説明

半導体装置の製造方法

【課題】電界効果トランジスタに用いられる多結晶シリコン膜のみならず、多結晶質の膜からなるゲート電極を形成する工程において、当該ゲート電極に発生する結晶粒を容易に評価することのできる検査技術を提供する。
【解決手段】半導体基板の主面上に形成された多結晶シリコン膜の表面を原子間力顕微鏡を用いてプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定することによって得られた位相遅延を濃淡の位相モード像で表した後、位相モード像を画像処理して多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒13の大きさを算出する。得られたシリコン結晶粒13の大きさから、多結晶シリコン膜を加工して形成されるゲート電極のライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、電界効果トランジスタのゲート電極を構成する多結晶シリコン膜の検査工程に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、多結晶膜のグレインの画像を2値化して表示し、その画像に加えた複数の直線とグレインの境界線との交点を目視による修正を加えて確定し、直線上の各交点間の距離を求め、この距離をグレインの粒径とみなしてメディアン径および形状係数を演算するグレインサイズの測定方法が特開平6−167312号公報(特許文献1参照)に開示されている。
【0003】
また、CD−SEM(Critical-Dimension Scanning Electron Microscope)を用いてラインパターン上のライン端のラフネスあるいはライン幅のラフネスを計測する際、長い領域のエッジ情報を密に拾うことにより、正確な計測を実現することのできる技術が日立評論(非特許文献1参照)に記述されている。
【特許文献1】特開平6−167312号公報(段落[0014]〜[0016])
【非特許文献1】山口敦子、中垣亮、川田洋揮、「65nmプロセスノードに対応するCD−SEM技術」、日立評論、2004年7月、Vol.86、No.7、p.471−476
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置の高集積化が進み、すでに加工寸法はナノメータ(nm)の領域に入っている。例えば90nm技術を用いる電界効果トランジスタでは、そのゲート電極のゲート長は50nm以下となっており、さらに65nm技術を用いる電界効果トランジスタでは、そのゲート電極のゲート長は25nm以下となることが予想されている。このため、ゲート電極の加工精度が電界効果トランジスタの性能に大きな影響を与えることとなり(例えばリーク電流の増加によるしきい値電圧の低下等)、ゲート電極を形成するリソグラフィ工程からエッチング工程において高精度な加工技術および高精度な評価技術が必要とされる。
【0005】
一方、ゲート電極を多結晶シリコン膜で構成した場合、ゲート電極の形状が微小なシリコンの結晶粒の影響を受けて、数nm〜数十nm程度のライン端ラフネス(Line Edge Roughness)またはライン幅ラフネス(Line Width Roughness)が生じることがある。そこで、ゲート電極の製造過程では、例えばCD−SEMを用いたゲート長の測定または透過型電子顕微鏡を用いたシリコン結晶粒の観察による品質検査を行っている。しかし、CD−SEMは他のラフネスとの分離やシリコン結晶粒の観察ができない、また透過型電子顕微鏡は破壊検査であり、試料作成や評価に多大な時間を要するなどの課題を有している。さらに、これら評価手法は、基本的にゲート電極を形成した後の評価となるため、事前に多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の予見を行うことは不可能である。
【0006】
本発明の目的は、電界効果トランジスタに用いられる多結晶シリコン膜のみならず、多結晶質の膜からなるゲート電極を形成する工程において、当該ゲート電極に発生する結晶粒を容易に評価することのできる検査技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の主面上に形成された結晶質の膜の表面を原子間力顕微鏡を用いてプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定することによって得られた位相遅延を画像処理して結晶質の膜の結晶粒の大きさを算出し、得られた結晶粒の大きさから、結晶質の膜を加工して形成されるゲート電極のライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価するものである。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0011】
電界効果トランジスタを形成するゲート電極のライン端ラフネスまたはライン端ラフネスへ及ぼすシリコン結晶粒の影響を非破壊でかつ簡便に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本実施の形態においては、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、本実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、本実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0013】
また、本実施の形態で用いる図面においては、図面を見易くするためにハッチングを付す。また、本実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFETをMISと略し、pチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。
【0014】
また、本実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイスの製造方法を図1〜図20を用いて説明する。図1〜図5、図11および図14〜図20はCMOSデバイスの要部断面図、図6はゲート電極の製造工程の一例を示すフロー図、図7は原子間力顕微鏡を用いる位相モード測定の原理を説明する模式図、図8は原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の位相モード像、図9(a)および(b)はそれぞれ透過型電子顕微鏡を用いた測定により得られた多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の観察像、図10は原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜の結晶粒径と透視型電子顕微鏡を用いた測定により得られた多結晶シリコン膜の結晶粒径との関係を示すグラフ図、図12はゲート電極のライン端ラフネスおよびライン幅ラフネスの発生機構を説明するMISの模式平面図、図13はゲート電極のライン端ラフネスおよびライン幅ラフネスの影響を説明するMISの模式断面図である。
【0016】
まず、図1に示すように、例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板(半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1を用意する。次に、この半導体基板1を熱酸化してその表面に厚さ10nm程度の酸化シリコン膜2を形成した後、その上層にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば厚さ100nm程度の窒化シリコン膜3を堆積する。続いてレジストパターンをマスクとして窒化シリコン膜3、酸化シリコン膜2および半導体基板1を順次ドライエッチングすることにより、素子分離領域の半導体基板1に深さ300nm程度の溝4aを形成する。
【0017】
次に、図2に示すように、熱リン酸を用いたウェットエッチングにより窒化シリコン膜3を除去した後、溝4aの内部を含む半導体基板1の主面上にCVD法により絶縁膜4bを堆積する。続いて絶縁膜4bをCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨して、溝4aの内部に絶縁膜4bを残すことにより素子分離4を形成する。続いて半導体基板1を温度1000℃程度で熱処理することにより、溝4aに埋め込んだ絶縁膜4bを焼き締める。
【0018】
次に、pMIS形成領域をレジストパターンにより覆い、半導体基板1のnMIS形成領域にp型ウェル5を形成するためのp型不純物、例えばボロン(B)をイオン注入する。同様に、nMIS形成領域をレジストパターンにより覆い、半導体基板1のpMIS形成領域にn型ウェル6を形成するためのn型不純物、例えばリン(P)またはヒ素(As)をイオン注入する。続いて半導体基板1に熱処理を施した後、p型不純物およびn型不純物を活性化させる。次に、例えばフッ酸水溶液を用いたウェットエッチングにより半導体基板1の表面を洗浄した後、半導体基板1を熱酸化して、例えば厚さ5nm程度のゲート絶縁膜7を半導体基板1の表面(p型ウェル5およびn型ウェル6のそれぞれの表面)に形成する。
【0019】
次に、nMISおよびpMISのゲート電極の形成方法について図6に示すフロー図に従い詳細に説明する。まず、図3に示すように、ゲート絶縁膜7上に、例えば厚さ160nm程度のアモルファスシリコン膜8をCVD法により堆積する。なお、ここでは不純物を添加していないアモルファスシリコン膜を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば多結晶シリコン膜を用いることもできる。続いてpMIS形成領域をレジストパターン9aにより覆い、半導体基板1のnMIS形成領域のアモルファスシリコン膜8にn型不純物、例えばリンをイオン注入する。イオン注入条件は、例えばドーズ量6×1015cm−2、エネルギー10keVである。同様に、図4に示すように、nMIS形成領域をレジストパターン9bにより覆い、半導体基板1のpMIS形成領域のアモルファスシリコン膜8にp型不純物、例えばボロンをイオン注入する。イオン注入条件は、例えばドーズ量2×1015cm−2、エネルギー3keVである。
【0020】
次に、図5に示すように、半導体基板1に、例えば900℃、15秒程度の熱処理を施して、アモルファスシリコン膜8に導入したn型不純物およびp型不純物を活性化させ、さらにnMIS形成領域のアモルファスシリコン膜8をn型の多結晶シリコン膜10nsに、pMIS形成領域のアモルファスシリコン膜8をp型の多結晶シリコン膜10psに変える。
【0021】
次に、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の検査を行う(図6の工程P1)。
【0022】
図7に示すように、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定は、ACモード測定においてプローブ(探針)11に与える入力信号と試料表面(本実施の形態1では多結晶シリコン膜10ps,10nsの表面)12からの出力信号との位相遅延を濃淡の位相モード像で表現する測定であり、プローブ11と試料表面12の粘着性や硬度等との相互作用が反映される。よって、試料表面12のラフネス測定または3次元形状計測(本発明の実施の形態2において述べる)を行うことが可能となる。
【0023】
シリコン結晶粒13の一部が、試料表面12から突出した形状となっている場合、多結晶シリコン膜10ps,10nsに対して原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定を行うと、入力信号と出力信号との位相差はシリコン結晶粒13に対して小さく、シリコン結晶粒13が成長していない試料表面12に対して大きく表れる。従って、両者の位相差の違いを、例えば色の濃淡を用いた位相モード像で表し、その位相モード像を画像処理することによってシリコン結晶粒13の大きさを評価することができる。さらに、ゲート電極に加工した後のシリコン結晶粒13によるライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを予見することが可能となる。
【0024】
図8は、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られたゲート電極に加工した後の多結晶シリコン膜の位相モード像である。測定には、先端径が2〜3nmの高密度カーボン製プローブを用い、試料には、イオン注入によりリンが添加され、さらに熱処理が施された多結晶シリコン膜を用いた。図8中、ゲート電極に明部で示された部分がシリコン結晶粒であり、平均的なシリコン結晶粒の大きさは70〜130nmであることがわかる。この測定は、ゲート電極に加工する前の多結晶シリコン膜においても全く同様の評価ができるので、ゲート電極に加工する前にシリコン結晶粒の成長に伴うライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを予想することができる。
【0025】
図9(a)および(b)は、透過型電子顕微鏡を用いた測定により得られたゲート電極に加工した後の多結晶シリコン膜の観察像である。図9(a)および(b)からゲート電極に40〜100nmに成長したシリコン結晶粒を確認することができる。平均した数値として30nm程度の差異はあるものの、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定と透過型電子顕微鏡を用いた測定とにおいてシリコン結晶粒の成長傾向に一致が見られる。また、図9(b)からは、シリコン結晶粒14がゲート電極の側壁の形状に影響を与え、ライン端ラフネスの増加の要因となっていることがわかる。すなわち、透過型電子顕微鏡を用いた測定とほぼ同等のシリコン結晶粒の評価が、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により非破壊でかつ簡便に行うことができる。
【0026】
原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定と透過型電子顕微鏡を用いた測定から得られる結晶粒径の値には差が見られる。いずれの値を採用するかは測定者が任意に定めれば良いが、現状の技術水準では、透過型電子顕微鏡による測定値の方が真値に近いと考えられる。従って、位相モード測定による測定値は、透過型電子顕微鏡による測定値により較正することでより正確な評価が可能である。また、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定による結晶粒径の測定値は、使用するプローブの先端径に依存して変動する。従って、位相モード測定により結晶粒径を測定するに当たっては、プローブに固有の係数を事前に調査し、測定値を補正することで実際のシリコン結晶粒の大きさに近い値を得ることが可能である。すなわち、位相モード測定により得られる結晶粒径の補正係数は、使用するプローブの種類に応じて変わることになる。
【0027】
図10は、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた結晶粒径(シリコン結晶粒の大きさ)と透過型電子顕微鏡を用いた測定により得られた結晶粒径(シリコン結晶粒の大きさ)との対応を示すグラフ図である。図10中に示されるデータのうち、●(符号15)が高密度カーボン製プローブ、×(符号16)がシリコン製プローブを用いて測定されたデータに対応する。先端径が2〜3nmの高密度カーボン製プローブと先端径が6〜8nmのシリコン製プローブとでは測定値の分布が異なり、それぞれ固有の補正係数を有することが分かる。
【0028】
そこで、次に、上記図6の工程P1で原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさと透過型電子顕微鏡を用いた測定により得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさの対応関係から補正係数を求める(図6の工程P2)。例えば、図10に示されるデータを適当な関数でフィッティングすることにより、位相モード測定により得られる結晶粒径の補正係数を得ることができる。
【0029】
次に、原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさに上記補正係数を考慮した数値処理を行い、より実際に近い多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさを算出する(図6の工程P3)。
【0030】
以上の説明においては、高密度カーボン製プローブおよびシリコン製プローブによる測定結果について説明したが、プローブ材料としてCNT(カーボンナノチューブ)を使用することも可能である。CNTプローブは、高密度カーボン製プローブやシリコン製プローブと比較して、プローブ径が20〜80nm、長さが300〜800nmとアスペクト比が大きい。従って、高密度カーボン製プローブとシリコン製プローブでは、プローブ側壁が当たり正確な測定ができないような高アスペクト形状のパターン(例えばゲート電極パターン等)の評価に適している。
【0031】
次に、上記図6の工程P3で原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさのデータから、そのシリコン結晶粒の大きさがゲート電極のライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスへ及ぼす影響を考慮して、ゲート電極の加工工程への進行の可否が判断される(図6の工程P4)。
【0032】
ここでゲート電極の加工工程への進行が不可(No)と判断された場合は、CMOSデバイスの製造を中止する(図6の工程P5)か、多結晶シリコン膜10ps,10nsを除去した後に再度製造を継続する(図6の工程P6)かが判断される(図6の工程7)。再度製造を継続する場合には、上記図6の工程P3で得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさのデータから、アモルファスシリコン膜の成膜条件、イオン注入条件および熱処理条件等の変更が適宜行われて、これら条件が上記図6の工程P1に戻される。一方、ゲート電極の加工工程への進行が可(Yes)と判断された場合は、上記図6の工程P3で原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさのデータを元に、ドライエッチング条件の変更またはライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを低減するためのプロセス追加(図6の工程P8)等が適宜行われる(図6の工程9)。その後、多結晶シリコン膜10ps,10nsが成膜された半導体基板1をゲート電極の加工工程(図6の工程P10)へ進める。さらに、CD−SEM等のその他の検査装置を用いて得られたライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスの計測データ等を応用してもよく、より正確な多結晶シリコン膜10ps,10nsのドライエッチング条件等を求めることができる。
【0033】
このように、多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の検査に原子間力顕微鏡を用い、さらに図6を用いて説明した上記フィードバック概念を応用することにより、多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の大きさがゲート電極に加工した後のライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスへ及ぼす影響を非破壊でかつ簡便に、ゲート電極に加工する前に知ることが可能となる。従って、その評価結果を多結晶シリコン膜10ps,10nsの成膜工程、リソグラフィ工程、ドライエッチング工程等へフィードバックすることにより、ゲート電極の加工工程における製造歩留まりを向上させることができて、例えば90nm技術を用いるCMOSデバイスでは、ゲート電極の加工工程における製造歩留まりを2〜3%程度向上させることができる。
【0034】
次に、図11に示すように、多結晶シリコン膜10ps,10nsが成膜された半導体基板1をゲート電極の加工工程へ進めた後、多結晶シリコン膜10ps,10nsの評価結果をフィードバックすることにより多結晶シリコン膜10ns,10npを加工してゲート電極を形成する。ここでは、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングによりn型の多結晶シリコン膜10nsを加工し、nMIS形成領域にn型の多結晶シリコン膜10nsで構成されるゲート長50nm程度のゲート電極10nを形成する。同時に、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングによりp型の多結晶シリコン膜10psを加工し、pMIS形成領域にp型の多結晶シリコン膜10psで構成されるゲート長50nm程度のゲート電極10pを形成する。
【0035】
前述したように、図12に示すように、多結晶シリコン膜10ns,10psに40〜100nm程度の大きさのシリコン結晶粒が成長すると、ゲート電極10の端部の形状がシリコン結晶粒の影響を受けて、数nm〜数十nm程度のライン端ラフネス17およびライン幅ラフネス18が生じる。ゲート電極10に生じたライン端ラフネス17またはライン幅ラフネス18は、CMOSデバイスの性能に大きく影響を及ぼすゲート長を変動させる。例えばライン幅ラフネス18が短いと、局所的にゲート長が短くなるショートチャネル効果を引き起こすことによってリーク電流LCが増加して、しきい値電圧が下がる。逆に図13に示すような、シリコン結晶粒19によりライン幅ラフネス18が長くなると、ゲート長の揺らぎを引き起こすことによってデバイス性能のばらつきの原因となる。しかしながら、本実施の形態1では、事前に得られた多結晶シリコン膜10ps,10nsのシリコン結晶粒の評価結果を多結晶シリコン膜10ps,10nsの成膜工程、リソグラフィ工程、ドライエッチング工程等へフィードバックすることができるので、ライン端ラフネス17またはライン幅ラフネス18に起因する問題を回避することができる。
【0036】
次に、図14に示すように、pMIS形成領域をレジストパターンで覆った後、nMISのゲート電極10nをマスクとして半導体基板1のnMIS形成領域にn型不純物、例えばリンまたはヒ素をイオン注入し、nMISの相対的に低濃度なソース・ドレイン拡張領域21を形成する。同様に、nMIS形成領域をレジストパターンで覆った後、pMISのゲート電極10pをマスクとして半導体基板1のpMIS形成領域にp型不純物、例えばBF(フッ化ボロン)をイオン注入し、pMISの相対的に低濃度なソース・ドレイン拡張領域22を形成する。上記ソース・ドレイン拡張領域21,22の深さは、例えば30nm程度である。
【0037】
次に、図15に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば厚さ10nm程度の酸化シリコン膜23をCVD法により堆積した後、さらに酸化シリコン膜23上に窒化シリコン膜24をCVD法により堆積する。
【0038】
次に、図16に示すように、窒化シリコン膜24膜をRIE(Reactive Ion Etching)法により異方性エッチングして、nMISのゲート電極10nおよびpMISのゲート電極10pのそれぞれの側壁にサイドウォール25を形成する。
【0039】
次に、図17に示すように、pMIS形成領域をレジストパターンで覆った後、nMISのゲート電極10nおよびサイドウォール25をマスクとしてp型ウェル5にn型不純物、例えばヒ素をイオン注入し、nMISの相対的に高濃度なソース・ドレイン拡散領域26を形成する。同様に、nMIS形成領域をレジストパターンで覆った後、pMISのゲート電極10pおよびサイドウォール25をマスクとしてn型ウェル6にp型不純物、例えばフッ化ボロンをイオン注入し、pMISの相対的に高濃度なソース・ドレイン拡散領域27を形成する。上記ソース・ドレイン拡散領域26,27の深さは、例えば50nm程度である。
【0040】
次に、サリサイド技術によりnMISのゲート電極10nおよびソース・ドレイン拡散領域26の表面およびpMISのゲート電極10pおよびソース・ドレイン拡散領域27の表面に低抵抗のニッケルシリサイド層28を形成する。なお、ここではニッケルシリサイド層を例示したが、他のシリサイド層、例えばチタンシリサイド層またはコバルトシリサイド層等を形成してもよい。
【0041】
次に、図18に示すように、半導体基板1の主面上にCVD法により窒化シリコン膜を堆積して第1絶縁膜29aを形成する。続いて第1絶縁膜29a上にプラズマCVD法によりTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜を堆積して第2絶縁膜29bを形成し、第1および第2絶縁膜29a,29bからなる層間絶縁膜を形成する。その後、第2絶縁膜29bの表面をCMP法により研磨する。下地段差に起因して第1絶縁膜29aの表面に凹凸形状が形成されていても、第2絶縁膜29bの表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された層間絶縁膜が得られる。
【0042】
次に、レジストパターンをマスクとして第1および第2絶縁膜29a,29bをエッチングし、nMISおよびpMISのニッケルシリサイド層28に達する接続孔30を所定の箇所に形成する。続いて半導体基板1の主面上にバリアメタル膜31を形成する。バリアメタル膜31は、例えばチタン膜、窒化チタン膜等である。さらにバリアメタル膜31上に金属膜、例えばタングステン膜を堆積し、例えばCMP法でこの金属膜の表面を平坦化することによって接続孔30の内部に金属膜を埋め込みプラグ32を形成する。
【0043】
次に、半導体基板1の主面上にストッパ絶縁膜33および配線形成用の絶縁膜34を順次形成する。ストッパ絶縁膜33は絶縁膜34への溝加工の際にエッチングストッパとなる膜であり、絶縁膜34に対してエッチング選択比を有する材料を用いる。ストッパ絶縁膜33は、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜とし、絶縁膜34は、例えばプラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜とすることができる。
【0044】
次に、シングルダマシン法により第1層目の配線を形成する。まず、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングによってストッパ絶縁膜33および絶縁膜34の所定の領域に配線溝35を形成した後、半導体基板1の主面上にバリアメタル膜36を形成する。バリアメタル膜36は、例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜等である。続いてCVD法またはスパッタリング法によりバリアメタル膜36上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法を用いてシード層上に銅めっき膜を形成する。銅めっき膜により配線溝35の内部を埋め込む。続いて配線溝35以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリアメタル膜36をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。
【0045】
次に、デュアルダマシン法により第2層目の配線を形成する。まず、図19に示すように、半導体基板1の主面上にキャップ絶縁膜37、層間絶縁膜38および配線形成用のストッパ絶縁膜39を順次形成する。キャップ絶縁膜37および絶縁膜38には、後に説明するように接続孔が形成される。キャップ絶縁膜37は、絶縁膜38に対してエッチング選択比を有する材料で構成され、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜とすることができる。さらにキャップ絶縁膜37は第1層目の配線M1を構成する銅の拡散を防止する保護膜としての機能を有している。絶縁膜38は、例えばプラズマCVD法により形成されるTEOS膜とすることができる。ストッパ絶縁膜39は、絶縁膜38および後にストッパ絶縁膜39の上層に堆積される配線形成用の絶縁膜に対してエッチング選択比を有する絶縁材料で構成され、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜とすることができる。
【0046】
次に、孔形成用のレジストパターンをマスクとしたドライエッチングによりストッパ絶縁膜39を加工した後、ストッパ絶縁膜39上に配線形成用の絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、例えばTEOS膜とすることができる。
【0047】
次に、配線溝形成用のレジストパターンをマスクとしたドライエッチングにより絶縁膜40を加工する。この際、ストッパ絶縁膜39がエッチングストッパとして機能する。続いてストッパ絶縁膜39および配線溝形成用のレジストパターンをマスクとしたドライエッチングにより絶縁膜38を加工する。この際、キャップ絶縁膜37がエッチングストッパとして機能する。続いてストッパ絶縁膜39および露出したキャップ絶縁膜37をドライエッチングにより除去することにより、キャップ絶縁膜37および絶縁膜38に接続孔41が形成され、ストッパ絶縁膜39および絶縁膜40に配線溝42が形成される。
【0048】
次に、接続孔41および配線溝42の内部を含む半導体基板1の主面上にバリアメタル膜43を形成する。バリアメタル膜43は、例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜等である。続いてCVD法またはスパッタリング法によりバリアメタル膜43上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法を用いてシード層上に銅めっき膜を形成する。銅めっき膜により接続孔41および配線溝42の内部を埋め込む。続いて接続孔41および配線溝42以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリアメタル膜43をCMP法により除去して、第2層目の配線M2を形成する。
【0049】
その後、図20に示すように、例えば前述した第2層目の配線M2と同様な方法によりさらに上層の配線を形成する。図20では、第3層目から第6層目の配線M3,M4,5M5,M6を形成したCMOSデバイスを例示している。続いて第6層目の配線M6上に窒化シリコン膜44を形成し、窒化シリコン膜44上に酸化シリコン膜45を形成する。これら窒化シリコン膜44および酸化シリコン膜45は、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行うパッシベーション膜として機能する。
【0050】
次に、窒化シリコン膜44および酸化シリコン膜45をレジストパターンをマスクとしたエッチングにより加工して、第6層目の配線M6の一部(ボンディングパッド部)を露出させる。続いて露出した第6層目の配線M6上に金膜およびニッケル膜等の積層膜からなるバンプ下地電極46を形成し、バンプ下地電極46上に金または半田等からなるバンプ電極47を形成することにより、本実施の形態1であるCMOSデバイスが略完成する。なお、このバンプ電極47は外部接続用電極となる。この後、半導体ウエハから半導体チップに個々に切り分けられ、パッケージ基板等に実装されて半導体装置が完成するが、それらの説明は省略する。
【0051】
なお、本実施の形態1では、プレーナ型のCMOSデバイスのゲート電極に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0052】
例えばフィン構造をもつMISにも適用することができる。図21に本実施の形態1によるフィン構造をもつMISの要部斜視図を示す。フィン構造をもつMISは、多結晶シリコン膜からなるゲート電極Gが、薄膜状に形成された単結晶シリコンからなるフィンSUBを跨いで形成されており、フィンSUBの側面をチャネルとし、ソースSからドレインDへドレイン電流が流れる、フィンSUBが両側からゲート電極により挟まれたダブルゲート構造となっている点に特徴を有する。フィンSUBの幅および高さは、例えば15nmおよび50nmであり、ゲート電極Gのゲート長(Lg)は10nmである。従って、多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の影響を受けて、ゲート電極Gに生じるライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスは、フィン構造を持つMISの性能に大きく影響を及ぼすゲート長を変動させる。しかしながら、前述したプレーナ型のCMOSと同様、本実施の形態1によれば、事前に得られた多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の評価結果を多結晶シリコン膜の成膜工程、リソグラフィ工程、ドライエッチング工程等へフィードバックすることができるので、ライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスに起因する問題を回避することができる。
【0053】
このように、本実施の形態1によれば、事前に、多結晶シリコン膜をゲート電極に加工した後のライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスへ及ぼす多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の影響を非破壊でかつ簡便に評価することが可能となる。これにより、その評価結果を多結晶シリコン膜の成膜工程、リソグラフィ工程、ドライエッチング工程等へフィードバックすることにより、ゲート電極の加工工程における製造歩留まりを向上させることができる。
【0054】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による原子間力顕微鏡を用いたゲート電極の形状の検査方法を図22および図23を用いて説明する。図22(a)および(b)は、それぞれ本実施の形態2による原子間力顕微鏡を用いた平面位相モード測定および傾斜位相モード測定の原理を説明する模式図、図23(a)および(b)は、それぞれ本実施の形態2による原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定で得られたゲート電極の2次元形状位相モード像および3次元形状位相モード像である。
【0055】
前述した実施の形態1と本実施の形態2とが相違する点は、平面状態に置かれた測定試料を測定するか、あるいは傾斜状態に置かれた測定試料を測定するかであり、本実施の形態2では、測定試料を任意の角度に傾斜させて、ゲート電極の側壁方向の測定に適したプローブを用いることにより、ゲート電極の側壁に突出した多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさを測定する。
【0056】
図22(a)に示すように、原子間力顕微鏡を用いた平面位相モード測定では、ゲート電極51の側壁とプローブ52の側壁とが近接すると微細な測定ができないことから、プローブ52の先端形状の制約によりゲート電極51の側壁部分の正確な評価が難しい。しかし、図22(b)に示すように、測定試料53を任意の角度に傾斜させることによってゲート電極51の一方の側壁の測定が可能となり、ゲート電極51の端部の裾から頂上にかけての明瞭な評価を行うことができる。測定試料53の傾斜の角度θは、例えば10〜40度が適切な範囲と考えられ(他の条件によってはこの範囲に限定されないことはもとよりである)、また15〜30度等の20度を中心値とする範囲が最も好適と考えられる。さらに、プローブ52は、側壁方向の側壁に適した細い先端径、例えば2〜3nmの先端径を有する高密度カーボンプローブ等の高アスペクトプローブを使用するのが望ましい。
【0057】
図23(a)は、測定試料を傾斜させて原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られたゲート電極の2次元形状位相モード像であり、図23(b)は同図(a)に示したゲート電極の2次元形状位相モード像を3次元処理した3次元形状位相モード像である。測定試料の傾斜角度は20度であり、プローブには2〜3nmの先端径を有する高密度カーボンプローブを用いた。傾斜測定することにより、ゲート電極の側壁部分に突出した100nm程度の大きさのシリコン結晶粒を確認することができる。
【0058】
このように、本実施の形態2によれば、平面位相モード評価に加えて傾斜位相モード評価を行うことにより、ゲート電極の内部の成長したシリコン結晶粒を確認することができ、さらにライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスへ及ぼす多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の影響を非破壊でかつ簡便に確認することが可能となる。
【0059】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の半導体装置の製造方法は、多結晶シリコン膜を有する半導体製品の品質管理に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1によるCMOSデバイスの製造工程を示す要部断面図である。
【図2】図1に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図3】図2に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図4】図3に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図5】図4に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1によるCMOSデバイスのゲート電極の製造工程の一例を示すフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態1による原子間力顕微鏡を用いる位相モード測定の原理を説明する模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1による原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の位相モード像である。
【図9】(a)および(b)は、それぞれ本発明の実施の形態1による透過型電子顕微鏡を用いた測定により得られた多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の観察像である。
【図10】本発明の実施の形態1による原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られた多結晶シリコン膜の結晶粒径と透視型電子顕微鏡を用いた測定により得られた多結晶シリコン膜の結晶粒径との関係を示すグラフ図である。
【図11】図5に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1によるゲート電極のライン端ラフネスおよびライン幅ラフネスの発生機構を説明するMISの模式平面図である。
【図13】本発明の実施の形態1によるゲート電極のライン端ラフネスおよびライン幅ラフネスの影響を説明するMISの模式断面図である。
【図14】図11に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図15】図14に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図16】図15に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図17】図16に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図18】図17に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図19】図18に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図20】図19に続くCMOSデバイスの製造工程中の図1と同じ箇所の要部断面図である。
【図21】本発明の実施の形態1によるフィン構造を持つMISの要部斜視図である。
【図22】(a)および(b)は、それぞれ本発明の実施の形態2による原子間力顕微鏡を用いた平面位相モード測定および傾斜位相モード測定の原理を測定する模式図である。
【図23】(a)および(b)は、それぞれ本発明の実施の形態2による原子間力顕微鏡を用いた位相モード測定により得られたゲート電極の2次元形状位相モード像および3次元形状位相モード像である。
【符号の説明】
【0062】
1 半導体基板
2 酸化シリコン膜
3 窒化シリコン膜
4 素子分離
4a 溝
4b 絶縁膜
5 p型ウェル
6 n型ウェル
7 ゲート絶縁膜
8 アモルファスシリコン膜
9a,9b レジストパターン
10,10n,10p ゲート電極
10ns,10ps 多結晶シリコン膜
11 プローブ
12 試料表面
13,14 シリコン結晶粒
15 高密度カーボン製プローブ
16 シリコン製プローブ
17 ライン端ラフネス
18 ライン幅ラフネス
19 シリコン結晶粒
21,22 ソース・ドレイン拡張領域
23 酸化シリコン膜
24 窒化シリコン膜
25 サイドウォール
26,27 ソース・ドレイン拡散領域
28 ニッケルシリサイド層
29a 第1絶縁膜
29b 第2絶縁膜
30 接続孔
31 バリアメタル膜
32 プラグ
33 ストッパ絶縁膜
34 絶縁膜
35 配線溝
36 バリアメタル膜
37 キャップ絶縁膜
38 絶縁膜
39 ストッパ絶縁膜
40 絶縁膜
41 接続孔
42 配線溝
43 バリアメタル膜
44 窒化シリコン膜
45 酸化シリコン膜
46 バンプ下地電極
47 バンプ電極
51 ゲート電極
52 プローブ
53 測定試料
54 シリコン結晶粒
D ドレイン
G ゲート電極
LC リーク電流
M1,M2,M3,M4,M5,M6 配線
S ソース
SUB フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板の主面上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、
(b)原子間力顕微鏡を用いて前記多結晶シリコン膜の表面をプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定する工程と、
(c)前記位相遅延を位相モード像で表し、前記位相モード像を画像処理して前記多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさを得る工程と、
(d)前記シリコン結晶粒の大きさから、前記多結晶シリコン膜を加工して形成されるパターンのライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
(a)半導体基板の主面上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、
(b)原子間力顕微鏡を用いて前記多結晶シリコン膜の表面をプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定する工程と、
(c)前記位相遅延を位相モード像で表し、前記位相モード像を画像処理して前記多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさを得る工程と、
(d)前記シリコン結晶粒の大きさから、前記多結晶シリコン膜を加工して形成されるパターンのライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価する工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記(c)工程で得られた前記多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさに対して、前記原子間力顕微鏡とは異なる方法から求めた補正係数を加えた数値処理が行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
(a)半導体基板の主面上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、
(b)原子間力顕微鏡を用いて前記多結晶シリコン膜の表面をプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定する工程と、
(c)前記位相遅延を位相モード像で表し、前記位相モード像を画像処理して前記多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさを得る工程と、
(d)前記シリコン結晶粒の大きさから、前記多結晶シリコン膜を加工して形成されるパターンのライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価する工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記(b)工程において、前記半導体基板の法線方向からプローブを走査させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
(a)半導体基板の主面上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、
(b)原子間力顕微鏡を用いて前記多結晶シリコン膜の表面をプローブ走査し、入力信号と出力信号との位相遅延を測定する工程と、
(c)前記位相遅延を位相モード像で表し、前記位相モード像を画像処理して前記多結晶シリコン膜のシリコン結晶粒の大きさを得る工程と、
(d)前記シリコン結晶粒の大きさから、前記多結晶シリコン膜を加工して形成されるパターンのライン端ラフネスまたはライン幅ラフネスを評価する工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記(b)工程において、前記半導体基板を傾斜させることにより前記半導体基板の法線方向から任意の角度を有してプローブを走査させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記角度は10〜40度であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図8】
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【図9】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−329381(P2007−329381A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160742(P2006−160742)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】