説明

クルーズ制御装置

【課題】クルーズ制御に際し、実際の車速を目標速度により適切に追従させることのできるクルーズ制御装置を提供する。
【解決手段】ステップS14では、車両の加速度aに基づき、車両の走行方向に働く力を算出する。続くステップ16では、車速と目標速度との差と、車両に働く力とに基づき、車両を目標速度に保つために必要な駆動力を算出する。ステップS22では、算出される駆動力を、エンジンの出力と、ABSの制動力とに振り分け、ステップS24、S26では、振り分けられた出力や制動力を得られるような設定がなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された目標速度に追従するように車両を定速走行させるクルーズ制御を行うクルーズ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クルーズコントロールスイッチの操作を通じてユーザによりクルーズ制御を行う旨の指示がなされることに基づき、車両の走行速度すなわち車速を目標とする一定の速度に保つ制御を行うクルーズ制御装置が一般に知られている。こうしたクルーズ制御装置では、クルーズ制御中には、車速を目標速度へとフィードバックする制御が行われることとなる。
【0003】
また、下記特許文献1に見られるように、車両が下り坂に差し掛かったとき等、車速が目標速度を上回るときには、燃料カットを行なうクルーズ制御装置も提案されている。燃料カットを行なうと、エンジンブレーキにより車両に制動力が働くため、車両を減速させることができる。更に、このクルーズ制御装置では、燃料カットと燃焼制御との繰り返しにより、車速を目標速度に制御することもなされている。すなわち、この制御によれば、実際の車速は、燃料カットの断続的な繰り返しに同期して変動しつつも目標速度に追従するようになる。
【0004】
ところで、上記クルーズ制御装置により燃料カットを断続的に繰り返すことで車速を目標速度に追従させる場合、ユーザに体感されないレベルで車速をハンチングさせることが要求されるため、その適合は困難なものとなっている。更に、下り坂において燃料カットを断続的に繰り返したときの車速の変動態様は、下り坂の勾配に大きく依存することとなるため、たとえ所定の勾配において上記適合を行なうことができたとしても、勾配の異なる下り坂では適切な制御とならないおそれがある。
【特許文献1】特開平7−315074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、クルーズ制御に際し、実際の車速を目標速度により適切に追従させることのできるクルーズ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、設定された目標速度に追従するように車両を定速走行させるクルーズ制御を行うクルーズ制御装置において、前記車両の加速度を検出する検出手段と、前記クルーズ制御に際し、前記検出手段により検出される車両の加速度に基づいて、前記車両の走行方向に働く力を打ち消すように、当該車両の駆動力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
車両の走行環境によっては、重力加速度が車両の進行方向に対して加わる等、車両に力が加わることがある。そして、車速の検出値を目標速度に追従させるために必要な駆動力は、車両に加わる力に依存する。換言すれば、車速の検出値を目標速度に追従させるために必要な車両の駆動力は、車速の検出値と目標速度との差によっては一義的に決まらず、車両に加わる力に依存する。一方、車両に加わる力によって車両に加速度が付与されるため、車両の加速度によって、車両の走行方向に加わる力を推定することができる。このため、車両の加速度によって、車両の走行方向に働く力を打ち消し、車速を目標速度に追従させるために要求される駆動力を把握することができる。
【0009】
この点、上記構成では、車両の加速度の検出値を用いることで、車両の走行方向に働く力を打ち消して車速を目標速度に追従させるために要求される駆動力を生成するように車両の駆動力を制御することができる。
【0010】
なお、上記駆動力には、負の駆動力も、換言すれば制動力も含まれるものとする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記車両の速度と前記目標速度との差が同一のとき、前記車両の加速度が大きいほど当該車両の駆動力が小さくなるように前記駆動力を制御することを特徴とする。
【0012】
前記車両の速度と前記目標速度との差が同一であっても、車両の加速度が大きいほど、車両を減速させるために必要な制動力は大きなものとなる(駆動力は、小さなもの(負の値)となる)。
【0013】
この点、上記構成では、車両の加速度に応じて適切な駆動力に制御することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、前記検出値に基づき当該車両に要求される駆動力を算出する駆動力算出手段と、該算出される駆動力に基づき当該車両を操作する操作手段とを備えて、当該車両の駆動力を制御することを特徴とする。
【0015】
上記構成では、車両の加速度の検出値に基づき車両に要求される駆動力が算出される。このため、算出された駆動力に応じて車両を適切に操作することができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記駆動力算出手段は、前記加速度の検出値に当該車両の総重量を乗算することで当該車両の走行方向に働く力を算出する手段と、該算出される力を打ち消すために必要な駆動力に基づき、前記要求される駆動力を算出する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
加速度に車両の総重量を乗算したものは、車両の走行方向に働く力と考えることができる。そして、車速を目標速度にて定速走行させるためには、車両の走行方向に働く力を打ち消す必要がある。この点、上記構成では、車両に働く力を打ち消すために必要な駆動力に基づき、要求される駆動力を算出することで、車速を目標速度にて定速走行させるために適切な駆動力を得ることができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記車両は、その原動機として多気筒内燃機関を備えるものであり、前記操作手段は、前記算出される駆動力に応じて燃焼制御が行われる前記内燃機関の気筒数を可変設定することを特徴とする。
【0019】
内燃機関は、アイドル状態における出力を下限として、最大出力まで略連続的な出力の制御が可能となっている。ただし、アイドル状態における出力が下限となるため、燃料カットによる燃焼制御の停止時と、アイドル状態における出力との間に大きなギャップができる。
【0020】
この点、上記構成では、燃焼制御が行なわれる気筒数が可変設定されるために、アイドル状態における出力より小さな出力を、段階的に生成することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記操作手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定に加えて、前記内燃機関の空燃比及び点火時期の少なくとも一方の可変操作を行なうことを特徴とする。
【0022】
上記構成において、気筒数の可変設定によって内燃機関の出力は段階的に変化するものの、同出力を連続的に調整することはできない。ここで、上記構成では、空燃比及び点火時期を可変操作する。例えば空燃比をリーンとすることで出力が低下するために、リーン操作することで、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。また、例えば点火時期を遅角することで出力が低下するために、点火時期の可変操作をすることで、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記内燃機関の排気を浄化する触媒の状態を検出する検出手段を更に備え、前記操作手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定、前記空燃比の可変操作、及び前記点火時期の可変操作を行なうものであって且つ、前記要求される駆動力とするための前記空燃比の可変操作量及び前記点火時期の可変操作量を、前記触媒の状態に応じて決定することを特徴とする。
【0024】
上記構成では、要求される駆動力を生成するための空燃比の可変操作量と点火時期の可変操作量とを、例えば触媒の酸素吸蔵量等の触媒の状態に応じて決定する。このため、排気特性の悪化を招く空燃比とすることを回避しつつも、要求される駆動力を生成することができる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記車両は、該車両の制動力を制御する制動手段を備え、前記操作手段は、前記算出される駆動力に応じて前記制動手段を操作することを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、車両の制動力を生成するアクチュエータを操作することで、制動力を得ることができる。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載の発明において、当該車両は、該車両の制動力を制御する制動手段を備え、当該クルーズ制御装置は、前記駆動力算出手段により算出される駆動力を、前記原動機の出力と前記制動手段の制動力とに振り分ける手段を更に備え、前記操作手段は、前記振り分けられる駆動力に基づき前記原動機及び前記制動手段の少なくとも一方を操作することを特徴とする。
【0028】
上記構成では、駆動力算出手段により算出される駆動力が、原動機である多気筒内燃機関の出力と制動手段の制動力とに振り分けられる。このため、算出される駆動力が負の場合、制動力としてエンジンブレーキのみを用いる場合と比較して、より大きな制動力を得ることができ、ひいては、車両の駆動力をより適切に制御することができる。
【0029】
請求項10記載の発明は、設定された目標速度に追従するように車両を定速走行させるクルーズ制御を行うクルーズ制御装置において、前記クルーズ制御に際し、前記車両の速度を前記目標速度に追従させるために要求される駆動力を算出する算出手段と、該算出される駆動力を生成すべく、前記車両に搭載される多気筒内燃機関における燃焼制御が行われる気筒数を可変設定する制御手段を備えることを特徴とする。
【0030】
内燃機関は、アイドル状態における出力を下限として、最大出力まで略連続的な出力の制御が可能となっている。ただし、アイドル状態における出力が下限となるため、燃料カットによる燃焼制御の停止時と、アイドル状態における出力との間に大きなギャップができる。
【0031】
この点、上記構成では、燃焼制御が行なわれる気筒数が可変設定されるために、アイドル状態における出力より小さな出力を、段階的に生成することができ、ひいては算出される駆動力を適切に生成することができる。
【0032】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記制御手段は、前記算出手段によって算出される駆動力を生成すべく、前記気筒数の可変設定に加えて、前記内燃機関の空燃比及び点火時期の少なくとも一方の可変操作を行なうことを特徴とする。
【0033】
上記構成において、気筒数の可変設定によって内燃機関の出力は段階的に変化するものの、同出力を連続的に調整することはできない。ここで、上記構成では、空燃比及び点火時期を可変操作する。例えば空燃比をリーンとすることで出力が低下するために、リーン操作することで、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。また、例えば点火時期を遅角することで出力が低下するために、点火時期の可変操作をすることで、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。
【0034】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記内燃機関の排気を浄化する触媒の状態を検出する検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定、前記空燃比の可変操作、及び前記点火時期の可変操作を行なうものであって且つ、前記要求される駆動力とするための前記空燃比の可変操作量及び前記点火時期の可変操作量を、前記触媒の状態に応じて決定することを特徴とする。
【0035】
上記構成では、要求される駆動力を生成するための空燃比の可変操作量と点火時期の可変操作量とを、例えば触媒の酸素吸蔵量等の触媒の状態に応じて決定する。このため、排気特性の悪化を招く空燃比とすることを回避しつつも、要求される駆動力を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるクルーズ制御装置を、ガソリンエンジンを搭載した車両に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0037】
図1に、上記車両の全体構成を示す。
【0038】
図示されるように、多気筒内燃機関であるエンジン2の出力は、トルクコンバータ4、トランスミッション6を介して車両の駆動輪8に伝達される。駆動輪8の近傍には、これを制動させるブレーキ10が設けられている。ブレーキ10は、油圧アクチュエータ12によるブレーキ油圧の調整により、その制動力が調整されるものである。
【0039】
図2に、エンジン2の構成を示す。図示されるように、エンジン2の吸気通路40の上流には、エアの流量を検出するエアフローメータ42が備えられている。また、その下流には、モータ44によって駆動される電子制御式のスロットルバルブ46が設けられている。更に、その下流には、燃料噴射弁48が設けられている。吸気通路40内の混合気は、吸気バルブ50の開弁により、燃焼室52に流入する。そして、燃焼室52内の混合気は、点火プラグ54によって点火され燃焼に供される。そして、燃焼に供された混合気は、排気バルブ56の開弁により、排気として排気通路58に排出される。この排気通路58には、排気を浄化する触媒60が設けられている。そして、排気通路58のうち触媒60の上流には、空燃比センサ62が、また触媒60の下流には、酸素センサ64がそれぞれ設けられている。ちなみに、空燃比センサ62は、酸素濃度に略比例した出力特性を有するセンサであり、酸素センサ64は、酸素濃度が所定濃度より低いか高いかに応じた略2値的な出力特性を有するセンサである。
【0040】
上記エンジン2は、エンジン制御装置20(図中、EMS ECU)によって操作される。エンジン制御装置20は、中央処理装置や適宜のメモリを備えて構成されている。そして、エンジン2の運転状態を検出する各種センサの検出値に基づき、スロットルバルブ46の開度や、点火時期、燃料噴射量等を制御すべく、モータ44や燃料噴射弁48、点火プラグ54等、エンジン2の各種アクチュエータを操作する。特に、本実施形態では、先の図1に示すクルーズコントロールスイッチ24の操作を通じてユーザによりクルーズ制御を行なう旨の指示がなされることに基づき、車両の走行速度(車速)を目標とする一定の速度(目標速度)に保つクルーズ制御を行う。
【0041】
図1に示した上記油圧アクチュエータ12は、ABS制御装置22(図中、ABS ECU)によって操作される。ABS制御装置22は、中央処理装置や適宜のメモリを備えて構成されている。そして、駆動輪8の回転速度を検出する車輪速センサ14の検出値等に基づき、制動制御をすべく、油圧アクチュエータ12を操作する。ちなみに、ブレーキ10、油圧アクチュエータ12、ABS制御装置22等を備えて、アンチロックブレーキシステム(ABS)が構成されている。
【0042】
なお、上記エンジン制御装置20やABS制御装置22は、互いに通信している。
【0043】
ここで、本実施形態にかかるクルーズ制御について図3に、基づき説明する。図3は、本実施形態にかかるクルーズ制御の処理の手順を示す。図3に示す処理は、エンジン制御装置20により、ABS制御装置22と通信しつつ、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0044】
この一連の処理では、まずステップS10において上記車輪速センサ14によって検出される車速と目標速度との差を算出する。続くステップS12においては、車輪速センサ14の検出値に基づき、車両の加速度aを検出する(詳しくは、車輪速センサ14によって検出される車速の時間微分値として車両の加速度aを推定算出する)。更に、ステップS14では、車両の走行方向に働く力を算出する。ここでは、ステップS12において検出される加速度aに、車両総重量mを乗算することで車両の走行方向に働く力をmaとして算出する。ちなみに、車両総重量mは、車両の総重量として予め仕様に記載されている値とすればよい。ただし、当該車両が車両の座席へのユーザの着座の有無を検出するセンサを備える場合には、座席に座っていることが検出されるユーザの数に応じて補正された値を車両総重量mとしてもよい。
【0045】
続くステップS16では、車速の検出値と目標速度との差と、車両の走行方向に働く力とに基づき、車両を目標速度に保つために必要な駆動力を算出する。ここで、車速を目標速度に保つために必要な駆動力の算出に際し、車両の走行方向に働く力を用いるのは以下の理由による。
【0046】
図4に、車両30が、傾斜角θの下り坂を走行するときを示す。この場合、重力加速度gが車両30の走行方向成分を有することとなる。このため、図4に示すように車両30が下り坂を走行するときには、車両30が平地を走行するときと比較して車両30に余分な力(=mg×sinθ=ma)が加わる。このため、車両30の車速と目標速度との差が同一であっても、車速を目標速度に追従させるために要求される駆動力は、異なったものとなる。
【0047】
このため、本実施形態では、車両30の加速度aに基づき、車両30の走行方向に働く力maを算出し、この力maに基づき車両30が必要とする駆動力を算出する。これにより、車速と目標速度との差が同一でも、車両30の加速度が異なるときには異なる駆動力を生成するような制御がなされる。図5に、車速と目標速度との差が同一であって、且つ車両30の加速度が異なる場合を例示する。ここでは、減速しつつ走行するもの(ケースk1)と、加速しつつ走行するもの(ケースk2)とが、時刻t1に同一車速となり、目標速度との間に差ΔVがある場合を例示した。この場合、ケースk2の方が、ケースk1よりも車速を目標速度に追従させるために要求される制動力が大きなものとなっている。
【0048】
このため、本実施形態では、車速と目標速度との差が同一であっても、車両の加速度が大きいほど、車両の駆動力が小さくなるように制御する。ここで、駆動力は、負となるものも含まれることとする。換言すれば、制動力となるものも含まれるものとする。
【0049】
詳しくは、上記駆動力の算出は、例えば、車両に加わる力maを打ち消すために必要な力「−ma」と、車速と目標速度との差に基づいて定められるフィードバック量とを加算することで行なうようにすればよい。
【0050】
続くステップS18では、所定期間内に得られるエンジン2の出力の最大値と最小値とを推定する。ここで、エンジン2の出力の最大値は、現在の運転状態から、例えばスロットルバルブの開度を最大にし、且つエンジン2のトルクが最大となる空燃比となるような燃料噴射量としてから所定期間内に得られるものとする。これは、エンジン2の最大出力とは、一般に異なる。すなわち、たとえスロットルバルブ46の開度を最大にしても、エンジン2の燃焼室に充填される空気量が最大となるまでには、応答遅れがある。このステップS18では、この図3に示す処理の周期を所定期間とし、この所定期間内に実現できるエンジン2の出力の最大値を推定する。また、エンジン2の出力の最小値は、例えばエンジン2の燃料をカットすることによるエンジンブレーキによる制動力(負の駆動力)の所定期間内での最大値とする。すなわち、燃料カットを行なってから図3の処理の次の周期までに得られるエンジンブレーキによる制動力の最大値とする。
【0051】
続くステップS20では、油圧アクチュエータ12の操作による制動力の最大値と最小値とを推定する。この油圧アクチュエータ12の操作による制動力の最大値と最小値は、ABS制御装置22による油圧アクチュエータ12の操作による制動力の最大値と最小値とする。この制動力についても、当該アンチロックブレーキシステムにおいて車両の加速状態等に応じて制動力の上限が可変設定されるため、このステップS20においてその最大値及び最小値を推定するようにした。
【0052】
続くステップS22では、ステップS16によって算出される駆動力を、エンジン2の出力と、ABS制御装置22によって油圧アクチュエータ12を操作することによるブレーキ10の制動力とに振り分ける。この振り分けは、適切な駆動力の制御が可能となるように設定される。すなわち、例えばエンジン2の出力のみで駆動力を生成すると、負の駆動力である制動力としてはエンジンブレーキの力に制限されるため、制動力に限界がある。これに対し、ABS制御装置22による油圧アクチュエータ12の操作と併せることで、より大きな制動力を実現することが可能となり、ひいては、駆動力の制御をより適切に行なうことができる。具体的には例えば、ステップS16において算出される駆動力が負である場合、換言すれば制動力が要求されている場合には、アンチロックブレーキシステムによる制動力とエンジン2によるエンジンブレーキとを併せ用いるようにする。なお、ステップS16において算出される駆動力が正である場合には、アンチロックブレーキシステムの振り分け量は「0」としてもよい。
【0053】
ステップS24では、エンジン2に振り分けられた駆動力を実現するスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を設定する。ここでは、振り分けられた駆動力を生成するエンジン2の出力に基づき、上記設定がなされる。すなわち、駆動力は、駆動輪8で生成される力であり、これは、トランスミッション6やトルクコンバータ4での変換を考慮することで、エンジン2に要求される出力トルクに換算することができる。そして、エンジン2に要求される出力トルクがわかれば、これに基づきスロットルバルブの開度や、点火時期、燃料噴射量を設定することができる。
【0054】
ちなみに、本実施形態では、エンジン2のアイドル時の出力と、燃料カット時の出力(エンジンブレーキによる制動力)とのギャップを埋めるべく、燃焼制御を行うエンジン2の気筒数を可変設定する制御と、点火時期を可変操作する制御とを行なう。これについて、図6を参照しつつ説明する。
【0055】
図6において、横軸は吸入空気量、縦軸はエンジン2の出力である。アイドル運転時よりも高負荷側については、吸入空気量を連続的に増加させることで、エンジン2の出力を連続的に増加させることができる。これに対し、図6に全気筒の燃料カットを行なう場合を示すように、アイドル運転時と燃料カットとの間には、エンジン2の出力に大きなギャップが生じる。そこで、アイドル運転時と全気筒燃料カットとの間の出力のギャップを埋めるべく、本実施形態では、燃焼制御を行う気筒数を可変設定する。このように燃焼制御を行う気筒数を可変設定すると、全気筒を用いてアイドル運転をしているエンジン2の出力よりも小さく且つ全気筒の燃料カットしたときの出力よりも大きな出力を得ることができる。
【0056】
詳しくは、アイドル運転時と全気筒燃料カットとの間の出力のギャップを埋めるべく、気筒数の可変設定に加えて、点火時期の可変操作を行なう。これは、気筒数の可変設定によってエンジン2の出力を段階的に調整することはできるものの、連続的な調整ができないことによる。この点、点火時期の可変操作を行なうことで、出力トルクを微調整することができる。図7に、エンジン2の出力トルクの効率と点火時期との関係を示す。ここで、効率とは、エンジン2の吸入空気量及び空燃比を固定した条件下、点火時期をMBTとしたときの出力トルクに対する各点火時期における出力トルクの比率として定義されている。ここで、MBTとは、エンジンの出力を最大とする点火時期である。図示されるように、点火時期を遅角するほど出力トルクの効率は低下し、しかも、点火時期を連続的に変化させることで出力トルクの効率を連続的に変化させることができる。このため、点火時期を可変操作するなら、エンジン2の出力トルクを微調整することができる。
【0057】
そこで、気筒数の可変設定に加えて、点火時期の可変操作を行なう。詳しくは、任意の気筒数(>0)におけるMBTによって得られる出力トルクから、それよりも1気筒減らしたときにおけるMBTによって得られる出力トルク(気筒数0にあっては全気筒燃料カット)までの任意の出力トルクを、点火時期をMBTよりも遅角側に操作することで生成する。
【0058】
具体的には、図8に示されるように、全気筒燃料カットしたときの出力から3気筒燃料カットをして且つ点火時期をMBTまで進角操作したときの出力までは、1気筒にて運転が行なわれる。そして、点火時期をMBTよりも遅角操作することで出力を低下させることができるために、全気筒燃料カット時の出力よりも大きく且つ1気筒運転時のアイドル最大出力よりも小さい出力が要求されるときには、点火時期をMBTよりも遅角側に操作することで要求される出力とする制御を行う。
【0059】
同様に、1気筒運転したときの最大の出力から2気筒燃料カットをして且つ点火時期をMBTまで進角操作したときの出力までは、2気筒にて運転が行なわれる。また、2気筒運転したときの最大の出力から1気筒燃料カットをして且つ点火時期をMBTまで進角操作したときの出力までは、3気筒にて運転が行なわれる。
【0060】
このように、気筒数の可変設定に加えて、点火時期の可変操作を行なうことで、エンジン2の出力を要求される出力に精度良く追従させることができる。
【0061】
一方、先の図3のステップS26では、ABSに振り分けられた制動力を実現するための油圧アクチュエータ12の操作がなされる。具体的には、振り分けられた制動力についての情報がエンジン制御装置20からABS制御装置22に送られ、ABS制御装置22により油圧アクチュエータ12の操作がなされる。
【0062】
なお、ステップS26の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
【0063】
ここで、図3の処理の作用について、図9に基づき説明する。
【0064】
図9(a)は、道路形状についての断面図を示す。図9(b)は、本実施形態における車速の推移を示し、図9(c)は、本実施形態における駆動力の推移を示す。また、図9(d)は、従来技術による車速の推移を示し、図9(e)は、従来技術による駆動力の推移を示す。
【0065】
図9(c)に示すように、燃焼制御が行なわれる気筒数の可変設定と、点火時期の遅角操作とを組み合わせることで(更には、油圧アクチュエータ12の操作を組み合わせることで)、エンジン2の出力を滑らかに変化させることができる。そして、車両に要求される駆動力を算出しこれに基づき駆動力を制御することにより、車両が下り坂に入ることで、車速は図中一点鎖線で示す目標速度を一旦上回ることとなるとはいえ、速やかに目標速度に追従するようになる。
【0066】
これに対し、図9(e)に示すように全気筒の燃料カットと全気筒の燃焼とを繰り返すことで車速を目標速度に制御する場合には、図9(d)に示すように駆動力は断続的に変化する。
【0067】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0068】
(1)クルーズ制御に際し、車両の加速度aに基づき当該車両に要求される駆動力を算出するようにした。このため、車両の走行方向に働く力を打ち消し、車速を目標速度に追従させるために必要な駆動力を生成するように車両の駆動力を制御することができる。
【0069】
(2)車速と目標速度との差が同一であっても、車両の加速度aが大きいほど当該車両の駆動力が小さくなるように駆動力を制御した。これにより、車両の加速度aに応じて適切な駆動力に制御することができる。
【0070】
(3)加速度aに当該車両の総重量mを乗算することで当該車両に働く力を算出し、該算出される力を打ち消すために必要な駆動力に基づき、要求される駆動力を算出した。これにより、車速を目標速度にて定速走行させるために適切な駆動力を得ることができる。
【0071】
(4)要求される駆動力に応じて燃焼制御が行われるエンジン2の気筒数を可変設定した。このため、アイドル状態における出力より小さな出力を、段階的に生成することができる。
【0072】
(5)燃焼制御が行われる気筒数の可変設定に合わせて、点火時期を可変操作した。これにより、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。
【0073】
(6)要求される駆動力(制動力)に応じて、油圧アクチュエータ12を操作した。これにより、エンジンブレーキのみによって車両の制動力を得る場合と比較して、より大きな制動力を実現することができ、ひいては、車両の駆動力をより適切に制御することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0075】
本実施形態では、気筒数の可変設定に際して、点火時期の可変操作に加えて、空燃比の可変操作を行なうことでエンジン2の出力を調整する。
【0076】
すなわち、図10に示されるように、エンジン2の出力トルクの効率は、空燃比によって異なる。ここで、効率は、点火時期及び吸入空気量を固定したときのエンジン出力について、空燃比が理論空燃比(λ=1)であるときの値を基準として、これに対する比率を定量化したものである。
【0077】
図11に、本実施形態にかかるクルーズ制御の処理手順を示す。この処理は、エンジン制御装置20により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0078】
この一連の処理では、まず先の図3に示したステップS10〜S16までの処理を行なう。このステップS16の処理が図11のステップS30である。
【0079】
続くステップS32においては、ステップS30において算出される必要な駆動力と対応するエンジン2の出力がアイドル時の出力以上であるか否かを判断する。そして、アイドル時の出力以上であると判断されると、ステップS34に移行する。そして、ステップS34においては、全気筒運転によるクルーズ制御を行う。
【0080】
これに対し、出力がアイドル時の出力未満であるときには、ステップS36に移行する。ステップS36では、必要な出力が先の図8に示したいずれの領域に該当するかに基づき、燃焼制御を行う気筒数を決定する。
【0081】
続くステップS38では、エンジン2の出力についての要求効率を算出する。ここで、要求効率は、「要求出力/決定された気筒数における効率1の出力」によって定義される。すなわち、ステップS36において決定された気筒数で、空燃比が理論空燃比とされ、点火時期がMBTとされるときの出力値に対する要求出力の比として定義される。
【0082】
続くステップS40では、要求効率を実現するリーン空燃比を算出する。すなわち、先の図10に示した空燃比とトルク効率との関係において、ステップS38の要求効率となるリーン空燃比を算出する。
【0083】
続くステップS42では、触媒状態に基づいて、リーン空燃比として許容される限界値を算出する。この算出は、詳しくは、先の図2に示した触媒60の酸素吸蔵量に基づき行なわれる。すなわち、酸素吸蔵量が多いと触媒60の浄化能力が低下するため、触媒60の浄化能力を保つことのできる最大の吸蔵量まで酸素吸蔵量が上昇するリーン空燃比の値を限界値として算出する。ちなみに、酸素吸蔵量は、触媒60の上流の空燃比センサ62の検出値や下流の酸素センサ64の検出値等に基づき、周知の吸蔵量の算出手法によって算出する。この酸素吸蔵量の算出手法の詳細は、例えば特開2005−9401号公報や、特開平8−193537号公報に記載されている。
【0084】
ステップS42において限界値が算出されると、ステップS44に移行する。ステップS44では、空燃比をリーン操作することが可能か否かを判断する。そしてリーン操作可能であるときには、ステップS46において要求効率をリーン操作のみで実現可能か否かを判断する。ここでは、上記ステップS40において算出されるリーン空燃比が、ステップS42において算出される限界値以下であるときには実現可能であると判断され、限界値よりも大きいときには実現不可能と判断される。
【0085】
そしてステップS46において実現可能と判断されると、ステップS48において空燃比を、上記ステップS40によって算出されたリーン空燃比とする。一方、ステップS46において実現不可能と判断されると、ステップS50においてリーン操作及び点火時期の遅角操作を行なう。ここでは、まず、リーン空燃比を、上記ステップS42で算出された限界値とする。そして、点火時期の遅角量は、決定されたリーン空燃比との協働により、上記ステップS38において算出された要求効率を満たす遅角量とされる。これは、先の図7に示した効率が、「要求出力/(決定された気筒数における効率1の出力)×(決定されたリーン空燃比における効率)」となるときの遅角量とすることで実現できる。
【0086】
これに対し、ステップS44においてリーン操作が不可能と判断されると、ステップS52では、点火時期の遅角操作のみによって上記ステップS38で算出された要求効率を算出する。これは、先の図7に示した効率が上記ステップS38で算出された要求効率となる点火時期となる。
【0087】
なお、上記ステップS34の処理や、ステップS48〜S52の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0088】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0089】
(7)気筒数の可変設定に加えて、リーン操作を行なった。これにより、気筒数の可変設定によって段階的に変化する出力を更に微調整することができる。特にエンジン2の出力を微調整すべくリーン操作をすることで、燃料消費量を低減しつつ微調整を行なうことができる。
【0090】
(8)要求出力を生成するための空燃比の可変操作量と点火時期の可変操作量とを、触媒60の状態に応じて決定した。このため、排気特性の悪化を招く空燃比とすることを回避しつつも、要求される駆動力を生成することができる。
【0091】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0092】
・第2の実施形態において、MBTの代わりに、ノッキングを抑制しつつもエンジン2の出力を最大とすることのできる点火時期を用いてもよい。
【0093】
・第2の実施形態では、理論空燃比よりもリーン側を用いてエンジン2の出力トルクを微調整したが、リッチ側を用いてもよい。
【0094】
・燃焼制御が行われる気筒数を可変するに際し、点火時期の可変操作をしなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)、(6)の効果を得ることはできる。
【0095】
・燃焼制御が行われる気筒数の可変設定をしなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)、(6)の効果を得ることはできる。
【0096】
・第1の実施形態において、クルーズ制御に際し、ABSを用いなくても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果を得ることはできる。
【0097】
・車両の加速度に基づき車両の駆動力を制御する制御手段としては、加速度に基づき車両に要求される駆動力を算出する駆動力算出手段と、算出される駆動力に基づき当該車両を操作する操作手段とを備えるものに限らない。例えば、車両の加速度a(及びトランスミッション6の変速比等)と、車両の走行方向に働く力を打ち消す駆動力を生成するためのエンジン2の操作パラメータの値との関係を定めたマップを備えるようにしてもよい。これにより、エンジン制御装置20の演算負荷を低減することができる。
【0098】
・クルーズ制御に際し、車両の速度を前記目標速度に追従させるために要求される駆動力を算出する算出手段と、該算出される駆動力を生成すべく、前記車両に搭載される多気筒内燃機関における燃焼制御が行われる気筒数を可変設定する制御手段を備えるクルーズ制御装置における上記算出手段としては、車両の加速度aに基づき上記駆動力を算出するものに限らない。例えばPID制御によって上記駆動力を算出するものであってもよい。
【0099】
・エンジン2としては、4気筒のガソリンエンジンに限らない。ちなみに、気筒数が多いほど、燃焼制御が行われる気筒数を可変設定することによる出力の変化量を抑制することができるため、上記可変設定に適している。
【0100】
・車両の加速度に基づき車両の駆動力を制御する制御手段としては、エンジン2や油圧アクチュエータ12を操作するものに限らない。例えば、車両がハイブリッド車両である場合には、電動モータを回生制御することで、車両の制動力を付与するようにしてもよい。
【0101】
・車両の加速度を検出する検出手段としては、車輪速センサ14の検出結果に基づき加速度を算出(検出)するものに限らず、例えば圧電効果等を利用して、自身に加わる力に基づき加速度を検出する手段等の検出結果に基づき加速度を算出するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明にかかるクルーズ制御装置の第1の実施形態の構成を示す図。
【図2】同実施形態のエンジンの構成を示す図。
【図3】同実施形態にかかるクルーズ制御にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図4】下り坂で車両に加わる力を示す図。
【図5】車速と目標速度との差が同一であっても加速度が異なる例を示すタイムチャート。
【図6】エンジンによって生成される出力を示す図。
【図7】点火時期と出力トルクの効率との関係を示す図。
【図8】上記実施形態にかかる気筒数の可変設定及び点火時期の可変操作の態様を示す図。
【図9】車両の駆動力の制御態様と、そのときの車速の推移とを示すタイムチャート。
【図10】空燃比と出力トルクの効率との関係を示す図。
【図11】第2の実施形態にかかるクルーズ制御にかかる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0103】
2…エンジン(多気筒内燃機関)、14…車輪速センサ、12…油圧アクチュエータ(制動手段に対応)、20…エンジン制御装置(制御手段に対応)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された目標速度に追従するように車両を定速走行させるクルーズ制御を行うクルーズ制御装置において、
前記車両の加速度を検出する検出手段と、
前記クルーズ制御に際し、前記検出手段により検出される車両の加速度に基づいて、前記車両の走行方向に働く力を打ち消すように、当該車両の駆動力を制御する制御手段とを備えることを特徴とするクルーズ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車両の速度と前記目標速度との差が同一のとき、前記車両の加速度が大きいほど当該車両の駆動力が小さくなるように前記駆動力を制御することを特徴とする請求項1に記載のクルーズ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出値に基づき当該車両に要求される駆動力を算出する駆動力算出手段と、該算出される駆動力に基づき当該車両を操作する操作手段とを備えて、当該車両の駆動力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のクルーズ制御装置。
【請求項4】
前記駆動力算出手段は、前記加速度の検出値に当該車両の総重量を乗算することで当該車両の走行方向に働く力を算出する手段と、該算出される力を打ち消すために必要な駆動力に基づき、前記要求される駆動力を算出する手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載のクルーズ制御装置。
【請求項5】
前記車両は、その原動機として多気筒内燃機関を備えるものであり、
前記操作手段は、前記要求される駆動力に応じて、燃焼制御が行われる前記内燃機関の気筒数を可変設定することを特徴とする請求項3又は4に記載のクルーズ制御装置。
【請求項6】
前記操作手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定に加えて、前記内燃機関の空燃比及び点火時期の少なくとも一方の可変操作を行なうことを特徴とする請求項5記載のクルーズ制御装置。
【請求項7】
前記内燃機関の排気を浄化する触媒の状態を検出する検出手段を更に備え、
前記操作手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定、前記空燃比の可変操作、及び前記点火時期の可変操作を行なうものであって且つ、前記要求される駆動力とするための前記空燃比の可変操作量及び前記点火時期の可変操作量を、前記触媒の状態に応じて決定することを特徴とする請求項6記載のクルーズ制御装置。
【請求項8】
前記車両は、該車両の制動力を制御する制動手段を備え、
前記操作手段は、前記算出される駆動力に応じて前記制動手段を操作することを特徴とする請求項3又は4に記載のクルーズ制御装置。
【請求項9】
当該車両は、該車両の制動力を制御する制動手段を備え、
当該クルーズ制御装置は、前記駆動力算出手段により算出される駆動力を、前記原動機の出力と前記制動手段の制動力とに振り分ける手段を更に備え、
前記操作手段は、前記振り分けられる駆動力に基づき前記原動機及び前記制動手段の少なくとも一方を操作することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のクルーズ制御装置。
【請求項10】
設定された目標速度に追従するように車両を定速走行させるクルーズ制御を行うクルーズ制御装置において、
前記クルーズ制御に際し、前記車両の速度を前記目標速度に追従させるために要求される駆動力を算出する算出手段と、
該算出される駆動力を生成すべく、前記車両に搭載される多気筒内燃機関における燃焼制御が行われる気筒数を可変設定する制御手段を備えることを特徴とするクルーズ制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記算出手段によって算出される駆動力を生成すべく、前記気筒数の可変設定に加えて、前記内燃機関の空燃比及び点火時期の少なくとも一方の可変操作を行なうことを特徴とする請求項10に記載のクルーズ制御装置。
【請求項12】
前記内燃機関の排気を浄化する触媒の状態を検出する検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記要求される駆動力に応じて、前記気筒数の可変設定、前記空燃比の可変操作、及び前記点火時期の可変操作を行なうものであって且つ、前記要求される駆動力とするための前記空燃比の可変操作量及び前記点火時期の可変操作量を、前記触媒の状態に応じて決定することを特徴とする請求項11記載のクルーズ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−312924(P2006−312924A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283787(P2005−283787)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】