説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置において、p型MISトランジスタのさらなる性能向上を図る。
【解決手段】半導体装置は、(110)面を主面とする半導体基板10に形成されたp型MISトランジスタPTrを備えた半導体装置である。p型MISトランジスタPTrは、半導体基板10における第1の活性領域10a上に形成された第1のゲート絶縁膜13aと、第1のゲート絶縁膜13a上に形成され第1の金属膜14a及び第1の金属膜14a上に形成された第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aとを備えている。第1の金属膜14aは、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に(110)面を主面とする半導体基板に、金属膜を含むゲート電極を有するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の高性能化の為に、従来のシリコン酸化膜(又はシリコン酸窒化膜)からなるゲート絶縁膜に代わり、アルミナ(Al23)、ハフニア(HfO2)、及びハフニウムシリケート(HfSiOx)に代表されるような高誘電体材料からなるゲート絶縁膜の実用化が進められている。また、従来のポリシリコン膜からなるポリシリコンゲート電極に代わり、金属膜からなるフルメタルゲート電極、又はポリシリコン膜とゲート絶縁膜との間に金属膜が挿入されたMIPS(Metal-inserted Poly-silicon Stack)構造のゲート電極の実用化が進められている。
【0003】
p型MISFET(以下、「p型MISトランジスタ」と称す)の性能を向上させる技術として、第1に例えば、p型ソースドレイン領域にSiGe層を設ける技術が提案されている。これにより、チャネル領域のゲート長方向に圧縮応力を印加し、p型MISトランジスタの性能を向上させる。
【0004】
第2に例えば、従来の(100)面を主面とする半導体基板(以下、「(100)面基板」と称す)の代わりに、(110)面を主面とする半導体基板(以下、「(110)面基板」と称す)を用いて、(110)面基板にp型MISトランジスタを設ける技術が提案されている(例えば非特許文献1〜3参照)。これにより、正孔移動度を高めて、p型MISトランジスタの性能を向上させる。
【0005】
上記第1の例の場合、p型ソースドレイン領域に、新たにSiGe層を設けるため、工程数が増加し、コストが増大するという問題がある。
【0006】
これに対し、上記第2の例の場合、(100)面基板から(110)面基板に変更するだけでよいため、工程数が増加することはなく、安価且つ容易にp型MISトランジスタの性能を向上させることができるので、有望視されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】S. A. Krishnan et al., “High Performing pMOSFETs on Si(110) for Application to Hybrid Orientation Technologies ? Comparison of HfO2 and HfSiON”, IEDM Tech. Digest 2006
【非特許文献2】Y. Tateshita et al., “High-Performance and Low-Power CMOS Device Technologies Featuring Metal/High-k Gate Stacks with Uniaxial Strained Silicon Channels on (100) and (110) Substrates”, IEDM Tech. Digest 2006
【非特許文献3】H. R. Harris et al., “Flexible, Simplified CMOS on Si(110) with Metal Gate / High κ for HP and LSTP”, IEDM Tech. Digest 2007, pp 57-60
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、(110)面基板にp型MISトランジスタを設ける技術において、正孔移動度を高める為に、最適なゲート絶縁膜材料の検討が成されている。
【0009】
半導体装置の微細化に伴い、p型MISトランジスタのさらなる性能向上が要求されている。しかしながら、ゲート絶縁膜材料として最適なゲート絶縁膜材料を用いるだけでは、p型MISトランジスタの性能向上に限界があり、上記の要求を満たすことは困難である。
【0010】
前記に鑑み、本発明の目的は、(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置において、p型MISトランジスタのさらなる性能向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的を達成するために、本件発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下に示すことを見出した。
【0012】
(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、ゲート電極の金属膜の膜厚が小さい場合及び大きい場合の各々における、実効電界と正孔移動度との関係について検証した。図1(a) は、(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける実効電界と正孔移動度との関係を示すグラフである。図1(a) に示す■線は、ゲート電極の金属膜の膜厚が5nmの場合について示し、○線は、ゲート電極の金属膜の膜厚が15nmの場合について示す。
【0013】
一方、(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、ゲート電極の金属膜の膜厚が小さい場合及び大きい場合の各々における、実効電界と正孔移動度との関係について検証した。図1(b) は、(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける実効電界と正孔移動度との関係を示すグラフである。図1(b) に示す■線は、ゲート電極の金属膜の膜厚が5nmの場合について示し、○線は、ゲート電極の金属膜の膜厚が15nmの場合について示す。
【0014】
なお、図1(a),(b) に示す点線は、(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜を用いた場合のユニバーサル線である。
【0015】
図1(a),(b) において、■線(又は○線)のp型MISトランジスタの構成は、次に示す通りである。p型MISトランジスタは、ゲート絶縁膜と、MIPS構造のゲート電極(即ち、ゲート絶縁膜上に形成された金属膜、及び金属膜上に形成されたシリコン膜からなるゲート電極)とを含む。ゲート絶縁膜は、ハフニウム(Hf)を含む高誘電率膜からなる。ゲート電極の金属膜は、膜厚が5nm(又は膜厚が15nm)の窒化チタン(TiN)膜からなる。ゲート電極のシリコン膜は、膜厚が100nmのポリシリコン膜からなる。
【0016】
図1(a),(b) において、ユニバーサル線のp型MISトランジスタの構成は、次に示す通りである。p型MISトランジスタは、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを含む。ゲート絶縁膜は、SiO2膜からなる。ゲート電極は、膜厚が100nmのポリシリコン膜からなる。
【0017】
従来の(100)面基板の場合、図1(a) に示すように、実効電界が実使用領域、即ち、トランジスタ動作において実際に生じる電界の範囲において、金属膜の膜厚が小さい場合における正孔移動度(■線参照)は、金属膜の膜厚が大きい場合における正孔移動度(○線参照)に比べて高い。
【0018】
また、(110)面基板の場合、図1(b) に示すように、実効電界が実使用領域、即ち、トランジスタ動作において実際に生じる電界の範囲において、金属膜の膜厚が小さい場合における正孔移動度(■線参照)は、金属膜の膜厚が大きい場合における正孔移動度(○線参照)に比べて高い。
【0019】
金属膜の膜厚が小さい場合における正孔移動度が、金属膜の膜厚が大きい場合における正孔移動度に比べて高くなる度合について、(100)面基板の場合と(110)面基板の場合とで比較したところ、図1(a) 及び図1(b) から判るように、(110)面基板の場合における度合は、(100)面基板の場合における度合に比べて大きい。
【0020】
このことから、本件発明者らは、次に示す知見を見出した。特に(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタの場合、ゲート電極の金属膜の膜厚を小さくすることにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。
【0021】
前記の目的を達成するために、本発明は、本件発明者らが見出した知見に基づいて成されたものであり、具体的には、本発明に係る半導体装置は、(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置であって、p型MISトランジスタは、半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上に形成され第1の金属膜及び第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜からなる第1のゲート電極とを備え、第1の金属膜は、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以下であることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る半導体装置によると、第1のゲート電極の第1の金属膜の膜厚を1nm以上であって且つ10nm以下にする。これにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。
【0023】
さらに、第1の金属膜の膜厚が10nm以下であるため、EOTの増大を抑制することができる。
【0024】
本発明に係る半導体装置において、第1の金属膜は、膜厚が1nm以上であって且つ5nm以下であることが好ましい。
【0025】
このようにすると、正孔移動度をより効果的に高めることができる。
【0026】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート絶縁膜は、金属酸化物からなる高誘電率膜を含むことが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極の側面上に形成された断面形状がI字状の第1のオフセットスペーサと、第1のゲート電極の側面上に第1のオフセットスペーサを介して形成された断面形状がL字状の第1のサイドウォールと、第1のサイドウォールの表面上から第1の活性領域における第1のサイドウォールの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第1の絶縁膜とをさらに備えていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置において、半導体装置は、半導体基板に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、n型MISトランジスタは、半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜を有する第2のゲート電極とを備えていることが好ましい。
【0029】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート電極は、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜と、第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、第1の金属膜と第2の金属膜とは、互いに同じ膜厚を有し、且つ互いに同じ金属材料からなることが好ましい。
【0030】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート電極は、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜と、第2の金属膜上に形成された第3の金属膜と、第3の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、第1の金属膜と第2の金属膜とは、互いに異なる金属材料からなり、第1の金属膜と第3の金属膜とは、互いに同じ膜厚を有し、且つ互いに同じ金属材料からなることが好ましい。
【0031】
このようにすると、第2のゲート絶縁膜に接する第2の金属膜の金属材料として、第1のゲート絶縁膜に接する第1の金属膜の金属材料(即ち、p型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料)と同じ金属材料を用いずに、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料を用いることができる。そのため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0032】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート電極は、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜からなり、第1の金属膜と第2の金属膜とは、互いに異なる金属材料からなり、第2の金属膜の膜厚は、第1の金属膜の膜厚と第1のシリコン膜の膜厚とを合計した合計膜厚と同等、又は、該合計膜厚よりも大きいことが好ましい。
【0033】
このようにすると、第2のゲート絶縁膜に接する第2の金属膜の金属材料として、第1のゲート絶縁膜に接する第1の金属膜の金属材料(即ち、p型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料)と同じ金属材料を用いずに、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料を用いることができる。そのため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0034】
本発明に係る半導体装置において、第1の金属膜と第2の金属膜とは、互いに仕事関数が異なっていることが好ましい。
【0035】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート絶縁膜と第2のゲート絶縁膜とは、互いに同じ金属酸化物からなる高誘電率膜を含むことが好ましい。
【0036】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート電極の側面上に形成された断面形状がI字状の第2のオフセットスペーサと、第2のゲート電極の側面上に第2のオフセットスペーサを介して形成された断面形状がL字状の第2のサイドウォールと、第2のサイドウォールの表面上から第2の活性領域における第2のサイドウォールの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第2の絶縁膜とをさらに備えていることが好ましい。
【0037】
本発明に係る半導体装置において、第2の絶縁膜は、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を生じさせる応力絶縁膜であることが好ましい。
【0038】
このようにすると、応力絶縁膜により、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を印加することができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0039】
前記の目的を達成するために、本発明は、本件発明者らが見出した知見に基づいて成されたものであり、具体的には、本発明に係る半導体装置の製造方法は、(110)面を主面とする半導体基板における第1の活性領域に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置の製造方法であって、半導体基板における第1の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程(a)と、ゲート絶縁膜形成膜上に第1の金属膜形成膜を形成する工程(b)と、第1の金属膜形成膜上にシリコン膜形成膜を形成する工程(c)と、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、第1の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜からなる第1のゲート絶縁膜と、第1の金属膜形成膜からなる第1の金属膜及びシリコン膜形成膜からなる第1のシリコン膜からなる第1のゲート電極とを形成する工程(d)とを備え、第1の金属膜形成膜は、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以下であることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、第1のゲート電極の第1の金属膜の膜厚を1nm以上であって且つ10nm以下にする。これにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。
【0041】
さらに、第1の金属膜の膜厚が10nm以下であるため、EOTの増大を抑制することができる。
【0042】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、第1の金属膜形成膜は、膜厚が1nm以上であって且つ5nm以下であることが好ましい。
【0043】
このようにすると、正孔移動度をより効果的に高めることができる。
【0044】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置は、半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、工程(a)は、半導体基板における第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、工程(d)は、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、第1の金属膜形成膜からなる第2の金属膜及びシリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜からなる第2のゲート電極とを形成する工程を含むことが好ましい。
【0045】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置は、半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、工程(a)は、半導体基板における第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、工程(a)の後で工程(b)の前に、第2の活性領域上のゲート絶縁膜形成膜上に、第2の金属膜形成膜を形成する工程(e)をさらに備え、工程(b)は、第1の活性領域上のゲート絶縁膜形成膜上、及び第2の金属膜形成膜上に、第1の金属膜形成膜を形成する工程を含み、工程(d)は、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜、第2の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、第2の金属膜形成膜からなる第2の金属膜、第1の金属膜形成膜からなる第3の金属膜、及びシリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜からなる第2のゲート電極とを形成する工程を含むことが好ましい。
【0046】
このようにすると、第2の金属膜の金属材料として、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料を用いることができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0047】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置は、半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、工程(a)は、半導体基板における第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、工程(d)は、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、第2の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、第1の金属膜形成膜からなるダミー金属膜と、シリコン膜形成膜からなるダミーシリコン膜とを形成する工程を含み、工程(d)の後に、ダミーシリコン膜及びダミー金属膜を除去する工程(e)と、工程(e)の後に、第2のゲート絶縁膜上に第2の金属膜からなる第2のゲート電極を形成する工程(f)とをさらに備えていることが好ましい。
【0048】
このようにすると、第2の金属膜の金属材料として、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料を用いることができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0049】
さらに、精度良く形成されたダミー金属膜及びダミーシリコン膜を、第2の金属膜と置換することができる。そのため、第2の金属膜からなる第2のゲート電極を精度良く形成することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、第1のゲート電極の第1の金属膜の膜厚を1nm以上であって且つ10nm以下にする。これにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。さらに、第1の金属膜の膜厚が10nm以下であるため、EOTの増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(a) は、(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、金属膜の膜厚が小さい場合及び大きい場合の各々における、実効電界と正孔移動度との関係を示すグラフである。一方、(b) は、(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、金属膜の膜厚が小さい場合及び大きい場合の各々における、実効電界と正孔移動度との関係を示すグラフである。
【図2】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図3】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図4】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図5】金属膜の膜厚と正孔移動度との関係、及び金属膜の膜厚とEOTとの関係について示すグラフである。
【図6】(a) 〜(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図7】(a) 〜(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図8】(a) 〜(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図9】(a) 〜(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図10】(a) 〜(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0053】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図2(a) 〜(c) 、図3(a) 〜(c) 及び図4(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図2(a) 〜図4(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。なお、図2(a) 〜図4(c) 、後述する図6(a) 〜図7(c) 、及び後述する図8(a) 〜図10(c) において、左側に示す「pMIS領域」とはp型MISトランジスタが形成される領域を示し、右側に示す「nMIS領域」とはn型MISトランジスタが形成される領域を示している。
【0055】
まず、図2(a) に示すように、例えば埋め込み素子分離(Shallow Trench Isolation:STI)法により、例えばp型シリコンからなり、且つ(110)面を主面とする半導体基板10の上部に、トレンチ内に絶縁膜が埋め込まれた素子分離領域11を選択的に形成する。これにより、pMIS領域には、素子分離領域11に囲まれた半導体基板10からなる第1の活性領域10aが形成される。一方、nMIS領域には、素子分離領域11に囲まれた半導体基板10からなる第2の活性領域10bが形成される。その後、リソグラフィ法及びイオン注入法により、半導体基板10におけるpMIS領域に、例えばP(リン)等のn型不純物を注入する。一方、半導体基板10におけるnMIS領域に、例えばB(ホウ素)等のp型不純物を注入する。その後、半導体基板10に対して例えば850℃,30秒間の熱処理を施す。これにより、半導体基板10におけるpMIS領域に、n型ウェル領域12aを形成する。一方、半導体基板10におけるnMIS領域に、p型ウェル領域12bを形成する。
【0056】
次に、図2(b) に示すように、例えば希釈フッ酸処理により、半導体基板10の表面を洗浄した後、例えばISSG(In-Situ Steam Generation)酸化法により、第1の活性領域10a及び第2の活性領域10b上に、例えば膜厚が0.8nm〜1nmのシリコン酸化膜からなる下地膜(図示せず)を形成する。その後、例えば有機金属気相堆積(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、又はALD(Atomic Layer Deposition)法等により、下地膜上に、例えば膜厚が2nmの高誘電率膜からなるゲート絶縁膜形成膜13を堆積する。ここで、ゲート絶縁膜形成膜13は、比誘電率が例えば10以上の金属酸化物からなる高誘電率膜を含むことが好ましい。
【0057】
その後、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD法又はスパッタ法等により、ゲート絶縁膜形成膜13上に、例えば窒化チタン(TiN)からなる第1の金属膜形成膜14を堆積する。このとき、第1の金属膜形成膜14は、膜厚が、例えば1nm以上であって且つ10nm以下(好ましくは、例えば1nm以上であって且つ5nm以下)である。
【0058】
その後、例えばCVD法により、第1の金属膜形成膜14上に、例えば膜厚が100nmのポリシリコン膜からなるシリコン膜形成膜15を堆積する。
【0059】
次に、図2(c) に示すように、フォトリソグラフィ法により、シリコン膜形成膜15上に、ゲートパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、レジストパターンをマスクにして、ドライエッチング法により、シリコン膜形成膜15、第1の金属膜形成膜14及びゲート絶縁膜形成膜13を順次パターニングする。これにより、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13a、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aを順次形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13b、第2の金属膜14b及び第2のシリコン膜15bを順次形成する。その後、レジストパターンを除去する。
【0060】
このようにして、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13aと、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aとを形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13bと、第2の金属膜14b及び第2のシリコン膜15bからなる第2のゲート電極14Bとを形成する。
【0061】
次に、図3(a) に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が8nmのシリコン酸化膜からなるオフセットスペーサ用絶縁膜を堆積する。その後、オフセットスペーサ用絶縁膜に対して異方性エッチングを行う。これにより、第1のゲート絶縁膜13a及び第1のゲート電極14Aの側面上に、断面形状がI字状の第1のオフセットスペーサ16aを形成する。それと共に、第2のゲート絶縁膜13b及び第2のゲート電極14Bの側面上に、断面形状がI字状の第2のオフセットスペーサ16bを形成する。
【0062】
その後、リソグラフィ法及びイオン注入法により、第1の活性領域10aに、第1のゲート電極14Aをマスクにして、例えばBF2等のp型不純物を注入する。これにより、第1の活性領域10aにおける第1のゲート電極14Aの側方下に、接合深さが比較的浅いp型ソースドレイン領域(LDD領域又はエクステンション領域)17aを自己整合的に形成する。一方、第2の活性領域10bに、第2のゲート電極14Bをマスクにして、例えばAs(ヒ素)等のn型不純物を注入する。これにより、第2の活性領域10bにおける第2のゲート電極14Bの側方下に、接合深さが比較的浅いn型ソースドレイン領域(LDD領域又はエクステンション領域)17bを自己整合的に形成する。
【0063】
次に、図3(b) に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が10nmのシリコン酸化膜からなる内側サイドウォール用絶縁膜、及び膜厚が30nmのシリコン窒化膜からなる外側サイドウォール用絶縁膜を順次堆積する。その後、内側サイドウォール用絶縁膜及び外側サイドウォール用絶縁膜に対して異方性エッチングを行う。これにより、第1のゲート絶縁膜13a及び第1のゲート電極14Aの側面上に、第1のオフセットスペーサ16aを介して、断面形状がL字状の第1の内側サイドウォール18aと第1の外側サイドウォール19aとからなる第1のサイドウォール19Aを形成する。それと共に、第2のゲート絶縁膜13b及び第2のゲート電極14Bの側面上に、第2のオフセットスペーサ16bを介して、断面形状がL字状の第2の内側サイドウォール18bと第2の外側サイドウォール19bとからなる第2のサイドウォール19Bを形成する。
【0064】
その後、リソグラフィ法及びイオン注入法により、第1の活性領域10aに、第1のゲート電極14A、第1のオフセットスペーサ16a及び第1のサイドウォール19Aをマスクにして、例えばB(ボロン)等のp型不純物を注入する。これにより、第1の活性領域10aにおける第1のサイドウォール19Aの外側方下に、浅いp型ソースドレイン領域17aよりも深い接合深さを有し、接合深さが比較的深いp型ソースドレイン領域20aを自己整合的に形成する。一方、第2の活性領域10bに、第2のゲート電極14B、第2のオフセットスペーサ16b及び第2のサイドウォール19Bをマスクにして、例えばAs(ヒ素)等のn型不純物を注入する。これにより、第2の活性領域10bにおける第2のサイドウォール19Bの外側方下に、浅いn型ソースドレイン領域17bよりも深い接合深さを有し、接合深さが比較的深いn型ソースドレイン領域20bを自己整合的に形成する。その後、熱処理により、深いp型,n型ソースドレイン領域20a,20bに含まれる導電型不純物を活性化させる。
【0065】
次に、図3(c) に示すように、例えば、第1,第2の内側サイドウォール(シリコン酸化膜)18a,18bと選択性のあるドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いて、第1,第2の外側サイドウォール(シリコン窒化膜)19a,19bを除去する。
【0066】
次に、図4(a) に示すように、深いp型,n型ソースドレイン領域20a,20bの表面に形成された自然酸化膜(図示せず)、並びに第1,第2のシリコン膜15a,15bの上面に形成された自然酸化膜(図示せず)を除去する。その後、例えばスパッタ法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が10nmのニッケル(Ni)からなるシリサイド用金属膜(図示せず)を堆積する。その後、例えば窒素雰囲気中、320℃の下、1回目のRTA(Rapid Thermal Annealing)処理により、深いp型,n型ソースドレイン領域20a,20bのSiとシリサイド用金属膜のNiとを反応させて、深いp型,n型ソースドレイン領域20a,20bの上部に、ニッケルシリサイドからなる第1,第2の金属シリサイド膜21a,21bを形成する。それと共に、第1,第2のシリコン膜15a,15bのSiとシリサイド用金属膜のNiとを反応させて、第1,第2のシリコン膜15a,15bの上部に、ニッケルシリサイドからなる第3,第4の金属シリサイド膜22a,22bを形成する。その後、硫酸と過酸化水素水との混合液からなるエッチング液中に半導体基板10を浸漬する。これにより、シリサイド用金属膜における素子分離領域11、第1,第2のオフセットスペーサ16a,16b及び第1,第2の内側サイドウォール18a,18b等の上に残存する部分(即ち、シリサイド用金属膜における未反応の部分)を除去する。その後、1回目のRTA処理での温度よりも高い温度(例えば550℃)の下、2回目のRTA処理により、第1,第2の金属シリサイド膜21a,21b及び第3,第4の金属シリサイド膜22a,22bのシリサイド組成比を安定化させる。
【0067】
次に、図4(b) に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜からなる第1,第2絶縁膜23a,23bを堆積する(なお、第1の絶縁膜23aと第2の絶縁膜23bとは、一体に形成されている)。
【0068】
その後、例えばCVD法により、第1,第2の絶縁膜23a,23b上に、シリコン酸化膜からなる第1の層間絶縁膜24を堆積した後、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、第1の層間絶縁膜24の表面の平坦化を行う。
【0069】
次に、図4(c) に示すように、通常のMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法と同様に、ドライエッチング法により、第1の絶縁膜23a及び第1の層間絶縁膜24に、第1の金属シリサイド膜21aの上面を露出する第1のコンタクトホール25aを形成する。それと共に、第2の絶縁膜23b及び第1の層間絶縁膜24に、第2の金属シリサイド膜21bの上面を露出する第2のコンタクトホール25bを形成する。このとき、第1,第2の絶縁膜23a,23bが露出した時点で一度エッチングを止め、再度エッチングを行う2ステップのエッチング法を用いることにより、第1,第2の金属シリサイド膜21a,21bのオーバーエッチング量を減らすことができる。
【0070】
その後、スパッタ法又はCVD法により、第1,第2のコンタクトホール25a,25bの底部及び側壁部、並びに第1の層間絶縁膜24上に、チタンと窒化チタンとが順次堆積されてなるバリアメタル膜を形成する。その後、CVD法により、バリアメタル膜上に、第1,第2のコンタクトホール25a,25b内を埋め込むように、タングステンからなる導電膜を堆積する。その後、CMP法により、導電膜及びバリアメタル膜における第1,第2のコンタクトホール25a,25b外に形成された部分を除去する。このようにして、第1,第2のコンタクトホール25a,25b内に、バリアメタル膜を介して導電膜が埋め込まれてなる第1,第2のコンタクトプラグ26a,26bを形成する。その後、第1の層間絶縁膜24上に、第1,第2のコンタクトプラグ26a,26bと電気的に接続する金属配線(図示せず)を形成する。
【0071】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置、即ち、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aを有するp型MISトランジスタPTrと、第2の金属膜14b及び第2のシリコン膜15bからなる第2のゲート電極14Bを有するn型MISトランジスタNTrとを備えた半導体装置を製造することができる。
【0072】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成について、図4(c) を参照しながら説明する。
【0073】
図4(c) に示すように、(110)面を主面とする半導体基板10におけるpMIS領域に、p型MISトランジスタPTrが設けられていると共に、半導体基板10におけるnMIS領域に、n型MISトランジスタNTrが設けられている。
【0074】
p型MISトランジスタPTrは、図4(c) に示すように、第1の活性領域10a上に形成された第1のゲート絶縁膜13aと、第1のゲート絶縁膜13a上に形成された第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aと、第1のゲート電極14Aの側面上に形成された断面形状がI字状の第1のオフセットスペーサ16aと、第1の活性領域10aにおける第1のゲート電極14Aの側方下に形成された浅いp型ソースドレイン領域17aと、第1のゲート電極14Aの側面上に第1のオフセットスペーサ16aを介して形成された断面形状がL字状の第1の内側サイドウォール18aと、第1の活性領域10aにおける第1の内側サイドウォール18aの外側方下に形成された深いp型ソースドレイン領域20aと、深いp型ソースドレイン領域20a上に形成された第1の金属シリサイド膜21aと、第1のゲート電極14A上に形成された第3の金属シリサイド膜22aと、第1のゲート電極14Aの上面上から第1の活性領域10aにおける第1の内側サイドウォール18aの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第1の絶縁膜23aとを備えている。
【0075】
n型MISトランジスタNTrは、図4(c) に示すように、第2の活性領域10b上に形成された第2のゲート絶縁膜13bと、第2のゲート絶縁膜13b上に形成された第2の金属膜14b及び第2のシリコン膜15bからなる第2のゲート電極14Bと、第2のゲート電極14Bの側面上に形成された断面形状がI字状の第2のオフセットスペーサ16bと、第2の活性領域10bにおける第2のゲート電極14Bの側方下に形成された浅いn型ソースドレイン領域17bと、第2のゲート電極14Bの側面上に第2のオフセットスペーサ16bを介して形成された断面形状がL字状の第2の内側サイドウォール18bと、第2の活性領域10bにおける第2の内側サイドウォール18bの外側方下に形成された深いn型ソースドレイン領域20bと、深いn型ソースドレイン領域20b上に形成された第2の金属シリサイド膜21bと、第2のゲート電極14B上に形成された第4の金属シリサイド膜22bと、第2のゲート電極14Bの上面上から第2の活性領域10bにおける第2の内側サイドウォール18bの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第2の絶縁膜23bとを備えている。
【0076】
一体に形成された第1,第2の絶縁膜23a,23b上には、第1の層間絶縁膜24が形成されている。第1の絶縁膜23a及び第1の層間絶縁膜24には、下端が第1の金属シリサイド膜21aと接続する第1のコンタクトプラグ26aが形成されている。第2の絶縁膜23b及び第1の層間絶縁膜24には、下端が第2の金属シリサイド膜21bと接続する第2のコンタクトプラグ26bが形成されている。
【0077】
第1の金属膜14aは、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以上(好ましくは、1nm以上であって且つ5nm以下)である。
【0078】
第1の金属膜14aと第2の金属膜14bとは、互いに同じ膜厚を有し、且つ互いに同じ金属材料(例えば、TiN)からなる。第1の金属膜14aと第2の金属膜14bとは、仕事関数が互いに同じである。
【0079】
第1のゲート絶縁膜13aと第2のゲート絶縁膜13bとは、互いに同じ金属酸化物からなる高誘電率膜を含む。
【0080】
既述の通り、本件発明者らが鋭意検討を重ねたところ、次に示す知見を見出した。(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、ゲート電極の金属膜の膜厚を小さくすることにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。
【0081】
そこで、本件発明者らが、金属膜の膜厚について検証したところ、以下に示すことを見出した。
【0082】
(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける、金属膜の膜厚と正孔移動度との関係、及び金属膜の膜厚と酸化膜換算膜厚(Equivalent Oxide Thickness:EOT)との関係について、図5を参照しながら説明する。図5は、金属膜の膜厚と正孔移動度との関係、及び金属膜の膜厚とEOTとの関係について示すグラフである。
【0083】
図5に示す△線は、(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける、金属膜の膜厚と正孔移動度との関係について示す。なお、比較の為に、(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける、金属膜の膜厚と正孔移動度との関係について示す(図5:▲線参照)。
【0084】
図5に示す□線は、(110)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける、金属膜の膜厚とEOTとの関係について示す。なお、比較の為に、(100)面基板に形成されたp型MISトランジスタにおける、金属膜の膜厚とEOTとの関係について示す(図5:■線参照)。
【0085】
なお、△線、▲線、□線、及び■線のp型MISトランジスタの構成は、次に示す通りである。p型MISトランジスタは、ゲート絶縁膜と、MIPS構造のゲート電極とを含む。ゲート絶縁膜は、Hfを含む高誘電率膜からなる。ゲート電極の金属膜は、膜厚が4nm、10nm、又は15nmのTiN膜からなる。ゲート電極のシリコン膜は、膜厚が100nmのポリシリコン膜からなる。
【0086】
−金属膜の膜厚と正孔移動度との関係−
(110)面基板の場合、図5の△線に示すように、金属膜の膜厚が小さくなるに連れて、正孔移動度が高くなる。
【0087】
図5に示す△線から判るように、金属膜の膜厚を10nm以下にすれば、正孔移動度を効果的に高めることができ、好ましくは、金属膜の膜厚を5nm以下にすれば、正孔移動度をより効果的に高めることができる。
【0088】
−金属膜の膜厚とEOTとの関係−
(110)面基板の場合、図5の□線に示すように、金属膜の膜厚が4nm以上であって且つ10nm以下の範囲内では、EOTは、ほぼ一定である。一方、金属膜の膜厚が10nmを超えると、EOTは、金属膜の膜厚が大きくなるに連れて、増大する。
【0089】
EOTが大きくなると、p型MISトランジスタの駆動能力が低下するという不具合が生じる。そのため、EOTの増大抑制の観点から、金属膜の膜厚は、図5の□線から判るように、10nm以下にすることが好ましい。
【0090】
なお、金属膜の膜厚が大きくなるに連れて、EOTが増大する要因は、次に示すものと考えられる。金属膜の膜厚が大きくなるに連れて、金属膜に含まれる酸素量が多くなる。金属膜に含まれる酸素は、金属膜の形成後に施される熱処理(具体的には例えば、RTA処理等)の際に、ゲート絶縁膜に拡散する。そのため、金属膜の膜厚が大きくなるに連れて、ゲート絶縁膜に拡散する酸素量が多くなるため、EOTが増大する。
【0091】
以上のように、金属膜の膜厚を10nm以下にすることにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。加えて、金属膜の膜厚を10nm以下にすることにより、EOTの増大を抑制することができる。さらに、金属膜の膜厚を5nm以下にすることにより、正孔移動度をより効果的に高めることができる。従って、金属膜の膜厚の上限は、10nm(好ましくは、5nm)であることが好ましい。
【0092】
一方、金属膜の膜厚の下限は、1nmであることが好ましい。この理由は、次に示すものである。第1に、金属膜を均一に成膜するには、金属膜の膜厚が1nm以上であることが好ましい。金属膜の膜厚が1nm未満の場合、金属膜を均一に成膜することが困難である。第2に、ゲート電極の空乏化を抑制するには、金属膜の膜厚が1nm以上であることが好ましい。金属膜の膜厚が1nm未満の場合、ゲート電極が空乏化され易く、ゲート電極の空乏化により、ゲート絶縁膜の実効的な膜厚が増大する。従って、成膜均一性の観点、及び空乏化抑制の観点から、金属膜の膜厚の下限は、1nmであることが好ましい。
【0093】
本実施形態によると、(110)面を主面とする半導体基板10に形成されたp型MISトランジスタにおいて、第1のゲート電極14Aの第1の金属膜14aの膜厚を1nm以上であって且つ10nm以下(好ましくは、1nm以上であって且つ5nm以下)にする。これにより、正孔移動度を効果的に高めて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができる。
【0094】
さらに、第1の金属膜14aの膜厚が10nm以下であるため、EOTの増大を抑制することができる。
【0095】
なお、本実施形態では、図3(c) に示すように、第1,第2の外側サイドウォール19a,19bを除去した後、図4(b) に示すように、互いに一体に形成された第1,第2の絶縁膜23a,23bとして、例えばプラズマCVD法により、シリコン窒化膜からなる下地絶縁膜を形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
第1に例えば、第1,第2の外側サイドウォールの除去後、第1の絶縁膜として、下地絶縁膜を形成する一方、第2の絶縁膜として、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を生じさせる応力絶縁膜を形成してもよい。ここで、応力絶縁膜の形成方法の具体例としては、例えばプラズマCVD法により、水素を多量に含むシリコン窒化膜を堆積した後、紫外線照射により、シリコン窒化膜に含まれる水素を飛ばして、応力絶縁膜を形成する方法が挙げられる。
【0097】
このようにすると、応力絶縁膜により、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を印加することができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0098】
加えて、第2の外側サイドウォールの除去後に応力絶縁膜が形成されるため、第2の外側サイドウォールの除去分だけ、応力絶縁膜を厚く形成することができるので、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を効果的に印加することができる。
【0099】
さらに、第2の外側サイドウォールの除去後に応力絶縁膜が形成されるため、第2の外側サイドウォールの除去分だけ、応力絶縁膜を、第2の活性領域におけるチャネル領域に近付けて形成することができるので、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を効果的に印加することができる。
【0100】
第2に例えば、第1,第2の外側サイドウォールの除去後、第1の絶縁膜として、第1の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に圧縮応力を生じさせる第1の応力絶縁膜を形成する一方、第2の絶縁膜として、第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を生じさせる第2の応力絶縁膜を形成してもよい。
【0101】
このようにすると、上記第1の例と同様の効果を得ることができる。
【0102】
さらに、第1の応力絶縁膜により、第1の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に圧縮応力を印加することができるため、p型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0103】
加えて、第1の外側サイドウォールの除去後に第1の応力絶縁膜が形成されるため、第1の外側サイドウォールの除去分だけ、第1の応力絶縁膜を厚く形成することができるので、第1の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に圧縮応力を効果的に印加することができる。
【0104】
さらに、第1の外側サイドウォールの除去後に第1の応力絶縁膜が形成されるため、第1の外側サイドウォールの除去分だけ、第1の応力絶縁膜を、第1の活性領域におけるチャネル領域に近付けて形成することができるので、第1の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に圧縮応力を効果的に印加することができる。
【0105】
なお、本実施形態におけるゲート絶縁膜形成膜13に含まれる高誘電率膜の金属酸化物の具体例としては、例えば酸化ハフニウム(HfO2)、ハフニウムシリケート(HfSiO)及び窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)等のハフニウム系酸化物、並びにタンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)又はランタン(La)等を含む酸化物が挙げられる。
【0106】
また、本実施形態では、シリコン膜形成膜15として、ポリシリコン膜を用いたが、これに代えて、例えばアモルファスシリコン膜又はシリコン膜等を用いてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、シリサイド用金属膜の材料として、Niを用いたが、これに代えて、例えば白金、コバルト、チタン及びタングステン等のシリサイド用金属を用いてもよい。
【0108】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、前述の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法と相違する点を中心に説明し、共通する点については適宜省略して説明する。
【0109】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図6(a) 〜(c) 及び図7(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図6(a) 〜図7(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。なお、図6(a) 〜図7(c) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、第1の実施形態における図2(a) 〜図4(c) に示す符号と同一の符号を付している。
【0110】
まず、第1の実施形態における図2(a) に示す工程と同様の工程を行う。これにより、図2(a) に示す構成と同様の構成を得る。
【0111】
次に、図6(a) に示すように、例えば希釈フッ酸処理により、半導体基板10の表面を洗浄した後、例えばISSG酸化法により、第1の活性領域10a及び第2の活性領域10b上に、例えば膜厚が0.8nm〜1nmのシリコン酸化膜からなる下地膜(図示せず)を形成する。その後、例えばMOCVD法又はALD法等により、下地膜上に、例えば膜厚が2nmの高誘電率膜からなるゲート絶縁膜形成膜13を堆積する。
【0112】
その後、例えばCVD法、ALD法又はスパッタ法等により、ゲート絶縁膜形成膜13上に、例えば膜厚が5nmの窒化タンタル(TaN)からなる第2の金属膜形成膜27を堆積する。その後、フォトリソグラフィ法により、第2の金属膜形成膜27上に、pMIS領域を開口しnMIS領域を覆うレジストパターン28を形成する。
【0113】
次に、図6(b) に示すように、レジストパターン28をマスクにして、ドライエッチング法又はウェットエッチング法により、第2の金属膜形成膜27におけるpMIS領域に形成された部分を除去する。これにより、ゲート絶縁膜形成膜13におけるpMIS領域に形成された部分の上面を露出させる一方、ゲート絶縁膜形成膜13におけるnMIS領域に形成された部分の上に、第2の金属膜形成膜27を残存させる。その後、レジストパターン28を除去する。
【0114】
このようにして、第2の活性領域10b上のゲート絶縁膜形成膜13(即ち、ゲート絶縁膜形成膜13における第2の活性領域10b上に形成された部分)の上に、第2の金属膜形成膜27を形成する。
【0115】
その後、例えばCVD法、ALD法又はスパッタ法等により、ゲート絶縁膜形成膜13におけるpMIS領域に形成された部分、及び第2の金属膜形成膜27の上に、例えばTiNからなる第1の金属膜形成膜14を堆積する。このとき、第1の金属膜形成膜14は、膜厚が、例えば1nm以上であって且つ10nm以下(好ましくは、例えば1nm以上であって且つ5nm以下)である。
【0116】
このようにして、第1の活性領域10a上のゲート絶縁膜形成膜13(即ち、ゲート絶縁膜形成膜13における第1の活性領域10a上に形成された部分)、及び第2の金属膜形成膜27の上に、第1の金属膜形成膜14を形成する。
【0117】
次に、図6(c) に示すように、例えばCVD法により、第1の金属膜形成膜14上に、例えば膜厚が100nmのポリシリコン膜からなるシリコン膜形成膜15を堆積する。
【0118】
次に、図7(a) に示すように、フォトリソグラフィ法により、シリコン膜形成膜15上に、ゲートパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、レジストパターンをマスクにして、ドライエッチング法により、シリコン膜形成膜15、第1の金属膜形成膜14、第2の金属膜形成膜27及びゲート絶縁膜形成膜13を順次パターニングする。これにより、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13a、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aを順次形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13b、第2の金属膜27b、第3の金属膜14bx及び第2のシリコン膜15bを順次形成する。その後、レジストパターンを除去する。
【0119】
このようにして、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13aと、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aとを形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13bと、第2の金属膜27b、第3の金属膜14bx及び第2のシリコン膜15bからなる第2のゲート電極27Bとを形成する。
【0120】
次に、図7(b) に示すように、第1のゲート絶縁膜13a及び第1のゲート電極14Aの側面上に、第1のオフセットスペーサ16aを形成する。それと共に、第2のゲート絶縁膜13b及び第2のゲート電極27Bの側面上に、第2のオフセットスペーサ16bを形成する。その後、第1の活性領域10aにおける第1のゲート電極14Aの側方下に、接合深さが比較的浅いp型ソースドレイン領域17aを形成する。一方、第2の活性領域10bにおける第2のゲート電極27Bの側方下に、接合深さが比較的浅いn型ソースドレイン領域17bを形成する。このように、第1の実施形態における図3(a) に示す工程と同様の工程を行う。
【0121】
その後、第1の実施形態における図3(b) 〜(c) 及び図4(a) 〜(c) に示す工程と同様の工程を順次行い、図7(c) に示す構成を得る。
【0122】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置、即ち、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aを有するp型MISトランジスタPTrと、第2の金属膜27b、第3の金属膜14bx及び第2のシリコン膜15bからなる第2のゲート電極27Bを有するn型MISトランジスタNTrとを備えた半導体装置を製造することができる。
【0123】
以下に、本実施形態と第1の実施形態との構成上の相違点について、説明する。
【0124】
第1の実施形態では、図4(c) に示すように、第2のゲート電極14Bが、例えばTiNからなる第2の金属膜14bと、例えばポリシリコン膜からなる第2のシリコン膜15bとからなる。第2のゲート絶縁膜13bと接する第2の金属膜14bは、第1のゲート絶縁膜13aと接する第1の金属膜14aと同じ膜厚を有し、且つ第1の金属膜14aと同じ金属材料からなる。
【0125】
これに対し、本実施形態では、図7(c) に示すように、第2のゲート電極27Bが、例えばTaNからなる第2の金属膜27bと、例えばTiNからなる第3の金属膜14bxと、例えばポリシリコン膜からなる第2のシリコン膜15bとからなる。第2のゲート絶縁膜13bと接する第2の金属膜27bは、第1のゲート絶縁膜13aと接する第1の金属膜14aと異なる金属材料からなる(言い換えれば、第2の金属膜27bは、第1の金属膜14aと仕事関数が異なる)。第3の金属膜14bxは、第1の金属膜14aと同じ膜厚を有し、且つ第1の金属膜14aと同じ金属材料からなる。
【0126】
このように、本実施形態と第1の実施形態とでは、第2のゲート絶縁膜13bに接する金属膜の金属材料が異なる(第1の実施形態:TiN,第2の実施形態:TaN)。TaNの仕事関数は、TiNの仕事関数に比べて、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ。そのため、本実施形態では、第1の実施形態に比べて、n型MISトランジスタNTrの性能を向上させることができる。
【0127】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0128】
さらに、第2の金属膜27bの金属材料として、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料(例えばTaN)を用いることができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる。
【0129】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、前述の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法と相違する点を中心に説明し、共通する点については適宜省略して説明する。
【0130】
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図8(a) 〜(c) 、図9(a) 〜(c) 及び図10(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図8(a) 〜図10(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。なお、図8(a) 〜図10(c) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、第1の実施形態における図2(a) 〜図4(c) に示す符号と同一の符号を付している。
【0131】
まず、第1の実施形態における図2(a) 〜図2(b) に示す工程と同様の工程を順次行う。これにより、図2(b) に示す構成と同様の構成を得る。
【0132】
次に、図8(a) に示すように、フォトリソグラフィ法により、シリコン膜形成膜上に、ゲートパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、レジストパターンをマスクにして、ドライエッチング法により、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングする。これにより、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13a、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aを順次形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13b、ダミー金属膜14by及びダミーシリコン膜15byを順次形成する。その後、レジストパターンを除去する。
【0133】
このようにして、第1の活性領域10a上に、第1のゲート絶縁膜13aと、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aとを形成する。それと共に、第2の活性領域10b上に、第2のゲート絶縁膜13bと、ダミー金属膜14by及びダミーシリコン膜15byからなるダミーゲート電極14BYとを形成する。
【0134】
次に、第1の実施形態における図3(a) 〜図4(a) に示す工程と同様の工程を順次行った後、図8(b) に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜からなる第1,第2絶縁膜23a,23bを堆積する(なお、第1の絶縁膜23aと第2の絶縁膜23bとは、一体に形成されている)。
【0135】
次に、図8(c) に示すように、例えばCVD法により、第1,第2の絶縁膜23a,23b上に、シリコン酸化膜からなる第1の層間絶縁膜24を堆積する。その後、例えばCMP法により、第1,第2の絶縁膜23a,23bにおける第3,第4の金属シリサイド膜22a,22b上に形成された部分の上面が露出するまで、第1の層間絶縁膜24の研磨除去を行う。その後、引き続き、CMP法により、第1のシリコン膜15a及びダミーシリコン膜15byの上面が露出するまで、第1の層間絶縁膜24、第1,第2の絶縁膜23a,23b、第3,第4の金属シリサイド膜22a,22b、第1,第2のオフセットスペーサ16a,16b、及び第1,第2の内側サイドウォール18a,18bの研磨除去を行う。
【0136】
次に、図9(a) に示すように、半導体基板10上に、pMIS領域を覆いnMIS領域を開口するレジストパターン29を形成する。その後、レジストパターン29をマスクにして、ダミー金属膜14by、第2のオフセットスペーサ16b、第2の内側サイドウォール18b、第2の絶縁膜23b及び第1の層間絶縁膜24と選択性のあるドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いて、ダミーゲート電極14BYにおけるダミーシリコン膜15byを除去する。
【0137】
次に、図9(b) に示すように、レジストパターン29をマスクにして、第2のゲート絶縁膜13b、第2のオフセットスペーサ16b、第2の内側サイドウォール18b、第2の絶縁膜23b及び第1の層間絶縁膜24と選択性のあるウェットエッチング法を用いて、ダミーゲート電極14BYにおけるダミー金属膜14byを除去する。その後、レジストパターン29を除去する。
【0138】
このようにして、ダミーゲート電極14BYにおけるダミーシリコン膜15by及びダミー金属膜14byを順次除去して、底面に第2のゲート絶縁膜13bが露出する凹部30を形成する。
【0139】
次に、図9(c) に示すように、例えばCVD法、ALD法又はスパッタ法等により、半導体基板10上の全面に、凹部30内を埋め込むように、例えばTaNからなる第2の金属膜形成膜31を堆積する。
【0140】
次に、図10(a) に示すように、例えばCMP法又はエッチバック法により、第1の層間絶縁膜24の上面が露出するまで、第2の金属膜形成膜31を除去する。これにより、凹部30内に、第2の金属膜31bを形成する。
【0141】
このようにして、第2のゲート絶縁膜13b上に、第2の金属膜31bからなる第2のゲート電極31Bを形成する。
【0142】
次に、図10(b) に示すように、第1のシリコン膜15aの上面に形成された自然酸化膜(図示せず)を除去した後、例えばスパッタ法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が10nmのNiからなるシリサイド用金属膜(図示せず)を堆積する。その後、例えば窒素雰囲気中、320℃の下、1回目のRTA処理により、第1のシリコン膜15aのSiとシリサイド用金属膜のNiとを反応させて、第1のシリコン膜15aの上部に、ニッケルシリサイドからなる金属シリサイド膜32を形成する。その後、硫酸と過酸化水素水との混合液からなるエッチング液中に半導体基板10を浸漬する。これにより、シリサイド用金属膜における第1の層間絶縁膜24、第1,第2の絶縁膜23a,23b、第1,第2の内側サイドウォール18a,18b及び第1,第2のオフセットスペーサ16a,16b等の上に残存する部分(即ち、シリサイド用金属膜における未反応の部分)を除去する。その後、1回目のRTA処理での温度よりも高い温度(例えば550℃)の下、2回目のRTA処理により、金属シリサイド膜32のシリサイド組成比を安定化させる。
【0143】
次に、図10(c) に示すように、例えばCVD法により、第1の層間絶縁膜24上に、第1,第2のゲート電極14A,31Bを覆うように、第2の層間絶縁膜33を堆積した後、例えばCMP法により、第2の層間絶縁膜33の表面の平坦化を行う。
【0144】
その後、通常のMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法と同様に、ドライエッチング法により、第1の絶縁膜23a、第1の層間絶縁膜24及び第2の層間絶縁膜33に、第1の金属シリサイド膜21aの上面を露出する第1のコンタクトホール25aを形成する。それと共に、第2の絶縁膜23b、第1の層間絶縁膜24及び第2の層間絶縁膜33に、第2の金属シリサイド膜21bの上面を露出する第2のコンタクトホール25bを形成する。その後、第1,第2のコンタクトホール25a,25b内に、バリアメタル膜を介して導電膜が埋め込まれてなる第1,第2のコンタクトプラグ26a,26bを形成する。その後、第2の層間絶縁膜33上に、第1,第2のコンタクトプラグ26a,26bと電気的に接続する金属配線(図示せず)を形成する。
【0145】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置、即ち、第1の金属膜14a及び第1のシリコン膜15aからなる第1のゲート電極14Aを有するp型MISトランジスタPTrと、第2の金属膜31bからなる第2のゲート電極31Bを有するn型MISトランジスタNTrとを備えた半導体装置を製造することができる。
【0146】
以下に、本実施形態と第1の実施形態との構成上の相違点について、説明する。
【0147】
第1の実施形態では、図4(c) に示すように、第1の絶縁膜23aは、第1のゲート電極14Aの上面上から、第1の活性領域10aにおける第1の内側サイドウォール18aの側方に位置する領域の上面上に跨って形成されている。同様に、第2の絶縁膜23bは、第2のゲート電極14Bの上面上から、第2の活性領域10bにおける第2の内側サイドウォール18bの側方に位置する領域の上面上に跨って形成されている。
【0148】
これに対し、本実施形態では、図10(c) に示すように、第1の絶縁膜23aは、第1の内側サイドウォール18aの表面上から、第1の活性領域10aにおける第1の内側サイドウォール18aの側方に位置する領域の上面上に跨って形成されている。同様に、第2の絶縁膜23bは、第2の内側サイドウォール18bの表面上から、第2の活性領域10bにおける第2の内側サイドウォール18bの側方に位置する領域の上面上に跨って形成されている。
【0149】
第1の実施形態では、図4(c) に示すように、第2のゲート電極14Bが、例えばTiNからなる第2の金属膜14bと、例えばポリシリコン膜からなる第2のシリコン膜15bとからなる。第2のゲート絶縁膜13bと接する第2の金属膜14bは、第1のゲート絶縁膜13aと接する第1の金属膜14aと同じ膜厚を有し、且つ第1の金属膜14aと同じ金属材料からなる。
【0150】
これに対し、本実施形態では、図10(c) に示すように、第2のゲート電極31Bが、例えばTaNからなる第2の金属膜31bからなる。第2のゲート絶縁膜13bと接する第2の金属膜31bは、第1のゲート絶縁膜13aと接する第1の金属膜14aと異なる金属材料からなる(言い換えれば、第2の金属膜31bは、第1の金属膜14aと仕事関数が異なる)。第2の金属膜31bの膜厚T31bは、第1の金属膜14aの膜厚T14aと第1のシリコン膜15aの膜厚T15aとを合計した合計膜厚よりも大きい(T31b>T14a+T15a)。
【0151】
このように、本実施形態と第1の実施形態とでは、第2のゲート絶縁膜13bに接する金属膜の金属材料が異なる(第1の実施形態:TiN,第3の実施形態:TaN)。また、本実施形態における第2のゲート電極31Bは、金属膜のみからなるのに対し、第1の実施形態における第2のゲート電極14Bは、金属膜とシリコン膜とからなる。
【0152】
ここで、第2の金属膜31bのみからなる第2のゲート電極31Bは、次のようにして形成される。図8(a) に示すように、シリコン膜形成膜、第1の金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングして、第2のゲート絶縁膜13bと、ダミー金属膜14by及びダミーシリコン膜15byからなるダミーゲート電極14BYとを形成する。その後、図9(b) に示すように、ダミーゲート電極14BYにおけるダミーシリコン膜15by及びダミー金属膜14byを順次除去して、凹部30を形成する。その後、図10(a) に示すように、凹部30内に第2の金属膜31bを形成して、第2の金属膜31bのみからなる第2のゲート電極31Bを形成する。
【0153】
金属膜のみからなるゲート電極の形成方法として、上記の方法の他に、次に示す方法が挙げられる。金属膜形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングして、ゲート絶縁膜と、金属膜のみからなるゲート電極とを形成する。しかしながら、この方法では、次に示す不具合が生じる。一般に、金属膜形成膜は、シリコン膜形成膜に比べて、精度良くパターニングすることが困難である。そのため、この方法では、金属膜形成膜の膜厚が比較的大きいため、ゲート電極を精度良く形成することができない。
【0154】
これに対し、本実施形態では、第1の金属膜形成膜の膜厚は比較的小さいため、ダミーゲート電極14BYを精度良く形成することができる。これにより、精度良く形成されたダミーゲート電極14BYにおけるダミーシリコン膜15by及びダミー金属膜14byを順次除去して形成された凹部(即ち、精度良く形成された凹部)30内に、第2の金属膜31bを形成することができる。そのため、第2の金属膜31bからなる第2のゲート電極31Bを精度良く形成することができる。
【0155】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0156】
加えて、第2の金属膜31bの金属材料として、n型MISトランジスタに適した仕事関数を持つ金属材料(例えばTaN)を用いることができるため、n型MISトランジスタの性能を向上させることができる(即ち、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる)。
【0157】
さらに、第1の金属膜形成膜の膜厚が比較的小さいため、ダミーゲート電極14BYを精度良く形成することができる。これにより、精度良く形成されたダミーゲート電極14BYにおけるダミー金属膜14by及びダミーシリコン膜15byを、第2の金属膜31bと置換することができる。そのため、第2の金属膜31bからなる第2のゲート電極31Bを精度良く形成することができる。
【0158】
なお、本実施形態では、図10(a) に示すように、第2のゲート電極31Bを形成した後、図10(b) に示すように、第1のシリコン膜15aの上部に金属シリサイド膜32を形成し、その後、図10(c) に示すように、第2の層間絶縁膜33及び第1,第2のコンタクトプラグ26a,26bを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0159】
例えば、第2のゲート電極の形成後、第1のシリコン膜の上部に金属シリサイド膜を形成することなく、第2の層間絶縁膜及び第1,第2のコンタクトプラグを形成してもよい。この場合、第2の金属膜の膜厚は、第1の金属膜の膜厚と第1のシリコン膜の膜厚とを合計した合計膜厚と同等である。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタにおいて、p型MISトランジスタの性能をさらに向上させることができるため、p型MISトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0161】
10 半導体基板
10a 第1の活性領域
10b 第2の活性領域
11 素子分離領域
12a n型ウェル領域
12b p型ウェル領域
13 ゲート絶縁膜形成膜
13a 第1のゲート絶縁膜
13b 第2のゲート絶縁膜
14 第1の金属膜形成膜
14a 第1の金属膜
14b 第2の金属膜
15 シリコン膜形成膜
15a 第1のシリコン膜
15b 第2のシリコン膜
14A 第1のゲート電極
14B 第2のゲート電極
16a 第1のオフセットスペーサ
16b 第2のオフセットスペーサ
17a 浅いp型ソースドレイン領域
17b 浅いn型ソースドレイン領域
18a 第1の内側サイドウォール
18b 第2の内側サイドウォール
19a 第1の外側サイドウォール
19b 第2の外側サイドウォール
19A 第1のサイドウォール
19B 第2のサイドウォール
20a 深いp型ソースドレイン領域
20b 深いn型ソースドレイン領域
21a 第1の金属シリサイド膜
21b 第2の金属シリサイド膜
22a 第3の金属シリサイド膜
22b 第4の金属シリサイド膜
23a 第1の絶縁膜
23b 第2の絶縁膜
24 第1の層間絶縁膜
25a 第1のコンタクトホール
25b 第2のコンタクトホール
26a 第1のコンタクトプラグ
26b 第2のコンタクトプラグ
27 第2の金属膜形成膜
27b 第2の金属膜
14bx 第3の金属膜
27B 第2のゲート電極
28 レジストパターン
14by ダミー金属膜
15by ダミーシリコン膜
14BY ダミーゲート電極
29 レジストパターン
30 凹部
31 第2の金属膜形成膜
31b 第2の金属膜
31B 第2のゲート電極
32 金属シリサイド膜
33 第2の層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(110)面を主面とする半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置であって、
前記p型MISトランジスタは、
前記半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上に形成され第1の金属膜及び前記第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜からなる第1のゲート電極とを備え、
前記第1の金属膜は、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1の金属膜は、膜厚が1nm以上であって且つ5nm以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜は、金属酸化物からなる高誘電率膜を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の側面上に形成された断面形状がI字状の第1のオフセットスペーサと、
前記第1のゲート電極の側面上に前記第1のオフセットスペーサを介して形成された断面形状がL字状の第1のサイドウォールと、
前記第1のサイドウォールの表面上から前記第1の活性領域における前記第1のサイドウォールの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第1の絶縁膜とをさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、前記半導体基板に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、
前記n型MISトランジスタは、
前記半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜を有する第2のゲート電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート電極は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された前記第2の金属膜と、前記第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、
前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とは、互いに同じ膜厚を有し、且つ互いに同じ金属材料からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート電極は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された前記第2の金属膜と、前記第2の金属膜上に形成された第3の金属膜と、前記第3の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、
前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とは、互いに異なる金属材料からなり、
前記第1の金属膜と前記第3の金属膜とは、互いに同じ膜厚を有し、且つ互いに同じ金属材料からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート電極は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された前記第2の金属膜からなり、
前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とは、互いに異なる金属材料からなり、
前記第2の金属膜の膜厚は、前記第1の金属膜の膜厚と前記第1のシリコン膜の膜厚とを合計した合計膜厚と同等、又は、該合計膜厚よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項5、7及び8のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とは、互いに仕事関数が異なっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項5〜9のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜と前記第2のゲート絶縁膜とは、互いに同じ金属酸化物からなる高誘電率膜を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項5〜10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート電極の側面上に形成された断面形状がI字状の第2のオフセットスペーサと、
前記第2のゲート電極の側面上に前記第2のオフセットスペーサを介して形成された断面形状がL字状の第2のサイドウォールと、
前記第2のサイドウォールの表面上から前記第2の活性領域における前記第2のサイドウォールの側方に位置する領域の上面上に跨って形成された第2の絶縁膜とをさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記第2の絶縁膜は、前記第2の活性領域におけるチャネル領域のゲート長方向に引っ張り応力を生じさせる応力絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
(110)面を主面とする半導体基板における第1の活性領域に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板における前記第1の活性領域上に、ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程(a)と、
前記ゲート絶縁膜形成膜上に第1の金属膜形成膜を形成する工程(b)と、
前記第1の金属膜形成膜上にシリコン膜形成膜を形成する工程(c)と、
前記シリコン膜形成膜、前記第1の金属膜形成膜及び前記ゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、前記第1の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜からなる第1のゲート絶縁膜と、前記第1の金属膜形成膜からなる第1の金属膜及び前記シリコン膜形成膜からなる第1のシリコン膜からなる第1のゲート電極とを形成する工程(d)とを備え、
前記第1の金属膜形成膜は、膜厚が1nm以上であって且つ10nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の金属膜形成膜は、膜厚が1nm以上であって且つ5nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、
前記工程(a)は、前記半導体基板における前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記シリコン膜形成膜、前記第1の金属膜形成膜及び前記ゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第1の金属膜形成膜からなる第2の金属膜及び前記シリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜からなる第2のゲート電極とを形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、
前記工程(a)は、前記半導体基板における前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、
前記工程(a)の後で前記工程(b)の前に、前記第2の活性領域上の前記ゲート絶縁膜形成膜上に、第2の金属膜形成膜を形成する工程(e)をさらに備え、
前記工程(b)は、前記第1の活性領域上の前記ゲート絶縁膜形成膜上、及び前記第2の金属膜形成膜上に、前記第1の金属膜形成膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記シリコン膜形成膜、前記第1の金属膜形成膜、前記第2の金属膜形成膜及び前記ゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第2の金属膜形成膜からなる第2の金属膜、前記第1の金属膜形成膜からなる第3の金属膜、及び前記シリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜からなる第2のゲート電極とを形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項13又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の活性領域に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、
前記工程(a)は、前記半導体基板における前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記シリコン膜形成膜、前記第1の金属膜形成膜及び前記ゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングすることにより、前記第2の活性領域上に、前記ゲート絶縁膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第1の金属膜形成膜からなるダミー金属膜と、前記シリコン膜形成膜からなるダミーシリコン膜とを形成する工程を含み、
前記工程(d)の後に、前記ダミーシリコン膜及び前記ダミー金属膜を除去する工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記第2のゲート絶縁膜上に第2の金属膜からなる第2のゲート電極を形成する工程(f)とをさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−245433(P2010−245433A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94885(P2009−94885)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】