説明

半導体装置の製造方法

【課題】チタン/窒化チタン積層膜上にアルミニウム膜が形成されたアルミニウム配線を有する半導体製品の製造歩留まりを向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】バリアメタル成膜用のチャンバ65において、チャンバ65内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、シャッタ上にチタン膜を堆積する工程と、シャッタをチャンバ65内に備わる格納場所へ移動させた後、半導体ウエハSWをチャンバ65内に設置する工程と、チャンバ65内に窒素を含まない不活性ガスを導入して半導体ウエハSWの主面上にチタン膜を堆積する工程と、チャンバ65内に窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、チタン膜上に窒化チタン膜を堆積する工程と、アルミニウム成膜用チャンバ66において、チャンバ66内に不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、窒化チタン膜上にアルミニウム膜を堆積する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、アルミニウム膜を主導電材料とする配線を含む半導体装置の製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばチタン/窒化チタンバリア層の堆積、並びに、引続いて行われる酸素プラズマを用いた処理を1つのスパッタリングチャンバにおいて遂行し、さらに酸素プラズマ処理の後で薄いトップ層を堆積することにより、窒化チタンバリア層の汚染を防止し、チタンターゲットをクリーニングする技術が米国特開平9−190986号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
また、半導体基板上に下敷酸化膜を形成した後、枚様式メタルスパッタ装置で下敷酸化膜上にピュアTi膜、TiN膜、Al−Cu膜およびARCであるTiN膜からなるアルミ積層配線膜を形成する多層配線の製造方法が日本特開2000−235973号公報(特許文献2)に記載されている。
【特許文献1】特開平9−190986号公報(段落[0008])
【特許文献2】特開2000−235973号公報(段落[0021]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルミニウム膜を主導電材料とする配線では、ヒロック対策やEM(Electromigration)耐性向上のため、その上下を高融点金属膜、例えばチタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜(以下、単にチタン/窒化チタン積層膜と記す)により挟まれた構造が一般に用いられている。
【0005】
ところで、上記チタン/窒化チタン積層膜は、スパッタリング装置の1つのチャンバで半導体基板の主面上にチタン膜および窒化チタン膜を連続して堆積することにより形成される。従って、チタン/窒化チタン積層膜が形成された後のチャンバ内は窒素雰囲気となり、またターゲットの表面にも窒素が含まれる。そのため、次の半導体基板の主面上にチタン/窒化チタン積層膜を形成する際には、チタン膜に窒素不純物が含まれることになる。
【0006】
本発明者らが検討したところ、チタン膜に窒素不純物が含まれると、チタン/窒化チタン積層膜上に成長するアルミニウムの粒径分布のばらつきが大きくなる、アルミニウム膜のモフォロジが低下して表面反射率が低くなるなどの問題が生ずることが明らかとなった。90nmノード以降の製品では、縦横方向共にシュリンクされて、アルミニウム配線の薄膜化、またはアルミニウム配線の幅および隣接するアルミニウム配線間のスペースの縮小が進む。その際、アルミニウム膜のモフォロジの低下に起因して局所的にアルミニウム膜が厚くなると、アルミニウム膜のエッチング量の不足により隣接するアルミニウム配線間がショートする、または隣接するアルミニウム配線間に層間絶縁膜が埋まらないなどの不良が発生した。特に、隣接ピッチが0.4μm以下の配線構造においては、上記不良の発生が顕著に見られた。また、アルミニウム配線の薄膜化に伴い電流密度が増加すると、EM耐性が劣化する可能性もあり、製品歩留まりの低下が懸念された。
【0007】
本発明の目的は、チタン/窒化チタン積層膜上にアルミニウム膜が形成されたアルミニウム配線を有する半導体製品の製造歩留まりを向上させることのできる技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
本発明による半導体装置の製造方法は、第1チャンバにおいて、第1チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、シャッタ上に第2チタン膜を堆積する工程と、第1チャンバ内に備わる格納場所へシャッタを移動させた後、第1チャンバ内へ半導体基板を設置する工程と、第1チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、半導体基板の主面上に第1チタン膜を堆積する工程と、第1チャンバ内に窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、上記第1チタン膜上に窒化チタン膜を堆積する工程と、第2チャンバにおいて、第2チャンバ内に不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、上記窒化チタン膜上にアルミニウム膜を堆積する工程とを含むものである。
【0011】
本発明による半導体装置の製造方法は、第1チャンバにおいて、第1チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、半導体基板の主面上にチタン膜を堆積する工程と、第2チャンバにおいて、第2チャンバ内に窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、上記チタン膜上に窒化チタン膜を堆積する工程と、第3チャンバにおいて、第3チャンバ内に不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、上記窒化チタン膜上にアルミニウム膜を堆積する工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
アルミニウム膜の局所的な厚さのばらつきが低減できることから隣接するアルミニウム配線間がショートする、または隣接するアルミニウム配線間に層間絶縁膜が埋まらないなどの不良が回避でき、また、アルミニウム膜の[111]面の結晶配向性が強くなることからEM耐性が向上して、アルミニウム配線を有する半導体製品の製造歩留まりが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、本実施の形態においては、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、本実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、本実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0015】
また、本実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMIS・FET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し、pチャネル型のMIS・FETをpMISと略し、nチャネル型のMIS・FETをnMISと略す。
【0016】
また、本実施の形態において、ゲート電極という表現を用いた場合、上記MIS・FETのゲート電極を示すものであり、半導体基板上に酸化シリコン膜等からなるゲート絶縁膜を介して形成されたシリコン多結晶膜等からなる導電性膜を意図する。さらに、配線という表現を用いた場合、上記MIS・FET上に層間絶縁膜を介して形成されたM1,M2,M3,M4配線層のことを意図する。すなわち、配線と表現した場合、上記MIS・FETのゲート電極は含まない。
【0017】
また、本実施の形態において、例えばアルミニウム膜からなると表現した場合、主成分としてアルミニウムが用いられていることを意図する。すなわち、一般に高純度なアルミニウムであっても、不純物が含まれることは当然であり、添加物や不純物もアルミニウムからなる部材に含まれることを排除するものではない。また、アルミニウム膜には、例えばアルミニウム−シリコン−銅合金、アルミニウム−シリコン合金またはアルミニウム−銅合金等のアルミニウム合金膜も含まれる。
【0018】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法の一例を図1〜図13を用いて工程順に説明する。図1〜図5および図7〜図13は半導体装置の要部断面図、図6はメタル成膜装置の概略平面図である。ここでは、半導体装置を構成する素子のうち、nMISおよびpMISの製造方法について説明する。
【0020】
まず、図1に示すように、例えばp型のシリコン単結晶からなる半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1を用意し、半導体基板1の主面に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、半導体基板1をエッチングして深さ350nm程度の溝を形成し、続いて半導体基板1の主面上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法で絶縁膜、例えば酸化シリコン膜を堆積した後、溝の外部の酸化シリコン膜を化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法で除去することによって形成する。
【0021】
次に、半導体基板1のnMIS形成領域にp型不純物、例えばボロンをイオン注入してpウェル4を形成し、半導体基板1のpMIS形成領域にn型不純物、例えばリンをイオン注入してnウェル5を形成する。この後、pウェル4またはnウェル5にnMISまたはpMISのしきい値を制御するための不純物をイオン注入してもよい。続いて半導体基板1を熱処理することによりpウェル4およびnウェル5のそれぞれの表面にゲート絶縁膜8を形成する。
【0022】
次に、図2に示すように、ゲート絶縁膜8上にゲート電極用の導体膜を形成し、続いてその上にキャップ絶縁膜9を堆積した後、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングによりキャップ絶縁膜9とゲート電極用の導体膜とをパターニングすることによって、導体膜からなるゲート電極10n,10pを形成する。ゲート電極用の導体膜は、例えばCVD法で形成されたシリコン多結晶膜からなり、nMIS形成領域にはn型不純物が導入されたシリコン多結晶膜からなるゲート電極10n、pMIS形成領域にはp型不純物が導入されたシリコン多結晶膜からなるゲート電極10pが形成される。キャップ絶縁膜9は、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜からなり、CVD法で形成される。
【0023】
次に、図3に示すように、pウェル4にn型不純物、例えばヒ素をイオン注入し、nMISのゲート電極10nに対して自己整合的にn型半導体領域11を形成する。同様に、nウェル5にp型不純物、例えばボロンをイオン注入し、pMISのゲート電極10pに対して自己整合的にp型半導体領域12を形成する。
【0024】
次に、半導体基板1の主面上にCVD法で窒化シリコン膜を堆積した後、この窒化シリコン膜を異方的にエッチングしてゲート電極10の側壁にスペーサ13を形成する。その後、pウェル4にn型不純物、例えばヒ素をイオン注入し、nMISのゲート電極10nおよびスペーサ13に対して自己整合的にn型半導体領域14を形成する。同様に、nウェル5にp型不純物、例えばボロンをイオン注入し、pMISのゲート電極10pおよびスペーサ13に対して自己整合的にp型半導体領域15を形成する。n型半導体領域11およびn型半導体領域14はnMISのソース・ドレインを構成し、p型半導体領域12およびp半導体領域15はpMISのソース・ドレインを構成する。
【0025】
次に、図4に示すように、半導体基板1の主面上に絶縁膜17を形成する。この絶縁膜17は、例えば以下のように形成することができる。まずスピン塗布法でSOG(Spin On Glass)膜を半導体基板1の主面上に堆積した後、熱処理を施してSOG膜を焼き締める。続いてSOG膜上に酸化シリコン膜を堆積した後、この酸化シリコン膜をCMP法で研磨してその表面を平坦化する。酸化シリコン膜は、例えばTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)とオゾンとをソースガスに用いたプラズマCVD法で堆積することができる。
【0026】
次に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、nMISのソース・ドレイン(n型半導体領域14)およびpMISのソース・ドレイン(p型半導体領域15)の上方に位置する絶縁膜17およびゲート絶縁膜8にコンタクトホール18を形成し、ゲート電極10n,10pの上方に位置する絶縁膜17およびキャップ絶縁膜9にコンタクトホール(図示は省略)を形成する。続いてコンタクトホール18の内部を含む絶縁膜17上に窒化チタン膜19をCVD法で形成し、さらにコンタクトホール18を埋め込むタングステン膜をCVD法で形成する。その後、コンタクトホール18以外の領域の窒化チタン膜19およびタングステン膜を、例えばCMP法で除去することにより、コンタクトホール18の内部にタングステン膜を主導電材料とするプラグ20を形成する。なお、窒化チタン膜19の形成前に、例えばチタン膜を高指向性スパッタリング法で堆積し、熱処理を行ってコンタクトホール18の底部における半導体基板1をシリサイド化してもよい。このようなシリサイド層を形成することにより、コンタクトホール18の底部での接続抵抗を低減することができる。
【0027】
次に、図5に示すように、半導体基板1の主面上にスパッタリング法でチタン膜21、窒化チタン膜22、アルミニウム膜23およびキャップメタル膜24を下から順に堆積する。さらにキャップメタル膜24上に反射防止膜25を堆積する。チタン膜21および窒化チタン膜22はアルミニウム膜23の構成原子が拡散するのを抑制または防止する機能、またはアルミニウム膜23と絶縁部との密着性を向上させる機能を有するバリアメタル膜である。キャップメタル膜24は、上記バリアメタル膜と同様の機能を有し、例えば窒化チタン膜、あるいはチタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜であってもよい。反射防止膜25は、配線形成のためのリソグラフィ工程における露光処理時にハレーションを低減または防止する機能を有し、例えば窒化シリコン膜とすることができる。
【0028】
以下に、前述したチタン膜21、窒化チタン膜22、アルミニウム膜23およびキャップメタル膜24の成膜方法について詳細に説明する。
【0029】
この積層膜は、図6に示す枚様式マルチチャンバ型スパッタリング装置を用いて成膜される。スパッタリング装置60は、搬送室61の周囲に開閉手段であるゲートバルブを介してローダ63、アンローダ64および5つのチャンバ65,66,67,68,69が備わっている。搬送室61は排気機構等により所定の真空度に保持され、搬送室61内に設けられた多関節アーム構造の搬送用ロボットにより、各チャンバ65,66,67,68,69間を半導体ウエハSWは搬送される。搬送室61に備わるチャンバ65はスパッタリング法でチタン膜21および窒化チタン膜22を堆積するバリアメタル成膜用チャンバ、チャンバ66,69はスパッタリング法でアルミニウム膜23を堆積するアルミニウム成膜用チャンバ、チャンバ67,68はスパッタリング法でキャップメタル膜24を堆積するキャップメタル成膜用チャンバである。
【0030】
まず、ローダ63に複数の半導体ウエハSWを搭載したフープ(Front Open Unified Pod)を載せた後、搬送用ロボットによってフープから1枚の半導体ウエハSWを取り出し、搬送室61へ真空搬入する。フープは半導体ウエハSWのバッチ搬送用の密閉収納容器であり、通常25枚、12枚、6枚等のバッチ単位で半導体ウエハSWを収納する。フープの容器外壁は微細な通気フィルタ部を除いて機密構造になっており、塵埃はほぼ完全に排除される。従って、クラス1000の雰囲気で搬送しても、内部はクラス1の清浄度が保てるようになっている。スパッタリング装置60とのドッキングは、フープの扉をスパッタリング装置60の内部に引き込むことによって清浄さを保持した状態で行われる。
【0031】
次に、バリアメタル成膜用のチャンバ65内へシャッタを入れる。続いてチャンバ65内を所定の真空度とした後、窒素を含まない不活性ガス(例えばアルゴンガス)をチャンバ65内へ導入し、チャンバ65内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、シャッタ上にチタン膜を形成する。その後、シャッタをチャンバ65に備わる格納場所へ移動する。
【0032】
次に、待機していた半導体ウエハSW(半導体基板1)を搬送用ロボットによって搬送室61からバリアメタル成膜用のチャンバ65へ真空搬送し、チャンバ65に備わるステージ上に載せる。続いてチャンバ65内を所定の真空度とした後、窒素を含まない不活性ガスをチャンバ65内へ導入し、チャンバ65内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、所定厚さのチタン膜21を半導体ウエハSWの主面上に形成する。チタン膜21の厚さは、例えば10nmである。
【0033】
ところで、チャンバ65内で窒化チタン膜を形成した場合は、チタンターゲットの表面に窒素が含まれ、またチャンバ65内の雰囲気にも窒素が残存するため、引き続いて半導体ウエハSWの主面上にチタン膜を形成すると、そのチタン膜には窒素不純物が含まれることになる。しかし、本発明による実施の形態1では、半導体ウエハSWの主面上にチタン膜21を形成する前に、シャッタ上にチタン膜を堆積するスパッタリングを行っており、このスパッタリングによりチタンターゲットの表面の窒素が除去され、さらにチャンバ65内の雰囲気に含まれる窒素を減らすことができる。従って、このスパッタリングの後に行われるスパッタリングによって半導体ウエハSWの主面上に堆積されるチタン膜21には窒素不純物は含まれない。さらに、窒素不純物を含まないことから[111]面の結晶配向性の強いチタン膜21が形成される。
【0034】
所定の厚さのチタン膜21を形成した後、チャンバ65内へ窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、チタン膜21上に所定の厚さの窒化チタン膜22を形成する。窒化チタン膜22の厚さは、例えば20nmである。
【0035】
次に、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWをバリアメタル成膜用のチャンバ65からアルミニウム成膜用のチャンバ66へ搬送室61を介して真空搬送し、チャンバ66に備わるステージ上に載せる。続いてチャンバ66内を所定の真空度とした後、不活性ガスをチャンバ66内へ導入し、チャンバ66内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、所定厚さのアルミニウム膜23を窒化チタン膜22上に形成する。アルミニウム膜23の厚さは、例えば250nmである。
【0036】
前述したように、アルミニウム膜23の下層には、窒素不純物を含まず、[111]面の結晶配向性の強いチタン膜21が形成されているので、チタン膜21の配向に沿ってアルミニウムの多くは[111]面の方向に成長し、アルミニウムの粒径分布のばらつきの小さいアルミニウム膜23が形成される。アルミニウムの粒径が揃うことにより、アルミニウム膜23の表面は比較的凹凸が小さくなる。本発明者らによって、窒素不純物を含まないチタン膜上に形成されたアルミニウム膜と窒素不純物を含むチタン膜上に形成されたアルミニウム膜とを比較検討したところ、前者は後者に対して[111]面の結晶配向性が10%程度向上し、表面反射率が1.2倍程度向上し、二乗平均粗さが5nm程度改善するというデータが得られた。
【0037】
アルミニウム膜23の表面の凹凸が減少してモフォロジが改善されると、アルミニウム膜23の局所的な厚さのばらつきがなくなるので、アルミニウム膜23を用いたアルミニウム配線形成工程においては、アルミニウム膜23のエッチング量の不足により隣接するアルミニウム配線間がショートする、または隣接するアルミニウム配線間に層間絶縁膜が埋まらないなどの不良を回避することができる。また、[111]面の結晶配向性が強くなることからアルミニウム配線のEM耐性が向上する。その結果、アルミニウム配線の製造歩留まりが向上する。
【0038】
さらに、アルミニウム膜23上には、キャップメタル膜24が形成される。まず、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWをアルミニウム成膜用のチャンバ66からキャップメタル成膜用のチャンバ67へ搬送室61を介して真空搬送し、チャンバ67に備わるステージ上に載せる。続いてチャンバ67内を所定の真空度とした後、不活性ガスをチャンバ67内へ導入し、チャンバ67内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、所定厚さのキャップメタル膜24、例えば窒化チタン膜をアルミニウム膜23上に形成する。キャップメタル膜24の厚さは、例えば30nmである。その後、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWをキャップメタル成膜用のチャンバ67からアンローダ64へ搬送室61を介して真空搬出し、アンローダ64に置かれたフープへ載せる。
【0039】
なお、ここで説明したスパッタリング装置60では、アルミニウム膜23の形成にチャンバ66、キャップメタル膜24の形成にチャンバ67を用いたが、アルミニウム膜23の形成にチャンバ69、キャップメタル膜24の形成にチャンバ68を用いてもよい。また、キャップメタル膜24は窒化チタン膜により構成すると例示したが、窒化チタン膜上にチタン膜を積み重ねた積層膜により構成してもよい。この場合、窒化チタン膜の厚さは、例えば30nm、チタン膜の厚さは、例えば5nmとすることができる。
【0040】
次に、スパッタリング装置60を用いて前述した成膜方法により所定数の半導体基板1の主面上にチタン膜21、窒化チタン膜22、アルミニウム膜23およびキャップメタル膜24を下から順に堆積した後、枚葉式プラズマCVD装置を用いてキャップメタル膜24上にプラズマCVD法で反射防止膜25を形成する。反射防止膜25の厚さは、例えば40nmである。
【0041】
次に、図7に示すように、反射防止膜25上にパターニングされたレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより反射防止膜25、キャップメタル膜24,アルミニウム膜23、窒化チタン膜22およびチタン膜21を順次パターニングすることによって、アルミニウム膜23を主配線材料とする第1層配線M1を形成する。第1層配線M1の幅は、例えば0.18μm、隣接ピッチは、例えば0.36μm程度である。第1層配線M1の一部はプラグ20を介してnMISのソース・ドレイン(n型半導体領域14)とゲート電極10n、およびpMISのソース・ドレイン(p型半導体領域15)とゲート電極10pに電気的に接続される。
【0042】
次に、図8に示すように、第1層配線M1を覆う絶縁膜、例えば酸化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した後、絶縁膜を、例えばCMP法で研磨することにより、表面が平坦化された層間絶縁膜26を形成する。
【0043】
次に、図9に示すように、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、層間絶縁膜26に第1層配線M1に達するスルーホールTH1を形成する。
【0044】
次に、図10に示すように、半導体基板1の主面上にスパッタリング法でバリアメタル膜を形成した後、プラズマCVD法でスルーホールTH1の内部を埋め込む高融点金属膜、例えばタングステン膜を堆積する。続いてスルーホールTH1以外の領域の高融点金属膜およびバリアメタル膜を、例えばCMP法で除去することにより、スルーホールTH1の内部にプラグ27を形成する。
【0045】
次に、図11に示すように、前述した第1層配線M1と同様な成膜方法により、半導体基板1の主面上に枚葉式マルチチャンバ型スパッタリング装置60を用いてスパッタリング法でチタン膜28、窒化チタン膜29、アルミニウム膜30およびキャップメタル膜31を下から順に堆積する。アルミニウム膜30の厚さは、例えば250nmである。さらにキャップメタル膜31上に反射防止膜32を堆積する。次に、前記第1層配線M1と同様に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、上記積層膜をパターニングしてアルミニウム膜30を主配線材料とする第2層配線M2を形成する。第2層配線M2の幅は、例えば0.20μm、隣接ピッチは、例えば0.40μm程度である。第2配線層M2の一部はプラグ27を介して第1層配線M1に接続されている。
【0046】
次に、図12に示すように、第2層配線M2を覆う絶縁膜、例えば酸化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した後、絶縁膜を、例えばCMP法で研磨することにより、表面が平坦化された層間絶縁膜33を形成する。
【0047】
次に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、層間絶縁膜33に第2層配線M2に達するスルーホールTH2を形成する。
【0048】
次に、半導体基板1の主面上にスパッタリング法でバリアメタル膜を形成した後、プラズマCVD法でスルーホールTH2の内部を埋め込む高融点金属膜、例えばタングステン膜を堆積する。続いてスルーホールTH2以外の領域の高融点金属膜およびバリアメタル膜を、例えばCMP法で除去することにより、スルーホールTH2の内部にプラグ34を形成する。
【0049】
次に、前述した第1層配線M1と同様な成膜方法により、半導体基板1の主面上に枚葉式マルチチャンバ型スパッタリング装置60を用いてスパッタリング法でチタン膜35、窒化チタン膜36、アルミニウム膜37およびキャップメタル膜38を下から順に堆積する。アルミニウム膜37の厚さは、例えば250nmである。さらにキャップメタル膜38上に反射防止膜39を堆積する。次に、前記第1層配線M1と同様に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、上記積層膜をパターニングしてアルミニウム膜37を主配線材料とする第3層配線M3を形成する。第3層配線M3の幅は、例えば0.20μm、隣接ピッチは、例えば0.40μm程度である。第3配線層M3の一部はプラグ34を介して第2層配線M2に接続されている。
【0050】
次に、図13に示すように、第3層配線M3を覆う絶縁膜、例えば酸化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した後、絶縁膜を、例えばCMP法で研磨することにより、表面が平坦化された層間絶縁膜40を形成する。
【0051】
次に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、層間絶縁膜40に第3層配線M3に達するスルーホールTH3を形成する。
【0052】
次に、半導体基板1の主面上にスパッタリング法でバリアメタル膜を形成した後、プラズマCVD法でスルーホールTH3の内部を埋め込む高融点金属膜、例えばタングステン膜を堆積する。続いてスルーホールTH3以外の領域の高融点金属膜およびバリアメタル膜を、例えばCMP法で除去することにより、スルーホールTH3の内部にプラグ41を形成する。
【0053】
次に、前述した第1層配線M1と同様な成膜方法により、半導体基板1の主面上に枚葉式マルチチャンバ型スパッタリング装置60を用いてスパッタリング法でチタン膜42、窒化チタン膜43、アルミニウム膜44およびキャップメタル膜45を下から順に堆積する。アルミニウム膜44の厚さは、例えば1000nmである。さらにキャップメタル膜45上に反射防止膜46を堆積する。次に、前記第1層配線M1と同様に、パターニングされたレジスト膜をマスクとしたドライエッチングにより、上記積層膜をパターニングしてアルミニウム膜44を主配線材料とする第4層配線M4を形成する。第4層配線M4の一部はプラグ41を介して第3層配線M3に接続されている。
【0054】
なお、第1層配線M1、第2層配線M2および第3層配線M3では、アルミニウム膜23,30,37の厚さを、例えば250nmとし、隣接ピッチを、例えば0.40μm以下としており、比較的薄くかつ狭ピッチの配線である。これに対して、最上層配線である第4層配線M4は、他の配線よりも厚くかつ隣接ピッチを広くとれることから、チタン膜42に窒素不純物を混入しないことによってアルミニウム膜44のモフォロジを改善する必要性は低い。従って、従来の成膜方法によってチタン膜42を形成してもよい。
【0055】
その後、第4層配線M4の上層に耐水性が高い緻密なパッシベーション膜、例えばプラズマCVD法で堆積された酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜を形成して、半導体装置を略完成させる。
【0056】
このように、本実施の形態1では、[111]面の結晶配向性を有するチタン膜21,28,35の上層にアルミニウム膜23,30,37を形成することができるので、アルミニウムが[111]面の方向に成長し、アルミニウムの粒径分布のばらつきの小さいアルミニウム膜23,30,37が形成される。これにより、アルミニウム膜23,30,37の表面の凹凸が比較的小さくなるので、アルミニウム膜23,30,37の局所的な厚さのばらつきがなくなり、隣接ピッチが、例えば0.40μm以下である狭ピッチのアルミニウム配線(第1層、第2層および第3層配線M1,M2およびM3)においても隣接するアルミニウム配線間がショートする、または隣接するアルミニウム配線間の層間絶縁膜が埋まらないなどの不良を回避することができる。また、アルミニウム膜23,30,37の[111]面の結晶配向性が強くなることからアルミニウム配線のEM耐性が向上する。その結果、アルミニウム配線の製造歩留まりを向上させることができる。
【0057】
(実施の形態2)
前述の実施の形態1と相違する点は、アルミニウム配線のバリアメタル膜として機能するチタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜の成膜方法である。本発明の実施の形態2である半導体装置の製造方法の一例を図14に示すメタル成膜装置の概略平面図を用いて説明する。
【0058】
前述した実施の形態1の図5に示すように、半導体基板1の主面上にスパッタリング法でチタン膜21、窒化チタン膜22、アルミニウム膜23およびキャップメタル膜24を下から順に堆積するが、この積層膜には、図14に示す枚様式マルチチャンバ型スパッタリング装置70を用いる。スパッタリング装置70の基本構造は前述した実施の形態1のスパッタリング装置60と同じであり、搬送室71の周囲にゲートバルブを介してローダ73、アンローダ74および5つのチャンバ75,76,77,78,79が備わっている。ただし、搬送室71に備わるチャンバ75はスパッタリング法でチタン膜21を堆積するチタン成膜用チャンバ、チャンバ76,79はスパッタリング法でアルミニウム膜23を堆積するアルミニウム成膜用チャンバ、チャンバ77はスパッタリング法でキャップメタル膜24を堆積するキャップメタル成膜用チャンバ、チャンバ78はスパッタリング法で窒化チタン膜22を堆積する窒化チタン成膜用チャンバである。
【0059】
すなわち、本実施の形態2では、バリアメタル膜として機能するチタン膜21と窒化チタン膜22とをそれぞれ異なるチャンバで形成することにより、チタン膜21への窒素不純物の混入を防止する。
【0060】
以下に、前述したチタン膜21、窒化チタン膜22、アルミニウム膜23およびキャップメタル膜24の成膜方法について説明する。
【0061】
まず、ローダ73に複数の半導体ウエハSWを搭載したフープを載せた後、搬送用ロボットによってフープから1枚の半導体ウエハSWを取り出し、搬送室71へ真空搬入する。
【0062】
次に、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWを搬送室71からバリアメタル成膜用のチャンバ75へ真空搬送し、チャンバ75に備わるステージ上に載せる。続いてチャンバ75内を所定の真空度とした後、窒素を含まない不活性ガスをチャンバ75内へ導入し、チャンバ75内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、所定厚さのチタン膜21を半導体ウエハSWの主面上に形成する。チャンバ75内へは窒素を導入しないので、チタン膜21に窒素不純物が含まれることがなく、[111]面の結晶配向性の強いチタン膜21が形成される。
【0063】
次に、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWをチタン成膜用のチャンバ75から窒化チタン成膜用のチャンバ78へ搬送室71を介して真空搬送し、チャンバ78に備わるステージ上に載せる。続いてチャンバ78内を所定の真空度とした後、窒素を含む不活性ガスをチャンバ78内へ導入し、チャンバ78内を所定の圧力に設定してスパッタリングを所定時間行うことにより、所定厚さの窒化チタン膜22を形成する。
【0064】
次に、搬送用ロボットによって半導体ウエハSWを窒化チタン成膜用のチャンバ78からアルミニウム成膜用のチャンバ76へ搬送室71を介して真空搬送し、チャンバ76に備わるステージ上に載せる。その後は、前述した実施の形態1と同様にして、所定厚さのアルミニウム膜23を窒化チタン膜22上に形成し、さらに、アルミニウム膜23上にキャップメタル膜24を形成した後、半導体ウエハSWをアンローダ74へ搬送室71を介して真空搬出する。
【0065】
このように、アルミニウム膜23の下層には、窒素不純物を含まず、[111]面の結晶配向性の強いチタン膜21が形成されているので、チタン膜21の配向に沿ってアルミニウムの多くは[111]面の方向に成長し、アルミニウムの粒径分布のばらつきの小さいアルミニウム膜23が形成される。従って、本実施の形態2によれば、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の半導体装置の製造方法は、特に、配線ピッチが0.40μm未満の配線構造を有する半導体装置の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図2】図1に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図3】図2に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図4】図3に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図5】図4に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法に用いる枚葉式マルチチャンバ型スパッタリング装置の概略図である。
【図7】図5に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図8】図7に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図9】図8に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図10】図9に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図11】図10に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】図11に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図13】図12に続く製造工程における図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法に用いる枚葉式マルチチャンバ型スパッタリング装置の概略図である。
【符号の説明】
【0069】
1 半導体基板
2 素子分離領域
4 pウェル
5 nウェル
8 ゲート絶縁膜
9 キャップ絶縁膜
10n,10p ゲート電極
11 n型半導体領域
12 p型半導体領域
13 スペーサ
14 n型半導体領域
15 p型半導体領域
17 絶縁膜
18 コンタクトホール
19 窒化チタン膜
20 プラグ
21 チタン膜
22 窒化チタン膜
23 アルミニウム膜
24 キャップメタル膜
25 反射防止膜
26 層間絶縁膜
27 プラグ
28 チタン膜
29 窒化チタン膜
30 アルミニウム膜
31 キャップメタル膜
32 反射防止膜
33 層間絶縁膜
34 プラグ
35 チタン膜
36 窒化チタン膜
37 アルミニウム膜
38 キャップメタル膜
39 反射防止膜
40 層間絶縁膜
41 プラグ
42 チタン膜
43 窒化チタン膜
44 アルミニウム膜
45 キャップメタル膜
46 反射防止膜
60 スパッタリング装置
61 搬送室
63 ローダ
64 アンローダ
65,66,67,68,69 チャンバ
70 スパッタリング装置
71 搬送室
73 ローダ
74 アンローダ
75,76,77,78,79 チャンバ
M1,M2,M3,M4 配線
SW 半導体ウエハ
TH1,TH2,TH3 スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面上に、第1チタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜と、前記積層膜上にアルミニウム膜を形成する半導体装置の製方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a)ウエハステージと、前記ウエハステージの上方に設置されたチタンターゲットと、前記ウエハステージと前記チタンターゲットとの間に移動して設置することができるシャッタとを備える第1スパッタリング用チャンバ内に前記シャッタを設置した後、前記第1スパッタリング用チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記シャッタ上に第2チタン膜を堆積する工程;
(b)前記第1スパッタリング用チャンバ内に備わる格納場所へ前記シャッタを移動させた後、前記第1スパッタリング用チャンバ内に前記半導体基板を搬送し、前記ウエハステージ上に前記半導体基板を置く工程;
(c)前記第1スパッタリング用チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記半導体基板の主面上に前記第1チタン膜を堆積する工程;
(d)前記(c)工程の後、前記第1スパッタリング用チャンバ内に窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記第1チタン膜上に前記窒化チタン膜を堆積する工程;
(e)前記半導体基板を前記第1スパッタリング用チャンバから第2スパッタリング用チャンバへ搬送し、前記第2スパッタリング用チャンバに備わるウエハステージ上に前記半導体基板を置く工程;
(f)前記第2スパッタリング用チャンバ内に不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記窒化チタン膜上に前記アルミニウム膜を堆積する工程。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第2チタン膜には窒素不純物が含まれ、前記第1チタン膜には窒素不純物が含まれないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第1チタン膜の[111]面の結晶配向性は、前記第2チタン膜の[111]面の結晶配向性よりも強いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記アルミニウム膜の[111]面の結晶配向性が前記アルミニウム膜の他の結晶面の結晶配向性よりも強いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第1および前記第2スパッタリング用チャンバはそれぞれゲートバルブを介して所定の真空度に保持された搬送室に備わることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記窒素を含まない不活性ガスはアルゴンガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(f)工程の後、
(g)パターニングされたレジスト膜をマスクとして前記アルミニウム膜、前記窒化チタン膜および前記第1チタン膜を順次エッチングして、前記アルミニウム膜を主導電材料とする配線を形成する工程;
をさらに含み、前記配線の隣接ピッチは0.40μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(f)工程の後、
(g)前記アルミニウム膜上に、チタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜、または窒化チタン膜からなるキャップメタル膜を形成する工程;
(h)前記キャップメタル膜上に反射防止膜を形成する工程;
(i)パターニングされたレジスト膜をマスクとして前記反射防止膜、前記キャップメタル膜、前記アルミニウム膜、前記窒化チタン膜および前記第1チタン膜を順次エッチングして、前記アルミニウム膜を主導電材料とする配線を形成する工程;
をさらに含み、前記配線の隣接ピッチは0.40μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板の主面上に、チタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜と、前記積層膜上にアルミニウム膜を形成する半導体装置の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a)第1スパッタリング用チャンバに備わるウエハステージ上に前記半導体基板を置いた後、前記第1スパッタリング用チャンバ内に窒素を含まない不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記半導体基板の主面上に前記チタン膜を堆積する工程;
(b)前記半導体基板を前記第1スパッタリング用チャンバから第2スパッタリング用チャンバへ搬送し、前記第2スパッタリング用チャンバに備わるウエハステージ上に前記半導体基板を置いた後、前記第2スパッタリング用チャンバ内に窒素を含む不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記チタン膜上に前記窒化チタン膜を堆積する工程;
(c)前記半導体基板を前記第2スパッタリング用チャンバから第3スパッタリング用チャンバへ搬送し、前記第3スパッタリング用チャンバに備わるウエハステージ上に前記半導体基板を置いた後、前記第3スパッタリング用チャンバ内に不活性ガスを導入してスパッタリングを行い、前記窒化チタン膜上に前記アルミニウム膜を堆積する工程。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記チタン膜の[111]面の結晶配向性が前記チタン膜の他の結晶面の結晶配向性よりも強いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記アルミニウム膜の[111]面の結晶配向性が前記アルミニウム膜の他の結晶面の結晶配向性よりも強いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記第1、第2および第3のスパッタリング用チャンバはそれぞれゲートバルブを介して所定の真空度に保持された搬送室に備わることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記窒素を含まない不活性ガスはアルゴンガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(c)工程の後、
(d)パターニングされたレジスト膜をマスクとして前記アルミニウム膜、前記窒化チタン膜および前記チタン膜を順次エッチングして、前記アルミニウム膜を主導電材料とする配線を形成する工程;
をさらに含み、前記配線の隣接ピッチは0.40μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(c)工程の後、
(d)前記アルミニウム膜上に、チタン膜上に窒化チタン膜を積み重ねた積層膜、または窒化チタン膜からなるキャップメタル膜を形成する工程;
(e)前記キャップメタル膜上に反射防止膜を形成する工程;
(f)パターニングされたレジスト膜をマスクとして前記反射防止膜、前記キャップメタル膜、前記アルミニウム膜、前記窒化チタン膜および前記チタン膜を順次エッチングして、前記アルミニウム膜を主導電材料とする配線を形成する工程;
をさらに含み、前記配線の隣接ピッチは0.40μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項7、8、14または15記載の半導体装置の製造方法において、前記配線の厚さは250nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−311461(P2007−311461A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137501(P2006−137501)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】