説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタと、抵抗素子とを同一基板に有する半導体装置において、安定したHK/MGトランジスタの動作特性を得ることのできる技術を提供する。
【解決手段】TiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるHK/MGトランジスタのゲート電極を形成し、同様に、TiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなる抵抗素子を形成した後、抵抗素子の側壁に形成したオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部を除去し、そのオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が除去された箇所から薬液を浸入させることによりTiN膜を除去して空洞18を形成し、多結晶Si膜のみからなる抵抗部RESを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、ゲート絶縁膜を比誘電率の高いHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成する電界効果トランジスタ(HK(High-k)/MG(Metal Gate)トランジスタ;以下、HK/MGトランジスタと記す)と抵抗素子とを有する半導体装置、およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタの微細化に伴い、ゲート絶縁膜に、従来のSiO膜またはSiON膜に代わり、High−k膜を採用する技術が検討されている。これは、トンネル効果によって増加するゲートリーク電流を抑え、かつ実効換算膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)を薄くしてゲート容量の向上を図ることにより、電界効果トランジスタの駆動能力を上げるためである。
【0003】
また、半導体装置は、一般に、能動素子(電界効果トランジスタ等)および受動素子(抵抗、コンデンサ、およびインダクタ等)からなる複数の回路により構成されており、能動素子および受動素子はプロセスの整合性を維持して同一基板の主面に形成される。例えば、米国特許第6406956号明細書(特許文献1)には、High−k材料からなるゲート絶縁膜とメタル材料からなるゲート電極とにより構成されるHK/MGトランジスタ、および多結晶Si膜により構成される抵抗素子を同一基板上に形成した半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6406956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、HK/MGトランジスタのゲート電極をメタル材料とその上に積層した多結晶Si膜とにより構成し、そのゲート電極を構成する多結晶Si膜と同一層の多結晶Si膜により抵抗素子を構成している。しかしながら、本発明者が検討したところ、上記構造のHK/MGトランジスタおよび抵抗素子においては、以下に説明する技術的課題が存在することが明らかとなった。
【0006】
まず、これまで本発明者によって検討されたHK/MGトランジスタのゲート電極および抵抗素子の抵抗部の製造方法について簡単に説明する。
【0007】
活性領域を分離する素子分離部を基板の所定の領域に形成した後、基板の主面にHigh−k膜を介してメタル材料を堆積する。続いて、フォトリソグラフィ法を用いてHK/MGトランジスタが形成される領域をレジストパターンで覆い、ドライエッチング法を用いて抵抗素子が形成される領域のメタル材料を除去する。その後、レジストパターンを除去し、続いて、基板の主面に多結晶Si膜を堆積する。これにより、HK/MGトランジスタが形成される領域に、メタル材料とその上に積層した多結晶Si膜が形成され、抵抗素子が形成される領域に多結晶Si膜のみが形成される。続いて、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、HK/MGトランジスタが形成される領域のメタル材料と多結晶Si膜とを加工してHK/MGトランジスタのゲート電極を形成し、抵抗素子が形成される領域の多結晶Si膜を加工して抵抗部を形成する。
【0008】
しかし、上記製造方法では、メタル材料をレジストパターンで覆う工程、さらにレジストパターンを除去する工程においてメタル材料の表面に抵抗層が形成され、HK/MGトランジスタのゲート電極を構成するメタル材料と多結晶Si膜との間に抵抗層が残存することがある。この抵抗層は1nm以下と薄いものではあるが、HK/MGトランジスタの動作遅延の原因となり、良品歩留まりの低下を引き起こす可能性を有している。
【0009】
本発明の目的は、ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタと、抵抗素子とを同一基板に有する半導体装置において、安定したHK/MGトランジスタの動作特性を得ることのできる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
この実施の形態は、半導体基板の主面の第1領域の活性領域に形成されたHK/MGトランジスタと、第2領域の素子分離部上に形成された抵抗素子とを有する半導体装置であって、上記HK/MGトランジスタは、High−k材料からなるゲート絶縁膜と、TiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極と、ゲート絶縁膜およびゲート電極の側壁に形成された第1サイドウォールとを含み、上記抵抗素子は、素子分離部上に形成された空洞と、空洞上に設けられた多結晶Si膜からなる抵抗部と、空洞および抵抗部の側壁に形成され、平面視において2箇所以上除去された領域のあるサイドウォールと、を含ものである。
【0013】
また、この実施の形態は、半導体基板の主面の第1領域の活性領域にHK/MGトランジスタを形成し、第2領域の素子分離部上に抵抗素子を形成する半導体装置の製造方法であって、第1領域に、酸化膜とHigh−k膜とからなる第1ゲート絶縁膜およびTiN膜と多結晶Si膜とからなる第1ゲート電極を形成し、第2領域に、High−k膜からなる第2ゲート絶縁膜およびTiN膜と多結晶Si膜とからなる第2ゲート電極を形成する工程と、第1領域の第1ゲート電極および第1ゲート絶縁膜の側壁に第1サイドウォールを形成し、第2領域の第2ゲート電極および第2ゲート絶縁膜の側壁に第2サイドウォールを形成する工程と、第1領域の第1ゲート電極の両側の前記活性領域にソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、第2領域の第2サイドウォールの2箇所以上を除去した後、第2サイドウォールが除去された箇所から薬液を浸入させて、第2領域のTiN膜を除去して、第2ゲート絶縁膜と多結晶Si膜との間に空洞を形成する工程と、第1領域の多結晶Si膜の上面、第1領域のソース領域およびドレイン領域の表面、第2領域の多結晶Si膜の電極引き出し部の上面に選択的にシリサイド膜を形成する工程と、を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタと、抵抗素子とを同一基板に有する半導体装置において、安定したHK/MGトランジスタの動作特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとpチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとが繋がった回路におけるゲート幅方向に沿った要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1による抵抗素子の要部断面図(図4に示すA−A′線に沿った要部断面図)である。
【図4】本発明の実施の形態1による抵抗素子の要部上面図である。
【図5】本発明の実施の形態1による半導体装置の製造工程を示すnチャネル型HK/MGトランジスタ、pチャネル型HK/MGトランジスタ、および抵抗素子の要部断面図である。
【図6】図5に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図7】図6に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図8】図7に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図9】図8に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図10】図9に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図11】図10に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】図11に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図13】図12に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図14】図13に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図15】図14に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図16】図15に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図17】図16に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図18】図16に続く、半導体装置の製造工程中の抵抗素子の要部上面図である。
【図19】図17および図18に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図20】図17および図18に続く、半導体装置の製造工程中の図18と同じ箇所の要部上面図である。
【図21】図19および図20に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図22】図19および図20に続く、半導体装置の製造工程中の図18と同じ箇所の要部上面図である。
【図23】図21および図22に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図24】図21および図22に続く、半導体装置の製造工程中の図18と同じ箇所の要部上面図である。
【図25】図23および図24に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図26】図23および図24に続く、半導体装置の製造工程中の図18と同じ箇所の要部上面図である。
【図27】図25および図26に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図28】図25および図26に続く、半導体装置の製造工程中の図18と同じ箇所の要部上面図である。
【図29】図27および図28に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図30】図29に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図31】図30に続く、半導体装置の製造工程中の図5と同じ箇所の要部断面図である。
【図32】本発明の実施の形態2による抵抗素子の要部上面図である。
【図33】(a)、(b)、および(c)はそれぞれ図32のC−C′線に沿った要部断面図、D−D′線に沿った要部断面図、およびE−E′線に沿った要部断面図である。
【図34】本発明の実施の形態2による半導体装置の製造工程を示すnチャネル型HK/MGトランジスタ、pチャネル型HK/MGトランジスタ、および抵抗素子の要部断面図である。
【図35】図34に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図36】図35に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図37】図35に続く、半導体装置の製造工程中の抵抗素子の要部上面図である。
【図38】図36および図37に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図39】図38に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図40】図39に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図41】図39に続く、半導体装置の製造工程中の図37と同じ箇所の要部上面図である。
【図42】図40および図41に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図43】図42に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図44】図42に続く、半導体装置の製造工程中の図37と同じ箇所の要部上面図である。
【図45】図43および図44に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図46】図43および図44に続く、半導体装置の製造工程中の図37と同じ箇所の要部上面図である。
【図47】図45および図46に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図48】図45および図46に続く、半導体装置の製造工程中の図37と同じ箇所の要部上面図である。
【図49】図47および図48に続く、半導体装置の製造工程中の図34と同じ箇所の要部断面図である。
【図50】図47および図48に続く、半導体装置の製造工程中の図37と同じ箇所の要部上面図である。
【図51】本発明の実施の形態3によるnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図、ならびに抵抗素子の要部断面図である。
【図52】本発明の実施の形態3による半導体装置の製造工程を示すnチャネル型HK/MGトランジスタ、pチャネル型HK/MGトランジスタ、および抵抗素子の要部断面図である。
【図53】図52に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図54】図53に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図55】図54に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図56】図55に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図57】図56に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図58】図57に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図59】図58に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図60】図59に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図61】図60に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図62】図61に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図63】図62に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図64】図63に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【図65】図64に続く、半導体装置の製造工程中の図52と同じ箇所の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0018】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチング等を付す場合もある。また、以下の実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し、pチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。また、以下の実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
【0020】
また、以下の実施の形態において、ゲートまたはゲート構造と記す場合は、ゲート絶縁膜とゲート電極との積層膜を言い、ゲート電極とは区別する。
【0021】
また、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造(ゲート絶縁膜およびゲート電極)をNch用ゲートスタック構造、pチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造(ゲート絶縁膜およびゲート電極)をPch用ゲートスタック構造と記して、両者の構造を区別する。また、Nch用ゲートスタック構造またはPch用ゲートスタック構造と言うときは、ゲート絶縁膜の下層に位置する酸化膜が有る構造および無い構造の両者を言う。
【0022】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタ、pチャネル型HK/MGトランジスタ、および抵抗素子の構造を図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図、図2は、本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとpチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとが繋がった回路におけるゲート幅方向に沿った要部断面図、図3は、本発明の実施の形態1による抵抗素子の要部断面図、図4は、本発明の実施の形態1による抵抗素子の要部上面図である。
【0024】
まず、本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタ(以後、nMISと記す)およびpチャネル型HK/MGトランジスタ(以後、pMISと記す)の構成について、図1および図2を用いて説明する。
【0025】
本発明の実施の形態1によるnMISおよびpMISが形成される半導体基板1の主面には、素子分離部2が形成されている。素子分離部2は、半導体基板1に形成される素子間の干渉を防止する機能を有しており、例えば半導体基板1に溝を形成し、この溝の内部に絶縁膜を埋め込むSTI(Shallow Trench Isolation)法によって形成される。この素子分離部2によって分離された活性領域が、nMIS形成領域またはpMIS形成領域となっている。上記溝の内部に埋め込まれる絶縁膜は、例えばTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate;Si(OC)とオゾンとをソースガスに用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成されるTEOS膜、高密度プラズマ(High Density Plasma)CVD法を用いて形成されるSiO膜、ポリシラザン(SiHNH)膜などである。
【0026】
nMIS形成領域の半導体基板1の主面には半導体領域であるp型ウェル3が形成されており、pMIS形成領域の半導体基板1の主面には半導体領域であるn型ウェル4が形成されている。p型ウェル3にはBなどのp型不純物が導入されており、n型ウェル4にはPまたはAsなどのn型不純物が導入されている。
【0027】
続いて、nMISの構成について説明する。
【0028】
nMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたp型ウェル3上には、ゲート絶縁膜5ncが形成されている。
【0029】
このゲート絶縁膜5ncは主として、例えばSiOよりも比誘電率の高い高誘電体膜5hnから形成されている。高誘電体膜5hnとしては、例えばHfO膜、HfON膜、HfSiO膜、またはHfSiON膜のようなハフニウム系絶縁膜を使用する。このハフニウム系絶縁膜には、仕事関数を調整して所望するnMISのしきい値電圧を得るための金属元素、例えばLaが含まれている。従って、代表的な高誘電体膜5hnの構成材料として、例えばHfLaONを例示することができる。高誘電体膜5hnの厚さは、例えば1nm程度である。
【0030】
また、半導体基板1と高誘電体膜5hnとの間には、酸化膜5sc、例えばSiO膜が形成されている。半導体基板1と高誘電体膜5hnとが直接接した場合、nMISの移動度が低下する恐れがあるが、半導体基板1と高誘電体膜5hnとの間に酸化膜5scを介在させることにより、上記移動度の低下を防ぐことができる。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。
【0031】
ゲート絶縁膜5nc上には、キャップ膜6nが形成されている。このキャップ膜6nは、例えばLaO膜であり、高誘電体膜5hnを構成するハフニウム系絶縁膜に、nMISのしきい値電圧を得るための金属元素、すなわちLaを添加するために形成されている。なお、高誘電体膜5hnを構成するハフニウム系絶縁膜に添加される金属元素として、Laを例示したが、他の金属元素であってもよい。従って、キャップ膜6nとして、La膜、La膜、MgO膜、Mg膜、BiSr膜、SrO膜、Y膜、Y膜、Ba膜、BaO膜、Se膜、またはScO膜などを用いることができる。なお、キャップ膜6nを構成する金属元素が全て高誘電体膜5hnに添加される場合もある。
【0032】
キャップ膜6n上には、ゲート電極7が形成されている。このゲート電極7は下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとを積層した構造を有している。下層ゲート電極7Dは、例えばTiN膜により構成されるが、これに限定されるものではない。例えばTaN膜、TaSiN膜、TiAlN膜、HfN膜、NiSi1−x膜、PtSi膜、NiTa1−xSi膜、NiPt1−xSi膜、HfSi膜、WSi膜、IrSi1−x膜、TaGe膜、TaCx膜、Mo膜、またはW膜のいずれかの膜により、下層ゲート電極7Dを構成してもよい。下層ゲート電極7Dの厚さは、例えば5〜20nm程度である。また、上層ゲート電極7Uは、例えば1×1020cm−3程度の不純物が導入された多結晶Si膜により構成される。上層ゲート電極7Uの厚さは、例えば30〜80nm程度である。
【0033】
さらに、ゲート電極7上には、シリサイド膜8が形成されている。このシリサイド膜8は、例えばNiSi膜またはPtSi膜である。
【0034】
ゲート電極7およびゲート絶縁膜5ncの積層膜の両側の側壁には、内側から順に、例えば共に絶縁膜からなるオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されている。これらオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9直下の半導体基板1(p型ウェル3)には、半導体領域であるn型拡散領域10が形成されており、n型拡散領域10の外側にはn型拡散領域11が形成されている。n型拡散領域10およびn型拡散領域11にはPまたはAsなどのn型不純物が導入されており、n型拡散領域11にはn型拡散領域10に比べて高濃度にn型不純物が導入されている。n型拡散領域10およびn型拡散領域11によって、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有するnMISのソース領域およびドレイン領域が形成される。図示はしていないが、ゲート電極7直下で、ソース領域とドレイン領域との間の半導体基板1(p型ウェル3)には、nMISのしきい値を調整するための不純物を導入したチャネル領域が形成されている。
【0035】
n型拡散領域11の表面には、ゲート電極7上に形成されたシリサイド膜8と同じ工程で形成されるシリサイド膜8が形成されている。
【0036】
続いて、pMISの構成について説明する。
【0037】
nMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたn型ウェル4上には、ゲート絶縁膜5pcが形成されている。
【0038】
このゲート絶縁膜5pcは主として、例えばSiOよりも比誘電率の高い高誘電体膜5hpから形成されている。高誘電体膜5hpとしては、例えばHfO膜、HfON膜、HfSiO膜、またはHfSiON膜のようなハフニウム系絶縁膜を使用する。このハフニウム系絶縁膜には、仕事関数を調整して所望するpMISのしきい値電圧を得るための金属元素、例えばAlが含まれている。従って、代表的な高誘電体膜5hpの構成材料として、例えばHfAlONを例示することができる。高誘電体膜5hpの厚さは、例えば1nm程度である。
【0039】
また、半導体基板1と高誘電体膜5hpとの間には、酸化膜5sc、例えばSiO膜が形成されている。半導体基板1と高誘電体膜5hpとが直接接した場合、pMISの移動度が低下する恐れがあるが、半導体基板1と高誘電体膜5hpとの間に酸化膜5scを介在させることにより、上記移動度の低下を防ぐことができる。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。
【0040】
ゲート絶縁膜5pc上には、キャップ膜6pが形成されている。このキャップ膜6pは、例えばAlO膜であり、高誘電体膜5hpを構成するハフニウム系絶縁膜に、pMISのしきい値電圧を得るための金属元素、すなわちAlを添加するために形成されている。なお、キャップ膜6pとして、AlO膜を例示したが、Al膜を用いることもできる。なお、キャップ膜6pを構成する金属元素が全て高誘電体膜5hpに添加される場合もある。
【0041】
キャップ膜6p上には、ゲート電極7が形成され、ゲート電極7上にはシリサイド膜8が形成されている。これらゲート電極7およびシリサイド膜8は、それぞれ前述したnMISのゲート電極7およびシリサイド膜8と同じ構成である。
【0042】
ゲート電極7およびゲート絶縁膜5pcの積層膜の両側の側壁には、内側から順に、例えば共に絶縁膜からなるオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されている。これらオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9直下の半導体基板1(n型ウェル4)には、半導体領域であるp型拡散領域12が形成されており、p型拡散領域12の外側にはp型拡散領域13が形成されている。p型拡散領域12およびp型拡散領域13にはBなどのp型不純物が導入されており、p型拡散領域13にはp型拡散領域12に比べて高濃度にp型不純物が導入されている。p型拡散領域12およびp型拡散領域13によって、LDD構造を有するpMISのソース領域およびドレイン領域が形成される。図示はしていないが、ゲート電極7直下で、ソース領域とドレイン領域との間の半導体基板1(n型ウェル4)に、pMISのしきい値を調整するための不純物を導入したチャネル領域が形成されている。
【0043】
p型拡散領域13の表面には、ゲート電極7上に形成されたシリサイド膜8と同じ工程で形成されたシリサイド膜8が形成されている。さらに、nMISおよびpMISは、Si膜16および層間絶縁膜17により覆われている。
【0044】
次に、本発明の実施の形態1による抵抗素子の構成について、図3および図4を用いて説明する。図4に示すA−A′線に沿った要部断面図が図3に示す抵抗素子の要部断面図に該当する。ここでは、nMISのNch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子の構成について説明するが、pMISのPch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子も同様に構成することができる。
【0045】
図3および図4に示すように、抵抗素子は、素子分離部2上に形成されている。
【0046】
抵抗素子は、前述したnMIS(前述の図1および図2参照)のNch用ゲートスタック構造のゲートを利用しているが、キャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dは形成されておらず、抵抗部RESは多結晶Si膜からなる上層ゲート電極7Uのみにより構成されている。さらに、上層ゲート電極7Uとゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)との間には、キャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dが除去されてなる空洞18(図4ではドット(dot)で示す領域)が形成されている。
【0047】
また、抵抗部RES(上層ゲート電極7U)、空洞18、およびゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)の積層部分の側壁の一部には、内側から順に、例えば共に絶縁膜からなるオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されている。後述する半導体装置の製造方法において詳細に説明するが、当初形成されたnMISのNch用ゲートスタック構造(ゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)、キャップ膜6n、およびゲート電極(下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7U)からなる積層構造)のゲートからキャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dを除去するための薬液を浸入させる経路を形成するために、オフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部を除去している。
【0048】
また、絶縁膜44で覆われていない抵抗部RES(上層ゲート電極7U)の電極引き出し部(図4では斜線で示す領域)の上面には、前述したnMIS(前述の図1および図2参照)のゲート電極7上に形成されたシリサイド膜8と同じ工程で形成されたシリサイド膜8が形成されている。しかし、それ以外の抵抗部RES(上層ゲート電極7U)の上面にはシリサイド膜8は形成されておらず、抵抗素子の高抵抗化を図っている。
【0049】
次に、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法について図5〜図31を用いて工程順に説明する。図5〜図17、図19、図21、図23、図25、図27、および図29〜図31は半導体装置に形成される回路素子のうち、nMIS、pMIS、および抵抗素子の要部断面図、図18、図20、図22、図24、図26、および図28は抵抗素子の要部上面図を示している。ここでは、nMISのNch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子を例示するが、pMISのPch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子であってもよい。上記抵抗素子の要部断面図は、例えば図18に示すB−B′線に沿った要部断面図に該当する。
【0050】
まず、図5に示すように、例えば単結晶Siに、例えばBなどのp型不純物を導入した半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1を用意する。続いて、半導体基板1の主面上に、SiO膜20およびSi膜21を順次形成する。SiO膜20の厚さは、例えば10nm程度、Si膜21の厚さは、例えば80nm程度である。続いて、フォトリソグラフィ法を用いて活性領域となる領域を覆うレジストパターン22を形成する。
【0051】
次に、図6に示すように、レジストパターン22をマスクとして、レジストパターン22から露出しているSi膜21、SiO膜20、および半導体基板1を、例えばドライエッチング法を用いて順次除去して、半導体基板1に溝23を形成した後、レジストパターン22を除去する。続いて、溝23の内壁を窒化処理および酸化処理した後、半導体基板1の主面上に、溝23を埋め込んで酸化膜24を形成する。この酸化膜は、例えばTEOSとオゾンとをソースガスに用いたプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜、高密度プラズマCVD法を用いて形成されるSiO膜、またはポリシラザン膜などである。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1100℃で実施される。
【0052】
次に、図7に示すように、酸化膜24の表面を、例えばCMP(Chemical Vapor Deposition)法を用いて研磨して、溝23に酸化膜24が埋め込まれた素子分離部2を形成する。この素子分離部2によって活性領域が分離され、nMIS形成領域、pMIS形成領域、および抵抗素子形成領域が形成される。
【0053】
次に、図8に示すように、nMIS形成領域および抵抗素子形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてn型不純物を選択的に導入することにより、埋め込みn型ウェル25を形成する。続いて、nMIS形成領域および抵抗素子形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてp型不純物を選択的に導入することにより、p型ウェル3を形成する。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてn型不純物を選択的に導入することにより、n型ウェル4を形成する。
【0054】
次に、図9に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば熱酸化法を用いて酸化膜5scを形成する。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。これにより、nMIS形成領域およびpMIS形成領域の半導体基板1の主面には酸化膜5scが形成される。
【0055】
続いて、半導体基板1の主面上に、例えばHfON膜28を形成する。HfON膜28は、例えばCVD法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成され、その厚さは、例えば1nm程度である。HfON膜28に代えて、例えばHfSiON膜、HfSiO膜、またはHfO膜などの他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。
【0056】
続いて、窒化処理を施した後、HfON膜28上に、例えばAlO膜29(キャップ膜6p)を堆積する。AlO膜29は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。続いて、AlO膜29上に、例えばTiN膜30を堆積する。TiN膜30は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜15nm程度である。
【0057】
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてpMIS形成領域を覆うレジストパターン(図示は省略)を形成する。続いて、このレジストパターンをマスクとして、レジストパターンから露出しているTiN膜30およびAlO膜29を除去した後、レジストパターンを除去する。
【0058】
次に、図11に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばLaO膜32(キャップ膜6n)を堆積する。LaO膜32は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。この熱処理により、AlO膜29からAlがHfON膜28へ熱拡散して、pMIS形成領域のHfON膜28はHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)となる。さらに、この熱処理により、LaO膜32からLaがHfON膜28へ熱拡散して、nMIS形成領域および抵抗素子形成領域のHfON膜28はHfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)となる。
【0059】
次に、図12に示すように、TiN膜30、AlO膜29、およびLaO膜32を除去する。なお、TiN膜30、AlO膜29、およびLaO膜32はすべて除去してもよいが、図12ではAlO膜29およびLaO膜32を部分的に除去せずに残している。これにより、nMIS形成領域には、酸化膜5scおよびHfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜5ncが形成され、pMIS形成領域には、酸化膜5scおよびHfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜5pcが形成され、抵抗素子形成領域には、HfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜5ncが形成される。
【0060】
次に、図13に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばTiN膜33を堆積する。TiN膜33は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜20nm程度である。続いて、TiN膜33上に、例えば多結晶Si膜34を堆積する。多結晶Si膜34は、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば30〜80nm程度である。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。
【0061】
次に、図14に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域、pMIS形成領域、および抵抗素子形成領域にゲートを形成するためのレジストパターン35を形成する。続いて、このレジストパターン35をマスクとして、レジストパターン35から露出している多結晶Si膜34、TiN膜33、LaO膜32、AlO膜29、HfAlON膜28p、HfLaON膜28n、および酸化膜5scを加工する。
【0062】
これにより、nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfLaON膜28nとの積層膜からなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜32、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極7により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0063】
また、pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfAlON膜28pとの積層膜からなるゲート絶縁膜5pc、AlO膜29、およびTiN膜33と多結晶Si膜34との積層膜からなるゲート電極7により構成されるPch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0064】
また、抵抗素子形成領域に、HfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜32、およびTiN膜33と多結晶Si膜34との積層膜からなるゲート電極7により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートが形成される。抵抗素子形成領域に形成されたNch用スタックゲート構造のゲートの平面形状は四角形状(但し4つの角部は直角に限定されず、丸みを帯びたものも含まれる)であり、その寸法は、例えば10μm×2〜3μmである。
【0065】
次に、図15に示すように、レジストパターン35を除去した後、nMIS、pMIS、および抵抗素子のそれぞれのゲートの側壁に、例えばSi膜からなるオフセットサイドウォール9aを形成する。オフセットサイドウォール9aは、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば5nm程度である。
【0066】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にn型拡散領域10を形成する。n型拡散領域10は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1(n型ウェル4)に、ゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にp型拡散領域12を形成する。p型拡散領域12は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0067】
次に、図16に示すように、半導体基板1の主面上に、Si膜およびSiO膜を順次堆積した後、ドライエッチング法を用いて、これらSi膜およびSiO膜を異方性エッチングする。これにより、nMIS、pMIS、および抵抗素子のそれぞれのゲートの側壁にオフセットサイドウォール9aを介してサイドウォール9を形成する。
【0068】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にn型拡散領域11を形成する。n型拡散領域11は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1(n型ウェル4)に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にp型拡散領域13を形成する。p型拡散領域13は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0069】
続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間および1230℃で数m秒実施される。この熱処理によって、nMIS形成領域のn型拡散領域10およびn型拡散領域11に導入されたn型不純物を活性化し、pMIS形成領域のp型拡散領域12およびp型拡散領域13に導入されたp型不純物を活性化させて、それぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0070】
次に、図17に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域およびpMIS形成領域を覆うレジストパターンRP1を形成する。
【0071】
さらに、図18に示すように、このレジストパターンRP1は、抵抗素子形成領域にも形成されているが(図18に斜線で示す領域)、次の工程において抵抗素子のNch用スタックゲート構造のゲートの側壁に形成されたオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部を除去するために、抵抗素子領域の任意の2箇所以上に開口部を有している。ここでは、Nch用スタックゲート構造のゲートの一方の端部(領域AREA1)、その端部と反対側の端部(領域AREA2)、および中央部(領域AREA3)の3箇所に開口部を有するレジストパターンRP1を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0072】
次に、図19および図20に示すように、レジストパターンRP1から露出している抵抗素子のNch用スタックゲート構造のゲートの側壁に形成されたオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部をドライエッチング法またはウエットエッチング法等により除去する。ここでは、Nch用スタックゲート構造のゲートの一方の端部(領域AREA1)、その端部と反対側の端部(領域AREA2)、および中央部(領域AREA3)の3箇所のオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が除去される。
【0073】
次に、図21および図22に示すように、オフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部が除去された箇所から薬液、例えば硫酸と過酸化水素水が混合された溶薬(例えばAPM(Ammonia-Hydrogen Peroxide Mixture)、SPM(Sulfuric-Hydrogen Peroxide Mixture)、またはHPM(Hydrochloric acid-Hydrogen Peroxide Mixture)の何れか)を抵抗素子のNch用スタックゲート構造のゲートへ導入して、抵抗素子のNch用スタックゲート構造のゲートを構成するLaO膜32およびTiN膜33を溶かす。これにより、抵抗素子のNch用スタックゲート構造のゲートを構成するLaO膜32およびTiN膜33を除去して、この部分に空洞18(上面図(図22、図24、図26、および図28)ではドット(dot)で示す領域)を形成し、多結晶Si膜34からなる上層ゲート電極7Uによって抵抗素子の抵抗部RESを形成する。
【0074】
次に、図23および図24に示すように、レジストパターンRP1を除去した後、半導体基板1の主面上に、絶縁膜44を形成する。
【0075】
次に、図25および図26に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて抵抗素子の電極引き出し部が形成されない領域を覆うレジストパターンRP2を形成する。続いて、このレジストパターンRP2をマスクとして、レジストパターンRP2から露出している絶縁膜44を除去する。
【0076】
次に、図27および図28に示すように、レジストパターンRP2を除去した後、半導体基板1の主面上にNi膜を形成し、続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば450℃で実施される。この熱処理によって、半導体基板1を構成するSiとNi、および多結晶Si膜34を構成するSiとNiとを固相反応させてNiSiを形成し、続いてHSOとHとの混合溶液を用いて未反応のNiを除去することにより、nMISのソース領域およびドレイン領域の表面ならびにゲート電極7の上面にNiSi膜36(シリサイド膜8)を形成する。同様に、pMISのソース領域およびドレイン領域の表面ならびにゲート電極7の上面にNiSi膜36を形成する。さらに、抵抗素子の電極引き出し部の上面にNiSi膜36を形成する(図28に斜線で示す領域)。NiSi膜36に代えて、例えばPtSi膜などを使用することもできる。
【0077】
次に、図29に示すように、半導体基板1の主面上に、Si膜16を堆積する。Si膜16は、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば30nm程度である。
【0078】
続いて、半導体基板1の主面上に、層間絶縁膜17を形成する。層間絶縁膜17は、例えばプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜である。続いて、層間絶縁膜17の表面を、例えばCMP法を用いて平坦化した後、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、Si膜16および層間絶縁膜17に接続孔39を形成する。
【0079】
次に、図30に示すように、接続孔39の底面および内壁を含む層間絶縁膜17上に、例えばスパッタリング法を用いてTiN膜40aを形成する。TiN膜40aは、例えば後の工程で接続孔39の内部に埋め込まれる材料が拡散するのを防止する、いわゆるバリア機能を有している。続いて、半導体基板1の主面上に、接続孔39の内部を埋め込むようにW膜40bを形成する。このW膜40bは、例えばCVD法を用いて形成される。続いて、W膜40bおよびTiN膜40aを、例えばCMP法を用いて研磨することにより、接続孔39の内部にプラグ40を形成する。
【0080】
次に、図31に示すように、半導体基板1の主面上に、配線用絶縁膜41を形成する。配線用絶縁膜41は、例えばTEOS膜、SiCN膜、およびSiO膜を順次堆積した積層膜からなる。続いて、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、配線用絶縁膜41に配線溝42を形成する。
【0081】
続いて、配線溝42の底面および内壁を含む配線用絶縁膜41上に、例えばスパッタリング法を用いてCuシード層を形成した後、めっき法により配線溝42の内部を埋め込むようにCu膜を形成する。続いて、熱処理を行った後、Cu膜およびCuシード層を、例えばCMP法を用いて研磨することにより、配線溝42の内部にCu膜からなる配線43を形成する。この後、さらに上層の配線を形成するが、ここでの説明は省略する。
【0082】
以上の製造工程により、本実施の形態1による半導体装置(nMIS、pMIS、および抵抗素子)が略完成する。
【0083】
このように、本実施の形態1によれば、一旦、nMIS形成領域に、ゲート絶縁膜5nc、LaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極7により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートを形成し、pMIS形成領域に、ゲート絶縁膜5pc、AlO膜29(キャップ膜6p)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極7により構成されるPch用スタックゲート構造のゲートを形成し、抵抗素子形成領域に、ゲート絶縁膜5nc、LaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極7により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートを形成する。その後、薬液により、抵抗素子形成領域のLaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)を除去することにより、多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)からなる抵抗部RESを形成する。
【0084】
従って、TiN膜33と多結晶Si膜34とを連続して形成した後に、これらを加工してゲート電極7を形成し、その後、多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)からなる抵抗部RESを形成しているので、TiN膜33からなる下層ゲート電極7Dと多結晶Si膜34からなる上層ゲート電極7Uとの間に抵抗層が形成されない。これにより、上記抵抗層を原因とするnMISおよびpMISの動作遅延がなくなり、良品歩留まりの低下を防止することができる。
【0085】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による半導体装置は、前述した実施の形態1と同様に、空洞が設けられて多結晶Si膜のみからなる抵抗部RESにより構成される抵抗素子を有するものであるが、抵抗素子に設けられた空洞の構造およびその形成方法が前述した実施の形態1と相違する。
【0086】
まず、本発明の実施の形態2による抵抗素子の構造を図32および図33を用いて説明する。図32は、本発明の実施の形態2による抵抗素子の要部上面図、図33(a)、(b)、および(c)はそれぞれ図32のC−C′線に沿った要部断面図、D−D′線に沿った要部断面図、およびE−E′線に沿った要部断面図である。ここでは、nMISのNch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子の構成について説明するが、pMISのPch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子も同様に構成することができる。
【0087】
図32および図33に示すように、抵抗素子は素子分離部2上に形成されている。
【0088】
抵抗素子は、nMIS(前述の図1および図2を参照)のNch用ゲートスタック構造のゲートを利用しているが、キャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dは形成されておらず、抵抗部RESは多結晶Si膜からなる上層ゲート電極7Uのみにより構成されている。さらに、上層ゲート電極7Uとゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)との間には、キャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dが除去されて形成される第1空洞部19aと、nMIS(前述の図1および図2を参照)のゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scおよび高誘電体膜5hn)とpMIS(前述した図1および図2を参照)のゲート絶縁膜5pc(酸化膜5scおよび高誘電体膜5hp)とを作り分ける際に用いるTiN膜(前述した実施の形態1ではTiN膜30)を島状の2つ以上のダミー段差部として残しておき、この島状の2つ以上のダミー段差部が除去されて形成される第2空洞部19bとからなる空洞19(図32ではドット(dot)で示す領域)が形成されている。
【0089】
後述する半導体装置の製造方法において詳細に説明するが、第2空洞部19bとなるTiN膜(島状の2つ以上のダミー段差部)は、第1空洞部19aとなるキャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dを除去するための薬液を浸入させる経路となる。また、前述した実施の形態1と同様に、電極引き出し部の上面以外の抵抗部RES(上層ゲート電極7U)の上面にはシリサイド膜8は形成されておらず、抵抗素子の高抵抗化を図っている。
【0090】
次に、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法について図34〜図50を用いて工程順に説明する。図34〜図36、図38〜図40、図42、図43、図45、図47、および図49は半導体装置に形成される回路素子のうち、nMIS、pMIS、および抵抗素子の要部断面図、図37、図41、図44、図46、図48、および図50は抵抗素子の要部上面図を示している。ここでは、nMISのNch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子を例示するが、pMISのPch用ゲートスタック構造のゲートを利用した抵抗素子であってもよい。上記抵抗素子の要部断面図は、例えば図37に示すC−C′線に沿った要部断面図に該当する。
【0091】
まず、図34に示すように、前述した実施の形態1と同様にして、所定の領域に素子分離部2を形成する。この素子分離部2によって活性領域が分離され、nMIS形成領域、pMIS形成領域、および抵抗素子形成領域が形成される。続いて、nMIS形成領域および抵抗素子形成領域の半導体基板1に埋め込みn型ウェル25およびp型ウェル3を形成し、pMIS形成領域の半導体基板1にn型ウェル4を形成する。
【0092】
次に、図35に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば熱酸化法を用いて酸化膜5scを形成する。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。これにより、nMIS形成領域およびpMIS形成領域の半導体基板1の主面には酸化膜5scが形成される。
【0093】
続いて、半導体基板1の主面上に、例えばHfON膜28を形成する。HfON膜28は、例えばCVD法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成され、その厚さは、例えば1nm程度である。HfON膜28に代えて、例えばHfSiON膜、HfSiO膜、またはHfO膜などの他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。
【0094】
続いて、窒化処理を施した後、HfON膜28上に、例えばAlO膜29(キャップ膜6p)を堆積する。AlO膜29は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。
【0095】
次に、図36および図37に示すように、AlO膜29上に、例えばTiN膜30を堆積する。TiN膜30は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜15nm程度である。続いて、フォトリソグラフィ法を用いてpMIS形成領域および抵抗素子形成領域を覆うレジストパターンRP3を形成する。抵抗素子形成領域に形成されたレジストパターンRP3は、抵抗素子形成領域の任意の2箇所以上を覆うパターンである。ここでは、抵抗素子形成領域の一方の端部(領域AREA4)、その端部と反対側の端部(領域AREA5)、および中央部(領域AREA6)の3箇所を覆うレジストパターンRP3を例示しているが、これに限定されるものではない。続いて、このレジストパターンRP3をマスクとして、レジストパターンRP3から露出しているTiN膜30を除去した後、レジストパターンRP3を除去する。
【0096】
次に、図38に示すように、nMIS形成領域のAlO膜29を除去した後、半導体基板1の主面上に、例えばLaO膜32(キャップ膜6n)を堆積する。LaO膜32は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。
【0097】
次に、図39に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域および抵抗素子形成領域を覆うレジストパターンRP4を形成する。
【0098】
次に、図40および図41に示すように、レジストパターンRP4から露出しているpMIS形成領域のLaO膜32およびTiN膜30を除去した後、レジストパターンRP4を除去する。これにより、抵抗素子形成領域では、TiN膜30からなる島状の2つ以上(ここでは3つ)のダミー段差部が形成される。
【0099】
続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。この熱処理により、AlO膜29からAlがHfON膜28へ熱拡散して、pMIS形成領域および抵抗素子形成領域のHfON膜28はHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)となる。さらに、この熱処理により、LaO膜32からLaがHfON膜28へ熱拡散して、nMIS形成領域のHfON膜28はHfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)となる。これにより、nMIS形成領域には、酸化膜5scおよびHfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜5ncが形成され、pMIS形成領域には、酸化膜5scおよびHfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜5pcが形成され、抵抗素子形成領域には、HfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜5pcが形成される。
【0100】
次に、図42に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばTiN膜33を堆積する。TiN膜33は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜20nm程度である。続いて、TiN膜33上に、例えば多結晶Si膜34を堆積する。多結晶Si膜34は、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば30〜80nm程度である。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。
【0101】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域、pMIS形成領域、および抵抗素子形成領域にゲートを形成するためのレジストパターン35を形成する。
【0102】
次に、図43および図44に示すように、このレジストパターン35をマスクとして、レジストパターン35から露出している多結晶Si膜34、TiN膜33、LaO膜32、TiN膜30、AlO膜29、HfAlON膜28p、HfLaON膜28n、および酸化膜5scを加工する。その後、レジストパターン35を除去する。
【0103】
これにより、nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfLaON膜28nとの積層膜からなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜32、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極7により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0104】
また、pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfAlON膜28pとの積層膜からなるゲート絶縁膜5pc、AlO膜29、およびTiN膜33と多結晶Si膜34との積層膜からなるゲート電極7により構成されるPch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0105】
また、抵抗素子形成領域に、TiN膜33と多結晶Si膜34との積層膜からなるゲート電極7が、HfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜5pc、AlO膜29、およびTiN膜30からなる島状の3つのダミー段差部に平面視において乗り上がるように形成される。また、平面視においてゲート電極7から島状の3つのダミー段差部がはみ出すようにゲート電極7は形成される。また、ゲート電極7の平面形状は四角形状(但し4つの角部は直角に限定されず、丸みを帯びたものも含まれる)であり、その寸法は、例えば10μm×2〜3μmである。
【0106】
次に、図45および図46に示すように、nMISのNch用スタック構造のゲートの側壁、pMISのPch用スタック構造のゲートの側壁、抵抗素子のゲート電極7およびLaO膜32からなる積層膜の側壁、ならびに抵抗素子のゲート絶縁膜5pc、AlO膜29、およびTiN膜30からなる積層膜の側壁に、例えばSi膜からなるオフセットサイドウォール9aを形成する。オフセットサイドウォール9aは、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば5nm程度である。
【0107】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にn型拡散領域10を形成する。n型拡散領域10は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1(n型ウェル4)に、ゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にp型拡散領域12を形成する。p型拡散領域12は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0108】
次に、半導体基板1の主面上に、Si膜およびSiO膜を順次堆積した後、ドライエッチング法を用いて、これらSi膜およびSiO膜を異方性エッチングする。これにより、オフセットサイドウォール9aの外側にサイドウォール9を形成する。
【0109】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にn型拡散領域11を形成する。n型拡散領域11は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1(n型ウェル4)に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にp型拡散領域13を形成する。p型拡散領域13は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0110】
続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間および1230℃で数m秒実施される。この熱処理によって、nMIS形成領域のn型拡散領域10およびn型拡散領域11に導入されたn型不純物を活性化し、pMIS形成領域のp型拡散領域12およびp型拡散領域13に導入されたp型不純物を活性化させて、それぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0111】
次に、図47および図48に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域およびpMIS形成領域を覆うレジストパターンRP5を形成する。ここでは、抵抗素子形成領域の全面を開口したレジストパターンRP5を例示しているが(図48に斜線で示す領域)、これに限定されるものではない。例えば、このレジストパターンRP5は、前述した実施の形態1の図18に示したように、抵抗素子の任意の2箇所以上を開口するパターンであってもよい。
【0112】
次に、薬液、例えば硫酸と過酸化水素水が混合された溶液(例えばAPM、SPM、またはHPMの何れか)を用いて、レジストパターンRP5から露出している抵抗素子領域のTiN30,33、AlO膜29、およびLaO膜32溶かして、空洞19(上面図(図48および図50)ではドット(dot)で示す領域)を形成し、多結晶Si膜34からなる上層ゲート電極7Uによって抵抗素子の抵抗部RESを形成する。
【0113】
次に、図49および図50に示すように、レジストパターンRP5を除去した後、半導体基板1の主面上に、絶縁膜44を形成する。
【0114】
次に、フォトリソグラフィ法を用いて抵抗素子の電極引き出し部が形成されない領域を覆うレジストパターン(図示は省略)を形成する。続いて、このレジストパターンをマスクとして、レジストパターンから露出している抵抗素子形成領域の絶縁膜44を除去する。
【0115】
次に、レジストパターンを除去した後、前述した実施の形態1と同様にして、nMISのソース領域およびドレイン領域の表面ならびにゲート電極7の上面にNiSi膜36(シリサイド膜8)を形成し、pMISのソース領域およびドレイン領域の表面ならびにゲート電極7の上面にNiSi膜36を形成する。さらに、抵抗素子の電極引き出し部の上面にNiSi膜36を形成する。
【0116】
その後は、前述した実施の形態1と同様にして、層間絶縁膜17、プラグ40、配線43等を形成することにより、本実施の形態2による半導体装置(nMIS、pMIS、および抵抗素子)が略完成する。
【0117】
このように、本実施の形態2によれば、nMISのゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scおよび高誘電体膜5hn)とpMISのゲート絶縁膜5pc(酸化膜5scおよび高誘電体膜5hp)とを作り分ける際に用いるTiN膜30の一部を、抵抗素子形成領域に残しておき、このTiN膜30上に形成されるNch用スタックゲート構造のゲートを構成するTiN膜33を除去する際に、TiN膜30を経由してTiN膜33を薬液によって除去することができる。
【0118】
従って、前述した実施の形態1と同様、TiN膜33と多結晶Si膜34とを連続して形成した後に、これらを加工してゲート電極7を形成し、その後、多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)からなる抵抗部RESを形成しているので、TiN膜33からなる下層ゲート電極7Dと多結晶Si膜34からなる上層ゲート電極7Uとの間に抵抗層が形成されない。よって、前述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0119】
(実施の形態3)
HK/MGトランジスタの構造は、前述した実施の形態1で説明したnMISおよびpMISに限定されるものではない。例えば、前述した実施の形態1では、ゲート電極を金属膜(TiN膜)と多結晶Si膜との積層膜により構成したHK/MGトランジスタを例示したが、ゲート電極を金属膜のみで構成することも可能である。そこで、本発明の実施の形態3では、ゲート電極を金属膜のみで構成するHK/MGトランジスタに、前述した実施の形態1と同様に、本願発明を適用した場合について説明する。
【0120】
本発明の実施の形態3によるnMIS、pMIS、および抵抗素子の構造を、図51を用いて説明する。図51は、本実施の形態3によるnMISおよびpMISのゲート長方向に沿った要部断面図、および抵抗素子の要部断面図である。
【0121】
まず、nMISのゲート構造について説明する。nMISのゲートのうち、ゲート絶縁膜およびキャップ膜は、前述した実施の形態1のゲート絶縁膜5ncおよびキャップ膜6nとそれぞれ同様であるが、ゲート電極は、前述した実施の形態1のゲート電極7と異なる。
【0122】
すなわち、前述した実施の形態1と同様に、nMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたp型ウェル3上には、酸化膜5scと高誘電体膜5hnとの積層膜からなるゲート絶縁膜5ncが形成されている。さらに、ゲート絶縁膜5nc上には、キャップ膜6nが形成されている。
【0123】
しかし、キャップ膜6n上には、複数の金属膜を積層したゲート電極50nが形成されている。このゲート電極50nは、例えば下層ゲート電極50Dと中層ゲート電極50Mと上層ゲート電極50Uとを積層した3層構造を有している。下層ゲート電極50Dは、例えばTiN膜により構成される。また、中層ゲート電極50Mは、pMISのしきい値電圧を調整するために設けられた金属膜(高誘電体膜の仕事関数を調整)であり、例えばTiN膜により構成される。また、上層ゲート電極50Uは、例えばAlを含む金属膜により構成される。ゲート電極50n上には、前述した実施の形態1のようなシリサイド膜は形成されていない。
【0124】
次に、pMISのゲート構造について説明する。pMISのゲートのうち、ゲート絶縁膜は、前述した実施の形態1のゲート絶縁膜5pcと同様に、酸化膜5scと高誘電体膜5hmとの積層膜からなるが、高誘電体膜5hmには仕事関数を調整するための金属元素が導入されていない。さらに、キャップ膜は形成されておらず、ゲート電極50pは、前述した実施の形態1のゲート電極7と異なる。
【0125】
すなわち、前述した実施の形態1と同様に、pMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたn型ウェル4上には、酸化膜5scと高誘電体膜5hmとの積層膜からなるゲート絶縁膜5pcが形成されている。高誘電体膜5hmは、例えばHfON膜であり、仕事関数を調整するための金属元素(例えば前述した実施の形態1では、Al元素)は導入されていない。しかし、高誘電体膜5hm上に形成される中層ゲート電極50Mによって仕事関数を調整して、pMISのしきい値電圧を調整することができる。
【0126】
ゲート絶縁膜5pc上には、ゲート電極50pが形成されている。このゲート電極50pは、例えば中層ゲート電極50Mと上層ゲート電極50Uとを積層した2層構造を有している。ゲート電極50p上には、前述した実施の形態1のようなシリサイド膜は形成されていない。
【0127】
次に、抵抗素子の構造について説明する。抵抗素子は、前述した実施の形態1と同様であり、素子分離部2上に、ゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)、空洞54、および多結晶Si膜からなる抵抗部RESが形成されている。すなわち、抵抗素子には、nMISの複数の金属膜を積層したゲート電極50nまたはpMISの複数の金属膜を積層したゲート電極50pは形成されていない。抵抗部RESは、第1多結晶Si膜51とその上に形成された第2多結晶Si膜53との積層膜からなる。
【0128】
また、図示はしないが、前述した実施の形態1と同様に、抵抗部RES、空洞54、およびゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)の積層部分の側壁には、オフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されているが、当初形成された金属膜を除去するための薬液を浸入させる経路を形成するために、オフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部が除去されている。
【0129】
次に、本発明の実施の形態3による半導体装置の製造方法について図52〜図65を用いて工程順に説明する。図52〜図65は、半導体装置に形成される回路素子のうち、nMIS、pMIS、および抵抗素子の要部断面図を示している。
【0130】
まず、前述した実施の形態1と同様の製造工程によって、半導体基板1に、素子分離部2を形成し、この素子分離部2によって活性領域を分離して、nMIS形成領域、pMIS形成領域、および抵抗素子形成領域を形成する。続いて、埋め込みn型ウェル25、p型ウェル3、およびn型ウェル4を形成する。さらに、nMIS形成領域およびpMIS形成領域の半導体基板1の主面に酸化膜5scを形成する。
【0131】
次に、図52に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばHfON膜28を形成する。HfON膜28は、例えばCVD法またはAID法を用いて形成され、その厚さは、例えば1nm程度である。HfON膜28に代えて、例えばHfSiON膜、HfSiO膜、またはHfO膜などの他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。
【0132】
続いて、窒化処理を施した後、HfON膜28上に、例えばLaO膜32(キャップ膜6n)を堆積する。LaO膜32は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。続いて、LaO膜32上に、例えばTiN膜30を堆積する。TiN膜30は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜15nm程度である。続いて、TiN膜30上に、例えば第1多結晶Si膜51を堆積する。
【0133】
次に、図53に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域および抵抗素子領域を覆うレジストパターン52を形成する。
【0134】
次に、図54に示すように、レジストパターン52をマスクとして、レジストパターン52から露出している第1多結晶Si膜51、TiN膜30、およびLaO膜32を除去した後、レジストパターン52を除去する。
【0135】
次に、図55に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば第2多結晶Si膜53を堆積する。第2多結晶Si膜53は、第1多結晶Si膜51よりも厚く形成される。続いて、第2多結晶Si膜53の表面をCMP法により研磨して、その表面を平坦化した後、例えばSi、SiO、またはSiOCからなるダミー絶縁膜53aを第2多結晶Si膜53上に形成する。
【0136】
次に、図56に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、ダミー絶縁膜53a、第2多結晶Si膜53、第1多結晶Si膜51、TiN膜30、LaO膜32、HfON膜28、および酸化膜5scを加工する。
【0137】
これにより、nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜28との積層膜からなるゲート絶縁膜、LaO膜32、TiN膜30と第1多結晶Si膜51と第2多結晶Si膜53との積層膜からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜53aにより構成されるダミーゲートが形成される。また、pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜28との積層膜からなるゲート絶縁膜、第2多結晶Si膜53からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜53aにより構成されるダミーゲートが形成される。
【0138】
また、抵抗素子形成領域に、HfON膜28からなるゲート絶縁膜、LaO膜32、TiO膜30と第1多結晶Si膜51と第2多結晶Si膜53との積層膜からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜53aにより構成されるダミーゲートが形成される。
【0139】
次に、図57に示すように、半導体基板1の主面上に、nMIS、pMIS、および抵抗素子のそれぞれのダミーゲートの側壁に、例えばSi膜またはSiOからなるオフセットサイドウォール9aを形成する。オフセットサイドウォール9aは、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば5nm程度である。
【0140】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ダミーゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にn型拡散領域10を形成する。n型拡散領域10は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板(n型ウェル4)に、ダミーゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にp型拡散領域12を形成する。p型拡散領域12は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0141】
次に、図58に示すように、半導体基板1の主面上に、SiO膜およびSi膜を順次堆積した後、ドライエッチング法を用いて、これらSiO膜およびSi膜を異方性エッチングする。これにより、nMIS、pMIS、および抵抗素子のダミーゲートの側壁にサイドウォール9を形成する。
【0142】
続いて、イオン注入法を用いて、nMIS形成領域の半導体基板1(p型ウェル3)に、ダミーゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にn型拡散領域11を形成する。n型拡散領域11は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、pMIS形成領域の半導体基板1(n型ウェル4)に、ダミーゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にp型拡散領域13を形成する。p型拡散領域13は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0143】
続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間および1230℃で数m秒実施される。この熱処理によって、nMIS形成領域のn型拡散領域10およびn型拡散領域11に導入されたn型不純物を活性化し、pMIS形成領域のp型拡散領域12およびp型拡散領域13に導入されたp型不純物を活性化させて、それぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0144】
また、同時に、この熱処理により、LaO膜32からLaがHfON膜28へ熱拡散して、nMIS形成領域および抵抗素子形成領域のHfON膜28はHfLaON膜28n(高誘電体5hn)となる。このとき、LaO膜32が残るように熱処理を行っても良いが、LaO膜32のすべてが反応するように熱処理を行っても良い。以降の図では、LaO膜32が一部残る場合を図示している。
【0145】
次に、前述した実施の形態1と同様にして、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、抵抗素子のダミーゲートの側壁に形成されたオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部を除去する。
【0146】
次に、図59に示すように、オフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9の一部が除去された箇所から、薬液、例えば硫酸と過酸化水素水が混合された溶液(例えばAPM、SPM、またはHPMの何れか)を抵抗素子のダミーゲートへ導入して、抵抗素子のダミーゲートを構成するLaO膜32およびTiN膜30を溶かす。これにより、抵抗素子のダミーゲートを構成するLaO膜32およびTiN膜30を除去して、この部分に空洞54を形成し、第1多結晶Si膜51および第2多結晶Si膜53によって抵抗素子の抵抗部RESを形成する。
【0147】
次に、図60に示すように、所定の領域に絶縁膜44を形成した後、nMISおよびpMISのそれぞれのソース領域およびドレイン領域の表面にNiSi膜36(シリサイド膜8)を形成する。さらに、抵抗素子の電極引き出し部の上面にNiSi膜36を形成する。NiSi膜36に代えて、例えばPtSi膜などを使用することもできる。
【0148】
続いて、半導体基板1の主面上に、Si膜16を堆積する。Si膜16は、例えばCVD法を用いて形成される。続いて、Si膜16上に層間絶縁膜17を形成し、その表面を、例えばCMP法を用いて平坦化する。層間絶縁膜17は、例えばプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜である。
【0149】
次に、図61に示すように、第2多結晶Si膜53が露出するまで、層間絶縁膜17、Si膜16、およびダミー絶縁膜53aを、例えばCMP法を用いて研磨する。
【0150】
次に、図62に示すように、抵抗素子形成領域を、例えばSiO膜からなるキャップ絶縁膜CAPで覆った後、nMIS形成領域およびpMIS形成領域の第1多結晶Si膜51および第2多結晶Si膜53を除去する。これにより、nMIS形成領域およびpMIS形成領域のそれぞれのダミーゲートが形成された箇所には、凹部55が形成され、抵抗素子領域の第1多結晶Si膜51と第2多結晶Si膜53との積層膜からなる抵抗部RESは残存する。nMIS形成領域の凹部55の底面にはTiN膜30が露出しており、pMIS形成領域の凹部55の底面にはHfON膜28が露出している。
【0151】
次に、図63に示すように、半導体基板1の主面上に、pMISの仕事関数を調整するための第1金属膜56を堆積する。第1金属膜56は、例えばTiN膜である。その厚さは、例えば15nmであり、凹部55の内部を完全に埋め込まない厚さである。続いて、第1金属膜56上に、凹部55の内部を埋め込むように第2金属膜57を形成する。第2金属膜57は、例えばAlを含む金属膜であり、その厚さは、例えば100nmである。
【0152】
次に、図64に示すように、第1金属膜56および第2金属膜57を、例えばCMP法を用いて研磨することにより、凹部55の内部に第1金属膜56および第2金属膜57を埋め込む。
【0153】
これにより、nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfLaON膜28nとの積層膜からなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜30(下層ゲート電極50D)と第1金属膜56(中層ゲート電極50M)と第2金属膜57(上層ゲート電極50U)との積層膜からなるゲート電極50nにより構成されるNch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。また、pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜28(高誘電体膜5hm)との積層膜からなるゲート絶縁膜5pc、および第1金属膜56(中層ゲート電極50M)と第2金属膜57(上層ゲート電極50U)との積層膜からなるゲート電極(ゲート電極50p)により構成されるPch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。
【0154】
また、抵抗素子形成領域に、HfON膜28nからなるゲート絶縁膜5nc、空洞54、および第1多結晶Si膜51と第2多結晶Si膜53との積層膜からなる抵抗部RESが形成される。
【0155】
次に、図65に示すように、半導体基板1の主面上に、層間絶縁膜58を形成した後、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜17,58およびSi膜16に接続孔39を形成する。続いて、接続孔39の内部にプラグ40を形成した後、配線43を形成する。この後、さらに上層の配線を形成するが、ここでの説明は省略する。
【0156】
以上の製造工程により、本実施の形態3による半導体装置(nMIS、pMIS、および抵抗素子)が略完成する。
【0157】
なお、本実施の形態3では、nMIS形成領域にLaを含むキャップ膜6nを形成してnMISのしきい値電圧を調整し、pMISのしきい値電圧はゲート電極50pを構成する第1金属膜56により調整する構成としたが、これに限定されるものではない。例えばpMIS形成領域にAlを含むキャップ膜6pを形成してpMISのしきい値電圧を調整し、nMISのしきい値電圧はゲート電極50nを構成する金属膜により調整する構成とすることができる。
【0158】
このように、本実施の形態3によれば、ゲート電極を金属膜のみで構成するHK/MGトランジスタを有する半導体装置においても、nMISのゲート電極50nを構成する各層(TiN膜33(下層ゲート電極50D)と第1金属膜56(中層ゲート電極50M)と第2金属膜57(上層ゲート電極50U))の間に抵抗層が形成されず、また、pMISのゲート電極50pを構成する各層(第1金属膜56(中層ゲート電極50M)と第2金属膜57(上層ゲート電極50U))の間に抵抗層が形成されない。従って、前述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0159】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0160】
例えば、前述した実施の形態では、抵抗素子は素子分離部上に形成したが、これに限定されるものではなく、活性領域上にも形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、ゲート絶縁膜を比誘電率の高いHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタと、抵抗素子とを有する半導体装置およびその製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0162】
1 半導体基板
2 素子分離部
3 p型ウェル
4 n型ウェル
5nc,5pc ゲート絶縁膜
5sc 酸化膜
5hm,5hn,5hp 高誘電体膜
6n,6p キャップ膜
7 ゲート電極
7D 下層ゲート電極
7U 上層ゲート電極
8 シリサイド膜
9a オフセットサイドウォール
9 サイドウォール
10 n型拡散領域
11 n型拡散領域
12 p型拡散領域
13 p型拡散領域
16 Si
17 層間絶縁膜
18,19 空洞
19a 第1空洞部
19b 第2空洞部
20 SiO
21 Si
22 レジストパターン
23 溝
24 酸化膜
25 埋め込みn型ウェル
28 HfON膜
28n HfLaON膜
28p HfAlON膜
29 AlO膜
30 TiN膜
32 LaO膜
33 TiN膜
34 多結晶Si膜
35 レジストパターン
36 NiSi膜
39 接続孔
40 プラグ
40a TiN膜
40b W膜
41 配線用絶縁膜
42 配線溝
43 配線
44 絶縁膜
50n,50p ゲート電極
50D 下層ゲート電極
50M 中層ゲート電極
50U 上層ゲート電極
51 第1多結晶Si膜
52 レジストパターン
53 第2多結晶Si膜
53a ダミー絶縁膜
54 空洞
55 凹部
56 第1金属膜
57 第2金属膜
58 層間絶縁膜
AREA1〜AREA6 領域
CAP キャップ絶縁膜
RP1〜RP5 レジストパターン
RES 抵抗部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に形成された電界効果トランジスタと、前記第1領域とは異なる第2領域に形成された抵抗素子とを有する半導体装置であって、
前記電界効果トランジスタは、
High−k材料から構成されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成され、メタル材料と前記メタル材料上に形成された第1多結晶Si膜との積層膜から構成されるゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極の側壁に形成された第1サイドウォールと、
を含み、
前記抵抗素子は、
素子分離部上に形成された空洞と、
前記空洞上に設けられた第2多結晶Si膜からなる抵抗部と、
前記空洞および前記抵抗部の側壁に形成された第2サイドウォールと、
を含み、
前記第2サイドウォールは平面視において2箇所以上除去された領域があることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、前記メタル材料はTiNであることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、前記ゲート絶縁膜はHfとLa、またはHfとAlとを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、前記ゲート電極を構成する前記第1多結晶Si膜と前記抵抗部を構成する前記第2多結晶Si膜とは同一層であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に形成された電界効果トランジスタと、前記第1領域とは異なる第2領域に形成された抵抗素子とを有する半導体装置であって、
前記電界効果トランジスタは、
High−k材料から構成されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成され、メタル材料と前記メタル材料上に形成された第1多結晶Si膜との積層膜から構成されるゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極の側壁に形成された第1サイドウォールと、
を含み、
前記抵抗素子は、
素子分離部上に設けられた島状の2以上の第1空洞と、
平面視において前記2以上の第1空洞の一部の上に重ねて設けられ、前記2以上の第1空洞と繋がる四角形状の第2空洞と、
前記第2空洞上に設けられた第2多結晶Si膜からなる抵抗部と、
前記第2空洞および前記抵抗部の側壁に形成された第2サイドウォールと、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、前記メタル材料はTiNであることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5記載の半導体装置において、前記ゲート絶縁膜はHfとLa、またはHfとAlとを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項5記載の半導体装置において、前記ゲート電極を構成する前記第1多結晶Si膜と前記抵抗部を構成する前記第2多結晶Si膜とは同一層であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項5記載の半導体装置において、前記2以上の第1空洞は、平面視において前記第2空洞からはみ出していることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に形成された電界効果トランジスタと、前記第1領域とは異なる第2領域に形成された抵抗素子とを有する半導体装置であって、
前記電界効果トランジスタは、
High−k材料から構成されるゲート絶縁膜と、
複数層のメタル材料から構成されるゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極の側壁に形成された第1サイドウォールと、
を含み、
前記抵抗素子は、
素子分離部上に形成された空洞と、
前記空洞上に設けられた第1多結晶Si膜からなる抵抗部と、
前記空洞および前記抵抗部の側壁に形成された第2サイドウォールと、
を含み、
前記第2サイドウォールは平面視において2箇所以上除去された領域があることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置において、前記メタル材料はTiNであることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項10記載の半導体装置において、前記ゲート絶縁膜はHfとLa、またはHfとAlとを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に電界効果トランジスタを形成し、前記第1領域とは異なる第2領域に抵抗素子を形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記第1領域に素子分離部により囲まれた活性領域を形成し、前記第2領域に素子分離部を形成する工程と、
(b)前記活性領域の表面に第1酸化膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体基板の主面上にHigh−k膜を形成する工程と、
(d)前記High−k膜上に前記電界効果トランジスタの仕事関数を制御する金属元素を含むキャップ膜を形成する工程と、
(e)熱処理を行い、前記キャップ膜に含まれる前記金属元素を前記High−k膜に拡散させて、前記第1領域および前記第2領域に、前記金属元素を含む前記High−k膜からなる第1絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記第1絶縁膜の上に金属膜および多結晶Si膜を順次形成する工程と、
(g)エッチングにより、前記第1領域に、前記金属膜と前記多結晶Si膜とからなる第1ゲート電極および前記第1酸化膜と前記第1絶縁膜とからなる第1ゲート絶縁膜を形成し、前記第2領域に、前記金属膜と前記多結晶Si膜とからなる第2ゲート電極および前記第1絶縁膜からなる第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(h)前記第1領域の前記第1ゲート電極および前記第1ゲート絶縁膜の側壁に第1サイドウォールを形成し、前記第2領域の前記第2ゲート電極および前記第2ゲート絶縁膜の側壁に第2サイドウォールを形成する工程と、
(i)前記第1領域の前記第1ゲート電極の両側の前記活性領域にソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
(j)前記第2領域の前記第2サイドウォールの2箇所以上を除去する工程と、
(k)前記(j)工程の後、前記第2サイドウォールが除去された箇所から薬液を浸入させて、前記第2領域の前記金属膜を除去して、前記第2ゲート絶縁膜と前記多結晶Si膜との間に空洞を形成する工程と、
(l)前記第1領域の前記多結晶Si膜の上面、前記第1領域の前記ソース領域および前記ドレイン領域の表面、ならびに前記第2領域の前記多結晶Si膜の電極引き出し部の上面に選択的にシリサイド膜を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、前記薬液は、硫酸と過酸化水素水が混合された溶液であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、前記金属膜はTiN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、前記金属元素はLaまたはAlであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に第1導電型の第1電界効果トランジスタを形成し、前記第1領域とは異なる第2領域の活性領域に前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2電界効果トランジスタを形成し、前記第1領域および前記第2領域とは異なる第3領域に抵抗素子を形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記第1領域および前記第2領域に素子分離部により囲まれた活性領域をそれぞれ形成し、前記第3領域に素子分離部を形成する工程と、
(b)前記第1領域および前記第2領域の前記活性領域の表面にそれぞれ第1酸化膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体基板の主面上にHigh−k膜を形成する工程と、
(d)前記High−k膜上に前記第1電界効果トランジスタの仕事関数を制御する第1金属元素を含む第1キャップ膜を形成する工程と、
(e)前記第1キャップ膜上に第1金属膜を形成した後、レジストパターンをマスクとして前記第2領域の前記第1金属膜を除去し、前記第3領域の前記第1金属膜を島状の2以上のダミー段差部に加工する工程と、
(f)前記第2領域の前記第1キャップ膜を除去した後、前記半導体基板の主面上に前記第2電界効果トランジスタの仕事関数を制御する第2金属元素を含む第2キャップ膜を形成する工程と、
(g)レジストパターンをマスクとして、前記第1領域の前記第2キャップ膜および前記第1金属膜を除去する工程と、
(h)熱処理を行い、前記第1キャップに含まれる前記第1金属元素を前記High−k膜に拡散させて、前記第1領域に前記第1金属元素を含む前記High−k膜からなる第1絶縁膜を形成し、前記第2キャップ膜に含まれる前記第2金属元素を前記High−k膜に拡散させて、前記第2領域に前記第2金属元素を含む前記High−k膜からなる第2絶縁膜を形成する工程と、
(i)前記(h)工程の後、前記半導体基板の主面上に第2金属膜および多結晶Si膜を順次形成する工程と、
(j)レジストパターンをマスクとして、前記多結晶Si膜および前記第2金属膜を順次エッチングして、前記第1領域では、前記第2金属膜と前記多結晶Si膜とからなる第1ゲート電極および前記第1酸化膜と前記第1絶縁膜とからなる第1ゲート絶縁膜を形成し、前記第2領域では、前記第2金属膜と前記多結晶Si膜とからなる第2ゲート電極および前記第1酸化膜と前記第2絶縁膜とからなる第2ゲート絶縁膜を形成し、前記第3領域では、平面視において前記第1金属膜上に形成された前記2以上のダミー段差部と一部が重なり、平面視において前記2以上のダミー段差部がはみ出すように、四角形状の第3ゲート電極を形成する工程と、
(k)前記第1領域の前記第1ゲート電極および前記第1ゲート絶縁膜の側壁に第1サイドウォールを形成し、前記第2領域の前記第2ゲート電極および前記第2ゲート絶縁膜の側壁に第2サイドウォールを形成し、前記第3領域の前記第3ゲート電極の側壁に第3サイドウォールを形成する工程と、
(l)前記第1領域の前記第1ゲート電極の両側の前記活性領域に前記第1導電型の不純物を導入して第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記第2領域の前記第2ゲート電極の両側の前記活性領域に前記第2導電型の不純物を導入して第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成する工程と、
(m)前記第3領域の前記第1キャップ膜、前記第1金属膜、前記第2キャップ膜、および前記第2金属膜を薬液により除去して空洞を形成する工程と、
(n)前記第1領域の前記多結晶Si膜の上面、前記第1領域の前記第1ソース領域および前記第1ドレイン領域の表面、前記第2領域の前記多結晶Si膜の上面、前記第2領域の前記第2ソース領域および前記第2ドレイン領域の表面、ならびに前記第3領域の前記多結晶Si膜の電極引き出し部の上面に選択的にシリサイド膜を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、前記薬液は、硫酸と過酸化水素水が混合された溶液であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、前記第1金属膜および前記第2金属膜はTiN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、前記第1金属元素はAlであり、前記第2金属元素はLaであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
半導体基板の主面の第1領域の活性領域に第1導電型の第1電界効果トランジスタを形成し、前記第1領域とは異なる第2領域の活性領域に前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2電界効果トランジスタを形成し、前記第1領域および前記第2領域とは異なる第3領域に抵抗素子を形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記第1領域および前記第2領域に素子分離部により囲まれた活性領域をそれぞれ形成し、前記第3領域に素子分離部を形成する工程と、
(b)前記第1領域および前記第2領域の前記活性領域の表面に第1酸化膜を形成する工程と、
(c)前記第1領域に、High−k膜、前記第1電界効果トランジスタの仕事関数を制御する金属元素を含む第1キャップ膜、第1金属膜、および第1多結晶Si膜からなる第1積層膜を形成し、前記第2領域に、前記High−k膜および第2多結晶Si膜からなる第2積層膜を形成し、前記第3領域に、前記High−k膜、前記第1キャップ膜、前記第1金属膜、および前記第1多結晶Si膜からなる第3積層膜を形成する工程と、
(d)エッチングにより、前記第1領域に、前記第1金属膜と前記第1多結晶Siとからなる第1ダミーゲート電極および前記第1酸化膜と前記High−k膜とからなる第1ゲート絶縁膜を形成し、前記第2領域に、前記第2多結晶Si膜からなる第2ダミーゲート電極および前記第1酸化膜と前記High−k膜とからなる第2ゲート絶縁膜を形成し、前記第3領域に、前記第1金属膜と前記第1多結晶Si膜とからなる第3ダミーゲート電極および前記High−k膜からなる第3ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(e)前記第1領域の前記第1ダミーゲート電極および前記第1ゲート絶縁膜の側壁に第1サイドウォールを形成し、前記第2領域の前記第2ダミーゲート電極および前記第2ゲート絶縁膜の側壁に第2サイドウォールを形成し、前記第3領域の前記第3ダミーゲート電極および前記第3ゲート絶縁膜の側壁に第3サイドウォールを形成する工程と、
(f)前記第1領域の前記第1ダミーゲート電極の両側の前記活性領域に、前記第1導電型の第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記第2領域の前記第2ダミーゲート電極の両側の前記活性領域に、前記第2導電型の第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成する工程と、
(g)前記第3領域の前記第3サイドウォールの2箇所以上を除去する工程と、
(h)前記(g)工程の後、前記第3サイドウォールが除去された箇所から薬液を浸入させて、前記第3領域の前記第1金属膜を除去して、前記第3ゲート絶縁膜と前記第1多結晶Si膜との間に空洞を形成する工程と、
(i)前記第1領域の前記第1ソース領域および前記第1ドレイン領域の表面、前記第2領域の前記第2ソース領域および前記第2ドレイン領域の表面、ならびに前記第3領域の前記第1多結晶Si膜の電極引き出し部の上面に選択的にシリサイド膜を形成する工程と、
(j)前記半導体基板の主面上に、前記第1ダミーゲート電極、前記第2ダミーゲート電極、および前記第3ダミーゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成した後、前記第1ダミーゲート電極、前記第2ダミーゲート電極、および前記第3ダミーゲート電極が露出するまで、前記層間絶縁膜を研磨する工程と、
(k)前記第3領域上のみに保護膜を形成した後、前記第1領域では、前記第1多結晶Si膜を除去して、底面に前記第1金属膜が露出する第1凹部を形成し、前記第2領域では、前記第2多結晶Si膜を除去して、底面に前記High−k膜が露出する第2凹部を形成する工程と、
(l)前記第1凹部および前記第2凹部のそれぞれの内部に、第2金属膜を埋め込み、前記第1領域に前記第1金属膜と前記第2金属膜とからなる第1ゲート電極を形成し、前記第2領域に、前記第2金属膜からなる第2ゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、前記薬液は、硫酸と過酸化水素水が混合された溶液であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、前記第1金属膜および前記第2金属膜は、TiN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項24】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、前記金属元素はLaまたはAlであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【公開番号】特開2012−134240(P2012−134240A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283521(P2010−283521)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】