トランジスタの製造方法およびメモリデバイスの製造方法
【課題】DRAM用アクセストランジスタの表面領域を小さくするメモリデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】トランジスタの製造方法の一実施形態は、基板内のゲート用溝部を規定することによってゲート電極を形成することを含む。上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎にてプレート状部がそれぞれ規定される。上記ゲート用溝部を挟む上記2つの各プレート状部が互いに連結される。上記一実施形態では、上記2つの各プレート状部は、上記半導体基板の材料に対して、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって規定される。ゲート絶縁体は、能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記の各プレート状部との間の界面部において設けられる。ゲート電極の材料は、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とを充填するように堆積形成される。
【解決手段】トランジスタの製造方法の一実施形態は、基板内のゲート用溝部を規定することによってゲート電極を形成することを含む。上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎にてプレート状部がそれぞれ規定される。上記ゲート用溝部を挟む上記2つの各プレート状部が互いに連結される。上記一実施形態では、上記2つの各プレート状部は、上記半導体基板の材料に対して、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって規定される。ゲート絶縁体は、能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記の各プレート状部との間の界面部において設けられる。ゲート電極の材料は、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とを充填するように堆積形成される。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、特にダイナミックランダムアクセスメモリセルに用いることのできるトランジスタの製造方法に関する。本発明はさらに、メモリデバイスの製造(形成)方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のメモリセルは、一般的には、記憶される情報である電荷を蓄積するためのストレージキャパシタ、およびこのストレージキャパシタに接続されたアクセストランジスタを備えている。アクセストランジスタは、第1および第2のソース/ドレイン領域、この第1および第2の各ソース/ドレイン領域を互いに接続するチャネル、並びに、第1および第2のソース/ドレイン領域間を流れる電流を制御するゲート電極を有している。
【0003】
トランジスタは、通常は、少なくとも部分的には半導体基板内に形成されている。ゲート電極は、ワード線の一部を形成し、またゲート絶縁層によって上記チャネルに対して電気的に絶縁されている。対応するワード線を介してアクセストランジスタをアドレス指定することによって、ストレージキャパシタ内に記憶されていた情報が読み出される。
【0004】
現在用いられているDRAMメモリセルでは、ストレージキャパシタは、基板内において、基板の表面方向に対して直交する方向に伸びるように深くなるトレンチ内に2つの各キャパシタ電極が配置されたトレンチキャパシタとして実装することができる。
【0005】
DRAMメモリセルの別の実施例によると、基板表面の上に形成されたスタックドキャパシタ内に電荷が蓄積されている。
【0006】
メモリデバイスは、周辺回路部分をさらに有している。メモリデバイスの周辺回路部分は、一般的にはメモリセルをアドレス指定し、また個々のメモリセルから受け取った信号を検知し、処理するための回路を有している。周辺回路部分は、通常は個々のメモリセルと同じ半導体基板内に形成されている。したがって、メモリセルアレイの構成要素および周辺回路部分が同時に形成できる製造プロセスであることが非常に望ましい。
【0007】
メモリセルのトランジスタでは、トランジスタのチャネル長に下限の境界があり、この境界を下回るチャネル長では、アドレス指定されていない状態にあるアクセストランジスタの絶縁特性が十分ではない。有効なチャネル長leffの上記下限の境界によって、半導体基板の基板表面に対し平行に沿って形成されたアクセストランジスタを有するプレーナトランジスタセルの拡張性が制限される。
【0008】
垂直トランジスタセルは、メモリセル形成に必要な表面領域を小さく維持する一方、チャネル長を増加させる可能性を提供する。このような垂直トランジスタセルでは、アクセストランジスタのソース/ドレイン領域およびチャネル領域は、基板表面に対して直交する方向にて並んでいる。
【0009】
有効なチャネル長Leffを増加させるという概念は、例えば、特許文献1に記載された例で知られているように、凹み形状チャネルトランジスタ(recessed channel transistor)において言及されている。このようなトランジスタでは、第1および第2の各ソース/ドレイン領域は、基板表面に平行な水平面上に位置している。ゲート電極は、半導体基板内に形成された溝内に配置されている。この溝は、トランジスタの2つの各ソース/ドレイン領域間に配置されている。
【0010】
したがって、有効なチャネル長は、2つの各ソース/ドレイン領域間の距離と、凹み形状の溝の深さの2倍との和に等しい。有効なチャネル幅Weffは、最小構造寸法Fと対応している。
【0011】
上記概念の、公知の別のトランジスタとして、FinFETに関するものがある。FinFETの能動領域は、一般的にはフィンまたはリッジ(山の背)のような形状をしており、半導体基板内の2つの各ソース/ドレイン領域の間に形成されている。ゲート電極は、上記フィンを、その2つまたは3つの各面にて囲んでいる。非特許文献1は、さらに別のトランジスタを開示している。
【0012】
特殊なコンタクトプラグを形成する方法については、特許文献2に記載されている。この全内容は、本明細書において援用される。
【特許文献1】米国特許第5、945、707号(登録日:1999年08月31日)
【特許文献2】米国出願公開公報第2005/003308号(公開日:2005年01月06日)
【非特許文献1】Deok-Hyung Leeらによる「Fin-channel-array transistor (FCAT)featuring sub-70nm low power and high performance DRAM」、IEDM Tech. Dig., pp 407〜410, 2003
【0013】
〔発明の概要〕
本発明に係る1以上の各実施形態は、トランジスタの製造方法を提供する。一実施形態では、上記製造方法は、基板内のゲート用溝部を規定することによってゲート電極を形成することを含む。上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎の内部にてプレート状部が規定される。上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間が連結される。ゲート絶縁体は、能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記の各プレート状部との間の界面部において設けられる。ゲート電極の材料は、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とを充填するように堆積形成される。
【0014】
〔図面の簡単な説明〕
本発明をさらに理解するために図面が添付されている。これらの図面は、本明細書の一部に組み込まれ、またその一部を構成している。上記図面は、本発明の実施形態を例証しており、本明細書中の説明と共に本発明の原理を説明している。本発明の別の実施形態、および本発明において意図されている多くの利点については、以下の詳細な説明を参照して理解を深めることによって容易に理解できるであろう。図面中の素子は、必ずしも互いの相対的な大きさの関係の違いを示すものではない。各図において部材番号が同一のものは、前述し、対応している同様の部材を示している。
【0015】
図1は、本発明によるメモリデバイスの一実施形態の平面図である。図2A〜図2Fは、本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の各工程での平面図または断面図である。
【0016】
図3〜図33は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第1の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図34〜図54は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第2の実施形態の各工程(各プロセス)をそれぞれ示す平面図または断面図である。図55〜図58は、上記第2の実施形態における一変形例の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0017】
図59は、本発明の第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品を示す断面図である。図60は、本発明の第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品の一変形例を示す断面図である。
【0018】
図61〜図77は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第3の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図78〜図86は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第4の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0019】
図87〜図100は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第5の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図101〜図119は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第6の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0020】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明では、添付図面を参照している。添付図面は、詳細な説明の一部を構成しており、また本発明を実施できる具体的な実施形態を例証している。これに関して、「上部」「底部」「前」「後」「先端の」「後端の」などの方向を表す用語は、説明されている図面の方向に照らしながら用いられている。本発明の実施形態の部材は、異なる多くの方向に配置可能である。したがって方向を表す上記用語は、例証する目的のために用いられるものであって、限定するものではない。
【0021】
本発明の範囲から逸脱することなく、別の実施形態を用いることができ、また論理的変化を加えることができることについて理解されたい。したがって以下の詳細な説明は、限定的な意味をなすものと見なされることはなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定される。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるトランジスタ、あるいは本発明による方法を用いて製造できるトランジスタを備えた典型的なメモリデバイスの平面図を示している。図1の中心部では、メモリセル100を含むメモリセルアレイが図示されている。各メモリセル100は、ストレージキャパシタ3およびアクセストランジスタ16を有している。
【0023】
ストレージキャパシタ3は、ストレージ電極およびその対電極を有している。このストレージ電極は、それに対応する1つのアクセストランジスタ16の内の第1のソース/ドレイン領域121に接続されている。
【0024】
アクセストランジスタ16の第2のソース/ドレイン領域122は、対応するビット線に接続されている。第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122との間に形成されたチャネルの導電性は、対応するワード線8によってアドレス指定されるゲート電極によって制御される。上記ストレージキャパシタは、一実施形態では、トレンチキャパシタまたはスタックドキャパシタとして実施可能である。
【0025】
メモリセルアレイの具体的な配置は任意である。具体的には、メモリセル100は、例えばチェス盤状またはその他の適切な形態で配置することができる。図1に示されているように、メモリセルアレイは、1つのメモリセル100は、8F2(4F×2F)の領域を有し、かつ折り返しビット線構造で実施できるように配置される。
【0026】
図1のメモリデバイスは、周辺回路部分101をさらに有している。周辺回路部分101は、通常はコア回路(core circuitry)102を有している。コア回路102は、ワード線8をアドレス指定するためのワード線ドライバ103、およびビット線9によって伝送された信号を検知するためのセンスアンプ104を有している。コア回路102は、通常は、個々のメモリセル100を制御およびアドレス指定するためのトランジスタなどの、他のデバイスを有している。
【0027】
周辺回路部分101は、通常、コア回路102の外側に配置されたサポート回路部105をさらに有している。周辺回路部分のトランジスタは任意であってよい。具体的には、これらのトランジスタは、従来のプレーナトランジスタとして実施してよい。しかし、これらのトランジスタは、図2に示されている製造方法によって形成されたものであってもよい。
【0028】
図2Aは、第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122とを直線状に連結する仮想線が伸びる方向である、第1の方向に沿ったアレイ状のトランジスタ16の断面図を示している。
【0029】
トランジスタ16は、第1のソース/ドレイン領域121、第2のソース/ドレイン領域122、および第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122とを接続しているチャネル14を有している。チャネル14の導電性は、ゲート電極85によって制御される。能動領域12は、フィンまたはリッジのような形状をしており、このフィンの3つの面はゲート電極によって囲まれている。
【0030】
第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、半導体基板1の表面領域内に位置している。ゲート電極85は、溝領域852および2つの各プレート状部851を有している。
【0031】
ゲート電極85の溝領域852は、基板表面10から内側へのエッチングにより形成されたゲート用溝部73内に配置されている。したがって、能動領域の最上面11aは、半導体基板の表面10の位置よりも、半導体基板の内部の深い位置に配置されている。プレート状部851は、示されている断面図の前方および後方において、それぞれ、プレート状に伸びるように形成されているため、破線で示されている。
【0032】
溝領域852の下部は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって、シリコン材料から電気的に絶縁されている。第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、窒化ケイ素スペーサ86によって、溝領域852から電気的に絶縁されている。
【0033】
さらに、窒化ケイ素スペーサ86と、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122との間には、犠牲用の二酸化シリコン層181がそれぞれ配置されている。
【0034】
第1のソース/ドレイン領域121とストレージキャパシタとを電気的に接続するために、第1のコンタクト領域93が備えられていて、また、第2のソース/ドレイン領域とビット線(図示せず)とを電気的に接続するために、第2のコンタクト領域94が備えられている。
【0035】
ゲート電極85は、通常、ポリシリコンからなる。第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、標準的あるいは高濃度にドープされたシリコン領域として導入されるため、優れた電気的導電性を示す。第1のソース/ドレイン領域121、または双方の各ソース/ドレイン領域121、122は、チャネル領域と高濃度ドープ領域との間に配された低濃度ドープ領域(図示せず)を任意で有していてよい。
【0036】
チャネル14は、低濃度にてpドープされているため、ゲート電極85に適切な電圧が印加されない限りは、第1のソース/ドレイン領域を第2のソース/ドレイン領域から絶縁させるものとなっている。
【0037】
第1のコンタクト領域93と第2のコンタクト領域94との間の電流路は、第1の垂直方向(すなわち下方向)に伸びる第1構成要素部15aと、水平方向(つまり、半導体基板1の表面方向に沿った方向、また、上記垂直方向に対し直交する方向)に伸びる第2構成要素部15bと、上方(すなわち、第1の垂直方向に対向する方向である第2の垂直方向)に伸びる第3構成要素部15cとを有している。言い換えると、上記電流路の長さは、チャネル14の領域の長さと、各ソース/ドレイン領域121、122の境界から各コンタクト領域93、94までの各距離とを有している。
【0038】
このように、第1のコンタクト領域93から第2のコンタクト領域94へ流れる電流は、まず軽度にゲート制御された垂直路、続いて強度にゲート制御された垂直路、強度にゲート制御された水平路、強度にゲート制御された垂直路、続いて軽度にゲート制御された垂直路を有する。
【0039】
言い換えると、上記電流路は、基板表面に形成された凹みの内壁に沿って伸びるように形成された部分を有しているため、高濃度ドープされた第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122との最短距離は、能動領域が基板表面に沿って配され、かつ電流路が水平路のみを有している従来のFinFETに比べて長くなる。
【0040】
この結果、ソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界が小さくなり、結果としてリーク電流が低減する。さらに、高濃度ドープ領域である各ソース/ドレイン領域121、122は、スペーサ86によってゲート電極85の溝領域852から分離される。このため、ゲート電極の電界が高濃度ドープ領域へ及ぼす影響が低減される。
【0041】
図2Bは、図2Aの断面方向に対し直交する断面方向における、本発明に係る上記トランジスタの断面図を示している。具体的には、能動領域のフィン領域11周辺の区域、すなわち幅の狭い能動領域部分が図示されている。上記フィン領域の3つの面は、ゲート電極によって囲まれている。フィン領域11内では、能動領域はリッジ形状またはフィン形状をしている。能動領域は、最上面11a、および水平方向での2つの各側面11bを有している。前記電流路に沿った方向における、最上面11aの長さは、各側面11bのそれぞれの長さより短い。
【0042】
図2Bでは、ゲート電極85のプレート状部851が、リッジ形状の側面11bに沿って位置しており、またゲート電極の溝領域852がリッジ形状の最上面11aに沿って配置されている。ゲート電極85は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってフィン領域11から絶縁されている。図2Bに見られるように、電流路15は、図1Bに示されている平面に対して直交する方向に伸びるように形成されている。
【0043】
フィン領域の幅が狭いため、トランジスタの基板部(transistor body)を完全に空乏化することができる。このため、上記トランジスタのサブスレッショルド係数の特性を改善(上記係数のスローブを急峻化)することができる。この結果、オン電流/オフ電流の比が改善される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、チャネル領域の幅が第1および第2のソース/ドレイン領域よりも狭くなるように、フィン領域を部分的に薄くすることができる。これにより、ソース/ドレイン領域のコンタクト領域が縮小されることなく、トランジスタのオフ電流が公知のトランジスタに対してさらに改善される。この結果、接触抵抗が上昇することは回避される。
【0045】
図2Aおよび図2Bに示されている構造では、チャネル長Leffは、第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間の距離に対応している。さらにチャネル幅は、導電性がゲート電極によって制御される領域の幅に対応している。具体的には、フィンの高さは20nm〜100nmであってよく、またフィンの幅は35nm未満であってよい。
【0046】
したがって、本発明のトランジスタは、チャネル幅が拡大されることによって抵抗が低減されるため、公知のトランジスタと比べて改善されたオン電流を提供する。さらに、本発明のトランジスタは、サブスレッショルド係数のスロープが大きく、また基板効果(body effect)が大幅に改善されている。このため、オン電流がさらに増加する。
【0047】
さらに、上記トランジスタは、従来のトランジスタと比べてチャネル長がより大きく、また、サブスレッショルド特性のスロープがより大きいため、改善されたオフ電流を提供するものとなっている。つまり、図2Aおよび図2Bに示されているトランジスタは、向上されたオン電流と減少されたオフ電流とを兼ね備えている。
【0048】
図2Cは、図2Aに示されているトランジスタ構造の変形例を示している。図2Cでは、第1のソース/ドレイン領域は、高濃度ドープされた部分121”と低濃度ドープされた領域121’とを有している。低濃度ドープされた領域121’は、第2のソース/ドレイン領域122と同じ深さまで伸びている。
【0049】
高濃度ドープされた部分121”とチャネル14との間に低濃度ドープされた領域121’を備えることによって、接合境界での電界が弱められる。したがって、接合リーク電流を低減することができる。
【0050】
一般的に、リーク電流は、ゲート電極がアドレス指定されていない(ゲート電極に制御電圧が印加されていない)ときの、ストレージキャパシタから第2のソース/ドレイン領域またはシリコン基板(silicon body)へ流れる電流に対応している。
【0051】
特に、第1のソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界はリーク電流に強く影響を及ぼすため、第1のソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界を弱めると有利である。
【0052】
リーク電流を低減することによって、情報の保持時間(すなわち、メモリセル内に情報がはっきりと記憶されている時間)を長くすることができる。
【0053】
したがって、第1のソース/ドレイン領域および第2のソース/ドレイン領域の構成が非対称的であると有利である。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121が低濃度ドープ部分および高濃度ドープ部分を有していて、かつ低濃度ドープ部分121’が第2のソース/ドレイン領域122と同じ深さまで伸びている、図2Cに示されている構成が特に有利である。
【0054】
しかし、第2のソース/ドレイン領域122が、高濃度ドープ領域とチャネル領域との間に配された低濃度ドープ領域と、高濃度ドープ領域とを有している場合であっても、これは本発明の範囲内である。具体的には、低濃度および高濃度ドープ部分を有する第1および第2のソース/ドレイン領域を対称的に構成することができる。
【0055】
図2Cに示されている実施形態によれば、低濃度ドープされた第1のソース/ドレイン領域121’の下面は、ゲート電極の溝領域852の下端部より下側、すなわちフィン領域の最上面より下側に位置している。この結果、第1のソース/ドレイン領域の有効な幅を飛躍的に拡大することができる。この幅によって主にオン電流が決定されるため、トランジスタのオン電流特性がさらに改善される。
【0056】
後にストレージキャパシタに接続される、高濃度ドープされた第1のソース/ドレイン部分121”は、厚いスペーサ86によってゲート電極から遮断されている。したがって、ストレージロード(storage load)に接続された接合部の電界が弱まる。この結果、保持時間がさらに長くなる。
【0057】
上述のトランジスタに対して、数通りかの変化を加えることができる。例えば、ゲート電極のゲート用溝部の底部から20nm〜100nmの深さまでプレート状部851をさらに伸ばすことができる。
【0058】
図2Aに示されている構造は、例えばシリコン基板材料、および素子分離用トレンチから絶縁材料をエッチングするエッチングプロセスを行うことによって得られる。次に、ゲート電極のプレート状部851を形成するために、素子分離用トレンチ内にポケット部がエッチングにより形成される。これは具体的には、シリコンに対して二酸化ケイ素(SiO2)を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって行われる。
【0059】
このような方法によってトランジスタを形成するためには、第1のハードマスク層スタックが、二酸化ケイ素層、ポリシリコン(多結晶シリコン)層、二酸化ケイ素層、そして最上部にポリシリコン層を有していることが好ましい。あるいは、上記第1のハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層、二酸化ケイ素層、および最上部にポリシリコン層を有していてよい。いずれの場合においても、上記第1のハードマスク層スタックが、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスによって侵されることのないポリシリコン層を最上部に有していることが重要である。
【0060】
上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックが任意で備えられていてもよい。
【0061】
図2Dおよび図2Eでは、半導体基板1内に形成されたゲート用溝部内にゲート電極85が形成されている。また、プレート状部851は、溝領域852よりもわずかに深く基板の内方に向かって伸びている。具体的には、図2Eに示されているように、プレート状部851は、ゲート電極の溝領域の底部から、さらに約5nm〜20nmの深さまで伸びている。
【0062】
さらに、ゲート電極に隣接する領域は、素子分離用トレンチ2を形成することによって構成される能動領域に対して狭小化されてはいない。したがって、一般的なゲート電圧を印加する際にチャネルが完全に空乏化されることはない。
【0063】
しかし、図2Eから具体的に分かるように、得られるトランジスタのチャネル幅は、従来の凹み形状チャネルトランジスタに比べて拡大している。
【0064】
図2Dに示されているトランジスタでは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、同図に示されている深さより深い位置まで伸ばすことができる。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、ゲート用溝部73の底部の下側まで伸ばすことができる。以下では、図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタは、拡張U字状ゲート用溝部デバイス(EUD:extended u-groove device)とも称される。
【0065】
本明細書において以下に詳細に説明するように、図2Dおよび図2Eに示されているデバイスを製造する際にゲート電極を備えるプロセスは、半導体基板の表面から、半導体基板の表面に、その表面方向に対し垂直な方向(直交する方向)に向かって第1の深さまで伸びるように、半導体基板内の能動領域にゲート用溝部を構成する工程を含んでいる。
【0066】
具体的には、ゲート用溝部を構成するプロセスは、素子分離用トレンチの絶縁材料に対して基板材料を選択的にエッチングする選択的エッチングプロセスを含んでいる。その後、ゲート用溝部における、各素子分離用トレンチに隣り合う位置にポケット部がそれぞれ構成される。この結果、第1の深さより深い第2の深さまで伸びる2つの各ポケット部がゲート用溝部に連結され、それにより、これら2つの各ポケット部間にゲート用溝部が配置される。
【0067】
次のプロセスでは、能動領域とゲート用溝部との界面部、および能動領域と各ポケット部との界面部にゲート絶縁体が設けられ、そして、ゲート用溝部および2つの各ポケット部を充填するようにゲート電極材料が堆積により配置される。
【0068】
上記のようなゲート用溝部を規定して形成するために、様々な種類の各ハードマスクを用いることができる。具体的には、半導体基板1の表面上、あるいは半導体基板の表面上に堆積された二酸化ケイ素の犠牲層上に、第1のハードマスク層スタックが備えられていてもよい。この第1のハードマスク層スタックは、半導体基板の材料とは異なる材料の層を少なくとも1つ有している。第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックが任意で備えられていてもよい。
【0069】
図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタを形成するために基板内のゲート用溝部をエッチングにより形成するプロセスは、素子分離用トレンチの絶縁材料に対して半導体材料を選択的にエッチングするプロセスである。図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタを形成するためには、第1のハードマスク層スタックが、最上層としてポリシリコン層を有している必要はない。具体的には、第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコン層/二酸化ケイ素層/ポリシリコン層(任意)、窒化ケイ素層/二酸化ケイ素層/ポリシリコン層(任意)、およびポリシリコン層/窒化ケイ素層、のいずれかの組み合わせであってよい。
【0070】
しかし、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを用いることが好ましい。具体的には、炭素ハードマスクは炭素層からなり、物理的気相成長法または化学気相成長法による堆積により形成されるものであってもよい。具体的には、上記炭素層は無定形炭素(アモルファスカーボン)から形成されていてよい。無定形炭素は、任意で水素を含有していてよい。
【0071】
詳細には、微細化をたどる半導体デバイスの製造に際して、構成される構造物の深さと幅とのアスペクト比を特定の値に限定させるために、薄いレジスト材料を用いる必要がある。
【0072】
しかし、厚みが100nm〜200nmのレジスト層を用いた場合は、エッチングプロセスにおいて所望する選択性を得ることができない。このため、厚みが200nm〜300nmの炭素層、および厚みが約50nm〜70nmの窒素酸化シリコン層を有する炭素ハードマスクを用いることが好ましい。
【0073】
具体的には、パターン形成されたハードマスクとしてSiON層が用いられる。炭素層をパターン形成するための後のプロセスにおいて、パターン形成されたSiON層がハードマスクとして用いられる。炭素からなるハードマスクは、例えば酸素プラズマによって容易にエッチングにより除去できるため非常に有利である。
【0074】
本発明の方法によって製造されるトランジスタは、例えば図2Aに示されているように、側壁状のスペーサ86を有していると有利である。具体的には、側壁状のスペーサ86は、ゲート電極85と、第1および第2のソース/ドレイン領域121、122との間の界面に配置され、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122からゲート電極85を効果的に絶縁する。
【0075】
側壁状のスペーサ86は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88より厚みが大きいため、ゲート電極85に印加された電位を隣り合う第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122から効果的に遮断する。具体的には、側壁状のスペーサ86の少なくとも上部が二酸化ケイ素によって形成されることが好ましい。
【0076】
図2Fは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が、図2Dに示されているよりも深い位置まで伸びているEUDを示している。さらに、ゲート電極85と、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122との間の境界にスペーサが配置されていて、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122からゲート電極85を電気的に絶縁している。
【0077】
本発明の好ましい実施形態によると、FinFETまたはEUDを形成する際にゲート用溝部が形成され、そして犠牲材料からなるスペーサが形成される。このスペーサは、後のプロセスにおいて二酸化ケイ素のスペーサなどの恒久スペーサと置換される。この場合、後のプロセスにおいて二酸化ケイ素のスペーサなどの恒久スペーサと置換される上記犠牲スペーサの特性を利用できため有利である。
【0078】
この場合、上記犠牲スペーサは、恒久スペーサが形成される位置、具体的にはゲート電極を、第1および第2のソース/ドレイン領域から離間しているギャップの位置に形成される。
【0079】
さらに、本発明の方法によると、第1のハードマスク層スタック内に開口部を形成した後に、第1の開口部の側壁に犠牲スペーサを形成することが好ましい。その後、基板材料が等方性エッチングされ、次の工程において犠牲スペーサが除去される。これによって、基板内に形成された溝の直径が、第1のハードマスク層スタック内の第1の開口部の直径に対して縮小される。これによって限界寸法(critical dimension;CD)がさらに低減される。
【0080】
さらに、トランジスタをそれぞれ備えたメモリセルアレイと周辺回路部分とを有するメモリデバイスの製造において、周辺回路部分とメモリセルアレイ部分との各トランジスタの製造には様々な方法がある。
【0081】
例えば、周辺回路のゲート絶縁層および周辺回路のポリシリコン層を形成し、次にアレイトランジスタを完成させ、続いて、層スタックを堆積させて、周辺回路のゲート電極およびメモリセルアレイのワード線を形成してもよい。
【0082】
この場合、周辺回路のゲート絶縁層および周辺回路のポリシリコン層は、アレイトランジスタを形成するための第1のハードマスク層スタックの一部として用いられる。この実施形態は、ハードマスク層スタックおよび周辺回路のゲート電極の層を一般的な堆積プロセスによって同時に形成することができるため有利である。
【0083】
あるいは、犠牲酸化層を成長させた後にアレイトランジスタを形成し、続いて、周辺回路のゲート絶縁層を形成するプロセス、および周辺回路のゲート電極ならびにアレイのワード線を形成するための層スタックを形成するプロセスを行ってもよい。この実施形態は、アレイトランジスタを形成するためのプロセスによって周辺回路のゲート絶縁層の形成が影響を受けることがないため有利である。
【0084】
さらに、本発明は、第2のソース/ドレイン領域を、それに対応するビット線に電気的に接続するためのビット線を有するメモリセルアレイの製造方法を提供する。具体的には、二酸化ケイ素層、ポリシリコン層、および二酸化ケイ素層を有するハードマスク層スタックが第1のハードマスク層スタックとして用いられる場合は、ビット線コンタクト部を形成するための特別な方法を用いることができる。
【0085】
しかし、第1のハードマスク層スタックが窒化ケイ素および二酸化ケイ素層を有している場合は、互いに隣り合う各ワード線間の容量結合を回避し、これによってクロストーク効果を低減することができるという利点を発揮できる。
【0086】
以下の説明では、ゲート誘電体層またはゲート絶縁層について、例えば、詳細にはゲート酸化物などについて言及するが、当業者には明らかであるように、ゲート誘電体層として他の任意の適切な誘電体材料を用いることもできる。
【0087】
図3〜図33は、本発明の第1の実施形態を示している。以下に説明するように、二酸化ケイ素からなるスペーサを有する、本発明に係るトランジスタを備えたメモリセルが提供される。
【0088】
図3Aは、ストレージキャパシタを形成した後、および能動領域12を規定した後のメモリセルアレイの一部の平面図を示している。具体的には、能動領域がストライプ状の各セグメント(segments of stripes)として形成される。1列内にある能動領域12の、互いに隣り合う2つの各セグメントは、トレンチ最上部の酸化物層34によって互いに絶縁される。トレンチ最上部の酸化物層34は、上記セグメントに対応するトレンチキャパシタの上側に形成される。
【0089】
別々の列内にある能動領域12の隣り合う各ストライプ同士は、離間していて、隣り合う列と列との間には絶縁用トレンチが配置される。これらの絶縁用トレンチには絶縁材料が充填される。各能動領域12のセグメントはチェス盤状に配置され、隣り合う各列のセグメント同士が互い違いになるように配置される。より具体的には、隣り合う列のセグメントはセルピッチの半分、特に2F分、オフセット(互いにずれて配置)される。
【0090】
図3Bは、図3Aに示すアレイのI−I間の断面図を示している。図3Bに見られるように、半導体基板1(具体的にはシリコン基板)内にて、その内方に向かって伸びるように、溝状のストレージキャパシタ3が配置される。ストレージキャパシタ3は、内部キャパシタ電極31およびキャパシタ誘電体312を有している。キャパシタ誘電体312は、内部キャパシタ電極31と、それの対である対電極313との間に配置される。ストレージキャパシタ3の上部には、当技術分野では一般的であるように、素子分離用カラー32が配置される。
【0091】
内部キャパシタ電極31と、素子分離用カラー32の上に形成された埋め込みストラップウィンドウ33とが電気的に接触するように、ポリシリコン充填材311が備えられている。ポリシリコン充填材311の上には、トレンチ最上部の酸化物層34が備えられている。トレンチ最上部の酸化物層34は、例えば、厚み全体が約30nmであってよく、また埋め込みストラップウィンドウ33が基板表面10の近傍に配置されるように、基板表面10から、例えば約15nm突出していることが好ましい。部材番号21にて示した破線は、図示されている断面と平行な断面に沿って形成された素子分離用トレンチ2の底部を示している。
【0092】
ストレージキャパシタ3の形成については公知であるため、便宜上その説明を省略している。トレンチキャパシタは、具体的には、内部キャパシタ電極31と、形成されるトランジスタの第1のソース/ドレイン部分との間の電気的接触が得られるように埋め込みストラップを有している。ポリシリコン充填材311のドーパントは基板部分へ拡散して、拡散部分331から埋め込みストラップを形成する。
【0093】
さらに、能動領域12の側方を限定するための素子分離用トレンチ2がエッチングされ、そして公知であるように絶縁材料によって充填される。素子分離用トレンチ2には、具体的には第1の二酸化ケイ素層、窒化ケイ素の下地層、および二酸化ケイ素充填材料が充填される。
【0094】
次のプロセスでは、図4に示すように、第1および第2の各ハードマスク層スタック4が堆積により形成される。具体的には、厚みが約10nmの窒化ケイ素層41、厚みが約120nmの二酸化ケイ素層42、および厚みが約50nmのポリシリコン層43が堆積される。その後、厚みが約180nmのハードマスクとしての炭素層44、および厚みが約60nmの酸化窒化ケイ素(SiON)層45が堆積される。
【0095】
酸化窒化ケイ素層45は、具体的には炭素層44をパターン形成するためのハード層として機能する。さらに、酸化窒化ケイ素層45は反射防止用のコーティング層である。基板表面10と窒化ケイ素層41との間に、二酸化ケイ素の犠牲層(図示せず)が備えられていてもよい。上記プロセスにより得られる構造は、図4に示されている。
【0096】
次のプロセスでは、図5に示すように、酸化窒化ケイ素層45内に開口部が形成される。酸化窒化ケイ素層45内の開口部は、例えばテーパーエッチングプロセスによって、最上部の径よりも底部の径が小さくなるように形成される。
【0097】
上記開口部は、楕円形となるように形成されることが好ましく、その場合、長径と短径との比率が約2:1〜約2:1.2となるように形成される。具体的には、酸化窒化ケイ素層45の底部における開口部の径は、50nm〜300nmであってよい。上記プロセスにより得られる構造は図5に示されている。
【0098】
次のプロセスでは、図6に示すように、ハードマスクである炭素層44がエッチングされる。その後、選択的エッチングプロセスによって、ポリシリコン層43および二酸化ケイ素層42が窒化ケイ素層41までエッチングされる。上記プロセスにより得られる構造は図6に示されている。図6の上部には、上記構造の平面図が示されている。
【0099】
図示されているように、酸化窒化ケイ素層45内に開口部46が形成される。図6の下部は、図6の上部に示した構造のI−I間の断面図を示している。下部に見られるように、開口部46は窒化ケイ素層41に至る深さまで、各層の厚さ方向に沿って伸びるように形成されている。
【0100】
窒化ケイ素層41が、シリコンおよび二酸化ケイ素に対して選択的にエッチングされる。その後、二酸化ケイ素およびシリコンを同時にエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0101】
具体的には、このエッチングプロセスによってシリコンが約15nm〜60nmの深さまでエッチングされる。この結果、開口部46がシリコン基板1の内部にまで伸びるように形成される。さらに、図7に示されているI−I線に対して直交する方向の区域にある素子分離用トレンチ2の上部もまたエッチングされ、除去される。
【0102】
その後、残存している酸化窒化ケイ素層45およびハードマスクである炭素層44が除去される。具体的には、上記炭素層44は、酸素プラズマによってエッチングされてよい。上記各エッチングにより得られる構造は図7に示されている。
【0103】
図7の上部は、得られた構造の平面図を示している。図示されているように、開口部46はポリシリコン層43内に形成される。開口部46内では、能動領域12のシリコン基板1の材料は覆われない、つまり露出している。各素子分離用トレンチ2は、能動領域12に対し隣接して配置されている。開口部46内においては、素子分離用トレンチ2は、覆われていない、すなわち露出している。
【0104】
上記構造の断面図は図7の下部に示されている。図示されているように、開口部46はシリコン基板1の内部までに伸びている。開口部46は、例えば基板表面10の下方約15nm〜60nmまで伸びて、ゲート用溝部73を形成するようになっていてよい。
【0105】
図8Aに示すように、窒化ケイ素層であるスペーサ47が形成される。具体的には、厚みが約0.3Fの窒化ケイ素層がコンフォーマル(等方的)に堆積され、そして異方性エッチングプロセスが行われてスペーサ47が形成される。その後、素子分離用トレンチ2における二酸化ケイ素材料をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。具体的には、二酸化ケイ素が約100nmエッチングされる。得られる構造は図8Aおよび図8Bに示されている。
【0106】
図8Aの上部は、得られる構造の平面図を示している。図示されているように、筒状の窒化ケイ素のスペーサ47によって囲まれた開口部46がポリシリコン層43内に形成される。能動領域12の両側には素子分離用トレンチ2が備えられる。得られる構造の断面図は、図8Aの下部に示されている。この断面図は、図8Aの上部に示したように、I−I間の断面図である。図示されているように、開口部46のいずれの各側壁上にもスペーサ47が配置されている。
【0107】
図8Bは、図8AのII−II間の断面図を示している。図示されているように、素子分離用トレンチ2内にて、その厚さ方向に伸びる、各ポケット部74が酸化物エッチングプロセスによって形成される。さらに、開口部46の上部には、スペーサ47が配置されている。
【0108】
必要に応じて、等方性シリコンエッチングプロセスを行って、能動領域12を薄く形成してもよい。具体的には、能動領域は、さらに10nm〜20nm薄く形成される。この結果、得られる能動領域の幅は約35nm未満になる。次のプロセスでは、図9に示すように、例えばISSG(in-situ steam generated)酸化プロセスによって、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が堆積により形成される。得られる構造は図9に示されている。
【0109】
具体的には、図9の上部は得られる構造の平面図を示している。図示されているように、これまでの各図に対して能動領域12が薄く形成されている。表面領域全体が二酸化ケイ素層88によって覆われる。また、図9の上部はスペーサ47の位置を示している。図9の下部は、I−I間の断面図を示している。図示されているように、基板表面全体にゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88がコンフォーマルに堆積により形成される。
【0110】
図10は、図9Aの上部のII−II間の断面図を示している。図示されているように、能動領域12は薄い部分125を有している。表面全体にゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88がコンフォーマルに形成される。シリコンエッチングプロセスによって、拡張されたポケット部74’が形成される。
【0111】
窒化ケイ素の犠牲層が厚み約80nmにて表面全体に対し堆積により形成される。その後、窒化ケイ素の上記犠牲層に対して、エッチングによって約100nmの深さまで除去される。この結果、図11Aおよび図11Bに示すように、窒化ケイ素充填材49が、以前のプロセスによって形成された残りの開口部46を充填するように設けられる。
【0112】
そして、公知の方法によってゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88およびポリシリコン層43が除去される。この結果、上記開口部46内において、窒化ケイ素層であるスペーサ47および窒化ケイ素充填材49が、窒化ケイ素層41の最上部から約70nm以上の高さまで伸びるように設けられる。
【0113】
得られる構造は図11Aに示されている。図11Aは、例えば図9に見られるI−I間の断面図を示している。図11Bは、II−II間の断面図を示している。図示されているように、図11Aに示されている断面に直交する断面では、開口部46に、上記スペーサ47および窒化ケイ素充填材49が充填される。
【0114】
二酸化ケイ素層42を除去するためのエッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセスによって、スペーサ47と窒化ケイ素充填材49との間に配置されたゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88の最上部が除去される。得られる構造は図12に示されている。図12の左側はI−I間の断面図を示している。図12の右側は、メモリデバイスの周辺回路部分の、例えば図1のIII−III間の断面図を示している。図12に見られるように、ゲート電極が形成される部分を除いて、完成した基板表面が窒化ケイ素層41によって覆われる。
【0115】
厚みが4nmの二酸化ケイ素層54が、窒化ケイ素層41を保護するための層として形成される。二酸化ケイ素層54は、例えばISSG酸化プロセスによって形成することができる。得られる構造は図13に示されている。図示されているように、表面全体が二酸化ケイ素層54によって覆われる。
【0116】
アレイ部分を露出させた状態にて、メモリデバイスの周辺回路部分上にレジスト層35が設けられる。さらに、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を設けるための注入プロセスが行われる。得られる構造は図14に示されている。図14に見られるように、III−III間の周辺回路部分がレジスト層35によって覆われて、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が形成される。
【0117】
次のプロセスでは、ディグレージング(deglazing)プロセスが行われて、アレイ部分から二酸化ケイ素層54が除去される。その後、周辺回路部分からレジスト層35が除去される。この結果、周辺回路部分が二酸化ケイ素層54によって保護されたままとなる一方、アレイ部分では表面が窒化ケイ素層41によって覆われる。得られる構造は図15に示されている。
【0118】
熱リン酸(hot phos.)を用いたエッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素に対して窒化ケイ素が選択的にエッチングされる。この結果、図16に示すように、窒化ケイ素層41がアレイ部分から除去される。さらに、スペーサ47と、形成された開口部の中央にある窒化ケイ素充填材49とが完全にエッチングされる。このエッチングプロセスは二酸化ケイ素に対して選択的であるため、周辺回路部分がエッチングされることはない。得られる構造は図16に示されている。
【0119】
続いて、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって二酸化ケイ素層54および二酸化ケイ素層88が除去される。得られる構造は図17に示されている。
【0120】
HCl蒸気を用いた酸化プロセスが、約800℃の温度で行われる。これによって、覆われていなかったシリコン材料が酸化されて二酸化ケイ素が形成される。この結果、二酸化ケイ素層が形成される。この二酸化ケイ素層は、具体的にはゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88と、厚みが約15〜20nm(これによって9〜12nmのシリコンを消費する)のスペーサとしての二酸化ケイ素層36とを有している。
【0121】
熱リン酸を用いた窒化物エッチングプロセスが行われる。これによって窒化ケイ素層41が周辺回路部分から除去される。得られる構造は図18に示されている。
【0122】
周辺回路のトランジスタのドープ領域を備えるための注入プロセスを任意で行ってもよい。そして、二酸化ケイ素の犠牲層がある場合は、これが除去される。
【0123】
その後、HCl蒸気を用いた酸化プロセスが行われて、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が設けられる。その後、厚みが約80nmのポリシリコン層が堆積されて、次にポリシリコンを約60nmの深さまで除去するエッチングプロセスが行われる。この結果、表面全体がポリシリコン層48によって覆われて、基板表面に形成された開口部にポリシリコン材料が充填される。得られる構造は図19に示されている。
【0124】
具体的には、図19Aに示されているように、I−I間の断面図では、ゲート用溝部にポリシリコン材料が充填される。以下の図では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36および二酸化ケイ素29の一部はキャパシタトレンチの上に示されている。
【0125】
しかし、これらの二酸化ケイ素層は、形成されたプロセス条件によっては、キャパシタトレンチを覆う連続層としては形成されないことは当業者には明らかである。より具体的に説明すると、スペーサとしての二酸化ケイ素層36および二酸化ケイ素29は、熱酸化によって形成された場合は、キャパシタトレンチを充填するトレンチ最上部の酸化物層34の上には形成されない。
【0126】
II−II間の断面図を示す図19Bからさらに分かるように、図19Aの断面に対し直交する方向の垂直な断面においても、また、ゲート用溝部にポリシリコン材料が充填される。
【0127】
ゲートスタックを形成するための層が堆積される。具体的には、従来技術と同様に、ポリシリコン層55、タングステン層82、および窒化シリコン層56が堆積される。得られる構造は図20に示されている。
【0128】
その後、ゲート電極を形成するための層スタックがパターン形成されて、ワード線が形成される。具体的には、これらの層は、ライン/スペースパターン(line/spaces pattern)を有するマスクを用いて形成されたレジストパターンを用いてエッチングされる。そして、層スタックがエッチングにより形成される。
【0129】
ポリシリコン層55のエッチングプロセスの終点は、終点検出(end point detection)によって検出されて、ポリシリコン層48に達したときにおいて停止することが好ましい。得られる構造は図21に示されている。
【0130】
図示されているように、アレイ部分にアクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが形成される。また、III−III間の周辺回路部分に周辺回路のゲート電極8cが形成される。
【0131】
図21では、ゲート電極に対するワード線8aおよび8bのわずかなミスアラインメントが図示されている。以下の説明から明らかとなるように、このようなミスアラインメントによって好ましくない短絡(short)が起こることはない。
【0132】
以下では、ゲート電極下部およびビット線コンタクトでの短絡を回避してビット線コンタクトの形成を可能にするプロセスについて説明する。
【0133】
まず、ポリシリコン層55をエッチングするためのプロセスが行われる。ポリシリコン層55をエッチングするためのプロセスは、ポリシリコン層48もエッチングするオーバエッチングプロセスであってもよい。あるいは、ポリシリコン層48もエッチングするための追加的なエッチングプロセスを行ってもよい。ポリシリコン材料をエッチングした後に得られる構造は図22に示されている。
【0134】
図22に見られるように、I−I間のアレイ部分において、ゲート用溝部73の上部からポリシリコン材料が除去される。その後、ゲート用溝部73の露出した部分に二酸化ケイ素が任意で充填されてもよい。このために、開始時の気体としてテトラエチル・オルトシリケート(tetraethyl ortho silicate; TEOS)を用いた化学気相成長法(Chemical Vapour Deposition;CVD)プロセスによって、二酸化ケイ素が約30nm堆積される。
【0135】
そして、二酸化ケイ素層が約40nmの深さまでエッチングにより除去される。この結果、ゲート用溝部の底部において二酸化ケイ素充填材37が形成される。周辺回路部分のIII−III間では、二酸化ケイ素層29がエッチングされる。この任意のプロセス後に得られる構造は図23に示されている。
【0136】
公知の方法による酸化プロセスを行って、厚みが約7nmの二酸化ケイ素層38を側壁酸化物として任意で形成してもよい。得られる構造は図24に示されている。
【0137】
次に、第2のソース/ドレイン領域122とのビット線コンタクトを形成するための方法について説明する。このプロセスは公知であるため、ほんの一例として説明する。当業者には明らかなように、ビット線コンタクトは、具体的には自己整合コンタクト形成(self aligned contact formation)といった任意の別の適切なプロセスによっても形成可能である。
【0138】
ビット線コンタクトを形成するためには、まず、例えばTEOS法などの公知の方法によって、厚みが約(0.3×F)の二酸化ケイ素層57が堆積される。図23を参照しながら説明した二酸化ケイ素充填材37を充填するためのプロセスは、ゲート用溝部の上部を二酸化ケイ素によって充填するために行ってもよい。得られる構造は図25に示されている。
【0139】
その後、従来の方法によってビット線のコンタクトプラグ95が形成される。具体的には、非ドープのポリシリコン層93が堆積され、上記ポリシリコン層93に対して、CMP(Chemical Mechanical Polishing; 化学機械的研磨)プロセスにより平坦化が施され、次に、上記平坦化されたポリシリコン層93上に対し、窒化ケイ素層94が、CVDにより形成される。
【0140】
その後、ビット線コンタクトマスクを用いて、コンタクトプラグ95がフォトリソグラフィーによって規定され、続いて、露出したポリシリコン層93および窒化ケイ素層94がエッチングにより除去される。続いてフォトレジスト材料が表面から除去される。得られる構造は図26に示されている。図示されているように、ビット線のコンタクトプラグ95は、第2のソース/ドレイン領域122の上の位置に形成されている。
【0141】
ディグレージングプロセスが行われて、表面の二酸化ケイ素層の一部が除去される。その後、窒化ケイ素層94をエッチングするためのウェットエッチングプロセスが行われる。そして異方性エッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素層57の水平方向に沿った部分が除去される。得られる構造は図27に示されている。
【0142】
図示されているように、アレイ部分では、第2のソース/ドレイン領域122の上に、ポリシリコンからなるコンタクトプラグ95が形成される。第1のソース/ドレイン領域121は覆われていない。周辺回路部分のIII−III間では、二酸化ケイ素層57が水平方向に沿った表面部分から除去される。
【0143】
表面全体に二酸化ケイ素層96が堆積される。その後、メモリデバイスの周辺回路部分に低濃度ドープ部分を注入するための注入プロセスが行われる。さらに、イオン注入プロセスによって、pドープ部分およびnドープ部分が備えられる。得られる構造は図28に示されている。図示されているように、表面全体が薄い二酸化ケイ素層96によって覆われる。
【0144】
LPCVD(low pressure CVD; 減圧CVD)によって、厚みが12nmの窒化ケイ素層97が堆積される。その後、BPSG層が堆積される。BPSG層971がアニーリングされ、そしてCMPプロセスが行われて、二酸化ケイ素層96が除去される。得られる構造は図29に示されている。アレイ部分の断面図を示している図29の左側に見られるように、ビット線のコンタクトプラグ95のポリシリコン層93が露出される。
【0145】
従来のエッチングプロセスによって、ポリシリコン層93が除去される。その後、ビット線のコンタクトプラグ95に直接隣り合ったスペーサの二酸化ケイ素層96がエッチングにより除去される。この結果、ビット線コンタクト開口部90が表面に形成される。
【0146】
そして、イオン注入プロセスが行われて、図30に示すように、第2のソース/ドレイン領域の一部を形成するドープされたポケット部(doped pocket)133が設けられる。得られる構造は図30に示されている。図示されているように、ビット線コンタクト開口部90が第2のソース/ドレイン領域122と接触可能に面している。
【0147】
周辺回路部分において、図31に示すように、周辺回路のゲート電極8cおよび上記ゲート電極8cのタングステン層82と接触するように、開口部27が形成されている。この周辺回路のゲート電極コンタクト用の開口部27は、従来の方法(すなわち、対応する開口部をフォトリソグラフィーによって構成する方法)によって形成される。得られる構造は図31に示されている。
【0148】
さらに、図32および図33に示すように、周辺回路部分に周辺回路用の各コンタクト部26のための各開口部28が、フォトリソグラフィーによるパターン形成、およびエッチングによって形成される。具体的には、各開口部27、28は、一般的なエッチングプロセスによって同時に形成することができる。さらに、接触抵抗を低減するための注入プロセスが行われる。得られる構造は図32に示されている。図示されているように、周辺回路のゲート電極用の開口部27および周辺回路のコンタクト用の開口部28が周辺回路部分に形成される。
【0149】
コンタクトを完成させるために、パターン形成された各開口部27、28、90に電気的伝導性材料が充填される。具体的には、例えばスパッタリングによって、チタン(Ti)層98および窒化チタン(TiN)層981が形成される。その後、例えばMOCVD(metal organic chemical vapor deposition; 有機金属化学気相成長法)またはスパッタリング法によって、タングステン充填材99が堆積される。その後、CMPプロセスにより表面の平坦化が行われる。
【0150】
次に、一般的な方法によってビット線9が形成される。得られる構造は図33に示されている。図示されているように、トランジスタの第1のソース/ドレイン領域121に接続されたストレージキャパシタ3を有するメモリセルが形成される。トランジスタは、第2のソース/ドレイン領域122と、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってチャネルから絶縁されたゲート電極48とをさらに有している。ゲート電極48は、ポリシリコン層55およびタングステン層82を有した、対応するワード線8aに接続されている。
【0151】
ゲート電極48は、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122から、それぞれ、スペーサとしての二酸化ケイ素層36およびゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって絶縁されている。これらによって、ゲート電極に生じる電界が弱まる。
【0152】
第2のソース/ドレイン領域122は、ビット線コンタクト部901を介してビット線9に接続される。図33から理解されるように、各ワード線8a、8bに対するビット線のコンタクトプラグ95のミスアラインメントによって、好ましくない短絡が生じることはない。ビット線9の長手方向は、各ワード線8a、8bの長手方向に対して直交する方向に伸びている。
【0153】
さらに、図33の右側には周辺回路部分が示されている。周辺回路部分には、周辺回路のゲート電極用のコンタクト部25を介して周辺回路部分のゲート電極8cが接続されていて、また周辺回路のコンタクト部26が設けられている。
【0154】
アレイ部分では、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が、ゲート電極48よりも深く伸びている。この結果、第1および第2の各ソース/ドレイン領域を、互いに接続し、連結するチャネルが、基板表面に対して水平な構成要素を有する。
【0155】
図示されている断面に直交する断面では、能動領域の3つの面がゲート電極48によって囲まれている。具体的には、能動領域がリッジ形をしたフィン領域が薄く形成され、これによってアレイトランジスタの動作中にチャネルが完全に空乏化される。
【0156】
本発明に係る第2の実施形態は、アレイ部分の一部および周辺回路部分の一部が同じプロセスによって加工されるメモリデバイスの製造方法に関する。ゲート電極を形成するための第1のハードマスク層スタックは、第1のポリシリコン層、二酸化ケイ素層、および任意で第2のハードマスク層を有している。第2のハードマスク層スタックは炭素層を含んでいる。
【0157】
本発明の第2の実施形態によれば、アレイ部分を覆う第1のポリシリコン層は、アレイ部分でのトランジスタ製造中に、周辺回路部分をマスクするためのマスクとしても機能する。アレイトランジスタは、基板内において、ゲート電極の溝領域よりもゲート電極のプレート状部が深い位置まで伸びた凹み形状チャネルのトランジスタとして形成される。このとき、上記溝領域と上記プレート状部との間の深さの差は大きくはない。アレイトランジスタが完成された後、周辺回路部分から第1のポリシリコン層が除去されて、メモリデバイスの周辺回路部分が完成される。
【0158】
次の各図としての図34では、アレイ部分と周辺回路部分との断面図が示されている。これらの断面図では、アレイ部分の素子分離用トレンチ2が、周辺回路部分の素子分離用トレンチ23よりも深く伸びている。
【0159】
しかし、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は、周辺回路部分の素子分離用トレンチ23と比べて、任意の適切な深さまで伸びていてよいことについて明確に理解されたい。具体的には、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は、通常は周辺回路部分の素子分離用トレンチ23と同じ深さまで伸びていてもよい。
【0160】
本発明の第2の実施形態を実施するにあたり、例えば図3に示されている構造を出発点として、まず基板表面に酸化物の犠牲層24が堆積により形成される。その後、ドープされる部分を規定するためのリソグラフィープロセスが行われる。次に、一般的なようにウェル埋め込み(well implant)が行われる。
【0161】
その後、イオン注入プロセスが行われてドープ部分124が備えられる。ドープ部分124は、完成したトランジスタの第1および第2の各ソース/ドレイン領域をそれぞれ形成する。この注入プロセス中において、フォトレジスト層によって周辺回路部分がマスクされる。このプロセス後、周辺回路部分からフォトレジスト材料が除去される。図34は、得られる構造の断面図を示している。
【0162】
具体的には、図34のIV−IV間の断面図は、図3Aにも見られるように、能動領域12の方向と平行な図を示している。さらに、図34の右側部分は、図3Aにも見られるように、能動領域の長手方向に対し直交する方向のV−V間の断面図を示している。さらに、VI−VI間の断面図は、図1に見られる周辺回路部分の断面図を示している。図34から分かるように、基板のドープ部分124がアレイ部分の基板表面10に備えられる一方、周辺回路部分にはドープ領域が設けられていない。
【0163】
さらに、図34に見られるように、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は所定の深さまで伸びている。素子分離用トレンチ2の底部は、IV−IV間の断面図の破線21によって示されている。
【0164】
次に、厚みが約20nm〜60nmのポリシリコン下地層200が、公知の方法によって、表面上に堆積により形成される。得られる構造は図35に示されている。図35に示されているように、基板表面全体がポリシリコン下地層200によって覆われる。
【0165】
図36に示すように、二酸化ケイ素層201が公知の方法によって堆積される。具体的には、厚みが約100nmの二酸化ケイ素層201が、平坦な基板表面となるように設けられている。得られる構造は図36に示されている。その後、図37に示されているように、厚みが約60nm〜120nmのポリシリコン層202が公知の方法によって備えられて、基板表面全体が覆われる。
【0166】
続いて、最初に、公知の方法によって、図38に示すように、厚みが約150nm〜300nmのハードマスクとしての炭素層203が基板表面全体に堆積され、次に厚みが約50nm〜100nmのSiON層204が堆積される。得られる構造は図38に示されている。
【0167】
図39に示すように、SiON層204およびハードマスクとしての炭素層203に開口部が形成される。得られる構造の平面図を示す図39の上部に見られるように、形成される開口部は、能動領域の方向に水平な方向の直径と、能動領域の方向に直交する方向の直径との2つの異なる直径を持つ楕円形である。まず、テーパーエッチングプロセスによってSiON層204がエッチングされ、次にテーパーエッチングではないエッチングプロセスによってハードマスクとしての炭素層203がエッチングされることが好ましい。
【0168】
得られる構造は図39に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、ハードマスクとしての炭素層203内およびSiON層204内に開口部7が形成される。開口部7の直径は、V−V間の断面図よりもIV−IV間の断面図において小さい。V−V間の開口部7の直径は、能動領域12の幅よりも大きい。さらに、このエッチングプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。
【0169】
次に、図40に示すように、ハードマスクとしてのポリシリコン層202がエッチングされ、次に、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。得られる構造は図40に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、開口部7がエッチングにより形成され、ポリシリコン下地層200において上記エッチングが停止される。さらに、V−V間の断面図では、開口部7がエッチングされてポリシリコン下地層200において停止されるが、周辺回路部分が影響を受けることはない。
【0170】
SiON層204、ハードマスクとしての炭素層203、およびポリシリコン層202が除去されるが、アレイ部の構造は二酸化ケイ素層201によって覆われたままである。その後、ポリシリコン、続いて薄い二酸化ケイ素をエッチングするための、貫通のエッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセスによって、二酸化ケイ素の犠牲層24に開口が形成される。その後、シリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、シリコン基板材料内にシリコンのゲート用溝部73が形成される。得られる構造は図41に示されている。
【0171】
図示されているように、ドープ部分124の底面の下にシリコンのゲート用溝部73の底面が配置されるような深さまで伸びている。VI−VI間の断面図に示されているように、窒化ケイ素層(SiON層)204、炭素ハードマスクの炭素層203、およびハードマスクとしてのポリシリコン層202もまた周辺回路部分から除去される。図41の上部に示されている平面図に見られるように、得られる表面は二酸化ケイ素201によって覆われている一方、シリコンのゲート用溝部73によって開かれる部分の能動領域12は、上記二酸化ケイ素層201によって覆われず、露出している。
【0172】
その後、等方性シリコンエッチングプロセスが行われて、シリコン材料が10nm〜20nm側方から除去される。この結果、シリコンのゲート用溝部73は、図42のIV−IV間の断面図では拡大されていて、V−V間の断面図では深くなっている。このエッチングプロセス前のシリコン溝部分は破線で示されている。シリコンのゲート用溝部73の最上部では、二酸化ケイ素層301は、溝の側壁から側方に突出している。得られる平面図は、図42の上部に示されている。ボトル構造205が形成される。
【0173】
さらに、二酸化ケイ素の別の犠牲層が任意で形成されてもよい。その後、HF(hydrofluoric acid; フッ化水素酸)を用いた等方性エッチングが行われる。この結果、ボトル構造が除去され、そして素子分離用トレンチ2内にポケット部74が形成される。
【0174】
具体的には、ポケット部74は、素子分離用トレンチ2内において、シリコンのゲート用溝部73よりも深く伸びている。しかしポケット部74の構造とシリコンのゲート用溝部73との深さの差はわずかである。具体的には、このエッチングプロセスは、用いられる技術の最小構造寸法Fに応じて、約10nm〜20nmエッチングするように行われる。
【0175】
得られる構造は図43に示されている。IV−IV間の断面図に示されているように、ボトル構造205が除去される。さらにV−V間の断面図に見られるように、ポケット部74が形成される。ポケット部74は、能動領域12の表面に対してわずかに下方に突出している。得られる構造の平面図は、図43の上部に示されている。
【0176】
酸化プロセスが行われて、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が備えられる。ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88の厚みは、用いられる技術に応じて2nm〜6nmである。
【0177】
得られる構造は図44に示されている。図44の上部は平面図を示し、また図44の下部はそれぞれの断面図を示している。IV−IV間およびV−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73の表面がゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって覆われる。
【0178】
その後、ポリシリコン層206が堆積される。続いて、表面を平坦化するための任意のCMPプロセス、およびポリシリコン層をエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われる。この結果、図45に見られるように、シリコンのゲート用溝部73の下部にポリシリコン層206が充填される。
【0179】
その後、シリコンのゲート用溝部73の上部に、スペーサのための二酸化ケイ素層36が形成される。具体的には、公知の方法によって二酸化ケイ素層が堆積される。次に、堆積された二酸化ケイ素層の水平に沿った部分を除去するための異方性エッチングプロセスが行われる。
【0180】
この結果、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。図46は得られる構造を示している。具体的には、図46の上部は得られる構造の平面図を示し、また図46の下部は対応する断面図を示している。具体的には、シリコンのゲート用溝部73の側壁上部上にスペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。
【0181】
任意で、半導体基板内に形成された凹み形状のゲート用溝部73に別のポリシリコン層207が充填され、そしてこの追加的に充填されたポリシリコン層207を部分的にエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この任意のプロセス後に得られる構造は図47に示されている。能動領域の方向に水平なIV−IV間の断面図に示されているように、追加的なポリシリコン層207の表面の高さは、ポリシリコン下地層200の上縁にほぼ対応している。
【0182】
異方性エッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素層が除去される。この結果、二酸化ケイ素層201が水平方向に沿ってエッチングされる。得られる構造は図48に示されている。周辺回路部分のVI−VI間の断面図に示されているように、周辺回路の素子分離用トレンチ23に隣接して酸化物スペーサ2010が形成される。アレイ部分では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36をシリコンのゲート用溝部73に残したまま、二酸化ケイ素層201が完全に除去される。得られる平面図は、図48の上部に示されている。
【0183】
アレイ部分がエッチングマスクによって覆われる。そして二酸化ケイ素層の残存部分が除去され、ポリシリコンエッチングプロセスが行われる。さらに、酸化物の犠牲層24が除去される。その後、アレイ部分からレジストが剥離される。
【0184】
得られる周辺回路部分の断面図は図49に示されている。図49に見られるように、周辺回路部分の基板表面が露出される。アレイ部分は、先のプロセスにおいて適切なレジスト層によって覆われていたため、上記プロセスによって影響を受けることはない。
【0185】
二酸化ケイ素層を除去するためのエッチングプロセスが行われる。これによって、周辺回路部分から二酸化ケイ素の犠牲層24が除去される。その後、周辺回路の二酸化ケイ素層29が形成される。周辺回路のゲート絶縁層の厚みは、最小構造寸法に応じて、例えば1nm〜6nmである。
【0186】
周辺回路の二酸化ケイ素の犠牲層24を除去し、二酸化ケイ素層29を形成するプロセスによって、先のプロセスによる損傷を受けにくい二酸化ケイ素層29が得られる。得られる構造は図50に示されている。周辺回路部分を示すVI−VI間の断面図に見られるように、表面全体が、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層によって覆われる。さらに、IV−IV間の断面図およびV−V間の断面図に見られるように、アレイ部分にも、上記二酸化ケイ素層が堆積されて表面全体が覆われる。公知の方法によって、厚みが35nmのポリシリコン層208がさらに堆積される。得られる構造は図51に示されている。
【0187】
アレイ部分は覆わずに、周辺回路部分がエッチングマスクによって覆われる。その後、ポリシリコン層208をエッチングし、そしてアレイ部分から、上記二酸化ケイ素層をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。周辺回路部分を覆うマスクが除去される。得られる構造は図52に示されている。VI−VI間の断面図に見られるように、このプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。アレイ部分では、ポリシリコン層208および上記二酸化ケイ素層が除去される。
【0188】
図52に示されている構造を出発点として、周辺回路部分およびアレイ部分が公知の方法によってプロセスされる。より具体的には、周辺回路部分およびアレイ部分のいずれも、後のプロセスにおいて、対応するレジストに対して選択的にマスクされないため、アレイ部分または周辺回路部分のいずれか1つのみが加工される。
【0189】
別のポリシリコン層811が任意で堆積されてもよい。得られる構造は図53に示されている。図53に示されている様々な断面図に見られるように、基板表面全体がポリシリコン層2080によって覆われる。
【0190】
ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層が堆積される。具体的には、ゲート電極はWSiによって形成されてよい。この場合、ポリシリコン層811、WSi(ケイ化タングステン)層82、および窒化ケイ素層81aが表面全体に堆積される。得られる構造は図54に示されている。
【0191】
上記構造にもかかわらず、当業者には明らかであるように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術で一般的に用いられる方法によって形成されてもよい。
【0192】
その後、アレイ部分において、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いてゲート層スタックがパターン形成される。得られる構造は図59に示されている。
【0193】
図54に示されている構造は、別のプロセスフローによる別の方法によって形成することもできる。本発明の第2の実施形態にしたがって、第1のポリシリコン下地層200を有するハードマスク層スタックが備えられる。エッチングプロセスに対する選択性を所望通りに得るためには、基板表面10と第1のポリシリコン下地層200との間に犠牲層24が備えられなければならない。
【0194】
したがって、酸化物の犠牲層24およびポリシリコン下地層200が、周辺回路のゲート絶縁層と、周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックの一部とを形成している場合は、メモリデバイスを形成するためのプロセスをさらに簡略化することができる。
【0195】
しかし、このような変更を加えるにあたっては、アレイ部分にトランジスタを形成するためのプロセスによって、二酸化ケイ素層29および第1のポリシリコン下地層200が影響を受けないように、特別な注意を払わなければならない。
【0196】
図3に示されている構造を出発点として、別のプロセスフローにしたがって、上述したように、アレイ部分にウェルを構成するための注入プロセスが行われる。さらに、ドープ部分124を形成するためのイオン注入プロセスが行われる。このドープ部分124は、後に第1および第2の各ソース/ドレイン領域を構成する。その後、表面全体からレジスト材料が除去される。そして、周辺回路のゲート絶縁層として機能する、二酸化ケイ素層29が堆積によって形成される。得られる構造は図55に示されている。図55に見られるように、表面全体が上記二酸化ケイ素層によって覆われる。
【0197】
その後、図35〜図48に照らして説明した各プロセスが行われる。得られる構造は図56に示されている。図56に見られるように、表面全体がポリシリコン下地層200によって覆われる。ゲート用溝部73に各ポリシリコン層206、207が充填され、そしてゲート電極の上部が、スペーサとしての二酸化ケイ素層36によってドープ部分124から絶縁される。
【0198】
アレイ部分では、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29の上にポリシリコン下地層200が形成される。任意で、周辺回路部分を覆わずに、適切なマスクでアレイ部分を覆ってもよい。その後、周辺回路部分から二酸化ケイ素の残存物を除去するためのエッチングプロセスが行われる。アレイ部分からマスクを除去した後、表面全体にポリシリコン層208が堆積される。得られる構造は図57に示されている。
【0199】
その後、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層が公知の方法によって堆積される。例えば、ポリシリコン層811、WSi層82、続いて窒化ケイ素層81aが堆積されるようにしてよい。得られる構造は図58に示されている。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる方法によって形成されてよい。
【0200】
その後、例えばライン/スペーサパターンを有するマスクなどの適切なマスクを用いて、周辺回路部分にワード線および周辺回路のゲート電極を形成するために堆積された層がパターン形成される。得られる構造は図59に示されている。具体的には、得られる構造の平面図を示す図59の上部に見られるように、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが基板表面に形成される。周辺回路部分の断面図を示すVI−VI間の断面図に見られるように、支持部である周辺回路のための基板の能動部分から二酸化ケイ素層29によって絶縁される周辺回路のゲート電極8cが形成される。
【0201】
IV−IV間の断面図からさらに分かるように、ゲート電極85は、それに対応するアクティブワード線8aに接続されている。形成されたトランジスタは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を有している。第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間にチャネル14が形成される。第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間の電流路15は、基板表面10に対して垂直な(直交する)構成要素および水平な構成要素をそれぞれ有している。
【0202】
第1のソース/ドレイン領域121は、ポリシリコン充填材311を介して、ストレージキャパシタ3の内部キャパシタ電極31に接続される。ゲート電極85は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってチャネル14から絶縁される。さらに、ゲート電極の上部に、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が備えられる。
【0203】
これらによって、第1および第2のソース/ドレイン領域からゲート電極が遮断され、トランジスタのリーク電流が低減する。図示されている構造は、例えば図24〜図33に照らして説明した各プロセスフローによってビット線コンタクトを形成することによって完成される。より具体的には、次のプロセスにおいて、図60に示されているように、二酸化ケイ素層38が任意で堆積されてもよい。
【0204】
各ビット線コンタクトの完成後、各ワード線に対し、それぞれ直交するように伸びる各ビット線が形成される。
【0205】
本発明の第3の実施形態によれば、アレイ部分のトランジスタは、ゲート電極が能動領域の3つの面を囲んでいると同時に、本発明の第2の実施形態に従った深さよりも深い位置まで伸びるプレート状部を有している、FinFETとして形成される。第2の実施形態は、二酸化ケイ素を10nm〜20nmエッチングするための等方性エッチングプロセスを含んでいるため、図43に照らして説明したアレイトランジスタを形成するための第2のポリシリコン層202は不要である。
【0206】
しかし、第3の実施形態によると、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスによって約100nmエッチングされるため、本発明の第3の実施形態を実施するためには、第2のハードマスク層スタックのポリシリコン層202が必要である。
【0207】
第3の実施形態にしたがってアレイトランジスタを製造するためには、まず図34〜図40を参照しながら説明したプロセスが行われる。しかし、後に第1および第2のソース/ドレイン領域を形成するドープ部分124を備えるための注入プロセスは行われない。
【0208】
図40を参照しながら説明したように、ハードマスク層スタック内に開口部7を形成した後、シリコンと二酸化ケイ素との両方をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって、ポリシリコン下地層200内と、基板表面上に形成された二酸化ケイ素層内と、素子分離用トレンチ2に充填された二酸化ケイ素材料内とに開口部7が形成される。得られる構造は図61に示されている。
【0209】
図61に示されているIV−IV間の断面図に見られるように、シリコン基板内、およびシリコン基板上の層内に開口部であるゲート用溝部73が形成される。直前に行われたエッチングプロセスがシリコンおよび二酸化ケイ素に対して選択的でないため、開口部であるゲート用溝部73は、例えば図41に示されているゲート用溝部73よりも広い断面積を有している。
【0210】
さらに、IV−IV間の断面図に対し直交するV−V間の断面図に見られるように、開口部であるゲート用溝部73は、基板材料内および素子分離用トレンチ2内に伸びている。さらに、開口部であるゲート用溝部73は、基板表面10の下方15nm〜60nmまで伸びていてもよい。
【0211】
これらのエッチングプロセスによって、VI−VI間に示されている支持部である周辺回路部分が影響を受けることはない。具体的には、ポリシリコン下地層200、二酸化ケイ素層201、およびポリシリコン層202が、周辺回路部分の基板表面10にも形成されている。図61の上部に示されている平面図に見られるように、開口部であるゲート用溝部73は、能動領域の両面において素子分離用トレンチ2が覆われていない楕円形をしている。
【0212】
表面全体に薄い二酸化ケイ素の下地層が任意で堆積されてもよい。その後、公知の方法によって窒化ケイ素のスペーサが形成される。具体的には、厚みが約0.2×F〜0.3×Fの窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積される。その後、異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層の水平に沿った部分が除去される。これによって、開口部であるゲート用溝部73の側壁が、スペーサ47によって覆われる。得られる構造は図62に示されている。
【0213】
次に、シリコンに対して二酸化ケイ素材料が選択的にエッチングされる、異方性エッチングプロセスが行われる。開口部であるゲート用溝部73の側壁が、スペーサ47によって保護されているため、このエッチングプロセスによって素子分離用トレンチ2内にポケット部74が形成される。例えば、このエッチングプロセスによって、二酸化ケイ素材料が約100nmエッチングされる。
【0214】
これによって、ポケット部74の底面が、スペーサ47の底面の下、約100nm、かつ半導体基板1の表面10の下、約150nmに配置される。得られる構造は図63に示されている。能動領域の方向に水平なIV−IV間の断面図に見られるように、溝の深さがわずかに大きくなっている。一方、能動領域の長手方向に直交する断面図では、ポケット部74が形成されている。
【0215】
等方性のシリコンエッチングプロセスが行われて、能動領域12が狭められる。この結果、狭められたフィン領域11が形成され、またポケット部74が下方へ伸びる。得られる構造は図64に示されている。
【0216】
次のプロセスでは、公知の方法によって、ゲート絶縁層として機能する二酸化ケイ素層88が堆積される。得られる構造は図65に示されている。
【0217】
その後、公知の方法によってポリシリコン層が表面上に形成され、続いてこのポリシリコン層が所定深さまで除去される。この結果、ゲート用溝部73内に充填されたポリシリコン層206の表面が、ポリシリコン下地層200の表面と同じ高さに配置される。得られる構造は図66に示されている。
【0218】
平面図に見られるように、ポリシリコン層206はゲート用溝部73の中央に配置される。IV−IV間の断面図およびV−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73内に配置されたポリシリコン層206を除いて、表面全体が二酸化ケイ素層88によって覆われる。
【0219】
V−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73は能動領域12の3つの面を囲んでいる。
【0220】
二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって、ポリシリコン層206によって覆われていない部分からゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が除去される。得られる構造は図67に示されている。
【0221】
周辺回路部分のVI−VI間の断面図に示されているように、ポリシリコン層202が露出される。アレイ部分のIV−IV間の断面図では、スペーサ47が露出される。さらに、ゲート用溝部の外側では、ポリシリコン層202が露出される。得られる構造の平面図は、図67の上部に示されている。
【0222】
開口部であるゲート用溝部73を完全に充填するように、窒化ケイ素層が堆積される。さらに異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層の水平部分が除去される。この結果、ゲート用溝部73の上部に窒化ケイ素充填材49が充填される。充填されたゲート用溝部73を有する、得られる構造は図68に示されている。
【0223】
その後、適切なマスクによって周辺回路部分がマスクされる。このとき、アレイ部分は露出されたままである。そして、ポリシリコンをエッチングするエッチングプロセス、および二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0224】
この結果、アレイ部分においてポリシリコン下地層200が露出される。さらに、窒化ケイ素充填材49がゲート用溝部73から突出する。窒化ケイ素充填材49は、具体的には、シリコン基板の表面10に対し上方(外方)に向かって約100nm〜200nm突出する。
【0225】
その後、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を構成するためのイオン注入プロセスが行われる。得られる構造は図70に示されている。IV−IV間の断面図に示されているように、シリコン基板1の上部に第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が形成される。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面下に配置させることができる。しかし、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面と同じ高さ、あるいはゲート電極85の底面より高い位置に配置させることもできる。
【0226】
窒化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、窒化ケイ素充填材49とスペーサ47との突出した部分が除去される。得られる構造は図71に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88と、第1および第2のソース/ドレイン領域121、122との間に開口部が形成される。V−V間の断面図に見られるように、ポリシリコン層206と、素子分離用トレンチ2の絶縁材料との間に開口部が形成される。
【0227】
例えば、一般的なTEOSまたはHDP(high density plasma; 高密プラズマ)によって、厚みが少なくとも10nmの二酸化ケイ素層が堆積される。その後、異方性エッチングプロセスが行われて、基板表面10内に形成された開口部内にスペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。このエッチングプロセスは、5nm〜10nmのオーバエッチングが得られるように行われる。この結果、図72に見られるように、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。
【0228】
アレイ部分がレジスト材料によってマスクされる。このとき、周辺回路部分は、上記レジスト材料によってマスクされない。その後、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いてポリシリコンをエッチングするためのプロセスが行われる。その後、アレイ部分からレジスト材料が除去される。
【0229】
この結果、周辺回路部分のVI−VI間において、図73に示されている構造が得られる。具体的には、この構造では、シリコン基板の表面10は、二酸化ケイ素の犠牲層24によってのみ覆われている。その後、二酸化ケイ素をエッチングするプロセスによって二酸化ケイ素層24が除去され、続いて、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29を形成するためのプロセスが行われる。
【0230】
この結果、図74に示されている構造が得られる。具体的には、図74に見られるように、周辺回路のゲート絶縁層としての二酸化ケイ素層29は周辺回路部分のVI−VI間に形成され、残りの表面は二酸化ケイ素層29によって覆われる。
【0231】
その後、厚みが30nm〜100nmのポリシリコン層が表面全体に堆積される。次に、周辺回路部分に適切なレジスト層が塗布されて周辺回路部分がマスクされる。このとき、アレイ部分はマスクされない。続いてポリシリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、そして二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0232】
周辺回路部分からマスクを除去した結果、図75に示されている構造が得られる。具体的には、厚いポリシリコン層208が周辺回路部分に形成される。一方、アレイ部分では、薄いポリシリコン下地層200が露出される。スペーサとしての二酸化ケイ素層36は、ゲート電極の一部において露出されている。
【0233】
層スタックの最後のポリシリコン層の厚みが約40nm〜100nmになるように選択された厚みを有するポリシリコン層が公知の方法によって堆積され、続いて通常のゲート電極層スタックが堆積される。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる別の方法によって形成することもできる。
【0234】
得られる構造は図76に示されている。図76では、表面全体が窒化ケイ素層81aによって覆われている。その後、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いて、堆積された層スタックがパターン形成される。得られる構造は図77に示されている。
【0235】
具体的には、図77の上部の平面図に示されているように、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが表面上に形成される。周辺回路部分のVI−VI間には、周辺回路のゲート電極が形成される。アレイ部分のIV−IV間では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36によってポリシリコン層206が第1および第2のソース/ドレイン領域から絶縁されているゲート電極が形成される。このゲート電極は、半導体基板1の表面付近に配置される。
【0236】
第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面より下に配置される。V−V間の断面図に示されているように、能動領域12は、その3つの面がゲート電極によって囲まれた狭いフィン領域11を有している。
【0237】
本発明の以下に示す実施形態によれば、アレイトランジスタをパターン形成するための第1のハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層および二酸化ケイ素層を有している。基板表面10と窒化ケイ素層との間に、酸化物の犠牲層24が任意で備えられてもよい。
【0238】
形成されるトランジスタがFinFETである場合は、ポリシリコン層は、第1のハードマスク層スタックの二酸化ケイ素層の表面上に形成されなければならない。形成されるトランジスタが、EUDほどの深さまで伸びないポケット部を有している場合は、ポリシリコン層は任意であってよい。
【0239】
さらに、第2のハードマスク層スタックは、ハードマスクとしての炭素層を有している。アレイ部分にトランジスタを形成するためのプロセス中において、窒化ケイ素下地層によって周辺回路部分がマスクされる。アレイトランジスタの完成後、周辺回路部分が完成される。
【0240】
第4の実施形態によると、能動領域12の表面に対してわずかに突出したポケット部を有するアレイトランジスタが形成される。言い換えると、いわゆるEUDとしてトランジスタが形成される。図34に示されている構造を出発点として、本発明の第4の実施形態を実施するにあたり、まず表面全体を覆うように窒化ケイ素の下地層209が堆積される。得られる構造は図78に示されている。
【0241】
メモリデバイスの周辺回路部分を示すVI−VI間の断面図に見られるように、周辺回路部分が、窒化ケイ素の下地層209によって覆われる。さらに、アレイ部分では、能動領域、素子分離用トレンチ、およびトレンチ最上部の酸化物層34が窒化ケイ素の下地層によって覆われる。その後、表面全体を平坦化できる厚みを有する二酸化ケイ素層201が堆積される。得られる構造は図79に示されている。断面図から分かるように、二酸化ケイ素層201の表面は平坦である。
【0242】
以下では、本発明の第2の実施形態にしたがって用いたポリシリコン下地層200の代わりに窒化ケイ素の下地層209が備えられることを除いては、図37〜図47を参照しながら説明した各プロセスと同一のプロセスが行われる。さらに、ポリシリコン層207の充填後、CMPプロセスなどの平坦化プロセスが行われて、平坦な表面が得られる。より詳しく説明すると、図47に関連した説明にしたがって凹み形成プロセス(recessing process)が行われる。
【0243】
この結果、図80に示されている構造が得られる。図80の上部に示されている平面図に見られるように、ポリシリコン層207の楕円の島状部分(island)が二酸化ケイ素層201の表面に配置される。VI−VI間の断面図に示されているように、これらのプロセスによって周辺回路部分に変化がもたらされることはない。さらに、アレイ部分では、二酸化ケイ素層201の表面に達するように伸びるポリシリコン層207の表面が平坦化される。
【0244】
適切なレジスト材料によってアレイ部分がマスクされる。このとき、周辺回路部分は露出したままである。その後、二酸化ケイ素層201をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いて窒化ケイ素の下地層209をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。アレイ部分がマスクによってマスクされるため、これらの層は周辺回路部分から除去される。
【0245】
その後、周辺回路部分から酸化物の犠牲層24が剥離され、そしてアレイ部分からマスクが除去される。次に、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29、具体的には、周辺回路のゲート絶縁層のための酸化物層を堆積するためのプロセスが行われる。図81に示されている構造に見られるように、二酸化ケイ素層29は、周辺回路部分のVI−VI間、アレイ部分のIV−IV間およびV−V間を覆う。
【0246】
その後、表面全体にポリシリコン層2080が堆積される。この結果、図82に示されている構造が得られる。図示されているように、周辺回路部分およびアレイ部分が厚いポリシリコン層2080によって覆われる。
【0247】
次に、適切なマスクによって周辺回路部分が覆われる。このとき、アレイ部分は露出されたままである。続いてポリシリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、図83に示されている構造が得られる。より具体的には、周辺回路部分では基板がポリシリコン層2080によって覆われ、アレイ部分では表面が周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29によって覆われている。
【0248】
ゲート電極およびワード線を完成させるためには、アレイ部分から周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が除去され、そして任意でポリシリコン層811が堆積され、続いてタングステン層82および窒化ケイ素層81aが堆積される。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺ゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる別の方法によって形成することもできる。
【0249】
得られる構造は図84に示されている。図示されているように、周辺回路部分のVI−VI間において、厚いポリシリコン層2080上にタングステン層82が形成される。アレイ部分では対照的に、タングステン層82は薄いポリシリコン層811上に形成される。この結果、アレイ部分と周辺回路部分との間に、上記両部分の表面図形が相違して、上記両部分の高さが互いに異なる段差を示すトポグラフィーが形成される。
【0250】
アレイ部分のワード線および周辺回路部分のゲート電極を完成させるために、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いてリソグラフィープロセスが行われる。次に異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層81a、タングステン層82、および各ポリシリコン層2080、811がエッチングされる。これによって、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bを有するワード線がアレイ部分に形成され、そして、ゲート電極8cが周辺回路部分のVI−VI間に形成される。得られる構造の平面図は、図85の上部に示されている。
【0251】
その後、公知の方法によって、スペーサのための窒化ケイ素層が堆積され、そして、異方性エッチングによって窒化ケイ素の下地層209がエッチングされる。得られる構造は図86Aに示されている。図86Aに示されているように、アレイ部分の水平部分が、窒化ケイ素の各層81a、209によって覆われる。
【0252】
さらに、周辺回路部分では、ゲート電極が、スペーサのための窒化ケイ素層81bによって囲まれる。図示されている構造では、ハードマスクとしての窒化ケイ素の下地層209と、ハードマスクとしての二酸化ケイ素層201との残存部分によって、ワード線同士がそれらの側方部分において互いに隔てられる。
【0253】
これによって、パッシングワード線と、隣接するビット線コンタクトとの容量結合が一般的に低減される。さらに、窒化ケイ素の下地層209およびトレンチ最上部の酸化物層34が、パッシングワード線とトレンチキャパシタのポリシリコン充填材311との間に配置されるため、パッシングワード線8bとトレンチキャパシタの内部キャパシタ電極との間の容量結合が低減される。
【0254】
第2のソース/ドレイン部分122の最上部にビット線コンタクトを備えるためには、ビット線コンタクトが自己整合的に形成される従来のプロセスが特に好ましい。ビット線コンタクトを有する、得られる構造は図86Bに示されている。図33に示されているビット線コンタクトと同様に、図86Bに示されているビット線コンタクトは、チタン層と、窒化チタン層と、タングステン充填材99とを有する下地層スタックを有している。
【0255】
互いに隣り合う各ビット線コンタクト部901は、BPSG層971またはスピンオンガラス(spin-on glass; SOG)によって互いに電気的に絶縁される。上記構造を完成させるために、各ワード線に対し、それぞれ直交する方向に伸びる各ビット線がそれぞれ形成される。
【0256】
本発明の第5の実施形態によれば、FinFETとして形成されるアレイトランジスタの形成プロセス中に、窒化ケイ素の下地層が基板表面全体に堆積される。具体的には、アレイトランジスタのゲート用溝部を規定し、充填した後に、周辺回路のゲート絶縁層が形成される。
【0257】
本発明の第5の実施形態を実施するために、例えば図3に示されている構造を出発点として、アレイ内において一般的なウェル注入プロセスが行われる。得られる構造は図87に示されている。その後、表面全体に窒化ケイ素の下地層が堆積される。この結果、図88に示されている構造が得られる。図88に見られるように、表面全体が窒化ケイ素の下地層209によって覆われる。
【0258】
次に、図61〜図69を参照しながら説明したプロセスと同一のプロセスが行われる。得られる構造は図89に示されている。VI−VI間の断面図に見られるように、周辺回路部分全体が、窒化ケイ素の下地層209、二酸化ケイ素層201、およびポリシリコン層202によって覆われる。
【0259】
さらに、アレイ部分が窒化ケイ素の下地層209および窒化ケイ素充填材49によって覆われる。図89に示されている構造を出発点としてイオン注入プロセスが行われて、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122がそれぞれ備えられる。得られる構造は図90に示されている。図示されているように、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、シリコン基板1の表面10に互いに隣り合って形成される。
【0260】
次に、二酸化ケイ素層210が堆積され、続いて平坦化プロセスによって平坦な表面が形成される。このとき、窒化ケイ素充填材49は露出している。得られる構造は図91に示されている。図91に見られるように、窒化ケイ素充填材49の側面については露出していない。
【0261】
その後、窒化ケイ素充填材49をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、ゲート電極85の下部に隣り合ったスペーサ47は保持される。得られる構造は図92に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、このプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。アレイ部分では、ゲート用溝部におけるシリコン材料の上部が除去される。一方、スペーサ47の底部側は保持される。
【0262】
その後、一般的なプロセスによって、内部スペーサのための窒化ケイ素層87が形成される。具体的には、窒化ケイ素層が堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された窒化ケイ素層の水平部分が除去される。得られる構造は図93に示されている。図示されているように、ポリシリコン層206の表面が露出され、そして、スペーサとしての窒化ケイ素層87は、ゲート電極の側面を周辺の材料から遮断する。
【0263】
その後、ポリシリコン層207が堆積され、続いてエッチングされて、平坦な表面が形成される。具体的には、ゲート用溝部73の上部にポリシリコン層207が充填される。上記平坦化エッチングプロセスによって、図94に示されているように、IV−IV間の周辺回路部分からポリシリコン層202が除去される。
【0264】
その後、適切なマスクによってアレイ部分がマスクされる。このとき、周辺回路部分は覆われない。次に、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いて窒化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。さらに、周辺回路部分から犠牲の酸化物層が除去される。
【0265】
アレイ部分からマスクが除去された後、酸化プロセスが行われて周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が形成される。得られる構造を示す図95に見られるように、酸化物層以外のシリコン層のみの表面全体がゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29によって覆われる。
【0266】
その後、アレイ部分の二酸化ケイ素層210の厚みとほぼ対応した厚みを有するポリシリコン層2080が表面全体に堆積される。次に、周辺回路部分が適切なマスクによって覆われる。このとき、アレイ部分は覆われない。
【0267】
そして、アレイ部分からポリシリコン層2080をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、周辺回路部分にポリシリコン層2080が保持される。得られる周辺回路部分のVI−VI間の断面図は図96に示されている。
【0268】
周辺回路部分からマスクが除去された後、アレイ部分からゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。次に、アレイ部分に対し、ポリシリコン層811が任意で堆積されてもよい。その後、タングステン層82、続いて窒化ケイ素層81aが形成される。得られる構造は図97に示されている。
【0269】
しかしながら、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる他の任意の方法によって形成することもできる。
【0270】
次に、図85および図86Aを参照しながら説明した方法と同一の方法によって、形成された層スタックがパターン形成され、アクティブワード線8a、パッシングワード線8b、および周辺回路のゲート電極8cが形成される。得られる構造は図98に示されている。図98のIV−IV間の断面図に見られるように、互いに隣り合う各アクティブワード線8aの各スペース(空隙)内に二酸化ケイ素層210が充填されている。
【0271】
次のプロセスでは、具体的には窒化ケイ素層を堆積して、この層を異方性エッチングするといった公知の方法によって、窒化ケイ素のスペーサが形成される。この結果、図99に示されているようなスペーサ81bが形成される。
【0272】
その後、互いに隣り合う各ワード線間の各スペース内において、露出している二酸化ケイ素層210がエッチングにより除去される。このエッチングプロセスは、窒化ケイ素下地層209において停止される。図99に見られるように、アクティブワード線8aの下部が、残存した二酸化ケイ素層210によるスペーサによって包囲され、封入される。
【0273】
図100は、ビット線コンタクト部901の完成後の構造を示している。ビット線コンタクト部901は、前述したように、チタン層98、窒化チタン層981、およびタングステン充填材99を含む下地層スタックを形成することによって、自己整合的に形成される。
【0274】
図示されている構造では、各ワード線の側部は、ハードマスクとして用いた窒化ケイ素の下地層209とハードマスクとして用いた二酸化ケイ素層210との残存部分によって、隣り合うビット線コンタクト部901から分離されている。したがって、各ワード線と、それらと隣り合う各ビット線コンタクトとの容量結合が大幅に低減される。
【0275】
さらに、窒化ケイ素の下地層209、および二酸化ケイ素層210の残存部分が、パッシングワード線とトレンチキャパシタのポリシリコン充填材311との間に配置されるため、パッシングワード線8bと、トレンチキャパシタのストレージ電極との間の容量結合が低減される。その後、自己整合的にビット線コンタクト部を形成するためのプロセスが行われる。
【0276】
図101〜図119は、本発明の第6の実施形態を示している。本発明の第6の実施形態によると、周辺回路のゲート絶縁層として機能する二酸化ケイ素層29と、周辺回路のゲート電極として機能する、底部のハードマスク層としてのポリシリコン層208と、最上部の窒化ケイ素層41とを含むハードマスク層スタックを用いることによって、EUDが形成される。
【0277】
上記ハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層41の表面上に直接塗布されるフォトレジスト層を用いてパターン形成することができる。あるいは、窒化ケイ素層41の表面上にハードマスクとしての炭素層(図示せず)、続いてSiON層(図示せず)が塗布され、そしてこのSiON層がフォトレジスト層を用いてパターン形成されるようにしてもよい。
【0278】
本発明の第6の実施形態を実施するためには、ストレージキャパシタを構成した後、一般的なウェル注入を行って、能動領域の側面を限定するための素子分離用トレンチを構成した後、イオン注入プロセスが行われて、ドープ部分124が設けられる。
【0279】
その後、公知の方法によって二酸化ケイ素層29が形成される。そしてポリシリコン層208、続いて窒化ケイ素層41が堆積される。図101は得られる構造を示している。素子分離用トレンチの底面(この断面図には図示せず)は、破線21によって示されている。ドープ部分124は、埋め込みストラップウィンドウ33に隣接して形成される。
【0280】
フォトレジスト材料(図示せず)が塗布およびパターン形成されて、ゲート電極を構成するための開口部46が形成される。具体的には、開口部46は、フォトレジスト層内にフォトリソグラフィーによって構成される。その後、上記開口部は窒化ケイ素層41へのエッチングにより形成される。
【0281】
次に、フォトレジスト材料が除去され、その後、窒化ケイ素に対してポリシリコンを選択的にエッチングするための選択的エッチングプロセスが行われる。この結果、開口部46が二酸化ケイ素層29の表面まで伸びる。得られる構造は図102に示されている。
【0282】
アレイ部分のIV−IV間の断面図に示されているように、窒化ケイ素層41内およびポリシリコン層208内に開口部46が形成される。さらにVI−VI間の周辺回路部分では、二酸化ケイ素層29、ポリシリコン層208、および窒化ケイ素層41を含む、パターン形成されていない層スタックによって表面全体が覆われる。
【0283】
スペーサのための二酸化ケイ素層84が形成される。このためには、従来技術と同様に、まず二酸化ケイ素の下地層が堆積され、続いて、異方性エッチングプロセスによって二酸化ケイ素の下地層の水平方向に沿った部分が除去される。得られる構造は図103に示されている。図示されているように、スペーサとしての二酸化ケイ素層84が、開口部46の側壁上に形成される。
【0284】
シリコンをエッチングするための異方性エッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセス中は、ポリシリコン層208は二酸化ケイ素のスペーサ84によって保護される。得られる構造は図104に示されている。図示されているように、基板1内にゲート用溝部73が形成される。その上、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が互いに分離されることになる。
【0285】
図示されているように、スペーサとしての二酸化ケイ素層84が存在しているため、先にパターン形成された開口部46よりも直径の小さいゲート用溝部を形成することができる。したがって、このようなスペーサを用いることによって、図39に示されているような最上部のハードマスク層をエッチングするためのテーパーエッチングプロセスは不要となる。
【0286】
シリコンをエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われる。これによって、ゲート用溝部73の底部が拡大される。このエッチングプロセス中は、ポリシリコン層208の材料が、スペーサとしての二酸化ケイ素層84によって保護されている。
【0287】
得られる構造は図105に示されている。図示されているように、ゲート用溝部は、得られるゲート用溝部73の直径が、図102の開口部46の幅とほぼ対応するように拡大される。
【0288】
その後、希フッ酸(diluted fluoric acid;DHF)を用いたエッチングプロセスが行われて、図106に見られるように、二酸化ケイ素層84がエッチングにより除去される。さらに、能動領域に隣接した素子分離用トレンチ部分(この断面図には図示せず)がエッチングされ、これによってゲート用溝部73に隣接して各ポケット部が形成される。図106に示されている断面図に垂直な断面図であって、素子分離用トレンチ2内のエッチングされた部分を示す図は、例えば図43に示されている。
【0289】
次のプロセスでは、例えばISSG二酸化ケイ素層を形成することによって、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が備えられる。その後、ポリシリコン層206が堆積されて、続いてCMPプロセスが行われる。これによって、ハードマスクとして用いた窒化ケイ素層41上に存在していた二酸化ケイ素層もまた除去される。
【0290】
その後、エッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73内のポリシリコン充填材の上部がエッチングされる。得られる構造は図107に示されている。図107に見られるように、ゲート用溝部の表面が二酸化ケイ素層88によって覆われてゲート絶縁層が形成される。その上、ゲート用溝部の底部にポリシリコン層206が充填されている。
【0291】
例えば熱リン酸を用いたエッチングによって、上記窒化ケイ素層41が除去される。DHFを用いたエッチングプロセスを任意で行って、残存している二酸化ケイ素を除去してもよい。得られる構造は図108に示されている。図108の左側部分に見られるように、アレイ部分のIV−IV間においてポリシリコン層208の表面が露出される。同様に、周辺回路部分のVI−VI間においてポリシリコン層208が露出される。
【0292】
次のプロセスでは、二酸化ケイ素または窒化ケイ素によって構成可能なスペーサ360が形成される。したがって、まず二酸化ケイ素層または窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて、異方性エッチングプロセスが行われる。これによって、層の水平に沿った部分がエッチングにより除去される。得られる構造は図109に示されている。図示されているように、アレイ部分では、ゲート用溝部73の上部の側壁上にスペーサ360が形成され、また周辺回路部分のVI−VI間は不変である。図109では、ゲート電極のプレート状部851の輪郭が破線によって示されている。
【0293】
スパッタクリーニングプロセスが行われて、表面の残存物が洗浄される。その後、例えばPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapour Deposition; プラズマCVD)法によって、ゲート電極を形成するためのポリシリコン層2080が堆積される。次に、WSi層820を堆積するためのプロセス、および窒化ケイ素層(Si3N4層)81aを堆積するためのプロセスが行われる。得られる構造は図110に示されている。
【0294】
図10に見られるように、二酸化ケイ素層29の上部に各ポリシリコン層208、2080が形成され、続いてWSi層820および窒化ケイ素層81aが形成される。これらの層はまた、周辺回路部分のVI−VI間にも堆積される。しかし当業者には明らかであるように、ゲート電極、特に周辺ゲート電極を形成するために、他の任意の層スタックを用いることができる。
【0295】
その後、ライン/スペースパターンを有するマスクを用いたパターニングにより、層スタックから、各ワード線、特には各アクティブワード線8aおよび各パッシングワード線8bが周辺回路の各ゲート電極8cと同時に形成される。得られる構造は図111に示されている。
【0296】
図示されているように、アレイ部分のIV−IV間において、シリコン基板の上部に二酸化ケイ素層29が形成され、そしてアクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bがパターン形成される。さらに、周辺回路部分のVI−VI間において層スタックが同一のプロセスによってパターン形成され、これによって、周辺回路のゲート電極8cが形成される。その後、ビット線コンタクトおよびビット線を形成するためのプロセスが行われる。具体的には、図22〜図33を参照しながら説明したプロセスが行われる。
【0297】
第6の実施形態の一変形例によれば、ゲート用溝部73の形成中にポリシリコン層208の側方を保護するために、窒化ケイ素層のスペーサ47が用いられる。したがって、図102に示されている構造を出発点として、開口部46の側壁にスペーサ47が形成される。
【0298】
具体的には、公知であるように、窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された窒化ケイ素層の水平に沿った部分が除去される。この結果、図112に示されているように、スペーサ47が形成される。
【0299】
シリコン基板内に、ゲート用溝部73がエッチングにより形成される。このシリコンをエッチングするための異方性エッチングプロセス中は、スペーサ47が保護層として機能するため、ポリシリコン層208はエッチングされない。得られる構造は図113に示されている。図示されているように、各ソース/ドレイン領域121、122の底面より下にも伸びるようにゲート用溝部73が形成される。詳細には、上記エッチングプロセスによって、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が互いに分離される。
【0300】
図示されているように、スペーサ47が存在しているため、先にパターン形成された開口部46よりも直径の小さいゲート用溝部を形成することができる。したがって、このようなスペーサを用いることによって、図39に示されているような最上部のハードマスク層をエッチングするためのテーパーエッチングプロセスは不要となる。
【0301】
シリコンをエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73が拡大される。この結果、ゲート用溝部73の直径は、窒化ケイ素層41内およびポリシリコン層208内に形成された開口部46の直径とほぼ対応している。
【0302】
窒化ケイ素層41および窒化ケイ素のスペーサ47は、熱リン酸を用いたエッチングによって除去され、そして二酸化ケイ素をエッチングするためのDHF槽を用いたエッチングプロセスが行われる。
【0303】
このエッチングプロセスによって、能動領域に隣接した素子分離用トレンチ2部分もまたエッチングされる。これは、特に、図115の断面図に対し直交する方向の断面図を示す図43に示されている。得られる構造は、能動領域に平行な方向のIV−IV間の断面図を示す図115に示されている。図示されているように、周辺回路部分およびアレイ部分から、窒化ケイ素層41および窒化ケイ素のスペーサ47が除去される。
【0304】
ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が形成される。具体的には、ゲート用溝部73の表面上とポリシリコン層208の表面上とに二酸化ケイ素層を形成するためのISSGプロセスが行われる。その後、ポリシリコン層が堆積され、続いて平坦化プロセス、そしてポリシリコン層を凹ませるためのエッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73の底部にポリシリコン層206が形成される。得られる構造は図116に示されている。
【0305】
図示されているように、周辺回路部分では、ポリシリコン層208の表面上に二酸化ケイ素層が形成される。アレイ部分では、ゲート用溝部に二酸化ケイ素層88が充填され、そしてゲート用溝部の底部にはポリシリコン層206が充填されている。
【0306】
ゲート用溝部73の側壁上にスペーサ360が形成される。スペーサ360を形成するためには、まず、二酸化ケイ素層または窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された層の水平部分が除去される。これによって、スペーサ360が形成される。このとき、いわゆる二重仕事関数プロセスを任意で行って、公知であるように、周辺回路部分に特殊なゲート電極を備えてもよい。
【0307】
得られる構造は図117に示されている。図示されているように、二酸化ケイ素または窒化ケイ素から構成可能なスペーサ360がゲート用溝部73の上部に備えられる。次に、スパッタクリーニングプロセスが行われて、不要な残存物が除去される。
【0308】
その後、ワード線を形成するためのさらなるポリシリコン層2080が堆積され、続いてWSi層820および窒化ケイ素層81aが堆積される。得られる構造は図118に示されている。
【0309】
図示されているように、アレイ部分のIV−IV間および周辺回路部分のVI−VI間では、二酸化ケイ素層29、各ポリシリコン層208、2080、WSi層820、およびSi3N4の窒化ケイ素層81aからなる層スタックが備えられる。
【0310】
上記層スタックがパターン形成されて、対応するワード線が形成される。具体的には、公知であるように、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いて、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bがパターン形成される。得られる構造は図119に示されている。
【0311】
図示されているように、IV−IV間のアレイ部分では、ゲート電極85上にワード線8aが形成され、一方ストレージキャパシタ上にパッシングワード線8bが形成される。その後、例えば図22〜図32を参照しながら説明したプロセスによって対応するビット線コンタクトおよびビット線を形成することによって、メモリセルアレイが完成される。
【0312】
本発明の第6の実施形態によると、周辺回路のゲート絶縁層として用いられる二酸化ケイ素層29は、ハードマスク層プロセスの一部を形成している。したがって、追加的なゲート絶縁層を形成するためのプロセスを省略することができる。
【0313】
さらに、周辺回路部分およびアレイ部分を別々にプロセスするために、アレイ部分および周辺回路部分をマスクするための各マスクプロセスがそれぞれ用いられる。これによって、プロセスが大幅に簡略化される。
【0314】
その上、先の実施形態に対して、プロセスフローの複雑性が低減される。また、複数のアニーリングプロセスを省略できるため、プロセスの熱処理量が低減される。詳細には、ハードマスク層スタックが、TEOS法によって形成された二酸化ケイ素層を含んでいないため、二酸化ケイ素層をアニーリングするためのアニーリングプロセスを用いることができる。
【0315】
さらに、ゲート用溝部73をエッチングにより形成するための、窒化ケイ素(Si3N4)または二酸化ケイ素のスペーサを用いることによって、ゲート電極のCD(限界寸法)制御を改善することができる。
【0316】
当業者には明らかなように、上記第6の実施形態は、窒化ケイ素層の最上部に堆積されたハードマスクとしての炭素層と、ハードマスクとしてのSiON層とを含む追加的なハードマスクを用いて実施することができる。さらに、SiON層の上部にフォトレジスト層が堆積される。しかし、図101〜図119を参照しながら説明したように、窒化ケイ素層41の上部にフォトレジスト層を直接堆積させてもよい。
【0317】
本明細書では、具体的な実施形態について図示および説明してきた。しかし当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの具体的な実施形態を別の、および/または同様の実施形態に置き換えることができることを理解するであろう。この応用は、本明細書において説明した具体的な実施形態の適応または変更を含んでいる。したがって、本発明は、特許請求の範囲、および特許請求の範囲に相当する部分によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0318】
【図1】本発明によるメモリデバイスの一実施形態の概略平面図である。
【図2A】本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の断面図である。
【図2B】本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の他の断面図である。
【図2C】本発明による方法によって製造されたトランジスタの他の一実施形態の断面図である。
【図2D】本発明による方法によって製造されたトランジスタの他の一実施形態の他の断面図である。
【図2E】本発明による方法によって製造されたトランジスタのさらに他の一実施形態の断面図である。
【図2F】本発明による方法によって製造されたトランジスタのさらに他の一実施形態の他の断面図である。
【図3A】本発明のトランジスタの製造方法に係る第1の実施形態の一工程での平面図である。
【図3B】上記第1の実施形態の他の一工程での断面図である。
【図4】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図5】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図6】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図7】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図8A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図8B】上記図8Aの他の断面図である。
【図9】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図10】上記図9の他の断面図である。
【図11A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図11B】上記図11Aの他の断面図である。
【図12】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図13】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図14】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図15】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図16】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図17】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図18】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図19A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図19B】上記図19Aの他の断面図である。
【図20】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図21】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図22】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図23】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図24】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図25】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図26】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図27】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図28】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図29】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図30】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図31】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図32】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図33】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図34】本発明のトランジスタの製造方法に係る第2の実施形態の一工程の各断面図である。
【図35】上記第2の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図36】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図37】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図38】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図39】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図40】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図41】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図42】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図43】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図44】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図45】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図46】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図47】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図48】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図49】上記第2の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図50】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図51】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図52】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図53】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図54】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図55】上記第2の実施形態の一変形例の一工程の各断面図である。
【図56】上記第2の実施形態の一変形例の他の工程の平面図および各断面図である。
【図57】上記第2の実施形態の一変形例のさらに他の工程の各断面図である。
【図58】上記第2の実施形態の一変形例のさらに他の工程の各断面図である。
【図59】上記第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品を示す平面図および各断面図である。
【図60】上記第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの一変形例を示す各断面図である。
【図61】本発明のトランジスタの製造方法に係る第3の実施形態の一工程の平面図および各断面図である。
【図62】上記第3の実施形態の他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図63】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図64】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図65】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図66】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図67】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図68】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図69】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図70】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図71】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図72】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図73】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す断面図である。
【図74】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図75】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図76】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図77】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図78】本発明のトランジスタの製造方法に係る第4の実施形態の一工程の各断面図である。
【図79】上記第4の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図80】上記第4の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図81】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図82】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図83】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図84】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図85】上記第4の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図86A】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図86B】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図87】本発明のトランジスタの製造方法に係る第5の実施形態の一工程の各断面図である。
【図88】上記第5の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図89】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図90】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図91】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図92】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図93】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図94】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図95】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図96】上記第5の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図97】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図98】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図99】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図100】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図101】本発明のトランジスタの製造方法に係る第6の実施形態の一工程の断面図である。
【図102】上記第6の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図103】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図104】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図105】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図106】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図107】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図108】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図109】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図110】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図111】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図112】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図113】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図114】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図115】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図116】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図117】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図118】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図119】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、特にダイナミックランダムアクセスメモリセルに用いることのできるトランジスタの製造方法に関する。本発明はさらに、メモリデバイスの製造(形成)方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のメモリセルは、一般的には、記憶される情報である電荷を蓄積するためのストレージキャパシタ、およびこのストレージキャパシタに接続されたアクセストランジスタを備えている。アクセストランジスタは、第1および第2のソース/ドレイン領域、この第1および第2の各ソース/ドレイン領域を互いに接続するチャネル、並びに、第1および第2のソース/ドレイン領域間を流れる電流を制御するゲート電極を有している。
【0003】
トランジスタは、通常は、少なくとも部分的には半導体基板内に形成されている。ゲート電極は、ワード線の一部を形成し、またゲート絶縁層によって上記チャネルに対して電気的に絶縁されている。対応するワード線を介してアクセストランジスタをアドレス指定することによって、ストレージキャパシタ内に記憶されていた情報が読み出される。
【0004】
現在用いられているDRAMメモリセルでは、ストレージキャパシタは、基板内において、基板の表面方向に対して直交する方向に伸びるように深くなるトレンチ内に2つの各キャパシタ電極が配置されたトレンチキャパシタとして実装することができる。
【0005】
DRAMメモリセルの別の実施例によると、基板表面の上に形成されたスタックドキャパシタ内に電荷が蓄積されている。
【0006】
メモリデバイスは、周辺回路部分をさらに有している。メモリデバイスの周辺回路部分は、一般的にはメモリセルをアドレス指定し、また個々のメモリセルから受け取った信号を検知し、処理するための回路を有している。周辺回路部分は、通常は個々のメモリセルと同じ半導体基板内に形成されている。したがって、メモリセルアレイの構成要素および周辺回路部分が同時に形成できる製造プロセスであることが非常に望ましい。
【0007】
メモリセルのトランジスタでは、トランジスタのチャネル長に下限の境界があり、この境界を下回るチャネル長では、アドレス指定されていない状態にあるアクセストランジスタの絶縁特性が十分ではない。有効なチャネル長leffの上記下限の境界によって、半導体基板の基板表面に対し平行に沿って形成されたアクセストランジスタを有するプレーナトランジスタセルの拡張性が制限される。
【0008】
垂直トランジスタセルは、メモリセル形成に必要な表面領域を小さく維持する一方、チャネル長を増加させる可能性を提供する。このような垂直トランジスタセルでは、アクセストランジスタのソース/ドレイン領域およびチャネル領域は、基板表面に対して直交する方向にて並んでいる。
【0009】
有効なチャネル長Leffを増加させるという概念は、例えば、特許文献1に記載された例で知られているように、凹み形状チャネルトランジスタ(recessed channel transistor)において言及されている。このようなトランジスタでは、第1および第2の各ソース/ドレイン領域は、基板表面に平行な水平面上に位置している。ゲート電極は、半導体基板内に形成された溝内に配置されている。この溝は、トランジスタの2つの各ソース/ドレイン領域間に配置されている。
【0010】
したがって、有効なチャネル長は、2つの各ソース/ドレイン領域間の距離と、凹み形状の溝の深さの2倍との和に等しい。有効なチャネル幅Weffは、最小構造寸法Fと対応している。
【0011】
上記概念の、公知の別のトランジスタとして、FinFETに関するものがある。FinFETの能動領域は、一般的にはフィンまたはリッジ(山の背)のような形状をしており、半導体基板内の2つの各ソース/ドレイン領域の間に形成されている。ゲート電極は、上記フィンを、その2つまたは3つの各面にて囲んでいる。非特許文献1は、さらに別のトランジスタを開示している。
【0012】
特殊なコンタクトプラグを形成する方法については、特許文献2に記載されている。この全内容は、本明細書において援用される。
【特許文献1】米国特許第5、945、707号(登録日:1999年08月31日)
【特許文献2】米国出願公開公報第2005/003308号(公開日:2005年01月06日)
【非特許文献1】Deok-Hyung Leeらによる「Fin-channel-array transistor (FCAT)featuring sub-70nm low power and high performance DRAM」、IEDM Tech. Dig., pp 407〜410, 2003
【0013】
〔発明の概要〕
本発明に係る1以上の各実施形態は、トランジスタの製造方法を提供する。一実施形態では、上記製造方法は、基板内のゲート用溝部を規定することによってゲート電極を形成することを含む。上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎の内部にてプレート状部が規定される。上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間が連結される。ゲート絶縁体は、能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記の各プレート状部との間の界面部において設けられる。ゲート電極の材料は、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とを充填するように堆積形成される。
【0014】
〔図面の簡単な説明〕
本発明をさらに理解するために図面が添付されている。これらの図面は、本明細書の一部に組み込まれ、またその一部を構成している。上記図面は、本発明の実施形態を例証しており、本明細書中の説明と共に本発明の原理を説明している。本発明の別の実施形態、および本発明において意図されている多くの利点については、以下の詳細な説明を参照して理解を深めることによって容易に理解できるであろう。図面中の素子は、必ずしも互いの相対的な大きさの関係の違いを示すものではない。各図において部材番号が同一のものは、前述し、対応している同様の部材を示している。
【0015】
図1は、本発明によるメモリデバイスの一実施形態の平面図である。図2A〜図2Fは、本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の各工程での平面図または断面図である。
【0016】
図3〜図33は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第1の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図34〜図54は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第2の実施形態の各工程(各プロセス)をそれぞれ示す平面図または断面図である。図55〜図58は、上記第2の実施形態における一変形例の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0017】
図59は、本発明の第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品を示す断面図である。図60は、本発明の第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品の一変形例を示す断面図である。
【0018】
図61〜図77は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第3の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図78〜図86は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第4の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0019】
図87〜図100は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第5の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。図101〜図119は、本発明のトランジスタの製造方法に係る第6の実施形態の各工程をそれぞれ示す平面図または断面図である。
【0020】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明では、添付図面を参照している。添付図面は、詳細な説明の一部を構成しており、また本発明を実施できる具体的な実施形態を例証している。これに関して、「上部」「底部」「前」「後」「先端の」「後端の」などの方向を表す用語は、説明されている図面の方向に照らしながら用いられている。本発明の実施形態の部材は、異なる多くの方向に配置可能である。したがって方向を表す上記用語は、例証する目的のために用いられるものであって、限定するものではない。
【0021】
本発明の範囲から逸脱することなく、別の実施形態を用いることができ、また論理的変化を加えることができることについて理解されたい。したがって以下の詳細な説明は、限定的な意味をなすものと見なされることはなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定される。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるトランジスタ、あるいは本発明による方法を用いて製造できるトランジスタを備えた典型的なメモリデバイスの平面図を示している。図1の中心部では、メモリセル100を含むメモリセルアレイが図示されている。各メモリセル100は、ストレージキャパシタ3およびアクセストランジスタ16を有している。
【0023】
ストレージキャパシタ3は、ストレージ電極およびその対電極を有している。このストレージ電極は、それに対応する1つのアクセストランジスタ16の内の第1のソース/ドレイン領域121に接続されている。
【0024】
アクセストランジスタ16の第2のソース/ドレイン領域122は、対応するビット線に接続されている。第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122との間に形成されたチャネルの導電性は、対応するワード線8によってアドレス指定されるゲート電極によって制御される。上記ストレージキャパシタは、一実施形態では、トレンチキャパシタまたはスタックドキャパシタとして実施可能である。
【0025】
メモリセルアレイの具体的な配置は任意である。具体的には、メモリセル100は、例えばチェス盤状またはその他の適切な形態で配置することができる。図1に示されているように、メモリセルアレイは、1つのメモリセル100は、8F2(4F×2F)の領域を有し、かつ折り返しビット線構造で実施できるように配置される。
【0026】
図1のメモリデバイスは、周辺回路部分101をさらに有している。周辺回路部分101は、通常はコア回路(core circuitry)102を有している。コア回路102は、ワード線8をアドレス指定するためのワード線ドライバ103、およびビット線9によって伝送された信号を検知するためのセンスアンプ104を有している。コア回路102は、通常は、個々のメモリセル100を制御およびアドレス指定するためのトランジスタなどの、他のデバイスを有している。
【0027】
周辺回路部分101は、通常、コア回路102の外側に配置されたサポート回路部105をさらに有している。周辺回路部分のトランジスタは任意であってよい。具体的には、これらのトランジスタは、従来のプレーナトランジスタとして実施してよい。しかし、これらのトランジスタは、図2に示されている製造方法によって形成されたものであってもよい。
【0028】
図2Aは、第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122とを直線状に連結する仮想線が伸びる方向である、第1の方向に沿ったアレイ状のトランジスタ16の断面図を示している。
【0029】
トランジスタ16は、第1のソース/ドレイン領域121、第2のソース/ドレイン領域122、および第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122とを接続しているチャネル14を有している。チャネル14の導電性は、ゲート電極85によって制御される。能動領域12は、フィンまたはリッジのような形状をしており、このフィンの3つの面はゲート電極によって囲まれている。
【0030】
第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、半導体基板1の表面領域内に位置している。ゲート電極85は、溝領域852および2つの各プレート状部851を有している。
【0031】
ゲート電極85の溝領域852は、基板表面10から内側へのエッチングにより形成されたゲート用溝部73内に配置されている。したがって、能動領域の最上面11aは、半導体基板の表面10の位置よりも、半導体基板の内部の深い位置に配置されている。プレート状部851は、示されている断面図の前方および後方において、それぞれ、プレート状に伸びるように形成されているため、破線で示されている。
【0032】
溝領域852の下部は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって、シリコン材料から電気的に絶縁されている。第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、窒化ケイ素スペーサ86によって、溝領域852から電気的に絶縁されている。
【0033】
さらに、窒化ケイ素スペーサ86と、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122との間には、犠牲用の二酸化シリコン層181がそれぞれ配置されている。
【0034】
第1のソース/ドレイン領域121とストレージキャパシタとを電気的に接続するために、第1のコンタクト領域93が備えられていて、また、第2のソース/ドレイン領域とビット線(図示せず)とを電気的に接続するために、第2のコンタクト領域94が備えられている。
【0035】
ゲート電極85は、通常、ポリシリコンからなる。第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、標準的あるいは高濃度にドープされたシリコン領域として導入されるため、優れた電気的導電性を示す。第1のソース/ドレイン領域121、または双方の各ソース/ドレイン領域121、122は、チャネル領域と高濃度ドープ領域との間に配された低濃度ドープ領域(図示せず)を任意で有していてよい。
【0036】
チャネル14は、低濃度にてpドープされているため、ゲート電極85に適切な電圧が印加されない限りは、第1のソース/ドレイン領域を第2のソース/ドレイン領域から絶縁させるものとなっている。
【0037】
第1のコンタクト領域93と第2のコンタクト領域94との間の電流路は、第1の垂直方向(すなわち下方向)に伸びる第1構成要素部15aと、水平方向(つまり、半導体基板1の表面方向に沿った方向、また、上記垂直方向に対し直交する方向)に伸びる第2構成要素部15bと、上方(すなわち、第1の垂直方向に対向する方向である第2の垂直方向)に伸びる第3構成要素部15cとを有している。言い換えると、上記電流路の長さは、チャネル14の領域の長さと、各ソース/ドレイン領域121、122の境界から各コンタクト領域93、94までの各距離とを有している。
【0038】
このように、第1のコンタクト領域93から第2のコンタクト領域94へ流れる電流は、まず軽度にゲート制御された垂直路、続いて強度にゲート制御された垂直路、強度にゲート制御された水平路、強度にゲート制御された垂直路、続いて軽度にゲート制御された垂直路を有する。
【0039】
言い換えると、上記電流路は、基板表面に形成された凹みの内壁に沿って伸びるように形成された部分を有しているため、高濃度ドープされた第1のソース/ドレイン領域121と第2のソース/ドレイン領域122との最短距離は、能動領域が基板表面に沿って配され、かつ電流路が水平路のみを有している従来のFinFETに比べて長くなる。
【0040】
この結果、ソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界が小さくなり、結果としてリーク電流が低減する。さらに、高濃度ドープ領域である各ソース/ドレイン領域121、122は、スペーサ86によってゲート電極85の溝領域852から分離される。このため、ゲート電極の電界が高濃度ドープ領域へ及ぼす影響が低減される。
【0041】
図2Bは、図2Aの断面方向に対し直交する断面方向における、本発明に係る上記トランジスタの断面図を示している。具体的には、能動領域のフィン領域11周辺の区域、すなわち幅の狭い能動領域部分が図示されている。上記フィン領域の3つの面は、ゲート電極によって囲まれている。フィン領域11内では、能動領域はリッジ形状またはフィン形状をしている。能動領域は、最上面11a、および水平方向での2つの各側面11bを有している。前記電流路に沿った方向における、最上面11aの長さは、各側面11bのそれぞれの長さより短い。
【0042】
図2Bでは、ゲート電極85のプレート状部851が、リッジ形状の側面11bに沿って位置しており、またゲート電極の溝領域852がリッジ形状の最上面11aに沿って配置されている。ゲート電極85は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってフィン領域11から絶縁されている。図2Bに見られるように、電流路15は、図1Bに示されている平面に対して直交する方向に伸びるように形成されている。
【0043】
フィン領域の幅が狭いため、トランジスタの基板部(transistor body)を完全に空乏化することができる。このため、上記トランジスタのサブスレッショルド係数の特性を改善(上記係数のスローブを急峻化)することができる。この結果、オン電流/オフ電流の比が改善される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、チャネル領域の幅が第1および第2のソース/ドレイン領域よりも狭くなるように、フィン領域を部分的に薄くすることができる。これにより、ソース/ドレイン領域のコンタクト領域が縮小されることなく、トランジスタのオフ電流が公知のトランジスタに対してさらに改善される。この結果、接触抵抗が上昇することは回避される。
【0045】
図2Aおよび図2Bに示されている構造では、チャネル長Leffは、第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間の距離に対応している。さらにチャネル幅は、導電性がゲート電極によって制御される領域の幅に対応している。具体的には、フィンの高さは20nm〜100nmであってよく、またフィンの幅は35nm未満であってよい。
【0046】
したがって、本発明のトランジスタは、チャネル幅が拡大されることによって抵抗が低減されるため、公知のトランジスタと比べて改善されたオン電流を提供する。さらに、本発明のトランジスタは、サブスレッショルド係数のスロープが大きく、また基板効果(body effect)が大幅に改善されている。このため、オン電流がさらに増加する。
【0047】
さらに、上記トランジスタは、従来のトランジスタと比べてチャネル長がより大きく、また、サブスレッショルド特性のスロープがより大きいため、改善されたオフ電流を提供するものとなっている。つまり、図2Aおよび図2Bに示されているトランジスタは、向上されたオン電流と減少されたオフ電流とを兼ね備えている。
【0048】
図2Cは、図2Aに示されているトランジスタ構造の変形例を示している。図2Cでは、第1のソース/ドレイン領域は、高濃度ドープされた部分121”と低濃度ドープされた領域121’とを有している。低濃度ドープされた領域121’は、第2のソース/ドレイン領域122と同じ深さまで伸びている。
【0049】
高濃度ドープされた部分121”とチャネル14との間に低濃度ドープされた領域121’を備えることによって、接合境界での電界が弱められる。したがって、接合リーク電流を低減することができる。
【0050】
一般的に、リーク電流は、ゲート電極がアドレス指定されていない(ゲート電極に制御電圧が印加されていない)ときの、ストレージキャパシタから第2のソース/ドレイン領域またはシリコン基板(silicon body)へ流れる電流に対応している。
【0051】
特に、第1のソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界はリーク電流に強く影響を及ぼすため、第1のソース/ドレイン領域とチャネルとの接合部における電界を弱めると有利である。
【0052】
リーク電流を低減することによって、情報の保持時間(すなわち、メモリセル内に情報がはっきりと記憶されている時間)を長くすることができる。
【0053】
したがって、第1のソース/ドレイン領域および第2のソース/ドレイン領域の構成が非対称的であると有利である。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121が低濃度ドープ部分および高濃度ドープ部分を有していて、かつ低濃度ドープ部分121’が第2のソース/ドレイン領域122と同じ深さまで伸びている、図2Cに示されている構成が特に有利である。
【0054】
しかし、第2のソース/ドレイン領域122が、高濃度ドープ領域とチャネル領域との間に配された低濃度ドープ領域と、高濃度ドープ領域とを有している場合であっても、これは本発明の範囲内である。具体的には、低濃度および高濃度ドープ部分を有する第1および第2のソース/ドレイン領域を対称的に構成することができる。
【0055】
図2Cに示されている実施形態によれば、低濃度ドープされた第1のソース/ドレイン領域121’の下面は、ゲート電極の溝領域852の下端部より下側、すなわちフィン領域の最上面より下側に位置している。この結果、第1のソース/ドレイン領域の有効な幅を飛躍的に拡大することができる。この幅によって主にオン電流が決定されるため、トランジスタのオン電流特性がさらに改善される。
【0056】
後にストレージキャパシタに接続される、高濃度ドープされた第1のソース/ドレイン部分121”は、厚いスペーサ86によってゲート電極から遮断されている。したがって、ストレージロード(storage load)に接続された接合部の電界が弱まる。この結果、保持時間がさらに長くなる。
【0057】
上述のトランジスタに対して、数通りかの変化を加えることができる。例えば、ゲート電極のゲート用溝部の底部から20nm〜100nmの深さまでプレート状部851をさらに伸ばすことができる。
【0058】
図2Aに示されている構造は、例えばシリコン基板材料、および素子分離用トレンチから絶縁材料をエッチングするエッチングプロセスを行うことによって得られる。次に、ゲート電極のプレート状部851を形成するために、素子分離用トレンチ内にポケット部がエッチングにより形成される。これは具体的には、シリコンに対して二酸化ケイ素(SiO2)を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって行われる。
【0059】
このような方法によってトランジスタを形成するためには、第1のハードマスク層スタックが、二酸化ケイ素層、ポリシリコン(多結晶シリコン)層、二酸化ケイ素層、そして最上部にポリシリコン層を有していることが好ましい。あるいは、上記第1のハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層、二酸化ケイ素層、および最上部にポリシリコン層を有していてよい。いずれの場合においても、上記第1のハードマスク層スタックが、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスによって侵されることのないポリシリコン層を最上部に有していることが重要である。
【0060】
上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックが任意で備えられていてもよい。
【0061】
図2Dおよび図2Eでは、半導体基板1内に形成されたゲート用溝部内にゲート電極85が形成されている。また、プレート状部851は、溝領域852よりもわずかに深く基板の内方に向かって伸びている。具体的には、図2Eに示されているように、プレート状部851は、ゲート電極の溝領域の底部から、さらに約5nm〜20nmの深さまで伸びている。
【0062】
さらに、ゲート電極に隣接する領域は、素子分離用トレンチ2を形成することによって構成される能動領域に対して狭小化されてはいない。したがって、一般的なゲート電圧を印加する際にチャネルが完全に空乏化されることはない。
【0063】
しかし、図2Eから具体的に分かるように、得られるトランジスタのチャネル幅は、従来の凹み形状チャネルトランジスタに比べて拡大している。
【0064】
図2Dに示されているトランジスタでは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、同図に示されている深さより深い位置まで伸ばすことができる。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、ゲート用溝部73の底部の下側まで伸ばすことができる。以下では、図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタは、拡張U字状ゲート用溝部デバイス(EUD:extended u-groove device)とも称される。
【0065】
本明細書において以下に詳細に説明するように、図2Dおよび図2Eに示されているデバイスを製造する際にゲート電極を備えるプロセスは、半導体基板の表面から、半導体基板の表面に、その表面方向に対し垂直な方向(直交する方向)に向かって第1の深さまで伸びるように、半導体基板内の能動領域にゲート用溝部を構成する工程を含んでいる。
【0066】
具体的には、ゲート用溝部を構成するプロセスは、素子分離用トレンチの絶縁材料に対して基板材料を選択的にエッチングする選択的エッチングプロセスを含んでいる。その後、ゲート用溝部における、各素子分離用トレンチに隣り合う位置にポケット部がそれぞれ構成される。この結果、第1の深さより深い第2の深さまで伸びる2つの各ポケット部がゲート用溝部に連結され、それにより、これら2つの各ポケット部間にゲート用溝部が配置される。
【0067】
次のプロセスでは、能動領域とゲート用溝部との界面部、および能動領域と各ポケット部との界面部にゲート絶縁体が設けられ、そして、ゲート用溝部および2つの各ポケット部を充填するようにゲート電極材料が堆積により配置される。
【0068】
上記のようなゲート用溝部を規定して形成するために、様々な種類の各ハードマスクを用いることができる。具体的には、半導体基板1の表面上、あるいは半導体基板の表面上に堆積された二酸化ケイ素の犠牲層上に、第1のハードマスク層スタックが備えられていてもよい。この第1のハードマスク層スタックは、半導体基板の材料とは異なる材料の層を少なくとも1つ有している。第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックが任意で備えられていてもよい。
【0069】
図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタを形成するために基板内のゲート用溝部をエッチングにより形成するプロセスは、素子分離用トレンチの絶縁材料に対して半導体材料を選択的にエッチングするプロセスである。図2Dおよび図2Eに示されているトランジスタを形成するためには、第1のハードマスク層スタックが、最上層としてポリシリコン層を有している必要はない。具体的には、第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコン層/二酸化ケイ素層/ポリシリコン層(任意)、窒化ケイ素層/二酸化ケイ素層/ポリシリコン層(任意)、およびポリシリコン層/窒化ケイ素層、のいずれかの組み合わせであってよい。
【0070】
しかし、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを用いることが好ましい。具体的には、炭素ハードマスクは炭素層からなり、物理的気相成長法または化学気相成長法による堆積により形成されるものであってもよい。具体的には、上記炭素層は無定形炭素(アモルファスカーボン)から形成されていてよい。無定形炭素は、任意で水素を含有していてよい。
【0071】
詳細には、微細化をたどる半導体デバイスの製造に際して、構成される構造物の深さと幅とのアスペクト比を特定の値に限定させるために、薄いレジスト材料を用いる必要がある。
【0072】
しかし、厚みが100nm〜200nmのレジスト層を用いた場合は、エッチングプロセスにおいて所望する選択性を得ることができない。このため、厚みが200nm〜300nmの炭素層、および厚みが約50nm〜70nmの窒素酸化シリコン層を有する炭素ハードマスクを用いることが好ましい。
【0073】
具体的には、パターン形成されたハードマスクとしてSiON層が用いられる。炭素層をパターン形成するための後のプロセスにおいて、パターン形成されたSiON層がハードマスクとして用いられる。炭素からなるハードマスクは、例えば酸素プラズマによって容易にエッチングにより除去できるため非常に有利である。
【0074】
本発明の方法によって製造されるトランジスタは、例えば図2Aに示されているように、側壁状のスペーサ86を有していると有利である。具体的には、側壁状のスペーサ86は、ゲート電極85と、第1および第2のソース/ドレイン領域121、122との間の界面に配置され、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122からゲート電極85を効果的に絶縁する。
【0075】
側壁状のスペーサ86は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88より厚みが大きいため、ゲート電極85に印加された電位を隣り合う第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122から効果的に遮断する。具体的には、側壁状のスペーサ86の少なくとも上部が二酸化ケイ素によって形成されることが好ましい。
【0076】
図2Fは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が、図2Dに示されているよりも深い位置まで伸びているEUDを示している。さらに、ゲート電極85と、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122との間の境界にスペーサが配置されていて、第1および第2の各ソース/ドレイン領域121、122からゲート電極85を電気的に絶縁している。
【0077】
本発明の好ましい実施形態によると、FinFETまたはEUDを形成する際にゲート用溝部が形成され、そして犠牲材料からなるスペーサが形成される。このスペーサは、後のプロセスにおいて二酸化ケイ素のスペーサなどの恒久スペーサと置換される。この場合、後のプロセスにおいて二酸化ケイ素のスペーサなどの恒久スペーサと置換される上記犠牲スペーサの特性を利用できため有利である。
【0078】
この場合、上記犠牲スペーサは、恒久スペーサが形成される位置、具体的にはゲート電極を、第1および第2のソース/ドレイン領域から離間しているギャップの位置に形成される。
【0079】
さらに、本発明の方法によると、第1のハードマスク層スタック内に開口部を形成した後に、第1の開口部の側壁に犠牲スペーサを形成することが好ましい。その後、基板材料が等方性エッチングされ、次の工程において犠牲スペーサが除去される。これによって、基板内に形成された溝の直径が、第1のハードマスク層スタック内の第1の開口部の直径に対して縮小される。これによって限界寸法(critical dimension;CD)がさらに低減される。
【0080】
さらに、トランジスタをそれぞれ備えたメモリセルアレイと周辺回路部分とを有するメモリデバイスの製造において、周辺回路部分とメモリセルアレイ部分との各トランジスタの製造には様々な方法がある。
【0081】
例えば、周辺回路のゲート絶縁層および周辺回路のポリシリコン層を形成し、次にアレイトランジスタを完成させ、続いて、層スタックを堆積させて、周辺回路のゲート電極およびメモリセルアレイのワード線を形成してもよい。
【0082】
この場合、周辺回路のゲート絶縁層および周辺回路のポリシリコン層は、アレイトランジスタを形成するための第1のハードマスク層スタックの一部として用いられる。この実施形態は、ハードマスク層スタックおよび周辺回路のゲート電極の層を一般的な堆積プロセスによって同時に形成することができるため有利である。
【0083】
あるいは、犠牲酸化層を成長させた後にアレイトランジスタを形成し、続いて、周辺回路のゲート絶縁層を形成するプロセス、および周辺回路のゲート電極ならびにアレイのワード線を形成するための層スタックを形成するプロセスを行ってもよい。この実施形態は、アレイトランジスタを形成するためのプロセスによって周辺回路のゲート絶縁層の形成が影響を受けることがないため有利である。
【0084】
さらに、本発明は、第2のソース/ドレイン領域を、それに対応するビット線に電気的に接続するためのビット線を有するメモリセルアレイの製造方法を提供する。具体的には、二酸化ケイ素層、ポリシリコン層、および二酸化ケイ素層を有するハードマスク層スタックが第1のハードマスク層スタックとして用いられる場合は、ビット線コンタクト部を形成するための特別な方法を用いることができる。
【0085】
しかし、第1のハードマスク層スタックが窒化ケイ素および二酸化ケイ素層を有している場合は、互いに隣り合う各ワード線間の容量結合を回避し、これによってクロストーク効果を低減することができるという利点を発揮できる。
【0086】
以下の説明では、ゲート誘電体層またはゲート絶縁層について、例えば、詳細にはゲート酸化物などについて言及するが、当業者には明らかであるように、ゲート誘電体層として他の任意の適切な誘電体材料を用いることもできる。
【0087】
図3〜図33は、本発明の第1の実施形態を示している。以下に説明するように、二酸化ケイ素からなるスペーサを有する、本発明に係るトランジスタを備えたメモリセルが提供される。
【0088】
図3Aは、ストレージキャパシタを形成した後、および能動領域12を規定した後のメモリセルアレイの一部の平面図を示している。具体的には、能動領域がストライプ状の各セグメント(segments of stripes)として形成される。1列内にある能動領域12の、互いに隣り合う2つの各セグメントは、トレンチ最上部の酸化物層34によって互いに絶縁される。トレンチ最上部の酸化物層34は、上記セグメントに対応するトレンチキャパシタの上側に形成される。
【0089】
別々の列内にある能動領域12の隣り合う各ストライプ同士は、離間していて、隣り合う列と列との間には絶縁用トレンチが配置される。これらの絶縁用トレンチには絶縁材料が充填される。各能動領域12のセグメントはチェス盤状に配置され、隣り合う各列のセグメント同士が互い違いになるように配置される。より具体的には、隣り合う列のセグメントはセルピッチの半分、特に2F分、オフセット(互いにずれて配置)される。
【0090】
図3Bは、図3Aに示すアレイのI−I間の断面図を示している。図3Bに見られるように、半導体基板1(具体的にはシリコン基板)内にて、その内方に向かって伸びるように、溝状のストレージキャパシタ3が配置される。ストレージキャパシタ3は、内部キャパシタ電極31およびキャパシタ誘電体312を有している。キャパシタ誘電体312は、内部キャパシタ電極31と、それの対である対電極313との間に配置される。ストレージキャパシタ3の上部には、当技術分野では一般的であるように、素子分離用カラー32が配置される。
【0091】
内部キャパシタ電極31と、素子分離用カラー32の上に形成された埋め込みストラップウィンドウ33とが電気的に接触するように、ポリシリコン充填材311が備えられている。ポリシリコン充填材311の上には、トレンチ最上部の酸化物層34が備えられている。トレンチ最上部の酸化物層34は、例えば、厚み全体が約30nmであってよく、また埋め込みストラップウィンドウ33が基板表面10の近傍に配置されるように、基板表面10から、例えば約15nm突出していることが好ましい。部材番号21にて示した破線は、図示されている断面と平行な断面に沿って形成された素子分離用トレンチ2の底部を示している。
【0092】
ストレージキャパシタ3の形成については公知であるため、便宜上その説明を省略している。トレンチキャパシタは、具体的には、内部キャパシタ電極31と、形成されるトランジスタの第1のソース/ドレイン部分との間の電気的接触が得られるように埋め込みストラップを有している。ポリシリコン充填材311のドーパントは基板部分へ拡散して、拡散部分331から埋め込みストラップを形成する。
【0093】
さらに、能動領域12の側方を限定するための素子分離用トレンチ2がエッチングされ、そして公知であるように絶縁材料によって充填される。素子分離用トレンチ2には、具体的には第1の二酸化ケイ素層、窒化ケイ素の下地層、および二酸化ケイ素充填材料が充填される。
【0094】
次のプロセスでは、図4に示すように、第1および第2の各ハードマスク層スタック4が堆積により形成される。具体的には、厚みが約10nmの窒化ケイ素層41、厚みが約120nmの二酸化ケイ素層42、および厚みが約50nmのポリシリコン層43が堆積される。その後、厚みが約180nmのハードマスクとしての炭素層44、および厚みが約60nmの酸化窒化ケイ素(SiON)層45が堆積される。
【0095】
酸化窒化ケイ素層45は、具体的には炭素層44をパターン形成するためのハード層として機能する。さらに、酸化窒化ケイ素層45は反射防止用のコーティング層である。基板表面10と窒化ケイ素層41との間に、二酸化ケイ素の犠牲層(図示せず)が備えられていてもよい。上記プロセスにより得られる構造は、図4に示されている。
【0096】
次のプロセスでは、図5に示すように、酸化窒化ケイ素層45内に開口部が形成される。酸化窒化ケイ素層45内の開口部は、例えばテーパーエッチングプロセスによって、最上部の径よりも底部の径が小さくなるように形成される。
【0097】
上記開口部は、楕円形となるように形成されることが好ましく、その場合、長径と短径との比率が約2:1〜約2:1.2となるように形成される。具体的には、酸化窒化ケイ素層45の底部における開口部の径は、50nm〜300nmであってよい。上記プロセスにより得られる構造は図5に示されている。
【0098】
次のプロセスでは、図6に示すように、ハードマスクである炭素層44がエッチングされる。その後、選択的エッチングプロセスによって、ポリシリコン層43および二酸化ケイ素層42が窒化ケイ素層41までエッチングされる。上記プロセスにより得られる構造は図6に示されている。図6の上部には、上記構造の平面図が示されている。
【0099】
図示されているように、酸化窒化ケイ素層45内に開口部46が形成される。図6の下部は、図6の上部に示した構造のI−I間の断面図を示している。下部に見られるように、開口部46は窒化ケイ素層41に至る深さまで、各層の厚さ方向に沿って伸びるように形成されている。
【0100】
窒化ケイ素層41が、シリコンおよび二酸化ケイ素に対して選択的にエッチングされる。その後、二酸化ケイ素およびシリコンを同時にエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0101】
具体的には、このエッチングプロセスによってシリコンが約15nm〜60nmの深さまでエッチングされる。この結果、開口部46がシリコン基板1の内部にまで伸びるように形成される。さらに、図7に示されているI−I線に対して直交する方向の区域にある素子分離用トレンチ2の上部もまたエッチングされ、除去される。
【0102】
その後、残存している酸化窒化ケイ素層45およびハードマスクである炭素層44が除去される。具体的には、上記炭素層44は、酸素プラズマによってエッチングされてよい。上記各エッチングにより得られる構造は図7に示されている。
【0103】
図7の上部は、得られた構造の平面図を示している。図示されているように、開口部46はポリシリコン層43内に形成される。開口部46内では、能動領域12のシリコン基板1の材料は覆われない、つまり露出している。各素子分離用トレンチ2は、能動領域12に対し隣接して配置されている。開口部46内においては、素子分離用トレンチ2は、覆われていない、すなわち露出している。
【0104】
上記構造の断面図は図7の下部に示されている。図示されているように、開口部46はシリコン基板1の内部までに伸びている。開口部46は、例えば基板表面10の下方約15nm〜60nmまで伸びて、ゲート用溝部73を形成するようになっていてよい。
【0105】
図8Aに示すように、窒化ケイ素層であるスペーサ47が形成される。具体的には、厚みが約0.3Fの窒化ケイ素層がコンフォーマル(等方的)に堆積され、そして異方性エッチングプロセスが行われてスペーサ47が形成される。その後、素子分離用トレンチ2における二酸化ケイ素材料をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。具体的には、二酸化ケイ素が約100nmエッチングされる。得られる構造は図8Aおよび図8Bに示されている。
【0106】
図8Aの上部は、得られる構造の平面図を示している。図示されているように、筒状の窒化ケイ素のスペーサ47によって囲まれた開口部46がポリシリコン層43内に形成される。能動領域12の両側には素子分離用トレンチ2が備えられる。得られる構造の断面図は、図8Aの下部に示されている。この断面図は、図8Aの上部に示したように、I−I間の断面図である。図示されているように、開口部46のいずれの各側壁上にもスペーサ47が配置されている。
【0107】
図8Bは、図8AのII−II間の断面図を示している。図示されているように、素子分離用トレンチ2内にて、その厚さ方向に伸びる、各ポケット部74が酸化物エッチングプロセスによって形成される。さらに、開口部46の上部には、スペーサ47が配置されている。
【0108】
必要に応じて、等方性シリコンエッチングプロセスを行って、能動領域12を薄く形成してもよい。具体的には、能動領域は、さらに10nm〜20nm薄く形成される。この結果、得られる能動領域の幅は約35nm未満になる。次のプロセスでは、図9に示すように、例えばISSG(in-situ steam generated)酸化プロセスによって、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が堆積により形成される。得られる構造は図9に示されている。
【0109】
具体的には、図9の上部は得られる構造の平面図を示している。図示されているように、これまでの各図に対して能動領域12が薄く形成されている。表面領域全体が二酸化ケイ素層88によって覆われる。また、図9の上部はスペーサ47の位置を示している。図9の下部は、I−I間の断面図を示している。図示されているように、基板表面全体にゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88がコンフォーマルに堆積により形成される。
【0110】
図10は、図9Aの上部のII−II間の断面図を示している。図示されているように、能動領域12は薄い部分125を有している。表面全体にゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88がコンフォーマルに形成される。シリコンエッチングプロセスによって、拡張されたポケット部74’が形成される。
【0111】
窒化ケイ素の犠牲層が厚み約80nmにて表面全体に対し堆積により形成される。その後、窒化ケイ素の上記犠牲層に対して、エッチングによって約100nmの深さまで除去される。この結果、図11Aおよび図11Bに示すように、窒化ケイ素充填材49が、以前のプロセスによって形成された残りの開口部46を充填するように設けられる。
【0112】
そして、公知の方法によってゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88およびポリシリコン層43が除去される。この結果、上記開口部46内において、窒化ケイ素層であるスペーサ47および窒化ケイ素充填材49が、窒化ケイ素層41の最上部から約70nm以上の高さまで伸びるように設けられる。
【0113】
得られる構造は図11Aに示されている。図11Aは、例えば図9に見られるI−I間の断面図を示している。図11Bは、II−II間の断面図を示している。図示されているように、図11Aに示されている断面に直交する断面では、開口部46に、上記スペーサ47および窒化ケイ素充填材49が充填される。
【0114】
二酸化ケイ素層42を除去するためのエッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセスによって、スペーサ47と窒化ケイ素充填材49との間に配置されたゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88の最上部が除去される。得られる構造は図12に示されている。図12の左側はI−I間の断面図を示している。図12の右側は、メモリデバイスの周辺回路部分の、例えば図1のIII−III間の断面図を示している。図12に見られるように、ゲート電極が形成される部分を除いて、完成した基板表面が窒化ケイ素層41によって覆われる。
【0115】
厚みが4nmの二酸化ケイ素層54が、窒化ケイ素層41を保護するための層として形成される。二酸化ケイ素層54は、例えばISSG酸化プロセスによって形成することができる。得られる構造は図13に示されている。図示されているように、表面全体が二酸化ケイ素層54によって覆われる。
【0116】
アレイ部分を露出させた状態にて、メモリデバイスの周辺回路部分上にレジスト層35が設けられる。さらに、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を設けるための注入プロセスが行われる。得られる構造は図14に示されている。図14に見られるように、III−III間の周辺回路部分がレジスト層35によって覆われて、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が形成される。
【0117】
次のプロセスでは、ディグレージング(deglazing)プロセスが行われて、アレイ部分から二酸化ケイ素層54が除去される。その後、周辺回路部分からレジスト層35が除去される。この結果、周辺回路部分が二酸化ケイ素層54によって保護されたままとなる一方、アレイ部分では表面が窒化ケイ素層41によって覆われる。得られる構造は図15に示されている。
【0118】
熱リン酸(hot phos.)を用いたエッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素に対して窒化ケイ素が選択的にエッチングされる。この結果、図16に示すように、窒化ケイ素層41がアレイ部分から除去される。さらに、スペーサ47と、形成された開口部の中央にある窒化ケイ素充填材49とが完全にエッチングされる。このエッチングプロセスは二酸化ケイ素に対して選択的であるため、周辺回路部分がエッチングされることはない。得られる構造は図16に示されている。
【0119】
続いて、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって二酸化ケイ素層54および二酸化ケイ素層88が除去される。得られる構造は図17に示されている。
【0120】
HCl蒸気を用いた酸化プロセスが、約800℃の温度で行われる。これによって、覆われていなかったシリコン材料が酸化されて二酸化ケイ素が形成される。この結果、二酸化ケイ素層が形成される。この二酸化ケイ素層は、具体的にはゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88と、厚みが約15〜20nm(これによって9〜12nmのシリコンを消費する)のスペーサとしての二酸化ケイ素層36とを有している。
【0121】
熱リン酸を用いた窒化物エッチングプロセスが行われる。これによって窒化ケイ素層41が周辺回路部分から除去される。得られる構造は図18に示されている。
【0122】
周辺回路のトランジスタのドープ領域を備えるための注入プロセスを任意で行ってもよい。そして、二酸化ケイ素の犠牲層がある場合は、これが除去される。
【0123】
その後、HCl蒸気を用いた酸化プロセスが行われて、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が設けられる。その後、厚みが約80nmのポリシリコン層が堆積されて、次にポリシリコンを約60nmの深さまで除去するエッチングプロセスが行われる。この結果、表面全体がポリシリコン層48によって覆われて、基板表面に形成された開口部にポリシリコン材料が充填される。得られる構造は図19に示されている。
【0124】
具体的には、図19Aに示されているように、I−I間の断面図では、ゲート用溝部にポリシリコン材料が充填される。以下の図では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36および二酸化ケイ素29の一部はキャパシタトレンチの上に示されている。
【0125】
しかし、これらの二酸化ケイ素層は、形成されたプロセス条件によっては、キャパシタトレンチを覆う連続層としては形成されないことは当業者には明らかである。より具体的に説明すると、スペーサとしての二酸化ケイ素層36および二酸化ケイ素29は、熱酸化によって形成された場合は、キャパシタトレンチを充填するトレンチ最上部の酸化物層34の上には形成されない。
【0126】
II−II間の断面図を示す図19Bからさらに分かるように、図19Aの断面に対し直交する方向の垂直な断面においても、また、ゲート用溝部にポリシリコン材料が充填される。
【0127】
ゲートスタックを形成するための層が堆積される。具体的には、従来技術と同様に、ポリシリコン層55、タングステン層82、および窒化シリコン層56が堆積される。得られる構造は図20に示されている。
【0128】
その後、ゲート電極を形成するための層スタックがパターン形成されて、ワード線が形成される。具体的には、これらの層は、ライン/スペースパターン(line/spaces pattern)を有するマスクを用いて形成されたレジストパターンを用いてエッチングされる。そして、層スタックがエッチングにより形成される。
【0129】
ポリシリコン層55のエッチングプロセスの終点は、終点検出(end point detection)によって検出されて、ポリシリコン層48に達したときにおいて停止することが好ましい。得られる構造は図21に示されている。
【0130】
図示されているように、アレイ部分にアクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが形成される。また、III−III間の周辺回路部分に周辺回路のゲート電極8cが形成される。
【0131】
図21では、ゲート電極に対するワード線8aおよび8bのわずかなミスアラインメントが図示されている。以下の説明から明らかとなるように、このようなミスアラインメントによって好ましくない短絡(short)が起こることはない。
【0132】
以下では、ゲート電極下部およびビット線コンタクトでの短絡を回避してビット線コンタクトの形成を可能にするプロセスについて説明する。
【0133】
まず、ポリシリコン層55をエッチングするためのプロセスが行われる。ポリシリコン層55をエッチングするためのプロセスは、ポリシリコン層48もエッチングするオーバエッチングプロセスであってもよい。あるいは、ポリシリコン層48もエッチングするための追加的なエッチングプロセスを行ってもよい。ポリシリコン材料をエッチングした後に得られる構造は図22に示されている。
【0134】
図22に見られるように、I−I間のアレイ部分において、ゲート用溝部73の上部からポリシリコン材料が除去される。その後、ゲート用溝部73の露出した部分に二酸化ケイ素が任意で充填されてもよい。このために、開始時の気体としてテトラエチル・オルトシリケート(tetraethyl ortho silicate; TEOS)を用いた化学気相成長法(Chemical Vapour Deposition;CVD)プロセスによって、二酸化ケイ素が約30nm堆積される。
【0135】
そして、二酸化ケイ素層が約40nmの深さまでエッチングにより除去される。この結果、ゲート用溝部の底部において二酸化ケイ素充填材37が形成される。周辺回路部分のIII−III間では、二酸化ケイ素層29がエッチングされる。この任意のプロセス後に得られる構造は図23に示されている。
【0136】
公知の方法による酸化プロセスを行って、厚みが約7nmの二酸化ケイ素層38を側壁酸化物として任意で形成してもよい。得られる構造は図24に示されている。
【0137】
次に、第2のソース/ドレイン領域122とのビット線コンタクトを形成するための方法について説明する。このプロセスは公知であるため、ほんの一例として説明する。当業者には明らかなように、ビット線コンタクトは、具体的には自己整合コンタクト形成(self aligned contact formation)といった任意の別の適切なプロセスによっても形成可能である。
【0138】
ビット線コンタクトを形成するためには、まず、例えばTEOS法などの公知の方法によって、厚みが約(0.3×F)の二酸化ケイ素層57が堆積される。図23を参照しながら説明した二酸化ケイ素充填材37を充填するためのプロセスは、ゲート用溝部の上部を二酸化ケイ素によって充填するために行ってもよい。得られる構造は図25に示されている。
【0139】
その後、従来の方法によってビット線のコンタクトプラグ95が形成される。具体的には、非ドープのポリシリコン層93が堆積され、上記ポリシリコン層93に対して、CMP(Chemical Mechanical Polishing; 化学機械的研磨)プロセスにより平坦化が施され、次に、上記平坦化されたポリシリコン層93上に対し、窒化ケイ素層94が、CVDにより形成される。
【0140】
その後、ビット線コンタクトマスクを用いて、コンタクトプラグ95がフォトリソグラフィーによって規定され、続いて、露出したポリシリコン層93および窒化ケイ素層94がエッチングにより除去される。続いてフォトレジスト材料が表面から除去される。得られる構造は図26に示されている。図示されているように、ビット線のコンタクトプラグ95は、第2のソース/ドレイン領域122の上の位置に形成されている。
【0141】
ディグレージングプロセスが行われて、表面の二酸化ケイ素層の一部が除去される。その後、窒化ケイ素層94をエッチングするためのウェットエッチングプロセスが行われる。そして異方性エッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素層57の水平方向に沿った部分が除去される。得られる構造は図27に示されている。
【0142】
図示されているように、アレイ部分では、第2のソース/ドレイン領域122の上に、ポリシリコンからなるコンタクトプラグ95が形成される。第1のソース/ドレイン領域121は覆われていない。周辺回路部分のIII−III間では、二酸化ケイ素層57が水平方向に沿った表面部分から除去される。
【0143】
表面全体に二酸化ケイ素層96が堆積される。その後、メモリデバイスの周辺回路部分に低濃度ドープ部分を注入するための注入プロセスが行われる。さらに、イオン注入プロセスによって、pドープ部分およびnドープ部分が備えられる。得られる構造は図28に示されている。図示されているように、表面全体が薄い二酸化ケイ素層96によって覆われる。
【0144】
LPCVD(low pressure CVD; 減圧CVD)によって、厚みが12nmの窒化ケイ素層97が堆積される。その後、BPSG層が堆積される。BPSG層971がアニーリングされ、そしてCMPプロセスが行われて、二酸化ケイ素層96が除去される。得られる構造は図29に示されている。アレイ部分の断面図を示している図29の左側に見られるように、ビット線のコンタクトプラグ95のポリシリコン層93が露出される。
【0145】
従来のエッチングプロセスによって、ポリシリコン層93が除去される。その後、ビット線のコンタクトプラグ95に直接隣り合ったスペーサの二酸化ケイ素層96がエッチングにより除去される。この結果、ビット線コンタクト開口部90が表面に形成される。
【0146】
そして、イオン注入プロセスが行われて、図30に示すように、第2のソース/ドレイン領域の一部を形成するドープされたポケット部(doped pocket)133が設けられる。得られる構造は図30に示されている。図示されているように、ビット線コンタクト開口部90が第2のソース/ドレイン領域122と接触可能に面している。
【0147】
周辺回路部分において、図31に示すように、周辺回路のゲート電極8cおよび上記ゲート電極8cのタングステン層82と接触するように、開口部27が形成されている。この周辺回路のゲート電極コンタクト用の開口部27は、従来の方法(すなわち、対応する開口部をフォトリソグラフィーによって構成する方法)によって形成される。得られる構造は図31に示されている。
【0148】
さらに、図32および図33に示すように、周辺回路部分に周辺回路用の各コンタクト部26のための各開口部28が、フォトリソグラフィーによるパターン形成、およびエッチングによって形成される。具体的には、各開口部27、28は、一般的なエッチングプロセスによって同時に形成することができる。さらに、接触抵抗を低減するための注入プロセスが行われる。得られる構造は図32に示されている。図示されているように、周辺回路のゲート電極用の開口部27および周辺回路のコンタクト用の開口部28が周辺回路部分に形成される。
【0149】
コンタクトを完成させるために、パターン形成された各開口部27、28、90に電気的伝導性材料が充填される。具体的には、例えばスパッタリングによって、チタン(Ti)層98および窒化チタン(TiN)層981が形成される。その後、例えばMOCVD(metal organic chemical vapor deposition; 有機金属化学気相成長法)またはスパッタリング法によって、タングステン充填材99が堆積される。その後、CMPプロセスにより表面の平坦化が行われる。
【0150】
次に、一般的な方法によってビット線9が形成される。得られる構造は図33に示されている。図示されているように、トランジスタの第1のソース/ドレイン領域121に接続されたストレージキャパシタ3を有するメモリセルが形成される。トランジスタは、第2のソース/ドレイン領域122と、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってチャネルから絶縁されたゲート電極48とをさらに有している。ゲート電極48は、ポリシリコン層55およびタングステン層82を有した、対応するワード線8aに接続されている。
【0151】
ゲート電極48は、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122から、それぞれ、スペーサとしての二酸化ケイ素層36およびゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって絶縁されている。これらによって、ゲート電極に生じる電界が弱まる。
【0152】
第2のソース/ドレイン領域122は、ビット線コンタクト部901を介してビット線9に接続される。図33から理解されるように、各ワード線8a、8bに対するビット線のコンタクトプラグ95のミスアラインメントによって、好ましくない短絡が生じることはない。ビット線9の長手方向は、各ワード線8a、8bの長手方向に対して直交する方向に伸びている。
【0153】
さらに、図33の右側には周辺回路部分が示されている。周辺回路部分には、周辺回路のゲート電極用のコンタクト部25を介して周辺回路部分のゲート電極8cが接続されていて、また周辺回路のコンタクト部26が設けられている。
【0154】
アレイ部分では、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が、ゲート電極48よりも深く伸びている。この結果、第1および第2の各ソース/ドレイン領域を、互いに接続し、連結するチャネルが、基板表面に対して水平な構成要素を有する。
【0155】
図示されている断面に直交する断面では、能動領域の3つの面がゲート電極48によって囲まれている。具体的には、能動領域がリッジ形をしたフィン領域が薄く形成され、これによってアレイトランジスタの動作中にチャネルが完全に空乏化される。
【0156】
本発明に係る第2の実施形態は、アレイ部分の一部および周辺回路部分の一部が同じプロセスによって加工されるメモリデバイスの製造方法に関する。ゲート電極を形成するための第1のハードマスク層スタックは、第1のポリシリコン層、二酸化ケイ素層、および任意で第2のハードマスク層を有している。第2のハードマスク層スタックは炭素層を含んでいる。
【0157】
本発明の第2の実施形態によれば、アレイ部分を覆う第1のポリシリコン層は、アレイ部分でのトランジスタ製造中に、周辺回路部分をマスクするためのマスクとしても機能する。アレイトランジスタは、基板内において、ゲート電極の溝領域よりもゲート電極のプレート状部が深い位置まで伸びた凹み形状チャネルのトランジスタとして形成される。このとき、上記溝領域と上記プレート状部との間の深さの差は大きくはない。アレイトランジスタが完成された後、周辺回路部分から第1のポリシリコン層が除去されて、メモリデバイスの周辺回路部分が完成される。
【0158】
次の各図としての図34では、アレイ部分と周辺回路部分との断面図が示されている。これらの断面図では、アレイ部分の素子分離用トレンチ2が、周辺回路部分の素子分離用トレンチ23よりも深く伸びている。
【0159】
しかし、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は、周辺回路部分の素子分離用トレンチ23と比べて、任意の適切な深さまで伸びていてよいことについて明確に理解されたい。具体的には、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は、通常は周辺回路部分の素子分離用トレンチ23と同じ深さまで伸びていてもよい。
【0160】
本発明の第2の実施形態を実施するにあたり、例えば図3に示されている構造を出発点として、まず基板表面に酸化物の犠牲層24が堆積により形成される。その後、ドープされる部分を規定するためのリソグラフィープロセスが行われる。次に、一般的なようにウェル埋め込み(well implant)が行われる。
【0161】
その後、イオン注入プロセスが行われてドープ部分124が備えられる。ドープ部分124は、完成したトランジスタの第1および第2の各ソース/ドレイン領域をそれぞれ形成する。この注入プロセス中において、フォトレジスト層によって周辺回路部分がマスクされる。このプロセス後、周辺回路部分からフォトレジスト材料が除去される。図34は、得られる構造の断面図を示している。
【0162】
具体的には、図34のIV−IV間の断面図は、図3Aにも見られるように、能動領域12の方向と平行な図を示している。さらに、図34の右側部分は、図3Aにも見られるように、能動領域の長手方向に対し直交する方向のV−V間の断面図を示している。さらに、VI−VI間の断面図は、図1に見られる周辺回路部分の断面図を示している。図34から分かるように、基板のドープ部分124がアレイ部分の基板表面10に備えられる一方、周辺回路部分にはドープ領域が設けられていない。
【0163】
さらに、図34に見られるように、アレイ部分の素子分離用トレンチ2は所定の深さまで伸びている。素子分離用トレンチ2の底部は、IV−IV間の断面図の破線21によって示されている。
【0164】
次に、厚みが約20nm〜60nmのポリシリコン下地層200が、公知の方法によって、表面上に堆積により形成される。得られる構造は図35に示されている。図35に示されているように、基板表面全体がポリシリコン下地層200によって覆われる。
【0165】
図36に示すように、二酸化ケイ素層201が公知の方法によって堆積される。具体的には、厚みが約100nmの二酸化ケイ素層201が、平坦な基板表面となるように設けられている。得られる構造は図36に示されている。その後、図37に示されているように、厚みが約60nm〜120nmのポリシリコン層202が公知の方法によって備えられて、基板表面全体が覆われる。
【0166】
続いて、最初に、公知の方法によって、図38に示すように、厚みが約150nm〜300nmのハードマスクとしての炭素層203が基板表面全体に堆積され、次に厚みが約50nm〜100nmのSiON層204が堆積される。得られる構造は図38に示されている。
【0167】
図39に示すように、SiON層204およびハードマスクとしての炭素層203に開口部が形成される。得られる構造の平面図を示す図39の上部に見られるように、形成される開口部は、能動領域の方向に水平な方向の直径と、能動領域の方向に直交する方向の直径との2つの異なる直径を持つ楕円形である。まず、テーパーエッチングプロセスによってSiON層204がエッチングされ、次にテーパーエッチングではないエッチングプロセスによってハードマスクとしての炭素層203がエッチングされることが好ましい。
【0168】
得られる構造は図39に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、ハードマスクとしての炭素層203内およびSiON層204内に開口部7が形成される。開口部7の直径は、V−V間の断面図よりもIV−IV間の断面図において小さい。V−V間の開口部7の直径は、能動領域12の幅よりも大きい。さらに、このエッチングプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。
【0169】
次に、図40に示すように、ハードマスクとしてのポリシリコン層202がエッチングされ、次に、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。得られる構造は図40に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、開口部7がエッチングにより形成され、ポリシリコン下地層200において上記エッチングが停止される。さらに、V−V間の断面図では、開口部7がエッチングされてポリシリコン下地層200において停止されるが、周辺回路部分が影響を受けることはない。
【0170】
SiON層204、ハードマスクとしての炭素層203、およびポリシリコン層202が除去されるが、アレイ部の構造は二酸化ケイ素層201によって覆われたままである。その後、ポリシリコン、続いて薄い二酸化ケイ素をエッチングするための、貫通のエッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセスによって、二酸化ケイ素の犠牲層24に開口が形成される。その後、シリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、シリコン基板材料内にシリコンのゲート用溝部73が形成される。得られる構造は図41に示されている。
【0171】
図示されているように、ドープ部分124の底面の下にシリコンのゲート用溝部73の底面が配置されるような深さまで伸びている。VI−VI間の断面図に示されているように、窒化ケイ素層(SiON層)204、炭素ハードマスクの炭素層203、およびハードマスクとしてのポリシリコン層202もまた周辺回路部分から除去される。図41の上部に示されている平面図に見られるように、得られる表面は二酸化ケイ素201によって覆われている一方、シリコンのゲート用溝部73によって開かれる部分の能動領域12は、上記二酸化ケイ素層201によって覆われず、露出している。
【0172】
その後、等方性シリコンエッチングプロセスが行われて、シリコン材料が10nm〜20nm側方から除去される。この結果、シリコンのゲート用溝部73は、図42のIV−IV間の断面図では拡大されていて、V−V間の断面図では深くなっている。このエッチングプロセス前のシリコン溝部分は破線で示されている。シリコンのゲート用溝部73の最上部では、二酸化ケイ素層301は、溝の側壁から側方に突出している。得られる平面図は、図42の上部に示されている。ボトル構造205が形成される。
【0173】
さらに、二酸化ケイ素の別の犠牲層が任意で形成されてもよい。その後、HF(hydrofluoric acid; フッ化水素酸)を用いた等方性エッチングが行われる。この結果、ボトル構造が除去され、そして素子分離用トレンチ2内にポケット部74が形成される。
【0174】
具体的には、ポケット部74は、素子分離用トレンチ2内において、シリコンのゲート用溝部73よりも深く伸びている。しかしポケット部74の構造とシリコンのゲート用溝部73との深さの差はわずかである。具体的には、このエッチングプロセスは、用いられる技術の最小構造寸法Fに応じて、約10nm〜20nmエッチングするように行われる。
【0175】
得られる構造は図43に示されている。IV−IV間の断面図に示されているように、ボトル構造205が除去される。さらにV−V間の断面図に見られるように、ポケット部74が形成される。ポケット部74は、能動領域12の表面に対してわずかに下方に突出している。得られる構造の平面図は、図43の上部に示されている。
【0176】
酸化プロセスが行われて、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が備えられる。ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88の厚みは、用いられる技術に応じて2nm〜6nmである。
【0177】
得られる構造は図44に示されている。図44の上部は平面図を示し、また図44の下部はそれぞれの断面図を示している。IV−IV間およびV−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73の表面がゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によって覆われる。
【0178】
その後、ポリシリコン層206が堆積される。続いて、表面を平坦化するための任意のCMPプロセス、およびポリシリコン層をエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われる。この結果、図45に見られるように、シリコンのゲート用溝部73の下部にポリシリコン層206が充填される。
【0179】
その後、シリコンのゲート用溝部73の上部に、スペーサのための二酸化ケイ素層36が形成される。具体的には、公知の方法によって二酸化ケイ素層が堆積される。次に、堆積された二酸化ケイ素層の水平に沿った部分を除去するための異方性エッチングプロセスが行われる。
【0180】
この結果、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。図46は得られる構造を示している。具体的には、図46の上部は得られる構造の平面図を示し、また図46の下部は対応する断面図を示している。具体的には、シリコンのゲート用溝部73の側壁上部上にスペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。
【0181】
任意で、半導体基板内に形成された凹み形状のゲート用溝部73に別のポリシリコン層207が充填され、そしてこの追加的に充填されたポリシリコン層207を部分的にエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この任意のプロセス後に得られる構造は図47に示されている。能動領域の方向に水平なIV−IV間の断面図に示されているように、追加的なポリシリコン層207の表面の高さは、ポリシリコン下地層200の上縁にほぼ対応している。
【0182】
異方性エッチングプロセスが行われて、二酸化ケイ素層が除去される。この結果、二酸化ケイ素層201が水平方向に沿ってエッチングされる。得られる構造は図48に示されている。周辺回路部分のVI−VI間の断面図に示されているように、周辺回路の素子分離用トレンチ23に隣接して酸化物スペーサ2010が形成される。アレイ部分では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36をシリコンのゲート用溝部73に残したまま、二酸化ケイ素層201が完全に除去される。得られる平面図は、図48の上部に示されている。
【0183】
アレイ部分がエッチングマスクによって覆われる。そして二酸化ケイ素層の残存部分が除去され、ポリシリコンエッチングプロセスが行われる。さらに、酸化物の犠牲層24が除去される。その後、アレイ部分からレジストが剥離される。
【0184】
得られる周辺回路部分の断面図は図49に示されている。図49に見られるように、周辺回路部分の基板表面が露出される。アレイ部分は、先のプロセスにおいて適切なレジスト層によって覆われていたため、上記プロセスによって影響を受けることはない。
【0185】
二酸化ケイ素層を除去するためのエッチングプロセスが行われる。これによって、周辺回路部分から二酸化ケイ素の犠牲層24が除去される。その後、周辺回路の二酸化ケイ素層29が形成される。周辺回路のゲート絶縁層の厚みは、最小構造寸法に応じて、例えば1nm〜6nmである。
【0186】
周辺回路の二酸化ケイ素の犠牲層24を除去し、二酸化ケイ素層29を形成するプロセスによって、先のプロセスによる損傷を受けにくい二酸化ケイ素層29が得られる。得られる構造は図50に示されている。周辺回路部分を示すVI−VI間の断面図に見られるように、表面全体が、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層によって覆われる。さらに、IV−IV間の断面図およびV−V間の断面図に見られるように、アレイ部分にも、上記二酸化ケイ素層が堆積されて表面全体が覆われる。公知の方法によって、厚みが35nmのポリシリコン層208がさらに堆積される。得られる構造は図51に示されている。
【0187】
アレイ部分は覆わずに、周辺回路部分がエッチングマスクによって覆われる。その後、ポリシリコン層208をエッチングし、そしてアレイ部分から、上記二酸化ケイ素層をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。周辺回路部分を覆うマスクが除去される。得られる構造は図52に示されている。VI−VI間の断面図に見られるように、このプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。アレイ部分では、ポリシリコン層208および上記二酸化ケイ素層が除去される。
【0188】
図52に示されている構造を出発点として、周辺回路部分およびアレイ部分が公知の方法によってプロセスされる。より具体的には、周辺回路部分およびアレイ部分のいずれも、後のプロセスにおいて、対応するレジストに対して選択的にマスクされないため、アレイ部分または周辺回路部分のいずれか1つのみが加工される。
【0189】
別のポリシリコン層811が任意で堆積されてもよい。得られる構造は図53に示されている。図53に示されている様々な断面図に見られるように、基板表面全体がポリシリコン層2080によって覆われる。
【0190】
ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層が堆積される。具体的には、ゲート電極はWSiによって形成されてよい。この場合、ポリシリコン層811、WSi(ケイ化タングステン)層82、および窒化ケイ素層81aが表面全体に堆積される。得られる構造は図54に示されている。
【0191】
上記構造にもかかわらず、当業者には明らかであるように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術で一般的に用いられる方法によって形成されてもよい。
【0192】
その後、アレイ部分において、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いてゲート層スタックがパターン形成される。得られる構造は図59に示されている。
【0193】
図54に示されている構造は、別のプロセスフローによる別の方法によって形成することもできる。本発明の第2の実施形態にしたがって、第1のポリシリコン下地層200を有するハードマスク層スタックが備えられる。エッチングプロセスに対する選択性を所望通りに得るためには、基板表面10と第1のポリシリコン下地層200との間に犠牲層24が備えられなければならない。
【0194】
したがって、酸化物の犠牲層24およびポリシリコン下地層200が、周辺回路のゲート絶縁層と、周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックの一部とを形成している場合は、メモリデバイスを形成するためのプロセスをさらに簡略化することができる。
【0195】
しかし、このような変更を加えるにあたっては、アレイ部分にトランジスタを形成するためのプロセスによって、二酸化ケイ素層29および第1のポリシリコン下地層200が影響を受けないように、特別な注意を払わなければならない。
【0196】
図3に示されている構造を出発点として、別のプロセスフローにしたがって、上述したように、アレイ部分にウェルを構成するための注入プロセスが行われる。さらに、ドープ部分124を形成するためのイオン注入プロセスが行われる。このドープ部分124は、後に第1および第2の各ソース/ドレイン領域を構成する。その後、表面全体からレジスト材料が除去される。そして、周辺回路のゲート絶縁層として機能する、二酸化ケイ素層29が堆積によって形成される。得られる構造は図55に示されている。図55に見られるように、表面全体が上記二酸化ケイ素層によって覆われる。
【0197】
その後、図35〜図48に照らして説明した各プロセスが行われる。得られる構造は図56に示されている。図56に見られるように、表面全体がポリシリコン下地層200によって覆われる。ゲート用溝部73に各ポリシリコン層206、207が充填され、そしてゲート電極の上部が、スペーサとしての二酸化ケイ素層36によってドープ部分124から絶縁される。
【0198】
アレイ部分では、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29の上にポリシリコン下地層200が形成される。任意で、周辺回路部分を覆わずに、適切なマスクでアレイ部分を覆ってもよい。その後、周辺回路部分から二酸化ケイ素の残存物を除去するためのエッチングプロセスが行われる。アレイ部分からマスクを除去した後、表面全体にポリシリコン層208が堆積される。得られる構造は図57に示されている。
【0199】
その後、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層が公知の方法によって堆積される。例えば、ポリシリコン層811、WSi層82、続いて窒化ケイ素層81aが堆積されるようにしてよい。得られる構造は図58に示されている。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる方法によって形成されてよい。
【0200】
その後、例えばライン/スペーサパターンを有するマスクなどの適切なマスクを用いて、周辺回路部分にワード線および周辺回路のゲート電極を形成するために堆積された層がパターン形成される。得られる構造は図59に示されている。具体的には、得られる構造の平面図を示す図59の上部に見られるように、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが基板表面に形成される。周辺回路部分の断面図を示すVI−VI間の断面図に見られるように、支持部である周辺回路のための基板の能動部分から二酸化ケイ素層29によって絶縁される周辺回路のゲート電極8cが形成される。
【0201】
IV−IV間の断面図からさらに分かるように、ゲート電極85は、それに対応するアクティブワード線8aに接続されている。形成されたトランジスタは、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を有している。第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間にチャネル14が形成される。第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間の電流路15は、基板表面10に対して垂直な(直交する)構成要素および水平な構成要素をそれぞれ有している。
【0202】
第1のソース/ドレイン領域121は、ポリシリコン充填材311を介して、ストレージキャパシタ3の内部キャパシタ電極31に接続される。ゲート電極85は、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88によってチャネル14から絶縁される。さらに、ゲート電極の上部に、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が備えられる。
【0203】
これらによって、第1および第2のソース/ドレイン領域からゲート電極が遮断され、トランジスタのリーク電流が低減する。図示されている構造は、例えば図24〜図33に照らして説明した各プロセスフローによってビット線コンタクトを形成することによって完成される。より具体的には、次のプロセスにおいて、図60に示されているように、二酸化ケイ素層38が任意で堆積されてもよい。
【0204】
各ビット線コンタクトの完成後、各ワード線に対し、それぞれ直交するように伸びる各ビット線が形成される。
【0205】
本発明の第3の実施形態によれば、アレイ部分のトランジスタは、ゲート電極が能動領域の3つの面を囲んでいると同時に、本発明の第2の実施形態に従った深さよりも深い位置まで伸びるプレート状部を有している、FinFETとして形成される。第2の実施形態は、二酸化ケイ素を10nm〜20nmエッチングするための等方性エッチングプロセスを含んでいるため、図43に照らして説明したアレイトランジスタを形成するための第2のポリシリコン層202は不要である。
【0206】
しかし、第3の実施形態によると、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスによって約100nmエッチングされるため、本発明の第3の実施形態を実施するためには、第2のハードマスク層スタックのポリシリコン層202が必要である。
【0207】
第3の実施形態にしたがってアレイトランジスタを製造するためには、まず図34〜図40を参照しながら説明したプロセスが行われる。しかし、後に第1および第2のソース/ドレイン領域を形成するドープ部分124を備えるための注入プロセスは行われない。
【0208】
図40を参照しながら説明したように、ハードマスク層スタック内に開口部7を形成した後、シリコンと二酸化ケイ素との両方をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって、ポリシリコン下地層200内と、基板表面上に形成された二酸化ケイ素層内と、素子分離用トレンチ2に充填された二酸化ケイ素材料内とに開口部7が形成される。得られる構造は図61に示されている。
【0209】
図61に示されているIV−IV間の断面図に見られるように、シリコン基板内、およびシリコン基板上の層内に開口部であるゲート用溝部73が形成される。直前に行われたエッチングプロセスがシリコンおよび二酸化ケイ素に対して選択的でないため、開口部であるゲート用溝部73は、例えば図41に示されているゲート用溝部73よりも広い断面積を有している。
【0210】
さらに、IV−IV間の断面図に対し直交するV−V間の断面図に見られるように、開口部であるゲート用溝部73は、基板材料内および素子分離用トレンチ2内に伸びている。さらに、開口部であるゲート用溝部73は、基板表面10の下方15nm〜60nmまで伸びていてもよい。
【0211】
これらのエッチングプロセスによって、VI−VI間に示されている支持部である周辺回路部分が影響を受けることはない。具体的には、ポリシリコン下地層200、二酸化ケイ素層201、およびポリシリコン層202が、周辺回路部分の基板表面10にも形成されている。図61の上部に示されている平面図に見られるように、開口部であるゲート用溝部73は、能動領域の両面において素子分離用トレンチ2が覆われていない楕円形をしている。
【0212】
表面全体に薄い二酸化ケイ素の下地層が任意で堆積されてもよい。その後、公知の方法によって窒化ケイ素のスペーサが形成される。具体的には、厚みが約0.2×F〜0.3×Fの窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積される。その後、異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層の水平に沿った部分が除去される。これによって、開口部であるゲート用溝部73の側壁が、スペーサ47によって覆われる。得られる構造は図62に示されている。
【0213】
次に、シリコンに対して二酸化ケイ素材料が選択的にエッチングされる、異方性エッチングプロセスが行われる。開口部であるゲート用溝部73の側壁が、スペーサ47によって保護されているため、このエッチングプロセスによって素子分離用トレンチ2内にポケット部74が形成される。例えば、このエッチングプロセスによって、二酸化ケイ素材料が約100nmエッチングされる。
【0214】
これによって、ポケット部74の底面が、スペーサ47の底面の下、約100nm、かつ半導体基板1の表面10の下、約150nmに配置される。得られる構造は図63に示されている。能動領域の方向に水平なIV−IV間の断面図に見られるように、溝の深さがわずかに大きくなっている。一方、能動領域の長手方向に直交する断面図では、ポケット部74が形成されている。
【0215】
等方性のシリコンエッチングプロセスが行われて、能動領域12が狭められる。この結果、狭められたフィン領域11が形成され、またポケット部74が下方へ伸びる。得られる構造は図64に示されている。
【0216】
次のプロセスでは、公知の方法によって、ゲート絶縁層として機能する二酸化ケイ素層88が堆積される。得られる構造は図65に示されている。
【0217】
その後、公知の方法によってポリシリコン層が表面上に形成され、続いてこのポリシリコン層が所定深さまで除去される。この結果、ゲート用溝部73内に充填されたポリシリコン層206の表面が、ポリシリコン下地層200の表面と同じ高さに配置される。得られる構造は図66に示されている。
【0218】
平面図に見られるように、ポリシリコン層206はゲート用溝部73の中央に配置される。IV−IV間の断面図およびV−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73内に配置されたポリシリコン層206を除いて、表面全体が二酸化ケイ素層88によって覆われる。
【0219】
V−V間の断面図に示されているように、ゲート用溝部73は能動領域12の3つの面を囲んでいる。
【0220】
二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。これによって、ポリシリコン層206によって覆われていない部分からゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が除去される。得られる構造は図67に示されている。
【0221】
周辺回路部分のVI−VI間の断面図に示されているように、ポリシリコン層202が露出される。アレイ部分のIV−IV間の断面図では、スペーサ47が露出される。さらに、ゲート用溝部の外側では、ポリシリコン層202が露出される。得られる構造の平面図は、図67の上部に示されている。
【0222】
開口部であるゲート用溝部73を完全に充填するように、窒化ケイ素層が堆積される。さらに異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層の水平部分が除去される。この結果、ゲート用溝部73の上部に窒化ケイ素充填材49が充填される。充填されたゲート用溝部73を有する、得られる構造は図68に示されている。
【0223】
その後、適切なマスクによって周辺回路部分がマスクされる。このとき、アレイ部分は露出されたままである。そして、ポリシリコンをエッチングするエッチングプロセス、および二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0224】
この結果、アレイ部分においてポリシリコン下地層200が露出される。さらに、窒化ケイ素充填材49がゲート用溝部73から突出する。窒化ケイ素充填材49は、具体的には、シリコン基板の表面10に対し上方(外方)に向かって約100nm〜200nm突出する。
【0225】
その後、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122を構成するためのイオン注入プロセスが行われる。得られる構造は図70に示されている。IV−IV間の断面図に示されているように、シリコン基板1の上部に第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が形成される。具体的には、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面下に配置させることができる。しかし、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面と同じ高さ、あるいはゲート電極85の底面より高い位置に配置させることもできる。
【0226】
窒化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、窒化ケイ素充填材49とスペーサ47との突出した部分が除去される。得られる構造は図71に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88と、第1および第2のソース/ドレイン領域121、122との間に開口部が形成される。V−V間の断面図に見られるように、ポリシリコン層206と、素子分離用トレンチ2の絶縁材料との間に開口部が形成される。
【0227】
例えば、一般的なTEOSまたはHDP(high density plasma; 高密プラズマ)によって、厚みが少なくとも10nmの二酸化ケイ素層が堆積される。その後、異方性エッチングプロセスが行われて、基板表面10内に形成された開口部内にスペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。このエッチングプロセスは、5nm〜10nmのオーバエッチングが得られるように行われる。この結果、図72に見られるように、スペーサとしての二酸化ケイ素層36が形成される。
【0228】
アレイ部分がレジスト材料によってマスクされる。このとき、周辺回路部分は、上記レジスト材料によってマスクされない。その後、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いてポリシリコンをエッチングするためのプロセスが行われる。その後、アレイ部分からレジスト材料が除去される。
【0229】
この結果、周辺回路部分のVI−VI間において、図73に示されている構造が得られる。具体的には、この構造では、シリコン基板の表面10は、二酸化ケイ素の犠牲層24によってのみ覆われている。その後、二酸化ケイ素をエッチングするプロセスによって二酸化ケイ素層24が除去され、続いて、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29を形成するためのプロセスが行われる。
【0230】
この結果、図74に示されている構造が得られる。具体的には、図74に見られるように、周辺回路のゲート絶縁層としての二酸化ケイ素層29は周辺回路部分のVI−VI間に形成され、残りの表面は二酸化ケイ素層29によって覆われる。
【0231】
その後、厚みが30nm〜100nmのポリシリコン層が表面全体に堆積される。次に、周辺回路部分に適切なレジスト層が塗布されて周辺回路部分がマスクされる。このとき、アレイ部分はマスクされない。続いてポリシリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、そして二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。
【0232】
周辺回路部分からマスクを除去した結果、図75に示されている構造が得られる。具体的には、厚いポリシリコン層208が周辺回路部分に形成される。一方、アレイ部分では、薄いポリシリコン下地層200が露出される。スペーサとしての二酸化ケイ素層36は、ゲート電極の一部において露出されている。
【0233】
層スタックの最後のポリシリコン層の厚みが約40nm〜100nmになるように選択された厚みを有するポリシリコン層が公知の方法によって堆積され、続いて通常のゲート電極層スタックが堆積される。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる別の方法によって形成することもできる。
【0234】
得られる構造は図76に示されている。図76では、表面全体が窒化ケイ素層81aによって覆われている。その後、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いて、堆積された層スタックがパターン形成される。得られる構造は図77に示されている。
【0235】
具体的には、図77の上部の平面図に示されているように、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bが表面上に形成される。周辺回路部分のVI−VI間には、周辺回路のゲート電極が形成される。アレイ部分のIV−IV間では、スペーサとしての二酸化ケイ素層36によってポリシリコン層206が第1および第2のソース/ドレイン領域から絶縁されているゲート電極が形成される。このゲート電極は、半導体基板1の表面付近に配置される。
【0236】
第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122の底面は、ゲート電極85の底面より下に配置される。V−V間の断面図に示されているように、能動領域12は、その3つの面がゲート電極によって囲まれた狭いフィン領域11を有している。
【0237】
本発明の以下に示す実施形態によれば、アレイトランジスタをパターン形成するための第1のハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層および二酸化ケイ素層を有している。基板表面10と窒化ケイ素層との間に、酸化物の犠牲層24が任意で備えられてもよい。
【0238】
形成されるトランジスタがFinFETである場合は、ポリシリコン層は、第1のハードマスク層スタックの二酸化ケイ素層の表面上に形成されなければならない。形成されるトランジスタが、EUDほどの深さまで伸びないポケット部を有している場合は、ポリシリコン層は任意であってよい。
【0239】
さらに、第2のハードマスク層スタックは、ハードマスクとしての炭素層を有している。アレイ部分にトランジスタを形成するためのプロセス中において、窒化ケイ素下地層によって周辺回路部分がマスクされる。アレイトランジスタの完成後、周辺回路部分が完成される。
【0240】
第4の実施形態によると、能動領域12の表面に対してわずかに突出したポケット部を有するアレイトランジスタが形成される。言い換えると、いわゆるEUDとしてトランジスタが形成される。図34に示されている構造を出発点として、本発明の第4の実施形態を実施するにあたり、まず表面全体を覆うように窒化ケイ素の下地層209が堆積される。得られる構造は図78に示されている。
【0241】
メモリデバイスの周辺回路部分を示すVI−VI間の断面図に見られるように、周辺回路部分が、窒化ケイ素の下地層209によって覆われる。さらに、アレイ部分では、能動領域、素子分離用トレンチ、およびトレンチ最上部の酸化物層34が窒化ケイ素の下地層によって覆われる。その後、表面全体を平坦化できる厚みを有する二酸化ケイ素層201が堆積される。得られる構造は図79に示されている。断面図から分かるように、二酸化ケイ素層201の表面は平坦である。
【0242】
以下では、本発明の第2の実施形態にしたがって用いたポリシリコン下地層200の代わりに窒化ケイ素の下地層209が備えられることを除いては、図37〜図47を参照しながら説明した各プロセスと同一のプロセスが行われる。さらに、ポリシリコン層207の充填後、CMPプロセスなどの平坦化プロセスが行われて、平坦な表面が得られる。より詳しく説明すると、図47に関連した説明にしたがって凹み形成プロセス(recessing process)が行われる。
【0243】
この結果、図80に示されている構造が得られる。図80の上部に示されている平面図に見られるように、ポリシリコン層207の楕円の島状部分(island)が二酸化ケイ素層201の表面に配置される。VI−VI間の断面図に示されているように、これらのプロセスによって周辺回路部分に変化がもたらされることはない。さらに、アレイ部分では、二酸化ケイ素層201の表面に達するように伸びるポリシリコン層207の表面が平坦化される。
【0244】
適切なレジスト材料によってアレイ部分がマスクされる。このとき、周辺回路部分は露出したままである。その後、二酸化ケイ素層201をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いて窒化ケイ素の下地層209をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。アレイ部分がマスクによってマスクされるため、これらの層は周辺回路部分から除去される。
【0245】
その後、周辺回路部分から酸化物の犠牲層24が剥離され、そしてアレイ部分からマスクが除去される。次に、周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29、具体的には、周辺回路のゲート絶縁層のための酸化物層を堆積するためのプロセスが行われる。図81に示されている構造に見られるように、二酸化ケイ素層29は、周辺回路部分のVI−VI間、アレイ部分のIV−IV間およびV−V間を覆う。
【0246】
その後、表面全体にポリシリコン層2080が堆積される。この結果、図82に示されている構造が得られる。図示されているように、周辺回路部分およびアレイ部分が厚いポリシリコン層2080によって覆われる。
【0247】
次に、適切なマスクによって周辺回路部分が覆われる。このとき、アレイ部分は露出されたままである。続いてポリシリコンをエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、図83に示されている構造が得られる。より具体的には、周辺回路部分では基板がポリシリコン層2080によって覆われ、アレイ部分では表面が周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29によって覆われている。
【0248】
ゲート電極およびワード線を完成させるためには、アレイ部分から周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が除去され、そして任意でポリシリコン層811が堆積され、続いてタングステン層82および窒化ケイ素層81aが堆積される。しかし、当業者には明らかなように、ワード線および周辺ゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる別の方法によって形成することもできる。
【0249】
得られる構造は図84に示されている。図示されているように、周辺回路部分のVI−VI間において、厚いポリシリコン層2080上にタングステン層82が形成される。アレイ部分では対照的に、タングステン層82は薄いポリシリコン層811上に形成される。この結果、アレイ部分と周辺回路部分との間に、上記両部分の表面図形が相違して、上記両部分の高さが互いに異なる段差を示すトポグラフィーが形成される。
【0250】
アレイ部分のワード線および周辺回路部分のゲート電極を完成させるために、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いてリソグラフィープロセスが行われる。次に異方性エッチングプロセスが行われて、窒化ケイ素層81a、タングステン層82、および各ポリシリコン層2080、811がエッチングされる。これによって、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bを有するワード線がアレイ部分に形成され、そして、ゲート電極8cが周辺回路部分のVI−VI間に形成される。得られる構造の平面図は、図85の上部に示されている。
【0251】
その後、公知の方法によって、スペーサのための窒化ケイ素層が堆積され、そして、異方性エッチングによって窒化ケイ素の下地層209がエッチングされる。得られる構造は図86Aに示されている。図86Aに示されているように、アレイ部分の水平部分が、窒化ケイ素の各層81a、209によって覆われる。
【0252】
さらに、周辺回路部分では、ゲート電極が、スペーサのための窒化ケイ素層81bによって囲まれる。図示されている構造では、ハードマスクとしての窒化ケイ素の下地層209と、ハードマスクとしての二酸化ケイ素層201との残存部分によって、ワード線同士がそれらの側方部分において互いに隔てられる。
【0253】
これによって、パッシングワード線と、隣接するビット線コンタクトとの容量結合が一般的に低減される。さらに、窒化ケイ素の下地層209およびトレンチ最上部の酸化物層34が、パッシングワード線とトレンチキャパシタのポリシリコン充填材311との間に配置されるため、パッシングワード線8bとトレンチキャパシタの内部キャパシタ電極との間の容量結合が低減される。
【0254】
第2のソース/ドレイン部分122の最上部にビット線コンタクトを備えるためには、ビット線コンタクトが自己整合的に形成される従来のプロセスが特に好ましい。ビット線コンタクトを有する、得られる構造は図86Bに示されている。図33に示されているビット線コンタクトと同様に、図86Bに示されているビット線コンタクトは、チタン層と、窒化チタン層と、タングステン充填材99とを有する下地層スタックを有している。
【0255】
互いに隣り合う各ビット線コンタクト部901は、BPSG層971またはスピンオンガラス(spin-on glass; SOG)によって互いに電気的に絶縁される。上記構造を完成させるために、各ワード線に対し、それぞれ直交する方向に伸びる各ビット線がそれぞれ形成される。
【0256】
本発明の第5の実施形態によれば、FinFETとして形成されるアレイトランジスタの形成プロセス中に、窒化ケイ素の下地層が基板表面全体に堆積される。具体的には、アレイトランジスタのゲート用溝部を規定し、充填した後に、周辺回路のゲート絶縁層が形成される。
【0257】
本発明の第5の実施形態を実施するために、例えば図3に示されている構造を出発点として、アレイ内において一般的なウェル注入プロセスが行われる。得られる構造は図87に示されている。その後、表面全体に窒化ケイ素の下地層が堆積される。この結果、図88に示されている構造が得られる。図88に見られるように、表面全体が窒化ケイ素の下地層209によって覆われる。
【0258】
次に、図61〜図69を参照しながら説明したプロセスと同一のプロセスが行われる。得られる構造は図89に示されている。VI−VI間の断面図に見られるように、周辺回路部分全体が、窒化ケイ素の下地層209、二酸化ケイ素層201、およびポリシリコン層202によって覆われる。
【0259】
さらに、アレイ部分が窒化ケイ素の下地層209および窒化ケイ素充填材49によって覆われる。図89に示されている構造を出発点としてイオン注入プロセスが行われて、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122がそれぞれ備えられる。得られる構造は図90に示されている。図示されているように、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122は、シリコン基板1の表面10に互いに隣り合って形成される。
【0260】
次に、二酸化ケイ素層210が堆積され、続いて平坦化プロセスによって平坦な表面が形成される。このとき、窒化ケイ素充填材49は露出している。得られる構造は図91に示されている。図91に見られるように、窒化ケイ素充填材49の側面については露出していない。
【0261】
その後、窒化ケイ素充填材49をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、ゲート電極85の下部に隣り合ったスペーサ47は保持される。得られる構造は図92に示されている。IV−IV間の断面図に見られるように、このプロセスによって周辺回路部分が影響を受けることはない。アレイ部分では、ゲート用溝部におけるシリコン材料の上部が除去される。一方、スペーサ47の底部側は保持される。
【0262】
その後、一般的なプロセスによって、内部スペーサのための窒化ケイ素層87が形成される。具体的には、窒化ケイ素層が堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された窒化ケイ素層の水平部分が除去される。得られる構造は図93に示されている。図示されているように、ポリシリコン層206の表面が露出され、そして、スペーサとしての窒化ケイ素層87は、ゲート電極の側面を周辺の材料から遮断する。
【0263】
その後、ポリシリコン層207が堆積され、続いてエッチングされて、平坦な表面が形成される。具体的には、ゲート用溝部73の上部にポリシリコン層207が充填される。上記平坦化エッチングプロセスによって、図94に示されているように、IV−IV間の周辺回路部分からポリシリコン層202が除去される。
【0264】
その後、適切なマスクによってアレイ部分がマスクされる。このとき、周辺回路部分は覆われない。次に、二酸化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われ、続いて窒化ケイ素をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。さらに、周辺回路部分から犠牲の酸化物層が除去される。
【0265】
アレイ部分からマスクが除去された後、酸化プロセスが行われて周辺回路のゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29が形成される。得られる構造を示す図95に見られるように、酸化物層以外のシリコン層のみの表面全体がゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29によって覆われる。
【0266】
その後、アレイ部分の二酸化ケイ素層210の厚みとほぼ対応した厚みを有するポリシリコン層2080が表面全体に堆積される。次に、周辺回路部分が適切なマスクによって覆われる。このとき、アレイ部分は覆われない。
【0267】
そして、アレイ部分からポリシリコン層2080をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。この結果、周辺回路部分にポリシリコン層2080が保持される。得られる周辺回路部分のVI−VI間の断面図は図96に示されている。
【0268】
周辺回路部分からマスクが除去された後、アレイ部分からゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層29をエッチングするためのエッチングプロセスが行われる。次に、アレイ部分に対し、ポリシリコン層811が任意で堆積されてもよい。その後、タングステン層82、続いて窒化ケイ素層81aが形成される。得られる構造は図97に示されている。
【0269】
しかしながら、当業者には明らかなように、ワード線および周辺回路のゲート電極を形成するための層スタックは、従来技術において一般的に用いられる他の任意の方法によって形成することもできる。
【0270】
次に、図85および図86Aを参照しながら説明した方法と同一の方法によって、形成された層スタックがパターン形成され、アクティブワード線8a、パッシングワード線8b、および周辺回路のゲート電極8cが形成される。得られる構造は図98に示されている。図98のIV−IV間の断面図に見られるように、互いに隣り合う各アクティブワード線8aの各スペース(空隙)内に二酸化ケイ素層210が充填されている。
【0271】
次のプロセスでは、具体的には窒化ケイ素層を堆積して、この層を異方性エッチングするといった公知の方法によって、窒化ケイ素のスペーサが形成される。この結果、図99に示されているようなスペーサ81bが形成される。
【0272】
その後、互いに隣り合う各ワード線間の各スペース内において、露出している二酸化ケイ素層210がエッチングにより除去される。このエッチングプロセスは、窒化ケイ素下地層209において停止される。図99に見られるように、アクティブワード線8aの下部が、残存した二酸化ケイ素層210によるスペーサによって包囲され、封入される。
【0273】
図100は、ビット線コンタクト部901の完成後の構造を示している。ビット線コンタクト部901は、前述したように、チタン層98、窒化チタン層981、およびタングステン充填材99を含む下地層スタックを形成することによって、自己整合的に形成される。
【0274】
図示されている構造では、各ワード線の側部は、ハードマスクとして用いた窒化ケイ素の下地層209とハードマスクとして用いた二酸化ケイ素層210との残存部分によって、隣り合うビット線コンタクト部901から分離されている。したがって、各ワード線と、それらと隣り合う各ビット線コンタクトとの容量結合が大幅に低減される。
【0275】
さらに、窒化ケイ素の下地層209、および二酸化ケイ素層210の残存部分が、パッシングワード線とトレンチキャパシタのポリシリコン充填材311との間に配置されるため、パッシングワード線8bと、トレンチキャパシタのストレージ電極との間の容量結合が低減される。その後、自己整合的にビット線コンタクト部を形成するためのプロセスが行われる。
【0276】
図101〜図119は、本発明の第6の実施形態を示している。本発明の第6の実施形態によると、周辺回路のゲート絶縁層として機能する二酸化ケイ素層29と、周辺回路のゲート電極として機能する、底部のハードマスク層としてのポリシリコン層208と、最上部の窒化ケイ素層41とを含むハードマスク層スタックを用いることによって、EUDが形成される。
【0277】
上記ハードマスク層スタックは、窒化ケイ素層41の表面上に直接塗布されるフォトレジスト層を用いてパターン形成することができる。あるいは、窒化ケイ素層41の表面上にハードマスクとしての炭素層(図示せず)、続いてSiON層(図示せず)が塗布され、そしてこのSiON層がフォトレジスト層を用いてパターン形成されるようにしてもよい。
【0278】
本発明の第6の実施形態を実施するためには、ストレージキャパシタを構成した後、一般的なウェル注入を行って、能動領域の側面を限定するための素子分離用トレンチを構成した後、イオン注入プロセスが行われて、ドープ部分124が設けられる。
【0279】
その後、公知の方法によって二酸化ケイ素層29が形成される。そしてポリシリコン層208、続いて窒化ケイ素層41が堆積される。図101は得られる構造を示している。素子分離用トレンチの底面(この断面図には図示せず)は、破線21によって示されている。ドープ部分124は、埋め込みストラップウィンドウ33に隣接して形成される。
【0280】
フォトレジスト材料(図示せず)が塗布およびパターン形成されて、ゲート電極を構成するための開口部46が形成される。具体的には、開口部46は、フォトレジスト層内にフォトリソグラフィーによって構成される。その後、上記開口部は窒化ケイ素層41へのエッチングにより形成される。
【0281】
次に、フォトレジスト材料が除去され、その後、窒化ケイ素に対してポリシリコンを選択的にエッチングするための選択的エッチングプロセスが行われる。この結果、開口部46が二酸化ケイ素層29の表面まで伸びる。得られる構造は図102に示されている。
【0282】
アレイ部分のIV−IV間の断面図に示されているように、窒化ケイ素層41内およびポリシリコン層208内に開口部46が形成される。さらにVI−VI間の周辺回路部分では、二酸化ケイ素層29、ポリシリコン層208、および窒化ケイ素層41を含む、パターン形成されていない層スタックによって表面全体が覆われる。
【0283】
スペーサのための二酸化ケイ素層84が形成される。このためには、従来技術と同様に、まず二酸化ケイ素の下地層が堆積され、続いて、異方性エッチングプロセスによって二酸化ケイ素の下地層の水平方向に沿った部分が除去される。得られる構造は図103に示されている。図示されているように、スペーサとしての二酸化ケイ素層84が、開口部46の側壁上に形成される。
【0284】
シリコンをエッチングするための異方性エッチングプロセスが行われる。このエッチングプロセス中は、ポリシリコン層208は二酸化ケイ素のスペーサ84によって保護される。得られる構造は図104に示されている。図示されているように、基板1内にゲート用溝部73が形成される。その上、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が互いに分離されることになる。
【0285】
図示されているように、スペーサとしての二酸化ケイ素層84が存在しているため、先にパターン形成された開口部46よりも直径の小さいゲート用溝部を形成することができる。したがって、このようなスペーサを用いることによって、図39に示されているような最上部のハードマスク層をエッチングするためのテーパーエッチングプロセスは不要となる。
【0286】
シリコンをエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われる。これによって、ゲート用溝部73の底部が拡大される。このエッチングプロセス中は、ポリシリコン層208の材料が、スペーサとしての二酸化ケイ素層84によって保護されている。
【0287】
得られる構造は図105に示されている。図示されているように、ゲート用溝部は、得られるゲート用溝部73の直径が、図102の開口部46の幅とほぼ対応するように拡大される。
【0288】
その後、希フッ酸(diluted fluoric acid;DHF)を用いたエッチングプロセスが行われて、図106に見られるように、二酸化ケイ素層84がエッチングにより除去される。さらに、能動領域に隣接した素子分離用トレンチ部分(この断面図には図示せず)がエッチングされ、これによってゲート用溝部73に隣接して各ポケット部が形成される。図106に示されている断面図に垂直な断面図であって、素子分離用トレンチ2内のエッチングされた部分を示す図は、例えば図43に示されている。
【0289】
次のプロセスでは、例えばISSG二酸化ケイ素層を形成することによって、ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が備えられる。その後、ポリシリコン層206が堆積されて、続いてCMPプロセスが行われる。これによって、ハードマスクとして用いた窒化ケイ素層41上に存在していた二酸化ケイ素層もまた除去される。
【0290】
その後、エッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73内のポリシリコン充填材の上部がエッチングされる。得られる構造は図107に示されている。図107に見られるように、ゲート用溝部の表面が二酸化ケイ素層88によって覆われてゲート絶縁層が形成される。その上、ゲート用溝部の底部にポリシリコン層206が充填されている。
【0291】
例えば熱リン酸を用いたエッチングによって、上記窒化ケイ素層41が除去される。DHFを用いたエッチングプロセスを任意で行って、残存している二酸化ケイ素を除去してもよい。得られる構造は図108に示されている。図108の左側部分に見られるように、アレイ部分のIV−IV間においてポリシリコン層208の表面が露出される。同様に、周辺回路部分のVI−VI間においてポリシリコン層208が露出される。
【0292】
次のプロセスでは、二酸化ケイ素または窒化ケイ素によって構成可能なスペーサ360が形成される。したがって、まず二酸化ケイ素層または窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて、異方性エッチングプロセスが行われる。これによって、層の水平に沿った部分がエッチングにより除去される。得られる構造は図109に示されている。図示されているように、アレイ部分では、ゲート用溝部73の上部の側壁上にスペーサ360が形成され、また周辺回路部分のVI−VI間は不変である。図109では、ゲート電極のプレート状部851の輪郭が破線によって示されている。
【0293】
スパッタクリーニングプロセスが行われて、表面の残存物が洗浄される。その後、例えばPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapour Deposition; プラズマCVD)法によって、ゲート電極を形成するためのポリシリコン層2080が堆積される。次に、WSi層820を堆積するためのプロセス、および窒化ケイ素層(Si3N4層)81aを堆積するためのプロセスが行われる。得られる構造は図110に示されている。
【0294】
図10に見られるように、二酸化ケイ素層29の上部に各ポリシリコン層208、2080が形成され、続いてWSi層820および窒化ケイ素層81aが形成される。これらの層はまた、周辺回路部分のVI−VI間にも堆積される。しかし当業者には明らかであるように、ゲート電極、特に周辺ゲート電極を形成するために、他の任意の層スタックを用いることができる。
【0295】
その後、ライン/スペースパターンを有するマスクを用いたパターニングにより、層スタックから、各ワード線、特には各アクティブワード線8aおよび各パッシングワード線8bが周辺回路の各ゲート電極8cと同時に形成される。得られる構造は図111に示されている。
【0296】
図示されているように、アレイ部分のIV−IV間において、シリコン基板の上部に二酸化ケイ素層29が形成され、そしてアクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bがパターン形成される。さらに、周辺回路部分のVI−VI間において層スタックが同一のプロセスによってパターン形成され、これによって、周辺回路のゲート電極8cが形成される。その後、ビット線コンタクトおよびビット線を形成するためのプロセスが行われる。具体的には、図22〜図33を参照しながら説明したプロセスが行われる。
【0297】
第6の実施形態の一変形例によれば、ゲート用溝部73の形成中にポリシリコン層208の側方を保護するために、窒化ケイ素層のスペーサ47が用いられる。したがって、図102に示されている構造を出発点として、開口部46の側壁にスペーサ47が形成される。
【0298】
具体的には、公知であるように、窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された窒化ケイ素層の水平に沿った部分が除去される。この結果、図112に示されているように、スペーサ47が形成される。
【0299】
シリコン基板内に、ゲート用溝部73がエッチングにより形成される。このシリコンをエッチングするための異方性エッチングプロセス中は、スペーサ47が保護層として機能するため、ポリシリコン層208はエッチングされない。得られる構造は図113に示されている。図示されているように、各ソース/ドレイン領域121、122の底面より下にも伸びるようにゲート用溝部73が形成される。詳細には、上記エッチングプロセスによって、第1のソース/ドレイン領域121および第2のソース/ドレイン領域122が互いに分離される。
【0300】
図示されているように、スペーサ47が存在しているため、先にパターン形成された開口部46よりも直径の小さいゲート用溝部を形成することができる。したがって、このようなスペーサを用いることによって、図39に示されているような最上部のハードマスク層をエッチングするためのテーパーエッチングプロセスは不要となる。
【0301】
シリコンをエッチングするための等方性エッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73が拡大される。この結果、ゲート用溝部73の直径は、窒化ケイ素層41内およびポリシリコン層208内に形成された開口部46の直径とほぼ対応している。
【0302】
窒化ケイ素層41および窒化ケイ素のスペーサ47は、熱リン酸を用いたエッチングによって除去され、そして二酸化ケイ素をエッチングするためのDHF槽を用いたエッチングプロセスが行われる。
【0303】
このエッチングプロセスによって、能動領域に隣接した素子分離用トレンチ2部分もまたエッチングされる。これは、特に、図115の断面図に対し直交する方向の断面図を示す図43に示されている。得られる構造は、能動領域に平行な方向のIV−IV間の断面図を示す図115に示されている。図示されているように、周辺回路部分およびアレイ部分から、窒化ケイ素層41および窒化ケイ素のスペーサ47が除去される。
【0304】
ゲート絶縁層のための二酸化ケイ素層88が形成される。具体的には、ゲート用溝部73の表面上とポリシリコン層208の表面上とに二酸化ケイ素層を形成するためのISSGプロセスが行われる。その後、ポリシリコン層が堆積され、続いて平坦化プロセス、そしてポリシリコン層を凹ませるためのエッチングプロセスが行われて、ゲート用溝部73の底部にポリシリコン層206が形成される。得られる構造は図116に示されている。
【0305】
図示されているように、周辺回路部分では、ポリシリコン層208の表面上に二酸化ケイ素層が形成される。アレイ部分では、ゲート用溝部に二酸化ケイ素層88が充填され、そしてゲート用溝部の底部にはポリシリコン層206が充填されている。
【0306】
ゲート用溝部73の側壁上にスペーサ360が形成される。スペーサ360を形成するためには、まず、二酸化ケイ素層または窒化ケイ素層がコンフォーマルに堆積され、続いて異方性エッチングプロセスが行われて、堆積された層の水平部分が除去される。これによって、スペーサ360が形成される。このとき、いわゆる二重仕事関数プロセスを任意で行って、公知であるように、周辺回路部分に特殊なゲート電極を備えてもよい。
【0307】
得られる構造は図117に示されている。図示されているように、二酸化ケイ素または窒化ケイ素から構成可能なスペーサ360がゲート用溝部73の上部に備えられる。次に、スパッタクリーニングプロセスが行われて、不要な残存物が除去される。
【0308】
その後、ワード線を形成するためのさらなるポリシリコン層2080が堆積され、続いてWSi層820および窒化ケイ素層81aが堆積される。得られる構造は図118に示されている。
【0309】
図示されているように、アレイ部分のIV−IV間および周辺回路部分のVI−VI間では、二酸化ケイ素層29、各ポリシリコン層208、2080、WSi層820、およびSi3N4の窒化ケイ素層81aからなる層スタックが備えられる。
【0310】
上記層スタックがパターン形成されて、対応するワード線が形成される。具体的には、公知であるように、ライン/スペーサパターンを有するマスクを用いて、アクティブワード線8aおよびパッシングワード線8bがパターン形成される。得られる構造は図119に示されている。
【0311】
図示されているように、IV−IV間のアレイ部分では、ゲート電極85上にワード線8aが形成され、一方ストレージキャパシタ上にパッシングワード線8bが形成される。その後、例えば図22〜図32を参照しながら説明したプロセスによって対応するビット線コンタクトおよびビット線を形成することによって、メモリセルアレイが完成される。
【0312】
本発明の第6の実施形態によると、周辺回路のゲート絶縁層として用いられる二酸化ケイ素層29は、ハードマスク層プロセスの一部を形成している。したがって、追加的なゲート絶縁層を形成するためのプロセスを省略することができる。
【0313】
さらに、周辺回路部分およびアレイ部分を別々にプロセスするために、アレイ部分および周辺回路部分をマスクするための各マスクプロセスがそれぞれ用いられる。これによって、プロセスが大幅に簡略化される。
【0314】
その上、先の実施形態に対して、プロセスフローの複雑性が低減される。また、複数のアニーリングプロセスを省略できるため、プロセスの熱処理量が低減される。詳細には、ハードマスク層スタックが、TEOS法によって形成された二酸化ケイ素層を含んでいないため、二酸化ケイ素層をアニーリングするためのアニーリングプロセスを用いることができる。
【0315】
さらに、ゲート用溝部73をエッチングにより形成するための、窒化ケイ素(Si3N4)または二酸化ケイ素のスペーサを用いることによって、ゲート電極のCD(限界寸法)制御を改善することができる。
【0316】
当業者には明らかなように、上記第6の実施形態は、窒化ケイ素層の最上部に堆積されたハードマスクとしての炭素層と、ハードマスクとしてのSiON層とを含む追加的なハードマスクを用いて実施することができる。さらに、SiON層の上部にフォトレジスト層が堆積される。しかし、図101〜図119を参照しながら説明したように、窒化ケイ素層41の上部にフォトレジスト層を直接堆積させてもよい。
【0317】
本明細書では、具体的な実施形態について図示および説明してきた。しかし当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの具体的な実施形態を別の、および/または同様の実施形態に置き換えることができることを理解するであろう。この応用は、本明細書において説明した具体的な実施形態の適応または変更を含んでいる。したがって、本発明は、特許請求の範囲、および特許請求の範囲に相当する部分によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0318】
【図1】本発明によるメモリデバイスの一実施形態の概略平面図である。
【図2A】本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の断面図である。
【図2B】本発明による方法によって製造されたトランジスタの一実施形態の他の断面図である。
【図2C】本発明による方法によって製造されたトランジスタの他の一実施形態の断面図である。
【図2D】本発明による方法によって製造されたトランジスタの他の一実施形態の他の断面図である。
【図2E】本発明による方法によって製造されたトランジスタのさらに他の一実施形態の断面図である。
【図2F】本発明による方法によって製造されたトランジスタのさらに他の一実施形態の他の断面図である。
【図3A】本発明のトランジスタの製造方法に係る第1の実施形態の一工程での平面図である。
【図3B】上記第1の実施形態の他の一工程での断面図である。
【図4】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図5】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図6】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図7】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図8A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図8B】上記図8Aの他の断面図である。
【図9】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での平面図および断面図である。
【図10】上記図9の他の断面図である。
【図11A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での断面図である。
【図11B】上記図11Aの他の断面図である。
【図12】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図13】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図14】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図15】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図16】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図17】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図18】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図19A】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図19B】上記図19Aの他の断面図である。
【図20】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図21】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図22】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図23】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図24】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図25】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図26】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図27】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図28】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図29】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図30】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図31】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図32】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図33】上記第1の実施形態のさらに他の一工程での各断面図である。
【図34】本発明のトランジスタの製造方法に係る第2の実施形態の一工程の各断面図である。
【図35】上記第2の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図36】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図37】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図38】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図39】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図40】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図41】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図42】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図43】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図44】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図45】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図46】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図47】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図48】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図49】上記第2の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図50】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図51】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図52】上記第2の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図53】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図54】上記第2の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図55】上記第2の実施形態の一変形例の一工程の各断面図である。
【図56】上記第2の実施形態の一変形例の他の工程の平面図および各断面図である。
【図57】上記第2の実施形態の一変形例のさらに他の工程の各断面図である。
【図58】上記第2の実施形態の一変形例のさらに他の工程の各断面図である。
【図59】上記第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの完成品を示す平面図および各断面図である。
【図60】上記第2の実施形態による方法によって製造されたトランジスタの一変形例を示す各断面図である。
【図61】本発明のトランジスタの製造方法に係る第3の実施形態の一工程の平面図および各断面図である。
【図62】上記第3の実施形態の他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図63】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図64】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図65】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図66】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図67】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図68】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図69】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図70】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図71】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図72】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図73】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す断面図である。
【図74】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図75】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図76】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す各断面図である。
【図77】上記第3の実施形態のさらに他の工程を示す平面図および各断面図である。
【図78】本発明のトランジスタの製造方法に係る第4の実施形態の一工程の各断面図である。
【図79】上記第4の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図80】上記第4の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図81】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図82】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図83】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図84】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図85】上記第4の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図86A】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図86B】上記第4の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図87】本発明のトランジスタの製造方法に係る第5の実施形態の一工程の各断面図である。
【図88】上記第5の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図89】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図90】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図91】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図92】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図93】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図94】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図95】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図96】上記第5の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図97】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図98】上記第5の実施形態のさらに他の工程の平面図および各断面図である。
【図99】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図100】上記第5の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図101】本発明のトランジスタの製造方法に係る第6の実施形態の一工程の断面図である。
【図102】上記第6の実施形態の他の工程の各断面図である。
【図103】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図104】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図105】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図106】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図107】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図108】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図109】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図110】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図111】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図112】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図113】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図114】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【図115】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図116】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図117】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図118】上記第6の実施形態のさらに他の工程の各断面図である。
【図119】上記第6の実施形態のさらに他の工程の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板にトランジスタを形成するためのトランジスタの製造方法であって、
上記トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板内に各素子分離用トレンチを規定する工程と、
第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を接続するチャネルを、対応する能動領域に形成する工程と、
上記チャネルの導電性を制御するためのゲート電極を形成する工程とを含む、トランジスタの製造方法において、
上記半導体基板内にゲート用溝部を規定する工程と、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎にて、プレート状部をそれぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結するように構成する、トランジスタの製造方法。
【請求項2】
上記各プレート状部を、上記半導体基板の材料に対して、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって規定する工程を含む、請求項1に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項3】
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記各プレート状部との間の界面部において設ける工程と、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とに充填するように堆積形成する工程とを含む、請求項2に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項4】
さらに、上記能動領域の一部を、上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、薄くする工程を含む、請求項1ないし3の何れか1項に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項5】
上記ゲート用溝部を規定する工程は、さらに、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを上記半導体基板上に設ける工程と、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定する工程と、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングする工程とを含む、請求項4に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項6】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項2に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項7】
上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項6に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項8】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層は反射防止層を有する、請求項7に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項9】
半導体基板にトランジスタを製造する製造方法であって、
表面を有する半導体基板を設ける工程と、
上記トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板の上記表面内に各素子分離用トレンチを規定することにより、1つの上記能動領域が上記表面方向にて並ぶ2つの上記各素子分離用トレンチにて規定される工程と、
上記各素子分離用トレンチに絶縁材料を充填する工程と、
上記能動領域からゲート絶縁材料によって絶縁されるゲート電極を設ける工程と
第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域の間に形成される導電性のチャネルを設ける工程とを含む、トランジスタの製造方法において、
上記ゲート電極を設ける工程は、
上記半導体基板内で、かつ、上記能動領域に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎
にてゲート用溝部を規定することにより、上記ゲート用溝部を、上記半導体基板の表面
に対し直交する方向に向かって、上記能動領域内、および上記素子分離用トレンチ毎の
隣り合う部分内を、第1の深さまで伸ばし、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での各素子分離用トレンチ内にてプレート状部をそ
れぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結し、上記2
つの各プレート状部を上記第1の深さより深い第2の深さまで伸ばし、
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記活
性領域と上記各プレート状部との間の界面部において設け、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記2つの各プレート状部とに充填するよ
うに堆積することを含む、トランジスタの製造方法。
【請求項10】
上記プレート状部を規定することは、上記半導体基板の材料に対して選択的に上記各素子分離用トレンチの上記絶縁材料をエッチングすることを含む、請求項9に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項11】
上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、かつ、上記第1の深さおよび上記第2の深さの部分の上記能動領域を薄くする工程を含み、
上記薄くする工程は、上記各プレート状部を規定する工程の後に実行される、請求項9または10に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項12】
上記ゲート用溝部を規定する工程は、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定する工程と、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングする工程とを含む、請求項11に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項13】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項14】
上記第1のハードマスク層スタック上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項13に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項15】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層は反射防止層を有する、請求項14に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項16】
さらに、上記半導体基板の表面上に二酸化ケイ素層を設ける工程を含み、
上記二酸化ケイ素層を設ける工程は、上記第1のハードマスク層スタックを設ける工程より前に実行される、請求項13に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項17】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層のエッチング工程を、テーパーエッチング工程として実行する、請求項14に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項18】
上記ゲート電極と、上記第1およ第2の各ソース/ドレイン領域とを互いに絶縁するための絶縁材料からなるスペーサを設ける工程を含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項19】
上記ゲート用溝部を上記半導体基板に規定する工程の後に実行される、上記ゲート用溝部の側壁の少なくとも一部上に犠牲層を設ける工程と、
ゲート絶縁材料を設ける工程の後に上記犠牲層を除去することによりギャップを形成する工程と、
上記犠牲層の材料と相違する材料のスペーサを上記ギャップ内に設ける工程とを含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項20】
上記第1のハードマスク層スタックに対し、上記第1の開口部を規定する工程の後で、かつ、上記半導体基板をエッチングする工程の前にて、上記第1の開口部の側壁の少なくとも一部上に犠牲層を設ける工程と、
上記半導体基板を異方性エッチングする工程と、
上記異方性エッチングの工程の後に、上記犠牲層を除去する工程とを含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項21】
表面を有する半導体基板を設ける工程と、
情報を記憶するための複数の各ストレージキャパシタを設ける工程と、
トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板の上記表面内に各素子分離用トレンチを規定することにより、1つの上記能動領域が上記表面方向にて並ぶ2つの上記各素子分離用トレンチにて規定される工程と、
上記各素子分離用トレンチに絶縁材料を充填する工程と、
上記能動領域からゲート絶縁材料によってそれぞれ絶縁される、アレイ状の複数の各ゲート電極を設ける工程と
複数の第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域毎の間に形成される導電性のチャネルを設け、第1のソース/ドレイン領域毎を、上記各ストレージキャパシタの対応する一つのストレージ電極に接続する工程と、
上記半導体基板の表面方向に沿った第1方向に沿って伸び、アクセストランジスタの第2のソース/ドレイン領域に接続された各ビット線を設ける工程と、
上記半導体基板の表面方向に沿い、上記第1方向と交差する第2方向に沿って伸び、上記アクセストランジスタのゲート電極毎に接続された各ワード線を設ける工程と、
周辺回路用のトランジスタを少なくとも一つ設けることによって周辺回路を設ける工程とを含み、
上記周辺回路用のトランジスタを設ける工程は、
周辺回路用の第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、周辺回路用の上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域毎の間に形成される導電性の周辺回路用のチャネルを設け工程と、
周辺回路用のゲート絶縁層および上記周辺回路用のチャネルの導電性を制御する周辺回路用のゲート電極を設けるとき、上記各ストレージキャパシタおよび上記各アクセストランジスタを有する各メモリセル並びに上記周辺回路を覆うように、上記半導体基板の表面上に少なくとも一層を含有した備えた層スタックを形成し、続いて、上記層スタックを、上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を形成するようにパターニングする工程とを有し、
上記ゲート電極を設ける工程は、
上記半導体基板内で、かつ、上記能動領域に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎
にてゲート用溝部を規定することにより、上記ゲート用溝部を、上記半導体基板の表面 に対し直交する方向に向かって、上記能動領域内、および上記素子分離用トレンチ毎の
隣り合う部分内を、第1の深さまで伸ばすステップと、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での各素子分離用トレンチ内にてプレート状部をそ
れぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結し、上記2
つの各プレート状部を上記第1の深さより深い第2の深さまで伸ばすとき、上記半導体
基板の材料に対し、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッ
チング工程を用いるステップと、
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記活
性領域と上記各プレート状部との間の界面部において設けるステップと、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記2つの各プレート状部とに充填するよ
うに堆積するステップとを備えた、メモリデバイスの製造方法。
【請求項22】
上記層スタックを、上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を形成するようにパターニングする工程は、
上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を、エッチングにより同時に形成することを備える、請求項21に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項23】
さらに、上記能動領域における、上記第1の深さおよび上記第2の深さの間の部分を、上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、薄くする工程を含み、
上記薄くする工程は、上記各プレート状部を規定するステップの後に実行される、請求項21または22に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項24】
上記ゲート用溝部を規定するステップは、さらに、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを上記半導体基板上に設けるステップと、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定するステップと、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングするステップとを含む、請求項21ないし23の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項25】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項24に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項26】
上記周辺回路のゲート電極を、上記第1のハードマスク層スタックの一部を形成するポリシリコン層をパターニングすることによって形成する、請求項25に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項27】
さらに、上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項24ないし26の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項28】
さらに、上記半導体基板の表面上に、二酸化ケイ素層を設ける工程を含み、
上記二酸化ケイ素層を設ける工程は、上記第1のハードマスク層スタックを設ける工程の前に実行される、請求項24ないし27の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項29】
上記周辺回路用のゲート電極は、上記第1のハードマスク層スタックの一部を形成する、少なくとも一層を有し、
上記周辺回路用のゲート電極を、上記第1のハードマスク層スタックの一部をパターニングすることによって形成する、請求項27に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項1】
半導体基板にトランジスタを形成するためのトランジスタの製造方法であって、
上記トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板内に各素子分離用トレンチを規定する工程と、
第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を接続するチャネルを、対応する能動領域に形成する工程と、
上記チャネルの導電性を制御するためのゲート電極を形成する工程とを含む、トランジスタの製造方法において、
上記半導体基板内にゲート用溝部を規定する工程と、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎にて、プレート状部をそれぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結するように構成する、トランジスタの製造方法。
【請求項2】
上記各プレート状部を、上記半導体基板の材料に対して、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッチングプロセスによって規定する工程を含む、請求項1に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項3】
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記能動領域と上記各プレート状部との間の界面部において設ける工程と、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記各プレート状部とに充填するように堆積形成する工程とを含む、請求項2に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項4】
さらに、上記能動領域の一部を、上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、薄くする工程を含む、請求項1ないし3の何れか1項に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項5】
上記ゲート用溝部を規定する工程は、さらに、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを上記半導体基板上に設ける工程と、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定する工程と、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングする工程とを含む、請求項4に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項6】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項2に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項7】
上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項6に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項8】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層は反射防止層を有する、請求項7に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項9】
半導体基板にトランジスタを製造する製造方法であって、
表面を有する半導体基板を設ける工程と、
上記トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板の上記表面内に各素子分離用トレンチを規定することにより、1つの上記能動領域が上記表面方向にて並ぶ2つの上記各素子分離用トレンチにて規定される工程と、
上記各素子分離用トレンチに絶縁材料を充填する工程と、
上記能動領域からゲート絶縁材料によって絶縁されるゲート電極を設ける工程と
第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域の間に形成される導電性のチャネルを設ける工程とを含む、トランジスタの製造方法において、
上記ゲート電極を設ける工程は、
上記半導体基板内で、かつ、上記能動領域に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎
にてゲート用溝部を規定することにより、上記ゲート用溝部を、上記半導体基板の表面
に対し直交する方向に向かって、上記能動領域内、および上記素子分離用トレンチ毎の
隣り合う部分内を、第1の深さまで伸ばし、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での各素子分離用トレンチ内にてプレート状部をそ
れぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結し、上記2
つの各プレート状部を上記第1の深さより深い第2の深さまで伸ばし、
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記活
性領域と上記各プレート状部との間の界面部において設け、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記2つの各プレート状部とに充填するよ
うに堆積することを含む、トランジスタの製造方法。
【請求項10】
上記プレート状部を規定することは、上記半導体基板の材料に対して選択的に上記各素子分離用トレンチの上記絶縁材料をエッチングすることを含む、請求項9に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項11】
上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、かつ、上記第1の深さおよび上記第2の深さの部分の上記能動領域を薄くする工程を含み、
上記薄くする工程は、上記各プレート状部を規定する工程の後に実行される、請求項9または10に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項12】
上記ゲート用溝部を規定する工程は、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定する工程と、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングする工程とを含む、請求項11に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項13】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項14】
上記第1のハードマスク層スタック上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項13に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項15】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層は反射防止層を有する、請求項14に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項16】
さらに、上記半導体基板の表面上に二酸化ケイ素層を設ける工程を含み、
上記二酸化ケイ素層を設ける工程は、上記第1のハードマスク層スタックを設ける工程より前に実行される、請求項13に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項17】
上記第2のハードマスク層スタックの最上層のエッチング工程を、テーパーエッチング工程として実行する、請求項14に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項18】
上記ゲート電極と、上記第1およ第2の各ソース/ドレイン領域とを互いに絶縁するための絶縁材料からなるスペーサを設ける工程を含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項19】
上記ゲート用溝部を上記半導体基板に規定する工程の後に実行される、上記ゲート用溝部の側壁の少なくとも一部上に犠牲層を設ける工程と、
ゲート絶縁材料を設ける工程の後に上記犠牲層を除去することによりギャップを形成する工程と、
上記犠牲層の材料と相違する材料のスペーサを上記ギャップ内に設ける工程とを含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項20】
上記第1のハードマスク層スタックに対し、上記第1の開口部を規定する工程の後で、かつ、上記半導体基板をエッチングする工程の前にて、上記第1の開口部の側壁の少なくとも一部上に犠牲層を設ける工程と、
上記半導体基板を異方性エッチングする工程と、
上記異方性エッチングの工程の後に、上記犠牲層を除去する工程とを含む、請求項12に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項21】
表面を有する半導体基板を設ける工程と、
情報を記憶するための複数の各ストレージキャパシタを設ける工程と、
トランジスタの形成位置内の能動領域を、上記半導体基板の表面方向に沿って限定するための、上記半導体基板の上記表面内に各素子分離用トレンチを規定することにより、1つの上記能動領域が上記表面方向にて並ぶ2つの上記各素子分離用トレンチにて規定される工程と、
上記各素子分離用トレンチに絶縁材料を充填する工程と、
上記能動領域からゲート絶縁材料によってそれぞれ絶縁される、アレイ状の複数の各ゲート電極を設ける工程と
複数の第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域毎の間に形成される導電性のチャネルを設け、第1のソース/ドレイン領域毎を、上記各ストレージキャパシタの対応する一つのストレージ電極に接続する工程と、
上記半導体基板の表面方向に沿った第1方向に沿って伸び、アクセストランジスタの第2のソース/ドレイン領域に接続された各ビット線を設ける工程と、
上記半導体基板の表面方向に沿い、上記第1方向と交差する第2方向に沿って伸び、上記アクセストランジスタのゲート電極毎に接続された各ワード線を設ける工程と、
周辺回路用のトランジスタを少なくとも一つ設けることによって周辺回路を設ける工程とを含み、
上記周辺回路用のトランジスタを設ける工程は、
周辺回路用の第1および第2の各ソース/ドレイン領域、および、周辺回路用の上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域毎の間に形成される導電性の周辺回路用のチャネルを設け工程と、
周辺回路用のゲート絶縁層および上記周辺回路用のチャネルの導電性を制御する周辺回路用のゲート電極を設けるとき、上記各ストレージキャパシタおよび上記各アクセストランジスタを有する各メモリセル並びに上記周辺回路を覆うように、上記半導体基板の表面上に少なくとも一層を含有した備えた層スタックを形成し、続いて、上記層スタックを、上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を形成するようにパターニングする工程とを有し、
上記ゲート電極を設ける工程は、
上記半導体基板内で、かつ、上記能動領域に隣り合う位置での素子分離用トレンチ毎
にてゲート用溝部を規定することにより、上記ゲート用溝部を、上記半導体基板の表面 に対し直交する方向に向かって、上記能動領域内、および上記素子分離用トレンチ毎の
隣り合う部分内を、第1の深さまで伸ばすステップと、
上記ゲート用溝部に隣り合う位置での各素子分離用トレンチ内にてプレート状部をそ
れぞれ規定して、上記ゲート用溝部を挟む2つの各プレート状部の間を連結し、上記2
つの各プレート状部を上記第1の深さより深い第2の深さまで伸ばすとき、上記半導体
基板の材料に対し、上記素子分離用トレンチの絶縁材料を選択的にエッチングするエッ
チング工程を用いるステップと、
ゲート絶縁体を、上記能動領域と上記ゲート用溝部との間の界面部、および、上記活
性領域と上記各プレート状部との間の界面部において設けるステップと、
ゲート電極の材料を、上記ゲート用溝部と上記2つの各プレート状部とに充填するよ
うに堆積するステップとを備えた、メモリデバイスの製造方法。
【請求項22】
上記層スタックを、上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を形成するようにパターニングする工程は、
上記各ワード線および上記周辺回路用の各ゲート電極を、エッチングにより同時に形成することを備える、請求項21に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項23】
さらに、上記能動領域における、上記第1の深さおよび上記第2の深さの間の部分を、上記半導体基板の表面方向、かつ、上記第1および第2の各ソース/ドレイン領域を連結する線によって規定される方向に対し直交する方向において、薄くする工程を含み、
上記薄くする工程は、上記各プレート状部を規定するステップの後に実行される、請求項21または22に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項24】
上記ゲート用溝部を規定するステップは、さらに、
上記半導体基板の材料から相違する材料の少なくとも一層を有する、第1のハードマスク層スタックを上記半導体基板上に設けるステップと、
上記第1のハードマスク層スタック内に、第1の開口部を規定するステップと、
上記第1の開口部に対応する位置での上記半導体基板の材料をエッチングするステップとを含む、請求項21ないし23の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項25】
上記第1のハードマスク層スタックは、ポリシリコンおよび窒化シリコンからなるグループから選択された下層と、二酸化シリコンからなる中間層と、ポリシリコンからなる上層とを備える、請求項24に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項26】
上記周辺回路のゲート電極を、上記第1のハードマスク層スタックの一部を形成するポリシリコン層をパターニングすることによって形成する、請求項25に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項27】
さらに、上記第1のハードマスク層スタックの表面上に、炭素層を有する第2のハードマスク層スタックを設ける工程と、
上記第1の開口部に対応する位置にて規定される第2の開口部を、上記第2のハードマスク層スタックに規定する工程とを含む、請求項24ないし26の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項28】
さらに、上記半導体基板の表面上に、二酸化ケイ素層を設ける工程を含み、
上記二酸化ケイ素層を設ける工程は、上記第1のハードマスク層スタックを設ける工程の前に実行される、請求項24ないし27の何れか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
【請求項29】
上記周辺回路用のゲート電極は、上記第1のハードマスク層スタックの一部を形成する、少なくとも一層を有し、
上記周辺回路用のゲート電極を、上記第1のハードマスク層スタックの一部をパターニングすることによって形成する、請求項27に記載のメモリデバイスの製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
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【図39】
【図40】
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【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
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【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
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【図84】
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【図86A】
【図86B】
【図87】
【図88】
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【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
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【図96】
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【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【図115】
【図116】
【図117】
【図118】
【図119】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
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【図19A】
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【図49】
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【図51】
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【図59】
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【図70】
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【図75】
【図76】
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【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
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【図84】
【図85】
【図86A】
【図86B】
【図87】
【図88】
【図89】
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【図92】
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【図99】
【図100】
【図101】
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【図111】
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【図114】
【図115】
【図116】
【図117】
【図118】
【図119】
【公開番号】特開2007−88458(P2007−88458A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−245522(P2006−245522)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(506211850)キモンダ アクチエンゲゼルシャフト (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245522(P2006−245522)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(506211850)キモンダ アクチエンゲゼルシャフト (110)
【Fターム(参考)】
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