説明

配線及びその形成方法と薄膜トランジスタ基板及びその製造方法

【課題】接着性が向上し、伝導性に優れた配線及びその形成方法とこれを用いて形成された薄膜トランジスタ基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 配線は、酸化反応性金属またはシリサイド化反応性金属、及び銀を含む接着層と、前記接着層上に形成される銀導電層と、前記銀導電層上に形成され、前記酸化反応性金属及び前記銀を含んで形成される保護層とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線及びその形成方法と薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に係り、さらに詳細には、接着性が向上し、伝導性に優れた配線及びその形成方法とこれを用いて形成される薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)は、現在最も広く使われている平板表示装置(flat panel display)の1つであって、電極が形成されている二枚の基板とその間に挿入されている液晶層からなり、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列させることによって透過される光量を調節する表示装置である。
【0003】
液晶表示装置のうちでも、現在主に使われているのは、電界生成電極が二枚の基板に各々備わっている形態である。その中でも、1つの基板には複数の画素電極がマトリックス(matrix)状に配列されており、他の基板には1つの共通電極が基板全面を覆っている。このような液晶表示装置における画像の表示は、各画素電極に別途の電圧を印加することによってなされる。このために画素電極に印加される電圧をスイッチングための三端子素子である薄膜トランジスタを各画素電極に連結し、この薄膜トランジスタを制御するための信号を伝達するゲート線を含むゲート配線と画素電極に印加される電圧を伝達するデータ線を含むデータ配線を基板上に形成する。
【0004】
一方、液晶表示装置の表示面積が次第に大型化されるにつれて、薄膜トランジスタと連結されるゲート線及びデータ線も長くなり、それによって配線の抵抗も増加する。したがって、このような抵抗増加による信号遅延などの問題を解決するためには、ゲート線及びデータ線をできるだけ低い比抵抗を有する材料で形成する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
配線材料のうち、最も低い比抵抗を有する物質は、銀(Ag)である。銀(Ag)は、比抵抗が約1.59μΩcmであると知られている。したがって、実際の工程で銀(Ag)からなるゲート配線及びデータ配線を使用することによって、信号遅延などの問題を解決しうる。しかし、銀(Ag)は、ガラスなどの基板または真性非晶質シリコンやドーピングされた非晶質シリコンからなる半導体基板の下部基板に対して接着性がきわめて不良であって蒸着し難く、配線の浮き上がり(lifting)または剥離(peeling)が誘発されやすい。また銀は、耐熱性及び耐化学性に対し脆弱で、高温の熱による凝集現象が発生し、エッチング液により腐食されやすいというような問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−140319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来の薄膜トランジスタ基板の配線における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、接着性と伝導度とに優れた配線及びその形成方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、接着性と伝導度とに優れた配線を含む薄膜トランジスタ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による配線は、酸化反応性金属またはシリサイド化反応性金属、及び銀を含む接着層と、前記接着層上に形成される銀導電層と、前記銀導電層上に形成され、前記酸化反応性金属及び前記銀を含んで形成される保護層とを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による配線形成方法は、シリサイド化反応性金属または酸化反応性金属を含む第1銀合金層と、銀導電層と、酸化反応性金属を含む第2銀合金層とを順次に積層する段階と、前記積層結果物に熱処理して前記第1銀合金層に含まれる前記シリサイド化反応性金属をシリサイド化するか、または前記酸化反応性金属を酸化して接着層を形成し、前記第2銀合金層に含まれる酸化反応性金属を酸化して保護層を形成する段階とを有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ基板は、第1方向に延びるゲート線を含むゲート配線と、前記ゲート線と絶縁されて交差する第2方向に延びるデータ線を含むデータ配線とを有し、前記ゲート配線または前記データ配線のうち、少なくとも1つは、酸化反応性金属またはシリサイド化反応性金属、及び銀を含む接着層と、銀導電層と、酸化反応性金属及び銀を含む保護層とが順次に積層される配線であることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ基板の製造方法は、第1方向に延びるゲート線を含むゲート配線を形成する段階と、前記ゲート線と絶縁されて交差する第2方向に延びるデータ線を含むデータ配線を形成する段階とを有し、前記ゲート配線または前記データ配線を形成する段階のうち、少なくとも1つは、シリサイド化反応性金属または酸化反応性金属を含む第1銀合金層と、銀導電層と、酸化反応性金属を含む第2銀合金層とを順次に積層する段階と、前記積層結果物に熱処理して前記第1銀合金層に含まれるシリサイド反応性金属をシリサイド化するか、または前記酸化反応性金属を酸化して接着層を形成する段階と、前記第2銀合金層に含まれる酸化反応性金属を酸化して保護層を形成する段階とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る配線及びその形成方法と薄膜トランジスタ基板及びその製造方法によれば、薄膜トランジスタ基板のゲート配線またはデータ配線は、銀導電層下部には接着層を介在して下部層との接着性を向上させ、上部には保護層を形成して銀導電層を保護する。したがって、ゲート配線またはデータ配線の浮き上がりまたは剥離現象が防止されて、結局液晶表示装置の信号特性が良くなり、画質が改善されるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらの達成方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で具現でき、単に本実施形態は本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供され、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。明細書全体に亙って同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0014】
次に、本発明に係る配線及びその形成方法と薄膜トランジスタ基板及びその製造方法を実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施形態による配線を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施形態による配線は、基板1上に酸素との反応性の大きな金属である酸化反応性金属及び銀を含む接着層3、銀導電層5、及び接着層3に含まれる酸化反応性金属のような酸化反応性金属及び銀を含む保護層7で構成される。
接着層3は、酸化反応性金属が酸素と反応して形成された酸化金属と銀とを含む合金層として下部に位置する基板1と優秀な接着性を有する。酸化反応性金属としては、酸素と反応するものであれば、特に限定されないが、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つの金属を含みうる。酸化反応性金属は、接着層3中に約0.1〜50原子%が含まれうる。この際、接着層3のうち酸化反応性金属の濃度は、一定でなく、すなわち、接着層3と銀導電層5との界面から基板1との界面に行くほど酸化反応性金属の濃度が増加する濃度勾配が形成されている。
接着層3上に積層された銀導電層5は、配線の本来機能の電気信号の通路役割を行う層であって低い比抵抗を有する。
【0016】
銀導電層5上に形成された保護層7は、接着層3に含まれた酸化反応性金属のような酸化反応性金属が酸素と反応して形成された酸化金属と銀とを含む合金層であって、後続の熱処理工程またはエッチング工程で耐熱性及び耐化学性が弱い銀導電層5を保護する役割を果たす。酸化反応性金属は、保護層7中に約0.1〜50原子%が含まれうる。この際、保護層7のうち酸化反応性金属の濃度は、一定でなく、すなわち、保護層7と銀導電層5との界面から表面に行くほど酸化反応性金属の濃度が増加する濃度勾配が形成されている。
【0017】
図2に示すように、本発明の他の実施形態による配線は、基板1上に酸化反応性金属を含む接着層3’、銀導電層5及び酸化反応性金属を含む保護層7を含み、接着層3’及び保護層7に含まれる酸化反応性金属が相異なる金属であるということを除いては、本発明の一実施形態による配線と同一である。本発明の一実施形態による配線と同様に、接着層3’は下部基板1と優秀な接着性を有し、銀導電層5は、電気信号の通路役割を行い、保護層7は、銀導電層5を保護する。
【0018】
図3に示すように、本発明のさらに他の実施形態による配線は、基板1上にシリコンとの反応性の大きな金属のシリサイド化反応性金属を含む接着層3”、銀導電層5及び酸化反応性金属を含む保護層7で構成される。この際、配線下部に存在する基板1は、シリコンを含まねばならない。
保護層3”は、シリサイド化反応性金属が基板1に含まれたシリコンと反応して形成されたシリサイド金属と銀とを含む合金層であって、下部に位置する基板1と優秀な接着性を有する。この際、シリサイド化反応性金属は、シリコンと反応するものであれば、特に限定されないが、例えば、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含みうる。
【0019】
接着層3”に含まれるシリサイド化反応性金属は、約0.1〜50原子%が含まれうる。この際、接着層3”に含まれるシリサイド化反応性金属の濃度は、一定でなく、すなわち、接着層3”と銀導電層5との界面から基板1との界面に行くほど、酸化反応性金属の濃度が増加する濃度勾配が形成されている。
第1銀合金層3”上に積層された銀導電層5は、本発明の一実施形態と同様に電気信号の通路役割を行い、銀導電層5上に形成された保護層7は、酸化反応性金属が酸素と反応して形成された酸化金属と銀とを含む合金層であって、銀導電層5を保護する役割を行う。
【0020】
次いで、本発明の一実施形態による配線形成方法を図1及び図4乃至図6を参照して説明する。図4乃至図6は、本発明の一実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【0021】
図4に示すように、例えば、SiOからなるガラスでなされた基板1に銀を基本とし、0.1〜50原子%(atom%)の酸化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングして第1銀合金層2を形成する。このような酸化反応性金属としては、酸素と反応して酸化反応を起こすものならば、特に限定されないが、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つでありうる。この際、第1銀合金層2の厚さは、特に限定されないが、過度に厚く形成される場合には、配線の比抵抗が増加しうるので、例えば、100Å〜2000Åであり得る。
【0022】
次いで、第1銀合金層2上に、銀ターゲットをスパッタリングして銀導電層5を形成する。銀導電層5は、配線の本来機能である電気信号の通路役割を果たす層であって、その厚さは例えば、約1000〜3000Åであり得る。
次いで、銀導電層5上に銀を基本とし、0.1〜50原子%の酸化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングして第2銀合金層6を形成する。このような酸化反応性金属は、第1銀合金層2に含まれている酸化反応性金属と同じ金属を含んでもよく、他の金属を含んでも良い。本実施形態では、第1及び第2銀合金層2、6中に含まれた酸化反応性金属が互いに同じ場合を例示して説明しているが、酸化反応性金属が相異なる場合にも、本発明の一実施形態による配線形成方法が適用可能であるということは言うまでもない。
第2銀合金層6に含まれる酸化反応性金属は、第1銀合金層2に含まれる酸化反応性金属と同様に、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つでありうる。この際、銀合金層の厚さは特に限定されないが、過度に厚く形成される場合には、配線の抵抗が増加しうるので、例えば、500〜2000Åであり得る。
【0023】
次に、図5に示すように、基板1上に形成された第1銀合金層(図4の2)、銀導電層5及び第2銀合金層(図4の6)からなる積層結果物に熱処理工程であるアニーリングを実施する。アニーリング工程は、真空、窒素または少量の酸素を含む雰囲気下で実施され、処理温度及び時間は、約200〜300℃で約30分〜2時間の範囲である。
【0024】
熱処理の結果、第1及び第2銀合金層(図4の2、6)中に含まれた酸化反応性金属は、銀よりさらに速い拡散速度を有し、各々基板1との界面及び第2銀合金層(図4の6)の表面に移動する。基板1との界面に移動した酸化反応性金属は、基板中に含まれるSiOと反応して、酸化金属を形成する。第2銀合金層(図4の6)の表面に移動した酸化反応性金属は、大気中の酸素と反応して酸化金属を形成する。例えば、酸化反応性金属がMgまたはAlである場合、熱処理により酸素と反応してMgOまたはAlの酸化金属を形成する。
【0025】
このような酸化金属を含む層は、各々基板との接着性を向上させる接着層3と耐熱性及び耐化学性が脆弱な銀導電層5を保護する保護層7となる。接着層3及び保護層7に含まれる酸化反応性金属の濃度は一定でなく、すなわち、接着層3では導電層5との界面から基板1との界面に行くほど酸化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成され、保護層3では導電層5との界面から保護層7の表面に行くほど酸化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成される。このような接着層3及び保護層7の厚さは、熱処理工程を行う前の第1銀合金層(図4の2)及び第2銀合金層(図4の6)の厚さによって異なるが、例えば、熱処理工程を行う前の第1銀合金層及び第2銀合金層(図4の2、6)の厚さが各々約500Å、1000Åである場合、接着層3及び保護層7の厚さは各々約200Å、150Åであり得る。
【0026】
次に、図6に示すように、接着層3、銀導電層5及び保護層7を含む熱処理結果物上に感光膜を形成し、これを所望の形状に感光膜パターン8を形成する。
最後に、図1に示すように、感光膜パターン8をエッチングマスクとして接着層3、銀導電層5及び保護層7を含む熱処理結果物をパターニングして配線を完成する

【0027】
次いで、図3、図7乃至図9を参照して、本発明の他の実施形態による配線形成方法を説明する。図7乃至図9は、本発明の他の実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【0028】
図7に示すように、基板1、例えば、真性非晶質シリコンやドーピングされた非晶質シリコンなどを含む基板1に銀を基本として0.1〜50原子%のシリサイド化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングしてシリサイド化反応性金属を含む第1銀合金層2”を形成する。このようなシリサイド化反応性金属としては、シリコンとシリサイド反応を起こすものならば、特に限定されず、例えば、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つでありうる。この際、第1銀合金層2”の厚さは、特に限定されないが、過度に厚く形成される場合には、配線の比抵抗が増加しうるので、例えば、100〜2000Åであり得る。
【0029】
次いで、第1銀合金層2”上に、銀ターゲットをスパッタリングして銀導電層5を形成する。銀導電層5は、配線の本来機能である電気信号の通路役割を果たす層であって、その厚さは例えば、約1000〜3000Åであり得る。
次いで、銀導電層5上に銀を基本として0.1〜50原子%の酸化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングして第2銀合金層6を形成する。このような酸化反応性金属としては、酸素との反応性に優れる金属ならば、特に限定されないが、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つでありうる。この際、第2銀合金層6の厚さは、特に限定されないが、過度に厚く形成される場合には配線の抵抗が増加できるので、例えば、500〜2000Åであり得る。
【0030】
次に、図8に示すように、基板1上に形成された第1銀合金層(図4の2”)、銀導電層5及び第2銀合金層(図4の6)からなる積層結果物に熱処理工程のアニーリングを実施する。アニーリング工程は、真空、窒素または少量の酸素を含む雰囲気下で実施され、処理温度及び時間は、約200〜300℃で、約30分〜2時間の範囲である。
【0031】
熱処理結果、第1銀合金層(図4の2”)中に含まれたシリサイド化反応性金属は、銀よりさらに速い拡散速度を有し、基板1との界面に移動して基板1に含まれているシリコンと反応してシリサイド化金属を形成する。例えば、シリサイド化反応性金属がTiまたはCoである場合、熱処理によりシリコンと反応してTiSiまたはCoSiのシリサイド化金属が形成される。
このようなシリサイド化金属を含む層は、基板との接着性を向上させ、接触抵抗を低めるだけでなく、銀が基板1への広がりを抑制する接着層3”となる。接着層3”でのシリサイド化反応性金属の濃度は一定でなく、すなわち、銀導電層5との界面から基板1との界面に行くほどシリサイド化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成される。接着層3”の厚さは、熱処理工程を行う前の第1銀合金層(図4の2”)の厚さによって異なるが、例えば、熱処理工程を行う前の第1銀合金層(図4の2”)の厚さが約500Åである場合、接着層3”の厚さは、約100Åであり得る。
【0032】
また、熱処理結果、第2銀合金層(図4の6)中に含まれた酸化反応性金属は、銀よりさらに速い拡散速度を有し、第2銀合金層(図4の6)の表面に移動して大気中の酸素と反応して酸化金属を形成する。例えば、酸化反応性金属がMgまたはAlである場合、熱処理により酸素と反応してMgOまたはAlの酸化金属を形成する。このような酸化金属を含む層は、耐熱性及び耐化学性が脆弱な銀導電層5を保護する保護層7となる。保護層7での酸化反応性金属の濃度は一定でなく、すなわち、銀導電層5との界面から保護層7の表面に行くほど酸化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成される。保護層7の厚さは、熱処理工程を行う前の第2銀合金層(図4の6)の厚さによって異なるが、例えば、熱処理工程を行う前の第2銀合金層(図4の6)の厚さが約1000Åである場合、保護層7の厚さが約150Åであり得る。
【0033】
次に、図9に示すように接着層3”、銀導電層5及び保護層7を含む熱処理結果物上に感光膜を形成し、これを所望の形状に感光膜パターン8を形成した後、図3に示したように、感光膜パターン8をエッチングマスクとして接着層3”、銀導電層5及び保護層7を含む熱処理結果物をパターニングして配線を完成する。
【0034】
上述したような配線及び配線の形成方法は、薄膜トランジスタ基板及びその製造方法にも適用されうる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板及びその製造方法について説明する。
まず、図10乃至図12を参照して、本発明の一実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板の構造について説明する。図10は、本発明の一実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウトであり、図11及び図12は、図10のB−B’線に沿って切断した断面図である。
【0035】
図10乃至図12に示すように、基板10上にゲート信号を伝達する複数のゲート配線(22、24、26、27、28)が形成されている。ゲート配線(22、24、26、27、28)は、横方向に延びているゲート線22、ゲート線22の端部に連結されており、外部からのゲート信号を印加されてゲート線22に伝達するゲートパッド24、ゲート線22に連結されて突起形態に形成された薄膜トランジスタのゲート電極26、ゲート線22と平行に形成されている維持電極27及び維持電極線28を含む。維持電極線28は、画素領域を横切って横方向に延びており、維持電極線28に比べて幅が広く形成されている維持電極27が連結される。
【0036】
維持電極27は、後述する画素電極82と連結されたドレイン電極拡張部67と重複されて画素の電荷保存能力を向上させるストレージキャパシタをなす。このような維持電極27及び維持電極線28の形状及び配置は、多様な形態に変形され、画素電極82とゲート線22との重畳によって発生する維持容量が十分である場合には形成されないこともある。
【0037】
ゲート配線(22、24、26、27)は、基板10と優秀な接着性を有する酸化反応性金属を含む接着層221、241、261、271、電気信号の通路役割を果たす銀導電層222、242、262、272及び耐熱性と耐化学性とが脆弱な銀導電層222、242、262、272を保護する酸化反応性金属を含む保護層223、243、263、273の三重層を含みうる。この際、酸化反応性金属は、接着層221、241、261、271及び保護層223、243、263、273で酸化金属の形態に含まれる。
【0038】
このような接着層221、241、261、271及び保護層223、243、263、273は、図11のG1に示すように同じ酸化反応性金属を含んで形成され、また図12のG2に示すように相異なる酸化反応性金属を含んでも形成されうる。また図面に直接的に図示していないが、維持電極線28も他のゲート配線(22、24、26、27)と同じ構造を有する。以下で説明される構成のゲート配線には維持電極線28も含まれる。
基板10、ゲート配線(22、24、26、27、28)の上には、窒化ケイ素(SiNx)からなるゲート絶縁膜30が形成されている。
【0039】
ゲート絶縁膜30の上部には水素化非晶質シリコンまたは多結晶シリコンなどの半導体からなる半導体層42、44、48が形成されており、半導体層42、44、28の上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度でドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなるオーミックコンタクト(ohmic contact)層52、55、56、58が各々形成されている。
オーミックコンタクト層52、55、56、58は、その下部の半導体層42、44、48とその上部のデータ配線(62、65、66、67、68)の接触抵抗を低くめる役割を果たし、データ配線(62、65、66、67、68)と完全に同じ形態を有する。一方、半導体層42、44、48は、薄膜トランジスタのチャンネル部を除外すれば、後述するデータ配線(62、65、66、67、68)及びオーミックコンタクト層52、55、56、58と同じ形状を有している。
【0040】
オーミックコンタクト層55、56及びゲート絶縁膜30上には、データ配線(62、65、66、67、68)が形成されている。データ配線(62、65、66、67、68)は、縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝であり、オーミックコンタクト層55の上部まで延びているソース電極65、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号を印加されるデータパッド68、ソース電極65と分離されており、ゲート電極26または薄膜トランジスタのチャンネル部に対してソース電極65の反対側オーミックコンタクト層56の上部に形成されているドレイン電極66及びドレイン電極66から延びて維持電極27と重複する広い面積のドレイン電極拡張部67を含む。
【0041】
ソース電極65は、半導体層44と少なくとも一部が重複され、ドレイン電極66は、ゲート電極26を中心にソース電極65と対向して半導体層44と少なくとも一部が重複される。
ドレイン電極拡張部67は、維持電極27と重複されるように形成され、維持電極27とゲート絶縁膜30とを挟んで維持容量が形成される。維持電極27を形成しない場合、ドレイン電極拡張部27も形成しない。
【0042】
このようなデータ配線(62、65、66、67、68)は、図11のD1に示したように、下部層との接着性に優れ、接触抵抗を低めうるシリサイド反応性金属を含む接着層621、651、661、671、681、電気信号の通路役割を果たす銀導電層622、652、662、672、682、及び耐熱性と耐化学性とが脆弱な銀導電層622、652、662、672、682を保護する酸化反応性金属を含む保護層623、653、663、673、683の三重の金属層を含む。この際、シリサイド化反応性金属は、オーミックコンタクト層55、56の上部の接着層621、651、661、671、681でシリサイド化金属の形態に含まれ、酸化反応性金属は、保護層623、653、663、673、683で酸化金属の形態に含まれる。
【0043】
データ配線(62、65、66、67、68)及びこれらによって遮蔽されない半導体層44の上部には保護膜70が形成されている。保護膜70は、例えば、平坦化特性に優れ、感光性(photosensitivity)を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質の窒化ケイ素(SiNx)などで形成されうる。
また、保護膜70を有機物質で形成する場合には、ソース電極65とドレイン電極66との間の半導体層44が表れた部分に保護膜70の有機物質が接触することを防止するために、有機膜の下部に窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiO)からなる絶縁膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0044】
保護膜70には、ドレイン電極拡張部67及びデータ線パッド68を各々露出させるコンタクトホール77、78が形成されており、保護膜70とゲート絶縁膜30には、ゲートパッド24を露出させるコンタクトホール74が形成されている。保護膜70上には、コンタクトホール77を通じてドレイン電極66と電気的に連結され、画素に位置する画素電極82が形成されている。データ電圧が印加された画素電極82は、上部基板の共通電極と共に電場を生成することによって、画素電極82と共通電極との間の液晶層の液晶分子の配列を決定する。
また、保護膜70上には、コンタクトホール74、78を通じて各々ゲートパッド24及びデータパッド68と連結されている補助ゲートパッド84及び補助データパッド88が形成されている。画素電極82と補助ゲート及びデータパッド86、88は、透明導電性物質、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)またはインジウムジンクオキサイド(IZO)からなっている。
【0045】
以下、本発明の他の実施形態による配線形成方法を用いた薄膜トランジスタ基板の製造方法について図10乃至図12と、図13乃至図24を参照して、詳細に説明する。
【0046】
まず、図13及び図14に示すように、SiOからなるガラス基板10上に銀を基本として0.1〜50原子%の酸化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングして第1銀合金層を形成し、引き続き、銀ターゲットをスパッタリングして銀導電層を形成した後、0.1〜50原子%の酸化反応性金属を含む銀合金ターゲットをスパッタリングして第2銀合金層を形成する。
この際、第1及び第2銀合金層中に含まれる酸化反応性金属は、互いに同一金属か、又は異なる金属でなりうる。このような酸化反応性金属としては、酸素と反応して酸化反応を起こすものならば、特に限定されないが、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つでありうる。第1銀合金層、銀導電層、及び第2銀合金層の厚さは、特に限定されないが、配線の比抵抗が増加しないように、例えば、各々100〜2000Å、1000〜3000Å、及び500〜2000Åであり得る。
【0047】
三重の金属層を例として真空、窒素または少量の酸素を含む雰囲気下で約200〜300℃で約30分〜2時間アニーリングする。その結果、第1銀合金層に含まれる酸化反応性金属は、基板10との界面に広がって基板10のSiOと反応して酸化金属を形成する。また、第2銀合金層に含まれる酸化反応性金属は表面に広がって大気中の酸素と反応して酸化金属を形成する。したがって、第1銀合金層、銀導電層、及び第2銀合金層は、熱処理により基板10との接着性に優れた接着層221、241、261、271、電気信号の通路役割を果たす銀導電層222、242、262、272、及び耐熱性及び耐化学性が脆弱な銀導電層223、243、263、273を保護する保護層223、243、263、273となる。この際、接着層221、241、261、271及び保護層223、243、263、273は、銀導電層222、242、262、272との界面で各々基板10との界面及び表面に行くほど酸化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成される。
このような熱処理結果物をパターニングしてゲート線22、ゲート電極26、ゲートパッド24、維持電極27及び維持電極線28を含むゲート配線(22、24、26、27、28)を形成する。
【0048】
次に、図15に示すように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、真性非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン層を、例えば、化学気相蒸着法を用いて各々1500Å〜5000Å、500Å〜2000Å、300Å〜600Åの厚さに連続蒸着する。
次いで、ドーピングされた非晶質シリコン層50上に、例えば、銀を基本として0.1〜50原子%のシリサイド化反応性金属を含む銀合金のターゲットをスパッタリングして第3銀合金層を形成し、引き続き銀ターゲットをスパッタリングして銀導電層を形成した後、0.1〜50原子%の酸化反応性金属を含む銀合金ターゲットをスパッタリングして第4銀合金層を形成する。
【0049】
この際、第3銀合金層中に含まれるシリサイド化反応性金属としては、シリコンと反応してシリサイド化反応を起こすものならば、特に限定されないが、例えば、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つでありうる。また、第4銀合金層中に含まれる酸化反応性金属は酸素と反応して酸化反応を起こすものならば、特に限定されないが、例えば、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つでありうる。第3銀合金層、銀導電層、及び第4銀合金層の厚さは、特に限定されないが、配線の比抵抗が増加されないように、例えば、各々100〜2000Å、1000〜3000Å及び500〜2000Åであり得る。
【0050】
三重の金属層を例として真空、窒素または少量の酸素を含む雰囲気下で約200〜300℃で約30分〜2時間アニーリングする。その結果、第3銀合金層に含まれるシリサイド化反応性金属は、真性非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン層との界面に広がって真性非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン層のシリコンと反応してシリサイド化金属を形成する。また、第4銀合金層に含まれる酸化反応性金属は、表面に広がって大気中の酸素と反応して酸化金属を形成する。
したがって、第3銀合金層、銀導電層、及び第4銀合金層は、熱処理により下部膜との接着性に優れた接着層601、電気信号の通路役割を果たす銀導電層602、及び耐熱性及び耐化学性が脆弱な銀導電層602を保護する保護層603となる。この際、接着層601及び保護層603は、銀導電層602との界面から各々真性非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン層の界面及び表面に行くほどシリサイド化反応性金属の濃度及び酸化反応性金属の濃度が高まる濃度勾配が形成される。
次いで、熱処理された結果物上に感光膜110を塗布する。
【0051】
次に、図16及び図17に示すように、マスク(図示せず)を通じて感光膜110に光を照射した後、現像して、感光膜パターン112、114を形成する。この際、感光膜パターン112、114の中から薄膜トランジスタのチャンネル部、すなわち、ソース電極(図11及び図12の65)とドレイン電極(図11及び図12の66)との間に位置した第1部分114は、データ配線部、すなわち、データ配線が形成される部分に位置した第2部分112より厚さを薄くして、チャンネル部とデータ配線部とを除いたその他の部分の感光膜はいずれも除去する。この際、チャンネル部に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部に残っている感光膜112の厚さとの比は、後述するエッチング工程での工程条件によって異ならせるが、第1部分114の厚さを、第2部分112の厚さの1/2以下に、例えば、4000Å以下にしうる。
【0052】
次いで、感光膜パターン112、114をエッチングマスクとしてその下部の保護層603、銀導電層602及び接着層601からなる熱処理結果物をパターニングする。その結果、図18に示すようにチャンネル部及びデータ配線部の三重層パターンのみが残り、チャンネル部及びデータ配線部を除いたその他の部分の三重層60は、いずれも除去されて、その下部のドーピングされた非晶質シリコン層50が露出される。この際、残った三重層パターンは、ソース及びドレイン電極(図11及び図12の65、66)が分離されずに、連結されている点を除ければ、最終的なデータ配線の形態と同一である。
【0053】
次に、図19に示すように、チャンネル部とデータ配線部とを除いたその他の部分の露出されたドーピングされた非晶質シリコン層50及びその下部の真性非晶質シリコン層40を感光膜の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去し、アッシングを通じてチャンネル部のソース/ドレイン用の三重層パターン64の表面に残っている感光膜の残滓を除去する。
【0054】
次に、図20に示すように、チャンネル部の保護層643、銀導電層642、及び接着層641からなる三重層パターンをエッチングして除去した後、ドーピングされた非晶質シリコンからなるオーミックコンタクト層52、55、56、58を形成する。この際、乾式エッチングが使われうる。半導体層44の一部が除去されて薄くなることもあり、感光膜パターンの第2部分112もある程度の厚さにエッチングされうる。その結果、ソース電極65とドレイン電極66とが分離されつつ、データ配線(65、66)とその下部のオーミックコンタクト層55、56とが完成される。
【0055】
次に、図21に示すようにデータ配線部に残っている感光膜第2部分(図20の112)を除去する。
【0056】
次に、図22に示すように平坦化特性に優れ、感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素(SiNx)などを単一層または複数層で形成して保護膜(passivation layer)70を形成する。
【0057】
次に、図23及び図24に示すように、写真エッチング工程でゲート絶縁膜30と共に保護膜70をパータニングし、ゲートパッド24、ドレイン電極拡張部67、及びデータパッド68を露出させるコンタクトホール74、77、78を形成する。この際、保護膜70が感光性を有する有機膜である場合には、写真エッチング工程だけでコンタクトホールを形成でき、ゲート絶縁膜30と保護膜70に対して実質的に同じエッチング比を有するエッチング条件で実施することが望ましい。
【0058】
次に、最後に図10乃至図12に示したように、透明導電性物質、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)またはインジウムジンクオキサイド(IZO)を蒸着し、写真エッチングしてコンタクトホール77を通じてドレイン電極66と連結される画素電極82と、コンタクトホール74、78とを通じてゲートパッド24及びデータパッド68と各々連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド88を形成する。
【0059】
本明細書では、半導体層とデータ配線とを1つの感光膜パターンを用いた写真エッチング工程で形成する薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明したが、相異なるマスクを用いた写真エッチング工程で形成する薄膜トランジスタ基板の製造方法に対しても適用可能である。
また、本明細書では、薄膜トランジスタ基板のデータ配線をシリサイド化反応性金属を含む接着層を含む場合についてのみ説明したが、これは例示的なものに過ぎず、酸化反応性金属を含む接着層を含めても良い。
【0060】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の配線及びその形成方法と薄膜トランジスタ基板及びその製造方法は、液晶表示装置のような平板表示装置に適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態による配線の断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による配線の断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態による配線の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態による配線形成方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による製造方法によって製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウト図である。
【図11】図10のB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図12】図10のB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するためのレイアウト図である。
【図14】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図13のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図13のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するためのレイアウト図である。
【図17】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図18】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図19】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図21】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図22】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図16のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図23】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するためのレイアウト図である
【図24】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明するための図23のB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 基板
2、2” 第1銀合金層
3、3’、3” 接着層
5 銀導電層
6 第2銀合金層
7 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化反応性金属またはシリサイド化反応性金属、及び銀を含む接着層と、
前記接着層上に形成される銀導電層と、
前記銀導電層上に形成され、前記酸化反応性金属及び前記銀を含んで形成される保護層とを有することを特徴とする配線。
【請求項2】
前記接着層及び前記保護層に含まれる、前記各酸化反応性金属は互いに同一金属か、又は異なる金属であることを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項3】
前記酸化反応性金属は、Mg、Al、Li、Zn、In、及びSnの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項4】
前記接着層または前記保護層は、酸化反応性金属を0.1〜50原子%を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項5】
前記シリサイド化反応性金属を含む前記接着層は、その下部にシリコン層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項6】
前記シリサイド化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項7】
前記接着層は、前記シリサイド化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項8】
前記接着層に含まれる前記シリサイド化反応性金属はシリコンと反応してシリサイド化された金属として含まれるか、又は前記接着層に含まれる前記酸化反応性金属は、酸素と反応して酸化された金属として含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項9】
前記保護層に含まれる前記酸化反応性金属は、酸素と反応して酸化された金属として含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線。
【請求項10】
シリサイド化反応性金属または酸化反応性金属を含む第1銀合金層と、銀導電層と、酸化反応性金属を含む第2銀合金層とを順次に積層する段階と、
前記積層結果物に熱処理して前記第1銀合金層に含まれる前記シリサイド化反応性金属をシリサイド化するか、または前記酸化反応性金属を酸化して接着層を形成し、前記第2銀合金層に含まれる酸化反応性金属を酸化して保護層を形成する段階とを有することを特徴とする配線形成方法。
【請求項11】
前記第1及び第2銀合金層に含まれる前記各酸化反応性金属は、互いに同一金属か、又は異なる金属であることを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項12】
前記酸化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項13】
前記第1銀合金層または前記第2銀合金層は、前記酸化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項14】
前記シリサイド化反応性金属を含む前記第1銀合金層の下部にシリコン層をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項15】
前記シリサイド化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項16】
前記第1銀合金層は、前記シリサイド化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項17】
前記熱処理の温度は、200〜300℃であることを特徴とする請求項10に記載の配線形成方法。
【請求項18】
第1方向に延びるゲート線を含むゲート配線と、
前記ゲート線と絶縁されて交差する第2方向に延びるデータ線を含むデータ配線とを有し、
前記ゲート配線または前記データ配線のうち、少なくとも1つは酸化反応性金属またはシリサイド化反応性金属、及び銀を含む接着層と、銀導電層と、酸化反応性金属及び銀を含む保護層とが順次に積層される配線であることを特徴とする薄膜トランジスタ基板。
【請求項19】
前記接着層及び前記保護層に含まれる前記各酸化反応性金属は、互いに同一金属か、又は異なる金属であることを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項20】
前記酸化反応性金属は、Mg、Al、Li、Zn、In及びSnの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項21】
前記接着層または前記保護層は、前記酸化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項22】
前記シリサイド化反応性金属を含む前記接着層下部にシリコン層をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項23】
前記シリコン層は、半導体層またはオーミックコンタクト(ohmic contact)層であることを特徴とする請求項22に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項24】
前記シリサイド化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項25】
前記接着層は、前記シリサイド化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項26】
前記接着層に含まれる前記シリサイド化反応性金属は、シリコンと反応してシリサイド化された金属として含まれるか、又は前記接着層に含まれる前記酸化反応性金属は、酸素と反応して酸化された金属として含まれることを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項27】
前記保護層に含まれる前記酸化反応性金属は、酸素と反応して酸化された金属として含まれることを特徴とする請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項28】
第1方向に延びるゲート線を含むゲート配線を形成する段階と、
前記ゲート線と絶縁されて交差する第2方向に延びるデータ線を含むデータ配線を形成する段階とを有し、
前記ゲート配線または前記データ配線を形成する段階のうち、少なくとも1つはシリサイド化反応性または酸化反応性金属を含む第1銀合金層と、銀導電層と、酸化反応性金属を含む第2銀合金層とを順次に積層する段階と、前記積層結果物に熱処理して前記第1銀合金層に含まれるシリサイド化反応性金属をシリサイド化するか、または前記酸化反応性金属を酸化して接着層を形成する段階と、前記第2銀合金層に含まれる酸化反応性金属を酸化して保護層を形成する段階とを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項29】
前記第1及び第2銀合金層に含まれる前記酸化反応性金属は、互いに同一金属か、又は異なる金属であることを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項30】
前記酸化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項31】
前記第1銀合金層は、前記酸化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項32】
前記シリサイド化反応性金属を含む前記第1銀合金層の下部にシリコン層をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項33】
前記シリコン層は、半導体層またはオーミックコンタクト(ohmic contact)層であることを特徴とする請求項32に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項34】
前記シリサイド化反応性金属は、Ca、Th、Zr、Co、Ni、Ti、V、Nb、Mo、Ta、W及びCrの内から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項35】
前記第1銀合金層は、前記シリサイド化反応性金属を0.1〜50原子%含むことを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項36】
前記熱処理の温度は、200〜300℃であることを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−53363(P2007−53363A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218156(P2006−218156)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】