説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制した半導体装置を実現できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板11の上に形成された半導体素子1及び保護ダイオード2を備えている。半導体基板11の上には、半導体素子1及び保護ダイオード2を覆うように第1の層間絶縁膜22が形成されている。第1の層間絶縁膜22には、半導体素子1と電気的に接続された第1のプラグ25と、保護ダイオード2と電気的に接続された第2のプラグ23、24とが形成されている。第2のプラグ23、24の上面の面積は、第1のプラグ25の上面の面積よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、トラップ膜に電荷を蓄積する不揮発性半導体記憶素子に代表される、多層配線構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の形態の不揮発性半導体記憶装置が提案されている。例えば、拡散層からなるビット線とポリシリコン等の導電層からなるワード線とを交差するように配置し、トラップ膜に電荷を蓄積する不揮発性半導体記憶素子は、容易に高集積化が可能であるため注目されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
しかし、不揮発性半導体記憶素子は、工程中に発生する様々なチャージング現象により、電荷トラップ膜に電子が捕獲され、しきい値電圧が変動するという特性を有している。このため、工程中に発生する電荷が半導体記憶素子に到達しないように防御する技術が重要である。
【0004】
チャージング現象の1つとして、半導体記憶素子と電源とを接続する金属配線を形成する際に、金属配線に蓄積される電荷によるチャージング現象が報告されており、チャージング現象による電荷を、保護ダイオードにより半導体記憶素子に到達しないように防御する技術が提案されている。(例えば、特許文献2を参照。)。
【0005】
特許文献2によれば、1層目の金属配線によりメモリセルのゲート電極と保護ダイオードを接続した上で、2層目の金属配線への接続孔の形成をドライエッチングにより実施する。このため、ドライエッチングにより発生する電荷を保護ダイオードによって基板へ放出することができ、ゲート絶縁膜の絶縁破壊を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0214218号明細書
【特許文献2】特開平10−173157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記の従来技術は、半導体記憶素子のゲート絶縁膜の絶縁破壊を抑制することを目的とし、高電圧のストレスが印加した場合を想定した技術である。一方、トラップ膜に電荷を蓄積するような不揮発性半導体記憶素子においては、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積であっても特性に影響を及ぼすため、浮遊ゲート電極型の不揮発性半導体記憶素子よりも電荷蓄積に対する保護が必要となる。このため、トラップ膜に電荷を蓄積するような不揮発性半導体記憶素子では、金属配線の接続孔形成時における、金属配線への電荷蓄積量をさらに低下させる技術が必要である。
【0008】
また、実際のドライエッチングプロセスにおいては、従来技術では想定されていない帯電現象が発生し、トラップ膜への電荷蓄積が生じるということを本願発明者は見出した。さらに、ゲート電極には、負電荷が帯電する場合も、正電荷が帯電する場合もあり得る。従って、従来技術のようにゲート電極が負に帯電する状態においてのみ保護ダイオードが機能する構造では、ゲート電極が正に帯電する状態となった場合、トラップ膜への電荷蓄積が避けられないという問題がある。
【0009】
本発明は、前記の問題を解決し、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制した半導体装置を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は半導体装置を、半導体素子と接続されたプラグの上面の面積よりも、保護ダイオードと接続されたプラグの上面の面積が大きい構成とする。
【0011】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、半導体基板の上に形成された半導体素子及び保護ダイオードと、半導体基板の上に、半導体素子及び保護ダイオードを覆うように形成された第1の層間絶縁膜と、第1の層間絶縁膜に形成され、半導体素子と電気的に接続された第1のプラグと、第1の層間絶縁膜に形成され、保護ダイオードと電気的に接続された第2のプラグとを備え、第2のプラグの上面の面積は、第1のプラグの上面の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0012】
第1の半導体装置は、第2のプラグの上面の面積が、第1のプラグの上面の面積よりも大きい。このため、第1のプラグ及び第2のプラグを形成するための第1の接続孔及び第2の接続孔を第1の層間絶縁膜に形成する際に、第1の接続孔が半導体素子のゲート電極に達する前に第2の接続孔が保護ダイオードに達する。従って、第1の接続孔及び第2の接続孔を形成するためのドライエッチングの際に生じる電荷が、第1の接続孔とゲート電極との間に生じるキャパシタに蓄積されにくくなる。その結果、電荷を基板へ逃がす効果が高くなり、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制できる。
【0013】
本発明に係る第2の半導体装置は、半導体基板の上に形成された半導体素子及び保護ダイオードと、半導体基板の上に、半導体素子及び保護ダイオードを覆うように形成された第1の層間絶縁膜と、第1の層間絶縁膜に形成され、半導体素子と電気的に接続された第1のプラグと、第1の層間絶縁膜に形成され、保護ダイオードと電気的に接続された第2のプラグと、第1の層間絶縁膜の上に形成され、第1のプラグと電気的に接続された第1の配線と、第2のプラグと電気的に接続された第2の配線と、第1の層間絶縁膜の上に、第1の配線及び第2の配線を覆うように形成された第2の層間絶縁膜と、第2の層間絶縁膜に形成され、第1の配線と電気的に接続された第3のプラグと、第2の層間絶縁膜に形成され、第2の配線と電気的に接続された第4のプラグとを備え、第4のプラグの上面の面積は、第3のプラグの上面の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
第2の半導体装置は、第1の配線と電気的に接続された第3のプラグと、第2の配線と電気的に接続された第4のプラグとを備え、第4のプラグの上面の面積は、第3のプラグの上面の面積よりも大きい。このため、第3のプラグ及び第4のプラグを形成するための第3の接続孔及び第4の接続孔を第2の層間絶縁膜に形成する際に、第3の接続孔が第1の配線に到達する前に、第4の接続孔が第2の配線に到達する。従って、第3の接続孔及び第4の接続孔を形成するためのドライエッチングの際に生じる電荷を基板へ逃がす効果を向上させることができ、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制できる。
【0015】
第2の半導体装置において、第2のプラグの上面の面積は、第1のプラグの上面の面積よりも大きい構成としてもよい。
【0016】
第2の半導体装置において、第4のプラグの平面形状は、円形又は長円形としてもよい。
【0017】
第2の半導体装置において、第1の配線は、シリコン、タングステン、チタン、窒化チタン、アルミニウム、銅、タンタル、ルテニウム、バナジウム若しくはマンガン又はその化合物からなる膜、アルミニウム又はアルミニウム化合物とチタンと窒化チタンとからなる積層膜及び銅又は銅化合物とタンタルと窒化タンタルとからなる積層膜のうちのいずれかであることが好ましい。
【0018】
第2の半導体装置において、第2の層間絶縁膜は、低誘電率膜と金属拡散抑制膜とからなる積層膜としてもよい。
【0019】
第2の半導体装置において、第2の層間絶縁膜は、フッ素含有のシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とからなる積層膜又は炭素含有のシリコン酸化膜と窒素含有のシリコン炭化膜と酸素含有のシリコン炭化膜とからなる積層膜としてもよい。
【0020】
本発明の半導体装置において、第2のプラグの平面形状は、円形又は長円形としてもよい。
【0021】
この場合において、長円形は短辺に対する長辺の長さの比率が2倍以上の長円形とすればよい。
【0022】
本発明の半導体装置において、半導体素子は、トラップ膜電荷蓄積型の不揮発性半導体記憶素子又は浮遊電極電荷蓄積型の不揮発性半導体記憶素子としてもよい。この場合において、半導体素子は、埋め込みビット線構造を有していてもよい。
【0023】
本発明の半導体装置において、保護ダイオードは、基板直結ダイオードを含み、半導体素子のゲート電極は、基板直結ダイオードと接続されている構成としてもよい。
【0024】
本発明の半導体装置において、保護ダイオードは、正電圧印加に対する第1の保護ダイオードと負電圧印加に対する第2の保護ダイオードを含む構成としてもよい。
【0025】
本発明の半導体装置は、保護ダイオードと第2のプラグとの間に形成され、半導体素子のゲート電極と同一材料で且つ同一膜厚の導電膜をさらに備えていてもよい。
【0026】
本発明の半導体装置において、半導体素子は、複数の半導体記憶素子を含み、保護ダイオードは、半導体記憶素子が集積して配置されたアレイの外周に沿って複数形成されている構成としてもよい。
【0027】
本発明の半導体装置において、半導体素子は、複数の半導体記憶素子を含み、保護ダイオードは、半導体記憶素子が集積して配置されたアレイの外周に沿って形成されたシールリングと電気的に接続されてい構成としてもよい。
【0028】
本発明の半導体装置において、半導体素子のゲート電極は、金属シリサイド膜とポリシリコン膜との積層膜としてもよい。
【0029】
本発明の半導体装置において、第1の層間絶縁膜は、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層膜としてもよい。
【0030】
本発明の半導体装置において、第1のプラグ及び第2のプラグは、高融点金属を封入した金属プラグとしてもよい。
【0031】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に半導体素子を形成する工程(a)と、半導体基板上に保護ダイオードを形成する工程(b)と、半導体基板上に、半導体素子及び保護ダイオードを覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程(c)と、第1の層間絶縁膜に、半導体素子に到達する第1の接続孔及び保護ダイオードに到達する第2の接続孔を形成する工程(d)と、第1の接続孔及び第2の接続孔に導電材料を埋め込む工程(e)とを備え、工程(d)では、第1の接続孔が半導体素子に到達する前に、第2の接続孔が保護ダイオードに到達することを特徴とする。
【0032】
第1の半導体装置の製造方法は、第1の接続孔が半導体素子に到達する前に、第2の接続孔が保護ダイオードに到達する。このため、第1の接続孔及び第2の接続孔を第1の層間絶縁膜に形成する際にドライエッチングにより生じる電荷が、第1の接続孔と半導体素子との間に生じるキャパシタに蓄積されにくくなる。その結果、電荷を基板へ逃がす効果が高くなり、半導体装置を製造する際に、絶縁破壊に至らない微量の電荷も蓄積されることを抑えることができる。
【0033】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に半導体素子を形成する工程(a)と、半導体基板上に保護ダイオードを形成する工程(b)と、半導体基板上に、半導体素子及び保護ダイオードを覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程(c)と、第1の層間絶縁膜に、半導体素子に到達する第1の接続孔及び保護ダイオードに到達する第2の接続孔を形成する工程(d)と、第1の接続孔及び第2の接続孔に、それぞれ導電材料を埋め込んで第1のプラグ及び第2のプラグを形成する工程(e)と、第1の層間絶縁膜上に、第1のプラグと電気的に接続するように第1の配線を形成し、第2のプラグと電気的に接続するように第2の配線を形成する工程(f)と、第1の層間絶縁膜上に、第1の配線及び第2の配線を覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程(g)と、第2の層間絶縁膜に、第1の配線に到達する第3の接続孔及び第2の配線に到達する第4の接続孔を形成する工程(h)と、第3の接続孔及び第4の接続孔に、それぞれ導電材料を埋め込んで第3のプラグ及び第4のプラグを形成する工程(i)とを備え、工程(h)では、第3の接続孔が第1の配線に到達する前に、第4の接続孔が第2の配線に到達することを特徴とする。
【0034】
第2の半導体装置の製造方法は、第3の接続孔が第1の配線に到達する前に、第4の接続孔が第2の配線に到達する。このため、第3の接続孔及び第4の接続孔を形成するためのドライエッチングの際に生じる電荷を基板へ逃がす効果を向上させることができる。従って、半導体装置を製造する際に、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制できる。
【0035】
第2の半導体装置の製造方法において、工程(d)では、第1の接続孔が半導体素子に到達する前に、第2の接続孔が保護ダイオードに到達する構成としてもよい。
【0036】
第2の半導体装置の製造方法において、工程(h)では、第3の接続孔の形成と、第4の接続孔の形成とを別々に実施してもよい。また、工程(h)では、第3の接続孔の形成と、第4の接続孔の形成とを同時に実施してもよい。
【0037】
本発明の半導体装置の製造方法において、保護ダイオードは、基板直結ダイオードを含み、工程(a)では、半導体素子のゲート電極を、基板直結ダイオードと接続するように形成する構成としてもよい。
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(a)と工程(b)とを同時に実施してもよい。
【0039】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(b)では、正電圧印加に対する第1の保護ダイオードと負電圧印加に対する第2の保護ダイオードとを形成してもよい。
【0040】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(a)では、半導体素子のゲート電極を形成と同時に、保護ダイオード上に、ゲート電極と同一材料で且つ同一膜厚の導電膜を形成してもよい。
【0041】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(d)では、第1の接続孔の形成と、第2の接続孔の形成とを別々に実施してもよい。また、工程(d)では、第1の接続孔の形成と、第2の接続孔の形成とを同時に実施してもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明の半導体装置及びその製造方法によれば、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制した半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)及び(b)は半導体装置に生じる電荷蓄積を説明するための図であり、(a)は断面図であり、(b)は等価回路図である。
【図2】図1に示す半導体装置を形成する際における回路の実体を反映した等価回路図である。
【図3】(a)及び(b)は第1の実施形態に係る半導体装置示し、(a)は断面図であり、(b)は等価回路図である。
【図4】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る半導体装置を形成する際における回路の実体を反映した等価回路図である。
【図13】第1の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図14】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の変形例を示す断面図である。
【図15】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の変形例を示す断面図である。
【図16】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の変形例を示す断面図である。
【図17】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の変形例を示す断面図である。
【図18】第1の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図19】第1の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図20】第1の実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
【図21】(a)〜(e)は第1の実施形態に係る半導体装置の接続孔の形状を示す平面図である。
【図22】(a)及び(b)は第2の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は断面図であり、(b)は等価回路図である。
【図23】第1の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す平面図である。
【図24】第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図である。
【図25】第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図である。
【図26】第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図である。
【図27】第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図である。
【図28】第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図である。
【図29】第2の実施形態に係る半導体装置を形成する際における回路の実体を反映した等価回路図である。
【図30】第2の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図31】第2の実施形態に係る半導体装置の変形例を形成する際における回路の実体を反映した等価回路図である。
【図32】第2の実施形態に係る半導体装置の一例を示す平面図である。
【図33】第2の実施形態に係る半導体装置の一例を示す平面図である。
【図34】第2の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す平面図である。
【図35】第2の実施形態に係る半導体装置の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
まず、本願発明者が見出した従来は想定されていない帯電現象について説明する。図1に示すような構成の半導体装置には、以下のような現象が生じる。
【0045】
まず、半導体装置の構成を説明すると図1(a)に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板101の上部には、複数の埋め込み酸化膜からなる素子分離領域102が形成されている。また、半導体基板101の上部には、複数のn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域103が互いに間隔をおいて形成されており、各ソース・ドレイン領域103の上には、ビット線埋め込み酸化膜104が形成されている。さらに、各ソース・ドレイン領域103の間にある活性領域の上には、ゲート絶縁膜122を介して記憶電荷を蓄積する浮遊電極123がそれぞれ形成されている。各浮遊電極123の上には、電極間絶縁膜124を介してn型不純物である例えばリンが導入された多結晶シリコンからなり、ワード線となるゲート電極120がビット線埋め込み酸化膜104と交差するように形成されている。
【0046】
また、半導体基板101の上部には、それぞれがp型不純物拡散層106及びn型不純物拡散層107からなる複数のpn接合領域が形成されている。ゲート電極120上には金属シリサイド層121が形成されている。ゲート電極120及びビット線埋め込み酸化膜104及び素子分離領域102上には、層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112には、ゲート電極120と接続されたコンタクトプラグ115及びpn接合領域と接続されたコンタクトプラグ113が形成されている。ゲート電極120と接続されたコンタクトプラグ115と、pn接合領域と接続されたコンタクトプラグ113とを接続する金属配線116が形成されており、金属配線116上を覆う層間絶縁膜117が形成されている。さらに、層間絶縁膜117中に金属配線116と上層の金属配線(図示せず)とを接続するコンタクトプラグ118が形成されている。
【0047】
図1(a)に示す半導体装置を等価回路として表すと図1(b)のようになる。p型不純物拡散層106及びn型不純物拡散層107からなるpn接合領域は接合ダイオードD101を構成している。層間絶縁膜117にコンタクトプラグ118を形成するための接続孔を形成する際に発生するプラズマ等の揺らぎに起因する負極性のチャージング電流は、接合ダイオードD101を介して接地電位に逃がすことができる。この結果、各半導体記憶素子のゲート電極120には、プラズマの揺らぎに基づく高電圧が印加されなくなり、浮遊電極123と基板101との間に形成されたゲート絶縁膜122の絶縁破壊を防止することができる。
【0048】
しかし、図1(b)に示す等価回路は、実際に金属配線116と上層金属配線とを接続するコンタクトプラグ118を形成する際のドライエッチングによって蓄積される電荷量を考慮できていないことを本願発明者は見出した。実際にドライエッチングを実施する際に蓄積される電荷量を導出するためには、図2に示す等価回路を考える必要があるという知見を本願発明者は得た。
【0049】
図2に示すように、コンタクトプラグ118を形成するための接続孔をドライエッチングにより形成する際には、ドライエッチングに使用するプラズマ源が交流電源として作用し、層間絶縁膜117の残膜がキャパシタC101として作用する。また、接続孔は抵抗R101として作用する。この等価回路図に従うと、ドライエッチングを実施している間に、キャパシタC101には層間絶縁膜117の材質及び残膜の膜厚に従って容量の変化が発生し、電荷が蓄積され続ける。従って、このキャパシタC101に蓄積された電荷の一部は、接合ダイオードD101を介して基板に逃がされることなく、トラップ膜105に捕獲されてしまい、しきい値電圧が変動してしまう。
【0050】
また、図1(a)の半導体装置の金属配線116が埋め込み配線である場合においても、配線溝を形成する際に、溝形成時の残膜がキャパシタとして作用し、同じ現象が発生して電荷が蓄積されてしまう。
【0051】
以下に、本願発明者が見出した従来の半導体装置において発生してしまう、帯電現象を回避した半導体装置について実施形態を用いて説明する。
【0052】
(第1の実施形態)
図3(a)及び(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置であり、(a)は断面構成を示し、(b)は回路構成を示している。本実施形態の半導体装置は、半導体記憶装置であり、保護対象の半導体素子1と保護ダイオード2とを備えている。
【0053】
図3(a)に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板11の上部には、埋め込み酸化膜からなる素子分離領域12が形成されている。半導体基板11の上部には、複数のn型不純物拡散層からなるソース・ドレイン領域13が互いに間隔をおいて形成されており、各ソース・ドレイン領域13の上には、ビット線埋め込み酸化膜14が形成されている。各ソース・ドレイン領域13の間にある活性領域の上には、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)及び酸化シリコン(SiO2)の積層膜(いわゆるONO膜)からなり、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜15がそれぞれ形成されている。各トラップ膜15の上には、n型不純物である例えばリンが導入された多結晶シリコンからなり、ワード線となるゲート電極20がビット線埋め込み酸化膜14と交差するように形成されている。これらにより、半導体記憶素子である半導体素子1が形成されている。
【0054】
また、半導体基板11の上部には、保護ダイオード2となる、複数のp型不純物拡散層16及びn型不純物拡散層17からなるpn接合領域と、複数のn型不純物拡散層18及びp型不純物拡散層19からなるnp接合領域が形成されている。ゲート電極20は、半導体基板11の上部に形成された、p型不純物拡散層16及びn型不純物拡散層17からなるpn接合領域の1つと接続されている。ゲート電極20の上には金属シリサイド層21が形成されている。ゲート電極20及びビット線埋め込み酸化膜14及び素子分離領域12を覆うように、層間絶縁膜22が形成されている。層間絶縁膜22には、ゲート電極20と接続されたコンタクトプラグ25及びpn接合領域と接続されたコンタクトプラグ23及びnp接合領域と接続されたコンタクトプラグ24が形成されている。コンタクトプラグ23及びコンタクトプラグ24の上面の面積は、ゲート電極20と接続されたコンタクトプラグ25の上面の面積よりも大きい。
【0055】
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図4〜11は、本実施形態の半導体装置の製造方法を工程順に示している。
【0056】
まず、図4に示すように、シリコンからなる半導体基板11をエッチングして溝部を形成し、形成した溝部に酸化シリコン等の絶縁膜を充填する。充填した絶縁膜をCMP法にて平坦化し、素子分離領域(STI領域)12を形成する。
【0057】
次に、図5に示すように、半導体基板11上の全面に、ONO膜からなる厚さが20nmのトラップ膜15を堆積した後、メモリセル領域以外のトラップ膜15を選択的に除去する。次に、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが50nm〜200nm程度の窒化シリコンからなるマスク形成膜を堆積し、マスク形成膜の上にレジスト膜(図示せず)を塗布した後、リソグラフィ法により、レジスト膜にソース・ドレイン領域13となる部分を開口する開口パターンを形成する。レジスト膜をマスクとして、マスク形成膜に対してドライエッチングを行うことにより、ソース・ドレイン領域13を形成するための開口部を有するマスク膜51を形成する。続いて、トラップ膜15の開口部から露出した部分を除去する。但し、トラップ膜15は薄いため、除去せずにイオン注入のための保護膜として用いてもよい。開口部の幅は100nmとする。これがソース・ドレイン領域13の幅となり、ビット線の幅に相当する。一方、レジストの幅は150nmとなっており、メモリセルトランジスタが形成された際のチャネル幅に相当する。
【0058】
次に、マスク膜51を用いて、例えばn型の不純物である砒素をイオン注入して、ソース・ドレイン領域13を形成する。イオン注入は1回としても、2回以上に別けて行ってもよく、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm-2〜1×1017cm-2の注入条件で行えばよい。
【0059】
次に、図6に示すように、マスク膜51の開口部に、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法又は減圧化学的気相堆積(LPCVD)法等を用いて、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜を堆積する。この後、例えば化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法により、マスク膜51の開口部に充填された部分以外の酸化シリコン膜を選択的に除去する。続いて、ウェットエッチング法又はエッチバック法により、マスク膜51のみを選択的に除去し、トラップ膜15を露出させると共にビット線埋め込み酸化膜14を形成する。その際、ビット線埋め込み酸化膜14の高さを、マスク膜51の選択除去の前又は後にウェットエッチング法又はエッチバック法により50nmに調整する。
【0060】
次に、図7に示すように、レジストマスクを用いて、例えばp型の不純物である硼素をイオン注入してp型不純物拡散層16を形成する。イオン注入は1回としても、2回以上に別けて行ってもよく、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm-2〜1×1017cm-2の注入条件で行えばよい。続いて、同じレジストマスクを用いて、例えばn型の不純物であるリンを注入してp型不純物拡散層16の上部にn型不純物拡散層17を形成する。n型不純物拡散層17の形成も1回としても、2回以上に別けて行ってもよく、加速エネルギーが5keV〜200keVで、ドーズ量が1×1014cm-2〜1×1017cm-2の注入条件で行えばよい。
【0061】
その後、レジストマスクを一旦除去した後、あらためてレジストマスクを形成して、例えばn型の不純物であるリンをイオン注入してn型不純物拡散層18を形成する。続いて、同じレジストマスクを用いて、例えばp型の不純物である硼素を、イオン注入してp型不純物拡散層19をn型不純物拡散層8の上部に形成する。n型不純物拡散層18及びp型不純物拡散層19のイオン注入条件は、n型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層16と同様にすればよい。
【0062】
次に、図8に示すように、例えば減圧化学的気相堆積(LPCVD)法により、半導体基板11上の全面に、リンが1×1018cm-3〜1×1022cm-3程度にn型にドープされた多結晶シリコン膜を堆積する。続いて、レジスト膜を塗布した後にリソグラフィ法により、互いに間隔をおいて配置されたソース・ドレイン形成領域と交差する方向に、ワード線を形成するためのレジストパターン(図示せず)を形成する。この後、ドライエッチングにて多結晶シリコン膜の所定領域を開口して、ゲート電極20を形成する。この際に、ゲート電極20は、n型不純物拡散層17上を覆うとともに、n型不純物拡散層17に接続されるように形成する。
【0063】
次に、図9に示すように、例えば真空蒸着法等により、半導体基板11上の全面にコバルト又はニッケル等からなる金属膜を堆積し、その後、熱処理を施すことにより、ゲート電極20の上部に金属シリサイド層21を形成する。金属シリサイド層21を形成する際には、n型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19がシリサイド化されないように予め保護膜を形成する。
【0064】
次に、図10に示すように、例えば高密度プラズマ式化学的気相堆積(HDPCVD)法、常圧化学的気相堆積(APCVD)法又はプラズマ式化学的気相堆積(PECVD)法等により半導体基板11上の全面に酸化シリコンからなる絶縁膜を堆積する。続いて、例えば化学機械研磨(CMP)法又はドライエッチバック法等により、表面を平坦化して層間絶縁膜22を形成する。この後、n型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19を露出する接続孔23a及び24bとゲート電極20を露出する接続孔25aを開口する。接続孔25aがゲート電極20に到達するより先に、接続孔23a及び24aがn型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19に到達するように調整する。図10は、接続孔23a及び24aがそれぞれn型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19に到達した直後を示しており、接続孔25aがまたゲート電極20に到達していない状態を示している。
【0065】
接続孔23a及び24aを、接続孔25aがゲート電極20に到達するよりも先にn型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19に到達させる方法としては、ドライエッチングのマイクロローディング特性を利用すればよい。具体的には、接続孔23a及び24aの開口面積を接続孔25aの開口面積より大きくすればよい。また、別マスクを用いて先に接続孔23a及び24aを開口した後に、接続孔25aを開口してもよい。
【0066】
次に、図11に示すように、例えばタングステン、タングステン化合物、チタン若しくは窒化チタン等のチタン化合物からなる単層膜又はこれらの積層膜からなる導電膜を、各接続孔を埋めるように半導体基板11上の全面に堆積して金属プラグを形成する。この後、導電膜の層間絶縁膜22上に残る部分をCMP法等で除去することにより、コンタクトプラグ23、コンタクトプラグ24及びコンタクトプラグ25を形成する。接続孔23a及び24aの開口面積を接続孔25aの開口面積より大きくした場合には、コンタクトプラグ23及びコンタクトプラグ24の上面の面積は、コンタクトプラグ25の上面の面積よりも大きくなる。
【0067】
図3(b)に示すように、p型不純物拡散層16及びn型不純物拡散層17からなるpn接合領域は接合ダイオードD1及びD0を構成しており、n型不純物拡散層18及びp型不純物拡散層19からなるnp接合領域は接合ダイオードD2を構成している。接合ダイオードD0はゲート電極20と接続されており、基板直結ダイオードとして作用する。
【0068】
ゲート電極20との接続孔25a、接合ダイオードD1との接続孔23a及び接合ダイオードD2との接続孔24aをドライエッチングにより開口する際に、ゲート電極20に蓄積される電荷は、図12に示す等価回路を用いることにより説明することができる。
【0069】
図12に示すように、ドライエッチングを実施している間は、ドライエッチングに使用されるプラズマ源が交流電源として作用し、層間絶縁膜22の残膜がキャパシタとして作用する。つまり、ゲート電極20と接続孔25aとの間の残膜はキャパシタC0となり、接合ダイオードD1と接続孔23aとの間の残膜はキャパシタC1となり、接合ダイオードD2と接続孔24aとの間の残膜はキャパシタC2となる。また、接続孔25aは抵抗R0として作用し、接続孔23aは抵抗R1として作用し、接続孔24aは抵抗R2として作用する。
【0070】
この等価回路に従うと、ドライエッチングを実施している間に、キャパシタC0、キャパシタC1及びキャパシタC2には層間絶縁膜22の材質及び残膜の膜厚に従い容量の変化が発生し、電荷が蓄積される。キャパシタC0はゲート電極20と接続されているため、キャパシタC0に蓄積された電荷はトラップ膜15に捕獲されてしまう。回路シミュレーションによりキャパシタC0に電荷が蓄積されにくくなる場合の条件を求めると、次の式(1)及び(2)に示すようになる。
(C0>C1 and C0>C2)and(R0<R1andR0<R2)・・・(1)
(C1=C2=0)and(R0<R1andR0<R2) ・・・(2)
なお、回路シミュレーションによれば、ゲート電極20に蓄積される電荷量は、保護ダイオードを形成することにより保護ダイオードがない場合の約半分となる。
【0071】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、接続孔25aがゲート電極20に到達するよりも前に、接続孔23a及び24aがn型不純物拡散層17及びp型不純物拡散層19に到達する。このため、接続孔23a及び24aが接合ダイオードD1及びD2に到達するまでは、式(1)の条件を満たすことができる。また、接続孔23a及び24aが接合ダイオードD1及びD2に到達した後、接続孔25aがゲート電極に到達するまでは式(2)の条件を満たすことができる。この結果、接続孔を形成するプラズマエッチング時に発生する電荷は主として保護ダイオードD1及びD2に放出され、ゲート電極20側への電荷蓄積を抑制することが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態においては、ソース・ドレイン領域13を形成するためのマスク膜51に窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンに代えて、酸化シリコン等のシリコン化合物からなる絶縁膜を用いてもよい。また、ソース・ドレイン領域を形成する際には、シリコン化合物からなるマスク膜を用いずに、レジスト材をマスクとして用いても構わない。
【0073】
本実施形態において、電荷の捕獲サイトを有するトラップ膜15として酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンからなる積層膜を用いたが、これに代えて、酸窒化シリコンからなる単層膜、窒化シリコンからなる単層膜又は半導体基板側から順次堆積された、酸化シリコンと窒化シリコン膜との積層膜又は酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸化シリコンを順次堆積した積層膜等を用いてもよい。
【0074】
本実施形態において、トラップ膜15の膜厚を20nmとする例を示したが、トランジスタの特性が最適化されるように、10nm〜30nmの範囲で膜厚を適宜調整してよい。また、埋め込み酸化膜の高さを50nmとしたが、ゲート電極とソース・ドレイン間のリーク電流が最適化されるように、20nm〜100nmの範囲で高さを適宜調整してよい。ソース・ドレイン領域13の幅は100nmとしたが、トランジスタの特性を最適化することによって、30nm〜300nmの範囲で適宜調整してかまわない。
【0075】
本実施形態において、ゲート電極となる多結晶シリコン膜のドライエッチングのマスクとしてレジスト材を用いたが、高度に集積化する過程において、エッチング選択比が必要になることが想定され、その場合は、シリコン酸化膜によるマスクやシリコン窒化膜やそれらとレジスト材との積層マスクとしてもよい。ゲート電極となる多結晶シリコン膜は単層膜を使用しているが、複数の多結晶シリコン膜からなる積層膜からなっていてもよい。ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜は、ドープトポリシリコンとして堆積する例を示したが、不純物がドープされない非ドープの多結晶シリコンを堆積した後に、不純物注入を行ってドープしてもよい。また、ゲート電極を、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、タンタル又はチタン等の融点が600℃以上ある高融点金属、金属化合物若しくは金属シリサイドからなる単層膜又はこれらの積層膜としてもよい。また、ワード線(ゲート電極20)を構成する多結晶シリコン膜を金属によりシリサイド化してもよい。
【0076】
本実施形態においては、ソース・ドレイン領域がn型であるメモリ素子について説明したが、p型のメモリ素子であっても構わない。各ソース・ドレイン領域13を構成するn型不純物拡散層に対して、その側面及び底面を覆うように、n型不純物拡散層の不純物濃度よりも低濃度のp型不純物拡散層が形成されていてもよい。この構成をとることにより、n型不純物拡散層の不純物の拡散に起因する短チャネル効果をp型不純物拡散層によって抑制することができるため、一対のソース・ドレイン領域3の間隔を小さくすることができる。すなわち、ゲート長を短縮することができ、半導体装置をさらに微細化できる。
【0077】
また、本実施形態の半導体装置は、図13に示すように、メモリセル内のみゲート電極20を第1の多結晶シリコン膜20Aと第2の多結晶シリコン膜20Bとが積層された構成としてもよい。この形態とするためには、図5に示した工程の後、図14に示すように窒化シリコン61A及び酸化シリコン61B及び多結晶シリコン61Cからなる積層膜に埋め込み酸化膜を形成する開口を形成する。次に、図15に示すように、窒化シリコン61A及び酸化シリコン61Bを除去する。次に、図16に示すように、ダイオード形成部分において多結晶シリコン61Cを除去する。次に、図17に示すように、多結晶シリコン膜61Cを覆うように多結晶シリコン膜20Bを形成して多結晶シリコン膜20A及び多結晶シリコン膜20Bが積層されたゲート電極20を形成すればよい。この構成をとることにより、ゲート電極となる多結晶シリコン膜の表面の平坦性が改善され、ゲート寸法を精度良く加工することが可能になる。
【0078】
また、図18に示すように、ダイオードD1及びダイオードD2の上にゲート電極20と同じ材料である多結晶シリコン膜を形成する構成としてもよい。この形態とするためには、図8において、ゲート電極20を形成する際に、ダイオードD1及びダイオードD2の上にも電極パターンを形成すればよい。この場合、ダイオードD1及びダイオードD2の上に形成された導電膜20Cの膜厚とゲート電極20の膜厚とは同じとなる。このような構成とすることにより、配線との接続孔形成において、接続孔のアスペクト比を小さくできるため、孔寸法を精度良く加工することが可能になる。
【0079】
また、図19に示すように、層間絶縁膜22がライナー膜22Aと絶縁膜22Bの2層からなる構成としてもよい。この形態とするためには、図9において、半導体基板11上の全面に、まず、ライナー膜22Aを堆積し、その後、絶縁膜22Bを堆積することにより実現可能である。この構成をとることにより、配線との接続孔形成において、下地シリコン膜等の掘れ込みを低減し、精度よく孔の加工することが可能になる。
【0080】
また、本実施形態においては、図13、図18及び図19の構成は重複して実施が可能であり、以下の各構成としてもよい。
(a) メモリセル内ゲート電極2層+ダイオード上ゲート電極
(b) メモリセル内ゲート電極2層+ライナー膜
(c) ダイオード上ゲート電極+ライナー膜
(d) メモリセル内ゲート電極2層+ダイオード上ゲート電極+ライナー膜
保護ダイオードは半導体記憶素子である半導体素子が集積して配置されたアレイの外周に沿って複数配置されていればよい。さらに、図20に示すようにダイオードD1及びダイオードD2をメモリセル領域に隣接してレイアウトすることが好ましい。また、図20ではコンタクトプラグ23及びコンタクトプラグ24の平面形状は、図21(a)に示す長円とした。しかし、コンタクトプラグ25よりも上面の面積が大きければ、どのような形状であっても問題なく実現できる。例えば、(b)に示すような真円、(c)に示すような長楕円、(d)に示すような角が丸まった長方形及び(e)に示すような長円の組み合わせ等としてもよい。
【0081】
ダイオードD1及びダイオードD2を設置する面積を節約するために、図22に示すように、半導体チップの周縁に形成されるシールリング部をp型不純物拡散層(図示せず)とn型不純物拡散層17とが積層されたダイオードD1及びn型不純物拡散層(図示せず)とp型不純物拡散層19とが積層されたダイオードD2として共通化して形成してもよい。この場合には、コンタクトプラグ23及びコンタクトプラグ24の平面形状はリング状になっていてもよい。
【0082】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図23(a)及び(b)は、第2の実施形態に係る半導体装置であり、(a)は断面構成を示し、(b)は回路構成を示している。図23において図3と同一の構成要素には同一の符号を附すことにより説明を省略する。
【0083】
図23に示すように、本実施形態では、コンタクトプラグ23、コンタクトプラグ24及びコンタクトプラグ25を有する層間絶縁膜22の上に、層間絶縁膜27Aと1層目の配線26とが形成されている。1層目の配線26は層間絶縁膜27Aと同じ高さの層に形成されている。コンタクトプラグ25は第1の1層目の配線26Aと接続されており、コンタクトプラグ23及びコンタクトプラグ24は第1の1層目の配線26Aと電気的に絶縁された第2の1層目の配線26Bと接続されている。層間絶縁膜27A及び1層目の配線26の上には、層間絶縁膜27Bが形成されている。層間絶縁膜27Bの上には2層目の配線(図示せず)が形成され、第1の1層目の配線26Bと2層目の配線とはビアプラグ28を介して接続されている。第2の1層目の配線26Bと2層目の配線とはビアプラグ29を介して接続されている。ビアプラグ28は、第1の1層目の配線26A及びコンタクトプラグ25を介してメモリセルのゲート電極20と接続されている。ビアプラグ29は、第2の1層目の配線26B及びコンタクトプラグ23を介してpn接合領域と接続され、第2の1層目の配線26B及びコンタクトプラグ24を介してnp接合領域と接続されている。pn接合領域及びnp接合領域と接続されたビアプラグ29の上面の面積は、メモリセルのゲート電極20と接続されたビアプラグ28の上面の面積よりも大きい。
【0084】
次に、第2の実施形態の半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。本実施形態の製造方法は、1層目の配線26と接続されたコンタクトプラグ23、コンタクトプラグ24及びコンタクトプラグ25を形成するまでは、第1の実施形態と同様である。これらの工程についての繰り返しの説明は省略する。
【0085】
コンタクトプラグ23、コンタクトプラグ24及びコンタクトプラグ25を形成した後、図24に示すように、例えばHDPCVD法、APCVD法又はPECVD法等により、半導体基板11上の全面に酸化シリコンを主成分とする層間絶縁膜27Aを堆積する。
【0086】
次に、図25に示すように、第1の1層目の配線26A及び第2の1層目の配線26Bを形成するための溝部をドライエッチング法により形成し、配線となる金属を例えばメッキ法又は物理的気相堆積(PVD)法等によって埋め込む。この後、ドライエッチバック法又はCMP法により余分な金属を除去し、埋め込み型の第1の1層目の配線26A及び第2の1層目の配線26Bを形成する。1層目の配線26は、シリコン、タングステン、チタン、窒化チタン、アルミニウム、銅、タンタル、ルテニウム、バナジウム若しくはマンガン又はその化合物からなる膜、アルミニウム又はアルミニウム化合物とチタンと窒化チタンとからなる積層膜及び銅又は銅化合物とタンタルと窒化タンタルとからなる積層膜等とすればよい。
【0087】
次に、図26に示すように、例えばHDPCVD法、APCVD法又はPECVD法等により、半導体基板11上の全面に酸化シリコンを主成分とする層間絶縁膜27Bを堆積する。
【0088】
次に、図27に示すように、ゲート電極20へ接続された第1の1層目の配線26Aを露出する接続孔28aと、ダイオードD1及びD2と接続された第2の1層目の配線26Bを露出する接続孔29aとを、層間絶縁膜27Bに形成する。接続孔29aは、接続孔28aが第1の1層目の配線26Aに到達するより先に第2の1層目の配線26Bに到達するように調節する。図27は、接続孔29aが第2の1層目の配線26Bに到達した直後を示しており、接続孔28aがまた第1の1層目の配線26Aに到達していない状態を示している。
【0089】
接続孔28aが第1の1層目の配線26Aに到達するより先に、接続孔29aを第2の1層目の配線26Bに到達させる方法には、ドライエッチングのマイクロローディング特性を利用すればよい。具体的には、接続孔29aの開口面積を接続孔28aの開口面積より大きくすればよい。また、別マスクを用いて先に接続孔29aを開口した後に、接続孔28aを開口してもよい。
【0090】
次に、図28に示すように、例えば タングステン、タングステン化合物、チタン若しくはチタン化合物からなる金属単層膜又は積層膜等の導電膜を、各接続孔を埋めるように半導体基板11上の全面に堆積して金属プラグを形成した後、層間絶縁膜27B上に残る部分をCMP法等により除去して、ビアプラグ28及びビアプラグ29を形成する。接続孔29aの開口面積を接続孔28aの開口面積より大きくした場合には、ビアプラグ29の上面の面積はビアプラグ28の上面の面積よりも大きくなる。
【0091】
図23(b)に示すように、p型不純物拡散層16及びn型不純物拡散層17からなるpn接合領域は接合ダイオードD0及びD1を構成しており、n型不純物拡散層18及びp型不純物拡散層19からなるnp接合領域は接合ダイオードD2を構成している。接合ダイオードD0はゲート電極20と接続されており、基板直結ダイオードとして作用する。
【0092】
メモリセルと接続された第1の1層目の配線26Aを露出する接続孔28a及び接合ダイオードD1及びD2と接続された第2の1層目の配線26Bを露出する接続孔29aをドライエッチングにより開口する際に、ゲート電極20に蓄積される電荷は、図29に示す等価回路を用いることにより説明することができる。
【0093】
図29に示すように、ドライエッチングを実施している間は、ドライエッチングに使用されるプラズマ源が交流電源として作用し、層間絶縁膜27Bの残膜がそれぞれキャパシタとして作用する。第1の1層目の配線26Aと接続孔28aとの間の残膜はキャパシタC0となり、第2の1層目の配線26Bと接続孔29aの間の残膜はキャパシタC1となる。また、接続孔28aは抵抗R0として作用し、接続孔29aは抵抗R1として作用する。
【0094】
この等価回路に従うと、ドライエッチングを実施している間に、キャパシタC0及びC1には層間絶縁膜の材質及び残膜厚に従い容量の変化が発生し、電荷が蓄積される。キャパシタC0は第1の1層目の配線26Aを介してゲート電極20と接続されているため、キャパシタC0に蓄積された電荷がトラップ膜15に捕獲されてしまう。回路シミュレーションによりキャパシタC0に電荷が蓄積されにくくなる場合の条件を求めると、次の式(3)及び(4)に示すようになる。
(C0>C1)and(R0<R1) ・・・(3)
(C1=0)and(R0<R1) ・・・(4)
なお、回路シミュレーションによれば、ゲート電極20に蓄積される電荷量は、保護ダイオードを形成することにより保護ダイオードがない場合の約半分となる。
【0095】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、接続孔28aが第1の1層目の配線26Aに到達するよりも前に、接続孔29aが第2の1層目の配線26Bに到達する。このため、接続孔29aが第1の1層目の配線26Bに到達するまでは、式(3)の条件を満たすことができる。また、接続孔29aが第1の1層目の配線26Bに到達した後、接続孔28aが第1の1層目の配線26Aに到達するまでは式(4)の条件を満たすことができる。この結果、接続孔を形成するプラズマエッチング時に発生する電荷は主として保護ダイオードD1及びD2に放出され、ゲート電極側への電荷蓄積を抑制することが可能となる。
【0096】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の材料変更及び寸法の変更等を行ってかまわない。また、図13、図18及び図19に示すような変形例を適用したり、これらの変形例を組み合わせてもよい。
【0097】
第2の実施形態において、層間絶縁膜27A及び層間絶縁膜27Bをそれぞれ単層膜として説明したが、それぞれライナー膜と絶縁膜の積層膜としてもよい。また、低誘電率膜と金属拡散抑制膜とからなる積層膜を用いてもよい。具体的には、フッ素を含有するシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とからなる積層膜又は炭素を含有するシリコン酸化膜と窒素を含有するシリコン炭化膜と酸素を含有するシリコン炭化膜とからなる積層膜等とすればよい。
【0098】
本実施形態において、図30に示すように、メモリセル内のゲート電極20と接続された第1の1層目の配線26Aが、ダイオードD1及びダイオードD2と同じ働きをするダイオードD3及びダイオードD4と接続された構成としてもよい。このような構成とすれば、等価回路は図31に示すようになるため、1層目の配線26を形成する際のドライエッチングによるトラップ膜15への電荷蓄積を軽減すると共に、接続孔28aを形成する際に、ダイオードD1及びダイオードD2側に流れずに、キャパシタC0に蓄積された余剰電荷が、ゲート電極20側に流れにくくする効果が得られる。
【0099】
図32は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面レイアウトを示している。図32に示すように、メモリセル領域に隣接して、ダイオードD1及びダイオードD2をレイアウトすることが好ましい。また、ダイオードD3及びD4を有する場合には、図33に示すようなレイアウトとすればよい。
【0100】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ダイオードD1及びダイオードD2を設置する面積を節約するために、図34又は図35に示すように半導体チップの周辺に形成されるシールリング部をダイオードD1及びダイオードD2として共通化して形成してもよい。
【0101】
また、ビアプラグ29の平面形状も長円形に限らず、ビアプラグ28よりも上面の面積が大きければ、どのような形状であってもよく、第1の実施形態と同様に真円、長楕円角が丸まった長方形及び長円の組み合わせ等としてもよい。
【0102】
なお、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、上記した各実施形態では、配線が2層である場合について説明したが、これは2層よりも多い配線を設けた半導体記憶装置にも実施できることはいうまでもない。
【0103】
また、各実施形態においてフラッシュメモリと称される不揮発性半導体記憶装置を一例として説明したが、これに限定されるものではなく、電荷蓄積による影響を受ける同様の高度に集積化された半導体記憶装置に対して適用が可能である。例えば、DRAM等の揮発性半導体記憶装置や、MRAM,RRAM,FRAM,PRAM等の不揮発性半導体記憶装置においても同様の構成が適用可能である。また、本発明は、ゲート電極への電荷蓄積による影響を大幅に排除する能力をもつため、同様に高度に集積化された半導体論理回路装置を含む半導体装置全般に適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の半導体装置及びその製造方法は、絶縁破壊に至らない微量の電荷の蓄積を抑制した半導体装置を実現でき、特にトラップ膜に電荷を蓄積する不揮発性半導体記憶素子及びその製造方法等として有用である。
【符号の説明】
【0105】
1 半導体素子
2 保護ダイオード
11 半導体基板
12 素子分離領域
13 ソース・ドレイン領域
14 酸化膜
15 トラップ膜
16 p型不純物拡散層
17 n型不純物拡散層
18 n型不純物拡散層
19 p型不純物拡散層
20 ゲート電極
20A 第1の多結晶シリコン膜
20B 第2の多結晶シリコン膜
20C 導電膜
21 金属シリサイド層
22 層間絶縁膜
22A ライナー膜
22B 絶縁膜
23 コンタクトプラグ
23a 接続孔
24 コンタクトプラグ
24a 接続孔
25 コンタクトプラグ
25a 接続孔
26 1層目の配線
26A 第1の1層目の配線
26B 第2の1層目の配線
27 層間絶縁膜
27A 層間絶縁膜
27B 層間絶縁膜
28 ビアプラグ
28a 接続孔
29 ビアプラグ
29a 接続孔
51 マスク膜
61A 窒化シリコン
61B 酸化シリコン
61C 多結晶シリコン
101 半導体基板
102 素子分離領域
103 ソース・ドレイン領域
104 酸化膜
105 トラップ膜
106 p型不純物拡散層
107 n型不純物拡散層
110 ゲート電極
111 金属シリサイド層
112 層間絶縁膜
113 コンタクトプラグ
115 コンタクトプラグ
116 金属配線
117 層間絶縁膜
118 コンタクトプラグ
118a 接続孔
120 ゲート電極
122 ゲート絶縁膜
123 浮遊電極
124 電極間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上に形成された半導体素子及び保護ダイオードと、
前記半導体基板の上に、前記半導体素子及び保護ダイオードを覆うように形成された第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜に形成され、前記半導体素子と電気的に接続された第1のプラグと、
前記第1の層間絶縁膜に形成され、前記保護ダイオードと電気的に接続された第2のプラグとを備え、
前記第2のプラグの上面の面積は、前記第1のプラグの上面の面積よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の上に形成された半導体素子及び保護ダイオードと、
前記半導体基板の上に、前記半導体素子及び保護ダイオードを覆うように形成された第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜に形成され、前記半導体素子と電気的に接続された第1のプラグと、 前記第1の層間絶縁膜に形成され、前記保護ダイオードと電気的に接続された第2のプラグと、
前記第1の層間絶縁膜の上に形成され、前記第1のプラグと電気的に接続された第1の配線と、前記第2のプラグと電気的に接続された第2の配線と、
前記第1の層間絶縁膜の上に、前記第1の配線及び前記第2の配線を覆うように形成された第2の層間絶縁膜と、
前記第2の層間絶縁膜に形成され、前記第1の配線と電気的に接続された第3のプラグと、
前記第2の層間絶縁膜に形成され、前記第2の配線と電気的に接続された第4のプラグとを備え、
前記第4のプラグの上面の面積は、前記第3のプラグの上面の面積よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記第2のプラグの上面の面積は、前記第1のプラグの上面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第4のプラグの平面形状は、円形又は長円形であることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の配線は、シリコン、タングステン、チタン、窒化チタン、アルミニウム、銅、タンタル、ルテニウム、バナジウム若しくはマンガン又はその化合物からなる膜、アルミニウム又はアルミニウム化合物とチタンと窒化チタンとからなる積層膜及び銅又は銅化合物とタンタルと窒化タンタルとからなる積層膜のうちのいずれかであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2の層間絶縁膜は、低誘電率膜と金属拡散抑制膜とからなる積層膜であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2の層間絶縁膜は、フッ素を含有するシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とからなる積層膜又は炭素を含有するシリコン酸化膜と窒素を含有するシリコン炭化膜と酸素を含有するシリコン炭化膜とからなる積層膜であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2のプラグの平面形状は、円形又は長円形であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記長円形は、短辺に対する長辺の長さの比率が2倍以上の長円形であることを特徴とする請求項4又は8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体素子は、トラップ膜電荷蓄積型の不揮発性半導体記憶素子又は浮遊電極電荷蓄積型の不揮発性半導体記憶素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体素子は、埋め込みビット線構造を有することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記保護ダイオードは、基板直結ダイオードを含み、
前記半導体素子のゲート電極は、前記基板直結ダイオードと接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記保護ダイオードは、正電圧印加に対する第1の保護ダイオードと負電圧印加に対する第2の保護ダイオードとを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記保護ダイオードと前記第2のプラグとの間に形成され、前記半導体素子のゲート電極と同一材料で且つ同一膜厚の導電膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体素子は、複数の半導体記憶素子を含み、
前記保護ダイオードは、前記半導体記憶素子が集積して配置されたアレイの外周に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記半導体素子は、複数の半導体記憶素子を含み、
前記保護ダイオードは、前記半導体記憶素子が集積して配置されたアレイの外周に沿って形成されたシールリングと電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記半導体素子のゲート電極は、金属シリサイド膜とポリシリコン膜との積層膜からなることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1の層間絶縁膜は、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層膜からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1のプラグ及び第2のプラグは、高融点金属を封入した金属プラグからなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項20】
半導体基板上に半導体素子を形成する工程(a)と、
前記半導体基板上に保護ダイオードを形成する工程(b)と、
前記半導体基板上に、前記半導体素子及び前記保護ダイオードを覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記第1の層間絶縁膜に、前記半導体素子に到達する第1の接続孔及び前記保護ダイオードに到達する第2の接続孔を形成する工程(d)と、
前記第1の接続孔及び前記第2の接続孔に導電材料を埋め込む工程(e)とを備え、
前記工程(d)では、前記第1の接続孔が前記半導体素子に到達する前に、前記第2の接続孔が前記保護ダイオードに到達することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
半導体基板上に半導体素子を形成する工程(a)と、
前記半導体基板上に保護ダイオードを形成する工程(b)と、
前記半導体基板上に、前記半導体素子及び前記保護ダイオードを覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記第1の層間絶縁膜に、前記半導体素子に到達する第1の接続孔及び前記保護ダイオードに到達する第2の接続孔を形成する工程(d)と、
前記第1の接続孔及び第2の接続孔に、それぞれ導電材料を埋め込んで第1のプラグ及び第2のプラグを形成する工程(e)と、
前記第1の層間絶縁膜上に、前記第1のプラグと電気的に接続するように第1の配線を形成し、前記第2のプラグと電気的に接続するように第2の配線を形成する工程(f)と、
前記第1の層間絶縁膜上に、前記第1の配線及び前記第2の配線を覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記第2の層間絶縁膜に、前記第1の配線に到達する第3の接続孔及び前記第2の配線に到達する第4の接続孔を形成する工程(h)と、
前記第3の接続孔及び第4の接続孔に、それぞれ導電材料を埋め込んで第3のプラグ及び第4のプラグを形成する工程(i)とを備え、
前記工程(h)では、前記第3の接続孔が前記第1の配線に到達する前に、前記第4の接続孔が前記第2の配線に到達することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記工程(d)では、前記第1の接続孔が前記半導体素子に到達する前に、前記第2の接続孔が前記保護ダイオードに到達することを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記工程(h)では、前記第3の接続孔の形成と、前記第4の接続孔の形成とを別々に実施することを特徴とする請求項21又は22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記工程(h)では、前記第3の接続孔の形成と、前記第4の接続孔の形成とを同時に実施することを特徴とする請求項21又は22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記保護ダイオードは、基板直結ダイオードを含み、
前記工程(a)では、前記半導体素子のゲート電極を、前記基板直結ダイオードと接続するように形成することを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記工程(a)と前記工程(b)とを同時に実施することを特徴とする請求項25に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記工程(b)では、正電圧印加に対する第1の保護ダイオードと負電圧印加に対する第2の保護ダイオードとを形成することを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項28】
前記工程(a)では、前記半導体素子のゲート電極を形成と同時に、前記保護ダイオード上に、前記ゲート電極と同一材料で且つ同一膜厚の導電膜を形成することを特徴とする請求項20〜27のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項29】
前記工程(d)では、第1の接続孔の形成と、前記第2の接続孔の形成とを別々に実施することを特徴とする請求項20〜28のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項30】
前記工程(d)では、前記第1の接続孔の形成と、前記第2の接続孔の形成とを同時に実施することを特徴とする請求項20〜29のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2010−272649(P2010−272649A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122466(P2009−122466)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
2.FRAM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】