説明

半導体デバイス、半導体基板に分離されたポケットを形成する方法、半導体構成、PNPトランジスタ、横型NチャネルDMOSトランジスタ、横型トレンチDMOSトランジスタ

【課題】モジュール化された、相互作用しないやり方で、単一の半導体ウェハにともに接近して実装され、十分に分離された、最適化されたトランジスタまたは他のデバイスの任意の集合の作製を可能にする。
【解決手段】
一群の半導体デバイスが、エピタキシャル層を含まない基板に形成される。一実施例では、この一群は、5VのCMOSペア、12VのCMOSペア、5VのNPN、5VのPNP、いくつかの形状の横型トレンチMOSFET、および30V横型N−チャネルDMOSを含む。これらのデバイスの各々は、横方向かつ縦方向の双方において極めて小型であり、基板の他のすべてのデバイスから十分に分離され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2002年8月14日に出願された米国出願第10/218,668号、および2002年8月14日に出願された米国出願第10/218,678号に関し、それらの各々はその全体がここに引用により援用される。
【0002】
発明の分野
この発明は半導体デバイス作製に関し、特に、互いから十分に分離される能力を有し、かつ異なる動作電圧定格を有する電界効果トランジスタおよびバイポーラトランジスタまたは他の半導体デバイスを、単一の半導体チップ上に作製することに関する。加えて、この発明は、デバイス間の寄生伝導を回避し、デバイスおよび回路間のノイズおよびクロストークを抑制する特徴を有し、かつ、他の特徴、たとえばアナログおよび混合信号用途で特に使用されるほぼ理想的な電流源の生成、および高電流または高電圧パワー用途で使用される電源スイッチのオンチップ集積化のための頑強な低抵抗パワーMOSFETの生産などを提示する半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
多くの集積回路は今日、メモリ、ロジック、デジタル信号処理、マイクロプロセッサ、ロジックアレイなどを含むデジタルであるが、多数の製品および電子機能は依然としてアナログ回路に頼っており、それは単独で使用されるか、またはデジタル回路と組合わされて混合信号用途となっている。アナログ集積回路は、「アナログ」または「線形」回路動作体制としばしば呼ばれる状態で動作する集積回路に関与する、半導体技術の一部門を形成している。アナログICでは、集積デバイスのいくつかは電流を切換えるパワー用途で使用されているが、アナログデバイスについては、特に、電圧基準、電流ミラー、オシレータおよび増幅器において定電流源または制御された電流源として動作する場合、他の用途もある。半導体技術のこの部門は一般に、デバイスの電気特性、デバイスが取扱うべき電圧および電流、ならびにデバイスの製造に使用されるプロセスおよび技術の点で、デジタル部門とははっきりと区別される。
【0004】
典型的には、デジタルデバイスは、低い電流および電圧を受け、この低い電流をオンおよびオフに切換えるために使用されて、論理および演算機能を実行する。デジタルチップへの信号入力は一般に、それ自体がデジタル信号であり、電源入力は一般に、変動が最大で数パーセントしかない、良好に調整された入力を構成している。すべての入力および出力ピンは一般に良好に挙動し、指定された供給電圧範囲にとどまって、大抵は他のデジタルICの出力から生じている。大抵の出力は、本質的に容量性または抵抗性でしばしば他のデジタルICの単なる入力である負荷を駆動する。
【0005】
これに対し、アナログICは、はるかに幅広い範囲の動作環境を経験しなければならない。まず第1に、多くのアナログICおよびパワーICは、製品のバッテリまたはパワー入力に直接接続されており、したがって、全範囲の潜在的な過電圧およびノイズ条件にさらされる。実際、デジタルICに電力を供給するために使用される調整された電源は一般に、生電源での数十パーセントを超える変動からデジタルICを保護するアナログ電圧レギュレータICである。さらに、アナログICへの入力はしばしば、それ自体がアナログ信号であり、それは、監視中または検出中の信号に混ざったノイズを含むかもしれない。最後に、アナログICの出力はしばしば、高電圧または高電流の負荷を駆動しなければな
らない。これらの負荷はインダクタまたはモータを含むかもしれず、ICの出力ピンが供給電圧を超えるかまたは接地電位を下回るようにして、望ましくない寄生バイポーラトランジスタ伝導につながるPN接合のフォワードバイアシングをもたらすかもしれない。
【0006】
アナログICおよびパワーICの作製に使用される技術、特にCMOSとバイポーラトランジスタとを組合わせるプロセスは、性能およびチップサイズの点でデジタルICおよびアナログIC双方に利益をもたらす。しかしながら、多くの場合、デジタルICは、面積を小さくするために半導体デバイスの理想的な性質または性能が悪化せざるを得ない場合でも、消費する面積ができるだけ最小のトランジスタを製造するよう最適化された作製プロセスを使用している。アナログICおよびパワーICでは、動作特性およびサイズは双方とも重要なパラメータであり、一方を他方に代わって完全に犠牲にすることはできない。アナログIC、混合信号ICおよびパワーICにとって特に利点のあるいくつかの特徴は以下を含む。
【0007】
・単一のチップ上に、電圧定格が異なるデバイスを作製すること(ゲート−ソース電圧定格とドレイン−ソース電圧定格とが異なるMOSFETデバイスについての作製、およびコレクタ−エミッタ電圧定格が異なるバイポーラトランジスタについての作製を含む)
・特にデバイス同士が異なる電圧で動作する場合、またはIC内で本質的に大幅に異なる機能を実行する場合に、デバイス同士を互いから、かつそれらの共通の共有基板から分離すること
・一群のデバイスを共通基板から分離して分離ポケットまたはタブとし、それにより、前記デバイスに課されるバイアス電位は低い電圧で保持可能であり、一方、ポケット全体は基板電位を高い電圧上回って「浮遊する」ということ
・一群のデバイスを共通基板から分離して、小信号ノイズがそれらの適正な回路動作から干渉しないようにすること
・少数キャリアが、フォワードバイアスがかかったPN接合から共通基板へと広がる(寄生バイポーラ伝導)のを抑制すること
・基板に沿った電位の空間的変動および電圧降下が他のデバイスおよび回路に与え得る影響(いわゆる「グラウンドバウンス」)を最小限に抑えること
・最小限の電圧依存で、つまり平坦な出力I−V特性を備えて、定電流源として動作するよう、出力特性が最適化されているトランジスタを集積すること(バイポーラについては、高い早期電圧VAを有するとして、MOSFETについては、高い小信号飽和出力イ
ンピーダンスroを有するとしてしばしば述べられている)
・制御信号を低電圧回路の前述の「浮遊」ポケットに「レベルシフトする」ことが可能な高電圧トランジスタを集積すること
・大型デバイスアレイ全体にわたる迅速な信号伝播を特に備える、高電流対応スイッチ用の低抵抗MOSFETを集積すること
・永続的な損害、劣化または即時の故障を被ることなく、アバランシェ降伏での動作の限られた持続期間を乗り切ることが可能な高電流および/または高電圧デバイス(頑丈なデバイスとしても公知)を集積すること
・値の高い抵抗などの大面積受動素子、および、電圧に依存しない大面積キャパシタを、シリコン底面積を最小限しか使用せずに集積すること
・精密なアナログ回路、特に正確な電流源、および、ウェハロットごとの変動が少ないない、温度に依存しない電圧基準を集積すること。
【0008】
これらおよび他の理由により、非デジタル集積回路の作製に使用されるプロセス技術は独自のものであり、しばしば、バイポーラデバイスおよびCMOSデバイスを単一のプロセスに混ぜ合わせる。併合されたバイポーラ−CMOSプロセスは、BiCMOS(バイポーラ−CMOS)プロセス、およびCBiC(相補型バイポーラ−CMOS)プロセスといった名称を含む。パワーMOSFETも集積される場合、そのパワーMOSFETは
標準的なCMOS構成要素を使用するかもしれず、または、DMOSデバイスを採用するかもしれない(DMOSの「D」は元々、二重拡散型に対する頭字語であった)。バイポーラトランジスタ、CMOSトランジスタおよびDMOSトランジスタを1つのプロセスアーキテクチャに混ぜ合わせることはしばしば、BCDプロセスと呼ばれる。これらのプロセスの多くは、特にNPNバイポーラまたはPNPバイポーラが含まれる場合、デバイス間の分離を達成するために複雑なプロセスフローを必要とする。
【0009】
業界は、アナログ、バイポーラ−CMOS、BCDおよび電力用集積デバイスの製造において、かなり標準的な1組の手順を採用してきた。典型的には、半導体基板の上にエピタキシャル(エピ)層を成長させる。エピを成長させる前に、ドーパントがしばしば基板に注入される。エピ層が形成されるにつれ、これらのドーパントは、基板へと下向きに、かつエピ層へと上向きに拡散して、エピ層の完成時に基板とエピ層との間の界面に「埋込層」を形成する。エピタキシャル層への埋込層の不要のかつ過度の上方拡散を避けるために、エピタキシャル成長に先立ち、埋込層注入物を表面から十分離して拡散させなければならないということにより、プロセスは複雑になる。この長い、プレエピタキシャル拡散は、エピタキシャル堆積の開始時に起こるエッチクリーン(エッチングによって基板の上層を除去して欠陥のない結晶成長を促進する)の最中に、埋込まれた注入層が不要に除去されないようにするために、特に必要とされる。
【0010】
トランジスタおよび他のデバイスは普通、エピ層の表面またはその近くに形成される。これらのデバイスは典型的には、ドーパントをエピ層に注入し、次に基板およびエピ層を高温にさらしてドーパントをエピ層へと下向きに拡散させることによって形成される。注入ドーズ量、ドーパントの拡散率、および熱プロセスの温度と期間に依存して、さまざまなサイズおよびドーパント濃度の領域をエピ層に形成することができる。これらの注入のエネルギは一般に、注入されるべき区域の上に位置するどの薄い誘電体層も貫通するものの、シリコンへと深く貫入することはないように選択される。つまり、注入物はエピタキシャル表面近くの浅い層に位置する。より深い接合深さが必要であれば、注入物はその後、(1000℃〜1150℃)間の高温で数分〜数時間の期間、拡散される。所望すれば、これらの領域は、それらが基板とエピ層との界面に最初に形成されていた埋込層と合流するまで、下向きに拡散可能である。
【0011】
エピ層に形成可能なデバイスの特性および多様性に制限を課する、この標準的な作製プロセスの多数の局面がある。第1に、熱プロセス(時折「アニール」と呼ばれる)の最中、ドーパントは横方向および縦方向に拡散する。このため、ドーパントをエピ層内に深く拡散させるには、著しい量の横方向拡散を受入れなければならない。大まかに言えば、横方向の拡散または拡がりは、縦方向の拡散の約0.8倍に等しい。明らかに、これはデバイス同士の互いへの水平方向の近さを制限する。なぜなら、アニール中に起こる横方向の拡がりを予期して、水平方向の或る間隔を注入物間に設けなければならないためである。これは、ウェハ上へのデバイスの集積密度を制限する。
【0012】
第2に、所与のウェハにおけるデバイスのすべてが必然的に同じ熱プロセスにさらされるため、多様で予め選択された電気特性を有するデバイスを作製することが難しくなる。たとえば、デバイスAは、所望の電気特性を達成するために900℃での1時間のアニールを必要とするかもしれないが、900℃での1時間のアニールは、デバイスBに対して要求される電気特性とは整合しないかもしれず、ドーパントを望ましくない方法で動かし、または再分布させる。ドーパントが一旦注入されると、それはその後ウェハに全体として適用されるどんな「サーマルバジェット(熱収支)」も受けて、ドーパントの再分布を避けられなくする。
【0013】
第3に、拡散のドーパントプロファイルは一般にガウス形である。つまり、ドーピング
濃度は、ドーパントが元々注入された領域、典型的にはエピ層の表面近くで最も高く、注入領域から下向きにかつ横方向に離れるにつれて、ガウス関数で減少する。時折、他のドーパントプロファイル、たとえば「レトログレード」プロファイルを提供することが望ましい場合があり、その場合、ドーピング濃度は、エピ層の表面よりはるかに下の位置で最高となり、表面に向けて上向きに進むにつれて減少する。そのようなレトログレードプロファイルは、全拡散プロセスを使用する場合には不可能である。別の望ましいプロファイルは、実質的に深さによっては変わらない、平坦な、または一定のドーパント濃度を含む。そのようなプロファイルは、全拡散プロセスを使用する場合には不可能である。多数のエピタキシャル堆積と交互する多数の埋込層を使用して、そのような平坦なプロファイルを作製する試みがなされてきたが、これらのプロセスは法外に高くつく。なぜなら、エピタキシーは本質的に、他の作製動作よりも遅く、より高価なプロセスステップであるためである。
【0014】
第4に、長い拡散によって生成されるより深い接合は、接合の深さおよび分離されるエピタキシャル層の深さに比例して寸法が大きくなる最小マスク機能を必要とする。そのため、10ミクロンのエピタキシャル層は、最小マスク寸法が5ミクロン層のほぼ2倍である分離領域を必要とする。より高い電圧の分離されたデバイスを支持するためにより厚い層が必要とされるため、デバイスの電圧定格とそれを分離するために必要な無駄な面積との間には深刻な不利益がある。高電圧デバイスはしたがって、より低い電圧のプロセスに比べ、分離専用の面積がより大きく、単位面積当たりより少ないノード素子を実装し、同じ機能に対してより大きいダイ面積を必要とする。ダイ面積がより大きいとウェハ当たりのダイがより少なくなり、ダイコストはより高価になる。
【0015】
第5に、エピタキシャルプロセスでは、エピタキシャル層の厚さは、所与のチップ上に必要とされる最も高い電圧のデバイスを集積するよう選択されなければならない。前に説明したように、より高い電圧のデバイスは、より深く、面積効率がより低い分離拡散部を必要とする。これらの厚くて幅広い分離拡散部は、チップのより低い電圧のセクションででも必要とされ、より多くの面積を浪費する。そのため従来のプロセスでは、電圧が最も高いデバイスが、全分離領域の面積効率を設定している。
【0016】
第6に、多くのICプロセスは、ポリ−ポリ、ポリ−金属、または金属−ポリといった電圧に依存しないキャパシタを集積する能力を持っておらず、高値の抵抗用の高シート抵抗材料も含んでいない。
【0017】
図1〜図6は、さまざまな先行技術のデバイスに関連する問題のいくつかを示している。
【0018】
図1Aは、P−チャネルMOSFET(PMOS)101とN−チャネルMOSFET(NMOS)102とを含む従来のCMOSデバイスを示している。PMOS101はNウェル132に形成され、NMOS102はPウェル134に形成されている。Nウェル132およびPウェル134は双方とも、P基板(Psub)130に形成されている。デバイスはポリシリコンゲート140も含んでおり、それは、ゲートの導電性を高めるためにシリサイドなどの金属層142で覆われている。ゲート140の壁には側壁スペーサ146が形成され、PMOS101で、これらの側壁スペーサは、隣接するP+ソース領域136およびP+ドレイン領域138に隣接するP型低ドープ領域144の形成を可能にして、デバイスの降伏特性を向上させる。側壁スペーサ146は、デバイスの水平方向の表面から酸化物層を方向性エッチングすることによって形成される。P型低ドープ領域144はゲート140に整合され、P+ソース領域136およびP+ドレイン領域138は側壁スペーサ146に整合される。側壁スペーサ146の形成前に、P型低ドープ領域144が注入され、側壁スペーサ146の形成後に、P+ソース領域136/P+ドレイ
ン領域138が注入される。これらのステップの各々はマスクを必要とする。P+ソース領域136/P+ドレイン領域138は、金属層148により、バリアメタル層150、通常、P+ソース領域136/P+ドレイン領域138との界面に形成されるTiN(窒化チタン)と接触している。
【0019】
NMOS102は、極性が反対の同様の構成要素を含む。PMOS101およびNMOS102は、フィールド酸化物層(Fox)152によって隔てられている。通常、フィールド酸化物層の下にはフィールドドーパント(図示せず)がある。場合によっては、Pウェル134またはNウェル132の表面濃度は、隣接するNMOSまたはPMOSデバイス間のフィールドしきい値を供給電圧よりも大きい値に高めるため、かつ、ドーピング、酸化物厚さ、または動作温度における正常な変動にもかかわらず最小限のしきい値基準を維持するために、十分高くなり得る。
【0020】
このデバイスでの問題は、P基板130とPウェルとの間にPN接合がないために、NMOS102がP基板130から分離されていないことにある。Pウェル134は浮遊できない。代わりに、P基板130とPウェル134との間には単に抵抗性の接続がある。ノイズがNMOS102に結合され得る。NMOS102の回路接続とは無関係の電流が、基板130からPウェル134に流れ得る。どのMOSFETも4つの電気端子、つまりゲート、ソース、ドレインおよびバックゲート(デバイスのチャネルまたはボディとしても公知)を含むため、この用語により、Pウェル134を含むNMOS102のボディは基板に直接結合され(ここに電気的接地と呼ばれる)、接地された基板130を上回る電位にバイアスをかけられることは不可能である。Pウェル134は接地されているため、NMOS102のソースピン上のいかなるバイアスも、そのしきい値を高めてMOSFETの性能を劣化させる。
【0021】
これに対し、Nウェル132はP基板130に対して逆バイアスをかけられることが可能であり、PMOS101を基板電位から分離する。デバイスは分離されているため、PMOSのソース148/136はNウェル132、PMOSのボディに短絡されることが可能であり、PMOSの電気的性能を劣化させることなく、接地を上回る動作を可能にする。
【0022】
Nウェル132はそのようなウェル領域に存在する限られた量のドーピングを有するため、PMOSは、特に寄生バイポーラ伝導のために、常に理想的な態様で動作するとは限らない。すなわち、Nウェル132は、P+ソース領域136/P+ドレイン領域138とP基板130との間に、寄生PNPバイポーラトランジスタ(PNP)を形成する。P基板130とNウェル132との間のPN接合、または(より可能性が高い)P+ソース領域136/P+ドレイン領域138のうちの1つとP基板130との間のPN接合にフォワードバイアスがかけられると、寄生PNPはオンになり、不要な電流をP基板130に伝導する場合がある。また、ICチップのどこか別の場所に(たとえばNウェル132、P基板130、およびP基板130内に位置する任意の他のN+領域を含む)寄生NPNトランジスタが典型的に存在し、これらのNPNは、Nウェル132のPNPと組合わさってラッチアップ状態(寄生サイリスタ作用)を生成する場合がある。
【0023】
デジタル用途では、これらの問題は顕著でないかもしれない。通常、PN接合はフォワードバイアスをかけられない。ウェルは高濃度にドープされ、トランジスタがオンになると高い降伏電圧または平坦な出力電流特性を有することに対する懸念は特にない。
【0024】
PMOS101およびNMOS102は、図1Bに示す種類の回路において適度に良好に作動し、ここでは、PMOS101のソースおよびボディは双方ともVccに結合され、NMOS102のソースおよびボディは双方とも接地に結合されている。このため、双
方のデバイスのボディ−ドレイン接合は、PMOS101およびNMOS102のドレイン電位が接地およびVcc供給レールと等しい電圧、またはその中間の電圧に維持される限り、逆バイアスをかけられる。
【0025】
しかしながら、デバイスが図1Cに示す種類の回路内に形成され、またはその回路として動作する場合、状況は異なる。ここでは、NMOS102のボディは接地に抵抗的に結合され、ソースは通常接地に短絡され、デバイスはしたがって分離不可能である。また、ソースとドレインとの間にはNPNバイポーラトランジスタ(点線)がある。PMOS101では、P基板130とNウェル132との間のPN接合を表わすダイオードが、P基板130とP+領域138との間の寄生PNPトランジスタ(同様に図1Aに示す)の一部を形成している。その結果、デバイスが、接地電位に適度に近くはない回路において、PNPが特に高温でスナップバック降伏を伝導する、または提示する危険なく、浮遊されることは不可能である。
【0026】
デバイスの電圧範囲を拡張するためにパワーMOSFET区域において使用されてきた、修正された構造を図2Aに示す。PMOS103の電圧範囲は、Nウェル132において、P+ドレイン領域154に隣接して拡張されたP−「ドリフト」領域156を形成することによって拡張されている。電流は、P+ソース領域162からNウェル132を通って、Pドリフト領域156およびP+ドレイン領域154に流れ込む。しかしながら、PMOS103は依然として、PMOS101について前述したのと同じ寄生PNPトランジスタ(点線)を有する。
【0027】
NMOS104では、Pウェル134は、N+ソース領域160およびP+ボディコンタクト領域162のみを囲むよう制限されており、Nウェル158は、N+ドレイン領域164に隣接し、それを囲んで形成されている。ゲート166はフィールド酸化物領域152にオーバーラップし、高電圧N−チャネルMOSFET104のソースとして作用するN+160、ボディとして作用するPウェル134、およびドレインとして作用するNウェル158のN側壁スペーサによって形成される表面チャネルにオーバーラップする薄いゲート酸化物(活性領域)上へとオーバーラップしている。NMOS104では、電流は、N+ソース領域160から、Pウェル134(チャネル領域)およびNウェル158を通って、N+ドレイン領域164に流れる。Nウェル158はN−ドリフト領域として作用し、それは、十分に低濃度にドープされている場合、NMOS104を空乏化してその電圧範囲を拡張する。
【0028】
しかしながら、NMOS104は、図2Bに示す別の問題を有する。NMOS104が、スイッチング中にしばしばあるように低電流モードで飽和すると、Nウェル158は実質的に空乏化され得る。電子がチャネル168から出現すると、それらは、フィールド酸化物領域152とPウェル134との間に位置するNウェル158の区域に入り、そこでは、電界の強度は、特にフィールド酸化物領域152、およびゲート166の下に位置する薄いゲート酸化物部分に隣接して、高い(等電位線IIによって示す)。その結果、インパクトイオン化が起こる場合があり、特に、LOCOSプロセスに関連する欠陥が存在するフィールド酸化物領域152に隣接して、ホットキャリアを生成する。Nウェル158が実質的に空乏化されると、電流はNウェル158内で拘束されない。このため、NMOS104が飽和に追い込まれると、ホットキャリアはゲート酸化物を破裂させて、ゲート166の下に位置する薄い酸化物を破壊するかもしれない。
【0029】
図2Cは、ドレイン−ソース電圧VDSの関数としての、NMOS104を通るドレイン電流IDのグラフであり、曲線Aは、デバイスがオフとなる際の状態を示している。理想
的な動作は、電流が、降伏が発生するまでゼロのままであり、次にVDSが本質的に一定のままで増加することであり(曲線A1)、デバイスは電圧クランプとして作用している。
寄生バイポーラトランジスタがある場合、またはインパクトイオン化が起こった場合、非常に多くのキャリアが生成され、電圧は降伏の後で暴落または「スナップバック」し(曲線A2)、電流が上昇し過ぎると、デバイスは破壊される。曲線Bで示すように、NMOS104がオンになると、同様の結果が起こり得る。デバイスを通るチャネル電流によってホットキャリアが生成され、これらのホットキャリアは、デバイスを、時に安全動作領域(SOA)障害と呼ばれる状態にスナップバックさせ得る。ドーパントが熱拡散されているためにドーピング濃度およびプロファイルが非常に正確には制御できないということは、ガウス形のドーパントプロファイルが、電界も最高となるシリコン表面において最も高い濃度を有することを特に考慮すると、これらの問題を悪化させる。
【0030】
図2Dは、Nウェル132のドーピングプロファイルを制御できない結果として、PMOS103で起こり得る問題を示している。PMOS103がP基板130から分離されていても、ソース−ボディ電圧VDDが接地をはるかに上回り過ぎると(たとえば5Vデバイスにおいて12V、12Vデバイスにおいて18Vなど)、空乏領域は、基板の表面に向かってNウェル132内を上向きに拡がる。Nウェル132のドーピングプロファイルが制御できないので、PN接合を基板のずっと中へと追い込んで空乏領域が基板の表面に達しないようにするために、拡散時間を増加させなければならない。通常、妥協案がある。Nウェル132は望ましいものほど深くはなく、空乏はNウェルへとさかのぼらない。これは、PMOS103における寄生バイポーラトランジスタの幅を狭くする。なぜなら、ベースの正味の電気的な幅は、Nウェル132とP基板130との間のPN接合の深さからNウェル132内の空乏領域の幅を減じたものであるためである。
【0031】
さらに、Nウェル132とP基板130との間の接合がさらに僅かでもフォワードバイアスをかけられている場合、デバイスはスナップバックする傾向を有する。なぜなら、P基板130とP+ドレイン154との間の寄生バイポーラトランジスタ(点線)のベースが非常に抵抗性の接触を有し、それにより、寄生バイポーラが本質的に「オープンベース」降伏(BVCEO)であるものを経験するためである。この降伏電圧は、Nウェル132
とP基板130との間の通常の逆バイアス接合降伏よりもはるかに低い。これが起こると、デバイスは破壊される可能性が高い。PMOS103が飽和すると、ホットキャリアが生成され、それもこの現象につながるかもしれない。
【0032】
おそらく、PMOS101、103についての最大の問題は、それらが浮遊していないこと、つまり、それらがスナップバックすることなく高いNウェル−P基板電位でバイアスをかけられることが不可能なことである。同様に、NMOS102、104についても最大の問題のうちの1つは、それらが浮遊しないこと、つまり、それらのボディ接続が基板電位を上回ってバイアスをかけられることが全く不可能なことである。これは、それらが使用され得る回路の種類を著しく制限する。
【0033】
図3は、例示的なパワー変換回路105でこの問題がどのようにして起こるかを示している。回路105は、接地近くで(たとえば接地を5Vまたはそれ未満上回って)バイアスをかけられるローサイド回路170と、接地(基板)を20Vまたは30V上回って浮遊可能なハイサイド回路172とを含む。MOSFET M1は通常、抵抗R1を介して信号をハイサイド回路172に送信する高電圧N−チャネルデバイスであり、M1のゲートでの入力信号がたった5Vでも、20V〜30Vの降伏電圧を有する。MOSFET M2は、抵抗R2を介して信号をレベルシフトする高電圧P−チャネルデバイスである。MOSFET M3およびM4は、N−チャネル出力ハイサイドMOSFET M7のゲートを駆動する5Vまたは12VのCMOSペアを構成している。MOSFET M3のソースは、基板を20Vまたは30V上回って浮遊する必要があるが、MOSFET M3およびM4はそれら自体が低電圧デバイスである。これは、それらがチップ上で占有する面積を最小限にする。
【0034】
MOSFET M5およびM6は、MOSFET M3およびM4と同様のCMOSペアであるが、MOSFET M5のソースは接地に接続されている。MOSFET M5およびM6は、N−チャネル出力ローサイドMOSFET M8のゲートを駆動する。
【0035】
ブートストラップキャパシタC1は、浮遊するハイサイド回路に電力を供給し、接地を上回って浮遊する。キャパシタC1両端の電圧VBootstrapは5Vである。出力MOSF
ET M7がオンとなってキャパシタC1の低いほうの端子を20Vに高めると、キャパシタC1を充電するために使用されるダイオードD10は約25V(つまりVDD+VBootstrap)を遮断しなければならない。
【0036】
このため、回路105のような回路では、単一のチップ上に高電圧デバイスと密で浮遊する低電圧デバイスとを含む柔軟性がなければならない。図1Aおよび図2Aに示すデバイスは、図3に示す回路105の要求を満たしていない。
【0037】
図4Aは、この問題に対する先行技術の答えを示しているが、それは技術的には一歩後退している。N型エピタキシャル(N−エピ)層176がP基板174上に成長している。PMOS107がN−エピ層176に形成され、NMOS106がNエピ層176のPウェル178に形成されている。このため、NMOS106およびPMOS107は、P基板174の上に浮遊するCMOSペアを構成している。
【0038】
チップはN−チャネル横型DMOS108も含んでおり、それは、N−エピ層176とP基板174との間の接合によってP基板174から、かつ、P型分離拡散部180によってCMOSペアから分離されている。N埋込層184が、CMOSペアについての分離を提供する。
【0039】
この構造についての1つの問題は、それが長い拡散を必要とすることである。たとえば、P分離拡散部180は、N−エピ層176全体を通ってP基板174に達するよう拡散されなければならず、横型DMOS108のPボディ182も同様に、高温での長い拡散(たとえば1100℃またはそれ以上で12時間)を必要とする。
【0040】
さらに、Pボディ182を横型DMOS108のゲート186に整合させることは、Pボディ182が注入される前にゲート186が形成されることを必要とする。CMOSペアは通常、ポリシリコンゲート188が堆積される前に実行されるしきい値調整注入を有する。しかしながら、Pボディ182を拡散させるために必要な長いアニールは、CMOSペアにおいて以前に実行されたいかなるしきい値調整注入も無用にする。この問題を回避する唯一の方法は、CMOSのゲート188の前に横型DMOSのゲート186を堆積することであるが、これはプロセスにかなりの複雑性を加え得る。
【0041】
デバイスは典型的には、0.35μmというよりはむしろ0.8〜2.0μmのチャネル長を有する。この構造を作製するために0.35μmプロセスを使用することができるが、マスキングステップの数が過度になり得る。分離構造を形成するステップの数が、0.35μmプロセスおよびしきい値調整のためのステップに追加される。通常、先行技術は、この分離能力を得るために、より低い密度およびより少ない複雑性について既に決着をつけている。さらに、分離拡散部180の大きな浪費面積を考慮すると、CMOSデバイスのサイズを低減させる努力、および低減されたダイサイズでの結果としての利点は大抵失われる。
【0042】
図4Bは、N−エピ層176に形成され、P基板174から分離されているN−チャネル擬似縦型DMOS109を示している。各デバイスにおいて、電流は、N+ソース領域
192から、ゲート190の下でPボディ194のチャネルを横方向に通り、N−エピ層176を下向きにN埋込層196へと流れ、N埋込層196を横向きに進み、N+シンカー198を通って上向きに流れる。これらのデバイスの一利点は、デバイスに逆バイアスがかけられるとPボディ間の空乏領域を拡げることによって電流がピンチオフされることであり、これはゲート酸化物層を保護する。他方、デバイスのオン抵抗は、電流がN埋込層196を通って流れるべき距離によって大きくなる。この抵抗を許容可能な限度内に保つため、N+シンカーがDMOS間に周期的にかつ頻繁に位置付けられなければならず、これはチップの集積密度を低減させる。そのようなDMOSデバイスのオフ状態阻止電圧BVDSSが高いほど、N+シンカー拡散部198およびP分離拡散部180はより深く追
いやられなければならず、そのような深く幅広い拡散領域のためにより大きなダイ面積が浪費される。
【0043】
図4Cは、同じプロセスで形成可能なNPNトランジスタ(NPN)110を示している。NPN110のベース141は通常、N−チャネルLDMOS108のPボディ182(図4A)と同じP拡散によって形成され、したがって最適ではないかもしれない。NPN110の電流特性は一般にかなり良好であるが、それは、N+シンカー143および深いP分離拡散部147に対処するために大きくなければならない。
【0044】
高電圧PMOS111では、P基板174とN+ソース領域151との間の寄生バイポーラはN埋込層149によって抑制されている。しかしながら、高電圧機能を得るためには、Nエピ層176は厚さが6μm〜10μmでなければならず、これは、N+シンカー143およびP分離領域147に対して要求される拡散の長さをさらに大きくする。より大きな縦方向の拡散はより大きな横方向の拡散を意味し、そのためこれは、デバイスのサイズをさらに大きくする。
【0045】
図5Aは、拡散の長さを幾分制限し、そのような深い拡散部の横方向の拡がりを低減させるのを助ける、分離領域を形成する代替的な手法を示している。P分離領域153が(エピタキシャル成長の後で)N−エピ層176の表面近くに注入され、P埋込層155が(エピタキシャル成長の前に)N−エピ層176とP基板174との界面に形成される。注入物アニール中、P分離領域153は下向きに拡散し、P埋込層155は上向きに拡散して、それらはN−エピ層176の中間のどこかで合流する。
【0046】
このプロセスも、図5Aに示すような、N埋込層157の上にP埋込層159を含む分離構造を作製する可能性を高める。アンチモンまたは砒素といった比較的ゆっくりと拡散するドーパントが、N埋込層157を形成するために使用可能であり、ホウ素といった比較的速く拡散するドーパントが、P埋込層159を形成するために使用可能である。埋込層157および159は高濃度にドープされ、ドーパントは、N−エピ層176の成長中にそれらが出てこないよう、P基板174内深くに追いやられるべきである。これは、制御が困難な、可変性の高いプロセスである。さらに、P分離層153は、エピタキシャル層176の厚さ全体を通って、PBL領域157に整合されなければならない。この手順で良好な整合を保証することは難しく、デバイスのデザインルールに余分の間隔が含まれることを必要とし、シリコン面積を浪費する。
【0047】
しかしながら、このプロセスは、図5Bに示すような十分に分離されたPNPの作製を可能にする。PNP112では、N埋込層161およびP埋込層165が、P基板174とN−エピ層176との間の界面に形成される。N埋込層161はN+シンカー163を介して接触され、P埋込層165およびP分離領域167はPNP112のコレクタとなっている。PNP112はP分離領域171によって、隣接するデバイスから分離されており、P分離領域171は下向きに拡散して、上向きに拡散するP埋込層169と合流する。P埋込層169およびPBL165は一般に、同じP埋込層である。
【0048】
P埋込層の使用は、図2Bに関連して説明した「ホットキャリア」問題を克服するのにも役立ち得る。図5Cに示すように、NMOS104のPボディ134の下に形成されたP埋込層173は、空乏領域を圧迫してフィールド酸化物層152直下の区域に戻し、そこでは降伏フィールドはより高く、より多くの電圧が許容可能であり、したがって、ゲート166の下のN−エピ層176の表面での磁界の強度を減少させる。
【0049】
N−エピ層176の電荷Qが1.0〜1.3×1012原子cm-2の範囲にあるよう選択される場合、N−エピ層176はそれが降伏する前に十分に空乏化され、はるかにより高い電圧(たとえば何百ボルト)がデバイスに印加され得る。これは、先行技術において「リサーフ」デバイスとして公知である。電荷Qは、ドーピング濃度×N−エピ層176の深さに等しい(厳密に言えば、電荷は、エピタキシャル層の厚さにわたって積分された濃度の積分に等しい)。
【0050】
図6Aは、この問題への異なるアプローチを示している。ここでは、P−エピ層179がP基板174上に成長している。分離されたPポケット187が、N分離領域185を下方拡散し、N埋込層183を上方拡散し、N埋込層181を形成することによって、P−エピ層179に形成される。N領域185およびN埋込層183は、リンといった比較的速く拡散するドーパントでドープされ、一方、N埋込層181は、アンチモンまたは砒素といった比較的ゆっくり拡散するドーパントで形成されている。その結果、Pポケット187のまわりに「Nタブ」が形成される。Nウェル190、および随意でPウェル(点線)が、分離されたPポケット187に形成される。PMOS113がNウェル191に形成され、NMOS114がPポケット187に(またはPウェルに)形成される。PMOS113およびNMOS114は、図1Aに示すPMOS101およびNMOS102と同様であるが、それらが側壁スペーサを含むかどうかはわからない点が異なる。「Nタブ」の外側に、高電圧横型DMOS(HV LDMOS)115が、図2Aに示すNMOS104と同様に作製されるが、Pボディ拡散部193がPウェル134(点線)の代わりに使用されてもよく、フィールド酸化物層152の下のNフィールドドーピング195がHV LDMOS115の「ドリフト」領域として役割を果たす点が異なる。HV LDMOS115は、ゲート下の電界の強度を低減させる、図5Cに示すP埋込層173と同様のP埋込層を有していない。
【0051】
PMOS113を作製する際、P−エピ層179は、P−エピ層179の厚さにおけるばらつきを考慮して、N埋込層181がNウェル191とオーバーラップしないことを確実にするよう、十分に厚くなければならない。さもなければ、高濃度にドープされたN埋込層181が、PMOS113の電気特性に影響を与える場合がある。別のアプローチが図6Bに示されており、そこでは、2つの別個のリンの埋込層183の代わりに、単一のリンのN埋込層197が上方拡散してN分離領域185と合流している。砒素またはアンチモンのN埋込層181がNウェル191の十分下に留まっているが、上方拡散するリンはNウェル191へと合流する。Nウェル191とオーバーラップするN埋込層197の部分のドーピング濃度が低いため、PMOS113の電気特性がN埋込層197によって著しく影響を受けることはない。
【0052】
図6Bは、NPN116が同じプロセスで作製可能であることも示している。NPN116のベースは、図4Cに示すNPN110のベースよりも幅が広い。なぜなら、ベースは、Pボディ拡散部141のみというよりもむしろ、P−エピ層179の一部を含んでいるためである。P−エピ層179の幅は可変であるため、NPN116はNPN110ほど再現可能ではない。
【0053】
図6Cは、図6Aおよび図6Bの実施例での速く拡散する(リン)、および遅く拡散す
る(砒素またはアンチモン)N埋込層についてのオプションを要約している。速く、またはゆっくりと拡散するN埋込層は、図6Cの左側に示すように別個であってもよく、または、それらは図6Cの右側に示すように、おそらく同じマスクを用いて、互いに重なり合っていてもよい。いずれの場合とも、(上方拡散の頭字語としてUIと表示される)速い拡散物質は、遅く拡散するNBLの縦方向の範囲を上回り、かつ下回って拡がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開平6−97450号公報
【特許文献2】特開平11−354627号公報
【特許文献3】特開平9−27556号公報
【特許文献4】特開平11−97646号公報
【特許文献5】特開平6−318707号公報
【特許文献6】特開2000−58665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0055】
図1A〜1C、図2A〜2D、図3、図4A〜4C、図5A〜5C、図6A〜6Cに示すデバイスは、共通の1組の問題を共有している。それらは一般に、基板またはエピタキシャル層において所望の深さまでドーパントを拡散させるのに、長い熱サイクルを必要とする。これらの拡散は、拡散時にシリコン内に存在するあらゆるドーパントの再分布を引起こし、ドーパント拡散を防止または制限することが好ましいデバイスも含む。たとえば、フィールド酸化が起こった後で行なわれるどのウェル拡散サイクルも、フィールド酸化物直下のシリコン表面でのドーパント濃度を低下させ、隣接する同様のタイプのデバイス間に形成される寄生表面MOSFETの「フィールドしきい値」を低下させる。この望ましくない再分布は、寄生PMOSが共通のNウェルを共有する隣接するPMOS同士の間に形成されるようにし、または、共通のPウェルを共有する隣接するNMOS同士の間での寄生NMOS伝導をもたらし得る。フィールドしきい値を高くして拡散の悪影響に対抗するには、フィールドしきい値がより高い注入が必要とされる。しかしながら、より高い注入ドーズ量は表面濃度を高くし、より低い表面降伏およびより高い表面フィールドにつながる。
【0056】
さらに、より高い表面濃度は、より高い濃度勾配に起因するさらに大きな拡散にもさらされる。これらの影響を回避するため、可能なプロセスアーキテクチャは、拡散してはならないドーパントを、ゲート酸化、フィールド酸化、ウェル拡散などの後といった、プロセスの後のほうで導入しなければならない順序に制限される。そのような制限は、可能なデバイスタイプおよびデバイス最適化において多くの制約を課する。
【0057】
高温拡散はまた、一般に、結果として生じるウェルおよび他の領域にガウス形のドーパントプロファイルを生成する。予め定められてはいるが任意の、非ガウス形のドーパントプロファイルを有する領域を作製することはできない。たとえば、表面下濃度がその表面濃度よりも高いレトログレードプロファイルを、単に拡散される手法を用いて実行することはできない。そのような拡散(および一般の拡散)は正確に制御することが難しく、実際の結果は、ウェハごとの(単一のウェハバッチからの)ばらつき、およびウェハバッチごとのばらつき(いわゆる「生産操業ごとの」変動)を特に考慮すると、望ましいものと著しく異なる場合がある。ばらつきは、温度制御不良から、および酸化中に起こるドーパント隔離から生じる。
【0058】
さらに、拡散は、主としてドーパントを基板内により深く導入するよう意図されている一方、ドーパントを横方向にも拡げ、これはデバイスのサイズを、場合によっては相当量大きくする。
【0059】
デバイスを作製するためにエピタキシャル層が使用される限り、これらの影響は、エピタキシャル層を成長させる影響によってさらに大きくなる。今まで、エピタキシーに対する要求は文字通り、十分分離された「アナログ品質」のバイポーラ(つまりデジタルバイポーラおよびRF最適化バイポーラを除く)の集積によって規定されていた。しかしながら、エピタキシーは依然、ウェハ作製において単一の最も高価なステップであり、その使用は望ましくなくなっている。エピタキシャル厚さおよび濃度化合物デバイス最適化におけるばらつき、ならびにエピタキシャルプロセスは必然的に、高温で、通常1220℃を
超えて起こる。そのような高温処理は、ICの、および他の領域における埋込層のいくつかの領域において、基板の望ましくない上方拡散を引起こす。この上方拡散は、実際に成長した厚さよりも薄いエピタキシャル層を生成する。つまり、上方拡散を相殺するために追加された堆積時間および厚さを使用しなければならず、堆積されたままのエピ層を、それがその他の場合に必要とされるものよりも厚くする。より厚いエピタキシャル層を分離することは、分離拡散構造のためにさらにより長い拡散時間を必要とし、過度に幅広い形状構成につながる。
【0060】
多数の動作電圧が同じチップ内に存在する場合、エピタキシーは電圧が最大のデバイスについて選択される必要がある。分離幅はその場合、より高い電圧の構成要素を利用していないICのセクションにおいて、必要以上に大きくなる。そのため、本質的には、1つの構成要素が他のすべてを不利にする。この不利は、すべて1つのより高い電圧の構成要素に起因する、低電圧のオンチップデバイスに対する集積密度不良につながる。より高い電圧のデバイスが使用されない場合、高電圧分離(および関連するデザインルールの間隔)の影響を受けない浪費面積は、プロセス全体を設計し直してICの全構成要素に影響を与えることなく再生されることは不可能である。1つの構成要素の追加または除去が他の集積デバイスすべてに悪影響を与えるため、そのようなプロセスはモジュール化されていない。
【0061】
したがって、モジュール化された、相互作用しないやり方で、単一の半導体ウェハにともに接近して実装され、十分に分離された、最適化されたトランジスタまたは他のデバイスの任意の集合の作製を可能にする技術に対し、明らかな要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0062】
発明の概要
この発明によれば、第1の導電型の基板の分離されたポケットが、フィールド酸化物層を形成することによって形成され、フィールド酸化物層は第1のセクションおよび第2のセクションを含み、第1および第2のセクションは開口部によって互いから隔てられている。第2の導電型のドーパントの第1の注入が、フィールド酸化物層の第1および第2のセクションを通して、および開口部を通して実行され、第2の導電型の深い層を形成し、深い層は、開口部の下のより深い部分と、フィールド酸化物層の第1および第2のセクションの下のより浅い部分とを含む。開口部の上にマスク層が形成され、第2の導電型のドーパントの少なくとも1回のさらなる注入が実行され、マスク層は、少なくとも1回のさらなる注入によるドーパントが、開口部の下の基板の区域に入ることを阻止する。しかしながら、少なくとも1回のさらなる注入によるドーパントは、フィールド酸化物層の第1および第2のセクションを通過して、基板に側壁を形成し、各側壁は、フィールド酸化物層の第1および第2のセクションそれぞれの底から深い層へと延び、深い層と側壁とは、基板の分離されたポケットを取囲む分離領域を形成している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】先行技術の従来のエピレスツインウェルCMOSプロセスおよびその変形の属性を説明する、側壁スペーサを有する先行技術のツインウェルCMOSの断面図である。
【図1B】先行技術の従来のエピレスツインウェルCMOSプロセスおよびその変形の属性を説明する、先行技術の従来の(非分離)CMOSプロセスにおいて利用可能なCMOSトランジスタペアの理想化された概略図である。
【図1C】先行技術の従来のエピレスツインウェルCMOSプロセスおよびその変形の属性を説明する、先行技術の従来の(非分離)CMOSプロセスにおいて利用可能なCMOSペアの、寄生要素を示す詳細な概略図である。
【図2A】従来のエピレスツインウェルCMOSへの高電圧要素の集積、およびそのような実現化例から生じる問題を説明する、Nウェルに囲まれた拡張ドレインPMOSと(Pウェルを非自己整合ボディとして有する)拡張N−チャネル横型DMOSトランジスタとを集積する改良された先行技術の従来の(非分離)ツインウェルCMOSプロセスの断面図である。
【図2B】従来のエピレスツインウェルCMOSへの高電圧要素の集積、およびそのような実現化例から生じる問題を説明する、電流の流れの線(I(流れ)と表示)とインパクトイオン化の等高線(IIと表示)とを示す飽和した先行技術のN−チャネル横型DMOSトランジスタの動作を説明する図である。
【図2C】従来のエピレスツインウェルCMOSへの高電圧要素の集積、およびそのような実現化例から生じる問題を説明する、理想の降伏(曲線A1)、スナップバック降伏(曲線A2)、およびインパクトイオン化により誘発されたスナックバック(曲線B)を示す従来の先行技術のMOSFETのドレインからソースへの電流−電圧(I−V)特性を示す図である。
【図2D】空乏領域(網掛け部分)、バイアス条件、およびデバイスに特有の潜在的な寄生バイポーラを示す、従来の先行技術のNウェルに囲まれた拡張ドレインPMOSの断面図である。
【図3】アップリンクおよびダウンリンクされた、レベルシフトされた信号のための高電圧要素を含む、ブートストラップにより電力を供給される浮遊ハイサイドドライバを有する全N−チャネルプッシュ−プル(トーテムポール)パワーMOSFET出力段を駆動するための先行技術の回路を示す図である。
【図4A】深い「下方のみの」分離拡散部を用いたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、集積された横型M−チャネルDMOSと下方のみの大きな分離拡散部とを有する先行技術の従来の接合分離エピタキシャル(エピ−JI)CMOSの断面図である。
【図4B】深い「下方のみの」分離拡散部を用いたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、先行技術の従来の接合分離エピタキシャル(エピ−JI)CMOSプロセスにおけるN−チャネル擬似縦型(上方ドレイン)DMOSの断面図である。
【図4C】深い「下方のみの」分離拡散部を用いたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、十分に分離された擬似縦型NPNと横型高電圧PMOSとが集積された先行技術の従来の接合分離エピタキシャル(エピ−JI)CMOSプロセス(BCDバージョン)の断面図である。
【図5A】深く拡散された分離拡散部と組合されたさまざまな埋込層を用いて、下方のみの分離部よりも横方向拡散が少ない「上下」分離拡散部を生成する、CMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、従来のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)プロセスの先行技術の上下分離バージョンで利用可能な分離構造および埋込層構造の断面図である。
【図5B】深く拡散された分離拡散部と組合されたさまざまな埋込層を用いて、下方のみの分離部よりも横方向拡散が少ない「上下」分離拡散部を生成する、CMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、従来のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)バイポーラ、CMOSまたはBCDプロセスの上下分離変形における先行技術の十分に分離された擬似縦型PNPの断面図である。
【図5C】深く拡散された分離拡散部と組合されたさまざまな埋込層を用いて、下方のみの分離部よりも横方向拡散が少ない「上下」分離拡散部を生成する、CMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)の断面図であり、従来のエピタキシャル接合分離(エピ−JI)プロセスの上下分離バージョンにおいて拡張された(RESURF)ドレイン領域が作製されている先行技術の十分に分離された横型N−チャネルDMOSの断面図である。
【図6A】さまざまな埋込層を使用し、基板の同じ導電型を有するエピタキシャル層を用いて分離拡散部と組合されたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のラップアラウンド接合分離(エピ−WAJI)の断面図であり、CMOSと横型DMOSとを集積する先行技術のラップアラウンド接合分離エピタキシャル(エピ−WAJI)プロセスの断面図である。
【図6B】さまざまな埋込層を使用し、基板の同じ導電型を有するエピタキシャル層を用いて分離拡散部と組合されたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のラップアラウンド接合分離(エピ−WAJI)の断面図であり、遅い拡散体および速い拡散体を含むハイブリッド埋込層を使用して、CMOSと十分に分離された擬似縦型NPNとをBiCMOSプロセスに集積する、ラップアラウンド接合分離エピタキシャルプロセス(エピ−WAJI)の改良されたバージョン(先行技術)を示す図である。
【図6C】さまざまな埋込層を使用し、基板の同じ導電型を有するエピタキシャル層を用いて分離拡散部と組合されたCMOS、バイポーラおよびDMOS構成要素のラップアラウンド接合分離(エピ−WAJI)の断面図であり、改良されたラップアラウンド分離接合分離プロセス(エピ−WAJI)において利用可能なN型埋込層のさまざまな組合せの断面図である。
【図7A】従来の拡散されたNウェルのドーピングプロファイルを示す図である。
【図7B】N層がNウェルに注入された、従来の拡散されたNウェルのドーピングプロファイルを示す図である。
【図7C】酸化物層が基板の表面を覆っている、図7Bに示す構造のドーピングプロファイルを示す図である。
【図8A】2つの隣接する横型MOSFET間にフィールド酸化物層が位置していない場合の、それらのMOSFET間での寄生MOSFETの形成を示す断面図である。
【図8B】2つの隣接する横型MOSFET間にフィールド酸化物層が位置していない場合の、それらのMOSFET間での寄生MOSFETの形成を示す概略図である。
【図9A】Pエピタキシャル層に形成されたNウェルの2つの活性領域間のフィールド酸化物層を示す断面図である。
【図9B】フィールド酸化物層がP基板に形成されている代替的な構造を示す断面図である。
【図9C】図9Aの断面9A−9A′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図9D】図9Bの断面9B−9B′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図9E】図9Aの断面9C−9C′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図9F】図9Bの断面9D−9D′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図10A】P基板上で成長したPエピタキシャル層に形成される従来の分離された12VのNウェルの断面図である。
【図10B】この発明に従って形成される、分離された12VのNウェルの断面図である。
【図10C】図10Aの断面10A−10A′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図10D】図10Bの断面10B−10B′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図10E】図10Aの断面10C−10C′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図10F】図10Bの断面10D−10D′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図10G】N層の注入エネルギを変えることによって図10Bの断面10D−10D′で取得可能な代替的なドーピングプロファイルを示す図である。
【図10H】N層の注入エネルギを変えることによって図10Bの断面10D−10D′で取得可能な代替的なドーピングプロファイルを示す図である。
【図10I】N層の注入エネルギを変えることによって図10Bの断面10D−10D′で取得可能な代替的なドーピングプロファイルを示す図である。
【図10J】図10Bの構造において12Vの注入のみがフィールド酸化物層を通して実行された場合に得られる断面図である。
【図10K】図10Bの構造において12Vの注入のみがフィールド酸化物層を通して実行された場合に得られるドーピングプロファイルである。
【図10L】フィールド酸化物層の下のさまざまなレベルのドーピング濃度について、フィールド酸化物層の厚さの関数としてのNウェルのフィールドしきい値電圧を示すグラフである。
【図11A】P基板上に成長するPエピタキシャル層に形成される従来のPウェルの断面図である。
【図11B】この発明に従って形成される5VのPウェルの断面図である。
【図11C】図11Aの断面11A−11A′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11D】図11Bの断面11B−11B′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11E】図11Aの断面11C−11C′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11F】図11Bの断面11D−11D′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11G】フィールド酸化物層の下に保護リングを有する、図11Aに示す構造の改良されたバージョンの断面図である。
【図11H】この発明に従って形成される12VのPウェルの断面図である。
【図11I】図11Gの断面11E−11E′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11J】図11Hの断面11G−11G′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11K】図11Gの断面11F−11F′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図11L】図11Hの断面11H−11H′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図12A】従来の構造において、N埋込層と浅いP+領域との間の降伏電圧がどのように決められるかを示す断面図である。
【図12B】この発明に従った構造において、注入された深いN層と浅いP+領域との間の降伏電圧がどのように決められるかを示す断面図である。
【図12C】図12Aおよび図12Bの構造における、N層と浅いP+領域との間の分離の関数としての降伏電圧のグラフである。
【図13A】エピタキシャル層に分離ポケットを形成するための従来の手法を示す図である。
【図13B】エピタキシャル層に分離ポケットを形成するための従来の手法を示す図である。
【図13C】図13Aの断面13A−13A′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図13D】図13Bの断面13B−13B′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図13E】この発明に従って基板に分離ポケットを形成するための従来の手法を示す図である。
【図13F】この発明に従って基板に分離ポケットを形成するための従来の手法を示す図である。
【図13G】図13Eおよび図13Fの断面13C−13C′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図13H】図13Eの断面13D−13D′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図13I】図13Fの断面13E−13E′でのドーピングプロファイルを示す図である。
【図14A】単一の深いN層が相補型ウェルを分離するためにどのように使用可能かを示す断面図である。
【図14B】深いN層が5VのPウェルの下の区域に制限されている点以外は図14Aに示すものと同様の構造の断面図である。
【図14C】図14Aの構造の平面図である。
【図14D】Pウェル保護リングが分離構造に接触している代替的な一構造の平面図である。
【図14E】図14Bの構造の平面図である。
【図14F】フィールド酸化物層の開口部を通してNウェルの一部と深いN層とを接触させるために使用されるN+コンタクト領域を示す断面図である。
【図14G】図14Fに示すN+コンタクト領域の平面図である。
【図14H】P基板のポケットを分離する深いN層に接触するために使用されるN+コンタクト領域を示す断面図である。
【図14I】フィールド酸化物層の下で、5VのNウェルのまわりでP基板の表面に向かって延びる深いN層の断面図である。
【図14J】深いN層が5VのNウェル直下の区域に制限されている点以外は図14Iに示すものと同様の構造の断面図である。
【図14K】深いN層が横方向に延びるようになっている場合に形成される縦方向寄生バイポーラトランジスタを示す断面図である。
【図14L】深いN層が横方向に制限されている場合に形成される傾斜した寄生バイポーラトランジスタを示す断面図である。
【図14M】深いN層が、5VのN層からの側壁を用いて、単一の5VのPウェルのためにどのように使用可能かを示す断面図である。
【図14N】図14Mの5VのN層が十分に幅広く作られている場合に、寄生バイポーラトランジスタがどのようにして縦方向に作られるかを示す断面図である。
【図14O】図14Mの5VのN層が十分に狭く作られている場合に、寄生バイポーラトランジスタがどのようにして水平方向に作られるかを示す断面図である。
【図14P】図14Mの5VのN層が省略されている場合に、抵抗性の接続がどのようにしてPウェルとP基板との間に形成されるかを示す断面図である。
【図15A】単一の深いN層によってP基板から分離された2つの12VのPウェルと1つの12VのNウェルとを示す断面図である。
【図15B】深いN層によってP基板から分離された単一の12VのPウェルと、5VのN層で形成され、まわりのP保護リングから隔てられた2つの側壁とを示す断面図である。
【図15C】分離側壁が12VのN層を含む点以外は図15Bに示すものと同様の構造の断面図である。
【図15D】12VのNウェルの側に延びる深いN層によってP基板から分離された12VのNウェルの断面図である。
【図15E】隣接する12VのNウェルと12VのPウェルとが接触可能で、かつ依然として表面で降伏条件を満たしていることを示す断面図である。
【図15F】5VのN層と5VのP層とが12VのNウェルと12VのPウェルとの間に導入されている点以外は図15Eに示すものと同様の構造の断面図である。
【図16A】各々相補型のPウェルに関連し、2つの異なる電圧によってバイアスをかけられ、互いに独立して動作する2つの分離した5VのNウェルの断面図である。
【図16B】図16Aに示す構造の平面図である。
【図16C】図16Aに示す構造の概略的な回路図である。
【図16D】ウェルの相補型の一方の組が5Vのペアで、相補型ウェルの他方の組が12Vのペアである点以外は図16Aに示すものと同様の構造の断面図である。
【図16E】図16Dに示す構造の概略的な回路図である。
【図16F】図16Dに示す構造の平面図である。
【図17A】半導体材料にドープされた領域を形成するための従来のプロセスを要約したフロー図である。
【図17B】この発明に従って半導体材料にドープされた領域を形成するためのプロセスを要約したフロー図である。
【図17C】従来の注入および拡散プロセスによって生成される典型的なガウス形ドーピングプロファイルを示す図である。
【図17D】「連鎖」注入によって生成されるドーピングプロファイルを示す図である。
【図17E】2つの連鎖注入のドーピングプロファイルの詳細な図である。
【図17F】基板の表面上の酸化物層を通して行なわれた、図17Eに示す2つの連鎖注入のドーピングプロファイルの詳細な図である。
【図17G】深い注入のピークドーピング濃度が浅い注入のピークドーピング濃度よりも大きい、2つの連鎖注入のドーピングプロファイルの詳細な図である。
【図17H】基板の表面上の酸化物層を通して行なわれた、図17Gに示す2つの連鎖注入のドーピングプロファイルの詳細な図である。
【図17I】図17Eおよび図17Gの4つの注入を組合せることから生じるドーピングプロファイルを示す図である。
【図17J】図17Fおよび図17Hの4つの注入を組合せることから生じるドーピングプロファイルを示す図である。
【図17K】所与のドーズ量の注入が、基板により深く注入されるにつれてより一層広がり、したがってより低いピーク濃度を有するという物理的現象を示す図である。
【図17L】所与のドーズ量の注入が、基板により深く注入されるにつれてより一層広がり、したがってより低いピーク濃度を有するという物理的現象を示す図である。
【図17M】図17Kおよび図17Lの注入が同じ基板で実行された場合に生じるドーピングプロファイルを示す図である。
【図17N】各々同じドーズ量を有するものの異なるエネルギで注入される一連の5つの注入のドーピングプロファイルを示す図である。
【図17P】注入のピーク濃度がほぼ同じになるように、より深い注入がより大きなドーズ量を有している、2つの注入のドーピングプロファイルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型の半導体基板に形成された半導体デバイスのファミリーであって、前記基板はエピタキシャル層を含まず、前記ファミリーは、トレンチゲート型MOSFETを備え、前記トレンチゲート型MOSFETは、
前記基板の表面に形成された少なくとも4つのトレンチを含み、導電性ゲート材料は、前記トレンチの各々内に配置され、各トレンチ内の前記ゲート材料は、誘電体層により前記半導体基板から分離され、第1のトレンチは、第1のメサにより第2のトレンチから分離され、前記第2のトレンチは、第2のメサにより第3のトレンチから分離され、前記第3のトレンチは、第3のメサにより第4のトレンチから分離され、
前記第2のメサは、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びるソース領域を含み、前記ソース領域は、前記第2の導電型の第1のドーピング濃度を有し、前記第2のメサはさらに、
前記第1の導電型を有し、かつ、前記ソース領域に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びるボディ領域と、
前記ボディ領域に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びる高電圧ドリフト領域とを含み、前記高電圧ドリフト領域は、前記第2の導電型の第2のドーピング濃度を有し、
前記第1のメサおよび前記第3のメサの各々は、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接してそれぞれ前記第1のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるドレイン領域を含み、前記ドレイン領域は、前記第2の導電型の第3のドーピング濃度を有し、前記第1のメサおよび前記第3のメサの各々はさらに、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記ドレイン領域に隣接してそれぞれ前記第1のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるウェルを含み、前記ウェルは、前記第2の導電型の第4のドーピング濃度を有し、前記トレンチゲート型MOSFETはさらに、
前記第2の導電型の層を含み、前記層は、前記第1のトレンチ、前記第2のトレンチ、前記第3のトレンチ、および前記第4のトレンチの各々の底部に当接し、
前記第1のドーピング濃度は、前記第2のドーピング濃度よりも高く、前記第3のドーピング濃度は、前記第4のドーピング濃度よりも高い、半導体デバイスのファミリー。
【請求項2】
CMOSのペアをさらに備え、前記CMOSのペアはPMOSおよびNMOSを含み、
前記PMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記Nウェルは降伏電圧を有し、前記PMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置されたP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記P型ソース領域とは反対側に配置されたP型ドレイン領域とを含み、
前記NMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記Pウェルは前記降伏電圧を有し、前記NMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置されたN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記N型ソース領域とは反対側に配置されたN型ドレイン領域とを含む、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項3】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項2に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項4】
前記Nウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたN型領域と、
前記Pウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたP型領域とをさらに備え、
前記P型ドレイン領域は、前記P型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第1のゲートから分離され、
前記N型ドレイン領域は、前記N型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第2のゲートから分離される、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項5】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項4に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項6】
第1のPMOSおよび第1のNMOSを含む第1のCMOSのペアと、第2のPMOSおよび第2のNMOSを含む第2のCMOSのペアとをさらに備え、
前記第1のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記第1のNウェルは第1の降伏電圧を有し、前記第1のPMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置された第1のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記第1のP型ソース領域とは反対側に配置された第1のP型ドレイン領域とを含み、
前記第1のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記第1のPウェルは、前記第1の降伏電圧を有し、前記第1のNMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置された第1のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記第1のN型ソース領域とは反対側に配置された第1のN型ドレイン領域とを含み、
前記第2のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第3の開口部の下に存在し、前記第2のウェルは第2の降伏電圧を有し、前記第2のNウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたN型領域を含み、前記第2の降伏電圧は、前記第1の降伏電圧よりも大きく、前記第2のPMOSはさらに、
第3のゲート酸化物層により前記基板から分離された第3のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの一方側に配置された第2のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの、前記第2のP型ソース領域とは反対側に配置された第2のP型ドレイン領域とを含み、前記第2のP型ドレイン領域は、前記第2のP型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第3のゲートから分離され、
前記第2のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第4の開口部の下に存在し、前記第2のPウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたP型領域を含み、前記第2のPウェルは前記第2の降伏電圧を有し、前記第2のNMOSはさらに、
第4のゲート酸化物層により前記基板から分離された第4のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの一方側に配置された第2のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの、前記第2のN型ソース領域とは反対側に配置された第2のN型ドレイン領域とを含み、前記第2のN型ドレイン領域は、前記第2のN型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第4のゲートから分離される、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項7】
前記第1のNウェルおよび前記第2のNウェルならびに前記第1のPウェルおよび前記第2のPウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項6に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項8】
NPNトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成する、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項9】
PNPトランジスタをさらに備え、前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項10】
NPNトランジスタおよびPNPトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成し、
前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項1に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項11】
第1の導電型の半導体基板に形成された半導体デバイスのファミリーであって、前記基板はエピタキシャル層を含まず、前記ファミリーは、トレンチゲート型MOSFETを備え、前記トレンチゲート型MOSFETは、
前記基板の表面に形成された少なくとも4つのトレンチを含み、導電性ゲート材料は、前記トレンチの各々内に配置され、各トレンチ内の前記ゲート材料は、誘電体層により前記半導体基板から分離され、第1のトレンチは、第1のメサにより第2のトレンチから分離され、前記第2のトレンチは、第2のメサにより第3のトレンチから分離され、前記第3のトレンチは、第3のメサにより第4のトレンチから分離され、
前記第2のメサは、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びるソース領域を含み、前記ソース領域は、前記第2の導電型の第1のドーピング濃度を有し、前記第2のメサはさらに、
前記第1の導電型を有し、かつ、前記ソース領域に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びるボディ領域と、
前記ボディ領域に隣接して前記第2のメサを完全に横切って延びる高電圧ドリフト領域とを含み、前記高電圧ドリフト領域は、前記第2の導電型の第2のドーピング濃度を有し、
前記第1のメサおよび前記第3のメサの各々は、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接してそれぞれ前記第1のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるドレイン領域を含み、前記ドレイン領域は、前記第2の導電型の第3のドーピング濃度を有し、前記第1のメサおよび前記第3のメサの各々はさらに、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記ドレイン領域に隣接してそれぞれ前記第1のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるウェルを含み、前記ウェルは、前記第2の導電型の第4のドーピング濃度を有し、前記トレンチゲート型MOSFETはさらに、
前記第2の導電型の第1の層を含み、前記第1の層は、前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの各々の底部ならびに前記高電圧ドリフト領域に当接し、前記トレンチゲート型MOSFETはさらに、
前記第2の導電型の第2の層を含み、前記第2の層は、前記第3のトレンチおよび前記第4のトレンチの各々の底部ならびに前記高電圧ドリフト領域に当接し、前記第1の層は、前記第2の層から間隔を空けて配置され、
前記第1のドーピング濃度は、前記第2のドーピング濃度よりも高く、前記第3のドーピング濃度は、前記第4のドーピング濃度よりも高い、半導体デバイスのファミリー。
【請求項12】
CMOSのペアをさらに備え、前記CMOSはPMOSおよびNMOSを含み、
前記PMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記Nウェルは降伏電圧を有し、前記PMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置されたP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記P型ソース領域とは反対側に配置されたP型ドレイン領域とを含み、
前記NMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記Pウェルは前記降伏電圧を有し、
前記NMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置されたN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記N型ソース領域とは反対側に配置されたN型ドレイン領域とを含む、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項13】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項12に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項14】
前記Nウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたN型領域と、
前記Pウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたP型領域とをさらに備え、
前記P型ドレイン領域は、前記P型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第1のゲートから分離され、
前記N型ドレイン領域は、前記N型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第2のゲートから分離される、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項15】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項14に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項16】
第1のPMOSおよび第1のNMOSを含む第1のCMOSのペアと、第2のPMOSおよび第2のNMOSを含む第2のCMOSのペアとをさらに備え、
前記第1のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記第1のNウェルは第1の降伏電圧を有し、前記第1のPMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置された第1のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記第1のP型ソース領域とは反対側に配置された第1のP型ドレイン領域とを含み、
前記第1のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記第1のPウェルは前記第1の降伏電圧を有し、前記第1のNMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置された第1のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記第1のN型ソース領域とは反対側に配置された第1のN型ドレイン領域とを含み、
前記第2のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第3の開口部の下に存在し、前記第2のウェルは第2の降伏電圧を有し、前記第2のNウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたN型領域を含み、前記第2の降伏電圧は、前記第1の降伏電圧よりも大きく、前記
第2のPMOSはさらに、
第3のゲート酸化物層により前記基板から分離された第3のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの一方側に配置された第2のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの、前記第2のP型ソース領域とは反対側に配置された第2のP型ドレイン領域とを含み、前記第2のP型ドレイン領域は、前記第2のP型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第3のゲートから分離され、
前記第2のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第4の開口部の下に存在し、前記第2のPウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたP型領域を含み、前記第2のPウェルは前記第2の降伏電圧を有し、前記第2のNMOSはさらに、
第4のゲート酸化物層により前記基板から分離された第4のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの一方側に配置された第2のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの、前記第2のN型ソース領域とは反対側に配置された第2のN型ドレイン領域とを含み、前記第2のN型ドレイン領域は、前記第2のN型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第4のゲートから分離される、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項17】
前記第1のウェルおよび前記第2のNウェルならびに前記第1のPウェルおよび前記第2のPウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項16に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項18】
NPNトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成する、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項19】
PNPトランジスタをさらに備え、前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、基板の表面から下方に延びる、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項20】
NPNトランジスタおよびPNPトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成し、
前記PNPトランジスタは、基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポ
ケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項11に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項21】
第1の導電型の半導体基板に形成された半導体デバイスのファミリーであって、前記基板はエピタキシャル層を含まず、前記ファミリーは、トレンチゲート型MOSFETを備え、前記トレンチゲート型MOSFETは、
前記基板の表面に形成された少なくとも4つのトレンチを含み、導電性ゲート材料は、前記トレンチの各々内に配置され、各トレンチ内の前記ゲート材料は、誘電体層により前記半導体基板から分離され、第1のトレンチは、第1のメサにより第2のトレンチから分離され、前記第2のトレンチは、第2のメサにより第3のトレンチから分離され、前記第3のトレンチは、第3のメサにより第4のトレンチから分離され、
前記第1のメサは、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接して前記第1のメサを完全に横切って延びるドレイン領域を含み、前記ドレイン領域は、前記第2の導電型の第1のドーピング濃度を有し、前記第1のメサはさらに、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記ドレイン領域に隣接して前記第1のメサを完全に横切って延びるウェルを含み、前記ウェルは、前記第2の導電型の第2のドーピング濃度を有し、
前記第2のメサおよび前記第3のメサの各々は、
前記第2の導電型を有し、かつ、前記基板の表面に隣接してそれぞれ前記第2のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるソース領域を含み、前記ソース領域は、前記第2の導電型の第3のドーピング濃度を有し、前記第2のメサおよび前記第3のメサの各々はさらに、
前記第1の導電型を有し、かつ、前記ソース領域に隣接してそれぞれ前記第2のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びるボディ領域と、
前記ボディ領域に隣接してそれぞれ前記第2のメサおよび前記第3のメサを完全に横切って延びる高電圧ドリフト領域とを含み、前記高電圧ドリフト領域は、前記第2の導電型の第4のドーピング濃度を有し、前記トレンチゲート型MOSFETはさらに、
前記第2の導電型の層を含み、前記層は、前記第1のトレンチ、前記第2のトレンチ、前記第3のトレンチ、および前記第4のトレンチの各々の底部に当接し、
前記第1のドーピング濃度は、前記第2のドーピング濃度よりも高く、前記第3のドーピング濃度は、前記第4のドーピング濃度よりも高い、半導体デバイスのファミリー。
【請求項22】
CMOSのペアをさらに備え、前記CMOSのペアはPMOSおよびNMOSを含み、
前記PMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記Nウェルは降伏電圧を有し、前記PMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置されたP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記P型ソース領域とは反対側に配置されたP型ドレイン領域とを含み、
前記NMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記Pウェルは前記降伏電圧を有し、前記NMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置されたN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記N型ソース領域とは反対側に配置されたN型ドレイン領域とを含む、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項23】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項22に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項24】
前記Nウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたN型領域と、
前記Pウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたP型領域とをさらに備え、
前記P型ドレイン領域は、前記P型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第1のゲートから分離され、
前記N型ドレイン領域は、前記N型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第2のゲートから分離される、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項25】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項24に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項26】
第1のPMOSおよび第1のNMOSを含む第1のCMOSのペアと、第2のPMOSおよび第2のNMOSを含む第2のCMOSのペアとをさらに備え、
前記第1のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記第1のNウェルは第1の降伏電圧を有し、前記第1のPMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置された第1のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記第1のP型ソース領域とは反対側に配置された第1のP型ドレイン領域とを含み、
前記第1のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記第1のPウェルは前記第1の降伏電圧を有し、前記第1のNMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置された第1のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記第1のN型ソース領域とは反対側に配置された第1のN型ドレイン領域とを含み、
前記第2のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第3の開口部の下に存在し、前記第2のウェルは第2の降伏電圧を有し、前記第2のNウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたN型領域を含み、前記第2の降伏電圧は、前記第1の降伏電圧よりも大きく、前記第2のPMOSはさらに、
第3のゲート酸化物層により前記基板から分離された第3のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの一方側に配置された第2のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの、前記第2のP型ソース領域とは反対側に配置された第2のP型ドレイン領域とを含み、前記第2のP型ドレイン領域は、前記第2のP型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第3のゲートから分離され、
前記第2のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第4の開口部の下に存在し、前記第2のPウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたP型領域を含み、前記第2のPウェルは前記第2の降伏電圧を有し、前記第2のNMOSはさらに、
第4のゲート酸化物層により前記基板から分離された第4のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの一方側に配置された第2のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの、前記第2のN型ソース領域とは反対側に配置された第2のN型ドレイン領域とを含み、前記第2のN型ドレイン領域は、前記第2のN型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第4のゲートから分離される、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項27】
前記第1のNウェルおよび前記第2のNウェルならびに前記第1のPウェルおよび前記第2のPウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項26に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項28】
NPNトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内のP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内のN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成する、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項29】
PNPトランジスタをさらに備え、前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項30】
NPNトランジスタおよびPNPトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成し、
前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項21に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項31】
第1の導電型の半導体基板に形成された半導体デバイスのファミリーであって、前記基板はエピタキシャル層を含まず、前記ファミリーは、横型DMOSを含み、前記横型DMOSは、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型のソース領域を含み、前記ソース領域は、前記基板の表面に配置され、前記横型DMOSはさらに、
前記第1の導電型のボディを含み、前記ボディは、前記基板の前記表面に隣接するチャネル領域を含み、前記ソース領域は、前記ボディ内に形成され、前記横型DMOSはさらに、
前記第2の導電型を有し、前記基板の前記表面に配置されたドレイン領域と、
前記基板の前記表面に形成されて前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に介在するフィールド酸化物層と、
前記第2の導電型のドリフト領域とを含み、前記ドリフト領域は、前記ドレイン領域および前記チャネル領域に当接して前記フィールド酸化物層の下に延び、前記ドリフト領域は、前記ドレイン領域よりも低ドープされ、前記横型DMOSはさらに、
ゲートを含み、前記ゲートの第1の部分は、前記チャネル領域の上に存在し、かつ、ゲート酸化物層により前記チャネル領域から分離され、前記ゲートの第2の部分は、前記フィールド酸化物層の上に存在する、半導体デバイスのファミリー。
【請求項32】
CMOSのペアをさらに備え、前記CMOSのペアはPMOSおよびNMOSを含み、
前記PMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記Nウェルは降伏電圧を有し、前記PMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置されたP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記P型ソース領域とは反対側に配置されたP型ドレイン領域とを含み、
前記NMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有するPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記Pウェルは前記降伏電圧を有し、前記NMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置されたN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記N型ソース領域とは反対側に配置されたN型ドレイン領域とを含む、請求項31に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項33】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項32に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項34】
前記Nウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたN型領域と、
前記Pウェルの相対的に浅い部分の各々に、相対的に高ドープされたP型領域とをさらに備え、
前記P型ドレイン領域は、前記P型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第1のゲートから分離され、
前記N型ドレイン領域は、前記N型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第2のゲートから分離される、請求項31に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項35】
前記Nウェルおよび前記Pウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項34に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項36】
第1のPMOSおよび第1のNMOSを含む第1のCMOSのペアと、第2のPMOSおよび第2のNMOSを含む第2のCMOSのペアとをさらに備え、
前記第1のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記第1のNウェルは第1の降伏電圧を有し、前記第1のPMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの一方側に配置された第1のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記第1のP型ソース領域とは反対側に配置された第1のP型ドレイン領域とを含み、
前記第1のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記第1のPウェルは前記第1の降伏電圧を有し、前記第1のNMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置された第1のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記第1のN型ソース領域とは反対側に配置された第1のN型ドレイン領域とを含み、
前記第2のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第3の開口部の下に存在し、前記第2のウェルは第2の降伏電圧を有し、前記第2のNウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたN型領域を含み、前記第2の降伏電圧は、前記第1の降伏電圧よりも大きく、前記第2のPMOSはさらに、
第3のゲート酸化物層により前記基板から分離された第3のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの一方側に配置された第2のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの、前記第2のP型ソース領域とは反対側に配置された第2のP型ドレイン領域とを含み、前記第2のP型ドレイン領域は、前記第2のP型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第3のゲートから分離され、
前記第2のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第4の開口部の下に存在し、前記第2のPウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたP型領域を含み、前記第2のPウェルは前記第2の降伏電圧を有し、前記第2のNMOSはさらに、
第4のゲート酸化物層により前記基板から分離された第4のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの一方側に配置された第2のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの、前記第2のN型ソース領域とは反対側に配置された第2のN型ドレイン領域とを含み、前記第2のN型ドレイン領域は、前記第2のN型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第4のゲートから分離される、請求項31に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項37】
前記第1のNウェルおよび前記第2のNウェルならびに前記第1のPウェルおよび前記第2のPウェルの下に存在する、前記第2の導電型の分離層を備える、請求項36に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項38】
NPNトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内のP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内のN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成する、請求項31に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項39】
PNPトランジスタをさらに備え、前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項38に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項40】
NPNトランジスタおよびPNPトランジスタをさらに備え、前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内のP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成し、
前記PNPトランジスタは、前記基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、請求項31に記載の半導体デバイスのファミリー。
【請求項41】
第1の導電型の半導体基板に形成された半導体デバイスのファミリーであって、前記基板はエピタキシャル層を含まず、前記ファミリーは、第1のCMOSのペア、第2のCMOSのペア、NPNトランジスタ、およびPNPトランジスタを備え、前記第1のCMOSのペアは、第1のPMOSおよび第1のNMOSを含み、前記第2のCMOSのペアは、第2のPMOSおよび第2のNMOSを含み、
前記第1のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第1の開口部の下に存在し、前記第1のNウェルは第1の降伏電圧を有し、前記第1のPMOSはさらに、
第1のゲート酸化物層により前記基板から分離された第1のゲートと、
前記基板の表面において、前記第1のゲートの一方側に配置された第1のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第1のゲートの、前記第1のP型ソース領域とは反対側に配置された第1のP型ドレイン領域とを含み、
前記第1のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第1のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第2の開口部の下に存在し、前記第1のPウェルは前記第1の降伏電圧を有し、前記第1のNMOSはさらに、
第2のゲート酸化物層により前記基板から分離された第2のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの一方側に配置された第1のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第2のゲートの、前記第1のN型ソース領域と反対側に配置された第1のN型ドレイン領域とを含み、
前記第2のPMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のNウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第3の開口部の下に存在し、前記第2のウェルは第2の降伏電圧を有し、前記第2のNウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたN型領域を含み、前記第2の降伏電圧は、前記第1の降伏電圧よりも大きく、前記第2のPMOSはさらに、
第3のゲート酸化物層により前記基板から分離された第3のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの一方側に配置された第2のP型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第3のゲートの、前記第2のP型ソース領域とは反対側に配置された第2のP型ドレイン領域とを含み、前記第2のP型ドレイン領域は、前記第2のP型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第3のゲートから分離され、
前記第2のNMOSは、
相対的に深い中央部と相対的に浅い側方部とを有する第2のPウェルを含み、前記相対的に浅い側方部は、前記フィールド酸化物層の下に存在し、前記相対的に深い中央部は、前記フィールド酸化物層の第4の開口部の下に存在し、前記第2のPウェルの前記相対的に浅い部分の各々は、相対的に高ドープされたP型領域を含み、前記第2のPウェルは前記第2の降伏電圧を有し、前記第2のNMOSはさらに、
第4のゲート酸化物層により前記基板から分離された第4のゲートと、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの一方側に配置された第2のN型ソース領域と、
前記基板の前記表面において、前記第4のゲートの、前記第2のN型ソース領域とは反対側に配置された第2のN型ドレイン領域とを含み、前記第2のN型ドレイン領域は、前記第2のN型ソース領域よりも大きな距離だけ前記第4のゲートから分離され、
前記NPNトランジスタは、
N型コレクタ領域を含み、前記コレクタ領域は、N型導電性の環状ウェルを含み、前記ウェルは、前記基板の前記表面から下方に延び、N型導電性の層と合流して、前記基板の分離されたポケットを取囲み、前記NPNトランジスタはさらに、
前記分離されたポケット内にP型ベース領域と、
前記分離されたポケット内にN型エミッタ領域とを含み、前記ベース領域および前記エミッタ領域の各々は、前記基板の前記表面に到達し、前記P型ベース領域は、前記N型エミッタ領域とのPN接合部を形成し、
前記PNPトランジスタは、基板の分離されたポケットに形成され、前記分離されたポケットは、NウェルおよびN層により形成され、前記Nウェルは、前記基板の表面から下方に延びる、半導体デバイスのファミリー。
【請求項42】
半導体基板に分離されたポケットを形成する方法であって、
第1の導電型の半導体基板を提供するステップと、
前記基板の表面にフィールド酸化物層を形成するステップとを含み、前記フィールド酸化物層は開口部を規定し、前記方法はさらに、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型の第1の層を形成するために、前記開口部および前記フィールド酸化物層を介して、前記第2の導電型のドーパントの第1の注入を実施するステップを含み、前記第1の層は、前記開口部の下に深い部分と、前記フィールド酸化物層の下に浅い部分とを含み、前記浅い部分は、垂直方向の間隙により前記フィールド酸化物層から分離され、前記方法はさらに、
マスク層を形成するステップを含み、前記マスク層は、前記フィールド酸化物層の上に開口部を有し、前記方法はさらに、
前記基板に側壁領域を形成するために、前記マスク層の前記開口部および前記フィールド酸化物層を介して前記第2の導電型のドーパントの少なくとも1つの追加の注入を実施するステップを含み、前記側壁領域は、少なくとも前記基板の表面から前記垂直方向の間隙を横切って前記第1の層内に延び、前記第1の層および前記側壁領域は、前記基板の第1の分離されたポケットの境界を定める第1の分離領域を形成する、方法。
【請求項43】
前記基板は、エピタキシャル層を含まない、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
フィールド酸化物層を形成する前にエピタキシャル層を形成するステップを含まない、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記マスク層は、前記少なくとも1つの追加の注入からのドーパントが、前記フィールド酸化物層の前記開口部よりも下の前記基板の領域に進入することを防止する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
第2の開口部を規定する前記フィールド酸化物層の第2の部分を形成するステップを含み、前記少なくとも1つの追加の注入を実施するステップは、前記第2の部分および前記第2の開口部を介して前記第2の導電型のドーパントを注入し、それによって前記第2の導電型の第2の層を形成するステップを含み、前記第2の層は、前記第2の開口部の下の深い部分と、前記フィールド酸化物層の前記第2の部分の下の浅い部分とを含み、前記浅い部分は、前記基板の前記表面に当接し、前記第2の層は、それによって前記基板の第2の分離されたポケットの境界を定める第2の分離領域を形成する、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の分離されたポケットは、12Vのデバイスを保持するように設計され、前記第2の分離されたポケットは、5Vのデバイスを保持するように設計される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の開口部を介して前記第2の導電型のドーパントの第3の注入を実施するステップと、前記第3の注入を拡散させて前記第2の導電型の第1のウェルを形成するために前記基板を加熱するステップとを含み、第3の注入を実施する前記ステップおよび加熱する前記ステップは、第1の注入を実施する前記ステップまたは少なくとも1つの追加の注入を実施する前記ステップの前に実施される、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
加熱する前記ステップの後に前記第1の層と前記第1のウェルとがオーバーラップするように実施される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記基板は、前記第1の注入および前記少なくとも1つの追加の注入が実施された後に前記第2の導電型の前記ドーパントの有意な拡散を生じる熱処理に曝されない、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記基板は、前記第1の注入および前記少なくとも1つの追加の注入が実施された後に前記第2の導電型の前記ドーパントの有意な拡散を生じる熱処理に曝されない、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の注入は、前記少なくとも1つの追加の注入が実施されるエネルギよりも大きなエネルギで実施される、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の層は、前記第1の層の前記深い部分の下端縁が、前記基板の前記表面よりも1.5から4.0ミクロン下に位置するように注入される、請求項42に記載の方法。
【請求項54】
半導体基板に分離されたポケットを形成する方法であって、
第1の導電型の半導体基板を提供するステップと、
前記基板の表面にフィールド酸化物層を形成するステップとを含み、前記フィールド酸化物層は開口部を規定し、前記方法はさらに、
前記第1の導電型とは反対の第2の導電型の層を形成するために、前記開口部および前記フィールド酸化物層を介して前記第2の導電型のドーパントの注入を実施するステップを含み、前記層は、前記開口部の下に深い部分と、前記フィールド酸化物層の下に浅い部分とを含み、前記浅い部分は、前記基板の前記表面に当接し、前記層は、それによって前記基板の分離されたポケットの境界を定める分離領域を形成する、方法。
【請求項55】
前記分離されたポケットは、5Vのデバイスを保持するように設計される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記開口部を介して前記第2の導電型のドーパントの第2の注入を実施するステップと、
前記第2の注入を拡散させて前記第2の導電型のウェルを形成するために前記基板を加熱するステップとを含み、前記第2の注入を実施する前記ステップおよび加熱する前記ステップは、第1の注入を実施する前記ステップの前に実施される、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
加熱する前記ステップの後に前記層と前記ウェルとがオーバーラップするように実施される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記基板は、前記第1の注入が実施された後に前記第2の導電型の前記ドーパントの拡散を生じる熱処理に曝されない、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
第1の導電型の半導体基板と、
前記基板の表面に形成されたフィールド酸化物層とを備え、前記フィールド酸化物層は開口部を規定し、前記フィールド酸化物領域は、前記フィールド酸化物層の厚さが実質的に一定である平坦な領域と、前記フィールド酸化物領域の厚さが前記開口部の周辺において徐々にゼロまで減少する、前記開口部の周囲のテーパ状にされた領域とを含み、さらに、
前記基板に、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型のドーパントの層を備え、前記層は、前記フィールド酸化物層の前記平坦な領域の下において前記基板の表面に当接し、前記フィールド酸化物層の前記テーパ状にされた領域の少なくとも一部の下および前記開口部の下において前記表面から間隔を空けて配置され、前記基板に分離されたポケットを形成する、半導体デバイス。
【請求項60】
前記基板における前記層の深さは、前記フィールド酸化物層の前記テーパ状にされた領
域の少なくとも一部の下において徐々に増大する、請求項59に記載の半導体デバイス。
【請求項61】
前記層の前記深さは、前記開口部の方向に増大する、請求項60に記載の半導体デバイス。
【請求項62】
前記フィールド酸化物層の前記厚さがゼロに等しい、前記テーパ状にされた領域の地点における、前記基板の前記表面よりも下の前記層の深さは、前記開口部の下における前記基板の前記表面よりも下の前記層の深さと同じである、請求項59に記載の半導体デバイス。
【請求項63】
前記基板における前記層の深さは、前記テーパ状にされた領域の下の地点におけるゼロから、前記開口部の下の所定の値まで徐々に増大する、請求項59に記載の半導体デバイス。
【請求項64】
前記フィールド酸化物層は第2の開口部を規定し、前記デバイスはさらに、
前記第2の開口部の周囲において、前記フィールド酸化物層の一部の下に前記第2の導電型のドーパントの側壁領域と、
前記基板において前記第2の導電型のドーパントの第2の層とを備え、前記第2の層の一部は前記開口部よりも下に位置付けられ、前記第2の層は、前記側壁領域とオーバーラップして、前記基板に第2の分離されたポケットを形成する、請求項59に記載の半導体デバイス。

【図17P】4つの注入すべてのピーク濃度がほぼ同じになるように、より深い注入が徐々により大きなドーズ量を有している、4つの注入のドーピングプロファイルを示す図である。
【図17R】基板における注入の横方向の広がりを示す、フォトレジスト層のウィンドウを介する一連の注入を示す断面図である。
【図17S】ドーパントが非導電性材料で充填された2つのトレンチ間の領域に注入されてドーパントの横方向の広がりが制限される点以外は図17Rに示すものと同様の断面図である。
【図17T】最も深いドーパントが2つのトレンチよりも下のレベルに注入され、それが横方向に広がるようになる点以外は図17Sと同様の断面図である。
【図17U】図17Tに示す一連の注入から生じる注入された領域の断面図である。
【図17V】N型エピタキシャル層を通ってP型基板へ行なわれる一連の連鎖P型注入の図である。
【図17W】図17Vに示す注入から得られるドーピングプロファイルの図である。
【図17X】誘電体で充填された1対のトレンチにより注入が制約される点以外は図17Vに示すものと同様の一連の連鎖注入の図である。
【図17Y】図17Xに示す注入から得られるドーピングプロファイルの図である。
【図17Z】注入された深いN型フロア分離領域上に環状またはリング状で重複して、共通の基板から隔てられた分離ポケットを形成するP基板への一連の注入を含む、CIJI側壁分離領域を示す図である。
【図17AA】図17Zに示す注入から得られるドーピングプロファイルの図である。
【図17BB】図17Zに示す注入の横方向散在を制約する、誘電体が充填されたトレンチの使用を示す図である。
【図17CC】図17CCに示す注入から得られるドーピングプロファイルの図である。
【図18A】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、5VのPMOS、5VのNMOS、12VのPMOS、12VのNMOS、5VのNPN、5VのPNP、30Vチャネルストップ、および30V横型トレンチDMOSを示す図である。
【図18B】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、12Vの対称型CMOS、ポリ−ポリキャパシタ、Pベースを有するNPN、12Vチャネルストップ、および12V横型トレンチDMOSを示す図である。
【図18C】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、5VのCMOSペアを示す図である。
【図18D】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、Pボディ領域を含む交互のメサを含み、単一の深いN層がすべてのメサの下に位置している、横型トレンチMOSFETを示す図である。
【図18E】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、別々の深いN層が、Pボディ領域を含まないメサの下のみに位置している点以外は図18Dに示すものと同様の横型トレンチMOSFETを示す図である。
【図18F】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、1つを除くすべてのメサがPボディ領域を含む点以外は図18Dに示すものと同様の横型トレンチMOSFETを示す図である。
【図18G】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、30V横型N−チャネルDMOSを示す図である。
【図18H】この発明のプロセスを用いて基板に同時に作製可能な「デバイス集積」の断面図であり、横型P−チャネルDMOSを示す図である。
【図19A】図18Aに示す5VのCMOSの等価回路図である。
【図19B】図18Aに示す12VのCMOSの等価回路図である。
【図19C】図18Aに示す5VのNPNの等価回路図である。
【図19D】図18Aに示す5VのPNPの等価回路図である。
【図19E】図18Aに示す30Vトレンチ横型DMOSの等価回路図である。
【図19F】図18Bに示すポリ−ポリキャパシタの等価回路図である。
【図19G】ポリ抵抗の等価回路図である(図18A〜18Gには図示せず)。
【図19H】図18Gに示す30V横型DMOSの等価回路図である。
【図20A】この発明に従ったプロセスのフロー図である。
【図20B】この発明に従ったプロセスのフロー図である。
【図21】基板上での第1のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図22A】窒化マスクの堆積およびパターニングを示す図である。
【図22B】窒化マスクの堆積およびパターニングを示す図である。
【図22C】窒化マスクの堆積およびパターニングを示す図である。
【図22D】窒化マスクの堆積およびパターニングを示す図である。
【図22E】窒化マスクの堆積およびパターニングを示す図である。
【図23A】フィールド酸化物層の成長を示す図である。
【図23B】フィールド酸化物層の成長を示す図である。
【図23C】フィールド酸化物層の成長を示す図である。
【図23D】フィールド酸化物層の成長を示す図である。
【図23E】フィールド酸化物層の成長を示す図である。
【図24A】基板上での第2のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図24B】基板上での第2のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図24C】基板上での第2のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図24D】基板上での第2のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図24E】基板上での第2のパッド酸化物層の成長を示す図である。
【図25D】トレンチハードマスクの形成およびパターニングを示す図である。
【図26D】犠牲酸化物層の成長を示す図である。
【図27D】トレンチゲート酸化物の成長を示す図である。
【図28D】第1のポリシリコン層の堆積を示す図である。
【図29D】第1のポリシリコン層の第1のエッチバックを示す図である。
【図30D】トレンチハードマスクの除去と第2のポリシリコン層の堆積とを示す図である。
【図31D】第1のポリシリコン層の第2のエッチバックを示す図である。
【図32D】第2のポリシリコン層の堆積を示す図である。
【図33D】第1の層間誘電体の形成を示す図である。
【図34D】第1の層間誘導体および第2のポリシリコン層のエッチバックを示す図である。
【図35A】深いNマスクの形成および深いNマスクの注入を示す図である。
【図35B】深いNマスクの形成および深いNマスクの注入を示す図である。
【図35C】深いNマスクの形成および深いNマスクの注入を示す図である。
【図35D】深いNマスクの形成および深いNマスクの注入を示す図である。
【図35E】深いNマスクの形成および深いNマスクの注入を示す図である。
【図36D】Nドリフト領域の注入の第1段階を示す図である。
【図37D】Nドリフト領域の注入の第2段階を示す図である。
【図38E】12VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図39E】12VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図40A】5VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図40B】5VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図40C】5VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図40D】5VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図40E】5VのNウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図41A】5VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図41B】5VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図41C】5VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図41D】5VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図41E】5VのNウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図42A】5VのNウェルの注入の第3段階を示す図である。
【図42B】5VのNウェルの注入の第3段階を示す図である。
【図42C】5VのNウェルの注入の第3段階を示す図である。
【図42D】5VのNウェルの注入の第3段階を示す図である。
【図42E】5VのNウェルの注入の第3段階を示す図である。
【図43B】12VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図43C】12VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図43E】12VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図44B】12VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図44C】12VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図44E】12VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図45A】5VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図45B】5VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図45C】5VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図45E】5VのPウェルの注入の第1段階を示す図である。
【図46A】5VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図46B】5VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図46C】5VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図46E】5VのPウェルの注入の第2段階を示す図である。
【図47D】エッチブロックマスクの形成およびプレーナデバイスの活性領域のエッチングを示す図である。
【図48A】プレーナデバイスのための第1のゲート酸化物層の形成を示す図である。
【図48E】プレーナデバイスのための第1のゲート酸化物層の形成を示す図である。
【図49A】しきい値調整注入の第1段階を示す図である。
【図49E】しきい値調整注入の第1段階を示す図である。
【図50A】しきい値調整注入の第2段階および第1のプレーナゲート酸化物層の除去を示す図である。
【図50E】しきい値調整注入の第2段階および第1のプレーナゲート酸化物層の除去を示す図である。
【図51A】プレーナデバイスのための第2のゲート酸化物層の形成を示す図である。
【図51E】プレーナデバイスのための第2のゲート酸化物層の形成を示す図である。
【図52A】第3のポリシリコン層の堆積を示す図である。
【図52D】第3のポリシリコン層の堆積を示す図である。
【図52E】第3のポリシリコン層の堆積を示す図である。
【図53A】プレーナデバイスのゲートの形成を示す図である。
【図53D】プレーナデバイスのゲートの形成を示す図である。
【図53E】プレーナデバイスのゲートの形成を示す図である。
【図54A】Nベースマスクの形成およびNベース領域の注入を示す図である。
【図54B】Nベースマスクの形成およびNベース領域の注入を示す図である。
【図54C】Nベースマスクの形成およびNベース領域の注入を示す図である。
【図54D】Nベースマスクの形成およびNベース領域の注入を示す図である。
【図54E】Nベースマスクの形成およびNベース領域の注入を示す図である。
【図55D】Pボディマスクの形成およびPボディ領域の注入の第1段階を示す図である。
【図56D】Pボディ領域の注入の第2段階を示す図である。
【図57E】12VデバイスのためのP低ドープドレイン(P−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図58E】12VデバイスのためのN低ドープドレイン(N−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図59A】5VデバイスのためのP低ドープドレイン(P−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図59B】5VデバイスのためのP低ドープドレイン(P−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図59C】5VデバイスのためのP低ドープドレイン(P−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図59D】5VデバイスのためのP低ドープドレイン(P−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図60A】5VデバイスのためのN低ドープドレイン(N−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図60B】5VデバイスのためのN低ドープドレイン(N−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図60C】5VデバイスのためのN低ドープドレイン(N−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図60D】5VデバイスのためのN低ドープドレイン(N−LDD)領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図61A】プレーナデバイスのゲート上への酸化物側壁スペーサの形成を示す図である。
【図61D】プレーナデバイスのゲート上への酸化物側壁スペーサの形成を示す図である。
【図61E】プレーナデバイスのゲート上への酸化物側壁スペーサの形成を示す図である。
【図62A】P+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図62B】P+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図62C】P+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図62D】P+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図62E】P+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図63A】N+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図63B】N+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図63C】N+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図63D】N+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図63E】N+領域のマスキングおよび注入を示す図である。
【図64A】第2の層間誘電体の堆積およびエッチングを示す図である。
【図64B】第2の層間誘電体の堆積およびエッチングを示す図である。
【図64C】第2の層間誘電体の堆積およびエッチングを示す図である。
【図64D】第2の層間誘電体の堆積およびエッチングを示す図である。
【図64E】第2の層間誘電体の堆積およびエッチングを示す図である。
【図65A】N−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図65B】N−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図65C】N−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図65D】N−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図65E】N−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図66A】P−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図66B】P−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図66C】P−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図66D】P−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図66E】P−プラグのマスキングおよび注入を示す図である。
【図67A】金属層の形成およびパターニングを示す図である。
【図67B】金属層の形成およびパターニングを示す図である。
【図67C】金属層の形成およびパターニングを示す図である。
【図67D】金属層の形成およびパターニングを示す図である。
【図67E】金属層の形成およびパターニングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
発明の説明
先行技術の問題は、関与する熱処理が最小限で、ステップがほぼどの順序ででも実行可能なモジュール型プロセスにおいて克服される。その結果、デバイスは密に実装可能であり、浅い。加えて、プロセスは、ドープされた領域のドーピングプロファイルが実質的にどの仕様も満たすよう設定されることを可能にし、伝導特性、電界、寄生、ホットキャリア、スナップバック降伏、ノイズ、しきい値(ターンオン特性)、および切換速度のより良好な制御を提供する。
【0065】
多くの実施例では、エピタキシャル層がなく、そのため、エピタキシャル成長によって導入されるばらつき(およびより高い製造コスト)が存在しない。さらに、任意の所与の
デバイスの電圧性能は、同じIC上の他の集積デバイスに何の影響も与えることなく、それらとは完全に異なるように選択され、および実現されることが可能である。たとえば、5V回路におけるデバイスの集積密度は、同じIC上の30Vデバイスの集積によって影響されない。特定の電圧定格のデバイスが、他の構成要素およびそれらの電気的モデルに影響を与えることなく、または、回路設計およびその意図された動作の変更または「再調整」を必要とすることなく、設計に追加される、または設計から除去されることが可能である。
【0066】
この発明のプロセスは、基板から、および互いから完全に分離され、それにより接地に対して任意の電位で「浮遊」可能な金属−酸化物−シリコン(MOS)デバイスおよびバイポーラデバイスの作製を可能にする。構成要素が接地(基板)を上回って浮遊し得る最大電圧は、デバイス自体の定格と等しくなくてもよい。たとえば、密な5V構成要素のポケットは、レイアウトの5Vセクションのデザインルールに影響を与えることなく、接地を30V上回って浮遊することができる。
【0067】
この発明のプロセスはまた、その後の拡散時間に対する必要性を回避し、同様に分離およびシンカー領域(浪費空間)の横方向拡散の悪影響を回避するために、単一のマスク開口部を共通に介した、異なるエネルギの多数のイオン注入の低サーマルバジェットプロセスを用いた、狭い接合分離領域の形成も含む。低サーマルバジェットプロセスはまた、従来の作製方法を使用すると概してさらにより厚いエピタキシャル層の成長を必要とする、埋込層または深い層(もしくは基板)の望ましくない上方拡散に関連する問題も回避する。
【0068】
(一般に単一のマスクを介した)多数のエネルギの一連の連続する注入を介した、ドープ領域を形成するプロセスは、ここに「連鎖注入」と呼ばれる。この発明の一局面では、単一マスクの連鎖注入を用いて、分離構造を、分離されたポケットの側壁分離部として形成する。そのような分離構造はここに「連鎖注入接合分離部」(または略してCIJI)と呼ばれる。CIJI側壁分離構造は、2つ以上の注入(より深い分離のためには5〜6つが好ましい)によって形成されてもよく、エピタキシャル層とともに使用されるか、またはすべて注入されたエピレス分離構造において使用されてもよい。場合によっては、CIJI構造は、分離ドーピングの横方向の範囲をさらに狭くするために、酸化物で充填されたトレンチと組合わされる。
【0069】
この発明の別の特徴は、エピタキシーの必要なく(異なる電圧のCMOSおよびバイポーラを含む)十分に分離されたデバイスを形成する能力である。そのような「エピレス」分離は、CIJI側壁分離構造を、CIJI側壁分離部と同じ導電型を有する深く注入されるフロア分離または埋込ドーパント領域にオーバーラップする、リング状、環状または矩形のドーナツ形状の構造の中に組合わせる。エピタキシャルプロセスで作られたデバイスとは異なり、深い層は基板とエピタキシャル層との間の界面には形成されず、深いフロア分離ドーパントを高エネルギで注入することによって形成される。元の基板と同じ濃度および導電型を有する分離ポケットは、そのようなプロセスの結果である。そのような分離ポケットの中身は、CMOS NウェルおよびPウェル領域、バイポーラベース領域、DMOSボディ領域、または高濃度にドープされたソースドレイン領域を含む、極性がP型またはN型の任意の数のドープ領域を含んでいてもよい。
【0070】
この発明の別の属性は、共通の基板内に、異なる濃度、したがって電圧性能のウェル領域を形成する能力である。各々の場合、ドーパントプロファイルは、必要とされる接合降伏電圧を満たす十分に低い濃度を有するものの、高性能の能動デバイスの集積化を依然として可能にするよう、選択される。たとえばCMOSの場合、ウェルは、バルクパンチスルー降伏を防止するよう選択されたより高い表面下濃度と、表面パンチスルーに対して低
いしきい値を釣り合わせるものの、次のしきい値調整注入がポリシリコンゲート形成の直前(または直後)に行なわれることを依然として可能にする、より低い表面濃度とを有するレトログレードプロファイルを有している。
【0071】
この発明の一実施例では、これらのウェルは、深く注入されたフロア分離とともに、フィールド酸化物領域の形成後に注入される。注入エネルギおよび酸化物の厚さは、ウェルの多数注入の一部が上を覆うフィールド酸化物領域を貫通し、他の部分がシリコンに到達しないよう阻止(または部分的に阻止)され得るように、選択される。注入はしたがってフィールド酸化物のトポグラフィに従っており、酸化物がより厚いところではより浅くなり、活性領域ではより深くなる。酸化物の厚さは、イオン注入された層と組合わされた場合、表面チャネルの形成および寄生MOSFET伝導を防止するのに十分高いフィールドしきい値をそれが提示するように、十分に厚くなるよう選択される。この目標は好ましくは、ウェル注入部の埋込部分またはレトログレード部分の選択およびドーズ量によって達成され、それは、寄生MOSFETのフィールドしきい値を高めるのに十分高い、フィールド酸化物下の表面濃度を生成するよう、選択され得る。
【0072】
この多数注入のアプローチは、低サーマルバジェットを維持することに頼っており、そのためドーパントは実質的にそれらが最初に注入された場所に残っている。そのような「注入されたままの」構造により、多数注入は、任意の所与のウェル領域を「プログラム」して、予め定められた電圧定格を有するデバイス、たとえば5VのNPNまたは12VのPMOS、もしくは3VのNMOSを生成するために使用されるようになる。さらに、低電圧ウェル領域の最小の形状構成サイズは、実際、より高い電圧のウェルにおけるものよりも小さな形状構成サイズで描かれていてもよい。なぜなら、低電圧ウェル領域のドーピングは、他のデバイスに影響を与えることなく、低電圧デバイスにおけるパンチスルーおよび短チャネル効果を防止するよう最適化され得るためである。
【0073】
まず、NウェルおよびPウェルを基板からおよび互いから分離可能な一連のプロセスステップを説明する。説明のため、5VのNウェル、5VのPウェル、12VのNウェル、および12VのPウェルの作製を仮定する。「5V」および「12V」により言及するウェルは、特定された電圧の逆バイアスに耐え得るそのウェル内の接合の作製を可能にする濃度およびドーピングプロファイルにドープされており、さらに、そのウェル内のデバイスは、特定された電圧レベルで動作される限り、漏洩したりまたは他のデバイスと通じたりしない。一般に、12Vのウェルは5Vのウェルよりも低濃度でドープされ、より深い。実際、5Vのウェルは、最大7Vまで動作可能なデバイスを保持することができ、12Vのウェルは、最大15Vまで動作可能なデバイスを保持することができる。このため、「5V」および「12V」は幾分任意の名称であり、一般に、そのようなデバイスが動作することになっている公称電圧供給を説明するために使用されている。
【0074】
さらに、「5V」および「12V」は、比較的低い降伏電圧を有するウェル、および比較的高い降伏電圧を有するウェルをそれぞれ表わすことが理解される。電圧は5Vおよび12Vである必要はない。たとえば、別の実施例では、「低電圧」ウェルが1Vのウェル、「高電圧」ウェルが3Vのウェルであり得る。特に興味深い別の実施例は、同一のIC上に3Vのデバイスを5Vのデバイスと組合わせている。これらのデバイスがCMOSである場合、ウェハ作製装置が2つの形状構成サイズの小さいほうをフォトリソグラフィ的に解像、定義およびエッチングすることができる限り、3Vのデバイスは0.25ミクロンの最小ゲート寸法を用いて構成および最適化されてもよく、一方、5Vのデバイスは0.35ミクロンの最小寸法を使用してもよい。さらに、2つの電圧定格を有するウェルを説明したが、この発明が3つ以上の電圧定格を有するウェルを含む構成に当てはまることは明らかである。
【0075】
背景として、図7Aは、先行技術に従ったP型基板に形成された、拡散されたN型ウェルのドーピングプロファイルを示している。上部は、基板の表面下の深さ(横軸)の関数としてのドーピング濃度(縦軸)のグラフである。底部は、グラフの横軸に適合しているP基板におけるNウェルの物理的表現である。明らかなように、Nウェルのドーピング濃度は、基板の表面で、またはそのすぐ近くで最大であり、NウェルとP基板との間のPN接合を表わす深さ「xj」でそれが0に達するまで、基板における深さの増大に伴ってガ
ウス関数として減少する。このガウス形のドーピングプロファイルは本質的に、イオン注入および熱拡散によって形成されるウェルでは変更できない。実際には、それは非常に制限的である。なぜなら、表面での濃度を変えることなくドーパントを深いレベルに運ぶことは不可能であるため、および、NウェルとP基板との間の接合のまわりに形成される空乏領域が、接合の直上でドーピング濃度が比較的低いためにNウェルへと非常に迅速に広がって、接合とNウェル内の他の接合との間の相互作用を引起す場合があり得るためである。また、最も高い濃度が表面に位置しているため、最も低い接合降伏がシリコン表面で起こる場合があり(二酸化シリコンおよびさまざまな伝導体の存在により既により高い表面電界を悪化させて、フィールドプレート効果に繋がる)、そこではホットキャリアからの誘電体への損傷が結果としてもたらされる場合がある。このため、多くの状況において、非ガウス形のドーピングプロファイルを有するウェルを有することが望ましい。
【0076】
図7Bは、N層が基板の活性区域のNウェルに、Nウェルの注入に使用されたものよりも高いエネルギで注入された場合の同様の情報を示している。「NW5」は拡散されたNウェルを表わし、「NM5B」は注入されたN層を表わしている。示されているように、Nウェルにおけるドーピング濃度は、図7Aに示すようにそれがN層に達するまで減少し、そこでそれは、それがP基板に達するまで実際に増加する(その後平らになってもよい)。埋込まれた領域の濃度は、上部ウェルのピーク濃度よりも20%高くてもよく、場合によっては、それはその濃度の2倍となってもよい。図7Cは、P基板がフィールド酸化物層(Fox)によって覆われている、基板の非活性区域における図7Bの構造を示している。ここでは、元のNウェルはフィールド酸化物層によって実質的に遮断されており、デバイスのシリコン部分内に見えるのはN層「NW5B」だけである。この発明の一局面によれば、この概念は、異なる電圧定格を有するさまざまな完全に分離されたデバイスを単一の基板上に最小数の処理ステップを用いて作製するために使用される。すなわち、フィールド酸化物層および注入エネルギは、強化された導電性の表面下層が基板の活性領域に形成され、その同じ層が基板の非活性区域のフィールド酸化物層の下の基板の表面に、またはその近くに形成されるよう、設計されている。この層は、フィールド酸化物の下に追加のフィールドしきい値注入物を必要とすることなく、基板に形成されたトランジスタ間の寄生相互作用を抑制するのに役立つ。そのようなフィールド注入物は望ましくない。なぜなら、フィールド酸化に先立って注入されるため、フィールド酸化の最中、フィールドしきい値注入物の実質的な拡散が起こるためである。従来の方法におけるフィールドしきい値注入物の横方向の拡散はそれにより、デバイス、特に狭いまたは短いデバイスの動作を干渉し、デバイス集積密度を最大化する利点が十分に実現されないようにする。埋込ウェルのドーピングを用いてより高いフィールドしきい値の達成を助けることはしたがって、より古い従来の先行技術の方法と比べ、有利である。
【0077】
ここに説明した実施例では、さまざまなデバイス構造を形成するために、5つの注入部、つまり、5VのNウェル注入部NW5、5VのPウェル注入部PW5、5VのN層NW5B、5VのP層PW5B、および深いN層DNが使用されている。これらの注入部の各々は、その注入部にとって特定のドーピングプロファイルを達成するよう設計された特定のドーズ量およびエネルギでの単一の注入、または一連もしくは「連鎖」の注入であり得る。
【0078】
図8Aは、P基板に互いに隣接して形成された2つのMOSFET M10およびM2
0の断面図であり、図8Bはその概略図である。MOSFET M10は、ソースS10、ドレインD10、およびゲートG10を有する。MOSFET M20は、ソースS20、ドレインD20、およびゲートG20を有する。P基板のバックグラウンドドーピング濃度はNAである。厚さXOXを有するフィールド酸化物層が、ソースS10とドレイン
D20との間に位置している。図8Bに示すように、フィールド酸化物層の表面上の電荷は、MOSFET M10とM20との間に寄生MOSFET M30を作り出すことが可能であり、この寄生MOSFET M30は、ソースS10の電圧がドレインD20の電圧とは異なる場合に電流を導通可能である。寄生MOSFET M30が電流を導通しないことを確実にする唯一の方法は、フィールド酸化物層の厚さXOXとフィールド酸化物層下のドーピング濃度との組合せが、寄生MOSFET M30がこの構成の定格電圧プラス安全マージンでオンにならないようにするのに十分高いしきい値電圧を有するようになっていることを確実にすることである。これは、デバイスの「フィールドしきい値」、つまり、基板の活性区域を隔てるフィールド酸化物区域における寄生MOSFETのしきい値電圧と呼ばれる。
【0079】
図9Aは、Pエピタキシャル(P−エピ)層502がP基板500上に形成された従来の構造を示している。N埋込層(NBL)504が、従来の手段により、P−エピ層502の形成前にリンなどのN型ドーパントをP基板500に注入することによって、P−エピ層502とP基板500との間の界面に形成される。Nウェル506がN埋込層504にオーバーラップする。フィールド酸化物層508が活性区域512と514との間に形成され、フィールドドーパント領域510がフィールド酸化物層508の下に形成されてフィールドしきい値電圧を高め、それにより、活性区域512および514にそれぞれ形成されたMOSFET(図示せず)間の導通を防止する。フィールド注入部510は、フィールド酸化物領域508に自己整合するのにかかわらず、自然に活性区域512および514内に拡散し、これらの領域に生成されるデバイスの電気特性に悪影響を与える場合がある。図9Cは、活性区域512での断面9A−9A′を通るドーピングプロファイルを示しており、図9Eは、フィールド酸化物層508での断面9C−9C′を通るドーピングプロファイルを示している。双方の場合とも、N埋込層504は比較的厚く、たとえば厚さ1〜3μmで、場合によっては5μmもあり、P基板500内に比較的深く、たとえば表面から6〜10μm延び、匹敵する量だけ横方向にも拡散する。
【0080】
図9Bは、フィールド酸化物層508がP基板500に直接形成されている、ここに開示されたこの発明の方法と整合性がある非常に改良された代替的な構造を示している。5VのNウェルNW5が活性区域512および514に注入および拡散され、N層NW5Bがその後注入され、または好ましくは、NW5およびNW5Bは、NW5注入部のエネルギはそれがフィールド酸化物508を貫通できないよう選択されているものの、NW5Bはフィールド酸化物508を貫通してシリコン表面に到達するのに十分な注入エネルギを有している連鎖注入を用いて形成される。フィールド酸化物の厚さに依存して、埋込まれた注入部は、上部ウェルよりも20%〜200%高いドーズ量で、上部ウェル注入部の1.5〜3倍もののエネルギで注入されてもよい。
【0081】
図7A〜7Cに関連して上述したように、層NW5Bは、層NW5Bが表面下にある活性区域512および514に形成されるデバイスのために分離を提供し、また、層NW5Bが表面に近づいている、または表面に集中しているフィールド酸化物層508の下に、フィールドドーピングを提供する。図9Bでは、5VのNウェルのレトログレード部分(つまりNW5B)がしたがって、活性領域512および514の表面下にあるが、フィールド酸化物508の下では表面に達している。NW5Bの領域はフィールド酸化物508を介して注入され、フィールド酸化物508の下で(およびフィールド酸化物領域の下でのみ)表面に達するため、注入部の高濃度にドープされた部分は、実質的に横方向に拡散することなくフィールド酸化物に「自己整合」し、それ自体を(LOCOS勾配の形状(
バーズビーク))に沿わせる。図9Dは、層NW5Bの下端が比較的浅い、たとえば表面からたった1.5〜4μm下にある、断面9B−9B′でのドーピングプロファイルを示している。図9Fは、シリコン内にN層NW5Bのみが存在する、フィールド酸化物の下の断面9D−9D′でのドーピングプロファイルを示している。
【0082】
このように、図9A〜9Fは、活性領域に分離を、非活性領域にフィールドドーパントを提供するために単一の注入層を用いることが、活性領域にエピタキシャルに形成された埋込層を、非活性区域に別個のフィールドドーパントを用いることよりも、はるかに浅く密な構造を生成することを示している。さらに、図示された改良された構造はフィールド酸化物のトポグラフィに従っており、それは、拡散されたウェルプロセスによっては提示されていない特徴である。この発明のアプローチの独自の一挑戦は、この概念を、5Vデバイスと12Vデバイスの双方を有する構造に、または異なる電圧の集積デバイスの任意の組合せを有する構造に用いることである。そうする際、デバイスのばらつきを、横方向では自己整合によって、縦方向ではエピタキシャル埋込層よりもむしろイオン注入された表面下層の使用によって最小限に抑えることも重要である。
【0083】
図10Aは、P基板500上に成長したP−エピ層516に形成された従来の12V構造を示している。P−エピ層516は通常、図9Aに示すP−エピ層506よりも厚い。2つのN埋込層518および520が、P−エピ層516とP基板500との界面に形成されている。N埋込層518は、アンチモンまたは砒素などの比較的ゆっくり拡散するドーパントで形成され、N埋込層520は、リンなどの比較的速く拡散するドーパントで形成されている。Nウェル530はN埋込層520にオーバーラップしており、フィールド酸化物層508は活性領域526と528とを隔てている。フィールドしきい値を高めるため、フィールドドーパントの12Vの保護リング524がフィールド酸化物層508の下に位置している。
【0084】
12VのN型保護リングは一般に、フィールド酸化物508に自己整合していない。整合不良の場合、保護リングは活性区域526または528にオーバーラップし、これらの領域に生成されるデバイスの電気特性に悪影響を与える場合がある。整合不良の極端な場合では、保護リングは、Nウェルに生成されるデバイスの降伏電圧を、その15Vの(12Vの動作)必要定格より下に下げる場合がある。保護リング524がフィールド酸化物領域508に何とか自己整合している場合でも、注入部524は自然に活性区域526および528へと横方向に拡散し、それらの領域に生成されるデバイスの電気特性に悪影響を与える場合がある。この問題を防止するには、フィールド酸化物508の最小寸法を大きくしなければならず、デバイスの集積密度を低下させる。
【0085】
図10Cは、断面10A−10A′での活性区域のドーピングプロファイルを示し、図10Eは、断面10C−10C′での非活性区域のドーピングプロファイルを示している。N+埋込層がエピと基板との界面に位置し、Nウェルがエピタキシャル層の上部から拡散されているため、埋込層とNウェルとの重なり具合は非常に可変である。速く拡散し、濃度がより低いNBL2層(520)が存在しない場合、濃度がより高いNBL1(518)はNウェル530上にオーバーラップしなければならず、エピタキシャル厚さにおけるばらつきも含め、Nウェル530に形成されるデバイスの降伏を劣化させ得る。
【0086】
さらに、図10Aおよび図10Cに示す12VのNウェルのドーパントプロファイルは、図9Aおよび図9Cに示す5VのNウェルのドーパントプロファイルとは非常に異なっているが、これは、12Vデバイスでは、より高濃度にドープされた埋込層は表面からさらに離れて位置しなければならないためである。図10Aの12VのNウェルが5Vデバイス(通常図9AのもののようなNウェルで作られる)を作製するために使用される場合、埋込層は、深すぎてより低い電圧のデバイスに影響を与えられないため、5Vデバイス
を向上させる効果が弱い。12VのNウェルを用いると、5VのPMOSにおけるスナップバック降伏は、5VのNPNにおけるコレクタ抵抗と同様に、より悪くなる。そのため、5Vデバイスを最適化するために必要とされるNウェルおよびNBLの構造は、12Vデバイスのものとは異なる。双方のプロセスのエピタキシャル厚さが異なるため、図9Aの従来の5VのNウェル/埋込層と図10Aの12VのNウェル/埋込層とは互換性がなく、単一のエピタキシャル堆積プロセスにおいて互いに専用のものである。
【0087】
図10Bは、この発明に従った12Vの構造を示している。12VのNウェルNW12は、フィールド酸化物層508が成長した後でP基板500に注入および拡散され、活性区域526と528とを隔てている。N層NW5Bの強化された濃度を仮定すると、フィールド酸化物層508はしたがって、5V基準と同様に12V基準を満たすために十分厚くなければならない。12VのNウェルNW12に対するドーピング濃度は、5VのNウェルNW5のドーピングよりも低い。N層NW12Bが注入され、活性区域526および528に12VのNウェル用の分離層を形成し、フィールド酸化物層508の下の表面に接近する。12VのNウェルNW12は比較的深いため、N層NW12BはN層NW5Bよりも高いエネルギで注入されなければならない。しかしながら、N層NW12Bの注入エネルギ、およびフィールド酸化物層508の厚さのため、N層NW12Bはフィールド酸化物層508の下ではP基板の表面に到達しない。代わりに、間隙があり、それにより、フィールド酸化物層508によって表わされる寄生MOSFETがオンとなり、活性区域526と528との間のリーク電流が可能になる。この間隙を充填するために、この構造はマスキングされ、N層NW5Bがフィールド酸化物層508を通過するようにされて、さらに別の保護リングを形成し、図10Bに示す構成をもたらす。このように、N層NW5Bのドーズ量は、12Vデバイス間のフィールド酸化物層522の下での反転を防止するよう設定されなければならない。
【0088】
NW5B注入部はフィールド酸化物508に自己整合していない。それでも、それは図10Aの保護リング524ほど整合不良に影響されないままである。なぜなら、それはフィールド酸化物508の形成後に注入されており、したがって、フィールド酸化物のトポグラフィに従っているためである(つまり、それは活性領域でより深く、NW12に形成されたデバイスの動作に悪影響を与える可能性がより低い)。さらに、NW5Bの横方向の拡散は最小限である。なぜなら、それは、保護リング524(フィールド酸化ドライブイン拡散サイクル全体を必然的に経験する)とは異なり、高温処理を経験しないためである。図10Dは、断面10B−10B′での活性区域ドーピングプロファイルを示し、図10Fは、非活性区域の断面10D−10D′でのドーピングプロファイルを示している。
【0089】
活性およびフィールドドーパントプロファイルの双方が、「注入されたままの」低サーマルバジェットプロセスの小型で良好に制御され最小限に拡散されるウェル構造を示している。この方法では、数ミクロンほどの浅いウェルを用いて12Vデバイスを生成できる。図10Fは、N層NW5BおよびNW12Bが12V区域のフィールド酸化物層508の下でどのようにオーバーラップするかを示している。N層NW12BはP基板500の表面から1.5μm下にしか広がらない。この浅い深さは、ドーパントを再分布させる実質的なサーマルバジェットがないために得られる。これに対し、図10Cおよび図10Eの非常に厚いN埋込層520は、表面から10〜14μm下に広がり得る。
【0090】
N層NW5Bは5V区域で既に使用されていたため(図9B)、12V区域におけるN層NW5Bの導入は、追加の注入またはマスキングステップを必要とはしない。これは、専用のフィールドドーパント524を別個のマスキングおよび注入ステップにおいて注入しなければならない図10Aに示す先行技術から、この発明のプロセスを区別する。さらに、この発明のプロセスは、依然としてすべて集積されたプロセスであるため、複雑性ま
たは相互作用なく、5VのNウェル領域NW5および12VのNウェル領域NW12双方の集積を可能にする。上述のように、5Vデバイスおよび12Vデバイスを集積するために従来のエピタキシャル形成された埋込層構造を使用することは、デバイスの各タイプが異なるエピタキシャル厚さを必要とするために問題がある。
【0091】
図10G〜10Iは、断面10D−10D′でのドーピングプロファイルが、N層NW5BおよびNW12Bを注入するエネルギを変えることによってどのように変えられ得るかを示している。図10Gでは、N層NW5Bの注入エネルギが増加されるかまたはN層NW12Bの注入エネルギが減少されて、その結果、これらの層間のオーバーラップが増える。図10Gでは、N層NW5Bの注入エネルギが減少されるかまたはN層NW12Bの注入エネルギが増加されて、その結果、これらの層間のオーバーラップがなくなり、12vのNウェルのバックグラウンドドーピングは2つの層間の区域で優勢である。図10Iでは、N層NW12Bの注入ドーズ量は、ガウス形により類似するドーピングプロファイルを与えるよう減少されている。この発明の注入されたままの低サーマルバジェット方法は、従来のエピタキシャルICプロセスを上回る多くの利点を提供している。なぜなら、これらのドーパントプロファイルは、同じIC上の他のデバイスに影響を与え得るエピタキシャルプロセスにおける変更を必要としないためである。
【0092】
図10Jは、N層NW5Bが12V区域のフィールド酸化物層508を通して注入されなかった場合の結果を示す断面図であり、図10Kは、断面10D−10D′でのドーピングプロファイルである。上述のように、N層NW12Bの上端とフィールド酸化物層508の下面との間には間隙があり、それは、酸化物508が過度に厚くなければ、リーク電流が活性区域526と528との間を流れるようにする。しかしながら、厚いフィールド酸化物は長いバーズビーク(酸化物の勾配部分)区域を被り、したがって、同じIC上に必要な密に集積される低電圧デバイスにとって好ましくなく、それらのデバイスと互換性がない。
【0093】
図10Lは、フィールド酸化物層の下のさまざまなレベルのドーピング濃度(ND1
ND2など)について、フィールド酸化物層の厚さの関数としてのNウェルのフィールド
しきい値電圧(Vtf)を示すグラフである。図示されているように、所与のドーピング濃度に対し、フィールドしきい値は、フィールド酸化物の厚さに対してほぼ直線的に増加する。最大酸化物厚さ(XFOX(max))は、トポロジカル条件およびプロセス条件によ
って、および、より低い電圧のデバイスにおいて良好な集積密度を達成する必要性によって設定される。最小フィールドしきい値は、5Vまたは12Vプラスいくらかの安全マージン(δ)に設定される。最大ドーピング濃度は、最小降伏電圧(BVmin)によって設
定され、BVminの増加とともに減少する。このため、所与の1組の条件が三角形を規定
する。この三角形は、5V+δの最小フィールドしきい値および降伏電圧については比較的大きく、つまり、面積は、XFOX=XFOX(max)と、Vtf=5V+δと、ND12に等しいドーピング濃度とによって境界を示される。しかしながら、12V+δの最小フィールドしきい値および降伏電圧については、この三角形は非常に小さく、つまり、面積は、XFOX=XFOX(max)と、Vtf=12V+δと、ND9に等しいドーピング濃度とによって境界を示される。しかしながら、フィールド酸化物層の下にN層NW5Bを注入して、12V領域でのフィールドしきい値を高めるものの層NW5Bが活性領域に入らないように支援することは、降伏電圧を低減させることなく、フィールドドーピング濃度を増加させる。実際、これは三角形のサイズを大きくする、つまり、斜辺はND9からND12
移る。これは、はるかに高いドーピング濃度が使用可能であるため、はるかにより大きいプロセス柔軟性を提供する。
【0094】
図11Aは、典型的には5Vで使用されるPウェルを含む従来の構造を示している。P−エピ層532がP基板500の上に成長し、Pウェル534がP−エピ層532中に注
入され拡散する。活性区域540と542とはフィールド酸化物層536によって隔てられ、フィールドドーパント538はフィールド酸化物層536の下に位置付けられる。フィールド注入部538は、フィールド酸化物領域536に自己整合するにもかかわらず、活性区域540および542内に自然に拡散し、前記領域に生成されるデバイスの電気特性に悪影響を与える場合がある。
【0095】
図11Bは、P基板500(エピ層なし)中に注入および拡散される5VのPウェルPW5と、フィールド酸化物層536を通して注入される5VのP層PW5Bとを示している。5VのP層PW5Bは、活性区域540および542では沈められ、非活性区域ではフィールド酸化物層536の底に達している。図11Bでは、5VのP層PW5Bのレトログレード部分は、活性領域540および542では表面下にあるが、フィールド酸化物536の下では表面に達している。P層PW5Bがフィールド酸化物層536を通して注入され、フィールド酸化物層536の下で(かつフィールド酸化物層の下のみで)表面に達しているため、注入部の高濃度にドープされた部分は、実質的に横方向の拡散なく、フィールド酸化物に自己整合する。
【0096】
図11Cおよび図11Dは、活性区域の断面11A−11A′および11B−11B′での活性区域540でのドーピングプロファイルをそれぞれ対比している。この比較は、従来のLOCOSフィールド酸化物および高エネルギイオン注入バージョンのドーピングプロファイルにおける劇的な違いを示している。図11Dの注入されたままのバージョンでは、P層PW5Bは、PウェルPW5自体のものの20%〜200%の濃度を有していてもよく、PウェルPW5と表面下のP層PW5Bとの重なり具合がほとんど変動することなく、浅いPウェルPW5の注入エネルギの最大3倍で注入されてもよい。図11Cの従来のバージョンでは、Pウェルの近傍内に埋込層はない。したがって、そのような構造では、デバイススナップバックが問題となり得る。同様に、図11Eおよび図11Fは、従来の方法についての断面11C−11C′およびこの発明の方法を用いた断面11D−11D′での、フィールド酸化物層536の下のドーピングプロファイルをそれぞれ対比している。
【0097】
図11Gは、図11Aの5Vバージョンのものと同様の、従来のプロセスを用いて形成されたPウェルの12Vバージョンである。寄生表面チャネルを防止するのに十分なフィールドしきい値を達成するため、フィールド酸化に先立って保護リング550がフィールド酸化物層536の下に形成される。したがって、保護リング550は横方向に拡散して、活性Pウェル領域に作製されるデバイスに悪影響を与えないよう、活性区域546および548からはるかに離れて間隔を置かれなければならない。さらに、Pウェル544のドーピングは、図11Aのその5Vの対応物のものよりも低濃度にドープされなければならない。マスク数を低減させようとして、同じPウェルが時折、5Vデバイスおよび12Vデバイスの双方に使用される。5VのPウェルのドーピングが不十分というこの妥協案は、特に5VのNMOSにおいてスナップバックおよびパンチスルー降伏効果を生じさせるという点で、多くの問題に繋がり得る。場合によっては、これらの問題を回避するために、N−チャネルデバイスについての最小許容チャネル長を長くしなければならないが、これは集積密度を犠牲にすることによってのみ行なわれる。
【0098】
図11Hは、この発明に従った12V構造を示している。フィールド酸化物536の形成後、12VのPウェルPW12がP基板500中に注入され、次にP層PW12Bの注入が続く。したがって、PウェルPW12およびP層PW12Bの領域は、フィールド酸化物のトポグラフィの輪郭に、正確で自己整合する態様で従う。P層PW12Bのエネルギは、PウェルPW12に形成されるデバイスについて12V降伏を可能にするのに十分高くなければならない。したがって、P層PW12Bは、P基板500の表面よりも深い深さまでフィールド酸化物536を貫通し、したがって、フィールド酸化物層536の下
でP基板500の表面に近づく(が到達はしない)。P層PW12Bとフィールド酸化物層536の下側との間の縦方向の間隙を充填するため、基板はマスキングされ、5VのP層PW5Bがフィールド酸化物層536を通して注入される。この層は5VのPウェル領域の形成において既に採用されているため、12Vデバイスセクションにおけるその使用は、追加の処理ステップを構成しない。しかしながら、5VのP層PW5Bの濃度は、(5Vデバイスというよりも)12Vデバイスの要件によって設定される。この原理はいくぶん直感に反するように見えるものの、高濃度にドープされた5Vの保護リングのドーピング(および12Vのフィールドしきい値をセットするためのその使用)は、実際には、プロセスにおいて独立した変数である。なぜなら、表面下の深く注入されたP層PW5Bの「正確なドーズ量」は、NMOSスナップバック降伏を防止する上で重要ではないためである(その深さがより重要である)。図11Iおよび図11Jは、従来のデバイスタイプの断面11E−11E′およびこの発明のプロセスの断面11G−11G′の活性区域540におけるドーピングプロファイルをそれぞれ対比している。図11Kおよび図11Lは、断面11F−11F′および11H−11H′でのフィールド酸化物層536の下のドーピングプロファイルをそれぞれ対比しており、従来のドーピングプロファイルと、この発明の低サーマルバジェットプロセスの注入されたままのドーピングプロファイルとの劇的な違いを再度強調している。
【0099】
要約すると、従来のCMOSプロセスにおいて共通ウェル拡散を用いて12VのCMOSを5VのCMOSと集積することは問題である。なぜなら、各デバイスでのスナップバックおよびパンチスルーを防止するための理想的なウェルドーピングプロファイルが著しく異なっており、理想的には、埋込層をそれらが必要なところに位置付けるために異なる厚さのエピタキシャル堆積を必要とするためである。最後に、NウェルおよびPウェル領域双方において15Vのフィールドしきい値を達成するためにLOCOSシーケンス中にフィールドドーパントを導入することは、LOCOSフィールド酸化に先立って形成される注入部が横方向に再分布し拡散して、近くの活性デバイスの降伏電圧または性能特性に潜在的に影響を与えるということによって、複雑化する。
【0100】
これらの不利な相互作用の問題は、高エネルギイオン注入を用いて変数を切離し、4つのウェル領域、つまり5VのNウェル、12VのNウェル、5VのPウェル、および12VのPウェルの各々について、最適化された、注入されたままのウェルプロファイルを形成することによって回避できる。各々の場合、埋込部分またはレトログレード部分は、デバイスのスナップバックを個別にかつ最適に調整するために使用される。便宜上、5Vの埋込注入部を用いて、デバイス性能において歩み寄ることなく12V構造のフィールドしきい値を設定することが妥当かつ単純であり、それにより、埋込まれた5VのP層PW5Bが、12VのPウェルおよび関連デバイスにおいて保護リングとして使用され、その場合、埋込まれた5VのN層NW5Bが、12VのNウェルおよび関連デバイスにおいて保護リングとして使用される。
【0101】
ここまで説明してきた構造では、分離されたデバイスを集積するために5Vおよび12VのNウェル領域が使用可能であるが、Pウェルの形成は基板から分離されていなかった。ここで、最適化されたPウェル領域も、エピタキシの必要性なく、そのようなPウェルが基板から十分に分離されて作られるような態様で、どのように作製され得るかを説明する。この発明の方法(つまりエピレス分離技術)を次に、今日使用されている従来の接合分離方法と対比する。
【0102】
図12Aは、従来のデバイスでのN埋込層と表面近くの浅いP+領域との間の降伏がダイオードD1によって表わされ、その降伏電位がN埋込層の上端とP+領域の下端との間の距離ΔXNによって決められることを示している。P+領域は、Nウェル内の任意のP
+領域を表わすことができる。距離ΔXNは次に、エピ層の厚さおよびN埋込層の上方拡
散という、双方とも極めて可変の現象によって決められる。したがって、降伏が起こらないことを確実にするために、大きな安全マージンが必要とされる。図12Bに示すこの発明のデバイスを対比させる。ここでは、ダイオードD2の降伏は距離ΔXNによって決め
られ、それは、N層NWBを形成するために使用される注入の範囲および散乱の関数である。これらの量は、エピ層厚さまたは上方拡散距離よりもはるかに制御可能であり、かつ予期可能である。
【0103】
図12Cは、距離ΔXNの関数としてのダイオードD1およびD2の降伏電圧のグラフ
ァイトを示している。図示されるように、ダイオードD2の降伏電圧がダイオードD1の降伏電圧よりも大きいだけでなく、ダイオードD2の降伏電圧のばらつきはより少ない。ダイオードD1の降伏電圧はより低いが、これは、エピタキシャル成長中および拡散中に拡散およびドーパント再分布が自然に発生するためである。ドーパント再分布から、正味の厚さΔXNが公称量から自然に低減され、数ボルトの降伏の低下につながる。厚さのばらつきが、表示±4σによって示されている、ダイオードD1の降伏の幅広い帯の主な原因である。エピタキシャル堆積について厚さ4σという典型的な値は約±20%であり、一方、注入については、ばらつきはほんの数%である。また、ダイオードD2の降伏電圧は、主として上方拡散がないために、より薄い層においてその十分な降伏電位に達する(より低い値のΔXNで、濃度に制限されるようになる)。この発明に従ったデバイスでは
、上方拡散がないため、ΔXNに対する目標値ははるかにより低い値に設定されるように
なり、デバイスの縦方向寸法を制限する。たとえば、5VのPMOSを集積するためのNウェルは、この発明の注入されたままの方法を用いると、約0.5μmを必要とするが、エピタキシおよび従来の拡散された接合処理を用いると、約6μmを必要とする。この現象は、NウェルおよびPウェル領域双方に適用可能である。
【0104】
図13Aおよび図13Bは、分離されたポケットをエピ層に形成する方法を示している。図13Aは従来の接合−分離プロセスを示しており、N−エピ層がP基板の上に成長している。N埋込層がN−エピ層とP基板との接合部に形成されている。N埋込層は、バイポーラトランジスタにおけるサブコレクタとして使用され、または、MOS回路において寄生ダイオードを抑制するのを助けるために使用される。P基板と接触するために、P分離領域がN−エピ層の表面から下向きにリング形状で拡散され、N−エピ層の分離されたポケット546を形成する。しかしながら、N−エピ層を通してP分離領域を拡散することは、長い熱プロセスを必要とし、これは次にN埋込層を上向きに拡散させ、上述の制御性の問題を生み出す。そのようなプロセスは従来の接合分離(エピ−JI)として公知である。エピ−JIプロセスは、P型基板上にN型エピタキシを成長させることに頼っている。
【0105】
図13Bでは、P−エピ層がP基板上に成長し、N分離領域が下向きに拡散してN埋込層と合流し、分離されたポケット548を形成している。このタイプの接合分離は時折、ラップアラウンド接合分離(またはエピ−WAJI)と呼ばれる。しかしながら、それは依然としてエピタキシの成長に、この場合P型基板上でのP型エピの成長に頼っている。同様の問題が起こっている。エピ−JIおよびエピ−WAJI構造(およびそれらを形成するために使用される方法)は双方とも、エピタキシャル堆積濃度の制御と、とりわけ、エピ厚さおよび厚さの均一性とに非常に依存している。双方とも、エピタキシャル成長中、分離拡散中、およびその後の処理中に、基板および埋込層の上方拡散を提示している。図13Cは、図13Aの断面13A−13A′のドーピングプロファイルであり、図13Dは、図13Bの断面13B−13B′でのドーピングプロファイルである。
【0106】
図13Eおよび13Fは、この発明に従って分離ポケットを作り出す手法を示している。深いN層DNが、高エネルギ、典型的には1.7〜2.5MeVで、1E12cm-2〜5E15cm-2の範囲、しかし好ましくは9E13cm-2の範囲のドーズ量のリンで注入
される。深いN層DNは、活性区域556では、フィールド酸化物層552の下よりも深いが、それは、フィールド酸化物層552の下でさえ表面に接触していない。完全に分離されたポケットを作り出すには、側壁分離注入部が必要である。側壁注入部は、専用の連鎖注入接合分離部(CIJI)か、または、IC内の他のデバイスで使用される注入されたままのウェル領域の積層物であってもよい。側壁は、最も高い濃度を得るために、好ましくは、図13Eに示すような5VのN層NW5Bか、図13Fに示すような5VのN層NW5Bと12VのN層NW12Bとの組合せを含むべきである。側壁分離部と組合された深いN層DNは、P型ポケット554をP型基板500から分離する。組合されたN型分離部の貝殻様の構造は、基板電位と等しい、または基板電位よりもプラスの電位でバイアスをかけられて、基板接合問題の発生を回避しなければならない。そのような接触を達成するため、側壁分離部は、分離構造(図示せず)への電気的接触を可能にするために、活性の(非フィールド酸化物)区域への一部オーバーラップを必要とする。
【0107】
コストを最小限に抑えかつ柔軟性を最大化するために、5VのN層NW5Bは、それが深いN層DNにオーバーラップして、それにより、分離ポケット554を形成するのに12VのN層NW12Bを必要としなくなるよう設計されるべきである。その場合、12VのN層NW12Bは、12Vデバイスを含まないプロセスでは堆積される必要がない。要するに、12VのN層NW12Bは、それが利用可能である場合には使用可能であるが、ポケット554を形成するために必要であってはならない。これは、モジュール性、つまり、12Vデバイスが構造の一部でない場合12Vプロセスステップをすべて排除する能力の重要な特徴である。
【0108】
図13Gは、図13Eおよび図13F双方における断面13C−13C′(同一)での分離ポケットのドーピングプロファイルを示している。図13Hは、図13Dの側壁分離部を通る断面13D−13D′でのドーピングプロファイルを示し、図13Iは、図13Fの断面13E−13E′での側壁分離部ドーピングプロファイルを示している。図13Hに示すように、NW5BはDN層と合流してその上にオーバーラップしているものの、オーバーラップする区域での最小濃度は、図13Iに示すようなNW12B注入部が側壁構造に追加される場合よりも、はるかに低くなる。また、この濃度プロファイルにおいて、NW12の浅い部分がシリコン内に存在するが、その濃度がオーバーラップするNW5Bドーパントと比べて低いため、それは分離積層物の電気性能に影響を与えない。
【0109】
図14Aは、単一の深いN層が相補型のウェルを分離するためにどのように使用可能かを示している。5VのNウェルNW5は、たとえば図9Bの5VのNウェルNW5と同様であり、5VのN層NW5Bによって包囲されている。5VのPウェルPW5と5VのP層PW5Bとは同様であるが極性が反対であり、それらが表面で出合うところでは、降伏電圧は5Vデバイスの定格(典型的には8V〜12V)にとって適切である。5VのN層NW5Bと5VのP層PW5Bとは、それらがフィールド酸化物層566の下側で接触するよう、エネルギを用いて注入される。深いN層DNは、図13Eおよび図13Fに示す深いN層DNと同じであり、それは5VのN層NW5Bおよび5VのP層PW5Bとオーバーラップするよう、エネルギを用いて注入される。5VのNウェルNW5はP基板550からはっきりと分離されている。なぜなら、どのNウェルまたはDN領域も、周囲のP型基板との逆バイアスがかかった接合を形成するためである。5VのN層NW5Bの一部は、5VのPウェルPW5の右側のフィールド酸化物層566をリングまたは実質的に環状の形状で通過するようになっており、そのため、5VのPウェルPW5は、側面および下がすべてN領域によって完全に包囲されるため、同様にP基板500から分離される。5VのNウェルNW5および5VのPウェルPW5は、P基板500の電位から上向きに浮遊可能であり、限度は、5VのPウェルPW5の右側の、5VのPウェルPW5保護リングと5VのNウェルNW5との間の距離LDによって設定される。たとえば、相補型ウ
ェルは、5Vデバイスを保持し、P基板500を30V上回って浮遊することが可能であ
る。適切なフィールド整形により、基板上の浮遊領域の最大電圧は60V、200Vに拡張可能であり、望ましい場合にはさらに600Vに拡張可能である。このすべてが、分離拡散部または単一のエピタキシャル層すらなく達成される。
【0110】
図14Bに示す構造は図14Aに示す構造と同様であるが、ここでは、深いN層DNが5VのPウェルPW5の下の区域に制限されており、5VのPウェルPW5と5VのNウェルNW5とは接触しているように図示されている。5VのNウェルNW5は既にP基板500から分離されている。図14Aおよび図14Bの構造は、電気的に同等な同じ回路図を有するものの、NW5の下に位置するDNの分離部の質は、それが存在しない場合よりも良好であり、図14Aの構造をその対応物よりも好ましくしている。
【0111】
図14Cは、図14Aの構造の平面図を示しており、距離LDが分離構造と周囲の5V
のPウェルPW5保護リングとの間にドリフト領域を形成していることを示している。点線は、PウェルおよびNウェル領域双方の下に位置する深いN層DNを表わしている。PウェルおよびNウェル領域は接触しているよう図示されているが、それらの間に、悪影響を引き起こすことなく、間隙を有し得る。NウェルNW5(その深い注入部分NW5Bを含む)は、Pウェル領域PW5(その表面下部分PW5Bを含む)を包囲して取巻くよう示されている。分離されたアイランド全体の形状は、図示されているように矩形であり得るが、より高い降伏電圧を達成するために丸みのある角を含んでいてもよい。
【0112】
図14Dは、接地された5VのPウェルPW5保護リングが分離構造と接触している(図14Cと同じだがLD=0)代替的な一実施例の平面図を示しており、図14Eは、深
いN層DN(点線)が5VのPウェルPW5の下のみに(かつそれよりも若干大きく)位置付けられている図14Bの構造の平面図を示している。
【0113】
図14Fは、フィールド酸化物層566の開口部を通して5VのNウェルNW5の一部と深いN層DNとを接触させることによって分離構造(またはシェル)に電気的にバイアスをかけるために使用される1つの手段である、N+コンタクト領域568を示している。図14Gは、シェル形状のN型分離構造に接触するために使用されるN+コンタクト領域568の1つの可能な平面図を示している。図14Hは、P基板550のポケット572を分離させる深いN層DNおよび側壁分離部に接触するために使用されるN+コンタクト領域570を示している。この発明に従った深いN層を用いて、5VのPウェル、5VのNウェル、12VのPウェル、12VのNウェル、およびP基板500の分離ポケットを分離させることが可能である。より低濃度にドープされたP基板のポケット572を用いて、Pウェル領域PW5またはPW12の内部に作られたものよりも電圧が高い、またはキャパシタンスが低いデバイスを集積することが可能である。
【0114】
図14Iは、フィールド酸化物層の下で、5VのNウェルNW5のまわりでP基板500の表面に向かって延びる深いN層DNを示している。図14Jでは、深いN層DNは、5VのNウェルNW5直下の区域に制限されている。Nウェルはフィールド酸化物上にオーバーラップしているものの、Nウェルポケット全体は、それがそれを包囲するP型基板とは反対の導電型であるということによって分離されている。アイランド全体は、特にドリフト区域Ld2がN型またはP型のウェルドーピングもしくはフィールドドーピングを
含まないために、基板を高い電圧上回って浮遊可能である。この構造およびプロセスシーケンスは、ウェルまたはブランケットフィールドドーピング注入部をこの領域から除去するために更なるマスクを必要としないという点で、従来の接合分離をしのぐ明確な利点を提供している。
【0115】
図14Jは、図14Iのものと同様の構造を示しているが、DN層がNウェル自体の横方向範囲内に引き戻されている点が異なる。図14Jの実施例は、表面でのドーピング濃
度がより低いため、より高い降伏電圧を有する傾向にある。これらの実施例間の別の違いを、図14Kおよび図14Lに示す。深いN層DNが図14Kに示すように横方向に延びるようになっている場合、5VのNウェル内の任意のP+領域とP基板との間の寄生バイポーラトランジスタは、高濃度にドープされたPN領域を通って縦方向で、この場合ゲインは低く、一方、深いN層DNが図14Lに示すように横方向に制限されている場合、寄生バイポーラトランジスタは、図示されているような傾斜したパッチに沿って、それほど高くない濃度でドープされた材料を通って導通し、したがってより高いゲインを有する。
【0116】
図14Mは、深いN層DNが、5VのN層NW5Bから形成された側壁を用いて、単一の5VのPウェルPW5を分離させるために使用可能であることを示している。図14Nに示すように、DN層がPウェル領域に完全にオーバーラップし、Pウェル領域を越えて延びている場合、および5VのN層NW5Bを(少なくとも)含むリング形状の側壁分離部が十分に幅広く作られている場合、5VのPウェルPW5とP基板500との間の寄生バイポーラトランジスタは、高濃度にドープされたDN層を通る縦向きの導通に制限され、寄生ゲインは低く、一方、5VのN層NW5Bが狭い場合、寄生バイポーラトランジスタ導通は、図14Oに示すように、(より高濃度にドープされた縦方向の経路よりも高いゲインを有する)より実質的に水平の構成要素を含むかもしれない。図14Pに示すように、5VのN層NW5Bの側壁がすべて省略されている場合、5VのPウェルPW5は分離されず、5VのPウェルPW5とP基板500との間には抵抗性の接続または完全短絡が存在する。
【0117】
説明されているこの発明では、深いDN層によるNウェル領域の分離は随意であり、寄生バイポーラトランジスタを抑制する役割を果たす一方、Pウェル領域(12Vでも5Vでも)の分離については、Pウェル全体が、Pウェルの下のDNとPウェルを取巻く側壁分離リング(CIJI構造、またはNW5領域などの1つ以上のNウェル領域、もしくはNW5およびNW12領域の積層物を含む)とを含むN型シェルの分離部に包囲されなければならず、さもなければ、Pウェルは周囲の基板から分離されないであろう。これらの要件は、拡散を全く必要とすることなく、この発明のエピレス分離方法を用いて形成された多数の独自の分離構造によって、さらに明らかにされる。
【0118】
図15Aは、すべて単一の深いN層DNによって分離された、2つの12VのPウェルPW12と1つの12VのNウェルNW12とを示している。12VのPウェルPW12同士は5VのP層PW5Bによって隔てられ、12VのNウェルNW12は、それに隣接する12VのNウェル(図示せず)から、5VのN層NW5Bによって隔てられている。12VのPウェルPW12と12VのNウェルNW12とは、図示されているように当接している。ウェルはすべてが12Vのウェルである必要はなく、いくつかの5Vウェルが含まれ得る。
【0119】
図15Bは、深いN層DNによって分離された単一の12VのPウェルPW12を示しており、分離側壁は5VのN層NW5Bで形成され、それは周囲の保護リングP層PW5Bから距離LD1だけ隔てられている。図15Cは同様の構造を示しているが、分離側壁が12VのN層NW12Bを含む点が異なる。双方の構造は図14Mの5Vの分離Pウェルと同様であるが、PウェルPW12の埋込部分、つまりPW12Bが、フィールド酸化物領域の下ではシリコン表面に到達していない点が異なる。
【0120】
図15Dは、12VのNウェルNW12の側に延びる深いN層DNを示している。また、これに代えて、深いN層DNは、フィールド酸化物層の開口部直下の領域に引き戻され得る。降伏電圧は、分離構造と5VのP層PW5B保護リングとの間の距離LDによって
設定される。図示されている構造は図14Iおよび図14Jの5Vの分離Nウェルと同様であるが、図15Dでは、NウェルNW12の埋込部分、つまりNW12Bが、フィール
ド酸化物領域の下ではシリコン表面に到達しておらず、一方、図14Iおよび図14Jでは、5Vの埋込まれたNウェルNW5Bがシリコン表面に到達している点が異なる。
【0121】
図15Eは、隣接する12VのNウェルNW12と12VのPウェルPW12とが接触可能で、かつ依然として表面で降伏条件を満たしていることを示している。各ウェルのより高濃度にドープされた埋込部分、つまりNW12BおよびPW12Bも、そのような構造で接触しているものの、バルクシリコンでの接合の重要な電界は、表面または界面に沿ったものよりも高く、したがって、必要な電圧が達成可能である。また、これに代えて、図15Fに示すように、5VのN層NW5Bと5VのP層PW5Bとを、12VのNウェルNW12と12VのPウェルPW12との間に導入することが可能であるが、その場合、5VのN層NW5Bと5VのP層PW5Bとは互いから引き止められなければならず、さもなければ、降伏条件(8Vより上)が満たされない。もちろん、PウェルPW12とNウェルNW12との間に空間を許容することも、DN層が双方のウェルの下に、かつ介在する間隙の下に続いている限り、可能である。
【0122】
図16Aは、各々相補型の5VのPウェルに関連する2つの分離された5VのNウェルNW5が、異なる電圧+V1および+V2をベースにできること、および、それらが同じ基板に形成されていても互いに独立して動作可能であることを示している。分離領域は、NウェルNW5とのそれらの接続を介して、表示された供給レールおよび述べられた電位にバイアスをかけられる。+V1にバイアスをかけられた分離構造内に含まれるPウェルP
W5は、分離電位+V1と等しい、またはよりマイナスの任意の電圧にバイアスをかけら
れ得る。PウェルPW5がバイアスをかけられ得る最もマイナスの電位は、+V1に対す
るその最大定格電圧である。分離領域および+V1が5Vでバイアスをかけられる場合、
PウェルPW5は、+5Vから0V(接地)までの任意の電位で、つまり供給電圧の全範囲にわたって、連続してバイアスをかけられ、動作され得る。しかし、分離領域および+V1が12Vでバイアスをかけられる場合、PウェルPW5は、5Vのウェルが採用され
ていたため、+12Vからたった7V(つまり12Vマイナス5Vの最大動作)までの任意の電位で、連続してバイアスをかけられ、動作され得る。しかしながら、12VのPウェルが使用されている場合には、PウェルPW12は、12Vから0V(接地)までの任意の電位で動作され得る。
【0123】
同じ1組の規則が、電位+V2にバイアスをかけられた分離アイランドおよびウェルに
当てはまる。デバイス同士は十分に分離されているため、それらは互いに完全に独立して動作可能である。さらに、分離されたPウェル領域は、場合によっては、接地より下で、つまり、必要であれば基板電位より下で動作可能である。図16Bは、図16Aの構造の平面図であり、図16Cは、その構造およびレイアウトの概略図である。
【0124】
図16Dは図16Aと同様であるが、ウェルの相補型の一方の組が5Vのペアで、相補型ウェルの他方の組が12Vのペアである点が異なる。5VのNウェルNW5は+V1
たとえば5V)でバイアスをかけられ、12VのNウェルNW12は+V2(たとえば1
2V)でバイアスをかけられる。5Vのウェル同士は互いに接触しており、一方、12Vのウェル同士を隔てる5VのN層NW5Bと5VのP層PW5Bとがある。図16Eは、図16Dの構造の概略図であり、図16Fは、図16Dの構造の可能な1レイアウトの平面図である。
【0125】
熱拡散サイクルとマスキングステップの総数とを制限することに加え、デバイス特性を向上させ、高電圧を得るためには、個々の領域、特に活性デバイスの要素を含む領域のドーピングプロファイルを制御することが非常に望ましい。そのような構造の形成は、この発明の他の要素と調和する、低またはゼロサーマルバジェットプロセスにおいて実行されるべきであり、さもなければ、注入されたままの低サーマルバジェットエピレス分離構造
およびプロセスの利点は無効になる。
【0126】
図17Aは、半導体材料内にドープされた領域を形成する従来のプロセスの概要を示しており、このプロセスは一般に、マスキングのステップと、マスク内の開口部を介したドーパントの相対的に浅い注入と、注入されたドーパントを拡散または「ドライブ・イン」するための高温拡散とを含む。当然ながら、ドーパントの導入の前後に行なわれる通常のステップが存在するが、それらのステップは、(さらなる拡散が、その拡散の時点においてシリコン内に既に存在しているドーパントに影響を及ぼすこと、すなわちドーパントを再分配することを除き)この議論において重要な問題ではない。一般に、従来のCMOSおよびバイポーラプロセスにおいて、浅いドーパントの層は、一般に60keVから130keVの範囲の単一媒体によるエネルギイオン注入により導入される。この注入は一般に、約1μmの厚さを有するフォトレジストマスクを介して実施される。注入直後のドーパントの層は、深さがせいぜい数十ミクロンである。次に、30分から15または20時間もの間、一般には2から3時間にわたり、900℃から1150℃の範囲の高温プロセスを用いてドライブ・イン拡散が実施される。拡散は窒素雰囲気内で実施されることが多いが、拡散サイクルの一部の間に酸化がしばしば行なわれ、ドーピングのさらなる偏析効果を生じ、プロセスに対し、より多様な濃度および拡散深さを与える。最終的な接合深さは、以前に論じた分離およびシンカー拡散を除き、1μmから10μmの範囲であり得、1.5μmから3μmの接合が一般的である。
【0127】
図17Bは、注入した領域のドーピングプロファイルを正確に制御することを可能にする、この発明に従ったプロセスの概要を示す。事前のステップに続き、相対的に厚いマスクが基板またはエピ層上に堆積されてパターニングされる。相対的に高エネルギで、一般には200keVから3MeVまでで実施される注入を阻止するために、このマスクは相対的に厚くすべきである(3から5μm等)。その後、一連の「連鎖した」注入が続き、この注入は、多くの形態、すなわち、浅いか、深いか、高ドーズか、または低ドーズの形態をとり得る。これにより、実質的にどのような所望のドーピングプロファイルをも有する、ドープされた領域の形成が可能になる。残りのステップは、ドーパントを活性化して結晶の損傷を修復するための短時間アニールを含み得るが、ドーパントの再分配を生じる有意な熱サイクルは存在しない。たとえば、短時間アニールは、15分以下の間、900℃以下の温度で行なわれ得る。代替的に、「急速熱アニール」(RTA)は、1150℃もの高温で20または30秒間のみ実施され得るが、持続期間が十分に短いため、有意な拡散は生じない。連鎖した注入(以前に説明した、上述のCIJI分離構造および注入したままのさまざまなウェル構造を形成するためのもの等)を用いて、能動デバイスの重要な領域、たとえばバイポーラトランジスタのベース、およびDMOSのボディか、または、ドレイン拡張部のドリフト領域、RESURF層、もしくは高電圧JFETを形成することができる。好ましくは共通のマスクを介して、異なるエネルギを有する多数の注入物を順次注入することにより、いくつかの補助的な注入が、完全な多時間拡散にとって代わることが可能になり、はるかに良好なドーパントプロファイルの制御を伴う。
【0128】
予備知識として、図17Cは、従来の注入および拡散プロセスによって生じる典型的なガウス(Gaussian)プロファイルの形状を示す。縦軸はドーピング濃度(N)を示し、横軸は半導体材料の表面よりも下の深さ(X)を示す。ドーパントは浅いレベルに注入されて下方に拡散する。このプロファイルは、周知の数学的関係exp[−x2/(2(Dt
1/2)]に従ったガウス関数に従い、深さが増大するにつれて下降する。ここで、拡散
成分の拡散率Dは、温度Tに対して指数関数的な依存性を有する。拡散の速度は、濃度勾配により決定される。拡散が長時間にわたって進行するほど、拡散の速度は遅くなる。
【0129】
図17Dは、「連鎖した」注入の同様のグラフを示し、この注入は、この場合、一連の5回の注入である。各注入のエネルギは、注入が予め定められた深さにおいて或る射影飛
程を有するように設定され、5回の注入がオーバーラップして、上部の曲線によって示されるドーピングプロファイルの全体を形成する。導電型が反対のドーパント種、たとえばホウ素およびリンを用いることによって一層複雑な構造およびドーパントプロファイルを生じることが可能であるが、ほとんどのデバイスは、1種類の注入種を用いた濃度プロファイリングにより利益を得る。
【0130】
図17Eは、2回の注入を含む連鎖した注入の詳細な図を示す。浅い注入のドーピング濃度のピーク(N1)は、表面に位置し、深い注入のドーピング濃度のピーク(N2)は、表面よりも下に位置する。示すように、N2は、浅い注入のみにおいて一般的なガウスプ
ロファイル(破線)よりもかなり上に位置する(したがって、破線部は、ウェルの非ガウスの様相を示す)。図17Fは、連鎖した同じ注入を示すが、この場合、ドーパントは酸化物層を介して注入される。ここでは、浅い方のドーパントが完全に酸化物層内に位置付けられ、半導体材料は深い方のドーパントのみを認め、そのピーク濃度N2は、図17E
よりも半導体の表面付近に位置付けられる。したがって、被覆されていない半導体材料を介して、および、表面上の酸化物(または他の)層を介して、「連鎖した」同じ注入物を注入することにより、根本的に異なる結果を得ることができる。図17Fでは、注入が酸化物を介して実施されており、この酸化物が注入後に形成されていないことに注意されたい。
【0131】
図17Gおよび図17Hは、連鎖した、異なる注入の同様の図を示す。ここで浅い方の注入は、半導体材料の表面よりもわずかに下に位置するピーク濃度(N3)を有し、深い
方の注入は、N3よりも高いピーク濃度(N4)を有する。図17Gは、半導体の表面を介した、連鎖した注入を示し、図17Hは、酸化物層を介した注入を示す。
【0132】
図17Iおよびおよび図17Jは、図17E〜図17Hの4回の注入を組合せた結果を示す。被覆されていない半導体(図17I)において、ドーピングプロファイルの全体は、ピーク濃度N1、N2、およびN4により決定される。ピーク濃度N3は、N1およびN2よりもかなり低く、消失している。N2およびN4は、極めて高ドープされた、埋没した層を設ける。注入が酸化物層を介して行なわれた場合(図17J)、ピークN1およびN3はいずれも、酸化物層内で終端をなすために「消失」している。
【0133】
図17Kおよび図17Lは、ドーピングプロセスに固有の物理的な現象を示す。同じ総ドーズ量Q1(単位は原子/cm-2)を有する2回の注入を示す。図17Kに示す注入の
射影飛程RP1は、図17Lに示す注入の射影飛程RP2よりも大きい。示されるように、たとえ総ドーズ量Q1が全く同じであっても、図17Kの注入のピーク濃度N5は、図17Lに示す注入のピーク濃度N6よりも高い。このことは、所定のドーズ量の注入物が、半導
体内に深く注入されるほどより多く拡散し、したがってドーピング濃度のより低いピークを得るという一般原理を示す。
【0134】
図17Mは、図17Kおよび図17Lの注入物が同じ基板内に注入された場合に何が生じるかを示すことにより、このことをさらに示し、図17Nは、各々が同じドーズ量を有する一連の5回の注入を用いて同じ原理を示す。示されるように、ピーク濃度N7、N8、N9、N10、およびN11は、ドーパントが半導体内により深く注入されるにつれて漸進的
に低くなり、かつ、注入物の幅(散在量)が広くなる。
【0135】
この効果は、図17Pに示すように、浅い方の注入のドーズ量Q3よりも大きなドーズ
量Q4を深い方の注入に与えることによって打消すことができる。その結果、深い方の注
入の散在量ΔX4は、浅い方の注入の散在量ΔX3よりも大きくなる。図17Qは、漸進的により高いドーズ量Q5、Q6、Q7、およびQ8を有する4回の注入を用いて同じ原理を示し、これらの注入は、N13のドーピング濃度を有する、ほとんど「平坦な」プロファイル
を生じる。深さが増すにつれてドーピング濃度の勾配を上向きにすることが望まれる場合、Q6、Q7、およびQ8を、漸進的により一層高くしなければならない。
【0136】
上に示したように、連鎖したこれらの注入の位置を規定するために一般的に用いられるフォトレジストマスクは一般に、相対的に厚く、たとえば3μmから5μmの厚さである。これにより、小さなマスク開口部を用いて極めて小さなフィーチャーサイズを達成することが一層難しくなる。さらに、高エネルギの注入は、結晶内の原子から跳飛して横方向に拡散する注入イオンにより、より一層横方向の散在を呈する。したがって、実際に、低エネルギの浅い注入に比べ、深い注入の方が横方向に拡散する。このことは、連鎖した注入のスタックの形状が、底部よりも上部においてより一層幅の広いガウス拡散とは異なり、より一層垂直となり、上部ではなく底部において実際に最も幅が広くなることを意味する。図17Rは、厚いフォトレジスト層702内のウィンドウ700および酸化物層704を介した一連の4回の注入を示す。ウィンドウ700は、注入を横方向に制約するが、フォトレジスト層702の厚さが増すにつれ、ウィンドウ700を任意に小さく形成することはできない。加えて、注入されたドーパントは、特により高エネルギでより深く基板に進入してからしばらくたった後に、横方向に拡散する。
【0137】
できる限り最小の横方向の範囲に注入を制約するための技術は、図17Sに示すように、半導体内にトレンチを形成することである。トレンチ706は、酸化物か、他の何らかの非導電性材料か、またはドープされたポリシリコンで充填することができる。注入物はトレンチ706内でオーバーラップするが、そこでは影響を及ぼさない。なぜなら、トレンチ706を充填する材料が、非導電性である(またはポリシリコンの場合、既に高ドープされている)ためである。トレンチ706間の間隔W1は、厚いフォトレジスト層702内の開口部700の幅W2よりも一般に小さく形成され得る。
【0138】
さらに、図17Tに示すように、ドーパントは、トレンチ706の底部よりも下にドーパントを推進するエネルギで注入され得、図17Uに示すように逆向きの「きのこ」形状を有するドープされた領域708と、半導体の表面よりも下に位置する上端部とを生じる。
【0139】
上述の連鎖した注入は、連鎖した注入による接合分離(CIJI)領域を含み得、この領域は、エピタキシャル層内におよびエピタキシャル層を介して注入され得、または、同じ導電型を有する、深く注入されかつ埋め込まれた注入物とオーバーラップするために用いられ得る。たとえば図17Vにおいて、基板の導電型とは反対の導電型のエピタキシャル層711は、フォトリソグラフィにより規定されたフォトレジスト層712を介して注入された、基板と同じ導電型の一連の注入713aから713f(P基板内に注入された、ホウ素による連鎖した分離注入等)により、分離される。図17Wに示す、結果的に得られた分離構造は、エピ層711を分離するCIJI構造715の、結果的に得られる構造を示す。
【0140】
図17Xにおいて、同様のCIJI分離構造は、フォトレジスト712だけでなく、酸化物、オキシナイトライド等の誘電体材料またはポリシリコンで充填されたトレンチ720aおよび720bによっても注入中に制約を受ける。結果的に得られる分離構造を図17Yに示す。トレンチ720aおよび720bの深さは、0.7μmからエピ層自体の深さの範囲に及び得るが、好ましくは、注入を制約することと、トレンチの再充填プロセスを容易にすることとの折衷案として、エピ層711の表面から底部までの距離のほぼ2分の1から4分の3に及ぶべきである。
【0141】
図17Zにおいて、CIJI側壁分離構造は、P基板730a内への注入物733aから733dを含み、深く注入されたフロア分離領域DN732と環状またはリングのパタ
ーンでオーバーラップして、基板730aから分離された、分離されたポケット730bを形成する。CIJI構造740を含む、結果的に得られた分離構造を、図17AAに示す。
【0142】
図17Zの構造と類似した構造において、図17BBのCIJI側壁分離構造は、連続した注入733aから733eの横方向の散在を制約するための、誘電体で充填されたトレンチ750aおよび750bの使用を示す。最も深い注入物(深い注入物733e等)は、深い分離領域DN732とオーバーラップして、P基板730aからポケット730bを分離する。CIJI側壁分離構造751を有する、結果的に得られた構造を、図17CCに示す。トレンチ750aおよび750bの深さは、0.7μmからDN層自体の深さの範囲に及び得るが、好ましくは、注入を制約することと、トレンチの再充填プロセスを容易にすることとの折衷案として、表面から深いDN層732までの距離のほぼ2分の1から4分の3に及ぶべきである。
【0143】
エピタキシに対する必要性をなくす(またはエピの変動の影響を最小にする)分離構造を形成するための方法を、この明細書のさまざまなプロセスおよび方法で詳細に説明してきた。このような方法の組合せを用いることによる、集積回路へのデバイスの統合は、熱収支のない分離およびデバイス形成技術の例としてここに含まれるが、このような方法の使用を、この明細書で詳細に説明しかつ例示した特定のデバイスに限定するものと解釈されるべきではない。
【0144】
図18A〜図18Hは、この発明に従ったプロセスにより製造され得るデバイスのファミリーを示す。このプロセスは、基板350によって示される1つの半導体チップに実施され、基板350は一般に、ホウ素等のP型不純物でドープされる。デバイスと、デバイス内のいくつかの領域とは、従来のLOCOS(シリコンの選択酸化)プロセスにより基板350の表面に成長させたフィールド酸化物層352によって横方向に分離される。
【0145】
図18Aから始めると、デバイスのファミリーは、PチャネルMOSFET(PMOS)301およびNチャネルMOSFET(NMOS)302を含む5Vの相補的なMOSFETのペア(CMOS)を含む。
【0146】
PMOS301は、PMOS301のボディとして働くNウェル354A内に形成される。Nウェル354Aは、以下に述べるように、フィールド酸化物層352を介してドーパントを注入することにより形成された浅い領域356を含む。ゲート358Aが基板350の上方に形成され、一般に、金属層で被覆され得る多結晶シリコン(ポリシリコン)で形成される。ゲート358Aは、側壁スペーサ360により境界を定められ、ゲート酸化物層(図示せず)によりNウェル354Aから分離される。ゲート酸化物層の厚さは、100Aから2000Aの範囲であり得るが、一般に、200Aから600Aの範囲である。低ドープされたPドリフト領域362Aおよび362Bが、Nウェル354A内のゲート358Aの両側に形成される。PMOS301はまた、P+ソース領域364AおよびP+ドレイン領域364Bも含む(図18A〜図18Hにおいて、同じ参照番号だが異なる文字で示されたドーパント領域は、同じ注入のステップ中に形成される)。
【0147】
BPSG(ボロホスホシリケートガラス)層366または他の誘電体が基板350の上に存在し、BPSG層366内にコンタクト開口部が形成される。金属層370は、このコンタクト開口部を介してPMOSのソースおよびドレインに接触する。
【0148】
NMOS302は、NMOS302のボディとして働くPウェル372A内に形成される。Pウェル372Aは、以下に説明するように、フィールド酸化物層352を介してドーパントを注入することにより形成された浅い領域374を含む。ゲート358Bはゲー
ト358Aと同様に、基板350の上方に形成される。ゲート358Bは側壁スペーサ360により境界を定められ、ゲート酸化物層(図示せず)によりPウェル372Aから分離される。低ドープされたN領域376Aおよび376Bが、Pウェル372A内のゲート358Bの両側に形成される。NMOS302はまた、N+ソース領域378AおよびN+ドレイン領域378Bも含む。金属層370は、BPSG層366内のコンタクト開口部を介してNMOS302のソースおよびドレインに接触する。
【0149】
基板350はまた、12VのPMOS303および12VのNMOS304も含む。12VのPMOS303は、PMOS301のNウェル354Aよりも高エネルギでドーパントが注入されたNウェル380A内に形成される。ゲート358Cはゲート358Aおよび358Bと同じポリシリコン層で形成されるが、基板からゲート358Cを分離するゲート酸化物層は一般に、ゲート358Aおよび358Bの下のゲート酸化物層よりも厚い。12Vにおける連続動作を持続するためのゲート酸化物の最小厚さは、好ましくは300Å以上であるべきである。ソースがP+領域364Cにより形成され、ドレインがP+領域364Dにより形成される。ドレインは、ゲート358C上の側壁スペーサによって定められていない距離だけ、ゲート358Cの縁端部からずれる。以下に説明するように、P+ドレイン364Dは、むしろ、別個のマスキングステップで形成される。低ドープされたP領域363Bは、ドレイン領域364Dとゲート358Cとの間に延び、同様にドレインとフィールド酸化物352との間に延びる。その一方で、12VのPMOS303のP+ソース364Cは、ゲート358C上の側壁スペーサ360と整合される。したがって、12VのPMOS303は、対称型デバイスではない。ドレイン364Dは、ゲート358Cの縁端部からかなりのマージン(0.3〜1.0μm)だけずれているが、一方でソース364Cは、わずかなマージン(0.15μm等)だけずれる。
【0150】
Nウェル380Aは浅い領域384を含み、浅い領域384において、Nウェル380Aを形成するために注入されたドーパントは、フィールド酸化物層352を通過する。しかしながら、浅い領域384のドーピング濃度は一般に、12VのPMOS303と隣接するデバイスとの間での表面反転および寄生MOSFETを防止するのに十分なものではないため、5VのPMOS301のNウェル354Aを形成するために用いられる注入物が、浅い領域384内に導入されてN領域354Bを形成し、浅い領域384におけるドーピングの総濃度を上昇させる。
【0151】
12VのNMOS304は、NMOS302のPウェル372Aよりも高いエネルギでドーパントが注入されたPウェル386A内に形成される。ゲート358Dはゲート358Cと同様に、ゲート358A、358B、および358Cと同じポリシリコン層で形成される。N+ソース領域378Dは、ゲート358D上の側壁スペーサ360により定められた距離だけゲート358Dの縁端部からずれており、一方でN+ドレイン領域378Cは、側壁スペーサ360とは無関係の距離だけ、ゲート358Dの縁端部からずれる。低ドープされたN領域377Aは、ドレインとゲートとの間、およびドレインとフィールド酸化物領域352との間に延びる。
【0152】
Pウェル386Aは浅い領域388を含み、この浅い領域388において、Pウェル386Aを形成するために注入されたドーパントは、フィールド酸化物層352を通過する。5VのNMOS302においてPウェル372Aを形成するために用いられる注入物が、浅い領域388内に導入されてP領域372Bを形成し、浅い領域388におけるドーピングの総濃度を上昇させる。これにより、12VのNMOS304と隣接するデバイスとの間での表面反転および寄生MOSFETを防止する。
【0153】
5VのNPNバイポーラトランジスタ(NPN)305は、ベースとしてダブルPウェル372Cを含む。ダブルPウェル372Cは、NMOS302におけるPウェル372
Aと同じ注入の間に形成される。ダブルPウェルを用いることにより、P+領域364Eを介して、離れた場所においてベースに接触させることができる。ダブルPウェル372Cは相対的に浅く(0.5〜1.0μmの深さ等)、これは、先行技術のプロセスにおけるバイポーラトランジスタで用いられる接合深さに典型的なものである。N+領域378Eはエミッタとして働き、エミッタは、極めて小さく形成することが可能であり、エミッタ−ベースの側壁のキャパシタンスを減じる。5VのNPN305のコレクタは、Nウェル354Cを含み、Nウェル354Cは、深いN(DN)層390Aと合流する。
【0154】
Nウェル354CおよびDN層390Aはともに、基板350の残りの部分から分離された、分離されたポケット392Aの周囲に、取巻いた形のN領域を形成する。Nウェルは、デバイス全体を取囲んで分離を完全なものにする。しかしながら、NPN305の電気的特性は、分離されたポケット392Aのドーピング濃度ではなく、ダブルPウェル372Cのドーピング濃度によって主に設定される。なぜなら、Pウェルのドーピング濃度の方が高いためである。ダブルPウェル、すなわち、ベースおよびベースコンタクト領域を含んで隣接する2つのPウェル領域は、デバイスの活性かつ真性のベース部分、すなわちN+エミッタ378Eの下に位置付けられたPウェル372CからP+ベースコンタクト364Eを不注意にも「接続解除」することなく、エミッタ378とベースコンタクト領域364Eとの間に介在するフィールド酸化物352を収容することが要求される。したがって、高速動作、ならびに良好なエミッタ−ベースの降伏特性および漏れ特性を得ることができる。
【0155】
5VのPNPバイポーラトランジスタ(PNP)306は、取巻いた形の「フロア分離構造」と、5VのNウェル354Eおよび深いN層390Bを含む側壁分離領域とを有する。Nウェル354Eに、N+領域378Hを介して接触し、チップ上でコレクタ電圧または最も正の電圧においてバイアスをかけることができ、この場合、コレクタ−「フロア」接合部には、ゼロバイアスまたは逆バイアスのいずれかがかけられる。PNP306のエミッタは、P+領域364Gである。コレクタは、合流した3つのウェルを実質的に含む12VのPウェル386Bと、抵抗を減らすためのさらなるコレクタシンカーとして用いられる5VのPウェル372Dとを含む。ベースは、専用のNベース領域394を含み、ベースには、5VのNウェル354DおよびN+コンタクト領域378Gを介して接触する。代替的に、エミッタとベースとの間のフィールド酸化物層352の部分を除去することができ、この場合、Nの注入物394は、ベースコンタクトの下に延び、エミッタのキャパシタンスが増大する。
【0156】
30Vのチャネルストップ307は、接触されないP+領域364Hを含み、このP+領域364Hは、12VのPウェル386Cおよび5VのPウェル372Eの上に位置する。このことは、表面反転を防止するだけでなく、少数のキャリアが横方向に流れようとする場合、それらの収集を可能にする。
【0157】
30Vの横型トレンチ二重拡散MOSFET(DMOS)308は、ポリシリコンゲート396Aで充填されかつゲート酸化物層398Aで裏打ちされたトレンチを含む。横型トレンチDMOS308はまた、5VのNウェル354Fと、N+コンタクト領域378Iと、低ドープされた専用のNドリフト領域とを含むドレインを含む。このNドリフト領域は、フィールド酸化物層352下の浅いドリフト部391Aと、深いドリフト部393Aとを含み、上述の連鎖した注入技術を用いて作成され得る。Pのボディ領域395Aは、専用のホウ素注入物または連鎖注入物であり、このボディ領域395Aには、P+ボディコンタクト領域364Iを介して接触する。ソースは、トレンチに隣接するN+領域378Jにより示される。電流は、N+ソース領域378JからPボディ領域395A内のチャネルを通って下方に流れ、その後向きを変えて5VのNウェル354FおよびN+コンタクト領域378Iに向かい横方向に流れる。ゲート396Aは、高電圧Nドリフト領
域内の電流を拡散することによってその領域内の電流密度および抵抗を下げるための横型電流スプレッダとして働く。
【0158】
以下に説明するように、ポリシリコンゲート396Aは2段階で形成され、第1の層がトレンチ内に堆積され、第2の層がトレンチの上面とオーバーラップする。これらの層は、横型MOSFET301から304においてゲートを形成するために用いられる層から離れている。
【0159】
要約すると、図18Aは、十分に最適化された5Vおよび12VのCMOSのペア(301,302および303,304)と、相補的なバイポーラトランジスタ(305,306)と、30Vの横型トレンチDMOS(308)とを含むデバイスのグループを示しており、これらのデバイスはすべて、エピタキシャル層を用いずに、長時間の拡散を伴わない単一のプロセスで1つのチップに形成される。バイポーラトランジスタ(305,306)は基板350から完全に分離されているが、CMOSのペア(301,302および303,304)もまた同様に、それらの下に深いN層390を追加することによって分離され得ることを理解されるべきである。
【0160】
図18Bは、同じプロセスで形成され得るデバイスの第2のグループを示し、このグループは、12Vの分離された対称型CMOSのペア309および310と、ポリ−ポリキャパシタ311と、NPN312と、12Vのチャネルストップ313と、12Vの横型トレンチDMOS314とを含む。
【0161】
12Vの分離された対称型CMOSのペア309および310は、12VのNウェル380Cと合流した深いN層390Cにより、基板350から分離されている。Nウェル380C内に5VのNウェル354Hが存在し、このNウェル354Hには、N+および金属(図示せず)により接触する。PMOS309は、Nウェル380Cの電位が基板350の電位よりも高い限り、基板350から分離される。NMOS310は、N型材料により取囲まれているため、基板350から分離される。
【0162】
PMOS309およびNMOS310は、それらが対称型であることを除き、PMOS303およびNMOS304とほぼ同様である。PMOS309におけるソース領域364Jおよびドレイン領域364Kは、等しい距離だけ、ゲート358Eから横方向にずれている。NMOS310におけるソース領域378Kおよびドレイン領域378Lもまた、等しい距離だけ、ゲート358Fから横方向にずれている。同様に、拡張されたドリフト領域363Cおよび363Dは、PMOS309のゲート358Eに対して対称であり、拡張されたドリフト領域377Cおよび377Dは、NMOS310のゲート358Fに対して対称である。ドリフトの設計が対称であることにより、ソースまたはドレインのいずれかが、囲み込むウェルを基準として12V(最大15V)の逆バイアスを得ることを可能にする。
【0163】
Nウェル380Bは、浅い領域397を含み、この浅い領域397において、Nウェル380Bを形成するために注入されたドーパントは、フィールド酸化物層352を通過する。しかしながら、浅い領域397のドーピング濃度が一般に、12VのPMOS309と隣接するデバイスとの間での表面反転および寄生MOSFETを防止するのに十分なものではないため、5VのPMOS301のNウェル354Aを形成するのに用いられた注入物が、浅い領域397内に導入されてN領域354Gを形成し、浅い領域397内のドーピングの総濃度を上昇させる。
【0164】
12VのPウェル386Dは浅い領域399を含み、この浅い領域399において、Pウェル386Dを形成するために注入されたドーパントは、フィールド酸化物層352を
通過する。5VのNMOS302のPウェル372Aを形成するために用いられた注入物が、浅い領域399内に導入されてP領域372Fを形成し、浅い領域399内のドーピングの総濃度を上昇させる。これにより、12VのNMOS310と隣接するデバイスとの間での表面反転および寄生MOSFETを防止する。
【0165】
ポリ−ポリキャパシタ311は、絶縁層387により分離された2つのポリシリコン層389および358Gを含む。ポリシリコン層358Gは、上述の横型デバイスのゲート(すなわち、ゲート358A、358B等)を形成するポリシリコン層と同時に形成される。ポリシリコン層389は、以下に論じるトレンチデバイスのトレンチから溢出したポリシリコン層と同時に形成される。
【0166】
NPN312は、Pベース領域395B(特定のマスクを用いて形成される)と、基板350の分離された領域392Bと、P+ベースコンタクト領域364Lとを含むベースを有する。NPN312のエミッタは、N領域378Lである。コレクタは、深いN層390Dと合流するN分離領域354Kである。ベースおよびエミッタと、フィールド酸化物層352の下にあるNウェル372Cとの間にフィールド酸化物層352の一部を有する図18AのNPN305とは異なり、NPN312では、すべての領域が活性であってNウェルは必要ではない。その結果、NPN312のベース−エミッタのキャパシタンスは、NPN305のベース−エミッタのキャパシタンスよりも大きくなる。
【0167】
NPN312のベース幅は、基板350の表面から下がって深いN層390Dの上面までの距離全体に等しいが、利得特性は、Pベース領域395Bの厚さにより主に決定される。なぜなら、分離された領域392Bが通常動作においてすぐに空乏化するためである。ベースの幅により、何らかの走行時間が加算され、このことがNPN312の最大周波数を制限するが、この最大周波数は、依然として数GHzの範囲内にある。分離された領域392Bの深さは、約0.7から1.5μmであり得る。
【0168】
12Vのチャネルストップ313は、5VのPウェル372Gおよび12VのPウェル386Eを含み、これらのPウェル372Gおよび386Eには、P+領域364Mを介して接触する。P+領域364Mは、トレンチゲート396Bの両側に任意に延びる。12Vのチャネルストップ313の機能は、基板350の表面が、上に存在しかつ高電圧でバイアスがかけられる金属線によって反転されることを防止することである。
【0169】
12Vの横型トレンチDMOS314は本質的に、図18Aの30Vの横型トレンチDMOS308の小型バージョンである。12VのDMOS314は、ポリシリコンゲート396Cで充填されかつゲート酸化物層398Cで裏打ちされたトレンチを含む。横型トレンチDMOS314はまた、5VのNウェル354Lと、N+コンタクト領域378Nと、低ドープされた専用のNドリフト領域とを含むドレインを含む。このNドリフト領域は、フィールド酸化物層352下の浅い部分391Bと、深いドリフト部393Bとを含む。Pボディ領域395Cは、専用の注入物であり、このボディ領域395Cには、P+ボディコンタクト領域364Nを介して接触する。ソースは、トレンチに隣接するN+領域378Pにより示される。電流は、N+ソース領域378PからPボディ領域395C内のチャネルを通って下方に流れ、その後向きを変えて、5VのNウェル354LおよびN+コンタクト領域378Nに向かい横方向に流れる。ゲート396Cは、高電圧Nドリフト領域内の電流を拡散することによってその領域内の電流密度および抵抗を下げるための横型電流スプレッダとして働く。
【0170】
ポリシリコンゲート396Cは、トレンチゲート396Aおよび396Bと同様に、2段階で形成されることが好ましく、第1の層がトレンチ内に堆積され、第2の層がトレンチの上面とオーバーラップする。これらの層は、横型MOSFET301から304にお
けるゲートを形成するために用いられる層から離れている。
【0171】
図18Cを参照すると、デバイスファミリーは、5VのNMOS315および5VのPMOS316を含む、完全に分離された5VのCMOSのペアを含む。NMOS315は、5VのPウェル372H内に形成されたN+ソース領域378RおよびN+ドレイン領域378Sを含み、Pウェル372Hはまた、P+ボディコンタクト領域364P(N+領域378Rへの突出したコンタクトとして図示)も含む。ゲート358Hは、Pウェル372Hのチャネルの上に存在する。NMOS315は、下にある深いN層390Eにより基板350から分離されており、深いN層390Eは、N型側壁分離領域354NおよびN+コンタクト領域378Qと合流する。このようなデバイスにおいて、取巻いた形の分離構造には、NMOSのソースおよびボディとは異なる電位までバイアスがかけられ得、NMOSのソースおよびボディは、依然として、突出するコンタクトにより局所的に短絡され得る。上述のように、NMOSは、下にLDDが存在する側壁スペーサを有し得(図18AのNMOS302の分離されたバージョンと同様)、または、プロセスの一層単純なバージョンにおいて、側壁スペーサおよび浅いLDDの注入を省略することができる。
【0172】
PMOS316は、同様にN+ボディコンタクト領域378Tを含む5VのNウェル354N内に形成されたP+ドレイン領域364QおよびP+ソース領域364Rを含む。ゲート358Iは、Nウェル354P内のチャネルの上に存在する。PMOS316は、Nウェル354P内の構造物の人為構造として基板350から分離されるが、Nウェルの下に深いN層DN390Eを拡張することによって基板350からさらに分離されて、基板への寄生バイポーラ利得を減じることができる。P+コンタクト領域364Sおよび5VのPウェル372Iを介して基板350に電気的接触が生じる。上述のように、PMOSは、下にLDDが存在する側壁スペーサを有し得(図18AのPMOS301の分離されたバージョンと同様)、または、プロセスの一層単純なバージョンにおいて、側壁スペーサおよび浅いLDDの注入を省略することができる。P+ソース364RおよびN+ボディコンタクト378Tとの間の突出するコンタクトは、完全に分離されたPMOSが、ソースからボディへの局所的な短絡を依然として用い得ることを示す。
【0173】
図18Dに示すように、デバイス317において、トレンチゲート396D間のメサは、N+ソース領域378V、Pボディ395D、および高電圧Nドリフト領域393Cを含む1つのメサと、N+ドレイン領域378Uおよび5VのNウェル354Q(高電圧Nドリフト領域393C上に重なる)を含む代替的なメサとが交互に配置される。トレンチゲートの下には、12VのNウェル380Dおよび任意の深いN層390Fが存在する。Pボディ395Dは、ゲート396Dにより制御されるチャネルを含む。P+領域364Tを介して基板350に電気的接触が生じる。トレンチゲート396Dに適切な電位を与えることによってデバイス317がオンにされると、ゲート酸化物398D全体の電界がPB領域395Dを反転させ、それにより、電流は、N+ソース領域378VからPボディ395D内の反転されたチャネルを通って、1つのメサ内の高電圧Nドリフト領域393Cまで下方に流れ、その後、12VのNウェル380Dを介してトレンチゲート396Dの底部の付近を流れてから、隣接するメサ内の5VのNウェル354QおよびN+ドレイン領域378Uを通って上方に流れる。P型ボディ領域PB395Dへの接触は、指状突起の長さに沿って(図示していない3次元において)生じることが好ましく、一般には、金属370を介してソース領域378Vに短絡される。
【0174】
図18Eに示すように、デバイス318は、デバイス317と同じであるが、異なる点は、12VのNウェル380DがN+ソース領域378VおよびPボディ395Dを含むメサの下において連続しておらず、その代わりに、12VのNウェル380Eが、ドレイン領域378Uを含むメサと、それらのメサに隣接するトレンチゲート396Dとの下に
存在することである。このことは、短チャネル特性のデバイスに対し、N+ソース378VとPボディ395Dとの間にそれほど実効的ではない逆バイアスか、または僅かにより高い降伏電圧を提供する。
【0175】
図18Fに示すように、デバイス319は、デバイス317のさらに別のバージョンである。デバイス319では、交互に配置されるメサのパターンの代わりに、1つのメサを除くすべてのメサがN+ソース領域378V、Pボディ395D、および高電圧Nドリフト領域393Cを含む。1つのメサのみが、N+ドレイン領域378Uおよび5VのNウェル354Qを含む。当然ながら、図18Fは、デバイス319の一部を示しているにすぎない。一般に、ソース−ボディを含むメサの数と、ドレインを含むメサの数との間に或る比率が存在する。多数の「ソース−ボディ」メサが存在し、そして周期的に「ドレイン」メサが存在する。12VのNウェル380Dが高ドープされるほど、「ドレイン」メサに対する「ソース−ボディ」メサの比率が高くなり得る。
【0176】
デバイス319において、電流は、N+ソース領域378Vを含むメサを下方に流れ、12VのNウェル380Dを介して横方向に流れ、そして、N+ドレイン領域378Uを含むメサを上方に流れる。この点で、デバイス319は、完全に拡散またはエピタキシなしで形成された1つを除き、真に「擬似縦型」デバイスである。
【0177】
図18Gは、フィールド酸化物領域352の上を段状に上るゲート358Jを含む横型NチャネルDMOS320を示す。DMOS320は、N+ソース領域378Wと、N+ドレイン領域378Xと、P+ボディコンタクト領域364Uを介して接触されるPボディ395Eとを含む。電流は、N+ソース領域378Wから、(ポリシリコンゲート358Jの活性化した部分の下にあるゲート酸化物の下に位置付けられる)Pボディ395E内のチャネルを通り、さらに高電圧ドリフト領域391Cを通って、(高電圧ドリフト領域393DおよびN+ドレイン領域378Xを含む)5VのNウェル354Rに流れ込む。
【0178】
図18Hは、ゲート358Kと、P+ソース領域364Wと、P+ドレイン領域364Vと、N+ボディコンタクト領域378Xを介して接触される(DMOSボディとして働く)Nウェル354Rとを含む横型PチャネルDMOS400を示す。電流は、P+ソース領域364Wから、(ポリシリコンゲート358Kの下にあるゲート酸化物の下に位置付けられた)Nウェル354R内のチャネルを通り、さらに(P基板350の単に分離された部分である)高電圧ドリフト領域401を通り、P+ドレイン領域364V(任意に5VのPウェル)まで流れる。
【0179】
要約すると、上述のデバイスのすべてのファミリーは、以下のように図18A〜図18Hおよび表1(接尾文字を有さない)で識別されるように、一連の11回の基本的な注入を用いて1枚の基板350上に作製され得る。
【0180】
【表1】
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【0181】
基板は、熱サイクルに実質的に曝されないため、注入物が基板内に導入された後の注入物の拡散または再分配は実質的に生じない。したがって、表1に列挙した注入を、任意の順序で実施することができる。さらに、5Vおよび12Vのデバイスは単に例示であることを理解されたい。5V未満および/または12Vを超える電圧定格を有するデバイスもまた、この発明の原理を用いて作製することができる。
【0182】
図19A〜図19Hは、図18A〜図18Hに示すデバイスのいくつかの等価回路図である。図19A〜図19Hにおいて、「S」はソースを表わし、「D」はドレインを表わし、「G」はゲートを表わし、「B」はボディまたはベースを表わし、「C」はコレクタを表わし、「E」はエミッタを表わし、「DN」は深いN層を表わし、「FI」は(適用可能である場合)フロア分離接続を表わす。
【0183】
図19Aは、PMOS301およびNMOS302を含む5VのCMOSを示す。PMOS301およびNMOS302は5Vのデバイスであることにより、相対的に薄いゲート酸化物層を有する。PMOS301は、D1と表示されたダイオードにより基板から分離される。NMOS302は通常、基板から分離されないが、NMOS302は、それよりも下に形成された深いN層を有するものとして示され、ダイオードD2およびD3は、基板からNMOS302を分離する。深いN層には、フロア分離端子FIを介して別個にバイアスをかけることができる。端子FIは、ボディ端子Bに対し、逆バイアスまたはゼロバイアスをかけられ得る。
【0184】
図19Bは、PMOS303およびNMOS304を含む12VのCMOSを示す。PMOS303およびNMOS304は、PMOS301およびNMOS302よりも厚いゲート酸化物層を有する。NMOS304の下の深いN層は、基板からNMOS304を分離するダイオードD4およびD5を形成する。
【0185】
図19Cは、ダイオードD7により基板から分離されたコレクタを有する5VのNPN305を示す。図19Dは、そのベースが、逆バイアスをかけられたダイオードD8により基板から分離された、5Vの擬似縦型PNP306を示す。
【0186】
図19Eは、厚いゲート酸化物層または薄いゲート酸化物層のいずれかを有し得る30Vの横型トレンチDMOS308を示す。ドレインと基板との間に、逆バイアスをかけたダイオードD6が形成される。ソース/ボディ端子S/Bもまた、基板から分離される。
【0187】
図19Fは、ポリ−ポリキャパシタ311を示し、図19Gは、ポリシリコン抵抗器(図18A〜図18Hでは図示せず)を示す。これらのデバイスはいずれも、酸化物層により基板から分離される。
【0188】
図19Hは、そのソースおよびボディの端子がともに短絡されて基板に連結され、かつ、そのドレイン端子がダイオードD9により基板から分離される、従来の30Vの横型DMOS320を示す。概略的に、図18Gに示すNチャネル横型(表面)DMOS320および図18Aに示すNチャネルトレンチ横型DMOS308は、一見同じ概略図を有しているように見えるが、それらの構成は完全に異なる。これらのDMOSの差を強調するために、概略図にこれらの両方を含めた(一方は、表面伝導型デバイスであり、他方は、トレンチ側壁を垂直方向かつ下方にチャネル内で導通する)。
【0189】
図20Aおよび図20Bは、図18A〜図18Gで示すデバイスを作製するために用いられ得る、この発明に従った例示的なプロセスの概観を提示する。このプロセスは、プロセスのステップの概要を簡潔に示す一連の「カード」として描かれている。角部が切り取られたカードは、任意のプロセスステップを示す。このプロセスは、図21〜図67の説明において、以下において更に詳細に説明する。
【0190】
プロセスは、基板と、LOCOS(シリコンの選択的酸化)のシーケンスを実施して基板の表面にフィールド酸化物領域を形成することとにより開始する。プロセス全体の熱収支の主な部分は、LOCOSのシーケンス中に生じる。次に、3つのオプション、すなわち、トレンチDMOSの形成、ポリ−ポリキャパシタの形成、または5Vおよび12VのCMOSデバイスの作製に備えたN型ウェルおよびP型ウェルの形成、が存在する。実際に、トレンチDMOSとポリ−ポリキャパシタとは、互いに排他的ではない。プロセスのこの部分および以降の部分で堆積されるポリシリコン層を用いて、トレンチDMOSおよびポリ−ポリキャパシタの両方を形成することができる。
【0191】
ウェルが形成されてから、横型CMOSデバイス用のゲートが形成される。次にこのプロセスは、ソースおよびドレイン領域の形成、BPSG(ボロホスホシリケートガラスまたは他の誘電体)層の堆積およびBPSG層内におけるコンタクト開口部の形成、二層金属(DLM)の形成、ならびに第3の金属層およびパッドマスクの最終的な形成に進む。
【0192】
図21〜図67は、図18A〜図18Hに示すデバイスのいくつか、すなわち、特に、5VのPMOS301、5VのNMOS302、5VのNPN305、5VのPNP306、30Vの横型トレンチDMOS308、12VのPMOS309、および12VのNMOS310を作製するためのプロセスを示す。5VのNPN305および5VのPNP306は、従来の形と、高速動作(高fT)を提供する形との両方で示される。このプロ
セスは、1枚の基板350を用いる。
【0193】
「A」と表示された図面は、5VのPMOS301および5VのNMOS302を示し、「B」と表示された図面は、従来の形の5VのNPN305および5VのPNP306
を示し、「C」と表示された図面は、「高fT」の形の5VのNPN305および5Vの
PNP306を示し、「D」と表示された図面は、30Vの横型トレンチDMOS308を示し、「E」と表示された図面は、12VのPMOS309および12VのNMOS310を示す。参照を容易にするために、この体系を表2にまとめる。
【0194】
【表2】
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【0195】
プロセスの特定のステージが、関与する1つまたは複数のデバイスに有意な影響を及ぼさない図面は提示しない。たとえば、注入されたドーパントが、上にある窒化物層または酸化物層により基板に到達しないようにされる場合、または、層が堆積された後に、その層が、下にあるデバイスに有意な影響を及ぼさずに除去される場合、その図面は省略される。各文字と特定のデバイスとの関連を保持するために、このことは必然的に、図面が順次的なものではないことを意味する。たとえば、特定の参照番号を有する図面が、「B」を有するものの「A」を有さないことが考えられる。
【0196】
図21は、すべてのデバイスに対する開始材料、すなわち基板350を示す。基板350上にパッド酸化物層402が形成されて、窒化物とシリコン基板との間の応力を緩和する。たとえば、パッド酸化物層402は、30分から3時間にわたり、約850から1100℃まで基板350を加熱することにより形成され得る。
【0197】
図22A〜図22Eに示すように、基板350の表面上に窒化物層404が堆積され、この窒化物層404は、一般に700Aから4000Aの範囲の厚さを有するが、1500Aが公称値である。窒化物層404上にフォトレジストマスク層406が堆積される。従来のフォトリソグラフィのプロセスを用いて、フォトレジスト層406をフォトリソグラフィによりパターニングし、フォトレジスト層406の開口部を介して窒化物層404をエッチングして、図22A〜図22Eに示す構造を形成する。一般に、窒化物は、任意の領域に残存してフィールド酸化を受けず、すなわち、窒化物で被覆された領域は、デバイスが作製されるべき活性領域に対応する。
【0198】
図23A〜図23Eに示すように、フォトレジスト層406が除去され、通常のLOCOSの活性マスクのシーケンスに続き、基板350が、たとえば850から1100℃、一般には900℃まで1から4時間、名目上は2時間にわたり、酸化雰囲気内で加熱される。その結果、フィールド酸化物層352は、窒化物により被覆されずに、窒化物層404の部分間の空間に形成される。フィールド酸化物層352は、0.2から2μmの厚さの範囲であり得るが、0.5μmが公称値である。次に窒化物層352は、図24A〜図24Eに示すように除去される。これにより、フィールド酸化物層352は、基板350に形成されるべきデバイス間およびデバイス内の予め定められた領域に残る。パッド酸化物層408は、フィールド酸化物層352の部分間の領域において成長する。
【0199】
図25Dに示すように、30Vの横型トレンチDMOS308を含むことになる領域において、パッド酸化物層408の上部上に、窒化物層410、TEOS酸化物層412、およびフォトレジストマスク層414が続けて堆積される。窒化物層410は、0.1から0.6μmの厚さの範囲であり得るが、一般に0.2μmの厚さであり得る。TEOS酸化物層412は、周知のプロセスで堆積され、たとえば200Aから2umの厚さであり得るが、一般には700Aの厚さを有する。フォトレジストマスク層414は、相対的に狭い開口部415を形成することによってフォトリソグラフィによってパターニングされ、次にこの開口部415を用いて、TEOS酸化物層412および窒化物層410を通って基板350内までエッチングを行ない、基板350内にトレンチ416を形成する。好ましくは、基板350内をエッチングするために、反応性イオンエッチング(RIE)等の指向性のプロセスが用いられる。トレンチ416は一般に、たとえば、0.5μmの幅であり得(しかしながら、0.25μmから1umの範囲であり得る)、0.8と2μm(一般に1.5μm)との間の深さであり得る(図25Dでは4つのトレンチ416が示されているが、図18Aでは、30Vの横型トレンチDMOS308用の1つのトレンチのみが示されていることに注意されたい。横型トレンチDMOS308の基本的な構造が同じままで、横型トレンチDMOS308が任意の数のトレンチを有し得ることを当業者は理解するであろう。)。
【0200】
図26Dに示すように、フォトレジスト層414が剥がされ、トレンチ416の壁面上に犠牲酸化物層418を成長させて、RIEプロセスで生じた結晶の損傷を修復する。次に、図27Dに示すように、犠牲酸化物層418が除去されて、トレンチ416の壁面上にゲート酸化物層398Aが形成される。ゲート酸化物層398Aは、100Åから1200Åの厚さであり得るが、一般に約200Åの厚さであり、30分から3時間、一般には1時間にわたり、850から1000℃、一般には900℃で基板350を加熱することによって形成され得る。
【0201】
図28Dに示すように、第1のポリシリコン層396Aが堆積され、トレンチ416を充填してTEOS酸化物層414の表面上に流れる。ポリシリコン層396Aは、現場で高ドープされたリンを有する層を堆積することにより、導電性となる。これにより、1平方当たり約20オームのシート抵抗を有する第1のポリシリコン層396Aが生じる。次に図29Dに示すように、窒化物層410の表面とポリシリコン層396Aの表面とがほぼ同じ水準になるまでポリシリコン層396Aがエッチバックされ、図30Dに示すように、TEOS酸化物層412が除去される。次に、図31Dに示すように、ポリシリコン層396Aが、窒化物の表面よりも僅かに下まで再びエッチバックされる。
【0202】
図32Dに示すように、第1のポリシリコン層396Aおよび窒化物層410の表面上に、第2のポリシリコン層389が堆積される。ポリシリコン層389は、ポリシリコン層396Aと同じ態様でドープされ得、または、たとえば1から3E15cm-2のドーズ量で60keVにおいてリンが注入され得、2000Åの厚さであり得る。図33Dに示すように、周知のプロセスを用いて、ポリシリコン層389の上に酸化物−窒化物−酸化物(ONO)層間誘電体387が、たとえば100Åから500Åの厚さ(350Åが一般的)まで堆積される。このONO層は、IC内にポリ−ポリキャパシタを形成するために用いられる。
【0203】
層間誘電体387の上にフォトレジストマスク(図示せず)が形成され、フォトレジストマスクが存在する領域を除き、層間誘電体387およびポリシリコン層389が除去される。フォトレジストマスクが残存する領域の1つは、ポリ−ポリキャパシタ311が形成されるべき、基板350の部分である。図18Bに示すように、ポリシリコン層389は下部プレートを形成し、層間誘電体387はポリ−ポリキャパシタ311の誘電体層を
形成する。ポリ−ポリキャパシタ311が形成された後に、フォトレジストマスク(図示せず)が除去される。
【0204】
図34Dは、層間誘電体387およびポリシリコン層389が除去された後における、30Vの横型トレンチDMOS308の領域内の構造を示す。ポリシリコン層396Aの表面が基板350の表面とほぼ同じ水準にあり、ポリシリコン層396Aがゲート酸化物層398Aにより基板350から分離された横型トレンチDMOS308のポリシリコンゲート396Aになることに注意されたい。
【0205】
これにより、横型トレンチDMOS308のトレンチおよびゲートの作製が完了する。上述のように、「D」で表示された図面のみを用いてこのプロセスを説明した。基板350の他の領域では、基板350の下にある部分に何ら影響を及ぼさずに、上述のさまざまな層が堆積および除去される。
【0206】
図35A〜図35Eに示すように、フォトレジストマスク層430が堆積され、フォトリソグラフィによりパターニングされて、示された横型トレンチDMOSが形成されるべき領域を除くすべての領域に開口部を形成する(図35D)。その構造の一部において深いN(DN)層を用いる他のトレンチDMOSの変形例もまた実際に、マスクされてパターニングされ、注入物を受ける。マスク層430の開口部を介してN型ドーパントが注入されて、深いN(DN)層を形成する。5VのPNPおよび5VのNPN(いずれも高fTであり、従来のレイアウトである)の領域内に、深いN層390Aおよび390Bが形
成される(図35Bおよび図35C)。12Vの対称型CMOSの領域内に、深いN層390Cが形成される(図35E)。5VのNMOS302の領域内に、深いN層390Gが形成される(これは、5VのNMOSが、下にある深いN層を有さないことから基板350から分離されていない、図18Aに示す実施例の変形例であることに注意されたい)。深いN層390は、たとえば、1E13から5E14cm-2のドーズ量、一般には5E13cm-2のドーズ量で、1.5MeVから3MeVのエネルギ、一般には2.0MeVのエネルギでリンを注入することにより形成され得る。これにより、約1E18cm-3のドーピング濃度を有し、かつ、基板350の表面よりも下に2から3μmの範囲と0.3μmの散在量とを有する深いN層が生じる。2MeVにおいて、Pウェルを加えない、DN層よりも上の分離されたP基板の厚さは、約1μmである。
【0207】
深いN注入が完了した後に、マスク層430が除去される。
図36Dおよび図37Dに示すように、フォトレジストマスク層432が堆積されてフォトリソグラフィによりパターニングされ、30Vの横型トレンチDMOS308の領域に開口部を形成する。マスク層432内の開口部を介して、2段階でN型ドーパントが注入される。第1の注入後の構造を図36Dに示し、第2の注入後の構造を図37Dに示す。これらの注入はいずれも、連鎖した注入によるドリフト領域を構成する。第1の注入は、3E12cm-2のドーズ量および190keVのエネルギにおけるリンであり得、第2の注入は、1.7E12cm-2のドーズ量および225keVのエネルギにおけるリンであり得る。これにより、ドーパントがフィールド酸化物層352を通過する、約1E16cm-3のドーピング濃度を有するNドリフト領域の浅いドリフト部391Aと、ドーパントがフィールド酸化物領域352を通過しない、約4E16cm-3のドーピング濃度を有するNドリフト領域の深いドリフト部393Aとが形成される。この実施例において、浅いドリフト部391Aは、フィールド酸化物層352の下面に当接し、深いドリフト部393Aは、トレンチ416の底部まで延びる。当然ながら、実施される注入の数に対応した注入のドーズ量を減らしても総電荷量(注入された総ドーパントQ)が相対的に変化しないままである限り、任意の数の連鎖した注入を用いてドリフト領域を最適化することができる。
【0208】
マスク層432が剥がされ、フォトレジストマスク層434が堆積されてフォトリソグラフィによりパターニングされ、12Vの対称型CMOSの領域に開口部を得る。それぞれ図38Eおよび図39Eに示すように、マスク層434の開口部を介して、2段階でN型ドーパントが注入され、12VのPMOS309用のNウェル380Bを形成する。第1段階は、1E12cm-2のドーズ量および250keVのエネルギにおいて注入されたリンであり得る。第2段階は、3E13cm-2のドーズ量および1MeVのエネルギで注入されたリンであり得る。これにより、約5E16cm-3の範囲のドーピング濃度を有するNウェル380Bが生じる。さらなる注入、たとえば、さらなる7E12cm-2が、600keV等の中間のエネルギにおいて含まれてよい。
【0209】
マスク層434が除去されて、代わりにフォトレジストマスク層436が配置され、このフォトレジストマスク層436がフォトリソグラフィによってパターニングされて、5VのPMOS301、5VのNPN305、5VのPNP306、30Vの横型トレンチDMOS308、および12VのPMOS309の領域内に開口部を得る。これらの開口部を介して3段階でN型ドーパントが注入され、それぞれ図40A〜図40E、図41A〜図41E、および図42A〜図42Eに示す構造を生じる。これにより、5VのPMOS301内にNウェル354A(ボディ)と、5VのNPN305のコレクタの一部をなすNウェル354Cと、5VのPNP306(「高fT」バージョンに限る)のベースの
一部をなすNウェル354Dと、5VのPNP306用の、取囲む形の「フロア分離」領域の一部をなすNウェル354Eと、30Vの横型トレンチDMOS308のドレインの一部をなすNウェル354Fと、12VのPMOS309の分離領域354Gとが形成される。第1段階は、5E12cm-2のドーズ量および500keVのエネルギで注入されたリンであり得る。第2段階は、6E11cm-2のドーズ量および250keVのエネルギで注入されたリンであり得る。第3段階は、3E11cm-2のドーズ量および60keVのエネルギにおける、リンが注入されるしきい値調節部であり得る。これにより、約6E16から1E17cm-3の範囲のドーピング濃度を有するN型領域が生じる。
【0210】
マスク層436が除去されて、その代わりにフォトレジストマスク層438が配置され、このフォトレジストマスク438はフォトリソグラフィによってパターニングされて、5VのPNP306および12VのNMOS310に開口部を得る。これらの開口部を介して2段階でP型ドーパントが注入され、図43B、図43C、図43E、図44B、図44C、および図44Eに示す構造を生じる。これにより、5VのPNP306のコレクタの一部をなすPウェル386Bと、12VのNMOS310用のPウェル(ボディ)を形成するPウェル386Dとが形成される。第1段階は、4E13cm-2のドーズ量および500keVのエネルギで注入されたホウ素であり得る。第2段階は、2E13cm-2のドーズ量および100keVのエネルギで注入されたホウ素であり得る。これにより、ほぼ中間から高いE16cm-3の範囲のドーピング濃度を有するP型領域が生じる。
【0211】
マスク層438が除去され、代わりにフォトレジストマスク層440が配置され、このフォトレジストマスク層440がフォトリソグラフィによりパターニングされて、5VのNMOS302、5VのNPN305、5VのPNP、および12VのNMOS310に開口部を得る。これらの開口部を介して2段階でP型ドーパントが注入され、図45A、図45B、図45C、図45E、図46A、図46B、および図46Cに示す構造を生じる。これにより、5VのNMOS302用のPウェル(ボディ)を形成するPウェル372Aと、ダブルPウェル372Cと、5VのNPN305のベースと、12VのNMOS310を分離することを助ける領域372Fとが形成される。第1段階は、1E13cm-2から2E13cm-2のドーズ量および250keVのエネルギで注入されたホウ素であり得る。第2段階は、2E13cm-2のドーズ量および40keVのエネルギで注入されたホウ素であり得る。これにより、低いE17cm-3の範囲のドーピング濃度を有するP型領域が生じる。
【0212】
マスク層440が除去されて、フォトレジストマスク層442が堆積される。マスク層442は、30Vの横型トレンチDMOS308のトレンチ416および隣接する領域のみを被覆する。マスク層440を図47Dに示す。基板350の平坦な活性領域である残りの領域が、次にエッチングされる(エッチングの効果が図面では視認できないことに注意されたい)。マスク層442が次に除去される。
【0213】
図48Aおよび図48Eに示すように、基板350が加熱されて、MOSデバイス、すなわち5VのPMOS301、5VのNMOS302、12VのPMOS309、および12VのNMOS310内に第1のゲート酸化物層444を形成する。800から1100℃まで、好ましくは900℃までの温度で、たとえば30分から4時間、好ましくは約2時間にわたって基板350を加熱して、180Åの厚さである第1のゲート酸化物層444を形成することができる。
【0214】
図49A、図49E、図50A、および図50Eに示すように、P型ドーパントの注入が2段階で実施されて、MOSデバイス、すなわち、5VのPMOS301、5VのNMOS302、12VのPMOS309、および12VのNMOS310のしきい値電圧を調整する。図49Aおよび図49Eに示すように、第1段階は、4つのすべてのMOSデバイスにしきい値調整領域446を形成する一律の(マスクされていない)注入である。この第1段階は、2E11cm-2のドーズ量および60keVのエネルギにおいて、ホウ素を用いて実施され得る。この注入は、非常に低濃度であるため、基板350内の他のデバイスの動作に対し、認め得るほどの影響を及ぼさない。図50Aおよび図50Eに示す第2段階は、5VのPMOS301および5VのNMOS302以外のすべての領域を被覆する、定位置のフォトレジストマスク層448を用いて実施され、それらのデバイス内にしきい値調整領域450を形成する。第2段階は、8E11から2E12cm-2のドーズ量および60keVのエネルギでホウ素を用いて実施され得る。
【0215】
マスク層448が依然として定位置にある状態でのしきい値調整部の注入の第2段階の後に、第1のゲート酸化物層444が、5VのPMOS301および5VのNMOS302からエッチングされる。マスク層448が依然として定位置にあるため、12VのPMOS309および12VのNMOS310内の第1のゲート酸化物層444は影響を受けない。その後、マスク層448が除去される。
【0216】
図51Aおよび図51Eに示すように、第2のゲート酸化物層452を基板350のすべての領域において成長させる。第2のゲート酸化物層452を形成するために、800℃から1100℃まで、好ましくは900℃までの温度で、20分から2時間、一般には50分間にわたって基板350を加熱して、第1のゲート酸化物層444が除去されている5VのPMOS301および5VのNMOS302内に150Åの厚さの第2のゲート酸化物層452を生じる。12VのPMOS309および12VのNMOS310において、第1のゲート酸化物層444が依然として存在するため、第1のゲート酸化物層444および第2のゲート酸化物層452の厚さは加算されない。その結果、12VのMOSデバイス内の第1のゲート酸化物層444および第2のゲート酸化物層452の組合された厚さは、約300Åになる。要約すると、5VのMOSデバイス内のゲート酸化物層は、約150Åの厚さであり、12VのMOSデバイス内のゲート酸化物層は、約300Åの厚さである。第2のゲート酸化物層452の成長は、非MOSデバイスの構造または動作に有意な影響を及ぼさない。
【0217】
図52A、図52D、および図52Eに示すように、基板350のすべての領域にわたって第3のポリシリコン層454が堆積される。第3のポリシリコン層454は、たとえ
ば2000Aの厚さであり得、好ましくは、「ポリサイド」と時として呼ばれる、シリサイド化された層である。次に、図53A、図53D、および図53Eに示すように、フォトレジストマスク層456が堆積されて、フォトリソグラフィによりパターニングされ、5VのPMOS301、5VのNMOS302、30Vの横型トレンチDMOS308、12VのPMOS309、および12VのNMOS310内にマスク層456の相対的に小さな部分を残す。次にポリシリコン層454をエッチングする。これにより、5VのPMOS301内のゲート358A、5VのNMOS302内のゲート358B、30Vの横型トレンチDMOS308内のポリシリコン層454の一部、12VのPMOS309内のゲート358E、および12VのNMOS310内のゲート358Fが残る。マスク層456は除去される。
【0218】
図54Aから図54Eに示すように、フォトレジストマスク層458が堆積されて、さまざまなデバイスの開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。これらの開口部は、その主な機能が5VのPNP306のベースを含むPNPトランジスタのN型ベースとして働くことである、「Nベース」のリンの注入物を受けるべき領域を規定する。重要ではない態様で、たとえばコンタクトを改善し、抵抗を下げ、寄生振動を減じる等のために、他のデバイスでドーパントを用いることができる。たとえば図54A〜図54Eに示すように、PNP306の分離コンタクトウインドウ内でもNベースの注入が用いられるが、コンタクトウインドウ内でのその機能は、PNPベースとしてのその役割ほど重要ではない。同様の態様で、5VのPMOS301と5VのNMOS302との間の、Nウェルおよび分離領域用のコンタクトウインドウ内、5VのNPN305内のコレクタのコンタクトウインドウ内、30Vの横型トレンチDMOS308内のドレインコンタクトウインドウ内、および12VのPMOS309内のNウェルコンタクトウインドウ内にも、Nベースの注入を導入することができる。モジュール性およびデバイスの独立性の原理を維持しながら、Nベースの注入は、プロセスにおけるさまざまな形態のPNPデバイス以外の他のデバイスの性能を決定的な態様で決定するためには用いられない。マスク層458は除去される。
【0219】
図55Dおよび図55Eに示すように、フォトレジストマスク層460が堆積され、30Vの横型トレンチDMOS308内の開口部のみを用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。P型ドーパント、一般にはホウ素が、マスク層460内の開口部を介し、連鎖した注入として(具体的には、示されるこの場合では2段階で)注入され、30Vの横型トレンチDMOS308内にPボディ領域395Aを形成する。この注入の第1段階は、3E12cm-2のドーズ量および190keVのエネルギにおけるホウ素であり得る。この注入の第2段階は、1.7E12cm-2のドーズ量および225keVのエネルギにおけるホウ素であり得る。これにより、約2.5E17cm-3のドーピング濃度を有するPボディ領域395Aを生じる。マスク層460は除去される。モジュール性およびデバイスの独立性の原理を維持しながら、Pボディ注入は、さまざまな横型トレンチDMOSデバイス以外のデバイスの性能を決定するためには用いられない。
【0220】
図57Eに示すように、フォトレジストマスク層462が堆積され、12VのPMOS309および12VのNMOS310内の開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。P型ドーパント、一般にはホウ素(この明細書では12VのP−LDD注入と呼ばれる)が、開口部を介して注入されて、12VのPMOS309のゲート358Eの両側に、低ドープされたドレイン(LDD)領域363Cおよび363Dを形成する。この注入は、2E12cm-2のドーズ量および60keVのエネルギでホウ素を用いて実施され得、約1017cm-3のドーピング濃度を有するLDD領域363Cおよび363Dを生じる。モジュール性およびデバイスの独立性の原理を維持しながら、12VのP−LDD注入は、さまざまな12VのPMOSデバイス以外のデバイスの性能を決定するためには用いられない。マスク層462は除去される。
【0221】
図58Eに示すように、フォトレジストマスク層464が堆積され、12VのNMOS310内の開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。N型ドーパント、一般にはリン(この明細書では、12VのN−LDD注入と呼ぶ)が、開口部を介して注入されて、12VのNMOS310内のゲート358Fの両側に、低ドープされたドレイン(LDD)領域377Cおよび377Dを形成する。この注入は、重要ではない領域、たとえば12VのNMOS310内のボディコンタクトにも導入され得る。この注入は、2E12cm-2のドーズ量および80keVのエネルギでリンを用いて実施され得、約8E16cm-3のドーピング濃度を有するLDD領域377Cおよび377Dを生じる。モジュール性およびデバイスの独立性の原理を維持しながら、12VのN−LDD注入は、さまざまな12VのNMOSデバイス以外のデバイスの性能を決定するためには用いられない。マスク層464は除去される。
【0222】
図59A〜図59Dに示すように、フォトレジストマスク層466が堆積され、さまざまなデバイスの開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。さまざまなデバイスの開口部は、その主な機能が、5VのPMOS301のLDDを含むさまざまな5VのPMOSトランジスタにおいてドリフトまたはLDDとして働くことである「5VのP−LDD」のホウ素の注入を受けるための領域を規定する。重要ではない態様で、たとえば、コンタクトを改善し、抵抗を下げ、寄生振動を減じる等のために、他のデバイスでこのドーパントを用いることができる。たとえば図59A〜図59Dに示すように、5VのP−LDDの注入は、5VのNMOS302のPウェルコンタクトウインドウ内、5VのNPN305のベースコンタクトウインドウ内、5VのPNP306のエミッタおよびコレクタのコンタクトウインドウ内、ならびに30Vの横型トレンチDMOS308のPボディコンタクトウインドウ内でも用いられる。この注入は、5E12cm-2のドーズ量および60keVのエネルギでホウ素を用いて実施され得、約7E16cm-3のドーピング濃度を有するP型領域を生じる。モジュール性およびデバイスの独立性の原理を維持しながら、5VのP−LDDの注入は、さまざまな5VのPMOSデバイス以外のデバイスの性能を決定するためには用いられない。マスク層466は除去される。
【0223】
図60A〜図60Dに示すように、フォトレジストマスク層468が堆積され、さまざまなデバイス内の開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。これらの開口部は、その主な機能が、5VのNMOS302のLDDを含むさまざまな5VのNMOSトランジスタにおいてドリフトまたはLDDとして働くことである「5VのN−LDD」、すなわち、リンまたは砒素の注入を受けるべき領域を規定する。ドーパントは、重要ではない態様で、たとえばコンタクトを改善し、抵抗を下げ、寄生振動を減じる等のために他のデバイスで用いられ得る。たとえば図60A〜図60Dに示すように、5VのN−LDD注入は、5VのPMOS301のNウェルコンタクトウインドウ内、5VのNPN305のエミッタおよびコレクタのコンタクトウインドウ内、5VのPNP306のベースコンタクトウインドウ内、ならびに30Vの横型トレンチDMOS308のソース/ドレインコンタクトウインドウ内でも用いられる。この注入は、8E12cm-2のドーズ量でリンまたは砒素を用いて実施され得る。リンを用いた場合、エネルギは60keVであり得、砒素を用いた場合、エネルギは140keVであり得る。これにより、約3E17cm-3のドーピング濃度を有するN型領域が生じる。マスク層468は除去される。
【0224】
基板の表面上に酸化物層が堆積され、次に周知の方法を用いて、反応性イオンエッチャにおいて異方性エッチングが行なわれる。これにより、水平方向の表面から酸化物が除去されるが、それぞれ5VのPMOS301および5VのNMOS302のゲート358Aおよび358Bの垂直方向の側壁上の酸化物スペーサ470と、30Vの横型トレンチDMOS308のフィールドプレート454の垂直方向の側壁上の酸化物スペーサ472と、それぞれ12VのPMOS309および12VのNMOS310のゲート358Eおよび358Fの垂直方向の側壁上の酸化物スペーサ474とが残される。結果的に得られた構造を、図61A、図61D、および図61Eに示す。
【0225】
図62A〜図62Eに示すように、フォトレジストマスク層476が堆積され、すべてのデバイスの開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。これらの開口部を介してP型ドーパントが注入され、5VのPMOS301内にP+ソース/ドレイン領域364Aおよび364B、5VのNMOS302内にウェルコンタクト領域、5VのNPN305内にP+ベースコンタクト領域364E、5VのPNP306内にP+エミッタおよびコレクタのコンタクト領域364Fおよび364G、30Vの横型トレンチDMOS308内にP+ボディコンタクト領域364I、12VのPMOS309内にP+ソース/ドレイン領域364Jおよび364K、ならびに12VのNMOS310内にP+ボディコンタクト領域を形成する。この注入は、2E15cm-2から9E15cm-2のドーズ量、一般には5E15cm-2のドーズ量で、60keVのエネルギにおけるホウ素またはBF2であり得、8E19cm-3のドーピング濃度を有するP+領域を生じる。P+が多くのデバイス構造で用いられているが、P+はデバイス特性の設定に最小限の影響しか及ぼさない。マスク層476は除去される。
【0226】
図63A〜図63Eに示すように、フォトレジストマスク層478が堆積され、すべてのデバイスの開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。N型ドーパントがこれらの開口部を介して注入され、5VのPMOS301内にウェルコンタクト領域、5VのNMOS302内にN+ソース/ドレイン領域378Aおよび378B、5VのNPN305内にN+エミッタおよびコレクタ領域378Eおよび378F、5VのPNP306内にN+ベースコンタクト領域、30Vの横型トレンチDMOS308内にN+ソース/ドレインコンタクト領域378Iおよび378J、12VのPMOS309内にNウェルコンタクト領域、ならびに12VのNMOS310内にN+ソース/ドレイン領域378Kおよび378Lを形成する。この注入は、4E15cm-2から9E15cm-2のドーズ量および40keVから80keVのエネルギの砒素またはリンであり得、8E19cm-3のドーピング濃度を有するN+領域を生じる。N+が多くのデバイス構造で用いられているが、このN+は、デバイス特性の設定に最小限の影響しか及ぼさない。マスク層478は除去される。
【0227】
図64A〜図64Eに示すように、基板350の表面上に層間誘電体480が堆積される。層間誘電体は、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)または他の任意のガラスであり得、CVDまたはスピンコートにより、2000Åから7000Åの厚さまで堆積される。層間誘電体480上にフォトレジストマスク層482が堆積され、基板350への電気的接触が行なわれる開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。層間誘電体は、マスク層482内の開口部を介してエッチングされ、マスク層482は除去される。
【0228】
図65A〜図65Eに示すように、フォトレジストマスク層484が堆積され、層間誘電体480内の或る特定の開口部上の開口部を用いてフォトリソグラフィによりパターニングされる。マスク層484内の開口部を介してN型ドーパントが注入されて、「Nプラグ」領域を形成する。Nプラグ領域は、高ドープされており、後に堆積されるべき金属層と、基板350のN型領域との間のオーミック接触を高める。N型ドーパントが、以前に形成されたN+領域に進入しているため、Nプラグ領域が図18A、図18B、または図65A〜図65Eで視認できないことに注意されたい。Nプラグ注入は、6E19cm-2のドーズ量および30keVのエネルギのリンまたは砒素であり得、ほぼ縮退したドーピングの、浅いNプラグ領域を生じる。マスク層484は除去される。
【0229】
図66A〜図66Eに示すように、層間誘電体480内の開口部を介してP型ドーパン
トが注入されて、「Pプラグ」領域を形成する。pプラグ領域は、高ドープされており、後に堆積されるべき金属層と、基板350のP型領域との間のオーミック接触を改善する。Pプラグ注入は、6E15cm-2のドーズ量および40keVのエネルギにおけるホウ素であり得、ほぼ縮退した態様でドープされた極めて浅い層を有するPプラグ領域を生じる。ホウ素のPプラグドーピングは、Nプラグ注入をカウンタドープするほど十分なものでないため、ホウ素のPプラグドーピングをP+領域に制限するためのマスクは必要としない。
【0230】
最後に、図67A〜図67Eに示すように、層間誘電体480の上面上に金属層486が堆積され、層間誘電体480内の開口部を充填し、基板350の下にある領域と電気的に接触する。金属層486は、5000Åの厚さまでスパッタリングまたは共蒸着を行なうことにより堆積されたAl/Si/Cuであり得る。次に、フォトレジストマスク層(図示せず)が金属層486上に堆積されてパターニングされ、開口部を形成する。金属層486は、マスク層内の開口部を介してエッチングされて、基板350内に形成されたデバイスのさまざまな端子と電気的に接触する金属層486の部分を分離する。マスク層が次に除去される。
【0231】
以降のプロセスステップは、多層金属ICプロセスに含まれる一般的なステップを含み、これらのステップには、別の層間誘電体の堆積、たとえばスピンオングラス、任意のエッチバック、またはガラスのCMP平坦化と、その後に続くフォトマスキングステップ(ビアマスク)およびエッチングと、タングステンの堆積と、タングステンのエッチバックまたはCMP平坦化とが含まれる。次に、一般には、金属層486の厚さよりも大きな厚さ、たとえば7000ÅまでAl−Cuをスパッタリングし、その後、第2の金属層のフォトマスキングおよびドライエッチングを行なうことにより、第2の金属層(図示せず)が堆積される。
【0232】
同様に、任意の第3の金属層のプロセスは、多層金属ICプロセスに含まれる一般的なステップを含み、これらのステップには、第2の層間誘電体の堆積、たとえばスピンオングラス、ガラスのCMP平坦化と、その後に続くフォトマスキングのステップ(ビア2マスク)およびエッチングと、タングステンの堆積と、タングステンのエッチバックまたはCMP平坦化とが含まれる。次に、一般には、Al−Cuを1μmよりも大きな厚さまで(4umの厚さ)までスパッタリングし、その後、第3の金属層のフォトマスキングおよびドライエッチングを行なうことにより、第3の金属層が堆積される。
【0233】
最後のステップは、パッシベーション材料、たとえばSiN(シリコンナイトライド)を1000Aから5000Aの厚さまでCVD堆積することと、その後、ボンディングパッド領域を開けるためにパッシベーション(パッド)のマスキング動作とを含む。
【0234】
これにより、5VのPMOS301、5VのNMOS302、5VのNPN305、5VのPNP306、30Vの横型トレンチDMOS308、12VのPMOS309、および12VのNMOS310の作製が完了する。簡単に説明した、さらなる層間誘電体および金属層を構造体の上に堆積して、これらのデバイスの端子との接触を容易にすることができ、かつ、このような接続の相互接続の抵抗を減らすことができると理解されるであろう。
【0235】
上述の実施例は、単に例示であって限定ではない。この発明の広い原理に従った多くの代替的な実施例が、当業者には明らかであろう。
【0236】
図21〜67は、5VのCMOS、5VのNPNおよび5VのPNP(高いFTレイア
ウト)、5VのNPNおよび5VのPNP(従来のレイアウト)、30Vの横型トレンチ
CMOS、ならびに対称型の12VのCMOSを含む、図18A〜18Gに示すデバイスのいくつかを作製するためのプロセスのステップを示している。各図面番号の接尾文字は、以下のように、それが関係するデバイスを示している。
【0237】
接尾文字 デバイス
A 5VのCMOS(図18A)
B 5VのNPNおよび5VのPNP(高いFTレイアウト)(図18A)
C 5VのNPNおよび5VのPNP(従来のレイアウト)(図示せず)
D 30Vの横型トレンチDMOS(図18A)
E 対称型の12VのCMOS(図18B)
一般に、デバイスの最終的な構造に影響を与えないステップについては、図面は含まれない。たとえば、ある層が形成され、それが後で除去され、下に位置する基板の構造に影響を与える場合、図面は含まれない。その結果、図面の接尾文字は連続していない。
【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【図10J】
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【図10K】
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【図10L】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図11L】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図13I】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図14G】
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【図14H】
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【図14I】
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【図14J】
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【図14K】
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【図14L】
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【図14M】
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【図14N】
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【図14O】
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【図14P】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図17G】
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【図17H】
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【図17I】
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【図17J】
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【図17K】
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【図17L】
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【図17M】
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【図17N】
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【図17P】
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【図17Q】
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【図17R】
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【図17S】
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【図17T】
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【図17U】
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【図17V】
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【図17W】
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【図17X】
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【図17Y】
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【図17Z】
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【図17AA】
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【図17BB】
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【図17CC】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図18H】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図19F】
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【図19G】
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【図19H】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図25D】
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【図26D】
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【図27D】
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【図28D】
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【図29D】
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【図30D】
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【図31D】
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【図32D】
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【図33D】
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【図34D】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図35E】
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【図36D】
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【図37D】
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【図38E】
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【図39E】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図40D】
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【図40E】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図41E】
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【図42A】
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【図42B】
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【図42C】
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【図42D】
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【図42E】
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【図43B】
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【図43C】
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【図43E】
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【図44B】
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【図44C】
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【図44E】
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【図45A】
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【図45B】
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【図45C】
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【図45E】
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【図46A】
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【図46B】
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【図46C】
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【図46E】
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【図47D】
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【図48A】
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【図48E】
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【図49A】
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【図49E】
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【図50A】
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【図50E】
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【図51A】
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【図51E】
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【図52A】
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【図52D】
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【図52E】
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【図53A】
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【図53D】
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【図53E】
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【図54A】
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【図54B】
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【図54C】
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【図54D】
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【図54E】
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【図55D】
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【図56D】
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【図57E】
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【図58E】
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【図59A】
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【図59B】
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【図59C】
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【図59D】
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【図60A】
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【図60B】
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【図60C】
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【図60D】
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【図61A】
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【図61D】
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【図61E】
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【図62A】
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【図62B】
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【図62C】
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【図62D】
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【図62E】
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【図63A】
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【図63B】
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【図63C】
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【図63D】
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【図63E】
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【図64A】
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【図64B】
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【図64C】
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【図64D】
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【図64E】
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【図65A】
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【図65B】
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【図65C】
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【図65D】
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【図65E】
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【図66A】
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【図66B】
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【図66C】
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【図66D】
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【図66E】
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【図67A】
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【図67B】
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【図67C】
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【図67D】
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【図67E】
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【公開番号】特開2010−226134(P2010−226134A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−128712(P2010−128712)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【分割の表示】特願2004−540161(P2004−540161)の分割
【原出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願人】(505052191)アドバンスト・アナロジック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (29)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED ANALOGIC TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】