説明

半導体装置およびその作製方法

【課題】画素部の開口率を高くしながら、駆動回路部の特性を向上させた半導体装置を提供することを課題とする。または、消費電力の低い半導体装置を提供することを課題とする。または、しきい値電圧を制御できる半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】絶縁面を有する基板と、基板上に設けられた画素部と、画素部を駆動する駆動回路の少なくとも一部を有し、画素部を構成するトランジスタおよび駆動回路を構成するトランジスタは、トップゲートボトムコンタクト型のトランジスタであって、画素部においては、電極および半導体層が透光性を有し、駆動回路における電極は、画素部のトランジスタが有するいずれの電極よりも低抵抗である半導体装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、半導体装置、表示装置、発光装置、またはそれらの製造方法に関するものである。特に、酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代表される表示装置のスイッチング素子として、アモルファスシリコン等のシリコン層をチャネル層として用いた薄膜トランジスタ(TFT)が広く用いられている。アモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタは、電界効果移動度が低いもののガラス基板の大面積化に対応することができるという利点を有している。また、製造コスト削減のため、画素部と駆動回路の一部を同一基板上に一体形成する技術も知られている。
【0003】
また、近年、半導体特性を示す金属酸化物を用いて薄膜トランジスタを作製し、電子デバイスや光デバイスに応用する技術が注目されている。例えば、金属酸化物の中で、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などは半導体特性を示すことが知られている。このような金属酸化物で構成される透光性半導体層をチャネル形成領域とする薄膜トランジスタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、トランジスタのチャネル層を、透光性を有する酸化物半導体層で形成すると共に、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極も透光性を有する導電膜で形成することによって、開口率を向上させる技術が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
開口率を向上することにより、光利用効率が向上し、表示装置の省電力化及び小型化を達成することが可能となる。その一方で、表示装置の大型化や、携帯機器への応用化の観点からは、開口率の向上と共にさらなる消費電力の低減が求められている。
【0006】
なお、電気光学素子の透光性を有する電極に対する金属補助配線の配線方法として、透光性を有する電極の上下どちらかで、透光性を有する電極と導通がとれるように金属補助配線と透光性を有する電極が重なるように配線されるものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
なお、アクティブマトリクス基板に設けられる付加容量電極をITO、SnO等の透光性導電膜からなるものとし、付加容量用電極の電気抵抗を小さくするため、金属膜から成る補助配線を付加容量用電極に接して設ける構成が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
なお、非晶質酸化物半導体膜を用いた電界効果型トランジスタにおいて、ゲート電極、ソ−ス電極及びドレイン電極の各電極を形成する材料は、インジウム錫酸化物(ITO),インジウム亜鉛酸化物,ZnO,SnOなどの透光性を有する電極や、Al,Ag,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Taなどの金属電極、または、これらを含む合金の金属電極などを用いることができ、それらを2層以上積層して接触抵抗を低減し、または、界面強度を向上させてもよいことは知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
なお、アモルファス酸化物半導体を用いるトランジスタのソース電極、ドレイン電極およびゲート電極、補助容量電極の材料として、インジウム(In)、アルミ(Al)、金(Au)、銀(Ag)等の金属や、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn)、酸化カドミウムスズ(CdSnO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)等の酸化物材料を用いることができ、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料は、全て同じでもよく、異なっても良いことが知られている(例えば、特許文献6、7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−103957号公報
【特許文献2】特開2007−81362号公報
【特許文献3】特開平2−82221号公報
【特許文献4】特開平2−310536号公報
【特許文献5】特開2008−243928号公報
【特許文献6】特開2007−109918号公報
【特許文献7】特開2007−115807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本明細書等において開示する発明の一態様は、開口率の高い半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、消費電力の低い半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、配線抵抗の低い半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、透過率の高い半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、レイアウトの自由度が高い半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、S値(subthreshold swing value)の小さい半導体装置を提供することを課題とする。または、開示する発明の一態様は、トランジスタのしきい値電圧を制御できる半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書等において開示する発明の一態様では、少なくとも画素部のトランジスタに、透光性を有する材料を用いて形成する。より詳細には、次の通りである。
【0013】
本明細書等において開示する発明の一態様は、同一基板上に第1の薄膜トランジスタを有する画素部と第2の薄膜トランジスタを有する駆動回路部を有し、第1の薄膜トランジスタは、基板上に第1のソース電極層と、第1のドレイン電極層と、第1のソース電極層及び第1のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁層と、酸化物半導体層と重なる領域のゲート絶縁層上に設けられた第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層を覆うように設けられた保護絶縁層と、保護絶縁層上に画素電極層と、を有し、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極、酸化物半導体層、ゲート絶縁層、第1のゲート電極層、保護絶縁層、及び画素電極層は、透光性を有し、第2の薄膜トランジスタの第2のゲート電極層は、保護絶縁層で覆われ、第2の薄膜トランジスタの第2のソース電極層、第2のドレイン電極層、及び第2のゲート電極層は、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層及び第1のゲート電極層と材料が異なり、第1のトランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層及び第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料である半導体装置である。
【0014】
なお、上記において、第2の薄膜トランジスタの第2のゲート電極層、第2のソース電極層及び第2のドレイン電極層は、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を主成分とする膜、若しくはそれらの合金膜とを組み合わせた積層膜により形成することができる。
【0015】
また、開示する発明の一態様は、同一基板上に第1の薄膜トランジスタを有する画素部と第2の薄膜トランジスタを有する駆動回路部を有し、第1の薄膜トランジスタは、基板上に第1のソース電極層と、第1のドレイン電極層と、第1のソース電極層及び第1のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁層と、酸化物半導体層と重なる領域のゲート絶縁層上に設けられた第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層を覆うように設けられた保護絶縁層と、保護絶縁層上に画素電極層と、を有し、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極、酸化物半導体層、ゲート絶縁層、前記第1のゲート電極層、保護絶縁層、及び画素電極層は、透光性を有し、第2の薄膜トランジスタの第2のゲート電極層は、保護絶縁層で覆われ、第2の薄膜トランジスタの第2のソース電極層、第2のドレイン電極層、及び第2のゲート電極層は、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層、及び第1のゲート電極層と同じ材料の膜と、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層、及び第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料の膜との積層膜である半導体装置である。
【0016】
なお、上記において、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層、及び第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料の膜は、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を主成分とする膜、若しくはそれらの合金膜とを組み合わせた積層膜により形成することができる。
【0017】
また、上記において、第2の薄膜トランジスタは、基板上に、第2のソース電極層と、第2のドレイン電極層と、第2のソース電極層及び第2のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁層と、酸化物半導体層と重なる領域のゲート絶縁層上に設けられた第2のゲート電極層とで形成することができる。
【0018】
また、上記において、第1の薄膜トランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層、第1のゲート電極層、及び画素電極層は、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ合金、酸化インジウム酸化亜鉛合金、または酸化亜鉛のいずれかからなる膜、又は前記膜を組み合わせた積層膜で形成することができる。
【0019】
また、上記において、さらに同一基板上に容量部を有し、容量部は、容量配線及び該容量配線と重なる容量電極を有し、容量配線及び容量電極は透光性を有するように形成することができる。
【0020】
配線、トランジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオードなどを、透光性を有する材料を用いて作製する。これにより、開口率を高くすることができる。そして、駆動回路部のトランジスタには、バックゲートを設けることが好ましい。これにより、しきい値電圧を制御することができるので、トランジスタをノーマリオフにすることができる。このとき、半導体層を挟む2つのゲート電極層は、どちらをバックゲートとして用いても良い。なお、駆動回路部のトランジスタは、非透光性を有する材料を用いて作製してもよい。なお、画素内の配線は、非透光性を有する材料を用いて作製してもよい。
【0021】
また、上記において、半導体層は、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む酸化物半導体からなることが好ましい。また、画素部のトランジスタの第1のソース電極層、第1のドレイン電極層、および第1のゲート電極層は、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタン、酸化亜鉛を含むインジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛にガリウムを添加した材料、酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、のいずれかからなることが好ましい。
【0022】
また、ゲート配線とソース配線との交差部分に、半導体層と同一層でなる層を設けることが好ましい。これにより、ゲート配線とソース配線が交差することに起因して生じる容量を低減することができるため、信号波形のなまりを抑制することができる。特に、大型の半導体装置ではその効果が著しい。
【0023】
本明細書等において開示する発明に用いることができる酸化物半導体の一例としては、InMO(ZnO)(m>0)で表記されるものがある。ここで、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。例えば、MとしてGaが選択される場合には、Gaのみの場合の他に、GaとNiや、GaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が選択される場合を含む。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、または該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書等においては、上記酸化物半導体のうち、Mとして少なくともガリウムを含むものをIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体と呼び、当該材料を用いた薄膜をIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜と呼ぶことがある。
【0024】
さらに、上記において、多階調マスクを用いることにより、1枚のマスク(レチクル)で、透光性を有する領域(透過率の高い領域)と、透光性を有さない領域(透過率の低い領域)とを形成することができる。これにより、マスク数の増加を抑制できる。
【0025】
上記の本発明の各態様において、スイッチとしては、様々な形態のものを用いることができる。スイッチの一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチ等を用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。スイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタ等)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタ等)、又はこれらを組み合わせた論理回路等がある。機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
【0026】
また、上記の各態様において、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、そのトランジスタは単なるスイッチとして動作するため、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流を抑えたい場合、オフ電流が少ない方の極性のトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少ないトランジスタの一例としては、高抵抗領域を有するトランジスタ、又はマルチゲート構造を有するトランジスタ等がある。
【0027】
また、上記の本発明の各態様において、スイッチとしてトランジスタを用い、そのトランジスタのソースの電位が低電位側電源(Vss、GND、0V等)の電位に近い値で動作する場合は、スイッチとしてNチャネル型トランジスタを用いることが望ましい。反対に、そのトランジスタのソースの電位が高電位側電源(Vdd等)の電位に近い値で動作する場合は、スイッチとしてPチャネル型トランジスタを用いることが望ましい。なぜなら、Nチャネル型トランジスタではソースが低電位側電源の電位に近い値で動作する場合、Pチャネル型トランジスタではソースが高電位側電源の電位に近い値で動作する場合には、ゲートとソースとの間の電圧の絶対値を大きくできるからである。そのため、スイッチとして、より正確な動作を行うことができるからである。または、トランジスタがソースフォロワ動作をしてしまうことが少ないため、出力電圧の大きさが小さくなってしまうことが少ないからである。
【0028】
また、上記の本発明の各態様において、スイッチとして、Nチャネル型トランジスタとPチャネル型トランジスタとの両方を用いて、CMOS型のスイッチを用いてもよい。CMOS型のスイッチにすると、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとのどちらか一方が導通すれば、電流が流れるため、スイッチとして機能しやすくなる。よって、スイッチへの入力信号の電圧が高い場合でも、低い場合でも、適切に電圧を出力させることができる。または、スイッチをオン又はオフさせるための信号の電圧振幅値を小さくすることができるので、消費電力を小さくすることができる。
【0029】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、スイッチは、入力端子(ソースまたはドレインの一方)と、出力端子(ソースまたはドレインの他方)と、導通を制御する端子(ゲート)とを有する場合がある。一方、スイッチとしてダイオードを用いる場合、スイッチは、導通を制御する端子を有していない場合がある。したがって、トランジスタよりもダイオードをスイッチとして用いた方が、端子を制御するための配線を少なくすることができる。
【0030】
本明細書に開示されている発明では、トランジスタとして、様々な構造のトランジスタを用いることができる。つまり、用いるトランジスタの構成に限定はない。
【0031】
本明細書において、半導体装置とは、半導体素子(トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等)を含む回路を有する装置のことをいう。ただし、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般、又は半導体材料を有する装置のことを半導体装置と呼んでもよい。本明細書において、表示装置とは、表示素子を有する装置のことを言う。
【0032】
本明細書において、駆動装置とは、半導体素子、電気回路、電子回路を有する装置のことを言う。例えば、ソース信号線から画素内への信号の入力を制御するトランジスタ(選択用トランジスタ、スイッチング用トランジスタ等と呼ぶことがある)、画素電極に電圧または電流を供給するトランジスタ、発光素子に電圧または電流を供給するトランジスタ等は、駆動装置の一例である。さらに、ゲート信号線に信号を供給する回路(ゲートドライバ、ゲート線駆動回路等と呼ぶことがある)、ソース信号線に信号を供給する回路(ソースドライバ、ソース線駆動回路等と呼ぶことがある)等は、駆動装置の一例である。
【0033】
また、表示装置、半導体装置、照明装置、冷却装置、発光装置、反射装置、および駆動装置等を互いに組み合わせることが可能であり、このような装置も本発明の態様に含まれる。例えば、表示装置が、半導体装置および発光装置を有する場合がある。あるいは、半導体装置が、表示装置および駆動装置を有する場合がある。
【0034】
また、本発明の各態様において、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てを、同一の基板(例えば、ガラス基板、プラスチック基板、単結晶基板、又はSOI基板等)に形成することが可能である。こうして、部品点数の削減によるコストの低減、又は回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。
【0035】
また、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てを同じ基板に形成しないことが可能である。つまり、所定の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ある基板に形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部は、別の基板に形成されていることが可能である。例えば、所定の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ガラス基板に形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部は、単結晶基板(又はSOI基板)に形成されることが可能である。そして、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部が形成される単結晶基板(ICチップともいう)を、COG(Chip On Glass)によって、ガラス基板に接続して、ガラス基板にそのICチップを配置することが可能である。または、ICチップを、TAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip On Film)、SMT(Surface Mount Technology)、又はプリント基板等を用いてガラス基板と接続することが可能である。
【0036】
本明細書において、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層等)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0037】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード等)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。
【0038】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路等)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路等)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路等)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路等)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量等を大きくできる回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路等)、信号生成回路、記憶回路、制御回路等)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0039】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0040】
本明細書において、明示的に単数として記載されているものについては、単数であることが望ましい。ただし、この場合でも、複数であることも可能である。同様に、明示的に複数として記載されているものについては、複数であることが望ましい。ただし、この場合でも、単数であることも可能である。
【0041】
本出願の図において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。図は、理想的な例を模式的に示すものであり、図に示す形状又は値等に限定されない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつき、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき等を含むことが可能である。
【0042】
なお、専門用語は、特定の実施の形態、又は実施例等を述べる目的で用いられる場合が多い。ただし、本発明の一態様は、専門用語によって、限定して解釈されるものではない。
【0043】
なお、定義されていない文言(専門用語又は学術用語等の科学技術文言を含む)は、通常の当業者が理解する一般的な意味と同等の意味として用いることが可能である。辞書等により定義されている文言は、関連技術の背景と矛盾がないような意味に解釈されることが好ましい。
【0044】
なお、第1、第2、第3等の語句は、様々な要素、部材、領域、層、区域などについて、区別して記述するために用いられる。よって、第1、第2、第3等の語句は、要素、部材、領域、層、区域等の順序および個数を限定するものではない。さらに、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」等と置き換えることが可能である。
【0045】
また、「上に」、「上方に」、「下に」、「下方に」、「横に」、「右に」、「左に」、「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外に」、又は「中に」等の空間的配置を示す語句は、ある要素又は特徴と、他の要素又は特徴との関連を、図によって簡単に示すために用いられる。ただし、このような用法に限定されず、これらの空間的配置を示す語句は、図に描く方向に加えて、他の方向を含む場合がある。例えば、Xの上にY、と明示的に示される場合は、YがXの上にあることに限定されない。図中の構成は反転、又は180°回転させることが可能なので、YがXの下にあることを含むことが可能である。このように、「上に」という語句は、「上に」の方向に加え、「下に」の方向を含むことが可能である。ただし、これに限定されず、図中のデバイスは様々な方向に回転することが可能なので、「上に」という語句は、「上に」、および「下に」の方向に加え、「横に」、「右に」、「左に」、「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外に」、又は「中に」等の他の方向を含むことが可能である。つまり、状況に応じて適切に解釈することが可能である。
【0046】
なお、Xの上にYが形成されている、あるいは、X上にYが形成されている、と明示的に記載する場合は、Xの上にYが直接接して形成されていることに限定されない。直接接してはいない場合、つまり、XとYと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、等)であるとする。
【0047】
従って例えば、層Xの上に(もしくは層X上に)、層Yが形成されている、と明示的に記載されている場合は、層Xの上に直接接して層Yが形成されている場合と、層Xの上に直接接して別の層(例えば層Z等)が形成されていて、その上に直接接して層Yが形成されている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Z等)は、単層でもよいし、複層でもよい。
【0048】
さらに、Xの上方にYが形成されている、と明示的に記載されている場合についても同様であり、Xの上にYが直接接していることに限定されず、XとYとの間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。従って例えば、層Xの上方に、層Yが形成されている、という場合は、層Xの上に直接接して層Yが形成されている場合と、層Xの上に直接接して別の層(例えば層Z等)が形成されていて、その上に直接接して層Yが形成されている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Z等)は、単層でもよいし、複層でもよい。
【0049】
なお、Xの上にYが形成されている、X上にYが形成されている、又はXの上方にYが形成されている、と明示的に記載する場合、Xの斜め上にYが形成される場合も含むこととする。
【0050】
なお、Xの下にYが、あるいは、Xの下方にYが、との記載についても同様である。
【発明の効果】
【0051】
本明細書等により開示される発明の一態様では、画素部のトランジスタおよび保持容量の少なくとも一部に、透光性を有する材料を用いる。これにより、トランジスタや保持容量が存在する領域においても光を透過させることが可能になるため、開口率を向上させることができる。また、駆動回路部では、素子と素子とを接続する配線を抵抗率が低い(導電率が高い)材料を用いて形成するため、信号波形のなまりを低減し、配線抵抗による電圧降下を抑制することができる。これにより、半導体装置の消費電力を低減することができる。また、半導体装置の大型化(大画面化)が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】半導体装置のブロック図および断面図である。
【図2】半導体装置の平面図および断面図である。
【図3】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図4】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図5】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図6】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図7】半導体装置を説明する断面図である。
【図8】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図9】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図10】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図11】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図12】多階調マスクの構成を説明する断面図である。
【図13】半導体装置の平面図および断面図である。
【図14】半導体装置の平面図および断面図である。
【図15】半導体装置の平面図および断面図である。
【図16】半導体装置の図である。
【図17】半導体装置の断面図である。
【図18】半導体装置の断面図である。
【図19】半導体装置の平面図および断面図である。
【図20】半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図21】半導体装置の回路図である。
【図22】電子ペーパーの使用形態の例を説明する図である。
【図23】電子書籍の例を示す外観図である。
【図24】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図である。
【図25】遊技機の例を示す外観図である。
【図26】携帯電話機の例を示す外観図である。
【図27】半導体装置を説明する図である。
【図28】半導体装置を説明する図である。
【図29】半導体装置を説明する図である。
【図30】半導体装置を説明する図である。
【図31】半導体装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本明細書に記載された発明の態様は、例えば、以下の課題を解決することができる。なお、複数の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。また、本発明の各態様は、下記の全ての課題を解決する必要はない。
【0054】
また、本発明の実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0055】
また、ある一つの実施の形態で述べられている内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べられている別の内容(一部の内容でもよい)、および/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べられている内容(一部の内容でもよい)に対して、選択、組み合わせ、又は置き換え等を行うことができる。実施の形態で述べられている内容とは、各々の実施の形態において、参照されている一または複数の図に記載されている内容、および文章で表現されている内容のことである。
【0056】
また、ある一つの実施の形態で参照されている図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態で参照されている別の図(一部でもよい)、および/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で参照されている図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、別の構成例が記載された図を描くことができる。また、ある一つの実施の形態で参照される図または記述された文章について、その一部分に基づいて、別の態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章で表される別の態様も開示されている。
【0057】
そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオード等)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子等)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、基板、モジュール、装置、固体、液体、気体、動作方法、作製方法等が単数又は複数記載された図面(断面図、平面図、回路図、ブロック図、フローチャート、工程図、斜視図、立面図、配置図、タイミングチャート、構造図、模式図、グラフ、表、光路図、ベクトル図、状態図、波形図、写真、化学式等)または文章において、その一部分を取り出して、本発明の一態様を構成することが可能であるものとする。
【0058】
一例としては、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、本発明の一態様を構成することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、本発明の一態様を構成することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、本発明の一態様を構成することは可能である。
【0059】
また、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念から、本明細書で開示されている発明の一態様を構成することが可能である。
【0060】
また、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、本発明の一態様として開示されているものであり、本発明の一態様を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容から、本明細書で開示されている発明の一態様を構成することができる。同様に、図の一部を取り出した図から、本明細書で開示されている発明の一態様を構成することができる。
【0061】
また、能動素子(トランジスタ、ダイオード等)、受動素子(容量素子、抵抗素子等)等が有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数想定される場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオード等)、受動素子(容量素子、抵抗素子等)等が有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の実施の態様を構成することが可能な場合がある。
【0062】
また、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明の実施態様を特定することが可能な場合があり、本明細書で開示される発明の態様はこのような場合を含む。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、本明細書で開示される発明の態様を特定することが可能な場合がある。本明細書で開示される発明の態様はこのような場合を含む。
【0063】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置において、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置するトランジスタを作製する方法について、図1乃至図6を用いて説明する。
【0064】
図1(A)では、本実施の形態に係る半導体装置の一例をブロック図で示す。本実施の形態では、半導体装置として、特に液晶表示装置について説明しているが、開示される発明はこれに限定されない。エレクトロルミネッセンス表示装置(EL表示装置)や、電気泳動素子を用いた表示装置(いわゆる電子ペーパー)などへの適用も可能である。また、表示装置以外の他の半導体装置への適用も可能である。
【0065】
図1(A)に示す表示装置は、基板5300上に表示素子を備えた画素を複数有する画素部5301と、各画素を選択する走査線駆動回路5302と、選択された画素へのビデオ信号の入力を制御する信号線駆動回路5303と、を有する。
【0066】
図1(B)に、走査線駆動回路5302と、信号線駆動回路5303等の駆動回路部に適用することができるトランジスタ192の断面図を示す。トランジスタ192は、ソース電極(またはドレイン電極)として機能する導電層122と、半導体層133bと、ゲート絶縁層140と、ゲート電極として機能する導電層165と、で構成されるいわゆるトップゲート型のトランジスタである。なお、駆動回路部とは、画素周辺回路の一部または全てであり、本実施例のように、走査線駆動回路と、信号線駆動回路のみとは限らない。
【0067】
次に、図1(A)に示す画素部5301の構成の一例を図2に示す。なお、図2(A)は、画素部5301内に複数配置されている画素の1つを拡大した平面図であり、図2(B)は図2(A)のA−Bにおける断面図である。
【0068】
図2(A)、図2(B)に示す画素部5301内に複数配置されている画素の1つは、ソース配線として機能する導電層111aと、導電層111aと交差し、ゲート配線として機能する導電層154aおよび容量配線として機能する導電層154bと、導電層154aと導電層111aの交差部付近のトランジスタ190と、導電層154bと電気的に接続された保持容量191と、を有する。なお、本明細書等において、画素とは、ゲート配線として機能する導電層およびソース配線として機能する導電層に囲まれた領域のことを指す。また、図2(A)において、導電層111aと、導電層154aおよび導電層154bとは90°の角度で交差しているが、開示する発明は当該構成に限定されない。すなわち、導電層111aと、導電層154aおよび導電層154bとが90°以外の角度で交差していても良い。また、図示していないがソース配線の先には信号線駆動回路、ゲート配線の先には走査線駆動回路が接続されている。また、ソース配線とゲート配線との交差部分に、半導体層133aと同一層でなる半導体層133dを設けることが好ましい。これにより、配線が交差することに起因して生じる容量を低減することができるため、信号波形のなまりを抑制することができる。特に、大型の半導体装置ではその効果が著しい。
【0069】
図2(A)、図2(B)に示す画素部のトランジスタ190は、ソース電極として機能する導電層111aと、ドレイン電極として機能する導電層111bと、半導体層133aと、ゲート絶縁層140と、ゲート電極として機能する導電層154aとで構成されるいわゆるトップゲート型のトランジスタである。なお、トランジスタにおけるソース電極およびドレイン電極は、キャリアの流れる方向によってその機能が入れ替わることがあるため、ソース電極およびドレイン電極の称呼は便宜的なものに過ぎない。つまり、各種導電層の機能が、上記称呼に限定して解釈されるものではない。また、保持容量191は、導電層111bと、ゲート絶縁層140と、導電層154bと、絶縁層170と、導電層180とで構成されている。より詳細には、導電層111bと導電層154bとの間、および導電層154bと導電層180との間に容量が形成される。
【0070】
ここで、トランジスタ190を構成する導電層111a、導電層111b、半導体層133a、導電層154a、導電層154bは、透光性を有する材料で形成されている。これにより、画素の開口率向上が実現されている。
【0071】
なお、図1(B)に示すトランジスタ192を構成する導電層122、導電層165は、低抵抗材料で形成されている。このため、電極等に起因する抵抗を低減してトランジスタの特性を向上させることができる。なお、低抵抗材料は遮光性を伴うことが多いため、形成されるトランジスタは光を透過しない構成となるが、完全な遮光性(例えば、光の透過率が10%以下)を有している必要はない。
【0072】
このように、画素部に透光性を有する材料を用いたトランジスタを形成し、駆動回路部に低抵抗な材料を用いたトランジスタを形成することにより、画素部において開口率を向上させるとともに、画素周辺回路の性能を向上させた半導体装置を提供することができる。つまり、半導体装置の特性向上という課題を解決することができる。
【0073】
なお、上記において透光性を有するとは、少なくとも、導電層122や導電層165と比較して、可視域(400nm〜800nm程度)における光の透過率が高いことを意味する。
【0074】
本明細書において、可視光に対して透光性を有する膜とは可視光の透過率が75〜100%である膜を指し、その膜が導電性を有する場合は透明の導電膜とも呼ぶ。また、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層、画素電極層、またはその他の電極層や、その他の配線層に適用する金属酸化物として、可視光に対して半透明の導電膜を用いてもよい。可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50〜75%であることを指す。
【0075】
次に、半導体装置の作製方法の一例について、図3乃至図6を用いて説明する。なお、図3乃至図6の左側は、画素部のトランジスタ及び保持容量の作製方法を、図3乃至図6の右側は、駆動回路部のトランジスタの作製方法を示している。
【0076】
はじめに、絶縁面を有する基板100上に導電層110を形成する(図3(A1)、図3(B1)参照)。
【0077】
絶縁面を有する基板100としては、例えば、液晶表示装置などに使用される可視光透過性を有するガラス基板を用いることができる。上記のガラス基板は無アルカリガラス基板であることが好ましい。無アルカリガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。他にも、絶縁面を有する基板100として、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶縁体でなる絶縁性基板などを用いることができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表される可撓性を有する合成樹脂を用いても良い。
【0078】
図示しないが、絶縁面を有する基板100上には下地膜を設けることが好ましい。下地膜は、基板100からのアルカリ金属(Li、Cs、Na等)やアルカリ土類金属(Ca、Mg等)、その他の不純物の拡散を防止する機能を有する。つまり、下地膜を設けることにより、半導体装置の信頼性向上という課題を解決することができる。下地膜は、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜などから選ばれた一または複数の絶縁層により形成することができる。例えば、基板側から窒化シリコン膜と酸化シリコン膜を順に積層した構成とすると好ましい。窒化シリコン膜の不純物に対するブロッキング効果が高いためである。一方で、窒化シリコン膜が半導体と接する場合には不具合が発生する可能性もあるため、半導体と接する膜として、酸化シリコン膜を形成するのがよい。
【0079】
下地膜はプラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。本実施の形態では、下地膜として、基板100側からスパッタリング法で形成された窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層を用いる。
【0080】
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、その組成において、窒素よりも酸素の含有量(原子数)が多いものを示し、例えば、酸化窒化シリコンとは、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化物とは、その組成において、酸素よりも窒素の含有量(原子数)が多いものを示し、例えば、窒化酸化シリコンとは、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上25原子%以下の範囲で含まれるものをいう。但し、上記範囲は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の含有比率の合計は100原子%を超えない。
【0081】
導電層110は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛(ZnO)、窒化チタン等の透光性(可視光透過性)を有する材料を用いて形成すると良い。また、酸化亜鉛を含むインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)、酸化亜鉛にガリウム(Ga)を添加した材料、酸化スズ(SnO)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いてもよい。導電層110は単層構造としても良いし、積層構造としても良いが、積層構造とする場合には、光透過率が十分に高くなるように導電層110を形成することが望ましい。なお、導電層110の作製方法としてはスパッタリング法を用いることが好ましいが、これに限る必要はない。導電層110の膜厚は、50nm以上300nm以下の範囲内で適宜選択することができる。本実施の形態では、導電層110としてインジウムスズ酸化物を用いる。
【0082】
次に、導電層110上にレジストマスク101aおよびレジストマスク101bを形成し、当該レジストマスク101aおよびレジストマスク101bを用いて導電層110を選択的にエッチングして、導電層111aおよび導電層111bを形成する(図3(A2)、図3(B2)参照)。上記のエッチングとしては、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いても良い。なお、上記エッチングの後に、レジストマスク101aおよびレジストマスク101bは除去する。導電層111aおよび導電層111bは、後に形成される絶縁層などの被覆性を向上し、段切れを防止するために、その端部がテーパー形状となるように形成することが好ましい。このように、導電層111aおよび導電層111bをテーパー形状となるように形成することで、半導体装置の歩留まり向上という課題を解決することができる。
【0083】
導電層111aは画素部のトランジスタのソース電極として、導電層111bは画素部のトランジスタのドレイン電極および保持容量の電極(容量電極)として機能する。なお、各種導電層の機能は、ソース電極またはドレイン電極の称呼に限定して解釈されるものではない。
【0084】
次に、導電層111aおよび導電層111bを覆うように導電層120を形成する(図3(A3)、図3(B3)参照)。なお、ここでは、導電層111aおよび導電層111bを覆うように導電層120を形成するが、開示される発明はこれに限定されない。
【0085】
導電層120は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)などの金属材料、またはこれらの金属材料を主成分とする合金材料、またはこれらの金属材料を成分とする窒化物を用いて、単層構造または積層構造で形成することができる。例えば、導電層120は、アルミニウムなどの抵抗が低い材料で形成することが望ましい。
【0086】
導電層111aおよび導電層111b上に導電層120を形成した場合、これらの導電層が反応してしまう場合がある。例えば、導電層111aおよび導電層111bにITOを用い、導電層120にアルミニウムを用いた場合、化学反応が生じ得る。このような反応を避けるために、導電層120を、高融点材料と低抵抗材料との積層構造としても良い。より具体的には、例えば、導電層120と、導電層111aおよび導電層111bと接する領域を高融点材料で形成し、導電層120と、導電層111aおよび導電層111bと接触しない領域を低抵抗材料で形成すると好適である。
【0087】
上記高融点材料としては、モリブデン、チタン、タングステン、タンタル、クロムなどが挙げられる。低抵抗材料としては、アルミニウム、銅、銀などが挙げられる。
【0088】
もちろん、導電層120を3層以上の積層構造としても良い。この場合、例えば、1層目がモリブデン、2層目がアルミニウム、3層目がモリブデンの積層構造、または、1層目がモリブデン、2層目がネオジムを微量に含むアルミニウム、3層目がモリブデンの積層構造とすることができる。導電層120をこのような積層構造とすることにより、ヒロックの発生を防止することができる。これにより、半導体装置の信頼性向上という課題を解決することができる。
【0089】
次に、導電層120上にレジストマスク102を形成し、当該レジストマスク102を用いて導電層120を選択的にエッチングして、導電層122を形成する(図3(A4)、図3(B4)参照)。この時、画素部のトランジスタのソース電極(またはドレイン電極)として機能する導電層111aおよび導電層111b上には、導電層122を形成しない。なお、導電層122は駆動回路部のトランジスタのソース電極(または、ドレイン電極)として機能する。また、導電層122は低抵抗な材料を用いて形成されている。レジストマスク102は、導電層122の形成後に除去される。
【0090】
なお、本実施の形態においては、導電層111aおよび導電層111bを形成した後、導電層122を形成する工程について説明したが、開示される発明はこれに限定して解釈されない。例えば、導電層111aおよび導電層111bと、導電層122の形成順序を入れ替えても良い。つまり、駆動回路部のトランジスタのソース電極として機能する導電層122を形成した後に、画素部のトランジスタのソース電極(またはドレイン電極)として機能する導電層111aおよび導電層111bを形成することもできる。
【0091】
次に、少なくとも導電層111aおよび導電層111bを覆うように半導体層130を形成する(図4(A1)、図4(B1)参照)。本実施の形態では、導電層111aおよび導電層111b、導電層122を覆うように、基板100上に半導体層130を形成する。
【0092】
半導体層130は、各種の酸化物半導体材料を用いて形成することができる。
【0093】
本明細書中で用いる酸化物半導体は、InMO(ZnO)(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される薄膜を形成し、その薄膜を酸化物半導体層として用いた薄膜トランジスタを作製する。なお、Mは、Ga、Fe、Ni、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNiまたはGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、または該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書においては、InMO(ZnO)(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される構造の酸化物半導体層のうち、MとしてGaを含む構造の酸化物半導体をIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体とよび、その薄膜をIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜とも呼ぶ。
【0094】
また、酸化物半導体層に適用する金属酸化物として上記の他にも、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の金属酸化物を適用することができる。また上記金属酸化物からなる酸化物半導体層に酸化珪素を含ませてもよい。
【0095】
また、その他の材料を用いることも可能である。例えば、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料による半導体層130は、In、Ga、Znを含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1)を用いたスパッタ法で形成することができる。スパッタの条件は、例えば、基板100とターゲットとの距離を30mm〜500mm、圧力を0.1Pa〜2.0Pa、直流(DC)電源を0.25kW〜5.0kW(直径8インチのターゲット使用時)、雰囲気をアルゴン雰囲気、酸素雰囲気、またはアルゴンと酸素との混合雰囲気とすることができる。なお、半導体層130として、ZnO系非単結晶膜を用いても良い。また、半導体層130の膜厚は、5nm以上200nm以下とすることができる。本実施の形態では、半導体層130の膜厚は、50nm以下とする。
【0096】
上記のスパッタ法としては、スパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタ法や、DCスパッタ法、パルス的に直流バイアスを加えるパルスDCスパッタ法などを用いることができる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみが軽減でき、膜厚分布も均一となるため好ましい。この場合、半導体装置の歩留まり向上、信頼性向上といった課題を解決することができる。
【0097】
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置を用いてもよい。多元スパッタ装置では、同一チャンバーで異なる複数の膜を形成することも、同一チャンバーで複数種類の材料を同時にスパッタして一の膜を形成することもできる。さらに、チャンバー内部に磁界発生機構を備えたマグネトロンスパッタ装置を用いる方法(マグネトロンスパッタ法)や、マイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタ法等を用いてもよい。また、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分とを化学反応させてそれらの化合物を形成するリアクティブスパッタ法や、成膜中に基板にも電圧を印加するバイアススパッタ法等を用いてもよい。
【0098】
なお、半導体層130を形成する前に、半導体層130の被形成面(例えば、導電層111aおよび導電層111bの表面、下地膜を形成した場合には下地膜の表面を含む)にプラズマ処理を行ってもよい。プラズマ処理を行うことにより、被形成面に付着しているゴミなどを除去することができる。また、上述のプラズマ処理を行った後、大気に曝すことなく半導体層130を形成することにより、導電層111aおよび導電層111bと、半導体層130との電気的接続を良好に行うことができる。つまり、半導体装置の歩留まり向上、信頼性向上といった課題を解決することが可能である。
【0099】
なお、本実施の形態においては、半導体層130として酸化物半導体材料を用いる場合について説明しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。酸化物半導体材料以外の半導体材料、化合物半導体材料等であっても、厚みを小さくすることにより、透光性を確保できる場合がある。このため、酸化物半導体材料に代えて、他の半導体材料を用いても良い。上記他の半導体材料の一例としては、シリコンやガリウム、ガリウムヒ素などの各種無機半導体材料、カーボンナノチューブなどの有機半導体材料、これらの混合材料などを挙げることができる。これらの材料を、単結晶、多結晶、微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタルを含む)、非晶質といった各種態様で用いて半導体層130とすれば良い。
【0100】
次に、半導体層130上にレジストマスク103aおよびレジストマスク103bを形成し、当該レジストマスク103aおよびレジストマスク103bを用いて半導体層130を選択的にエッチングして、半導体層133aおよび半導体層133bを形成する(図4(A2)、図4(B2)参照)。半導体層133aおよび半導体層133bは島状に形成される。ここで、半導体層133aは画素部のトランジスタの活性層となる。また、半導体層133bは、駆動回路部のトランジスタの活性層となる。
【0101】
また、上記のレジストマスクはスピンコート法などの方法を用いて形成しても良いが、液滴的吐出法やスクリーン印刷法などを用いる場合には、レジストマスクを選択的に形成することができる。この場合、生産性向上という課題を解決することが可能である。
【0102】
半導体層130のエッチングの方法としては、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。なお、上記エッチングの後にはレジストマスク103aおよびレジストマスク103bは除去する。本実施の形態では、半導体層130のエッチングには、リン酸、酢酸、硝酸、純水を混合した液体を用いる。なお、導電層111aおよび導電層111bと重なる半導体層130を除去するため、半導体層130のエッチングの際に、導電層111aおよび導電層111bも除去されないようにそれぞれの材料及びエッチング条件を適宜調節する。半導体層130に対して、選択的にエッチングを行うため、下層の導電層111a、111bとのエッチング工程における選択比が高いと好ましい。
【0103】
導電層111aおよび導電層111bと、半導体層130とのエッチングにおける選択比が高い場合、導電層111aおよび導電層111bの半導体層130のエッチング工程における膜減りを軽減することができる。
【0104】
ドライエッチングを行う場合は、例えば、塩素を含有するガス、または塩素を含有するガスに酸素が添加されたガスを用いると良い。塩素と酸素を含有するガスを用いることで、導電層や下地膜と、半導体層130とのエッチング選択比がとりやすくなるためである。
【0105】
ドライエッチングに用いるエッチング装置としては、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いたエッチング装置や、ECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductively Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。また、ICPエッチング装置と比べて広い面積に渡って一様な放電が得られるECCP(Enhanced Capacitively Coupled Plasma)モードのエッチング装置を用いても良い。ECCPモードのエッチング装置であれば、基板として第10世代以降の基板を用いるような場合においても対応が容易である。
【0106】
なお、本実施の形態において示すように、トランジスタのソース電極(またはドレイン電極)として機能する導電層111aおよび導電層111b上に半導体層133aを形成する場合、および導電層122上に半導体層133bを形成する場合には、半導体層133aおよび半導体層133bの薄膜化が容易である。半導体層133aが導電層111a、導電層111b上に存在する場合および半導体層133bが導電層122上に存在する場合には、逆の場合(例えば、導電層111a、導電層111bの下に半導体層133aがある場合)とは異なり、導電層111a、導電層111b及び導電層122をエッチングする際のオーバーエッチングによる半導体層133a、半導体層133bの消失の問題が生じないためである。このように、半導体層133aおよび半導体層133bの薄膜化が実現されることで、電圧印加時の空乏化が容易になり、S値を小さくすることができる。また、オフ電流を小さくすることも可能である。つまり、半導体装置の高性能化という課題を解決することが可能である。なお、半導体層133aは、ソース電極およびソース配線として機能する導電層111aや、後に形成されるゲート電極およびゲート配線として機能する導電層154aなどと比較して薄く形成されることが好適である。
【0107】
その後、350℃以上基板の歪み点未満、好ましくは400℃以上の熱処理を行うと良い。加熱処理は、窒素、不活性ガス雰囲気下、又は減圧下で行うことができ、ここでは、窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により半導体層133aおよび半導体層133bの脱水化または脱水素化を行うことができ、前記半導体層133aおよび前記半導体層133bの半導体特性を向上させることができる。酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下において加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水素の再混入を防ぐことが好ましい。なお、上記熱処理のタイミングは、半導体層133aおよび半導体層133bの形成後であれば特に限定されない。また、島状の酸化物半導体層133a、133bに加工する前の酸化物半導体膜に行ってもよい。
【0108】
なお、本実施の形態においては、導電層111aおよび導電層111bを形成した後、導電層122を形成し、その後、半導体層133aおよび半導体層133bを形成する工程について説明したが、開示される発明はこれに限定して解釈されない。例えば、導電層111aおよび導電層111bを形成した後、半導体層133aおよび半導体層133bを形成し、その後、導電層122を形成する工程を採用しても良い。
【0109】
なお、導電層111aおよび導電層111bは、導電層122と比較して薄く形成すると良い。導電層111aおよび導電層111bを薄く形成することにより、光の透過率を一層向上させることができるため好適である。もちろん、開示する発明の一態様をこれに限定して解釈する必要はない。
【0110】
次に、半導体層133aおよび半導体層133bを覆うように、ゲート絶縁層140を形成する(図4(A3)、図4(B3)参照)。
【0111】
ゲート絶縁層140は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、または酸化タンタル膜の単層構造または積層構造とすることができる。例えば、スパッタ法やCVD法などを用いて、50nm以上250nm以下の厚さで形成すれば良い。なお、ゲート絶縁層140は、透光性を有していることが好ましい。ここでは、ゲート絶縁層140として、スパッタ法を用いて、酸化シリコン膜を100nmの厚さで形成する。ゲート絶縁層140として、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層を用いてもよく、2層目の窒化シリコン膜の形成前に加熱処理を行ってもよい。
【0112】
ゲート絶縁層140形成後の加熱処理は、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下、好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下で行うとよい。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の加熱処理を行う。
【0113】
次に、ゲート絶縁層140上に、導電層150を形成する(図4(A4)、図4(B4)参照)。導電層150は、導電層110と同様の材料、作製方法により形成することができる。導電層150の詳細については、導電層110に係る説明を参照することができるから、ここでは省略する。なお、導電層150は透光性を有することが望ましい。
【0114】
なお、導電層110と導電層150とを同じ材料を用いて形成する場合には、材料および製造装置を共有することが容易になるため、低コスト化、スループットの向上などに寄与する。もちろん、同じ材料を用いて導電層110および導電層150を形成することは、必須の要件ではない。
【0115】
次に、導電層150上にレジストマスク104aおよびレジストマスク104bを形成し、当該レジストマスク104aおよびレジストマスク104bを用いて導電層150を選択的にエッチングして、導電層154aおよび導電層154bを形成する(図5(A1)、図5(B1)参照)。上記のエッチングとしては、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いても良い。なお、上記エッチングの後にはレジストマスク104aおよびレジストマスク104bは除去する。画素部において、導電層154aはトランジスタのゲート電極として、導電層154bは保持容量の電極(容量電極)として機能する。
【0116】
なお、導電層111bと導電層154bとが重畳する領域の面積は適宜変更することができる。本実施の形態において示すように、導電層111bと導電層154bとは透光性を有する材料を用いて形成されているため、重畳する領域の面積を増大させて容量値を増加させる場合であっても、開口率を低下させずに済むという利点がある。つまり、容量値の増加という課題を、開口率の低下を伴わずに解決することができる。
【0117】
次に、導電層154aおよび導電層154bを覆うように、導電層160を形成する(図5(A2)、図5(B2)参照)。導電層160は、導電層120と同様の材料、作製方法により形成することができる。導電層160の詳細については、導電層120に係る説明を参照することができるから、ここでは省略する。この場合にも、導電層120と導電層160とを同じ材料を用いて形成することにより、低コスト化、スループットの向上などが実現されるため好ましい。
【0118】
次に、導電層160上にレジストマスク105を形成し、当該レジストマスク105を用いて導電層160を選択的にエッチングして、導電層165を形成する(図5(A3)、図5(B3)参照)。なお、導電層165は、駆動回路部のトランジスタのゲート電極として機能する。また、導電層165は低抵抗な材料を用いて形成されている。レジストマスク105は、導電層165の形成後に除去される。
【0119】
なお、本実施の形態においては、導電層154aおよび導電層154bを形成した後、導電層165を形成する工程について説明したが、開示される発明はこれに限定して解釈されない。例えば、導電層154aおよび導電層154bと、導電層165の形成順序を入れ替えても良い。つまり、駆動回路部のトランジスタのゲート電極として機能する導電層165を形成した後に、画素部のトランジスタのゲート電極として機能する導電層154aおよび保持容量の電極として機能する導電層154bを形成することもできる。
【0120】
なお、導電層154aおよび導電層154bは、導電層165などと比較して薄く形成すると良い。導電層154aおよび導電層154bを薄く形成することにより、抵抗は高くなるが、透過率を一層向上させることができるため有利である。もちろん、開示する発明の一態様をこれに限定して解釈する必要はない。
【0121】
次に、ゲート絶縁層140、導電層154a、導電層154b、導電層165を覆うように絶縁層170を形成する(図5(A4)、図5(B4)参照)。絶縁層170の表面は、後の電極(画素電極)の被形成面となるため、平坦に形成することが好ましい。特に、開示する発明の一態様においては、透光性を有する材料を用いて各種素子を形成することが可能であるため、これらの素子が形成されている領域をも表示領域(開口領域)として利用することができる。したがって、素子や配線に起因する凹凸を緩和するように絶縁層170を形成することは極めて有益である。
【0122】
絶縁層170は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の酸素または窒素を含有する材料からなる絶縁膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる膜、などの単層構造または積層構造とすることができる。例えば、窒化シリコンを有する膜は、不純物をブロッキングする効果が高いため、素子の信頼性向上に好適である。また、有機材料を有する膜は、凹凸を緩和する機能が高いため、素子の特性向上に好適である。なお、絶縁層170を、窒化珪素を有する膜と、有機材料を有する膜との積層構造とする場合には、図中下側(素子に近い側)に保護絶縁層として窒化珪素を有する膜(窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等)を配置し、上側(画素電極の被形成面側)に平坦化絶縁層として有機材料を有する膜を配置することが好適である。絶縁層170は、十分な透光性を有していることが好ましい。
【0123】
なお、絶縁層170を絶縁層170aと絶縁層170bの二層構造とする場合には(図20(A)参照)、絶縁層170bの導電層154bと重畳する領域をエッチングにより除去することで(図20(B)参照)、後に形成される導電層180との間に形成される容量の容量値を増加させることが可能である(図20(C)参照)。なお、開示する発明の一態様は上記に限定されず、絶縁層170を三層以上の多層構造としても良い。
【0124】
カラーフィルタとしての機能を有するように絶縁層170を形成しても良い。このように、素子を形成する基板にカラーフィルタを形成することにより、対向基板などを貼り合わせる際の位置合わせが容易となる。もちろん、絶縁層170にカラーフィルタとしての機能を有せしめることに限定されず、別途カラーフィルタとして機能する層を基板100上に形成しても良い。なお、開示する発明の一態様では、遮光性を有する材料を用いてソース配線やゲート配線などを形成している。これにより、ブラックマスク(ブラックマトリクス)を別途形成することなく、画素間を遮光することができる。つまり、ブラックマスクを別途形成する場合と比較して、工程を簡略化しつつ、高性能な半導体装置を提供することができる。もちろん、開示する発明の一態様をこれに限定して解釈する必要はなく、別途ブラックマスクを形成しても良い。
【0125】
なお、絶縁層170が無くとも大きな不都合が生じない場合には、絶縁層170を形成しない構成とすることができる。この場合、工程を簡略化することができるというメリットがある。
【0126】
その後、絶縁層170に導電層111bに達するコンタクトホール176を形成し、導電層111bの表面の一部を露出させる(図6(A1)、図6(B1)参照)。
【0127】
そして、絶縁層170を覆うように、導電層180を形成する(図6(A2)、図6(B2)参照)。絶縁層170にはコンタクトホール176が形成されているため、導電層111bと導電層180とは電気的に接続されることになる。
【0128】
導電層180は、導電層110や導電層150と同様の材料、作製方法により形成することができる。導電層180の詳細については、導電層110や導電層150に係る説明を参照することができるから、ここでは省略する。なお、導電層180は透光性を有することが望ましい。この場合にも、導電層110や導電層150と導電層180とを同じ材料を用いて形成することにより、低コスト化、スループットの向上などが実現されるため好ましい。
【0129】
次に、導電層180上にレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて導電層180を選択的にエッチングして、導電層187を形成する(図6(A3)、図6(B3)参照)。ここで、導電層187は、画素電極としての機能を有する。
【0130】
図中には示さないが、導電層180から形成される導電層を用いて、ソース配線、ソース電極、ゲート配線、ゲート電極、容量配線、容量電極、などを互いに接続させることができる。つまり、導電層180から形成される導電層を、各種配線として機能させることが可能である。
【0131】
以上により、透光性を有する画素部のトランジスタ190、透光性を有する保持容量191および、低抵抗な電極を用いた駆動回路部のトランジスタ192を備えた半導体装置を作製することができる(図6(A3)、図6(B3)参照)。
【0132】
このように、透光性を有する材料を用いてトランジスタ190および保持容量191を形成することにより、ソース電極やドレイン電極、ゲート電極などが形成された領域においても光を透過させることができるため、画素の開口率を向上させることができる。また、駆動回路部のトランジスタ192を、低抵抗材料を用いて形成することにより、駆動回路の特性を向上させることができる。
【0133】
また、透光性を有する材料を用いて容量電極を形成することにより、容量電極の面積を十分に大きくすることができる。つまり、保持容量の容量値を十分に大きくすることが可能である。これにより、画素電極の電位保持特性が向上し、表示品質が向上する。また、フィードスルー電位を小さくすることができる。また、クロストークを低減することができる。また、ちらつきを低減することができる。
【0134】
また、透光性を有する材料を用いてトランジスタ190を形成するため、トランジスタ190におけるチャネル長(L)やチャネル幅(W)の設計の自由度が極めて高い(レイアウトの自由度が高い)。これは、開口率がチャネル長やチャネル幅の影響を受けないためである。なお、駆動回路などの透光性が不要な対象に対して、透光性を有しない低抵抗な材料を用いているため、画素部に用いる素子と、それ以外の領域(例えば駆動回路)に用いる素子とを作り分けることができる。
【0135】
なお、トランジスタにおけるチャネル長(L)やチャネル幅(W)は、導電層165などの幅より大きいものとすることが可能である。これは、半導体層133aが光透過性を有する材料で形成されているため、開口率が半導体層133aの大きさに依存しないことによる。ただし、開示する発明の一態様がこれに限定して解釈されるものではない。トランジスタは並列または直列に複数配置しても良い。これにより、トランジスタ数を増加させることができる。
【0136】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0137】
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体装置の作製方法の他の一例について、図7乃至図11を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る半導体装置の作製方法は、多くの部分で実施の形態1に係る作製方法と共通している。したがって、以下においては、重複する構成、重複する符号などの説明は省略する。
【0138】
なお、本実施の形態に係る半導体装置の構成および画素の平面図、画素の断面図は、実施の形態1と同様である(図1(A)、図2(A)、図2(B)参照)。
【0139】
図7に、本実施の形態に係る駆動回路部のトランジスタの断面構造を示す。ソース電極(またはドレイン電極)として機能する導電層116c及び導電層126cと、半導体層137bと、ゲート絶縁層140と、ゲート電極として機能する導電層158c及び導電層168cとで構成されるいわゆるトップゲート型のトランジスタである。本実施の形態では、透光性を有する材料で形成された導電層116cと、低抵抗材料で形成された導電層126cとでソース電極(またはドレイン電極)が形成されており、透光性を有する材料で形成された導電層158cと低抵抗材料で形成された導電層168cとでゲート電極が形成されている。
【0140】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の作製方法の一例について図8乃至図11を用いて説明する。図8乃至図11の左側は、画素部のトランジスタ及び保持容量の作製方法を、図8乃至図11の右側は、駆動回路部のトランジスタの作製方法を示している。
【0141】
はじめに、絶縁面を有する基板100上に導電層110および導電層120を順に積層して形成する(図8(A1)、図8(B1)参照)。絶縁面を有する基板100、導電層110、導電層120の詳細については実施の形態1を参照することができる。
【0142】
図示しないが、絶縁面を有する基板100上には下地膜を設けるとよい。下地膜の詳細についても実施の形態1を参照することができる。なお、開示する発明の一態様は下地膜を設けることに限定されない。
【0143】
次に、導電層120上にレジストマスク106a乃至106cを形成し、当該レジストマスク106a乃至106cを用いて導電層110および導電層120を選択的にエッチングして、導電層116a乃至116c、導電層126a乃至126cを形成する(図8(A2)、図8(B2)参照)。
【0144】
本実施の形態に係る半導体装置の作製方法と、実施の形態1に係る半導体装置の作製方法との相違点の一は、導電層110および導電層120のエッチング工程にある。本実施の形態においては、エッチング工程において用いるレジストマスク106a乃至106cを、多階調マスクを用いて形成している。
【0145】
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクである。多階調マスクを用いることで、例えば、露光、半露光、未露光といった3段階の光量で露光を行うことができる。つまり、多階調マスクを用いることにより、一度の露光及び現像で、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの使用数を削減することができる。
【0146】
代表的な多階調マスクとしては、グレートーンマスクやハーフトーンマスクがある。グレートーンマスクは、透光性を有する基板上に遮光性を有する材料層により形成された遮光部と、該遮光性を有する材料層に設けられたスリット部で構成される。スリット部は露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット(ドットやメッシュなどを含む)を有することで、光の透過率を制御する機能を有する。なお、スリット部に設けられるスリットは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。ハーフトーンマスクは、透光性を有する基板上に遮光性を有する材料層により形成された遮光部と、所定の透光性を有する材料層により形成された半透過部で構成される。半透過部は、その材料層の材質や厚さに応じた光の透過率を有する。半透過部における透過率は、概ね10%〜70%の範囲となっている。
【0147】
図12に、代表的な多階調マスクの断面を示す。図12(A1)は、グレートーンマスク400を示しており、図12(B1)は、ハーフトーンマスク410を示している。
【0148】
図12(A1)に示すグレートーンマスク400は、透光性を有する基板401に遮光性を有する材料層により形成された遮光部402、および遮光性を有する材料層のパターンにより形成されたスリット部403で構成されている。
【0149】
スリット部403は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリットを有する。透光性を有する基板401としては、石英等を用いることができる。遮光部402およびスリット部403を構成する遮光層は、金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により形成される。図12(A1)に示すグレートーンマスク400に光を照射する場合には、図12(A2)に示される透過率が得られる。
【0150】
図12(B1)に示すハーフトーンマスク410は、透光性を有する基板411上に遮光性を有する材料層により形成された遮光部412、および所定の透光性を有する材料層により形成された半透過部413で構成されている。
【0151】
半透過部413は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の材料層を用いて形成することができる。遮光部412は、グレートーンマスクの遮光部と同様の材料を用いて形成すればよい。なお、図12(B1)において、遮光部412は、所定の透光性を有する材料層と、遮光性を有する材料層の積層構造で形成されている。図12(B1)に示すハーフトーンマスク410に光を照射する場合には、図12(B2)に示される透過率が得られる。
【0152】
上記のような多階調マスクを用いて、露光および現像を行うことで、膜厚の異なる領域を有するレジストマスク106a乃至106cを形成することができる。
【0153】
導電層110および導電層120のエッチングには、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いても良い。ただし、この段階においては、導電層110および導電層120が共にエッチングされることが必要である。当該エッチングにより、画素部のトランジスタのソース電極として機能する導電層116aと、画素部のトランジスタのドレイン電極および保持容量の電極として機能する導電層116bと、駆動回路部のトランジスタのソース(またはドレイン)電極として機能する導電層116cを形成することができる。
【0154】
次に、レジストマスク106cを縮小させることでレジストマスク106dを形成するとともに、レジストマスク106aおよびレジストマスク106bを除去する。次に、レジストマスク106dを用いて導電層126aおよび導電層126bを除去する(図8(A3)、図8(B3)参照)。レジストマスク106cを縮小させる手段(およびレジストマスク106aおよびレジストマスク106bを除去する手段)としては、例えば、酸素プラズマを用いたアッシング処理などがあるが、上記手段はこれに限定する必要はない。
【0155】
導電層126aおよび導電層126bの除去には、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いても良い。ただし、この段階においては、導電層116a(導電層116b)と、導電層126a(導電層126b)との選択比が取れる条件でエッチングを行う。つまり、当該エッチングによって導電層116aおよび導電層116bの形状が大きく変化しないことが重要になる。当該エッチングにより形成された、導電層116cの上に導電層126cが積層された電極は、駆動回路のトランジスタのソース(またはドレイン)電極として機能する。ここで、導電層116aは透光性を有する材料を用いて形成されており、導電層126cは低抵抗材料な材料を用いて形成されている。
【0156】
なお、上記エッチングの後にはレジストマスク106dは除去する。上記の各種導電層は、後に形成される絶縁層などの被覆性を向上し、段切れを防止するために、その端部がテーパー形状となるように形成することが好ましい。このように、導電層をテーパー形状となるように形成することで、半導体装置の歩留まり向上という課題を解決することができる。ひいては、半導体装置の製造コスト抑制につながる。
【0157】
次に、少なくとも導電層116aおよび導電層116bを覆うように半導体層130を形成する(図8(A4)、図8(B4)参照)。本実施の形態では、導電層116a、導電層116b、導電層126cを覆うように、基板100上に半導体層130が形成される。半導体層130の詳細については実施の形態1を参照することができる。
【0158】
なお、半導体層130を形成する前に、半導体層130の被形成面(例えば、導電層116aおよび導電層116bの表面、下地膜を形成した場合には下地膜の表面を含む)にプラズマ処理を行ってもよい。プラズマ処理を行うことにより、被形成面に付着しているゴミなどを除去することができる。また、上述のプラズマ処理を行った後、大気に曝すことなく半導体層130を形成することにより、導電層116aおよび導電層116bと、半導体層130との電気的接続を良好に行うことができる。つまり、半導体装置の歩留まり向上、信頼性向上といった課題を解決することが可能である。
【0159】
次に、半導体層130上にレジストマスク107aおよびレジストマスク107bを形成し、当該レジストマスク107aおよびレジストマスク107bを用いて半導体層130を選択的にエッチングして、半導体層137aおよび半導体層137bを形成する(図9(A1)、図9(B1)参照)。該工程の詳細についても実施の形態1を参照することができる。
【0160】
その後、200℃〜600℃、代表的には300℃〜500℃の熱処理を行うと良い。ここでは、窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により半導体層137aおよび半導体層137bの半導体特性を向上させることができる。なお、上記熱処理のタイミングは、半導体層137aおよび半導体層137bの形成後であれば特に限定されない。
【0161】
次に、半導体層137aおよび半導体層137bを覆うように、ゲート絶縁層140を形成する(図9(A2)、図9(B2)参照)。ゲート絶縁層140の詳細については、実施の形態1を参照することができる。
【0162】
次に、ゲート絶縁層140上に、導電層150および導電層160を順に積層して形成する(図9(A3)、図9(B3)参照)。導電層150、導電層160の詳細については実施の形態1を参照することができる。
【0163】
次に、導電層160上にレジストマスク108a乃至108cを形成し、当該レジストマスク108a乃至108cを用いて導電層150および導電層160を選択的にエッチングして、導電層158a乃至158c、導電層168a乃至168cを形成する(図10(A1)、図10(B1)参照)。
【0164】
本実施の形態に係る半導体装置の作製方法と、実施の形態1に係る半導体装置の作製方法との相違点の一は、導電層150および導電層160のエッチング工程にある。本実施の形態においては、エッチング工程において用いるレジストマスク108a乃至108cを、多階調マスクを用いて形成している。多階調マスクその他の詳細については、レジストマスク106a乃至106cに係る記載を参照すればよい。
【0165】
多階調マスクを用いて露光および現像を行うことで、膜厚の異なる領域を有するレジストマスク108a乃至108cを形成することができる。
【0166】
導電層150および導電層160のエッチングには、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いても良い。ただし、この段階においては、導電層150および導電層160が共にエッチングされることが必要である。当該エッチングにより、画素部のトランジスタのゲート電極として機能する導電層158a、および画素部の保持容量の電極として機能する導電層158b、駆動回路部のゲート電極として機能する導電層158cを形成することができる。
【0167】
次に、レジストマスク108cを後退させてレジストマスク108dを形成すると共に、レジストマスク108aおよびレジストマスク108bを除去し、レジストマスク108dを用いて導電層168aおよび導電層168bを除去する(図10(A2)、図10(B2)参照)。
【0168】
なお、導電層158aおよび導電層158bと重なる導電層168aおよび導電層168bを除去するため、導電層168aおよび導電層168bのエッチングの際に、導電層158aおよび導電層158bも除去されないようにそれぞれの材料及びエッチング条件を適宜調節する。導電層168aおよび導電層168bに、選択的にエッチングを行うため、下層の導電層158a、158bとのエッチング工程における選択比が高いことが好ましい。
【0169】
例えば、導電層168aおよび導電層168bとしてTi膜を用いて、導電層158aおよび導電層158bにはIn−Sn−O系金属酸化物膜を用いて、エッチャントとしてアルカリ性のエッチャントである過水アンモニア水(アンモニア、水、過酸化水素水の混合液)を用いる。
【0170】
レジストマスク108cを後退させる手段(およびレジストマスク108aおよびレジストマスク108bを除去する手段)や、導電層168aおよび導電層168bの除去の詳細については、レジストマスク106cを後退させる手段(およびレジストマスク106aおよびレジストマスク106bを除去する手段)や、導電層126aおよび導電層126bの除去の記載を参照することができる。なお、この段階においては、導電層158a(導電層158b)と、導電層168a(導電層168b)との選択比が取れる条件でエッチングを行う。つまり、当該エッチングによって導電層158aおよび導電層158bの形状が大きく変化しないことが重要になる。当該エッチングにより、駆動回路部のトランジスタのゲート電極として機能する導電層168cを形成することができる。ここで、導電層168cは低抵抗な材料を用いて形成されている。
【0171】
なお、上記エッチングの後にはレジストマスク108dは除去する。上記の各種導電層は、後に形成される絶縁層などの被覆性を向上し、段切れを防止するために、その端部がテーパー形状となるように形成することが好ましい。このように、導電層をテーパー形状となるように形成することで、半導体装置の歩留まり向上という課題を解決することができる。
【0172】
なお、導電層116bと導電層158bとが重畳する領域の面積は適宜変更することができる。本実施の形態において示すように、導電層116bと導電層158bとは透光性を有する材料を用いて形成されているため、重畳する領域の面積を増大させて容量値を増加させる場合であっても、開口率を低下させずに済むという利点がある。つまり、容量値の増加という課題を、開口率の低下を伴わずに解決することができる。
【0173】
また、本実施の形態においては、画素部のトランジスタのソース電極として機能する導電層116aおよび、画素部のトランジスタのドレイン電極として機能する導電層116bと、ゲート電極として機能する導電層158aの一部が重畳するように導電層116a、導電層116b、導電層158aを形成しているが、半導体層137aの一部の導電性を高めることができる場合には、導電層116aまたは導電層116bと、導電層158aとを重畳させない構成としても良い。詳細については実施の形態1を参照することができる。このように、導電層116aまたは導電層116bと、導電層158aとを重畳させない構成とすることにより、導電層116a(または導電層116b)と導電層158aとの重畳に起因する寄生容量を低減することができる。つまり、半導体装置の特性向上という課題を解決することができる。
【0174】
また、導電層158b上に残存するように導電層168bを形成しても良い。このように、導電層168bを形成することにより、容量配線の配線抵抗を低減することができる。なお、導電層158b上における導電層168bの幅は、導電層158bと比較して十分に小さくすることが好ましい。このように導電層168bを形成することにより、容量配線の配線抵抗を低減するという課題を、開口率の低下を伴わずに解決することができる。
【0175】
次に、ゲート絶縁層140、導電層158a、導電層158b、導電層168cを覆うように絶縁層170を形成する(図10(A3)、図10(B3)参照)。例えば、絶縁層170を、窒化珪素を有する膜と、有機材料を有する膜との積層構造とする場合には、図中下側(素子に近い側)に保護絶縁層として窒化珪素を有する膜(窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等)を配置し、上側(画素電極の被形成面側)に平坦化絶縁層として有機材料を有する膜を配置することが好適である。絶縁層170は、十分な透光性を有していることが好ましい。絶縁層170の詳細については実施の形態1を参照することができる。
【0176】
なお、絶縁層170が無くとも大きな不都合が生じない場合には、絶縁層170を形成しない構成とすることができる。この場合、工程を簡略化することができるというメリットがある。
【0177】
その後、絶縁層170に導電層116bに達するコンタクトホール176を形成し、導電層116bの表面の一部を露出させる(図11(A1)、図11(B1)参照)。
【0178】
そして、絶縁層170を覆うように、導電層180を形成する(図11(A2)、図11(B2)参照)。絶縁層170にはコンタクトホール176が形成されているため、導電層116bと導電層180とは電気的に接続されることになる。導電層180の詳細については実施の形態1を参照することができる。
【0179】
次に、導電層180上にレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて導電層180を選択的にエッチングして、導電層189を形成する(図11(A3)、図11(B3)参照)。ここで、導電層189は、画素電極としての機能を有する。導電層189その他の詳細についても実施の形態1を参照することができる。
【0180】
透光性を有する画素部のトランジスタ190、透光性を有する保持容量191および、低抵抗な電極を用いた駆動回路部のトランジスタ192を備えた半導体装置を作製することができる(図11(A3)、図11(B3)参照)。
【0181】
なお、本実施の形態においては、多階調マスクを用いて各種配線や電極を形成しているが、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。導電層116a乃至116cの形成工程、または導電層168a乃至168cの形成工程のいずれか一方のみを、多階調マスクを用いる方法で行っても良い。
【0182】
本実施の形態では、多階調マスクを用いてレジストマスクを形成し、エッチングを行っている。このため、フォトマスクの使用数を抑え、工程数を減少させることができる。つまり、半導体装置の製造コストを抑制するという課題を解決することが可能である。
【0183】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0184】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で提供した半導体装置の画素の他の例について、図13乃至図14を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る半導体装置は、多くの部分で実施の形態1に係る半導体装置と共通している。したがって、以下においては、重複する構成、重複する符号などの説明は省略する。
【0185】
図13は、本実施の形態に係る画素構成の一例である。当該構成は、特に、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL表示装置)に用いるのに好適であるが、開示される発明はこれに限定されない。なお、図13(A)は平面図であり、図13(B)は図13(A)のC−Dにおける断面図である。
【0186】
図13(A)に示す半導体装置は、ソース配線として機能する導電層111aと、導電層111aと同様にして形成された電源配線として機能する導電層111cと、導電層111aおよび導電層111cと交差し、ゲート配線として機能する導電層154aと、導電層154aと導電層111aの交差部付近のトランジスタ190と、導電層111cと電気的に接続されたトランジスタ194と、導電層111cと電気的に接続された保持容量196と、を有する画素部を備えている。なお、図13(A)において、導電層111aおよび導電層111cと、導電層154aとは90°の角度で交差しているが、開示する発明は当該構成に限定されない。
【0187】
トランジスタ190は、ソース電極として機能する導電層111aと、ドレイン電極として機能する導電層111bと、半導体層133aと、ゲート絶縁層140と、ゲート電極として機能する導電層154aと、で構成されるいわゆるトップゲート型のトランジスタである(図13(A)、図13(B)参照)。同様に、トランジスタ194は、ソース電極として機能する導電層111cと、ドレイン電極として機能する導電層111dと、半導体層133cと、ゲート絶縁層140と、ゲート電極として機能する導電層154cと、で構成される。また、保持容量196は、導電層111cと、ゲート絶縁層140と、導電層154cと、で構成されている。なお、上記においても、ソース電極およびドレイン電極の称呼は便宜的なものに過ぎない。
【0188】
ここで、導電層111bと導電層154cとは、接続部198において、導電層182を介して電気的に接続されている(図13(A)、図13(B)参照)。また、導電層111bと導電層180は電気的に接続されている。なお、画素電極として機能する導電層180と導電層182とは同一の工程で作製することができる。また、導電層111bと導電層180とを接続するためのコンタクトホール、導電層111bと導電層182とを接続するためのコンタクトホール、導電層154cと導電層182とを接続するためのコンタクトホールは、同一の工程で作製することができる。
【0189】
トランジスタ190を構成する導電層111a、導電層111b、半導体層133a、導電層154a、トランジスタ194を構成する導電層111c、導電層111d、半導体層133c、導電層154c、および保持容量196を構成する導電層111cは、透光性を有する材料で形成されている。これにより、画素の開口率向上が実現されている。
【0190】
また、図示はしていないが、本実施の形態に係る半導体装置においても、駆動回路部のトランジスタの電極は低抵抗の金属を用いて形成されている。これは、実施の形態1で示した例と同じである。
【0191】
なお、上記においては、一つの画素に二つのトランジスタを有する場合について説明しているが、開示される発明はこれに限定されない。一つの画素に三つ以上のトランジスタを設けることもできる。
【0192】
図14は、本実施の形態に係る画素構成の一例である。当該構成は、特に、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL表示装置)に用いるのに好適であるが、開示される発明はこれに限定されない。なお、図14(A)は平面図であり、図14(B)は図14(A)のC−Dにおける断面図である。
【0193】
図14に示される構成は、基本的には、図13に示される構成と同様である。図13に示される構成との相違点は接続部198にあり、図13では、導電層111bと導電層154cが導電層182を介して接続されているのに対して、図14では、導電層111bと導電層154cが直接接続されている(図14(A)、図14(B)参照)。この場合、図13で示す導電層182は図14においては不要となるため、画素電極として機能する導電層180をより大きくすることが可能であり、図13に示される構成と比較して開口率を向上させることができる。なお、導電層111bと導電層154cとの電気的接続を実現するためには、導電層154cの形成前に、ゲート絶縁層140に対してコンタクトホールを形成しておく必要がある。
【0194】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0195】
(実施の形態4)
本実施の形態では、薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを、画素部や周辺回路部(駆動回路など)に用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置)を作製する場合について説明する。周辺回路部の一部または全部を、画素部と同じ基板上に一体形成することにより、システムオンパネルを形成することができる。
【0196】
表示装置は表示素子を含む。表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)や、発光素子(発光表示素子ともいう)などを用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機EL等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体を適用しても良い。
【0197】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、表示装置を構成する素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極が形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電層の成膜後、エッチング前の状態であっても良い。
【0198】
以下、本実施の形態では、液晶表示装置の一例について示す。図15は、第1の基板4001上に形成された薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011および液晶素子4013を、第2の基板4006とシール材4005によって封止した、パネルの平面図および断面図である。ここで、図15(A1)および図15(A2)は平面図を示し、図15(B)は、図15(A1)および図15(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0199】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002および走査線駆動回路4004を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と走査線駆動回路4004の上に、第2の基板4006が設けられている。つまり、画素部4002と走査線駆動回路4004は、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4008と共に封止されている。また、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれる領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体または多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0200】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG法、ワイヤボンディング法、TAB法などを適宜用いることができる。図15(A1)は、COG法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図15(A2)は、TAB法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0201】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と走査線駆動回路4004は、薄膜トランジスタを複数有しており、図15(B)では、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011を例示している。薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011上には絶縁層4020が設けられている。
【0202】
薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011には、先の実施の形態などに示すトランジスタを適用することができる。なお、本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011はnチャネル型トランジスタとした。
【0203】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。そして、液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板4006上に形成されている。上記の画素電極層4030と対向電極層4031、液晶層4008により、液晶素子4013が形成される。なお、画素電極層4030、対向電極層4031には、それぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられ、画素電極層4030および対向電極層4031は、これらを介して液晶層4008を挟持している。
【0204】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、セラミックス、プラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)基板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0205】
また、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御するために、柱状のスペーサ4035が設けられている。柱状のスペーサ4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる。なお、柱状のスペーサに代えて球状のスペーサを用いても良い。また、対向電極層4031は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。例えば、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して、対向電極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005に含有させると良い。
【0206】
また、配向膜が不要なブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、昇温によってコレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いると良い。これにより、温度範囲を改善することができる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答時間が10μs〜100μsと短く、光学的等方性を有するため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい、といった特徴を有している。
【0207】
なお、本実施の形態では透過型液晶表示装置の一例を示しているが、これに限定されず、反射型液晶表示装置としても良いし、半透過型液晶表示装置としても良い。
【0208】
また、本実施の形態で示す液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層、および表示素子に用いる電極層を設ける例について示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、遮光膜として、ブラックマスク(ブラックマトリクス)を設けてもよい。
【0209】
また、本実施の形態では、薄膜トランジスタの表面凹凸を低減するため、先の実施の形態で得られた薄膜トランジスタを絶縁層4020で覆う構成を採用しているが、開示される発明はこれに限定されない。
【0210】
絶縁層4020としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させて、絶縁層4020を形成してもよい。
【0211】
ここで、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。置換基としては、有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0212】
絶縁層4020の形成方法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
【0213】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0214】
また、画素電極層4030、対向電極層4031に、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いても良い。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が1.0×10Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率は0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0215】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0216】
信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、画素部4002などに与えられる各種信号は、FPC4018から供給されている。
【0217】
また、接続端子電極4015は、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0218】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0219】
なお、図15においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装する例を示しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0220】
図16は、半導体装置の一形態に相当する液晶表示モジュールに、TFT基板2600を用いる例を示している。
【0221】
図16では、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む素子層2603、配向膜や液晶を含む液晶層2604、着色層2605などが設けられることにより表示領域が形成されている。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合には、赤、緑、青の各色に対応した着色層が、各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。また、光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成されている。回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、これによって、コントロール回路や電源回路などの外部回路が液晶モジュールに組みこまれる。また、偏光板と液晶層との間には、位相差板を設けても良い。
【0222】
液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0223】
以上の工程により、高性能な液晶表示装置を作製することができる。本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0224】
(実施の形態5)
本実施の形態では、図17を参照して半導体装置の一例であるアクティブマトリクス型の電子ペーパーについて説明する。半導体装置に用いられる薄膜トランジスタ650は、先の実施の形態で示す薄膜トランジスタと同様に作製することができる。
【0225】
図17に示す電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いたものの一例である。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差を生じさせることによって、球形粒子の向きを制御して、表示を行う方法である。
【0226】
基板600上に設けられた薄膜トランジスタ650は開示する発明の薄膜トランジスタであり、半導体層が、その上方のゲート電極層と、その下方のソース電極層またはドレイン電極層とによって挟まれた構造を有している。なお、ソース電極層またはドレイン電極層は、絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して、第1の電極層660と電気的に接続している。基板602には第2の電極層670が設けられており、第1の電極層660と第2の電極層670との間には、黒色領域680a及び白色領域680bを有する球形粒子680が設けられている。また、球形粒子680の周囲は樹脂等の充填材682で満たされている(図17参照)。図17において、第1の電極層660が画素電極に相当し、第2の電極層670が共通電極に相当する。第2の電極層670は、薄膜トランジスタ650と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。
【0227】
ツイストボールの代わりに、電気泳動表示素子を用いることも可能である。その場合、例えば、透光性を有する液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層によって電場が与えられると、白い微粒子と黒い微粒子が互いに逆方向に移動し、白または黒が表示される。電気泳動表示素子は液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ライトが不要であり、また、明るさが十分ではない場所であっても表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持することが可能であるという利点も有している。
【0228】
以上のように、開示する発明を用いることで高性能な電子ペーパーを作製することができる。なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0229】
(実施の形態6)
本実施の形態では、半導体装置として発光表示装置の例を示す。表示装置の有する表示素子としては、ここではエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を用いて示す。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0230】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより発光する。このようなメカニズムから、該発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0231】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
【0232】
発光素子の構成について、図18を用いて説明する。ここでは、駆動用TFTがn型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図18(A)、図18(B)、図18(C)の半導体装置に用いられるTFT701、TFT711、TFT721は、先の実施の形態で示す薄膜トランジスタと同様に作製することができる。
【0233】
発光素子は、光を取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方が透光性を有している。ここで、透光性とは、少なくとも発光波長における透過率が十分に高いことを意味する。光の取り出し方式としては、基板上に薄膜トランジスタ及び発光素子を形成し、該基板とは反対側の面から光を取り出す上面射出方式(上面取り出し方式)や、基板側の面から光を取り出す下面射出方式(下面取り出し方式)、基板側およびその反対側の面から光を取り出す両面射出方式(両面取り出し方式)などがある。
【0234】
上面射出方式の発光素子について図18(A)を参照して説明する。
【0235】
図18(A)は、発光素子702から発せられる光が陽極705側に抜ける場合の、画素の断面図を示している。ここでは、駆動用TFT701と電気的に接続された透光性を有する導電層707上に、発光素子702が形成されており、陰極703上に発光層704、陽極705が順に積層されている。陰極703としては、仕事関数が小さく、光を反射する導電膜を用いることができる。例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等の材料を用いて陰極703を形成することが望ましい。発光層704は、単層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていても良い。複数の層で構成されている場合、陰極703上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層すると良いが、もちろん、これらの層を全て設ける必要はない。陽極705は光を透過する導電性材料を用いて形成する。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いれば良い。
【0236】
陰極703及び陽極705で発光層704を挟んだ構造を、発光素子702と呼ぶことができる。図18(A)に示した画素の場合、発光素子702から発せられる光は、矢印で示すように陽極705側に射出される。発光素子702の構造は、マイクロキャビティ構造としても良い。これにより、取り出し波長を選択することが可能となるため、色純度を向上させることができる。なお、この場合には、取り出し波長にあわせて発光素子702を構成する各層の厚みを設定することになる。また、所定の反射率を有する材料を用いて電極を形成すると良い。
【0237】
陽極705の上には、窒化シリコン、酸化シリコンなどを含む絶縁層を形成しても良い。これにより、発光素子の劣化を抑制することができる。
【0238】
次に、下面射出方式の発光素子について図18(B)を参照して説明する。
【0239】
図18(B)は、発光素子712から発せられる光が陰極713側に抜ける場合の、画素の断面図を示している。ここでは、駆動用TFT711と電気的に接続された透光性を有する導電層717上に、発光素子712の陰極713が形成されており、陰極713上に発光層714、陽極715が順に積層されている。なお、陽極715が透光性を有する場合、該陽極715上を覆うように遮光膜716を設けても良い。陰極713は、図18(A)の場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例えば20nm程度の膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極713として用いることができる。発光層714は、図18(A)と同様に、単層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていても良い。陽極715は、光を透過する必要はないが、図18(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成しても良い。遮光膜716には、光を反射する金属等を用いることができるが、これに限定されない。なお、遮光膜716に反射機能を有せしめることにより、光の取り出し効率を向上させることが可能である。
【0240】
陰極713及び陽極715で、発光層714を挟んだ構造を発光素子712と呼ぶことができる。図18(B)に示した画素の場合、発光素子712から発せられる光は、矢印で示すように陰極713側に射出される。発光素子712の構造は、マイクロキャビティ構造としても良い。また、陽極715の上には絶縁層を形成しても良い。
【0241】
次に、両面射出方式の発光素子について、図18(C)を参照して説明する。
【0242】
図18(C)は、駆動用TFT721と電気的に接続された透光性を有する導電層727上に、発光素子722の陰極723が形成されており、陰極723上に発光層724、陽極725が順に積層されている。陰極723は、図18(A)の場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極723として用いることができる。発光層724は、図18(A)と同様に、単層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていても良い。陽極725は、図18(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。
【0243】
陰極723と、発光層724と、陽極725とが重なった構造を発光素子722と呼ぶことができる。図18(C)に示した画素の場合、発光素子722から発せられる光は、矢印で示すように陽極725側と陰極723側の両方に射出される。発光素子722の構造は、マイクロキャビティ構造としても良い。また、陽極725の上には絶縁層を形成しても良い。
【0244】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機EL素子を設けることも可能である。また、ここでは、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(駆動用TFT)と発光素子が電気的に接続されている例を示したが、駆動用TFTと発光素子との間に電流制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0245】
なお、本実施の形態で示す半導体装置は、図18に示した構成に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
【0246】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び断面について、図19を参照して説明する。図19は、第1の基板4501上に形成された薄膜トランジスタ4509、薄膜トランジスタ4510および発光素子4511を、第2の基板4506とシール材4505によって封止したパネルの平面図および断面図である。ここで、図19(A)は平面図を示し、図19(B)は、図19(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0247】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bを囲むようにして、シール材4505が設けられている。また、画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bの上に第2の基板4506が設けられている。つまり、画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506とによって、充填材4507と共に密封されている。このように、気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材などを用いてパッケージング(封入)することが好ましい。
【0248】
また、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、薄膜トランジスタを複数有しており、図19(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信号線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509を例示している。
【0249】
薄膜トランジスタ4509、薄膜トランジスタ4510は、先の実施の形態において示したトランジスタを適用することができる。なお、本実施の形態において、薄膜トランジスタ4509、薄膜トランジスタ4510はnチャネル型トランジスタである。
【0250】
また、4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極層またはドレイン電極層と電気的に接続されている。なお、発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、第2の電極層4512、電界発光層4513、第3の電極層4514の積層構造であるが、本実施の形態に示した構成に限定されない。発光素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、上記構成は適宜変更することができる。
【0251】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜、有機ポリシロキサンなどを用いて形成する。特に、感光性を有する材料を用いて第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁が、連続した曲率を持つ傾斜面となるようにすることが好ましい。
【0252】
電界発光層4513は、単層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていても良い。
【0253】
発光素子4511に酸素、水素、水、二酸化炭素等が浸入しないように、第3の電極層4514及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、DLC膜等を形成することができる。
【0254】
また、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504b、画素部4502などに与えられる各種信号は、FPC4518a、FPC4518bから供給されている。
【0255】
本実施の形態では、接続端子電極4515が、発光素子4511の第1の電極層4517と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509や薄膜トランジスタ4510のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜から形成される例について示している。
【0256】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介して電気的に接続されている。
【0257】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する基板は、透光性を有さなければならない。透光性を有する基板としては、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルム、アクリルフィルムなどがある。
【0258】
充填材4507としては、窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂などを用いることができる。例えば、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)、EVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。本実施の形態では、充填材として窒素を用いる例について示している。
【0259】
必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを設けてもよい。また、表面には反射防止処理を施しても良い。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0260】
信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、別途用意された基板上の単結晶半導体または多結晶半導体によって形成されていても良い。また、信号線駆動回路のみ、若しくはその一部、または走査線駆動回路のみ、若しくはその一部のみを別途形成して実装しても良く、本実施の形態は図19の構成に限定されない。
【0261】
以上の工程により、高性能な発光表示装置(表示パネル)を作製することができる。
【0262】
次に、デジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成およびその動作について説明する。図21は、デジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の例を示す図である。ここでは、酸化物半導体層(In−Ga−Zn−O系非単結晶膜)をチャネル形成領域に用いるnチャネル型のトランジスタを1つの画素に2つ用いる例を示す。
【0263】
図21(A)において、画素6400は、スイッチング用トランジスタ6401、駆動用トランジスタ6402、発光素子6404および容量素子6403を有している。スイッチング用トランジスタ6401はゲートが走査線6406に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)が信号線6405に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)が駆動用トランジスタ6402のゲートに接続されている。駆動用トランジスタ6402は、ゲートが容量素子6403を介して電源線6407に接続され、第1電極が電源線6407に接続され、第2電極が発光素子6404の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子6404の第2電極は共通電極6408に相当する。
【0264】
なお、発光素子6404の第2電極(共通電極6408側)と第1電極(電源線6407側)の電位の関係は、どちらが高電位となるように設定されても良い。発光表示装置では、高電位と低電位との電位差を発光素子6404に印加し、それによって生じる電流で発光素子6404を発光させるため、高電位と低電位との電位差が発光素子6404のしきい値電圧以上となるように、それぞれの電位を設定すれば良い。
【0265】
なお、容量素子6403は駆動用トランジスタ6402のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ6402のゲート容量は、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されるものであってもよい。
【0266】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、駆動用トランジスタ6402のゲートには、駆動用トランジスタ6402がオン状態またはオフ状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させる。
【0267】
また、入力信号を異ならせることで、図21(A)と同じ画素構成を用いてアナログ階調駆動が可能である。例えば、ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子6404にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。ビデオ信号は駆動用トランジスタ6402が飽和領域で動作するような信号とすることが好ましい。
【0268】
また、電源線6407の電位は、パルス状に変化するものであっても良い。この場合、図21(B)のような構成を採用すると好ましい。
【0269】
また、図21(A)の構成において、ある画素の発光素子6404の第2電極の電位は、他の画素の第2電極の電位と共通にすることが多いが(共通電極6408の電位)、陰極を画素ごとにパターニングして、各々駆動トランジスタと接続させる構成としても良い。
【0270】
なお、開示する発明の一態様は、図21に示す画素構成に限定して解釈されない。例えば、図21に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ、論理回路などを追加してもよい。
【0271】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0272】
(実施の形態7)
半導体装置は、電子ペーパーとして適用することができる。電子ペーパーは、情報を表示する、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示部分などに適用することができる。電子機器の一例を図22、図23に示す。
【0273】
図22(A)は、電子ペーパーで作られたポスター2631を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、電子ペーパーを用いれば短時間で広告の表示を変えることができる。また、表示も崩れることなく安定した画像が得られる。なお、ポスターは無線で情報を送受信できる構成としてもよい。
【0274】
また、図22(B)は、電車などの乗り物の車内広告2632を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、電子ペーパーを用いれば人手を多くかけることなく短時間で広告の表示を変えることができる。また表示も崩れることなく安定した画像が得られる。なお、車内広告は無線で情報を送受信できる構成としてもよい。
【0275】
また、図23は、電子書籍2700を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0276】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図23では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図23では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0277】
また、図23では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0278】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0279】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0280】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について説明する。なお、本実施の形態における液晶素子の動作モードとして、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0281】
図27(A)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。画素5080は、トランジスタ5081、液晶素子5082及び容量素子5083を有している。トランジスタ5081のゲートは配線5085と電気的に接続される。トランジスタ5081の第1端子は配線5084と電気的に接続される。トランジスタ5081の第2端子は液晶素子5082の第1端子と電気的に接続される。液晶素子5082の第2端子は配線5087と電気的に接続される。容量素子5083の第1端子は液晶素子5082の第1端子と電気的に接続される。容量素子5083の第2端子は配線5086と電気的に接続される。なお、トランジスタの第1端子とは、ソースまたはドレインのいずれか一方であり、トランジスタの第2端子とは、ソースまたはドレインの他方のことである。つまり、トランジスタの第1端子がソースである場合は、トランジスタの第2端子はドレインとなる。同様に、トランジスタの第1端子がドレインである場合は、トランジスタの第2端子はソースとなる。
【0282】
配線5084は信号線として機能させることができる。信号線は、画素の外部から入力された信号電圧を画素5080に伝達するための配線である。配線5085は走査線として機能させることができる。走査線は、トランジスタ5081のオンオフを制御するための配線である。配線5086は容量線として機能させることができる。容量線は、容量素子5083の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。トランジスタ5081は、スイッチとして機能させることができる。容量素子5083は、保持容量として機能させることができる。保持容量は、スイッチがオフの状態においても、信号電圧が液晶素子5082に加わり続けるようにするための容量素子である。配線5087は、対向電極として機能させることができる。対向電極は、液晶素子5082の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。なお、それぞれの配線が持つことのできる機能はこれに限定されず、様々な機能を有することが出来る。例えば、容量線に加える電圧を変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を調整することもできる。なお、トランジスタ5081はスイッチとして機能すればよいため、トランジスタ5081の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
【0283】
図27(B)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。図27(B)に示す画素構成例は、図27(A)に示す画素構成例と比較して、配線5087が省略され、かつ、液晶素子5082の第2端子と容量素子5083の第2端子とが電気的に接続されている点が異なっている以外は、図27(A)に示す画素構成例と同様な構成であるとしている。図27(B)に示す画素構成例は、特に、液晶素子が横電界モード(IPSモード、FFSモードを含む)である場合に適用できる。なぜならば、液晶素子が横電界モードである場合、液晶素子5082の第2端子および容量素子5083の第2端子を同一な基板上に形成させることができるため、液晶素子5082の第2端子と容量素子5083の第2端子とを電気的に接続させることが容易であるからである。図27(B)に示すような画素構成とすることで、配線5087を省略できるので、製造工程を簡略なものとすることができ、製造コストを低減できる。
【0284】
図27(A)または図27(B)に示す画素構成は、マトリクス状に複数配置されることができる。こうすることで、液晶表示装置の表示部が形成され、様々な画像を表示することができる。図27(C)は、図27(A)に示す画素構成がマトリクス状に複数配置されている場合の回路構成を示す図である。図27(C)に示す回路構成は、表示部が有する複数の画素のうち、4つの画素を抜き出して示した図である。そして、i列j行(i,jは自然数)に位置する画素を、画素5080_i,jと表記し、画素5080_i,jには、配線5084_i、配線5085_j、配線5086_jが、それぞれ電気的に接続される。同様に、画素5080_i+1,jについては、配線5084_i+1、配線5085_j、配線5086_jと電気的に接続される。同様に、画素5080_i,j+1については、配線5084_i、配線5085_j+1、配線5086_j+1と電気的に接続される。同様に、画素5080_i+1,j+1については、配線5084_i+1、配線5085_j+1、配線5086_j+1と電気的に接続される。なお、各配線は、同じ列または行に属する複数の画素によって共有されることができる。なお、図27(C)に示す画素構成において配線5087は対向電極であり、対向電極は全ての画素において共通であることから、配線5087については自然数iまたはjによる表記は行なわないこととする。なお、図27(B)に示す画素構成を用いることも可能であるため、配線5087が記載されている構成であっても配線5087は必須ではなく、他の配線と共有されること等によって省略されることができる。
【0285】
図27(C)に示す画素構成は、様々な方法によって駆動されることができる。特に、交流駆動と呼ばれる方法によって駆動されることによって、液晶素子の劣化(焼き付き)を抑制することができる。図27(D)は、交流駆動の1つである、ドット反転駆動が行なわれる場合の、図27(C)に示す画素構成における各配線に加えられる電圧のタイミングチャートを表す図である。ドット反転駆動が行なわれることによって、交流駆動が行なわれる場合に視認されるフリッカ(ちらつき)を抑制することができる。
【0286】
図27(C)に示す画素構成において、配線5085_jと電気的に接続されている画素におけるスイッチは、1フレーム期間中の第jゲート選択期間において選択状態(オン状態)となり、それ以外の期間では非選択状態(オフ状態)となる。そして、第jゲート選択期間の後に、第j+1ゲート選択期間が設けられる。このように順次走査が行なわれることで、1フレーム期間内に全ての画素が順番に選択状態となる。図27(D)に示すタイミングチャートでは、電圧が高い状態(ハイレベル)となることで、当該画素におけるスイッチが選択状態となり、電圧が低い状態(ローレベル)となることで非選択状態となる。なお、これは各画素におけるトランジスタがNチャネル型の場合であり、Pチャネル型のトランジスタが用いられる場合、電圧と選択状態の関係は、Nチャネル型の場合とは逆となる。
【0287】
図27(D)に示すタイミングチャートでは、第kフレーム(kは自然数)における第jゲート選択期間において、信号線として用いる配線5084_iに正の信号電圧が加えられ、配線5084_i+1に負の信号電圧が加えられる。そして、第kフレームにおける第j+1ゲート選択期間において、配線5084_iに負の信号電圧が加えられ、配線5084_i+1に正の信号電圧が加えられる。その後も、それぞれの信号線は、ゲート選択期間ごとに極性が反転した信号が交互に加えられる。その結果、第kフレームにおいては、画素5080_i,jには正の信号電圧、画素5080_i+1,jには負の信号電圧、画素5080_i,j+1には負の信号電圧、画素5080_i+1,j+1には正の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。そして、第k+1フレームにおいては、それぞれの画素において、第kフレームにおいて書き込まれた信号電圧とは逆の極性の信号電圧が書き込まれる。その結果、第k+1フレームにおいては、画素5080_i,jには負の信号電圧、画素5080_i+1,jには正の信号電圧、画素5080_i,j+1には正の信号電圧、画素5080_i+1,j+1には負の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。このように、同じフレームにおいては隣接する画素同士で異なる極性の信号電圧が加えられ、さらに、それぞれの画素においては1フレームごとに信号電圧の極性が反転される駆動方法が、ドット反転駆動である。ドット反転駆動によって、液晶素子の劣化を抑制しつつ、表示される画像全体または一部が均一である場合に視認されるフリッカを低減することができる。なお、配線5086_j、配線5086_j+1を含む全ての配線5086に加えられる電圧は、一定の電圧とされることができる。なお、配線5084のタイミングチャートにおける信号電圧の表記は極性のみとなっているが、実際は、表示された極性において様々な信号電圧の値をとり得る。なお、ここでは1ドット(1画素)毎に極性を反転させる場合について述べたが、これに限定されず、複数の画素毎に極性を反転させることもできる。例えば、2ゲート選択期間毎に書き込む信号電圧の極性を反転させることで、信号電圧の書き込みにかかる消費電力を低減させることができる。他にも、1列毎に極性を反転させること(ソースライン反転)もできるし、1行ごとに極性を反転させること(ゲートライン反転)もできる。
【0288】
なお、画素5080における容量素子5083の第2端子には、1フレーム期間において一定の電圧が加えられていれば良い。ここで、走査線として用いる配線5085に加えられる電圧は1フレーム期間の大半においてローレベルであり、ほぼ一定の電圧が加えられていることから、画素5080における容量素子5083の第2端子の接続先は、配線5085でも良い。図27(E)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。図27(E)に示す画素構成は、図27(C)に示す画素構成と比較すると、配線5086が省略され、かつ、画素5080内の容量素子5083の第2端子と、一つ前の行における配線5085とが電気的に接続されていることを特徴としている。具体的には、図27(E)に表記されている範囲においては、画素5080_i,j+1および画素5080_i+1,j+1における容量素子5083の第2端子は、配線5085_jと電気的に接続される。このように、画素5080内の容量素子5083の第2端子と、一つ前の行における配線5085とを電気的に接続させることで、配線5086を省略することができるので、画素の開口率を向上できる。なお、容量素子5083の第2端子の接続先は、一つ前の行における配線5085ではなく、他の行における配線5085でも良い。なお、図27(E)に示す画素構成の駆動方法は、図27(C)に示す画素構成の駆動方法と同様のものを用いることができる。
【0289】
なお、容量素子5083および容量素子5083の第2端子に電気的に接続される配線を用いて、信号線として用いる配線5084に加える電圧を小さくすることができる。このときの画素構成および駆動方法について、図27(F)および図27(G)を用いて説明する。図27(F)に示す画素構成は、図27(A)に示す画素構成と比較して、配線5086を1画素列あたり2本とし、かつ、画素5080における容量素子5083の第2端子との電気的な接続を、隣接する画素で交互に行なうことを特徴としている。なお、2本とした配線5086は、それぞれ配線5086−1および配線5086−2と呼ぶこととする。具体的には、図27(F)に表記されている範囲においては、画素5080_i,jにおける容量素子5083の第2端子は、配線5086−1_jと電気的に接続され、画素5080_i+1,jにおける容量素子5083の第2端子は、配線5086−2_jと電気的に接続され、画素5080_i,j+1における容量素子5083の第2端子は、配線5086−2_j+1と電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1における容量素子5083の第2端子は、配線5086−1_j+1と電気的に接続される。
【0290】
そして、例えば、図27(G)に示すように、第kフレームにおいて画素5080_i,jに正の極性の信号電圧が書き込まれる場合、配線5086−1_jは、第jゲート選択期間においてはローレベルとさせ、第jゲート選択期間の終了後、ハイレベルに変化させる。そして、1フレーム期間中はそのままハイレベルを維持し、第k+1フレームにおける第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれた後、ローレベルに変化させる。このように、正の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子5083の第2端子に電気的に接続される配線の電圧を正の方向に変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を正の方向に所定の量だけ変化させることができる。すなわち、その分画素に書き込む信号電圧を小さくすることができるため、信号書き込みにかかる消費電力を低減させることができる。なお、第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれる場合は、負の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子5083の第2端子に電気的に接続される配線の電圧を負の方向に変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を負の方向に所定の量だけ変化させることができるので、正の極性の場合と同様に、画素に書き込む信号電圧を小さくすることができる。つまり、容量素子5083の第2端子に電気的に接続される配線は、同じフレームの同じ行において、正の極性の信号電圧が加えられる画素と、負の極性の信号電圧が加えられる画素とで、それぞれ異なる配線であることが好ましい。図27(F)は、第kフレームにおいて正の極性の信号電圧が書き込まれる画素には配線5086−1が電気的に接続され、第kフレームにおいて負の極性の信号電圧が書き込まれる画素には配線5086−2が電気的に接続される例である。ただし、これは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の極性の信号電圧が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線5086−1および配線5086−2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込まれる場合(ゲートライン反転)も考えられるが、その場合は、配線5086は1行あたり1本でよい。つまり、図27(C)に示す画素構成においても、図27(F)および図27(G)を用いて説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用いることができる。
【0291】
次に、液晶素子が、MVAモードまたはPVAモード等に代表される、垂直配向(VA)モードである場合に特に好ましい画素構成およびその駆動方法について述べる。VAモードは、製造時にラビング工程が不要、黒表示時の光漏れが少ない、駆動電圧が低い等の優れた特徴を有するが、画面を斜めから見たときに画質が劣化してしまう(視野角が狭い)という問題点も有する。VAモードの視野角を広くするには、図28(A)および図28(B)に示すように、1画素に複数の副画素(サブピクセル)を有する画素構成とすることが有効である。図28(A)および図28(B)に示す画素構成は、画素5080が2つの副画素(副画素5080−1,副画素5080−2)を含む場合の一例を表すものである。なお、1つの画素における副画素の数は2つに限定されず、様々な数の副画素を用いることができる。副画素の数が大きいほど、より視野角を広くすることができる。複数の副画素は互いに同一の回路構成とすることができ、ここでは、全ての副画素が図27(A)に示す回路構成と同様であるとして説明する。なお、第1の副画素5080−1は、トランジスタ5081−1、液晶素子5082−1、容量素子5083−1を有するものとし、それぞれの接続関係は図27(A)に示す回路構成に準じることとする。同様に、第2の副画素5080−2は、トランジスタ5081−2、液晶素子5082−2、容量素子5083−2を有するものとし、それぞれの接続関係は図27(A)に示す回路構成に準じることとする。
【0292】
図28(A)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用いる配線5085を2本(配線5085−1,配線5085−2)有し、信号線として用いる配線5084を1本有し、容量線として用いる配線5086を1本有する構成を表すものである。このように、信号線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させることができ、さらに、信号線駆動回路を簡単なものとすることができるので製造コストが低減でき、かつ、液晶パネルと駆動回路ICの接続点数を低減できるので、歩留まりを向上できる。図28(B)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用いる配線5085を1本有し、信号線として用いる配線5084を2本(配線5084−1,配線5084−2)有し、容量線として用いる配線5086を1本有する構成を表すものである。このように、走査線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させることができ、さらに、全体の走査線本数を低減できるので、高精細な液晶パネルにおいても1つあたりのゲート線選択期間を十分に長くすることができ、それぞれの画素に適切な信号電圧を書き込むことができる。
【0293】
図28(C)および図28(D)は、図28(B)に示す画素構成において、液晶素子を画素電極の形状に置き換えた上で、各素子の電気的接続状態を模式的に表した例である。図28(C)および図28(D)において、電極5088−1は第1の画素電極を表し、電極5088−2は第2の画素電極を表すものとする。図28(C)において、第1画素電極5088−1は、図28(B)における液晶素子5082−1の第1端子に相当し、第2画素電極5088−2は、図28(B)における液晶素子5082−2の第1端子に相当する。すなわち、第1画素電極5088−1は、トランジスタ5081−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極5088−2は、トランジスタ5081−2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。一方、図28(D)においては、画素電極とトランジスタの接続関係を逆にする。すなわち、第1画素電極5088−1は、トランジスタ5081−2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極5088−2は、トランジスタ5081−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されるものとする。
【0294】
図28(C)および図28(D)で示したような画素構成を、マトリクス状に交互に配置することで、特別な効果を得ることができる。このような画素構成およびその駆動方法の一例を、図28(E)および図28(F)に示す。図28(E)に示す画素構成は、画素5080_i,jおよび画素5080_i+1,j+1に相当する部分を図28(C)に示す構成とし、画素5080_i+1,jおよび画素5080_i,j+1に相当する部分を図28(D)に示す構成としたものである。この構成において、図28(F)に示すタイミングチャートのように駆動すると、第kフレームの第jゲート選択期間において、画素5080_i,jの第1画素電極および画素5080_i+1,jの第2画素電極に正の極性の信号電圧が書き込まれ、画素5080_i,jの第2画素電極および画素5080_i+1,jの第1画素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。さらに、第kフレームの第j+1ゲート選択期間において、画素5080_i,j+1の第2画素電極および画素5080_i+1,j+1の第1画素電極に正の極性の信号電圧が書き込まれ、画素5080_i,j+1の第1画素電極および画素5080_i+1,j+1の第2画素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。第k+1フレームにおいては、各画素において信号電圧の極性が反転される。こうすることによって、副画素を含む画素構成においてドット反転駆動に相当する駆動を実現しつつ、信号線に加えられる電圧の極性を1フレーム期間内で同一なものとすることができるので、画素の信号電圧書込みにかかる消費電力を大幅に低減することができる。なお、配線5086_j、配線5086_j+1を含む全ての配線5086に加えられる電圧は、一定の電圧とされることができる。
【0295】
さらに、図28(G)および図28(H)に示す画素構成およびその駆動方法によって、画素に書き込まれる信号電圧の大きさを小さくすることができる。これは、それぞれの画素が有する複数の副画素に電気的に接続される容量線を、副画素毎に異ならせるものである。すなわち、図28(G)および図28(H)に示す画素構成およびその駆動方法によって、同一のフレーム内で同一の極性が書き込まれる副画素については、同一行内で容量線を共通とし、同一のフレーム内で異なる極性が書き込まれる副画素については、同一行内で容量線を異ならせる。そして、各行の書き込みが終了した時点で、それぞれの容量線の電圧を、正の極性の信号電圧が書き込まれた副画素では正の方向、負の極性の信号電圧が書き込まれた副画素では負の方向に変化させることで、画素に書き込まれる信号電圧の大きさを小さくすることができる。具体的には、容量線として用いる配線5086を各行で2本(配線5086−1,配線5086−2)とし、画素5080_i,jの第1画素電極と、配線5086−1_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i,jの第2画素電極と、配線5086−2_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,jの第1画素電極と、配線5086−2_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,jの第2画素電極と、配線5086−1_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i,j+1の第1画素電極と、配線5086−2_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i,j+1の第2画素電極と、配線5086−1_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1の第1画素電極と、配線5086−1_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1の第2画素電極と、配線5086−2_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続される。ただし、これは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の極性の信号電圧が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線5086−1および配線5086−2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込まれる場合(ゲートライン反転)も考えられるが、その場合は、配線5086は1行あたり1本でよい。つまり、図28(E)に示す画素構成においても、図28(G)および図28(H)を用いて説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用いることができる。
【0296】
(実施の形態9)
次に、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、信号書込みに対する輝度の応答が遅い(応答時間が長い)表示素子を用いた表示装置の場合について述べる。本実施の形態においては、応答時間が長い表示素子として液晶素子を例として説明するが、本実施の形態における表示素子はこれに限定されず、信号書込みに対する輝度の応答が遅い様々な表示素子を用いることができる。
【0297】
一般的な液晶表示装置の場合、信号書込みに対する輝度の応答が遅く、液晶素子に信号電圧を加え続けた場合でも、応答が完了するまで1フレーム期間以上の時間がかかることがある。このような表示素子で動画を表示しても、動画を忠実に再現することはできない。さらに、アクティブマトリクス駆動の場合、一つの液晶素子に対する信号書込みの時間は、通常、信号書込み周期(1フレーム期間または1サブフレーム期間)を走査線数で割った時間(1走査線選択期間)に過ぎず、液晶素子はこのわずかな時間内に応答しきれないことが多い。したがって、液晶素子の応答の大半は、信号書込みが行われない期間で行われることになる。ここで、液晶素子の誘電率は、当該液晶素子の透過率に従って変化するが、信号書込みが行われない期間において液晶素子が応答するということは、液晶素子の外部と電荷のやり取りが行われない状態(定電荷状態)で液晶素子の誘電率が変化することを意味する。つまり、(電荷)=(容量)・(電圧)の式において、電荷が一定の状態で容量が変化することになるため、液晶素子に加わる電圧は、液晶素子の応答にしたがって、信号書込み時の電圧から変化してしまうことになる。したがって、信号書込みに対する輝度の応答が遅い液晶素子をアクティブマトリクスで駆動する場合、液晶素子に加わる電圧は、信号書込み時の電圧に原理的に到達し得ない。
【0298】
本実施の形態における表示装置は、表示素子を信号書込み周期内に所望の輝度まで応答させるために、信号書込み時の信号レベルを予め補正されたもの(補正信号)とすることで、上記の問題点を解決することができる。さらに、液晶素子の応答時間は信号レベルが大きいほど短くなるので、補正信号を書き込むことによって、液晶素子の応答時間を短くすることもできる。このような補正信号を加える駆動方法は、オーバードライブとも呼ばれる。本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が、表示装置に入力される画像信号の周期(入力画像信号周期Tin)よりも短い場合であっても、信号書込み周期に合わせて信号レベルが補正されることで、信号書込み周期内に表示素子を所望の輝度まで応答させることができる。信号書込み周期が、入力画像信号周期Tinよりも短い場合とは、例えば、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当該複数のサブ画像を1フレーム期間内に順次表示させる場合が挙げられる。
【0299】
次に、アクティブマトリクス駆動の表示装置において信号書込み時の信号レベルを補正する方法の例について、図29(A)および(B)を参照して説明する。図29(A)は、横軸を時間、縦軸を信号書込み時の信号レベルとし、ある1つの表示素子における信号書込み時の信号レベルの時間変化を模式的に表したグラフである。図29(B)は、横軸を時間、縦軸を表示レベルとし、ある1つの表示素子における表示レベルの時間変化を模式的に表したグラフである。なお、表示素子が液晶素子の場合は、信号書込み時の信号レベルは電圧、表示レベルは液晶素子の透過率とすることができる。これ以降は、図29(A)の縦軸は電圧、図29(B)の縦軸は透過率であるとして説明する。なお、本実施の形態におけるオーバードライブは、信号レベルが電圧以外(デューティー比、電流等)である場合も含む。なお、本実施の形態におけるオーバードライブは、表示レベルが透過率以外(輝度、電流等)である場合も含む。なお、液晶素子には、電圧が0である時に黒表示となるノーマリーブラック型(例:VAモード、IPSモード等)と、電圧が0である時に白表示となるノーマリーホワイト型(例:TNモード、OCBモード等)があるが、図29(B)に示すグラフはどちらにも対応しており、ノーマリーブラック型の場合はグラフの上方へ行くほど透過率が大きいものとし、ノーマリーホワイト型の場合はグラフの下方へ行くほど透過率が大きいものとすればよい。すなわち、本実施の形態における液晶モードは、ノーマリーブラック型でも良いし、ノーマリーホワイト型でも良い。なお、時間軸には信号書込みタイミングが点線で示されており、信号書込みが行われてから次の信号書込みが行われるまでの期間を、保持期間Fと呼ぶこととする。本実施形態においては、iは整数であり、それぞれの保持期間を表すインデックスであるとする。図29(A)および(B)においては、iは0から2までとして示しているが、iはこれ以外の整数も取り得る(0から2以外については図示しない)。なお、保持期間Fにおいて、画像信号に対応する輝度を実現する透過率をTとし、定常状態において透過率Tを与える電圧をVとする。なお、図29(A)中の破線5101は、オーバードライブを行わない場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表し、実線5102は、本実施の形態におけるオーバードライブを行う場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表している。同様に、図29(B)中の破線5103は、オーバードライブを行わない場合の液晶素子の透過率の時間変化を表し、実線5104は、本実施の形態におけるオーバードライブを行う場合の液晶素子の透過率の時間変化を表している。なお、保持期間Fの末尾における、所望の透過率Tと実際の透過率との差を、誤差αと表記することとする。
【0300】
図29(A)に示すグラフにおいて、保持期間Fにおいては破線5101と実線5102ともに所望の電圧Vが加えられており、図29(B)に示すグラフにおいても、破線5103と実線5104ともに所望の透過率Tが得られているものとする。そして、オーバードライブが行われない場合、破線5101に示すように、保持期間Fの初頭において所望の電圧Vが液晶素子に加えられるが、既に述べたように信号が書込まれる期間は保持期間に比べて極めて短く、保持期間のうちの大半の期間は定電荷状態となるため、保持期間において液晶素子にかかる電圧は透過率の変化とともに変化していき、保持期間Fの末尾においては所望の電圧Vと大きく異なった電圧となってしまう。このとき、図29(B)に示すグラフにおける破線5103も、所望の透過率Tと大きく異なったものとなってしまう。そのため、画像信号に忠実な表示を行うことができず、画質が低下してしまう。一方、本実施の形態におけるオーバードライブが行われる場合、実線5102に示すように、保持期間Fの初頭において、所望の電圧Vよりも大きな電圧V´が液晶素子に加えられるようにする。つまり、保持期間Fにおいて徐々に液晶素子にかかる電圧が変化することを見越して、保持期間Fの末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V近傍の電圧となるように、保持期間Fの初頭において所望の電圧Vから補正された電圧V´を液晶素子に加えることで、正確に所望の電圧Vを液晶素子にかけることが可能となる。このとき、図29(B)に示すグラフにおける実線5104に示すように、保持期間Fの末尾において所望の透過率Tが得られる。すなわち、保持期間うちの大半の期間において定電荷状態となるにも関わらず、信号書込み周期内での液晶素子の応答を実現できる。次に、保持期間Fにおいては、所望の電圧VがVよりも小さい場合を示しているが、この場合も保持期間Fと同様に、保持期間Fにおいて徐々に液晶素子にかかる電圧が変化することを見越して、保持期間Fの末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V近傍の電圧となるように、保持期間Fの初頭において所望の電圧Vから補正された電圧V´を液晶素子に加えればよい。こうすることで、図29(B)に示すグラフにおける実線5104に示すように、保持期間Fの末尾において所望の透過率Tが得られる。なお、保持期間Fのように、VがVi−1と比べて大きくなる場合は、補正された電圧V´は所望の電圧Vよりも大きくなるように補正されることが好ましい。さらに、保持期間Fのように、VがVi−1と比べて小さくなる場合は、補正された電圧V´は所望の電圧Vよりも小さくなるように補正されることが好ましい。なお、具体的な補正値については、予め液晶素子の応答特性を測定することで導出することができる。装置に実装する方法としては、補正式を定式化して論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとしてメモリに保存しておき、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる。
【0301】
なお、本実施の形態におけるオーバードライブを、実際に装置として実現する場合には、様々な制約が存在する。例えば、電圧の補正は、ソースドライバの定格電圧の範囲内で行われなければならない。すなわち、所望の電圧が元々大きな値であって、理想的な補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまう場合は、補正しきれないこととなる。このような場合の問題点について、図29(C)および(D)を参照して説明する。図29(C)は、図29(A)と同じく、横軸を時間、縦軸を電圧とし、ある1つの液晶素子における電圧の時間変化を実線5105として模式的に表したグラフである。図29(D)は、図29(B)と同じく、横軸を時間、縦軸を透過率とし、ある1つの液晶素子における透過率の時間変化を実線5106として模式的に表したグラフである。なお、その他の表記方法については図29(A)および(B)と同様であるため、説明を省略する。図29(C)および(D)は、保持期間Fにおける所望の透過率Tを実現するための補正電圧V´がソースドライバの定格電圧を超えてしまうため、V´=Vとせざるを得なくなり、十分な補正ができない状態を表している。このとき、保持期間Fの末尾における透過率は、所望の透過率Tと誤差αだけ、ずれた値となってしまう。ただし、誤差αが大きくなるのは、所望の電圧が元々大きな値であるときに限られるため、誤差αの発生による画質低下自体は許容範囲内である場合も多い。しかしながら、誤差αが大きくなることによって、電圧補正のアルゴリズム内の誤差も大きくなってしまう。つまり、電圧補正のアルゴリズムにおいて、保持期間の末尾に所望の透過率が得られていると仮定している場合、実際は誤差αが大きくなっているのにも関わらず、誤差αが小さいとして電圧の補正を行うため、次の保持期間Fにおける補正に誤差が含まれることとなり、その結果、誤差αまでも大きくなってしまう。さらに、誤差αが大きくなれば、その次の誤差αがさらに大きくなってしまうというように、誤差が連鎖的に大きくなっていき、結果的に画質低下が著しいものとなってしまう。本実施の形態におけるオーバードライブにおいては、このように誤差が連鎖的に大きくなってしまうことを抑制するため、保持期間Fにおいて補正電圧V´がソースドライバの定格電圧を超えるとき、保持期間Fの末尾における誤差αを推定し、当該誤差αの大きさを考慮して、保持期間Fi+1における補正電圧を調整できる。こうすることで、誤差αが大きくなってしまっても、それが誤差αi+1に与える影響を最小限にすることができるため、誤差が連鎖的に大きくなってしまうことを抑制できる。本実施の形態におけるオーバードライブにおいて、誤差αを最小限にする例について、図29(E)および(F)を参照して説明する。図29(E)に示すグラフは、図29(C)に示すグラフの補正電圧V´をさらに調整し、補正電圧V´´とした場合の電圧の時間変化を、実線5107として表している。図29(F)に示すグラフは、図29(E)に示すグラフによって電圧の補正がなされた場合の透過率の時間変化を表している。図29(D)に示すグラフにおける実線5106では、補正電圧V´によって過剰補正(誤差が大きい状況での補正をいう)が発生しているが、図29(F)に示すグラフにおける実線5108では、誤差αを考慮して調整された補正電圧V´´によって過剰補正を抑制し、誤差αを最小限にしている。なお、具体的な補正値については、予め液晶素子の応答特性を測定することで導出することができる。装置に実装する方法としては、補正式を定式化して論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとしてメモリに保存しておき、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる。そして、これらの方法を、補正電圧V´を計算する部分とは別に追加する、または補正電圧V´を計算する部分に組み込むことができる。なお、誤差αi―1を考慮して調整された補正電圧V´´の補正量(所望の電圧Vとの差)は、V´の補正量よりも小さいものとすることが好ましい。つまり、|V´´−V|<|V´−V|とすることが好ましい。
【0302】
なお、理想的な補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまうことによる誤差αは、信号書込み周期が短いほど大きくなる。なぜならば、信号書込み周期が短いほど液晶素子の応答時間も短くする必要があり、その結果、より大きな補正電圧が必要となるためである。さらに、必要とされる補正電圧が大きくなった結果、補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまう頻度も大きくなるため、大きな誤差αが発生する頻度も大きくなる。したがって、本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が短い場合ほど有効であるといえる。具体的には、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当該複数のサブ画像を1フレーム期間内に順次表示させる場合、複数の画像から画像に含まれる動きを検出して、当該複数の画像の中間状態の画像を生成し、当該複数の画像の間に挿入して駆動する(いわゆる動き補償倍速駆動)場合、またはこれらを組み合わせる場合、等の駆動方法が行われる場合に、本実施の形態におけるオーバードライブが用いられることは、格段の効果を奏することになる。
【0303】
なお、ソースドライバの定格電圧は、上述した上限の他に、下限も存在する。例えば、電圧0よりも小さい電圧が加えられない場合が挙げられる。このとき、上述した上限の場合の同様に、理想的な補正電圧が加えられないこととなるため、誤差αが大きくなってしまう。しかしながら、この場合でも、上述した方法と同様に、保持期間Fの末尾における誤差αを推定し、当該誤差αの大きさを考慮して、保持期間Fi+1における補正電圧を調整することができる。なお、ソースドライバの定格電圧として電圧0よりも小さい電圧(負の電圧)を加えることができる場合は、補正電圧として液晶素子に負の電圧を加えても良い。こうすることで、定電荷状態による電位の変動を見越して、保持期間Fの末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V近傍の電圧となるように調整できる。
【0304】
なお、液晶素子の劣化を抑制するため、液晶素子に加える電圧の極性を定期的に反転させる、いわゆる反転駆動を、オーバードライブと組み合わせて実施することができる。すなわち、本実施の形態におけるオーバードライブは、反転駆動と同時に行われる場合も含む。例えば、信号書込み周期が入力画像信号周期Tinの1/2である場合に、極性を反転させる周期と入力画像信号周期Tinとが同程度であると、正極性の信号の書込みと負極性の信号の書込みが、2回毎に交互に行われることになる。このように、極性を反転させる周期を信号書込み周期よりも長くすることで、画素の充放電の頻度を低減できるので、消費電力を低減できる。ただし、極性を反転させる周期をあまり長くすると、極性の違いによる輝度差がフリッカとして認識される不具合が生じることがあるため、極性を反転させる周期は入力画像信号周期Tinと同程度か短いことが好ましい。
【0305】
(実施の形態10)
次に、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、表示装置の外部から入力される画像(入力画像)の動きを補間する画像を、複数の入力画像を基にして表示装置の内部で生成し、当該生成された画像(生成画像)と、入力画像とを順次表示させる方法について説明する。なお、生成画像を、入力画像の動きを補間するような画像とすることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。ここで、動画の補間について、以下に説明する。動画の表示は、理想的には、個々の画素の輝度をリアルタイムに制御することで実現されるものであるが、画素のリアルタイム個別制御は、制御回路の数が膨大なものとなる問題、配線スペースの問題、および入力画像のデータ量が膨大なものとなる問題等が存在し、実現が困難である。したがって、表示装置による動画の表示は、複数の静止画を一定の周期で順次表示することで、表示が動画に見えるようにして行なわれている。この周期(本実施の形態においては入力画像信号周期と呼び、Tinと表す)は規格化されており、例として、NTSC規格では1/60秒、PAL規格では1/50秒である。この程度の周期でも、インパルス型表示装置であるCRTにおいては動画表示に問題は起こらなかった。しかし、ホールド型表示装置においては、これらの規格に準じた動画をそのまま表示すると、ホールド型であることに起因する残像等により表示が不鮮明となる不具合(ホールドぼけ:hold blur)が発生してしまう。ホールドぼけは、人間の目の追従による無意識的な動きの補間と、ホールド型の表示との不一致(discrepancy)で認識されるものであるので、従来の規格よりも入力画像信号周期を短くする(画素のリアルタイム個別制御に近づける)ことで低減させることができるが、入力画像信号周期を短くすることは規格の変更を伴い、さらに、データ量も増大することになるので、困難である。しかしながら、規格化された入力画像信号を基にして、入力画像の動きを補間するような画像を表示装置内部で生成し、当該生成画像によって入力画像を補間して表示することで、規格の変更またはデータ量の増大なしに、ホールドぼけを低減できる。このように、入力画像信号を基にして表示装置内部で画像信号を生成し、入力画像の動きを補間することを、動画の補間と呼ぶこととする。
【0306】
本実施の形態における動画の補間方法によって、動画ぼけを低減させることができる。本実施の形態における動画の補間方法は、画像生成方法と画像表示方法に分けることができる。そして、特定のパターンの動きについては別の画像生成方法および/または画像表示方法を用いることで、効果的に動画ぼけを低減させることができる。図30(A)および(B)は、本実施の形態における動画の補間方法の一例を説明するための模式図である。図30(A)および(B)において、横軸は時間であり、横方向の位置によって、それぞれの画像が扱われるタイミングを表している。「入力」と記された部分は、入力画像信号が入力されるタイミングを表している。ここでは、時間的に隣接する2つの画像として、画像5121および画像5122に着目している。入力画像は、周期Tinの間隔で入力される。なお、周期Tin1つ分の長さを、1フレームもしくは1フレーム期間と記すことがある。「生成」と記された部分は、入力画像信号から新しく画像が生成されるタイミングを表している。ここでは、画像5121および画像5122を基にして生成される生成画像である、画像5123に着目している。「表示」と記された部分は、表示装置に画像が表示されるタイミングを表している。なお、着目している画像以外の画像については破線で記しているのみであるが、着目している画像と同様に扱うことによって、本実施の形態における動画の補間方法の一例を実現できる。
【0307】
本実施の形態における動画の補間方法の一例は、図30(A)に示されるように、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示されるタイミングの間隙に表示させることで、動画の補間を行うことができる。このとき、表示画像の表示周期は、入力画像の入力周期の1/2とされることが好ましい。ただし、これに限定されず、様々な表示周期とすることができる。例えば、表示周期を入力周期の1/2より短くすることで、動画をより滑らかに表示できる。または、表示周期を入力周期の1/2より長くすることで、消費電力を低減できる。なお、ここでは、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして画像を生成しているが、基にする入力画像は2つに限定されず、様々な数を用いることができる。例えば、時間的に隣接した3つ(3つ以上でも良い)の入力画像を基にして画像を生成すれば、2つの入力画像を基にする場合よりも、精度の良い生成画像を得ることができる。なお、画像5121の表示タイミングを、画像5122の入力タイミングと同時刻、すなわち入力タイミングに対する表示タイミングを1フレーム遅れとしているが、本実施の形態における動画の補間方法における表示タイミングはこれに限定されず、様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、入力タイミングに対する表示タイミングを1フレーム以上遅らせることができる。こうすることで、生成画像である画像5123の表示タイミングを遅くすることができるので、画像5123の生成にかかる時間に余裕を持たせることができ、消費電力および製造コストの低減につながる。なお、入力タイミングに対する表示タイミングをあまりに遅くすると、入力画像を保持しておく期間が長くなり、保持にかかるメモリ容量が増大してしまうので、入力タイミングに対する表示タイミングは、1フレーム遅れから2フレーム遅れ程度が好ましい。
【0308】
ここで、画像5121および画像5122を基にして生成される画像5123の、具体的な生成方法の一例について説明する。動画を補間するためには入力画像の動きを検出する必要があるが、本実施の形態においては、入力画像の動きの検出のために、ブロックマッチング法と呼ばれる方法を用いることができる。ただし、これに限定されず、様々な方法(画像データの差分をとる方法、フーリエ変換を利用する方法等)を用いることができる。ブロックマッチング法においては、まず、入力画像1枚分の画像データ(ここでは画像5121の画像データ)を、データ記憶手段(半導体メモリ、RAM等の記憶回路等)に記憶させる。そして、次のフレームにおける画像(ここでは画像5122)を、複数の領域に分割する。なお、分割された領域は、図30(A)のように、同じ形状の矩形とすることができるが、これに限定されず、様々なもの(画像によって形状または大きさを変える等)とすることができる。その後、分割された領域毎に、データ記憶手段に記憶させた前のフレームの画像データ(ここでは画像5121の画像データ)とデータの比較を行い、画像データが似ている領域を探索する。図30(A)の例においては、画像5122における領域5124とデータが似ている領域を画像5121の中から探索し、領域5126が探索されたものとしている。なお、画像5121の中を探索するとき、探索範囲は限定されることが好ましい。図30(A)の例においては、探索範囲として、領域5124の面積の4倍程度の大きさである、領域5125を設定している。なお、探索範囲をこれより大きくすることで、動きの速い動画においても検出精度を高くすることができる。ただし、あまりに広く探索を行なうと探索時間が膨大なものとなってしまい、動きの検出の実現が困難となるため、領域5125は、領域5124の面積の2倍から6倍程度の大きさであることが好ましい。その後、探索された領域5126と、画像5122における領域5124との位置の違いを、動きベクトル5127として求める。動きベクトル5127は領域5124における画像データの1フレーム期間の動きを表すものである。そして、動きの中間状態を表す画像を生成するため、動きベクトルの向きはそのままで大きさを変えた画像生成用ベクトル5128を作り、画像5121における領域5126に含まれる画像データを、画像生成用ベクトル5128に従って移動させることで、画像5123における領域5129内の画像データを形成させる。これらの一連の処理を、画像5122における全ての領域について行なうことで、画像5123が生成されることができる。そして、入力画像5121、生成画像5123、入力画像5122を順次表示することで、動画を補間することができる。なお、画像中の物体5130は、画像5121および画像5122において位置が異なっている(つまり動いている)が、生成された画像5123は、画像5121および画像5122における物体の中間点となっている。このような画像を表示することで、動画の動きを滑らかにすることができ、残像等による動画の不鮮明さを改善できる。
【0309】
なお、画像生成用ベクトル5128の大きさは、画像5123の表示タイミングに従って決められることができる。図30(A)の例においては、画像5123の表示タイミングは画像5121および画像5122の表示タイミングの中間点(1/2)としているため、画像生成用ベクトル5128の大きさは動きベクトル5127の1/2としているが、他にも、例えば、表示タイミングが1/3の時点であれば、大きさを1/3とし、表示タイミングが2/3の時点であれば、大きさを2/3とすることができる。
【0310】
なお、このように、様々な動きベクトルを持った複数の領域をそれぞれ動かして新しい画像を作る場合は、移動先の領域内に他の領域が既に移動している部分(重複)や、どこの領域からも移動されてこない部分(空白)が生じることもある。これらの部分については、データを補正することができる。重複部分の補正方法としては、例えば、重複データの平均をとる方法、動きベクトルの方向等で優先度をつけておき、優先度の高いデータを生成画像内のデータとする方法、色(または明るさ)はどちらかを優先させるが明るさ(または色)は平均をとる方法、等を用いることができる。空白部分の補正方法としては、画像5121または画像5122の当該位置における画像データをそのまま生成画像内のデータとする方法、画像5121または画像5122の当該位置における画像データの平均をとる方法、等を用いることができる。そして、生成された画像5123を、画像生成用ベクトル5128の大きさに従ったタイミングで表示させることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。
【0311】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、図30(B)に示されるように、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示されるタイミングの間隙に表示させる際に、それぞれの表示画像をさらに複数のサブ画像に分割して表示することで、動画の補間を行うことができる。この場合、画像表示周期が短くなることによる利点だけでなく、暗い画像が定期的に表示される(表示方法がインパルス型に近づく)ことによる利点も得ることができる。つまり、画像表示周期が画像入力周期に比べて1/2の長さにするだけの場合よりも、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。図30(B)の例においては、「入力」および「生成」については図30(A)の例と同様な処理を行なうことができるので、説明を省略する。図30(B)の例における「表示」は、1つの入力画像または/および生成画像を複数のサブ画像に分割して表示を行うことができる。具体的には、図30(B)に示すように、画像5121をサブ画像5121aおよび5121bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5121が表示されたように知覚させ、画像5123をサブ画像5123aおよび5123bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5123が表示されたように知覚させ、画像5122をサブ画像5122aおよび5122bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5122が表示されたように知覚させる。すなわち、人間の目に知覚される画像としては図30(A)の例と同様なものとしつつ、表示方法をインパルス型に近づけることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。なお、サブ画像の分割数は、図30(B)においては2つとしているが、これに限定されず様々な分割数を用いることができる。なお、サブ画像が表示されるタイミングは、図30(B)においては等間隔(1/2)としているが、これに限定されず様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、暗いサブ画像(5121b、5122b、5123b)の表示タイミングを早くする(具体的には、1/4から1/2のタイミング)ことで、表示方法をよりインパルス型に近づけることができるため、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。または、暗いサブ画像の表示タイミングを遅くする(具体的には、1/2から3/4のタイミング)ことで、明るい画像の表示期間を長くすることができるので、表示効率を高めることができ、消費電力を低減できる。
【0312】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、画像内で動いている物体の形状を検出し、動いている物体の形状によって異なる処理を行なう例である。図30(C)に示す例は、図30(B)の例と同様に表示のタイミングを表しているが、表示されている内容が、動く文字(スクロールテキスト、字幕、テロップ等とも呼ばれる)である場合を示している。なお、「入力」および「生成」については、図30(B)と同様としても良いため、図示していない。ホールド駆動における動画の不鮮明さは、動いているものの性質によって程度が異なることがある。特に、文字が動いている場合に顕著に認識されることが多い。なぜならば、動く文字を読む際にはどうしても視線を文字に追従させてしまうので、ホールドぼけが発生しやすくなるためである。さらに、文字は輪郭がはっきりしていることが多いため、ホールドぼけによる不鮮明さがさらに強調されてしまうこともある。すなわち、画像内を動く物体が文字かどうかを判別し、文字である場合はさらに特別な処理を行なうことは、ホールドぼけの低減のためには有効である。具体的には、画像内を動いている物体に対し、輪郭検出または/およびパターン検出等を行なって、当該物体が文字であると判断された場合は、同じ画像から分割されたサブ画像同士であっても動き補間を行い、動きの中間状態を表示するようにして、動きを滑らかにすることができる。当該物体が文字ではないと判断された場合は、図30(B)に示すように、同じ画像から分割されたサブ画像であれば動いている物体の位置は変えずに表示することができる。図30(C)の例では、文字であると判断された領域5131が、上方向に動いている場合を示しているが、画像5121aと画像5121bとで、領域5131の位置を異ならせている。画像5123aと画像5123b、画像5122aと画像5122bについても同様である。こうすることで、ホールドぼけが特に認識されやすい動く文字については、通常の動き補償倍速駆動よりもさらに動きを滑らかにすることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。
【0313】
(実施の形態11)
半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0314】
図24(A)は、テレビジョン装置9600を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0315】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0316】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0317】
図24(B)は、デジタルフォトフレーム9700を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0318】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0319】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0320】
図25(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図25(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図25(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図25(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0321】
図25(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0322】
図26(A)は、携帯電話機1000を示している。携帯電話機1000は、筐体1001に組み込まれた表示部1002の他、操作ボタン1003、外部接続ポート1004、スピーカ1005、マイク1006などを備えている。
【0323】
図26(A)に示す携帯電話機1000は、表示部1002を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを打つなどの操作は、表示部1002を指などで触れることにより行うことができる。
【0324】
表示部1002の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0325】
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部1002を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部1002の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0326】
また、携帯電話機1000内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機1000の向き(縦か横か)を判断して、表示部1002の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
【0327】
また、画面モードの切り替えは、表示部1002を触れること、または筐体1001の操作ボタン1003の操作により行われる。また、表示部1002に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
【0328】
また、入力モードにおいて、表示部1002の光センサで検出される信号を検知し、表示部1002のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0329】
表示部1002は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部1002に掌や指を触れることで、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
【0330】
図26(B)も携帯電話機の一例である。図26(B)の携帯電話機は、筐体9411に、表示部9412、及び操作ボタン9413を含む表示装置9410と、筐体9401に操作ボタン9402、外部入力端子9403、マイク9404、スピーカ9405、及び着信時に発光する発光部9406を含む通信装置9400とを有しており、表示機能を有する表示装置9410は電話機能を有する通信装置9400と矢印の2方向に脱着可能である。よって、表示装置9410と通信装置9400の短軸同士を取り付けることも、表示装置9410と通信装置9400の長軸同士を取り付けることもできる。また、表示機能のみを必要とする場合、通信装置9400より表示装置9410を取り外し、表示装置9410を単独で用いることもできる。通信装置9400と表示装置9410とは無線通信または有線通信により画像または入力情報を授受することができ、それぞれ充電可能なバッテリーを有する。
【0331】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
【0332】
(実施の形態12)
本実施の形態では、駆動回路部は透光性を有するトランジスタとバックゲートとを配置し、画素は透光性を有するトランジスタを用いる表示装置について説明する。なお、本実施の形態に係る半導体装置は、多くの部分で実施の形態1および実施の形態2と共通している。したがって、以下においては、重複する構成、重複する符号などの説明は省略する。
【0333】
図31(A)に駆動回路部のトランジスタと、画素部のトランジスタの断面図を示す。
【0334】
図31(A)では、はじめに、絶縁面を有する基板100上に導電層220aを形成する。導電層220aは、駆動回路部のトランジスタのバックゲート電極としての機能を有する。バックゲート電極に所定の電圧を入力することで、トランジスタのしきい値電圧を制御することがある程度可能になる。
【0335】
また、導電層220aを、後の工程で形成される、導電層122および導電層165と同じ材料を用いて形成する場合には、材料および製造装置を共有することが容易になるため、低コスト化、スループットの向上などに寄与する。もちろん、同じ材料を用いて導電層122および導電層165、導電層220aを形成することは、必須の要件ではない。
【0336】
次に、基板100および導電層220aを覆うように絶縁層230を形成する。絶縁層230を薄く形成し、導電層220aと、後の工程で形成される半導体層133bとの距離を短くすることで、バックゲートからトランジスタのチャネルにかかる電界を強くすることができ、結果としてバックゲート電極を用いたトランジスタのしきい値電圧の制御が容易になる。
【0337】
次に、絶縁層230上で、実施の形態1と同様にトランジスタを形成する。なお、導電層111aおよび導電層111b、導電層154a、導電層154b、半導体層133aは、透光性を有する材料を用いて形成し、導電層122および導電層165は、低抵抗な材料を用いて形成することとする。
【0338】
このように、駆動回路部のトランジスタにバックゲート電極を形成し、画素部のトランジスタは、透光性を有する材料のみを用いて形成することで、開口率を向上させながら、駆動回路部のトランジスタのしきい値電圧の制御を行うことができる。
【0339】
なお、本実施の形態においても、多階調マスクを用いての作成が可能である(図31(B)参照)。多階調マスクを用いた作成方法については、実施の形態2に記述している。
【0340】
なお、多階調マスクを用いた構成においては、画素部のトランジスタに透光性を有する材料を用いたバックゲート電極を配置することが可能である。バックゲート電極を用いて、画素部のトランジスタのしきい値電圧を制御することで、リーク電流の低減による消費電力の削減や、表示品質の改善などの効果が期待できる。
【0341】
なお、図31(A)、図31(B)において、導電層210aおよび導電層220a、導電層210bを用いて、容量素子を形成することも可能である。これにより、画素部、駆動回路部で形成する容量素子の面積を縮小することができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0342】
なお、図31(C)に示すように、バックゲート電極を配線の一部として利用することが可能である。この図において、トランジスタのソース(またはドレイン)電極としての機能を有する導電層122と、配線としての機能を有する導電層220bは、コンタクトホール172により接続されている。これにより、駆動回路部内の引き回しの配線抵抗を下げることが出来る。
【0343】
なお、画素部において、駆動回路部のトランジスタのゲート電極(配線として機能する導電層220a)を引き回して遮光膜(ブラックマトリクス)として利用することもできる。これにより、工程数を減らすことができる。
【0344】
なお、本発明の表示装置としては、液晶表示装置、発光表示装置、電子ペーパーなどに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0345】
100 基板
101a レジストマスク
101b レジストマスク
102 レジストマスク
103a レジストマスク
103b レジストマスク
104a レジストマスク
104b レジストマスク
105 レジストマスク
106a レジストマスク
106b レジストマスク
106c レジストマスク
106d レジストマスク
107a レジストマスク
107b レジストマスク
108a レジストマスク
108b レジストマスク
108c レジストマスク
108d レジストマスク
110 導電層
111a 導電層
111b 導電層
111c 導電層
111d 導電層
116a 導電層
116b 導電層
116c 導電層
120 導電層
122 導電層
126a 導電層
126b 導電層
126c 導電層
130 半導体層
133a 半導体層
133b 半導体層
133c 半導体層
133d 半導体層
137a 半導体層
137b 半導体層
140 絶縁層
150 導電層
154a 導電層
154b 導電層
154c 導電層
158a 導電層
158b 導電層
158c 導電層
160 導電層
165 導電層
168a 導電層
168b 導電層
168c 導電層
170 絶縁層
170a 絶縁層
170b 絶縁層
172 コンタクトホール
176 コンタクトホール
180 導電層
182 導電層
187 導電層
189 導電層
190 トランジスタ
191 保持容量
192 トランジスタ
194 トランジスタ
196 保持容量
198 接続部
210a 導電層
210b 導電層
220a 導電層
220b 導電層
230 絶縁層
400 グレートーンマスク
401 基板
402 遮光部
403 スリット部
410 ハーフトーンマスク
411 基板
412 遮光部
413 半透過部
600 基板
602 基板
650 薄膜トランジスタ
660 電極層
670 電極層
680 球形粒子
680a 黒色領域
680b 白色領域
682 充填材
701 TFT
702 発光素子
703 陰極
704 発光層
705 陽極
707 導電層
711 TFT
712 発光素子
713 陰極
714 発光層
715 陽極
716 遮光膜
717 導電層
721 TFT
722 発光素子
723 陰極
724 発光層
725 陽極
727 導電層
1000 携帯電話機
1001 筐体
1002 表示部
1003 操作ボタン
1004 外部接続ポート
1005 スピーカ
1006 マイク
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 素子層
2604 液晶層
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
2631 ポスター
2632 車内広告
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4035 スペーサ
4501 基板
4502 画素部
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電極層
4513 電界発光層
4514 電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極層
4518a FPC
4518b FPC
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
5080 画素
5081 トランジスタ
5082 液晶素子
5083 容量素子
5084 配線
5085 配線
5086 配線
5087 配線
5088 電極
5101 破線
5102 実線
5103 破線
5104 実線
5105 実線
5106 実線
5107 実線
5108 実線
5121 画像
5121a 画像
5121b 画像
5122 画像
5122a 画像
5122b 画像
5123 画像
5123a 画像
5123b 画像
5124 領域
5125 領域
5126 領域
5127 ベクトル
5128 画像生成用ベクトル
5129 領域
5130 物体
5131 領域
5300 基板
5301 画素部
5302 走査線駆動回路
5303 信号線駆動回路
6400 画素
6401 スイッチング用トランジスタ
6402 駆動用トランジスタ
6403 容量素子
6404 発光素子
6405 信号線
6406 走査線
6407 電源線
6408 共通電極
9400 通信装置
9401 筐体
9402 操作ボタン
9403 外部入力端子
9404 マイク
9405 スピーカ
9406 発光部
9410 表示装置
9411 筐体
9412 表示部
9413 操作ボタン
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 操作キー
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一基板上に第1の薄膜トランジスタを有する画素部と第2の薄膜トランジスタを有する駆動回路部を有し、
前記第1の薄膜トランジスタは、基板上に第1のソース電極層と、第1のドレイン電極層と、前記第1のソース電極層及び前記第1のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層と重なる領域の前記ゲート絶縁層上に設けられた第1のゲート電極層と、
前記第1のゲート電極層を覆うように設けられた保護絶縁層と、
前記保護絶縁層上に画素電極層と、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極、前記酸化物半導体層、前記ゲート絶縁層、前記第1のゲート電極層、前記保護絶縁層、及び前記画素電極層は、透光性を有し、
前記第2の薄膜トランジスタの第2のゲート電極層は、前記保護絶縁層で覆われ、
前記第2の薄膜トランジスタの第2のソース電極層、第2のドレイン電極層、及び前記第2のゲート電極層は、前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層及び前記第1のゲート電極層と材料が異なり、前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層及び前記第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料である半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2の薄膜トランジスタの前記第2のゲート電極層、前記第2のソース電極層及び前記第2のドレイン電極層は、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を主成分とする膜、若しくはそれらの合金膜とを組み合わせた積層膜からなる半導体装置。
【請求項3】
同一基板上に第1の薄膜トランジスタを有する画素部と第2の薄膜トランジスタを有する駆動回路部を有し、
前記第1の薄膜トランジスタは、基板上に第1のソース電極層と、第1のドレイン電極層と、前記第1のソース電極層及び前記第1のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層を覆うように設けられたゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層と重なる領域の前記ゲート絶縁層上に設けられた第1のゲート電極層と、
前記第1のゲート電極層を覆うように設けられた保護絶縁層と、
前記保護絶縁層上に画素電極層と、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極、前記酸化物半導体層、前記ゲート絶縁層、前記第1のゲート電極層、前記保護絶縁層、及び前記画素電極層は、透光性を有し、
前記第2の薄膜トランジスタの第2のゲート電極層は、前記保護絶縁層で覆われ、
前記第2の薄膜トランジスタの第2のソース電極層、第2のドレイン電極層、及び前記第2のゲート電極層は、前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層、及び前記第1のゲート電極層と同じ材料の膜と、前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層、及び前記第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料の膜との積層膜である半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層、及び前記第1のゲート電極層よりも低抵抗の導電材料の膜は、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を主成分とする膜、若しくはそれらの合金膜とを組み合わせた積層膜からなる半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一において、
前記第2の薄膜トランジスタは、前記基板上に、前記第2のソース電極層と、前記第2のドレイン電極層と、前記第2のソース電極層及び前記第2のドレイン電極層と電気的に接続するように設けられた前記酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層を覆うように設けられた前記ゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層と重なる領域の前記ゲート絶縁層上に設けられた前記第2のゲート電極層と、を有する半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一において、
前記第1の薄膜トランジスタの前記第1のソース電極層、前記第1のドレイン電極層、前記第1のゲート電極層、及び前記画素電極層は、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ合金、酸化インジウム酸化亜鉛合金、または酸化亜鉛のいずれかからなる膜、又は前記膜を組み合わせた積層膜である半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、
さらに同一基板上に容量部を有し、
前記容量部は、容量配線及び該容量配線と重なる容量電極を有し、
前記容量配線及び前記容量電極は透光性を有する半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、
第2の薄膜トランジスタにバックゲートを設ける半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−54942(P2011−54942A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173271(P2010−173271)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】