半導体装置
【課題】半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【解決手段】本発明の例に関わる半導体装置は、ウェハ1内に設けられる第1及び第2半導体チップエリア21,22と、第1及び第2半導体チップエリア21,22内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域51,52と、第1及び第2半導体チップ51,52間に設けられるダイシングエリア3Aと、ダイシングエリア3A内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域35と、第1素子領域51,52とアライメント領域35との間に設けられ、ウェハ1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92を有する凸部形成領域71,72とを具備し、凸部91,92の上端は、ウェハ1表面より高い位置にあり、トランジスタのゲート電極12上端よりも低い位置にある。
【解決手段】本発明の例に関わる半導体装置は、ウェハ1内に設けられる第1及び第2半導体チップエリア21,22と、第1及び第2半導体チップエリア21,22内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域51,52と、第1及び第2半導体チップ51,52間に設けられるダイシングエリア3Aと、ダイシングエリア3A内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域35と、第1素子領域51,52とアライメント領域35との間に設けられ、ウェハ1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92を有する凸部形成領域71,72とを具備し、凸部91,92の上端は、ウェハ1表面より高い位置にあり、トランジスタのゲート電極12上端よりも低い位置にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に係り、特に、半導体チップエリアとダイシングエリアとの境界近傍の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリや半導体集積回路等の半導体装置は、様々な電子機器に搭載されている。
【0003】
通常、同じの半導体装置が1つのウェハ内に複数個形成される。そして、ウェハをダイシングして、独立した半導体チップとして切り出している。このため、半導体装置を形成する領域(以下、半導体チップエリアと呼ぶ)のほかに、ダイシングのために確保される領域(以下、ダイシングエリアと呼ぶ)が、ウェハ内に設けられている。このダイシングエリア内には、製造マスクとウェハとの合わせずれを防止するためのアライメントマークやTEG(Test Element Group)なども配置されている。アライメントマークは、例えば、SiO2から構成され、そのマークとウェハ(例えば、Si)との光の反射の違いによる光信号によって、マスクとウェハとのアライメントを認識している。
【0004】
近年では、半導体装置の高集積化に伴って、メタル配線とメタル配線を覆う層間絶縁膜とからなる複数の配線層を積層させた多層配線技術が採用される。
【0005】
多層配線技術を採用した半導体装置において、(Chemical Mechanical Polish)法を用いて、メタル配線及び層間絶縁膜形成後の表面が平坦される。
CMP法による平坦化処理では、層間絶縁膜が過剰に研削されるディッシングが問題となる。ディッシングが発生した領域は凹部(窪み)となるため、この凹部に配線材料が残存し、配線間ショートの原因となってしまう。これに加えて、多層配線技術においては、上層の配線層は、下層で発生したディッシングの影響を受ける。この場合、上層の配線層には、下層の配線層で発生したディッシングよりも大きな窪みが発生する。それゆえ、配線層の上層になるほど、配線間ショートの発生確率は大きくなる。この結果として、半導体装置の製造歩留まりが低下してしまう。
【0006】
ディッシングの発生は、ウェハに対する配線パターンの被覆率に応じる傾向があるため、ゲート電極などの配線パターンが設けられない領域内で、ディッシングは発生しやすい。このため、半導体チップエリア内や、ダイシングエリア内のアライメントマークを設けない箇所においては、ダミーパターンを配置することで、ディッシングの発生を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、上記のように、光学的な原理でマスクとウェハとのアライメントの調整を行っているため、ダイシングエリア内のアライメントマークを設けた箇所には配線パターンが配置できない。
【0008】
ダイシングエリアを大きくすることで、配線材料の残渣の影響を抑制することも可能であるが、この場合には、半導体チップの微細化が困難になり、1つのウェハに形成できる半導体チップの個数が減少する。
【特許文献1】特開平10−335333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、半導体装置の製造歩留まりが向上する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例に関わる半導体装置は、ウェハと、前記ウェハ内に設けられ、第1及び第2半導体チップエリアと、前記第1及び第2半導体チップ内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域と、前記第1及び第2半導体チップ間に設けられるダイシングエリアと、前記ダイシングエリア内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域と、前記第1素子領域と前記アライメント領域との間に設けられ、前記ウェハ表面に対して垂直方向に突出した凸部を有する凸部形成領域と、を具備し、前記凸部の上端は、前記ウェハ表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを備える。
【0011】
本発明の例に関わる半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板内に設けられ、多層配線構造を有するトランジスタが形成される素子領域と、前記半導体基板の端部と前記素子領域との間の領域内に設けられ、半導体基板表面に対して垂直方向に突出した凸部と、を具備し、前記凸部の上端は、前記半導体基板表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の例によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0014】
1. 実施形態
(1) 基本構成
図1乃至図3を用いて、本発明の実施形態の基本構成について説明する。
【0015】
図1は、ウェハ1の平面図を示している。図2は図1のA−A線に沿う断面を模式的に示し、図3は図1のB−B線に沿う断面を模式的に示している。尚、図1にウェハ1の全体の平面図とウェハ1の一部を抽出した平面図とを図示している。
【0016】
1つのウェハ1(例えば、シリコン基板)には、複数の半導体チップエリア21,22,23,24が設けられる。
【0017】
半導体チップエリア21,22,23,24内には、複数の素子が形成された素子領域51,52,53,54が設けられている。尚、素子領域51,52,53,54内には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)トランジスタやメモリセル又は抵抗素子などの素子や、それらの素子を覆う層間絶縁膜が形成されているが、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
【0018】
ウェハ1内の半導体チップエリア21,22,23,24をそれぞれ独立したチップとするために、ダイシングエリア3A,3Bがx方向又はy方向に隣接する半導体チップエリア21,22,23,24間に設けられる。このダイシングエリア3A,3Bに沿って、ウェハ1が切断され、半導体チップエリア21,22,23,24が例えば、多層配線構造を有する1つの半導体チップとなる。
【0019】
y方向に延びるダイシングエリア3A内には、アライメント領域30が設けられる。アライメント領域30内には、マスク(図示せず)とウェハ1との合わせずれを防ぐためのアライメントマーク35が設けられる。ダイシングエリア3Aのx方向の幅は、例えば、70μmから80μm程度である。x方向に延びるダイシングエリア3Bにおいて、このエリア3Bのy方向の幅は、例えば、ダイシングエリア3Aのx方向の幅と同じ幅を有している。但し、ダイシングエリア3Bのy方向の幅とダイシングエリア3Aのx方向の幅は異なっていてもよい。
尚、ダイシングエリア3A,3B内には、例えば、TEG(Test Element Group)(図示せず)も設けられている。
【0020】
本発明の実施形態においては、ダイシングエリア3A内のアライメント領域30と半導体チップエリア21,22,23,24内の素子領域51,52,53,54との間に、凸部形成領域71,72,73,74が設けられていることを特徴としている。凸部形成領域71,72,73,74は、例えば、半導体チップエリア21,22,23,24内に含まれ、素子領域51,52,53,54の周囲を取り囲んでいる。
【0021】
図2及び図3に示すように、凸部形成領域71,72,73内には、ウェハ1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92,93が設けられている。それゆえ、凸部形成領域71,72,73,74の凸部91,92,93上端は、素子領域51,52,53,54内のウェハ1表面よりも高い位置にある。
例えば、マスクとウェハとの合わせずれは光学的な手法を用いて防止されているため、アライメントマーク35上にはダミーパターンを配置できない。このため、ダイシングエリア3A,3B内において、例えば、アライメント領域30内やTEGを設けた領域のように、ダミーパターンを配置できない領域内の被覆率は低下し、アライメントマーク35上方の層間絶縁膜にディッシングが発生する可能性がある。発生したディッシングは、上層の層間絶縁膜に悪影響を及ぼして、上層の層間絶縁膜にそのディッシングの規模よりも大きな規模の窪みを形成する。この窪みが、ダイシングエリア3A,3B内だけでなく、素子領域51,52,53,54内まで拡大した場合、窪みに配線材料が残存すると、作製される半導体装置の配線間ショートの原因になる。
【0022】
本発明の実施形態においては、ウェハ1内のアライメント領域30と素子領域51,52との間に、凸部91,92を有する凸部形成領域71,72を設ける。これによって、ディッシングがダイシングエリア3A,3B内の層間絶縁膜に発生した場合においても、そのディッシングが、凸部形成領域71,72よりも素子領域51,52側に入り込むのを、抑制できる。
【0023】
また、本発明の実施形態においては、発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくできる。この結果として、ディッシングに起因して上層の層間絶縁膜内に発生する窪みの規模(大きさ)も、小さくできる。
【0024】
このように、素子領域51,52内にまで広がるような大きなディッシング・窪みが発生するのを抑制できるため、半導体装置の配線間ショートを防止できる。
したがって、本発明の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0025】
尚、図1に示すように、ダイシングエリア3Aであっても、2つの半導体チップエリア23,24間のように、アライメントマーク(アライメント領域)が設けられない箇所がある。このように、アライメントマークと隣接しない半導体チップエリア23,24であっても、半導体チップエリア23,24内の素子領域53,54を取り囲むように、凸部形成領域93,94を設けてもよいのは、もちろんである。
【0026】
また、以下では、ダミーパターンを配置できないダイシングエリア3A,3B内の領域として、アライメントマーク35が形成されたアライメント領域30を例に、各実施形態について説明するが、これに限定されない。ダイシングエリア内のダミーパターンが配置できない領域として、例えば、アライメント領域30の代わりに、TEGを設けた領域であっても良いのはもちろんである。
【0027】
(2) 第1の実施形態
(a) 構造
図4及び図5を用いて、本発明の第1の実施形態について、説明する。
【0028】
図4は、図1のC−C線に対応する断面を模式的に示す断面構造図である。図4には、2つの半導体チップエリア21,22の一部と、この2つのエリア21,22の間に設けられているダイシングエリア3Aが、図示されている。
【0029】
ウェハ1内の半導体チップエリア21,22の素子領域51,52は、素子分離絶縁膜20が設けられた素子分離領域と、素子分離領域に取り囲まれたアクティブ領域とから構成されている。
素子領域51,52のアクティブ領域内には、MISトランジスタTrや抵抗素子15などの素子が形成されている。
【0030】
MISトランジスタTrは、ウェハ1内に形成された素子分離絶縁膜20(素子分離領域)によって区画されたアクティブ領域内に配置される。MISトランジスタTrは、ソース/ドレインとしての2つの不純物拡散層13(以下、ソース/ドレイン拡散層と呼ぶ)間のアクティブ領域(チャネル領域)上に、ゲート電極12を有している。ゲート電極12とチャネル領域との間には、ゲート絶縁膜12が介在している。例えば、ゲート電極12上には、マスク層93としての絶縁層が設けられている。但し、これに限定されず、ゲート電極12上に、マスク層93が設けられていない構造であってもよい。
抵抗素子15は、例えば、ウェハ1内に形成された拡散層15から構成される拡散層抵抗素子である。
【0031】
また、素子領域51,52内には、ダミー層19Aが設けられている。このダミー層19Aは、電気的な機能を持たず、例えば、素子分離絶縁膜20上に形成される。このように、ダミー層19をパターンとして素子領域51,52内に設けることによって、素子領域51,52内の被覆率が低下するのを抑制している。
【0032】
尚、図4においては、1つのMISトランジスタTrと1つの抵抗素子15のみを図示しているが、これは説明の簡単化のためであって、半導体チップエリア21,22(素子領域51,52)形成される素子は、これらの素子に限定されるものではない。
【0033】
2つの素子領域51,52間には、ダイシングエリア3Aが設けられている。ダイシングエリア3A内には、アライメントマーク35が形成されたアライメント領域30が、設けられている。アライメントマーク35は、例えば、ウェハ1内に埋め込まれた絶縁膜35から構成される。
【0034】
ウェハ1表面上には、第1層間絶縁膜41が形成される。第1層間絶縁膜41内には、例えば、コンタクトプラグCP1が埋め込まれ、このコンタクトプラグCP1はMISトランジスタTrのソース/ドレイン拡散層13や、抵抗素子15に接続されている。コンタクトプラグCP1は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)といった高融点金属から構成される。
【0035】
第1層間絶縁膜41上には、第2層間絶縁膜42が形成されている。第2層間絶縁膜42内には、第1メタル配線M0が設けられている。第1メタル配線M0は、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)から構成されている。
【0036】
さらに、第1及び第2層間絶縁膜41,42上には、複数の層間絶縁膜43〜46及び複数のメタル配線M1,M2が積層されている。第2メタル配線M1は、第4層間絶縁膜44内に形成され、第3配線層43内に埋め込まれた第1ビアコンタクトV1を経由して、第1メタル配線M0に接続される。第3メタル配線M2は、第6層間絶縁膜46内に形成され、第5層間絶縁膜45内に埋め込まれた第2ビアコンタクトV2を経由して、第2メタル配線M1に接続される。又、第6層間絶縁膜46上には、例えば、保護樹脂膜(図示せず)が形成される。
【0037】
第6層間絶縁膜46は、例えば、パッシベーション膜として機能する。第2及び第3メタル配線M1,M2は例えばAlやCuから構成される。また、第1及び第2ビアコンタクトV1,V2は、例えば、WやMoから構成される。尚、ビアコンタクトV1,V2は、コンタクトホール内に形成されたバリアメタル(例えば、チタン(Ti)/窒化チタン(Ti))を介して、メタル配線M1,M2に接続されてもよいのは、もちろんである。
このように、ウェハ1内に形成される半導体チップエリア21,22には、例えば、多層配線技術が用いられた半導体装置が設けられている。
【0038】
本発明の第1の実施形態においては、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間に、凸部形成領域71,72が設けられている。そして、凸部形成領域71,72内には、ウェハ1表面に対して垂直方向に突起した凸部91,92が形成されていることを特徴としている。凸部91,92は、例えば、ウェハ1から切り出された突起部であり、凸部91,92上端は、例えば、MISトランジスタTrのゲート電極12の上端よりも、下側(半導体基板側)にある。また、凸部形成領域71,72(凸部91,92)は、例えば、図1に示すように、素子領域51,52の周囲を取り囲んでいる。
【0039】
凸部形成領域71,72は、例えば、半導体チップエリア21,22内に含まれる。この場合、ダイシングエリア3Aに沿ってウェハをチップ化すると、半導体チップの構造は凸部91,92が半導体チップの端部に設けられた構造となる。但し、凸部形成領域71,72をダイシングエリア3Aに含め、ウェハのダイシングの際に、凸部91,92を半導体チップから分離してもよい。
【0040】
本実施形態のように、凸部91,92を設けることで、ダイシングエリア3A近傍の被覆率を向上できる。それゆえ、CMP法による平坦化処理を行った場合、ダイシングエリア3A,3B内において、ダミーパターンを配置できないアライメント領域30内の層間絶縁膜41上端に発生するディッシングZの規模を小さくできる。
【0041】
このように、アライメント領域30のようなダミーパターンを配置できない領域近傍に、凸部91,92を設けることによって、最下層の層間絶縁膜41上端に発生するディッシングZの規模を小さくできるので、ディッシングZに起因して上層の層間絶縁膜42〜46に発生する窪みZ’の規模も、小さくできる。この結果として、素子領域51,52内に入り込むような大きな窪みの発生を抑制できる。
【0042】
それゆえ、素子領域51,52内において、ダイシングエリア3A内のディッシングZ部分及びこのディッシングに起因する窪みZ’内に配線材料が残存するのを防止でき、配線材料の残渣による配線間ショート等の配線不良が、形成される半導体装置に発生するのを防止できる。
【0043】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0044】
(b) 製造方法
図4乃至図9を用いて、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、説明する。尚、ここでは、図1のC−C線に対応する断面を用いて、各工程について、説明する。
【0045】
はじめに、図5に示すように、ウェハ1上にレジストが塗布される。フォトリソグラフィー技術を用いて、レジストに所定のパターニングが施され、レジストマスク90が、素子領域51,52とアライメント領域30との間のウェハ1上に形成される。このレジストマスク90をマスクとして、ウェハ1が、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法によって、エッチングされる。
これによって、ウェハ(半導体基板)1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92が、ウェハ1の凸部形成領域71,72内に、形成される。
【0046】
次に、図6に示すように、ダイシングエリア3A内のアライメント領域30内に溝が形成され、この溝内に、絶縁膜から構成されるアライメントマーク35が埋め込まれる。
【0047】
素子領域51,52内においては、素子分離領域内に溝が形成され、形成された溝に、素子分離絶縁膜20が形成される。これによって、素子領域51,52内にアクティブ領域が区画される。そして、素子領域51,52内の所定の領域に、MISトランジスタTrや抵抗素子15、メモリセル(図示せず)などの素子が、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの薄膜堆積技術、フォトリソグラフィー技術やRIE法などを用いて、形成される。
【0048】
例えば、MISトランジスタTrの製造工程は、はじめに、ゲート絶縁膜11が、例えば熱酸化法を用いて、アクティブ領域(ウェハ1)表面に形成される。次に、ゲート絶縁膜11上に、例えばポリシリコン膜がCVD法を用いて、堆積される。さらに、ポリシリコン膜上に、マスク層(例えば、窒化シリコン膜)93が形成される。そして、マスク層93がフォトリソグラフィー技術によってパターニングされ、転写されたパターンに基づいて、ポリシリコン膜がRIE法によって加工される。これによって、所定のパターンのゲート電極12が形成される。そして、形成されたゲート電極12(マスク層93)をマスクに用いて、ソース/ドレイン拡散層13が、イオン注入法を用いてウェハ1内に形成される。
抵抗素子15は、所定のサイズのアクティブ領域内に、例えば、所定のドーズ量のイオン注入によって、拡散層15を形成することで、作製される。
また、ダミー層19Aは、例えば、MISトランジスタTrのゲート電極と同時の工程で、素子分離絶縁膜20上に形成される。
半導体装置を構成する複数の素子がウェハ上に形成された後、第1層間絶縁膜41が、例えば、CVD法を用いて、ウェハ1上に形成される。この際、ゲート電極12、ダミー層19A及び凸部91,92が設けられた領域51,52,71,72内において、これらの領域51,52,71,72上方の層間絶縁膜41上面は、パターンが設けられていない領域(例えば、アライメント領域30)上方の層間絶縁膜41上面よりも、盛り上がる。
【0049】
尚、凸部91,92の上端は、ゲート電極12の上端よりも低い位置にあり、素子領域51,52としてのウェハ(半導体基板)1表面よりも、高い位置にある。
【0050】
続いて、図7に示すように、層間絶縁膜41上面が、ゲート電極12上のマスク層93をストッパとして、CMP法によって、平坦化される。本実施形態のように、凸部91,92が素子領域51,52とアライメント領域30との間の領域71,72内に設けられることによって、アライメント領域30近傍の被覆率は上昇する。
これによって、層間絶縁膜41上面に、規模の大きなディッシングZが発生するのを抑制できる。つまり、アライメント領域30(ダイシングエリア3A,3B)内の層間絶縁膜41にディッシングが発生しても、そのディッシングZが、凸部形成領域71,72をまたがって素子領域51,52内に広がるのを防止できる。
【0051】
尚、CMP法による層間絶縁膜41上面の平坦化の後、ゲート電極12上のマスク層93を除去して、ゲート電極12をシリサイド化させてもよい。
【0052】
そして、図8に示すように、第2層間絶縁膜42が、例えばCVD法を用いて第1層間絶縁膜41上に形成される。第1及び第2層間絶縁膜41,42に対して、フォトリソグラフィー技術を用いて、パターニングが施される。形成されたパターンに基づいて、層間絶縁膜41,42がRIE法によってエッチングされ、コンタクトホール及び配線溝が、層間絶縁膜41,42内の所定の形成位置に形成される。そして、コンタクトプラグCP1及び第1メタル配線M0が、ダマシン法を用いて、形成されたコンタクトホール及び配線溝に埋め込まれる。この第2層間絶縁膜42の上端には、ディッシングZに起因して、窪みZ’が発生する。
【0053】
上記のように、第1層間絶縁膜41に対する平坦化処理工程(図7参照)において、凸部91,92が設けられることによって、アライメント領域30上方の層間絶縁膜41上面に発生するディッシングZの規模は小さくなる。
【0054】
このため、図9に示すように、第2層間絶縁膜42上面が下層のディッシングZに起因して窪んでも、発生した窪みZ’の規模は、素子領域51,52内に入り込むような大きさにならない。
【0055】
この後、図4に示すように、複数のメタル配線M1,M2、ビアコンタクトV1,V2及び層間絶縁膜43〜46が、図8に示す工程とほぼ同様の工程によって、順次形成される。この際、下層の層間絶縁膜41に発生したディッシングZの規模は小さいため、ディッシングの影響を受けて層間絶縁膜43〜46上面に発生する窪みZ’も小さくなり、発生した窪みZ’が素子領域51,52内にまで入り込むことは。それゆえ、層間絶縁膜43〜46を用いている各配線層において、窪みZ’内の配線材料の残渣(図示せず)が素子領域51,52内で悪影響を及ぼすことは無く、配線材料の残渣に起因する配線間ショートの発生を防止できる。
以上の工程によって、ウェハ1内の複数の半導体チップエリア21〜24内の各々に、多層配線構造を有する半導体装置が作製される。
【0056】
本発明の第1の実施形態においては、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間に、凸部形成領域71,72が設けられ、この凸部形成領域71,72内に、ウェハ1表面に対して垂直方向に突起した凸部91,92が形成される。この凸部91,92上端は、ウェハ(半導体基板)1表面よりも高い位置にあり、ゲート電極12上端よりも低い位置にある。
本実施形態のように、ダミーパターンを形成できないアライメント領域30に隣接する領域71,72内に、凸部91,92を配置することによって、アライメント領域30近傍の被覆率の低下を軽減できる。そのため、積層された層間絶縁膜の最下層に形成された第1層間絶縁膜41上面に発生するディッシングZの規模(大きさ)を、小さくできる。
【0057】
このように、最下層の層間絶縁膜41上面のディッシングZを小さくできるので、最下層の層間絶縁膜41よりも上層の層間絶縁膜42〜46で発生するディッシングに起因した窪みZ’の大きさも、小さくできる。このため、ディッシングZ及びディッシングに起因した窪みZ’が、素子領域51,52内に入り込むのを抑制できる。
【0058】
それゆえ、ディッシングに起因して、層間絶縁膜42〜46上面に、ダイシングエリア3A内から素子領域51,52内にまで入り込むような窪みが発生しないので、図8及び図9を用いて説明したように、ディッシングZ内及び窪みZ’内に残存した配線材料が、素子領域51,52内に形成された半導体装置の配線不良(例えば、配線間ショート)を引き起こすことはない。
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0059】
(c) 補足例
本発明の第1の実施形態においては、素子領域51,52とアライメント領域30との間の領域71,72内に、凸部91,92を設けた構造によって、層間絶縁膜41に発生したディッシング及びそれに起因する窪みが、半導体チップエリア(素子領域51,52)内まで拡大するのを抑制する技術について述べた。
【0060】
但し、凸部91,92のx方向の幅、2つの凸部91,92の間隔を、最適化することによって、アライメント領域30上に発生するディッシングを完全に抑制することも可能である。この場合、図10に示すように、素子領域51,52とアライメント領域30上方の層間絶縁膜41上端は平坦になり、上層に形成される層間絶縁膜42〜46にディッシングに起因する窪みも発生しなくなる。
【0061】
この場合においても、本実施形態においては、ディッシングに起因する配線間ショートを防止できる。したがって、本発明の第1の実施形態によれば半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0062】
また、上述の例では、図7に示す層間絶縁膜41上面の平坦化処理後も、マスク層93がトランジスタのゲート電極12上に残存された例を示している。
【0063】
ゲート電極12上のマスク層93も配線パターン(ゲート)の一部としてみなし、ゲート電極12とマスク層93とを1つの積層体とした場合、例えば、図7に示される工程において、その積層体(マスク層/ゲート電極)上端が、凸部形成領域71,72内の凸部91,92上端よりも高い位置にあれば、マスク層93をストッパとして、層間絶縁膜41上面を平坦化できる。それゆえ、凸部91,93上端は、マスク層93とゲート電極12の界面より高い位置、又は、その界面と同じ位置にあってもよい。
【0064】
(3) 第2の実施形態
図11乃至図13を参照して、本発明の第2の実施形態について、説明する。尚、本実施形態においては、第1の実施形態と同じ部材に関しては、第1の実施形態と同じ符号を付し、その説明は必要に応じて行う。
【0065】
(a) 構造
図11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について説明する。図11は、図1のC−C線に対応した断面を模式的に示した断面構造図である。
【0066】
第1の実施形態において、凸部形成領域71,72内に設けられる凸部91,92は、ウェハ1を切り出して形成されている。しかし、凸部91,92は、半導体基板表面に対して垂直方向に突起していればよく、凸部91,92の構成部材は、限定されない。
例えば、図11に示すように、凸部91,92は、絶縁膜14B,93と導電膜19Bとから構成されていてもよい。
【0067】
半導体装置は、例えば、20V〜30Vの電位をしきい値電圧とする高耐圧系MISトランジスタと、高耐圧系MISトランジスタよりも低いしきい値電圧の低耐圧MISトランジスタ(例えば、図4中のトランジスタTr)とを、有している。
【0068】
高耐圧系トランジスタHTrのゲート絶縁膜14Aの膜厚は、十分大きなゲート耐圧を確保するために、低耐圧系トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い。それゆえ、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート絶縁膜14Aは、低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜とは別途の工程で形成される。但し、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート電極12は、低耐圧系MISトランジスタのゲート電極と同じ工程で形成される。
【0069】
凸部91,92を構成している絶縁膜11Bは、例えば、半導体装置を構成する低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成される。また、本実施形態の凸部91,92において、絶縁膜11B上の導電膜19Bは、例えば、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極12と同時に形成される。但し、導電膜19Bは、電気的な機能を有さないダミー層である。以下、導電層19Bのことをダミー層19Bと呼ぶ。また、ダミー層19B上には、マスク層と同時に形成された絶縁層93も配置されている。
【0070】
このように、本実施形態で述べる凸部91,92は、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極とほぼ同じ構造を有している。
【0071】
本実施形態のように、絶縁層14Bと導電層19Bとから構成される凸部91,92であっても、第1の実施形態と同様に、ダミーパターンを配置できないアライメント領域30近傍の被覆率を向上でき、アライメント領域30内で発生するディッシングの規模が大きくなるのを抑制する。そして、本実施形態では、下層の層間絶縁膜41に発生するディッシングが小さくなるので、上層の層間絶縁膜42〜46上面に、素子領域51,52内まで広がるような大きな窪みが形成されるのを防止できる。このように、層間絶縁膜42〜46に発生する窪みに残存した配線材料が、素子領域51,52に入り込むことは無いので、配線材料の残渣による半導体装置の配線間ショートは発生しない。
【0072】
したがって、本発明の第2の実施形態においても、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0073】
(b) 製造方法
以下、図12及び図13を用いて、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程について、説明する。尚、図12及び図13は、図11と同様に図1のC−C線に対応する断面を示した工程図である。
【0074】
はじめに、図12に示すように、素子領域51,52のうち、高耐圧MISトランジスタを形成する領域(以下、高耐圧領域と呼ぶ)内のウェハ1上面がエッチングされ、ウェハ1内に凹部Uが形成される。この際、アライメント領域30及び凸部形成領域71,72は、エッチングされないように、レジスト(図示せず)によって覆われている。続いて、高耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜14が、例えば、熱酸化法やCVD法を用いて形成される。
【0075】
次に、高耐圧領域(凹部)内にレジストマスク95Aが、例えば、フォトリソグラフィー技術を用いて形成される。
【0076】
尚、高耐圧領域内のゲート絶縁膜14上端と、高耐圧領域以外の領域のウェハ1表面がほぼ一致する高さになるように、高耐圧領域内に凹部Uを形成することが好ましい。
【0077】
続いて、図13に示すように、凸部形成領域内71,72及び低耐圧系MISトランジスタなど他の素子を形成する領域の絶縁膜が、例えば、ウェットエッチング又はRIE法などを用いて、除去され、高耐圧領域内にのみ絶縁膜14Aが残存する。
【0078】
この後、第1の実施形態の図6に示す工程と同様の工程で、アライメントマーク35や半導体装置を構成する複数の素子が、アライメント領域30内及び素子領域51,52内にそれぞれ形成される。
【0079】
この工程において、図6に示す低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜の形成と同時に、凸部形成領域71,72内のウェハ1表面上に、絶縁膜11B上が形成される。そして、凸部形成領域71,72内に形成された絶縁膜11B上に、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極の形成と同時に、ダミー層19Bが形成される。尚、凸部91,92を所定の形状に加工するため、ダミー層19B上には、マスク層93が形成されている。また、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート電極14Aは、ダミー層19Bと同じ材料を用いて同時に形成される。
このように、絶縁膜14B,93及びダミー層(導電層)19Bとから構成される凸部91,92が、凸部形成領域71,72内に形成される。尚、本実施形態の凸部91,92は、低耐圧系トランジスタのゲート電極と同時に形成されるため、ゲート電極上端の位置と凸部91,92上端の位置は同じになる。
凸部91,92及び素子が形成された後、層間絶縁膜41がウェハ1上に形成される。
【0080】
この後、図7乃至図9に示す工程、続いて、図4に示す工程と同様の工程を用いて、層間絶縁膜42〜46及び配線層M0〜M2が順次形成され、本実施形態に係る半導体装置が完成する。
【0081】
以上のように、本実施形態において、凸部形成領域71,72内に凸部91,92が形成され、本実施形態の凸部91,92は、絶縁膜14B,93と導電層(ダミー層)19Bとから構成される。
【0082】
本実施形態においても、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間の領域71,72内に、凸部91,92を配置することによって、アライメント領域30近傍の被覆率が向上し、層間絶縁膜41に発生するディッシングの規模を小さくできる。この結果、ディッシングの影響を受けて発生する上層の層間絶縁膜42〜46の窪みに関しても、その規模が小さくできる。つまり、本実施形態では、素子領域51,52に入り込むような大きな窪みは発生せず、窪み内の配線材料の残渣が、素子領域51,52に形成される半導体装置に対して、配線間ショートなどの配線不良を引き起こすこともない。
【0083】
したがって、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置においても、第1の実施形態と同様に、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0084】
尚、本実施形態において、導電層と絶縁層とから構成される凸部91,92について述べたが、これに限定されず、導電層の単層構造となる凸部91,92や、例えば、素子分離絶縁膜20と同時に形成される絶縁膜からなる凸部91,92であっても良いのはもちろんである。
【0085】
2. 変形例
図14乃至図16を用いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。
【0086】
第1及び第2実施形態においては、凸部形成領域71,72を半導体チップエリア21,22内の端部に設け、素子領域51,52の周囲が凸部形成領域71,72によって取り囲まれた構造を有する半導体装置について、説明した。
【0087】
はじめに、図14及び図15を用いて、本発明の実施形態の一変形例について、説明する。図14は、本変形例の構造を示す平面図であり、図15は図14のD−D線に対応する断面を示している。
【0088】
但し、凸部91,92を設けることで、層間絶縁膜に発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくできれば良く、凸部形成領域71,72の配置箇所は、半導体チップエリア21,22の端部に限定されるものではない。
【0089】
例えば、図14及び図15に示すように、半導体チップエリア21,22内に第1素子領域5A1,5A2と第2素子領域5B1,5B2が設けられ、凸部形成領域71,72は、第1素子域5A1,5A2と第2素子領域5B1,5B2との間に設けられていてもよい。図14に示す例において、半導体チップエリア21,22の構造は、凸部形成領域71,72が第1素子領域5A1,5A2の周囲を取り囲み、さらに、第2素子領域5B1,5B2が凸部形成領域71,72の周囲を取り囲む構造となっている。但し、素子領域5A1,5A2,5B1,5B2と凸部形成領域71,72のレイアウトは、図14に示す例に限定されるものではない。
【0090】
図15に示す例において、第1素子領域5A1,5A2内には、MISトランジスタが設けられ、第2素子領域5B1,5B2内には、例えば、ガードリングGRが設けられている。第2素子領域5B1,5B2は、例えば、ガードリングGRのように、メモリセルやその制御素子に比較して重要度の低い部材が形成された領域や、素子として機能しないダミー素子が形成された領域である。但し、第2素子領域は、抵抗素子など半導体装置に対して機能を有する素子が形成された領域であってもよいのはもちろんである。
【0091】
また、図16を用いて、図14及び図15とは異なる変形例について説明する。
凸部形成領域71,72(凸部91,92)は、アライメント領域30のように、ダミーパターンを配置できない領域と素子領域51,52との間に設け、ダミーパターンを配置できない領域近傍の被覆率を向上できればよい。
【0092】
それゆえ、例えば、図16に示すように、凸部形成領域71,72は、アライメント領域30と隣接している素子領域51,52のx方向の一端及び他端にのみ設けられてもよい。
【0093】
この場合、素子領域51,52(半導体チップエリア21,22)のy方向の一端及び他端に、凸部形成領域を設けなくともよくなり、半導体チップエリア21,22のサイズを縮小することができる。
【0094】
以上のように、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、ディッシングの規模(大きさ)を縮小でき、ディッシング及びこれに起因する窪みに残存した配線材料によって、素子領域51,52に形成された半導体装置に配線間ショートが引き起こされるのを防止できる。
【0095】
したがって、本発明の実施形態の変形例の半導体装置によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0096】
3. 適用例
図17乃至図19を用いて、本発明の実施形態の適用例について、説明する。尚、第1及び第2の実施形態と同一部材に関しては、同一符号を付し、説明は省略する。
図19は、本発明の実施形態の適用例である半導体チップの全体構成を示している。図17及び図18は、本発明の実施形態が適用された半導体チップ20のx方向及びy方向に沿う断面構造を、それぞれ模式的に示している。
【0097】
図17乃至図19に示す例において、半導体チップ20はメモリチップであって、素子領域51は、メモリセルアレイ100と、例えば、ロウデコーダやセンスアンプ、制御回路のような周辺回路が形成された周辺回路領域120とから構成されている。
【0098】
メモリセルアレイ100は、例えば、NANDフラッシュメモリの構成となっている。この場合、メモリセルアレイ100内には、複数のNANDセルユニットが設けられ、図17においては、1つのNANDセルユニットを図示している。1つのNANDセルユニットは、電流経路がy方向に直列接続された複数のメモリセルMCと、この直列接続されたメモリセルMCの一端及び他端に設けられた選択トランジスタSTD,STSとから構成される。
【0099】
メモリセルMCは、例えば、フローティングゲート電極16とコントロールゲート電極18とを有するスタックゲート構造のMISトランジスタである。
【0100】
フローティングゲート電極16は、半導体基板(ウェハ)1表面のゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)11A上に配置される。フローティングゲート電極16は、電子(データ)を保持する電荷蓄積層として機能する。
フローティングゲート電極16上には、電極間絶縁膜17を介して、コントロールゲート電極18が配置される。コントロールゲート電極18はx方向に延在し、x方向に隣接する複数のメモリセルMCによって共有される。コントロールゲート電極18はワード線として機能する。
【0101】
例えば、コントロールゲート電極18の上部は、シリサイド化される。シリサイド処理は、形成されたゲート電極18上のマスク層をストッパとして、層間絶縁膜41上面を平坦にした後に、コントロールゲート電極18上のマスク層が剥離されて、実行される。そのため、この場合には、コントロールゲート電極18上には、マスク層が残存しない構造となる。
【0102】
y方向に隣接するメモリセルMCは、ソース/ドレイン拡散層13Aを共有して、その電流経路が直列接続される。
【0103】
尚、メモリセルMCの構造は、スタックゲート構造に限定されず、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造でもよい。
【0104】
選択トランジスタSTD,STSは、メモリセルMCと同時に形成されるため、メモリセルMCとほぼ同じ構造を有している。但し、選択トランジスタSTD,STSのゲート電極12は、フローティングゲート電極16と同時に形成された導電層とコントロールゲート電極18と同時に形成された導電層とが、それらの導電層間に介在する電極間絶縁膜に形成された開口部を経由して接続されている。選択トランジスタSTD,STSのゲート電極12は、セレクトゲート線として機能する。
【0105】
選択トランジスタSTD,STSは、隣接するメモリセルMCと一方のソース/ドレイン拡散層13Aを共有し、その電流経路がメモリセルMCの電流経路に直列接続されている。
【0106】
NANDセルユニット内のソース側選択トランジスタSTSのソース/ドレイン拡散層13Sは、ソース線コンタクトSCを経由して、ソース線SL(第1メタル配線)に接続される。NANDセルユニット内のドレイン側選択トランジスタSTDのソース/ドレイン拡散層13Dは、ビット線コンタクトBC及び第1メタル配線を経由して、ビット線BL(第2メタル配線)に接続される。
【0107】
周辺回路領域120には、高耐圧/低耐圧MISトランジスタHTr,Trが設けられている。これらのMISトランジスタHTr,Trのゲート電極12も、メモリセルMCと同時に形成されるため、選択トランジスタSTD,STSと同じ積層構造を有している。
MISトランジスタHTr,Trのソース/ドレイン拡散層13及びゲート電極12は、コンタクトプラグCP1を経由して、メタル配線M0〜M2に接続される。
【0108】
尚、メモリセルのコントロールゲート電極をシリサイド化させた場合には、選択トランジスタ及びMISトランジスタのゲート電極12上端もシリサイド化される。それゆえ、選択トランジスタ及びMISトランジスタのゲート電極12上端にも、マスク層は残存しない。
【0109】
また、このメモリチップ20に設けられる抵抗素子として、第1及び第2の実施形態で述べた拡散層抵抗素子の代わりに、フローティングゲート電極16と同時に形成される導電層を抵抗体16Rとした抵抗素子を用いてもよい。このような抵抗素子においては、コントロールゲート電極と同時に形成される導電層18Cはコンタクトとして機能し、絶縁膜17に形成された開口部を介して、抵抗体16Rに接続される。抵抗体(抵抗素子)16Rは導電層18C及びコンタクトプラグCP2を経由して、メタル配線M0〜M2に接続される。
【0110】
そして、凸部形成領域71は、素子領域51を取り囲むように、メモリチップ20の端部と素子領域51との間に設けられている。凸部形成領域71内には、凸部91が設けられている。尚、図18及び図19に示すように、本適用例で述べられる凸部91は、半導体基板(ウェハ)1から切り出された突起部であるが、凸部91はメモリセルMCのスタックゲート構造16,18又は低耐圧MISトランジスタTrのゲート構造11,12と同じ構造の導電層と絶縁層からなる積層体でもよい。
【0111】
本適用例において、凸部91上端は、メモリセルMCのスタックゲート電極16,18上端よりも低い位置にある。また、凸部91の上端は、半導体基板1(メモリセル形成領域)表面よりも高い位置にある。尚、図18においては、凸部91の上端は、例えば、高耐圧/低耐圧MISトランジスタHTr,Trを形成する領域を区画する素子分離絶縁膜の上端よりも高い位置にある。
【0112】
第1及び第2の実施形態で述べたように、凸部91を設けることで、半導体装置(メモリチップ)の製造工程において、下層の層間絶縁膜41に発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくでき、ディッシングに起因する上層の層間絶縁膜42〜46の窪みの規模も小さくできる。それゆえ、素子領域51内にまで入り込む大きな窪みが発生することはなく、窪み内に残存する配線材料が、メモリセルアレイ100内及び周辺回路領域120内に形成された素子に悪影響を及ぼすことはない。
【0113】
それゆえ、本実施形態の適用例のように、配線材料の残渣による配線間ショートが発生しないメモリチップ20を提供できる。
【0114】
したがって、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態の適用例のような半導体装置(例えば、メモリチップ)の製造歩留まりを向上できる。
【0115】
尚、本適用例においては、メモリチップとなる半導体チップを例に説明を行ったが、それに限定されず、ロジック回路などの他の半導体集積回路を形成した半導体チップであってもよいのは、もちろんである。また、本発明の実施形態の変形例を適用した半導体チップであっても同様の効果が得られるのはもちろんである。
【0116】
4. その他
本発明の例は、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0117】
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の基本構成を説明するための平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図。
【図4】第1の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図6】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図7】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図8】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図9】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図10】第1の実施形態の補足例を説明するための図。
【図11】第2の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図。
【図12】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図13】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図14】実施形態の変形例を説明するための平面図。
【図15】図14のD−D線に沿う断面を模式的に示す図。
【図16】本発明の実施形態の変形例を説明するための平面図。
【図17】本発明の実施形態の適用例を説明するためのレイアウト図。
【図18】本発明の実施形態の適用例を説明するための断面図。
【図19】本発明の実施形態の適用例を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0119】
1:ウェハ、21〜24:半導体チップエリア、3A,3B:ダイシングエリア、30:アライメント領域、35:アライメントマーク、51,52:素子領域、71,72:凸部形成領域、91〜92:凸部、11,11A,14A:ゲート絶縁膜、12:ゲート電極、13:ソース/ドレイン拡散層、15:拡散層、16:フローティングゲート電極、16R:抵抗層、17:ゲート間絶縁膜、18:コントロールゲート電極(ワード線)、14A,19A,19B:ダミー層、CP:コンタクトプラグ、V1〜V2:ビアコンタクト、20:素子分離絶縁膜、M0〜M2:配線層、41〜42:層間絶縁膜、90,95A:レジストマスク、93:マスク層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に係り、特に、半導体チップエリアとダイシングエリアとの境界近傍の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリや半導体集積回路等の半導体装置は、様々な電子機器に搭載されている。
【0003】
通常、同じの半導体装置が1つのウェハ内に複数個形成される。そして、ウェハをダイシングして、独立した半導体チップとして切り出している。このため、半導体装置を形成する領域(以下、半導体チップエリアと呼ぶ)のほかに、ダイシングのために確保される領域(以下、ダイシングエリアと呼ぶ)が、ウェハ内に設けられている。このダイシングエリア内には、製造マスクとウェハとの合わせずれを防止するためのアライメントマークやTEG(Test Element Group)なども配置されている。アライメントマークは、例えば、SiO2から構成され、そのマークとウェハ(例えば、Si)との光の反射の違いによる光信号によって、マスクとウェハとのアライメントを認識している。
【0004】
近年では、半導体装置の高集積化に伴って、メタル配線とメタル配線を覆う層間絶縁膜とからなる複数の配線層を積層させた多層配線技術が採用される。
【0005】
多層配線技術を採用した半導体装置において、(Chemical Mechanical Polish)法を用いて、メタル配線及び層間絶縁膜形成後の表面が平坦される。
CMP法による平坦化処理では、層間絶縁膜が過剰に研削されるディッシングが問題となる。ディッシングが発生した領域は凹部(窪み)となるため、この凹部に配線材料が残存し、配線間ショートの原因となってしまう。これに加えて、多層配線技術においては、上層の配線層は、下層で発生したディッシングの影響を受ける。この場合、上層の配線層には、下層の配線層で発生したディッシングよりも大きな窪みが発生する。それゆえ、配線層の上層になるほど、配線間ショートの発生確率は大きくなる。この結果として、半導体装置の製造歩留まりが低下してしまう。
【0006】
ディッシングの発生は、ウェハに対する配線パターンの被覆率に応じる傾向があるため、ゲート電極などの配線パターンが設けられない領域内で、ディッシングは発生しやすい。このため、半導体チップエリア内や、ダイシングエリア内のアライメントマークを設けない箇所においては、ダミーパターンを配置することで、ディッシングの発生を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、上記のように、光学的な原理でマスクとウェハとのアライメントの調整を行っているため、ダイシングエリア内のアライメントマークを設けた箇所には配線パターンが配置できない。
【0008】
ダイシングエリアを大きくすることで、配線材料の残渣の影響を抑制することも可能であるが、この場合には、半導体チップの微細化が困難になり、1つのウェハに形成できる半導体チップの個数が減少する。
【特許文献1】特開平10−335333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、半導体装置の製造歩留まりが向上する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例に関わる半導体装置は、ウェハと、前記ウェハ内に設けられ、第1及び第2半導体チップエリアと、前記第1及び第2半導体チップ内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域と、前記第1及び第2半導体チップ間に設けられるダイシングエリアと、前記ダイシングエリア内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域と、前記第1素子領域と前記アライメント領域との間に設けられ、前記ウェハ表面に対して垂直方向に突出した凸部を有する凸部形成領域と、を具備し、前記凸部の上端は、前記ウェハ表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを備える。
【0011】
本発明の例に関わる半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板内に設けられ、多層配線構造を有するトランジスタが形成される素子領域と、前記半導体基板の端部と前記素子領域との間の領域内に設けられ、半導体基板表面に対して垂直方向に突出した凸部と、を具備し、前記凸部の上端は、前記半導体基板表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の例によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0014】
1. 実施形態
(1) 基本構成
図1乃至図3を用いて、本発明の実施形態の基本構成について説明する。
【0015】
図1は、ウェハ1の平面図を示している。図2は図1のA−A線に沿う断面を模式的に示し、図3は図1のB−B線に沿う断面を模式的に示している。尚、図1にウェハ1の全体の平面図とウェハ1の一部を抽出した平面図とを図示している。
【0016】
1つのウェハ1(例えば、シリコン基板)には、複数の半導体チップエリア21,22,23,24が設けられる。
【0017】
半導体チップエリア21,22,23,24内には、複数の素子が形成された素子領域51,52,53,54が設けられている。尚、素子領域51,52,53,54内には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)トランジスタやメモリセル又は抵抗素子などの素子や、それらの素子を覆う層間絶縁膜が形成されているが、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
【0018】
ウェハ1内の半導体チップエリア21,22,23,24をそれぞれ独立したチップとするために、ダイシングエリア3A,3Bがx方向又はy方向に隣接する半導体チップエリア21,22,23,24間に設けられる。このダイシングエリア3A,3Bに沿って、ウェハ1が切断され、半導体チップエリア21,22,23,24が例えば、多層配線構造を有する1つの半導体チップとなる。
【0019】
y方向に延びるダイシングエリア3A内には、アライメント領域30が設けられる。アライメント領域30内には、マスク(図示せず)とウェハ1との合わせずれを防ぐためのアライメントマーク35が設けられる。ダイシングエリア3Aのx方向の幅は、例えば、70μmから80μm程度である。x方向に延びるダイシングエリア3Bにおいて、このエリア3Bのy方向の幅は、例えば、ダイシングエリア3Aのx方向の幅と同じ幅を有している。但し、ダイシングエリア3Bのy方向の幅とダイシングエリア3Aのx方向の幅は異なっていてもよい。
尚、ダイシングエリア3A,3B内には、例えば、TEG(Test Element Group)(図示せず)も設けられている。
【0020】
本発明の実施形態においては、ダイシングエリア3A内のアライメント領域30と半導体チップエリア21,22,23,24内の素子領域51,52,53,54との間に、凸部形成領域71,72,73,74が設けられていることを特徴としている。凸部形成領域71,72,73,74は、例えば、半導体チップエリア21,22,23,24内に含まれ、素子領域51,52,53,54の周囲を取り囲んでいる。
【0021】
図2及び図3に示すように、凸部形成領域71,72,73内には、ウェハ1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92,93が設けられている。それゆえ、凸部形成領域71,72,73,74の凸部91,92,93上端は、素子領域51,52,53,54内のウェハ1表面よりも高い位置にある。
例えば、マスクとウェハとの合わせずれは光学的な手法を用いて防止されているため、アライメントマーク35上にはダミーパターンを配置できない。このため、ダイシングエリア3A,3B内において、例えば、アライメント領域30内やTEGを設けた領域のように、ダミーパターンを配置できない領域内の被覆率は低下し、アライメントマーク35上方の層間絶縁膜にディッシングが発生する可能性がある。発生したディッシングは、上層の層間絶縁膜に悪影響を及ぼして、上層の層間絶縁膜にそのディッシングの規模よりも大きな規模の窪みを形成する。この窪みが、ダイシングエリア3A,3B内だけでなく、素子領域51,52,53,54内まで拡大した場合、窪みに配線材料が残存すると、作製される半導体装置の配線間ショートの原因になる。
【0022】
本発明の実施形態においては、ウェハ1内のアライメント領域30と素子領域51,52との間に、凸部91,92を有する凸部形成領域71,72を設ける。これによって、ディッシングがダイシングエリア3A,3B内の層間絶縁膜に発生した場合においても、そのディッシングが、凸部形成領域71,72よりも素子領域51,52側に入り込むのを、抑制できる。
【0023】
また、本発明の実施形態においては、発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくできる。この結果として、ディッシングに起因して上層の層間絶縁膜内に発生する窪みの規模(大きさ)も、小さくできる。
【0024】
このように、素子領域51,52内にまで広がるような大きなディッシング・窪みが発生するのを抑制できるため、半導体装置の配線間ショートを防止できる。
したがって、本発明の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0025】
尚、図1に示すように、ダイシングエリア3Aであっても、2つの半導体チップエリア23,24間のように、アライメントマーク(アライメント領域)が設けられない箇所がある。このように、アライメントマークと隣接しない半導体チップエリア23,24であっても、半導体チップエリア23,24内の素子領域53,54を取り囲むように、凸部形成領域93,94を設けてもよいのは、もちろんである。
【0026】
また、以下では、ダミーパターンを配置できないダイシングエリア3A,3B内の領域として、アライメントマーク35が形成されたアライメント領域30を例に、各実施形態について説明するが、これに限定されない。ダイシングエリア内のダミーパターンが配置できない領域として、例えば、アライメント領域30の代わりに、TEGを設けた領域であっても良いのはもちろんである。
【0027】
(2) 第1の実施形態
(a) 構造
図4及び図5を用いて、本発明の第1の実施形態について、説明する。
【0028】
図4は、図1のC−C線に対応する断面を模式的に示す断面構造図である。図4には、2つの半導体チップエリア21,22の一部と、この2つのエリア21,22の間に設けられているダイシングエリア3Aが、図示されている。
【0029】
ウェハ1内の半導体チップエリア21,22の素子領域51,52は、素子分離絶縁膜20が設けられた素子分離領域と、素子分離領域に取り囲まれたアクティブ領域とから構成されている。
素子領域51,52のアクティブ領域内には、MISトランジスタTrや抵抗素子15などの素子が形成されている。
【0030】
MISトランジスタTrは、ウェハ1内に形成された素子分離絶縁膜20(素子分離領域)によって区画されたアクティブ領域内に配置される。MISトランジスタTrは、ソース/ドレインとしての2つの不純物拡散層13(以下、ソース/ドレイン拡散層と呼ぶ)間のアクティブ領域(チャネル領域)上に、ゲート電極12を有している。ゲート電極12とチャネル領域との間には、ゲート絶縁膜12が介在している。例えば、ゲート電極12上には、マスク層93としての絶縁層が設けられている。但し、これに限定されず、ゲート電極12上に、マスク層93が設けられていない構造であってもよい。
抵抗素子15は、例えば、ウェハ1内に形成された拡散層15から構成される拡散層抵抗素子である。
【0031】
また、素子領域51,52内には、ダミー層19Aが設けられている。このダミー層19Aは、電気的な機能を持たず、例えば、素子分離絶縁膜20上に形成される。このように、ダミー層19をパターンとして素子領域51,52内に設けることによって、素子領域51,52内の被覆率が低下するのを抑制している。
【0032】
尚、図4においては、1つのMISトランジスタTrと1つの抵抗素子15のみを図示しているが、これは説明の簡単化のためであって、半導体チップエリア21,22(素子領域51,52)形成される素子は、これらの素子に限定されるものではない。
【0033】
2つの素子領域51,52間には、ダイシングエリア3Aが設けられている。ダイシングエリア3A内には、アライメントマーク35が形成されたアライメント領域30が、設けられている。アライメントマーク35は、例えば、ウェハ1内に埋め込まれた絶縁膜35から構成される。
【0034】
ウェハ1表面上には、第1層間絶縁膜41が形成される。第1層間絶縁膜41内には、例えば、コンタクトプラグCP1が埋め込まれ、このコンタクトプラグCP1はMISトランジスタTrのソース/ドレイン拡散層13や、抵抗素子15に接続されている。コンタクトプラグCP1は、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)といった高融点金属から構成される。
【0035】
第1層間絶縁膜41上には、第2層間絶縁膜42が形成されている。第2層間絶縁膜42内には、第1メタル配線M0が設けられている。第1メタル配線M0は、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)から構成されている。
【0036】
さらに、第1及び第2層間絶縁膜41,42上には、複数の層間絶縁膜43〜46及び複数のメタル配線M1,M2が積層されている。第2メタル配線M1は、第4層間絶縁膜44内に形成され、第3配線層43内に埋め込まれた第1ビアコンタクトV1を経由して、第1メタル配線M0に接続される。第3メタル配線M2は、第6層間絶縁膜46内に形成され、第5層間絶縁膜45内に埋め込まれた第2ビアコンタクトV2を経由して、第2メタル配線M1に接続される。又、第6層間絶縁膜46上には、例えば、保護樹脂膜(図示せず)が形成される。
【0037】
第6層間絶縁膜46は、例えば、パッシベーション膜として機能する。第2及び第3メタル配線M1,M2は例えばAlやCuから構成される。また、第1及び第2ビアコンタクトV1,V2は、例えば、WやMoから構成される。尚、ビアコンタクトV1,V2は、コンタクトホール内に形成されたバリアメタル(例えば、チタン(Ti)/窒化チタン(Ti))を介して、メタル配線M1,M2に接続されてもよいのは、もちろんである。
このように、ウェハ1内に形成される半導体チップエリア21,22には、例えば、多層配線技術が用いられた半導体装置が設けられている。
【0038】
本発明の第1の実施形態においては、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間に、凸部形成領域71,72が設けられている。そして、凸部形成領域71,72内には、ウェハ1表面に対して垂直方向に突起した凸部91,92が形成されていることを特徴としている。凸部91,92は、例えば、ウェハ1から切り出された突起部であり、凸部91,92上端は、例えば、MISトランジスタTrのゲート電極12の上端よりも、下側(半導体基板側)にある。また、凸部形成領域71,72(凸部91,92)は、例えば、図1に示すように、素子領域51,52の周囲を取り囲んでいる。
【0039】
凸部形成領域71,72は、例えば、半導体チップエリア21,22内に含まれる。この場合、ダイシングエリア3Aに沿ってウェハをチップ化すると、半導体チップの構造は凸部91,92が半導体チップの端部に設けられた構造となる。但し、凸部形成領域71,72をダイシングエリア3Aに含め、ウェハのダイシングの際に、凸部91,92を半導体チップから分離してもよい。
【0040】
本実施形態のように、凸部91,92を設けることで、ダイシングエリア3A近傍の被覆率を向上できる。それゆえ、CMP法による平坦化処理を行った場合、ダイシングエリア3A,3B内において、ダミーパターンを配置できないアライメント領域30内の層間絶縁膜41上端に発生するディッシングZの規模を小さくできる。
【0041】
このように、アライメント領域30のようなダミーパターンを配置できない領域近傍に、凸部91,92を設けることによって、最下層の層間絶縁膜41上端に発生するディッシングZの規模を小さくできるので、ディッシングZに起因して上層の層間絶縁膜42〜46に発生する窪みZ’の規模も、小さくできる。この結果として、素子領域51,52内に入り込むような大きな窪みの発生を抑制できる。
【0042】
それゆえ、素子領域51,52内において、ダイシングエリア3A内のディッシングZ部分及びこのディッシングに起因する窪みZ’内に配線材料が残存するのを防止でき、配線材料の残渣による配線間ショート等の配線不良が、形成される半導体装置に発生するのを防止できる。
【0043】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0044】
(b) 製造方法
図4乃至図9を用いて、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、説明する。尚、ここでは、図1のC−C線に対応する断面を用いて、各工程について、説明する。
【0045】
はじめに、図5に示すように、ウェハ1上にレジストが塗布される。フォトリソグラフィー技術を用いて、レジストに所定のパターニングが施され、レジストマスク90が、素子領域51,52とアライメント領域30との間のウェハ1上に形成される。このレジストマスク90をマスクとして、ウェハ1が、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法によって、エッチングされる。
これによって、ウェハ(半導体基板)1表面に対して垂直方向に突出した凸部91,92が、ウェハ1の凸部形成領域71,72内に、形成される。
【0046】
次に、図6に示すように、ダイシングエリア3A内のアライメント領域30内に溝が形成され、この溝内に、絶縁膜から構成されるアライメントマーク35が埋め込まれる。
【0047】
素子領域51,52内においては、素子分離領域内に溝が形成され、形成された溝に、素子分離絶縁膜20が形成される。これによって、素子領域51,52内にアクティブ領域が区画される。そして、素子領域51,52内の所定の領域に、MISトランジスタTrや抵抗素子15、メモリセル(図示せず)などの素子が、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの薄膜堆積技術、フォトリソグラフィー技術やRIE法などを用いて、形成される。
【0048】
例えば、MISトランジスタTrの製造工程は、はじめに、ゲート絶縁膜11が、例えば熱酸化法を用いて、アクティブ領域(ウェハ1)表面に形成される。次に、ゲート絶縁膜11上に、例えばポリシリコン膜がCVD法を用いて、堆積される。さらに、ポリシリコン膜上に、マスク層(例えば、窒化シリコン膜)93が形成される。そして、マスク層93がフォトリソグラフィー技術によってパターニングされ、転写されたパターンに基づいて、ポリシリコン膜がRIE法によって加工される。これによって、所定のパターンのゲート電極12が形成される。そして、形成されたゲート電極12(マスク層93)をマスクに用いて、ソース/ドレイン拡散層13が、イオン注入法を用いてウェハ1内に形成される。
抵抗素子15は、所定のサイズのアクティブ領域内に、例えば、所定のドーズ量のイオン注入によって、拡散層15を形成することで、作製される。
また、ダミー層19Aは、例えば、MISトランジスタTrのゲート電極と同時の工程で、素子分離絶縁膜20上に形成される。
半導体装置を構成する複数の素子がウェハ上に形成された後、第1層間絶縁膜41が、例えば、CVD法を用いて、ウェハ1上に形成される。この際、ゲート電極12、ダミー層19A及び凸部91,92が設けられた領域51,52,71,72内において、これらの領域51,52,71,72上方の層間絶縁膜41上面は、パターンが設けられていない領域(例えば、アライメント領域30)上方の層間絶縁膜41上面よりも、盛り上がる。
【0049】
尚、凸部91,92の上端は、ゲート電極12の上端よりも低い位置にあり、素子領域51,52としてのウェハ(半導体基板)1表面よりも、高い位置にある。
【0050】
続いて、図7に示すように、層間絶縁膜41上面が、ゲート電極12上のマスク層93をストッパとして、CMP法によって、平坦化される。本実施形態のように、凸部91,92が素子領域51,52とアライメント領域30との間の領域71,72内に設けられることによって、アライメント領域30近傍の被覆率は上昇する。
これによって、層間絶縁膜41上面に、規模の大きなディッシングZが発生するのを抑制できる。つまり、アライメント領域30(ダイシングエリア3A,3B)内の層間絶縁膜41にディッシングが発生しても、そのディッシングZが、凸部形成領域71,72をまたがって素子領域51,52内に広がるのを防止できる。
【0051】
尚、CMP法による層間絶縁膜41上面の平坦化の後、ゲート電極12上のマスク層93を除去して、ゲート電極12をシリサイド化させてもよい。
【0052】
そして、図8に示すように、第2層間絶縁膜42が、例えばCVD法を用いて第1層間絶縁膜41上に形成される。第1及び第2層間絶縁膜41,42に対して、フォトリソグラフィー技術を用いて、パターニングが施される。形成されたパターンに基づいて、層間絶縁膜41,42がRIE法によってエッチングされ、コンタクトホール及び配線溝が、層間絶縁膜41,42内の所定の形成位置に形成される。そして、コンタクトプラグCP1及び第1メタル配線M0が、ダマシン法を用いて、形成されたコンタクトホール及び配線溝に埋め込まれる。この第2層間絶縁膜42の上端には、ディッシングZに起因して、窪みZ’が発生する。
【0053】
上記のように、第1層間絶縁膜41に対する平坦化処理工程(図7参照)において、凸部91,92が設けられることによって、アライメント領域30上方の層間絶縁膜41上面に発生するディッシングZの規模は小さくなる。
【0054】
このため、図9に示すように、第2層間絶縁膜42上面が下層のディッシングZに起因して窪んでも、発生した窪みZ’の規模は、素子領域51,52内に入り込むような大きさにならない。
【0055】
この後、図4に示すように、複数のメタル配線M1,M2、ビアコンタクトV1,V2及び層間絶縁膜43〜46が、図8に示す工程とほぼ同様の工程によって、順次形成される。この際、下層の層間絶縁膜41に発生したディッシングZの規模は小さいため、ディッシングの影響を受けて層間絶縁膜43〜46上面に発生する窪みZ’も小さくなり、発生した窪みZ’が素子領域51,52内にまで入り込むことは。それゆえ、層間絶縁膜43〜46を用いている各配線層において、窪みZ’内の配線材料の残渣(図示せず)が素子領域51,52内で悪影響を及ぼすことは無く、配線材料の残渣に起因する配線間ショートの発生を防止できる。
以上の工程によって、ウェハ1内の複数の半導体チップエリア21〜24内の各々に、多層配線構造を有する半導体装置が作製される。
【0056】
本発明の第1の実施形態においては、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間に、凸部形成領域71,72が設けられ、この凸部形成領域71,72内に、ウェハ1表面に対して垂直方向に突起した凸部91,92が形成される。この凸部91,92上端は、ウェハ(半導体基板)1表面よりも高い位置にあり、ゲート電極12上端よりも低い位置にある。
本実施形態のように、ダミーパターンを形成できないアライメント領域30に隣接する領域71,72内に、凸部91,92を配置することによって、アライメント領域30近傍の被覆率の低下を軽減できる。そのため、積層された層間絶縁膜の最下層に形成された第1層間絶縁膜41上面に発生するディッシングZの規模(大きさ)を、小さくできる。
【0057】
このように、最下層の層間絶縁膜41上面のディッシングZを小さくできるので、最下層の層間絶縁膜41よりも上層の層間絶縁膜42〜46で発生するディッシングに起因した窪みZ’の大きさも、小さくできる。このため、ディッシングZ及びディッシングに起因した窪みZ’が、素子領域51,52内に入り込むのを抑制できる。
【0058】
それゆえ、ディッシングに起因して、層間絶縁膜42〜46上面に、ダイシングエリア3A内から素子領域51,52内にまで入り込むような窪みが発生しないので、図8及び図9を用いて説明したように、ディッシングZ内及び窪みZ’内に残存した配線材料が、素子領域51,52内に形成された半導体装置の配線不良(例えば、配線間ショート)を引き起こすことはない。
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0059】
(c) 補足例
本発明の第1の実施形態においては、素子領域51,52とアライメント領域30との間の領域71,72内に、凸部91,92を設けた構造によって、層間絶縁膜41に発生したディッシング及びそれに起因する窪みが、半導体チップエリア(素子領域51,52)内まで拡大するのを抑制する技術について述べた。
【0060】
但し、凸部91,92のx方向の幅、2つの凸部91,92の間隔を、最適化することによって、アライメント領域30上に発生するディッシングを完全に抑制することも可能である。この場合、図10に示すように、素子領域51,52とアライメント領域30上方の層間絶縁膜41上端は平坦になり、上層に形成される層間絶縁膜42〜46にディッシングに起因する窪みも発生しなくなる。
【0061】
この場合においても、本実施形態においては、ディッシングに起因する配線間ショートを防止できる。したがって、本発明の第1の実施形態によれば半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0062】
また、上述の例では、図7に示す層間絶縁膜41上面の平坦化処理後も、マスク層93がトランジスタのゲート電極12上に残存された例を示している。
【0063】
ゲート電極12上のマスク層93も配線パターン(ゲート)の一部としてみなし、ゲート電極12とマスク層93とを1つの積層体とした場合、例えば、図7に示される工程において、その積層体(マスク層/ゲート電極)上端が、凸部形成領域71,72内の凸部91,92上端よりも高い位置にあれば、マスク層93をストッパとして、層間絶縁膜41上面を平坦化できる。それゆえ、凸部91,93上端は、マスク層93とゲート電極12の界面より高い位置、又は、その界面と同じ位置にあってもよい。
【0064】
(3) 第2の実施形態
図11乃至図13を参照して、本発明の第2の実施形態について、説明する。尚、本実施形態においては、第1の実施形態と同じ部材に関しては、第1の実施形態と同じ符号を付し、その説明は必要に応じて行う。
【0065】
(a) 構造
図11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について説明する。図11は、図1のC−C線に対応した断面を模式的に示した断面構造図である。
【0066】
第1の実施形態において、凸部形成領域71,72内に設けられる凸部91,92は、ウェハ1を切り出して形成されている。しかし、凸部91,92は、半導体基板表面に対して垂直方向に突起していればよく、凸部91,92の構成部材は、限定されない。
例えば、図11に示すように、凸部91,92は、絶縁膜14B,93と導電膜19Bとから構成されていてもよい。
【0067】
半導体装置は、例えば、20V〜30Vの電位をしきい値電圧とする高耐圧系MISトランジスタと、高耐圧系MISトランジスタよりも低いしきい値電圧の低耐圧MISトランジスタ(例えば、図4中のトランジスタTr)とを、有している。
【0068】
高耐圧系トランジスタHTrのゲート絶縁膜14Aの膜厚は、十分大きなゲート耐圧を確保するために、低耐圧系トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い。それゆえ、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート絶縁膜14Aは、低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜とは別途の工程で形成される。但し、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート電極12は、低耐圧系MISトランジスタのゲート電極と同じ工程で形成される。
【0069】
凸部91,92を構成している絶縁膜11Bは、例えば、半導体装置を構成する低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成される。また、本実施形態の凸部91,92において、絶縁膜11B上の導電膜19Bは、例えば、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極12と同時に形成される。但し、導電膜19Bは、電気的な機能を有さないダミー層である。以下、導電層19Bのことをダミー層19Bと呼ぶ。また、ダミー層19B上には、マスク層と同時に形成された絶縁層93も配置されている。
【0070】
このように、本実施形態で述べる凸部91,92は、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極とほぼ同じ構造を有している。
【0071】
本実施形態のように、絶縁層14Bと導電層19Bとから構成される凸部91,92であっても、第1の実施形態と同様に、ダミーパターンを配置できないアライメント領域30近傍の被覆率を向上でき、アライメント領域30内で発生するディッシングの規模が大きくなるのを抑制する。そして、本実施形態では、下層の層間絶縁膜41に発生するディッシングが小さくなるので、上層の層間絶縁膜42〜46上面に、素子領域51,52内まで広がるような大きな窪みが形成されるのを防止できる。このように、層間絶縁膜42〜46に発生する窪みに残存した配線材料が、素子領域51,52に入り込むことは無いので、配線材料の残渣による半導体装置の配線間ショートは発生しない。
【0072】
したがって、本発明の第2の実施形態においても、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0073】
(b) 製造方法
以下、図12及び図13を用いて、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程について、説明する。尚、図12及び図13は、図11と同様に図1のC−C線に対応する断面を示した工程図である。
【0074】
はじめに、図12に示すように、素子領域51,52のうち、高耐圧MISトランジスタを形成する領域(以下、高耐圧領域と呼ぶ)内のウェハ1上面がエッチングされ、ウェハ1内に凹部Uが形成される。この際、アライメント領域30及び凸部形成領域71,72は、エッチングされないように、レジスト(図示せず)によって覆われている。続いて、高耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜14が、例えば、熱酸化法やCVD法を用いて形成される。
【0075】
次に、高耐圧領域(凹部)内にレジストマスク95Aが、例えば、フォトリソグラフィー技術を用いて形成される。
【0076】
尚、高耐圧領域内のゲート絶縁膜14上端と、高耐圧領域以外の領域のウェハ1表面がほぼ一致する高さになるように、高耐圧領域内に凹部Uを形成することが好ましい。
【0077】
続いて、図13に示すように、凸部形成領域内71,72及び低耐圧系MISトランジスタなど他の素子を形成する領域の絶縁膜が、例えば、ウェットエッチング又はRIE法などを用いて、除去され、高耐圧領域内にのみ絶縁膜14Aが残存する。
【0078】
この後、第1の実施形態の図6に示す工程と同様の工程で、アライメントマーク35や半導体装置を構成する複数の素子が、アライメント領域30内及び素子領域51,52内にそれぞれ形成される。
【0079】
この工程において、図6に示す低耐圧系MISトランジスタのゲート絶縁膜の形成と同時に、凸部形成領域71,72内のウェハ1表面上に、絶縁膜11B上が形成される。そして、凸部形成領域71,72内に形成された絶縁膜11B上に、低耐圧系MISトランジスタTrのゲート電極の形成と同時に、ダミー層19Bが形成される。尚、凸部91,92を所定の形状に加工するため、ダミー層19B上には、マスク層93が形成されている。また、高耐圧系MISトランジスタHTrのゲート電極14Aは、ダミー層19Bと同じ材料を用いて同時に形成される。
このように、絶縁膜14B,93及びダミー層(導電層)19Bとから構成される凸部91,92が、凸部形成領域71,72内に形成される。尚、本実施形態の凸部91,92は、低耐圧系トランジスタのゲート電極と同時に形成されるため、ゲート電極上端の位置と凸部91,92上端の位置は同じになる。
凸部91,92及び素子が形成された後、層間絶縁膜41がウェハ1上に形成される。
【0080】
この後、図7乃至図9に示す工程、続いて、図4に示す工程と同様の工程を用いて、層間絶縁膜42〜46及び配線層M0〜M2が順次形成され、本実施形態に係る半導体装置が完成する。
【0081】
以上のように、本実施形態において、凸部形成領域71,72内に凸部91,92が形成され、本実施形態の凸部91,92は、絶縁膜14B,93と導電層(ダミー層)19Bとから構成される。
【0082】
本実施形態においても、半導体チップエリア21,22内の素子領域51,52とダイシングエリア3A内のアライメント領域30との間の領域71,72内に、凸部91,92を配置することによって、アライメント領域30近傍の被覆率が向上し、層間絶縁膜41に発生するディッシングの規模を小さくできる。この結果、ディッシングの影響を受けて発生する上層の層間絶縁膜42〜46の窪みに関しても、その規模が小さくできる。つまり、本実施形態では、素子領域51,52に入り込むような大きな窪みは発生せず、窪み内の配線材料の残渣が、素子領域51,52に形成される半導体装置に対して、配線間ショートなどの配線不良を引き起こすこともない。
【0083】
したがって、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置においても、第1の実施形態と同様に、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0084】
尚、本実施形態において、導電層と絶縁層とから構成される凸部91,92について述べたが、これに限定されず、導電層の単層構造となる凸部91,92や、例えば、素子分離絶縁膜20と同時に形成される絶縁膜からなる凸部91,92であっても良いのはもちろんである。
【0085】
2. 変形例
図14乃至図16を用いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。
【0086】
第1及び第2実施形態においては、凸部形成領域71,72を半導体チップエリア21,22内の端部に設け、素子領域51,52の周囲が凸部形成領域71,72によって取り囲まれた構造を有する半導体装置について、説明した。
【0087】
はじめに、図14及び図15を用いて、本発明の実施形態の一変形例について、説明する。図14は、本変形例の構造を示す平面図であり、図15は図14のD−D線に対応する断面を示している。
【0088】
但し、凸部91,92を設けることで、層間絶縁膜に発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくできれば良く、凸部形成領域71,72の配置箇所は、半導体チップエリア21,22の端部に限定されるものではない。
【0089】
例えば、図14及び図15に示すように、半導体チップエリア21,22内に第1素子領域5A1,5A2と第2素子領域5B1,5B2が設けられ、凸部形成領域71,72は、第1素子域5A1,5A2と第2素子領域5B1,5B2との間に設けられていてもよい。図14に示す例において、半導体チップエリア21,22の構造は、凸部形成領域71,72が第1素子領域5A1,5A2の周囲を取り囲み、さらに、第2素子領域5B1,5B2が凸部形成領域71,72の周囲を取り囲む構造となっている。但し、素子領域5A1,5A2,5B1,5B2と凸部形成領域71,72のレイアウトは、図14に示す例に限定されるものではない。
【0090】
図15に示す例において、第1素子領域5A1,5A2内には、MISトランジスタが設けられ、第2素子領域5B1,5B2内には、例えば、ガードリングGRが設けられている。第2素子領域5B1,5B2は、例えば、ガードリングGRのように、メモリセルやその制御素子に比較して重要度の低い部材が形成された領域や、素子として機能しないダミー素子が形成された領域である。但し、第2素子領域は、抵抗素子など半導体装置に対して機能を有する素子が形成された領域であってもよいのはもちろんである。
【0091】
また、図16を用いて、図14及び図15とは異なる変形例について説明する。
凸部形成領域71,72(凸部91,92)は、アライメント領域30のように、ダミーパターンを配置できない領域と素子領域51,52との間に設け、ダミーパターンを配置できない領域近傍の被覆率を向上できればよい。
【0092】
それゆえ、例えば、図16に示すように、凸部形成領域71,72は、アライメント領域30と隣接している素子領域51,52のx方向の一端及び他端にのみ設けられてもよい。
【0093】
この場合、素子領域51,52(半導体チップエリア21,22)のy方向の一端及び他端に、凸部形成領域を設けなくともよくなり、半導体チップエリア21,22のサイズを縮小することができる。
【0094】
以上のように、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、ディッシングの規模(大きさ)を縮小でき、ディッシング及びこれに起因する窪みに残存した配線材料によって、素子領域51,52に形成された半導体装置に配線間ショートが引き起こされるのを防止できる。
【0095】
したがって、本発明の実施形態の変形例の半導体装置によれば、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0096】
3. 適用例
図17乃至図19を用いて、本発明の実施形態の適用例について、説明する。尚、第1及び第2の実施形態と同一部材に関しては、同一符号を付し、説明は省略する。
図19は、本発明の実施形態の適用例である半導体チップの全体構成を示している。図17及び図18は、本発明の実施形態が適用された半導体チップ20のx方向及びy方向に沿う断面構造を、それぞれ模式的に示している。
【0097】
図17乃至図19に示す例において、半導体チップ20はメモリチップであって、素子領域51は、メモリセルアレイ100と、例えば、ロウデコーダやセンスアンプ、制御回路のような周辺回路が形成された周辺回路領域120とから構成されている。
【0098】
メモリセルアレイ100は、例えば、NANDフラッシュメモリの構成となっている。この場合、メモリセルアレイ100内には、複数のNANDセルユニットが設けられ、図17においては、1つのNANDセルユニットを図示している。1つのNANDセルユニットは、電流経路がy方向に直列接続された複数のメモリセルMCと、この直列接続されたメモリセルMCの一端及び他端に設けられた選択トランジスタSTD,STSとから構成される。
【0099】
メモリセルMCは、例えば、フローティングゲート電極16とコントロールゲート電極18とを有するスタックゲート構造のMISトランジスタである。
【0100】
フローティングゲート電極16は、半導体基板(ウェハ)1表面のゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)11A上に配置される。フローティングゲート電極16は、電子(データ)を保持する電荷蓄積層として機能する。
フローティングゲート電極16上には、電極間絶縁膜17を介して、コントロールゲート電極18が配置される。コントロールゲート電極18はx方向に延在し、x方向に隣接する複数のメモリセルMCによって共有される。コントロールゲート電極18はワード線として機能する。
【0101】
例えば、コントロールゲート電極18の上部は、シリサイド化される。シリサイド処理は、形成されたゲート電極18上のマスク層をストッパとして、層間絶縁膜41上面を平坦にした後に、コントロールゲート電極18上のマスク層が剥離されて、実行される。そのため、この場合には、コントロールゲート電極18上には、マスク層が残存しない構造となる。
【0102】
y方向に隣接するメモリセルMCは、ソース/ドレイン拡散層13Aを共有して、その電流経路が直列接続される。
【0103】
尚、メモリセルMCの構造は、スタックゲート構造に限定されず、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)構造でもよい。
【0104】
選択トランジスタSTD,STSは、メモリセルMCと同時に形成されるため、メモリセルMCとほぼ同じ構造を有している。但し、選択トランジスタSTD,STSのゲート電極12は、フローティングゲート電極16と同時に形成された導電層とコントロールゲート電極18と同時に形成された導電層とが、それらの導電層間に介在する電極間絶縁膜に形成された開口部を経由して接続されている。選択トランジスタSTD,STSのゲート電極12は、セレクトゲート線として機能する。
【0105】
選択トランジスタSTD,STSは、隣接するメモリセルMCと一方のソース/ドレイン拡散層13Aを共有し、その電流経路がメモリセルMCの電流経路に直列接続されている。
【0106】
NANDセルユニット内のソース側選択トランジスタSTSのソース/ドレイン拡散層13Sは、ソース線コンタクトSCを経由して、ソース線SL(第1メタル配線)に接続される。NANDセルユニット内のドレイン側選択トランジスタSTDのソース/ドレイン拡散層13Dは、ビット線コンタクトBC及び第1メタル配線を経由して、ビット線BL(第2メタル配線)に接続される。
【0107】
周辺回路領域120には、高耐圧/低耐圧MISトランジスタHTr,Trが設けられている。これらのMISトランジスタHTr,Trのゲート電極12も、メモリセルMCと同時に形成されるため、選択トランジスタSTD,STSと同じ積層構造を有している。
MISトランジスタHTr,Trのソース/ドレイン拡散層13及びゲート電極12は、コンタクトプラグCP1を経由して、メタル配線M0〜M2に接続される。
【0108】
尚、メモリセルのコントロールゲート電極をシリサイド化させた場合には、選択トランジスタ及びMISトランジスタのゲート電極12上端もシリサイド化される。それゆえ、選択トランジスタ及びMISトランジスタのゲート電極12上端にも、マスク層は残存しない。
【0109】
また、このメモリチップ20に設けられる抵抗素子として、第1及び第2の実施形態で述べた拡散層抵抗素子の代わりに、フローティングゲート電極16と同時に形成される導電層を抵抗体16Rとした抵抗素子を用いてもよい。このような抵抗素子においては、コントロールゲート電極と同時に形成される導電層18Cはコンタクトとして機能し、絶縁膜17に形成された開口部を介して、抵抗体16Rに接続される。抵抗体(抵抗素子)16Rは導電層18C及びコンタクトプラグCP2を経由して、メタル配線M0〜M2に接続される。
【0110】
そして、凸部形成領域71は、素子領域51を取り囲むように、メモリチップ20の端部と素子領域51との間に設けられている。凸部形成領域71内には、凸部91が設けられている。尚、図18及び図19に示すように、本適用例で述べられる凸部91は、半導体基板(ウェハ)1から切り出された突起部であるが、凸部91はメモリセルMCのスタックゲート構造16,18又は低耐圧MISトランジスタTrのゲート構造11,12と同じ構造の導電層と絶縁層からなる積層体でもよい。
【0111】
本適用例において、凸部91上端は、メモリセルMCのスタックゲート電極16,18上端よりも低い位置にある。また、凸部91の上端は、半導体基板1(メモリセル形成領域)表面よりも高い位置にある。尚、図18においては、凸部91の上端は、例えば、高耐圧/低耐圧MISトランジスタHTr,Trを形成する領域を区画する素子分離絶縁膜の上端よりも高い位置にある。
【0112】
第1及び第2の実施形態で述べたように、凸部91を設けることで、半導体装置(メモリチップ)の製造工程において、下層の層間絶縁膜41に発生するディッシングの規模(大きさ)を小さくでき、ディッシングに起因する上層の層間絶縁膜42〜46の窪みの規模も小さくできる。それゆえ、素子領域51内にまで入り込む大きな窪みが発生することはなく、窪み内に残存する配線材料が、メモリセルアレイ100内及び周辺回路領域120内に形成された素子に悪影響を及ぼすことはない。
【0113】
それゆえ、本実施形態の適用例のように、配線材料の残渣による配線間ショートが発生しないメモリチップ20を提供できる。
【0114】
したがって、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態の適用例のような半導体装置(例えば、メモリチップ)の製造歩留まりを向上できる。
【0115】
尚、本適用例においては、メモリチップとなる半導体チップを例に説明を行ったが、それに限定されず、ロジック回路などの他の半導体集積回路を形成した半導体チップであってもよいのは、もちろんである。また、本発明の実施形態の変形例を適用した半導体チップであっても同様の効果が得られるのはもちろんである。
【0116】
4. その他
本発明の例は、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【0117】
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の基本構成を説明するための平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図。
【図4】第1の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図6】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図7】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図8】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図9】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図10】第1の実施形態の補足例を説明するための図。
【図11】第2の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図。
【図12】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図13】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す図。
【図14】実施形態の変形例を説明するための平面図。
【図15】図14のD−D線に沿う断面を模式的に示す図。
【図16】本発明の実施形態の変形例を説明するための平面図。
【図17】本発明の実施形態の適用例を説明するためのレイアウト図。
【図18】本発明の実施形態の適用例を説明するための断面図。
【図19】本発明の実施形態の適用例を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0119】
1:ウェハ、21〜24:半導体チップエリア、3A,3B:ダイシングエリア、30:アライメント領域、35:アライメントマーク、51,52:素子領域、71,72:凸部形成領域、91〜92:凸部、11,11A,14A:ゲート絶縁膜、12:ゲート電極、13:ソース/ドレイン拡散層、15:拡散層、16:フローティングゲート電極、16R:抵抗層、17:ゲート間絶縁膜、18:コントロールゲート電極(ワード線)、14A,19A,19B:ダミー層、CP:コンタクトプラグ、V1〜V2:ビアコンタクト、20:素子分離絶縁膜、M0〜M2:配線層、41〜42:層間絶縁膜、90,95A:レジストマスク、93:マスク層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハと、
前記ウェハ内に設けられ、第1及び第2半導体チップエリアと、
前記第1及び第2半導体チップ内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域と、
前記第1及び第2半導体チップ間に設けられるダイシングエリアと、
前記ダイシングエリア内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域と、
前記第1素子領域と前記アライメント領域との間に設けられ、前記ウェハ表面に対して垂直方向に突出した凸部を有する凸部形成領域と、
を具備し、
前記凸部の上端は、前記ウェハ表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記凸部形成領域は、前記第1及び第2半導体チップエリア内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記凸部形成領域は、前記第1素子領域を取り囲むように設けられることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記凸部形成領域と前記ダイシング領域との間に設けられ、前記第1及び第2半導体チップエリアの各々に含まれる第2素子領域を、さらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板と、
前記半導体基板内に設けられ、多層配線構造を有するトランジスタが形成される素子領域と、
前記半導体基板の端部と前記素子領域との間の領域内に設けられ、半導体基板表面に対して垂直方向に突出した凸部と、を具備し、
前記凸部の上端は、前記半導体基板表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
ウェハと、
前記ウェハ内に設けられ、第1及び第2半導体チップエリアと、
前記第1及び第2半導体チップ内の各々に設けられ、トランジスタが形成される第1素子領域と、
前記第1及び第2半導体チップ間に設けられるダイシングエリアと、
前記ダイシングエリア内に設けられ、アライメントマークが形成されるアライメント領域と、
前記第1素子領域と前記アライメント領域との間に設けられ、前記ウェハ表面に対して垂直方向に突出した凸部を有する凸部形成領域と、
を具備し、
前記凸部の上端は、前記ウェハ表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記凸部形成領域は、前記第1及び第2半導体チップエリア内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記凸部形成領域は、前記第1素子領域を取り囲むように設けられることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記凸部形成領域と前記ダイシング領域との間に設けられ、前記第1及び第2半導体チップエリアの各々に含まれる第2素子領域を、さらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板と、
前記半導体基板内に設けられ、多層配線構造を有するトランジスタが形成される素子領域と、
前記半導体基板の端部と前記素子領域との間の領域内に設けられ、半導体基板表面に対して垂直方向に突出した凸部と、を具備し、
前記凸部の上端は、前記半導体基板表面より高い位置にあり、前記トランジスタのゲート電極の上端以下の位置にある、ことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−80725(P2010−80725A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248319(P2008−248319)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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