説明

半導体装置

【課題】大面積化しても低消費電力を実現した半導体装置の構造およびその作製方法を提供する。
【解決手段】画面で使われる画素の薄膜トランジスタを作製する。その薄膜トランジスタにおいて、ソース配線、ゲート電極を同一平面上に作製する。また、ソース配線と薄膜トランジスタをつなぐ配線と、画素電極と薄膜トランジスタをつなぐ配線を同一工程で作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装
置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示装置(液晶モジュールを搭載)に代表
される装置およびその様な装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用
いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタは
ICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチ
ング素子として開発が急がれている。
【0004】
従来より、画像表示装置として液晶表示装置が知られている。パッシブ型の液晶表示装
置に比べ高精細な画像が得られることからアクティブマトリクス型の液晶表示装置が多く
用いられるようになっている。アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マト
リクス状に配置された画素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成さ
れる。詳しくは選択された画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加
されることによって、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ
、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。
【0005】
このようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置の用途は広がっており、画面サイズ
の大面積化とともに高精細化や高開口率化や高信頼性の要求が高まっている。また、同時
に生産性の向上や低コスト化の要求も高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、上記TFTのゲート配線材料としてアルミニウムを用いてTFTを作製した場合、
熱処理によってヒロックやウィスカー等の突起物の形成や、アルミニウム原子のチャネル
形成領域への拡散により、TFTの動作不良やTFT特性の低下を引き起こしていた。そ
こで、熱処理に耐え得る金属材料、代表的には高い融点を有している金属元素を用いた場
合、画面サイズが大面積化すると配線抵抗が高くなる等の問題が発生し、消費電力の増大
等を引き起こしていた。
【0007】
そこで、本発明は、大画面化しても低消費電力を実現した半導体装置の構造およびその
作製方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画素部のソース配線の表面をメッキ処理して配線の低抵抗化を図るものであ
る。なお、本発明において、画素部のソース配線は、駆動回路部のソース配線とは異なる
工程で作製する。また、端子部の電極においても同様にメッキ処理して低抵抗化を図る。
【0009】
本発明においては、メッキ処理する前の配線をゲート電極と同じ材料で形成し、その配
線の表面をメッキ処理してソース配線を形成することが望ましい。また、メッキ処理する
材料膜は、ゲート電極よりも電気抵抗が低いものを用いることが望ましい。従って、メッ
キ処理により画素部のソース配線は低抵抗な配線となる。
【0010】
本明細書で開示する発明の構成は、絶縁表面上に形成された半導体層と、該半導体層上に
形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたゲート電極とを含むTFTを備えた半導体
装置であって、 前記ゲート電極と同じ材料からなる配線を囲んで表面が前記ゲート電極
よりも低抵抗な材料膜に覆われたソース配線を有する第1のnチャネル型TFTを備えた
画素部と、 第2のnチャネル型TFTとpチャネル型TFTからなる回路とを備えた駆
動回路と、 前記ゲート電極と同じ材料からなる配線を囲んで表面が前記ゲート電極より
も低抵抗な材料膜に覆われた端子部と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0011】
上記構成において、前記低抵抗な材料膜は、Cu、Al、Au、Ag、またはこれらの
合金を主成分とする材料膜であることを特徴としている。
【0012】
また、絶縁表面上に形成された半導体層と、該半導体層上に形成された絶縁膜と、該絶
縁膜上に形成されたゲート電極とを含むTFTを備えた半導体装置であって、 メッキ処
理されたソース配線を有する第1のnチャネル型TFTを備えた画素部と、 第2のnチ
ャネル型TFTとpチャネル型TFTからなる回路とを備えた駆動回路と、 メッキ処理
された端子部と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0013】
上記構成において、前記端子部の表面と前記画素部のソース配線の表面は、Cu、Al
、Au、Ag、またはこれらの合金を主成分とする材料からなる薄膜で覆われていること
を特徴としている。
【0014】
また、上記構成において、前記端子部と前記画素部のソース配線は同時または別々にメ
ッキ処理されたものであることを特徴としている。また、前記メッキ処理されたソース配
線は、ゲート電極と同じ材料の配線をメッキ処理したものである。また、前記メッキ処理
されたソース配線は、印刷法により形成され、且つ、ゲート電極より低抵抗な材料からな
る配線であることを特徴としている。
【0015】
また、上記構成において、前記第2のnチャネル型TFT及び前記pチャネル型TFT
でCMOS回路が形成されたことを特徴としている。
【0016】
また、上記構成において、前記第1のnチャネル型TFTは、ゲート電極と、該ゲート
電極と重なるチャネル形成領域とを有し、該チャネル形成領域の幅と前記ゲート電極の幅
が同一であることを特徴としている。あるいは、上記構成において、前記第1のnチャネ
ル型TFTは、テーパー部を有するゲート電極と、該ゲート電極と重なるチャネル形成領
域と、該ゲート電極と一部重なる不純物領域とを有していることを特徴としており、その
場合には3つのチャネル形成領域を有しているトリプルゲート構造とすることが好ましい

【0017】
また、上記構成において、前記駆動回路のnチャネル型TFTは、テーパー部を有する
ゲート電極と、該ゲート電極と重なるチャネル形成領域と、該ゲート電極と一部重なる不
純物領域とを有している。
【0018】
また、上記構成において、前記nチャネル型TFTの不純物領域における不純物濃度は
、少なくとも1×1017〜1×1018/cm3の範囲で濃度勾配を有する領域を含んでお
り、チャネル形成領域からの距離が増大するとともに不純物濃度が増加することを特徴と
している。
【0019】
また、上記各構成を得るための作製方法に関する本発明の構成は、絶縁表面上に駆動回
路と画素部と端子部を備えた半導体装置の作製方法であって、 絶縁表面上に半導体層を
形成する工程と、 前記半導体層に第1絶縁膜を形成する工程と、 前記第1絶縁膜上に
第1のゲート電極と、画素部のソース配線と、端子部の電極を形成する工程と、 前記第
1のゲート電極をマスクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加してn型
の第1不純物領域を形成する工程と、 前記第1のゲート電極をエッチングしてテーパ−
部を形成する工程と、 前記第1のゲート電極のテーパ−部を通過させて半導体層にn型
を付与する不純物元素を添加してn型の第2不純物領域を形成する工程と、 前記第1の
ゲート電極のテーパ−部を通過させて半導体層にp型を付与する不純物元素を添加してp
型の不純物領域を形成する工程と、 前記画素部のソース配線及び前記端子部の表面にメ
ッキを施す工程と、 前記画素部のソース配線及び前記端子部を覆う第2絶縁膜を形成す
る工程と、 前記第2絶縁膜上にゲート配線、及び駆動回路のソース配線を形成する工程
と、 を有する半導体装置の作製方法である。
【0020】
また、他の作製方法に関する本発明の構成は、絶縁表面上に駆動回路と画素部と端子部
を備えた半導体装置の作製方法であって、 絶縁表面上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に第1絶縁膜を形成する工程と、 前記第1絶縁膜上に第1のゲート電極と
、画素部のソース配線と、端子部の電極を形成する工程と、 前記第1のゲート電極をマ
スクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加してn型の第1不純物領域を
形成する工程と、 前記第1のゲート電極をエッチングしてテーパ−部を形成する工程と
、 前記第1のゲート電極のテーパ−部を通過させて半導体層にn型を付与する不純物元
素を添加してn型の第2不純物領域を形成する工程と、 前記第1のゲート電極のテーパ
−部を通過させて半導体層にp型を付与する不純物元素を添加してp型の不純物領域を形
成する工程と、 前記画素部のソース配線の表面にメッキを施す工程と、 前記端子部の
表面にメッキを施す工程と、 前記画素部のソース配線及び前記端子部を覆う第2絶縁膜
を形成する工程と、 前記第2絶縁膜上にゲート配線、及び駆動回路のソース配線を形成
する工程と、 を有する半導体装置の作製方法である。
【0021】
また、上記構成において、前記画素部のソース配線及び前記端子部は、Cu、Al、A
u、Ag、またはこれらの合金を主成分とする材料からなることを特徴としている。
【0022】
また、上記構成において、前記メッキを施す工程において、前記画素部のソース配線は
、同電位となるように配線でつなげられていることを特徴としている。
この前記同電位となるようにつなげられた配線は、メッキ処理後にレーザー光で分断して
もよいし、メッキ処理後に前記基板と同時に分断してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によりアクティブマトリクス型の液晶表示装置に代表される半導体装置において、
画素部の面積が大きくなり大画面化しても良好な表示を実現することができる。画素部の
ソース配線の抵抗を大幅に低下させたため、例えば、対角40インチや対角50インチの
大画面にも本発明は対応しうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】AM−LCDの作製工程を示す図。
【図2】AM−LCDの作製工程を示す図。
【図3】AM−LCDの作製工程を示す図。
【図4】画素の上面図を示す図。
【図5】画素の上面図を示す図。
【図6】アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面構造を示す図。
【図7】端子部を示す図。
【図8】端子部を示す図。
【図9】液晶モジュールの外観を示す図。
【図10】上面図を示す図。
【図11】画素部の断面を示す図。
【図12】画素部の断面を示す図。
【図13】端子部を示す図。
【図14】ボトムゲート型TFTの例を示す図。
【図15】画素部の断面を示す図。
【図16】マスク146を示す図。
【図17】画素の上面図を示す図。
【図18】電子機器の一例を示す図。
【図19】電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願発明の実施形態について、以下に説明する。
【0026】
まず、基板上に下地絶縁膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によって所望の
形状の半導体層を形成する。
【0027】
次いで、半導体層を覆う絶縁膜(ゲート絶縁膜を含む)を形成する。絶縁膜上に第1の
導電膜と第2の導電膜を積層形成する。これらの積層膜を第2のフォトリソグラフィ工程
により第1のエッチング処理を行い、第1の導電層及び第2の導電層からなるゲート電極
と、画素部のソース配線と、端子部の電極とを形成する。なお、本発明においては、先に
ゲート電極を形成した後、層間絶縁膜上にゲート配線を形成する。
【0028】
次いで、第2のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクをそのままの状態と
したまま、半導体にn型を付与する不純物元素(リン等)を添加して自己整合的にn型の
不純物領域(高濃度)を形成する。
【0029】
次いで、第2のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクをそのままの状態と
したまま、エッチング条件を変えて第2のエッチング処理を行い、テーパー部を有する第
1の導電層(第1の幅)と第2の導電層(第2の幅)を形成する。なお、第1の幅は第2
の幅より大きく、ここでの第1の導電層と第2の導電層からなる電極がnチャネル型TF
Tのゲート電極(第1のゲート電極)となる。
【0030】
次いで、レジストマスクを除去した後、前記第2の導電層をマスクとし、前記第1導電
層のテーパ−部を通過させて半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する。ここで、
第2の導電層の下方にはチャネル形成領域が形成され、第1の導電層の下方にはチャネル
形成領域から離れるにつれて不純物濃度が徐々に増加する不純物領域(低濃度)を形成す
る。
【0031】
この後、画素部のTFTのオフ電流を低減するためにテーパー部を選択的に除去する。
図17に示すマスクを重ねた状態でドライエッチング処理を行って画素部のゲート電極の
テーパー部のみを除去すればよい。特に、テーパー部を選択的に除去しなくともよいが、
除去しない場合は、図11に示したように、トリプルゲート構造としてオフ電流を低減す
ることが望ましい。
【0032】
次いで、第3のフォトリソグラフィ法によりnチャネル型TFTを形成する領域を覆う
ようにマスクを形成し、第3のドーピング処理を行う。この第3のドーピング処理では、
半導体にp型を付与する不純物元素(ボロン)を添加してp型の不純物領域(高濃度)を
形成する。
【0033】
次いで、各半導体層に添加した不純物元素の活性化を行った後、メッキ処理(電解メッ
キ法)を行い、画素部のソース配線の表面と、端子部の電極の表面に金属膜を形成する。
メッキ法は、メッキ法により形成しようとする金属イオンを含む水溶液中に直流電流を流
し、陰極面に金属膜を形成する方法である。メッキされる金属としては、前記ゲート電極
より低抵抗な材料、例えば銅、銀、金、クロム、鉄、ニッケル、白金、またはこれらの合
金などを用いることができる。銅は電気抵抗が非常に低いため本発明のソース配線の表面
を覆う金属膜に最適である。このように本発明では画素部のソース配線を低抵抗な金属材
料で覆ったため、画素部の面積が大面積化しても十分に高速駆動させることができる。
【0034】
また、メッキ法において形成される金属膜の膜厚は電流密度と時間とを制御することによ
り実施者が適宜設定することができる。
【0035】
本発明においては、表面に形成された金属膜をも含めてソース配線と呼ぶ。
【0036】
次いで、層間絶縁膜の形成を行い、透明導電膜の形成を行う。次いで、透明導電膜を第
4のフォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、画素電極を形成する。次いで、第
5のフォトリソグラフィ工程によりコンタクトホールを形成する。ここでは不純物領域に
達するコンタクトホールと、ゲート電極に達するコンタクトホールと、ソース配線に達す
るコンタクトホールとを形成する。
【0037】
次いで、低抵抗な金属材料からなる導電膜を形成し、第6のフォトリソグラフィ工程に
よりゲート配線、ソース配線と不純物領域とを接続する電極、及び画素電極と不純物領域
とを接続する電極を形成する。本発明において、ゲート配線は層間絶縁膜に設けられたコ
ンタクトホールを通じて第1のゲート電極または第2のゲート電極と電気的に接続されて
いる。また、ソース配線は、層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを通じて不純物領
域(ソース領域)と電気的に接続されている。また、画素電極に接続する電極は、層間絶
縁膜に設けられたコンタクトホールを通じて不純物領域(ドレイン領域)と電気的に接続
されている。
【0038】
こうして、合計6回のフォトリソグラフィ工程、即ち、6枚のマスク数で画素TFT(
nチャネル型TFT)を有する画素部と、CMOS回路を有する駆動回路とを備えた素子
基板を形成することができる。なお、ここでは透過型の表示装置を作製する例を示したが
画素電極に反射性の高い材料を用い、反射型の表示装置を作製することも可能である。反
射型の表示装置を作製する場合は、反射電極をゲート配線と同時に形成することができる
ため、5枚のマスク数で素子基板を形成することができる。
【0039】
また、ここではゲート電極と同時に画素部のソース配線、端子部の電極を作成した例を
示したが、別々に形成してもよい。例えば、各半導体層に不純物元素を添加した後、ゲー
ト電極を保護する絶縁膜を形成し、各半導体層に添加した不純物元素の活性化を行い、さ
らに絶縁膜上にフォトリソグラフィ工程により低抵抗な金属材料(代表的にはアルミニウ
ム、銀、銅を主成分とする材料)からなる画素部のソース配線と、端子部の電極とを同時
に形成してもよい。こうして得られた画素部のソース配線と端子部の電極とをメッキ処理
する。また、マスク数を低減するために、印刷法により画素部のソース配線を形成しても
よい。
【0040】
以上の構成でなる本願発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行
うこととする。
【実施例1】
【0041】
ここでは、同一基板上に画素部(nチャネル型TFT)と、画素部の周辺に設ける駆動
回路のCMOS回路を構成するTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を
同時に作製する方法について図1〜図10を用いて説明する。
【0042】
まず、本実施例ではコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表さ
れるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる
基板100を用いる。なお、基板100としては、透光性を有していれば特に限定されず
、石英基板を用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラス
チック基板を用いてもよい。
【0043】
次いで、基板100上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜な
どの絶縁膜から成る下地膜101を形成する。本実施例では下地膜101として2層構造
を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。下地膜
101の一層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4、NH3、及びN2Oを反応
ガスとして成膜される酸化窒化シリコン膜101aを10〜200nm(好ましくは50〜
100nm)形成する。本実施例では、膜厚50nmの酸化窒化シリコン膜101a(組成
比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。次いで、下地膜1
01のニ層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4及びN2Oを反応ガスとして成
膜される酸化窒化シリコン膜101bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm
)の厚さに積層形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜101b
(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成した。
【0044】
次いで、下地膜上に半導体層102〜105を形成する。半導体層102〜105は、
非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマ
CVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、ま
たはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を所望
の形状にパターニングして形成する。この半導体層102〜105の厚さは25〜80n
m(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はない
が、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム合金などで形成すると良い。本実施
例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質シリコン膜を成膜した後、ニッケル
を含む溶液を非晶質シリコン膜上に保持させた。この非晶質シリコン膜に脱水素化(50
0℃、1時間)を行った後、熱結晶化(550℃、4時間)を行い、さらに結晶化を改善
するためのレーザーアニ―ル処理を行って結晶質シリコン膜を形成した。そして、この結
晶質シリコン膜をフォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理によって、半導体層1
02〜105を形成した。
【0045】
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合には、パルス発振型または連
続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いることができる
。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学
系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣
選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし
、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)と
する。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1
〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350
〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線
状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わ
せ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行えばよい。
【0046】
次いで、半導体層102〜105を覆うゲート絶縁膜106を形成する。ゲート絶縁膜
106はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリ
コンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により115nmの厚さ
で酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成
した。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコン
を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0047】
次いで、図1(A)に示すように、ゲート絶縁膜106上に膜厚20〜100nmの第
1の導電膜107aと、膜厚100〜400nmの第2の導電膜107bとを積層形成す
る。本実施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜107aと、膜厚37
0nmのW膜からなる第2の導電膜107bを積層形成した。TaN膜はスパッタ法で形
成し、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッタした。また、W膜は、W
のターゲットを用いたスパッタ法で形成した。その他に6フッ化タングステン(WF6
を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用する
ためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ま
しい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W膜中に酸素
などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従って、本実施例では
、高純度のW(純度99.9999%または99.99%)のターゲットを用いたスパッ
タ法で、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成
することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができた。
【0048】
なお、本実施例では、第1の導電膜107aをTaN、第2の導電膜107bをWとし
たが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選
ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよ
い。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜
を用いてもよい。また、第1の導電膜をタンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW
膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜で形成し、第2の導電膜を
W膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電
膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2
の導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
【0049】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク108a〜112aを形
成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処
理では第1及び第2のエッチング条件で行う。本実施例では第1のエッチング条件として
、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エ
ッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/1
0(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を
投入してプラズマを生成してエッチングを行った。なお、エッチング用ガスとしては、C
2、BCl3、SiCl4、CCl4などを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、N
3などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用いることができる。ここでは、松
下電器産業(株)製のICPを用いたドライエッチング装置(Model E645−□IC
P)を用いた。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、
実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッ
チングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。第1のエッチング条件でのWに対
するエッチング速度は200.39nm/min、TaNに対するエッチング速度は80
.32nm/minであり、TaNに対するWの選択比は約2.5である。また、この第
1のエッチング条件によって、Wのテーパー角は、約26°となる。
【0050】
この後、レジストからなるマスク108a〜112aを除去せずに第2のエッチング条
件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30/3
0(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を
投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ステージ
)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加す
る。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエ
ッチングされる。第2のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は58.97nm
/min、TaNに対するエッチング速度は66.43nm/minである。なお、ゲー
ト絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエ
ッチング時間を増加させると良い。
【0051】
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとするこ
とにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の
端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°とすればよい。
【0052】
こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形
状の導電層113〜117(第1の導電層113a〜117aと第2の導電層113b〜
117b)を形成する。(図1(B))ここでのチャネル長方向における第1の導電層の
幅は、上記実施の形態に示した第1の幅に相当する。
図示しないが、ゲート絶縁膜となる絶縁膜106のうち、第1の形状の導電層113〜1
17で覆われない領域は10〜20nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0053】
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層
にn型を付与する不純物元素を添加する。(図1(C))ドーピング処理はイオンドープ
法、若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013
〜5×1015/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。本実施例ではドーズ
量を1.5×1015/cm2とし、加速電圧を80keVとして行った。n型を付与する不純
物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが
、ここではリン(P)を用いた。この場合、導電層113〜116がn型を付与する不純
物元素に対するマスクとなり、自己整合的にn型の不純物領域(高濃度)118〜121
が形成される。不純物領域118〜121には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範囲で
n型を付与する不純物元素を添加する。
【0054】
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。
ここでは、エッチング用ガスにSF6とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を2
4/12/24(sccm)とし、1.3Paの圧力でコイル型の電極に700WのRF(1
3.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを25秒行った。基板側(試料
ステージ)にも10WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧
を印加する。第2のエッチング処理でのWに対するエッチング速度は227.3nm/m
in、TaNに対するエッチング速度は32.1nm/minであり、TaNに対するW
の選択比は7.1であり、絶縁膜106であるSiONに対するエッチング速度は33.
7nm/minであり、TaNに対するWの選択比は6.83である。このようにエッチ
ングガス用ガスにSF6を用いた場合、絶縁膜106との選択比が高いので膜減りを抑え
ることができる。
【0055】
この第2のエッチング処理により第2の導電層(W)のテーパー角は70°となった。
この第2のエッチング処理により第2の導電層122b〜126bを形成する。一方、第
1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第1の導電層122a〜126aを形成する
。また、第2のエッチング処理によりレジストからなるマスク108a〜112aは、レ
ジストからなるマスク108b〜112bに形状が変形する。(図1(D))図示しない
が、実際には、第1の導電層の幅は、第2のエッチング処理前に比べて約0.15μm程
度、即ち線幅全体で0.3μm程度後退する。また、ここでのチャネル長方向における第
2の導電層の幅が実施の形態に示した第2の幅に相当する。
【0056】
なお、第1の導電層122aと第2の導電層122bとで形成された電極は、後の工程
で形成されるCMOS回路のnチャネル型TFTのゲート電極となり、第1の導電層12
5aと第2の導電層125bとで形成された電極は、後の工程で形成される保持容量の一
方の電極となる。
【0057】
また、上記第2のエッチング処理において、CF4とCl2とO2とをエッチングガスに
用いることも可能である。その場合は、それぞれのガス流量比を25/25/10(sc
cm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入して
プラズマを生成してエッチングを行えばよい。基板側(試料ステージ)にも20WのRF
(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2
2とを用いる場合のWに対するエッチング速度は124.62nm/min、TaNに
対するエッチング速度は20.67nm/minであり、TaNに対するWの選択比は6
.05である。従って、W膜が選択的にエッチングされる。また、この場合、絶縁膜10
6のうち、第1の形状の導電層122〜126で覆われない領域は50nm程度エッチング
され薄くなった領域が形成される。
【0058】
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、第2のドーピング処理を行って図2(
A)の状態を得る。ドーピングは第2の導電層122b〜125bを不純物元素に対する
マスクとして用い、第1の導電層におけるテーパー部下方の半導体層に不純物元素が添加
されるようにドーピングする。本実施例では、不純物元素としてP(リン)を用い、ドー
ピング条件をドーズ量1.5×1014/cm2、加速電圧90keV、イオン電流密度0.5
μA/cm2、フォスフィン(PH3)5%水素希釈ガス、ガス流量30sccmにてプラ
ズマドーピングを行った。
こうして、第1の導電層と重なる不純物領域(低濃度)127〜136を自己整合的に形
成する。この不純物領域127〜136へ添加されたリン(P)の濃度は、1×1017
1×1019/cm3であり、且つ、第1の導電層におけるテーパー部の膜厚に従って濃度勾配
を有している。なお、第1の導電層のテーパー部と重なる半導体層において、第1の導電
層におけるテーパー部の端部から内側に向かって不純物濃度(P濃度)が次第に低くなっ
ている。即ち、この第2のドーピング処理により濃度分布が形成される。また、不純物領
域(高濃度)118〜121にも不純物元素がさらに添加され、不純物領域(高濃度)1
37〜145を形成する。
【0059】
なお、本実施例ではテーパ−部の幅(チャネル長方向の幅)は少なくとも0.5μm以
上であることが好ましく、1.5μm〜2μmが限界である。従って、膜厚にも左右され
るが濃度勾配を有する不純物領域(低濃度)のチャネル長方向の幅も1.5μm〜2μm
が限界となる。また、ここでは、不純物領域(高濃度)と不純物領域(低濃度)とを別々
なものとして図示しているが、実際は、明確な境界はなく、濃度勾配を有する領域が形成
されている。また、同様にチャネル形成領域と不純物領域(低濃度)との明確な境界もな
い。
【0060】
次いで、後に画素部以外をマスク146で覆ったまま、第3のエッチング処理を行う。
マスク146としては、金属板、ガラス板、セラミック板、セラミックガラス板を用いれ
ばよい。このマスク146の上面図を図16に示した。この第3のエッチング処理では、
マスク146で重なっていない領域の第1の導電層のテーパー部を選択的にドライエッチ
ングして、半導体層の不純物領域と重なる領域がなくなるようにする。第3のエッチング
処理は、エッチングガスにWとの選択比が高いCl3を用い、ICPエッチング装置を用
いて行う。本実施例では、Cl3のガス流量比を80(sccm)とし、1.2Paの圧
力でコイル型の電極に350WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエ
ッチングを30秒行った。基板側(試料ステージ)にも50WのRF(13.56MHz)電力を
投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。第3のエッチングにより、第1の導
電層124c、126cが形成される。(図2(B))
【0061】
本実施例では第3のエッチング処理を行う例を示したが、第3のエッチング処理を行う
必要がなければ、特に行う必要はない。
【0062】
次いで、第3のフォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスク147に
よって、後にnチャネル型TFTの活性層となる半導体層を覆い、第3のドーピング処理
を行う。この第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層
に前記一導電型(n型)とは逆の導電型(p型)を付与する不純物元素が添加されたp型
不純物領域(高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域)148〜150を形成する。なお
、テーパ−部を通過させてドープするため、p型の低濃度不純物領域は、n型の低濃度不
純物領域と同様の濃度勾配を有している。(図2(C))第1の導電層を不純物元素に対
するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加してp型不純物領域148〜1
50を形成する。本実施例では、p型不純物領域148〜150はジボラン(B26)を
用いたイオンドープ法で形成する。なお、第1のドーピング処理及び第2のドーピング処
理によって、不純物領域にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そのいずれ
の領域においてもボロンの濃度が2×1020〜2×1021/cm3となるようにドーピング処
理することにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能する
ために何ら問題は生じない。
【0063】
また、第2のエッチング処理で膜減りしない条件、例えばSF6をエッチングガスに用
いた場合、ボロンのドーピングを容易とするため、第3のドーピング処理の前に絶縁膜2
07を薄膜化するエッチング(CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチング法(RIE
法))を行ってもよい。
【0064】
次いで、図2(D)に示すように、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性
化処理する工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で
行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の
窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550℃で行えばよく、本実施例
では550℃、4時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レー
ザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができ
る。
【0065】
また、図示しないが、この活性化処理により不純物元素が拡散してn型の不純物領域(
低濃度)と不純物領域(高濃度)との境界がほとんどなくなる。
【0066】
なお、本実施例では、上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッ
ケルが高濃度のリンを含む不純物領域にゲッタリングされ、主にチャネル形成領域となる
半導体層中のニッケル濃度が低減される。このようにして作製したチャネル形成領域を有
するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、
良好な特性を達成することができる。
【0067】
次いで、水素雰囲気中で熱処理を行って半導体層を水素化する。水素化の他の手段とし
て、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を用いてもよい。
【0068】
また、活性化処理としてレーザーアニール法を用いる場合には、上記水素化を行った後
、エキシマレーザーやYAGレーザー等のレーザー光を照射することが望ましい。
【0069】
次いで、画素部のソース配線126の表面及び端子部の電極表面にメッキ処理を施す。
図7(A)にメッキ処理行った直後の上面図を示し、図7(B)にその断面図を示す。図
7中、400は端子部、401は外部端子と接続される電極を示している。また、図7は
、簡略化のため、駆動回路部のTFTを一つ示し、画素部においてはソース配線126の
みを示した。本実施例では、銅メッキ液(EEJA製:ミクロファブ Cu2200)を
用いてメッキ処理を行った。また、このメッキの際、図10にその一例を示したように、
メッキしようとする配線または電極は、同電位となるようにダミーパターンで繋がれてい
る。後の工程で基板の分断時に互いの電極間を分断して分離する。また、ダミーパターン
でショートリングを形成してもよい。
【0070】
次いで、画素のソース配線を覆う第1の層間絶縁膜155を形成する。第1の層間絶縁
膜155としてはシリコンを主成分とする無機絶縁膜を用いればよい。
【0071】
次いで、第1の層間絶縁膜155上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜156
を形成する。本実施例では膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成した。
【0072】
次いで、第2の層間絶縁膜上に透明導電膜からなる画素電極147をフォトマスクを用
いてパターニングした。画素電極147とする透明導電膜は、例えばITO(酸化インジ
ウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(Z
nO)等を用いればよい。
【0073】
次いで、フォトマスクを用いて第2絶縁膜を選択的にエッチングして、各不純物領域(
137、138、149、150、151、153、144)に達するコンタクトホール
と、画素部のソース配線126に達するコンタクトホールと、ゲート電極124に達する
コンタクトホールと、電極125bに達するコンタクトホールを形成する。
【0074】
次いで、不純物領域(137、138、149、150)とそれぞれ電気的に接続する
電極157〜160及び駆動回路のソース配線と、不純物領域144及び不純物領域15
3と電気的に接続する電極150、163と、ソース領域となる不純物領域151と画素
部のソース配線126とを電気的に接続する電極(接続電極)161と、ゲート電極12
4と電気的に接続するゲート配線162と、電極125bと電気的に接続する容量配線1
69を形成する。
【0075】
また、画素電極147は、画素電極147と接して重なる電極163によって画素TF
T206の不純物領域153と電気的に接続され、画素電極147と接して重なる電極1
50によって保持容量207の不純物領域144と電気的に接続される。
【0076】
また、本実施例では画素電極を形成した後に電極150、163を形成した例を示した
が、コンタクトホールを形成し、電極を形成した後、その電極と重なるように透明導電膜
からなる画素電極を形成してもよい。
【0077】
また、保持容量207の一方の電極として機能する不純物領域135、136、144
、145には、それぞれp型を付与する不純物元素が添加されている。
保持容量207は、絶縁膜106を誘電体として、容量配線169と接続された電極12
5a、125bと、半導体層とで形成している。
【0078】
以上の様にして、nチャネル型TFT203及びpチャネル型TFT204からなるC
MOS回路202を含む駆動回路201と、nチャネルTFTからなる画素TFT206
及び保持容量207とを有する画素部205とを同一基板上に形成することができる。(
図3(B))本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0079】
本実施例で作製するアクティブマトリクス基板の画素部の上面図を図5に示す。なお、
図3(B)に対応する部分には同じ符号を用いている。図3(B)中の鎖線A−A’は図
4中の鎖線A―A’で切断した断面図に対応している。また、図3(B)中の鎖線B−B
’は図5中の鎖線B―B’で切断した断面図に対応している。また、図4は画素のソース
配線126を形成した直後の上面図を示している。
【0080】
本実施例の画素構造は、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間が遮
光されるように、画素電極147の端部をソース配線126と重なるように配置形成させ
ている。
【0081】
また、本実施例で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォト
マスクの数を6枚とすることができた。
【0082】
こうして得られたアクティブマトリクス基板から、アクティブマトリクス型液晶表示装
置を作製する工程を以下に説明する。説明には図6を用いる。
【0083】
図3(B)の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図3(B)のアクティブマト
リクス基板上に配向膜301を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜3
01を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基
板間隔を保持するための柱状のスペーサを所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサ
に代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0084】
次いで、対向基板300を用意する。この対向基板には、着色層302、遮光層が各画
素に対応して配置されたカラーフィルタが設けられている。このカラーフィルタと遮光層
とを覆う平坦化膜304を設けた。次いで、平坦化膜304上に透明導電膜からなる対向
電極305を画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜306を形成し、ラビング処理を
施した。
【0085】
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシー
ル材307で貼り合わせる。シール材307にはフィラーが混入されていて、このフィラ
ーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料308を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液
晶材料308には公知の液晶材料を用いれば良い。そして、アクティブマトリクス基板ま
たは対向基板を所望の形状に分断する。ここでメッキ処理のために設けられたダミーパタ
ーンを分断する。
【0086】
図8(A)に分断後の上面図を示し、点線D−D’で切断した断面図を図8(B)に示す
。図8中、400は端子部、401は外部端子と接続される電極を示している。また、図
8は、簡略化のため、駆動回路部のTFTを一つ示し、画素部においてはソース配線12
6のみを示した。また、電極401は、配線157〜160と電気的に接続されている。
端子部400においては、メッキ処理された電極401の一部が露呈し、ITOからなる
透明導電膜404が形成されている状態となっている。
【0087】
さらに、公知の技術を用いて偏光板309等を適宜設けた。そして、公知の技術を用いて
端子部のうち露呈している部分にFPCを貼りつけた。図8(C)にFPC405の接着
後の断面図を示した。
【0088】
こうして得られた液晶モジュールの構成を図9の上面図を用いて説明する。なお、図6
と対応する部分には同じ符号を用いた。
【0089】
図9で示す上面図は、画素部、駆動回路、FPC(フレキシブルプリント配線板:Flex
ible Printed Circuit)311を貼り付ける外部入力端子309、外部入力端子と各回路
の入力部までを接続する配線310などが形成されたアクティブマトリクス基板と、カラ
ーフィルタなどが設けられた対向基板300とがシール材307を介して貼り合わされて
いる。
【0090】
ゲート配線側駆動回路201aと重なるように対向基板側に遮光層303aが設けられ
、ソース配線側駆動回路201bと重なるように対向基板側に遮光層403bが形成され
ている。また、画素部205上の対向基板側に設けられたカラーフィルタ302は遮光層
と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の着色層とが各画素に対応して設けられ
ている。実際に表示する際には、赤色(R)
の着色層、緑色(G)の着色層、青色(B)の着色層の3色でカラー表示を形成するが、
これら各色の着色層の配列は任意なものとする。
【0091】
ここでは、カラー化を図るためにカラーフィルタ302を対向基板に設けているが特に
限定されず、アクティブマトリクス基板を作製する際、アクティブマトリクス基板にカラ
ーフィルタを形成してもよい。
【0092】
また、カラーフィルタにおいて隣り合う画素の間には遮光層303が設けられており、
表示領域以外の箇所を遮光している。また、駆動回路を覆う領域にも遮光層を設けてもよ
い。駆動回路を覆う領域は、後に液晶表示装置を電子機器の表示部として組み込む際、カ
バーで覆うため、特に遮光層を設けない構成としてもよい。また、アクティブマトリクス
基板を作製する際、アクティブマトリクス基板に遮光層を形成してもよい。
【0093】
また、外部入力端子にはベースフィルムと配線から成るFPC411が異方性導電性樹
脂で貼り合わされている。さらに補強板で機械的強度を高めている。
【0094】
また、ここでは全ての駆動回路を基板上に形成した例を示したが、駆動回路の一部に数
個のICを用いてもよい。
【0095】
以上のようにして作製される液晶モジュールは各種電子機器の表示部として用いること
ができる。この液晶モジュールを組み込んで、バックライト310、導光板311を設け
、カバー312で覆えば、図6に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
なお、カバー312と液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて貼り合わせる。また、
基板と対向基板を貼り合わせる際、枠で囲んで有機樹脂を枠と基板との間に充填して接着
してもよい。
【実施例2】
【0096】
本発明は、画素部のソース配線を駆動回路のソース配線と異なる工程で形成することを特
徴としている。本実施例では従来との相違点について図10を用い詳しく説明する。なお
、図10において、簡略化のため画素部のソース配線91は3本、ゲート配線92は3本
のみ示した。また、画素部のソース配線91は互いに平行な帯状でその間隔は画素ピッチ
に等しい。
【0097】
なお、図10はデジタル駆動を行うためのブロック構成である。本実施例では、ソース
側駆動回路93、画素部94及びゲート側駆動回路95を有している。
なお、本明細書中において、駆動回路とはソース側駆動回路およびゲート側駆動回路を含
めた総称である。
【0098】
ソース側駆動回路93は、シフトレジスタ93a、ラッチ(A)93b、ラッチ(B)
93c、D/Aコンバータ93d、バッファ93eを設けている。また、ゲート側駆動回
路95は、シフトレジスタ95a、レベルシフタ95b、バッファ95cを設けている。
また、必要であればラッチ(B)93cとD/Aコンバータ93dとの間にレベルシフタ
回路を設けてもよい。
【0099】
また、本実施例において、図10に示すように、ソース側駆動回路93と画素部94の間
にコンタクト部が存在している。これは、ソース側駆動回路のソース配線と画素部のソー
ス配線91が異なるプロセスで形成されるためである。本発明では画素部のソース配線は
、ゲート電極と同じ材料を用いた配線に対してメッキ処理を行って低抵抗な材料で覆うた
めにソース側駆動回路のソース配線とは異なるプロセスで形成している。
【0100】
また、メッキ処理を行うために画素部のソース配線は全て同電位となるように配線パタ
ーンで繋がれ、メッキ処理用の電極が設けられている。また、端子部も同様に配線パター
ンで繋がれて、メッキ処理用の電極が設けられている。図10では、メッキ処理用の電極
を別々に設けたが、さらに配線パターンで接続して一つの電極で一度にメッキ処理しても
よい。また、図10中の点線が基板の分断ラインとなっており、メッキ処理後に切断する
箇所を示している。
【0101】
また、画素部94は複数の画素を含み、その複数の画素に各々TFT素子が設けられてい
る。また、画素部94は、ゲート側駆動回路と接続しているゲート配線92が互いに平行
に多数設けられている。また、端子部もゲート電極と同じ材料を用いた電極に対してメッ
キ処理を行って低抵抗な材料で覆うことが望ましい。
【0102】
なお、画素部94を挟んでゲート側駆動回路95の反対側にもゲート側駆動回路を設け
ても良い。
【0103】
また、アナログ駆動させる場合は、ラッチ回路の代わりにサンプリング回路を設ければ
よい。
【0104】
なお、本実施例は実施例1と組み合わせることができる。
【実施例3】
【0105】
実施例1ではテーパー部を選択的にエッチングする例を示したが、本実施例はエッチング
しない例を示す。なお、画素部が異なるだけであるので図11では画素部のみを図示した

【0106】
本実施例は、実施例1の図2(B)の第3のエッチング処理を行わない例である。図1
1(A)において、画素TFT709のゲート電極は、図11(A)と同様に透明導電膜
からなる画素電極700を形成する。
【0107】
図11(A)は、実施例1とゲート電極の構造が異なっており、第1の導電層707、
708はテーパー部を有している。従って、第1の導電層707は絶縁膜を挟んで不純物
領域と重なっている。
【0108】
なお、テーパー部を有する第1の導電層707、708は、実施例1の第1の導電層1
24aに相当する。
【0109】
また、図11(B)は、トリプルゲート構造とした例である。図11(B)において、
第1の導電層804は絶縁膜を挟んで不純物領域803、805と重なり、第1の導電層
807は絶縁膜を挟んで不純物領域806、808と重なり、第1の導電層810は絶縁
膜を挟んで不純物領域809、811と重なる。
【0110】
本実施例は、トリプルゲート構造としたことでオフ電流を低減することができた。また
、ゲート電極の幅を細くする、例えば1.5μmとすることによってさらにオフ電流を低
減してもよい。
【0111】
なお、本実施例は実施例1または実施例2と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0112】
実施例1では透過型の液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス基板の作製例を示し
たが、本実施例は反射型の例を示す。なお、画素部が異なるだけであるので図12では画
素部のみを図示した。
【0113】
基板としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板を用いることができる。さら
に、本実施例は、反射型であるので特に限定されず、シリコン基板、金属基板またはステ
ンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものも用いることができる。
【0114】
図12は、実施例1に従って、メッキ処理してソース配線1401を得て、第2の層間
絶縁膜を形成した後、フォトマスクを用いてパターニングし、コンタクトホールを形成し
、各電極及びゲート配線、画素電極1406を形成した例である。画素電極1406は、
不純物領域1405と電気的に接続する。これらの電極及び画素電極1406の材料は、
AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性に優れた材料を用い
る。なお、図12において、画素TFT1402は、ダブルゲート構造であり、ゲート電
極1403、1404と絶縁膜を間に挟んで重なるチャネル形成領域を2つ有している。
【0115】
図12の構造を得る作製方法では、画素電極とゲート配線を同時に作製することができ
るので、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数を5枚とすることが
できた。
【実施例5】
【0116】
本実施例では、実施例1とは異なる工程でソース配線を形成する例を図13に示す。
【0117】
図13(A)は、画素部のソース配線903のメッキを行った後、層間絶縁膜を形成し
、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成した後、端子部900のメッキを行う例である。
【0118】
まず、駆動回路部のゲート電極902と同一工程で端子部の電極901を形成する。こ
の電極と同じ工程でソース配線903を形成する。まず、画素部のソース配線903だけ
を選択的にメッキ処理を行う。その後、層間絶縁膜を形成し、コンタクトホールを形成す
る。このコンタクトホールを形成する際に端子部900の電極901の一部が露呈するよ
うにする。次いで、端子部の電極901の露呈した領域のみをメッキ処理してメッキ膜9
04を形成する。その後、引き出し配線やソース配線やドレイン配線を形成する。以降の
工程は実施例1に従って図13(A)に示す構造を形成すればよい。
【0119】
ただし、半導体層に含まれる不純物元素の活性化はメッキ膜904の形成前に行うこと
が好ましい。
【0120】
また、実施例1と同様に、メッキの際、メッキしようとする配線または電極は、同電位
となるようにダミーパターンで繋がれている。後の工程で基板の分断時に互いの電極間を
分断して分離する。また、これらのダミーパターンでショートリングを形成してもよい。
【0121】
図13(B)は、図13(A)とは異なる工程でメッキを行う一例を示す。本実施例では
、ゲート電極1002を形成すると同時にソース配線1003を形成しない例である。
【0122】
ゲート電極1002を保護する絶縁膜を形成した後、各半導体層に添加した不純物元素
の活性化を行い、絶縁膜上にフォトリソグラフィ工程により低抵抗な金属材料(代表的に
はアルミニウム、銀、銅を主成分とする材料)からなる画素部のソース配線1003と、
端子部の電極1001とを同時に形成する。このように本発明では画素部のソース配線を
低抵抗な金属材料で形成したため、画素部の面積が大面積化しても十分駆動させることが
できる。また、マスク数を低減するために、印刷法によりソース配線を形成してもよい。
【0123】
次いで、メッキ処理(電解メッキ法)を行い、画素部のソース配線1003の表面と、端
子部の電極1001の表面に金属膜を形成する。以降の工程は実施例1に従って図13(
B)に示す構造を形成すればよい。
【0124】
図13(C)は、図13(A)とは異なる工程でソース配線の形成を行う一例を示す。
【0125】
本実施例では、印刷法によりソース配線を形成する。画素のソース配線の位置精度を向
上させるために導電層を設けた。
【0126】
本実施例では、ゲート電極と同じ工程で、導電層905a、905bを形成した。次いで
、ゲート電極を絶縁膜で覆うことなく不純物元素の活性化を行った。活性化としては、例
えば、不活性雰囲気中、減圧下で熱アニールを行うことによって、導電層の酸化による高
抵抗化を抑えた。次いで、導電層の間を埋めるように、印刷法を用いてソース配線を形成
した。また、ソース配線に沿って導電層を設けることによって印刷法(スクリーン印刷)
で発生しやすい断線を防ぐことができる。以降の工程は実施例1に従って図13(C)に
示す構造を形成すればよい。
【0127】
スクリーン印刷は、例えば金属粒子(Ag、Al等)を混ぜたペースト(希釈剤)また
はインクを所望のパターンの開口を有する版をマスクとして、上記開口部からペーストを
被印刷体である基板上に形成し、その後、熱焼成を行うことで所望のパターンの配線を形
成するものである。このような印刷法は比較的安価であり、大面積に対応することが可能
であるため本発明には適している。
【0128】
また、スクリーン印刷法に代えて回転するドラムを用いる凸版印刷法、凹版印刷法、お
よび各種オフセット印刷法を本発明に適用することは可能である。
【0129】
以上のように様々な方法で画素部のソース配線を形成することができる。
【0130】
なお、本実施例は実施例1乃至4のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【実施例6】
【0131】
実施例1ではトップゲート構造のTFTを示したが、本発明はTFT構造に限らず適用
することができる。本実施例ではボトムゲート構造の画素TFT1502の例を図14に
示す。
【0132】
まず、基板上に、ゲート電極1503、ソース配線を形成した後、ゲート絶縁膜を形成
する。次いで、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極と重なるように半導体膜を形成する。次
いで、半導体膜のうち、チャネル形成領域となる部分に絶縁層を選択的に形成し、ドーピ
ングを行う。次いで、活性化処理を行った後、半導体膜とゲート絶縁膜を選択的に除去す
る。その際、ソース配線を覆っていた絶縁膜を除去して表面を露呈させる。次いで、ソー
ス配線の表面にメッキ処理を行って低抵抗化させたソース配線1501を形成する。
【0133】
次いで、層間絶縁膜を形成し、ITOからなる画素電極1504を形成し、コンタクト
ホールを形成する。次いで、画素TFT1502のソース領域とソース配線1501とを
接続する電極と、ゲート電極と接続するゲート配線と、画素TFT1502のドレイン領
域と画素電極1504とを接続する電極を形成する。
こうして画素TFT1502を完成させる。
【0134】
なお、本実施例は実施例1乃至5のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【実施例7】
【0135】
本実施例では、実施例1とは異なる工程でソース配線を形成する例を図15に示す。
【0136】
図15は、層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜上にITOからなる画素電極1600
を形成し、ソース配線1601を形成した例である。
【0137】
本実施例において、ソース配線はスクリーン印刷法で形成し、そのソース配線と画素T
FT1602のソース領域とを接続する接続電極が設けられている。
【0138】
スクリーン印刷は、例えば金属粒子(Ag、Al、Cu等)を混ぜたペースト(希釈剤
)またはインクを所望のパターンの開口を有する版をマスクとして、上記開口部からペー
ストを被印刷体である基板上に形成し、その後、熱焼成を行うことで所望のパターンの配
線を形成するものである。このような印刷法は比較的安価であり、大面積に対応すること
が可能であるため本発明には適している。
【0139】
また、スクリーン印刷法に代えて回転するドラムを用いる凸版印刷法、凹版印刷法、お
よび各種オフセット印刷法を本発明に適用することは可能である。
【0140】
本実施例ではソース配線を銅で形成し、接続電極、ゲート配線をTi/Al/Tiの三
層積層で形成した。
【0141】
なお、本実施例は実施例1乃至4のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【実施例8】
【0142】
本実施例では、トリプルゲート構造とした場合において、画素の上面図の一例を図17
に示す。
【0143】
図17中、1201は半導体層、1202はゲート電極、1203は容量電極、120
4はソース配線、1205はゲート配線、1206は容量電極と接続された容量配線、1
207は半導体層とソース配線とを接続する電極、1209は画素電極、1208は半導
体層と画素電極とを接続する電極である。
【0144】
本実施例において、半導体層1201を覆う絶縁膜上に同一工程でゲート電極1202
と容量電極1203を形成する。ソース配線1204はこれらの電極と同じ工程または別
の工程で形成する。本実施例では、半導体層の不純物元素の添加やその活性化処理の後、
別の工程でゲート絶縁膜上に形成し、表面にメッキ処理を行って配線の低抵抗化を図った
。また、本実施例において、ゲート電極1202、容量電極1203、ソース配線120
4を覆う層間絶縁膜上にゲート配線1205、容量配線1206、電極1207、120
8を同一工程で形成する。
また、層間絶縁膜上に形成された透明導電膜からなる画素電極1209と一部接して重ね
て電極1208が設けられている。また、図17に示したように上面から見て、電極12
08は、電極1207との間に容量配線1206が配置されている。
【0145】
ゲート電極1202はゲート絶縁膜を間に挟んで半導体層1201と3箇所で重なって
おり、トリプルゲート構造となっている。ゲート電極近傍の断面図は、図11(b)とほ
ぼ同一であるのでここでは説明を省略する。
【0146】
図11(b)では、画素部の容量を画素TFTとは異なる半導体層で形成した例であっ
たが、図17では、画素TFTの半導体層の一部で容量を形成している。また、容量を稼
ぐために絶縁膜の厚さを80nm程度にまで薄くしてもよい。
【0147】
本実施例は、トリプルゲート構造としたことでオフ電流を低減することができた。また
、ゲート電極1202の幅を細くする、例えば1.5μmとすることによってさらにオフ
電流を低減してもよい。
【0148】
なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【実施例9】
【0149】
本実施例では、実施例1における熱処理として、PPTA(Plural Pulse Thermal Ann
ealing)を用いた例を示す。
【0150】
PPTAとは、光源(ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、高圧
ナトリウムランプ、キセノンランプ等)による加熱と、処理室内への冷媒(窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、クリプトン、キセノン等)の循環による冷却のサイクルを複数回繰り返し
行う熱処理である。光源の一回あたりの発光時間は0.1〜60秒、好ましくは0.1〜
20秒であり、光を複数回照射する。なお、光源はその電源と制御回路により、半導体膜
の保持期間が0.5〜5秒となるようにパルス状に点灯させる。
【0151】
PPTAにより、実際の加熱時間を短縮して半導体膜に選択的に吸収される光を片面側
または両面側に設けられた光源から照射することにより、基板自体はそれほど加熱される
ことなく、半導体膜のみを選択的に加熱(昇温速度100〜200℃/秒)する。また、
基板の温度上昇を抑えるために冷媒で周囲から冷却(降温速度50〜150℃/秒)する

【0152】
実施例1における熱処理のうち、活性化に用いた例を以下に示す。
【0153】
図2(D)に示す活性化において、PPTAにより活性化を行う。パルス光はタングステ
ンハロゲンランプを光源として基板の片面側または両面側から照射する。このとき、タン
グステンハロゲンランプの点滅に同期してHeの流量を増減させ、半導体膜を選択的に加
熱する。
【0154】
このPPTAにより不純物元素が活性化するとともに、半導体層に含まれる結晶化に用
いた金属元素をチャネル形成領域から不純物領域にゲッタリングすることができる。なお
、不純物領域には、リンだけでなく、p型を付与する不純物元素が添加されているとより
効果的である。従って、第1のドーピングの後、p型を付与するボロンを添加する工程を
追加することが好ましい。また、PPTAの処理室を13.3Pa以下の減圧状態として
、酸化や汚染を防止してもよい。
【0155】
なお、本実施例は実施例1乃至8のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【実施例10】
【0156】
本発明を実施して形成された駆動回路や画素部は様々なモジュール(アクティブマトリク
ス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型ECモジュール)に用いることができる。
即ち、それらを表示部に組み込んだ電子機器全てに本発明を実施できる。
【0157】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプ
レイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、
パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書
籍等)などが挙げられる。それらの一例を図18、図19に示す。
【0158】
図18(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表
示部2003、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2003に適用することが
できる。
【0159】
図18(B)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、
カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。
本発明は表示部2205に適用できる。
【0160】
図18(C)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレー
ヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、
操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Dig
tial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲー
ムやインターネットを行うことができる。本発明は表示部2402に適用することができ
る。
【0161】
図19(A)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002、300
3、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。本発明は表
示部3002、3003に適用することができる。
【0162】
図19(B)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103
等を含む。本発明は対角が10〜50インチの表示部3103に適用することができる。
【0163】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適
用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜9のどのような組み合
わせからなる構成を用いても実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタと、容量素子とを有し、
前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、絶縁膜と、半導体層とを有し、
前記ゲート電極は、前記絶縁膜を介して前記半導体層と重なる領域を有し、
第1の配線は、第2の配線を介して前記半導体層と電気的に接続され、
画素電極は、第3の配線を介して前記半導体層と電気的に接続され、
前記容量素子の一方の電極は、前記半導体層と電気的に接続され、
前記容量素子の他方の電極は、容量配線と電気的に接続され、
前記第2の配線と、前記第3の配線と、前記容量配線とは、同一の金属を有し、
前記第1の配線と、前記ゲート電極とは、同一の金属を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
薄膜トランジスタと、容量素子とを有し、
前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、絶縁膜と、半導体層とを有し、
前記ゲート電極は、前記絶縁膜を介して前記半導体層と重なる領域を有し、
第1の配線は、第2の配線を介して前記半導体層と電気的に接続され、
画素電極は、第3の配線を介して前記半導体層と電気的に接続され、
前記容量素子の一方の電極は、前記半導体層と電気的に接続され、
前記容量素子の他方の電極は、容量配線と電気的に接続され、
前記ゲート電極は、第4の配線と電気的に接続され、
前記第2の配線と、前記第3の配線と、前記第4の配線と、前記容量配線とは、同一の金属を有し、
前記第1の配線と、前記ゲート電極とは、同一の金属を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第4の配線は、前記薄膜トランジスタ上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記第1の配線は、前記画素電極と重なっていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−194560(P2012−194560A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99618(P2012−99618)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【分割の表示】特願2010−286790(P2010−286790)の分割
【原出願日】平成12年12月21日(2000.12.21)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】