説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】好適な特性を有するゲート絶縁膜及びゲート電極からなるP型FET及びN型FETを備える半導体装置を提供する。
【解決手段】P型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにわたって、基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上にP型FET用のゲート電極層を形成し、P型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにおいて、P型FET用のゲート電極層を加工することにより、P型FET形成予定領域にP型FET用のゲート電極を形成すると共に、N型FET形成予定領域にダミーゲート電極を形成し、N型FET形成予定領域において、ゲート絶縁膜上からダミーゲート電極を除去することにより、溝を形成し、溝にゲート電極材料を埋め込むことにより、ゲート絶縁膜上にN型FET用のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法、例えば高誘電率ゲート絶縁膜(high−kゲート絶縁膜)及びメタルゲート電極(金属系ゲート電極)からなるPMOSFET及びNMOSFETを備える半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、最も広く使用されているトランジスタは、MOSFET等のFET(電界効果型トランジスタ)である。その中でも、PMOSFET(Pチャンネル型MOSFET)とNMOSFET(Nチャンネル型MOSFET)からなるCMOSFET(相補型MOSFET)が特に広く使用されている。
【0003】
従来のFETでは、そのゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜が広く採用されている。近年、集積回路の微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化が求められる事が多くなって来ているが、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜の薄膜化にはリーク電流増大に起因する限界が存在する。例えば、45nmノード以降のCMOSFETではシリコン酸化膜換算膜厚で1.3nm以下のゲート絶縁膜の性能が必要となるが、このような性能をシリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜の薄膜化により実現するのは困難である。従って、誘電率がシリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜よりも高い金属酸化膜や金属酸窒化膜や金属珪酸化膜や金属珪酸窒化膜等の金属系絶縁膜をゲート絶縁膜(高誘電率ゲート絶縁膜)として採用する事で、リーク電流増大を抑制しつつゲート絶縁膜を薄膜化する、という提案がなされている。
【0004】
従来のFETでは、そのゲート電極の形成材料として多結晶シリコンが広く採用されている。CMOSFETのゲート電極の形成材料として多結晶シリコンを採用する場合には通常、PMOSFETのゲート電極にホウ素やフッ化ホウ素をイオン注入し、NMOSFETのゲート電極にリンや砒素をイオン注入し、これらの不純物を活性化するために摂氏1000度以上の熱処理を実施する。
【0005】
さて、ゲート絶縁膜として高誘電率ゲート絶縁膜が採用され、ゲート電極の形成材料として多結晶シリコンが採用されたCMOSFETは、従来と同様の形成方法で形成する事が可能である。このCMOSFETでは、NMOSFETの閾値電圧は比較的適正な値を取るのに対して、PMOSFETの閾値電圧は大きく負側にシフトする。また、NMOSFETの反転容量に比べて、PMOSFETの反転容量は小さくなる。PMOSFETの閾値電圧が大きく負側にシフトし、PMOSFETの反転容量が小さくなると、PMOSFETにおいて所望のドレイン電流を確保できなくなる(非特許文献1)。
【0006】
従って、CMOSFETのゲート絶縁膜として高誘電率ゲート絶縁膜を採用する場合において、CMOSFETのゲート電極としてメタルゲート電極を採用する事で、PMOSFETの閾値電圧のシフトを抑制し、PMOSFETの反転容量を向上させる、という提案がなされている。メタルゲート電極の「メタル」という用語は、金属単体や合金やこれらの化合物(珪化物や珪窒化物や炭化物や炭窒化物等)を意味する。PMOSFETのゲート電極としてメタルゲート電極を採用する場合、メタルの仕事関数に応じて閾値電圧が変化するため、適切な仕事関数を有するメタルを用いる事で適正な閾値電圧を確保できると共に、メタルは多結晶シリコンに比べて空乏化が発生しにくいため、十分な反転容量を確保できる。
【0007】
PMOSFETのメタルゲート電極用に適切なメタルは、仕事関数が4.8eV以上のメタルであり、NMOSFETのメタルゲート電極用に適切なメタルは、仕事関数が4.3eV以下のメタルである。PMOSFETとNMOSFETのメタルゲート電極にこれらのメタルを採用すれば、従来のPMOSFETとNMOSFETのゲート電極の仕事関数が踏襲されるため、CMOSFETの設計上好都合である。PMOSFETに関して、仕事関数が4.8eV以上のW、Ru、Pt等のメタルを採用して耐熱性実験を実施したところ、摂氏1000乃至1030度の熱処理でも仕事関数を4.8eV以上に保つ事ができる事が判明した。しかしながら、NMOSFETに関して、仕事関数が4.3eV以下のTaSi、TaSiN、TaC、TaCN、TaSiCN、HfN、HfSi、HfSiN、WSi、TaHf、TaHfN等のメタルを採用して耐熱性実験を実施したところ、摂氏1000度程度のスパイク熱処理で仕事関数が4.5eV程度まで変化してしまい、仕事関数を4.3eV以下に保つ事ができない事が判明した。さらに、一部のメタルでは反応が発生したらしく、熱処理後の仕事関数を測定できなかった。従って、CMOSFETに関して高誘電率ゲート絶縁膜及びメタルゲート電極を採用する場合に、CMOSFETを従来と同様の形成方法で形成するのは困難である。摂氏1000度程度の熱処理が必要なソースドレイン拡散層の形成工程で、NMOSFETのメタルゲート電極の仕事関数が変化してしまうからである。
【0008】
従って、CMOSFETに関して高誘電率ゲート絶縁膜及びメタルゲート電極を採用する場合に、シリコン酸化膜によるダミーゲート絶縁膜及び多結晶シリコンによるダミーゲート電極を形成し、更にソースドレイン拡散層を形成した後に、ダミーゲート絶縁膜及びダミーゲート電極を除去し、本来の高誘電率ゲート絶縁膜及びメタルゲート電極を形成する「ダマシンゲート」という方法(非特許文献2、3)が提案されている。この方法ではソースドレイン拡散層を形成した後にメタルゲート電極を形成するため、摂氏1000度程度の熱処理が必要なソースドレイン拡散層の形成工程で、NMOSFETのメタルゲート電極の仕事関数が変化してしまうという事がない。
【0009】
さて、ダマシンゲートでは、多結晶シリコンによるダミーゲート電極を除去する際にシリコン酸化膜によるダミーゲート絶縁膜が損傷するため、多結晶シリコンによるダミーゲート電極を除去する際にはシリコン酸化膜によるダミーゲート絶縁膜も除去する必要がある。よって、ダマシンゲートでは、ダミーゲート電極とダミーゲート絶縁膜を除去して高誘電率ゲート絶縁膜を形成するのだが、高誘電率ゲート絶縁膜がチャネル上だけでなくサイドウォール上にも形成されるため、基板にかかる電界が従来のCMOSFETと比べて変化してしまい、CMOSFETの設計を新たにやり直す手間が生じる。さらに、高誘電率ゲート絶縁膜の膜厚分だけメタルゲート電極がエクステンション拡散層端から遠くなるため、CMOSFETのドレイン電流が低下してしまう。さらに、高誘電率ゲート絶縁膜は残留不純物除去や酸素欠損補填のために窒化処理や熱処理が実施される事でそのリーク電流が抑制される事になるのだが、ソースドレイン拡散層を形成した後に高誘電率ゲート絶縁膜を形成するダマシンゲートには、ソースドレイン拡散層表面のNiSiの凝集防止やソースドレイン拡散層内部の不純物の拡散抑制のために、高誘電率ゲート絶縁膜の形成工程を摂氏500度以下で実施すべきという制約が存在する。このような制約の存在は、高誘電率ゲート絶縁膜の膜質を向上させてそのリーク電流を抑制するのを困難にする。
【非特許文献1】T. Aoyama et al., Proc. IWGI 174(2003)
【非特許文献2】A. Chatterjee et al., IEDM Tech. Dig. 821(1997)
【非特許文献3】A. Yagishita et al., IEDM Tech. Dig. 785(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、好適な特性を有するゲート絶縁膜及びゲート電極、からなるP型FET及びN型FETを備える半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
基板のP型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにP型FETとN型FETとを形成する半導体装置の製造方法であって、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記基板上に、P型FETとN型FETとに共通のゲート絶縁膜を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記ゲート絶縁膜上に、P型FET用のゲート電極層を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極層を加工することによって、
前記P型FET形成予定領域にP型FET用のゲート電極を形成すると共に、
前記N型FET形成予定領域にダミーゲート電極を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極と前記ダミーゲート電極とを形成した前記基板に、
P型FET用のソースドレイン拡散層と、
N型FET用のソースドレイン拡散層とを形成し、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上から前記ダミーゲート電極を除去することによって、
前記ゲート絶縁膜上に溝を形成し、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上の前記溝にゲート電極材料を埋め込むことによって、
前記ゲート絶縁膜上にN型FET用のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法に係る。
【0012】
本発明は、
基板のP型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにP型FETとN型FETとが形成され、製造された半導体装置であって、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記基板上に、P型FETとN型FETとに共通のゲート絶縁膜が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記ゲート絶縁膜上に、P型FET用のゲート電極層が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極層が加工されることによって、
前記P型FET形成予定領域にP型FET用のゲート電極が形成されると共に、
前記N型FET形成予定領域にダミーゲート電極が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極と前記ダミーゲート電極とが形成された前記基板に、
P型FET用のソースドレイン拡散層と、
N型FET用のソースドレイン拡散層とが形成され、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上から前記ダミーゲート電極が除去されることによって、
前記ゲート絶縁膜上に溝が形成され、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上の前記溝にゲート電極材料が埋め込まれることによって、
前記ゲート絶縁膜上にN型FET用のゲート電極が形成され、製造されたことを特徴とする半導体装置に係る。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、好適な特性を有するゲート絶縁膜及びゲート電極、からなるP型FET及びN型FETを備える半導体装置を提供することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施例)
図1は、第1実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図1の半導体装置は、P型FETの具体例であるPMOSFETと、N型FETの具体例であるNMOSFETとを具備している。図1の半導体装置は、PMOSFETとNMOSFETからなるCMOSFETにより構成されている。
【0015】
図1に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、PMOSFET用のゲート電極103と、NMOSFET用のゲート電極104とを具備している。基板101は、その全部又はその一部が半導体により構成されている半導体基板である。基板101はここでは、その全部又はその一部がシリコンにより構成されているシリコン基板である。ゲート絶縁膜102は、その全部又はその一部が高誘電率絶縁膜により構成される高誘電率ゲート絶縁膜である。ゲート絶縁膜102はここでは、シリコン酸化膜である第1の絶縁膜102Aと、高誘電率絶縁膜である第2の絶縁膜102Bという2層の絶縁膜により構成されている。PMOSFET用のゲート電極103は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。PMOSFET用のゲート電極103はここでは、導電性メタルからなる第1の導電層103Aと、導電性メタルからなる第2の導電層103Bという2層の電極構成層により構成されている。NMOSFET用のゲート電極104は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。NMOSFET用のゲート電極104はここでは、導電性メタルからなる第3の導電層104Aという1層の電極構成層により構成されている。
【0016】
図1に示す半導体装置には更に、PMOSFET用の拡散層として、PMOSFET用のウェル拡散層111と、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112と、PMOSFET用のエクステンション拡散層113が存在する。ウェル拡散層111はN型拡散層に相当し、ソースドレイン拡散層112はP型拡散層に相当し、エクステンション拡散層113はP型拡散層に相当する。
【0017】
図1に示す半導体装置には更に、NMOSFET用の拡散層として、NMOSFET用のウェル拡散層121と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122と、NMOSFET用のエクステンション拡散層123が存在する。ウェル拡散層121はP型拡散層に相当し、ソースドレイン拡散層122はN型拡散層に相当し、エクステンション拡散層123はN型拡散層に相当する。
【0018】
図1に示す半導体装置には加えて、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122との間などに介在させるための素子分離層131と、PMOSFETとNMOSFETとの間などに介在させるための層間絶縁膜132が存在する。素子分離層131はここではシリコン酸化膜によるSTI層であり、層間絶縁膜132はここではシリコン酸化膜である。
【0019】
図2A乃至Nは、第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。
【0020】
先ず、図2Aのように、シリコン基板101の所定領域にシリコン酸化膜を埋め込み、STIの素子分離層131を形成する。次に、図2Aのように、シリコン基板101上にシリコン酸化膜(犠牲絶縁膜)201を形成する。
【0021】
次に、図2Bのように、レジスト211をマスクとして、基板101内にP(リン)をイオン注入する。Pのイオン注入は、PMOSFET用のウェル拡散層111を形成するため及びPMOSFETの閾値電圧を調整するために実施されるものであり、複数回実施される。PMOSFETの閾値電圧の微調整用として更に、B(ボロン)やIn(インジウム)等がイオン注入される場合もある。
【0022】
次に、図2Cのように、レジスト221をマスクとして、基板101内にB(ボロン)をイオン注入する。Bのイオン注入は、NMOSFET用のウェル拡散層121を形成するため及びNMOSFETの閾値電圧を調整するために実施されるものであり、複数回実施される。NMOSFETの閾値電圧の微調整用として更に、P(リン)やAs(砒素)等がイオン注入される場合もある。その後、基板101について熱拡散処理が実施される事で、PMOSFET用のウェル拡散層111とNMOSFET用のウェル拡散層121が完成する。
【0023】
次に、図2Dのように、フッ化アンモニウム水溶液を使用して、基板101上から犠牲絶縁膜201を除去し、濃度0.5乃至5.0%のフッ酸を使用して、基板101の表面洗浄を実施する。次に、図2Dのように、酸素を含む雰囲気中で、膜厚0.5乃至0.8nmのシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜の第1絶縁膜)102Aを基板101上に形成し、テトラキスジエチルアミノハフニウムとテトラキスジメチルアミノシリコンと酸素を使用して、膜厚2.0nm程度のハフニウム珪酸化膜(ゲート絶縁膜の第2絶縁膜)102Bをシリコン酸化膜102A上に形成する。その後、基板101について摂氏600度の熱処理が実施される事で、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸化膜102Bが緻密化される。その後、基板101について窒素プラズマ雰囲気中又はアンモニア雰囲気中で処理された後に摂氏1000度の熱処理が実施される事で、ハフニウム珪酸化膜102Bがハフニウム珪酸窒化膜102Bに改質される。以上の製造工程によって、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、基板101上に、PMOSFETとNMOSFETとに共通のゲート絶縁膜102が形成される。
【0024】
なお、第1実施例のゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸窒化膜102Bの2層構造であるが、ハフニウム珪酸窒化膜のみの1層構造でもよいし、ハフニウム珪酸窒化膜を含む3層以上の積層構造でもよい。
【0025】
次に、図2Eのように、ビスシクロペンタジエニルルテニウムと酸素を使用して、層厚20nm程度のRu(ルテニウム)層(PMOSFET用のゲート電極の第1導電層)103Aをハフニウム珪酸窒化膜102B上に堆積し、六フッ化タングステンとシランと水素を使用して、層厚60nm程度のW(タングステン)層(PMOSFET用のゲート電極の第2導電層)103BをRu層103A上に堆積する。以上の製造工程によって、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極層103が形成される。
【0026】
なお、第1実施例のPMOSFET用のゲート電極層103は、Ru層103AとW層103Bの2層構造であるが、Ru層のみの1層構造でもよいし、Ru層を含む3層以上の積層構造でもよい。第1実施例のPMOSFET用のゲート電極層103を2層構造にする理由は主に、Ru層103Aの層厚にある。Ruには、仕事関数が高いなどの長所があるが、値段が高いなどの短所がある。よって、第1実施例ではRu層103Aの層厚を薄くしている。そのため、第1実施例ではRu層103Aが自身の張力が原因で、ソースドレイン拡散層の活性化の際などにマイグレーションさらにはアグロメーション(図7)を起こす可能性がある。それなので、第1実施例ではこれらを防止するために、PMOSFET用のゲート電極層103を2層構造にしている。
【0027】
次に、図2Fのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、Ru層103AとW層103Bを加工する。犠牲絶縁膜202は事前に堆積してハードマスクとして加工しておく。以上の製造工程によって、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106とにおいて、PMOSFETの形成領域105に、PMOSFET用のゲート電極103が形成されると共に、NMOSFETの形成領域106に、PMOSFET用のゲート電極103と同じ構成のダミーゲート電極(ダミーとして利用されるゲート電極)103が形成される。
【0028】
次に、図2Gのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸窒化膜102Bを加工する。この際のエッチング条件は、高誘電率絶縁膜の膜厚や膜種を勘案してエッチング液やエッチング時間を適宜選択する事で、犠牲絶縁膜202がすべてエッチングされてしまう事がないようなエッチング条件とする。
【0029】
次に、CVD法とRIE法で、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるオフセットスペーサ141と、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142を全面に形成する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図2Hのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122を形成する。次に、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142の一部を除去する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図2Hのように、PMOSFET用のエクステンション拡散層113とNMOSFET用のエクステンション拡散層123を形成する。続いて更に、短チャネル効果を抑制するためにハロー注入が実施される場合もある。次に、CVD法とRIE法で、シリコン窒化膜からなるサイドウォールスペーサ143を形成する。以上の製造工程によって、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域とにおいて、基板101内に、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112及びエクステンション拡散層113と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122及びエクステンション拡散層123とが形成される。
【0030】
なお、第1実施例のサイドウォールスペーサは、シリコン酸化膜からなる第1のサイドウォールスペーサ142とシリコン窒化膜からなる第2のサイドウォールスペーサ143の2層構造であるが、例えばシリコン窒化膜のみの1層構造でもよいし、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を含む3層以上の積層構造でもよい。
【0031】
次に、図2Iのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122の表面に、自己整合的にシリサイド膜144を形成する。シリサイド膜144としてここではNiSi膜を採用するが、シリサイド膜144としてPtSi膜、ErSi膜、NiPtSi膜、NiErSi膜等を採用してもよい。
【0032】
次に、図2Jのように、CVD法で、シリコン窒化膜からなるエッチストッパ膜145を全面に形成する。次に、図2Jのように、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜132を全面に形成する。次に、図2Jのように、化学機械研磨法やエッチング法(ドライエッチング法やウェットエッチング法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106の両方の領域のW層103Bが露出する。
【0033】
続いて、図2Kのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からW層103Bをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のRu層103Aが露出する。
【0034】
続いて、図2Lのように、酸素ラジカルを含む雰囲気中で、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からRu層103Aをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のハフニウム珪酸窒化膜102Bが露出する。レジスト231の除去はRu層103Aの除去前でも除去後でもよい。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からダミーゲート電極103が除去されることによって、ゲート絶縁膜102上に溝151が形成される。
【0035】
続いて、図2Mのように、CVD法で、NMOSFET用のゲート電極104の第3導電層104Aの形成材料である導電性メタルを全面に形成する。当該導電性メタルの例としては、ペンタエチルメチルアミノタンタルとジシランとアンモニアが使用されて形成されるTaSiNや、テトラエチルメチルアミノハフニウムとアンモニアを含む雰囲気中で形成されるHfNや、テトラエチルメチルアミノハフニウムとテトラエチルメチルアミノシリコンが使用されて形成されるHfSiや、六フッ化タングステンとジクロルシランが使用されて形成されるWSi等が挙げられる。
【0036】
なお、第1実施例のNMOSFET用のゲート電極層104は、導電性メタルからなる導電層104Aのみの1層構造であるが、導電性メタルからなる導電層を含む2層以上の積層構造でもよい。
【0037】
続いて、図2Nのように、化学機械研磨法やエッチング法(エッチバック法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上の溝151にゲート電極の形成材料が埋め込まれることによって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極103と異なる構成のNMOSFET用のゲート電極104が形成される。NMOSFET用のゲート電極104(第3導電層104A)は、CVD法でホール内に形成されるため、PMOSFET用のゲート電極103(第1導電層103Aと第2導電層103B)には残らない筋状のシーム161の痕跡が残る。
【0038】
続いて、配線層、配線層に係る層間絶縁膜、コンタクトホール、ビアホール、プラグ層等の形成工程を適宜経由して、最終的に半導体装置が完成する。
【0039】
以上の通り、第1実施例の半導体装置では、ゲート絶縁膜102は、その全部又はその一部が高誘電率絶縁膜により構成される高誘電率ゲート絶縁膜であり、PMOSFET用のゲート電極103は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極であり、NMOSFET用のゲート電極104は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。従って、第1実施例では、リーク電流増大を抑制しつつゲート絶縁膜を薄膜化する事や、PMOSFETの閾値電圧のシフトを抑制し、PMOSFETの反転容量を向上させる事が可能となっている。
【0040】
更に、第1実施例では、ゲート絶縁膜102を形成した後にPMOSFET用のソースドレイン拡散層112(とエクステンション拡散層113)とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122(とエクステンション拡散層123)とを形成するため、高誘電率絶縁膜の膜質を向上させてそのリーク電流を抑制する事が可能である。高誘電率絶縁膜の膜質向上処理をソースドレイン拡散層(とエクステンション拡散層)の形成前に実施するようにする事で、高誘電率絶縁膜の膜質向上処理をソースドレイン拡散層(とエクステンション拡散層)に対する悪影響を懸念する事なく実施できるからである。
【0041】
更に、第1実施例では、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112(とエクステンション拡散層113)とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122(とエクステンション拡散層123)とを形成した後にNMOSFET用のゲート電極104を形成するため、ソースドレイン拡散層(とエクステンション拡散層)の形成工程で、NMOSFETのメタル電極の仕事関数が変化してしまうおそれが抑制される。
【0042】
従って、第1実施例では、PMOSFETとNMOSFETを構成するゲート絶縁膜とゲート電極を、好適な膜質等の好適な特性を有するゲート絶縁膜と、好適な仕事関数等の好適な特性を有するゲート電極とする事ができる。従って、第1実施例では、高性能のCMOSFETを具備する半導体装置を製造する事ができる。
【0043】
加えて、第1実施例では、層間絶縁膜132を形成する前にPMOSFET用のゲート電極103をエッチング法で形成し、層間絶縁膜132を形成した後にNMOSFET用のゲート電極103をダマシン法で形成する。そして、NMOSFETの形成領域に形成されるPMOSFET用のゲート電極103が、NMOSFET用のゲート電極104のダミー電極として利用される。よって、NMOSFETの形成領域に形成されるPMOSFET用のゲート電極103が、エッチング工程で無駄に除去されず、ダマシン工程に先んじて除去されるまで、NMOSFET用のゲート電極104のダミー電極として有効に活用される。更には、ダミー電極の形成工程が、PMOSFET用のゲート電極103の形成工程に統合されているので、ダミー電極の形成に必要な工程数が節約される。
【0044】
ちなみに、背景技術として説明したダマシンゲートでは、多結晶シリコンによるダミーゲート電極を除去する際にシリコン酸化膜によるダミーゲート絶縁膜が損傷するため、多結晶シリコンによるダミーゲート電極を除去する際にはシリコン酸化膜によるダミーゲート絶縁膜も除去する必要がある。しかしながら、第1実施例では、高誘電率絶縁膜によるゲート絶縁膜102(第2絶縁膜102B)に接するダミー電極は導電性メタルによるPMOSFET用のゲート電極103(第1導電層103A)である。特に、第1実施例では、この導電性メタルは、薬液を使用せずに除去可能な導電性メタルであるRuである。従って、第1実施例では、PMOSFET用のゲート電極103を除去する際にゲート絶縁膜102が不要に損傷せずに済み、PMOSFET用のゲート電極103を除去する際にゲート絶縁膜102を無駄に除去せずに済む。
【0045】
なお、ゲート絶縁膜102を形成する高誘電率絶縁膜として、ここではハフニウム珪酸窒化膜を採用したが、これ以外の高誘電率絶縁膜を採用しても構わない。また、PMOSFET用のゲート電極層103を形成するメタル電極層として、ここではRu層とW層を採用したが、これ以外のメタル電極層を採用しても構わない。PMOSFET用のゲート電極層103を形成するメタル電極層としては例えば、W層、Ru層、Pt層を採用可能である。また、NMOSFET用のゲート電極層104を形成するメタル電極層として、ここではTaSiN層やHfN層やWSi層を挙げたが、これ以外のメタル電極層を採用しても構わない。NMOSFET用のゲート電極層104を形成するメタル電極層としては例えば、TaSi層、TaSiN層、TaC層、TaCN層、TaSiCN層、HfN層、HfSi層、HfSiN層、WSi、TaHf層、TaHfN層を採用可能である。
【0046】
以上、第1実施例について説明したが、以下、第2実施例及び第3実施例について説明する。第2実施例及び第3実施例は第1実施例の変形実施例であり、第2実施例及び第3実施例に関しては第1実施例に対する相違点を中心に説明する。
【0047】
(第2実施例)
図3は、第2実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図3の半導体装置は、P型FETの具体例であるPMOSFETと、N型FETの具体例であるNMOSFETとを具備している。図3の半導体装置は、PMOSFETとNMOSFETからなるCMOSFETにより構成されている。
【0048】
図3に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、PMOSFET用のゲート電極103と、NMOSFET用のゲート電極104とを具備している。基板101は、その全部又はその一部が半導体により構成されている半導体基板である。基板101はここでは、その全部又はその一部がシリコンにより構成されているシリコン基板である。ゲート絶縁膜102は、その全部又はその一部が高誘電率絶縁膜により構成される高誘電率ゲート絶縁膜である。ゲート絶縁膜102はここでは、シリコン酸化膜である第1の絶縁膜102Aと、高誘電率絶縁膜である第2の絶縁膜102Bという2層の絶縁膜により構成されている。PMOSFET用のゲート電極103は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。PMOSFET用のゲート電極103はここでは、導電性メタルからなる第1の導電層103Aと、導電性メタルからなる第2の導電層103Bという2層の電極構成層により構成されている。NMOSFET用のゲート電極104は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。NMOSFET用のゲート電極104はここでは、導電性メタルからなる第3の導電層104Aという1層の電極構成層により構成されている。
【0049】
図3に示す半導体装置には更に、PMOSFET用の拡散層として、PMOSFET用のウェル拡散層111と、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112と、PMOSFET用のエクステンション拡散層113が存在する。
【0050】
図3に示す半導体装置には更に、NMOSFET用の拡散層として、NMOSFET用のウェル拡散層121と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122と、NMOSFET用のエクステンション拡散層123が存在する。
【0051】
図3に示す半導体装置には加えて、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122との間などに介在させるための素子分離層131と、PMOSFETとNMOSFETとの間などに介在させるための層間絶縁膜132が存在する。素子分離層131はここではシリコン酸化膜によるSTI層であり、層間絶縁膜132はここではシリコン酸化膜である。
【0052】
図4A乃至Nは、第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。
【0053】
先ず、図4Aのように、シリコン基板101の所定領域にシリコン酸化膜を埋め込み、STIの素子分離層131を形成する。次に、図4Aのように、シリコン基板101上にシリコン酸化膜(犠牲絶縁膜)201を形成する。
【0054】
次に、図4Bのように、レジスト211をマスクとして、基板101内にP(リン)をイオン注入する。
【0055】
次に、図4Cのように、レジスト221をマスクとして、基板101内にB(ボロン)をイオン注入する。その後、基板101について熱拡散処理が実施される事で、PMOSFET用のウェル拡散層111とNMOSFET用のウェル拡散層121が完成する。
【0056】
次に、図4Dのように、フッ化アンモニウム水溶液を使用して、基板101上から犠牲絶縁膜201を除去し、濃度0.5乃至5.0%のフッ酸を使用して、基板101の表面洗浄を実施する。次に、図4Dのように、酸素を含む雰囲気中で、膜厚0.5乃至0.8nmのシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜の第1絶縁膜)102Aを基板101上に形成し、テトラキスジエチルアミノハフニウムとテトラキスジメチルアミノシリコンと酸素を使用して、膜厚2.0nm程度のハフニウム珪酸化膜(ゲート絶縁膜の第2絶縁膜)102Bをシリコン酸化膜102A上に形成する。その後、基板101について摂氏600度の熱処理が実施される事で、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸化膜102Bが緻密化される。その後、基板101について窒素プラズマ雰囲気中又はアンモニア雰囲気中で処理された後に摂氏1000度の熱処理が実施される事で、ハフニウム珪酸化膜102Bがハフニウム珪酸窒化膜102Bに改質される。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、基板101上に、PMOSFETとNMOSFETとに共通のゲート絶縁膜102が形成される。
【0057】
なお、第2実施例のゲート絶縁膜102は、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸窒化膜102Bの2層構造であるが、ハフニウム珪酸窒化膜のみの1層構造でもよいし、ハフニウム珪酸窒化膜を含む3層以上の積層構造でもよい。
【0058】
次に、図4Eのように、タングステンヘキサカルボニルを使用した熱CDV又はタングステンヘキサカルボニルと水素を使用したプラズマCVDで、層厚20nm程度のW(タングステン)層(PMOSFET用のゲート電極の第1導電層)103Aをハフニウム珪酸窒化膜102B上に堆積し、四塩化チタンとアンモニアを使用して、層厚60nm程度のTiN(窒化チタン)層(PMOSFET用のゲート電極の第2導電層)103BをW層103A上に堆積する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極層103が形成される。
【0059】
なお、第2実施例のPMOSFET用のゲート電極層103は、W層103AとTiN層103Bの2層構造であるが、W層のみの1層構造でもよいし、W層を含む3層以上の積層構造でもよい。W層のみの1層構造の場合には、W層が剥がれ易いため、W層の層厚を60nm以下とする事が望ましい。
【0060】
次に、図4Fのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、W層103AとTiN層103Bを加工する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106とにおいて、PMOSFETの形成領域105に、PMOSFET用のゲート電極103が形成されると共に、NMOSFETの形成領域106に、PMOSFET用のゲート電極103と同じ構成のダミーゲート電極(ダミーとして利用されるゲート電極)103が形成される。
【0061】
次に、図4Gのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸窒化膜102Bを加工する。
【0062】
次に、CVD法とRIE法で、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるオフセットスペーサ141と、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142を全面に形成する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図4Hのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122を形成する。次に、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142の一部を除去する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図4Hのように、PMOSFET用のエクステンション拡散層113とNMOSFET用のエクステンション拡散層123を形成する。次に、CVD法とRIE法で、シリコン窒化膜からなるサイドウォールスペーサ143を形成する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域とにおいて、基板101内に、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112及びエクステンション拡散層113と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122及びエクステンション拡散層123とが形成される。
【0063】
次に、図4Iのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122の表面に、自己整合的にシリサイド膜144を形成する。
【0064】
次に、図4Jのように、CVD法で、シリコン窒化膜からなるエッチストッパ膜145を全面に形成する。次に、図4Jのように、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜132を全面に形成する。次に、図4Jのように、化学機械研磨法やエッチング法(ドライエッチング法やウェットエッチング法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106の両方の領域のTiN層103Bが露出する。
【0065】
続いて、図4Kのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からTiN層103Bをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のW層103Aが露出する。
【0066】
続いて、図4Lのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からW層103Aをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のハフニウム珪酸窒化膜102Bが露出する。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からダミーゲート電極103が除去されることによって、ゲート絶縁膜102上に溝151が形成される。
【0067】
続いて、図4Mのように、CVD法で、NMOSFET用のゲート電極104の第3導電層104Aの形成材料である導電性メタルを全面に形成する。当該導電性メタルの例としては、ペンタジメチルアミノタンタルとメタンが使用されて形成されるTaC等が挙げられる。
【0068】
なお、第2実施例のNMOSFET用のゲート電極層104は、導電性メタルからなる導電層104Aのみの1層構造であるが、導電性メタルからなる導電層を含む2層以上の積層構造でもよい。
【0069】
続いて、図4Nのように、化学機械研磨法やエッチング法(エッチバック法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上の溝151にゲート電極の形成材料が埋め込まれることによって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極103と異なる構成のNMOSFET用のゲート電極104が形成される。NMOSFET用のゲート電極104(第3導電層104A)は、CVD法でホール内に形成されるため、PMOSFET用のゲート電極103(第1導電層103Aと第2導電層103B)には残らない筋状のシーム161の痕跡が残る。
【0070】
続いて、配線層、配線層に係る層間絶縁膜、コンタクトホール、ビアホール、プラグ層等の形成工程を適宜経由して、最終的に半導体装置が完成する。
【0071】
さて、第2実施例では、ダミー電極(PMOSFET用のゲート電極103)は、薬液を使用して除去可能な導電性メタルであるWとTiNによるW層103AとTiN層103Bにより構成されている。そのため、第2実施例では、ダミー電極を簡単に安価に除去する事ができる。
【0072】
以上、第1実施例及び第2実施例について説明したが、以下、第3実施例について説明する。第3実施例は第1実施例及び第2実施例の変形実施例であり、第3実施例に関しては第1実施例及び第2実施例に対する相違点を中心に説明する。
【0073】
(第3実施例)
図5は、第3実施例の半導体装置を示す側方断面図である。図5の半導体装置は、P型FETの具体例であるPMOSFETと、N型FETの具体例であるNMOSFETとを具備している。図5の半導体装置は、PMOSFETとNMOSFETからなるCMOSFETにより構成されている。
【0074】
図5に示す半導体装置は、基板101と、ゲート絶縁膜102と、PMOSFET用のゲート電極103と、NMOSFET用のゲート電極104とを具備している。基板101は、その全部又はその一部が半導体により構成されている半導体基板である。基板101はここでは、その全部又はその一部がシリコンにより構成されているシリコン基板である。ゲート絶縁膜102は、その全部又はその一部が高誘電率絶縁膜により構成される高誘電率ゲート絶縁膜である。ゲート絶縁膜102はここでは、シリコン酸化膜である第1の絶縁膜102Aと、高誘電率絶縁膜である第2の絶縁膜102Bという2層の絶縁膜により構成されている。PMOSFET用のゲート電極103は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。PMOSFET用のゲート電極103はここでは、導電性メタルからなる第1の導電層103Aと、導電性メタルからなる第2の導電層103Bと、半導体からなる半導体層103Cという3層の電極構成層により構成されている。NMOSFET用のゲート電極104は、その全部又はその一部が導電性メタルにより構成されるメタルゲート電極である。NMOSFET用のゲート電極104はここでは、導電性メタルからなる第3の導電層104Aという1層の電極構成層により構成されている。
【0075】
図5に示す半導体装置には更に、PMOSFET用の拡散層として、PMOSFET用のウェル拡散層111と、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112と、PMOSFET用のエクステンション拡散層113が存在する。
【0076】
図5に示す半導体装置には更に、NMOSFET用の拡散層として、NMOSFET用のウェル拡散層121と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122と、NMOSFET用のエクステンション拡散層123が存在する。
【0077】
図5に示す半導体装置には加えて、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122との間などに介在させるための素子分離層131と、PMOSFETとNMOSFETとの間などに介在させるための層間絶縁膜132が存在する。素子分離層131はここではシリコン酸化膜によるSTI層であり、層間絶縁膜132はここではシリコン酸化膜である。
【0078】
図6A乃至Qは、第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図である。
【0079】
先ず、図6Aのように、シリコン基板101の所定領域にシリコン酸化膜を埋め込み、STIの素子分離層131を形成する。次に、図4Aのように、シリコン基板101上にシリコン酸化膜(犠牲絶縁膜)201を形成する。
【0080】
次に、図6Bのように、レジスト211をマスクとして、基板101内にP(リン)をイオン注入する。
【0081】
次に、図6Cのように、レジスト221をマスクとして、基板101内にB(ボロン)をイオン注入する。その後、基板101について熱拡散処理が実施される事で、PMOSFET用のウェル拡散層111とNMOSFET用のウェル拡散層121が完成する。
【0082】
次に、図6Dのように、フッ化アンモニウム水溶液を使用して、基板101上から犠牲絶縁膜201を除去し、濃度0.5乃至5.0%のフッ酸を使用して、基板101の表面洗浄を実施する。次に、図6Dのように、酸素を含む雰囲気中で、膜厚0.5乃至0.8nmのシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜の第1絶縁膜)102Aを基板101上に形成し、テトラキスジエチルアミノハフニウムとテトラキスジメチルアミノシリコンと酸素を使用して、膜厚2.0nm程度のハフニウム珪酸化膜(ゲート絶縁膜の第2絶縁膜)102Bをシリコン酸化膜102A上に形成する。その後、基板101について摂氏600度の熱処理が実施される事で、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸化膜102Bが緻密化される。その後、基板101について窒素プラズマ雰囲気中又はアンモニア雰囲気中で処理された後に摂氏1000度の熱処理が実施される事で、ハフニウム珪酸化膜102Bがハフニウム珪酸窒化膜102Bに改質される。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、基板101上に、PMOSFETとNMOSFETとに共通のゲート絶縁膜102が形成される。
【0083】
次に、図6Eのように、タングステンヘキサカルボニルを使用した熱CDV又はタングステンヘキサカルボニルと水素を使用したプラズマCVDで、層厚20nm程度のW(タングステン)層(PMOSFET用のゲート電極の第1導電層)103Aをハフニウム珪酸窒化膜102B上に堆積し、ジエチルアミノチタンとアンモニアを使用して、層厚60nm程度のTiN(窒化チタン)層(PMOSFET用のゲート電極の第2導電層)103BをW層103A上に堆積し、多結晶シリコン又はアモルファスシリコンからなる半導体層103CをTiN(窒化チタン)層103B上に堆積する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域(形成予定領域)105とNMOSFETの形成領域(形成予定領域)106とにわたって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極層103が形成される。
【0084】
次に、図6Fのように、PMOSFET用のウェル拡散層111上部のレジスト241をマスクとして、NMOSFET用のウェル拡散層121上部の半導体層103Cの内部にP又はAsをイオン注入する。その後、基板101について熱拡散処理が実施される事で、半導体層103Cの内部にN型拡散層が完成する。PMOSFET用のウェル拡散層111上部の半導体層103Cの内部は非拡散層103Caとなり、NMOSFET用のウェル拡散層121上部の半導体層103Cの内部は拡散層103Cbとなる。
【0085】
次に、図6Gのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、W層103AとTiN層103Bと半導体層103C(非拡散層103Ca及び拡散層103Cb)を加工する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106とにおいて、PMOSFETの形成領域105に、PMOSFET用のゲート電極103が形成されると共に、NMOSFETの形成領域106に、PMOSFET用のゲート電極103と同じ構成のダミーゲート電極(ダミーとして利用されるゲート電極)103が形成される。
【0086】
次に、図6Hのように、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる犠牲絶縁膜202をハードマスクとして、シリコン酸化膜102Aとハフニウム珪酸窒化膜102Bを加工する。
【0087】
次に、CVD法とRIE法で、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるオフセットスペーサ141と、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142を全面に形成する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図6Iのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122を形成する。次に、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ142の一部を除去する。次に、PMOSFET用のウェル拡散層111内にレジストマスクを利用してBをイオン注入し、NMOSFET用のウェル拡散層121内にレジストマスクを利用してP又はAsをイオン注入し、基板101について摂氏1000度の熱処理を実施する事で、図6Iのように、PMOSFET用のエクステンション拡散層113とNMOSFET用のエクステンション拡散層123を形成する。次に、CVD法とRIE法で、シリコン窒化膜からなるサイドウォールスペーサ143を形成する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域とにおいて、基板101内に、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112及びエクステンション拡散層113と、NMOSFET用のソースドレイン拡散層122及びエクステンション拡散層123とが形成される。
【0088】
次に、図6Jのように、PMOSFET用のソースドレイン拡散層112とNMOSFET用のソースドレイン拡散層122の表面に、自己整合的にシリサイド膜144を形成する。
【0089】
次に、図6Kのように、CVD法で、シリコン窒化膜からなるエッチストッパ膜145を全面に形成する。次に、図6Kのように、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜132を全面に形成する。次に、図6Kのように、化学機械研磨法やエッチング法(ドライエッチング法やウェットエッチング法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程により、PMOSFETの形成領域105とNMOSFETの形成領域106の両方の領域の半導体層103C(非拡散層103Ca及び拡散層103Cb)が露出する。
【0090】
次に、図6Lのように、Ni(ニッケル)膜(犠牲膜)203を全面に形成する。その後、基板101について熱処理が実施される事で、Ni膜203内のNiがシリサイド化される。その際、P又はAsを包含するか否かの違いにより、非拡散層103Caのシリサイド化速度よりも拡散層103Cbのシリサイド化速度の方が速くなるため、非拡散層103Ca内ではNiモノシリサイド(NiSi)が形成され、拡散層103Cb内ではNiリッチシリサイド(NiSiやNiSi等)が形成される。
【0091】
続いて、図6Mのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上から半導体層103Cをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のTiN層103Bが露出する。
【0092】
続いて、図6Nのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からTiN層103Bをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のW層103Aが露出する。
【0093】
続いて、図6Oのように、レジスト231をマスクとして、過酸化水素を含む溶液等の薬液を使用して、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からW層103Aをエッチング除去する。以上の製造工程により、NMOSFETの形成領域106のハフニウム珪酸窒化膜102Bが露出する。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上からダミーゲート電極103が除去されることによって、ゲート絶縁膜102上に溝151が形成される。
【0094】
続いて、図6Pのように、CVD法で、NMOSFET用のゲート電極104の第3導電層104Aの形成材料である導電性メタルを全面に形成する。当該導電性メタルの例としては、トリスジメチルアミノ−モノ−t−アミルイミノタンタルとモノメチルアミンが使用されて形成されるTaCN等が挙げられる。
【0095】
続いて、図6Qのように、化学機械研磨法やエッチング法(エッチバック法)で、基板101の表面を平坦化する。以上の製造工程を通じて、NMOSFETの形成領域106において、ゲート絶縁膜102上の溝151にゲート電極の形成材料が埋め込まれることによって、ゲート絶縁膜102上に、PMOSFET用のゲート電極103と異なる構成のNMOSFET用のゲート電極104が形成される。NMOSFET用のゲート電極104(第3導電層104A)は、CVD法でホール内に形成されるため、PMOSFET用のゲート電極103(第1導電層103Aと第2導電層103Bと半導体層103C)には残らない筋状のシーム161の痕跡が残る。
【0096】
続いて、配線層、配線層に係る層間絶縁膜、コンタクトホール、ビアホール、プラグ層等の形成工程を適宜経由して、最終的に半導体装置が完成する。
【0097】
さて、第3実施例では、PMOSFET用のゲート電極103が、導電性メタルからなる第1導電層103Aと、導電性メタルからなる第2導電層103Bと、半導体(シリサイド)からなる半導体層(シリサイド層)103Cにより構成されている。そのため、第3実施例では、PMOSFETのゲート抵抗が、比較的低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1実施例の半導体装置を示す側方断面図である。
【図2A】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1)である。
【図2B】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2)である。
【図2C】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3)である。
【図2D】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4)である。
【図2E】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5)である。
【図2F】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6)である。
【図2G】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(7)である。
【図2H】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(8)である。
【図2I】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(9)である。
【図2J】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(10)である。
【図2K】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(11)である。
【図2L】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(12)である。
【図2M】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(13)である。
【図2N】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(14)である。
【図3】第2実施例の半導体装置を示す側方断面図である。
【図4A】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1)である。
【図4B】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2)である。
【図4C】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3)である。
【図4D】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4)である。
【図4E】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5)である。
【図4F】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6)である。
【図4G】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(7)である。
【図4H】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(8)である。
【図4I】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(9)である。
【図4J】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(10)である。
【図4K】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(11)である。
【図4L】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(12)である。
【図4M】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(13)である。
【図4N】第2実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(14)である。
【図5】第3実施例の半導体装置を示す側方断面図である。
【図6A】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(1)である。
【図6B】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(2)である。
【図6C】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(3)である。
【図6D】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(4)である。
【図6E】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(5)である。
【図6F】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(6)である。
【図6G】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(7)である。
【図6H】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(8)である。
【図6I】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(9)である。
【図6J】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(10)である。
【図6K】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(11)である。
【図6L】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(12)である。
【図6M】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(13)である。
【図6N】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(14)である。
【図6O】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(15)である。
【図6P】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(16)である。
【図6Q】第3実施例の半導体装置の製造方法を示す側方断面図(17)である。
【図7】マイグレーションとアグロメーションについて説明するための図である。
【符号の説明】
【0099】
101 基板
102 ゲート絶縁膜
103 PMOSFET用のゲート電極(ゲート電極層)
104 NMOSFET用のゲート電極(ゲート電極層)
105 PMOSFETの形成領域
106 NMOSFETの形成領域
111 PMOSFET用のウェル拡散層
112 PMOSFET用のソースドレイン拡散層
113 PMOSFET用のエクステンション拡散層
121 NMOSFET用のウェル拡散層
122 NMOSFET用のソースドレイン拡散層
123 NMOSFET用のエクステンション拡散層
131 素子分離層
132 層間絶縁膜
141 オフセットスペーサ
142 サイドウォールスペーサ
143 サイドウォールスペーサ
144 シリサイド膜
145 エッチストッパ膜
151 溝
161 シーム
201 犠牲絶縁膜
202 犠牲絶縁膜
203 犠牲膜
211 レジスト
221 レジスト
231 レジスト
241 レジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のP型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにP型FETとN型FETとを形成する半導体装置の製造方法であって、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記基板上に、P型FETとN型FETとに共通のゲート絶縁膜を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記ゲート絶縁膜上に、P型FET用のゲート電極層を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極層を加工することによって、
前記P型FET形成予定領域にP型FET用のゲート電極を形成すると共に、
前記N型FET形成予定領域にダミーゲート電極を形成し、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極と前記ダミーゲート電極とを形成した前記基板に、
P型FET用のソースドレイン拡散層と、
N型FET用のソースドレイン拡散層とを形成し、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上から前記ダミーゲート電極を除去することによって、
前記ゲート絶縁膜上に溝を形成し、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上の前記溝にゲート電極材料を埋め込むことによって、
前記ゲート絶縁膜上にN型FET用のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記P型FET用のゲート電極を形成する際には、
前記ゲート絶縁膜上に、
前記P型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層上に、
前記P型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第2の導電層を形成し、
前記N型FET用のゲート電極を形成する際には、
前記ゲート絶縁膜上に、
前記N型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第3の導電層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記P型FET用のゲート電極を形成する際には、
前記ゲート絶縁膜上に、
前記P型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層上に、
前記P型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第2の導電層を形成し、
前記第2の導電層上に、
前記P型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である半導体層を形成し、
前記N型FET用のゲート電極層を形成する際には、
前記ゲート絶縁膜上に、
前記N型FET用のゲート電極を構成する電極構成層である第3の導電層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ゲート絶縁膜を形成する際には、
前記基板上に、
前記ゲート絶縁膜を構成する絶縁膜である第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜上に、
前記ゲート絶縁膜を構成する絶縁膜である第2の絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
基板のP型FET形成予定領域とN型FET形成予定領域とにP型FETとN型FETとが形成され、製造された半導体装置であって、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記基板上に、P型FETとN型FETとに共通のゲート絶縁膜が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにわたって、
前記ゲート絶縁膜上に、P型FET用のゲート電極層が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極層が加工されることによって、
前記P型FET形成予定領域にP型FET用のゲート電極が形成されると共に、
前記N型FET形成予定領域にダミーゲート電極が形成され、
前記P型FET形成予定領域と前記N型FET形成予定領域とにおいて、
前記P型FET用のゲート電極と前記ダミーゲート電極とが形成された前記基板に、
P型FET用のソースドレイン拡散層と、
N型FET用のソースドレイン拡散層とが形成され、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上から前記ダミーゲート電極が除去されることによって、
前記ゲート絶縁膜上に溝が形成され、
前記N型FET形成予定領域において、
前記ゲート絶縁膜上の前記溝にゲート電極材料が埋め込まれることによって、
前記ゲート絶縁膜上にN型FET用のゲート電極が形成され、製造されたことを特徴とする半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図2G】
image rotate

【図2H】
image rotate

【図2I】
image rotate

【図2J】
image rotate

【図2K】
image rotate

【図2L】
image rotate

【図2M】
image rotate

【図2N】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図4G】
image rotate

【図4H】
image rotate

【図4I】
image rotate

【図4J】
image rotate

【図4K】
image rotate

【図4L】
image rotate

【図4M】
image rotate

【図4N】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図6F】
image rotate

【図6G】
image rotate

【図6H】
image rotate

【図6I】
image rotate

【図6J】
image rotate

【図6K】
image rotate

【図6L】
image rotate

【図6M】
image rotate

【図6N】
image rotate

【図6O】
image rotate

【図6P】
image rotate

【図6Q】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−258267(P2007−258267A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77525(P2006−77525)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】