説明

半導体装置及びその作製方法

【課題】マスク枚数を増加させることなく、積層構造の導電層の下層が露出した構造を有する半導体装置の作製方法を提供する。
【解決手段】ソース電極及びドレイン電極層を形成する導電膜を2層の積層構造で形成し、該導電膜上にエッチングマスクを形成し、該エッチングマスクを用いて該導電膜をエッチングし、該エッチングマスクを残した状態で該導電膜の上層をサイドエッチングして該導電膜の下層の一部を露出させてソース電極及びドレイン電極層とする。このように形成したソース電極及びドレイン電極層と画素電極層は、露出された下層の部分において接続される。ソース電極及びドレイン電極層を形成する導電膜は、例えば、下層をTi層とし、上層をAl層とすればよい。エッチングマスクに開口部が複数設けられていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその作製方法に関する。なお、本明細書において、半導体装置とは、半導体素子自体または半導体素子を含むものをいい、このような半導体素子として、例えば薄膜トランジスタが挙げられる。また、液晶表示装置なども半導体装置に含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置は人間の生活に欠かせないものとなっている。このような半導体装置に含まれる薄膜トランジスタなどの半導体素子は、基板上に薄膜を形成し、該薄膜をフォトリソグラフィ法などにより所望の形状に加工することで作製される。このような作製方法は、例えば、液晶表示装置(例えば、液晶テレビ)にも適用されている。フォトリソグラフィ法においてマスクの枚数を削減することは、工程の簡略化のために重要である。そのため、作製工程におけるマスクの枚数を削減するために、数多くの技術開発がなされている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−158941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図21(A)乃至(C)には、液晶表示装置に設けられる従来の逆スタガ型薄膜トランジスタの一例を示す。図21(A)に示す薄膜トランジスタでは、基板500上にゲート電極層502が設けられ、ゲート電極層502を覆ってゲート絶縁層504が設けられ、ゲート絶縁層504上に凹部を有する半導体層506が設けられ、半導体層506上に凹部と重畳しない不純物半導体層508が設けられ、少なくとも不純物半導体層508上の一部に接して、導電層510と導電層512と導電層514が積層されたソース電極及びドレイン電極層516が設けられ、ゲート絶縁層504、半導体層506、不純物半導体層508、ソース電極及びドレイン電極層516を覆ってパッシベーション層518が設けられ、パッシベーション層518上に画素電極層522が設けられ、導電層514と画素電極層522は開口部520を介して接続されている。
【0005】
しかしながら、図21(A)に示す構造では、導電層514がTi層である場合、半導体層506に凹部を形成する工程に、例えば、広く用いられているCFガスを用いたエッチング工程を採用すると、Ti層から副生成物が生じ、開口部520においてソース電極及びドレイン電極層516と画素電極層522の間のコンタクト抵抗が非常に高くなるという問題がある。
【0006】
そこで、ソース電極及びドレイン電極層をTi層上にAl層が設けられた2層の積層構造とすることも考えられる。
【0007】
図21(B)に示す薄膜トランジスタでは、基板600上にゲート電極層602が設けられ、ゲート電極層602を覆ってゲート絶縁層604が設けられ、ゲート絶縁層604上に凹部を有する半導体層606が設けられ、半導体層606上に凹部と重畳しない不純物半導体層608が設けられ、少なくとも不純物半導体層608上の一部に接して、導電層610と導電層612が積層されたソース電極及びドレイン電極層616が設けられ、ゲート絶縁層604、半導体層606、不純物半導体層608、ソース電極及びドレイン電極層616を覆ってパッシベーション層618が設けられ、パッシベーション層618上に画素電極層622が設けられ、導電層612と画素電極層622は開口部620を介して接続されている。
【0008】
しかしながら、図21(B)に示す構造では、開口部620において露出される層がAl層であると、例えば画素電極層622をITO(インジウム錫酸化物)により形成した場合には、Al層とITO層が接触し、一般に知られているように、電蝕が生じてしまう。従って、この場合にも該開口部におけるコンタクト抵抗が非常に高くなる。
【0009】
従って、半導体層に凹部を形成する際にはTi層が露出されておらず、半導体層に凹部を形成した後にTi層を露出し、該Ti層をITO層と接続させればよい。
【0010】
図21(C)に示す薄膜トランジスタでは、基板700上にゲート電極層702が設けられ、ゲート電極層702を覆ってゲート絶縁層704が設けられ、ゲート絶縁層704上に凹部を有する半導体層706が設けられ、半導体層706上に凹部と重畳しない不純物半導体層708が設けられ、少なくとも不純物半導体層708上の一部に接して、導電層710と導電層712が積層されたソース電極及びドレイン電極層716が設けられ、ゲート絶縁層704、半導体層706、不純物半導体層708、ソース電極及びドレイン電極層716を覆ってパッシベーション層718が設けられ、パッシベーション層718上に画素電極層722が設けられ、導電層710上には導電層712が設けられていない領域を有し、導電層710と画素電極層722は開口部720を介して接続されている。
【0011】
しかしながら、図21(C)に示す薄膜トランジスタを作製するに際しては、導電層710上に導電層712が設けられていない領域を形成するために使用するマスクの枚数が一枚増加する。
【0012】
そこで、本発明の一態様は、マスク枚数を増加させることなく、積層構造の導電層の下層が露出した構造を有する半導体装置の作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層上に、第1の半導体層、第2の半導体層及び不純物半導体層がこの順に積層された薄膜積層体を形成し、前記薄膜積層体を覆って、第2の導電層及び第3の導電層となる積層導電膜を形成し、前記積層導電膜上にエッチングマスクを形成し、前記エッチングマスクを用いて、前記第2の導電層及び前記第3の導電層となる前記積層導電膜をエッチングして前記第2の導電層を形成し、前記エッチングされた前記積層導電膜の前記第3の導電層となる部分をサイドエッチングすることで前記第2の導電層の一部を露出させつつ前記第3の導電層を形成し、前記エッチングマスクと重畳しない部分において少なくとも前記第1の半導体層が残存し、且つ露出するように前記薄膜積層体をエッチングし、前記エッチングマスクを除去し、前記第1の絶縁層、前記エッチングされた薄膜積層体、前記第2の導電層、前記第3の導電層上に第2の絶縁層を形成し、前記第2の導電層の露出された部分と重畳して前記第2の絶縁層にコンタクト開口部を形成し、前記第2の絶縁層上に前記コンタクト開口部を介して前記第2の導電層の露出された前記部分に接続されるように第4の導電層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0014】
前記構成において、前記第1の半導体層は結晶性半導体層であり、前記第2の半導体層は非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有する半導体層とすることが好ましい。
【0015】
なお、前記構成において、第1の半導体層は必ずしも必要ではない。従って、本発明の一態様は、第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層上に、半導体層及び不純物半導体層がこの順に積層された薄膜積層体を形成し、前記薄膜積層体を覆って、第2の導電層及び第3の導電層となる積層導電膜を形成し、前記積層導電膜上にエッチングマスクを形成し、前記エッチングマスクを用いて、前記第2の導電層及び前記第3の導電層となる前記積層導電膜をエッチングして前記第2の導電層を形成し、前記エッチングされた前記積層導電膜の前記第3の導電層となる部分をサイドエッチングすることで前記第2の導電層の一部を露出させつつ前記第3の導電層を形成し、前記エッチングマスクと重畳しない部分において前記半導体層が残存し、且つ露出するように前記薄膜積層体をエッチングし、前記エッチングマスクを除去し、前記第1の絶縁層、前記エッチングされた前記薄膜積層体、前記第2の導電層、前記第3の導電層上に第2の絶縁層を形成し、前記第2の導電層の露出された部分と重畳して前記第2の絶縁層にコンタクト開口部を形成し、前記第2の絶縁層上に前記コンタクト開口部を介して前記第2の導電層の露出された前記部分に接続されるように第4の導電層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0016】
なお、前記エッチングマスクは開口部を有しており、開口部の数は1つに限られない。エッチングマスクには格子形を形成する複数の開口部が設けられていてもよい。本発明の他の一態様は、第1の導電層と、前記第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた半導体層及び不純物半導体層により形成された薄膜積層体と、少なくとも前記薄膜積層体の不純物半導体層に接して設けられ、一部が格子形電極を形成する第2の導電層と、前記第2の導電層上の一部に設けられた第3の導電層と、前記第2の導電層上に設けられたコンタクト開口部を有する第2の絶縁層と、前記コンタクト開口部において前記第2の導電層と接続される第4の導電層と、を有し、前記第3の導電層の側面から前記第2の導電層の側面までの距離は概略一定であり、前記コンタクト開口部は、前記第2の導電層により設けられた前記格子形電極の交差部に設けられていることを特徴とする半導体装置である。
【0017】
前記構成において、前記開口部の周囲の前記エッチングマスクの最大幅は、前記第3の導電層が形成される際のサイドエッチング幅の2倍より小さいことが好ましい。前記コンタクト開口部が形成される部分に前記第3の導電層が残らないようにすることで、前記第3の導電層と前記第4の導電層が接触しない構造とすることができるためである。例えば、前記第3の導電層がアルミニウム層であり、前記第4の導電層がITO層である場合に、このような構成とすることで、これらの導電層が接触することにより生じる電触を防止することができる。なお、サイドエッチング幅とは、被エッチング層が残存する領域において、被エッチング層上層の端面から垂直な方向にエッチングにより除去される幅のことをいう。
【0018】
前記構成において、前記エッチングマスクに設けられた前記複数の開口部のそれぞれの幅は、チャネル長と同じ大きさであることが好ましい。前記複数の開口部のそれぞれの幅は小さくすることが好ましく、薄膜トランジスタのチャネル長は形成可能な最小の幅とすることが一般的であるためである。更には、これらを露光機の最小露光サイズとするとよい。
【0019】
前記構成において、前記第2の導電層はチタンにより形成され、前記第3の導電層はアルミニウムにより形成されており、前記第4の導電層はインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物により形成されていることが好ましい。インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物により形成することで、前記第4の導電層を画素電極として機能させることができ、前記第2の導電層をチタンにより形成することで、前記第2の導電層と前記第4の導電層の間に電蝕などを起こさせることなく、低いコンタクト抵抗で接続させることができ、前記第3の導電層をアルミニウムにより形成することで、前記第2の導電層と前記第3の導電層によって構成されるソース配線の抵抗も低いものとすることができるためである。
【0020】
なお、本明細書中において、半導体装置を説明する際にはトランジスタとして画素トランジスタを例示しているが、これに限定されず、本発明の一態様である半導体装置は、画素トランジスタ以外のトランジスタであってもよい。
【0021】
なお、本明細書中において、膜とは、後に加工されることが前提のものであって、被形成面上に概略一様に形成されたものをいう。層とは、膜を加工したもの、または、被形成面上に概略一様に形成されて後に加工しなくてもよいものをいう。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、マスク枚数を増加させることなく、積層構造の導電層の下層が露出した構造を有する半導体装置を作製することができる。
【0023】
更には、本発明の一態様により、エッチングマスクに一画素につき複数の開口部を工夫して配することで、コンタクト開口部におけるコンタクト面積を十分に広いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図2】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図3】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図4】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図5】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図6】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図7】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図8】図7の変形例を説明する断面図及び上面図。
【図9】図7の変形例を説明する断面図及び上面図。
【図10】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図11】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図12】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図13】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図14】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図15】本発明の一態様である半導体装置の作製方法を説明する断面図及び上面図。
【図16】図15の変形例を説明する断面図及び上面図。
【図17】図15の変形例を説明する断面図及び上面図。
【図18】本発明の一態様である半導体装置を説明する図。
【図19】本発明の一態様である半導体装置を説明する図。
【図20】本発明の一態様である半導体装置を説明する図。
【図21】従来の半導体装置の作製方法を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下の説明において、寸法を論じる際には、下層と接している部分について考えるものとする。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置とその作製方法について説明する。なお、以下の説明において、図1(A)乃至図7(A)のそれぞれには、図1(B)乃至図7(B)のX−Yのそれぞれにおける断面図を示す。
【0027】
まず、基板100上に第1の導電層102を形成し、第1の導電層102を覆って第1の絶縁層104を形成する。次に、第1の絶縁層104上に第1の半導体膜106、第2の半導体膜108及び不純物半導体膜110をこの順に積層して形成し、不純物半導体膜110上にエッチングマスク111を形成する(図1(A)及び(B))。
【0028】
基板100は、絶縁性基板である。基板100として、例えば、ガラス基板、石英基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板などを用いることができる。基板100がガラス基板である場合には、第1世代(例えば、320mm×400mm)〜第10世代(例えば、2950mm×3400mm)のものを用いればよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
第1の導電層102は、例えば、スパッタリング法を用いて第1の導電膜(例えば金属膜、または一導電型の不純物元素が添加された半導体膜などであるが、図示しない。)を形成し、第1の導電膜上にエッチングマスクを形成してエッチングを行うことで選択的に形成すればよい。または、インクジェット法などを用いてもよい。なお、第1の導電膜は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造とすればよい。なお、第1の導電層102は、少なくとも走査線とゲート電極を構成する。
【0030】
第1の絶縁層104は、例えば、プラズマCVD法を用いて絶縁性材料(例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは酸化シリコンなど)膜を形成すればよい。なお、第1の絶縁層104は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が積層された2層の積層構造とする。なお、第1の絶縁層104は、少なくともゲート絶縁層を構成する。
【0031】
なお、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0032】
なお、「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0033】
ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0034】
なお、ここで、第1の絶縁層104の表面をNOガスにより発生させたプラズマに曝すことが好ましい。第1の絶縁層104の表面をNOガスにより発生させたプラズマに曝すことで、第1の絶縁層104の表面を酸化し、この上に形成される第1の半導体膜106の結晶性を向上させることができるからである。ここで、プラズマを発生させるガスはNOガスに限定されず、第1の絶縁層104の表面を酸化することができるガス(酸化性ガスまたは酸素を含むガス)であればよい。
【0035】
第1の半導体膜106は、キャリア移動度が高い半導体材料により設ければよく、好ましくは結晶性半導体により形成する。結晶性半導体としては、例えば、微結晶半導体が挙げられる。ここで、微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む。)の中間的な構造の半導体をいう。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは20nm以上50nm以下の柱状または針状の結晶粒が基板表面に対して法線方向に成長している半導体である。このため、柱状または針状の結晶粒の界面には、粒界が形成されることもある。なお、ここでの結晶粒径は、基板表面に対して平行な面における結晶粒の最大直径である。また、結晶粒は、非晶質半導体領域と、単結晶とみなせる微小結晶である結晶子を有する。なお、結晶粒は双晶を有する場合もある。
【0036】
微結晶半導体としては、微結晶シリコンを用いればよい。微結晶半導体の一である微結晶シリコンでは、そのラマンスペクトルのピークが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側にシフトしている。すなわち、単結晶シリコンを示す520cm−1と非晶質シリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%含ませている。さらに、He、Ar、Kr、またはNeなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。
【0037】
なお、結晶性半導体膜に含まれる酸素及び窒素の濃度(二次イオン質量分析法による測定値)を低くし、好ましくは1×1018cm−3未満とすると、結晶性を高めることができる。
【0038】
なお、結晶性半導体膜は、2段階の成膜処理により形成することが好ましく、2段階の成膜処理において、例えば、第1段階では低圧(500Pa)低希釈な条件で成膜処理を行い、第2段階では高圧(5000Pa)高希釈な条件で成膜処理を行えばよい。
【0039】
第2の半導体膜108は、バッファ層として機能し、第1の半導体膜106よりもキャリア移動度の低い半導体材料により形成すればよい。好ましくは、非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有し、従来の非晶質半導体と比較して、一定光電流法(CPM:Constant Photocurrent Method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体膜である。このような半導体膜は、従来の非晶質半導体膜と比較して欠陥が少なく、価電子帯のバンド端(移動度端)における準位のテイル(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体膜である。
【0040】
第2の半導体膜108には、ハロゲンまたは窒素を含んでいてもよい。窒素が含まれる場合には、NH基またはNH基として含んでいてもよい。
【0041】
なお、ここで、第1の半導体膜106と第2の半導体膜108の界面領域は、微結晶半導体領域、及び当該微結晶半導体領域の間に充填される非晶質半導体領域を有する。具体的には、第1の半導体膜106から錐形状に伸びた微結晶半導体領域と、第2の半導体膜108と同様の「非晶質半導体を含む膜」の領域と、で構成される。
【0042】
第2の半導体膜108によりバッファ層が設けられるため、トランジスタのオフ電流を小さくすることができる。また、上記の界面領域において、錐形状に伸びた微結晶半導体領域を有するため、縦方向(厚さ方向)の抵抗、すなわち、第2の半導体膜108と、不純物半導体膜110により構成されるソース領域またはドレイン領域と、の間の抵抗を低くすることができ、トランジスタのオン電流を高めることができる。すなわち、従来の非晶質半導体を適用した場合と比較すると、オフ電流を十分に低減させつつ、オン電流の低下を抑制することもでき、トランジスタのスイッチング特性を高くすることができる。
【0043】
なお、完成したトランジスタにおいて、第1の半導体膜106により形成される第1の半導体層が薄くなるとオン電流が低下する。従って、オンオフ比を高くするためには、第1の半導体膜106を厚くするとよい。
【0044】
上記の微結晶半導体領域は、第1の半導体膜106から第2の半導体膜108に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒により大部分が構成されているとよい。または、第1の半導体膜106から第2の半導体膜108に向かって幅が広がる結晶粒により大部分が構成されていてもよい。
【0045】
上記の界面領域において、微結晶半導体領域が第1の半導体膜106から第2の半導体膜108に向かって先端が細くなる錐形状に伸びた結晶粒である場合には、第1の半導体膜106側のほうが、第2の半導体膜108側と比較して、微結晶半導体領域の占める割合が高い。微結晶半導体領域は、第1の半導体膜106の表面から厚さ方向に成長するが、原料ガスにおいて堆積性ガス(例えば、シラン)に対する水素の流量が小さい場合(すなわち、希釈率が低い場合)、または窒素を含む原料ガスの濃度が高い場合には、微結晶半導体領域における結晶成長が抑制され、結晶粒が錐形状になり、堆積されて形成される半導体は、大部分が非晶質半導体となる。
【0046】
なお、上記の界面領域は、窒素、特にNH基若しくはNH基を含有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域に含まれる結晶粒間の界面、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面において、窒素、特にNH基若しくはNH基がシリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥を低減させ、キャリアが流れやすくなるためである。このため、窒素、好ましくはNH基若しくはNH基を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3含有すると、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基若しくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアがより流れやすくなる。この結果、結晶粒界や欠陥におけるキャリアの移動を促進する結合ができ、上記の界面領域のキャリア移動度が向上する。そのため、トランジスタの電界効果移動度が向上する。
【0047】
なお、上記の界面領域の酸素濃度を低減させることにより、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面または結晶粒間の界面における欠陥密度を低減させ、キャリアの移動を阻害する結合を低減させることができる。
【0048】
不純物半導体膜110は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。トランジスタがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体として、例えば、PまたはAsを添加したシリコンが挙げられる。または、トランジスタがp型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えば、Bを添加することも可能であるが、トランジスタはn型とすることが好ましい。そのため、ここでは、一例として、Pを添加したシリコンを用いる。なお、不純物半導体膜110は、非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
【0049】
なお、第1の絶縁層104、第1の半導体膜106、第2の半導体膜108、不純物半導体膜110は同一チャンバー内で連続して形成することが好ましい。第1の絶縁層104から不純物半導体膜110までの各々の層間の界面に不純物が含まれてしまうことを防止するためである。
【0050】
エッチングマスク111は、レジスト材料により形成すればよい。
【0051】
次に、エッチングマスク111を用いて、第1の半導体膜106、第2の半導体膜108及び不純物半導体膜110をエッチングし、薄膜積層体112を形成する。そして、第1の絶縁層104及び薄膜積層体112上に、第2の導電膜114及び第3の導電膜116を形成し、第3の導電膜116上にはエッチングマスク117を形成する(図2(A)及び(B))。
【0052】
なお、ここで、薄膜積層体112に、第1の半導体膜106が加工された第1の半導体層が設けられている場合には、薄膜積層体112の側壁に対して絶縁化処理を行うことが好ましい。なぜなら、完成したトランジスタの第1の半導体層とソース及びドレインとなる導電層が接するとオフ電流が増大してしまうことが多いからである。ここで絶縁化処理としては、薄膜積層体112の側壁を酸素プラズマ若しくは窒素プラズマに曝す処理、または薄膜積層体112の側壁が露出された状態で絶縁膜を形成し、該絶縁膜を異方性の高いエッチング方法により基板100の表面に垂直な方向のエッチングを行うことで、薄膜積層体112の側壁に接してサイドウォール絶縁層を形成する処理が挙げられる。
【0053】
第2の導電膜114は、チタンにより形成すればよく、第3の導電膜116は、アルミニウムにより形成すればよい。ただし、これに限定されず、第2の導電膜114は、後に形成される第4の導電層と良好に接続できるものであればよく、第3の導電膜116は、配線抵抗を低減できる低抵抗な材料により形成すればよい。
【0054】
エッチングマスク117は、レジスト材料により形成すればよい。
【0055】
なお、ここで、エッチングマスク117は、図2における開口部の幅が最小となるように形成することが好ましい。L11及びW11が大きくなると透光性の領域が狭くなり、透過型の表示装置に適用する場合に開口率を低下させる原因の一つとなるためである。なお、図2では、L11=W11であるが、これに限定されない。ただし、図2におけるL11及びW11の双方が最小となるようにエッチングマスクを形成することが好ましいため、L11=W11であることが好ましい。
【0056】
なお、薄膜トランジスタのレイアウトを決定する際には、チャネル長であるL10を小さくすることが好ましい。チャネル長L10は、エッチングマスク117により形成可能な最小のサイズとすることが一般的である。従って、L10は、用いる露光機の最小露光サイズとするとよい。
【0057】
ここで、L11とW11は小さいことが好ましいため、L10=L11=W11とし、これらの大きさは、用いる露光機の最小露光サイズとするとよい。
【0058】
次に、エッチングマスク117を用いて第2の導電膜114及び第3の導電膜116をエッチングして、第2の導電層118及びエッチングされた第3の導電膜120を形成する(図3(A)及び(B))。
【0059】
なお、第3の導電膜116をエッチングする工程と第2の導電膜114をエッチングする工程は、一のエッチング工程により一括して行ってもよいし、複数回のエッチング工程により行ってもよいが、一のエッチング工程により一括して行うことが好ましい。作製工程が簡略化するためである。一のエッチング工程により一括して行う場合には、例えば塩素を含むガスを用いればよい。
【0060】
なお、第2の導電膜114及び第3の導電膜116をエッチングして第2の導電層118及びエッチングされた第3の導電膜120を形成する際には、薄膜積層体112の上部もエッチングされる場合が多い。
【0061】
次に、エッチングされた第3の導電膜120をエッチングして第3の導電層121を形成する(図4(A)及び(B))。ここで、エッチングされた第3の導電膜120をサイドエッチングさせればよい。エッチングされた第3の導電膜120をサイドエッチングさせるには、エッチャントとして、リン酸、酢酸、硝酸、純水を85:5:5:5の体積比で混合させた薬液を用いることが好ましい。ただし、これに限定されず、エッチャントとして、王水、または高温(50℃〜100℃、好ましくは60〜75℃)の硝酸、高温(50℃〜100℃、好ましくは60〜75℃)の過塩素酸などを用いることができる。
【0062】
ここで、エッチングマスク117の上面形状は、エッチングされた第3の導電膜120がサイドエッチングにより除去される幅(サイドエッチング幅)に応じて決定される。
【0063】
図4(B)において、エッチングマスク117の端部から第3の導電層121の端部までの距離W10は、エッチングされた第3の導電膜120のサイドエッチング幅にほぼ等しいものとなる。
【0064】
なお、図4(B)において、エッチングマスク117に設けられた開口部に隣接する部分の最小幅W12は、エッチングされた第3の導電膜120のサイドエッチング幅の2倍よりも小さければよい。エッチングマスク117に設けられた開口部に隣接する部分の最小幅W12が、エッチングされた第3の導電膜120のサイドエッチング幅の2倍よりも小さければ、当該部分に第3の導電層121は形成されない。
【0065】
また、図4(B)において、エッチングマスク117に設けられた開口部に隣接する部分の最大幅L1aは、エッチングされた第3の導電膜120のサイドエッチング幅の2倍よりも小さければよい。エッチングマスク117に設けられた開口部に隣接する部分の最大幅L1aが、エッチングされた第3の導電膜120のサイドエッチング幅の2倍よりも小さければ、当該部分に第3の導電層121は形成されない。
【0066】
なお、ここで、L1a=√2・W12であり、2W10>L1aであればよいので、W10とW12の間では、少なくとも、W12<√2・W10の関係を満たせばよい。
【0067】
次に、薄膜積層体112の上部をエッチングして第1の半導体層122、第2の半導体層124及び不純物半導体層126を形成する(図5(A)及び(B))。このとき、薄膜積層体112のエッチングは、一の工程により行ってもよいし、複数の工程により行ってもよいが、最終的には、第1の半導体層122の第2の半導体層124と重畳していない部分(すなわち、チャネル形成領域となる部分)を形成するように行うことが好ましい。
【0068】
ここで、薄膜積層体112のエッチングは、第1の半導体層122の第2の半導体層124と重畳していない部分(すなわち、チャネル形成領域となる部分)を形成するように行うため、結晶性半導体膜に対する非晶質半導体膜のエッチング選択比が高いエッチング方法を採用することが好ましい。このようなエッチング方法として、例えば、Br系ガスと、F系ガスと、酸素ガスの混合ガスを用いたエッチングが挙げられる。ここで、Br系ガスとしてはHBrガスを用いればよく、F系ガスとしてはSFガス、CFガス、またはNFガスを用いればよい。そして、HBrガスとSFガスを用いる場合には、HBrガスとSFガスと酸素ガスの好ましい流量比は、25:2:1である。
【0069】
その後、エッチングマスク117を除去する(図6(A)及び(B))。
【0070】
次に、第2の絶縁層128を形成する。そして、第2の導電層118と第2の絶縁層128に開口部129を形成し、開口部129において第2の導電層118と接続されるように、第4の導電層130を形成する(図7(A)及び(B))。
【0071】
第2の絶縁層128は、第1の絶縁層104と同様に、絶縁性材料により形成すればよい。なお、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば窒化シリコンにより形成すればよい。
【0072】
第4の導電層130は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した第4の導電層130は、シート抵抗が10000Ω/□以下であり、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0073】
なお、導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロール及びチオフェンの2種以上の共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
【0074】
第4の導電層130は、例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などを用いて形成することができる。
【0075】
第4の導電層130は、上記材料により形成した膜をフォトリソグラフィ法により加工することで、形成すればよい。
【0076】
第4の導電層130を、透光性を有する材料により形成すると、画素電極として機能させることができる。
【0077】
なお、図示していないが、第2の絶縁層128と第4の導電層130の間に、第4の絶縁層を形成してもよい。
【0078】
以上説明したように作製した半導体装置は、第4の導電層130が画素電極を形成することで表示装置の画素を構成する画素トランジスタとして用いることができる。
【0079】
図7(A)及び図7(B)は、本発明の一態様である半導体装置の断面図と上面図を示す。図7(A)は、図7(B)に示す上面図のX−Yにおける断面図を示す。図7(A)及び図7(B)に示す半導体装置は、基板100上に設けられた第1の導電層102と、第1の導電層102を覆う第1の絶縁層104と、第1の絶縁層104上に設けられた第1の半導体層122と、第1の半導体層122上に、第1の半導体層122の一部を露出させて離間して設けられた第2の半導体層124と、第2の半導体層124上に設けられた不純物半導体層126と、不純物半導体層126上に、少なくとも一部が接するように設けられた第2の導電層118と、第2の導電層118の一部を露出させて設けられた第3の導電層121と、第1の半導体層122、第2の半導体層124、不純物半導体層126、第2の導電層118、及び第3の導電層121を覆って設けられた第2の絶縁層128と、少なくとも、第2の絶縁層128上に設けられた第4の導電層130と、を有している。第2の導電層118と第4の導電層130は、開口部129において接続されている。
【0080】
または、図示していないが、図7(A)及び(B)に示す半導体装置には第1の導電層102により形成される更なるゲート(バックゲートと呼ぶ。)が設けられていてもよい。バックゲートは、第4の導電層130により設けられていてもよい。該バックゲートは第1の導電層102により形成されるゲートに接続されて、該ゲートと同電位になるようにしてもよいし、第4の導電層130により形成されるバックゲートに電位を供給する配線から第1の導電層102とは異なる電位が供給される構成であってもよい。第4の導電層130により形成されるバックゲートに電位を供給する配線は、第4の導電層130により形成されていてもよいし、異なる層により形成されていてもよい。
【0081】
なお、第1の絶縁層104及び第2の絶縁層128は、窒化シリコン層とすることが好ましい。ただし、第1の絶縁層104及び第2の絶縁層128は、窒化シリコン層に限定されない。更には、これらの層は複数の層が積層して設けられていてもよい。例えば、第2の絶縁層128として、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が積層された2層構造であってもよいし、酸化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が設けられ、酸化窒化シリコン層上に窒化シリコン層が設けられた3層構造であってもよい。このように、第2の絶縁層128として、酸化シリコン層または酸化窒化シリコン層などを用いると、窒化シリコン層を用いる場合よりも厚さを薄くすることができる。酸化シリコン層及び酸化窒化シリコン層のほうが、窒化シリコン層よりも誘電率が小さいからである。
【0082】
なお、図7では図示していないが、図8に示すように、第1の絶縁層104は、開口部129を形成する際に、エッチングされていてもよい。
【0083】
なお、図7では図示していないが、図9に示すように、第1の導電層102に一部重畳する第3の導電層121とは別に、エッチングマスク117によって第2の導電層118に形成された開口部の外側に第3の導電層121を形成してもよい。開口部を挟んで、第1の導電層102が設けられている領域とは反対側に第3の導電層121を形成すると、該開口部の両側でバランスをとることができるため、好ましい。このとき、第2の導電層118と第4の導電層130が接続される開口部は、第3の導電層121と第4の導電層130が接触しないようにずらして設けられることが好ましい。
【0084】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置とその作製方法について説明する。具体的には、開口部が複数設けられた半導体装置とその作製方法について説明する。なお、以下の説明において、図1(A)、及び図10(A)乃至図15(A)のそれぞれには、図1(B)、及び図10(B)乃至図15(B)のX−Yのそれぞれにおける断面図を示す。
【0085】
まず、実施の形態1と同様に、基板200上に第1の導電層202を形成し、第1の導電層202を覆って第1の絶縁層204を形成する。次に、第1の絶縁層204上に第1の半導体膜206、第2の半導体膜208及び不純物半導体膜210をこの順に積層して形成し、不純物半導体膜210上にエッチングマスク211を形成する(図1(A)及び(B))。なお、図1において、本実施の形態における符号は、それぞれの括弧内に記載されている。
【0086】
基板200は、実施の形態1の基板100に相当する。
【0087】
第1の導電層202は、実施の形態1の第1の導電層102に相当する。
【0088】
第1の絶縁層204は、実施の形態1の第1の絶縁層104に相当する。
【0089】
第1の半導体膜206は、実施の形態1の第1の半導体膜106に相当する。
【0090】
第2の半導体膜208は、実施の形態1の第2の半導体膜108に相当する。
【0091】
不純物半導体膜210は、実施の形態1の不純物半導体膜110に相当する。
【0092】
エッチングマスク211は、実施の形態1のエッチングマスク111に相当する。
【0093】
次に、エッチングマスク211を用いて、第1の半導体膜206、第2の半導体膜208及び不純物半導体膜210をエッチングし、薄膜積層体212を形成する。そして、第1の絶縁層204及び薄膜積層体212上に、第2の導電膜214及び第3の導電膜216を形成し、第3の導電膜216上にはエッチングマスク217を形成する(図10(A)及び(B))。
【0094】
薄膜積層体212は、実施の形態1の薄膜積層体112に相当する。
【0095】
第2の導電膜214は、実施の形態1の第2の導電膜114に相当する。
【0096】
第3の導電膜216は、実施の形態1の第3の導電膜116に相当する。
【0097】
エッチングマスク217は、実施の形態1のエッチングマスク117に相当する。
【0098】
なお、ここで、エッチングマスク217は、図10における開口部の幅が最小となるように形成することが好ましい。すなわち、L22及びL24、並びにW22及びW24が最小となるように形成することが好ましい。開口部の幅が大きくなると、透光性の領域が狭くなり、透過型の表示装置に適用する場合に開口率を低下させる原因の一つとなるためである。なお、図10では、L22=L24=W22=W24であるが、これに限定されない。ただし、図10におけるL22及びL24、並びにW22及びW24のすべてが最小となるようにエッチングマスクを形成することが好ましいため、L22=L24=W22=W24であることが好ましい。
【0099】
なお、薄膜トランジスタのレイアウトを決定する際には、チャネル長L20を小さくすることが好ましい。チャネル長L20は、エッチングマスク217により形成可能な最小のサイズとすることが一般的である。従って、L20は、用いる露光機の最小露光サイズとするとよい。
【0100】
ここで、L22及びL24、並びにW22及びW24は小さいことが好ましいため、L22=L24=W22=W24=L20とし、これらの大きさは、用いる露光機の最小露光サイズとするとよい。
【0101】
なお、図10に示すL21などのその他のパラメータは、後のサイドエッチングにおけるサイドエッチング幅に応じて決定する。詳細は後述する。
【0102】
次に、エッチングマスク217を用いて第2の導電膜214及び第3の導電膜216をエッチングして、第2の導電層218及びエッチングされた第3の導電膜220を形成する(図11(A)及び(B))。
【0103】
第2の導電層218は、実施の形態1の第2の導電層118に相当する。
【0104】
エッチングされた第3の導電膜220は、実施の形態1のエッチングされた第3の導電膜120に相当する。
【0105】
次に、エッチングされた第3の導電膜220をエッチングして第3の導電層221を形成する(図12(A)及び(B))。
【0106】
第3の導電層221は、実施の形態1の第3の導電層121に相当する。
【0107】
ここで、エッチングマスク217の上面形状は、エッチングされた第3の導電膜220のサイドエッチング幅に応じて決定される。
【0108】
図12(B)において、エッチングマスク217の端部から第3の導電層221の端部までの距離W20は、エッチングされた第3の導電膜220のサイドエッチング幅にほぼ等しいものとなる。
【0109】
なお、図12(B)において、エッチングマスク217に設けられた開口部に隣接する部分の最小幅W2S={L21,L23,L25,W21,W23,W25}は、エッチングされた第3の導電膜220のサイドエッチング幅の2倍よりも小さければよい。ただし、W2Sが小さすぎると、第4の導電層との接触面積を十分に確保することが難しく、すくなくとも、W20よりは大きいことが好ましい。従って、W20<W2S<2W20であることが好ましい。
【0110】
なお、図12(B)において、エッチングマスク217に設けられた開口部に隣接する部分の最大幅W2L={L2a,L2b,L2c,L2d,L2e}を、エッチングされた第3の導電膜220のサイドエッチング幅の2倍よりも小さくする(0<W2L<2W20)ことが最も重要である。
【0111】
ここで、L2a、L2b、L2c、L2d、L2eについて下記の式(1)乃至(5)が成立する。
【0112】
【数1】

【0113】
【数2】

【0114】
【数3】

【0115】
【数4】

【0116】
【数5】

【0117】
L2a、L2b、L2c、L2d、L2eのうち最大のものがサイドエッチング幅(W20)の2倍よりも小さければよい。
【0118】
ここで、W2S=L21=L23=L25=W21=W23=W25とすると、W2L=L2a=L2b=L2c=L2d=L2e=√2・W2Sとなる。従って、このとき、最小幅W2Sは、サイドエッチング幅に等しいW20との間で、W2S<√2・W20の関係を満たせばよい。
【0119】
次に、薄膜積層体212の上部をエッチングして第1の半導体層222、第2の半導体層224及び不純物半導体層226を形成する(図13(A)及び(B))。このとき、薄膜積層体212のエッチングは、一の工程により行ってもよいし、複数の工程により行ってもよいが、最終的には、第1の半導体層222の第2の半導体層224と重畳していない部分(すなわち、チャネル形成領域となる部分)を形成するように行うことが好ましい。
【0120】
第1の半導体層222は、実施の形態1の第1の半導体層122に相当する。
【0121】
第2の半導体層224は、実施の形態1の第2の半導体層124に相当する。
【0122】
不純物半導体層226は、実施の形態1の不純物半導体層126に相当する。
【0123】
ここで、薄膜積層体212のエッチングは、第1の半導体層222の第2の半導体層224と重畳していない部分(すなわち、チャネル形成領域となる部分)を形成するように行う。
【0124】
その後、エッチングマスク217を除去する(図14(A)及び図14(B))。
【0125】
次に、第2の絶縁層228を形成する。そして、第2の導電層218と第2の絶縁層228に開口部229を形成し、開口部229において第2の導電層218と接続されるように、第4の導電層230を形成する(図15(A)及び(B))。
【0126】
第2の絶縁層228は、実施の形態1の第2の絶縁層128に相当する。
【0127】
第4の導電層230は、実施の形態1の第4の導電層130に相当する。
【0128】
なお、図示していないが、第2の絶縁層228と第4の導電層230の間に、第4の絶縁層を形成してもよい。
【0129】
以上説明したように作製した半導体装置は、第4の導電層230が画素電極を形成することで表示装置の画素を構成する画素トランジスタとして用いることができる。
【0130】
図15は、本発明の一態様である半導体装置の断面図と上面図を示す。図15(A)は、図15(B)に示す上面図のX−Yにおける断面図を示す。また、図15(C)は、図15(B)に示す上面図のP−Qにおける断面図を示す。図15(A)乃至(C)に示す半導体装置は、基板200上に設けられた第1の導電層202と、第1の導電層202を覆う第1の絶縁層204と、第1の絶縁層204上に設けられた第1の半導体層222と、第1の半導体層222上に、第1の半導体層222の一部を露出させて離間して設けられた第2の半導体層224と、第2の半導体層224上に設けられた不純物半導体層226と、不純物半導体層226上に、少なくとも一部が接するように設けられた第2の導電層218と、第2の導電層218の一部を露出させて設けられた第3の導電層221と、第1の半導体層222、第2の半導体層224、不純物半導体層226、第2の導電層218、及び第3の導電層221を覆って設けられた第2の絶縁層228と、少なくとも、第2の絶縁層228上に設けられた第4の導電層230と、を有している。第2の導電層218と第4の導電層230は、開口部229において接続されている。
【0131】
または、図示していないが、図15(A)及び(B)に示す半導体装置には第1の導電層202により形成される更なるゲート(バックゲートと呼ぶ。)が設けられていてもよい。バックゲートは、第4の導電層230により設けられていてもよい。該バックゲートは第1の導電層202により形成されるゲートに接続されて、該ゲートと同電位になるようにしてもよいし、第4の導電層230により形成されるバックゲートに電位を供給する配線から第1の導電層202とは異なる電位が供給される構成であってもよい。第4の導電層230により形成されるバックゲートに電位を供給する配線は、第4の導電層230により形成されていてもよいし、異なる層により形成されていてもよい。
【0132】
なお、図15では図示していないが、図16に示すように、第1の導電層202に一部重畳する第3の導電層221とは別に、エッチングマスク217によって第2の導電層218に形成された複数の開口部の外側に第3の導電層221を形成してもよい。複数の開口部を挟んで、第1の導電層202が設けられている領域とは反対側に第3の導電層221を形成すると、該開口部の両側でバランスをとることができるため、好ましい。このとき、第2の導電層218と第4の導電層230が接続される開口部は、第3の導電層221と第4の導電層230が接触しないようにずらして設けられることが好ましい。
【0133】
更には、より好ましくは、図17に示すようにX−Yと平行な方向のみならず、開口部の両側のX−Yと垂直な方向にも第3の導電層221を形成すると、X−Y方向とX−Yに垂直な方向の双方で力学的なバランスをとることができ、好ましい。このように力学的バランスをとることで、作製工程においてエッチングマスク217に生じるたわみが抑制され、作製工程中にエッチングマスク217が破壊されることを防止することができる。そのため、歩留まりの低下を抑制することができる。
【0134】
なお、このとき、第2の導電層218と第4の導電層230が接続される開口部は、第3の導電層221と第4の導電層230が接触しないように、ある程度の広さのスペースを確保して設けられることが好ましい。具体的には、開口部229の端部から第3の導電層221との間に少なくとも開口部229の半径以上のスペースを確保することが好ましい。
【0135】
このように、エッチングマスクに複数の開口部を工夫して配することで、コンタクト開口部におけるコンタクト面積を十分に広いものとすることができる。さらには、歩留まりの低下を抑制することもできる。
【0136】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2にて作製した薄膜トランジスタを適用した半導体装置としては、電子ペーパーが挙げられる。電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、デジタルサイネージ、PID(Public Information Display)、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる。電子機器の一例を図18に示す。
【0137】
図18は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍300は、筐体301および筐体303の2つの筐体で構成されている。筐体301および筐体303は、軸部311により一体とされており、該軸部311を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍と同様に取り扱うことが可能となる。
【0138】
筐体301には表示部305及び光電変換装置306が組み込まれ、筐体303には表示部307及び光電変換装置308が組み込まれている。表示部305及び表示部307は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図18では表示部305)に文章を表示し、左側の表示部(図18では表示部307)に画像を表示することができる。
【0139】
また、図18では、筐体301に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体301において、電源321、操作キー323、スピーカ325などを備えている。操作キー323により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍300は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0140】
また、電子書籍300は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0141】
(実施の形態4)
実施の形態1及び実施の形態2にて作製した薄膜トランジスタを適用した半導体装置としては、電子ペーパー以外にもさまざまな電子機器(遊技機も含む)が挙げられる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0142】
図19(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置400は、筐体401に表示部403が組み込まれている。表示部403により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド405により筐体401を支持した構成を示している。
【0143】
テレビジョン装置400の操作は、筐体401が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機410により行うことができる。リモコン操作機410が備える操作キー409により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部403に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機410に、当該リモコン操作機410から出力する情報を表示する表示部407を設ける構成としてもよい。
【0144】
なお、テレビジョン装置400は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0145】
図19(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム420は、筐体421に表示部423が組み込まれている。表示部423は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0146】
なお、デジタルフォトフレーム420は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部423に表示させることができる。
【0147】
また、デジタルフォトフレーム420は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0148】
図20は携帯型のコンピュータの一例を示す斜視図である。
【0149】
図20の携帯型のコンピュータは、上部筐体441と下部筐体442とを接続するヒンジユニットを閉状態として表示部443を有する上部筐体441と、キーボード444を有する下部筐体442とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶことが便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態として、表示部443を見て入力操作を行うことができる。
【0150】
また、下部筐体442はキーボード444の他に入力操作を行うポインティングデバイス446を有する。また、表示部443をタッチ入力パネルとすれば、表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体442はCPUやハードディスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体442は他の機器、例えばUSBの通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる外部接続ポート445を有している。
【0151】
上部筐体441には更に上部筐体441内部にスライドさせて収納可能な表示部447を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部447の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部447をタッチ入力パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0152】
表示部443または収納可能な表示部447には、液晶表示パネル、有機発光素子または無機発光素子などの発光表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0153】
また、図20の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部に表示することができる。また、上部筐体441と下部筐体442とを接続するヒンジユニットを閉状態としたまま、表示部447をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者がテレビ放送を見ることもできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部443を表示させることなく、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最小限の消費電力とすることができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータにおいて有用である。
【符号の説明】
【0154】
100 基板
102 第1の導電層
104 第1の絶縁層
106 第1の半導体膜
108 第2の半導体膜
110 不純物半導体膜
111 エッチングマスク
112 薄膜積層体
114 第2の導電膜
116 第3の導電膜
117 エッチングマスク
118 第2の導電層
120 エッチングされた第3の導電膜
121 第3の導電層
122 第1の半導体層
124 第2の半導体層
126 不純物半導体層
128 第2の絶縁層
129 開口部
130 第4の導電層
200 基板
202 第1の導電層
204 第1の絶縁層
206 第1の半導体膜
208 第2の半導体膜
210 不純物半導体膜
211 エッチングマスク
212 薄膜積層体
214 第2の導電膜
216 第3の導電膜
217 エッチングマスク
218 第2の導電層
220 エッチングされた第3の導電膜
221 第3の導電層
222 第1の半導体層
224 第2の半導体層
226 不純物半導体層
228 第2の絶縁層
229 開口部
230 第4の導電層
300 電子書籍
301 筐体
303 筐体
305 表示部
306 光電変換装置
307 表示部
308 光電変換装置
311 軸部
321 電源
323 操作キー
325 スピーカ
400 テレビジョン装置
401 筐体
403 表示部
405 スタンド
407 表示部
409 操作キー
410 リモコン操作機
420 デジタルフォトフレーム
421 筐体
423 表示部
441 上部筐体
442 下部筐体
443 表示部
444 キーボード
445 外部接続ポート
446 ポインティングデバイス
447 表示部
500 基板
502 ゲート電極層
504 ゲート絶縁層
506 半導体層
508 不純物半導体層
510 導電層
512 導電層
514 導電層
516 ソース電極及びドレイン電極層
518 パッシベーション層
520 開口部
522 画素電極層
600 基板
602 ゲート電極層
604 ゲート絶縁層
606 半導体層
608 不純物半導体層
610 導電層
612 導電層
616 ソース電極及びドレイン電極層
618 パッシベーション層
620 開口部
622 画素電極層
700 基板
702 ゲート電極層
704 ゲート絶縁層
706 半導体層
708 不純物半導体層
710 導電層
712 導電層
716 ソース電極及びドレイン電極層
718 パッシベーション層
720 開口部
722 画素電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層上に、半導体層及び不純物半導体層がこの順に積層された薄膜積層体を形成し、
前記薄膜積層体を覆って、第2の導電層及び第3の導電層となる積層導電膜を形成し、
前記積層導電膜上にエッチングマスクを形成し、
前記エッチングマスクを用いて、前記第2の導電層及び前記第3の導電層となる前記積層導電膜をエッチングして前記第2の導電層を形成し、
前記エッチングされた前記積層導電膜の前記第3の導電層となる部分をサイドエッチングすることで前記第2の導電層の一部を露出させつつ前記第3の導電層を形成し、
前記エッチングマスクと重畳しない部分において前記半導体層が残存し、且つ露出するように前記薄膜積層体をエッチングし、
前記エッチングマスクを除去し、
前記第1の絶縁層、前記エッチングされた前記薄膜積層体、前記第2の導電層、前記第3の導電層上に第2の絶縁層を形成し、
前記第2の導電層の露出された部分と重畳して前記第2の絶縁層にコンタクト開口部を形成し、
前記第2の絶縁層上に前記コンタクト開口部を介して前記第2の導電層の露出された前記部分に接続されるように第4の導電層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層上に、第1の半導体層、第2の半導体層及び不純物半導体層がこの順に積層された薄膜積層体を形成し、
前記薄膜積層体を覆って、第2の導電層及び第3の導電層となる積層導電膜を形成し、
前記積層導電膜上にエッチングマスクを形成し、
前記エッチングマスクを用いて、前記第2の導電層及び前記第3の導電層となる前記積層導電膜をエッチングして前記第2の導電層を形成し、
前記エッチングされた前記積層導電膜の前記第3の導電層となる部分をサイドエッチングすることで前記第2の導電層の一部を露出させつつ前記第3の導電層を形成し、
前記エッチングマスクと重畳しない部分において少なくとも前記第1の半導体層が残存し、且つ露出するように前記薄膜積層体をエッチングし、
前記エッチングマスクを除去し、
前記第1の絶縁層、前記エッチングされた前記薄膜積層体、前記第2の導電層、前記第3の導電層上に第2の絶縁層を形成し、
前記第2の導電層の露出された部分と重畳して前記第2の絶縁層にコンタクト開口部を形成し、
前記第2の絶縁層上に前記コンタクト開口部を介して前記第2の導電層の露出された前記部分に接続されるように第4の導電層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の半導体層は結晶性半導体層であり、
前記第2の半導体層は非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有する半導体層であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一において、
前記エッチングマスクに一画素につき複数の開口部が設けられていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記複数の開口部が形成される部分の前記エッチングマスクの最大幅は、前記第3の導電層が形成される際のサイドエッチング幅の2倍より小さいことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、
前記エッチングマスクに設けられた前記複数の開口部のそれぞれの幅は、チャネル長と同じ大きさであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
前記第2の導電層はチタンにより形成され、
前記第3の導電層はアルミニウムにより形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記第4の導電層はインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物により形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項9】
第1の導電層と、
前記第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に設けられた半導体層及び不純物半導体層により形成された薄膜積層体と、
少なくとも前記薄膜積層体の前記不純物半導体層に接して設けられた第2の導電層と、
前記第2の導電層上の一部に設けられた第3の導電層と、
前記第2の導電層上に設けられたコンタクト開口部を有する第2の絶縁層と、
前記コンタクト開口部において前記第2の導電層と接続される第4の導電層と、を有し、
前記第3の導電層の側面から前記第2の導電層の側面までの距離は概略一定であり、
前記コンタクト開口部は、前記第2の導電層により設けられた格子形電極の交差部に設けられていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−80087(P2012−80087A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184300(P2011−184300)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】