説明

基板搬送装置、及び磁気記録媒体の製造方法

【課題】磁気ディスク等の基板を搬送し、基板処理を施して大量に生産する基板処理システムのスループット及び生産性の向上のため、各処理チャンバにおける処理時間(タクトタイム)を短縮する。
【解決手段】基板搬送装置は、ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記キャリアを検知するセンサと、前記センサからの検知信号に基づき前記ゲートバルブの閉動作を開始するよう制御する制御器とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバに設けられた搬送路に沿って基板を搬送する基板搬送装置、及び磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスク処理システムが開示されている。磁気ディスク等の基板はロードゾーンを通じてシステムに進入し、その後、キャリア内に装着される。キャリア内の基板は、ひとつのレベルにおいて処理チャンバを通じて連続的に移動し、その後、リフトまたはエレベータにより他のレベルへ移動する。その後、基板は、他のレベルにおいてシステムを通じて連続的に移動し、その後、アンロードゾーンで出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−027572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような磁気ディスク等の基板を搬送し、基板処理を施して大量に生産する基板処理システムにおいては、更なるスループット及び生産性の向上が求められている。そのため、各処理チャンバにおける処理時間(タクトタイム)を短縮することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、処理チャンバの処理時間を短縮し、スループット及び生産性を向上させることが可能な基板搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面に係る基板搬送装置は、ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記キャリアを検知するセンサと、前記センサからの検知信号に基づき前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器とを有する。
【0007】
本発明の第2の側面に係る基板搬送装置は、ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送機構の作動時間に基づき前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器と有する。
【0008】
本発明の第3の側面に係る基板搬送装置は、ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キャリアが停止位置に到達する前にゲートバルブの閉動作を開始することにより、処理チャンバでの処理時間を短縮でき、スループット及び生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の好適な実施形態の複数の処理チャンバを直列に接続したインライン式真空処理装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の基板搬送装置の主要部分の構成を模式的に示す構成図である。
【図3】ゲートバルブ4bを介して真空連結された処理チャンバ2a、2bを水平方向から見た断面概略図である。
【図4】処理チャンバ2aを上方から見た断面概略図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の制御回路の一例を示すブロック図である。
【図6】従来のキャリア搬送動作を説明する説明図である。
【図7】本発明の好適な実施形態のキャリア搬送動作を説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法によって製造される磁気記録媒体の一例を示す模式的な縦断面図である。
【図9】本発明の実施形態にかかる薄膜形成装置(磁気記録媒体製造装置)の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の流れを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る基板搬送装置は、例えば、磁気ディスク等の基板に対して成膜等の処理を行う真空処理装置に好適に適用することができる。本発明に係る基板搬送装置を適用する真空処理装置として、複数の処理チャンバを直列に接続してなるインライン式真空処理装置の構成を図1に模式的に示す。
【0012】
インライン式真空処理装置は、ロードロックチャンバ1、処理チャンバ2a〜2c、ロードロックチャンバ3がゲートバルブ4a〜4dを介して連結されている。例えば、磁気ディスク等の基板5を支持するキャリア6は各チャンバに設けられたキャリア搬送機構(不図示)によって水平方向に搬送される。キャリアを搬送する際には、ゲートバルブを開状態とし、ゲートバルブを介して連結されたチャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する。図1では処理チャンバの数を3としているが、本発明はこれに限るものではない。
【0013】
外部から搬送されてきた基板5は、基板搬入機構(不図示)によってロードロックチャンバ3内で待機中のキャリア6に渡され、キャリア6によって支持される。基板5を支持したキャリア6は、処理チャンバ2c、2b、2aと順に搬送され、各処理チャンバで処理された後に、ロードロックチャンバ1へ搬送される。その後、基板搬出機構(不図示)によって基板5はキャリア6から外され、インライン式真空処理装置外へ搬出されて次の工程へ送り出される。基板5が外されたキャリア6はリターン経路(不図示)によってロードロックチャンバ3内へ戻され、次の基板の搬入を待つ状態となる。
【0014】
以下の実施形態では、処理チャンバ2bから2aにキャリアを搬送する例を説明する。
【0015】
図2は本発明の実施形態の基板搬送装置の主要部分の構成を模式的に示す図である。図2(a)は基板5をキャリア6に保持した状態を示す側面図、図2(b)はその正面図である。処理チャンバ等の部材は省略している。
【0016】
キャリア6は、図2に示すように、ホルダ部12と、角状または曲面状の溝13aが設けられた係合部13と、磁気ヨーク16と、係合部13と磁気ヨーク16とを連結する連結部14とを具備している。キャリア6は、更に、第1の磁石15と、磁石群17と、を有している。
【0017】
ホルダ部12には、中央に基板5よりも内周の大きな開口部201が設けられている。クランプ12a、12b、12cは基板5の主面(表面)が鉛直方向に対して平行になるように立てられた状態で基板5を保持する。クランプ12aは、矢印202の方向(上下方向)に移動可能にホルダ部12によって支持されていて、バネによって基板5の外周部に押し付けられる。基板5をホルダ部12に保持する際には、クランプ12aを下方に押し下げておき、図示しないロボットアームによって運ばれた基板5の外周部がクランプ12b、12cの溝部に押し付けられる。
【0018】
次いで、クランプ12aをリリースすると、下方から前記バネの力によってクランプ12aの溝部が基板5の外周部を下方から上方に向けて押し付ける。このようにしてクランプ12a、クランプ12b、クランプ12cにより挟み込むようにして基板5をホルダ部12に固定する。
【0019】
キャリア支持機構21は、搬送路を構成する複数のガイドローラ22と、複数のガイドローラ22を支持するベース部23と、ベース部23の下端に接合された磁気ヨーク24とを有している。磁気ヨーク24はキャリア6に取り付けられた磁気ヨーク16と鉛直方向において対向している。その対向部位において、磁気ヨーク16には、極が鉛直上方を向くように第1の磁石15が配置されている。磁気ヨーク16と対向する磁気ヨーク24には、第1の磁石15を磁気的に吸引するように、第2の磁石25が、第1の磁石15に対して所望の間隔をもって、配置されている。
【0020】
複数のガイドローラ22は、キャリア6の搬送方向(矢印C方向)に沿ってベース部23に一定間隔で直線状に配置されている。複数のガイドローラ22は、係合部13の溝13aに係合してキャリア6の重量を支持するように配置されている。係合部13とガイドローラ22とは相互に固定されておらず、ガイドローラ22が回転することによりキャリア6が基板5の主面に平行な方向で、且つ、水平方向にスムーズにスライド可能である。
【0021】
ベース部23は、ステー部材(不図示)等を介して真空チャンバ(図1のチャンバ)の内壁に固定されている。
【0022】
本実施形態では、図2(a)に示すように第1の磁石15と第2の磁石25のうち基板5に近い側の磁石である第2の磁石25の基板側に磁性材料からなる磁気ヨーク24が配置されている。磁気ヨーク24は第2の磁石25を支持すると共に、第2の磁石25の上方への第2の磁石25からの磁場の漏れを抑制し、第2の磁石25の下方に安定した磁場を形成する。更に、磁気ヨーク24によって第1の磁石15及び第2の磁石25の磁場が基板5が配置されうるプラズマ空間へ影響するのを抑制すると共に、プラズマ空間からの熱輻射の影響を抑制することができる。
【0023】
また、磁気ヨーク16は、第1の磁石15を支持すると共に、下方への第1の磁石15からの磁場の漏れを抑制し、第1の磁石15から鉛直上向きに安定した磁場を形成する。更に、磁気ヨーク16は、第1の磁石15と反対側に磁石群17を支持すると共に、上方への磁石群17からの磁場の漏れを抑制し、磁石群17の下方に安定した磁場を形成する。
【0024】
本実施形態では、キャリア6を直立させた状態で安定した搬送を行うため、キャリア6の下方の磁気ヨーク16を挟み込むように水平方向のサイドローラ28が設置されている。サイドローラ28はステー部材(不図示)等を介して真空チャンバ(図1のチャンバ)の内壁に固定されている。
【0025】
本実施形態では、キャリア搬送機構として、キャリア6側に取り付けたキャリア側の磁石群17と、磁気ネジ27とが用いられる。磁石群17はキャリア6の搬送方向にN極の磁石とS極の磁石とが所定の間隔を置いて交互に配置されている。一方、磁気ネジ27はキャリア6の搬送方向に中心軸を平行に配置した円筒状の部材であり、その表面にN極螺旋部とS極螺旋部とが交互に螺旋状に配置して構成されている。磁気ネジ27の中心軸に平行な方向において、N極螺旋部とS極螺旋部のピッチは磁石群17のピッチに一致し、磁気ネジ27は磁石群17から所望の間隔をおいて配置されている。
【0026】
上記構成において、磁気ネジ27を所定の方向に回転させると、磁石群17に対向するN極螺旋部、S極螺旋部は磁石群17に対して相対的にキャリア6の搬送方向(矢印C方向)に移動することになる。これにより、磁石群17のS極の磁石、N極の磁石と磁気ネジ27のN極螺旋部、S極螺旋部との吸引力・反発力によってキャリア6には矢印C方向に移動する推進力が働き、キャリア6が矢印C方向に搬送される。
【0027】
本実施形態においては、キャリア6に配置された第1の磁石15と、キャリア支持機構21に配置された第2の磁石25とが鉛直方向に沿った吸引力を発生する。そのため、第1の磁石15と第2の磁石25との間に作用する吸引力が、キャリア6を上方に引き上げる方向に作用し、ガイドローラ22にかかるキャリア6の重量が軽減される。この時、第1の磁石15と第2の磁石25との吸引力が強すぎると、キャリア6が浮き上がってしまうため、第1の磁石15と第2の磁石25との磁力及び間隔を調整して吸引力を適宜制御する。
【0028】
また、本実施形態に係る基板搬送装置は、第1の磁石15と第2の磁石25との磁力(または、両者の間隔)を検出する検出器(不図示)と、第1の磁石15と第2の磁石25との間に作用する磁力(または、両者の間隔)を制御する制御器(不図示)を備えうる。この制御器は、検出器による検出結果に基づき第1の磁石15と第2の磁石25との間の間隔を調整して吸引力を制御することが可能である。
【0029】
このようにしてガイドローラ22にかかるキャリア6の重量が軽減されると、ガイドローラ22と係合部13の溝13aの表面との摩擦が低減される。そのため、パーティクルの発生を低減することが可能となる。
【0030】
第1の磁石15および第2の磁石25として、搬送方向において連続した磁石を配置してもよいし、それぞれキャリア6の搬送方向に複数個の磁石を所定の間隔で配置してもよい。
【0031】
また、本実施形態では、キャリア搬送機構として、磁気ネジ27と磁石群17との磁気作用による方法を挙げたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、モータ等の回転駆動源による回転運動をラック及びピニオン等の機構を用いて直線運動に変換する方法やリニアモータを用いる方法でも構わない。
【0032】
尚、キャリア搬送機構として磁気ネジ方式を採用した場合、磁気ネジ27と磁石群17の吸着力が作用するため、キャリア6の重量のほかに磁気ネジ27と磁石群17の吸着力がガイドローラ22に加わる。
【0033】
次に、図3、図4及び図5を参照して本発明に係る基板搬送装置の構成と制御方法を詳細に説明する。図3はゲートバルブ4bを介して連結された処理チャンバ2a、2bを水平方向から見た断面概略図、図4は処理チャンバ2aを上方から見た断面概略図、図5は制御回路の構成を示すブロック図である。図3〜図5では図1、図2と同一部分には同一符号を付している。
【0034】
本実施形態では、一例として、連結された処理チャンバ2bと処理チャンバ2aとの間でキャリア6を搬送する例について説明する。図3に示すように、処理チャンバ2aには停止位置にあるキャリア6の先端を検知するための第1停止位置センサ301、停止位置にあるキャリア6の後端を検知するための第2停止位置センサ305が設けられている。
【0035】
第1停止位置センサ301と第2停止位置センサ305との間には、搬送中のキャリア6の先端を検知するためのセンサ303が設けられている。センサ303がキャリア6を検知すると、制御器であるプロセッサ501はゲートバルブ駆動部505にゲートバルブ4bの閉動作を指示する。なお、図3において一点鎖線で示すのは、キャリア6の先端がセンサ303で検知された時のキャリア6の位置を示すものである。
【0036】
本実施形態では、センサ303がキャリア6を検知した時にゲートバルブ4bの閉動作を指示し、キャリア6が停止位置に到達する前にゲートバルブ4bの閉動作を開始する。センサ303の位置はセンサ303からの検知信号に応答してゲートバルブ4bが閉動作を開始した際にキャリア6の後端がゲートバルブ4bに衝突しないように位置が決められている。
【0037】
図5に示すように、プロセッサ501には第1停止位置センサ301、第2停止位置センサ305、センサ303からの検知信号が提供される。プロセッサ501は上述のようにセンサ303からのキャリア6の検知信号に応じてゲートバルブ駆動部505にゲートバルブ4bの閉動作を指示する制御信号を出力する。
【0038】
第1停止位置センサ301からのキャリアの先端の検知信号と、第2停止位置センサ305からのキャリアの後端の検知信号は、上述のようにプロセッサ501に提供される。これの2つの停止位置センサは、キャリア6が処理チャンバ内の停止位置に到達したことを確認するためのものである。キャリア6が停止位置に到達したことが検知されると、処理チャンバ2aでは排気やガス導入等を行い、所定の処理を行う。この段階ではゲートバルブ4bは閉じている。
【0039】
また、図5に示すようにプロセッサ501にモータ駆動部503が接続されている。モータ駆動部503は、キャリア6の搬送機構としての磁気ネジ27を回転させるモータ(図示せず)を電気的に駆動する。モータ駆動部503はキャリア6を搬送した際に駆動完了信号をプロセッサ501に通知する。このモータとしては、例えば、サーボモータやステッピングモータ等が用いられる。
【0040】
駆動完了信号は、処理チャンバ2bからキャリア6の搬送を開始してから処理チャンバ2aの停止位置までキャリア6を搬送するまでの予め決められた作動時間、あるいはモータを駆動する予め決められたパルス数が経過した時にプロセッサ501に通知される。もちろん、プロセッサ501が作動時間、あるいはモータを駆動するパルス数を検知してもよい。プロセッサ501はこの駆動完了によりキャリアの停止位置までの搬送完了を認識する。上述のように第1、第2停止位置センサからの検知信号に基づいてキャリアが停止位置まで搬送されたことを検知するが、駆動完了と併せて、二重にキャリアの停止位置までの搬送を確認している。
【0041】
処理チャンバ2aは、図4に示すように、中央に一列に設けられた複数のガイドローラ22と、ガイドローラ22の両側に設けられたサイドローラ28と、磁気ネジ27に対してギアボックス409を介して接続されたシャフト405とを備えている。また、処理チャンバ2aは、シャフト405の処理チャンバ2a側に設けられたベローズ407と、ガイドローラ22に沿って搬送されるキャリア6を検知する第1停止位置センサ301、センサ303及び第2停止位置センサ305を備えている。
【0042】
第1停止位置センサ301、センサ303及び第2停止位置センサ305は、それぞれ投光部と受光部とを含む光学式センサ(フォトインタラプタ)でありうる。投光部から受光部に向けて常時照射される光がキャリア6により遮断されることにより、キャリア6の位置を検知することができる。第1停止位置センサ301、センサ303、第2停止位置センサ305の投光部を、それぞれ301a、303a、305aで示す。また、第1停止位置センサ301、センサ303、第2停止位置センサ305の受光部を、それぞれ301b、303b、305bで示す。
【0043】
シャフト405は、処理チャンバ2aの外で、回転力を発生する図示しないモータの回転軸に接続されている。このモータは、上述のようにモータ駆動部503によって駆動されることによりその回転軸を回転させる。ギアボックス409は、シャフト405の動力を磁気ネジ27に伝達する。
【0044】
処理チャンバは、例えば、スパッタ装置、反応性スパッタ装置、CVD装置等のいずれかであって、図示していないが、排気ユニットと、アルゴンガスや反応性ガス(酸素、窒素等)を導入するガス導入ユニットを備えうる。
【0045】
第1停止位置センサ301の投光部301aと受光部301bは、第1ポート部401を介して図5のプロセッサ501と電気的に接続されている。同様に、センサ303の投光部303aと受光部303bは、第1ポート部401を介して図5のプロセッサ501と電気的に接続されている。第2停止位置センサ305の投光部305aと受光部305bは、第2ポート部402を介して図5のプロセッサ501と電気的に接続されている。プロセッサ501は、上述のようにセンサ303からの検知信号を確認すると、ゲートバルブ4bが閉動作をするようにゲートバルブ駆動部505に制御信号を出力する。
【0046】
プロセッサ501は、モータ駆動部503からの駆動完了信号を受け取り、第1停止位置センサ301及び第2停止位置センサ305からの検知信号に基づいてキャリア6が停止位置にあることを確認する。このようにプロセッサ501が、駆動完了信号だけでなく、停止位置センサからの停止信号をも確認することは、マグネット搬送による脱調を検出するため有効である。
【0047】
図6は従来のキャリア搬送を説明する図である。本発明と比較するため図6を比較例として説明する。比較例では図6(a)に示すように、処理チャンバ2bでの基板処理が終了すると、ゲートバルブ4bが開状態とされ、搬送機構によりキャリア6は処理チャンバ2aに搬送される。これにより、図6(b)に示すように、キャリア6は処理チャンバ2aの停止位置に到達する。
【0048】
次いで、図6(c)に示すように、第1停止位置センサ301及び第2停止位置センサ305の検知信号に基づいてキャリア6が停止位置に到達したことが確認された後、ゲートバルブ4bが閉じられる。その後、処理チャンバ2aにおいて真空排気処理、アルゴンガスや反応性ガスの導入処理が開始される。
【0049】
図7は本発明に従ってセンサを用いてゲートバルブを制御する場合のキャリア搬送動作を説明する図である。図7(a)に示すように処理チャンバ2bでの基板処理が終了すると、ゲートバルブ4bが開状態とされ、図7(b)に示すようにキャリア6は処理チャンバ2aに搬送される。その際、センサ303によりキャリア6の先端が検知されると、図7(c)に示すようにキャリア6が停止位置に到達する前にゲートバルブ4bは閉動作を開始する。
【0050】
このように本実施形態では、センサからの検知信号に応答してキャリアが停止位置に到達する前にゲートバルブの閉動作を開始するため、ゲートバルブが閉じるまでの時間が早くなる。そのため、処理チャンバでの処理時間を短縮でき、スループット及び生産性を向上させることが可能となる。
【0051】
センサ303の投光部303aと受光部303bの間を遮断するキャリア6の部分であるセンサ遮光部6aの配置位置は、キャリア6の先端部に限られるものではない。この遮光部6aは、センサ303の投光部303aと受光部303bの間を遮断した際に閉動作するゲートバルブ4bとキャリア6とが衝突しないように決定されたキャリア6の適所に配置されうる。センサ遮光部6aがキャリア6の先端部に配置されない場合には、当該先端部からセンサ遮光部6aに至るようにスリットが設けられうる。
【0052】
また、キャリア6を処理チャンバ2bから処理チャンバ2aへ搬送する場合の例を説明したが、その他の連結されたチャンバ間でキャリアを搬送する場合も全く同様の方法でゲートバルブの制御を行うことができる。
【0053】
また、以上の実施形態においては、キャリアを検知するセンサとしてフォトインタラプタを用いてゲートバルブの閉動作の開始を制御することでスループットの向上を達成したが、本発明はこれに限定されるものではない。該センサは、例えば、近接センサや、物理的なスイッチによって構成されてもよい。或いは、該センサは、プロセッサ501によって実現されてもよい。具体的には、プロセッサ501は、モータ駆動部503の作動時間、即ち、モータ駆動部503の駆動により回転する磁気ネジ27の作動時間(キャリア搬送開始からの作動時間)を測定し、その作動時間が予め設定した作動時間になった時にゲートバルブ4bの閉動作を指示することができる。プロセッサ501がセンサの機能を提供する場合、プロセッサ501は、本発明におけるセンサおよび制御器の双方を構成しうる。
【0054】
その際、キャリア6の先端と後端が第1、第2停止位置センサ301、305で検知される前であって、キャリア6がゲートバルブ4bに衝突しない程度の予め設定した作動時間になったタイミングでゲートバルブ4bの閉動作を開始することができる。このようにキャリア搬送機構の作動時間に基づいてゲートバルブの閉動作を開始することにより、同様に処理チャンバでの処理時間を短縮することが可能となる。
【0055】
更に、本発明は、センサ303から検知信号が出力され、且つ、キャリア搬送機構の作動時間が予め設定した作動時間になった時にゲートバルブの閉動作を開始してもよい。このように二重にキャリアが所定位置に到達したことを確認することで、装置の信頼性を更に向上させることができる。
【0056】
また、キャリア搬送機構の作動時間としては、上述のようなサーボモータやステッピングモータ等のキャリア6の搬送機構としての磁気ネジ27を回転させるモータを駆動するパルス数をカウントすることで計測しても良い。
【0057】
次に、本発明の基板搬送装置を磁気記録媒体の製造装置及び磁気記録媒体の製造方法に適用した場合について説明する。薄膜積層体の一例である磁気記録媒体について説明する。なお、本明細書において、「磁気記録媒体」という用語は、情報の記録、読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の光ディスク等に限定されない。例えば、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含むものとする。
【0058】
図8は、本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造装置及び磁気記録媒体の製造方法によって製造される磁気記録媒体(薄膜積層体)の一例を示す模式的な縦断面図である。本実施形態においては、垂直記録媒体に改良を加えたECC(Exchange−coupled composite)媒体を例示的に説明するが、本発明の趣旨はこの例に限定されない。例えば、一般的な垂直記録媒体、長手記録媒体、ビットパターンドメディア、熱アシスト型の記録媒体であってもよい。なお、本発明における電子デバイスとしては、この磁気記録媒体の他、MRAM、HDDなどが挙げられる。
【0059】
図8に示すように、磁気記録媒体は、例えば、基板100と、基板100の両面あるいは片面上に順次積層された第1軟磁性層101a、スペーサー層102、第2軟磁性層101b、シード層103、磁性層104、交換結合制御層105、第3軟磁性層106及び保護層107とから構成されている。
【0060】
基板100の材料としては、磁気記録媒体用基板として一般的に用いられているガラス、NiPメッキ膜が形成されたAl合金、セラミックス、可曉性樹脂、Si等の非磁性材料を用いることができる。本実施形態における基板100は、中心に孔を有する円板状部材であるが、これに限定されるものではなく、例えば、矩形部材であってもよい。
【0061】
基板100上に形成される第1軟磁性層101aは、磁気記録に用いる磁気ヘッドからの磁束を制御して記録・再生特性を向上するために形成することが好ましい層であるが、省略することもできる。この第1軟磁性層101aの構成材料としては、例えば、CoZrNb、CoZrTa、FeCoBCrを直上の膜に合わせて使用することができる。
【0062】
スペーサー層102の材料としては、例えばRu、及びCrを使用することができる。スペーサー層102上に形成される第2軟磁性層101bは、第1軟磁性層101aと同様である。第1軟磁性層101aと、スペーサー層102と、及び第2軟磁性層101bとにより、軟磁性下地膜(Soft underlayer)が構成される。
【0063】
この軟磁性下地膜の上に形成されているシード層103は、磁性層104の結晶配向性、結晶粒径、粒径分布、粒界偏析を好適に制御するために磁性層104の直下に形成されることが好ましい層である。シード層103の材料としては、例えば、MgO、Cr、Ru、Pt,およびPdを採用することができる。
【0064】
磁気記録層5は、Ku値の大きな磁性層104と、交換結合制御層105と、及びKu値の小さな第3軟磁性層106とを含む。
【0065】
シード層103の上に形成されている、Ku値の大きな磁性層104は、磁気記録層全体のKu値を担う層であり、Ku値ができるだけ大きい材料であることが好ましい。磁化容易軸が基板面に対して垂直な材料で、このような性能を示す材料として、強磁性粒子が酸化物の非磁性粒界成分によって分離された構造であるものを使用することができる。例えば、CoPtCr−SiO、CoPt−SiOなど、少なくともCoPtを含む強磁性材料に、酸化物を添加したものを使用することができる。また、他の材料としては、Co50Pt50、Fe50Pt50、及びCo50−yFePt50を使用してもよい。
【0066】
磁性層104の上に形成されている交換結合制御層105は、結晶質の金属若しくは合金と、酸化物とを含む。そして、結晶質となる金属或いは合金の材料としては、例えば、Pt若しくはPd、或いはそれらの合金を用いることができる。結晶質の合金としては、例えば、Co、Ni、Feから選ばれた元素と非磁性の金属との合金も用いることができる。
【0067】
磁性層104と第3軟磁性層106との交換結合力の強さは、交換結合制御層105の膜厚を変化させることにより、最も簡単に制御することができる。膜厚としては、例えば、0.5〜2.0nmとすることが望ましい。
【0068】
交換結合制御層105の上に形成されている第3軟磁性層106は、磁化反転磁界を低減させる役割を主に担うため、Ku値ができるだけ小さい材料が好ましい。この材料としては、例えば、Co、NiFe、CoNiFe又はCoCrPtBを使用することができる。
【0069】
第3軟磁性層106の上に形成されている保護層107は、ヘッドと媒体表面の接触による損傷を防ぐために形成されるものである。保護層107としては、例えば、C、SiO2、ZrO2等の単一成分またはそれぞれを主成分とし、これに添加元素を含有させた膜を使用することができる。
【0070】
次に、本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法で用いる薄膜形成装置(以下、「磁気記録媒体製造装置」ともいう)について説明する。図9は、本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体製造装置の一例を示す模式図である。図10は磁気記録媒体の製造方法の流れを説明するフロー図である。
【0071】
図9に示すように、磁気記録媒体製造装置には、キャリア2に基板100(図8)の搭載を行うロードロックチャンバ81、キャリア2から基板100の回収を行うアンロードロックチャンバ82、複数のチャンバ201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218が方形の輪郭に沿て配置されている。ロードロックチャンバ81、チャンバ201〜218、アンロードロックチャンバ82に沿って搬送路が形成されている。搬送路には、基板100を搭載可能な、複数のキャリア2が設けられている。各チャンバにおいて処理に要する処理時間(タクトタイム)は、予め決められており、この処理時間(タクトタイム)が経過すると、キャリア2は、順次、次のチャンバに搬送されるように構成されている。 なお、ロードロックチャンバ81、アンロードロックチャンバ82、複数のチャンバ201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218の各チャンバは、本発明における処理チャンバ2aに相当し、キャリアを検知するセンサ303、第1停止位置センサ301、及び第2停止位置センサ305を備えている。
【0072】
磁気記録媒体製造装置が1時間あたり約1000枚の基板を処理するためには、1つのチャンバにおけるタクトタイムは、約5秒以下、望ましくは約3.6秒以下となる。
【0073】
ロードロックチャンバ81、アンロードロックチャンバ82、及びチャンバ201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218の各々は、専用又は兼用の排気系によって排気可能な真空チャンバである。ロードロックチャンバ81、アンロードロックチャンバ82、及びチャンバ201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218の各々の境界部分には、ゲートバルブ(不図示)が設けられている。
【0074】
具体的には、磁気記録媒体製造装置のチャンバ201は、基板100に第1軟磁性層101aを形成する。方向転換チャンバ202は、キャリア2の搬送方向を転換する。チャンバ203は、第1軟磁性層101a上にスペーサー層102を形成する。チャンバ204は、スペーサー層102上に第2軟磁性層101bを形成する。チャンバ205は、第2軟磁性層101b上にシード層103を形成する。方向転換チャンバ206は、キャリア2の搬送方向を転換する。また、磁気記録媒体製造装置は基板100を予め加熱するためのプレヒート用のチャンバ207(第1加熱チャンバ)と、チャンバ208(第2加熱チャンバ)と、を有する。更に、チャンバ209はシード層103を形成することが可能である。
【0075】
チャンバ210は、シード層103上に磁性層104を形成するためのスパッタ装置として機能することが可能である。冷却チャンバ211は、磁性層104が形成された基板100を冷却する。方向転換チャンバ212はキャリア2の方向を転換する。冷却チャンバ213は、基板100を冷却する。チャンバ214は、磁性層104上に交換結合制御層105を形成する。チャンバ215は交換結合制御層105上に第3軟磁性層106を形成する。方向転換チャンバ216は、キャリア2の方向を転換する。チャンバ217、及び218は、保護層107を形成する。
【0076】
シード層103を形成するためのチャンバ209には、2つのターゲットが互いに対向して設けられている。これにより、基板100の両面に対してシード層103を成膜することができる。シード層103を成膜するためのターゲット材料としては、例えば、Cr,MgO,Pt又はPdを使用することができる。なお、チャンバ209、210、及び211には、チャンバ内を真空状態にするためのターボ分子ポンプ(以下、「TMP」と称す)が接続されている。
【0077】
チャンバ210は、スパッタ装置として機能し、チャンバ210内に設けられたターゲット物質のスパッタリングにより、基板に磁性層104を成膜する。
【0078】
第1ターゲット42a、第3ターゲット42b、第2ターゲット43a及び第4ターゲット43bの材料としては、前述した磁性層の材料であればよく、例えば、CoPtCr−SiO、CoPt−SiOなど、少なくともCoPtを含む強磁性材料に、酸化物を添加したものを使用することができる。また、他のターゲット材料としては、Co50Pt50、Fe50Pt50、及びCo50−yFePt50を使用してもよい。
【0079】
磁気記録媒体製造装置が1時間あたり約1000枚の基板を処理するためには、1つのチャンバにおけるタクトタイムは、上述のように約5秒以下、望ましくは約3.6秒以下となる。
【0080】
次に、図8、図10を参照して、本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体製造装置を用いた磁気記録媒体の製造方法について説明する。
【0081】
ステップS501において、ロードロックチャンバ81に基板を搬入し、不図示の基板搬送ロボットにより、基板をキャリア2に搭載する。
【0082】
次にステップS502において、ロードロックチャンバ81内で、基板に付着した汚染物質や水分を取り除くため、基板を所定温度T1(約100度)まで加熱する。
【0083】
ステップS503において、軟磁性下地膜(Soft underlayer)を成膜する。具体的には、チャンバ201で第1軟磁性層101aを成膜し、チャンバ203でスペーサー層102(厚さは0.7〜2nm)を成膜し、チャンバ204で第2軟磁性層101bを成膜する。
【0084】
ステップS504においては、チャンバ207(第1加熱チャンバ)及びチャンバ208(第2加熱チャンバ)に基板を順次搬送して、ステップS503で加熱された温度T1(約100度)より高い温度T2(約400℃〜700℃)まで、基板を加熱する。これは、この後、磁性層104を成膜する際に、磁気記録層の磁気異方性を高めるための準備工程である。磁気記録媒体製造装置において、スループットの向上のため、一つのチャンバ内の処理時間(タクトタイム)は制限されている。この限られた時間内に、磁性層104を成膜するチャンバ210において、磁性層104の磁気異方性を高めるために必要な温度まで、加熱するのは難しい。そのため、磁気記録媒体製造装置は、プレヒート(予備加熱)用として、チャンバ207(第1加熱チャンバ)及びチャンバ208(第2加熱チャンバ)とを備えている。磁気記録媒体製造装置において、チャンバ207(第1加熱チャンバ)及びチャンバ208(第2加熱チャンバ)は、予備加熱手段として機能する。
【0085】
磁性層104を成膜するチャンバ210まで基板を搬送するまでに、基板の温度が低下してしまうことを考慮して、チャンバ207(第1加熱チャンバ)及びチャンバ208(第2加熱チャンバ)では、チャンバ210で磁気異方性を高めるために必要な温度以上に加熱(予備加熱)しておく必要がある。しかし、加熱しすぎると、ガラス製の基板は、塑性変形を起こし、基板がキャリア2から落下するなどの問題を引き起こす危険性がある。そのため、チャンバ207(第1加熱チャンバ)及びチャンバ208(第2加熱チャンバ)では、ガラス製の基板が塑性変形を起こさない程度の温度、例えば600℃、までの加熱が好適である。
【0086】
ステップS505において、磁性層104の結晶特性を好適に制御するため、シード層103を形成する。なお、シード層103の形成は、ステップS504の加熱工程の前に、チャンバ205で行っても良い。
【0087】
ステップS506において、磁性層104を成膜するためのチャンバ210に基板を搬送して、基板を所定の温度T3(約400℃〜600℃)まで加熱しながら磁性層104を成膜する。ここでは、前述したようにチャンバ210により、基板を均一に加熱しながら磁性層104の成膜を行う。
【0088】
ステップS507において、冷却チャンバ211、冷却チャンバ213に基板を順次搬送して、保護層107を成膜するのに最適な温度まで、基板を冷却する。保護層107としてカーボンを成膜する場合、例えば、約200℃以下まで、基板を冷却する必要がある。
【0089】
その後、ステップS508において、CVD用のチャンバ217及びチャンバ218に基板を搬送して、CVD法により、カーボンの保護層107を成膜する。
【0090】
なお、磁性層104と保護層107との間に、チャンバ214で極薄の交換結合制御層105を形成してもよい。基板を冷却後で、かつ保護層107の前に、チャンバ215で第3軟磁性層106を形成してもよい。
【0091】
そして、最後にステップS509において、アンロードロックチャンバ82において、キャリア2から基板を取り外し、基板をアンロードする。
【符号の説明】
【0092】
1 ロードロックチャンバ
2a、2b、2c 処理チャンバ
3 ロードロックチャンバ
4a、4b、4c、4d ゲートバルブ
5 基板
6 キャリア
12 ホルダ部
12a、12b、12c クランプ
13 ガイドレール部
13a 溝
15 第1の磁石
16、24 磁気ヨーク
17 磁石群
21 キャリア支持機構
22 ガイドローラ
28 サイドローラ
25 第2の磁石
27 磁気ネジ
301 第1停止位置センサ
301a、303a、305a 投光部
301b、303b、305b 受光部
303 センサ
305 第2停止位置センサ
405 シャフト
407 ベローズ
409 ギアボックス
501 プロセッサ
503 モータ駆動部
505 ゲートバルブ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、
前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記キャリアを検知するセンサと、
前記センサからの検知信号に基づき前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器と、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
前記チャンバの停止位置における前記キャリアの先端と後端をそれぞれ検知する第1停止位置センサと第2停止位置センサを更に備え、
前記センサは前記第1停止位置センサと前記第2停止位置センサとの間であって、前記ゲートバルブが閉じる際に前記キャリアが前記ゲートバルブに衝突しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、
前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送機構の作動時間に基づき前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器と、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項4】
前記制御器は、前記搬送機構を駆動するためのモータを駆動するパルス数をカウントすることによって前記搬送機構の作動時間を計測することを特徴とする請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
ゲートバルブを介して連結されたチャンバと、
前記ゲートバルブを開状態にして前記チャンバ間でキャリアを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記キャリアが前記チャンバの停止位置に到達する前に前記ゲートバルブに閉動作を開始させる制御器と、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板搬送装置を含む製造装置を用いて磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−135049(P2010−135049A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232524(P2009−232524)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】