レベルに上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源である。第1のホールド期間TH1は、高電位レベルになる期間を含む期間である。
【0060】
このようにバッファーホールド期間THBの開始後に、第1のホールド期間VH1が開始し、第1のホールド期間VH1の終了後に、バッファーホールド期間THBが終了する。すなわち第1のホールド期間VH1は、バッファーホールド期間THBの期間内に含まれる。
【0061】
第1の保持回路120は、第1のホールド期間TH1において出力信号Yを取り込み、保持する動作を行う(図5のA1、A3)。第2の保持回路130は、バッファーホールド期間THBを除く期間(非ホールド期間)において、第1の保持回路120が保持する信号Zに基づいて出力X(X1〜Xi)を変化させる(図5のA2、A4)。第1の保持回路120は、第1の制御信号SA1に基づくタイミングで信号Yを取り込み、第2の保持回路130は、第2の制御信号SA2に基づくタイミングで信号Zを取り込む。
【0062】
図6に、PLD回路の第1の構成例(図2)の信号波形の別の例を示す。図6では、バッファー回路100として図4(B)に示す回路を用いる。バッファー回路用非直流電源VSBNは、最小電圧レベルがVSSレベルであり、最大電圧レベルがVDDレベルである非直流電圧波形を有する。図4(B)のバッファー回路では、VSBNが所定の電圧より低くなる期間がバッファーホールド期間THBである。バッファー回路用非直流電源VSBNにより規定されるバッファーホールド期間THBにおいて、バッファー回路100の複数の出力信号XP(X1P〜XiP)、XN(X1N〜XiN)が出力される。バッファーホールド期間THBが、バッファー回路用非直流電源VSBNが所定の電圧より低い期間であることが、図5の場合と異なる。それ以外のANDプレーン及び第1、第2の保持回路120、130の動作は、図5に示したものと同一である。
【0063】
バッファー回路用非直流電源VSBNは、一定時間低電位レベル(VSSレベル)を保持した後に高電位レベル(VDDレベル)に上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源である。バッファーホールド期間THBは、低電位レベルを保持する期間を含む期間である。
【0064】
第1の非直流電源VS1は、一定時間低電位レベルを保持した後に高電位レベルに上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源である。第1のホールド期間TH1は、高電位レベルになる期間を含む期間である。
【0065】
すなわち第1の保持回路120は、第1のホールド期間TH1において出力信号Yを取り込み、保持する動作を行う(図6のB1、B3)。第2の保持回路130は、バッファーホールド期間THBを除く期間(非ホールド期間)において、第1の保持回路120が保持する信号Zに基づいて出力X(X1〜Xi)を変化させる(図5のB2、B4)。
【0066】
バッファー回路100として図4(B)に示す回路を用いることの利点は、第1の非直流電源VS1がVSSレベル(Lレベル)である期間に、ANDプレーンの第1〜第mのノードNA1〜NAm(又は共通出力ノードNCM)をLレベルにリセットできることである。例えば図6のB5に示すように、バッファー回路100の全ての出力をHレベルに設定できる。こうすることでANDプレーンを構成するトランジスター列TA1〜TAmの全てのトランジスターをオン状態にすることができるから、第1〜第mのノードNA1〜NAm(又は共通出力ノードNCM)の電荷を取り除くことができる。一方、図5の場合では、入力信号X(X1〜Xi)によってはオン状態にならないトランジスターが存在し得るため、第1〜第mのノードNA1〜NAm(又は共通出力ノードNCM)の電荷が残り、Lレベルにリセットできない場合がある。
【0067】
以上説明したように、バッファー回路100及びANDプレーン(広義にはPLDアレイ部110)に非直流電源VSBN(又はVSBP)、VS1をそれぞれ供給することで、断熱的回路動作が可能になる。またPLD回路を用いることで、回路規模の大きい論理回路であっても短時間で設計、製造することができる。その結果、回路規模が大きく、かつ低消費電力の論理回路を低コストで実現することが可能になる。
【0068】
図7に、本実施形態のPLD回路の第2の構成例を示す。第2の構成例は、ANDプレーン及びORプレーンを含む。ANDプレーンについては、図2に示した第1の構成例と同様であるが、第1〜第mのノードNA1〜NAmが共通出力ノードNCMに接続されず、それぞれORプレーンのトランジスター列に入力される。バッファー回路100及びANDプレーンの構成、動作については、図2で既に説明してあるからここでは説明を省略する。
【0069】
第2の構成例は、ORプレーンとして、トランジスター列TB1〜TBn(広義には第m+1〜第m+n(nは2以上の整数)のトランジスター列)を含む。各トランジスター列は、m個の直列接続されたプログラマブルなトランジスターを有する。トランジスター列TB1〜TBnの一端に、第2の非直流電源VS2が供給される。各トランジスター列TB1〜TBnは、第1〜第mのノードNA1〜NAmからの信号によってオン・オフされる。
【0070】
第2の非直流電源VS2の電圧により規定される第2のホールド期間TH2に、トランジスター列TB1〜TBnの他端のノードである第1〜第nの出力ノードNB1〜NBnの電圧レベルを出力信号Y(Y1〜Yn)として各々出力する。第2のホールド期間TH2は、第2の非直流電源VS2の電圧レベルが所定の電圧レベルより低い期間である。
【0071】
具体的には、例えばトランジスター列TB1のトランジスターのうち少なくとも1つがオフしている場合には、第2のホールド期間TH2、すなわち非直流電源VS2が所定の電圧より低くなる期間において、第1の出力ノードNB1の電位はHレベルに保持される。一方、トランジスター列TB1の全てのトランジスターがオンしている場合には、第2のホールド期間TH2において第1の出力ノードNB1の電位はLレベルになる。トランジスター列TB1を構成するトランジスターはP型であるから、入力値が0(Lレベル)の時トランジスターがオンし、入力値が1(Hレベル)の時トランジスターがオフする。したがって、トランジスター列TB1に入力されるm個の入力の論理和(OR)が出力ノードNB1に出力される。
【0072】
各トランジスター列TB1〜TBnに入力される複数の入力信号(ANDプレーンの出力信号)は、非ホールド期間(第2のホールド期間TH2を除く期間)において、電圧レベルが変化する。そして非直流電源VS2の電圧は、緩やかに上昇し降下する。こうすることで各トランジスター列TB1〜TBn(ORプレーン)は、断熱的回路動作を行うことができる。
【0073】
ORプレーンのプログラミング方法は、図3(A)〜図3(C)で説明した方法と同様である。ただしANDプレーンでは、2つのトランジスターがペアを形成するが、ORプレーンではペアを形成しない。1個のトランジスターについて、そのトランジスターが有効(アクティブ)状態であるか、常時導通状態であるか、の2通りにプログラムされる。
【0074】
図8(A)、図8(B)に、第1、第2のレベル補償回路P1、P2の一例を示す。図8(A)に示す第1のレベル補償回路P1は、ANDプレーンの出力ノードNA1〜NAmに設けられ、各トランジスター列TA1〜TAmが1(Hレベル)を出力する時に、各出力ノードNA1〜NAmの電圧レベルをVDDレベルにプルアップする動作を行う。
【0075】
また図8(B)に示す第2のレベル補償回路P2は、ORプレーンの出力ノードNB1〜NBnに設けられ、各トランジスター列TB1〜TBnが0(Lレベル)を出力する時に、各出力ノードNB1〜NBnの電圧レベルをVSSレベルにプルダウンする動作を行う。このようにすることで、各出力ノードの電圧レベルが安定になるから、PLD回路の動作を確実にすることができる。
【0076】
図9に、PLD回路の第2の構成例(図7)の信号波形の一例を示す。バッファー回路100及びANDプレーンの動作は、図6で説明したものと同様である。バッファー回路用非直流電源VSBNにより規定されるバッファーホールド期間THBにおいて、バッファー回路100の複数の出力信号XP(X1P〜XiP)、XN(X1N〜XiN)が出力される。バッファーホールド期間THBは、バッファー回路用非直流電源VSBNが所定の電圧より低い期間である。そしてバッファーホールド期間THBの期間内に設けられる第1のホールド期間TH1において、ANDプレーンの出力ノードNA1〜NAmに演算結果が出力される。なお、信号値が1の場合を実線で、信号値が0の場合を破線で示す。
【0077】
次に、第1のホールド期間TH1の期間内に設けられる第2のホールド期間TH2において、ORプレーンの出力ノードNB1〜NBnの電圧レベルを出力信号Y(Y1〜Yn)として各々出力する。第2のホールド期間TH2は、第2の非直流電源VS2の電圧レベルが所定の電圧レベルより低い期間である。
【0078】
バッファー回路用非直流電源VSBNは、一定時間低電位レベル(VSSレベル)を保持した後に高電位レベル(VDDレベル)に上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源である。バッファーホールド期間THBは、低電位レベルを保持する期間を含む期間である。
【0079】
第1の非直流電源VS1は、一定時間低電位レベルを保持した後に高電位レベルに上昇し、再び低電位レベルに降下する非直流電源である。第1のホールド期間TH1は、高電位レベルになる期間を含む期間である。
【0080】
第2の非直流電源VS2は、一定時間高電位レベルを保持した後に低電位レベルに降下し、再び高電位レベルに上昇する非直流電源である。第2のホールド期間VH2は、低電位レベルになる期間を含む期間である。
【0081】
このように、バッファーホールド期間THBの開始後に、第1のホールド期間TH1が開始し、第1のホールド期間TH1の開始後に、第2のホールド期間TH2が開始する。そして第2のホールド期間TH2の終了後に、第1のホールド期間TH1が終了し、第1のホールド期間TH1の終了後に、バッファーホールド期間THBが終了する。すなわち第2のホールド期間TH2は、第1のホールド期間TH1の期間内に含まれ、さらに第1のホールド期間TH1は、バッファーホールド期間THBの期間内に含まれる。
【0082】
第1の保持回路120は、第2のホールド期間TH2において出力信号Y(Y1〜Yn)を取り込み、保持する動作を行う(図9のC1)。第2の保持回路130は、バッファーホールド期間THBを除く期間(非ホールド期間)において、第1の保持回路120が保持する信号Z(Z1〜Zn)に基づいて出力X(X1〜Xi)を変化させる(図9のC2)。
【0083】
図10に、第1、第2の保持回路120、130の一例を示す。第1、第2の保持回路120、130は、それぞれインバーター、NANDゲート、トランスミッションゲートを含む。第1の保持回路120は、第1の制御信号SA1により入力Yを取り込み、保持して、Zを出力する。第2の保持回路130は、第2の制御信号SA2により入力Zを取り込み、保持して、Xを出力する。
【0084】
第1、第2の保持回路120、130は、共に非断熱的回路動作を行う。非断熱的回路動作を行うことで、第1、第2の制御信号SA1、SA2に基づいて正確なタイミングで信号を取り込むことができる。
【0085】
以上説明したように、バッファー回路100、ANDプレーン及びORプレーン(広義にはPLDアレイ部110)に非直流電源VSBN(又はVSBP)、VS1、VS2をそれぞれ供給することで、断熱的回路動作が可能になる。またPLD回路を用いることで、回路規模の大きい論理回路(例えばステートマシンなど)を短時間で設計、製造することができる。その結果、回路規模が大きく、かつ低消費電力の論理回路を低コストで実現することが可能になる。
【0086】
3.電源回路
図11に、本実施形態のPLD回路に用いられる非直流電源を生成する電源回路の一例を示す。図11の電源回路は、インダクター(コイル)L1、L2及びキャパシターCにより構成される共振回路を含む。この共振回路により互いに逆相の正弦波の電圧VC1、VC2が生成される。正弦波の電圧VC1、VC2を、制御信号SG1、SG2に基づいてVDDレベルにプルアップ又はVSSレベルにプルダウンすることで、所望の非直流電源VP1、VP2を生成することができる。なお、電源回路は図11の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0087】
図12に、電源回路(図11)の電圧波形の一例を示す。例えば制御信号SG1がLレベル、SG2がHレベルである期間には、正弦波の電圧VC1がVDDレベルにプルアップされることで、電圧波形VP1が生成される。また制御信号SG1がHレベル、SG2がLレベルである期間には、正弦波の電圧VC2がVSSレベルにプルダウンされることで、電圧波形VP2が生成される。このVP1は、図5に示したバッファー回路用非直流電源VSBPとして用いることができる。またVP2は、図5に示した第1の非直流電源VS1として用いることができる。
【0088】
このように、共振回路により正弦波の電圧を生成し、生成された正弦波の電圧レベルを適当な制御信号によりコントロールすることで、断熱回路動作に必要な非直流電源を実現することができる。
【0089】
なお、非直流電源としては、図11に示した正弦波を用いる回路に限定されない。例えば台形波や三角波などを用いて非直流電源を構成することもできる。
【0090】
4.集積回路装置及び電子機器
図13に、本実施形態のPLD回路を含む集積回路装置及び電子機器の一例を示す。集積回路装置300は、検出回路210、A/D変換器220、制御回路230、インターフェース回路(I/F回路)240を含む。検出回路210は、センサー310からの出力信号(センサー信号)を増幅し、フィルターによりノイズを除去する。A/D変換器220は、増幅された信号をデジタル信号に変換する。制御回路230は、本実施形態のPLD回路200を含む論理回路などで構成され、デジタル信号処理を行ったり、記憶部330に記憶された設定情報や操作部340からの信号に基づいて電子機器の制御処理を行う。インターフェース回路240は、集積回路装置300と他の回路とのデータ通信処理を行う。
【0091】
電子機器は、集積回路装置300、センサー310、無線通信部320、記憶部330、操作部340、アンテナ350を含む。本実施形態の電子機器の適用例としては、例えば、温度・湿度計、脈拍計、歩数計等を想定できる。センサー310は、例えば温度センサー、湿度センサー、ジャイロセンサー、加速度センサー、フォトセンサー、圧力センサー等の電子機器の用途に応じたセンサーで構成される。無線通信部320は、集積回路装置300で処理された信号をアンテナ350から無線送信する。記憶部330は、例えばフラッシュメモリーなどで構成され、設定情報や検出したデータ等を記憶する。操作部340は、例えばキーパッド等で構成され、ユーザーが電子機器を操作するために用いられる。
【0092】
本実施形態のPLD回路によれば、回路規模が大きく、かつ低消費電力の論理回路を低コストで実現することが可能になる。その結果、電池等で駆動される電子機器(携帯機器)に適用することにより、高度なデジタル信号処理能力を有し、かつ電池寿命の長い電子機器を実現することができる。
【0093】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(高電位側電源、低電位側電源)と共に記載された用語(VDD、VSS)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またPLD回路、集積回路装置及び電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0094】
100 バッファー回路、110 PLDアレイ部、120 第1の保持回路、
130 第2の保持回路、200 PLD回路、210 検出回路、
220 A/D変換器、230 制御回路、240 インターフェース回路、
300 集積回路装置、310 センサー、320 無線通信部、330 記憶部、
340 操作部、350 アンテナ、
NA1〜NAm 第1〜第mのノード、NCM 共通出力ノード、
TA1〜TAm トランジスター列、VS1 第1の非直流電源、
VSBP、VSBN バッファー回路用非直流電源、X1〜Xi 入力信号、
Y 出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各トランジスター列が直列接続されたプログラマブルな複数のトランジスターを有する第1のトランジスター列〜第m(mは2以上の整数)のトランジスター列を含み、
前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の一端に第1の非直流電源が供給され、
前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の各トランジスター列は、複数の入力信号によってオン・オフされ、
前記第1の非直流電源の電圧により規定される第1のホールド期間に、前記第1のトランジスター列〜前記第mのトランジスター列の他端のノードである第1のノード〜第mのノードの電圧レベルを各々出力することを特徴とするPLD回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のノード〜前記第mのノードは、共通出力ノードに共通接続され、
前記共通出力ノードの電圧レベルを出力信号として出力することを特徴とするPLD回路。
【請求項3】
請求項1又は2において、
バッファー回路用非直流電源が供給され、断熱的回路動作を行う複数のバッファー回路を含み、
前記複数のバッファー回路は、前記バッファー回路用非直流電源の電圧により規定されるバッファーホールド期間に、前記複数の入力信号を各々出力することを特徴とするPLD回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記バッファーホールド期間の開始後に、前記第1のホールド期間が開始し、
前記第1のホールド期間の終了後に、前記バッファーホールド期間が終了することを特徴とするPLD回路。
【請求項5】
請求項3又は4のいずれかにおいて、
非断熱的回路動作を行う第1の保持回路と、
非断熱的回路動作を行う第2の保持回路とを含み、
前記第1の保持回路は、前記第1のホールド期間において前記出力信号を取り込み、保持する動作を行い、
前記第2の保持回路は、前記バッファーホールド期間を除く期間において、前記第1の保持回路が保持する信号に基づいて出力を変化させることを特徴とするPLD回路。
【請求項6】
請求項1において、
各トランジスター列が直列接続されたプログラマブルな複数のトランジスターを有する第m+1のトランジスター列〜第m+n(nは2以上の整数)のトランジスター列を含み、
前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の一端に第2の非直流電源が供給され、
前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の各トランジスター列は、前記第1のノード〜前記第mのノードからの信号によってオン・オフされ、
前記第2の非直流電源の電圧により規定される第2のホールド期間に、前記第m+1のトランジスター列〜前記第m+nのトランジスター列の他端のノードである第1の出力ノード〜第nの出力ノードの電圧レベルを出力信号として各々出力することを特徴とするPLD回路。
【請求項7】
請求項6において、
バッファー回路用非直流電源が供給され、断熱的回路動作を行う複数のバッファー回路を含み、
前記複数のバッファー回路は、前記バッファー回路用非直流電源の電圧により規定されるバッファーホールド期間に、前記複数の入力信号を各々出力することを特徴とするPLD回路。
【請求項8】
請求項7において、
前記バッファーホールド期間の開始後に、前記第1のホールド期間が開始し、
前記第1のホールド期間の開始後に、前記第2のホールド期間が開始し、
前記第2のホールド期間の終了後に、前記第1のホールド期間が終了し、
前記第1のホールド期間の終了後に、前記バッファーホールド期間が終了することを特徴とするPLD回路。
【請求項9】
請求項7又は8のいずれかにおいて、
非断熱的回路動作を行う第1の保持回路と、
非断熱的回路動作を行う第2の保持回路とを含み、
前記第1の保持回路は、前記第2のホールド期間において前記出力信号を取り込み、保持する動作を行い、
前記第2の保持回路は、前記バッファーホールド期間を除く期間において、前記第1の保持回路が保持する信号に基づいて出力を変化させることを特徴とするPLD回路。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記第1の非直流電源は、共振回路により生成されることを特徴とするPLD回路。
【請求項11】
請求項6乃至9のいずれかにおいて、
前記第2の非直流電源は、共振回路により生成されることを特徴とするPLD回路。
【請求項12】
断熱的回路動作を行うPLDアレイ部と、
前記PLDアレイ部からの出力信号を保持する保持回路とを含み、
前記保持回路は、非断熱的回路動作を行うことを特徴とするPLD回路。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載のPLD回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項14】
請求項13に記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−151441(P2011−151441A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8743(P2010−8743)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】