説明

ダイオードストラッピングを備えた熱アシストフラッシュメモリ

【課題】フラッシュメモリの動作速度及び耐久性を向上させる技術の提供。
【解決手段】メモリが、行及び列を含むメモリセルのアレイを有している。該メモリは、アレイ内の単数又は複数のワード線上の第1の離隔位置のセットに第1のバイアス電圧を印加するとともに、単数又は複数のワード線上の第2の離隔位置のセットに第1のバイアス電圧とは異なる第2のバイアス電圧を印加する、ワード線に結合された回路部を有し、第1の離隔位置のセットにおける位置は、第2の離隔位置のセットの位置の間に介在しており、それにより、第1の離隔位置のセットにおける位置と第2の離隔位置のセットにおける位置との間に、単数又は複数のワード線の加熱をもたらす電流の流れが誘導される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリ技術に関する。
【0002】
本出願は、2011年5月2日に出願された米国特許出願第13/099,298号の利益を主張し、その主題は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
フラッシュメモリは、不揮発性集積回路メモリ技術の一分類である。通常のフラッシュメモリセルは、チャネルによって分離されるソース及びドレインと、トンネル誘電体層、電荷蓄積層(フローティングゲート又は誘電体)及びブロック誘電体層を含む電荷蓄積構造によってチャネルから分離されているゲートとを有する、電界効果トランジスタFET構造体からなる。SONOSデバイスと呼ばれる初期の従来の電荷トラッピングメモリ設計によれば、ソース、ドレイン及びチャネルはシリコン基板(S)に形成され、トンネル誘電体層は酸化シリコン(O)で形成され、電荷蓄積層は窒化シリコン(N)で形成され、ブロック誘電体層は酸化シリコン(O)で形成され、ゲートはポリシリコン(S)を含む。誘電体電荷トラッピングセルにバンドギャップ加工(bandgap engineered)トンネル誘電体を使用する、より高度なフラッシュメモリ技術が開発された。1つのバンドギャップ加工セル技術は、非特許文献1及び非特許文献2に記載されているように、BE−SONOSとして知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,315,474号
【特許文献2】米国特許出願第11/845,286号
【特許文献3】米国特許第7,382,654号
【特許文献4】欧州特許出願第2048709号
【特許文献5】米国特許出願第13/245,587号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hang-Ting Lue他、「Scaling Evaluation of BE-SONOS NAND Flash Beyond 20nm」、2008 Symposium onVLSI technology、Digest of Papers、June 2008
【非特許文献2】H.T.Lue他、IEDM Tech. Dig.、2005、pp.547〜550
【非特許文献3】Shin他、「A Highly Reliable SONOS-type NAND Flash Memory Cell with Al203 orTop Oxide」、IEDM、2003(MANOS)
【非特許文献4】Shin他、「A Novel NAND-type MONOS Memory using 63 nm Process Technology for aMulti-Gigabit Flash EEPROMs」、IEEE 2005
【非特許文献5】Kim他、「Novel Vertical-Stacked-Array-Transistor(VSAT) for ultra-high-densityand cost-effective NAND Flash memory devices and SSD(Solid State Drive)」、2009 Symposium onVLSI Technology Digest of Technical Papers、pp.186〜187
【非特許文献6】Katsumata他、「Pipe-shaped BiCS Flash Memory with 16 Stacked Layers andMulti-Level-Cell Operation for Ultra High Density Storage Devices」、2009 Symposium onVLSI Technology Digest of Technical Papers、pp.136〜137
【非特許文献7】Kim他、「Multi-Layered Vertical Gate NAND Flash Overcoming Stacking Limit forTerabit Density Storage」、2009 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers、pp.188〜189
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フラッシュメモリの動作速度及び耐久性を向上させる技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
メモリデバイスであって、そのデバイス上のフラッシュメモリセルを熱アニール処理するための資源を含むメモリデバイスについて述べる。読出し動作、プログラム動作及び消去動作を含む、フラッシュメモリを操作する方法に適用することができ、読出し動作、プログラム動作及び消去動作の間又はその最中のいずれかに、アレイのメモリセルの電荷トラッピング構造を熱アニール処理することを介在させることができる。後述する実験結果により、適切なアニール処理が、プログラム及び消去サイクル中に蓄積された損傷を修復することにより耐久性を向上させることができることが示されている。例えば、アレイのメモリセルを周期的にアニール処理することにより、100万サイクル以上の耐久性サイクル性能を達成すること等、デバイスの有効な耐久性を大幅に向上させることができる。また、消去動作中等、動作中にアニール処理を施すことにより、影響を受ける動作の性能を向上させることができる。例えば消去動作中、熱アニール処理は、電子デトラッピングを促進し、それにより消去速度を上昇させることができる。
【0008】
集積回路メモリを、デコーダー回路部及び任意選択で他の制御回路部に応答して対応するワード線の電流を駆動するワード線ドライバー及びワード線終端回路とともに実装することができる。電流は、選択されたワード線の抵抗加熱をもたらすことができ、それは、アニール操作のために誘電体電荷トラッピング構造に伝達される。この技法及び他の技法を適用して、アニール処理操作の柔軟な提供を可能にすることができる。
【0009】
また、アレイの1つ又は複数のワード線の第1の離隔位置のセットに第1のバイアス電圧を印加し、一方で、1つ又は複数のワード線の第2の離隔位置のセットに第1のバイアス電圧とは異なる第2のバイアス電圧を印加することによって動作する回路であって、第1の離隔位置のセットの位置は、第2の離隔位置のセットの位置の間に介在しており、それにより、第1の位置のセットの位置と第2の位置のセットの位置との間に、1つ又は複数のワード線の加熱をもたらす電流が誘導される、回路を用いて、メモリを実装することができる。
【0010】
本明細書に記載する技術は、BE−SONOSメモリ技術及び他のフラッシュメモリ技術での使用に適している。
【0011】
本技術の他の態様及び利点は、以下の図面、詳細な説明及び特許請求の範囲を検討することで分かる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】熱アニール操作に対して配置された誘電体電荷トラッピングメモリセルの簡略化した斜視図である。
【図1B】熱アニール操作に対して配置された誘電体電荷トラッピングメモリセルの簡略化した斜視図である。
【図1C】熱アニール操作に対して配置された誘電体電荷トラッピングメモリセルの簡略化した斜視図である。
【図2】熱アニール操作に対して配置された誘電体電荷トラッピングセルの簡略化したレイアウト図である。
【図3】熱アニール操作に対して配置された共通ソース型NAND型メモリアレイの概略図である。
【図4】熱アニール操作に対して配置されたセグメント化されたワード線、フラッシュメモリアレイを含む集積回路メモリのブロック図である。
【図5】列の間に絶縁体充填トレンチを含む、メモリセルのNANDアレイのレイアウト図である。
【図6】ワード線に沿って取り出された、nチャネルデバイスを使用する、図5のものと同様のNANDアレイの断面図である。
【図7】上部選択トランジスタ及び底部選択トランジスタを含むセルチャネルを通ってワード線に対して直交して取出された、NANDストリングの簡略化した断面図である。
【図8】熱的分離のために薄膜半導体本体の上に配置された誘電体電荷トラッピングメモリセルを含む、熱アニールに対して配置されたメモリセルの代替構造を示す図である。
【図9】熱アニールサイクルを適用する1つの制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図10】熱アニールサイクルを適用する別の制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図11】熱アニールサイクルを適用する更に別の制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図12】熱アニールを適用する実験結果を示すドレイン電流対制御ゲート電圧プロット図である。
【図13】熱アニールを適用する実験結果を示す閾値電圧対プログラム/消去サイクルカウントのプロット図である。
【図14】第1のサイクルシーケンスの後の、プログラムされたセル及び消去されたセルの閾値電圧分布のプロット図である。
【図15】熱アニールに続く第2のサイクルシーケンスの後のプログラムされたセル及び消去されたセルの閾値電圧分布のプロット図である。
【図16】10回のサイクル及びアニール処理シーケンスの後のプログラムされたセル及び消去されたセルの閾値電圧分布のプロット図である。
【図17】第1のサイクルシーケンスの後のプログラム及び消去状態を示すプロット図である。
【図18】熱アニールに続く第2のサイクルシーケンスの後のプログラム及び消去状態を示すプロット図である。
【図19】10回のサイクル及びアニール処理シーケンスの後のプログラム及び消去状態を示すプロット図である。
【図20】電荷トラッピングメモリセルに対する室温及び高温での消去性能を示す図である。
【図21】消去動作が行われた電荷トラッピングメモリセルに対する推定されたアニール処理時間のグラフである。
【図22】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、セグメント化ワード線フラッシュメモリアレイの一部の簡略化された図である。
【図23】メモリアレイの上方の第1のグローバルワード線とメモリアレイの下方の第2のグローバルワード線とを示すメモリアレイの斜視図である。
【図24】メモリアレイの上方の第1のグローバルワード線とメモリアレイの下方の第2のグローバルワード線とを示すメモリアレイの断面図である。
【図25】メモリアレイの同じ側の第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線の両方を示すメモリアレイの斜視図である。
【図26A】メモリアレイの上方の第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線の両方を示すメモリアレイの断面図である。
【図26B】メモリアレイの上方の密なピッチの第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を示すメモリアレイの平面図である。
【図27A】代替的なセグメント化ワード線復号回路部構成を示す概略図である。
【図27B】代替的なセグメント化ワード線復号回路部構成を示す概略図である。
【図27C】ローカルワード線の対応する行に沿ったグローバルワード線対に対する復号構成を示す図である。
【図27D】ローカルワード線の対応する行に沿ったグローバルワード線対に対する復号構成を示す図である。
【図28】第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を用いて熱アニールサイクルを適用する1つの制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図29】第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を用いて熱アニールサイクルを適用する別の制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図30】第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を用いて熱アニールサイクルを適用する更に別の制御シーケンスの簡略化したフローチャートである。
【図31】熱アニール処理中の閾値電圧シフトの実験結果を示す閾値電圧対アニール処理パルス幅のプロット図である。
【図32】熱アニール処理後のサブスレッショルド回復の実験結果を示すサブスレッショルドスロープ対アニール処理パルス幅のプロット図である。
【図33】熱アニール処理中の相互コンダクタンス回復の実験結果を示す相互コンダクタンス対アニール処理パルス幅のプロット図である。
【図34】熱アニール処理の実験結果を示す閾値電圧対プログラム/消去サイクルカウントのプロット図である。
【図35】熱アニール処理の実験結果を示すサブスレッショルドスロープ対プログラム/消去サイクルカウントのプロット図である。
【図36】熱アニールを施しながらのプログラム/消去サイクル中のIV曲線の実験結果を示すドレイン電流対制御ゲート電圧プロット図である。
【図37】熱アニールを施す実験結果を示す閾値電圧対保持時間のプロット図である。
【図38】熱アニール操作に対して配置されたフローティングゲートメモリセルの断面図である。
【図39】熱アニール操作に対して配置されたナノクリスタルメモリセルの断面図である。
【図40】熱アニール操作に対して配置されたTANOSメモリセルの断面図である。
【図41】熱アニール操作に対して配置されたMA−BESONOSメモリセルの断面図である。
【図42】熱アニール操作に対して配置されたFinFETメモリセルの断面図である。
【図43】熱アニール操作に対して配置されたスプリットゲートメモリセルの断面図である。
【図44】熱アニール操作に対して配置された別のスプリットゲートメモリセルの断面図である。
【図45】熱アニール操作に対して配置されたSONOSメモリセルの断面図である。
【図46】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、セグメント化ワード線NORメモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図47】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、セグメント化ワード線仮想接地メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図48】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、セグメント化ワード線ANDメモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図49】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、垂直ゲートを使用するセグメント化ワード線3次元メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図50】第1のグローバルワード線、第2のグローバルワード線及びローカルワード線を含む、垂直ビット線を使用するセグメント化ワード線3次元メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図51】熱アニールに対して配置されたセグメント化ワード線3次元垂直積層アレイトランジスタ(vertical-stacked-array-transistor:VSAT)メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図52】熱アニールに対して配置されたセグメント化ワード線3次元パイプ型ビットコストスケーラブル(pipe-shaped bit cost scalable:P−BiCS)メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図53】熱アニールに対して配置された代替的なセグメント化ワード線3次元メモリアレイの一部の簡略化した図である。
【図54】ダイオードストラッピングを含む第1の導体と第2の導体との間の1つのローカルワード線の簡略化した図である。
【図55】ダイオードストラッピングを含む第1の導体と第2の導体との間の複数のローカルワード線の簡略化した図である。
【図56】ダイオードストラッピングを含む第1の導体と第2の導体との間の1つのローカルワード線の3次元図である。
【図57】ダイオードストラッピングを含む複数のローカルワード線のレイアウト概略図である。
【図58】スニークパス(sneak path)の除去を示す、ダイオードストラッピングを含む第1の導体と第2の導体との間の複数のローカルワード線の簡略化した図である。
【図59】熱アニール操作に対して配置されたダイオードストラッピングワード線、フラッシュメモリアレイを含む、集積回路メモリのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本技術の実施態様の詳細な説明を、図1〜図59を参照して提供する。
【0014】
図1Aは、半導体本体13にソース11及びドレイン12を有し、ソースとドレインとの間にチャネル領域がある、メモリセルの簡略化した斜視図である。ワード線10が、本体13のチャネル領域の上にゲートを提供する。ゲートと本体13のチャネル領域との間に、多層誘電体スタック14が介在しており、誘電体電荷トラッピング構造として作用する。図1Aに示す例では、ゲート電流(又はワード線電流)は、電荷トラッピング構造を加熱するための電力源として示されている。図1Aの構造と同様の参照数字を有する図1Bは、チャネル電流(又はビット線電流)が電荷トラッピング構造を加熱するための電力源である例を示す。図1A及び図1Bの構造と同様の参照数字を有する図1Cは、ゲート電流(又はワード線電流)とチャネル電流(又はビット線電流)との組合せが電荷トラッピング構造を加熱するための電力源である例を示す。
【0015】
多層誘電体スタック14の実施態様に対する1つの技術は、バンドギャップ加工SONOS(Be−SONOS)電荷トラッピング技術として知られている。例えば、Lueの特許文献1を参照されたい。なお、本明細書に完全に示されているかのように、特許文献1は参照により援用される。
【0016】
BE−SONOS多層誘電体スタックの一例は、チャネルの上に多層トンネル層を含む。多層トンネル層は、チャネルの中心領域が2nm未満の厚さである酸化シリコン又は酸窒化シリコンの層、中心領域が3nm未満の厚さである窒化シリコンの第2の層、及び中心領域が4nm未満の厚さである酸化シリコン又は酸窒化シリコンを含む第3の層を用いて実装される。電荷トラッピング層は、中心領域の厚さが5nmを超える窒化シリコンを含むトンネル層の上に形成される。ブロック層は、電荷トラッピング層と、中心領域における有効酸化物厚さが5nmを超える、絶縁材料を含むゲートとの間に形成される。他の実施態様では、誘電体電荷トラッピング構造を、トンネル層がゲートに隣接し、ブロック層がチャネルに隣接するように配置することができる。
【0017】
代替的なメモリセルは、異なる電荷トラッピング構造を使用することができ、それは例えば、より伝統的な窒化物構造、すなわち、Shin他の非特許文献3、非特許文献4、及び2007年8月27日に出願された、本願と同一の譲受人に譲渡されかつ同時係属中の特許文献2に記載されているような電荷トラッピング構造を含んでいる。なお、本明細書に完全に示されているかのように、これら特許文献は参照により援用される。本明細書に記載する技術を適用することができる更に他のフラッシュメモリ技術については、図38〜図45を参照して後述する。
【0018】
BE−SONOS技術並びに他の誘電体電荷トラッピング技術及びフローティングゲート電荷トラッピング技術は、著しい温度感度を有することができる。温度感度は、熱アニールにより、プログラム及び消去サイクル中に発生する構造に対する損傷から回復する能力を含むことができる。したがって、熱アニールを施すことにより、誘電体電荷トラッピング構造の電荷蓄積特性を回復させるか又は改善することができる。また、温度感度は、性能の向上を含むことができる。例えば、幾つかの誘電体電荷トラッピングメモリ構造の場合、ファウラーノルドファイム(Fowler Nordheim)(FN)トンネル現象中に、負のゲートバイアス下で熱を加えることができる場合、熱アシスト電子デトラッピングを強化することができ、そのデトラッピングは、正孔トンネル現象と組み合わせて消去速度を上昇させるための重要な要素となることができる。
【0019】
メモリセルに熱を加える1つの技法は、図1Aに示すように、ワード線の電流を使用して生成される抵抗加熱を含む。ワード線は、通常、終端されていない線であるか、又は非常に高いインピーダンスで終端しており、それにより、ワード線ドライバーは、著しい電流を発生することなくワード線を目標電圧まで充電する。ワード線に電流を誘導するために、ワード線電圧を受け取るワード線を、電流が流れるのを可能にするように終端させる必要がある。また、負のゲート電圧でのFNトンネル動作の場合、誘電体電荷トラッピング層にわたって電界が誘導される。したがって、電流を誘導すると同時に、消去動作を支持するように電界も誘導することにより、結合された消去動作/アニール操作を実行することができる。所望の場合は、読出し動作及びプログラム動作中に電流を誘導することも可能である。メモリがアイドル状態である間に、読出し、プログラム及び消去といったミッション機能の間に交互に挿入される動作として、電流を誘導することもできる。したがって、読出し動作、プログラム動作及び消去動作の間又はそれらの動作中にアニール操作を達成するように、回路を構成することができる。
【0020】
ワード線に適切に電流を誘導することにより、特定のセルのゲートの局所温度を、400℃を超えるように上昇させることができる。ゲートが、誘電体電荷トラッピング構造と接触しているため、熱が伝達され、アニールを達成する。自己修復型フラッシュメモリデバイスは、フラッシュメモリ耐久性のボトルネックを突破することができる。メモリデバイスは、内部ジュールヒーターとしてワード線(ゲート)を使用して、短時間で局所的に高い温度を発生させることができ、したがって、非常に高速なパルスアニール処理とP/E(プログラム/消去)サイクルがもたらす損傷の回復とを可能にする。局所的に高い温度は、外部加熱によって可能である温度よりはるかに高い。
【0021】
ジュール加熱を発生させるために、ワード線(ゲート)に沿って電流を流すことができる。ゲートに近接することで、フラッシュメモリデバイスのトンネル酸化物を容易に加熱することができ、P/Eサイクルによってもたらされる損傷をアニールアウトすることができる。活性化エネルギーが高く(Ea>1.1eV)、そのため温度加速係数が大きいため、ワード線ヒーターは、非常に短時間で有効に熱アニール処理をもたらすことができる。
【0022】
幾つかの実施態様では、十分なジュール加熱を発生させるために、ワード線を通る、2ミリアンペア(mA)を超えるような相対的に高い電流が必要である可能性がある。しかしながら、フラッシュメモリデバイスのワード線は、長さがミリメートルを超える可能性がある。この長さのために、対応するワード線抵抗は非常に高い。一例として、ポリシリコンのワード線のシート抵抗(R)は30オーム/平方(square)である場合があり、ワード線のチャネル幅(W)は30nm(ナノメートル)である場合があり、ワード線長(L)は1mm(ミリメートル)である場合がある。この例では、以下のように、平方は(30nm×30nm)であり、ワード線の抵抗(R)は1Mオームであると計算される。
【0023】
R=L×W×R=1mm×30nm×30ohm/(30nm×30nm)=1×10ohm
【0024】
1Mオーム抵抗のワード線は、500ボルトのワード線電圧降下内で約2mAの電流をもたらす。こうした高電圧は実際的ではない。
【0025】
必要な電圧を低減するために可能な限りワード線抵抗を低下させることが望ましい。ワード線抵抗を低下させる1つの方法は、ワード線長を低減することである。別の方法は、ワード線のシート抵抗を低下させることである。ワード線の両端の電圧降下(V)が10Vまで低下し、ワード線の両端で発生する電流(I)が2mAであることが必要である場合、ワード線の抵抗(R)は、以下のように5Kオームであると計算される。
【0026】
R=V/I=10V/2mA=5Kohm
【0027】
ワード線のシート抵抗(R)が、例えば金属ワード線を使用することによって1オーム/平方まで低下し、チャネル幅(W)が依然として30nmである場合、ワード線長(L)は以下のように計算される。
【0028】
L=R/(W×R)=5Kohm/(30nm×1ohm/(30nm×30nm))=150×10−6meter
【0029】
したがって、この例では長さが150μm(マイクロメートル)未満である金属ワード線を、およそ10Vの電圧で十分なジュール加熱に対して2mAを超える電流を提供するように構成することができる。大きいアレイの場合、ワード線を、物理的に切断し、アニール用の電圧を印加するためにスイッチを使用するか、又はワード線を必ずしも物理的に切断することなく、アニールバイアスを印加するためにダイオードストラッピング又は他の回路を使用して、セグメント化し、それにより、動作電圧及び電流範囲を、集積回路環境に対する許容範囲内にすることができる。物理的にセグメント化される実施態様の場合、ローカルワード線がグローバルワード線に結合される。
【0030】
本発明の一実施態様では、BE−SONOS(バンドギャップ加工シリコン−酸化物−窒化物−酸化物−シリコン(bandgap engineered silicon-oxide-nitride-oxide-silicon))電荷トラッピングNANDフラッシュメモリセルのトンネル酸化物ONO(酸化物−窒化物−酸化物)は、内部ジュールヒーターによって数ミリ秒以内に発生する400℃を超える温度で迅速にアニール処理される。この実施態様は、1000万(10M)のプログラム/消去サイクルを超える耐久性と、10Mサイクルを超えるデータ保持を実証する。
【0031】
図2は、簡略化された単一デバイスレイアウト例である。デバイスは、半導体本体への埋込物として実装されるソース22及びドレイン23を含む。デバイスはゲート29を含む。ゲート29は、局所的に電流を集中させるために局所的に狭い領域を有することができ、両端部20及び21のより広い領域はセルのメモリ素子から間隔が空けられている。メモリセルは、ゲート29とソース/ドレイン埋込物との間の交差点24に形成される。
【0032】
図示するように、ゲートの一方の端部20に結合されたワード線ドライバー25を用いてアニール処理を引き起こすことができる。ワード線終端回路(ワード線ドライバーに類似している場合もある)はゲートの反対側の端部21に結合されている。ワード線終端回路はスイッチ26を含み、スイッチ26は、アドレス復号回路又は他の制御回路部に応答して、ワード線を、バイアス回路を含むことができる終端回路27に選択的に結合し、それにより、必要に応じて電流を流すか又は電流が流れないようにすることができる。終端回路は、ワード線の両端に、ワード線ドライバーによって印加される電圧に対して電圧差を加えることにより、ゲート上に電流を流すことができる。一例では、ワード線ドライバー及び終端回路を、ワード線の一方の側に約1ボルトの電圧を印加し、他方の側に約0ボルトの電圧を印加するように構成することができる。これにより、著しい電界を確立することなく、電流がもたらされ、メモリセルに熱が誘導される。別の例では、終端回路を、一方の側に約20ボルト、他方の側に約19ボルトを印加するように構成することができ、それにより、電流によって熱が誘導され、ファウラーノルドハイムプログラミングを含むプログラミングをサポートするためにメモリセルに電界が誘導される。別の例では、終端回路を、一方の側に約−16ボルト、他方の側に約−15ボルト等の負の電圧を印加するように構成することができ、それにより、電流によって熱が誘導されるとともに、負電界のファウラーノルドハイム消去を含む消去をサポートするようにメモリセルに電界が誘導される。
【0033】
図1及び図2を参照して説明したメモリセルを熱アニール処理する手段は、メモリセルの誘電体電荷トラッピング構造の近くに抵抗加熱を誘導するように選択的に制御されるドライバー及び終端回路を有する、ワード線又は他のゲート構造を含む。他の実施態様では、メモリセルを熱アニールする手段は、ビット線の電流を使用してメモリセルの誘電体電荷トラッピング構造に印加される熱を生成することができる。また、メモリセルを、誘電体電荷トラッピングの上方か又は下方のいずれかに更なる抵抗線のセットを含むアレイで実施することができる。例えば、更なる熱アニール線のセットを、金属層の標準ワード線に隣接するか又はその上に実装し、セルを加熱するために使用することができる。また、メモリセルを、誘電体電荷トラッピング構造の下方に熱アニール線のセットを含む基板の上に実装することができる。例えば、シリコン−オン−インシュレーター基板の場合、ドープしたポリシリコン線を用いて、例えば絶縁体の下方に、又は絶縁体内に埋め込んで実装し、抵抗器をメモリセルの下方に埋め込むことができる。ワード線加熱は、ワード線が電荷トラッピングに近接しているため最も有効である可能性がある。しかしながら、上に概説したように、熱アニール処理手段を提供するために他の構造を使用することができる。
【0034】
フラッシュメモリデバイスは、一般に、NANDアーキテクチャ又はNORアーキテクチャを用いて実装されるが、例えば仮想接地アーキテクチャ及びANDアーキテクチャを含む他のものも既知である。NANDアーキテクチャは、データ格納用途に適用される場合、高密度かつ高速であるために広く使用されている。NORアーキテクチャは、ランダムバイトアクセスが重要である、コード格納等の他の用途に対してより適している。本明細書に記載する熱アシストメモリセルを、NANDアーキテクチャ、NORアーキテクチャ、仮想接地アーキテクチャ及びANDアーキテクチャ、並びに他の構成で配置することができる。
【0035】
図3は、ストリング選択トランジスタ(例えば36)及び接地選択トランジスタ(例えば37)により、ビット線BL−1及びBL−2それぞれと共通ソースCS線35とにそれぞれ結合されているNANDストリング31、32を含む、NANDアーキテクチャのレイアウトを示す回路図である。例示の目的で、NANDストリング31の対応するワード線WL(i)の目標メモリセル30の読出しの場合、読出しバイアスレベルが選択されたワード線WL(i)に印加される。選択されていないワード線は、メモリセルを最高閾値状態でオンさせるのに十分なパス電圧で駆動される。選択されたビット線には、読出しバイアスが印加される。選択されていないビット線では、ビット線電圧が、接地レベル、又はCS線のレベルに近いレベルに設定される。
【0036】
ワード線を使用して熱アニール用の熱を加えるために、アレイは、ワード線の両端の復号終端スイッチ39とともに、復号ワード線ドライバー38を有するように構成される。ドライバーと復号終端スイッチ39との間のワード線の長さを、アレイを適切にセグメント化することによって、要求に応じて構成することができる。例えば、ワード線ドライバー/終端スイッチの対を、特定の実施態様に適合するように、100ビット線のセグメント、1000ビット線のセグメント又は他の長さのセグメントに対して実装することができる。選択的にワード線をバイアス回路に結合するか又はワード線をバイアス回路から切断する復号終端回路39を使用することにより、デバイスの動作中に低電流モードで、かつ熱アニールに対してより高い電流モードでワード線を使用することができる。また、読出し動作、プログラム動作及び消去動作等、デバイスの幾つかの動作モードでは、ワード線を終端回路に選択的に結合して、ワード線を高電流モードで動作させることにより、動作中に熱アニールを行うことができる。
【0037】
図4は、本明細書に記載するようにフラッシュメモリに対して熱アニールを採用する集積回路の簡略化したブロック図である。集積回路410は、集積回路基板上のフラッシュメモリセルを使用して実装されるメモリアレイ412を含む。接地選択及びストリング選択デコーダー414(適切なドライバーを含む)が、メモリアレイ412の行に沿って配置されているストリング選択線及び接地選択線に結合され、かつ電気的に連通している。また、デコーダー414は、グローバルワード線ドライバーを含み、該ドライバーは、グローバルワード線終端回路及びデコーダー450と協働して動作する。ビット線(列)デコーダー及びドライバー418は、メモリアレイ412のメモリセルからデータを読み出しかつそこにデータを書き込むために、メモリアレイ412の列に沿って配置されている複数のビット線420に結合され、かつそれらと電気的に連通している。バス422でワード線デコーダー及びストリング選択デコーダー414に、かつビット線デコーダー418にアドレスが供給される。任意選択で、ローカルワード線デコーダー417を含め、それを、グローバルワード線ドライバー及びグローバルワード線終端回路に結合されているグローバルワード線対にローカルワード線を接続するために使用することができる。
【0038】
ワード線の電流を使用して誘電体電荷トラッピング構造の熱アニール処理用の熱を誘導する実施態様では、ワード線終端デコーダー450がアレイのワード線416に結合されている。ワード線終端デコーダー450は、上述したように、デバイスの動作モード中に指示するか又は生成されるアドレス及び制御信号に応答して、選択的にワード線を終端回路に接続するか、又は終端回路を選択されたワード線に結合することを可能にすることができる。
【0039】
読出しモード、プログラムモード及び消去モード用の電流源を含む、ブロック424のセンスアンプ及びデータイン構造は、データバス426を介してビット線デコーダー418に結合されている。データは、データイン線428を介して、集積回路410の入出力ポートから、又は集積回路410の内部又は外部の他のデータ源から、ブロック424のデータイン構造に供給される。データは、ブロック424のセンスアンプから、データアウト線432を介して、集積回路410の入出力ポートに、又は集積回路410の内部又は外部の他のデータ宛先に供給される。
【0040】
この例ではバイアス配置状態機械を用いて実装されるコントローラー434が、ワード線及びビット線に対する読出し、プログラム、消去、消去検証、プログラム検証の電圧又は電流等、バイアス配置供給電圧及び電流源436の印加を制御し、アクセス制御プロセスを用いてワード線/ソース線動作を制御する。コントローラー434は、熱アニール操作を行うためにローカルワード線にバイアス状態を印加するようにグローバルワード線対の使用を制御する等、熱アニール処理を可能にするために使用されるロジックを含む。
【0041】
コントローラー434を、本技術分野において既知である専用論理回路部を用いて実装することができる。代替的な実施態様では、コントローラー434は、デバイスの動作を制御するようにコンピュータプログラムを実行する、同じ集積回路に実装することができる汎用プロセッサを含む。更に他の実施態様では、コントローラー434の実装のために、専用論理回路部及び汎用プロセッサの組合せを利用することができる。
【0042】
図示する実施態様では、集積回路410には、汎用プロセッサ若しくは特定用途向け回路部、又はメモリセルアレイによって支持されるシステム−オン−チップ(system-on-a-chip)機能を提供するモジュールの組合せ等、他の回路430が含まれる。
【0043】
また、幾つかの実施態様では、コントローラーは、プログラム/消去サイクルカウンターと、熱アニールプロセスの構成に適用されるパラメーターを設定するレジスタとを含む。コントローラーは、図9〜図11及び図28〜図30を参照して本明細書に記載する手続きを、他のプロセス並びに読出し及び書込みのミッション機能動作とともに実行することができる。
【0044】
NANDアレイの実施態様に対する共通の技術は、半導体基板のストリップ間でシャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation:STI)構造を使用することを含む。一連のメモリセルは、各ストリップで実装される。メモリセルは、n型ドーピング(pチャネルデバイスの場合)又はp型ドーピング(nチャネルデバイスの場合)の一方を有するチャネル領域と、反対の導電性タイプであるストリップに沿ったチャネル領域間のソース/ドレイン領域を含む。チャネル領域の上に電荷トラッピング構造が形成され、NANDセルへのアクセスを確立するように、ワード線及びビット線がパターニングされる。
【0045】
図5は、本明細書に記載する熱アニール処理する手段で使用するのに適している、列の間にシャロートレンチアイソレーションを含むNANDアレイレイアウトを示す。このレイアウトでは、複数の絶縁体充填トレンチ51−1〜51−5が、半導体基板に形成されている。半導体ストリップ52−1〜52−4が、シャロートレンチアイソレーションSTI構造等、絶縁体充填トレンチ51−1〜51−5の対の間に位置している。図示しない電荷トラッピング構造が半導体ストリップの上に重なっている。電荷トラッピング構造の上に複数のワード線53−1〜53−4が形成されており、半導体ストリップ52−1〜52−4に対して直交して延在している。半導体ストリップは、第1の導電性タイプを有する複数のソース/ドレイン領域(S/Dと表記)と第2の導電性タイプを有する複数のチャネル領域(ワード線の下方)とを含む。
【0046】
図6は、ワード線53−2に沿って取り出された、図5のアレイの断面を示す。BE−SONOSデバイスの特徴である、ONONO誘電体電荷トラッピング構造が、ワード線53−2と半導体本体のPウェルとの間に位置している。絶縁体充填トレンチ51−1〜51−5は、用紙に対して垂直に伸びるNANDストリングを分離する。ワード線は、図示するようなポリシリコン及びシリサイドの多層構造か又は材料の他の組合せを含むことができる。材料を、電流が流れている間に抵抗加熱を提供するように、かつ熱アニール用の誘電体電荷トラッピング構造に抵抗加熱を伝達するように構成することができる。
【0047】
図7は、NANDストリングを形成するように一続きに配置されている複数の誘電体電荷トラッピングフラッシュメモリセルを断面で示す。図7の断面は、ストリップ52−1のNANDストリングに沿った、図5の線7−7に沿って取り出された部分に対応している。しかしながら、図7は、接地選択スイッチ及びストリング選択スイッチを含む6つのメモリセルのストリング、したがって図5のレイアウトに現れるものより多くの構造を示す。
【0048】
図7を参照すると、メモリセルは、半導体本体70に形成されている。nチャネルメモリセルの場合、半導体本体70を、半導体チップのより深いnウェル内の分離されたpウェルとすることができる。代替的に、半導体本体70を、絶縁層等によって分離することができる。幾つかの実施態様では、半導体本体に対するドーピングがn型であるpチャネルメモリセルを採用することができる。
【0049】
複数のメモリセルは、ワード線に直交するビット線方向に延在しているストリングに配置されている。ワード線82〜87は、複数の平行なNANDストリングを横切って延在している。端子72〜78が、半導体本体70のn型領域(nチャネルデバイスの場合)によって形成され、メモリセル用のソース/ドレイン領域として作用する。接地選択線GSL81にゲートを有するMOSトランジスタによって形成された第1のスイッチが、第1のワード線82に対応するメモリセルと、半導体本体70のn型領域によって形成されるコンタクト71との間に接続されている。コンタクト71は、共通ソースCS線80に接続されている。ストリング選択線SSL88のゲートを有するMOSトランジスタによって形成される第2のスイッチが、最後のワード線87に対応するメモリセルと、半導体本体70のn型領域によって形成されるコンタクト79との間に接続されている。コンタクト79は、ビット線BL90に接続されている。図示する実施態様の第1のスイッチ及び第2のスイッチはMOSトランジスタであり、例えば二酸化シリコンによって形成されるゲート誘電体97及び98を有している。
【0050】
この図では、簡単のために、ストリングには6つのメモリセルがある。通常の実施態様では、NANDストリングは16、32又はそれより多くのメモリセルが直列に配置されている可能性がある。ワード線82〜87に対応するメモリセルは、ワード線と半導体本体70のチャネル領域との間に誘電体電荷トラッピング構造99を有している。また、接合のないNANDフラッシュ構造の実施態様が開発されており、そこでは、構造からソース/ドレイン端子73〜77及び任意選択で端子72及び78を省略することができる。
【0051】
図示する実施態様における電荷トラッピング構造は、上述したようにONONO多層スタックを含む。上述したように、ワード線を用いて、電荷トラッピング構造(例えば99)に熱が誘導され、熱アニールを生じさせてサイクル損傷から回復させる。アニール処理を、−FN消去中に適用することも可能であり、それにより消去速度が改善される。
【0052】
図7に、負のゲート電圧FN(−FN)動作に対するNANDストリングにおけるバイアス状態を示す。例えば−FNトンネルを用いてブロック消去をもたらすために、ワード線は、負の消去電圧−VEでバイアスされ、ビット線及び共通ソース線は、正の消去電圧+VE又は接地によってバイアスされ、一方で、ストリング選択スイッチは、+VE電圧を半導体本体70に結合する電圧によってバイアスされる。これにより、チャネルから誘電体電荷トラッピング構造の電荷トラッピング層に正孔トンネル現象を誘導する電界が設定され、ブロックのメモリセルが消去される。消去性能を向上させるために、ワード線を終端させることができ、それにより、ゲート構造上の矢印によって示すように、ブロック消去中に電流が流れる。電流が、消去動作中に、誘電体電荷トラッピング構造に伝達される熱を誘導する。
【0053】
上述した「接合のない」構造を含む代替実施態様は、nチャネルデバイスの場合の連続したp型チャネル構造(pチャネルデバイスの場合はその逆)とともに、第1のn型ソース/ドレイン端子と第2のn型ソース/ドレイン端子との間に8又は16等の複数のワード線を含む。したがって、本明細書に記載するNANDアレイの実施態様は、チャネルと反対の導電性タイプでドープされたソース/ドレイン端子間に2つ以上のゲートを含むことができる。個々のセルは、この代替態様では、チャネル構造を反転させるように隣接するワード線をバイアスして、個々のゲートに対して反転ソース/ドレイン領域を生成することによりアクセスされる。本願と同一の譲受人に譲渡されたHsu他の特許文献3を参照されたい。なお、本明細書に完全に示されているかのように、特許文献3は参照により援用される。
【0054】
NANDストリングを、finFET技術、シャロートレンチアイソレーション技術、垂直NAND技術等を含む種々の構成で実装することができる。例えば、垂直NAND構造の例として、「Non-volatile memory device, method of operating same and method of fabricating the same」と題するKim他による特許文献4を参照されたい。
【0055】
図8は、絶縁基板上に薄膜トランジスタメモリセルが実装されているメモリ構造の簡略化した斜視図である。これは、より効率的な発熱及びより低い電力を提供するように、デバイス設計に熱的分離が考慮されている代表的な構造である。この構造では、「シリコンオンインシュレーター(SOI)」設計手法が実装されている。集積回路用の基板の上に絶縁体102が形成されて、断熱及び絶縁をともに提供する。絶縁体102の上に、薄膜半導体本体101が形成されている。ソース/ドレイン領域110及びチャネル領域109、111が、半導体本体101に実装されている。薄膜半導体本体101の上に、誘電体電荷トラッピング構造104が形成されている。ワード線は、ポリシリコンのそれぞれの層105、106及びシリサイドのそれぞれの層107、108を含む多層構造を使用して実装される。ポリシリコン/シリサイド層の厚さを、ワード線の抵抗を増大させるように、かつそれにより発熱を増大させるように低減することができる。また、SOI型構造で実装される薄膜半導体本体101は、メモリセルによる熱吸収を低減することができ、それによってより低電力でより高い温度の発生を可能にする。また、追加の断熱技法を使用することができる。例えば、領域103のワード線の間に、空気スペーサ及び他の断熱構造を実装することができる。
【0056】
図9〜図11は、フラッシュメモリデバイスにおいて熱アニールサイクルが展開される代替的な動作方法を示す。これらの方法を、例えば図4を参照して説明したコントローラー434を使用して実行することができる。
【0057】
図9は、熱アニールサイクルが、メモリデバイスに対するミッション機能動作(読出し、プログラム、消去)の間に介在する代表的なプロセスを示す。デバイスの動作中、ブロック200によって表されているように、プログラム/消去サイクル動作が実行される。図9の方法のコントローラーは、プログラム/消去サイクルを(例えば、プログラム動作をカウントすることにより、消去動作をカウントすることにより、又はプログラム動作及び消去動作の対をカウントすることにより)カウントし(ブロック201)、カウントを監視する(ブロック202)。カウントが閾値に達していない場合、アルゴリズムはループしてカウントサイクルを継続する。カウントが閾値に達すると、コントローラーは熱アニールサイクルを適用する(ブロック203)。プログラム/消去サイクルカウント及び熱アニールサイクルを、特定の実施態様に適合するように行ベースで、列ベースで、ブロックベースで又はアレイ全体にわたって等、セルのセットに対して適用することができる。アニール処理を、所与の実施態様の電力消費要件及び他の要件に適合するように、一度に1行若しくは1列のセルに、又はより大きいセルのセットに施すことができる。プログラム−消去サイクルを、プログラム状態から消去状態へかつプログラム状態に戻るメモリセルに書き込むイベントの組合せとして定義することができ、一般に、フラッシュメモリの耐久性を測定する単位として使用される。上述したように、集積回路メモリの使用中にプログラム−消去サイクルをカウントするために、オンチップカウンタを使用して、個々のメモリセルに適用されるプログラムサイクル、メモリセルのブロック内のメモリセルに適用されるプログラムサイクル、個々のメモリセルに適用される消去サイクル、メモリセルのブロック内のメモリセルに適用される消去サイクルをカウントするか、又はプログラム状態から消去状態へかつプログラム状態に戻るメモリセルに書き込むイベントの組合せをカウントすることができる。これらの手法のすべては、熱アニールサイクルを適用する時を判断するのに十分な精度で、耐えられる実際のプログラム−消去サイクルの数の指示を与えることができる。
【0058】
図10は、熱アニールサイクルがミッション機能動作の間に介在する別のプロセスを示す。図10のプロセスでは、ブロック301によって表されるような通常の動作中に、プログラム/消去サイクル動作が実行される。コントローラーは、ブロック消去機能の実行を監視し、ブロック消去動作がいつ完了したかを判断する(ブロック302)。ブロック消去動作が完了しない場合は、プロセスは監視及び通常動作を継続する。ブロック消去動作が正しく完了すると、コントローラーは熱アニールサイクルを適用する(ブロック303)。この熱アニールサイクルは、ブロック消去動作の検出及び完了に応じて開始されるため、ブロック消去と協働して実行される。ブロック消去サイクルと熱アニールサイクルとの間の他の論理的結合によってもまた、ブロック消去及び熱アニールサイクルを協働して実行することができる。
【0059】
図11は、メモリデバイスに対するミッション機能、この例ではブロック消去中に熱アニールが適用される代表的なプロセスを示す。図11のプロセスでは、ブロック400によって表されるように、メモリデバイスに対する通常のプログラム/消去サイクルが行われている。プロレスは、ブロック消去が要求されたか否かを判断する(ブロック401)。要求されていない場合、プロセスは、通常の動作及び監視を継続する。ブロック消去動作が要求されている場合、コントローラーは、ブロック消去動作中にワード線を終端させ、それにより、発熱電流が、消去されているメモリセルに適用されるか、又は他の方法で熱アニールに適用される(ブロック402)。上述したように、これは、消去性能を向上させることができるとともに、誘電体電荷トラッピング構造がプログラム/消去サイクル損傷から回復することができるようにする。ブロック消去動作が完了すると(ブロック403)、プロセスは通常の動作に戻る。
【0060】
図12及び図13は、75nm製造ノードで作製されたNANDアーキテクチャBE−SONOSメモリセルを含む実験デバイスで行われた測定を示し、そこでは、熱アニールを誘導する電流が、順方向ソース/ドレインアニールによって生成され、それにより、ソース/ドレイン端子とセルの半導体本体との間の接合が順方向バイアスされて電流を誘導する。これは、上述したような他の加熱構造の挙動を模倣する。図12に、ドレイン電流対ゲート電圧プロット図を示す。トレース1201は、10000回のプログラム/消去サイクルの後のメモリセルの性能を示し、サイクル損傷の結果おそらく発生している性能のわずかな劣化を示している。トレース1202及びトレース1203は、それぞれ第1のアニール及び第2のアニールの後の性能を示している。アニールステップの後、デバイスに対するサブスレッショルドスロープは大幅に改善され、それは、界面状態損傷(Dit)が熱アニールによって抑制されていることを示している。
【0061】
図13は、アニールの前の10000サイクル及びアニールの後の10000サイクルに対する、試験されたメモリセルのプログラム/消去サイクルに対する閾値電圧対サイクルカウントを示す。この図は、デバイスが、アニール前の10000サイクルとアニール後の次の10000サイクルとの両方に対して等しく適切に機能することを示している。
【0062】
図14〜図16は、それぞれ、試験されたNANDアーキテクチャBE−SONOSメモリセルに対する100000プログラム/消去サイクルの第1のセットと、熱アニールの後の100000プログラム/消去サイクルの第2のセットと、熱アニールの後の100000プログラム/消去サイクルの第10のセットとに対する閾値分布を示す。図14には、容易には識別されない7つのプロットが示されている。プロットは、10サイクルでの性能、100サイクルでの性能、1000サイクルでの性能、10000サイクルでの性能、50000サイクルでの性能及び100000サイクルでの性能に対応する。図14は、サイクルカウントが約100まで増大すると、消去状態窓の上縁が約2.3Vに達することを示している。プログラム状態窓は、比較的一定のままであり、約3.5Vの下縁を有している。
【0063】
図15は、熱アニール後の100000サイクルの第2のセットに対して、消去状態窓の上縁が約2.6V未満のままであり、プログラム状態窓が約3.5Vを超えたままであることを示す。図16は、熱アニール後の100000サイクルの第10のセットに対して、消去状態窓が約2.9V未満のままであり、プログラム状態窓が約3.4Vを超えたままであることを示す。
【0064】
図14〜図16に示す結果は、デバイスの性能を、10000サイクルごとに熱アニール処理プロセスを用いて100万サイクルにわたって維持することができることを示す。
【0065】
図17〜図19は、100000プログラム/消去サイクルにわたるページプログラムショットカウント(すなわち、プログラム、検証、再試行サイクルアルゴリズムにおいてプログラミングの成功に必要なプログラムパルスの数)及び総消去時間の変動を示す。図は、ページプログラムショットの最悪の場合のカウントに対するトレースと、ページプログラムショットの平均数に対するトレースと、総消去時間トレースを示す。図17は、100000サイクルの第1のセットに対する性能を示す。図18は、熱アニールの後の100000サイクルの第2のセットに対する性能を示す。図19は、熱アニール処理による100000サイクルの第10のセットに対する性能を示す。これらの図は、プログラム/消去サイクル状態が、100000P/Eサイクルの第10のセットの後、その後の熱アニールの後にほぼ完全に回復したことを示し、100万サイクルを超える耐久性を示す。
【0066】
図20は、1.3nmの酸化シリコン、2nmの窒化シリコン及び3.5nmの酸化シリコンを含む多層トンネル層と、7ナノメートルの窒化シリコンを含む電荷トラッピング層と、8.5nmの酸化シリコンを含むブロック層とを有する、BE−SONOSメモリセルに対する、熱アニールあり及びなしの消去性能を示す。デバイスのゲート及び本体にわたって−17ボルトの−FN消去バイアスが印加される。これらの条件下での約5Vから約0Vの閾値降下に対する250℃での消去時間は、1秒に近い。250℃の高温では、これらの条件下での消去時間は約11ミリ秒まで低減する。したがって、図20は、消去動作中に熱アニール処理を施すことにより消去性能を向上させることができることを示す。
【0067】
図21は、秒を単位とするアニール処理時間対q/(kT)のアレニウスプロットであり、BE−SONOSデバイスにおける熱アシスト消去動作に対する推定アニール処理時間を示す。3つのトレースが示されており、最も上のトレースは1.2電子ボルトの活性化エネルギーを前提とし、中間のトレースは1.5電子ボルトの活性化エネルギーを前提とし、下方のトレースは1.8電子ボルトの活性化エネルギーを前提としている。また、計算のために、実験に基づいて、回復に必要なアニール処理時間が250℃で約2時間であると仮定する。プロットに示す計算に基づき、約600℃の温度では、必要なアニール処理時間はわずかに数ミリ秒となり、したがって、現フラッシュメモリ仕様の消去速度要件内での使用に適している。およそ600℃の温度を、本明細書に記載する抵抗加熱を用いて達成することができる。
【0068】
図22は、集積回路上のメモリアレイのセクターの簡略化した図である。メモリは、行及び列を含むメモリセルのアレイを含む。メモリセルのアレイを、NAND構造に配置することができる。アレイのメモリセルは、絶縁基板上に半導体本体を含むことができる。
【0069】
図22に示すセクターは、ローカルワード線2230a〜2230fとして配置されたワード線セグメントを含む。ローカルワード線は、ローカルワード線2230aを参照して理解することができる配置においてグローバルワード線(セクターの両側の2方向矢印によって表される)の対応する対に結合されている。第1のスイッチ2262Lを用いて、1対のうち第1のグローバルワード線2260Lがコンタクト2281を介してローカルワード線2230aに接続されている。第2のスイッチ2262Rを用いて、該1対のうち第2のグローバルワード線2260Rがコンタクト2283を介してローカルワード線2230aに接続されている。この配置は、アレイのメモリセルの図示するブロックにおいて、各ローカルワード線及びその対応するグローバルワード線の対に対するパターンで繰り返されている。したがって、第1の(すなわち左側)スイッチ2262L及び第2の(すなわち右側)スイッチ2262Rは、ローカルワード線2230a〜2230fの対応する第1の(左の)端部及び第2の(右の)端部に結合されている。メモリはまた、対応する列に沿ってビット線2210を備えている。ビット線は、コンタクト2215を介してグローバルビット線(図示せず)に結合されているローカルビット線2210を含むことができる。
【0070】
バイアス電圧をローカルワード線に接続する回路部は、グローバルワード線の対に結合されたスイッチ2262L、2262Rを含む。グローバルワード線の対は、対応する行に沿ってローカルワード線2230a〜2230fに対する第1のスイッチ2262Lに結合された第1のグローバルワード線2260Lと、対応する行に沿ってローカルワード線2230a〜2230fに対する第2のスイッチ2262Rに結合された第2のグローバルワード線2260Rとを含む。
【0071】
メモリは、選択されたローカルワード線をグローバルワード線2260L及び2260Rの対応する対に結合する、ローカルワード線2230a〜2230fに対して第1のスイッチ2262L及び第2のスイッチ2262Rに結合されたローカルワード線デコーダーを含む、図22に示すアレイに結合されたアドレスデコーダー(図示せず)を有している。この例でのローカルワード線デコーダーは、図22に示すアレイにおけるセルのブロック又はブロックの列に対し、それぞれ第1のスイッチ2262L及び第2のスイッチ2262Rを制御する第1のローカルワード線選択線2270L及び第2のローカルワード線選択線2270Rに結合されている。各第1のスイッチ2262Lは、ゲート、入力及び出力を有するFETトランジスタを備えることができる。第1のローカルワード線選択線2270Lは、第1のスイッチ2262Lのゲートに結合されている。第1のスイッチ2262Lの入力は、第1のグローバルワード線2260Lに結合されている。第1のスイッチ2262Lの出力は、ローカルワード線2230a〜2230fの第1の端部に結合されている。
【0072】
同様に、各第2のスイッチ2262Rは、ゲート、入力及び出力を有する、金属酸化膜電界効果トランジスタ(MOSFET)等のFETトランジスタを含むことができる。第2のローカルワード線選択線2270Rは、第2のスイッチ2262Rのゲートに結合されている。第2のスイッチ2262Rの入力は、第2のグローバルワード線2260Rに結合されている。第2のスイッチ2262Rの出力は、ローカルワード線2230a〜2230fの第2の端部に結合されている。
【0073】
メモリは、例えば図3及び図4に関連して上述したように、グローバルワード線の対応する対に結合されている複数の対になっているワード線ドライバー及びワード線終端回路を含む。対になっているワード線ドライバー及びワード線終端回路は、対応する対のうち第1のグローバルワード線2260Lに結合されているワード線ドライバーと、対応する対のうち第2のグローバルワード線2260Rに結合されているワード線終端回路とを含む。ワード線ドライバー回路及びワード線終端回路は、選択されたローカルワード線に選択されたバイアス配置を誘導するように、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に異なるバイアス状態を印加するように適合されている。ワード線ドライバー及び終端回路を、同様の回路を用いて電圧レベル、電流源、バイアス回路等を含む、選択されたバイアス状態をローカルワード線に印加するように実装することができる。標識「ドライバー」及び「終端回路」は本明細書で用いられるとき、いかなる動作においても回路の役割が異なる可能性があり、例えばある回路は他の回路より高い電圧を印加する、ということを示唆しており、必ずしも、それらが異なる回路設計を用いて実装されていることを示唆するものではない。
【0074】
図示する例では、メモリセルのブロックは、例示の目的で6本のローカルビット線及び6本のローカルワード線を含んでいる。本技術の実施態様は、様々なサイズのブロックを含むことができる。例えば、NANDアーキテクチャでは、各ブロックは、ストリング選択トランジスタと接地選択トランジスタとの間に16、32又は64のローカルワード線を含むことができる。また、ローカルビット線の数に関連して、ブロックの幅を、実行されるべき所望の熱アニール特性とローカルワード線の抵抗とに従って選択することができる。
【0075】
ローカルワード線の抵抗は、使用される材料、ローカルワード線の断面積及びローカルワード線の長さの関数である。代表的な実施態様では、ローカルワード線の材料は、シート抵抗が約1オーム/平方であり断面積が約30nm×30nmである、金属又は他の材料を含むことができる。ローカルワード線の長さはおよそ150μmとすることができ、これにより例えば100nmピッチであるとすると例えば1500本のローカルビット線が収容される。当然ながら、これらの値は、集積回路の設計で考慮することができる種々の要素によって決まる。
【0076】
図示する例のメモリセルのアレイは、NAND構成で配置されており、そこでは、ローカルビット線2210はセルのストリングにメモリセルのチャネルを含む。各NANDストリングは、ストリング(すなわちローカルビット線2210)を、コンタクト2215を介してグローバルビット線に結合するストリング選択スイッチ2290と、ストリング(すなわちローカルビット線2210)を共通ソース線2250又は他の基準に結合する接地選択スイッチ2280とを含む。ストリング選択スイッチを、ストリング選択線SSL2220にゲートを有するMOSトランジスタによって形成することができる。接地選択スイッチを、接地選択線GSL2240にゲートを有するMOSトランジスタによって形成することができる。
【0077】
動作時、第1のグローバルワード線2260L及び第2のグローバルワード線2260Rの両方が、組合せで熱アニール用の電流を誘導するバイアス配置を含む、バイアス状態を、第1のスイッチ2262L及び第2のスイッチ2262Rを介してローカルワード線2230a〜2230fに接続するように制御され、さらに選択されたメモリセルを含む他の動作に対しても制御される。
【0078】
図23は、メモリセルのアレイに対してバイアス電圧を印加する回路部の斜視図である。回路部は、複数のローカルビット線2310a、2310bと、複数のローカルワード線2330a、2330b、2330cとを含む。メモリセルは、ローカルビット線2310a、2310bとローカルワード線2330a、2330b、2330cとの交差点に存在する。ローカルワード線2330aのスイッチ2362L及び2362R等、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ローカルワード線2330a、2330b、2330cの各々の第1の端部及び第2の端部に結合されている。この実施態様では、ローカルワード線の左側端部のスイッチ2362Lは、コンタクト構造2363Lに結合されており、それにより、それらは、ローカルワード線の上に重なるグローバルワード線2360Lに接続されている。また、ローカルワード線の右側端部のスイッチ2362Rはコンタクト構造2363Rに結合されており、それによりそれらは、ローカルワード線の下にあるグローバルワード線2360Rに接続されている。この例のローカルワード線デコーダーは、それぞれスイッチ2362L及びスイッチ2362Rを制御する、第1のローカルワード線選択線2370L及び第2のローカルワード線選択線2370Rに結合されている。メモリセルのブロックにバイアス配置を印加する回路部の構成を、デバイスにおいて、薄膜メモリセルを用いる実施態様等、メモリセルのアレイの真下の絶縁層を利用して実装することができる。
【0079】
図24は、第1のグローバルワード線2460Lがローカルワード線2430の上方に配置されており、第2のグローバルワード線2460Rがローカルワード線2430の下方に配置されている、アレイ構造の断面図である。アレイの断面図は、第1のグローバルワード線2460L、第2のグローバルワード線2460R及びローカルワード線2430に沿って取り出されている。この構造では、絶縁層2401は、メモリアレイ、論理回路及び他の集積回路の特徴部の複数の層を含むことができる基板(図示せず)の上に重なっている。第1のパターニングされた導電体層は、絶縁層2401の上に重なり、そこでは、グローバルワード線2460Rを含む「第2の」グローバルワード線が配置されている。絶縁層2402は、グローバルワード線2460Rを含むパターニングされた導電体層の上に重なる。絶縁層2402の上に重なるのは、ローカルワード線2430を選択するために使用されるスイッチのための、トランジスタ本体2462L及び2462Rとともに複数のローカルビット線2410a、2410b、2410c、2410dを含むアレイ層である。複数のローカルビット線2410a、2410b、2410c、2410dは、この図ではビット線が用紙の平面の奥側及び手前側に延在するように配置されている。
【0080】
多層誘電体電荷トラッピング構造等のメモリ素子層2480が、複数のローカルビット線2410a、2410b、2410c、2410dの上に重なっている。ローカルワード線2430が、メモリ素子層2480の上に重なっている。ローカルワード線選択線2470L及び2470Rが、それぞれトランジスタ本体2462L及び2462Rの上に重なっている。ローカルワード線選択線2470L及び2470Rは、この図では用紙の平面の奥側及び手前側に延在するように配置されている。
【0081】
トランジスタ本体2462L及び2462Rは、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域(図示せず)を含む。ローカルワード線選択線2470L及び2470Rは、トランジスタ本体2462L及び2462Rのチャネルの上にゲートとして配置されている。トランジスタ本体2462Lのソース端子及びドレイン端子のうちの一方は、ローカルワード線の上方に延在する導電性プラグ2469Lに接続されており、トランジスタ本体2462Lのソース端子及びドレイン端子の他方は、コネクタ2468Lを介して、ローカルワード線2430の第1の端部に接続されている。同様に、トランジスタ本体2462Rのソース端子及びドレイン端子のうちの一方は、ローカルワード線の下方に延在する導電性プラグ2469Rに接続されており、トランジスタ本体2462Rのソース端子及びドレイン端子のうちの他方は、コネクタ2468Rを介してローカルワード線2430の第2の端部に接続されている。幾つかの実施態様では、ローカルワード線2430は、トランジスタ本体2462L及び2462R並びにそれらの間に形成されたコンタクトの上に、より複雑なコネクタ2468L及び2468Rの代替物として延在することができる。
【0082】
ローカルワード線2430並びにローカルワード線選択線2470L及び2470Rを含む構造は、絶縁充填材2403内に配置されている。第2のパターニングされた導電体層が絶縁充填材2403の上に重なり、そこに、グローバルワード線2460Lを含む「第1の」グローバルワード線が配置されている。図示するように、導電性プラグ2469Lが、トランジスタ本体2462Lを上に重なるグローバルワード線2460Lに接続している。同様に、導電性プラグ2469Rが、トランジスタ本体2462Rを、下に横たわるグローバルワード線2460Rに接続している。絶縁層2404が、グローバルワード線2460Lを含むパターニングされた導電体層の上に重なっている。
【0083】
図25は、メモリセルのアレイに対してバイアス電圧を印加する回路の斜視図である。回路は、複数のローカルビット線2510a、2510bと、複数のローカルワード線2530a、2530b、2530cとを有している。メモリセルは、ローカルビット線2510a、2510bとローカルワード線2530a、2530b、2530cとの交差点に存在する。ローカルワード線2530aのスイッチ2562L及び2562R等の第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ローカルワード線2530a、2530b、2530cの各々の第1の端部及び第2の端部に結合されている。この実施態様では、ローカルワード線の左側端部のスイッチ2562Lは、コンタクト構造2563Lに結合されており、それにより、それらは、ローカルワード線の上に重なるグローバルワード線2560Lに接続されている。また、ローカルワード線の右側端部のスイッチ2562Rはコンタクト構造2563Rに結合されており、それにより、それらはグローバルワード線2560Rに接続され、スイッチ2562Rはまた、ローカルワード線の上に重なっている。この例のローカルワード線デコーダーは、スイッチ2562L及びスイッチ2562Rをそれぞれ制御する第1のローカルワード線選択線2570L及び第2のローカルワード線選択線2570Rに結合されている。
【0084】
図26Aは、グローバルワード線の対の第1のグローバルワード線2660L及び第2のグローバルワード線2660Rがともにローカルワード線の上方に配置されているアレイ構造の断面図である。アレイの断面図はローカルワード線2630に沿って取り出されており、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線は同じレベルに位置合せされ、両方を明らかにするために図面に切り取られた特徴部が含まれている。この構造では、半導体基板2601は、トレンチ分離構造2615a、2615b、2615c、2615d、2615eによって分離された複数のローカルビット線2610a、2610b、2610c、2610dを含む。また、トランジスタ本体2662L及びトランジスタ本体2662Rは、基板2601のアレイの各行の上に形成されている。トランジスタ本体2662L及びトランジスタ本体2662Rは、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域(図示せず)を含んでいる。多層誘電体電荷トラッピング構造等のメモリ素子層2680が、複数のローカルビット線2610a、2610b、2610c、2610dの上に重なっている。ローカルワード線2630が、メモリ素子層2680の上に重なっている。ローカルワード線選択線2670L及び2680Rは、それぞれトランジスタ本体2662L及びトランジスタ本体2662Rのトランジスタチャネルの上に重なっている。ローカルワード線選択線2670L及び2670Rは、この図では用紙の平面の内外に延在するように配置されている。
【0085】
ローカルワード線選択線2670L及び2670Rは、トランジスタ本体2662L及びトランジスタ本体2662Rのチャネルの上にゲートとして配置されている。トランジスタ本体2662Lのソース端子及びドレイン端子のうちの一方は、ローカルワード線の上方に延在する導電性プラグ2669Lに接続されており、トランジスタ本体2662Lのソース端子及びドレイン端子のうちの他方は、コネクタ2668Lを介してローカルワード線2630の第1の端部に接続されている。同様に、トランジスタ本体2662Rのソース端子及びドレイン端子のうちの一方は、ローカルワード線の上方に延在する導電性プラグ2669Rに接続されるとともに、用紙の平面に対して垂直な方向にずれている可能性があり、トランジスタ本体2662Rのソース端子及びドレイン端子のうちの他方は、コネクタ2668Rを介してローカルワード線2630の第2の端部に接続されている。幾つかの実施態様では、ローカルワード線2630は、トランジスタ本体2662L及びトランジスタ本体2662R並びにその間に形成されているコンタクトの上に、より複雑なコネクタ2668L及び2668Rの代替物として延在することができる。
【0086】
ローカルワード線2630並びにローカルワード線選択線2670L及び2670Rを含む構造は、絶縁充填材2603内に配置されている。パターニングされた導電体層が絶縁充填材2603の上に重なり、そこでは、グローバルワード線2660Lを含む「第1の」グローバルワード線とグローバルワード線2660Rを含む「第2の」グローバルワード線とが配置されている。図示するように、導電性プラグ2669Lは、トランジスタ本体2662Lを上に重なるグローバルワード線2660Lに接続している。同様に、導電性プラグ2669Rが、トランジスタ本体2662Rを上に重なるグローバルワード線2660Rに接続している。絶縁層2604は、グローバルワード線2660L及びグローバルワード線2660Rを含むパターニングされた導電体層の上に重なっている。
【0087】
図26Bは、ローカルワード線2630a及び上に重なるグローバルワード線2660L/2660Rの対並びにローカルワード線2630b及び上に重なるグローバルワード線2661L/2661Rの対のレイアウト又は平面図を示す。グローバルワード線の対における第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線がともにローカルワード線の上に重なる実施態様では、ローカルワード線に対して直交するピッチを、各ローカルワード線に対して2つのグローバルワード線を収容するように増大させることができる。グローバルワード線は、下方にあるローカルワード線選択トランジスタとのコンタクトを作成する際の柔軟性を向上させることができる「捩れた」レイアウトを有することができ、又はそれらを、図26Bに示すように直線状とすることができる。また、幾つかの実施態様では、第1のグローバルビット線を、ローカルワード線の上に重なる第1のパターニングされた導電体層で実装することができ、各対の第2のグローバルビット線を、第1のグローバルビット線の上に重なる追加のパターニングされた導電体層で実装することができる。
【0088】
メモリアレイの上方に配置された第1のグローバルワード線2660L及び第2のグローバルワード線2660Rを含む構造は、薄膜トランジスタTFTフラッシュメモリ及びシリコンオンインシュレーター型デバイスにおける他のメモリ構造と同様に、バルクシリコンデバイス上のフラッシュメモリを用いて実装することができる。
【0089】
図27A〜図27Dは、アレイのメモリセルにバイアス状態を印加するために用いられるグローバルワード線/ローカルワード線回路の様々な構成を示す。図27Aには、4つのセクターが、概して円2701、2702、2703、2704に一致するアレイの領域にメモリセルを含む、NANDアーキテクチャアレイが示されている。NANDアーキテクチャでは、グローバルビット線GBL(例えば2740)が、グローバルビット線GBLと共通ソースCS線2714との間で個々のストリングを結合するために用いられるストリング選択トランジスタ及び接地選択トランジスタとともに、列に沿って配置されている。この図では、グローバルビット線GBLは、アレイの上に重なり、図の他の部分を不明瞭にしないように、ストリング選択トランジスタとのコンタクト点のみにおいて示されている。ストリングは、上部セクターのストリング選択線SLL2709と底部セクターのストリング選択線2710とを用いて、それらの対応するグローバルビット線に結合されており、ストリング選択線SLL2709及びストリング選択線2710は、ワード線と平行に配置されており、図示するようにストリング選択トランジスタ用のゲートとして作用する。ストリングは、上部セクター用の接地選択線GSL2712と、底部セクター用の接地選択線GSL2713とを用いて、共通ソースCS線に結合されている。図示するようにアレイのメモリセルの各行に沿って、グローバルワード線GWL1、グローバルワード線GWL2の対が配置されている。このレイアウトを、ビット線に沿った上部から底部への鏡像レイアウトとして特徴付けることができ、それにより、セクターは、共通ソース線及びグローバルビット線へのコンタクトを共有することができる。各セクター内で、ローカルワード線(太い破線で表されている)が、各端部においてMOSトランジスタの形態でスイッチに接続されている。スイッチは、左側ローカルワード線選択線LWSL(例えば2721)と右側ローカルワード線選択線LWSR(例えば2722)とを用いて制御される。スイッチを、種々の構成で配置することができる。この例では、円2750に、図27Aに示すスイッチ構成の拡大図を示す。円2750内のスイッチ構成は、左側ローカルワード線LWL−L及び右側ローカルワード線LWL−Rを含む行に沿って延在する第1のグローバルワード線GWL1及び第2のグローバルワード線GWL2を示している。MOSトランジスタ2752は、左側ローカルワード線LWL−Lに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第1のグローバルワード線GWL1に接続する第1の層間コンタクト2753に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。MOSトランジスタ2754は、右側ローカルワード線LWL−Rに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第2のグローバルワード線GWL2に接続する第2の層間コンタクト2755に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。円2750に描かれているスイッチ構成は、アレイを通してローカルワード線の端部において繰り返され、各ローカルワード線の一端のグローバルワード線のうちの1つへの接続と、各ローカルワード線の他方の端部のグローバルワード線の他方への接続とを可能にする。
【0090】
図27Bは、円2750Aのスイッチ構成が、図27Bに示すように2つではなく単一の層間コンタクト2757を利用する、代替的なアレイレイアウトを示す。図27Aで使用されている参照数字は、この図において同様の要素に対して繰り返されており、こうした要素については繰り返して説明しない。この例では、円2750A及び2750Bに2つのスイッチ構成がある。円2750Aのスイッチ構成は、左側ローカルワード線LWL−L及び右側ローカルワード線LWL−Rを含む行に沿って延在している、第1のグローバルワード線GWL1及び第2のグローバルワード線GWL2を示す。MOSトランジスタ2752Aは、左側ローカルワード線LWL−Lに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第1のグローバルワード線GWL1に接続する層間コンタクト2757に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。MOSトランジスタ2754Aは、右側ローカルワード線LWL−Rに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第1のグローバルワード線GWL1に接続する同じ層間コンタクト2757に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。
【0091】
円2750Aのスイッチ構成は、左側ローカルワード線LWL−L及び右側ローカルワード線LWL−Rを含む行に沿って延在している、第1のグローバルワード線GWL1及び第2のグローバルワード線GWL2を示す。MOSトランジスタ2752Aが、左側ローカルワード線LWL−Lに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第1のグローバルワード線GWL1に接続する層間コンタクト2757に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。MOSトランジスタ2754Aは、右側ローカルワード線LWL−Rに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第1のグローバルワード線GWL1に接続する同じ層間コンタクト2757に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。
【0092】
円2750Bに示すスイッチ構成は、各セグメントの両端においてローカルワード線を第2のグローバルワード線GLW2に接続するように配置されている。したがって、構成2750Bは、左側ローカルワード線LWL−L及び右側ローカルワード線LWL−Rを含む行に沿って延在している、第1のグローバルワード線GWL1及び第2のグローバルワード線GWL2を有している。MOSトランジスタ2752Bが、左側ローカルワード線LWL−Lに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第2のグローバルワード線GWL2に接続する層間コンタクト2758に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。MOSトランジスタ2754Bが、右側ローカルワード線LWL−Rに結合された第1のソース/ドレイン端子と、第2のグローバルワード線GWL2に接続する同じ層間コンタクト2758に結合された第2のソース/ドレイン端子とを有している。スイッチ構成2750A及び2750Bのパターンは、アレイを通して繰り返され、各ローカルワード線の一方の端部のグローバルワード線のうちの一方への接続と、各ローカルワード線の他方の端部のグローバルワード線のうちの他方への接続とを可能にする。
【0093】
図27C及び図27Dは、対応するグローバルワード線ドライバーとともに、メモリアレイの行に沿って配置されたグローバルワード線対及びローカルワード線の代表的な構成を示し、そこでは、ドライバーは、グローバルワード線終端回路としても作用することができる。
【0094】
図27Cは、グローバルワード線2762及び2765を含む第1のグローバルワード線対を含む、図27Bに類似する構成を示す。グローバルワード線2762は、一方の端部の左側/右側グローバルワード線ドライバー2760と他方の端部の相補的な左側/右側グローバルワード線ドライバー2761との間に接続されている。同様に、グローバルワード線2765が、一方の端部の左側/右側グローバルワード線ドライバー2763と他方の端部の相補的な左側/右側グローバルワード線ドライバー2764との間に接続されている。
【0095】
この図では、対応するグローバルワード線対2762/2765とともに行に沿って4つのワード線セグメント(2766〜2769)が配置されている。グローバルワード線2762のコンタクト2772が、スイッチを介してローカルワード線2766の右側端部に接続されている。ローカルワード線2766の左側端部は、第1のスイッチを介してグローバルワード線2765のコンタクト2770に接続されている。また、グローバルワード線2765のコンタクト2770は、第2のスイッチを介して、ローカルワード線2767の左側端部に接続されている。グローバルワード線2762のコンタクト2773は、第1のスイッチを介してローカルワード線2767の右側端部に、かつ第2のスイッチを介してローカルワード線2768の左側端部に接続されている。ローカルワード線2768の右側端部は、第1のスイッチを介してグローバルワード線2765のコンタクト2771に接続されている。また、グローバルワード線2765のコンタクト2771は、第2のスイッチを介してローカルワード線2769の左側端部に接続されている。グローバルワード線2762のコンタクト2774は、スイッチを介してローカルワード線2769の右側端部に接続されている。
【0096】
この配置では、ドライバー2760及び2761を、ローカルワード線セレクター復号に基づいて配置することができ、それにより、熱アニール等の導電モード中にローカルワード線にわたって印加されるバイアス状態が、選択されたローカルワード線に応じてより高い電圧の役割とより低い電圧の役割とを交互にすることによって、同じ電流方向を維持する。代替的に、導電モードを、選択されたローカルワード線に応じて反対の方向の電流で動作させることができる。
【0097】
図27Dは、グローバルワード線2782及び2785を含む第1のグローバルワード線対を含む、図27Aに類似する構成を示す。グローバルワード線2782は、一方の端部の左側グローバルワード線ドライバー2780と他方の端部の相補的な右側グローバルワード線ドライバー2781との間に接続されている。同様に、グローバルワード線2785が、一方の端部の左側グローバルワード線ドライバー2783と他方の端部の相補的な右側グローバルワード線ドライバー2784との間に接続されている。
【0098】
この図では、対応するグローバルワード線対2782/2785とともに行に沿って4つのワード線セグメント(2786〜2789)が配置されている。グローバルワード線2785のコンタクト2790、2791、2792及び2793が、それぞれのスイッチを介してそれぞれのローカルワード線2786〜2789の右側端部に接続されている。グローバルワード線2782のコンタクト2794、2795、2796及び2797は、それぞれのスイッチを介して、それぞれのローカルワード線2786〜2789の左側端部に接続されている。
【0099】
この配置では、グローバルワード線とローカルワード線に結合されたスイッチとの間に、図27Cの構成の2倍の層間コンタクトがある。しかしながら、グローバルワード線ドライバーを、選択されたローカルワード線とは無関係に、左側ドライバーとして又は右側ドライバーとして排他的に動作するように構成することができる。
【0100】
図28は、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を使用するメモリデバイスに対して、ミッション機能動作(読出し、プログラム、消去)の間に熱アニールサイクルが介在している代表的なプロセスを示す。デバイスの動作中、ブロック2801によって表すように、プログラム/消去サイクル動作が実行される。デバイスの制御回路部は、(例えばプログラム動作をカウントすることにより、消去動作をカウントすることにより、又はプログラム動作及び消去動作の対をカウントすることにより)プログラム及び消去サイクル、プログラムサイクル又は消去サイクルのカウントを維持するロジックを含み(ブロック2803)、カウントを監視する(ブロック2805)。制御回路部はまた、後述する後続するステップを実行するロジックも含む。カウントが閾値に達していない場合、制御回路部はループして、カウントサイクルを継続する。カウントが閾値に達すると、制御回路部は、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を選択された対応するローカルワード線に結合し(2810)、複数の対になったワード線ドライバー及びワード線終端回路を制御して、グローバルビット線の対に、選択されたローカルワード線に電流を誘導するバイアス電圧を印加する(2815)。
【0101】
プログラム及び消去サイクルカウント及び熱アニールサイクルを、特定の実施態様に適合するように、行ベースで、列ベースで、ブロックベースで、又はアレイ全体にわたって等、セルのセットに適用することができる。アニール処理を、所与の実施態様の電力消費要件及び他の要件に適合するように、一度にセルの1つの行又は列に又はより大きいセルのセットに施すことができる。
【0102】
図29は、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を使用するメモリデバイスに対して、ミッション機能動作(読出し、プログラム、消去)の間に熱アニールサイクルが介在している別のプロセスを示す。図29のプロセス中、ブロック2901によって表すような通常の動作の間に、プログラム/消去サイクル動作が実行される。制御回路部は、ブロック消去機能の実行を監視し、後述する後続するステップを実行するロジックを含む。制御回路部は、ブロック消去動作が完了した時を確定する(ブロック2905)。いずれのブロック消去動作も完了していない場合、制御回路部は監視及び通常動作を継続する。ブロック消去動作が正しく完了すると、制御回路部は、対応するローカルワード線に対して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を復号し(2910)、複数の対になったワード線ドライバー及びワード線終端回路を制御して、グローバルビット線の対に、選択されたローカルワード線に電流を誘導するバイアス電圧を印加する(2915)。
【0103】
図30は、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線を使用するメモリデバイスに対し、ミッション機能、この例ではブロック消去中に熱アニールが施される、代表的なプロセスを示す。図30のプロセスでは、ブロック3001によって表されるように、メモリデバイスに対する通常のプログラム/消去サイクルが発生している。制御回路部は、ブロック消去が要求されたか否かを判断し(ブロック3005)、後述する後続するステップを実行するロジックを含む。ブロック消去が要求されていない場合、制御回路部は通常の動作及び監視を継続する。ブロック消去動作が要求された場合、制御回路部は、ブロック消去動作中にワード線を終端させ、それにより、消去されているメモリセルに対して発熱電流が利用可能とるか、又は制御回路部は、他の方法で熱アニールを施す(ブロック3007)。上述したように、これによって消去性能を向上させることができるとともに、誘電体電荷トラッピング構造がプログラム/消去サイクル損傷から回復することができる。ブロック消去機能が完了すると(ブロック3020)、プロセスは通常動作に戻る。
【0104】
本技術による実験は、プログラム/消去サイクル後のデバイスに様々なワード線電流及びアニール処理パルスを印加し、そこでは、メモリデバイスは、試験構成のBE−SONOS誘電体電荷トラッピングメモリであった。ワード線電流は、1.2mA、1.6mA及び2mAを含む。アニール処理パルスは、0.1ms(ミリ秒)から100秒の範囲である。メモリデバイスを、損傷の影響を見るために10000PEサイクル動かす。熱アニール処理中の閾値電圧シフト、サブスレッショルドスロープ回復及び相互コンダクタンスに関する実験の結果を、以下に詳細に説明する。
【0105】
図31は、熱アニール処理中の閾値電圧シフトの実験結果を示す閾値電圧対アニール処理パルス幅のプロットである。いかなるプログラム/消去サイクルの前も閾値電圧は約6.2Vである。いかなるアニール処理もなく、かつ10000PEサイクルの後、プログラムされた閾値電圧は約7.0Vにシフトする。ミリ秒以下のアニール電流での1.2mA、1.6mA及び2mAのアニール処理電流により、閾値電圧は、それぞれ約6.7V、6.4V及び5.7Vにシフトする。したがって、実験は、ワード線ヒーターによって提供されるパルスアニール処理が、ワード線電流が1.6mA又は2mAであるときに1ミリ秒のアニール処理パルス幅内で非常に高速な閾値電圧回復時間を提供することができることを論証する。
【0106】
図32は、熱アニール処理後のサブスレッショルド回復の実験結果を示すサブスレッショルドスロープ対アニール処理パルス幅のプロットである。上述した閾値電圧シフトの実験結果に対応して、PEサイクル後デバイスは、高速なサブスレッショルドスロープ(SS)回復を示す。いかなるプログラム/消去サイクルの前も、試験対象のメモリデバイスは、およそ220mV/decadeと280mV/decadeとの間のSSを示す。10000プログラム/消去サイクルの後、いかなるアニール処理もない場合、試験対象のメモリセルは、およそ410mV/decadeと490mV/decadeとの間のSSを示す。数ミリ秒以内での1.2mA、1.6mA及び2mAのアニール処理電流により、試験対象のメモリセルは、それぞれおよそ430mV/decade、360mV/decade及び250mV/decadeのSSを示す。したがって、実験は、ワード線ヒーターによって提供されるパルスアニール処理が、ミリ秒のアニールパルス幅での高速なサブスレッショルドスロープ回復時間を提供することができ、ワード線電流がおよそ2mAであることを論証する。
【0107】
図33は、熱アニール処理中の相互コンダクタンス回復の実験結果を示す相互コンダクタンス対アニール処理パルス幅のプロットである。上述した閾値電圧シフト及びサブスレッショルドスロープ回復の実験結果に対応して、プログラム/消去サイクル後のデバイスは、高速な相互コンダクタンス(g)回復を示す。いかなるプログラム/消去サイクル前も、試験対象のメモリデバイスは、およそ0.11μA/Vと0.14μA/Vとの間のgを示す。10000プログラム/消去サイクルの後、いかなるアニール処理もない場合、試験対象のメモリデバイスは、およそ0.4μA/Vと0.9μA/Vとの間のgを示す。およそミリ秒以内での1.2mA、1.6mA及び2mAのアニール処理電流により、試験対象のメモリセルは、それぞれおよそ0.85μA/V、0.8μA/V及び1.1μA/Vのgを示す。したがって、実験は、ワード線ヒーターによって提供されるパルスアニール処理が高速相互コンダクタンス回復時間を提供することができることを論証する。
【0108】
本技術によってもたらされた耐久性の向上を試験するために、1000万サイクルのプログラム/消去サイクル耐久性試験を行った。試験は、最大10000000プログラム/消去サイクルに対して10000プログラム/消去サイクル終了毎に熱アニール処理を施す。プログラム/消去サイクルを、ダムモード(dumb-mode)で、10μ秒の間の+19Vでのワンショットプログラム(one-shot program)動作と、10ミリ秒の間の−13Vでのワンショット消去動作とにより行った。ゲートの前後の電圧降下による2mAゲート電流の流れにおける100ミリ秒の熱アニール処理パルスを、10000プログラム/消去サイクル終了毎に印加する。耐久性試験の結果を以下に説明する。
【0109】
図34は、熱アニール処理の実験結果を示す閾値電圧対プログラム/消去サイクルカウントのプロット図である。耐久性試験の結果は、各10000プログラム/消去サイクル後のプログラムされた状態の閾値電圧が、デバイスの劣化により約1V上昇することを示す。熱アニール処理パルスが印加された後、プログラム状態での閾値電圧は、アニール処理及び電荷損失のために低下する。
【0110】
図35は、熱アニール処理の実験結果を示すサブスレッショルドスロープ対プログラム/消去サイクルカウントのプロットである。耐久性試験の結果は、熱アニール処理の後、サブスレッショルドスロープが200mV/decade未満まで完全に回復することを示す。
【0111】
図36は、熱アニールを施す一方でのプログラム/消去サイクル中のIV曲線の実験結果を示すドレイン電流対制御ゲート電圧プロット図である。耐久性試験の結果は、プログラム状態及び消去状態に対する対応するIV曲線(ドレイン電流対制御ゲート)が、10000プログラム/消去サイクル毎に熱アニール処理が施された場合に1000万プログラム/消去サイクル後にいかなる劣化も示さないことを示す。
【0112】
図37は、熱アニールを施す実験結果を示す閾値電圧対保持時間のプロットである。実験を、いかなるプログラム/消去サイクルも行われていない新規のメモリデバイスと、1000万サイクルを超えたメモリデバイスとに対し、室温及び150℃での保持時間に対して行う。1000万プログラム/消去サイクルを超えたメモリデバイスに対し、2mA/10秒の熱アニール処理パルスを印加した。1000万サイクルを超えるメモリデバイスは、室温及び150℃で新しいメモリデバイスに匹敵する保持時間を示し、およそ0.2Vの閾値電圧ドリフトもまた新しいメモリデバイスに匹敵する。
【0113】
図38〜図45は、ローカルワード線、グローバルワード線構成、及び本明細書で説明されるような熱アニール技術を可能にする他の構造を適用することができる、様々なタイプのフラッシュメモリセルを示す。
【0114】
図38は、熱アニール操作に対して配置されたフローティングゲートメモリセルの断面図である。メモリセルは、基板3810を含む。基板3810には、ソース領域3820及びドレイン領域3830が形成されている。基板3810、ソース領域3820及びドレイン領域3830の上に、トンネル酸化物層3860が形成されている。トンネル酸化物層3860の上にフローティングゲート3870がある。フローティングゲート3870の上にインターポリ(interpoly)酸化物層がある。インターポリ酸化物層3880の上部に制御ゲート3890が形成されている。
【0115】
熱アニール操作に対し、制御ゲート3890をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0116】
図39は、熱アニール操作に対して配置されたナノクリスタルメモリセルの断面図である。メモリセルは基板3910を有している。基板3910にソース領域3920及びドレイン領域3930が形成されている。基板3910、ソース領域3920及びドレイン領域3930の上に、ゲート酸化物層3980が形成されている。ゲート酸化物層3980内にナノクリスタル粒子3970が埋め込まれている。ゲート酸化物層3980の上部に制御ゲート3990が形成されている。
【0117】
熱アニール操作に対し、制御ゲート3990をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0118】
図40は、熱アニール操作に対して配置されたTANOS(TaN/Al/SiN/SiO/Si)メモリセルの断面図である。メモリセルは基板4010を有している。基板4010にソース領域4020及びドレイン領域4030が形成されている。基板4010、ソース領域4020及びドレイン領域4030の上に、SiOを含むトンネル誘電体層4060が形成されている。トンネル誘電体層4060の上に、SiNを含むトラッピング層4070が形成されている。トラッピング層4070の上に、Alを含むブロック酸化物層4080が形成されている。ブロック酸化物層4080の上部に制御ゲート4090が形成されている。
【0119】
熱アニール操作に対し、制御ゲート4090をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0120】
図41は、熱アニール操作に対して配置されたMA−BESONOSメモリセルの断面図である。メモリセルは基板4110を有している。基板4110にソース領域4120及びドレイン領域4130が形成されている。基板4110、ソース領域4120及びドレイン領域4130の上に、ONO(酸化物−窒化物−酸化物)トンネル構造を含むバンドギャップ加工トンネル障壁4150が形成されている。バンドギャップ加工トンネル障壁4150の上に、SiN(窒化シリコン)を含む電荷トラッピング誘電体層4160が形成されている。電荷トラッピング誘電体層4160の上に、上部酸化物層4170が形成されている。上部酸化物層4170の上に高誘電率キャップ層4180が形成されている。高誘電率キャップ層4180の上部に制御ゲート4190が形成されている。制御ゲート4190は、金属ゲートであってもポリシリコンゲートであってもよい。
【0121】
熱アニール操作に対し、制御ゲート4190をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0122】
図42は、熱アニール操作に対して配置されたFinFETメモリセルの断面図である。メモリセルは、基板(図示せず)から突出している基板フィンの上に形成されたソース領域4220及びドレイン領域4230を有している。ソース領域4220及びドレイン領域4230は幅4225を有している。基板フィンの上に、ONO(酸化物−窒化物−酸化物)スタック4250が形成されている。ONOスタック4250は、基板フィンの上の底部酸化物層、底部酸化物の上の電荷トラッピング層(SiN)及び電荷トラッピング層の上の上部酸化物層を有している。ONOスタック4250の最上部にわたって制御ゲート4290が形成されている。制御ゲート4290は長さ4295を有している。
【0123】
熱アニール操作に対し、制御ゲート4290をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0124】
図43は、熱アニール操作に対して配置されたスプリットゲートメモリセルの断面図である。メモリセルは基板4310を有している。基板4310にソース領域4320及びドレイン領域4330が形成されている。基板4310の上に、トンネル酸化物層4395が形成されている。トンネル酸化物層4395の上に、ゲート4390が形成されている。トンネル酸化物4395の上に、フローティングゲート4370も、形成されている。
【0125】
熱アニール操作に対し、ゲート4390をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0126】
図44は、熱アニール操作に対して配置された別のスプリットゲートメモリセルの断面図である。メモリセルは基板4410を有している。基板4410にソース領域4420及びドレイン領域4430が形成されている。基板4410の上に第1のトンネル酸化物層4495が形成されている。第1のトンネル酸化物層4495の上にアクセスゲート4490が形成されている。基板4410の上に第2のトンネル酸化物層4475が形成されている。第2のトンネル酸化物層4475の上にフローティングゲート4470が形成されている。フローティングゲート4470の上に誘電体層4485が形成されている。誘電体層4485の上に制御ゲート4480が形成されている。アクセスゲート4490を制御ゲート4480及びフローティングゲート4470から分離するように、分離ギャップ4460が構造化されている。
【0127】
アクセスゲート4490は幅4493を有している。制御ゲート4480は幅4483を有している。分離ギャップ4460は幅4463を有している。第1のトンネル酸化物層4495は厚さ4493を有している。第2のトンネル酸化物層4475は厚さ4473を有している。ソース領域4420及びドレイン領域4430は厚さ4425を有している。
【0128】
熱アニール操作に対し、アクセスゲート4490及び/又は制御ゲート4480をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することもできる。
【0129】
図45は、熱アニール操作に対して配置されたSONOS(シリコン−酸化物−窒化物−酸化物−シリコン)メモリセルの断面図である。メモリセルは基板4510含んでいる。基板4510にソース領域4520及びドレイン領域4530が形成されている。基板4510、ソース領域4520及びドレイン領域4530の上に、底部酸化物層4560が形成されている。底部酸化物層4560の上に、電荷トラッピング層4570がある。該電荷トラッピング層4570は、Si等の窒化シリコン材料を含むことができる。ビット線4550は、電荷トラッピング層4570によって包囲されている。電荷トラッピング層4570の上に上部酸化物層4580がある。上部酸化物層4580の上部にゲート4590が形成されている。
【0130】
熱アニール操作に対し、制御ゲート4590をローカルワード線に結合することができ、該ローカルワード線は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線に結合されている。動作時、第1のグローバルワード線及び第2のグローバルワード線をともに、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して復号して、熱アニール用に電流の流れを誘導するようにローカルワード線にバイアス電圧を提供することができる。他の実施態様では、熱アニールを誘導するために、例えば図54〜図58に関して後述するような方法で実施されるダイオードストラッピングを使用することができる。また、幾つかの実施態様では、熱アニールを誘導するためにチャネル電流を利用することができる。
【0131】
図46は、第1のグローバルワード線対4660L、4660R、第2のグローバルワード線対4661L、4661R、ローカルワード線4632及びローカルワード線4634を含むセグメント化ワード線NORメモリアレイの一部の簡略化した図である。この例では、ローカルワード線4632に沿ったセル4682、4684、4686を含むフラッシュメモリセルと、NOR構成で配置された、ローカルワード線4634に沿った対応するセルとのアレイがある。この図では、各ローカルワード線セグメントに3つのセルしかない。しかしながら、上述したように、各ワード線セグメントを、熱アニール処理プロセスの必要に従って確定されるセグメントの長さにわたって多数のセルに結合することができる。共通ソース線4690が、セルのソース端子と、アレイの特定の実施態様に対して指定されたように実行するソース線終端回路(図示せず)とに結合されている。ビット線BLn−1、BLn及びBLn+1は、アレイの列のセルのドレイン側と、特定のアレイ用のアクセス回路部設計とに結合されている。
【0132】
ローカルワード線4632は、左側のコンタクト4664Lと右側のコンタクト4664Rとを有している。ローカルワード線4634の上に同様の終端点が形成されている。左側のトランジスタ4662L及び右側のトランジスタ4662Rから構成されているスイッチが、対応する左側のコンタクト4664L及び右側のコンタクト4664Rに結合されるとともに、対応するグローバルワード線4660L及び4660Rに結合されている。左側の制御線4670L及び右側の制御線4670Rは、上述したようにローカルワード線への電流の印加を制御するアレイのセクターのトランジスタ4662L及び4662Rのゲートに結合されている。別の実施態様では、コンタクト4664L及び4664Rは、例えば図54〜図58に関連して後述するような方法で、ダイオードを介して第1の導体及び第2の導体に結合されており、それにより電流がローカルワード線4634に誘導される。
【0133】
図47は、第1のグローバルワード線対4760L、4760R、第2のグローバルワード線対(ラベル付せず)、ローカルワード線4732及びローカルワード線4734を含むセグメント化ワード線仮想接地メモリアレイの一部の簡略化した図である。この例では、ローカルワード線4732に沿ったセル4782、4784、4786、4788を含むフラッシュメモリセルと、仮想接地構成で配置された、ローカルワード線4734に沿った対応するセルとのアレイがある。この図では、各ローカルワード線セグメントに4つのセルしかない。しかしながら、上述したように、各ワード線セグメントを、熱アニール処理プロセスの必要に従って確定されるセグメントの長さにわたって多数のセルに結合することができる。ビット線BLn−2、BLn−1、BLn、BLn+1及びBLn+2は、アレイの列のセルの反対側と、特定のアレイ用のアクセス回路部設計とに結合されている。
【0134】
ローカルワード線セグメント4732は、左側のコンタクト4764Lと右側のコンタクト4764Rとを有している。ローカルワード線4734の上に同様の終端点が形成されている。左側のトランジスタ4762L及び右側のトランジスタ4762Rから構成されているスイッチが、対応する左側のコンタクト4764L及び右側のコンタクト4764Rに結合されるとともに、対応するグローバルワード線4760L及び4760Rに結合されている。左側の制御線4770L及び右側の制御線4770Rは、上述したようにローカルワード線への電流の印加を制御するアレイのセクターのトランジスタ4762L及び4762Rのゲートに結合されている。別の実施態様では、コンタクト4764L及び4764Rは、例えば図54〜図58に関連して後述するような方法で、ダイオードを介して第1の導体及び第2の導体に結合されており、それにより電流がローカルワード線4734に誘導される。
【0135】
図48は、第1のグローバルワード線対4860L、4860R、第2のグローバルワード線対(ラベル付せず)、ローカルワード線4832及びローカルワード線4834を含むセグメント化ワード線ANDメモリアレイの一部の簡略化した図である。この例では、ローカルワード線セグメント4832に沿ったセル4882、4884、4886を含むフラッシュメモリセルと、AND構成で配置された、ローカルワード線セグメント4834に沿った対応するセルとのアレイがある。この図では、各ローカルワード線セグメントに3つのセルしかない。しかしながら、上述したように、各ワード線セグメントを、熱アニール処理プロセスの必要に従って確定されるセグメントの長さにわたって多数のセルに結合することができる。ビット線BL0、BL1、...BLn及びソース線SL0、SL1、...SLnは、アレイの列のセルの反対側と、特定のアレイ用のアクセス回路部設計とに結合されている。
【0136】
ワード線セグメント4832は、左側のコンタクト4864Lと右側のコンタクト4864Rとを有している。ワード線セグメント4834の上に同様の終端点が形成されている。左側のトランジスタ4862L及び右側のトランジスタ4862Rから構成されているスイッチが、対応する左側のコンタクト4864L及び右側のコンタクト4864Rに結合されるとともに、対応するグローバルワード線対4860L及び4860Rに結合されている。左側の制御線4870L及び右側の制御線4870Rは、上述したようにローカルワード線への電流の印加を制御するアレイのセクターのトランジスタ4862L及び4862Rのゲートに結合されている。別の実施態様では、コンタクト4864L及び4864Rは、例えば図54〜図58に関連して後述するように、ダイオードを介して第1の導体及び第2の導体に結合されており、それにより電流がワード線セグメント4834に誘導される。
【0137】
図49は、メモリセルの熱アニール用に配置された、垂直ゲートを使用するセグメント化ワード線3次元メモリアレイの一部の簡略化した図である。図49に示すアレイの実施態様を、2011年9月26日に出願された、「Architecture for a 3D memory Array」と題された特許文献5に記載されているように作製することができる。なお、本明細書に完全に示されているかのように、特許文献5は参照により援用される。3次元アレイは、メモリセル4981を含むレベルと、メモリセル4982、4984、4986を含むレベルとを含む、メモリセルの複数のレベルを含む。各レベルは、メモリセル4982、4994、4986を含むレベルのビット線4967等、各レベルの対応するビット線に結合されている複数のNANDストリングを含む。メモリセルレベルのスタックの上に重なっているのは、ワード線セグメント4968を含む複数のワード線セグメントである。それらのセグメントは、様々なレベルのメモリセルのゲートに結合する、拡張部4965及び4966を含む垂直拡張部を含む。したがって、ワード線セグメント4969の拡張部4965は、それぞれ第1のレベル及び第2のレベルのメモリセル4981及び4986の制御ゲートに結合されている。
【0138】
ワード線セグメント4969は、左側のコンタクト4964Lと右側のコンタクト4964Rとを有している。他のローカルワード線の上に同様の終端点が形成されている。左側のトランジスタ4962L及び右側のトランジスタ4962Rから構成されているスイッチが、対応する左側のコンタクト4864L及び右側のコンタクト4864Rに結合されるとともに、対応するグローバルワード線4960L及び4960Rに結合されている。左側の制御線4970L及び右側の制御線4970Rは、上述したようにローカルワード線への電流の印加を制御するアレイのセクターのトランジスタ4962L及び4962Rのゲートに結合されている。別の実施態様では、コンタクト4964L及び4964Rは、例えば図54〜図58に関連して後述するように、ダイオードを介して第1の導体及び第2の導体に結合されており、それにより電流がワード線セグメント4969に誘導される。この実施態様ではワード線への電流と組み合わせてビット線に電流を印加し、対応するメモリセルのレベルに基づいてビット線に印加される電流の量を調整することが望ましい場合がある。
【0139】
図50は、熱アニール処理用に配置された垂直NANDストリング3次元アレイを示す。図50に示す実施態様では、複数の垂直NANDストリングがあり、この垂直NANDストリングは、ストリング選択線SSLに結合された複数の他のNANDストリング用のストリング選択トランジスタとともに、ストリング選択トランジスタ5080を有するストリングを含む。メモリセルは、ストリング選択トランジスタ(例えば5080)と、ストリング選択トランジスタ5080と同じNANDストリングに結合された共通ソーストランジスタ5081等の共通ソース選択トランジスタとの間に、直列に配置されている。共通ソース線5050が、複数の垂直NANDストリングを終端させている。ダイオード5090等のダイオードを用いて、共通ソース線5050を基板から分離することができる。ビット線5010を含む複数のビット線が、アレイの最上部の上に構成されており、ストリング選択トランジスタ及び共通ソース選択トランジスタを用いて対応する垂直NANDストリングに結合されている。アレイの対応するレベルに、ストリング選択トランジスタ層の真下のワード線構造5048を含む複数のワード線構造が構成されている。
【0140】
ワード線構造5048は、ワード線構造の3つの足(prongs)を合わせて結合する、左側のコンタクト5064Lと、右側のコンタクト5064Rと、を有している。他のレベルの他のワード線構造にも、同様の終端点が形成されている。ワード線構造5048を含むレベルで、左側のトランジスタ5062L及び右側のトランジスタ5062Rからなるスイッチが、対応する左側のコンタクト5064L及び右側のコンタクト5064Rに結合されるとともに、対応するグローバルワード線5060L及び5060Rに結合されている。左側の制御線5070L及び右側の制御線5070Rは、上述したようにローカルワード線への電流の印加を制御するアレイのセクターのトランジスタ5062L及び5062Rのゲートに結合されている。別の実施態様では、コンタクト5064L及び5064Rが、例えば図54〜図58に関連して後述するように、ダイオードを介して第1の導体及び第2の導体に結合されており、それにより、ワード線に電流が誘導される。この実施態様ではワード線に対する電流と組み合わせてビット線に電流を印加し、対応するメモリセルのレベルに基づいてビット線に印加される電流の量を調整することが望ましい場合がある。
【0141】
図51は、非特許文献5に記載されているものに基づき、本明細書に記載されているように熱アニールを施すように変更された、セグメント化ワード線3次元垂直積層アレイトランジスタ(VSAT)メモリアレイの一部の簡略化した図である。なお、本明細書に完全に示されているかのように、非特許文献5は参照により援用される。図51の構造を、ゲートが多層Siメサの上に堆積し、同時にPIPE構造を形成する「ゲートが最初でチャネルが最後のプロセス(gate-first and channel-last process)」を用いて実装することができる。非特許文献5には以下のように述べられている。
【0142】
「ドライエッチングプロセスによってSiメサを作製した後、最上部にドープポリシリコン膜及び窒化物膜の複数の層を堆積させる。ドープポリシリコン膜及び窒化物膜を、それぞれゲート間のゲート電極及び分離材料として使用する。複数の層をパターニングし、後続するドライエッチングプロセスの後、活性化領域が画定される。CMPプロセスの後、同じ平面に全てのゲート電極を露出させ、それによりゲート電極への容易なアクセスを可能にする。トンネル酸化物、電荷トラッピング窒化物及び制御酸化物膜を順に活性化領域の上に堆積させ、それに続いて、チャネル材料のポリシリコン堆積プロセスを行う。最後に、垂直ストリングを分離するために、エッチングプロセスを行う。」
【0143】
熱アニールバイアスを追加して、例えばこの構造のチャネル層に対するコンタクトを作成することができる。代替的に、アニール電流を提供するために、ワード線をセグメント化するか又はダイオードストラッピングすることができる。
【0144】
図52は、本明細書に完全に示されているかのように参照により本明細書に援用される、非特許文献6に記載されているものに基づいて、本明細書に記載するように熱アニールを施すように変更された、セグメント化ワード線3次元P−BiCSメモリアレイの一部の簡略化した図である。なお、本明細書に完全に示されているかのように、非特許文献6は参照により援用される。図52に、P−BiCSフラッシュメモリの基本構造を示す。非特許文献6には以下のように述べられている。
【0145】
「ボトム電極によってゲート制御されるいわゆるパイプ接続(PC)によって、底部において2つの隣接するNANDストリングが接続されている。U字型パイプ用の端子のうちの一方は、ビット線(BL)に接続され、他方は、ソース線(SL)によって境界が画されている。SLは、第3のレベルの金属のメッシュ配線から構成され、従来の平面技術のように第1のレベルの金属及び第2のレベルの金属によってアクセスされ、したがってSLの抵抗は十分に低い。SL及びBLの下方に、SGトランジスタの両方が配置される。制御ゲート(CG)は、スリットによって分離され、くしパターンの対として互いに面している。メモリ膜は、ブロック膜、電荷トラップ膜及びトンネル膜としての酸化物系膜から構成されている。酸化物系トンネル膜の実装は、トンネル膜の本体シリコンへの堆積からの後続する処理が、適用可能である…」
【0146】
このようにして、熱アニールバイアス処理を追加して、この構造の例えばチャネル層に対するコンタクトを作成することができる。代替的に、アニール電流を提供するためにワード線をセグメント化するか又はダイオードストラッピングすることができる。
【0147】
図53は、非特許文献7に記載されているものに基づき、本明細書に記載するように熱アニールを施すように変更された、代替的なセグメント化ワード線3次元メモリセルの一部の簡略化された図である。なお、本明細書に完全に示されているかのように、非特許文献7は参照により援用される。VG−NANDフラッシュは、パターンを有する水平アクティブストリングとともに、ワード線WL、ビット線BL、共通ソース線CSLを含む。SSL、WL、GSL用の垂直ゲートVGが使用される。電荷トラッピング層が、アクティブボディと垂直ゲートとの間に配置されている。垂直プラグが、ソース及びアクティブボディ(Vbb)にDCを印加する。WL及びBLは、セルアレイを作製する前に製造の開始時に形成される。ソース及びアクティブボディは(Vbb)、ボディ消去動作を可能にするようにCLSに電気的に結合されている。消去中、CSLには正のバイアスが印加される。各層を、SSLの変更を除き、平面NANDフラッシュと同一とすることができる。熱アニールバイアスを、ビット線又はワード線を用いて例えばNANDストリングに印加することができる。
【0148】
図54は、ダイオードストラッピングを含む2つの「ヒートプレート(heat plate)」導体として作用する第1の導体5430と第2の導体5410との間のワード線5420の簡略化した図である。ワード線5420を、本明細書に記載するアニールプロセスに使用される温度に適している、タングステンのような耐火物又は「高温」材料に基づいて、(本明細書に記載する技術のこの実施態様及び他の実施態様において)金属構造を使用して実装することができる。ダイオードストラッピングは、ワード線5420に結合されたアノードと第1の導体5410に結合されたカソードとを有する第1の複数のダイオード5452、5454、5456を使用し、ワード線5420に結合されたカソードと第2の導体5430に結合されたアノードとを有する第2の複数のダイオード5442、5444を使用して実装される。幾つかの実施態様では、ダイオードを、P+/N−ダイオード及びN+/P−ダイオードを用いて実装することができる。代替的に、ダイオードを、金属/半導体界面を有するショットキーダイオードを用いて実装することができる。ダイオードがワード線と接触する位置の間の距離を、適切な加熱効率を確立するように、メモリアレイの実施態様に従って選択することができる。例えば、P+/N−ダイオード及びN+/P−ダイオードの位置の間の約150ミクロンの距離は、物理的にセグメント化されたワード線の実施態様に関連して上述したように計算した理由により適切である可能性がある。実際の間隔を、バイアス電圧を提供するために使用される構造の抵抗、ワード線の抵抗、及び本技術が適用される特定のメモリ構造に効率的なジュール加熱に基づいて設計することができる。
【0149】
この配置では、ダイオードストラッピングは、第2の導体5430からワード線5420のセグメントを通って第1の導体5410までの電流の流れをサポートするが、その逆の電流の流れはブロックする。第1の複数のダイオードは、ワード線に沿った第1の複数の離隔位置においてワード線に結合されており、第2の複数のダイオードは、第1の複数の位置の位置が介在している、ワード線に沿った第2の複数の離隔位置においてワード線に結合されている。したがって、第2の導体5430が、第1の導体5410の電圧を十分に上回る電圧でバイアスされると、電流が、第2の複数のダイオードを介してワード線5420に沿った離隔位置まで流れ、電流は、図の矢印5421、5422、5423及び5424によって示すように、これらの位置から第1の複数のダイオードに対するコンタクト位置まで流れる。この実施態様は、ワード線を電気的にセグメント化することにより、物理的なセグメント化を必要とすることなく、熱アニール用の電流を誘導するバイアス電圧を印加することができる。また、ダイオード用のレイアウト面積を、本明細書に示す他の実施態様において説明するスイッチトランジスタを実装するために必要な面積より大幅に小さくすることができる。
【0150】
第1の導体5410及び第2の導体5430を、種々の構成を用いて実装することができ、それには、第1の導体及び第2の導体の各々が、各ワード線のピッチに類似するピッチを有する構成と、第1の導体及び第2の導体が、個々のワード線より実質的に幅が広くその各々が複数のワード線に結合する板である構成とが含まれる。
【0151】
図55は、ダイオードストラッピングを含む2つの「ヒートプレート」導体の間の複数のローカルワード線の簡略化した図である。この例では、第1の導体5510及び第2の導体5530が、ダイオードストラッピングを用いて第1のワード線5522及び第2のワード線5524をバイアスするために使用される。特定のワード線5524用のダイオードストラッピング回路は、第1の導体5510に結合されたカソードを有しかつワード線5524に結合されたアノードを有する、第1の複数のダイオード5556及び5555と、ワード線5524に結合されたアノード及び第2の導体5530に結合されたカソードを有する第2の複数のダイオード5546及び5548とを有している。特定のワード線5522用のダイオードストラッピング回路は、ワード線5522に結合されたアノード及び第1の導体5510に結合されたカソードを有する第1の複数のダイオード5552及び5554と、第2の導体5530に結合されたアノード及びワード線5522に結合されたカソードを有する第2の複数のダイオード5542及び5544とを有している。したがって、図55は、1つの対の導体である第1の導体及び第2の導体が、少なくとも2つのワード線用のダイオードストラッピング回路で利用される実施態様を示す。
【0152】
図56は、2つの「ヒートプレート」導体を含むワード線をダイオードストラッピングする構造の一例の3次元図である。この構造は、メモリセルのアレイが形成される基板5610を含む。基板は、特定の実施態様に対する必要に適合するように半導体又は絶縁体を備えることができる。メモリセルは、基板5610の上の絶縁層5630内においてページの内外に延在する半導体本体5620を有することができ、そこに、メモリセルチャネルが形成される。上述した構造のうちの1つを有する多層電荷トラッピング構造5640が、半導体本体5620の上に重なっている。好ましくは、金属、又は管理可能なバイアスレベルで電流を提供するために用いることができる他の導電材料を用いて実装されるワード線5650が、電荷トラッピング構造5640の上に重なっている。メモリアレイの上に重なるパターニングされた金属層では、第1の導体5670及び第2の導体5690が実装され、ダイオードストラッピングを用いてワード線のセグメントに電流を供給する「ヒートプレート」導体として作用する。
【0153】
図示するように、ワード線の第1のコンタクト位置では、好ましくは(P+)ドーピング濃度が比較的高くかつワード線と接触している、P型半導体素子5688を含むP−Nダイオードが形成されている。素子5688は、ダイオードのアノードとして作用する。好ましくは(N−)ドーピング濃度が比較的低いN型半導体素子5686が、P型半導体素子5688の上に形成されてダイオードを形成する。素子5686は、ダイオードのカソードとして作用する。クロスバー導体5684が半導体素子5686と接触し、これにより、上に重なる層の導体5690へのダイオードの接続が容易になる。この実施態様では、絶縁層(図示せず)内に延在するプラグ5682が、クロスバー導体5684と「ヒートプレート」導体5690との間のコンタクトを形成する。
【0154】
同様に、ワード線の第2のコンタクト位置において、好ましくは(N+)ドーピング濃度が比較的高くかつワード線に接触しているN型半導体素子5668を含む、N−Pダイオードが形成されている。素子5668は、ダイオードのカソードとして作用する。好ましくは(P−)ドーピング濃度が比較的低いP型半導体素子5666が、N型半導体素子5668の上に形成されて、ダイオードを形成する。素子5666は、ダイオードのアノードとして作用する。クロスバー導体5664が半導体素子5666と接触し、それにより、上に重なる層の導体5670とのダイオードの接続が容易になる。この実施態様では、絶縁層(図示せず)内に延在するプラグ5662が、該プラグ5662と「ヒートプレート」導体5670との間にコンタクトを作成することができる。
【0155】
図示するように、ダイオードストラッピング回路のダイオードを、メモリアレイの構造に従って選択することができる種々の回路構成で、ワード線並びに第1の導体及び第2の導体に結合することができる。また、複数のワード線をバイアスするために、「ヒートプレート」導体の各々を使用することができる。
【0156】
図57は、第1の導体5770及び第2の導体5790を含む、単一の対の「ヒートプレート」導体を共有する、ダイオードストラッピングを有する複数のワード線のレイアウト図である。このレイアウト図では、構造を、下方の層から上方の層に向かって説明する。下方に図示する層には、例えば、基板(図示せず)の上にfinFET型NANDストリング構造のフィンを備えることができる半導体本体(図示せず)に、複数の半導体ストリップ5721、5722、5723、5724…がある。次の層では、ストリップ5721、5722、5723、5724を横切って、複数のワード線5751、5752、5753、5754が直交して延在している。ワード線5751、5752、5753、5754の上の層では、第1の複数のP−Nダイオード(例えばダイオード5786)及び第2の複数のN−Pダイオード(例えばダイオード5766)が、ワード線に沿って離隔した位置で結合されている。第1の複数のダイオード及び第2の複数のダイオードの上の層では、クロスバー導体5784及び5764が実装されている(クロスバー導体の上の切取図が下にあるダイオードの位置を示す)。最後に、クロスバー導体5784及び5764の上に重なって、第1の「ヒートプレート」導体5790及び第2の「ヒートプレート」導体5770が実装されている。「ヒートプレート」導体の幅は、それらが結合されている複数のワード線のピッチによってのみ制限され、図示するものより実質的に大きくすることができる。
【0157】
フラッシュメモリアレイ及び他のタイプのメモリアレイは、プログラミング動作及び消去動作に対して、メモリセルにわたって比較的高い正の電圧及び負の電圧を印加することを必要とする場合がある。これにより、ダイオードストラッピングを介して同じ対の「ヒートプレート」導体に結合することができるワード線を含む、隣接するワード線に対して、実質的に異なるバイアス電圧が印加される可能性がある状況がもたらされる。したがって、「ヒートプレート」導体のバイアス処理を、通常動作中に電流のブロックを容易にするように制御することができる。一実施態様では、「ヒートプレート」導体は、フローティング状態又は未接続状態のままであり、それにより、導体の長さに沿って電流の流れは流れることができない。別の実施態様では、「ヒートプレート」導体を、動作中にダイオードストラッピングダイオードを逆バイアスする電圧レベルにバイアスすることができる。
【0158】
図58は、ダイオードストラッピングを有する、2つの「ヒートプレート」導体間の複数のローカルワード線の簡略化された図であり、アレイの通常動作中のスニークパスの除去を示す。図58では、図55に記載した構造を、同じ参照数字を用いて再現している。さらに、ワード線5522とワード線5524との間の、第1の導体5510を介する電流路5800及び5801を、参照のために図示する。また、ワード線5522とワード線5524との間の、第2の導体5530を介する電流路5802及び5803を、参照のために図示する。フラッシュメモリデバイスのプログラミング中に発生する可能性のある一例のバイアス構成では、プログラミングのためにワード線5524に約+20ボルトを印加することができ、選択されていないワード線5522に対して、パス電圧レベルとして約+10ボルトを印加することができる。これらの2つのワード線5522及び5524は、ダイオードストラッピングを介して同じ対の導体5510及び5530に結合されている。しかしながら、電流路5800及び5801は、それぞれ、対向するダイオード5552及び5556によって、かつ対向するダイオード5554及び5555によってブロックされる。このブロック効果を達成するために、第1の導体5510に、+20ボルトを超える電圧を印加するか、又は第1の導体5510を代替的にフローティングしたままにすることができる。また、電流路5802及び5803は、対向するダイオード5542及び5546により、かつ対向するダイオード5544及び5548によりブロックされる。このブロック効果を達成するために、第2の導体5530に+10ボルト未満の電圧を印加するか、又は代替的に第2の導体5530をフローティングしたままにすることができる。
【0159】
したがって、アレイの通常動作中、フラッシュメモリの読出し、プログラミング又は消去のために、ヒートプレート導体を、ヒートプレートドライバーを選択しないことによりフローティングとするか、又はダイオードの逆バイアスを確保するようにバイアスすることができる。好ましくは、フローティングヒートプレートを利用するべきである。容量結合により、フローティングヒートプレート導体が、ブロック作用を妨げない電圧レベルまでブーストする。ワード線とヒートプレート導体との間の容量結合は小さいものであるべきであり、それは、離隔位置でのダイオード静電容量が比較的小さものであるべきであるためである。したがって、ワード線RC遅延特性に対して、ダイオードストラッピング技法を用いることで著しい影響を与えるべきではない。
【0160】
図59は、本明細書に記載するようにフラッシュメモリ用の熱アニールを採用する集積回路の簡略化したブロック図である。集積回路470は、集積回路基板上のフラッシュメモリセルを用いて実装されるメモリアレイ472を含み、そこでは、ワード線は、例えば図54〜図58を参照して説明したもののような技法を用いてダイオードストラッピングされる。接地選択及びストリング選択デコーダー474(適切なドライバーを含む)が、メモリアレイ472の行に沿って配置されているストリング選択線及び接地選択線に結合されかつ電気的に連通している。また、デコーダー474は、ワード線476に結合されたワード線ドライバーを含む。ビット線(列)デコーダー及びドライバー478が、メモリアレイ472のメモリセルからデータを読み出しかつそこにデータを書き込むために、メモリアレイ472の列に沿って配置されている複数のビット線480に結合されかつ電気的に連通している。アドレスが、バス482により、ワード線デコーダー及びストリング選択デコーダー474並びにビット線デコーダー478に供給される。
【0161】
例では、ワード線の電流の流れを用いて、誘電体電荷トラッピング構造を熱アニールする熱が誘導され、ヒータープレートドライバー499が含まれている。ワード線終端デコーダー450は、上述したように、デバイスの動作モード中に指示し若しくは生成されるアドレス及び制御信号に応答して、ワード線を終端回路に選択的に接続するか、又は選択されたワード線に結合された終端回路を使用可能にすることができる。
【0162】
読出しモード、プログラムモード及び消去モード用の電流源を含む、ブロック484のセンスアンプ及びデータイン構造が、データバス486を介してビット線デコーダー478に結合されている。データは、データイン線488を介して、集積回路470の入出力ポートから、又は集積回路470の内部若しくは外部の他のデータ源から、ブロック484のデータイン構造に供給される。データは、データアウト線492を介して、ブロック484のセンスアンプから、集積回路470の入出力ポートに、又は集積回路470の内部若しくは外部の他のデータ宛先に供給される。
【0163】
この例ではバイアス配置状態機械を用いて実装されるコントローラー494が、ワード線及びビット線に対する読出し、プログラム、消去、消去検証、プログラム検証の電圧又は電流等、バイアス配置供給電圧源及び電流源496の印加を制御し、アクセス制御プロセスを用いてワード線/ソース線動作を制御する。コントローラー494は、熱アニール操作を行うためにバイアス状態をローカルワード線に印加するようにグローバルワード線対の使用を制御することを含む、熱アニール処理を可能にするために使用されるロジックを含む。
【0164】
コントローラー494を、本技術分野において既知である専用論理回路部を用いて実装することができる。代替実施態様では、コントローラー494は、デバイスの動作を制御するようにコンピュータプログラムを実行する、同じ集積回路に実装することができる汎用プロセッサを含む。更に他の実施態様では、コントローラー494の実装のために、専用論理回路部及び汎用プロセッサの組合せを利用することができる。
【0165】
図示する実施態様では、集積回路470に、汎用プロセッサ若しくは特定用途向け回路、又はメモリセルアレイによって支持されるシステム−オン−チップ機能を提供するモジュールの組合せ等の、他の回路490が含まれる。
【0166】
また、幾つかの実施態様では、コントローラーは、プログラム/消去サイクルカウンターと、熱アニールプロセスの構成で適用されるパラメーターを設定するレジスタとを含む。コントローラーは、図9〜図11及び図28〜図30を参照して本明細書で説明した手続きを、他のプロセス並びに読出し及び書込みのミッション機能動作とともに実行することができる。図59の回路に図11のプロセスを適用する場合、ワード線終端ステップが、ダイオードストラッピング回路を用いてワード線にバイアス電圧を印加するステップに置き換えられる。図59の回路に図28〜図30のプロセスを適用する場合、左側グローバルワード線及び右側グローバルワード線を復号するステップが、アレイの選択されたセクターに対して第1のヒータープレート及び第2のヒータープレートをバイアスするステップに置き換えられる。図59の回路に図30のプロセスを適用する場合、幾つかの実施態様では、ブロック消去中にワード線を終端させるステップを省略することもできる。
【0167】
熱アシストフラッシュメモリについて説明した。本技術は、NANDアーキテクチャを有するフラッシュデバイスとともに、他のアーキテクチャを使用するデバイスでの使用に適している。あり得る耐久性が向上するため、同様にレジスタ構成にフラッシュメモリを使用することができる。例えばワード線の電流の流れによってもたらされる抵抗加熱を用いて、集積回路デバイスで容易に実装できる方法で、熱アニール処理に対し熱を生成することができる。熱アニール操作を施すことにより、耐久性の向上及び/又は消去速度の上昇を達成することができる。
【0168】
本発明を、上述した好ましい実施態様及び例を参照することによって開示しているが、これらの例は、限定する意味ではなく例示するものとして意図されていることが理解されるべきである。当業者には、変更及び組合せが容易に思いつくはずであり、それら変更及び組合せは、本発明の趣旨及び以下の特許請求の範囲内にあることが考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路上のメモリであって、
メモリセルのアレイと、
前記アレイのメモリセルに結合された複数のワード線及び複数のビット線と、
少なくとも1つの対の導体であって、第1の導体及び第2の導体を含む、導体と、
前記複数のワード線の特定のワード線に結合されたダイオードストラッピング回路であって、それにより前記特定のワード線が、第1の離隔位置のセットにおいて前記第1の導体に結合されるとともに、第2の離隔位置のセットにおいて前記第2の導体に結合され、該第2の離隔位置のセット内の位置は前記第1のセットの間に介在する、ダイオードストラッピング回路と、
前記第1の離隔位置のセットにおける前記位置と前記第2の離隔位置のセットにおける前記位置との間の前記特定のワード線に電流の流れを誘導するバイアス電圧を前記少なくとも1つの対の導体に印加する回路部と、
を備える、集積回路上のメモリ。
【請求項2】
前記ダイオードストラッピング回路は、
前記特定のワード線に結合された第1の複数のダイオードであって、該第1の複数のダイオードにおけるダイオードは、前記第1の離隔位置のセットにおいて前記特定のワード線に結合されたそれぞれのアノードと、前記第1の導体に結合されたそれぞれのカソードとを有する、第1の複数のダイオードと、
前記特定のワード線に結合された第2の複数のダイオードであって、該第2の複数のダイオードのダイオードは、前記第2の離隔位置のセットにおいて前記特定のワード線に結合されたそれぞれのカソードと、前記第2の導体に結合されたそれぞれのアノードとを有する、第2の複数のダイオードと、
を備える、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項3】
前記ワード線は金属導体を含む、請求項1に記載のメモリ。
【請求項4】
前記ワード線は、前記集積回路の第1の層に配置され、前記少なくとも1つの対の導体は、前記第1の層の上方又は下方のいずれかの第2の層に配置され、前記ダイオードストラッピング回路は、前記第1の層と前記第2の層との間の複数の垂直ダイオードを含む、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項5】
前記ワード線は、前記集積回路の第1の層に配置され、
前記少なくとも1つの対の導体は、前記第1の層の上の第2の層に配置され、
前記ダイオードストラッピング回路は、
第1の位置において前記複数のワード線におけるワード線のセットを横切って配置される第1のコネクタ、及び第2の位置において前記ワード線のセットを横切って配置される第2のコネクタを有する、前記第1の層と前記第2の層との間のパターニングされたコネクタ層と、
前記ワード線のセットと前記第1のコネクタとの間を接続する第1の層間接続のセットであって、少なくとも1つの層間接続は前記第1のコネクタと前記第1の導体との間を接続する、第1の層間接続のセットと、
前記ワード線のセットと前記第2のコネクタとの間をバイアス内に接続する第2の層間接続のセットであって、少なくとも1つの層間接続は前記第2のコネクタと前記第2の導体との間を接続する、第2の層間接続のセットと、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項6】
ブロック消去の後にかつ該ブロック消去に連携して前記少なくとも1つの対の導体に前記電流の流れを誘導するバイアス電圧を印加するように、前記回路部を制御する制御回路部を含む、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項7】
読出し動作、プログラム動作及び消去動作の間の時間に介在して、前記電流の流れを誘導するバイアス電圧を印加するように、前記少なくとも1つの対の導体にバイアス電圧を印加するように前記回路部を制御する制御回路部を含む、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの対の導体にバイアス電圧を印加するように前記回路を制御する回路部を含み、バイアス電圧のうちの1つは負の電圧である、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項9】
プログラムサイクル及び消去サイクルのカウント、プログラムサイクルのカウント又は消去サイクルのカウントのいずれかを保持し、該カウントが閾値に達すると、前記回路部に対し、前記少なくとも1つの対の導体にバイアス電圧を印加させる、制御回路部を含む、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項10】
前記アレイはNANDアーキテクチャで配置される、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項11】
前記アレイのメモリセルは、絶縁基板上に半導体本体を備える、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項12】
前記アレイのメモリセルは、フローティングゲートフラッシュメモリを備える、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項13】
前記アレイのメモリセルは、トンネル層、電荷トラッピング層及びブロック層を含む誘電体電荷トラッピング構造を有するフラッシュメモリセルを含み、前記トンネル層は、2nm未満の厚さの酸化シリコン又は酸窒化シリコンの第1の層と、3nm未満の厚さの窒化シリコンの第2の層と、4nm未満の厚さの酸化シリコン又は酸窒化シリコンを含む第3の層とを含む、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項14】
前記第1の複数のダイオード及び前記第2の複数のダイオードのうちの少なくとも1つのダイオードはショットキーダイオードである、請求項1に記載の集積回路上のメモリ。
【請求項15】
メモリセルのアレイを動作させる方法であって、
前記アレイの単数又は複数のワード線上の第1の離隔位置のセットに第1のバイアス電圧を印加し、その間、該第1のバイアス電圧とは異なる第2のバイアス電圧を、前記単数又は複数のワード線上の第2の離隔位置のセットに印加することであって、前記第1の離隔位置のセットにおける位置は、前記第2の離隔位置のセットにおける位置の間に介在し、それにより、前記第1の位置のセットにおける位置と前記第2の位置におけるセットの位置との間に、前記単数又は複数のワード線の加熱をもたらす電流の流れが誘導される、印加すること、
を含む、メモリセルのアレイを動作させる方法。
【請求項16】
ブロック消去の後に該ブロック消去と連携して前記第1のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を印加することを含む、請求項15に記載のメモリセルのアレイを動作させる方法。
【請求項17】
読出し動作、プログラム動作及び消去動作の間の時間に介在して、前記第1のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を印加することを含む、請求項15に記載のメモリセルのアレイを動作させる方法。
【請求項18】
プログラムサイクル及び消去サイクルのカウント、プログラムサイクルのカウント又は消去サイクルのカウントを保持し、該カウントが閾値に達すると、前記第1のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を印加することを含む、請求項15に記載のメモリセルのアレイを動作させる方法。
【請求項19】
集積回路の上にメモリを製造する方法であって、
行及び列を含み該行に沿って伸びる複数のワード線を含むメモリセルのアレイを形成することと、
前記複数のワード線における特定のワード線に結合されたダイオードストラッピング回路を形成することであって、それにより、前記特定のワード線が第1の離隔位置のセットにおいて前記第1の導体に結合されるとともに、第2の離隔位置のセットにおいて前記第2の導体に結合され、前記第2の離隔位置のセットにおける位置は、前記第1のセットの間の介在する、ダイオードストラッピング回路を形成することと、
前記ダイオードストラッピング回路に結合され、前記少なくとも1つの対の導体に、前記第1の離隔位置のセットにおける前記位置と前記第2の離隔位置のセットにおける前記位置との間の前記特定のワード線に電流の流れを誘導するバイアス電圧を接続する回路部を形成することと、
を含む、集積回路の上にメモリを製造する方法。
【請求項20】
前記ダイオードストラッピング回路を形成することは、
前記特定のワード線に結合された第1の複数のダイオードを形成することであって、該第1の複数のダイオードにおけるダイオードは、前記第1の離隔位置のセットにおいて前記特定のワード線に結合されたそれぞれのアノードと、前記第1の導体に結合されたそれぞれのカソードとを有する、第1の複数のダイオードを形成することと、
前記特定のワード線に結合された第2の複数のダイオードを形成することであって、該第2の複数のダイオードにおけるダイオードは、前記第2の離隔位置のセットにおいて前記特定のワード線に結合されたそれぞれのカソードと、前記第2の導体に結合されたそれぞれのアノードとを有する、第2の複数のダイオードを形成することと、
を含む、請求項19に記載の集積回路の上にメモリを製造する方法。
【請求項21】
前記集積回路の第1の層に前記ワード線を配置することと、前記第1の層の上方又は下方のいずれかの第2の層に前記導体の少なくとも1つの対を配置することとを含み、前記ダイオードストラッピング回路は、前記第1の層と前記第2の層との間に複数の垂直ダイオードを備える、請求項19に記載の集積回路の上にメモリを製造する方法。
【請求項22】
前記ワード線は、前記集積回路の第1の層に配置され、前記少なくとも1つの対の導体は、前記第1の層の上の第2の層に配置され、
前記ダイオードストラッピング回路を形成することは、
第1の位置において前記複数のワード線におけるワード線のセットを横切って配置される第1のコネクタ、及び第2の位置において前記ワード線のセットを横切って配置される第2のコネクタを有する、前記第1の層と前記第2の層との間のパターニングされたコネクタ層を形成することと、
前記ワード線のセットと前記第1のコネクタとの間を接続する第1の層間接続のセットであって、少なくとも1つの層間接続は前記第1のコネクタと前記第1の導体との間を接続する、第1の層間接続のセットを形成することと、
前記ワード線のセットと前記第2のコネクタとの間をバイアス内に接続する第2の層間接続のセットであって、少なくとも1つの層間接続は前記第2のコネクタと前記第2の導体との間を接続する、第2の層間接続のセットを形成することと、
を含む、
ことを特徴とする、請求項19に記載の集積回路の上にメモリを製造する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2012−238375(P2012−238375A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−104767(P2012−104767)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【出願人】(500454518)マクロニクス インターナショナル カンパニー リミテッド (13)
【Fターム(参考)】