説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】トランジスタの耐圧を向上し得る半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】半導体基板10内に形成された第1導電型の第1の不純物領域32、46と、半導体基板内に形成され、第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域34、48と、第2の不純物領域内に形成された第1導電型のソース領域30a、44aと、第1の不純物領域内に形成された第1導電型のドレイン領域30b、44bと、ソース領域とドレイン領域との間における第1の不純物領域内に、第2の不純物領域から離間して埋め込まれた、二酸化シリコンより比誘電率が高い絶縁層14と、ソース領域とドレイン領域との間における第1の不純物領域上、第2の不純物領域上及び絶縁層上に、ゲート絶縁膜22を介して形成されたゲート電極24a、24bとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波パワーIC(Integrated Circuit)、スイッチング電源用IC、車載用IC等に搭載されるトランジスタとして、高い耐圧を得ることができるMOSトランジスタが開発されている。
【0003】
通常のMOSトランジスタと比較して高い耐圧を得ることが可能であるトランジスタとして、例えばLDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−3206号公報
【特許文献2】特開2005−57146号公報
【特許文献3】特開2005−39057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高い耐圧を得ることを目的として提案されているトランジスタでも、必ずしも十分に高い耐圧が得られない場合があった。
【0006】
本発明の目的は、トランジスタの耐圧を向上し得る半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、半導体基板内に形成された第1導電型の第1の不純物領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域と、前記第2の不純物領域内に形成された前記第1導電型のソース領域と、前記第1の不純物領域内に形成された前記第1導電型のドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域内に、前記第2の不純物領域から離間して埋め込まれた、二酸化シリコンより比誘電率が高い絶縁層と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び前記絶縁層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0008】
実施形態の他の観点によれば、ソース領域が形成される予定の領域とドレイン領域が形成される予定の領域との間における第1の不純物領域が形成される予定の領域内の半導体基板に、第2の不純物領域が形成される予定の領域から離間するように、二酸化シリコンより比誘電率が高い絶縁層を埋め込む工程と、前記半導体基板内に、第1導電型の前記第1の不純物領域を形成する工程と、前記半導体基板内に、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域を形成する工程と、前記ソース領域が形成される予定の領域と前記ドレイン領域が形成される予定の領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び前記絶縁層上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、前記第2の不純物領域内に前記第1導電型の前記ソース領域を形成し、前記第1の不純物領域内に前記第1導電型の前記ドレイン領域を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の半導体装置及びその製造方法によれば、ドレイン領域側に設けられた電界緩和用の絶縁層に高誘電率材料が用いられているため、ドレイン領域とゲート電極との間の容量が増加する。このため、ドレイン領域側において空乏層が広がり、電界の集中がより緩和される。従って、より高い耐圧を有するトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】Vd−Id特性についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図3】空乏層が形成される位置についてのシミュレーション結果を示す図である。
【図4】電流分布についてのシミュレーション結果を示す図である。
【図5】インパクトイオン化率についてのシミュレーション結果を示す図である。
【図6】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図7】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図8】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図9】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図10】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図11】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図12】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図13】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図14】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図15】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図16】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図17】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図18】一実施形態の変形例(その1)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図19】一実施形態の変形例(その1)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図20】一実施形態の変形例(その1)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図21】一実施形態の変形例(その1)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図22】一実施形態の変形例(その2)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図23】一実施形態の変形例(その2)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図24】一実施形態の変形例(その2)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図25】一実施形態の変形例(その2)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図26】一実施形態の変形例(その2)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図27】一実施形態の変形例(その3)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図28】一実施形態の変形例(その3)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図29】一実施形態の変形例(その3)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図30】一実施形態の変形例(その3)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図31】一実施形態の変形例(その3)による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[一実施形態]
一実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図17を用いて説明する。
【0012】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図1の紙面左側は、Nチャネル型のLDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタが形成される領域(Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域)2を示している。図1の紙面右側は、Pチャネル型のLDMOSトランジスタが形成される領域(Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域)4を示している。
【0013】
図1に示すように、半導体基板10には、素子領域を確定する素子分離領域(素子分離絶縁層)12が形成されている。半導体基板10としては、例えば(100)面のP型の単結晶シリコン基板が用いられている。素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成されている。素子分離領域12の材料としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。素子分離領域12が埋め込まれている溝13の深さは、例えば350nm程度とする。
【0014】
まず、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2に形成されているNチャネル型のLDMOSトランジスタ38について説明する。
【0015】
Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のソース領域30aとドレイン領域30bとの間における半導体基板10内には、電界緩和用の絶縁層14が埋め込まれている。絶縁層14のソース領域30a側の縁部は、ソース領域30aから離間しており、ゲート電極24aの直下に位置している。絶縁層14のドレイン領域30bの縁部は、ドレイン領域30bに接している。絶縁層14の材料としては、高誘電率材料(high-k材料)が用いられている。高誘電率材料とは、二酸化シリコンより比誘電率の高い材料のことである。ここでは、絶縁層14の材料として、窒化シリコンが用いられている。絶縁層14は、半導体基板10内に形成された溝16内に埋め込まれている。溝16の深さは、例えば350nm程度とする。
【0016】
このような絶縁層14を設けているのは、高電圧が印加されるドレイン領域30b側における電界を緩和し、耐圧を十分に確保するためである。
【0017】
また、絶縁層14の材料として高誘電率材料を用いているのは、空乏層の広がりをより大きくすることにより電界を緩和し、耐圧の向上を図るためである。
【0018】
Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2には、半導体基板10内にN型ウェル(ドリフト領域、不純物領域)18aが形成されている。
【0019】
N型ウェル18a内には、P型のウェル(ボディ領域、不純物領域)20aが形成されている。P型ウェル20aは、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のソース領域30a側に形成されている。P型ウェル20aのドレイン領域30b側の端部は、ゲート電極24aの直下に位置している。P型ウェル20aは、ドレイン領域30b側には形成されていない。
【0020】
N型ウェル18a及びPウェル20aが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜22を介してゲート電極24aが形成されている。ゲート電極24aは、例えばポリシリコン膜により形成されている。ゲート電極24aの高さは、例えば150nm程度とする。ゲート電極24aのドレイン領域30b側の縁部は、絶縁層14上に位置している。ゲート電極24aのソース領域30a側の縁部は、P型ウェル20a上に位置している。
【0021】
ゲート電極24aのソース領域30a側における半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するN型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)26aが形成されている。
【0022】
ゲート電極24aの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜25が形成されている。
【0023】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極24aの一方の側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するN型の高濃度不純物領域28aが形成されている。低濃度不純物領域26aと高濃度不純物領域28aとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース領域(ソース拡散層)30aが形成されている。
【0024】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極24aの他方の側の半導体基板10内には、ドレイン領域(ドレイン拡散層)30bが形成されている。ドレイン領域30bは、絶縁層14に接している。
【0025】
N型ウェル18aの一部であるN型の不純物領域32は、ドレイン領域30bからゲート電極24aの直下に達している。かかるN型の不純物領域32は、ドレイン領域30b側における電界の集中を緩和するためのものである。
【0026】
P型ウェル20aの一部であるP型の不純物領域34は、N型の不純物領域32とソース領域30aとの間に位置している。N型の不純物領域32とP型の不純物領域34との境界は、ゲート電極24aの直下に位置している。
【0027】
P型ウェル20a内には、P型のウェルタップ領域36が形成されている。
【0028】
こうして、ゲート電極24aとソース/ドレイン領域30a、30bとを有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ38が形成されている。Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38は、例えば高耐圧トランジスタとして用いることができる。
【0029】
次に、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4に形成されているPチャネル型のLDMOSトランジスタ52について説明する。
【0030】
Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のソース領域44aとドレイン領域44bとの間における半導体基板10内には、絶縁層14が埋め込まれている。絶縁層14のソース領域44a側の縁部は、ソース領域44aから離間しており、ゲート電極24bの直下に位置している。絶縁層14のドレイン領域44bの縁部は、ドレイン領域44bに接している。
【0031】
Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4には、半導体基板10内にN型ウェル(ボディ領域、不純物領域)18bが形成されている。
【0032】
N型ウェル18b内には、P型のウェル(ドリフト領域、不純物領域)20bが形成されている。P型ウェル20bは、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のドレイン領域44b側に形成されている。P型ウェル20bのソース領域44a側の端部は、ゲート電極24bの直下に位置している。P型ウェル20bは、ソース領域44a側には形成されていない。
【0033】
N型ウェル18b及びPウェル20bが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜22を介してゲート電極24bが形成されている。ゲート電極24bは、例えばポリシリコン膜により形成されている。ゲート電極24bの高さは、例えば150nm程度とする。ゲート電極24bのドレイン領域44b側の縁部は、絶縁層14上に位置している。ゲート電極24bのソース領域44a側の縁部は、N型ウェル18b上に位置している。
【0034】
ゲート電極24bのソース領域44a側における半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するP型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)40aが形成されている。
【0035】
ゲート電極24bの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜25が形成されている。
【0036】
サイドウォール絶縁膜25が形成されたゲート電極24bの一方の側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するP型の高濃度不純物領域42aが形成されている。低濃度不純物領域40aと高濃度不純物領域42aとにより、P型のソース領域(ソース拡散層)44aが形成されている。
【0037】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極24bの他方の側の半導体基板10内には、ドレイン領域(ドレイン拡散層)44bが形成されている。ドレイン領域44bは、絶縁層14に接している。
【0038】
P型ウェル20bの一部であるP型の不純物領域46は、ドレイン領域44bからゲート電極24bの直下に達している。かかるP型の不純物領域46は、ドレイン領域44b側における電界の集中を緩和するためのものである。
【0039】
N型ウェル18bの一部であるN型の不純物領域48は、P型の不純物領域46とソース領域44aとの間に位置している。P型の不純物領域46とN型の不純物領域48との境界は、ゲート電極24bの直下に位置している。
【0040】
N型ウェル18b内には、N型のウェルタップ領域50が形成されている。
【0041】
こうして、ゲート電極24bとソース/ドレイン領域44a、44bとを有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ52が形成されている。Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52は、例えば高耐圧トランジスタとして用いることができる。
【0042】
Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のドレイン領域30b上には、シリサイド膜54が形成されている。ドレイン領域30b上のシリサイド膜54は、ドレイン電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のソース領域30a上及びウェルタップ領域36上には、シリサイド膜54が形成されている。ソース領域30a上のシリサイド膜54は、ソース電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のゲート電極24a上には、シリサイド膜54が形成されている。
【0043】
また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のドレイン領域44b上には、シリサイド膜54が形成されている。ドレイン領域44b上のシリサイド膜54は、ドレイン電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のソース領域44a上及びウェルタップ領域50上には、シリサイド膜54が形成されている。ソース領域44a上のシリサイド膜54は、ソース電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24b上には、シリサイド膜54が形成されている。
【0044】
Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38、及び、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜56が形成されている。シリコン窒化膜56は、層間絶縁膜60にコンタクトホール62を形成する際にエッチングストッパ膜として機能する。シリコン窒化膜56上には、シリコン酸化膜58が形成されている。シリコン窒化膜56とシリコン酸化膜58とにより層間絶縁膜60が形成されている。
【0045】
層間絶縁膜60には、ソース/ドレイン電極54に達するコンタクトホール62がそれぞれ形成されている。また、層間絶縁膜60には、ゲート電極24a、24b上のシリサイド膜54に対するコンタクトホール62が形成されている。
【0046】
コンタクトホール62内には、例えば膜厚5nmのTiN膜のバリアメタル膜64が形成されている。
【0047】
バリアメタル膜64が形成されたコンタクトホール62内には、例えばタングステンの導体プラグ66が埋め込まれている。
【0048】
導体プラグ66が埋め込まれた層間絶縁膜60上には、例えばアルミニウムの配線68が形成されている。
【0049】
こうして本実施形態による半導体装置が形成されている。
【0050】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について図2乃至図5を用いて説明する。
【0051】
図2は、Vd−Id特性についてのシミュレーション結果を示すグラフである。図2における横軸はドレイン電圧Vdを示しており、図2における縦軸はドレイン電流Idを示している。図2におけるVgは、ゲート電圧を示している。図2において実線で示す実施例1は、絶縁層14の材料として窒化シリコンを用いた場合を示している。図2において破線で示す比較例1は、絶縁層14の材料として二酸化シリコンを用いた場合を示している。実施例1,比較例1のいずれにおいても、絶縁層14を埋め込む溝16の深さは350nmとした。
【0052】
実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1では、比較例1に対して、ドレイン電圧Vdを上昇させた際におけるドレイン電流Idの上昇が緩やかになっている。
【0053】
このように、絶縁層14に高誘電率材料を用いた実施例1においては、絶縁層14の材料として二酸化シリコンを用いた比較例1と比較して、ドレイン電圧Vdを上昇させた際におけるドレイン電流Idの上昇が緩やかであることがわかる。
【0054】
ドレイン電圧Vdを上昇させた際におけるドレイン電流Idの上昇が緩やかであるほど、高い耐圧が得られる。
【0055】
これらのことから、絶縁層14の材料として高誘電率材料を用いた本実施形態によれば、絶縁層14の材料として二酸化シリコンを用いた比較例1と比較して、高い耐圧が得られることが分かる。
【0056】
図3は、空乏層が形成される位置についてのシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションを行う際における条件は、以下の通りとした。ゲート電圧Vgは、2.0Vとした。ドレイン電圧Vdは、25Vとした。絶縁層14を埋め込む溝16の深さは、350nmとした。図3(a)は、比較例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が二酸化シリコンである場合を示している。図3(b)は、実施例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が窒化シリコンである場合を示している。図3における点線は、空乏層端を示している。
【0057】
破線の楕円で囲まれた箇所を比較して分かるように、実施例1(図3(b)参照)では、比較例1(図3(a)参照)に対して、空乏層端が絶縁層14から離間している。即ち、実施例1では、比較例1に対して、絶縁層14の近傍領域において空乏層が広がっている。
【0058】
図4は、電流分布についてのシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションを行う際における条件は、以下の通りとした。ゲート電圧Vgは、2.0Vとした。ドレイン電圧Vdは、25Vとした。絶縁層14を埋め込む溝16の深さは、350nmとした。図4(a)は、比較例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が二酸化シリコンである場合を示している。図4(b)は、実施例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が窒化シリコンである場合を示している。図4における点線は、空乏層端を示している。
【0059】
図4から分かるように、実施例1(図4(b)参照)では、比較例1(図4(a)参照)に対して、電流経路が絶縁層14から離間しており、遠回りするように電流が流れる。実施例1において遠回りするように電流が流れるのは、空乏層が広がっているためである。
【0060】
図5は、インパクトイオン化率についてのシミュレーション結果を示す図である。インパクトイオン化とは、電界により加速された電子が結晶格子との衝突により電子、正孔を発生させる現象のことである。シミュレーションを行う際における条件は、以下の通りとした。ゲート電圧Vgは、2.0Vとした。ドレイン電圧Vdは、25Vとした。絶縁層14を埋め込む溝16の深さは、350nmとした。図5(a)は、比較例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が二酸化シリコンである場合を示している。図5(b)は、実施例1の場合、即ち、絶縁層14の材料が窒化シリコンである場合を示している。図5における点線は、空乏層端を示している。
【0061】
実施例1(図5(b)参照)では、比較例1(図5(b)参照)に対して、インパクトイオン化率が極めて高くなる領域が小さくなっている。このことは、実施例1では、比較例1に対して、インパクトイオン化が生じにくいことを示している。実施例1においてインパクトイオン化が生じにくくなるのは、電界集中が緩和されるためである。
【0062】
このように、本実施形態によれば、ドレイン領域30b、44b側に設けられた電界緩和用の絶縁層14に高誘電率材料が用いられているため、ドレイン領域30b、44bとゲート電極34a、34bとの間の容量が大きくなる。このため、本実施形態によれば、ドレイン領域30b、44b側において空乏層が広がり、電界の集中がより緩和される。このため、本実施形態によれば、より高い耐圧を有するLDMOSトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。
【0063】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図6乃至図17を用いて説明する。図6乃至図17は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0064】
まず、半導体基板10の表面を、アンモニア及び過酸化水素水を用いて洗浄する。半導体基板10としては、例えば(100)面のP型の単結晶シリコン基板を用いる。
【0065】
次に、全面に、例えば熱酸化法により、例えば膜厚20nmのシリコン酸化膜70を形成する。
【0066】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmのシリコン窒化膜72を形成する(図6(a)参照)。
【0067】
なお、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との間にポリシリコン膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。
【0068】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜74を形成する。
【0069】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、素子分離領域12の平面形状の開口部76aと絶縁層14の平面形状の開口部76bとをフォトレジスト膜74に形成する(図6(b)参照)。
【0070】
次に、フォトレジスト膜74をマスクとして、シリコン窒化膜72、シリコン酸化膜70及び半導体基板10をエッチングすることにより、素子分離領域12を埋め込むための溝13と絶縁層を埋め込むための溝16とを半導体基板10に形成する。溝13,16の深さは、例えば400nm程度とする。
【0071】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜74を剥離する(図7(b)参照)。
【0072】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば600nm程度のシリコン酸化膜12を形成する。
【0073】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、シリコン窒化膜72の表面が露出するまでシリコン酸化膜12を研磨する。これにより、溝13内に、STI法により、シリコン酸化膜の素子分離領域(素子分離絶縁層)12が埋め込まれる。この際、電界緩和用の絶縁層14を埋め込むための溝16内にも、シリコン酸化膜12が埋め込まれる(図8(b)参照)。
【0074】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜78を形成する。
【0075】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、絶縁層14が形成される領域を露出する開口部80をフォトレジスト膜に形成する(図9(a)参照)。
【0076】
次に、フォトレジスト膜78をマスクとして、溝16内に埋め込まれたシリコン酸化膜12をエッチング除去する(図9(b)参照)。
【0077】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜78を剥離する。
【0078】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚600nmの絶縁層14を形成する(図10(a)参照)。絶縁層14の材料としては、高誘電率材料(high-k材料)を用いる。ここでは、絶縁層14として、例えばシリコン窒化膜を形成する。
【0079】
次に、例えばCMP法により、半導体基板10の表面が露出するまで絶縁層14を研磨する。これにより、溝16内に電界緩和用の絶縁層14が埋め込まれる(図10(b)参照)。
【0080】
なお、シリコン酸化膜70とシリコン窒化膜72との間にポリシリコン膜(図示せず)を形成した場合には、ポリシリコン膜72が露出するまで絶縁層14を研磨し、この後、ポリシリコン膜14及びシリコン酸化膜70をエッチング除去する。
【0081】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜82を形成する。
【0082】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2とPチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4とをそれぞれ露出する開口部84をフォトレジスト膜82に形成する。
【0083】
次に、フォトレジスト膜82をマスクとして、イオン注入法により、半導体基板10内に、N型のドーパント不純物を導入することにより、N型ウェル18a、18bを形成する(図11(a)参照)。ドーパント不純物としては、例えばリン(P)を用いる。N型ウェル18a、18bを形成する際には、例えば2回のイオン注入を行うことによりN型ウェル18a、18bを形成する。1回目のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを2MeVとし、ドーズ量を2×1012cm−2とする。2回目のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを500keVとし、ドーズ量を2×1012cm−2とする。
【0084】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜82を剥離する。
【0085】
なお、ここでは、絶縁層14を形成した後にN型ウェル18a、18bを形成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、絶縁層14を形成するための溝16を形成した後、絶縁層14を形成する工程の前に、N型ウェル18a、18bを形成してもよい。
【0086】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜86を形成する。
【0087】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、P型ウェル20a、20bが形成される領域をそれぞれ開口する開口部88a、88bをフォトレジスト膜86に形成する。
【0088】
次に、フォトレジスト膜86をマスクとして、半導体基板10内に、P型のドーパント不純物を導入することにより、P型ウェル20a、20bを形成する(図11(b)参照)。ドーパント不純物としては、例えばボロン(B)を用いる。P型ウェル20a、20bを形成する際には、例えば3回のイオン注入を行うことによりP型ウェル20a、20bを形成する。1回目のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを400eVとし、ドーズ量を1×1013cm−2とする。2回目のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを150keVとし、ドーズ量を5×1012cm−2とする。3回目のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを15keVとし、ドーズ量を1×1013cm−2とする。
【0089】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜86を剥離する。
【0090】
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10内に導入されたドーパント不純物を活性化する。熱処理温度は、例えば1000℃とする。熱処理時間は、例えば30分とする。熱処理を行う際における雰囲気は、例えば窒素雰囲気とする。
【0091】
次に、例えば熱酸化法により、半導体基板10の表面に、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜22を形成する。
【0092】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚150nmのポリシリコン膜を形成する。
【0093】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚30nmのシリコン窒化膜(図示せず)を形成する。シリコン窒化膜は、ハードマスクとして機能するものである。
【0094】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0095】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、フォトレジスト膜をゲート電極24a、24bの平面形状にパターニングする。
【0096】
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、シリコン窒化膜をパターニングする。
【0097】
次に、シリコン窒化膜をマスクとし、ポリシリコン膜をエッチングすることにより、ポリシリコン膜のゲート電極24a、24bを形成する。Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2内には、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のゲート電極24aが形成される。また、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4内には、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24bが形成される(図12(a)参照)。
【0098】
Nチャネル型LDMOSトランジスタ38のゲート電極24aのドレイン領域30b側の縁部は、絶縁層14上に位置する。Nチャネル型LDMOSトランジスタ38のゲート電極24aのソース領域30a側の縁部は、P型ウェル20a上に位置する。
【0099】
Pチャネル型LDMOSトランジスタ52のゲート電極24bのドレイン領域44b側の縁部は、絶縁層14上に位置する。Pチャネル型LDMOSトランジスタ52のゲート電極24bのソース領域44a側の縁部は、N型ウェル18b上に位置する。
【0100】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜90を形成する。
【0101】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、開口部92a、92bをフォトレジスト膜90に形成する。具体的には、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2のうちのウェルタップ領域36が形成される部分を除く部分を露出する開口部92aを、フォトレジスト膜に形成する。また、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4のうちのウェルタップ領域50が形成される部分を露出する開口部92bを、フォトレジスト膜90に形成する。
【0102】
次に、フォトレジスト膜90をマスクとして、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を、半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えば砒素(As)を用いる。加速エネルギーは、例えば15keV程度とする。ドーズ量は、例えば5×1014cm−2程度とする。こうして、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のゲート電極24aのソース領域30a側にN型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)26aが形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のドレイン領域30b側にN型の低濃度不純物領域26bが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のウェルタップ領域50が形成される領域に、N型の低濃度不純物領域50aが形成される(図12(b)参照)。
【0103】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜90を剥離する。
【0104】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜94に開口部96a、96bを形成する。具体的には、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4のうちのウェルタップ領域50が形成される部分を除く部分を露出する開口部96bを、フォトレジスト膜94に形成する。また、Nチャネル型LDMOSトランジスタ38のウェルタップ領域36が形成される部分を露出する開口部96aを、フォトレジスト膜94に形成する。
【0105】
次に、フォトレジスト膜94をマスクとして、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロン(B)を用いる。加速エネルギーは、例えば5keV程度とする。ドーズ量は、例えば3×1014cm−2程度とする。こうして、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24bのソース領域44a側にN型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)40aが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のドレイン領域44b側にN型の低濃度不純物領域40bが形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のウェルタップ領域36が形成される領域に、P型の低濃度不純物領域36aが形成される(図13(a)参照)。
【0106】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜94を剥離する。
【0107】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmの絶縁膜25を形成する。絶縁膜25としては、例えばシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を形成する。
【0108】
次に、例えばRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法により、絶縁膜25を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極24a、24bの側壁部分に、サイドウォール絶縁膜25が形成される(図13(b)参照)。
【0109】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜98を形成する。
【0110】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜98に開口部100a、100bを形成する。具体的には、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のウェルタップ領域36が形成される部分を除く部分を露出する開口部100aを、フォトレジスト膜98に形成する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のウェルタップ領域50が形成される部分を露出する開口部100bを、フォトレジスト膜98に形成する。
【0111】
次に、フォトレジスト膜98をマスクとして、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速エネルギーは、例えば8keVとする。ドーズ量は、例えば1×1016cm−2とする。こうして、Nチャネル型のLDMOSトランジスタのゲート電極24bの一方の側における半導体基板10内に、N型の高濃度不純物領域28aが形成される。エクステンション領域26aと高濃度不純物領域28aとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース領域30aが形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のゲート電極24aの他方の側における半導体基板10内に、ドレイン領域30bが形成される。また、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域4のN型ウェル18b内に、ウェルタップ領域50が形成される(図14(a)参照)。
【0112】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜98を剥離する。
【0113】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜102を形成する。
【0114】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜102に開口部104a、104bを形成する。具体的には、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のウェルタップ領域36が形成される部分を露出する開口部104aを、フォトレジスト膜102に形成する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ形成領域4のうちのウェルタップ領域50が形成される部分を除く部分を露出する開口部104bを、フォトレジスト膜102に形成する。
【0115】
次に、フォトレジスト膜102をマスクとして、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばBを用いる。加速エネルギーは、例えば5keVとする。ドーズ量は、例えば2×1015cm−2とする。こうして、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24bの一方の側における半導体基板10内に、P型の高濃度不純物領域42aが形成される。エクステンション領域40aと高濃度不純物領域42aとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース領域44aが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24bの他方の側における半導体基板10内に、ドレイン領域44bが形成される。また、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域2のP型ウェル20a内に、ウェルタップ領域36が形成される(図14(b)参照)。
【0116】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜102を剥離する。
【0117】
次に、各部に導入されたドーパント不純物を活性化するための熱処理を行う。熱処理温度は、例えば1025℃程度とする。熱処理時間は、例えば1秒〜3秒程度とする。
【0118】
こうして、ゲート電極24aとソース/ドレイン領域30a、30bとを有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ38が形成される。また、ゲート電極24bとソース/ドレイン領域44a、44bとを有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ52が形成される。
【0119】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚5nm程度のコバルト膜(図示せず)を形成する。
【0120】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚15nmのTiN膜(図示せず)を形成する。
【0121】
次に、熱処理を行うことにより、コバルト膜とゲート電極24a、24bの上部とを反応させるとともに、コバルト膜と半導体基板10の上部とを反応させる。熱処理温度は、例えば550℃とする。熱処理時間は、例えば30秒とする。
【0122】
次に、ウェットエッチングにより、TiN膜と未反応のコバルト膜とをエッチング除去する。エッチング液としては、例えば硫酸と過酸化水素水との混合薬液(SPM液)を用いる。こうして、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のドレイン領域30b上に、シリサイド膜54が形成される。ドレイン領域30b上のシリサイド膜54は、ドレイン電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のソース領域30a上及びウェルタップ領域36上に、シリサイド膜54が形成される。ソース領域30a上のシリサイド膜54は、ソース電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ38のゲート電極24a上に、シリサイド膜54が形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のドレイン領域44b上に、シリサイド膜54が形成される。ドレイン領域44b上のシリサイド膜54は、ドレイン電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のソース領域44a上及びウェルタップ領域50上に、シリサイド膜54が形成される。ソース領域44a上のシリサイド膜54は、ソース電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ52のゲート電極24b上には、シリサイド膜54が形成される(図15(a)参照)。
【0123】
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、シリサイド膜54を更に熱処理する。熱処理温度は、例えば550℃程度とする。熱処理温度は、例えば30秒程度とする。これにより、シリサイド膜54が低抵抗化される。
【0124】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜56を形成する。
【0125】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚600nm程度のシリコン酸化膜58を形成する。シリコン窒化膜56とシリコン酸化膜58とにより層間絶縁膜60が形成される。
【0126】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜60の表面を平坦化する(図15(b)参照)。
【0127】
次に、全面に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト膜106を形成する。
【0128】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜106に開口部108を形成する。開口部は、層間絶縁膜60にコンタクトホール62を形成するためのものである。
【0129】
次に、フォトレジスト膜106をマスクとし、シリコン窒化膜56をエッチングストッパとして、シリコン酸化膜58をエッチングすることにより、シリコン窒化膜56に達するコンタクトホール62を形成する。
【0130】
次に、コンタクトホール62内に露出しているシリコン窒化膜56をエッチングする。これにより、ソース/ドレイン電極54に達するコンタクトホール62が層間絶縁膜60に形成される。また、ゲート電極24a、24b上のシリサイド膜54に達するコンタクトホール62が層間絶縁膜60に形成される(図16(a)参照)。
【0131】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜106を剥離する。
【0132】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚5nmのTiN膜のバリアメタル膜64を形成する。
【0133】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmのタングステン膜66を形成する。
【0134】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜60の表面が露出するまでタングステン膜66及びバリアメタル膜64を研磨する。これにより、コンタクトホール62内に、例えばタングステンの導体プラグ66が埋め込まれる(図16(b)参照)。
【0135】
次に、全面に、例えば膜厚400nmのアルミニウムの導電膜68を形成する。
【0136】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、導電膜68をパターニングする。これにより、導電膜の配線68が形成される。
【0137】
こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
【0138】
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その1)を図18乃至図21を用いて説明する。図18乃至図21は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0139】
まず、半導体基板10の表面を洗浄する工程から、半導体基板10に溝13,16を形成する工程までは、図6(a)乃至図7(b)を用いて上述した一実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する(図18(a)参照)。
【0140】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚600nmの絶縁層14を形成する(図18(b)参照)。絶縁層14の材料としては、高誘電率材料を用いる。ここでは、絶縁層14として、例えばシリコン窒化膜を形成する。
【0141】
次に、例えばCMP法により、シリコン窒化膜72の表面が露出するまで絶縁層14を研磨する。これにより、溝16内に、絶縁層14が埋め込まれる。この際、素子分離領域12を埋め込むための溝13内にも、絶縁層14が埋め込まれる(図8(b)参照)。
【0142】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜110を形成する。
【0143】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、素子分離領域12が形成される領域を露出する開口部112をフォトレジスト膜110に形成する(図19(b)参照)。
【0144】
次に、フォトレジスト膜110をマスクとして、溝13内に埋め込まれた絶縁層14をエッチング除去する(図20(a)参照)。
【0145】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜110を剥離する。
【0146】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば600nm程度のシリコン酸化膜12を形成する(図20(b)参照)。
【0147】
次に、例えばCMP法により、半導体基板10のシリコン窒化膜72の表面が露出するまでシリコン酸化膜12を研磨する。この後、シリコン窒化膜72及びシリコン酸化膜70をエッチング除去する。こうして、溝13内にシリコン酸化膜の素子分離領域12が埋め込まれる(図21参照)。
【0148】
この後の半導体装置の製造方法は、図11(a)乃至図17を用いて上述した一実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0149】
こうして本変形例による半導体装置が製造される。
【0150】
本変形例のように、溝13,16を形成し、溝13,16内に絶縁層14を埋め込んだ後、溝13内の絶縁層14を除去し、この後、溝13内に素子分離領域12を埋め込むようにしてもよい。
【0151】
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その2)を図22乃至図26を用いて説明する。図22乃至図26は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0152】
まず、半導体基板10の表面を洗浄する工程から、シリコン窒化膜72を形成する工程までは、図6(a)を用いて上述した一実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する(図22(a)参照)。
【0153】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜114を形成する。
【0154】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、素子分離領域12が形成される領域を露出する開口部116をフォトレジスト膜114に形成する(図22(b)参照)。
【0155】
次に、フォトレジスト膜114をマスクとして、シリコン窒化膜72、シリコン酸化膜70及び半導体基板10をエッチングすることにより、溝13内を形成する(図23(a)参照)。
【0156】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜114を剥離する。
【0157】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば600nm程度のシリコン酸化膜12を形成する(図23(b)参照)。
【0158】
次に、例えばCMP法により、半導体基板10のシリコン窒化膜72の表面が露出するまでシリコン酸化膜12を研磨する。こうして、溝13内にシリコン酸化膜の素子分離領域12が埋め込まれる(図24(a)参照)。
【0159】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜118を形成する。
【0160】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、絶縁層14が形成される領域を露出する開口部120をフォトレジスト膜118に形成する(図24(b)参照)。
【0161】
次に、フォトレジスト膜118をマスクとして、シリコン窒化膜72、シリコン酸化膜70及び半導体基板10をエッチングすることにより、溝16を形成する(図25(a)参照)。
【0162】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜118を剥離する。
【0163】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚600nmの絶縁層14を形成する(図25(b)参照)。絶縁層14の材料としては、高誘電率材料を用いる。ここでは、絶縁層14として、例えばシリコン窒化膜を形成する。
【0164】
次に、例えばCMP法により、シリコン窒化膜72の表面が露出するまで絶縁層14を研磨する。これにより、溝16内に、絶縁層14が埋め込まれる。(図26参照)。
【0165】
この後の半導体装置の製造方法は、図11(a)乃至図17を用いて上述した一実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0166】
こうして本変形例による半導体装置が製造される。
【0167】
本変形例のように、溝13を形成し、溝13内に素子分離領域12を埋め込んだ後、溝16を形成し、この後、溝16内に絶縁層14を埋め込むようにしてもよい。
【0168】
(変形例(その3))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その3)を図27乃至図31を用いて説明する。図27乃至図31は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0169】
まず、半導体基板10の表面を洗浄する工程から、シリコン窒化膜72を形成する工程までは、図6(a)を用いて上述した一実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する(図27(a)参照)。
【0170】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜122を形成する。
【0171】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、絶縁層14が形成される領域を露出する開口部124をフォトレジスト膜122に形成する(図27(b)参照)。
【0172】
次に、フォトレジスト膜122をマスクとして、シリコン窒化膜72、シリコン酸化膜70及び半導体基板10をエッチングすることにより、溝16内を形成する(図28(a)参照)。
【0173】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜122を剥離する。
【0174】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚600nmの絶縁層14を形成する(図28(b)参照)。絶縁層14の材料としては、高誘電率材料を用いる。ここでは、絶縁層14として、例えばシリコン窒化膜を形成する(図28(b)参照)。
【0175】
次に、例えばCMP法により、シリコン窒化膜72の表面が露出するまで絶縁層14を研磨する。これにより、溝16内に、絶縁層14が埋め込まれる。(図29(a)参照)。
【0176】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜126を形成する。
【0177】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、素子分離領域12が形成される領域を露出する開口部128をフォトレジスト膜126に形成する(図29(b)参照)。
【0178】
次に、フォトレジスト膜126をマスクとして、シリコン窒化膜72、シリコン酸化膜70及び半導体基板10をエッチングすることにより、溝13を形成する(図30(a)参照)。
【0179】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜126を剥離する。
【0180】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば600nm程度のシリコン酸化膜12を形成する(図30(b)参照)。
【0181】
次に、例えばCMP法により、半導体基板10のシリコン窒化膜72の表面が露出するまでシリコン酸化膜12を研磨する。この後、シリコン窒化膜70及びシリコン酸化膜70をエッチング除去する。こうして、溝13内にシリコン酸化膜の素子分離領域12が埋め込まれる(図31参照)。
【0182】
本変形例のように、溝16を形成し、溝16内に絶縁層14を埋め込んだ後、溝13を形成し、この後、溝13内に素子分離領域12を埋め込むようにしてもよい。
【0183】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0184】
例えば、上記実施形態では、絶縁層14の材料として窒化シリコンを用いる場合を例に説明したが、絶縁層14の材料は窒化シリコンに限定されるものではない。二酸化シリコンより比誘電率の高い材料、即ち、高誘電率材料を、絶縁層14の材料として適宜用いることができる。例えば、絶縁層14の材料として、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、又は、酸化タンタル等の高誘電率材料を適宜用いるようにしてもよい。
【0185】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0186】
(付記1)
半導体基板内に形成された第1導電型の第1の不純物領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域と、
前記第2の不純物領域内に形成された前記第1導電型のソース領域と、
前記第1の不純物領域内に形成された前記第1導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域内に、前記第2の不純物領域から離間して埋め込まれた、二酸化シリコンより比誘電率が高い絶縁層と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び前記絶縁層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と
を有することを特徴とする半導体装置。
【0187】
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記半導体基板内に形成され、素子領域を確定する素子分離絶縁層を更に有し、
前記絶縁層の比誘電率は、前記素子分離絶縁層の比誘電率より高い
ことを特徴とする半導体装置。
【0188】
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記絶縁層は、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、又は、酸化タンタルを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【0189】
(付記4)
ソース領域が形成される予定の領域とドレイン領域が形成される予定の領域との間における第1の不純物領域が形成される予定の領域内の半導体基板に、第2の不純物領域が形成される予定の領域から離間するように、二酸化シリコンより比誘電率が高い第1絶縁層を埋め込む工程と、
前記半導体基板内に、第1導電型の前記第1の不純物領域を形成する工程と、
前記半導体基板内に、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域を形成する工程と、
前記ソース領域が形成される予定の領域と前記ドレイン領域が形成される予定の領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び第1絶縁層上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の不純物領域内に前記第1導電型の前記ソース領域を形成し、前記第1の不純物領域内に前記第1導電型の前記ドレイン領域を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0190】
(付記5)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層を埋め込む工程は、素子分離絶縁層を埋め込む予定の領域に第1の溝を形成し、前記第1絶縁層を埋め込む予定の領域に第2の溝を形成する工程と;前記第1の溝内、前記第2の溝内及び前記半導体基板上に第2絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第2絶縁層を研磨により除去することにより、前記第1の溝内に前記第2絶縁層の前記素子分離絶縁層を埋め込むとともに、前記第2の溝内に前記第2絶縁層を埋め込む工程と;前記第2の溝内の前記第2絶縁層を除去する工程と;前記第2の溝内及び前記半導体基板上に前記第1絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第1絶縁層を研磨により除去することにより、前記第2の溝内に前記第1絶縁層を埋め込む工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0191】
(付記6)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層を埋め込む工程は、素子分離絶縁層を埋め込む予定の領域に第1の溝を形成し、前記第1絶縁層を埋め込む予定の領域に第2の溝を形成する工程と;前記第1の溝内、前記第2の溝内及び前記半導体基板上に前記第1絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第1絶縁層を研磨により除去することにより、前記第1の溝内及び前記第2の溝内に前記第1絶縁層を埋め込む工程と;前記第1の溝内の前記第1絶縁層を除去する工程と;前記第1の溝内及び前記半導体基板上に第2絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第2絶縁層を研磨により除去することにより、前記第1の溝内に前記第2絶縁層の前記素子分離絶縁層を埋め込む工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0192】
(付記7)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層を埋め込む工程の前に、素子分離絶縁層を埋め込む予定の領域に第1の溝を形成する工程と;前記第1の溝内及び前記半導体基板上に第2絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第2絶縁層を研磨により除去することにより、前記第1の溝内に前記第2絶縁層の前記素子分離絶縁層を埋め込む工程とを有し、
前記第1絶縁層を埋め込む工程は、前記第1絶縁層を埋め込む予定の領域に第2の溝を形成する工程と;前記第2の溝内及び前記半導体基板上に前記第1絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第1絶縁層を研磨により除去することにより、前記第2の溝内に前記第1絶縁層を埋め込む工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0193】
(付記8)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層を埋め込む工程は、前記第1絶縁層を埋め込む予定の領域に第1の溝を形成する工程と;前記第1の溝内及び前記半導体基板上に前記第1絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第1絶縁層を研磨により除去することにより、前記第1の溝内に前記第1絶縁層を埋め込む工程とを有し、
前記第1絶縁層を埋め込む工程の後、素子分離絶縁層を埋め込む予定の領域に第2の溝を形成する工程と;前記第2の溝内及び前記半導体基板上に第2絶縁層を形成する工程と;前記半導体基板上の前記第2絶縁層を研磨により除去することにより、前記第2の溝内に前記第2絶縁層の前記素子分離絶縁層を埋め込む工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0194】
(付記9)
付記4乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層の比誘電率は、前記第2絶縁層の比誘電率より高い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0195】
(付記10)
付記4乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁層は、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、又は、酸化タンタルを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0196】
2…Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域
4…Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域
10…半導体基板
12…素子分離領域、素子分離絶縁層
13…溝
14…絶縁層
16…溝
18a、18b…N型ウェル
20a、20b…P型ウェル
22…ゲート絶縁膜
24a、24b…ゲート電極
25…サイドウォール絶縁膜
26a、26b…低濃度不純物領域
28a、28b…高濃度不純物領域
30a…ソース領域
30b…ドレイン領域
32…不純物領域
34…不純物領域
36…ウェルタップ領域
38…Nチャネル型のLDMOSトランジスタ
40a、40b…低濃度不純物領域
42a、42b…高濃度不純物領域
44a…ソース領域
44b…ドレイン領域
46…不純物領域
48…不純物領域
50…ウェルタップ領域
52…Pチャネル型のLDMOSトランジスタ
54…シリサイド膜
56…シリコン窒化膜
58…シリコン酸化膜
60…層間絶縁膜
62…コンタクトホール
64…バリアメタル膜
66…導体プラグ
68…配線
70…シリコン酸化膜
72…シリコン窒化膜
74…フォトレジスト膜
76a、76b…開口部
78…フォトレジスト膜
80…開口部
82…フォトレジスト膜
84…開口部
86…フォトレジスト膜
88a、88b…開口部
90…フォトレジスト膜
92a、92b…開口部
94…フォトレジスト膜
96a、96b…開口部
98…フォトレジスト膜
100a、100b…開口部
102…フォトレジスト膜
104a、104b…開口部
106…フォトレジスト膜
108…開口部
110…フォトレジスト膜
112…開口部
114…フォトレジスト膜
116…開口部
118…フォトレジスト膜
120…開口部
122…フォトレジスト膜
124…開口部
126…フォトレジスト膜
128…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板内に形成された第1導電型の第1の不純物領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域と、
前記第2の不純物領域内に形成された前記第1導電型のソース領域と、
前記第1の不純物領域内に形成された前記第1導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域内に、前記第2の不純物領域から離間して埋め込まれた、二酸化シリコンより比誘電率が高い絶縁層と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び前記絶縁層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板内に形成され、素子領域を確定する素子分離絶縁層を更に有し、
前記絶縁層の比誘電率は、前記素子分離絶縁層の比誘電率より高い
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置において、
前記絶縁層は、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、又は、酸化タンタルを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
ソース領域が形成される予定の領域とドレイン領域が形成される予定の領域との間における第1の不純物領域が形成される予定の領域内の半導体基板に、第2の不純物領域が形成される予定の領域から離間するように、二酸化シリコンより比誘電率が高い第1絶縁層を埋め込む工程と、
前記半導体基板内に、第1導電型の前記第1の不純物領域を形成する工程と、
前記半導体基板内に、前記第1の不純物領域に隣接する第2導電型の第2の不純物領域を形成する工程と、
前記ソース領域が形成される予定の領域と前記ドレイン領域が形成される予定の領域との間における前記第1の不純物領域上、前記第2の不純物領域上及び前記第1絶縁層上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
前記第2の不純物領域内に前記第1導電型の前記ソース領域を形成し、前記第1の不純物領域内に前記第1導電型の前記ドレイン領域を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−99541(P2012−99541A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243744(P2010−243744)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】