説明

半導体装置

【課題】半導体基板において回路が形成される領域の占有面積を削減して小型化が図られる半導体装置を提供する。
【解決手段】高電位が印加されるセンス抵抗9と第1ロジック回路26が形成された高電位ロジック領域25の周囲を取り囲むように、分離領域30を介在させて、RESURF領域24が形成されている。RESURF領域24の外側には、接地電位に対して第2ロジック回路22を駆動させるのに必要な駆動電圧レベルが印加される第2ロジック回路領域が形成されている。RESURF領域24では、電界効果トランジスタTのドレイン電極12が内周に沿って形成され、ソース電極10が外周に沿って形成されている。また、センス抵抗9に接続されたポリシリコン抵抗4が、内周側から外周側に向かってスパイラル状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に、誘導電動機等を動作させる駆動制御回路に使用される高耐圧素子を備えた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘導電動機等の負荷を動作させる制御駆動回路では、スイッチング素子として第1IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と第2IGBTとが直列に接続され、第1IGBTと第2IGBTとの接続点に負荷が接続されている。第1IGBTが高電圧に接続され、第2IGBTが接地電圧(電位)に接続されている。第1IGBTと第2IGBTとは交互にオン、オフされ、第1IGBTがオンの状態で負荷に電流が送り込まれ、第2IGBTがオンの状態で負荷から電流が引出される。
【0003】
第1IGBTと第2IGBTを交互にオンオフさせるために、第1IGBTのゲートには第1ロジック回路が接続され、第2IGBTのゲートには第2ロジック回路が接続されている。第1ロジック回路では、接続点の電位を基準にして第1IGBTのゲートをオンオフさせるための信号が出力される。第2ロジック回路では、接地電位を基準にして第2IGBTのゲートをオンオフさせるための信号が出力される。
【0004】
接続点の電位は、高電圧電位と接地電位との間を変動するため、特に、第1ロジック回路には、電界効果トランジスタの特性を利用した所定のレベルシフト回路が接続されている。このレベルシフト回路では、電界効果トランジスタのドレインが、第1ロジック回路に設けられたセンス抵抗に接続されている。また、このドレインにはポリシリコン抵抗が接続されている。ポリシリコン抵抗を流れる電流を検知することによって、ドレイン電圧が検知される。
【0005】
検知されたドレイン電圧に基づいて、ドレイン電流がほぼ一定の値となるように、電界効果トランジスタのゲートに所定の電圧が印加される。電界効果トランジスタがオンすると、センス抵抗には一定のドレイン電流が流れる。こうして、接続点の電位が変動しても、ドレインに接続されたセンス抵抗の両端には一定の電位差が生じ、この電位差をパルス電位として、第1IGBTのゲートがオンオフされることになる。
【0006】
この種の半導体装置では、センス抵抗と第1ロジック回路等は、半導体基板における高耐圧電位島に形成される。高耐圧電位島では、高電位が印加される第1ロジック回路等を取り囲むように、第1RESURF(REduced SURface Field)分離領域が形成されて、周辺領域に対し第1RESURF分離領域における内周側の部分の高電位が保持される。
【0007】
また、電界効果トランジスタおよびポリシリコン抵抗は、高耐圧電位島と隣接する高耐圧LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)領域に形成される。高耐圧LDMOS領域では、センス抵抗と接続されて高電位が印加されるドレイン電極を取り囲むように、第2RESURF領域が形成されている。ポリシリコン抵抗は、その第2RESURF領域上に高電位(ドレイン)側からスパイラル状に形成されている。
【0008】
そして、ポリシリコン抵抗を流れる電流を検知する回路や、ゲートに所定の電圧を印加するゲート駆動回路等は、高耐圧電位島および高耐圧LDMOS領域の周辺に配置された第2ロジック回路領域に形成される。ポリシリコン抵抗を流れる電流を検知する回路は、ポリシリコン抵抗の低電位側に接続されている。ゲート駆動回路は、電界効果トランジスタのゲートに接続されている。なお、このような半導体装置を開示した文献の一つとして、特許文献1がある。
【特許文献1】特開平9−283716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した半導体装置では、高耐圧電位島に形成される第1ロジック回路において、センス抵抗の両端に生じる電位差をロジック信号として検出するためには、高耐圧電位島の電位をドレイン電極の電位に対し、少なくともそのロジック信号分の電位差を保持しておく必要がある。このため、高耐圧電位島と高耐圧LDMOS領域とは、半導体基板において、個別に形成されている。
【0010】
また、約600V程度の電圧が印加される高耐圧電位島と周辺領域(低電位領域)とを電気的に分離する第1RESURF領域には、分離距離(幅)として約100μm程度以上が求められている。さらに、高耐圧LDMOS領域にも、高耐圧LDMOS領域と周辺領域とを電気的に分離する第2RESURF領域が必要とされている。
【0011】
本発明は、このような半導体装置に対する改善案を提案するものであり、その目的は、半導体基板において回路が形成される領域の占有面積を削減して小型化が図られる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る半導体装置は、第1ロジック回路領域と環状領域と分離領域と第2ロジック回路領域とを備えている。第1ロジック回路領域は、第1導電型の半導体基板の主表面に形成され、第1駆動電圧で駆動して所定のスイッチング素子の動作を制御する第1ロジック回路および第1抵抗を含み、第1電圧がバイアスとして印加される。環状領域は、第1ロジック回路部を周方向から取り囲むように半導体基板の主表面に環状に形成され、第1抵抗と電気的にそれぞれ接続された電界効果トランジスタおよび第2抵抗を含んでいる。分離領域は、第1ロジック回路領域と環状領域との間に形成され、第1ロジック回路領域と環状領域とを電気的に分離する。第2ロジック回路領域は、環状領域の外側に位置する半導体基板の主表面に形成され、電界効果トランジスタと第2抵抗にそれぞれ電気的に接続されて第2駆動電圧で駆動する第2ロジック回路を含み、第1電圧よりも低い第2電圧がバイアスとして印加される。
【0013】
そして、第1ロジック回路は、電界効果トランジスタがオンして第1抵抗をドレイン電流が流れることにより生じる所定の電位差に基づいてスイッチング素子の動作を制御する。第2ロジック回路は、第2抵抗を流れる電流を検知することにより、ドレイン電流として一定の電流を流すために電界効果トランジスタのゲートに印加すべきゲート電圧を求めて、そのゲート電圧をゲートに印加する。環状領域は、第2ロジック回路領域に対し、第1電圧が印加される電界効果トランジスタのドレインを電気的に分離する。分離領域は、第1電圧が印加される電界効果トランジスタのドレインに対し、第1ロジック回路領域を少なくとも第1駆動電圧分電気的に分離する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る半導体装置によれば、所定のスイッチング素子の動作を制御する第1ロジック回路および第1抵抗を含み、第1電圧がバイアスとして印加される第1ロジック回路領域を、周方向から取り囲むように分離領域を介在させて、第1抵抗と電気的にそれぞれ接続された電界効果トランジスタおよび第2抵抗を含む環状領域が形成され、そして、その環状領域の外側に、電界効果トランジスタと第2抵抗にそれぞれ電気的に接続された第2ロジック回路を含み、第1電圧よりも低い第2電圧がバイアスとして印加される第2ロジック回路領域が形成されている。
【0015】
これにより、第1ロジック回路および第1抵抗を含み、第1電圧がバイアスとして印加される第1ロジック回路領域と、第1抵抗と電気的にそれぞれ接続された電界効果トランジスタおよび第2抵抗を含む領域とが、個々に形成されている場合と比べて、第1電圧がバイアスとして印加される第1ロジック回路領域を、第2電圧がバイアスとして印加される第2ロジック回路領域に対して電気的に分離するための領域が不要になる。その結果、半導体装置の占有面積が削減されて、小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1
まず、はじめに、本半導体装置が適用される制御駆動回路の一例について説明する。図1に示すように、スイッチング素子として第1IGBT61と第2IGBT62とが直列に接続され、第1IGBT61と第2IGBT62との接続点Eに、誘導電動機等の負荷57が接続されている。第1IGBT61のコレクタが高電圧に接続され、第2IGBT62のエミッタが接地電圧(電位)に接続されている。第1IGBT61と第2IGBT62とは交互にオン、オフされ、第1IGBT61がオンの状態で負荷57に電流が送り込まれ、第2IGBT62がオンの状態で負荷から電流が引出される。
【0017】
第1IGBT61と第2IGBT62を交互にオンオフさせるために、第1IGBT61のゲートには第1ロジック回路26(高圧側回路52)が接続され、第2IGBT62のゲートには低圧側回路53が接続されている。高圧側回路52では、接続点Eの電位を基準にして第1IGBT61のゲートをオンオフさせるための信号が出力される。低圧側回路53では、接地電位を基準にして第2IGBT62のゲートをオンオフさせるための信号が出力される。
【0018】
接続点Eの電位は、高電位(たとえば600V)と接地電位との間を変動するため、特に、高圧側回路52には、電界効果トランジスタのドレイン電圧とドレイン電流との関係を利用した所定のレベルシフト回路が接続されている。レベルシフト回路では、電界効果トランジスタTのドレインDが、高圧側回路52に繋がるセンス抵抗30に接続されている。また、このドレインDにはポリシリコン抵抗4が接続されている。
【0019】
ポリシリコン抵抗4を流れる電流を検知することによって、ドレイン電圧が検知される。そして、その検知されたドレイン電圧に基づいて、ドレイン電流がほぼ一定の値となるように、電界効果トランジスタTのゲートに所定の電圧が印加されることになる。
【0020】
このことについて、より具体的に説明する。電界効果トランジスタのドレイン電圧とドレイン電流との一般的な関係と、ポリシリコン抵抗を流れる電流とドレイン電圧との関係を図2に示す。図2に示すように、グラフA〜Dは、電界効果トランジスタのドレイン電圧とドレイン電流との関係のゲート電圧依存性を示す。このうち、グラフB〜Dは、それぞれゲート電圧Vgが、たとえば9v、12v、15vの場合の関係を示す。また、グラフEは、ポリシリコン抵抗を流れる電流とドレイン電圧との関係を示す。
【0021】
ここで、所望の動作電流(ドレイン電流)をIとする。そうすると、まず、グラフEから、ポリシリコン抵抗を流れる電流を検知することによってドレイン電圧が求められる。次に、そのドレイン電圧に対して、所望のドレイン電流Iを得るためにゲートに印加すべき電圧が求められる。
【0022】
ドレイン電圧が比較的高い範囲(飽和領域)にある場合には、ゲートに印加すべきゲート電圧Vgはほぼ同じ値となる。一方、ドレイン電圧が比較的低い範囲(線形領域)にある場合には、所望のドレイン電流Iを得るにはより高い電圧をゲートに印加する必要がある。こうして、所望のドレイン電流Iを得るためにゲートに印加すべき所定のゲート電圧が求められる。
【0023】
その求められた所定の電圧をゲートに印加して電界効果トランジスタTがオンすると、ドレインDからソースへ一定の電流が流れることで、センス抵抗9にこの電流が流れることになる。こうして、接続点Eの電位が変動しても、ドレインDに接続されたセンス抵抗9の両端には一定の電位差が生じ、この電位差をパルス電位として、第1IGBT61のゲートをオンオフさせることができる。
【0024】
次に、本半導体装置の平面構造について具体的に説明する。図3に示すように、半導体基板には、まず、センス抵抗9と第1ロジック回路26(高圧側回路52)等が形成された高電位ロジック領域25が形成されている。その高電位ロジック領域25の周囲を取り囲むように、分離領域30を介在させて、環状のRESURF領域24が形成されている。高電位ロジック領域25では、この分離領域30によって、RESURF領域24において、内周側(ドレイン)に印加される所定の高電位(たとえば600V)に対して、少なくとも第1ロジック回路26を駆動させるのに必要な駆動電圧(たとえば15V)分が電気的に分離されることになる。
【0025】
また、RESURF領域24の外側には、接地電位に対して第2ロジック回路22を駆動させるのに必要な駆動電圧レベルが印加される第2ロジック回路領域(周辺領域)が形成されている。RESURF領域24によって、RESURF領域24において内周側(ドレイン)に位置する高電位が印加される領域と、RESURF領域24の外側の周辺領域とが電気的に分離されることになる。
【0026】
そのRESURF領域24では、内周側に位置する部分に、電界効果トランジスタTのドレイン電極12が内周に沿って形成され、外周側に位置する部分には、ソース電極10が外周に沿って形成されている。また、RESURF領域24には、センス抵抗9に接続されたポリシリコン抵抗4が、内周側から外周側に向かってスパイラル状に形成されている。
【0027】
第2ロジック回路22には、スパイラル状に形成されたポリシリコン抵抗4の外周端(低圧側)に接続されて、ポリシリコン抵抗4を流れる電流を検知する抵抗電流検知回路54が形成されている。また、電界効果トランジスタTのソースに接続されて、ソース電流を検知するソース電流検知回路56が形成されている。さらに、抵抗電流検知回路54によって検知された電流に基づいて求められるドレイン電圧が所定のドレイン電圧よりも高い場合、あるいは、ソース電流検知回路によって検知されたソース電流が所定のソース電流よりも高い場合に、ゲートをオフするゲート駆動回路55が形成されている。
【0028】
次に、半導体装置の断面構造について説明する。図4に示すように、P型半導体基板1におけるRESUF領域24には、表面から所定の深さにわたり、N型拡散領域2が形成されている。高電位ロジック領域25には、表面から所定の深さにわたりN型拡散領域31が形成されている。N型拡散領域2とN型拡散領域31との間には半導体基板1のP型領域の部分が位置し、このP型領域の部分が分離領域30となる。
【0029】
高電位が印加されるN型拡散領域31では、表面から所定の深さにわたりN+拡散領域33と、P+拡散領域32が形成されている。P+拡散領域32は拡散抵抗(センス抵抗9)となる。高電位島電極35の一端がP+拡散領域32に接続され、他端がN+拡散領域33に接続されている。
【0030】
N型拡散領域2におけるN型拡散領域31が位置する側(内周部分)には、P+拡散領域32と電気的に接続されているドレイン電極12が、N+拡散領域7を介してN型拡散領域2に電気的に接続されている。一方、N型拡散領域2におけるN型拡散領域31が位置する側とは反対側(外周部分)には、電界効果トランジスタのゲート電極11とソース電極10が形成されている。
【0031】
ゲート電極11とドレイン電極12との間には、フィールド酸化膜5が形成され、そのフィールド酸化膜5上に、ポリシリコン抵抗4が形成されている。ポリシリコン抵抗4のドレイン電極12側に位置する端部には高電位側電極14が接続され、ゲート電極11側に位置する端部には低電位電極13が形成されている。
【0032】
ソース電極10は、N型拡散領域2の表面からそれぞれ所定の深さに形成されたP型拡散領域8とN+拡散領域7とに電気的に接続されている。ゲート電極11はゲートポリシリコン膜15に電気的に接続され、そのゲートポリシリコン膜15は、P型拡散領域8およびN型拡散領域2の表面上にゲート酸化膜20を介在させて形成されている。また、N型拡散領域2の側方には、P型半導体層3が形成されている。
【0033】
高電位ロジック領域25をなすN型拡散領域31には、拡散抵抗となるP+拡散領域32の他に、相補型の電界効果トランジスタも形成される。図5に示すように、N型拡散領域31の表面には、ソース/ドレインとなる1対のP+型拡散領域40が、互いに間隔を隔てて形成されている。1対のP+型拡散領域40によって挟まれたN型拡散領域31の表面上に、ゲート酸化膜20を介在させてゲートポリシリコン膜45が形成されている。
【0034】
また、N型拡散領域31の表面から所定の深さにわたり、P型拡散領域34が形成されている。P型拡散領域34の表面には、ソース/ドレインとなる1対のN+型拡散領域41が、互いに間隔を隔てて形成されている。1対のN+型拡散領域41によって挟まれたP型拡散領域34の表面上に、ゲート酸化膜20を介在させてゲートポリシリコン膜45が形成されている。
【0035】
1対のP+型拡散領域40のうちの一方には、pチャネルMOSソース電極42が接続されている。1対のP+型拡散領域40のうちの他方と、1対のN+型拡散領域41のうちの一方とに、nチャネル/pチャネルMOSドレイン電極43が接続されている。1対のN+型拡散領域41のうちの他方には、nチャネルMOSソース電極44が接続されている。
【0036】
上述した半導体装置では、高電位島電極35に高電圧が印加されると、RESURF領域24に位置するN型拡散領域2は、P型半導体基板1に対して所定の高電位(たとえば600V)までバイアスされる。そして、高電位ロジック領域25に位置するN型拡散領域31は、P型半導体基板1に対して、その高電位にさらにロジック回路を駆動する駆動電圧(たとえば15V)を加えた電位(たとえば615V)までバイアスされる。
【0037】
このとき、図6に示すように、ピンチオフ効果により分離領域30では、空乏層の形成が促進されて、分離領域30の直下の空乏層端81は比較的滑らかになる。これにより、N型拡散領域2とN型拡散領域31とが対向するコーナー部分では電界集中が発生せず、耐圧が低下することはない。
【0038】
ここで、分離領域30の幅Dは、真空の誘電率をε0、シリコンの比誘電率をεSi、ロジックを駆動するための電圧をVL、電子の電荷量をq、P型半導体基板の不純物濃度をNPとすると、以下の式によって求められる。
【0039】
D=((2・ε0・εSi・VL)/(q・NP))0.5
このように、本半導体装置では、センス抵抗9と第1ロジック回路26(高圧側回路52)等が形成された高電位ロジック領域25の周囲を取り囲むように、分離領域30を介在させて、環状のRESURF領域24が配置され、そのRESURF領域に、スパイラル状のポリシリコン抵抗と電界効果トランジスタが形成されている。
【0040】
これにより、回路領域の占有面積の削減が図られて、半導体装置の小型化を図ることができる。このことについて、比較例を示して説明する。
【0041】
図7および図8に示すように、比較例に係る半導体装置では、センス抵抗と第1ロジック回路126等は、半導体基板101における高耐圧電位島127に形成される。高耐圧電位島127では、高電位が印加される第1ロジック回路126等が形成された高電位ロジック領域125を取り囲むように、第1RESURF分離領域124aが形成されている。周辺領域に対し、第1RESURF分離領域124a内の高電位は、第1RESURF領域124aと、第1RESURF領域124aのフィールド酸化膜105上に形成されたゲートポリシリコンフィールドプレート128とアルミニウムフィールドプレート129によって保持される。
【0042】
また、図7および図9に示すように、電界効果トランジスタTTおよびポリシリコン抵抗104は、高耐圧電位島127と隣接する高耐圧LDMOS領域121に形成される。高耐圧LDMOS領域121では、センス抵抗と接続されて高電位が印加されるドレイン電極112を取り囲むように、N型拡散領域102からなる第2RESURF領域124bが形成されている。
【0043】
N型拡散領域102における内側の部分には、第1ロジック回路126と電気的に接続されているドレイン電極112が、N+拡散領域107を介してN型拡散領域102に電気的に接続されている。一方、N型拡散領域102における外側の部分には、電界効果トランジスタのゲート電極111とソース電極110が形成されている。
【0044】
ゲート電極111とドレイン電極112との間には、フィールド酸化膜105が形成され、そのフィールド酸化膜105上に、ポリシリコン抵抗104が形成されている。ポリシリコン抵抗104のドレイン電極112側に位置する端部には高電位側電極114が接続され、ゲート電極111側に位置する端部には低電位電極113が形成されている。
【0045】
ソース電極110は、N型拡散領域102の表面からそれぞれ所定の深さに形成されたP型拡散領域108とN+拡散領域107とに電気的に接続されている。ゲート電極111はゲートポリシリコン膜115に電気的に接続され、そのゲートポリシリコン膜115は、P型拡散領域108およびN型拡散領域102の表面上にゲート酸化膜120を介在させて形成されている。また、N型拡散領域102の側方には、P型半導体層103が形成されている。周辺領域に対し、高電位が印加されるドレイン電極112の電位は、第2RESURF領域124bによって保持される。
【0046】
そして、ポリシリコン抵抗104を流れる電流を検知する回路や、ゲートに所定の電圧を印加するゲート駆動回路等は、高耐圧電位島127および高耐圧LDMOS領域121の周辺に配置された第2ロジック回路122に形成される。ポリシリコン抵抗104を流れる電流を検知する回路は、ポリシリコン抵抗104の低電位側に接続されている。ゲート駆動回路は、電界効果トランジスタのゲートに接続されている。
【0047】
このように、比較例に係る半導体装置では、高耐圧電位島127と高耐圧LDMOS領域121とは、半導体基板において個別に形成されている。これは、次の理由による。
【0048】
高耐圧電位島127と高耐圧LDMOS領域121とが別個に形成されておらず、高耐圧電位島127のN型拡散領域102と高耐圧LDMOS領域121のN型拡散領域102とが繋がっているとすると、高耐圧電位島127に形成される相補型電界効果トランジスタのうち、pチャネル電界効果トランジスタのソースを介してN型拡散領域102に駆動電圧が印加されてしまう。
【0049】
そうすると、高耐圧LDMOS領域121の電界効果トランジスタがオンしても、ドレイン電流はセンス抵抗を流れずに、N型拡散領域102を経て高電位島電極105に直接流れることになる。そのため、センス抵抗の両端には電位差が発生せず、IGBTのゲートをオンオフさせるための所定のパルス電位を発生させることができなくなる。このため、高耐圧電位島127と高耐圧LDMOS領域121とは、互いに別個に形成されている。
【0050】
高耐圧電位島127と高耐圧LDMOS領域121とを互いに別個に形成するために、
高耐圧電位島127には第1RESURF領域124aが必要とされ、高耐圧LDMOS領域121には第2RESURF領域124bが必要とされる。
【0051】
これに対して、本半導体装置では、センス抵抗9と第1ロジック回路26(高圧側回路52)等が形成された高電位ロジック領域25の周囲を取り囲むように、分離領域30を介在させて、環状のRESURF領域24が配置され、そのRESURF領域24に、スパイラル状のポリシリコン抵抗と電界効果トランジスタが形成される。
【0052】
言い換えると、本半導体装置では、接地電位レベルの低電位(たとえば0〜15V)が印加される半導体基板1の領域に対して、高電位(たとえば600V)が印加されるドレイン電極12が位置する領域がRESURF領域24によって電気的に分離され、さらに、その高電位が印加されるドレイン電極12が位置する領域に対して、ロジックを駆動させる駆動電圧分だけ分離領域30によって電気的に分離された、より電位(たとえば615V)の高い高電位ロジック領域25が形成されている。
【0053】
これにより、比較例における高耐圧電位島127に必要とされた第1RESURF領域124aが不要となって、半導体基板において、回路が形成される領域の占有面積を削減することができる。その結果、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0054】
また、上述した半導体装置では、比較例に係る半導体装置の第2RESURF領域124bと比べて、ポリシリコン抵抗とゲート電極が形成されるRESURF領域24の周長がより長くなる。これにより、電界効果トランジスタTのゲートの長さ(周辺長)が長くなって、電界効果トランジスタTの駆動能力を向上させることができる。
【0055】
さらに、スパイラル状に形成されるポリシリコン抵抗の引き回しの長さがより長くなることで、抵抗値がメガオーダとなってリーク電流を抑えることができる。また、ポリシリコン抵抗を引き回せる距離の範囲が広がって、設計の自由度も上げることができる。
【0056】
実施の形態2
ここでは、埋め込み拡散領域を備えた半導体装置について説明する。図10に示すように、P型半導体基板1の表面上にはP型エピタキシャル成長層39が形成されている。高電位ロジック領域25では、P型半導体基板1のP型領域の部分とN型拡散領域31との間にN+埋め込み拡散領域37が形成されている。また、RESURF分離領域24では、P型半導体基板1のP型領域の部分とN型拡散領域2との間のうち、ドレイン電極12直下に位置する部分にN+埋め込み拡散領域37が形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
この半導体装置では、前述した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。すなわち、P型半導体基板1と、N型拡散領域31と、そのN型拡散領域31の表面から所定の深さにわたり形成されるP+拡散領域32とにより形成される寄生PNPトランジスタの動作を抑制することができる。
【0058】
バイポーラトランジスタの動作の指標として、一般に電流増幅率hFEが用いられる。ここで、ベース層の不純物濃度をNB、ベース層の幅をWB、エミッタ層の不純物濃度をNEとすると、その電流増幅率は以下のような比例関係がある。
【0059】
hFE∝NE/(NB・WB
上述した半導体装置では、P型半導体基板1のP型の領域の部分とN型拡散領域31との間にN+埋め込み拡散領域37が形成されている。そのN+埋め込み拡散領域37の不純物濃度は1019cm-3程度とされる。これにより、ベース層の不純物濃度NBの値とベース層の幅WBの値が、N+埋め込み拡散領域37が形成されていない場合の値よりも大きくなる。その結果、寄生PNPトランジスタの動作が抑制されて、回路の誤動作やラッチアップによって半導体装置が破壊されるのを防止することができる。
【0060】
なお、N+埋め込み拡散領域37は、たとえば、P型半導体基板1の表面にN+埋め込み拡散領域となるn型の不純物を導入し、その表面上にP型エピタキシャル成長層を形成し、その後、導入されたn型の不純物を熱拡散させることによって形成される。
【0061】
実施の形態3
ここでは、分離領域として、P型拡散領域を適用した半導体装置について説明する。図11に示すように、P型半導体基板1の表面上にP型エピタキシャル成長層39が形成されている。RESURF分離領域24と高電位ロジック領域25との間に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分の表面から所定の深さにわたり、電気的に浮遊のP拡散領域36が形成されている。なお、これ以外の構成については、図10に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
この半導体装置では、すでに説明した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。まず、RESURF分離領域24と高電位ロジック領域25との間に浮遊電位のP拡散領域36が形成されていることで、この領域には寄生の高抵抗J−FET(Junction-Field Effect Transistor)領域が形成されることになる。これにより、RESURF分離領域24に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分と、高電位ロジック領域25に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分との間で電流が流れるのを阻止することできる。
【0063】
このことについて説明する。図12に示すように、高電位島電極35に高電圧が印加されると、P型半導体基板1とN型半導体層39との界面と、P型半導体基板1とN+埋め込み拡散領域37との界面とから空乏層が拡がる。P拡散領域36は浮遊電位ではあるが、上記界面から延びる空乏層が到達すると、P拡散領域36はパンチスルー効果によって空乏層が到達した時の電位にバイアスされる。
【0064】
このため、P拡散領域36の直下に位置するN型エピタキシャル成長層39の部分(領域A)には、寄生のJ−FET構造が形成されて、この領域Aの抵抗71が非常に高抵抗になる。図13に示すように、この抵抗71は、センス抵抗9と並列に接続された状態となる。これにより、電界効果トランジスタのドレイン電流の大多数は、領域Aを流れずに、ドレイン電極12からP+拡散領域32を経て高電位島電極35に流れることになる。その結果、センス抵抗としてのP+拡散領域32には一定の電位差が生じ、この電位差をパルス電位として、第1IGBT61(図1参照)のゲートをオンオフさせることができる。
【0065】
実施の形態4
ここでは、分離領域として、トレンチ分離構造を適用した半導体装置の一例について説明する。図14に示すように、P型半導体基板1の表面上にP型エピタキシャル成長層39が形成されている。RESURF分離領域24と高電位ロジック領域25との間に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分には、P型エピタキシャル成長層39の表面からP型半導体基板1の領域にまで達するトレンチ分離部38が形成されている。なお、これ以外の構成については、図11に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
この半導体装置では、すでに説明した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。本半導体装置では、RESURF分離領域24と高電位ロジック領域25との間に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分に、P型エピタキシャル成長層39の表面からP型半導体基板1の領域にまで達するトレンチ分離部38が形成されている。
【0067】
これにより、RESURF分離領域24に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分と、高電位ロジック領域25に位置するP型エピタキシャル成長層39の部分とがほぼ完全に電気的に分離されることになる。その結果、ドレイン電流がドレイン電極12からP+拡散領域32を経て高電位島電極35に流れ、センス抵抗としてのP+拡散領域32にパルス電位として一定の電位差を生じさせることができる。
【0068】
また、トレンチ分離部38とすることで、電気的分離に必要な領域(面積)を必要最小限にすることができ、半導体装置の小型化にさらに寄与することができる。
【0069】
なお、上述した半導体装置では、トレンチ分離部として2つのトレンチ分離部を例に挙げて説明したが、トレンチ分離部の数としては、これに限られない。
【0070】
実施の形態5
ここでは、分離領域として、トレンチ分離構造を適用した半導体装置の他の例について説明する。図15に示すように、RESURF分離領域24に位置するN型拡散領域2における、高電位ロジック領域25側の端部に、トレンチ分離部38が形成され、高電位ロジック領域25に位置するN型拡散領域31における、RESURF分離領域24側の端部に、トレンチ分離部38が形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
この半導体装置では、すでに説明した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。本半導体装置では、トレンチ分離部38は、N型拡散領域2とN型拡散領域31とを形成する前に形成される。これにより、N型拡散領域2とN型拡散領域31とが形成された後に、N型拡散領域2中のn型不純物がN型拡散領域31へ向かって拡散するのをトレンチ分離部38で阻止できるとともに、N型拡散領域31中のn型不純物がN型拡散領域2へ向かって拡散するのをトレンチ分離部38で阻止することができる。その結果、電気的分離に必要な領域(面積)を必要最小限にすることができ、半導体装置の小型化にさらに寄与することができる。
【0072】
実施の形態6
ここでは、RESURF領域に、電気的に浮遊なフィールドプレートを備えた半導体装置の一例について説明する。600V程度の高電位が印加される半導体装置では、RESURF領域の距離(幅)としては、約100μm以上必要とされる。また、半導体装置としては、半導体基板の表面はモールド樹脂によって封止される。そのモールド樹脂からは、荷電イオン(不純物イオン)が遊離することがある。そうすると、RESURF領域が、その荷電イオンの影響を受けて電位的に不安定になり、ポリシリコン抵抗の抵抗値が変化することが想定される。
【0073】
実施の形態1等において説明した半導体装置のポリシリコン抵抗には、消費電力を低減するため、数十MΩの高い抵抗値が要求される。このため、ポリシリコン抵抗は、ポリシリコン中に含まれる不純物の量が必然的に数ppm以下になるように形成される。一方、、遊離した荷電イオンの種類や密度(総電荷量)によっては、半導体のバンド構造特有の現象である反転層または蓄積層が形成されることが考えられる。そうすると、このバンド構造の変化によってポリシリコン抵抗の抵抗値が変わってしまい、誤動作を引き起こしてしまうことが想定される。
【0074】
本半導体装置は、このような想定される不具合を回避するものであり、図16および図17に示すように、RESURF領域24に位置する層間酸化膜6の表面に、電気的に浮遊のフィールドプレート28が形成されている。特に、この半導体装置では、フィールドプレート28として、環状のRESURF領域の径方向に3つのフィールドプレート28が形成され、それぞれのフィールドプレート28は、環状のRESURF領域24の周方向に連続して形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0075】
この半導体装置では、すでに説明した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。本半導体装置では、フィールドプレート28は、接地電位と高電圧電極との間で容量結合するように配置される。これにより、モールド樹脂(図示せず)から遊離した荷電イオンの影響がRESURF領域24へ及ぶのが抑制されて、ポリシリコン抵抗4の抵抗値が安定する。その結果、半導体装置の誤動作を未然に防ぐことができる。
【0076】
なお、上述した半導体装置では、フィールドプレートとして、3つのフィールドプレート28を例に挙げて説明したが、フィールドプレートの数としては、これに限られない。
【0077】
実施の形態7
ここでは、RESURF領域に、電気的に浮遊なフィールドプレートを備えた半導体装置の他の例について説明する。ポリシリコン抵抗4は、ドレイン電極12側の高電位領域からソース電極側の低電位領域まで連続的にスパイラル状に形成されており、ポリシリコン抵抗4における各部の電位はオームの法則により連続的に変化している。
【0078】
このため、フィールドプレート28と平面的に重なっているポリシリコン抵抗4の部分の電位は、その位置によって異なることになり、フィールドプレート28の浮遊電位が不安定になったり、ポリシリコン抵抗4の抵抗値に影響を与えることが想定される。これは、フィールドプレート28の電位は、その直下に位置するポリシリコン抵抗4との容量結合で電位が決まることと、フィールドプレート28は導電体であるため、連続的に形成された環状のフィールドプレート28の電位は一様に同電位になろうとするためである。
【0079】
特に、最外周に位置するフィールドプレート28とそのフィールドプレート28と平面的に重なるポリシリコン抵抗4の部分では、内周に位置する他のフィールドプレート28とポリシリコン抵抗4の部分よりも周長が長くなるため、ポリシリコン抵抗4の電位差もより大きくなる。
【0080】
そのポリシリコン抵抗の電位差ΔVは、1ターンの長さをL、単位長さあたりの抵抗をRL、ポリシリコン抵抗を流れる電流をIrとすると、次の式で求められる。
【0081】
ΔV=L・RL・Ir
本半導体装置では、図18に示すように、環状のRESURF領域24の周方向に断続的にフィールドプレート28が形成され、その周方向に断続的なフィールドプレート28が、環状のRESURF領域24の径方向に3組形成されている。つまり、このフィールドプレート28は、前述した図16に示されるフィールドプレート28において周方向の適当な位置においてスリットが形成された構造とされる。なお、これ以外の構成については、図16に示す構成と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0082】
この半導体装置では、すでに説明した回路の占有面積を削減することができることに加えて、次のような効果が得られる。本半導体装置では、フィールドプレート28が、環状のRESURF領域の周方向に断続的に形成されている。これにより、連続的に電位が変化するポリシリコン抵抗4と確実に容量結合させることができる。その結果、半導体装置の誤動作を未然に防ぐことができる。
【0083】
なお、実施の形態6,7において説明したフィールドプレートについては、これを、実施の形態1において説明した半導体装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、実施の形態2,3,4,5において説明した半導体装置に適用してもよく、これらの場合にも、半導体装置の誤動作を未然に防ぐことができる。
【0084】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の各実施の形態に係る半導体装置の等価回路を示す回路図である。
【図2】各実施の形態において、半導体装置の動作を説明するための、電界効果トランジスタを流れるドレイン電圧とドレイン電流のゲート電圧依存性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【図4】同実施の形態において、図3に示す断面線IV−IVにおける断面図である。
【図5】同実施の形態において、相補型MOSトランジスタが形成された領域の部分断面図である。
【図6】同実施の形態において、空乏層の拡がり方を示す断面図である。
【図7】比較例に係る半導体装置の平面図である。
【図8】図7に示す断面線VIII−VIIIにおける断面図である。
【図9】図7に示す断面線IX−IXにおける断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る半導体装置の断面図である。
【図12】同実施の形態において、半導体装置の動作を説明するための部分断面図である。
【図13】同実施の形態において、半導体装置の動作を説明するための寄生抵抗の位置を示す回路図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る半導体装置の断面図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係る半導体装置の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態6に係る半導体装置の部分平面図である。
【図17】同実施の形態において、図16に示す断面線XVII−XVIIにおける断面図である。
【図18】本発明の実施の形態7に係る半導体装置の部分平面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 P型半導体基板、2 N型半導体層、3 P型半導体層、4 ポリシリコン抵抗、5 フィールド酸化膜、6 層間酸化膜、7 N+拡散領域、8 P型拡散領域、9 センス抵抗、10 ソース電極、11 ゲート電極、12 ドレイン電極、13 低電位側ポリシリコン抵抗電極、14 高電位側ポリシリコン抵抗電極、15 ゲートポリシリコン膜、17 ガラスコート膜、20 ゲート酸化膜、21 高耐圧LDMOS、21a 電界効果トランジスタ、22 ロジック回路、23 ドレイン配線、24 RESURF分離領域、25 高電位側ロジック領域、26 ロジック回路、27 高耐圧電位島、28 アルミニウム浮遊電位電極、30 分離領域、31 N型半導体層、32 P+型拡散領域、33 N+拡散領域、34 P型拡散領域、35 高電位島電極、36 P拡散領域、37 N+埋め込み拡散領域、38 トレンチ、39 エピタキシャル成長層、40 P+型拡散領域(PchMOSソース/ドレイン)、41 N+型拡散領域(NchMOSソース/ドレイン)、42 PchMOSソース電極、43 Nch/PchMOSドレイン電極、44 NchMOSソース電極、45 CMOSゲートポリシリコン膜、51 高耐圧IC、52 高圧側回路、53 低圧側回路、54 抵抗電流検知回路、55 ゲート駆動回路、56 ソース電流検知回路、57 負荷、61 IGBT、62 IGBT、71 寄生抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基板の主表面に形成され、第1駆動電圧で駆動して所定のスイッチング素子の動作を制御する第1ロジック回路および第1抵抗を含み、第1電圧がバイアスとして印加される第1ロジック回路領域と、
前記第1ロジック回路部を周方向から取り囲むように前記半導体基板の主表面に環状に形成され、前記第1抵抗と電気的にそれぞれ接続された電界効果トランジスタおよび第2抵抗を含む環状領域と、
前記第1ロジック回路領域と前記環状領域との間に形成され、前記第1ロジック回路領域と前記環状領域とを電気的に分離する分離領域と、
前記環状領域の外側に位置する前記半導体基板の主表面に形成され、前記電界効果トランジスタと前記第2抵抗にそれぞれ電気的に接続されて第2駆動電圧で駆動する第2ロジック回路を含み、前記第1電圧よりも低い第2電圧がバイアスとして印加される第2ロジック回路領域と
を備え、
前記第1ロジック回路は、前記電界効果トランジスタがオンして前記第1抵抗をドレイン電流が流れることにより生じる所定の電位差に基づいて前記スイッチング素子の動作を制御し、
前記第2ロジック回路は、前記第2抵抗を流れる電流を検知することにより、前記ドレイン電流として一定の電流を流すために前記電界効果トランジスタのゲートに印加すべきゲート電圧を求めて、前記ゲート電圧を前記ゲートに印加し、
前記環状領域は、前記第2ロジック回路領域に対し、前記第1電圧が印加される前記電界効果トランジスタのドレインを電気的に分離し、
前記分離領域は、前記第1電圧が印加される前記電界効果トランジスタのドレインに対し、前記第1ロジック回路領域を少なくとも前記第1駆動電圧分電気的に分離する、半導体装置。
【請求項2】
前記第1ロジック回路領域は、前記半導体基板の主表面から所定の深さにわたり形成された第2導電型の第1不純物領域を含み、
前記環状領域は、前記半導体基板の主表面から所定の深さにわたり形成された第2導電型の第2不純物領域を含み、
前記分離領域は、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とによって挟まれた前記半導体基板の第1導電型の領域の部分から形成された、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ロジック回路領域は、
前記第1不純物領域の表面から所定の深さにわたり形成された、前記第1抵抗としての第1導電型の第3不純物領域と、
前記第3不純物領域の直下に間隔を隔てて形成され、前記第1不純物領域の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第2導電型の第4不純物領域と
を含む、請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記分離領域は、
前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とによって挟まれた前記半導体基板の第1導電型の領域の部分と前記第1不純物領域とを隔てるように形成された第1トレンチ分離部と、
前記第1導電型の領域の部分と前記第2不純物領域とを隔てるように形成された第2トレンチ分離部と
を含む、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基板の主表面上に形成された、所定の厚さの第2導電型の第1半導体層を含み、
前記第1ロジック回路領域および前記環状領域は、前記第1半導体層に形成され、
前記分離領域は、前記第1ロジック回路領域に位置する前記第1半導体層の部分と、前記環状領域に位置する前記第1半導体層の部分との間に位置する前記第1半導体層の部分の表面から所定の深さにわたり形成された第1導電型の第1不純物領域を含む、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板の主表面上に形成された、所定の厚さの第2導電型の第1半導体層を含み、
前記第1ロジック回路領域および前記環状領域は、前記第1半導体層に形成され、
前記分離領域は、前記第1ロジック回路領域に位置する前記第1半導体層の部分と前記環状領域に位置する前記第1半導体層の部分との間に位置する前記第1半導体層の部分の表面から、前記半導体基板の前記第1導電型の領域にわたり形成されたトレンチ分離部を含む、請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記環状領域は、
前記第2抵抗として、前記環状領域の内側から外側へ向かってスパイラル状に形成されたポリシリコン抵抗と、
前記ポリシリコン抵抗を覆うように、それぞれ周方向に沿って形成された複数の環状のフィールドプレートと
を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
環状の前記フィールドプレートは、周方向に断続的に形成された、請求項7記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−147181(P2010−147181A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321391(P2008−321391)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】