不揮発性半導体記憶装置
【課題】各メモリセルの書込消去特性を極力一定にできる不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】複数のメモリセルトランジスタMTは、活性領域Saが素子分離溝2によって互いに分離している。これらのメモリセルトランジスタMTは、それぞれ、活性領域Saの上面上または上方にトンネル絶縁膜3を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜4を備えている。積層絶縁膜Bは、トンネル絶縁膜3および電荷トラップ膜4を少なくとも含んで構成され、トンネル絶縁膜3が素子分離溝2の内面に沿って形成されると共に電荷トラップ膜4がトンネル絶縁膜3の上面に沿って積層されており、素子分離溝2内の全領域に埋込まれている。
【解決手段】複数のメモリセルトランジスタMTは、活性領域Saが素子分離溝2によって互いに分離している。これらのメモリセルトランジスタMTは、それぞれ、活性領域Saの上面上または上方にトンネル絶縁膜3を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜4を備えている。積層絶縁膜Bは、トンネル絶縁膜3および電荷トラップ膜4を少なくとも含んで構成され、トンネル絶縁膜3が素子分離溝2の内面に沿って形成されると共に電荷トラップ膜4がトンネル絶縁膜3の上面に沿って積層されており、素子分離溝2内の全領域に埋込まれている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電荷トラップ膜を具備したメモリセル構造を有する不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置は、ストレージ用途の拡大及び製造コストの抑制を目的として設計ルールの縮小化、素子の微細化、高集積化が積極的に進められている(例えば、特許文献1、2参照)。現在では低消費電力であるためハードディスクに代わるデバイスとして用いられている。
【0003】
微細化が進められると、特にフローティングゲート型の不揮発性メモリでは隣接メモリセル間に発生する寄生容量によってメモリセル間干渉が増大する。この場合、非選択メモリセルの誤書込や書込速度の遅延時間の増大化などの諸問題が引き起こされてしまう。
【0004】
これに対して活性領域上面上にそれぞれトンネル絶縁膜を介して電荷トラップ膜を形成した構造を採用しているMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)型不揮発性メモリは隣接セル間の寄生容量を小さくできるという利点があるが電荷を蓄積した自メモリセルに隣接する活性領域に対して電圧が印加されると、隣接メモリセルに向かう電界が発生し、トラップされた電子がホッピング伝導してしまいデータリテンション特性が悪化しやすいという問題があった。
【0005】
また、MONOS型のメモリセルは、活性領域を分離する素子分離溝内に埋め込まれる絶縁膜の高さばらつきによって電界の強度分布が各メモリセル毎にばらついてしまい、書込消去特性がばらついてしまうが、この変動を抑制することが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−184380号公報
【特許文献2】特開2009−290199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各メモリセルの書込消去特性を極力一定にできるようにした不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
不揮発性半導体記憶装置の実施形態は、活性領域が第1素子分離溝によって互いに第1方向に分離して形成された複数のメモリセルトランジスタを備えた構成を対象としている。これらのメモリセルトランジスタはそれぞれ活性領域の上面上または上方にトンネル絶縁膜を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜を備えている。トンネル絶縁膜が第1素子分離溝の内面に沿って形成されると共に電荷トラップ膜がトンネル絶縁膜の上面に沿って形成され、これらは積層絶縁膜として構成されている。第1素子分離溝内の全領域が積層絶縁膜により埋込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の電気的構成を示すブロック図
【図2】メモリセル領域のメモリセルトランジスタのレイアウトパターンを模式的に示す平面図
【図3】周辺回路領域の周辺トランジスタのレイアウトパターンを模式的に示す平面図((a)は低電圧回路領域の平面レイアウトパターン、(b)は高電圧回路領域の平面レイアウトパターン)
【図4】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の模式的な断面図
【図5】メモリセル領域内の各メモリセルトランジスタのゲート電極の一部分を模式的に示す斜視図
【図6】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その1)
【図7】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その2)
【図8】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その3)
【図9】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その4)
【図10】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その5)
【図11】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その6)
【図12】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その7)
【図13】第2実施形態を示す図4相当図
【図14】図5相当図
【図15】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その8)
【図16】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その9)
【図17】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その10)
【図18】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その11)
【図19】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その12)
【図20】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その13)
【図21】第3実施形態を示す図5相当図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、NAND型フラッシュメモリ装置に適用した第1実施形態について図1〜図12を参照して説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
【0011】
図1は、NAND型フラッシュメモリ装置の電気的構成をブロック図によって概略的に示している。この図1に示すように、NAND型フラッシュメモリ装置Dは、多数のメモリセルをマトリクス状に配設して構成されたメモリセルアレイArと、このメモリセルアレイArの各メモリセルの読出/書込/消去処理を行う周辺回路PCとを備えており、その他図示しない入出力インタフェース回路などを備えて構成される。尚、メモリセルアレイArはメモリセル領域M内に構成され、周辺回路PCは周辺回路領域P内に構成される。
【0012】
メモリセル領域M内のメモリセルアレイArは、セルユニットUCが多数配設されることによって構成されている。セルユニットUCは、ビット線BL側にそれぞれ接続された選択ゲートトランジスタSTDと、ソース線SL側に接続された選択ゲートトランジスタSTSと、これら2個の選択ゲートトランジスタSTD−STS間にm個直列接続されたメモリセルトランジスタMTとからなる。
【0013】
これらのセルユニットUCは行方向(図1中左右方向)にn列並列に配列され、これによって1つのブロックが構成されている。メモリセルアレイArは、当該ブロックのセルユニットUCが列方向(図1中上下方向)に複数配列されることによって構成されている。尚、説明の簡略化のため、図1には1つのブロックのみを示している。
【0014】
周辺回路領域Pの周辺回路PCは、メモリセル領域MのメモリセルアレイArの周囲に配置形成されている。周辺回路PCは、アドレスデコーダADC、センスアンプSA、チャージポンプ回路により構成された昇圧回路BS、および転送トランジスタ部WTBなどから構成されている。アドレスデコーダADCは、昇圧回路BSを介して転送トランジスタ部WTBに接続されている。
【0015】
アドレスデコーダADCは、外部からアドレス信号が与えられると、対応するブロックを選択する選択信号SELを出力する。昇圧回路BSは、外部から駆動電圧が供給され、これを昇圧して転送ゲート線TGを介して転送ゲートトランジスタWTGD、WTGSおよびWTにゲート電圧を与える。
【0016】
転送トランジスタ部WTBは、選択ゲートトランジスタSTDに対応して構成された転送ゲートトランジスタWTGDと、転送ゲートトランジスタSTSに対応して構成された転送ゲートトランジスタWTGSと、各メモリセルトランジスタMTに対応してそれぞれ構成されたワード線転送ゲートトランジスタWTとを備えて構成される。
【0017】
転送ゲートトランジスタWTGDは、ドレイン/ソースのうち一方が選択ゲートドライバ線SG2に接続されており、他方が選択ゲート線SGLDに接続されている。転送ゲートトランジスタWTGSは、ドレイン/ソースのうち一方が選択ゲートドライバ線SG1に接続されており、他方が選択ゲート線SGLSに接続されている。また、ワード線転送ゲートトランジスタWTは、ドレイン/ソースのうち一方がワード線駆動信号線WDLにそれぞれ接続されており、他方がメモリセルアレイAr内に構成されるワード線WLにそれぞれ接続されている。
【0018】
選択ゲートトランジスタSTDは、行方向に配列された複数のセルユニットUCのゲート電極同士が選択ゲート線SGLDにより共通接続されている。同様に、選択ゲートトランジスタSTSも、行方向に配列された複数のセルユニットUCのゲート電極同士が選択ゲート線SGLSにより共通接続されている。各選択ゲートトランジスタSTSのソースはソース線SLに共通接続されている。
【0019】
各転送ゲートトランジスタWTGD、WTGS、WTは、ゲート電極同士が転送ゲート線TGにより共通に接続され昇圧回路BSに接続されている。センスアンプSAは、各ビット線BLに接続されており、データの読出時に当該データを一時的に保存するラッチ回路を接続している。
【0020】
次に、前記した電気的構成の平面的なレイアウトパターンについて図2、図3を参照して説明する。図2はメモリセル領域の一部を示すもので、選択ゲートトランジスタSTDと隣接するブロックの選択ゲートトランジスタSTDが配置された部分を含んだレイアウトパターンを平面図により示している。
【0021】
図2に示すように、複数の素子分離領域Sbが列方向に沿って互いに平行に形成されており、これらは行方向に所定間隔で配設されている。これらの複数の素子分離領域Sbが形成されることによって、複数の活性領域Saが列方向に沿って形成されると共に互いに行方向に分離されている。
【0022】
ワード線WLは行方向に配列された複数のセルユニットUCのメモリセルトランジスタMTのゲート電極MGを互いに共通接続している。このワード線WLは、活性領域Saと直交するように図2中の行方向に沿って複数形成されている。また、選択ゲート線SGLDはワード線WLに並設されており、複数の選択ゲートトランジスタSTDのゲート電極SGDを行方向に沿って接続している。
【0023】
この選択ゲート線SGLDは一対に設けられており、当該一対の選択ゲート線SGLD−SGLD間の活性領域Saには、ビット線コンタクトCBがそれぞれ形成されている。ワード線WLと交差する活性領域Sa上にはメモリセルトランジスタMTの各ゲート電極MGが形成されており、選択ゲート線SGLDと交差する活性領域Sa上には選択ゲートトランジスタSTDのゲート電極SGDが構成されている。
【0024】
図3(a)、図3(b)は周辺回路領域のトランジスタのレイアウトパターンを平面図で示している。周辺回路領域P内のトランジスタとしては、図1の構成で説明した転送ゲートトランジスタWTGD,WTGS,WTに加えて、図示しない低電圧トランジスタがある。これらの周辺トランジスタPTは、平面レイアウトではほぼ同じパターンに形成されている。
【0025】
これらの周辺トランジスタPTは、STI構造の素子分離領域Sbが矩形状をなす活性領域Saを囲うように形成されている。そして、一の周辺トランジスタPTの活性領域Saは、他の周辺トランジスタPTの活性領域Saとの間が素子分離領域Sbによって分離されている。ゲート電極PGは、活性領域Saを横切って素子分離領域Sbに渡って形成されている。また、図示しないが、周辺回路領域Pには回路素子として容量性素子や抵抗素子などが構成されている。
【0026】
図4(a)〜図4(e)は、それぞれ図2、図3中の切断線4A−4A〜4E−4Eで切断した部分の模式的な断面図を示している。具体的には、図4(a)はワード線WLに沿って切断して示す断面図であり、図4(b)は活性領域Saに沿って切断したメモリセルトランジスタMTのゲート電極MG部分の断面図を示している。
【0027】
図4(c)、図4(d)は周辺回路領域Pの特に低電圧回路領域PLにおける要部の断面図、図4(e)は周辺回路領域Pの特に高電圧回路領域PHにおける要部の断面図を模式的に示している。また、図5は、メモリセル領域M内の素子構造を3次元的に表した斜視図を示している。
【0028】
図4(a)を参照して断面構造を説明する。半導体基板(例えばシリコン基板)1には素子分離溝2が形成されており、この素子分離溝2が活性領域Saを複数に分離する。これらの活性領域Sa上にはトンネル絶縁膜3が形成されている。このトンネル絶縁膜3は、活性領域Sa上において半導体基板1の上面上に沿って形成されると共に活性領域Saの側面において素子分離溝2の内面に沿って形成されている。これにより、トンネル絶縁膜3は活性領域Saの上面および側面を囲うように形成されている。このトンネル絶縁膜3は例えばシリコン酸化膜により形成されている。
【0029】
電荷トラップ膜4がこのトンネル絶縁膜3の上面上に沿って形成されている。この電荷トラップ膜4は素子分離溝2内においてトンネル絶縁膜3上に沿って形成されており、活性領域Saの上面および側面を囲うように構成されている。この電荷トラップ膜4は例えばシリコン窒化膜により構成され、特に活性領域Saの上方および上側方に位置する膜部が主に電荷を蓄積するメモリセル構造となっている。
【0030】
ブロック膜5がこの電荷トラップ膜4の上面上に沿って形成されている。本実施形態では、このブロック膜5は素子分離溝2内において電荷トラップ膜4上に沿って形成されており、活性領域Saの上面および側面を囲うように構成されている。このブロック膜5は例えばシリコン酸化膜により構成され、特に電荷トラップ膜4から上方に電荷の放出を防止する機能を備える。
【0031】
メモリセル領域Mにおいて、素子分離溝2はその深さがその幅よりも格段に大きく形成されており、素子分離溝2内は、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5による3種の機能膜により全て埋込まれている。素子分離領域Sbはこれらの3種の膜のみにより構成されており例えばHDP膜など他種膜は埋込まれていない。ブロック膜5上には多結晶シリコン層6、7が形成されている。この多結晶シリコン層6、7は、リン(P)ドープ型の多結晶シリコンである。多結晶シリコン層6、7の上には金属シリサイド層8が形成されている。
【0032】
このような構造により、半導体基板1の活性領域Saの上面にトンネル絶縁膜3を介して複数のゲート電極MGが所定間隔を存して配置されている。すなわち、各ゲート電極MGは、トンネル絶縁膜3上に、電荷蓄積層としての電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6、7、金属シリサイド層8を積層した構成とされている。制御ゲート電極CGは、多結晶シリコン層6、7および金属シリサイド層8の積層構造によって構成されている。このような構造はSONOS(Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Substrate)セルと称される。
【0033】
図4(b)に示す断面図を参照して構造を説明する。図4(b)に示す断面において、半導体基板1上には、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6、7、金属シリサイド層8が順次積層されているが、これらの積層構造3〜8は、この断面では複数に分断されており、特に複数の積層構造3〜7の側面はそれぞれ面一に形成されている。層間絶縁膜となるシリコン酸化膜14が複数の積層構造3〜8間にそれぞれ埋込まれている。図4(c)、図4(d)を参照しながら低電圧回路領域PL内における断面構造を説明する。
【0034】
図4(c)、図4(d)は、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PL内における断面構造を模式的に示している。図4(c)に示すように、半導体基板1の上面上にはゲート絶縁膜10が形成されており、このゲート絶縁膜10の上には、リン(P)ドープ型の多結晶シリコン層12、7、金属シリサイド層8が順に形成されており、これらの構造を主としてゲート電極PGが構成されている。多結晶シリコン層12および7間には,下から順にトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6が順に形成されている。
【0035】
複数のゲート電極PG−PG間には、素子分離膜としてのHDP(High Density Plasma enhanced chemical vapor deposition silicon oxide)膜11が形成されている。このHDP膜11は、周辺回路領域Pの素子分離溝2内の全領域に埋込まれると共に、半導体基板1の上面から上方に突出して構成されている。このHDP膜11の上面は多結晶シリコン層12の上面とほぼ同一の高さに形成されている。
【0036】
複数のゲート電極PG−PG間には、HDP膜11の上面上に位置して、シリコン酸化膜14、15、シリコン窒化膜16、TEOS(Tetra Ethoxy silane)/O3膜17が構成されている。シリコン酸化膜14は、積層膜3〜7の側面および金属シリサイド層8の側面下部に沿って形成されている。また、シリコン酸化膜15は、シリコン酸化膜14の外側面に沿って形成されている。また、シリコン窒化膜16は、シリコン酸化膜15の外側面に沿って形成されると共にシリコン酸化膜14、15の上面に沿って形成されている。図4(d)に示す断面構造においては、ゲート電極PGの脇に拡散層(図示せず)が例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造によって形成されている。
【0037】
図4(e)は、周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH内における断面構造を模式的に示している。この図4(e)に示すように、高電圧回路領域PH内のゲート電極PGの構造は、図4(c)に示すゲート電極PGの断面構造とほぼ同様の構造をなしているが、厚いゲート絶縁膜13がゲート絶縁膜10に代えて構成されている。ゲート絶縁膜13はシリコン熱酸化膜を備えて構成されている。ゲート絶縁膜13は、その下面の位置がゲート絶縁膜10の下面の位置よりも低い位置に形成されている。
【0038】
図5は、メモリセル領域M内のメモリセルトランジスタMTの構造を斜視図によって示している。この図5に示すように、ワード線WLは行方向に沿って各メモリセルゲート電極MGの制御ゲート電極CGを連結して構成されている。これらのワード線WLによる連結構造は列方向に分断されている。
【0039】
トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5による積層絶縁膜Bは素子分離溝2の内面に沿って形成されているが、この積層絶縁膜Bは素子分離溝2内面に沿って列方向に延伸している。この積層絶縁膜Bは、各メモリセルトランジスタMTのゲート電極MG−MG間の活性領域Saの上面上において分断されている。また、この積層絶縁膜Bは素子分離領域Sb上において一部除去されている。
【0040】
上記構造の製造方法について説明する。本実施形態では、メモリセル領域Mにおいて素子分離溝2内をトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5の積層構造によって埋込み、周辺回路領域Pにおいて素子分離溝2内をHDP膜11で埋込む実施形態を示す。以下、図6(a)〜図6(e)に示す構造の製造方法を説明する。
【0041】
半導体基板1にイオン注入することでウェルおよびチャネル領域(何れも図示せず)を形成する。次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLを第1深さ(例えば40nm)、高電圧回路領域PHを第2深さ(>第1深さ:例えば70nm)だけ、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング(RIE)技術により半導体基板1の上面をエッチング処理する。次に、半導体基板1の全面に高電圧回路領域PHのゲート絶縁膜13としてシリコン熱酸化膜を第1所定膜厚(例えば26nm)形成する。次に、リソグラフィ技術およびウェットエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH以外のゲート絶縁膜13を除去処理する。
【0042】
次に、周辺回路領域P内における低電圧回路領域PLのゲート絶縁膜10を第2所定膜厚(例えば、6nm)形成する。これにより周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHでは、第1所定膜厚より厚い第3所定膜厚(例えば、30nm)のゲート絶縁膜13を形成できる。また、低電圧回路領域PLおよびメモリセル領域M内では、第2所定膜厚のゲート絶縁膜10を形成できる。
【0043】
次に、ゲート電極PGの一部となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層12を所定膜厚(例えば40nm)形成する。次に、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHおよび低電圧回路領域PLにおいて素子分離溝2を形成し、HDP膜11で完全に埋込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化処理を行い、周辺回路領域Pのシャロートレンチアイソレーション(STI)を形成する。
【0044】
図7(a)〜図7(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域Mの多結晶シリコン層12を除去処理する。次に、半導体基板1の全面にシリコン窒化膜18を所定膜厚(例えば10nm)形成し、ハードマスク19をPECVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によりTEOSガスを用いて所定膜厚(例えば100nm)形成する。
【0045】
次に、図8(a)〜図8(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域M内のハードマスク19に素子分離溝2の形成用のパターンを形成する。尚、このパターンを形成するときに通常のリソグラフィの限界を超えるリソグラフィ技術を必要とするときには、側壁転写技術を適用してパターニングすると良い。
【0046】
次に、ハードマスク19をマスクとしてシリコン窒化膜18から半導体基板1までを反応性イオンエッチングにより加工し、STI構造の素子分離領域Sbを構成するための素子分離溝2を形成する。次に、ハードマスク19の残存膜をウェットエッチング、または、ドライエッチング処理を行うことで除去し、シリコン窒化膜18をウェットエッチング処理によって除去する。
【0047】
このような工程を経て、メモリセル領域Mでは、電荷トラップ膜4を形成するための半導体基板1の表面を露出させることができ、周辺回路領域Pではゲート電極PGの一部となるリンドープ多結晶シリコン層12の表面を露出させることができる。
【0048】
次に、図9(a)〜図9(e)に示す構造の製造方法を説明する。半導体基板1の表面全体にトンネル絶縁膜3(トンネル誘電体膜)となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば5nm)形成し、電荷を保持する電荷トラップ膜4を構成するシリコン窒化膜を所定膜厚(例えば4nm)形成し、電荷トラップ膜4から制御ゲート電極CG側に電荷漏洩を抑制するためのブロック膜5となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば8nm)形成する。このとき、これらの3種の機能膜によって素子分離溝2内を完全に埋込むように形成する。これらの絶縁膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法を適用して形成できる。また、前記のシリコン酸化膜に代えてSiO/SiN/SiO積層膜にしても良く、所望の性能を得るための膜構成を適用できる。
【0049】
電荷トラップ膜4としてシリコン窒化膜を適用したときにはシリコンリッチな組成を適用すると良い。シリコンリッチなシリコン窒化膜は、ALD法、あるいは、Si2H6/NH3系のLP−CVD法、あるいは、SiH2Cl2/NH3系のCVD法においてSiH2Cl2ガスを過剰な条件として適用することで成膜できる。このとき、活性領域Saの上方における電荷トラップ膜4の上面と素子分離領域Sbの上方におけるブロック膜5の上面の高さは自動的にほぼ等しくなる。
【0050】
次に、メモリセルトランジスタMTのゲート電極MGの基層となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層6を所定膜厚(例えば20nm)形成する。このとき、多結晶シリコン層6の形状はほぼ平坦(例えば平板状)の形状とされ、ゲート電極MGの形状が凸型、または、凹型になることで発生する書込消去速度のばらつきを抑制することができる。
【0051】
次に、図10(a)〜図10(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、メモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)内の多結晶シリコン層6を部分的に除去処理し、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3に対し多結晶シリコン層12の上面まで貫通する穴を形成する。次に、半導体基板1の全面にリン(P)ドープ多結晶シリコン層7を成膜し、周辺回路領域P(PL、PH)のリン(P)ドープ多結晶シリコン層6と構造的に接続するように形成する。次に、半導体基板1の全面にゲート加工用のマスクとなるシリコン窒化膜20を形成する。
【0052】
次に、図11(a)〜図11(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、シリコン窒化膜20、リン(P)ドープ多結晶シリコン層7、6、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3、リン(P)ドープ多結晶シリコン層12を加工し、メモリセルトランジスタMTの制御ゲート電極CGのパターン、周辺トランジスタPTのゲート電極PGのパターンを形成する。ここで、電荷トラップ膜4であるシリコン窒化膜も完全に分離するように形成すると良い。これは、電荷トラップ膜4が隣接メモリセル間で分離していると、トラップ電荷が隣接するメモリセルトランジスタMT間で移動しないためである。これにより良好なデータリテンション特性を実現できる。
【0053】
次に、図12(a)〜図12(e)に示すように、サイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜14をALD法により所定膜厚(3nm)形成し、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて拡散層(図示せず)の不純物を注入する。このとき、拡散層はNANDストリングの両端に位置するビット線コンタクトCB、ソース線コンタクトのソース/ドレイン領域のみ形成し、メモリセル領域M内においてはソース/ドレインレス構造にすると良い。これは、メモリセルトランジスタMTのショートチャネル効果の抑制やメモリセルトランジスタMTの動作時に非選択メモリセルに電荷が書き込まれるリードディスターブ/プログラムディスターブ対策になるためである。
【0054】
次に、半導体基板1の全面に周辺回路領域Pの周辺トランジスタPTのサイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜15をLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜15はHTO膜、TEOS膜とすると良い。
【0055】
次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を適用し、ビット線コンタクトCBの形成領域、ソース線コンタクトの形成領域、周辺トランジスタPTの拡散層(図示せず)を形成する。例えば,周辺回路領域P(PL、PH)における不純物の拡散層を形成する工程では、微細化に伴うトランジスタ動作不良の要因であるショートチャネル効果を抑制するため、側壁絶縁膜14、15を用いて自己整合的にイオン注入を行うことでLDD構造に形成すると良い。
【0056】
次に、半導体基板1の全面にバリア窒化膜となるシリコン窒化膜16を形成し、PMD(Pre-Metal-Dielectric)となるTEOS/O3膜17を埋込み、CMP法によりシリコン窒化膜16をストッパとしてTEOS/O3膜17を平坦化する。
【0057】
次に、反応性イオンエッチング法により多結晶シリコン層7上のシリコン窒化膜20、16を除去し、半導体基板1の全面に金属をPVD法により形成し、シリサイデーションアニールを行うことによって金属シリサイド層8を形成する。以上の工程を経て、メモリセルトランジスタMTおよび周辺トランジスタPTが形成される。以降の工程は、通常のフラッシュメモリと同様の多層配線工程を行うことになるが、本実施形態の特徴部分とは関係しないためその説明を省略する。
【0058】
従来の素子分離領域に素子分離用の絶縁膜を埋め込む構造では、リソグラフィ技術および異方性エッチング処理のばらつきで素子によって素子分離溝内の埋め込み絶縁膜の高さがばらつくことが予測される。するとメモリセルの素子特性も素子毎にばらついてしまうことになるため素子特性を一定に保つには厳しいプロセス制御が必要になる。
【0059】
これに対して本実施形態によれば、素子分離溝2内がトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5により全て埋め込まれているため、各メモリセルトランジスタMTの活性領域Sa間の素子分離溝2に埋め込まれる積層絶縁膜B(トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5)の上面高さを極力一定とすることができ、制御ゲート電極CGと活性領域Saとの間の距離を極力一定にすることができる。したがって、各メモリセルトランジスタMTの印加電圧を極力一定にできる。すなわち、複数のメモリセルトランジスタMTの素子特性のばらつき、具体的には書込消去特性のばらつきを極力抑制できる。
【0060】
積層絶縁膜Bが素子分離溝2の内面に沿って形成されているため、電荷が電荷トラップ膜4を介して隣接するメモリセルトランジスタMT側に漏出することを極力抑制できる。
電荷トラップ膜4が、メモリセル領域MのSTI構造の素子分離領域Sb内に埋め込まれており電荷をトラップ可能に構成しているため、隣接メモリセルトランジスタMT間のSTI耐圧を改善することができる。なお、これは、設計ルールが極小化しSTI耐圧を確保する上で極めて有効となる。
【0061】
STI構造の素子分離領域Sbの高さを一定にできるため、メモリセルトランジスタMTの書込/消去特性を安定化させることができる。また、メモリセル領域Mの素子分離溝2内をHDP膜などにより埋込む工程を不要にできる。
【0062】
周辺回路領域P(PL、PH)では、周辺トランジスタPTが素子分離溝2によって分離形成されており、HDP膜11が素子分離溝2内に埋込み形成されているため、周辺回路領域Sbにおける幅広の素子分離領域Sbを容易に埋め込むことができる。
【0063】
微細な素子分離領域Sbの素子分離溝2内を埋込みつつ理想的な平面セル構造を実現することができるので、フラッシュメモリの継続的な微細化によるビット密度向上による更なるアプリケーション拡大が期待できる。
【0064】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図13〜図20を参照して説明する。図13(a)〜図13(e)は、それぞれ、図4(a)〜図4(e)に対応した断面図を示している。図14は、図5に対応した斜視図を示している。これらのうち、前述実施形態と主に異なるところは、メモリセル領域M内において、半導体基板1とトンネル絶縁膜3との間にゲート絶縁膜3aとフローティングゲート電極FGとなる多結晶シリコン層(導電膜に相当)21とが積層されているところにある。
【0065】
例えば、制御回路がメモリセルトランジスタMTにデータを書込むときには、電荷トラップ膜4に電子をトラップさせる。このとき電子は活性領域Saからフローティングゲート電極FGを経由して電荷トラップ膜4に移動することになる。このため、活性領域Saから注入された電子をフローティングゲート電極FGの作用によって上方および上側方に向けて分散させることができる。
【0066】
したがって、トラップ電子はフローティングゲート電極FGの上側に拡散して貯留することになり、電荷トラップ膜4に対する局所的な電荷蓄積を防ぐことができる。電荷トラップ膜4の一部分に電子が集中して貯留してしまうと、当該集中部分からブロック膜5側に電子が抜けやすくなることが推定されている。本実施形態の構造を適用すれば、電子が電荷トラップ膜4に拡散して貯留することになるため、電荷保持特性を良好にできる。
【0067】
以下、製造方法を説明する。まず、図15(a)〜図15(e)に示す構造の製造方法を示す。
半導体基板1にイオン注入によりウェルおよびチャネル領域(図示せず)を形成する。次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLを所定深さ(例えば40nm)、高電圧回路領域PHを第2所定深さ(>第1所定深さ:例えば80nm)だけ、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング(RIE)技術によりリセスする。
【0068】
次に、半導体基板1の全面に高電圧回路領域PHのゲート絶縁膜10となるシリコン熱酸化膜を第1所定膜厚(例えば26nm)形成し、リソグラフィ技術およびウェットエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH以外のシリコン熱酸化膜を除去処理する。
【0069】
次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLのゲート絶縁膜13を第2所定膜厚(例えば6nm)形成する。これにより、周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHでは第1所定膜厚より厚い第3所定膜厚(例えば30nm)のゲート絶縁膜13を形成できる。また低電圧回路領域PLおよびメモリセル領域M内では、第2所定膜厚のゲート絶縁膜10を形成できる。
【0070】
次に、ゲート電極PGの一部となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層12を所定膜厚(例えば40nm)形成する。次に、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング法により、周辺回路領域P(PL、PH)の素子分離領域Sbとなる素子分離溝2を形成し、NSG膜11aで完全に埋込みCMP法により平坦化処理を行い、周辺回路領域PにおいてSTI構造の素子分離領域Sbを形成する。次に、半導体基板1の上方全面(多結晶シリコン層12の上面およびNSG膜11aの上面)上にシリコン窒化膜22を所定膜厚(例えば10nm)形成する。
【0071】
次に、図16(a)〜図16(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング法によりメモリセル領域Mのシリコン窒化膜22、多結晶シリコン層12、ゲート絶縁膜10を除去処理する。
【0072】
次に、半導体基板1を熱酸化処理することで特にメモリセル領域Mの半導体基板1の上面にトンネル絶縁膜3aとなるシリコン酸化膜を所定膜厚(4nm)形成し、フローティングゲート電極FGとなるリン(P)ドープ多結晶シリコン層21を所定膜厚(例えば15nm)、ハードマスクとの緩衝層となるシリコン窒化膜23を所定膜厚(例えば5nm)、順次形成する。
【0073】
次に、周辺回路領域P(PL、PH)内では、多結晶シリコン層21およびシリコン窒化膜23がシリコン窒化膜22上に順次積層されるため、当該領域P内のシリコン窒化膜23および多結晶シリコン層21をリソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により除去する。次に、半導体基板1の全面(シリコン窒化膜22、23の上面)上にハードマスクとなるBSG膜24をLPCVD法により所定膜厚(例えば100nm)形成する。
【0074】
次に、図17(a)〜図17(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりBSG膜24を加工し、メモリセル領域Mの活性領域Saの上方に位置するパターンを形成する。尚、このパターンを形成するときに、通常のリソグラフィの限界を超えるリソグラフィ技術を必要とするときには、側壁転写技術(Double Patterning、あるいは、Quadruple Patterning技術)を適用してパターニングすると良い。次に、BSG膜24のパターンを転写することで、シリコン窒化膜23、多結晶シリコン層21、トンネル絶縁膜3a、半導体基板1の上部に素子分離溝2を形成する。この素子分離溝2はSTI構造の素子分離領域Sbを構成するための溝となる。
【0075】
次に、BSG膜24を弗酸ベーパーエッチング処理によって除去処理し、シリコン窒化膜22、23をウェットエッチング処理によって除去処理する。このような工程を経て、メモリセル領域M内では、フローティングゲート電極FGとなる多結晶シリコン層21の上面および側面が露出するようになり、トンネル絶縁膜3aの側面も露出する。また、周辺回路領域P(PL、PH)ではゲート電極PGの一部となる多結晶シリコン層12の上面が露出する。
【0076】
次に、図18(a)〜図18(e)に示すように、半導体基板1の全面にSONOSセルのトンネル絶縁膜3となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば4nm)、電荷を蓄積する電荷トラップ膜4となるシリコン窒化膜を所定膜厚(例えば5nm)、電荷トラップ膜4から制御ゲート電極CG側にチャージ漏洩を抑制するためのブロック膜5となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば6nm)だけ順次形成する。このとき、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5によりメモリセル領域M内の素子分離溝2内を完全に埋め込むことができる。これらのトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5はCVD法、ALD法により成膜できる。
【0077】
メモリセル領域Mの素子分離溝2内には他の機能膜が埋め込まれないので、ブロック膜5の上面を平坦に形成することができる。すなわち、ブロック膜5の上面は、素子分離領域Sbの上方、活性領域Saの上方に渡りほぼ高さが同じに形成され平坦に構成されている。
【0078】
次に、メモリセル領域Mの制御ゲート電極CGを構成する多結晶シリコン層6を所定膜厚(例えば20nm)形成する。ブロック膜5の上面が平坦に形成され、多結晶シリコン層6の下面も平坦に形成される。多結晶シリコン層6の下面とメモリセルトランジスタMTの各活性領域Saとの間の距離が互いにほぼ等しくなるため、各メモリセルトランジスタMT毎の書込速度、消去速度のばらつきを抑制することができ、書込時間、消去時間、読出時間等の電気的制御時間を各メモリセルトランジスタMT間でほぼ一定にできる。
【0079】
次に、図19(a)〜図19(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)の多結晶シリコン層6を部分的に除去処理し、さらに、メモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)内のブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3を構成するONO膜を部分的に除去処理する。
【0080】
次に、半導体基板1の全面(多結晶シリコン層6の上面、側面、多結晶シリコン層12の上面等)の上に、ボロン(B)ドープ多結晶シリコン層7aを形成し、周辺回路領域P(PL、PH)の多結晶シリコン層12の上面に構造的に接続する。次に、半導体基板1の全面(多結晶シリコン層7aの上面)上に、ゲート加工のマスクとなるシリコン窒化膜20を形成する。
【0081】
次に、図20(a)〜図20(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、シリコン窒化膜20の上面上にレジスト(図示せず)をパターニングし、ボロン(B)ドープ多結晶シリコン層7a、多結晶シリコン層6、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3、メモリセル領域Mのリン(P)ドープ多結晶シリコン層21、周辺回路領域Pの多結晶シリコン層12に転写する。この工程を行うことで、メモリセル領域Mの制御ゲート電極CGのパターン、および、周辺回路領域PのトランジスタPTのゲート電極PGのパターンを形成する。
【0082】
次に、図13(a)〜図13(e)に示すように、サイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜14を所定膜厚(例えば3nm)だけLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜14はHTO膜とすると良い。次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて拡散層(図示せず)を形成する。この拡散層は、NANDストリングの両端に位置するビット線コンタクト領域、ソース線コンタクト領域のみ形成し、メモリセル領域M内はソース/ドレインレス構造とすると良い。
【0083】
これは、メモリセルトランジスタMTのショートチャネル効果の抑制やメモリセルトランジスタMTの動作時に非選択メモリセルに電荷が書き込まれるリードディスターブ/プログラムディスターブの対策になるためである。
【0084】
次に、半導体基板1の全面に周辺回路領域Pのサイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜15をLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜15はHTO膜、TEOS膜等で形成すると良い。次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて周辺トランジスタPTの拡散層(図示せず)を形成する。例えば,周辺回路領域P(PL、PH)における不純物の拡散層を形成する工程では、微細化に伴うトランジスタ動作不良の要因であるショートチャネル効果を抑制するため、側壁絶縁膜14、15等を用いて自己整合的にイオン注入を行うことでLDD構造に形成すると良い。
【0085】
次に、半導体基板1の全面にバリア膜となるシリコン窒化膜16を形成し、PMDとなるBPSG膜17aを形成し、CMP法によりシリコン窒化膜16をストッパとして平坦化処理する。
【0086】
次に、周辺回路領域Pおよびメモリセル領域M内において、反応性イオンエッチング法により多結晶シリコン層7aの上のシリコン窒化膜20を除去処理し、半導体基板1の全面にメタルをPVD法により形成し、シリサイデーションアニールを行うことで金属シリサイド層8を形成する。以降の工程では、通常のフラッシュメモリと同様の多層配線工程を行うことになるが、本実施形態の特徴とは関係しないため説明を省略する。
【0087】
本実施形態によれば、多結晶シリコン層21が半導体基板1の上面に形成されたトンネル絶縁膜3aを介してフローティングゲート電極FGを構成し、当該フローティングゲート電極FGを介してトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5が順次積層されている。このとき、ブロック膜5の上面の高さが活性領域Saの上方および素子分離領域Sbの上方に渡ってほぼ同一高さで形成できるため、制御ゲート電極CGを構成する多結晶シリコン層6の下面と各メモリセルトランジスタMTの活性領域Saとの間の距離をほぼ同一とすることができ、各メモリセルトランジスタMTの書込速度、消去速度をほぼ一定とすることができる。
【0088】
また、フローティングゲート電極FGがトンネル絶縁膜3a上に形成されているため、電荷がデータ書込時に活性領域Saから電荷トラップ膜4に注入されるときに、フローティングゲート電極FGによって上方に拡散された状態で電荷トラップ膜4に拡散注入されるようになり、電荷が電荷トラップ膜4の一部領域に対し集中的に注入することを抑制でき、電荷トラップ膜4のストレスを緩和できる。
【0089】
(第3実施形態)
図21は、第3実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4のみがメモリセル領域Mの素子分離溝2内に埋め込まれているところにある。すなわち、トンネル絶縁膜3は素子分離溝2の内面に沿って形成されていると共に電荷トラップ膜4がトンネル絶縁膜3の上面上に沿って形成されているが、この素子分離溝2内にはブロック膜5が形成されていない。このような実施形態においても、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0090】
なお、この第3実施形態では多結晶シリコン層21がゲート絶縁膜3a上に形成されている実施形態を示しているが、第1実施形態に示したように、多結晶シリコン層21、ゲート絶縁膜3aが形成されていない形態に適用しても良い。
【0091】
(他の実施形態)
前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
前記した実施形態に記載した材料系、膜厚、加工方法に限定されるものではなく、様々な材料系、膜厚、加工方法を適用できる。例えば半導体基板1としては、SOI(Silicon On Insulator)基板を適用して構成しても良い。
【0092】
前述実施形態においては、積層絶縁膜(トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5)としてシリコン酸化膜−シリコン窒化膜−シリコン酸化膜の構造を適用しているが、1nm程度のシリコン酸化膜間に1nm〜2nm程度の直径のシリコン微結晶を分散させた構造を適用しても良い。
また、金属シリサイド層8としてはタングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、白金ニッケルシリサイドなどを適用できるが、また多結晶シリコン層7、7a上にバリアメタルを介してメタル(例えばタングステン)を形成したポリメタル電極を適用しても良い。
【0093】
NAND型フラッシュメモリ装置Dに適用した場合を示したが、例えばMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Substrate)構造の電荷蓄積層を備えたNOR型やAND型フラッシュメモリ装置やその他電荷トラップ膜4を有する構造の不揮発性半導体記憶装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
図面中、1は半導体基板、2は素子分離溝、3、3aはトンネル絶縁膜、4は電荷トラップ膜、5はブロック膜、11はHDP膜(素子分離膜)、11aはNSG膜(素子分離膜)、21は多結晶シリコン層(導電膜)、Saは活性領域、Sbは素子分離領域、Pは周辺回路領域、Mはメモリセル領域、PLは低電圧回路領域、PHは高電圧回路領域、FGはフローティングゲート電極、Dはフラッシュメモリ装置(不揮発性半導体記憶装置)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電荷トラップ膜を具備したメモリセル構造を有する不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置は、ストレージ用途の拡大及び製造コストの抑制を目的として設計ルールの縮小化、素子の微細化、高集積化が積極的に進められている(例えば、特許文献1、2参照)。現在では低消費電力であるためハードディスクに代わるデバイスとして用いられている。
【0003】
微細化が進められると、特にフローティングゲート型の不揮発性メモリでは隣接メモリセル間に発生する寄生容量によってメモリセル間干渉が増大する。この場合、非選択メモリセルの誤書込や書込速度の遅延時間の増大化などの諸問題が引き起こされてしまう。
【0004】
これに対して活性領域上面上にそれぞれトンネル絶縁膜を介して電荷トラップ膜を形成した構造を採用しているMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)型不揮発性メモリは隣接セル間の寄生容量を小さくできるという利点があるが電荷を蓄積した自メモリセルに隣接する活性領域に対して電圧が印加されると、隣接メモリセルに向かう電界が発生し、トラップされた電子がホッピング伝導してしまいデータリテンション特性が悪化しやすいという問題があった。
【0005】
また、MONOS型のメモリセルは、活性領域を分離する素子分離溝内に埋め込まれる絶縁膜の高さばらつきによって電界の強度分布が各メモリセル毎にばらついてしまい、書込消去特性がばらついてしまうが、この変動を抑制することが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−184380号公報
【特許文献2】特開2009−290199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各メモリセルの書込消去特性を極力一定にできるようにした不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
不揮発性半導体記憶装置の実施形態は、活性領域が第1素子分離溝によって互いに第1方向に分離して形成された複数のメモリセルトランジスタを備えた構成を対象としている。これらのメモリセルトランジスタはそれぞれ活性領域の上面上または上方にトンネル絶縁膜を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜を備えている。トンネル絶縁膜が第1素子分離溝の内面に沿って形成されると共に電荷トラップ膜がトンネル絶縁膜の上面に沿って形成され、これらは積層絶縁膜として構成されている。第1素子分離溝内の全領域が積層絶縁膜により埋込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の電気的構成を示すブロック図
【図2】メモリセル領域のメモリセルトランジスタのレイアウトパターンを模式的に示す平面図
【図3】周辺回路領域の周辺トランジスタのレイアウトパターンを模式的に示す平面図((a)は低電圧回路領域の平面レイアウトパターン、(b)は高電圧回路領域の平面レイアウトパターン)
【図4】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の模式的な断面図
【図5】メモリセル領域内の各メモリセルトランジスタのゲート電極の一部分を模式的に示す斜視図
【図6】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その1)
【図7】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その2)
【図8】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その3)
【図9】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その4)
【図10】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その5)
【図11】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その6)
【図12】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その7)
【図13】第2実施形態を示す図4相当図
【図14】図5相当図
【図15】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その8)
【図16】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その9)
【図17】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その10)
【図18】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その11)
【図19】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その12)
【図20】(a)は図2中切断線4A−4A、(b)は図2中切断線4B−4B、(c)は図3中切断線4C−4C、(d)は図3中切断線4D−4D、(e)は図3中切断線4E−4Eで示す部分の製造工程の一段階における模式的な断面図(その13)
【図21】第3実施形態を示す図5相当図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、NAND型フラッシュメモリ装置に適用した第1実施形態について図1〜図12を参照して説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
【0011】
図1は、NAND型フラッシュメモリ装置の電気的構成をブロック図によって概略的に示している。この図1に示すように、NAND型フラッシュメモリ装置Dは、多数のメモリセルをマトリクス状に配設して構成されたメモリセルアレイArと、このメモリセルアレイArの各メモリセルの読出/書込/消去処理を行う周辺回路PCとを備えており、その他図示しない入出力インタフェース回路などを備えて構成される。尚、メモリセルアレイArはメモリセル領域M内に構成され、周辺回路PCは周辺回路領域P内に構成される。
【0012】
メモリセル領域M内のメモリセルアレイArは、セルユニットUCが多数配設されることによって構成されている。セルユニットUCは、ビット線BL側にそれぞれ接続された選択ゲートトランジスタSTDと、ソース線SL側に接続された選択ゲートトランジスタSTSと、これら2個の選択ゲートトランジスタSTD−STS間にm個直列接続されたメモリセルトランジスタMTとからなる。
【0013】
これらのセルユニットUCは行方向(図1中左右方向)にn列並列に配列され、これによって1つのブロックが構成されている。メモリセルアレイArは、当該ブロックのセルユニットUCが列方向(図1中上下方向)に複数配列されることによって構成されている。尚、説明の簡略化のため、図1には1つのブロックのみを示している。
【0014】
周辺回路領域Pの周辺回路PCは、メモリセル領域MのメモリセルアレイArの周囲に配置形成されている。周辺回路PCは、アドレスデコーダADC、センスアンプSA、チャージポンプ回路により構成された昇圧回路BS、および転送トランジスタ部WTBなどから構成されている。アドレスデコーダADCは、昇圧回路BSを介して転送トランジスタ部WTBに接続されている。
【0015】
アドレスデコーダADCは、外部からアドレス信号が与えられると、対応するブロックを選択する選択信号SELを出力する。昇圧回路BSは、外部から駆動電圧が供給され、これを昇圧して転送ゲート線TGを介して転送ゲートトランジスタWTGD、WTGSおよびWTにゲート電圧を与える。
【0016】
転送トランジスタ部WTBは、選択ゲートトランジスタSTDに対応して構成された転送ゲートトランジスタWTGDと、転送ゲートトランジスタSTSに対応して構成された転送ゲートトランジスタWTGSと、各メモリセルトランジスタMTに対応してそれぞれ構成されたワード線転送ゲートトランジスタWTとを備えて構成される。
【0017】
転送ゲートトランジスタWTGDは、ドレイン/ソースのうち一方が選択ゲートドライバ線SG2に接続されており、他方が選択ゲート線SGLDに接続されている。転送ゲートトランジスタWTGSは、ドレイン/ソースのうち一方が選択ゲートドライバ線SG1に接続されており、他方が選択ゲート線SGLSに接続されている。また、ワード線転送ゲートトランジスタWTは、ドレイン/ソースのうち一方がワード線駆動信号線WDLにそれぞれ接続されており、他方がメモリセルアレイAr内に構成されるワード線WLにそれぞれ接続されている。
【0018】
選択ゲートトランジスタSTDは、行方向に配列された複数のセルユニットUCのゲート電極同士が選択ゲート線SGLDにより共通接続されている。同様に、選択ゲートトランジスタSTSも、行方向に配列された複数のセルユニットUCのゲート電極同士が選択ゲート線SGLSにより共通接続されている。各選択ゲートトランジスタSTSのソースはソース線SLに共通接続されている。
【0019】
各転送ゲートトランジスタWTGD、WTGS、WTは、ゲート電極同士が転送ゲート線TGにより共通に接続され昇圧回路BSに接続されている。センスアンプSAは、各ビット線BLに接続されており、データの読出時に当該データを一時的に保存するラッチ回路を接続している。
【0020】
次に、前記した電気的構成の平面的なレイアウトパターンについて図2、図3を参照して説明する。図2はメモリセル領域の一部を示すもので、選択ゲートトランジスタSTDと隣接するブロックの選択ゲートトランジスタSTDが配置された部分を含んだレイアウトパターンを平面図により示している。
【0021】
図2に示すように、複数の素子分離領域Sbが列方向に沿って互いに平行に形成されており、これらは行方向に所定間隔で配設されている。これらの複数の素子分離領域Sbが形成されることによって、複数の活性領域Saが列方向に沿って形成されると共に互いに行方向に分離されている。
【0022】
ワード線WLは行方向に配列された複数のセルユニットUCのメモリセルトランジスタMTのゲート電極MGを互いに共通接続している。このワード線WLは、活性領域Saと直交するように図2中の行方向に沿って複数形成されている。また、選択ゲート線SGLDはワード線WLに並設されており、複数の選択ゲートトランジスタSTDのゲート電極SGDを行方向に沿って接続している。
【0023】
この選択ゲート線SGLDは一対に設けられており、当該一対の選択ゲート線SGLD−SGLD間の活性領域Saには、ビット線コンタクトCBがそれぞれ形成されている。ワード線WLと交差する活性領域Sa上にはメモリセルトランジスタMTの各ゲート電極MGが形成されており、選択ゲート線SGLDと交差する活性領域Sa上には選択ゲートトランジスタSTDのゲート電極SGDが構成されている。
【0024】
図3(a)、図3(b)は周辺回路領域のトランジスタのレイアウトパターンを平面図で示している。周辺回路領域P内のトランジスタとしては、図1の構成で説明した転送ゲートトランジスタWTGD,WTGS,WTに加えて、図示しない低電圧トランジスタがある。これらの周辺トランジスタPTは、平面レイアウトではほぼ同じパターンに形成されている。
【0025】
これらの周辺トランジスタPTは、STI構造の素子分離領域Sbが矩形状をなす活性領域Saを囲うように形成されている。そして、一の周辺トランジスタPTの活性領域Saは、他の周辺トランジスタPTの活性領域Saとの間が素子分離領域Sbによって分離されている。ゲート電極PGは、活性領域Saを横切って素子分離領域Sbに渡って形成されている。また、図示しないが、周辺回路領域Pには回路素子として容量性素子や抵抗素子などが構成されている。
【0026】
図4(a)〜図4(e)は、それぞれ図2、図3中の切断線4A−4A〜4E−4Eで切断した部分の模式的な断面図を示している。具体的には、図4(a)はワード線WLに沿って切断して示す断面図であり、図4(b)は活性領域Saに沿って切断したメモリセルトランジスタMTのゲート電極MG部分の断面図を示している。
【0027】
図4(c)、図4(d)は周辺回路領域Pの特に低電圧回路領域PLにおける要部の断面図、図4(e)は周辺回路領域Pの特に高電圧回路領域PHにおける要部の断面図を模式的に示している。また、図5は、メモリセル領域M内の素子構造を3次元的に表した斜視図を示している。
【0028】
図4(a)を参照して断面構造を説明する。半導体基板(例えばシリコン基板)1には素子分離溝2が形成されており、この素子分離溝2が活性領域Saを複数に分離する。これらの活性領域Sa上にはトンネル絶縁膜3が形成されている。このトンネル絶縁膜3は、活性領域Sa上において半導体基板1の上面上に沿って形成されると共に活性領域Saの側面において素子分離溝2の内面に沿って形成されている。これにより、トンネル絶縁膜3は活性領域Saの上面および側面を囲うように形成されている。このトンネル絶縁膜3は例えばシリコン酸化膜により形成されている。
【0029】
電荷トラップ膜4がこのトンネル絶縁膜3の上面上に沿って形成されている。この電荷トラップ膜4は素子分離溝2内においてトンネル絶縁膜3上に沿って形成されており、活性領域Saの上面および側面を囲うように構成されている。この電荷トラップ膜4は例えばシリコン窒化膜により構成され、特に活性領域Saの上方および上側方に位置する膜部が主に電荷を蓄積するメモリセル構造となっている。
【0030】
ブロック膜5がこの電荷トラップ膜4の上面上に沿って形成されている。本実施形態では、このブロック膜5は素子分離溝2内において電荷トラップ膜4上に沿って形成されており、活性領域Saの上面および側面を囲うように構成されている。このブロック膜5は例えばシリコン酸化膜により構成され、特に電荷トラップ膜4から上方に電荷の放出を防止する機能を備える。
【0031】
メモリセル領域Mにおいて、素子分離溝2はその深さがその幅よりも格段に大きく形成されており、素子分離溝2内は、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5による3種の機能膜により全て埋込まれている。素子分離領域Sbはこれらの3種の膜のみにより構成されており例えばHDP膜など他種膜は埋込まれていない。ブロック膜5上には多結晶シリコン層6、7が形成されている。この多結晶シリコン層6、7は、リン(P)ドープ型の多結晶シリコンである。多結晶シリコン層6、7の上には金属シリサイド層8が形成されている。
【0032】
このような構造により、半導体基板1の活性領域Saの上面にトンネル絶縁膜3を介して複数のゲート電極MGが所定間隔を存して配置されている。すなわち、各ゲート電極MGは、トンネル絶縁膜3上に、電荷蓄積層としての電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6、7、金属シリサイド層8を積層した構成とされている。制御ゲート電極CGは、多結晶シリコン層6、7および金属シリサイド層8の積層構造によって構成されている。このような構造はSONOS(Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Substrate)セルと称される。
【0033】
図4(b)に示す断面図を参照して構造を説明する。図4(b)に示す断面において、半導体基板1上には、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6、7、金属シリサイド層8が順次積層されているが、これらの積層構造3〜8は、この断面では複数に分断されており、特に複数の積層構造3〜7の側面はそれぞれ面一に形成されている。層間絶縁膜となるシリコン酸化膜14が複数の積層構造3〜8間にそれぞれ埋込まれている。図4(c)、図4(d)を参照しながら低電圧回路領域PL内における断面構造を説明する。
【0034】
図4(c)、図4(d)は、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PL内における断面構造を模式的に示している。図4(c)に示すように、半導体基板1の上面上にはゲート絶縁膜10が形成されており、このゲート絶縁膜10の上には、リン(P)ドープ型の多結晶シリコン層12、7、金属シリサイド層8が順に形成されており、これらの構造を主としてゲート電極PGが構成されている。多結晶シリコン層12および7間には,下から順にトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5、多結晶シリコン層6が順に形成されている。
【0035】
複数のゲート電極PG−PG間には、素子分離膜としてのHDP(High Density Plasma enhanced chemical vapor deposition silicon oxide)膜11が形成されている。このHDP膜11は、周辺回路領域Pの素子分離溝2内の全領域に埋込まれると共に、半導体基板1の上面から上方に突出して構成されている。このHDP膜11の上面は多結晶シリコン層12の上面とほぼ同一の高さに形成されている。
【0036】
複数のゲート電極PG−PG間には、HDP膜11の上面上に位置して、シリコン酸化膜14、15、シリコン窒化膜16、TEOS(Tetra Ethoxy silane)/O3膜17が構成されている。シリコン酸化膜14は、積層膜3〜7の側面および金属シリサイド層8の側面下部に沿って形成されている。また、シリコン酸化膜15は、シリコン酸化膜14の外側面に沿って形成されている。また、シリコン窒化膜16は、シリコン酸化膜15の外側面に沿って形成されると共にシリコン酸化膜14、15の上面に沿って形成されている。図4(d)に示す断面構造においては、ゲート電極PGの脇に拡散層(図示せず)が例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造によって形成されている。
【0037】
図4(e)は、周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH内における断面構造を模式的に示している。この図4(e)に示すように、高電圧回路領域PH内のゲート電極PGの構造は、図4(c)に示すゲート電極PGの断面構造とほぼ同様の構造をなしているが、厚いゲート絶縁膜13がゲート絶縁膜10に代えて構成されている。ゲート絶縁膜13はシリコン熱酸化膜を備えて構成されている。ゲート絶縁膜13は、その下面の位置がゲート絶縁膜10の下面の位置よりも低い位置に形成されている。
【0038】
図5は、メモリセル領域M内のメモリセルトランジスタMTの構造を斜視図によって示している。この図5に示すように、ワード線WLは行方向に沿って各メモリセルゲート電極MGの制御ゲート電極CGを連結して構成されている。これらのワード線WLによる連結構造は列方向に分断されている。
【0039】
トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5による積層絶縁膜Bは素子分離溝2の内面に沿って形成されているが、この積層絶縁膜Bは素子分離溝2内面に沿って列方向に延伸している。この積層絶縁膜Bは、各メモリセルトランジスタMTのゲート電極MG−MG間の活性領域Saの上面上において分断されている。また、この積層絶縁膜Bは素子分離領域Sb上において一部除去されている。
【0040】
上記構造の製造方法について説明する。本実施形態では、メモリセル領域Mにおいて素子分離溝2内をトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5の積層構造によって埋込み、周辺回路領域Pにおいて素子分離溝2内をHDP膜11で埋込む実施形態を示す。以下、図6(a)〜図6(e)に示す構造の製造方法を説明する。
【0041】
半導体基板1にイオン注入することでウェルおよびチャネル領域(何れも図示せず)を形成する。次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLを第1深さ(例えば40nm)、高電圧回路領域PHを第2深さ(>第1深さ:例えば70nm)だけ、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング(RIE)技術により半導体基板1の上面をエッチング処理する。次に、半導体基板1の全面に高電圧回路領域PHのゲート絶縁膜13としてシリコン熱酸化膜を第1所定膜厚(例えば26nm)形成する。次に、リソグラフィ技術およびウェットエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH以外のゲート絶縁膜13を除去処理する。
【0042】
次に、周辺回路領域P内における低電圧回路領域PLのゲート絶縁膜10を第2所定膜厚(例えば、6nm)形成する。これにより周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHでは、第1所定膜厚より厚い第3所定膜厚(例えば、30nm)のゲート絶縁膜13を形成できる。また、低電圧回路領域PLおよびメモリセル領域M内では、第2所定膜厚のゲート絶縁膜10を形成できる。
【0043】
次に、ゲート電極PGの一部となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層12を所定膜厚(例えば40nm)形成する。次に、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHおよび低電圧回路領域PLにおいて素子分離溝2を形成し、HDP膜11で完全に埋込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化処理を行い、周辺回路領域Pのシャロートレンチアイソレーション(STI)を形成する。
【0044】
図7(a)〜図7(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域Mの多結晶シリコン層12を除去処理する。次に、半導体基板1の全面にシリコン窒化膜18を所定膜厚(例えば10nm)形成し、ハードマスク19をPECVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によりTEOSガスを用いて所定膜厚(例えば100nm)形成する。
【0045】
次に、図8(a)〜図8(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域M内のハードマスク19に素子分離溝2の形成用のパターンを形成する。尚、このパターンを形成するときに通常のリソグラフィの限界を超えるリソグラフィ技術を必要とするときには、側壁転写技術を適用してパターニングすると良い。
【0046】
次に、ハードマスク19をマスクとしてシリコン窒化膜18から半導体基板1までを反応性イオンエッチングにより加工し、STI構造の素子分離領域Sbを構成するための素子分離溝2を形成する。次に、ハードマスク19の残存膜をウェットエッチング、または、ドライエッチング処理を行うことで除去し、シリコン窒化膜18をウェットエッチング処理によって除去する。
【0047】
このような工程を経て、メモリセル領域Mでは、電荷トラップ膜4を形成するための半導体基板1の表面を露出させることができ、周辺回路領域Pではゲート電極PGの一部となるリンドープ多結晶シリコン層12の表面を露出させることができる。
【0048】
次に、図9(a)〜図9(e)に示す構造の製造方法を説明する。半導体基板1の表面全体にトンネル絶縁膜3(トンネル誘電体膜)となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば5nm)形成し、電荷を保持する電荷トラップ膜4を構成するシリコン窒化膜を所定膜厚(例えば4nm)形成し、電荷トラップ膜4から制御ゲート電極CG側に電荷漏洩を抑制するためのブロック膜5となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば8nm)形成する。このとき、これらの3種の機能膜によって素子分離溝2内を完全に埋込むように形成する。これらの絶縁膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法を適用して形成できる。また、前記のシリコン酸化膜に代えてSiO/SiN/SiO積層膜にしても良く、所望の性能を得るための膜構成を適用できる。
【0049】
電荷トラップ膜4としてシリコン窒化膜を適用したときにはシリコンリッチな組成を適用すると良い。シリコンリッチなシリコン窒化膜は、ALD法、あるいは、Si2H6/NH3系のLP−CVD法、あるいは、SiH2Cl2/NH3系のCVD法においてSiH2Cl2ガスを過剰な条件として適用することで成膜できる。このとき、活性領域Saの上方における電荷トラップ膜4の上面と素子分離領域Sbの上方におけるブロック膜5の上面の高さは自動的にほぼ等しくなる。
【0050】
次に、メモリセルトランジスタMTのゲート電極MGの基層となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層6を所定膜厚(例えば20nm)形成する。このとき、多結晶シリコン層6の形状はほぼ平坦(例えば平板状)の形状とされ、ゲート電極MGの形状が凸型、または、凹型になることで発生する書込消去速度のばらつきを抑制することができる。
【0051】
次に、図10(a)〜図10(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、メモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)内の多結晶シリコン層6を部分的に除去処理し、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3に対し多結晶シリコン層12の上面まで貫通する穴を形成する。次に、半導体基板1の全面にリン(P)ドープ多結晶シリコン層7を成膜し、周辺回路領域P(PL、PH)のリン(P)ドープ多結晶シリコン層6と構造的に接続するように形成する。次に、半導体基板1の全面にゲート加工用のマスクとなるシリコン窒化膜20を形成する。
【0052】
次に、図11(a)〜図11(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、シリコン窒化膜20、リン(P)ドープ多結晶シリコン層7、6、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3、リン(P)ドープ多結晶シリコン層12を加工し、メモリセルトランジスタMTの制御ゲート電極CGのパターン、周辺トランジスタPTのゲート電極PGのパターンを形成する。ここで、電荷トラップ膜4であるシリコン窒化膜も完全に分離するように形成すると良い。これは、電荷トラップ膜4が隣接メモリセル間で分離していると、トラップ電荷が隣接するメモリセルトランジスタMT間で移動しないためである。これにより良好なデータリテンション特性を実現できる。
【0053】
次に、図12(a)〜図12(e)に示すように、サイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜14をALD法により所定膜厚(3nm)形成し、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて拡散層(図示せず)の不純物を注入する。このとき、拡散層はNANDストリングの両端に位置するビット線コンタクトCB、ソース線コンタクトのソース/ドレイン領域のみ形成し、メモリセル領域M内においてはソース/ドレインレス構造にすると良い。これは、メモリセルトランジスタMTのショートチャネル効果の抑制やメモリセルトランジスタMTの動作時に非選択メモリセルに電荷が書き込まれるリードディスターブ/プログラムディスターブ対策になるためである。
【0054】
次に、半導体基板1の全面に周辺回路領域Pの周辺トランジスタPTのサイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜15をLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜15はHTO膜、TEOS膜とすると良い。
【0055】
次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を適用し、ビット線コンタクトCBの形成領域、ソース線コンタクトの形成領域、周辺トランジスタPTの拡散層(図示せず)を形成する。例えば,周辺回路領域P(PL、PH)における不純物の拡散層を形成する工程では、微細化に伴うトランジスタ動作不良の要因であるショートチャネル効果を抑制するため、側壁絶縁膜14、15を用いて自己整合的にイオン注入を行うことでLDD構造に形成すると良い。
【0056】
次に、半導体基板1の全面にバリア窒化膜となるシリコン窒化膜16を形成し、PMD(Pre-Metal-Dielectric)となるTEOS/O3膜17を埋込み、CMP法によりシリコン窒化膜16をストッパとしてTEOS/O3膜17を平坦化する。
【0057】
次に、反応性イオンエッチング法により多結晶シリコン層7上のシリコン窒化膜20、16を除去し、半導体基板1の全面に金属をPVD法により形成し、シリサイデーションアニールを行うことによって金属シリサイド層8を形成する。以上の工程を経て、メモリセルトランジスタMTおよび周辺トランジスタPTが形成される。以降の工程は、通常のフラッシュメモリと同様の多層配線工程を行うことになるが、本実施形態の特徴部分とは関係しないためその説明を省略する。
【0058】
従来の素子分離領域に素子分離用の絶縁膜を埋め込む構造では、リソグラフィ技術および異方性エッチング処理のばらつきで素子によって素子分離溝内の埋め込み絶縁膜の高さがばらつくことが予測される。するとメモリセルの素子特性も素子毎にばらついてしまうことになるため素子特性を一定に保つには厳しいプロセス制御が必要になる。
【0059】
これに対して本実施形態によれば、素子分離溝2内がトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5により全て埋め込まれているため、各メモリセルトランジスタMTの活性領域Sa間の素子分離溝2に埋め込まれる積層絶縁膜B(トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5)の上面高さを極力一定とすることができ、制御ゲート電極CGと活性領域Saとの間の距離を極力一定にすることができる。したがって、各メモリセルトランジスタMTの印加電圧を極力一定にできる。すなわち、複数のメモリセルトランジスタMTの素子特性のばらつき、具体的には書込消去特性のばらつきを極力抑制できる。
【0060】
積層絶縁膜Bが素子分離溝2の内面に沿って形成されているため、電荷が電荷トラップ膜4を介して隣接するメモリセルトランジスタMT側に漏出することを極力抑制できる。
電荷トラップ膜4が、メモリセル領域MのSTI構造の素子分離領域Sb内に埋め込まれており電荷をトラップ可能に構成しているため、隣接メモリセルトランジスタMT間のSTI耐圧を改善することができる。なお、これは、設計ルールが極小化しSTI耐圧を確保する上で極めて有効となる。
【0061】
STI構造の素子分離領域Sbの高さを一定にできるため、メモリセルトランジスタMTの書込/消去特性を安定化させることができる。また、メモリセル領域Mの素子分離溝2内をHDP膜などにより埋込む工程を不要にできる。
【0062】
周辺回路領域P(PL、PH)では、周辺トランジスタPTが素子分離溝2によって分離形成されており、HDP膜11が素子分離溝2内に埋込み形成されているため、周辺回路領域Sbにおける幅広の素子分離領域Sbを容易に埋め込むことができる。
【0063】
微細な素子分離領域Sbの素子分離溝2内を埋込みつつ理想的な平面セル構造を実現することができるので、フラッシュメモリの継続的な微細化によるビット密度向上による更なるアプリケーション拡大が期待できる。
【0064】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図13〜図20を参照して説明する。図13(a)〜図13(e)は、それぞれ、図4(a)〜図4(e)に対応した断面図を示している。図14は、図5に対応した斜視図を示している。これらのうち、前述実施形態と主に異なるところは、メモリセル領域M内において、半導体基板1とトンネル絶縁膜3との間にゲート絶縁膜3aとフローティングゲート電極FGとなる多結晶シリコン層(導電膜に相当)21とが積層されているところにある。
【0065】
例えば、制御回路がメモリセルトランジスタMTにデータを書込むときには、電荷トラップ膜4に電子をトラップさせる。このとき電子は活性領域Saからフローティングゲート電極FGを経由して電荷トラップ膜4に移動することになる。このため、活性領域Saから注入された電子をフローティングゲート電極FGの作用によって上方および上側方に向けて分散させることができる。
【0066】
したがって、トラップ電子はフローティングゲート電極FGの上側に拡散して貯留することになり、電荷トラップ膜4に対する局所的な電荷蓄積を防ぐことができる。電荷トラップ膜4の一部分に電子が集中して貯留してしまうと、当該集中部分からブロック膜5側に電子が抜けやすくなることが推定されている。本実施形態の構造を適用すれば、電子が電荷トラップ膜4に拡散して貯留することになるため、電荷保持特性を良好にできる。
【0067】
以下、製造方法を説明する。まず、図15(a)〜図15(e)に示す構造の製造方法を示す。
半導体基板1にイオン注入によりウェルおよびチャネル領域(図示せず)を形成する。次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLを所定深さ(例えば40nm)、高電圧回路領域PHを第2所定深さ(>第1所定深さ:例えば80nm)だけ、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング(RIE)技術によりリセスする。
【0068】
次に、半導体基板1の全面に高電圧回路領域PHのゲート絶縁膜10となるシリコン熱酸化膜を第1所定膜厚(例えば26nm)形成し、リソグラフィ技術およびウェットエッチング技術により周辺回路領域Pの高電圧回路領域PH以外のシリコン熱酸化膜を除去処理する。
【0069】
次に、周辺回路領域Pの低電圧回路領域PLのゲート絶縁膜13を第2所定膜厚(例えば6nm)形成する。これにより、周辺回路領域Pの高電圧回路領域PHでは第1所定膜厚より厚い第3所定膜厚(例えば30nm)のゲート絶縁膜13を形成できる。また低電圧回路領域PLおよびメモリセル領域M内では、第2所定膜厚のゲート絶縁膜10を形成できる。
【0070】
次に、ゲート電極PGの一部となるリン(P)ドープ多結晶シリコン層12を所定膜厚(例えば40nm)形成する。次に、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング法により、周辺回路領域P(PL、PH)の素子分離領域Sbとなる素子分離溝2を形成し、NSG膜11aで完全に埋込みCMP法により平坦化処理を行い、周辺回路領域PにおいてSTI構造の素子分離領域Sbを形成する。次に、半導体基板1の上方全面(多結晶シリコン層12の上面およびNSG膜11aの上面)上にシリコン窒化膜22を所定膜厚(例えば10nm)形成する。
【0071】
次に、図16(a)〜図16(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング法によりメモリセル領域Mのシリコン窒化膜22、多結晶シリコン層12、ゲート絶縁膜10を除去処理する。
【0072】
次に、半導体基板1を熱酸化処理することで特にメモリセル領域Mの半導体基板1の上面にトンネル絶縁膜3aとなるシリコン酸化膜を所定膜厚(4nm)形成し、フローティングゲート電極FGとなるリン(P)ドープ多結晶シリコン層21を所定膜厚(例えば15nm)、ハードマスクとの緩衝層となるシリコン窒化膜23を所定膜厚(例えば5nm)、順次形成する。
【0073】
次に、周辺回路領域P(PL、PH)内では、多結晶シリコン層21およびシリコン窒化膜23がシリコン窒化膜22上に順次積層されるため、当該領域P内のシリコン窒化膜23および多結晶シリコン層21をリソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により除去する。次に、半導体基板1の全面(シリコン窒化膜22、23の上面)上にハードマスクとなるBSG膜24をLPCVD法により所定膜厚(例えば100nm)形成する。
【0074】
次に、図17(a)〜図17(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりBSG膜24を加工し、メモリセル領域Mの活性領域Saの上方に位置するパターンを形成する。尚、このパターンを形成するときに、通常のリソグラフィの限界を超えるリソグラフィ技術を必要とするときには、側壁転写技術(Double Patterning、あるいは、Quadruple Patterning技術)を適用してパターニングすると良い。次に、BSG膜24のパターンを転写することで、シリコン窒化膜23、多結晶シリコン層21、トンネル絶縁膜3a、半導体基板1の上部に素子分離溝2を形成する。この素子分離溝2はSTI構造の素子分離領域Sbを構成するための溝となる。
【0075】
次に、BSG膜24を弗酸ベーパーエッチング処理によって除去処理し、シリコン窒化膜22、23をウェットエッチング処理によって除去処理する。このような工程を経て、メモリセル領域M内では、フローティングゲート電極FGとなる多結晶シリコン層21の上面および側面が露出するようになり、トンネル絶縁膜3aの側面も露出する。また、周辺回路領域P(PL、PH)ではゲート電極PGの一部となる多結晶シリコン層12の上面が露出する。
【0076】
次に、図18(a)〜図18(e)に示すように、半導体基板1の全面にSONOSセルのトンネル絶縁膜3となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば4nm)、電荷を蓄積する電荷トラップ膜4となるシリコン窒化膜を所定膜厚(例えば5nm)、電荷トラップ膜4から制御ゲート電極CG側にチャージ漏洩を抑制するためのブロック膜5となるシリコン酸化膜を所定膜厚(例えば6nm)だけ順次形成する。このとき、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5によりメモリセル領域M内の素子分離溝2内を完全に埋め込むことができる。これらのトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5はCVD法、ALD法により成膜できる。
【0077】
メモリセル領域Mの素子分離溝2内には他の機能膜が埋め込まれないので、ブロック膜5の上面を平坦に形成することができる。すなわち、ブロック膜5の上面は、素子分離領域Sbの上方、活性領域Saの上方に渡りほぼ高さが同じに形成され平坦に構成されている。
【0078】
次に、メモリセル領域Mの制御ゲート電極CGを構成する多結晶シリコン層6を所定膜厚(例えば20nm)形成する。ブロック膜5の上面が平坦に形成され、多結晶シリコン層6の下面も平坦に形成される。多結晶シリコン層6の下面とメモリセルトランジスタMTの各活性領域Saとの間の距離が互いにほぼ等しくなるため、各メモリセルトランジスタMT毎の書込速度、消去速度のばらつきを抑制することができ、書込時間、消去時間、読出時間等の電気的制御時間を各メモリセルトランジスタMT間でほぼ一定にできる。
【0079】
次に、図19(a)〜図19(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術によりメモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)の多結晶シリコン層6を部分的に除去処理し、さらに、メモリセル領域M以外の周辺回路領域P(PL、PH)内のブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3を構成するONO膜を部分的に除去処理する。
【0080】
次に、半導体基板1の全面(多結晶シリコン層6の上面、側面、多結晶シリコン層12の上面等)の上に、ボロン(B)ドープ多結晶シリコン層7aを形成し、周辺回路領域P(PL、PH)の多結晶シリコン層12の上面に構造的に接続する。次に、半導体基板1の全面(多結晶シリコン層7aの上面)上に、ゲート加工のマスクとなるシリコン窒化膜20を形成する。
【0081】
次に、図20(a)〜図20(e)に示すように、リソグラフィ技術および反応性イオンエッチング技術により、シリコン窒化膜20の上面上にレジスト(図示せず)をパターニングし、ボロン(B)ドープ多結晶シリコン層7a、多結晶シリコン層6、ブロック膜5、電荷トラップ膜4、トンネル絶縁膜3、メモリセル領域Mのリン(P)ドープ多結晶シリコン層21、周辺回路領域Pの多結晶シリコン層12に転写する。この工程を行うことで、メモリセル領域Mの制御ゲート電極CGのパターン、および、周辺回路領域PのトランジスタPTのゲート電極PGのパターンを形成する。
【0082】
次に、図13(a)〜図13(e)に示すように、サイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜14を所定膜厚(例えば3nm)だけLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜14はHTO膜とすると良い。次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて拡散層(図示せず)を形成する。この拡散層は、NANDストリングの両端に位置するビット線コンタクト領域、ソース線コンタクト領域のみ形成し、メモリセル領域M内はソース/ドレインレス構造とすると良い。
【0083】
これは、メモリセルトランジスタMTのショートチャネル効果の抑制やメモリセルトランジスタMTの動作時に非選択メモリセルに電荷が書き込まれるリードディスターブ/プログラムディスターブの対策になるためである。
【0084】
次に、半導体基板1の全面に周辺回路領域Pのサイドウォールスペーサとなるシリコン酸化膜15をLPCVD法により形成する。このシリコン酸化膜15はHTO膜、TEOS膜等で形成すると良い。次に、リソグラフィ技術およびイオン注入技術を用いて周辺トランジスタPTの拡散層(図示せず)を形成する。例えば,周辺回路領域P(PL、PH)における不純物の拡散層を形成する工程では、微細化に伴うトランジスタ動作不良の要因であるショートチャネル効果を抑制するため、側壁絶縁膜14、15等を用いて自己整合的にイオン注入を行うことでLDD構造に形成すると良い。
【0085】
次に、半導体基板1の全面にバリア膜となるシリコン窒化膜16を形成し、PMDとなるBPSG膜17aを形成し、CMP法によりシリコン窒化膜16をストッパとして平坦化処理する。
【0086】
次に、周辺回路領域Pおよびメモリセル領域M内において、反応性イオンエッチング法により多結晶シリコン層7aの上のシリコン窒化膜20を除去処理し、半導体基板1の全面にメタルをPVD法により形成し、シリサイデーションアニールを行うことで金属シリサイド層8を形成する。以降の工程では、通常のフラッシュメモリと同様の多層配線工程を行うことになるが、本実施形態の特徴とは関係しないため説明を省略する。
【0087】
本実施形態によれば、多結晶シリコン層21が半導体基板1の上面に形成されたトンネル絶縁膜3aを介してフローティングゲート電極FGを構成し、当該フローティングゲート電極FGを介してトンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5が順次積層されている。このとき、ブロック膜5の上面の高さが活性領域Saの上方および素子分離領域Sbの上方に渡ってほぼ同一高さで形成できるため、制御ゲート電極CGを構成する多結晶シリコン層6の下面と各メモリセルトランジスタMTの活性領域Saとの間の距離をほぼ同一とすることができ、各メモリセルトランジスタMTの書込速度、消去速度をほぼ一定とすることができる。
【0088】
また、フローティングゲート電極FGがトンネル絶縁膜3a上に形成されているため、電荷がデータ書込時に活性領域Saから電荷トラップ膜4に注入されるときに、フローティングゲート電極FGによって上方に拡散された状態で電荷トラップ膜4に拡散注入されるようになり、電荷が電荷トラップ膜4の一部領域に対し集中的に注入することを抑制でき、電荷トラップ膜4のストレスを緩和できる。
【0089】
(第3実施形態)
図21は、第3実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4のみがメモリセル領域Mの素子分離溝2内に埋め込まれているところにある。すなわち、トンネル絶縁膜3は素子分離溝2の内面に沿って形成されていると共に電荷トラップ膜4がトンネル絶縁膜3の上面上に沿って形成されているが、この素子分離溝2内にはブロック膜5が形成されていない。このような実施形態においても、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0090】
なお、この第3実施形態では多結晶シリコン層21がゲート絶縁膜3a上に形成されている実施形態を示しているが、第1実施形態に示したように、多結晶シリコン層21、ゲート絶縁膜3aが形成されていない形態に適用しても良い。
【0091】
(他の実施形態)
前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
前記した実施形態に記載した材料系、膜厚、加工方法に限定されるものではなく、様々な材料系、膜厚、加工方法を適用できる。例えば半導体基板1としては、SOI(Silicon On Insulator)基板を適用して構成しても良い。
【0092】
前述実施形態においては、積層絶縁膜(トンネル絶縁膜3、電荷トラップ膜4、ブロック膜5)としてシリコン酸化膜−シリコン窒化膜−シリコン酸化膜の構造を適用しているが、1nm程度のシリコン酸化膜間に1nm〜2nm程度の直径のシリコン微結晶を分散させた構造を適用しても良い。
また、金属シリサイド層8としてはタングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、白金ニッケルシリサイドなどを適用できるが、また多結晶シリコン層7、7a上にバリアメタルを介してメタル(例えばタングステン)を形成したポリメタル電極を適用しても良い。
【0093】
NAND型フラッシュメモリ装置Dに適用した場合を示したが、例えばMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Substrate)構造の電荷蓄積層を備えたNOR型やAND型フラッシュメモリ装置やその他電荷トラップ膜4を有する構造の不揮発性半導体記憶装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
図面中、1は半導体基板、2は素子分離溝、3、3aはトンネル絶縁膜、4は電荷トラップ膜、5はブロック膜、11はHDP膜(素子分離膜)、11aはNSG膜(素子分離膜)、21は多結晶シリコン層(導電膜)、Saは活性領域、Sbは素子分離領域、Pは周辺回路領域、Mはメモリセル領域、PLは低電圧回路領域、PHは高電圧回路領域、FGはフローティングゲート電極、Dはフラッシュメモリ装置(不揮発性半導体記憶装置)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性領域が第1素子分離溝によって互いに第1方向に分離して形成された複数のメモリセルトランジスタであって、それぞれ、前記活性領域の上面上または上方にトンネル絶縁膜を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜を備えた複数のメモリセルトランジスタと、
前記トンネル絶縁膜および前記電荷トラップ膜を少なくとも含んで構成され、前記トンネル絶縁膜が前記第1素子分離溝の内面に沿って形成されると共に前記電荷トラップ膜がトンネル絶縁膜の上面に沿って積層された積層絶縁膜であって、前記第1素子分離溝内の全領域に埋込まれた積層絶縁膜とを備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数のメモリセルトランジスタは、前記活性領域の上面および前記電荷トラップ膜間にフローティングゲート電極となる導電膜を備えたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記積層絶縁膜は、前記電荷トラップ膜上面上に沿って形成されたブロック膜を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
メモリセル領域の前記複数のメモリセルトランジスタを駆動する周辺トランジスタが第2素子分離溝により分離形成された周辺回路領域を備え、
前記周辺回路領域には、前記第2素子分離溝内に前記積層絶縁膜とは異なる材質の絶縁膜が埋込み形成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数のメモリセルトランジスタは、前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向にマトリクス状に配設され、
前記活性領域、前記素子分離溝および前記積層絶縁膜は、それぞれ、前記第2方向に沿って形成され、
前記積層絶縁膜を構成する電荷トラップ膜は、前記素子分離溝内で前記第2方向に沿って形成されると共に、前記活性領域上面上または上方では前記第2方向の複数のメモリセルトランジスタ間で分断されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項1】
活性領域が第1素子分離溝によって互いに第1方向に分離して形成された複数のメモリセルトランジスタであって、それぞれ、前記活性領域の上面上または上方にトンネル絶縁膜を介して電荷蓄積機能を有する電荷トラップ膜を備えた複数のメモリセルトランジスタと、
前記トンネル絶縁膜および前記電荷トラップ膜を少なくとも含んで構成され、前記トンネル絶縁膜が前記第1素子分離溝の内面に沿って形成されると共に前記電荷トラップ膜がトンネル絶縁膜の上面に沿って積層された積層絶縁膜であって、前記第1素子分離溝内の全領域に埋込まれた積層絶縁膜とを備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数のメモリセルトランジスタは、前記活性領域の上面および前記電荷トラップ膜間にフローティングゲート電極となる導電膜を備えたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記積層絶縁膜は、前記電荷トラップ膜上面上に沿って形成されたブロック膜を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
メモリセル領域の前記複数のメモリセルトランジスタを駆動する周辺トランジスタが第2素子分離溝により分離形成された周辺回路領域を備え、
前記周辺回路領域には、前記第2素子分離溝内に前記積層絶縁膜とは異なる材質の絶縁膜が埋込み形成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数のメモリセルトランジスタは、前記第1方向および前記第1方向に交差する第2方向にマトリクス状に配設され、
前記活性領域、前記素子分離溝および前記積層絶縁膜は、それぞれ、前記第2方向に沿って形成され、
前記積層絶縁膜を構成する電荷トラップ膜は、前記素子分離溝内で前記第2方向に沿って形成されると共に、前記活性領域上面上または上方では前記第2方向の複数のメモリセルトランジスタ間で分断されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−233677(P2011−233677A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102040(P2010−102040)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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