半導体装置の製造方法
【課題】 サイドウォール幅の減少を抑制し、ゲート電極が微細化された場合であっても接合リーク電流に起因する製造歩留まりの低下を回避することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 ゲート電極3上にスペーサパターン13を形成し、サイドウォール6形成後にスペーサパターン13を除去する。当該手法により、ゲート電極3の高さより高い、もしくは同等の高さのサイドウォール6を形成した後、コンタクトホール21を形成する。これにより、ストッパ膜7を異方性エッチングする際にサイドウォール6の幅が減少することを抑制し、エクステンション領域が露出することにより生じる接合リーク電流に起因する半導体装置の歩留まり低下を抑制することができる。
【解決手段】 ゲート電極3上にスペーサパターン13を形成し、サイドウォール6形成後にスペーサパターン13を除去する。当該手法により、ゲート電極3の高さより高い、もしくは同等の高さのサイドウォール6を形成した後、コンタクトホール21を形成する。これにより、ストッパ膜7を異方性エッチングする際にサイドウォール6の幅が減少することを抑制し、エクステンション領域が露出することにより生じる接合リーク電流に起因する半導体装置の歩留まり低下を抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置とその製造方法に関し、特に、シェアードコンタクトを備えた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化にともない、層間絶縁膜を介して上下に配置された導電体を電気的に接続するコンタクトにシェアードコンタクトが採用されている(例えば、特許文献1等参照。)。シェアードコンタクトは、例えば、シリコン基板等の半導体基板上に形成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのゲート電極及びドレイン領域(あるいは、ソース領域)が同一の上層配線に接続される場合に、ゲート電極上とドレイン領域上とに渡って形成された1つのコンタクトにより上層電極との接続を行う。このため、シェアードコンタクトを採用することにより、個別にコンタクトを形成する場合に必要であった隣接するコンタクト間のマージン等が不要となるため素子の小型化が可能となる。
【0003】
図10、及び図11はシェアードコンタクトを備えた半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。図10(a)に示すように、シリコン基板1の表面部のSTI(Shallow Trench Isolation)等の素子分離領域4で区分された領域にゲート絶縁膜11を介して、例えば、ポリシリコン等からなるゲート電極3が形成され、当該ゲート電極3をマスクとしたイオン注入により、エクステンション領域2が形成される。
【0004】
次いで、図10(b)に示すように、シリコン基板1上に、例えば、シリコン窒化膜からなる絶縁膜5が成膜され、当該絶縁膜5に異方性エッチングを行うことにより、図10(c)に示すようにゲート電極3の側面にサイドウォール16が形成される。当該異方性エッチングにおいて、サイドウォール16以外の部位に絶縁膜5の残渣が生じると、以降の洗浄工程等において当該残渣が基板上から剥離してパーティクルとなり、半導体装置の製造歩留まりを低下させる。このため、当該異方性エッチングのエッチング量は、シリコン基板1面内における、絶縁膜5の膜厚ばらつき、素子分離領域4の段差(シリコン基板1表面からSTI上面までの高さ)の形成ばらつき、及び前記異方性エッチングのエッチングレートばらつき等が考慮され、シリコン基板1の全面において絶縁膜5の残渣が生じないエッチング量に設定される。すなわち、当該異方性エッチングのエッチング量は、ゲート電極3上の絶縁膜5の膜厚以上に設定され、当該異方性エッチングにより形成されたサイドウォール16の高さはゲート電極3の高さよりも低くなる(図10(c)参照)。
【0005】
続いて、サイドウォール16及びゲート電極3をマスクとして不純物がシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にソース領域、ドレイン領域として機能する不純物拡散領域10が形成される(図10(c))。そして、半導体基板1の全面にコバルトやチタン等の金属膜が成膜された後、熱処理が実施され、当該金属膜とシリコン基板1とが接触する領域、並びに、金属膜とゲート電極3であるポリシリコンとが接触する領域に、金属シリサイド層12が形成される。この後、未反応の金属膜がウェットエッチングにより除去され、MOS型のトランジスタが完成する。
【0006】
当該トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、図11(a)に示すように、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7と、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜8が順に形成される。層間絶縁膜8上には、レジスト膜が形成され、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィ等により形成される。シェアードコンタクトの場合、当該コンタクトホール21は、ゲート電極3上とドレイン領域(あるいは、ソース領域)13上とに渡って形成される。
【0007】
続いて、図11(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたドライエッチングが行われる。当該エッチングでは、層間絶縁膜8とストッパ膜7とでエッチング選択性を確保することができるガスを主成分とするエッチングガスが使用される。したがって、層間絶縁膜8のエッチングは、当該エッチングにより形成されるコンタクトホール21の底部にストッパ膜7が露出した状態で自動的に停止する。
【0008】
レジストパターン9が剥離された後、図11(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7が異方性エッチングにより除去される。この後、コンタクトホール21の底部に露出した金属シリサイド層12の表面酸化膜除去が行われた後、金属膜堆積、及び、当該金属膜のCMPによりコンタクトプラグ22が形成され、図11(d)に示すように、シェアードコンタクト構造が完成する。
【特許文献1】特開2004−273972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ストッパ膜7の異方性エッチングを行う工程では、コンタクトホール21の底部にコンタクト不良の要因となるストッパ膜7のエッチング残渣を発生させないために、オーバエッチングが行われている。このため、当該異方性エッチングでは、ストッパ膜7のエッチングにともなって、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール16もエッチングされる。このとき、サイドウォール16の形状によってはサイドウォール16が除去され、図11(c)の矢指部Aに示すように、エクステンション領域2が露出されることがある。
【0010】
エクステンション領域2が露出された状態でコンタクトプラグ22が形成されると、図11(d)の矢指部Aに示すように、エクステンション領域2とコンタクトプラグ22とが直接接触する。近年の微細化されたトランジスタでは、エクステンション領域2は非常に浅い不純物拡散領域により構成されている。このため、コンタクトプラグ22がエクステンション領域2の上面に形成された場合、エクステンション領域2の底部を構成するpn接合とコンタクトプラグ22の底面とが非常に近接することになる。そして、コンタクトプラグ22を構成する金属元素がシリコン基板1中に拡散した場合には、pn接合とコンタクトプラグ22との実効的な距離はさらに小さくなる。コンタクトプラグ22とエクステンション領域2底部のpn接合とが近接して形成されると、当該pn接合を介して流れる接合リーク電流が増大し、トランジスタの素子特性が低下する。このため、半導体装置の製造歩留まりが大きく低下する。
【0011】
以下、サイドウォール16の形状と、エクステンション領域2の露出量との関係について簡単に説明する。図12(a)は、ゲート電極3の高さが130nm、絶縁膜5の膜厚が60nmである場合に、異方性エッチングを行ったときのサイドウォール高さの減少量ΔYと、サイドウォール幅の減少量ΔXとの関係を示す図である。ここで、サイドウォール高さ減少量ΔYとは、形成されたサイドウォール16の高さと、ゲート電極3の高さとの差であり、また、サイドウォール幅減少量ΔXとは、サイドウォール16の高さとゲート電極3の高さとが同一である場合のサイドウォール幅と、実際に形成されたサイドウォール16のサイドウォール幅との差である(図12(b)参照。)。なお、図12(a)において、下軸がサイドウォール高さ減少量ΔYに対応し、左軸がサイドウォール幅減少量ΔXに対応する。
【0012】
図12(a)から、サイドウォール高さ減少量ΔYが大きくなるにつれて、サイドウォール幅減少量ΔXが2次関数的に大きくなることが理解できる。したがって、サイドウォール16形成時のサイドウォール高さ減少量ΔYが大きいほど、ストッパ膜7のエッチング工程におけるサイドウォール幅の減少量ΔXが大きくなる。つまりエクステンション領域2の露出量が大きくなる。
【0013】
例えば、サイドウォール16形成時の高さ減少量ΔYが30nm(エッチング量が90nm)であった場合、ストッパ膜7のエッチング工程においてサイドウォール高さがさらに30nm減少したとすると、図12(a)によれば、当該エッチングによりサイドウォール幅が7nm減少する。
【0014】
また、このようなエッチングを行ったシリコン基板1上に、絶縁膜5の膜厚ばらつきにより、ゲート電極3上の絶縁膜5の膜厚が50nmである箇所が存在し、シリコン基板1上におけるサイドウォール16形成時のエッチング工程、及びストッパ膜7のエッチング工程におけるエッチングレートばらつきにより、当該箇所のエッチング量が設定エッチング量よりも10nm大きくなる状況が生じたとする。この場合、サイドウォール16形成直後の高さ減少量ΔYは50nmとなり、ストッパ膜7の異方性エッチング後には、さらに40nmエッチングされ、高さ減少量ΔYは90nmとなる。この場合、図12(a)によれば、サイドウォール16の幅は、不純物拡散領域10を形成した状態に比べて20nm小さくなる。このとき、エクステンション領域2は確実に露出している。
【0015】
このように、上記従来技術では、ストッパ膜7のエッチングを行う際のプロセスマージンが非常に小さく、シリコン基板1の全面において、接合リーク電流の小さい半導体装置を安定して製造することが難しかった。
【0016】
さらに、図13は、ゲート電極3のゲート長と、ゲート電極3の高さに対するサイドウォール高さ減少量ΔYの割合(ΔY/ゲート電極高さ)との関係を示す図である。ここで、ゲート電極高さ及び絶縁膜5の膜厚は、ゲート長の短縮とともに、スケーリング則にしたがって減少されている。図13から理解できるように、ゲート電極3のゲート長が短くなるほど、サイドウォール高さ減少量ΔYのゲート高さに対する割合は増大する。すなわち、図13は、ゲート長が短くなった場合、形成直後のサイドウォール16の高さが低く、スットパ膜7の異方性エッチングの際にサイドウォール16完全に除去されてしまうことになる。したがって、上記従来の方法では、今後、短ゲート長化が進行した場合、接合リーク電流の小さい半導体装置を製造することは不可能となる。また、ストッパ膜7の異方性エッチングの際に除去される程度の高さしか有しないサイドウォールに対して、上記特許文献1に記載された技術を適用した場合、コンタクトホール形成後にサイドウォール上に設けられた窒化膜は完全に除去されてしまうため、接合リーク電流を抑制する十分な効果を得ることはできない。
【0017】
上述のような、接合リーク電流を抑制するために、サイドウォール形成時の異方性エッチングのオーバエッチング量を低減することが考えられる。しかしながら、上述のように、サイドウォール形成時のオーバエッチング量は、シリコン基板1上に絶縁膜5の残渣が生じない程度に設定される。当該絶縁膜5の残渣は、素子分離領域4の端部に形成されている段差部で特に発生しやすい。これは、絶縁膜5が当該段差部を被覆する状態で形成されるため、当該段差部において、サイドウォール形成時の異方性エッチングにおいてエッチングされるべき絶縁膜5の膜厚が増大することに起因している。
【0018】
例えば、図14に示すように、素子分離領域4の端部にシリコン基板1上の平坦部に対する傾斜角がθである段差が形成されている場合、シリコン基板1の平坦部に形成された絶縁膜5の膜厚dに対し、エッチングされるべき絶縁膜5の膜厚Dは、D=d/cosθとなる。当該膜厚Dの大きさはSTI形成工程に依存するものであり、ゲート長には依存しない。すなわち、サイドウォール形成時には、ゲート長に関わらず、素子分離領域4の端部に形成された段差部の膜厚Dの絶縁膜5を確実に除去できるエッチング量が必要があり、オーバエッチング量を低減することは困難である。
【0019】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、サイドウォール幅の減少を抑制し、ゲート電極が微細化された場合であっても接合リーク電流に起因する製造歩留まりの低下を回避することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。まず、本発明は、半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法を前提としている。そして、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、上面がスペーサパターンに被覆されたゲート電極が形成される。次いで、当該スペーサパターンを備えたゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層にエクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。続いて、上記スペーサパターンを備えたゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極の側面にサイドウォールが形成される。これにより、当該サイドウォールの上端は、ゲート電極の上面より高い位置に形成される。この後、ゲート電極上の上記スペーサパターンが除去される。本構成において、上記第1の絶縁膜は、上記スペーサパターンと異なるエッチング特性、すなわち、異なるエッチングレートを有することが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極が形成され、当該ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層に、エクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。次いで、基板上に上記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜上に、サイドウォールの形成領域及び上記ゲート電極を被覆するマスクパターンが形成される。続いて、当該マスクパターンをマスクとして第1の絶縁膜の異方性エッチングが行われ、上記マスクパターンに被覆されていない第1の絶縁膜の膜厚が低減される。この後、上記マスクパターンが除去され、マスクパターンが除去された第1の絶縁膜に対して異方性エッチングが行われる。これにより、ゲート電極の側面にサイドウォールが形成される。ここで、上記マスクパターンはレジストパターンにより構成することができる。
【0022】
なお、以上の構成において、サイドウォールの両側に位置する半導体層には、当該サイドウォール及び上記ゲート電極をマスクとして、それぞれ、ソース領域、ドレイン領域として機能する第2の不純物拡散領域が形成される。
【0023】
本発明に係るさらに他の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極が形成される。次いで、当該ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層にエクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。続いて、基板上に上記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことで、ゲート電極の側面に第1のサイドウォールが形成される。また、基板上に、第1のサイドウォールが形成されたゲート電極を被覆する前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる第2の絶縁膜が形成される。そして、当該第2の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことにより、第1のサイドウォールが形成されたゲート電極の側面に第2のサイドウォールが形成される。
【0024】
本構成において、ソース領域、ドレイン領域として機能する第2の不純物拡散領域は、上記ゲート電極及び上記第2のサイドウォールをマスクとして形成される。また、当該第2の不純物拡散領域は、上記第2の絶縁膜の形成前に、ゲート電極及び上記第1のサイドウォールをマスクとして形成されてもよい。
【0025】
なお、以上の構成において、上記第2の不純物拡散領域が形成された後、上記第2の不純物拡散領域の表面部には金属シリサイド層が形成される。この後、第3の絶縁膜からなるストッパ膜、及び当該ストッパ膜と異なるエッチング特性を有する第4の絶縁膜(層間絶縁膜)が順に形成される。次いで、第4の絶縁膜上に、上記ゲート電極上及び当該ゲート電極の一方の側に位置する上記第2の不純物拡散領域上に渡って開口を有するマスクパターンが形成され、当該マスクパターンをエッチングマスクとした第4の絶縁膜のエッチングにより、底部にゲート電極及び金属シリサイド層が露出される。ここで、ストッパ膜は、上記第1の絶縁膜と同一の材質とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、いずれの手法を用いても、形成直後のサイドウォールの高さを従来に比べて高くすることができ、従来、コンタクトホール形成時のオーバエッチングにより生じていたサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、サイドウォールに被覆されているべき不純物拡散領域(エクステンション領域)が露出することが防止され、接合リーク電流が増大することを抑制することができる。この結果、半導体装置の製造歩留まりを向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明を、pチャネル型のMOS型トランジスタに適用した事例について説明する。また、図面において、上記従来の半導体装置と同一の作用効果を奏する部位には、従来の半導体装置に付した符号と同一の符号を付し、以下での詳細な説明は省略する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。
【0029】
本実施形態では、まず、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11が形成される。次いで、ゲート絶縁膜11上に、厚さ150nm程度のポリシリコン膜、及び、厚さ50nm程度のPSG(Phospho Silicate Glass)膜等からなる酸化膜がLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等により順に成膜される。
【0030】
当該酸化膜上にゲート電極3に対応するレジストパターンがフォトリソグラフィ等により形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングすることにより酸化膜のエッチングを行い、ゲート電極3に対応する酸化膜パターン13が形成される。この後、当該酸化膜パターン13をハードマスクとして、ポリシリコン膜のドライエッチングを行うことにより、図1(a)に示すように、上面が酸化膜パターン13(以下、スペーサパターン13という。)に被覆されたゲート電極3が形成される。なお、酸化膜パターン13の形成マスクであるレジストパターンは、多結晶シリコン膜のエッチング中に除去される。
【0031】
次に、スペーサパターン13及びゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物が、例えば、3keV程度の注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される。エクステンション領域2の形成が完了すると、図1(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚60nm程度の絶縁膜5がCVD法により成膜される。
【0032】
続いて、図1(c)に示すように、絶縁膜5に異方性ドライエッチングを行うことにより、ゲート電極3の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール6が形成される。このとき、上述したオーバエッチングにより、サイドウォール6の上端はスペーサパターン13の上端からから30nm程度低い位置になる。本実施形態では、ゲート電極3上にスペーサパターン13を設けているため、サイドウォール6の上端を、従来に比べて、スペーサパターン13の膜厚分だけ上方に位置させることができる。ここでは、スペーサパターン13の膜厚が50nmであるため、サイドウォール6の上端は、ゲート電極3の上端よりも上方に位置することになる。なお、上記オーバエッチングは、素子分離領域4の端部に形成されている段差部の絶縁膜5がシリコン基板1の面内において完全に除去される条件に設定されている。また、特に限定されるものではないが、スペーサパターン13の材質と絶縁膜5の材質とは、サイドウォール6を形成する際のエッチングにおいて、エッチング選択比を確保することができる材質の組み合わせであることが好ましい。
【0033】
サイドウォール6の形成が完了した後、図1(d)に示すように、スペーサパターン13がウェットエッチングにより除去される。また、ゲート電極3、及びサイドウォール6をマスクとして、ボロン等のp型不純物が、例えば、40keVの注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、サイドウォール6の両側にソース領域及びドレイン領域として機能する深さ45nm程度のp型不純物拡散領域10が形成される。
【0034】
この後、シリコン基板1の全面に、コバルトやチタン等の高融点金属膜が成膜され、熱処理が実施される。これにより、高融点金属膜とシリコン基板1とが接触する領域、並びに、高融点金属膜とゲート電極3であるポリシリコンとが接触する領域に、金属シリサイド層12が形成される。この後、未反応の高融点金属膜がウェットエッチングにより除去され、トランジスタが完成する。
【0035】
以上のようにしてトランジスタが形成されたシリコン基板1上に、図2(a)に示すように、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、例えば、BPSG(Boro Phospho Silicate Glass)やHDP−NSG(High Density Plasma - Non-doped Silicate Glass)等からなる層間絶縁膜8が順に成膜される。次に、層間絶縁膜8の表面が、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される。ここで、絶縁膜8の膜厚は平坦化前で700nm程度であり、平坦化後で400nm程度である。また、ストッパ膜7の膜厚は30nm程度である。
【0036】
続いて、図2(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたドライエッチングが行われる。当該エッチングでは、絶縁膜8とストッパ膜7とでエッチング選択性を確保することができるガスを主成分とするエッチングガスが使用される。このため、絶縁膜8のエッチングは、当該エッチングにより形成されるコンタクトホール21の底部にストッパ膜7が露出した状態で自動的に停止する。上記事例では、エッチングガスとして、例えば、フルオロカーボン系ガス(例えば、C4F6、C5F8等)、酸素ガス、及びアルゴンガスの混合ガス等を使用することができる。
【0037】
レジストパターン9が剥離された後、CF4ガス等のフッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図2(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来法のサイドウォール16に比べて50nm高く形成されている。このため、本実施形態のサイドウォール6は、従来法のサイドウォール16と比較して、底面から上方に向かって狭くなるサイドウォール幅の狭まり方が緩やかになっている。すなわち、本実施形態のサイドウォール6は、従来と比較してサイドウォール6端部近傍の膜厚が厚く、サイドウォール幅の減少が抑制される。
【0038】
また、図12に基づけば、本実施形態のサイドウォール6は、サイドウォール高さ減少量ΔYが0以下の状態であり、ストッパ膜7のエッチングにおいて、サイドウォール6が数十nmエッチングされた場合であっても、サイドウォール幅はほとんど減少しないことが理解できる。したがって、本実施形態では、ストッパ膜7のエッチングの実施後であっても、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール6がエクステンション領域2を完全に被覆している。さらにいえば、本実施形態によれば、サイドウォール高さの減少に対応してサイドウォール幅の減少する量を小さくすることができ、プロセスマージンを広くすることができる。
【0039】
この後、アルゴンスパッタ処理等により、コンタクトホール21の底部に露出した金属シリサイド層12の表面酸化膜除去が行われた後、シリコン基板1上に膜厚が10nm程度のチタン膜、及び、膜厚が5nm程度の窒化チタン膜からなるバリア膜23と、タングステンからなる金属膜が順次堆積される。そして、CMP法により層間絶縁膜5上の不要な金属膜及びバリア膜を除去することによって、コンタクトプラグ22が形成され、シェアードコンタクト構造が完成する。なお、当該コンタクトプラグ22上に、コンタクトプラグ22と電気的に接続される金属配線等が、周知のプロセスを用いて形成されることはいうまでもない。また、このような金属配線を含む上部配線構造が周知のプロセスにより形成されることで、シェアードコンタクトを備えた半導体装置の形成が完了する。
【0040】
図3は、本製造方法により形成した半導体装置の平均的なリーク電流と、従来法により製造した半導体装置の平均的なリーク電流とを示す図である。図3から理解できるように、本実施形態によれば、従来に比べて、リーク電流が2桁小さい半導体装置を形成することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
上述したように、サイドウォール高さを高くすることにより、ストッパ膜7のエッチング工程におけるサイドウォール幅の減少は抑制される。そこで、第2の実施形態では、スペーサパターン13を形成することなく、サイドウォール高さの高いサイドウォール6を形成する方法について説明する。図4及び図5は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0043】
本実施形態では、まず、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11が形成される。次いで、ゲート絶縁膜11上に、厚さ150nm程度のポリシリコン膜がLPCVD法等により成膜され、当該ポリシリコン膜上にゲート電極3に対応するレジストパターンがフォトリソグラフィ等により形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとしてポリシリコン膜をエッチングすることにより、図4(a)に示すように、ゲート電極3が形成される。なお、レジストパターンはポリシリコン膜のエッチング後にアッシング及び洗浄により除去される。
【0044】
次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物が、例えば、3keVの注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される。エクステンション領域2の形成が完了すると、図4(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚60nm程度の絶縁膜5がCVD法により成膜される。
【0045】
さて、本実施形態では、続いて、図4(c)に示すように、絶縁膜5上にゲート電極3及びサイドウォール6の形成領域を被覆するマスクパターン14が形成される。マスクパターン14は例えばレジストパターンにより構成することができる。当該マスクパターン14は、リソグラフィ工程での位置ずれを考慮したパターンとして形成されることが好ましい。例えば、ゲート電極3の側面に形成された絶縁膜5の膜厚が60nmであるとき、ゲート電極3を被覆する絶縁膜5の側面とマスクパターン14の端部との間には20nm程度のマージンが設けられる。これにより、マスクパターン14を形成するためのリソグラフィ工程において位置ずれが生じた場合であっても、マスクパターン14はゲート電極3及びサイドウォール形成領域を確実に被覆することができる。
【0046】
上記マスクパターン14を形成した後、図4(c)に示すように、マスクパターン14を介して絶縁膜5のエッチングが行われ、マスクパターン14に被覆されていない絶縁膜5の薄化が行われる。ここでは、当該エッチングにより、素子分離領域4の段差部を含む領域の絶縁膜5の膜厚を10nm程度にまで減少させている。このとき、絶縁膜5を完全に除去することも可能であるが、以下の異方性エッチングにおいて、シリコン基板1にエッチング種が入射して欠陥が形成されることを抑制する観点では、絶縁膜5を残存させることが好ましい。
【0047】
次に、マスクパターン14がアッシング等により除去された後、シリコン基板1の全面に対して、異方性ドライエッチングが行われ、図4(d)に示すように、ゲート電極3の側面にサイドウォール6が形成される。本実施形態では、素子分離領域4の段差部の絶縁膜5の膜厚が予め10nmに減少されている。このため、ゲート電極3上に存在する絶縁膜5がエッチング除去される際に素子分離領域4の段差部は自動的にオーバエッチングされることになり、絶縁膜5の残渣が生じない。したがって、本実施形態では、当該異方性エッチングにおけるオーバエッチング量は、ゲート電極3の上面を完全に露出させることができる条件、すなわち、シリコン基板1面内における絶縁膜5の膜厚ばらつき、及び、絶縁膜5のエッチングレートばらつきのみを考慮した条件とすればよく、従来に比べて小さくすることができる。この結果、従来に比べてサイドウォール高さの高いサイドウォール6を形成することができる。本実施形態では、当該エッチングにより、サイドウォール6の上端はゲート電極3の上端から15nm程度低い位置になる。なお、サイドウォール6が形成された後、第1の実施形態と同様に、サイドウォール6の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成され、当該不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される。
【0048】
以上のようにして、トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、第1の実施形態と同様に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、BPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図5(a))。そして、図5(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図5(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。
【0049】
このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されている。このため、本実施形態のサイドウォール6は、従来法のサイドウォール16と比較して、底面から上方に向かって狭くなるサイドウォール幅の狭まり方が緩やかになっている。すなわち、本実施形態のサイドウォール6は、従来と比較してサイドウォール6端部近傍の膜厚が厚く、サイドウォール幅の減少が抑制される。
【0050】
また、図12に基づけば、本実施形態のサイドウォール6は、サイドウォール高さ減少量ΔYが15nmの状態であり、ストッパ膜7のエッチングにおいて、サイドウォール6が20nm程度エッチングされた場合であっても、サイドウォール幅はほとんど減少しないことが理解できる。したがって、本実施形態では、ストッパ膜7のエッチングの実施後であっても、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール6がエクステンション領域2を完全に被覆している。さらにいえば、本実施形態によれば、サイドウォール高さの減少に対応してサイドウォール幅が減少する量を小さくすることができ、プロセスマージンを広くすることができる。
【0051】
この後、図5(d)に示すように、第1の実施形態と同様の手法により、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
上記各実施形態では、従来の製造工程では使用されていない、スペーサパターン13、あるいはマスクパターン14を形成することにより、十分な高さを有するサイドウォール6を形成した。しかしながら、このようなサイドウォール6は、特別なパターンを使用することなく形成することも可能である。そこで、第3の実施形態では、特別なパターンを形成することなく十分な高さを有するサイドウォール6を形成する方法について説明する。図6及び図7は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0054】
まず、上記第2の実施形態と同様に、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11を介して、厚さ150nm程度のゲート電極3が形成される。次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物がイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される(図6(a))。
【0055】
さて、本実施形態では、エクステンション領域2の形成が完了すると、図6(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚30nm程度の絶縁膜51がCVD法により成膜される。そして、当該絶縁膜51に対して異方性エッチングを行うことにより、図6(c)に示すように、ゲート電極3の側面に第1のサイドウォール61が形成される。当該異方性エッチングにおけるオーバエッチング量は、素子分離領域4の段差部に絶縁膜51の残渣が生じない条件に設定される。本実施形態では、絶縁膜51の膜厚は第1の実施形態に比べて薄いため、オーバエッチング量も第1の実施形態に比べて小さくすることができる。このため、当該異方性エッチングにより形成された第1のサイドウォール61の上端は、ゲート電極3の上端から15nm程度低い位置となる。
【0056】
続いて、図6(d)に示すように、第1のサイドウォール61が形成されたシリコン基板1上に、再び、シリコン窒化膜からなる絶縁膜52が30nm程度の膜厚で堆積される。そして、当該絶縁膜52に対して異方性エッチングが行われ、図6(e)に示すように、第1のサイドウォール61の側面に第2のサイドウォール62が形成される。当該異方性エッチングのオーバエッチング量も、素子分離領域4の段差部に絶縁膜52の残渣が生じない条件に設定される。この場合、絶縁膜52の膜厚が絶縁膜51の膜厚と同等であるため、第2のサイドウォール62の上端は、ゲート電極3の上端から15nm程度低い位置となる。
【0057】
このように第1のサイドウォール61と第2のサイドウォール62(以下、これらを合わせてサイドウォール6という。)とに分割してサイドウォールを形成することにより、オーバエッチング量を低下させることができ、膜厚が60nmの絶縁膜を異方性エッチングすることにより形成されるサイドウォールに比べて、サイドウォール高さを高くすることができる。本実施形態では、従来に比べて、サイドウォール高さが15nm程度高くなっている。なお、本実施形態では、サイドウォールの形成を2回に分けて実施しているが、分割回数は2回に限定されるものではない。
【0058】
この後、第1及び第2の実施形態と同様に、サイドウォール6の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成され、不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される(図6(f))。
【0059】
以上のようにして、トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、第1及び第2の実施形態と同様に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、BPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図7(a))。そして、図7(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図7(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。
【0060】
このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されている。このため、第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
この後、図7(d)に示すように、第1及び第2の実施形態と同様の手法により、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様に、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0063】
ところで、本実施形態では、サイドウォール6を分割して形成しているため、エクステンション領域2の露出防止にさらに好適な変形例を提供することが可能である。図8及び図9は当該変形例の製造工程を示す工程断面図である。この変形例では、不純物拡散領域10の形成順が異なるだけであり、他の構成は上述の製造工程と同一である。
【0064】
すなわち、上記と同様に、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11を介して、厚さ150nm程度のゲート電極3が形成される。次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物がイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される(図8(a))。
【0065】
続いて、図8(b)に示すようにシリコン窒化膜等からなる膜厚30nm程度の絶縁膜51がCVD法により成膜され、当該絶縁膜51に対して異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極3の側面に第1のサイドウォール61が形成される。
【0066】
本変形例では、図8(c)に示すように、第1のサイドウォール61が形成された際に、サイドウォール61の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成される。
【0067】
この後、図8(d)に示すように、シリコン基板1上に、再び、シリコン窒化膜からなる絶縁膜52が30nm程度の膜厚で堆積され、当該絶縁膜52に対して異方性エッチングが行われ行うことにより、第1のサイドウォール61の側面に第2のサイドウォール62が形成される(図8(e))。そして、第2のサイドウォール62の両側に位置する不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される(図6(f))。
【0068】
続いて、シリコン基板1上に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及びBPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図9(a))。そして、図9(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図9(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。この後、図9(d)に示すように、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0069】
本変形例では、サイドウォール6が従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されるため、上述したように、エクステンション領域2の露出は防止される。さらに、本変形例では、ソース領域、及び、ドレイン領域として機能する不純物拡散領域10が第1のサイドウォール61の両側部に形成されているため、第2のサイドウォール62の幅が減少したとしても、エクステンション領域2が露出することはない。したがって、本変形例によれば、より確実に接合リーク電流の発生を防止することが可能となる。なお、本変形例においても、サイドウォール6を形成する際の分割回数は2回に限定されるものではなく、3回あるいはそれ以上であってもよい。
【0070】
なお、上記各実施形態では、pチャネル型のトランジスタにシェアードコンタクトホールを形成する事例を説明したが、nチャネル型のトランジスタにシェアードコンタクトを形成した場合にも同様の効果を得られることは勿論である。
【0071】
以上説明したように、本発明によれば、いずれの手法を用いても、サイドウォールの高さを従来に比べて高く形成することができ、従来、コンタクトホール形成時のオーバエッチングにより生じていたサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、サイドウォールに被覆されているべき不純物拡散領域が露出されることが防止され、接合リーク電流が増大することを抑制することができる。この結果、半導体装置の製造歩留まりを向上させることが可能となる。
【0072】
なお、本発明は、以上で説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記各実施形態では、シェアードコンタクトの形成を例示したが、上記ストッパ膜7を備え、ゲート電極3、不純物拡散領域10(ドレイン領域、及びソース領域)にそれぞれ個別にコンタクトを形成する場合(いわゆる、ボーダレスコンタクト)であっても、本発明を適用することによりコンタクトホールがサイドウォール6上に形成された際の接合リーク電流の増大を抑制することができる。すなわち、本発明は、サイドウォール上にコンタクトホールが形成される全ての半導体装置の製造に適用可能である。
【0073】
また、上記では、ゲート電極3がポリシリコンからなる事例を説明したが、ゲート電極の材質は特に限定されるものではない。例えば、ポリシリコンに代えて、アモルファスシリコン、シリコン化合物、タングステン、チタン、アルミニウム等を用いることができる。同様に、サイドウォールとなる絶縁膜の材質も特に限定されるものではなく、シリコン窒化膜に代えて、シリコン酸化膜、シリコン炭窒化膜、炭素含有シリコン酸化膜等の材料膜を採用することができる。また、コンタクトホール21の底部に露出する半導体基板1の表面状態は、特に限定されるものではなく、金属シリサイド層12が形成されていなくてもよい。
【0074】
さらに、上記各実施形態では、半導体層を有する基板として、シリコン基板を例示したが、本発明は、SOI(Silicon On Insulator)基板等のように、表面に半導体層を有する全ての基板に対して適用可能であることはいうまでもない。
【0075】
加えて、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、上記説明したリソグラフィ、成膜、エッチング等のプロセスは、他の等価なプロセスに置換することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上に説明したように、本発明は、サイドウォール上にコンタクトが形成される半導体装置の製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図2】本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図3】本発明が適用された半導体装置の接合リーク電流を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図5】本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図6】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図7】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図8】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程の変形例を示す工程断面図
【図9】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程の変形例を示す工程断面図
【図10】従来の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図11】従来の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図12】サイドウォール高さ減少量とサイドウォール幅減少量の関係を示す図
【図13】サイドウォール高さ減少量がゲート高さに占める割合のゲート長依存性を示す図
【図14】絶縁膜残渣の発生を説明する図
【符号の説明】
【0078】
1 シリコン基板
2 エクステンション領域(第1の不純物拡散領域)
3 ゲート電極
4 素子分離領域
5 絶縁膜
6 サイドウォール
7 ストッパ膜
8 層間絶縁膜
10 ソース領域、ドレイン領域(第2の不純物拡散領域)
13 スペーサパターン
14 マスクパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置とその製造方法に関し、特に、シェアードコンタクトを備えた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化にともない、層間絶縁膜を介して上下に配置された導電体を電気的に接続するコンタクトにシェアードコンタクトが採用されている(例えば、特許文献1等参照。)。シェアードコンタクトは、例えば、シリコン基板等の半導体基板上に形成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのゲート電極及びドレイン領域(あるいは、ソース領域)が同一の上層配線に接続される場合に、ゲート電極上とドレイン領域上とに渡って形成された1つのコンタクトにより上層電極との接続を行う。このため、シェアードコンタクトを採用することにより、個別にコンタクトを形成する場合に必要であった隣接するコンタクト間のマージン等が不要となるため素子の小型化が可能となる。
【0003】
図10、及び図11はシェアードコンタクトを備えた半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。図10(a)に示すように、シリコン基板1の表面部のSTI(Shallow Trench Isolation)等の素子分離領域4で区分された領域にゲート絶縁膜11を介して、例えば、ポリシリコン等からなるゲート電極3が形成され、当該ゲート電極3をマスクとしたイオン注入により、エクステンション領域2が形成される。
【0004】
次いで、図10(b)に示すように、シリコン基板1上に、例えば、シリコン窒化膜からなる絶縁膜5が成膜され、当該絶縁膜5に異方性エッチングを行うことにより、図10(c)に示すようにゲート電極3の側面にサイドウォール16が形成される。当該異方性エッチングにおいて、サイドウォール16以外の部位に絶縁膜5の残渣が生じると、以降の洗浄工程等において当該残渣が基板上から剥離してパーティクルとなり、半導体装置の製造歩留まりを低下させる。このため、当該異方性エッチングのエッチング量は、シリコン基板1面内における、絶縁膜5の膜厚ばらつき、素子分離領域4の段差(シリコン基板1表面からSTI上面までの高さ)の形成ばらつき、及び前記異方性エッチングのエッチングレートばらつき等が考慮され、シリコン基板1の全面において絶縁膜5の残渣が生じないエッチング量に設定される。すなわち、当該異方性エッチングのエッチング量は、ゲート電極3上の絶縁膜5の膜厚以上に設定され、当該異方性エッチングにより形成されたサイドウォール16の高さはゲート電極3の高さよりも低くなる(図10(c)参照)。
【0005】
続いて、サイドウォール16及びゲート電極3をマスクとして不純物がシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にソース領域、ドレイン領域として機能する不純物拡散領域10が形成される(図10(c))。そして、半導体基板1の全面にコバルトやチタン等の金属膜が成膜された後、熱処理が実施され、当該金属膜とシリコン基板1とが接触する領域、並びに、金属膜とゲート電極3であるポリシリコンとが接触する領域に、金属シリサイド層12が形成される。この後、未反応の金属膜がウェットエッチングにより除去され、MOS型のトランジスタが完成する。
【0006】
当該トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、図11(a)に示すように、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7と、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜8が順に形成される。層間絶縁膜8上には、レジスト膜が形成され、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィ等により形成される。シェアードコンタクトの場合、当該コンタクトホール21は、ゲート電極3上とドレイン領域(あるいは、ソース領域)13上とに渡って形成される。
【0007】
続いて、図11(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたドライエッチングが行われる。当該エッチングでは、層間絶縁膜8とストッパ膜7とでエッチング選択性を確保することができるガスを主成分とするエッチングガスが使用される。したがって、層間絶縁膜8のエッチングは、当該エッチングにより形成されるコンタクトホール21の底部にストッパ膜7が露出した状態で自動的に停止する。
【0008】
レジストパターン9が剥離された後、図11(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7が異方性エッチングにより除去される。この後、コンタクトホール21の底部に露出した金属シリサイド層12の表面酸化膜除去が行われた後、金属膜堆積、及び、当該金属膜のCMPによりコンタクトプラグ22が形成され、図11(d)に示すように、シェアードコンタクト構造が完成する。
【特許文献1】特開2004−273972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ストッパ膜7の異方性エッチングを行う工程では、コンタクトホール21の底部にコンタクト不良の要因となるストッパ膜7のエッチング残渣を発生させないために、オーバエッチングが行われている。このため、当該異方性エッチングでは、ストッパ膜7のエッチングにともなって、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール16もエッチングされる。このとき、サイドウォール16の形状によってはサイドウォール16が除去され、図11(c)の矢指部Aに示すように、エクステンション領域2が露出されることがある。
【0010】
エクステンション領域2が露出された状態でコンタクトプラグ22が形成されると、図11(d)の矢指部Aに示すように、エクステンション領域2とコンタクトプラグ22とが直接接触する。近年の微細化されたトランジスタでは、エクステンション領域2は非常に浅い不純物拡散領域により構成されている。このため、コンタクトプラグ22がエクステンション領域2の上面に形成された場合、エクステンション領域2の底部を構成するpn接合とコンタクトプラグ22の底面とが非常に近接することになる。そして、コンタクトプラグ22を構成する金属元素がシリコン基板1中に拡散した場合には、pn接合とコンタクトプラグ22との実効的な距離はさらに小さくなる。コンタクトプラグ22とエクステンション領域2底部のpn接合とが近接して形成されると、当該pn接合を介して流れる接合リーク電流が増大し、トランジスタの素子特性が低下する。このため、半導体装置の製造歩留まりが大きく低下する。
【0011】
以下、サイドウォール16の形状と、エクステンション領域2の露出量との関係について簡単に説明する。図12(a)は、ゲート電極3の高さが130nm、絶縁膜5の膜厚が60nmである場合に、異方性エッチングを行ったときのサイドウォール高さの減少量ΔYと、サイドウォール幅の減少量ΔXとの関係を示す図である。ここで、サイドウォール高さ減少量ΔYとは、形成されたサイドウォール16の高さと、ゲート電極3の高さとの差であり、また、サイドウォール幅減少量ΔXとは、サイドウォール16の高さとゲート電極3の高さとが同一である場合のサイドウォール幅と、実際に形成されたサイドウォール16のサイドウォール幅との差である(図12(b)参照。)。なお、図12(a)において、下軸がサイドウォール高さ減少量ΔYに対応し、左軸がサイドウォール幅減少量ΔXに対応する。
【0012】
図12(a)から、サイドウォール高さ減少量ΔYが大きくなるにつれて、サイドウォール幅減少量ΔXが2次関数的に大きくなることが理解できる。したがって、サイドウォール16形成時のサイドウォール高さ減少量ΔYが大きいほど、ストッパ膜7のエッチング工程におけるサイドウォール幅の減少量ΔXが大きくなる。つまりエクステンション領域2の露出量が大きくなる。
【0013】
例えば、サイドウォール16形成時の高さ減少量ΔYが30nm(エッチング量が90nm)であった場合、ストッパ膜7のエッチング工程においてサイドウォール高さがさらに30nm減少したとすると、図12(a)によれば、当該エッチングによりサイドウォール幅が7nm減少する。
【0014】
また、このようなエッチングを行ったシリコン基板1上に、絶縁膜5の膜厚ばらつきにより、ゲート電極3上の絶縁膜5の膜厚が50nmである箇所が存在し、シリコン基板1上におけるサイドウォール16形成時のエッチング工程、及びストッパ膜7のエッチング工程におけるエッチングレートばらつきにより、当該箇所のエッチング量が設定エッチング量よりも10nm大きくなる状況が生じたとする。この場合、サイドウォール16形成直後の高さ減少量ΔYは50nmとなり、ストッパ膜7の異方性エッチング後には、さらに40nmエッチングされ、高さ減少量ΔYは90nmとなる。この場合、図12(a)によれば、サイドウォール16の幅は、不純物拡散領域10を形成した状態に比べて20nm小さくなる。このとき、エクステンション領域2は確実に露出している。
【0015】
このように、上記従来技術では、ストッパ膜7のエッチングを行う際のプロセスマージンが非常に小さく、シリコン基板1の全面において、接合リーク電流の小さい半導体装置を安定して製造することが難しかった。
【0016】
さらに、図13は、ゲート電極3のゲート長と、ゲート電極3の高さに対するサイドウォール高さ減少量ΔYの割合(ΔY/ゲート電極高さ)との関係を示す図である。ここで、ゲート電極高さ及び絶縁膜5の膜厚は、ゲート長の短縮とともに、スケーリング則にしたがって減少されている。図13から理解できるように、ゲート電極3のゲート長が短くなるほど、サイドウォール高さ減少量ΔYのゲート高さに対する割合は増大する。すなわち、図13は、ゲート長が短くなった場合、形成直後のサイドウォール16の高さが低く、スットパ膜7の異方性エッチングの際にサイドウォール16完全に除去されてしまうことになる。したがって、上記従来の方法では、今後、短ゲート長化が進行した場合、接合リーク電流の小さい半導体装置を製造することは不可能となる。また、ストッパ膜7の異方性エッチングの際に除去される程度の高さしか有しないサイドウォールに対して、上記特許文献1に記載された技術を適用した場合、コンタクトホール形成後にサイドウォール上に設けられた窒化膜は完全に除去されてしまうため、接合リーク電流を抑制する十分な効果を得ることはできない。
【0017】
上述のような、接合リーク電流を抑制するために、サイドウォール形成時の異方性エッチングのオーバエッチング量を低減することが考えられる。しかしながら、上述のように、サイドウォール形成時のオーバエッチング量は、シリコン基板1上に絶縁膜5の残渣が生じない程度に設定される。当該絶縁膜5の残渣は、素子分離領域4の端部に形成されている段差部で特に発生しやすい。これは、絶縁膜5が当該段差部を被覆する状態で形成されるため、当該段差部において、サイドウォール形成時の異方性エッチングにおいてエッチングされるべき絶縁膜5の膜厚が増大することに起因している。
【0018】
例えば、図14に示すように、素子分離領域4の端部にシリコン基板1上の平坦部に対する傾斜角がθである段差が形成されている場合、シリコン基板1の平坦部に形成された絶縁膜5の膜厚dに対し、エッチングされるべき絶縁膜5の膜厚Dは、D=d/cosθとなる。当該膜厚Dの大きさはSTI形成工程に依存するものであり、ゲート長には依存しない。すなわち、サイドウォール形成時には、ゲート長に関わらず、素子分離領域4の端部に形成された段差部の膜厚Dの絶縁膜5を確実に除去できるエッチング量が必要があり、オーバエッチング量を低減することは困難である。
【0019】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、サイドウォール幅の減少を抑制し、ゲート電極が微細化された場合であっても接合リーク電流に起因する製造歩留まりの低下を回避することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。まず、本発明は、半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法を前提としている。そして、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、上面がスペーサパターンに被覆されたゲート電極が形成される。次いで、当該スペーサパターンを備えたゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層にエクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。続いて、上記スペーサパターンを備えたゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極の側面にサイドウォールが形成される。これにより、当該サイドウォールの上端は、ゲート電極の上面より高い位置に形成される。この後、ゲート電極上の上記スペーサパターンが除去される。本構成において、上記第1の絶縁膜は、上記スペーサパターンと異なるエッチング特性、すなわち、異なるエッチングレートを有することが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極が形成され、当該ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層に、エクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。次いで、基板上に上記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜上に、サイドウォールの形成領域及び上記ゲート電極を被覆するマスクパターンが形成される。続いて、当該マスクパターンをマスクとして第1の絶縁膜の異方性エッチングが行われ、上記マスクパターンに被覆されていない第1の絶縁膜の膜厚が低減される。この後、上記マスクパターンが除去され、マスクパターンが除去された第1の絶縁膜に対して異方性エッチングが行われる。これにより、ゲート電極の側面にサイドウォールが形成される。ここで、上記マスクパターンはレジストパターンにより構成することができる。
【0022】
なお、以上の構成において、サイドウォールの両側に位置する半導体層には、当該サイドウォール及び上記ゲート電極をマスクとして、それぞれ、ソース領域、ドレイン領域として機能する第2の不純物拡散領域が形成される。
【0023】
本発明に係るさらに他の半導体装置の製造方法は、まず、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極が形成される。次いで、当該ゲート電極をマスクとして、ゲート電極の両側に位置する半導体層にエクステンション領域として機能する第1の不純物拡散領域が形成される。続いて、基板上に上記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜が形成され、当該第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことで、ゲート電極の側面に第1のサイドウォールが形成される。また、基板上に、第1のサイドウォールが形成されたゲート電極を被覆する前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる第2の絶縁膜が形成される。そして、当該第2の絶縁膜に対して異方性エッチングを行うことにより、第1のサイドウォールが形成されたゲート電極の側面に第2のサイドウォールが形成される。
【0024】
本構成において、ソース領域、ドレイン領域として機能する第2の不純物拡散領域は、上記ゲート電極及び上記第2のサイドウォールをマスクとして形成される。また、当該第2の不純物拡散領域は、上記第2の絶縁膜の形成前に、ゲート電極及び上記第1のサイドウォールをマスクとして形成されてもよい。
【0025】
なお、以上の構成において、上記第2の不純物拡散領域が形成された後、上記第2の不純物拡散領域の表面部には金属シリサイド層が形成される。この後、第3の絶縁膜からなるストッパ膜、及び当該ストッパ膜と異なるエッチング特性を有する第4の絶縁膜(層間絶縁膜)が順に形成される。次いで、第4の絶縁膜上に、上記ゲート電極上及び当該ゲート電極の一方の側に位置する上記第2の不純物拡散領域上に渡って開口を有するマスクパターンが形成され、当該マスクパターンをエッチングマスクとした第4の絶縁膜のエッチングにより、底部にゲート電極及び金属シリサイド層が露出される。ここで、ストッパ膜は、上記第1の絶縁膜と同一の材質とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、いずれの手法を用いても、形成直後のサイドウォールの高さを従来に比べて高くすることができ、従来、コンタクトホール形成時のオーバエッチングにより生じていたサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、サイドウォールに被覆されているべき不純物拡散領域(エクステンション領域)が露出することが防止され、接合リーク電流が増大することを抑制することができる。この結果、半導体装置の製造歩留まりを向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明を、pチャネル型のMOS型トランジスタに適用した事例について説明する。また、図面において、上記従来の半導体装置と同一の作用効果を奏する部位には、従来の半導体装置に付した符号と同一の符号を付し、以下での詳細な説明は省略する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。
【0029】
本実施形態では、まず、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11が形成される。次いで、ゲート絶縁膜11上に、厚さ150nm程度のポリシリコン膜、及び、厚さ50nm程度のPSG(Phospho Silicate Glass)膜等からなる酸化膜がLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等により順に成膜される。
【0030】
当該酸化膜上にゲート電極3に対応するレジストパターンがフォトリソグラフィ等により形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングすることにより酸化膜のエッチングを行い、ゲート電極3に対応する酸化膜パターン13が形成される。この後、当該酸化膜パターン13をハードマスクとして、ポリシリコン膜のドライエッチングを行うことにより、図1(a)に示すように、上面が酸化膜パターン13(以下、スペーサパターン13という。)に被覆されたゲート電極3が形成される。なお、酸化膜パターン13の形成マスクであるレジストパターンは、多結晶シリコン膜のエッチング中に除去される。
【0031】
次に、スペーサパターン13及びゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物が、例えば、3keV程度の注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される。エクステンション領域2の形成が完了すると、図1(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚60nm程度の絶縁膜5がCVD法により成膜される。
【0032】
続いて、図1(c)に示すように、絶縁膜5に異方性ドライエッチングを行うことにより、ゲート電極3の側面にシリコン窒化膜からなるサイドウォール6が形成される。このとき、上述したオーバエッチングにより、サイドウォール6の上端はスペーサパターン13の上端からから30nm程度低い位置になる。本実施形態では、ゲート電極3上にスペーサパターン13を設けているため、サイドウォール6の上端を、従来に比べて、スペーサパターン13の膜厚分だけ上方に位置させることができる。ここでは、スペーサパターン13の膜厚が50nmであるため、サイドウォール6の上端は、ゲート電極3の上端よりも上方に位置することになる。なお、上記オーバエッチングは、素子分離領域4の端部に形成されている段差部の絶縁膜5がシリコン基板1の面内において完全に除去される条件に設定されている。また、特に限定されるものではないが、スペーサパターン13の材質と絶縁膜5の材質とは、サイドウォール6を形成する際のエッチングにおいて、エッチング選択比を確保することができる材質の組み合わせであることが好ましい。
【0033】
サイドウォール6の形成が完了した後、図1(d)に示すように、スペーサパターン13がウェットエッチングにより除去される。また、ゲート電極3、及びサイドウォール6をマスクとして、ボロン等のp型不純物が、例えば、40keVの注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、サイドウォール6の両側にソース領域及びドレイン領域として機能する深さ45nm程度のp型不純物拡散領域10が形成される。
【0034】
この後、シリコン基板1の全面に、コバルトやチタン等の高融点金属膜が成膜され、熱処理が実施される。これにより、高融点金属膜とシリコン基板1とが接触する領域、並びに、高融点金属膜とゲート電極3であるポリシリコンとが接触する領域に、金属シリサイド層12が形成される。この後、未反応の高融点金属膜がウェットエッチングにより除去され、トランジスタが完成する。
【0035】
以上のようにしてトランジスタが形成されたシリコン基板1上に、図2(a)に示すように、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、例えば、BPSG(Boro Phospho Silicate Glass)やHDP−NSG(High Density Plasma - Non-doped Silicate Glass)等からなる層間絶縁膜8が順に成膜される。次に、層間絶縁膜8の表面が、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される。ここで、絶縁膜8の膜厚は平坦化前で700nm程度であり、平坦化後で400nm程度である。また、ストッパ膜7の膜厚は30nm程度である。
【0036】
続いて、図2(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたドライエッチングが行われる。当該エッチングでは、絶縁膜8とストッパ膜7とでエッチング選択性を確保することができるガスを主成分とするエッチングガスが使用される。このため、絶縁膜8のエッチングは、当該エッチングにより形成されるコンタクトホール21の底部にストッパ膜7が露出した状態で自動的に停止する。上記事例では、エッチングガスとして、例えば、フルオロカーボン系ガス(例えば、C4F6、C5F8等)、酸素ガス、及びアルゴンガスの混合ガス等を使用することができる。
【0037】
レジストパターン9が剥離された後、CF4ガス等のフッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図2(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来法のサイドウォール16に比べて50nm高く形成されている。このため、本実施形態のサイドウォール6は、従来法のサイドウォール16と比較して、底面から上方に向かって狭くなるサイドウォール幅の狭まり方が緩やかになっている。すなわち、本実施形態のサイドウォール6は、従来と比較してサイドウォール6端部近傍の膜厚が厚く、サイドウォール幅の減少が抑制される。
【0038】
また、図12に基づけば、本実施形態のサイドウォール6は、サイドウォール高さ減少量ΔYが0以下の状態であり、ストッパ膜7のエッチングにおいて、サイドウォール6が数十nmエッチングされた場合であっても、サイドウォール幅はほとんど減少しないことが理解できる。したがって、本実施形態では、ストッパ膜7のエッチングの実施後であっても、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール6がエクステンション領域2を完全に被覆している。さらにいえば、本実施形態によれば、サイドウォール高さの減少に対応してサイドウォール幅の減少する量を小さくすることができ、プロセスマージンを広くすることができる。
【0039】
この後、アルゴンスパッタ処理等により、コンタクトホール21の底部に露出した金属シリサイド層12の表面酸化膜除去が行われた後、シリコン基板1上に膜厚が10nm程度のチタン膜、及び、膜厚が5nm程度の窒化チタン膜からなるバリア膜23と、タングステンからなる金属膜が順次堆積される。そして、CMP法により層間絶縁膜5上の不要な金属膜及びバリア膜を除去することによって、コンタクトプラグ22が形成され、シェアードコンタクト構造が完成する。なお、当該コンタクトプラグ22上に、コンタクトプラグ22と電気的に接続される金属配線等が、周知のプロセスを用いて形成されることはいうまでもない。また、このような金属配線を含む上部配線構造が周知のプロセスにより形成されることで、シェアードコンタクトを備えた半導体装置の形成が完了する。
【0040】
図3は、本製造方法により形成した半導体装置の平均的なリーク電流と、従来法により製造した半導体装置の平均的なリーク電流とを示す図である。図3から理解できるように、本実施形態によれば、従来に比べて、リーク電流が2桁小さい半導体装置を形成することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
上述したように、サイドウォール高さを高くすることにより、ストッパ膜7のエッチング工程におけるサイドウォール幅の減少は抑制される。そこで、第2の実施形態では、スペーサパターン13を形成することなく、サイドウォール高さの高いサイドウォール6を形成する方法について説明する。図4及び図5は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0043】
本実施形態では、まず、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11が形成される。次いで、ゲート絶縁膜11上に、厚さ150nm程度のポリシリコン膜がLPCVD法等により成膜され、当該ポリシリコン膜上にゲート電極3に対応するレジストパターンがフォトリソグラフィ等により形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとしてポリシリコン膜をエッチングすることにより、図4(a)に示すように、ゲート電極3が形成される。なお、レジストパターンはポリシリコン膜のエッチング後にアッシング及び洗浄により除去される。
【0044】
次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物が、例えば、3keVの注入エネルギーでシリコン基板1にイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される。エクステンション領域2の形成が完了すると、図4(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚60nm程度の絶縁膜5がCVD法により成膜される。
【0045】
さて、本実施形態では、続いて、図4(c)に示すように、絶縁膜5上にゲート電極3及びサイドウォール6の形成領域を被覆するマスクパターン14が形成される。マスクパターン14は例えばレジストパターンにより構成することができる。当該マスクパターン14は、リソグラフィ工程での位置ずれを考慮したパターンとして形成されることが好ましい。例えば、ゲート電極3の側面に形成された絶縁膜5の膜厚が60nmであるとき、ゲート電極3を被覆する絶縁膜5の側面とマスクパターン14の端部との間には20nm程度のマージンが設けられる。これにより、マスクパターン14を形成するためのリソグラフィ工程において位置ずれが生じた場合であっても、マスクパターン14はゲート電極3及びサイドウォール形成領域を確実に被覆することができる。
【0046】
上記マスクパターン14を形成した後、図4(c)に示すように、マスクパターン14を介して絶縁膜5のエッチングが行われ、マスクパターン14に被覆されていない絶縁膜5の薄化が行われる。ここでは、当該エッチングにより、素子分離領域4の段差部を含む領域の絶縁膜5の膜厚を10nm程度にまで減少させている。このとき、絶縁膜5を完全に除去することも可能であるが、以下の異方性エッチングにおいて、シリコン基板1にエッチング種が入射して欠陥が形成されることを抑制する観点では、絶縁膜5を残存させることが好ましい。
【0047】
次に、マスクパターン14がアッシング等により除去された後、シリコン基板1の全面に対して、異方性ドライエッチングが行われ、図4(d)に示すように、ゲート電極3の側面にサイドウォール6が形成される。本実施形態では、素子分離領域4の段差部の絶縁膜5の膜厚が予め10nmに減少されている。このため、ゲート電極3上に存在する絶縁膜5がエッチング除去される際に素子分離領域4の段差部は自動的にオーバエッチングされることになり、絶縁膜5の残渣が生じない。したがって、本実施形態では、当該異方性エッチングにおけるオーバエッチング量は、ゲート電極3の上面を完全に露出させることができる条件、すなわち、シリコン基板1面内における絶縁膜5の膜厚ばらつき、及び、絶縁膜5のエッチングレートばらつきのみを考慮した条件とすればよく、従来に比べて小さくすることができる。この結果、従来に比べてサイドウォール高さの高いサイドウォール6を形成することができる。本実施形態では、当該エッチングにより、サイドウォール6の上端はゲート電極3の上端から15nm程度低い位置になる。なお、サイドウォール6が形成された後、第1の実施形態と同様に、サイドウォール6の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成され、当該不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される。
【0048】
以上のようにして、トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、第1の実施形態と同様に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、BPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図5(a))。そして、図5(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図5(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。
【0049】
このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されている。このため、本実施形態のサイドウォール6は、従来法のサイドウォール16と比較して、底面から上方に向かって狭くなるサイドウォール幅の狭まり方が緩やかになっている。すなわち、本実施形態のサイドウォール6は、従来と比較してサイドウォール6端部近傍の膜厚が厚く、サイドウォール幅の減少が抑制される。
【0050】
また、図12に基づけば、本実施形態のサイドウォール6は、サイドウォール高さ減少量ΔYが15nmの状態であり、ストッパ膜7のエッチングにおいて、サイドウォール6が20nm程度エッチングされた場合であっても、サイドウォール幅はほとんど減少しないことが理解できる。したがって、本実施形態では、ストッパ膜7のエッチングの実施後であっても、コンタクトホール21の底部に露出したサイドウォール6がエクステンション領域2を完全に被覆している。さらにいえば、本実施形態によれば、サイドウォール高さの減少に対応してサイドウォール幅が減少する量を小さくすることができ、プロセスマージンを広くすることができる。
【0051】
この後、図5(d)に示すように、第1の実施形態と同様の手法により、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
上記各実施形態では、従来の製造工程では使用されていない、スペーサパターン13、あるいはマスクパターン14を形成することにより、十分な高さを有するサイドウォール6を形成した。しかしながら、このようなサイドウォール6は、特別なパターンを使用することなく形成することも可能である。そこで、第3の実施形態では、特別なパターンを形成することなく十分な高さを有するサイドウォール6を形成する方法について説明する。図6及び図7は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0054】
まず、上記第2の実施形態と同様に、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11を介して、厚さ150nm程度のゲート電極3が形成される。次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物がイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される(図6(a))。
【0055】
さて、本実施形態では、エクステンション領域2の形成が完了すると、図6(b)に示すように、シリコン窒化膜等からなる膜厚30nm程度の絶縁膜51がCVD法により成膜される。そして、当該絶縁膜51に対して異方性エッチングを行うことにより、図6(c)に示すように、ゲート電極3の側面に第1のサイドウォール61が形成される。当該異方性エッチングにおけるオーバエッチング量は、素子分離領域4の段差部に絶縁膜51の残渣が生じない条件に設定される。本実施形態では、絶縁膜51の膜厚は第1の実施形態に比べて薄いため、オーバエッチング量も第1の実施形態に比べて小さくすることができる。このため、当該異方性エッチングにより形成された第1のサイドウォール61の上端は、ゲート電極3の上端から15nm程度低い位置となる。
【0056】
続いて、図6(d)に示すように、第1のサイドウォール61が形成されたシリコン基板1上に、再び、シリコン窒化膜からなる絶縁膜52が30nm程度の膜厚で堆積される。そして、当該絶縁膜52に対して異方性エッチングが行われ、図6(e)に示すように、第1のサイドウォール61の側面に第2のサイドウォール62が形成される。当該異方性エッチングのオーバエッチング量も、素子分離領域4の段差部に絶縁膜52の残渣が生じない条件に設定される。この場合、絶縁膜52の膜厚が絶縁膜51の膜厚と同等であるため、第2のサイドウォール62の上端は、ゲート電極3の上端から15nm程度低い位置となる。
【0057】
このように第1のサイドウォール61と第2のサイドウォール62(以下、これらを合わせてサイドウォール6という。)とに分割してサイドウォールを形成することにより、オーバエッチング量を低下させることができ、膜厚が60nmの絶縁膜を異方性エッチングすることにより形成されるサイドウォールに比べて、サイドウォール高さを高くすることができる。本実施形態では、従来に比べて、サイドウォール高さが15nm程度高くなっている。なお、本実施形態では、サイドウォールの形成を2回に分けて実施しているが、分割回数は2回に限定されるものではない。
【0058】
この後、第1及び第2の実施形態と同様に、サイドウォール6の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成され、不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される(図6(f))。
【0059】
以上のようにして、トランジスタが形成されたシリコン基板1上には、第1及び第2の実施形態と同様に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及び、BPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図7(a))。そして、図7(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図7(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。
【0060】
このとき、コンタクトホール21の底部に露出するサイドウォール6もエッチングされる。しかしながら、本実施形態のサイドウォール6は、上述したように、従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されている。このため、第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
この後、図7(d)に示すように、第1及び第2の実施形態と同様の手法により、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様に、ストッパ膜7のエッチング工程において、サイドウォール6がエッチングされた際のサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、当該エッチングにおいて、サイドウォール6直下のエクステンション領域2が露出することを防止することできる。この結果、接合リーク電流を抑制することができ、半導体装置の製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0063】
ところで、本実施形態では、サイドウォール6を分割して形成しているため、エクステンション領域2の露出防止にさらに好適な変形例を提供することが可能である。図8及び図9は当該変形例の製造工程を示す工程断面図である。この変形例では、不純物拡散領域10の形成順が異なるだけであり、他の構成は上述の製造工程と同一である。
【0064】
すなわち、上記と同様に、表面部にSTI等の素子分離領域4が形成されたシリコン基板1上に、シリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜等からなる厚さ2nm程度のゲート絶縁膜11を介して、厚さ150nm程度のゲート電極3が形成される。次に、ゲート電極3をマスクとして、ボロン(B)等のp型不純物がイオン注入され、ゲート電極3の両側にエクステンション領域2となる深さ20nmのp型不純物拡散領域が形成される(図8(a))。
【0065】
続いて、図8(b)に示すようにシリコン窒化膜等からなる膜厚30nm程度の絶縁膜51がCVD法により成膜され、当該絶縁膜51に対して異方性エッチングを行うことにより、ゲート電極3の側面に第1のサイドウォール61が形成される。
【0066】
本変形例では、図8(c)に示すように、第1のサイドウォール61が形成された際に、サイドウォール61の両側に位置するシリコン基板1にソース領域及びドレイン領域として機能するp型不純物拡散領域10が形成される。
【0067】
この後、図8(d)に示すように、シリコン基板1上に、再び、シリコン窒化膜からなる絶縁膜52が30nm程度の膜厚で堆積され、当該絶縁膜52に対して異方性エッチングが行われ行うことにより、第1のサイドウォール61の側面に第2のサイドウォール62が形成される(図8(e))。そして、第2のサイドウォール62の両側に位置する不純物拡散領域10の表面、及びゲート電極3の上面に金属シリサイド層12が形成される(図6(f))。
【0068】
続いて、シリコン基板1上に、シリコン窒化膜等からなるストッパ膜7、及びBPSGやHDP−NSG等のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が順に成膜されて平坦化された後、コンタクトホール21の形成位置に開口部を有するレジストパターン9がフォトリソグラフィにより形成される(図9(a))。そして、図9(b)に示すように、レジストパターン9をエッチングマスクとしたフルオロカーボン系ガスのドライエッチングが行われた後、フッ素系ガスを用いた全面エッチングが行われ、図9(c)に示すように、コンタクトホール21の底部に露出したストッパ膜7がエッチング除去される。この後、図9(d)に示すように、バリア膜23及びコンタクトプラグ22が形成され、さらに上部構造が形成されることにより、シェアードコンタクト構造を備えた半導体装置が完成する。
【0069】
本変形例では、サイドウォール6が従来のサイドウォール16に比べて15nm高く形成されるため、上述したように、エクステンション領域2の露出は防止される。さらに、本変形例では、ソース領域、及び、ドレイン領域として機能する不純物拡散領域10が第1のサイドウォール61の両側部に形成されているため、第2のサイドウォール62の幅が減少したとしても、エクステンション領域2が露出することはない。したがって、本変形例によれば、より確実に接合リーク電流の発生を防止することが可能となる。なお、本変形例においても、サイドウォール6を形成する際の分割回数は2回に限定されるものではなく、3回あるいはそれ以上であってもよい。
【0070】
なお、上記各実施形態では、pチャネル型のトランジスタにシェアードコンタクトホールを形成する事例を説明したが、nチャネル型のトランジスタにシェアードコンタクトを形成した場合にも同様の効果を得られることは勿論である。
【0071】
以上説明したように、本発明によれば、いずれの手法を用いても、サイドウォールの高さを従来に比べて高く形成することができ、従来、コンタクトホール形成時のオーバエッチングにより生じていたサイドウォール幅の減少を抑制することができる。このため、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、サイドウォールに被覆されているべき不純物拡散領域が露出されることが防止され、接合リーク電流が増大することを抑制することができる。この結果、半導体装置の製造歩留まりを向上させることが可能となる。
【0072】
なお、本発明は、以上で説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記各実施形態では、シェアードコンタクトの形成を例示したが、上記ストッパ膜7を備え、ゲート電極3、不純物拡散領域10(ドレイン領域、及びソース領域)にそれぞれ個別にコンタクトを形成する場合(いわゆる、ボーダレスコンタクト)であっても、本発明を適用することによりコンタクトホールがサイドウォール6上に形成された際の接合リーク電流の増大を抑制することができる。すなわち、本発明は、サイドウォール上にコンタクトホールが形成される全ての半導体装置の製造に適用可能である。
【0073】
また、上記では、ゲート電極3がポリシリコンからなる事例を説明したが、ゲート電極の材質は特に限定されるものではない。例えば、ポリシリコンに代えて、アモルファスシリコン、シリコン化合物、タングステン、チタン、アルミニウム等を用いることができる。同様に、サイドウォールとなる絶縁膜の材質も特に限定されるものではなく、シリコン窒化膜に代えて、シリコン酸化膜、シリコン炭窒化膜、炭素含有シリコン酸化膜等の材料膜を採用することができる。また、コンタクトホール21の底部に露出する半導体基板1の表面状態は、特に限定されるものではなく、金属シリサイド層12が形成されていなくてもよい。
【0074】
さらに、上記各実施形態では、半導体層を有する基板として、シリコン基板を例示したが、本発明は、SOI(Silicon On Insulator)基板等のように、表面に半導体層を有する全ての基板に対して適用可能であることはいうまでもない。
【0075】
加えて、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、上記説明したリソグラフィ、成膜、エッチング等のプロセスは、他の等価なプロセスに置換することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上に説明したように、本発明は、サイドウォール上にコンタクトが形成される半導体装置の製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図2】本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図3】本発明が適用された半導体装置の接合リーク電流を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図5】本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図6】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図7】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図8】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程の変形例を示す工程断面図
【図9】本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程の変形例を示す工程断面図
【図10】従来の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図11】従来の半導体装置の製造工程を示す工程断面図
【図12】サイドウォール高さ減少量とサイドウォール幅減少量の関係を示す図
【図13】サイドウォール高さ減少量がゲート高さに占める割合のゲート長依存性を示す図
【図14】絶縁膜残渣の発生を説明する図
【符号の説明】
【0078】
1 シリコン基板
2 エクステンション領域(第1の不純物拡散領域)
3 ゲート電極
4 素子分離領域
5 絶縁膜
6 サイドウォール
7 ストッパ膜
8 層間絶縁膜
10 ソース領域、ドレイン領域(第2の不純物拡散領域)
13 スペーサパターン
14 マスクパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、上面がスペーサパターンに被覆されたゲート電極を形成する工程と、
前記スペーサパターンを備えたゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記スペーサパターンを備えたゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記スペーサパターンの側面に上端が位置する前記サイドウォールを形成する工程と、
前記ゲート電極上のスペーサパターンを除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の絶縁膜が、前記スペーサパターンと異なるエッチング特性を有する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、前記サイドウォールの形成領域及び前記ゲート電極を被覆するマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして第1の絶縁膜の異方性エッチングを行い、前記マスクパターンに被覆されていない前記第1の絶縁膜の膜厚を低減する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記マスクパターンが除去された第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記サイドウォールを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記マスクパターンがレジストパターンである請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ゲート電極及び前記サイドウォールをマスクとして、前記サイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記ゲート電極の側面に第1のサイドウォールを形成する工程と、
前記基板上に、前記第1のサイドウォールが形成されたゲート電極を被覆する前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記第1のサイドウォールが形成されたゲート電極の側面に第2のサイドウォールを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ゲート電極及び前記第2のサイドウォールをマスクとして、前記第2のサイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2の絶縁膜の形成前に、前記ゲート電極及び前記第1のサイドウォールをマスクとして、前記第1のサイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
第2の不純物拡散領域の表面部に金属シリサイド層を形成する工程と、
前記金属シリサイド層が形成された基板上に、第3の絶縁膜からなるストッパ膜を形成する工程と、
前記ストッパ膜上に、当該ストッパ膜と異なるエッチング特性を有する第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記第4の絶縁膜上に、ゲート電極及び当該ゲート電極の片側に位置する前記金属シリサイド上とに渡って開口を有するマスクパターン形成するステップと、
前記マスクパターンを介してエッチングを行い、ゲート電極及び前記金属シリサイド層を露出させる工程と、
をさらに有する請求項5、7、8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第3の絶縁膜が前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記半導体層がシリコンからなる請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ゲート電極の材質が、ポリシリコン、シリコン化合物、タングステン、チタン、またはアルミニウムのいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1の絶縁膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭窒化膜、または、炭素含有シリコン酸化膜のいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、上面がスペーサパターンに被覆されたゲート電極を形成する工程と、
前記スペーサパターンを備えたゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記スペーサパターンを備えたゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記スペーサパターンの側面に上端が位置する前記サイドウォールを形成する工程と、
前記ゲート電極上のスペーサパターンを除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の絶縁膜が、前記スペーサパターンと異なるエッチング特性を有する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、前記サイドウォールの形成領域及び前記ゲート電極を被覆するマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして第1の絶縁膜の異方性エッチングを行い、前記マスクパターンに被覆されていない前記第1の絶縁膜の膜厚を低減する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記マスクパターンが除去された第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記サイドウォールを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記マスクパターンがレジストパターンである請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ゲート電極及び前記サイドウォールをマスクとして、前記サイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体層を有する基板上に、側面にサイドウォールを有するゲート電極を備えた半導体装置の製造方法において、
前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、当該ゲート電極の両側に位置する半導体層に第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記基板上に前記ゲート電極を被覆する第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記ゲート電極の側面に第1のサイドウォールを形成する工程と、
前記基板上に、前記第1のサイドウォールが形成されたゲート電極を被覆する前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜に対して異方性エッチングを行い、前記第1のサイドウォールが形成されたゲート電極の側面に第2のサイドウォールを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ゲート電極及び前記第2のサイドウォールをマスクとして、前記第2のサイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2の絶縁膜の形成前に、前記ゲート電極及び前記第1のサイドウォールをマスクとして、前記第1のサイドウォールの両側部に位置する半導体層に、前記第1の不純物拡散領域と同一導電型の第2の不純物拡散領域を形成するステップを、さらに有する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
第2の不純物拡散領域の表面部に金属シリサイド層を形成する工程と、
前記金属シリサイド層が形成された基板上に、第3の絶縁膜からなるストッパ膜を形成する工程と、
前記ストッパ膜上に、当該ストッパ膜と異なるエッチング特性を有する第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記第4の絶縁膜上に、ゲート電極及び当該ゲート電極の片側に位置する前記金属シリサイド上とに渡って開口を有するマスクパターン形成するステップと、
前記マスクパターンを介してエッチングを行い、ゲート電極及び前記金属シリサイド層を露出させる工程と、
をさらに有する請求項5、7、8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第3の絶縁膜が前記第1の絶縁膜と同一の材質からなる請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記半導体層がシリコンからなる請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ゲート電極の材質が、ポリシリコン、シリコン化合物、タングステン、チタン、またはアルミニウムのいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1の絶縁膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭窒化膜、または、炭素含有シリコン酸化膜のいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−81347(P2007−81347A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270923(P2005−270923)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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