説明

フィン型FETを有する半導体装置およびその製造方法

【課題】横方向延伸を減少し、素子サイズを小さくすることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板上に延伸し、STI領域を間に有する第1および第2のフィンを形成する。STI領域の上面と第1および第2のフィンの上面の間の寸法を第1の高さとし、STI領域の第1と第2のフィンとの間の間隙内に誘電材料を堆積し、STI領域の上面上に上面を有して、誘電材料の上面と第1および第2のフィンの上面との寸法を第2の高さとし、第2の高さは、第1の高さより低くなるように誘電材料を堆積した後、第1および第2のフィン上でそれぞれ誘電体の上方に、第1および第2のフィン延伸をエピタキシャル成長で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィン型電界効果トランジスタ(FinFET)を有する半導体装置およびその製造方法に関し、特に、フィン型FET用の二重エピタキシャルプロセスを用いた半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
急速に発展している半導体装置の製造分野において、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のフィン型FETデバイス(装置)は、多くのロジックおよびアプリケーションに望ましく、種々の異なるタイプの半導体装置に組み込まれている。フィン型FETデバイスは、一般的に、基板の上面に対して垂直に形成され、かつ、高アスペクト比を有し、半導体トランジスタデバイスのチャネルおよびソース/ドレイン領域が形成された半導体フィンを含んでいる。フィンは分離された、隆起した構造である。ゲートは、フィンの側面に沿って上方に形成され、チャネルおよびソース/ドレイン領域の増加された表面積の利点を用いて、より早く、より信頼性のある、より良く制御された半導体トランジスタデバイスを製造している。
【0003】
図1Aは、従来のフィン型FET100の等角図である。フィン105、106は、半導体基板101(図2参照)上に隆起した酸化物で形成される(oxide defined;OD)領域105、106を含む。フィン105、106は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域102によって相互に分離され、一対のシャロートレンチアイソレーション領域104の間に配置される。フィン105、106は、シャロートレンチアイソレーション領域102の上面の上方にステップ高107を有する。多結晶シリコンゲート電極108は、フィン105、106上に形成される。側壁スペーサ110は、各ゲート電極110の両側に形成され、低ドープドレイン(LDD)注入領域(図示されていない)を形成する。
【0004】
図1Bは、エピタキシャル成長のステップ後にフィン106が表面106eに隆起しているフィン106の1つを表している。フィン106の上部106eは、ほぼ5角形をしており、基板101(図2参照)の表面方向に延伸した横方向延伸106Lを有する。
【0005】
図2は、シリコン酸化物のハードマスク112およびダミー側壁スペーサを形成した後で、エピタキシャル層を形成する前の図1Aのフィン型FET100のX方向(正面)およびY方向(側面)の正面図を表している。
【0006】
図3は、二重エピタキシャルプロセス(dual epitaxial processing)を行った後の、図1Aのフィン型FET100のX方向(正面)およびY方向(側面)を表している。フォトレジスト(図示されていない)が、PMOS上に堆積され、第1のエピタキシャルプロセスは、NMOSフィン106に行われ、NMOSフィン型FETのフィン106上にSi、SiP、またはSiC層106eを形成する。PMOSは、シリコンの凹部の(silicon recess)プロセスによって形成され、NMOSは、フォトレジストによってマスクされ(図示されていない)、シリコンは、PMOSダミーフィン105からエッチングされて、第2のエピタキシャル形成ステップで成長されたシリコンゲルマニウム(SiGe)によって置き換えられる。よって、図3に表されるように、PMOSのダミーフィン105は、固体(solid)のSiGeフィン124によって置き換えられる。
【0007】
図3(a)に示されるように、PMOSフィン124のエピタキシャルSiGe横方向延伸124LおよびNMOSフィン106eの横方向延伸106Lは、互いに向き合って横向きに延伸し、隣接するフィンの横方向延伸間のウィンドウ(window)を減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、フィン型電界効果トランジスタ(フィン型FET)を有する半導体装置において、エピタキシャル形成された半導体層の横方向延伸を減少し、素子サイズを小さくすることができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に延びる第1のフィンおよび第2のフィンを有し、その間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を形成するステップを含んでいる。間隙は、STI領域の表面上の第1と第2のフィンとの間に形成(define)されている。第1の高さは、STI領域の上面と第1および第2のフィンの上面の間と定められている。流動性の誘電材料が、間隙内に堆積されている。誘電材料は、STI領域の表面上に上面を有し、誘電材料の上面と第1および第2のフィンの上面との間に第2の高さが定められている。第2の高さは、第1の高さより低い。第1および第2のフィンの延伸は、堆積のステップの後、第1および第2のフィン上でそれぞれ誘電体の上方にエピタキシャル形成される。
【0010】
本発明の製造方法は、また、半導体基板上に延びる第1のフィンおよび第2のフィンを有し、その間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を有するフィンを形成するステップを含んでいる。間隙は、STI領域の表面上の第1と第2のフィンとの間に定められる。第1の高さは、STI領域の上面と第1および第2のフィンの上面の間に定められる。第1および第2のフィンは、第1の縦方向を有する。第1のゲート電極は、第1のフィン上に形成される。第1のゲート電極は、第1の縦方向に垂直な第2の縦方向を有する。流動性シリコン酸化物またはシリコン窒化物の誘電材料が間隙内に堆積される。誘電材料は、STI領域の表面上に上面を有し、誘電材料の上面と第1および第2のフィンの上面との間に第2の高さを定められる。第2の高さは、第1の高さより低い。第1および第2のフィンの延伸は、堆積のステップの後、第1および第2のフィン上でそれぞれ誘電体の上方にエピタキシャル形成される。
【0011】
本発明のフィン型FETを有する半導体装置は、半導体基板上に延伸し、第1のフィンおよび第2のフィンと、その間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を有している。間隙は、STI領域の表面上の第1と第2のフィンとの間に定められる。フィンは、第1の縦方向を有する。第1のゲート電極は、第1のフィン上にある。第1のゲート電極は、第1の縦方向に垂直な第2の縦方向を有する。流動性誘電材料層は、STI領域の上面に設けられ、STI領域の上面と第1および第2のフィンの上面との間の距離より小さい、誘電材料の上面と第1および第2のフィンの上面との間のステップ高を規定する。第1と第2のエピタキシャルSiGeの横方向フィンの延伸は、第1および第2のフィン上でそれぞれ誘電体の上方に設けられる。フィンの延伸は、誘電材料の表面の下方でフィンの側端を超えて横向きに延伸する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、STI領域の表面に誘電材料層を形成していることにより、エピタキシャル形成される半導体層の横方向延伸を小さくすることができ、対向するNMOSとPMOSの横方向に延伸する半導体層の接触を避けることができるため、素子サイズを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】従来のフィン型FETの等角図である。
【図1B】図1Aのフィン型FETのエピタキシャル成長のステップの後のデバイスのフィンの1つを表している。
【図2】図1Aのフィン型FETのフィンにSiGeエピタキシャル層を形成する前のフィン型FETを表している。
【図3】図1Aのフィン型FETのフィンにSiGeエピタキシャル層の形成をした後のフィン型FETを表している。
【図4】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図5】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図6】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図7】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図8】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図9】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図10】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図11】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図12】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図13】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図14】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【図15】本発明の実施の形態によるフィン型FETの形成の各段階を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態の説明は、添付の図面と併せて解釈され、完全な明細書の一部であると考えられる。空間的に相対的な用語、例えば“下方”“上方”“水平”“垂直”“上の”“下の”“上”“下”“上部”“底部”などと、その派生語(例えば“水平に”“下方に”“上方に”など)は、明細書の記載において図に説明された、または表されたような方向を指すものと解釈される。これらの相対的な用語は、説明の便宜を図ったものであり、その装置が特定の方向で構成または動作されることを要求するものではない。例えば、“接続”および“相互接続”などの接続、接合などの用語は、記述されない限り、その中の構造物が介在物を介する構造によって、直接または間接的にもう1つのものと固定されるか、または取り付けられる関係、および可動な、または固定した接続または関係の両方も指している。
【0015】
先進技術のノード(例えば22nm以下)において、フィン型FETのフィンにエピタキシャルSiGeを形成するのは、NMOSとPMOSのトランジスタの隣接するフィンの横方向延伸間のウィンドウを狭めるため、深刻な場合、ブリッジ(bridging)が発生する可能性があることが発明者により見出されている。ブリッジが形成されていなくても、隣接するフィンの延伸間のウィンドウ(空間)の狭まりは、能動素子のプロセスが完了した後、堆積される第1の層間誘電体(IMD)層に空隙(voids)を発生させる可能性がある。このような空隙は、隣接するPMOSとNMOSのフィン延伸の下方、およびその間で生じ得る。
【0016】
図4〜15は、エピタキシャル形成されたSiGeの横方向延伸を減少する方法および構成の例を表している。流動性の誘電材料は、減圧化学気相成長(LPCVD)プロセスによってSTI領域上に堆積され、STIの上部とフィンODの上部との間のこのステップ高を減少することで、SiGeの目標量は、減少された横方向フィン延伸を有するフィンに形成され得る。よって、隣接するフィンの横方向延伸間のウィンドウの狭まりは、減少されるか、または避けられる。
【0017】
各一対の隣接図(図4〜15の各(a)と(b))において、左の図(a)は、フィン205、206の縦方向がページ内に延伸した正面(図1AのX軸参照)図である。対応する右の図(b)は、フィンの縦方向が図面の平面の左から右に延伸した側面(図1AのY軸参照)図である。
【0018】
図4は、フィン205、206、多結晶シリコンゲート導体208、側壁スペーサ210、およびハードマスク212が設けられ、低ドープのドレイン(LDD)のイオン注入が行われた後のNMOSおよびPMOS構造を含むデバイス200を表している。デバイス200は、半導体基板201の上方の第1縦方向に延伸した第1のフィン205および第2のフィン206を含み、第1のフィン205と第2のフィン206との間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域202を有する。また、間隙207は、STI領域の表面上の第1と第2のフィン205、206との間に定められ、第1の高さ207aは、STI領域202の上面と第1および第2のフィン205、206の上面の間に定められる。ゲート電極208は、第1および第2のフィン205、206の上方に形成される。ゲート電極208は、第1の縦方向に垂直な第2の縦方向を有する。薄いゲート誘電体層(図示されない)は、フィン205、206とゲート電極208の間に形成される。
【0019】
半導体基板201は、バルクシリコン、バルクシリコンゲルマニウム(SiGe)、または他のIII−V族化合物基板であり得る。基板は、フィン205、206の間のSTI領域202を含んでいる。
【0020】
STI形成は、一般的に、Si基板に凹部を形成するのと、例えば低圧化学気相成長法(LPCVD)またはプラズマ化学気相成長法(PECVD)などのCVDプロセスを用いて酸化膜の形成を含み、次いで化学機械研磨(CMP)を用いて、余分なSTI酸化膜を除去する。STI領域は、TEOS、SiO、SiNなどで充填され得る。1つの実施の形態において、STI誘電体は、500℃以上の温度で、LPCVDプロセスによって堆積される。STI形成の結果、STI領域202の上部とフィン205、206の上部との間にステップ高207a(第1の高さ)がある。
【0021】
図5は、減圧化学気相成長(LPCVD)プロセスによる、形状不敏感(non-topography sensitive)の流動性の誘電膜214の堆積を表している。誘電膜は、STI誘電体202の上部より高い高さを有し、かつスペース207を少なくとも部分的に充填する。いくつかの実施の形態において、誘電膜214が、まず堆積されて、フィンOD205、206の上面上に平坦面214sを有する。誘電膜214は、例えば、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)であり得る。シリコンとSiNxの格子サイズの誤差により、窒化物材料の使用は、圧縮応力領域を形成することになり得、NMOS Idsatに対して実質的な劣化もなく、キャリア移動度を向上させ、かつPMOSのドレイン飽和電流Idsat特性を向上させるのに望ましい。同様に、他の実施の形態では、流動性の誘電体にSiOxを用いると、引張応力領域となり、NMOS特性を向上させ得る。
【0022】
流動性のCVDプロセスは、約20℃の温度および約100kPaの圧力で行われ得る。堆積後、オゾンO3のキュアリングステップが、約200℃の温度および約600Torrの圧力で約10分、行われる。O2のプラズマ処理ステップは、約400℃の温度で約20秒行われ、流動性のCVDの薄膜質の密度を高くする。O2のプラズマ処理後、100:1の希薄されたフッ酸(HF)を用いたエッチング率は、約80%減少することができる。堆積されたフィルム214の表面214sは、フィン205、206の上面より約10nm高い、高さ207bを有する。
【0023】
図6は、フィン205、206の上面の下方に流動性のCVD薄膜214の上面がバックエッチングされたエッチバックステップ後の構造200を表している。このステップは、希釈フッ化水素酸(DHF)、プラズマドライエッチ、または化学的ドライエッチ方法などの化学的ウェットエッチを用いて、CVD薄膜214を部分的に除去するように行われ得る。これにより形成されたエッチバック薄膜214eが、図6に表されている。エッチバックプロセスは、フィン205、206の上面上のCVD薄膜214の上部分を除去し、SiGeの凹部のソースドレインプロセスのためのフィンを準備し、薄膜をフィン205、206の上面の下方のレベルにまでさらにエッチバックし得る。
【0024】
エッチバックステップは、誘電体材料の上面と第1および第2のフィン205、206の上面との間の第2の高さ207cを定める。第2の高さ207cは、第1の高さ207aより小さい。第2の高さ207cは、十分な量で第1の高さ207aより小さく、後に続くエピタキシャル形成のステップの間、第1および第2のフィンの延伸の結合を防ぐ。いくつかの実施の形態において、第1の高さに対する第2の高さの比は、約67%以下である。ある実施の形態において、第1の高さに対する第2の高さの比は、約50%である。
【0025】
1つの実施例において、20nmの幅を有するフィン205、206では、初期ステップの高さ207aは、30nmであり、第2の高さ207aは、20nmである。よって、第1の高さ207aに対する第2の高さ207cの比は、67%である。もう1つの実施例において、20nmの幅を有するフィン205、206では、初期ステップの高さ207aは、40nmであり、第2の高さ207cは、20nmである。よって、第2の高さ207cと第1の高さ207aの比は、50%である。
【0026】
図7は、ダミー側壁(DSW)の堆積を表し、後に続く選択的なエピタキシャル成長をさせる。まず、等方性の酸化物(SiOx)層216は、デバイス全体上に形成される。等方性の窒化物(SiN)層218は、酸化物層216上に形成される。LDDアニールステップも行われる。
【0027】
図8に表されるように、フォトレジスト220が、基板上に堆積され、フォトリソグラフィープロセスが行われ、NMOS上のフォトレジスト220を選択的に除去する。
【0028】
次に、異方性エッチング(例えばドライエッチ)が、NMOSゲート電極208に隣接して形成されたダミー側壁スペーサ以外の酸化物層216および窒化物層218を除去するように行われる。次いで、図9に示されるように、フォトレジスト220(例えば、アッシングによって)が除去される。
【0029】
図10は、二重エピタキシャルプロセスの第1の部分を表している。エピタキシャルSi、SiP、またはSiC層206eは、NMOSのフィン206の露出した上端と側端上に成長される。流動性CVD214eの上部とフィン206の上部との間の減少したステップ高(第2の高さ)207c(図6(a))のため、フィン206のエピタキシャル成長は、横方向延伸距離109(図3(a))より小さい横方向延伸距離209(図10(a))となる。いくつかの実施の形態において、エピタキシャル成長は、Si、SiP、またはSiC層206eの上部をNMOSシリコンフィン206の上部より約20nm高くする。20nm高いこの層206eは、図3(a)に示された層106eの対応する高さと同じであるが、図3(a)のステップ高107に対応する、減少されたステップ高207cにより、層206e上の横方向延伸は、より小さい。
【0030】
図11において、窒化物層218は、異方性エッチング(例えばウェットエッチ)によって、選択的にエッチングされる。
【0031】
図12において、もう1つの等方性の窒化物層222がデバイス200全体上に形成される。
【0032】
次に、図13に示されるように、フォトレジスト224が堆積され、かつ、フォトリソグラフィープロセスがNMOS上のフォトレジスト224を残したまま、PMOS上のフォトレジストを除去する。
【0033】
次いで、異方性エッチング(例えばドライエッチ)が、PMOSフィン205の上部部分をエッチングするように行われ、PMOSフィン205の上部部分に凹部223を形成する。このエッチングステップは、PMOSのゲート上の窒化物222も除去する。図14に表されたようにエッチングに続いて、フォトレジスト224が除去される(例えば、アッシングによって)。
【0034】
次いで、第2のエピタキシャル成長ステップが行われ、PMOSフィン205の上部にSiGe224を成長させる。上述のNMOSの場合と同じように、PMOSの横方向延伸は、PMOSフィン延伸124Lの長さより小さい延伸の長さ211で、PMOSフィン205の側端を超えて延伸する。ある実施の形態において、図13(b)に示されるように、エピタキシャル成長は、SiGe構造224の上部をPMOSシリコンフィン205の上部より約20nm高くする。図15に示されるように、窒化物のハードマスク222は、選択的なエッチングによって除去される。
【0035】
次いで、ソース/ドレインのイオン注入が行われ、トランジスタが形成される。
【0036】
表1は、異なる条件における横方向延伸間の比較を表している。5行の全ては、20nmのフィン幅に対応する。また、5行の全ては、エピタキシャルプロセスの前のフィンの初期の上面より20nm高い、最後のSiGeの上面に対応している。公称間隙(nominal space)は、エピタキシャルプロセス前で、フィン205、206の間の約50nmである。
【0037】
表1において、3行目は、図3の構造の公称条件(nominal conditions)に対応し、STI領域の上面とフィン106e、124の上部との間に30nmのステップ高を有する。フィンの両側にある、SiGe成長による横方向延伸は、24.7nmである。5行目は、最悪の場合の条件(40nmのステップ高を有する)に対応する。フィンの両側にある、横方向延伸は、28.2nmである。この条件は、フィン延伸間のウィンドウの減少により、隣接のフィンの結合を招くか、またはSiGeの横方向延伸の下方に空隙(voids)を発生させる可能性がある。1行目は、図15に対応し、流動性の誘電体層214eの上面とフィン205、206の上部との間のステップ高は、20nmだけである。横方向延伸は、21.2nmに減少して、隣接のフィン間の結合を防ぎ、かつ、フィンの間に十分なウィンドウ(空間)を残すため、フィン型FET上に順次に堆積されたエッチストップ層(図示されていない)およびIMD(図示されていない)がフィン延伸間の間隙に進入して充填し、IMDの空隙の形成を避けることができる。このステップ高さ(図4(a),図6(a)の207a,207c)を小さくすることにより横方向延伸量が小さくなる理由は、図15(a)において、NMOSフィン206eの横方向延伸は、フィン206の突出する部分が高いほど多くなり、その一方、フィンの突出部分が減少することに伴い、横方向延伸の量が小さくなるからである。
【0038】

【0039】
図4〜15に示された実施の形態において、SiGeの凹部のプロセスは、PMOS(PMOS SiGeの凹部のソースドレイン、またはPSSDステップ)にだけ行われる。図15に示されるように、PSSDステップは、フィン205の上部の代わりに凹部を形成してより大きなSiGeの体積を得て、かつ、PSSDエッチは、元のSi表面上で停止する。
【0040】
他の実施の形態(図示されていない)において、NMOS Si、SiP、またはSiCの凹部のソースドレイン(NSSD)ステップがNMOSフィン206に実行され、NMOSフィンの上部の代わりに凹部も形成する。NSSDステップを有する実施の形態において、より大きなSi、SiP、またはSiCの体積がNMOSに形成される。
【0041】
他の実施の形態(図示されていない)において、単一のエピタキシャル成長のステップが用いられ、PMOSフィンは、NMOSフィンと同じ方法で処理される。
【0042】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0043】
100 フィン型FET
101 半導体基板
102 シャロートレンチアイソレーション(STI)領域
104 シャロートレンチアイソレーション領域
105 フィン
106 フィン
106e Si、SiP、SiC層
106L 横方向延伸
107 ステップ高
108 ゲート
109 横方向延伸
110 側壁スペーサ
112 ハードマスク
124 SiGe(フィン)
124L 横方向延伸
200 装置
201 半導体基板
202 シャロートレンチアイソレーション領域
205 第1のフィン
206 第2のフィン
206e Si、SiP、SiC層
207 間隙
207a 第1の高さ
207b 高さ
207c 第2の高さ
208 ゲート(ゲート導体)
209 横方向延伸
210 側壁スペーサ
211 延伸の長さ
212 ハードマスク
214 誘電膜
214e エッチバック薄膜
214s 平坦面
216 酸化物層
218 窒化物層
220 フォトレジスト
222 窒化物層
223 凹部
224 フォトレジスト
226 SiGe構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィン型電界効果トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板上に延伸し、第1のフィンおよび第2のフィンの間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を有するフィン、前記STI領域の上面上の前記第1と第2のフィンとの間に定められる間隙、前記STI領域の上面と前記第1および第2のフィンの上面の間に定められる第1の高さを形成するステップ、
流動性の誘電材料を前記間隙内に堆積させ、前記誘電材料は、前記STI領域の上面上に上面を有して、前記誘電材料の上面と前記第1および第2のフィンの上面との間を第2の高さとし、前記第2の高さは、前記第1の高さより低い流動性の誘電材料を堆積するステップ、
前記誘電材料の堆積のステップの後、前記第1および第2のフィン上でそれぞれ前記誘電材料の上方に、前記第1および第2のフィンの延伸をエピタキシャル成長で形成するステップを含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2の高さは、十分な量で前記第1の高さより小さく、前記エピタキシャル形成のステップの間、前記第1および第2のフィンの延伸の結合を防ぐ請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記誘電材料の堆積のステップは、約20℃の温度および約100kPaの圧力で行われる低圧化学気相成長(LPCVD)プロセスを含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記誘電材料の堆積のステップ後、約200℃の温度および約600Torrの圧力で約10分、オゾンの固化ステップを実行し、かつ約400℃の温度で約20秒、O2のプラズマ処理ステップを行うステップをさらに含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2の高さと第1の高さの比は、50%〜67%の間である請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記エピタキシャル成長で形成のステップは、前記第1および第2のフィンの少なくとも1つの上面にSiGeを成長させるステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のフィンの1つの上面に、凹部を形成するステップをさらに含み、前記エピタキシャル成長で形成するステップは、SiGeを成長させて前記凹部を充填するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
フィン型FETを有する半導体装置であって、
半導体基板上に延伸し、第1のフィンおよび第2のフィンの間にシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を有し、前記STI領域の上面上の前記第1と第2のフィンとの間に間隙が形成され、前記フィンは、第1の縦方向を有する第1および第2のフィン、
前記第1のフィン上にあり、前記第1の縦方向に垂直な第2の縦方向を有する第1のゲート電極、
前記STI領域の上面にあり、前記STI領域の上面と前記第1および第2のフィンの上面との間の距離より小さい、誘電材料の上面と前記第1および第2のフィンの上面との間のステップ高を形成する流動性誘電材料層、
前記誘電材料層の上方にあり、かつ、それぞれ前記第1および第2のフィン上でフィンの延伸が前記誘電材料層の上面の下方の前記フィンの側端を超えて横向きに延伸し、エピタキシャルSiGeからなる第1および第2の横方向フィン延伸を含むフィン型FETを有する半導体装置。
【請求項9】
前記第1および第2のフィンの少なくとも1つは、その上部分に凹部を有し、前記凹部は、エピタキシャルSiGeで充填される請求項8記載のフィン型FETを有する半導体装置。
【請求項10】
前記距離とステップ高の比は、約50%〜約67%である請求項8記載のフィン型FETを有する半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−181931(P2011−181931A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42416(P2011−42416)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】