説明

半導体装置とその製造方法

【課題】MISトランジスタを有する半導体装置において、微細化及び製造歩留りの向上を実現する。
【解決手段】半導体装置は、基板101上にゲート絶縁膜103を介して形成されたゲート電極117と、基板101におけるゲート電極117の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域107bとを有するMISトランジスタを備え、ゲート電極117は金属シリサイドからなり、ソース領域及びドレイン領域107bの少なくとも一方の上に、金属シリサイドからなる第1のコンタクト電極116を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に、シリサイド膜を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置における大容量化は著しく、それと共にMIS(Metal Insulator Semiconductor )トランジスタの微細化についても進展し、ゲート電極の幅が60nm前後になっている。また、高速化にも対応して、ゲート電極と共にソース電極及びドレイン電極(以下、省略してソース/ドレイン電極と呼ぶ)をシリサイド化して低抵抗化するサリサイド技術も実用化されている。ここで、シリサイド膜としては、例えば細線抵抗効果の小さいニッケルシリサイド膜が使用されている。
【0003】
しかし、トランジスタの微細化が更に進み、ゲート電極幅が40nm前後まで微細化が進むと、SiO2 膜換算で0.2〜0.5nmに相当する空乏層が形成される従来のシリサイド/多結晶シリコン電極は使えなくなる。この問題に対して、空乏層ができにくいフルシリサイドゲート電極の使用が提案されており、学会発表等が盛んに行なわれている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
図7(a)〜(e)に、ゲート幅40nmが前後となった際に採用されることが予想されるフルシリサイドゲート電極を取り入れたMISトランジスタの製造工程を示す、これは、非特許文献1によるものである。
【0005】
図7(a)において、従来の技術により、ポリシリコンからなるシリコンゲートを有するMISトランジスタ構造が形成されている。より詳しくは、基板11の表面がシャロートレンチ12によって区画され、その区画された領域内において基板11上にゲート絶縁膜13を介してポリシリコンからなるシリコンゲート14が形成されている。シリコンゲート14の上面にはシリサイド層15が形成され、シリコンゲート14及びシリサイド層15の側面にサイドウォール16が形成されている。また、基板11上のシリコンゲート14及びサイドウォール16の両側の領域にソース領域及びドレイン領域(以下、ソース/ドレイン領域17と呼ぶ)が形成され、その上にはシリサイド層18が形成されている。
【0006】
次に、図7(b)に示すように、基板11上にシリコンゲート14及びサイドウォール16等を覆うように窒化膜からなるライナー膜19を形成し、更にその上に層間絶縁膜20を形成する。
【0007】
次に、図7(c)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing )法により層間絶縁膜20の平坦化を行ない、シリコンゲート14上のシリサイド層15を露出させる。
【0008】
この後、図7(d)に示すように、層間絶縁膜20上にシリサイド層15上を覆う金属膜21を形成する。更に、アニールによって図7(e)に示すようにポリシリコン膜からなるシリコンゲート14と金属膜21との反応により、フルシリサイドゲート電極22を形成する。
【非特許文献1】B. Tavel et.al., IEDM Tech. Dig. 2001 p825
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に説明したMISトランジスタの微細化の進展は、リソグラフィ技術等の平面的な微細加工技術の進歩に負うところが大きい。しかしながら、微細化が進むに従ってリソグラフィにおけるマスクの位置合わせ精度等の要求が厳しくなって来ている。特に、ゲート電極に関するものだけではなく、ゲート電極及びソース/ドレイン領域に対するコンタクトに関しても要求が厳しくなり、量産化に向けての大きな障害となっている。
【0010】
これについて、図8(a)〜(d)を参照して説明する。まず、図8(a)には、従来の技術により形成されたポリシリコンからなるゲート電極30を有するMISトランジスタを示している。これは、図7(a)に示した構造のシリコンゲート14を、フルシリサイドゲート電極22に変換することなくそのままゲート電極30とする構造と考えることができる。
【0011】
次に、図8(b)に示すように、基板11上にゲート電極30及びサイドウォール16等を覆うライナー膜19を形成し、更にその上に、層間絶縁膜20aを形成する。
【0012】
次に、図8(c)に示すように、リソグラフィ工程を経てコンタクトホール32を形成する。つまり、フォトレジスト31をパターニングし、これをマスクとするエッチングにより、ゲート電極30及びソース/ドレイン領域17に対するコンタクトを取るためのコンタクトホール32を形成する。
【0013】
次に、図8(d)に示すように、コンタクトホール32を充填するようにコンタクト電極33を形成し、更に、上部配線層(配線34及び絶縁層35)を形成する。
【0014】
ここで、コンタクトホール32のような孔を加工の精度良く形成することは、孔のアスペクト比が大きいほど難しくなる。例えば、孔の全体において均一な断面の大きさ及び形状を得ること、孔の延びる方向に歪み及び傾きが生じるのを防ぐこと等が難しくなる。
【0015】
更に、孔を配線材料によって充填してコンタクト電極を形成するような場合、孔のアスペクト比が大きいほど充填が難しくなる。これらの理由から、形成するコンタクト電極33のアスペクト比には限界がある。言い換えると、コンタクト電極33を任意に細くするとは難しい。
【0016】
また、ソース/ドレイン領域17上に確実にコンタクト電極33を形成するため、位置合わせ精度を考慮してソース/ドレイン領域17の面積にはマージンを持たせることが必要である。特に、コンタクトホール32がサイドウォール16の位置に重なってサイドウォール16を削ってしまうと、装置の性能を大きく劣化させるため、このようなことは避けなければならない。これらのことを考慮してマージンを設定するためには、コンタクト電極33が太い(基板11に平行な断面積が大きい)ほどソース/ドレイン領域17の面積を広くすることが必要になる。つまり、位置合わせのズレ等が生じた場合にも、コンタクトホール32がソース/ドレイン領域17上を外れる(特に、サイドウォール16の位置に重なる)ことを避けるため、ソース/ドレイン領域17の面積を大きくすることが必要になる。
【0017】
以上のことは、半導体装置の縮小に対する障害となるため、その解決が課題となっている。
【0018】
特に、MISトランジスタのゲート幅が例えば40nm程度まで縮小されると、形成するパターンによってはゲート・ゲート間に取るコンタクトの窓幅についてもゲート幅と同程度となり、コンタクト形成時の合わせ精度の要求が厳しくなる。
【0019】
具体的には、ゲート・ゲート間に取るコンタクトホールの窓幅もゲート幅と同程度となり、アスペクト比が3以上で且つ孔径40nm程度のコンタクトホールを形成することが要求されている。このようなコンタクトホールの高精度な形成は難しく、例えばコンタクトホールがソース/ドレイン領域上を外れる(位置合わせずれが生じる)ことが予想される。
【0020】
このことは、ゲート電極としてフルシリサイドゲート電極を用いる場合も同様である。つまり、フルシリサイドゲート電極を形成した後、図8(a)〜(d)により説明したのと同様に層間絶縁膜を形成し更にコンタクトホールをリソグラフィ工程により形成するためである。
【0021】
このように、コンタクトホールの位置合わせ精度の要求が厳しくなり、縮小化及び量産化に際して大きな障害となるため、このことの解決が課題となっている。
【0022】
以上に鑑みて、本発明は、加工精度の要求が緩和された半導体装置とその製造方法を提供し、これにより、半導体装置の微細化及びその製造における歩留り向上を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、基板におけるゲート電極の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域とを備えるMISトランジスタを有し、ゲート電極は金属シリサイドからなり、ソース領域及びドレイン領域上に、少なくともゲート電極と同じ高さを有し且つ金属シリサイドからなる第1のコンタクト電極を備える。
【0024】
尚、第1のコンタクト電極は、少なくともゲート電極と同じ高さを有することが好ましい。
【0025】
本発明の半導体装置によると、ソース/ドレイン領域(ソース領域及びドレイン領域を合わせてこのように呼ぶ)上に設けた第1のコンタクト電極により、ソース/ドレイン領域に対してコンタクトを取る際の加工精度の要求が緩和されている。このことを以下に説明する。
【0026】
まず、第1のコンタクト電極は、従来形成していたコンタクト電極に比べて短い(アスペクト比が小さい)ものとすることができる。このことから、従来形成していたコンタクト電極に比べて位置合わせ及び形状について正確に加工することができるため、歩留りが向上する。また、正確な加工が可能であることから、マージンを縮小することにより半導体装置の微細化を実現することもできる。
【0027】
また、従来のフルシリサイドゲート電極を用いたMISトランジスタを形成する際には、リソグラフィ技術により、ソース/ドレイン領域等を覆う層間絶縁膜の上面からソース/ドレイン領域まで達するコンタクトホールを形成していた。この際、先に説明したように、ゲート電極の側面を覆うように形成されたサイドウォールを削るようにしてコンタクトホールが形成されることは避けなければならない。
【0028】
これに対し、本発明の半導体装置の場合、ソース/ドレイン領域上に第1のコンタクト電極が形成されていることから、ソース/ドレイン領域に対する電気的接続を得るためのコンタクトホールは第1のコンタクト電極上に形成すればよい。つまり、第1のコンタクト電極上に形成されている層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際に、サイドウォールを削って基板に達する危険は回避されている。このことは、サイドウォールはゲート電極と同じ高さにまでしか形成されていないため、第1のコンタクト電極が少なくともゲート電極と同じ高さに形成されている場合に確実に実現する。言い換えると、第1のコンタクト電極に達するためのコンタクトホールがサイドウォール上に位置することになったとしても問題を生じない。
【0029】
この結果として、加工精度の要求は緩和され、ソース/ドレイン領域及びゲート電極等の寸法が同じである半導体装置を考えると、加工のためのマージンは相対的には大きくなったことになる。よって、製造歩留りが向上する。また、別の見方をすると、より小さなマージンをもって加工を行なった場合にも歩留りの低下を避けることができることになるため、半導体装置の微細化を実現することができる。
【0030】
以上のようにして、第1のコンタクト電極の存在により、本発明の半導体装置は加工精度の要求が緩和されている。
【0031】
尚、第1のコンタクト電極上に連結する第2のコンタクト電極を更に備えることが好ましい。また、該第2のコンタクト電極の下面の面積は、第1のコンタクト電極の上面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0032】
このようになっていると、第1のコンタクト電極上に必要な膜厚の層間絶縁膜等を有する場合にソース/ドレイン領域にコンタクトを取ることができる。このとき、ソース/ドレイン領域に対して直接コンタクト電極が形成されている従来の半導体装置に比べて加工精度の要求は緩和されている。これは、第2のコンタクト電極がサイドウォール上に位置することも可能になっているからである。
【0033】
特に、第2のコンタクト電極が第1のコンタクト電極よりも太い(第2のコンタクト電極下面の面積が第1のコンタクト電極上面の面積よりも大きい)ようにすることができ、半導体装置の性能に悪影響を与えることなく位置合わせ等のマージンが大きくなる。このため、このような半導体装置は歩留り良く製造することができる。
【0034】
また、第1のコンタクト電極は、ゲート電極にも接触するシェアードコンタクト電極を構成していてもよい。
【0035】
このようにすると、シェアードコンタクトを有する半導体装置において、歩留り向上及び微細化を実現することができる。
【0036】
また、ゲート電極及び第1のコンタクト電極を構成する金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることが好ましい。
【0037】
このようにな金属シリサイドを用いることにより、本発明の半導体装置を具体的に実現することができる。
【0038】
前記の目的を達成するため、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、基板上に形成され且つシリコン膜からなるゲート電極と、基板におけるゲート電極の両側に位置するソース領域及びドレイン領域とを含むMISトランジスタを形成する工程(a)と、基板上に、ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)と、層間絶縁膜に、ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方に達するコンタクトホールを形成する工程(c)と、コンタクトホールをシリコンにより充填して第1のコンタクト電極を形成する工程(d)と、ゲート電極上の前記層間絶縁膜を除去し、ゲート電極を構成するシリコン膜の上面を露出させる工程(e)と、第1のコンタクト電極及びゲート電極の上を覆う金属膜を形成した後、熱処理によって第1のコンタクト電極及びゲート電極を金属シリサイド化する工程(f)と備える。
【0039】
第1の半導体装置の製造方法によると、ソース/ドレイン領域上に金属シリサイドからなる第1のコンタクト電極が形成された半導体装置を製造することができるため、以下に説明するように、半導体装置の微細化及び歩留り向上が可能となっている。
【0040】
まず、第1のコンタクト電極は、ソース/ドレイン領域上に所定の形状のシリコン膜を形成し(工程(b)〜(d))、これをシリサイド化することによって形成する(工程(e)及び(f))。
【0041】
ここで、工程(b)〜(d)、つまり、層間絶縁膜を形成し、これにコンタクトホールを穿孔し、該コンタクトホールを所定の材料により充填するという工程は、従来の半導体装置の製造方法におけるコンタクト電極の形成と同様の工程である。しかし、本発明の半導体装置の製造方法において、第1のコンタクト電極は例えばゲート電極と同じ高さに形成されるものであるから、従来の半導体装置において形成されるコンタクト電極よりもアスペクト比の小さいものとすることができる。この結果、コンタクトホールの形成はアスペクト比がより大きい従来の場合に比べて高い加工精度をもって行なうことができ、また、該コンタクトホールをシリコン膜(第2のシリコン膜)によって充填することも、より確実に可能である。
【0042】
以上の結果、本発明の半導体装置の製造方法を用いると、加工のためのマージンの縮小による半導体装置の微細化と、製造の歩留りの向上とが可能となっている。
【0043】
これに加えて、ゲート電極のシリサイド化及び第1のコンタクト電極のシリサイド化を同じ工程で行なうことにより、第1のコンタクト電極を形成するための工程数の増加を抑制している。
【0044】
尚、工程(f)の後に、第1のコンタクト電極及びゲート電極の上を覆う他の層間絶縁膜を形成する工程(g)と、他の層間絶縁膜に、第1のコンタクト電極に達する他のコンタクトホールを形成し且つこれを充填する第2のコンタクト電極を形成する工程(h)とを更に備えることが好ましい。
【0045】
このようにすると、第1のコンタクト電極上に連結する第2のコンタクト電極を形成し、ソース/ドレイン領域に対する電気的な接続を取ることができる。他の層間絶縁膜に対して他のコンタクトホールを形成する際、第1のコンタクト電極上にまで達すれば良いのであるから、ゲート電極の側壁を覆うサイドウォールを削って基板に達するコンタクトホールとなることは回避されている。このため、他のコンタクトホールを形成する際の位置合わせ等の加工精度の要求は緩和されており、歩留りの向上が実現する。更に、第1のコンタクト電極に比べて第2のコンタクト電極を太くしすることにより、位置合わせを容易にすることができる。尚、これらのことは、半導体装置の微細化を妨げることなく実現可能である。
【0046】
また、工程(d)において形成するコンタクトホールは、ソース領域及びドレイン領域の一方とゲート電極とに亘って形成されるシェアードコンタクトホールであり、工程(d)において、シェアードコンタクトホールをシリコンにより充填してシェアードコンタクト電極を構成することが好ましい。
【0047】
このようにすると、シェアードコンタクトを用いる半導体装置を製造する際に、本発明の半導体装置の製造方法の効果を実現することができる。
【0048】
また、ゲート電極及び第1のコンタクト電極を構成する金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることが好ましい。これにより、本発明の半導体装置の製造方法を具体的に実現することができる。
【0049】
前記の目的を達成するための本発明の第2の半導体装置の製造方法は、基板上に形成され且つ第1のシリコン膜からなるゲート電極と、基板におけるゲート電極の両側に位置するソース領域及びドレイン領域とを含むMISトランジスタを形成する工程(a)と、MISトランジスタを覆う第2のシリコン膜を形成する工程(b)と、第2のシリコン膜を成形し、ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方の上に第1のコンタクト電極を構成すると共にゲート電極を構成する第1のシリコン膜の上面を露出させる工程(c)と、第1のコンタクト電極及びゲート電極を覆う金属膜を形成した後、熱処理によって、第1のコンタクト電極及びゲート電極を金属シリサイド化する工程(d)とを備える。
【0050】
第2の半導体装置の製造方法によっても、ソース/ドレイン領域上に金属シリサイドからなる第1のコンタクト電極が形成された半導体装置を製造することができるため、第1の半導体装置の製造工程と同様に、半導体装置の微細化及び製造歩留り向上が可能となっている。更に、以下に説明するように、第1のコンタクト電極を形成するための第2のシリコン膜をより低温で形成することができる。
【0051】
第2の半導体装置の製造方法によると、ゲート電極及びサイドウォールにより基板上に構成されている凸部同士の間を埋めるように第2のシリコン膜を形成する。これは、第1の半導体装置の製造方法においてコンタクトホールを充填するように第2のシリコン膜を形成する場合に比べ、低温の処理によって確実に実現可能である。ソース/ドレイン領域上にシリサイド層が形成されている場合、その上の膜は低温で形成することが望ましいため、第2の半導体装置の製造方法を用いることがより望ましい。
【0052】
尚、工程(d)の後に、第1のコンタクト電極及びゲート電極の上を覆う他の層間絶縁膜を形成する工程(e)と、他の層間絶縁膜に、第1のコンタクト電極上に達する他のコンタクトホールを形成し且つこれを充填する第2のコンタクト電極を形成する工程(f)とを更に備えることが好ましい。
【0053】
このことは、第1の半導体装置の製造方法について説明したのと同様である。
【0054】
また、ゲート電極及び第1のコンタクト電極を構成する金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることが好ましい。
【0055】
このことについても、第1の半導体装置の製造方法について説明したのと同様である。
【発明の効果】
【0056】
本発明の半導体装置及びその製造方法によると、ソース/ドレイン領域上に少なくともゲート電極の高さまで第1のコンタクト電極が形成されていため、サイドウォールを削る危険無しにソース/ドレイン領域に対するコンタクトを取ることができる。また、第1のコンタクト電極上に第2のコンタクト電極を接続する構成とすることにより、それぞれのアスペクト比が小さくなることから加工が容易になる。以上のように加工の精度に関する要求が緩和されており、半導体装置の微細化及び製造歩留りの向上が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、それぞれ図面を参照しながら、本発明の各実施形態を説明する。
【0058】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(e)及び図2(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面図である。
【0059】
まず、図1(a)には、基板101を用いてMISトランジスタが形成されている様子を示している。
【0060】
この構造を形成するためには、基板101の表面にシャロートレンチ102を形成して区画を行ない、基板101の該区画された領域上に、ゲート絶縁膜103を介してシリコンゲート電極104を形成する。その後、シリコンゲート電極104に対するセルフアラインの工程により、基板101におけるシリコンゲート電極104の両側の領域に、エクステンション領域である高濃度不純物層107aを形成する。この後、シリコンゲート電極104の側面を覆うように、シリコン窒化膜からなるサイドウォール106を形成する。
【0061】
次に、シリコンゲート電極104及びサイドウォール106に対するセルフアラインの工程により、サイドウォール106の両側の領域に、ソース/ドレイン領域である不純物層107bを形成する。その後、シリコンゲート電極104及び不純物層107bの表面を覆う金属膜の形成及びシリサイド化の処理によって、シリコンゲート電極104の上にシリサイド膜105、不純物層107bの表面にシリサイド層108をそれぞれ形成する。
【0062】
続いて、図1(b)に示すように、基板101上に、シリコンゲート電極104、不純物層107b及びサイドウォール106等を覆うように、シリコン窒化膜からなるライナー膜109を形成する。更に、ライナー膜109上に、層間絶縁膜として、例えば膜厚300nm程度のシリコン酸化膜110を形成する。このとき、シリコンゲート電極104及びサイドウォール106の上方において、通常はシリコン酸化膜110の表面が凸状膨らんだ形状となっている。
【0063】
次に、図1(c)に示すように、シリコン酸化膜110の表面から、シリコンゲート電極104の高さ付近までエッチバックを行なう。
【0064】
次に、図1(d)に示すように、リソグラフィ技術を用いてレジスト111形成し、これをマスクとするドライエッチングによって、ソース/ドレイン領域である不純物層107bに達する第1のコンタクトホール112を形成する。この際、初めに例えばCF4 等のガスを用いるドライエッチングによりシリコン酸化膜110をエッチングした後、例えばNF3 等のガスを用いるドライエッチングによりライナー膜109をエッチングする。
【0065】
次に、図1(e)に示すように、第1のコンタクトホール112の内面及びシリコン酸化膜110上面を覆うバリアメタル113を形成する。これには、TiN膜を用いることができる。この後、プラズマCVDにより、400℃以下の条件においてシリコン膜114を形成する。シリコン膜114は、ポリシリコン膜であっても良いし、アモルファスシリコン膜であっても良い。
【0066】
尚、バリアメタル113は、後に形成する第1のコンタクト電極のシリサイド化を行なう際に、シリサイド化に用いるニッケルが不純物層107bに対して拡散するのを防ぐために形成する。このような機能を果たすのであれば、TiN以外の材料を用いても良い。例えば、Ta及びTaN等を用いることもできる。
【0067】
次に、図2(a)に示すように、シリコン膜114の表面からCMP(Chemical Mechanical Polishing )により研磨を行ない、シリコンゲート電極104上のシリサイド膜105を除去してシリコンゲート電極104を露出させる。これにより、不純物層107b上にはシリコンゲート電極104と同じ高さにシリコン膜114が残される。
【0068】
次に、図2(b)に示すように、シリコンゲート電極104及びシリコン膜114の上を覆うニッケル膜115を形成する。続いてアニールを行なうと、図2(c)に示すように、シリコンゲート電極104がシリサイド化されてシリサイドゲート電極117となると共に、不純物層107b上のシリコン膜114もシリサイド化され、ニッケルシリサイドからなる第1のコンタクト電極116となる。
【0069】
尚、ニッケル膜115のうちのシリサイド化されなかった余剰の部分は、例えば混酸(硝酸及び硫酸の混合物)を用いて除去されている。
【0070】
次に、図2(d)に示すように、例えば300nm等、必要な膜厚を有する絶縁膜118を形成する。これには、シリコン酸化膜等を用いればよい。この後、ソース/ドレイン領域である不純物層107b及びシリサイドゲート電極117の上面に達する第2のコンタクト電極120(図2(e)を参照)を形成するため、絶縁膜118上にレジスト119を形成する。
【0071】
次に、図2(e)に示すように、レジスト119をマスクとするエッチングにより第2のコンタクトホールを穿孔し、そこにW等の材料を充填して第2のコンタクト電極120を形成する。
【0072】
以上に説明したように、不純物層107b上にはシリサイドゲート電極117と同じ高さの第1のコンタクト電極116が形成されている。このため、第2のコンタクト電極120を形成するために絶縁膜118に第2のコンタクトホールを形成する際、位置合わせ等の加工のずれによりシリサイドゲート電極117の側面に形成されているサイドウォール106を削る危険は回避されている。また、サイドウォール106の上に第2のコンタクト電極120が位置することには大きな問題はないため、第2のコンタクト電極120を従来のように不純物層107bにまで達するように設ける場合に比べて大きな径のものとすることができる。これにより、第1のコンタクト電極116に対する第2のコンタクト電極120の位置合わせの精度は要求が緩和されている。つまり、半導体装置の微細化を妨げる不純物層107b等の面積の拡大を回避しながら加工マージンは相対的に大きくなっているのであり、これによって製造の歩留りが向上することになる。
【0073】
尚、シリコンゲート電極104と、不純物層107b上のシリコン膜114とを同時にシリサイド化することにより、これらを個別にシリサイド化するような場合に比べて工程数が削減されている。
【0074】
また、第1のコンタクト電極116を形成するために必要となる第1のコンタクトホール112の形成(図1(d))については、従来の半導体装置において不純物層107b上に直接に達するコンタクトホールに比べ、容易に高い精度をもって形成することができる。これは、従来の装置におけるコンタクトホールのアスペクト比が例えば3以上であったのに対し、本実施形態の第1のコンタクトホール112は、アスペクト比が2程度となっているためである。
【0075】
このように、第1のコンタクト電極116を精度良く形成できることから、不純物層107bに対する位置合わせ等の加工マージンは、より小さいものとしても問題を生じない。具体的には、例えば第1のコンタクト電極116が不純物層107b上により正確に形成されるため、コンタクトが不純物層上を外れ易くなることなしに不純物層の面積を縮小することができる。これによって、MISトランジスタ及びこれを備える半導体装置の微細化が実現する。
【0076】
(第2の実施形態)
図3(a)〜(e)及び図4(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面図である。
【0077】
まず、図3(a)には、基板101を用いてMISトランジスタが形成されている様子を示している。これは、第1の実施形態において図1(a)に示したものと同じであるから、詳しい説明は省略する。
【0078】
次に、図3(b)に示すように、基板101上に、シリコンゲート電極104、不純物層107b及びサイドウォール106等を覆うバリアメタル131を堆積する。これは、第1の実施形態の場合と同様に、シリサイド化に用いるニッケルが不純物層107bに対して拡散するのを防ぐものであり、TiN膜を用いても良いし、Ta膜及びTaN膜等を用いることもできる。
【0079】
更に、バリアメタル131上に、例えばプラズマCVD法を用い、400℃以下の条件により膜厚200nm程度のシリコン膜132を形成する。シリコン膜132としては、ポリシリコン膜であっても良いし、アモルファスシリコンであっても良い。
【0080】
次に、図3(c)に示すように、シリコン膜132に対してエッチバックを行ない、表面を平らにする。
【0081】
次に、図3(d)に示すように、レジスト133をマスクとしてエッチングを行ない、シリコン膜132に対してトレンチ134を形成する。トレンチ134は、個々のMISトランジスタを囲ってシリコン膜132を区分するように設けられる。図3(d)の断面においては、隣接する2つのMISトランジスタの間、より詳しくはソース/ドレイン領域である不純物層107b同士の間に位置するシャロートレンチ102の上に形成されている。
【0082】
次に、図3(e)に示すように、トレンチ134を充填し且つシリコン膜132上を覆うように、絶縁膜としてシリコン酸化膜135を膜厚500nm程度に形成する。
【0083】
次に、図4(a)に示すように、シリコン酸化膜135の表面からCMPにより研磨を行ない、シリコンゲート電極104上のシリサイド膜105を除去してシリコンゲート電極104を露出させる。これにより、不純物層107b上には、トレンチ134を充填するシリコン酸化膜135及びサイドウォール106によって平面的に囲われたシリコン膜132がシリコンゲート電極104と同じ高さに残される。
【0084】
次に、図4(b)に示すように、露出したシリコンゲート電極104及びシリコン膜132の上を覆うニッケル膜136を形成する。続いてアニールを行なうと、図4(c)に示すように、シリコンゲート電極104がニッケルシリサイド化されてシリサイドゲート電極138となると共に、不純物層107b上のシリコン膜132もシリサイド化され、ニッケルシリサイドからなる第1のコンタクト電極137となる。
【0085】
尚、ニッケル膜136のうちのシリサイド化されなかった余剰の部分は、例えば混酸を用いて除去されている。
【0086】
次に、図4(d)に示すように、例えば300nm等の必要な膜厚を有するの絶縁膜139を形成する。これには、シリコン酸化膜等を用いればよい。この後、ソース/ドレイン領域である不純物層107b及びシリサイドゲート電極138の上面に達する第2のコンタクト電極141(図4(e)を参照)を形成するため、エッチングの際のマスクとして絶縁膜39上にレジスト140を形成する。
【0087】
次に、図4(e)に示すように、レジスト140をマスクとするエッチングにより第2のコンタクトホールを絶縁膜139に形成し、そこにW等の材料を充填して第2のコンタクト電極141を形成する。
【0088】
以上に説明したように、第1の実施形態の半導体装置と同様に、本実施形態の半導体装置においても不純物層107b上にニッケルシリサイドからなる第1のコンタクト電極137が形成されている。これにより、第1の実施形態において説明したのと同様の理由により、半導体装置の微細化及び製造歩留りの向上が実現する。
【0089】
尚、本実施形態の半導体装置の場合には、サイドウォール106の上方にも第1のコンタクト電極137の一部が位置している。このため、シリコンゲート電極104の高さにおいて、第1の実施形態の半導体装置の場合に比べて第1のコンタクト電極137上面の面積を大きくすることができる。この結果、第1のコンタクト電極137上に連結して形成する第2のコンタクト電極141について、位置合わせのマージンをより大きくとることができ、第2のコンタクト電極141の位置合わせが更に容易になる。
【0090】
また、第1の実施形態において、第1のコンタクト電極116を形成するためのシリコン膜114は、図1(d)及び(e)に示すように、シリコン酸化膜110に形成されたコンタクトホール112を充填するように形成される。これに対し、本実施形態の場合には、図3(b)に示すように、シリコンゲート電極104及びサイドウォール106等によって基板101上に形成された凸部の間を埋めるように形成される。このような違いから、空隙の発生を避けて緻密にシリコン膜を形成することは本実施形態の場合がより容易である。
【0091】
尚、本実施形態においても第1のコンタクト電極137とシリサイドゲート電極138とは同じ高さに形成されており、図4(d)以降の製造工程のためには望ましい構成であるが、必須の事項ではない。
【0092】
(第3の実施形態)
図5(a)〜(e)及び図6(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面図である。
【0093】
図5(a)〜(c)については、第1の実施形態の図1(a)〜(c)と同様の工程である。このため詳しい説明は省略するが、図5(c)には、基板101上にMISトランジスタが形成され、その上をシリコン酸化膜110が覆っているようすを示している。シリコン酸化膜110は、シリコンゲート電極104の高さ付近までエッチバックされている。
【0094】
次に、図5(d)に示すように、レジスト151をマスクとしてシリコン酸化膜110にコンタクトホールを形成する。このとき、ソース/ドレイン領域である不純物層107bの1つに達する第1のコンタクトホール152aを形成すると共に、不純物層107bの1つ及びシリコンゲート電極104の両方に亘るシェアードコンタクトホール152bを形成する。この際、シェアードコンタクトホール152b中に位置するようになるサイドウォール106は、上面から一部取り除かれるが、完全に除去されて無くなることはない。この結果、シェアードコンタクトホール152b中において、シリコンゲート電極104の側面が一部露出する。
【0095】
次に、図5(e)に示すように、第1のコンタクトホール152a及びシェアードコンタクトホール152bの内面及びシリコン酸化膜110の上面を覆うバリアメタル153を形成する。これには、例えばTiN膜を用いることができ、第1の実施形態の場合と同様に、Ta及びTaN等の他の材料を用いてもよい。尚、シェアードコンタクトホール152bにおいては、サイドウォール106が一部除去されているため、シリコンゲート電極104の側面についても上方の一部がバリアメタル153に接する。
【0096】
この後、プラズマCVD法により、400℃以下の温度においてシリコン膜154を形成し、第1のコンタクトホール152a及びシェアードコンタクトホール152bを充填する。
【0097】
この後の図6(a)〜(e)に示す工程は、第1の実施形態において図2(a)〜(e)に示した工程と類似の工程である。このため、主に第1の半導体装置の場合との違いを説明する。
【0098】
図6(a)において、CMPにより平坦化を行ないシリコンゲート電極104の上面を露出させた様子を示している。これにより、不純物層107b上のシリコン膜154は、シリコンゲート電極104と同じ高さになる。また、シリコンゲート電極104と、その両側に形成されている不純物層107bのうちの一方(図5(e)の工程においてシェアードコンタクトホール152bの下に位置していたもの)の上に残されているシリコン膜154とは、バリアメタル153を介して電気的に接続されている。
【0099】
次に、図6(b)のようにニッケル膜155を形成した後アニールを行なって不純物層107b上のシリコン膜154をシリサイド化し、ニッケル膜155の未反応部分を除去する。これにより、図6(c)のように、シリコンゲート電極104がシリサイドゲート電極117に変換されると共に、不純物層107b上のシリコン膜154がシリサイド化されて第1のコンタクト電極116a及び116bとなる。但し、シリコンゲート電極104と電気的に接続されていたシリコン膜154(図6(a)を参照)がシリサイド化されたものを第1のコンタクト電極116b、他方を第1のコンタクト電極116aとする。第1のコンタクト電極116bは、シリサイドゲート電極117と電気的に接続されており、これらによってシェアードコンタクト構造が構成される。
【0100】
次に、図6(d)のように絶縁膜118及びレジスト119を形成し、レジスト119をマスクとして第2のコンタクトホールを形成した後これを充填するように第2のコンタクト電極を形成すると、図6(e)に示す構造が形成される。
【0101】
ここで、第1の実施形態の半導体装置の場合には、第1のコンタクト電極116及びシリサイドゲート電極117の上に個々に第2のコンタクト電極120が形成されていた(図2(e)を参照)。
【0102】
これに対し、本実施形態の場合、シリサイドゲート電極117及びこれと電気的に接続された第1のコンタクト電極116bの上には、共通のコンタクト電極としてシェアードコンタクト電極120bが形成される。シリサイドゲート電極117と電気的な接続を有しない第1のコンタクト電極116aの上には、第2のコンタクト電極120aが形成される。尚、レジスト119及び第2のコンタクトホールは、これらに対応するように形成される。
【0103】
以上のように製造される本実施形態の半導体装置によると、不純物層107b上に第1のコンタクト電極が形成されていることにより、第1の実施形態の半導体装置と同様に、微細化及び製造歩留りの向上を実現することができる。
【0104】
更に、本実施形態の場合、シェアードコンタクト構造を用いることができる。つまり、ソース/ドレイン領域の上に独立して形成された第1のコンタクト電極116aに接続する第2のコンタクト電極120aは、第1の実施形態の半導体装置における第2のコンタクト電極120と同様である。しかし、これに加えて、本実施形態においてはシリサイドゲート電極117と、その両側に位置する不純物層107bの一方とに共通して一緒にコンタクトを取るシェアードコンタクトが形成され、その上にはシェアードコンタクト電極120bが形成されている。
【0105】
このようなシェアードコンタクト電極120bについても、位置合わせのマージンは大きくなっており、その結果として製造の歩留りが向上する。これは、歩留りの低下を抑制しながら半導体装置の微細化を実現することができることも意味している。
【0106】
尚、本実施形態においても、第1のコンタクト電極116a及び116bと、シリサイドゲート電極117とは同じ高さに形成されており、望ましい構成であるが、必須ではない。
【0107】
また、第1、第2及び第3の実施形態において、種々の膜の膜厚、使用する材料及び加工の条件等は、いずれも例示するものであり、各実施形態の記載に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の半導体装置及びその製造方法によると、ソース/ドレイン領域上に第1のコンタクト電極を形成することにより加工精度の要求を緩和しているため、微細化された半導体装置として有用であり、特に、ゲート幅40nm程度以下のMISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図2】図2(a)〜(e)は、図1(a)〜(e)から続く第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図3】図3(a)〜(e)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図4】図4(a)〜(e)は、図3(a)〜(e)から続く第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図5】図5(a)〜(e)は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図6】図6(a)〜(e)は、図5(a)〜(e)から続く第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図7】図7(a)〜(e)は、フルシリサイドゲートを用いる従来の半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図8】図8(a)〜(d)は、従来の半導体装置においてコンタクト電極を形成する工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0110】
101 半導体基板
102 シャロートレンチ
103 ゲート絶縁膜
104 シリコンゲート電極
105 シリサイド層
106 サイドウォール
107a 高濃度不純物層
107b 不純物層
108 シリサイド層
109 ライナー膜
110 シリコン酸化膜
111 レジスト
112 コンタクトホール
113 バリアメタル
114 シリコン膜
115 ニッケル膜
116 第1のコンタクト電極
117 シリサイドゲート電極
118 絶縁膜
119 レジスト
120 第2のコンタクト電極
120b シェアードコンタクト電極
131 バリアメタル
132 シリコン膜
133 レジスト
134 トレンチ
135 シリコン酸化膜
136 ニッケル膜
137 第1のコンタクト電極
138 シリサイドゲート電極
139 絶縁膜
140 レジスト
141 第2のコンタクト電極
151 レジスト
152a コンタクトホール
152b シェアードコンタクトホール
153 バリアメタル
154 ライナー膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記基板における前記ゲート電極の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域とを有するMISトランジスタを備え、
前記ゲート電極は金属シリサイドからなり、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域の少なくとも一方の上に、金属シリサイドからなる第1のコンタクト電極を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項2において、
前記第1のコンタクト電極は、少なくとも前記ゲート電極と同じ高さを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第1のコンタクト電極上に連結する第2のコンタクト電極を更に備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第2のコンタクト電極の下面の面積は、前記第1のコンタクト電極の上面の面積よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
前記第1のコンタクト電極は、前記ゲート電極にも接触するシェアードコンタクト電極を構成することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
前記ゲート電極及び前記第1のコンタクト電極を構成する金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
基板上に形成され且つシリコン膜からなるゲート電極と、前記基板における前記ゲート電極の両側に位置するソース領域及びドレイン領域とを含むMISトランジスタを形成する工程(a)と、
前記基板上に、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記層間絶縁膜に、前記ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方に達するコンタクトホールを形成する工程(c)と、
前記コンタクトホールをシリコンにより充填して第1のコンタクト電極を形成する工程(d)と、
前記ゲート電極上の前記層間絶縁膜を除去し、前記ゲート電極を構成する前記シリコン膜の上面を露出させる工程(e)と、
前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極の上を覆う金属膜を形成した後、熱処理によって前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極を金属シリサイド化する工程(f)と備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7において、
工程(f)の後に、前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極の上を覆う他の層間絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記他の層間絶縁膜に、前記第1のコンタクト電極上に達する他のコンタクトホールを形成し且つこれを充填する第2のコンタクト電極を形成する工程(h)とを更に備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、
工程(c)において形成する前記コンタクトホールは、前記ソース領域及びドレイン領域の一方と前記ゲート電極とに亘って形成されるシェアードコンタクトホールであり、
工程(d)において、前記シェアードコンタクトホールをシリコンにより充填することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1つにおいて、
前記ゲート電極及び前記第1のコンタクト電極を構成する前記金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
基板上に形成され且つ第1のシリコン膜からなるゲート電極と、前記基板における前記ゲート電極の両側に位置するソース領域及びドレイン領域とを含むMISトランジスタを形成する工程(a)と、
前記MISトランジスタを覆う第2のシリコン膜を形成する工程(b)と、
前記第2のシリコン膜を成形し、前記ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方の上に第1のコンタクト電極を構成すると共に前記ゲート電極を構成する前記第1のシリコン膜の上面を露出させる工程(c)と、
前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極を覆う金属膜を形成した後、熱処理によって、前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極を金属シリサイド化する工程(d)とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11において、
工程(d)の後に、前記第1のコンタクト電極及び前記ゲート電極の上を覆う他の層間絶縁膜を形成する工程(e)と、
前記他の層間絶縁膜に、前記第1のコンタクト電極上に達する他のコンタクトホールを形成し且つこれを充填する第2のコンタクト電極を形成する工程(f)とを更に備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記ゲート電極及び前記第1のコンタクト電極を構成する前記金属シリサイドは、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド又は白金シリサイドであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−141934(P2007−141934A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330065(P2005−330065)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】