説明

絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法

【課題】 絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法に関し、炭化タンタル膜の仕事関数を適正に選択的に制御する。
【解決手段】 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に炭化タンタル膜を成膜する工程と、前記炭化タンタル膜の一部を露出する開口を有するマスクパターンを形成したのち、水素プラズマ処理を行う工程とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法に関するものであり、特に、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用い、且つ、ゲート電極として炭化タンタル膜を用いたMISFET等の絶縁ゲート型電界効果型トランジスタのしきい値電圧を適正に設定するための構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のMIS型半導体装置においては、相補型トランジスタを用いた構造が採用されているため、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを同一半導体基板上に形成する必要がある。また、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETのそれぞれが適切な閾値電圧Vthを有するためには、それぞれのゲート電極が適切な仕事関数を有していることが必要となる。
【0003】
そのため、従来においては、ゲート電極にポリシリコンを用い、イオン注入によるドーピング技術によりnチャネル型MISFETゲート電極には砒素などを、pチャネル型MISFETのゲート電極にはボロンなどを注入して仕事関数を制御してきた。
【0004】
しかし、半導体装置の高性能化のため、微細化が進行するとポリシリコンをゲート電極に用いることによる以下の問題がある。第一にMIS型半導体装置の動作時にポリシリコンのゲート絶縁膜界面に空乏層が発生するが、微細化によるゲート絶縁膜の薄膜化により空乏層の厚さがゲート絶縁膜の厚さに対し相対的に大きくなり、動作時の容量が十分に得られなくなるという問題がある。
【0005】
第二に、微細化によるゲート絶縁膜の電気的容量を増大させつつ、ゲートリーク電流を抑制するため、ゲート絶縁膜に高誘電材料、たとえばハフニウム酸化物やハフニウムシリケートなどを用いる。しかし、この材料とポリシリコンゲート電極の組み合わせにおいて、フェルミレベルピニングと呼ばれる現象や界面でのダイポールの発生のため閾値が大きくなり、良好な動作特性が得られないという問題がある。
【0006】
これらの問題を解決するためにゲート電極に金属材料を用いるよう研究開発が進められている。ゲート電極に金属材料を用いる場合、ゲート絶縁膜の上に仕事関数を制御する金属膜を成膜する。n型領域とp型領域では互いに異なる仕事関数の材料が必要であるため、一方の金属材料を成膜したのち、不要な領域の金属材料をパターニング技術を用いてエッチング除去し、さらに他方の金属材料を成膜する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図11は、従来の金属ゲートCMOSFETの製造工程の説明図である。図11(a)に示すように、シリコン基板81にSTI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域82を形成したのち、n型ウエル領域83及びp型ウエル領域84を形成する。
【0008】
次いで、高誘電率膜からなるゲート絶縁膜85を形成したのち、Ta源とC源を交互に供給することによって(111)−richのTaC膜86を形成する。この(111)−richのTaC膜86は、後述する(200)−richのTaC膜に比べて仕事関数が大きくなる。
【0009】
次いで、図11(b)に示すように、SiN膜を堆積させたのち、p型ウエル領域84上のSiN膜を除去して残ったSiN膜パターン87をマスクとしてp型ウエル領域84上のTaC膜86を選択的に除去する。
【0010】
次いで、図11(c)に示すように、Ta源とC源を同時に供給することによって(200)−richのTaC膜88を形成する。この(200)−richのTaC膜88の仕事関数は、例えば、4.18eV程度であり、上述の(111)−richのTaC膜86の仕事関数4.8eVに比べて小さい。
【0011】
次いで、図11(d)に示すように、SiN膜パターン87を除去することによってSiN膜パターン87上に堆積したTaC膜88をリフトオフする。その結果、仕事関数が、例えば、4.18eV程度の(200)−richのTaC膜88がp型ウエル領域84上のみに選択的形成されることになる。
【0012】
以降は、通常のゲート構造のパターニング工程、不純物の導入工程、コンタクト電極の形成工程、層間絶縁膜を形成工程、引出電極の形成工程とを経ることによって、p型ウエル領域84に形成したnチャネル型MOSFETとn型ウエル領域83に形成したpチャネル型MOSFETとからなるCMOSFETが構成される。
【0013】
図12は、従来の他の金属ゲートCMOSFETの製造工程の説明図である。図11(a)に示すように、シリコン基板81にSTI構造の素子分離領域82を形成したのち、n型ウエル領域83及びp型ウエル領域84を形成する。次いで、高誘電率膜からなるゲート絶縁膜85を形成したのち、SiN膜を堆積させ、n型ウエル領域83上のSiN膜を除去してSiN膜パターン89からなるマスクを形成する。
【0014】
次いで、図12(b)に示すように、Ta源とC源を交互に供給することによって(111)−richのTaC膜90を形成する。
【0015】
次いで、図12(c)に示すように、SiN膜パターン89を除去することによってSiN膜パターン89上に堆積したTaC膜90をリフトオフする。その結果、n型ウエル領域83上にのみ(111)−richのTaC膜90が選択的形成されることになる。
【0016】
次いで図12(d)に示すように、Ta源とC源を同時に供給することによって(200)−richのTaC膜91を全面に形成する。以降は、通常のゲート構造のパターニング工程、不純物の導入工程、コンタクト電極の形成工程、層間絶縁膜を形成工程、引出電極の形成工程とを経ることによって、p型ウエル領域84に形成したnチャネル型MOSFETとn型ウエル領域83に形成したpチャネル型MOSFETからなるCMOSFETが構成される。
【特許文献1】特開2007−165414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、上述の金属ゲートCMOSFETの製造工程では、TaC膜の除去工程或いはSiN膜パターンの形成工程及び除去工程において、ゲート絶縁膜にエッチングの作用が及ぶため、ゲート絶縁膜の信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0018】
また、TaC膜の成膜工程により結晶配向性を制御して仕事関数を制御しているので、仕事関数は結晶構造に依存する特定の値になり、任意の値にすることができないという問題がある。この場合、(111)相と(200)相の比率で仕事関数を制御することは可能であっても、(111)相と(200)相の比率を精度良く任意の値に制御するためには、成膜工程を高精度に管理する必要があり、再現性に乏しいという問題がある。
【0019】
さらに、いずれにしても、一方をpチャネル型とし他方をnチャネル型とする構成が得られるだけであり、異なった仕事関数のゲート電極を備えた異なったVthを有する同導電型のMOSFETを選択的に形成することができないという問題もある。
【0020】
このような問題を解決するには、タンタルに対し炭素をイオン注入することにより仕事関数を制御することが考えられる。しかし、この場合、注入された炭素は、深さ方向にある広がりを持った分布になるため、ゲート絶縁膜との界面近傍に十分な炭素を注入しようとすると、ゲート絶縁膜中にまで炭素が達することになり、ゲート電極のみに炭素をとどめることが難しいという問題がある。さらに、イオン注入によりゲート絶縁膜がダメージを受けるという問題もある。
【0021】
したがって、本発明は、ゲート絶縁膜にダメージを与えることなく、炭化タンタル膜の仕事関数を適正に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一観点からは、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1炭素濃度の第1の炭化タンタル膜を含む第1ゲート電極とを有する第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、前記半導体基板上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された、前記第1炭素濃度とは異なる第2炭素濃度の第2の炭化タンタル膜を含む第2ゲート電極とを有する第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとを有する半導体装置が提供される。
【0023】
また、本発明の別の観点からは、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に炭化タンタル膜を成膜する工程と、前記炭化タンタル膜の一部を露出する開口を有するマスクパターンを形成したのち、水素プラズマ処理を行う工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0024】
開示の絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法によれば、水素プラズマ処理を用いることによって、ゲート絶縁膜にダメージを与えることなく簡単な工程で炭化タンタルという導電材料を用いて仕事関数を適切に制御したゲート電極を形成することができる。それによって、相補型半導体装置や、互いにVthの高となるトランジスタからなる多値論理回路を構成する絶縁ゲート型半導体装置の信頼性を高めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態の金属ゲートMISFETの製造工程の説明図である。図1(a)に示すように、まず、シリコン基板11に例えば、STI構造の素子分離領域12を形成したのち、n型の第1のウエル領域13及び第2のウエル領域14を形成する。
【0026】
次いで、HfOやHfSiON等の高誘電率膜からなるゲート絶縁膜15を形成したのち、仕事関数が例えば4.8eV程度でTaC膜16を成膜する。このTaC膜16は、例えば、Ta源とC源を交互に供給することによって(111)−richのTaC膜としても良い。なお、このTaC膜16の膜厚は、次の水素プラズマ処理工程においてCが離脱し易いように、3〜15nm、例えば、5nmとする。
【0027】
次いで、図1(b)に示すように、SiN膜を堆積させたのち、第2のウエル領域14上のSiN膜を除去して残ったSiN膜パターン17をマスクとする。次いで、水素プラズマ18中で熱処理することによって、TaC膜16中のCを放出してC−poorのTaC膜19に変換する。TaC膜16を水素プラズマ18中に晒すことによってH+ がTaC膜16中に進入して炭素と結合し、炭化水素(C)としてTaC膜16から脱離し、膜中の炭素を減らすことによってC−poorのTaC膜19に変換される。例えば、CがTaの1/3以下になるように減らす。
【0028】
TaCは仕事関数4.8eV程度であり、pチャネル型半導体装置のゲート電極材料として好適である。一方、TaCからCを減らしていくことにより仕事関数はTaの持つ4.0eVに近づいてゆき、nチャネル型半導体装置のゲート電極材料として好適となる。なお、Cの低減の程度は処理時間等の処理条件に依存するものであり、高温で長い時間処理した場合には、5nm程度の薄いTaC膜の場合にはCが殆ど離脱してTaに非常に近くなる。
【0029】
この場合の水素プラズマ処理工程の条件としては、3Paのプラズマ雰囲気圧力下で、基板温度を20〜200℃とし、TaC膜16の膜厚によるが5秒〜2分程度の処理を行えば良い。また、印加電力は、プラズマ処理装置の構成によるが、例えば、面積が800cm2 の平行平板電極を5cmの間隔で対向させた平行平板型プラズマ処理装置の場合には、1000W程度の電力を印加する。
【0030】
次いで、図1(c)に示すように、SiN膜パターン17を除去することによって、第2のウエル領域14上にはC濃度が低く仕事関数の小さなTaC膜19が形成されるとともに、n型の第1のウエル領域13上にはC濃度が高く仕事関数の大きなTaC膜16が選択的に形成された状態となる。
【0031】
次いで、図1(d)に示すように、全面に多結晶シリコンやW等の上層ゲート電極となる導電膜20を形成したのち、パターニングしてゲート構造を形成する。以降は、通常の不純物の導入工程、コンタクト電極の形成工程、層間絶縁膜を形成工程、引出電極の形成工程とを経ることによって、n型の第1のウエル領域13にはpチャネル型MISFETが形成される。
【0032】
一方、第2のウエル領域14がp型の場合には、nチャネル型MISFETが形成されてp型MISFETとともに相補型トランジスタを構成する。また、第2のウエル領域14がn型の場合には、第1のウエル領域13に形成したpチャネル型MISFETよりVthの高いp型チャネル型MISFETが形成される。
【0033】
このように、本発明の実施の形態においては、エッチング工程を行うことなく、一度の成膜工程で成膜したTaC膜に水素プラズマ処理を行うだけの簡単な工程でTaC膜の仕事関数を制御している。したがって、ゲート絶縁膜に対してエッチングの作用が及ばないため信頼性の劣化を引き起こすこともない。
【0034】
なお、同一の半導体基板上に互いに異なったVthのnチャネル型MISFETを形成する場合には、第1のウエル領域及び第2のウエル領域を共にn型とし、第1の水素プラズマ処理工程の後に、SiN膜からなるマスクを除去して第2の水素プラズマ処理を行っても良い。
【0035】
或いは、最初の成膜工程において、Ta源とC源を同時供給してnチャネル型MISFETに適した仕事関数の小さな(200)−richのTaC膜を形成し、このTaC膜を選択的に水素プラズマ処理しても良い。この場合、水素プラズマ処理を行った部分のTaC膜のC濃度は低減してより仕事関数が小さくなる。
【実施例1】
【0036】
以上を前提として、次に、図2乃至図5を参照して本発明の実施例1の相補型半導体装置の製造工程を説明する。まず、図2(a)に示すように、例えば、850℃においてHCl酸化を行うことによって、p型シリコン基板21の表面に厚さが、例えば、10nmのSiO膜22を形成したのち、減圧化学気相成長法(LPCVD法)を用いて厚さが、例えば、100nmのSiN膜23を堆積させる。
【0037】
次いで、図2(b)に示すように、素子形成領域のみにSiN膜23を残すレジストパターン(図示を省略)を設ける。このレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを施すことによって、SiN膜パターン24を形成する。
【0038】
次いで、図2(c)に示すように、レジストパターンを除去したのち、SiN膜パターン24をマスクとして、ドライエッチングを施すことによって、深さが、例えば、200nmの素子分離溝25を形成する。
【0039】
次いで、図2(d)に示すように、再び、850℃においてHCl酸化を行うことによって素子分離溝25の表面に厚さが、例えば、10nmのライナー酸化膜(図示は省略)を形成したのち、例えば、高密度プラズマCVD法(HDP−CVD法)を用いて、厚さが、例えば、500nmのHDP−SiO膜を堆積させる。
【0040】
次いで、CMP(化学機械研磨)法を用いてSiN膜パターン24をストッパーとしSiN膜パターン24が露出するまでHDP−SiO膜を除去することによって、HDP−SiO膜で素子分離溝25を埋め込む。この埋め込まれたHDP−SiO膜とライナー酸化膜とが埋込酸化膜26となる。
【0041】
次いで、図3(e)に示すように、SiN膜パターン24を熱燐酸を用いて除去したのち、HFによってSiO膜22を除去する。このSiO膜22の除去工程において、埋込酸化膜26の表面もエッチングされるので、表面は平坦になる。
【0042】
次いで、図3(f)に示すように、p型シリコン基板21の表面に厚さが、例えば、10nmのイオン注入用の犠牲酸化膜を形成する。次いで、一方の素子形成領域を覆うようにレジストマスクを設けたのち、Pイオンを高加速エネルギーでイオン注入して深い位置にウエル形成用のイオン注入領域を形成するとともに、Asイオンを低加速エネルギーでイオン注入して表面側にチャネル・ドープ領域形成用のイオン注入領域(いずれも図示は省略)を形成する。
【0043】
次いで、レジストマスクを除去したのち、他方の素子形成領域を覆うようにレジストマスクを設けたのち、Bイオンを高加速エネルギーでイオン注入して深い位置にウエル形成用のイオン注入領域を形成するとともに、Bイオンを低加速エネルギーでイオン注入して表面側にチャネル・ドープ領域形成用のイオン注入領域(いずれも図示は省略)を形成する。
【0044】
次いで、レジストパターンを除去したのち、注入したイオンを活性化する熱処理を行って一方の素子形成領域にn型ウエル領域27を形成するとともに、表面にチャネル・ドープ領域(図示は省略)を形成する。同時に、他方の素子形成領域にp型ウエル領域28を形成するとともに、表面にチャネル・ドープ領域(図示は省略)を形成したのち、犠牲酸化膜を除去する。
【0045】
次いで、図3(g)に示すように、HCl+Hを用いてSC2洗浄処理を行ったのち、HfCl及びHOを交互に供給するALCVD法を用いて、全面に厚さが、例えば、3nmのHfO膜29を形成する。次いで、Ta源及びC源を交互に供給してスパッタリングを行うことによって、厚さが、例えば、5nmのTaC膜30を形成する。
【0046】
次いで、図3(h)に示すように、次いで、CVD法を用いて、厚さが、例えば、20nmのSiN膜を堆積させたのち、n型ウエル領域27を覆うようにレジストパターン31を設ける。次いで、このレジストパターン31をマスクとして露出するSiN膜をCHFとArを含んだ雰囲気下でのRIE(反応性イオンエッチング)処理でエッチング除去してSiN膜パターン32を形成する。
【0047】
次いで、図4(i)に示すように、レジストパターン31を除去したのち、SiN膜パターン32をマスクとし、水素プラズマ処理を行う。この水素プラズマ処理によって、p型ウエル領域28上のTaC膜からCが離脱して、低炭素濃度で低仕事関数のTaC膜33となる。なお、この水素プラズマ処理においては、基板温度を例えば、20℃とし、3Paのプラズマ圧力下で30秒間の処理を行う。
【0048】
次いで、図4(j)に示すように、レジストパターン31を除去したのち、CVD法を用いて全面に厚さが、例えば、100nmの多結晶シリコン膜34を堆積させる。
【0049】
次いで、図4(k)に示すように、多結晶シリコン膜34、TaC膜30,33、及び、HfO膜29をパターニングすることによって、ゲート構造を形成する。
【0050】
次いで、図4(l)に示すように、n型ウエル領域27側をレジストパターン35で覆った後、p型ウエル領域28側のゲート構造をマスクとしてAsイオンを低加速エネルギーで注入することによってn型イクステンション領域36を形成する。
【0051】
次いで、図5(m)に示すように、レジストパターン35を除去したのち、p型ウエル領域28側をレジストパターン37で新たに覆った状態で、n型ウエル領域27側のゲート構造をマスクとしてBイオンを低加速エネルギーで注入してp型イクステンション領域38を形成する。
【0052】
次いで、図5(n)に示すように、レジストパターン37を除去したのち、LPCVD法を用いて全面に厚いSiO膜を堆積させたのち、異方性エッチングを施してサイドウォール39,40を形成する。
【0053】
次いで、図5(o)に示すように、p型ウエル領域28側をレジストパターン41で覆った後、n型ウエル領域27側のゲート構造及びサイドウォール40をマスクとしてBイオンを高加速エネルギーでイオン注入することによってp型ソース・ドレイン領域42を形成する。この時、n型ウエル領域27側のゲート構造を構成する多結晶シリコン膜34にBがドープされてp型多結晶シリコン膜43になる。
【0054】
次いで、図5(p)に示すように、レジストパターン41を除去したのち、n型ウエル領域27側をレジストパターン44で新たに覆った後、ゲート構造及びサイドウォール39をマスクとしてAsイオンを高加速エネルギーでイオン注入してn型ソース・ドレイン領域45を形成する。この時、p型ウエル領域28側のゲート構造を構成する多結晶シリコン膜34にAsがドープされてn型多結晶シリコン膜46になる。
【0055】
次いで、図6(q)に示すように、レジストパターン44を除去したのち、注入したイオンを活性化する熱処理を行う。次いで、スパッタリング法を用いて全面に、厚さが、例えば、10nmのCo膜47を堆積させる。
【0056】
次いで、図6(r)に示すように、熱処理を施すことによって、Co膜47とn型多結晶シリコン膜46及びp型多結晶シリコン膜43とを反応させてCoシリサイド層48,49を形成する。それと同時に、Co膜47とn型ソース・ドレイン領域45及びp型ソース・ドレイン領域42とを反応させてソース・ドレイン電極となるCoシリサイド層50,51を形成する。
【0057】
なお、この時の熱処理条件は、例えば、N雰囲気中で、400〜600℃、例えば、500℃の温度で、10〜900秒、例えば、30秒間の急速熱処理(Rapid Thermal Annealing:RTA)とする。
【0058】
次いで、図6(s)に示すように、HSO:H=3:1の混合液で20分間エッチングを行うことによって未反応のCo膜47を除去したのち、全面にBPSG膜を堆積させ、CMP法で研磨して平坦化することによって層間絶縁膜52を形成する。以降は、必要とする配線構造を形成するために、ビアの形成工程、配線の形成工程、及び、層間絶縁膜の形成工程を繰り返すことによって相補型半導体装置が完成する。
【0059】
このように、本発明の実施例1においては、高仕事関数のTaC膜を成膜したのち、選択的に水素プラズマ雰囲気に晒すことによって、TaC膜中のC濃度をnチャネル型MISFETに適した仕事関数まで低減している。それによって、各MISFETのVthを高精度の制御することができるとともに、ゲート絶縁膜がエッチングダメージやイオン注入に伴うダメージを受けることがないので、半導体装置の信頼性が低下することがない。
【実施例2】
【0060】
次に、図7乃至図8を参照して、本発明の実施例2のpチャネル型MISFETの製造工程を説明する。まず、図7(a)に示すように、実施例1とほぼ同様の工程を経て、p型シリコン基板21に埋込酸化膜26で素子分離されたn型ウエル領域27,53を形成する。
【0061】
次いで、HCl+Hを用いてSC2洗浄処理を行ったのち、HfCl及びHOを交互に供給するALCVD法を用いて、全面に厚さが、例えば、3nmのHfO膜29を形成する。次いで、Ta源及びC源を交互に供給してスパッタリングを行うことによって、厚さが、例えば、5nmのTaC膜30を形成する。
【0062】
次いで、図7(b)に示すように、次いで、CVD法を用いて、厚さが、例えば、20nmのSiN膜を堆積させたのち、n型ウエル領域27を覆うようにレジストパターン31を設ける。次いで、このレジストパターン31をマスクとして露出するSiN膜をCHFとArを含んだ雰囲気InAlAsでのRIE処理でエッチング除去してSiN膜パターン32を形成する。
【0063】
次いで、図7(c)に示すように、レジストパターン31を除去したのち、SiN膜パターン32をマスクとし、水素プラズマ処理を行う。この水素プラズマ処理によって、n型ウエル領域51上のTaC膜からCが離脱して、比較的に炭素濃度の低い低仕事関数のTaC膜54となる。
【0064】
次いで、図7(d)に示すように、SiN膜パターン32を除去したのち、CVD法を用いて全面に厚さが、例えば、100nmの多結晶シリコン膜34を堆積させる。
【0065】
次いで、図8(e)に示すように、多結晶シリコン膜34、TaC膜30,52、及び、HfO膜29をパターニングすることによって、ゲート構造を形成する。次いで、ゲート構造をマスクとしてBイオンを低加速エネルギーで注入することによってp型イクステンション領域38,55を形成する。
【0066】
次いで、図8(f)に示すように、LPCVD法を用いて全面に厚いSiO膜を堆積させたのち、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール40,56を形成する。次いで、ゲート構造及びサイドウォール40,56をマスクとしてBイオンを高加速エネルギーでイオン注入することによってp型ソース・ドレイン領域42,57を形成する。この時、ゲート構造を構成する多結晶シリコン膜34にBがドープされてp型多結晶シリコン膜43,58になる。
【0067】
次いで、注入したイオンの活性化を行い、次いで、図8(g)に示すように、スパッタリング法を用いて全面に、厚さが、例えば、10nmのCo膜を堆積させたのち、熱処理を施すことによって、Coシリサイド層49,51,59,60を形成する。
【0068】
次いで、図8(h)に示すように、HSO:H=3:1の混合液で20分間エッチングを行うことによって未反応のCo膜を除去したのち、全面にBPSG膜を堆積させ、CMP法で研磨して平坦化することによって層間絶縁膜52を形成する。以降は、必要とする配線構造を形成するために、ビアの形成工程、配線の形成工程、及び、層間絶縁膜の形成工程を繰り返すことによって互いにVthの異なる複数のpチャネル型MISFETを備えた半導体装置が完成する。
【0069】
このように、本発明の実施例2においては、高仕事関数のTaC膜を成膜したのち、選択的に水素プラズマ雰囲気に晒すことによって、TaC膜中のC濃度をpチャネル型MISFETに適した仕事関数の範囲内で低減している。それによって、各MISFETのVthを高精度の制御することができるとともに、ゲート絶縁膜がエッチングダメージやイオン注入に伴うダメージを受けることがないので、半導体装置の信頼性が低下することがない。
【実施例3】
【0070】
次に、図9乃至図10を参照して、本発明の実施例3のnチャネル型MISFETの製造工程を説明する。まず、図9(a)に示すように、実施例1とほぼ同様の工程を経て、p型シリコン基板21に埋込酸化膜26で素子分離されたp型ウエル領域28,61を形成する。
【0071】
次いで、HCl+Hを用いてSC2洗浄処理を行ったのち、HfCl及びHOを交互に供給するALCVD法を用いて、全面に厚さが、例えば、3nmのHfO膜29を形成する。次いで、Ta源及びC源を交互に供給してスパッタリングを行うことによって、厚さが、例えば、5nmのTaC膜30を形成する。
【0072】
次いで、図9(b)に示すように、次いで、CVD法を用いて、厚さが、例えば、20nmのSiN膜を堆積させたのち、p型ウエル領域61を覆うようにレジストパターン31を設ける。次いで、このレジストパターン31をマスクとして露出するSiN膜をCHFとArを含む雰囲気下でのRIE処理でエッチング除去してSiN膜パターン32を形成する。
【0073】
次いで、図9(c)に示すように、レジストパターン31を除去したのち、SiN膜パターン32をマスクとし、水素プラズマ処理を行う。この水素プラズマ処理によって、p型ウエル領域28上のTaC膜からCが離脱して、比較的炭素濃度の低い低仕事関数のTaC膜62となる。
【0074】
次いで、図9(d)に示すように、SiN膜パターン32を除去したのち、再び、水素プラズマ処理を行う。この水素プラズマ処理によって、p型ウエル領域28上のTaC膜62からCがさらに離脱して、低炭素濃度の低仕事関数のTaC膜63となる。一方、p型ウエル領域61上のTaC膜30からCが離脱して、比較的炭素濃度が低く、仕事関数も多少低下したTaC膜64となる。
【0075】
次いで、図10(e)に示すように、CVD法を用いて全面に厚さが、例えば、100nmの多結晶シリコン膜34を堆積させたのち、多結晶シリコン膜34、TaC膜63,64、及び、HfO膜29をパターニングすることによって、ゲート構造を形成する。
次いで、ゲート構造をマスクとしてAsイオンを低加速エネルギーで注入することによってn型イクステンション領域65,66を形成する。
【0076】
次いで、図10(f)に示すように、LPCVD法を用いて全面に厚いSiO膜を堆積させたのち、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール67,68を形成する。次いで、ゲート構造及びサイドウォール67,68をマスクとしてAsイオンを高加速エネルギーでイオン注入することによってn型ソース・ドレイン領域69,70を形成する。この時、ゲート構造を構成する多結晶シリコン膜34にAsがドープされてn型多結晶シリコン膜71,72になる。
【0077】
次いで、注入したイオンを活性化する熱処理を行う。次いで、図10(g)に示すように、スパッタリング法を用いて全面に、厚さが、例えば、10nmのCo膜を堆積させたのち、熱処理を施すことによって、Coシリサイド層73〜76を形成する。
【0078】
次いで、図10(h)に示すように、HSO:H =3:1の混合液で20分間エッチングを行うことによって未反応のCo膜を除去したのち、全面にBPSG膜を堆積させ、CMP法で研磨して平坦化することによって層間絶縁膜52を形成する。以降は、必要とする配線構造を形成するために、ビアの形成工程、配線の形成工程、及び、層間絶縁膜の形成工程を繰り返すことによって互いにVthの異なる複数のnチャネル型MISFETを備えた半導体装置が完成する。
【0079】
このように、本発明の実施例3においては、高仕事関数のTaC膜を成膜したのち、選択的に水素プラズマ雰囲気に2度晒すことによって、TaC膜中のC濃度をnチャネル型MISFETに適した仕事関数の範囲内で低減している。それによって、各MISFETのVthを高精度の制御することができるとともに、ゲート絶縁膜がエッチングダメージやイオン注入に伴うダメージを受けることがないので、半導体装置の信頼性が低下することがない。
【0080】
以上、本発明の各実施例及び実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施例及び実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の各実施例及び実施の形態の説明においては、基板としてシリコン基板を用いているが、シリコン基板に限られるものではない。例えば、SiGe基板或いは、シリコン基板等の上にSiGe層を成長させたエピタキシャル基板を用いても良いものである。
【0081】
上記の各実施例においては、高誘電率膜としてHfOを用いているが、HfOに限られるものではなく、10〜40の誘電率を有する膜、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタン(La)及びそのシリケートやアルミネート、酸化アルミニウム(Al)、或いは、5酸化タンタル(Ta )を用いても良いものである。
【0082】
また、上記の各実施例及び実施の形態に示された半導体装置の製造方法において、例えば、第1のウエル領域のイクステンション形成と第2のウエル領域のイクステンション形成の順序や、第1のウエル領域のソース・ドレイン形成と第2のウエル領域のソース・ドレイン形成の順序は任意では適宜変更されるものである。
【0083】
また、上記の各実施例においては、ゲート、ソース、ドレインの各電極にCoを用いたCoシリサイド層を形成しているが、Coに限られるものではなく、例えば、Ni等を用いたNiシリサイド層を用いても良いものである。
【0084】
ここで、実施例1乃至実施例3を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1炭素濃度の第1の炭化タンタル膜を含む第1ゲート電極とを有する第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、
前記半導体基板上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された、前記第1炭素濃度とは異なる第2炭素濃度の第2の炭化タンタル膜を含む第2ゲート電極とを有する第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと
を有する半導体装置。
(付記2) 前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとが相補型トランジスタを構成する付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと前記第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタとが互いにしきい値電圧の異なる同導電型のトランジスタを構成する付記1に記載の半導体装置。
(付記4) 前記第1のゲート絶縁膜と前記第2の絶縁膜とが、同じ高誘電率膜からなり、前記高誘電率膜が酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン及びそのシリケートやアルミネート、酸化アルミニウム、或いは、5酸化タンタルの中の少なくとも一つからなる付記1乃至付記3のいずれか1に記載の半導体装置。
(付記5) 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に炭化タンタル膜を成膜する工程と、
前記炭化タンタル膜の一部を露出する開口を有するマスクパターンを形成したのち、水素プラズマ処理を行う工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記開口に対応する領域以外の領域に水素プラズマ処理を受けない前記炭化タンタル膜をゲート電極とするpチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記開口に対応する領域に水素プラズマ処理を受けた前記炭化タンタル膜をゲート電極とするnチャネル型界効果型トランジスタを形成する工程と
を有する付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記開口に対応する領域以外の領域に水素プラズマ処理を受けない前記炭化タンタル膜をゲート電極とする第1のpチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記開口に対応する領域に水素プラズマ処理を受けた前記炭化タンタル膜をゲート電極とするとともに、前記第1のpチャネル電界効果型トランジスタよりしきい値電圧の絶対値が小さな第2のpチャネル型界効果型トランジスタを形成する工程と
を有する付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記マスクパターンを除去したのち、第2の水素プラズマ処理を行う工程を有する付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記開口に対応する領域以外の領域に第2の水素プラズマ処理のみを受けた前記炭化タンタル膜をゲート電極とする第1のnチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記開口に対応する領域に少なくとも二度の水素プラズマ処理を受けた前記炭化タンタル膜をゲート電極とするとともに、前記第1のnチャネル電界効果型トランジスタよりしきい値電圧の絶対値が大きな第2のnチャネル型界効果型トランジスタを形成する工程と
を有する付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記ゲート絶縁膜が、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン及びそのシリケートやアルミネート、酸化アルミニウム、或いは、5酸化タンタルの中の少なくとも一つからなる付記5乃至付記9のいずれか1に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態の金属ゲートMISFETの製造工程の説明図である。
【図2】本発明の実施例1の相補型半導体装置の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の実施例1の相補型半導体装置の図2以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図4】本発明の実施例1の相補型半導体装置の図3以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図5】本発明の実施例1の相補型半導体装置の図4以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図6】本発明の実施例1の相補型半導体装置の図5以降の製造工程の説明図である。
【図7】本発明の実施例2のpチャネル型MISFETの途中までの製造工程の説明図である。
【図8】本発明の実施例2のpチャネル型MISFETの図7以降の製造工程の説明図である。
【図9】本発明の実施例3のnチャネル型MISFETの途中までの製造工程の説明図である。
【図10】本発明の実施例3のnチャネル型MISFETの図9以降の製造工程の説明図である。
【図11】従来の金属ゲートCMOSFETの製造工程の説明図である。
【図12】従来の他の金属ゲートCMOSFETの製造工程の説明図である。
【符号の説明】
【0086】
11 シリコン基板
12 素子分離領域
13 第1のウエル領域
14 第2のウエル領域
15 ゲート絶縁膜
16,19 TaC膜
17 SiN膜パターン
18 水素プラズマ
20 導電膜
21 p型シリコン基板
22 SiO
23 SiN膜
24,32 SiN膜パターン
25 素子分離溝
26 埋込酸化膜
27,53 n型ウエル領域
28,61 p型ウエル領域
29 HfO
30,33,54,62〜64 TaC膜
31,35,37,41,44 レジストパターン
34 多結晶シリコン膜
36,65,66 n型イクステンション領域
38,55 p型イクステンション領域
39,40,56,67,68 サイドウォール
42,57 p型ソース・ドレイン領域
43,58 p型多結晶シリコン膜
45,69,70 n型ソース・ドレイン領域
46,71,72 n型多結晶シリコン膜
47 Co膜
48〜51,59,60,73〜76 Coシリサイド層
52 層間絶縁膜
81 シリコン基板
82 素子分離領域
83 n型ウエル領域
84 p型ウエル領域
85 ゲート絶縁膜
86,88,90 TaC膜
87,89 SiN膜パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1炭素濃度の第1の炭化タンタル膜を含む第1ゲート電極とを有する第1の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと、
前記半導体基板上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された、前記第1炭素濃度とは異なる第2炭素濃度の第2の炭化タンタル膜を含む第2ゲート電極とを有する第2の絶縁ゲート電界効果型トランジスタと
を有する半導体装置。
【請求項2】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に炭化タンタル膜を成膜する工程と、
前記炭化タンタル膜の一部を露出する開口を有するマスクパターンを形成したのち、水素プラズマ処理を行う工程と
を有する絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記開口に対応する領域以外の領域に水素プラズマ処理を受けない前記炭化タンタル膜をゲート電極とするpチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記開口に対応する領域に水素プラズマ処理を受けた前記炭化タンタル膜をゲート電極とするnチャネル型界効果型トランジスタを形成する工程と
を有する請求項2に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記マスクパターンを除去したのち、第2の水素プラズマ処理を行う工程を有する請求項2に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ゲート絶縁膜が、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン及びそのシリケートやアルミネート、酸化アルミニウム、或いは、5酸化タンタルの中の少なくとも一つからなる請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−123660(P2010−123660A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294264(P2008−294264)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】