説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】 MOSトランジスタの製造工程を削減し、さらには寄生MOSの敷居値電圧が低下するのを抑制する。
【解決手段】 本発明の半導体装置の製造方法は、ゲート電極形成後にウェル拡散層とは逆導電型のチャネル形成用の不純物をイオン注入する製造方法において、フィールド酸化膜30にチャネル形成用の不純物をイオン注入しない製造方法である。従って、本発明の半導体装置は、フィールド酸化膜30にチャネル形成用の不純物がイオン注入されていない構造となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)を備えた半導体装置及びその製造方法に関し、特に従来方法より、製造工程及びチップサイズの低減を可能とするMOSトランジスタの半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタの製造方法として、始めにウェル拡散層を形成し、ゲート電極形成後、チャネル形成用の不純物をゲート電極を通過させ、半導体基板表面に届くようにイオン注入を行うことにより、製造工程を削減するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-269357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)は高電圧及び大電流を取り扱うLDMOSトランジスタやアナログ回路で用いられるパイポーラトランジスタ等と混載する事で、半導体装置の付加価値を高めている。一方、コスト削減により、利益率の高い半導体装置のニーズも増えている。
【0005】
これまで、MOSトランジスタ(以下、MOSとする)の製造方法は次のようにして行われてきた。図2A〜8はMOSの各製造工程を示す断面図である。
【0006】
図2Aに示すように、半導体基板1にフィールド酸化膜2を形成した後、イオン注入に対する保護用スルー酸化膜を形成する。そして、N型MOSのウェル形成用フォトレジスト3をパターニングし、これをマスクとしてアクセプター不純物をイオン注入し、P型ウェル拡散層4を形成する。
【0007】
次に、図2Bに示す通り、P型MOSのウェル形成用のフォトレジスト5をパターニングし、これをマスクとしてドナー不純物をイオン注入し、N型ウェル拡散層6を形成する。
【0008】
次に、図3に示す通り、N型MOSのチャネル形成用フォトレジスト7をパターニングし、これをマスクとしてアクセプター不純物をイオン注入し、P型チャネル拡散層8を形成する。なお、図3のチャネル形成工程は必須の構成要素ではなく、省略する事も出来る。また、図2Aのウェル形成用フォトレジスト3を用いても、P型チャネル拡散層8を形成出来る。
【0009】
次に、図4に示す通り、P型MOSのチャネル形成用フォトレジスト9をパターニングし、これをマスクとしてアクセプター不純物をイオン注入し、N型チャネル拡散層10を形成する。P型MOSの場合、図2Bで形成したN型ウェル拡散層6とは逆導電型の不純物をイオン注入する。なお、この図4のチャネル形成工程は必須の構成要素ではなく、省略する事も出来る。また、図2Bのウェル形成用フォトレジスト5を用いても、N型チャネル拡散層10を形成出来る。
【0010】
次に、図2Aの工程で形成されたスルー酸化膜を全面エッチングにより除去する。
【0011】
次に図5に示すとおり、ゲート電極酸化膜11を形成し、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチ技術を用いて、ゲート電極12を形成する。その後、N型MOSではN型エクステンション拡散層13、一方、P型MOSではP型エクステンション拡散層14をイオン注入により形成する。また、短チャネル効果を抑制するため、ハローイオン注入を行う場合もある。
【0012】
次に、図6に示す通り、サイドウォール15を形成する。
【0013】
次に、図7に示す通り、N型MOSのソース及びドレイン形成用フォトレジスト16をパターニングし、これをマスクとしてドナー不純物をイオン注入し、N型ソース及びドレイン高濃度拡散層17を形成する。
【0014】
次に、図8に示す通り、P型MOSのソース及びドレイン形成用のフォトレジスト18をパターニングし、これをマスクとしてドナー不純物をイオン注入し、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層19を形成する。
【0015】
最後に、N型ソース及びドレイン高濃度拡散層17、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層19及びゲート電極12にコンタクト電極を形成し、導電材料で配線を行い、半導体装置は完成する。
【0016】
また、特許文献1にもMOSトランジスタの製造方法が開示されている。
【0017】
特許文献1によれば、始めにウェル拡散層を形成し、ゲート電極形成後、チャネル形成用の不純物をゲート電極を通過させ、半導体基板表面に届くようにイオン注入を行っている。この方法により、製造工程を削減している。
【0018】
MOSトランジスタ(以下、MOSとする)製造方法において、ウェル拡散層を形成後、ゲート電極を形成し、チャネル、エクステンション、ソース及びドレイン拡散層を形成した場合、コストが高くなる。また、特開2000-269357に関して、チャネル形成用の不純物がウェル拡散層とは逆導電型である場合、寄生MOSの敷居値電圧が低下する。図9に上記製造方法により形成したMOSトランジスタの断面構造を示す。図10に寄生MOS敷居値電圧のフィールド酸化膜幅(素子分離領域の距離)25´依存性を示す。フィールド酸化膜幅25´の縮小に伴い、寄生MOSの敷居値電圧(Vth)が低下する。また、上記チャネル形成用の不純物ドーズ量(ウェルとは逆導電型不純物)が増加すると、更に低下する。よって、フィールド酸化膜幅25´を縮小出来ない。
【0019】
次に、原因解析を行った。PMOSを一例として、図9のA−A´断面における不純物プロファイルを図11、12に示す。図11はフィールド酸化膜幅25´が2um以上時の不純物プロファイルを示し、一方、図12はフィールド酸化膜幅25´が1um以下時の不純物プロファイルを示す。図11と図12を比較すると、フィールド酸化膜幅25´が1um以下時では、ドナー濃度(N型ウェル拡散層の濃度)を薄めるアクセプター濃度が濃くなっている。このため、寄生MOSが反転しやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の代表的なものの一例を示せば、以下の通りである。
【0021】
すなわち、本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1ウェル拡散層を含む第1の素子と、前記半導体基板に形成された第1フィールド酸化膜と、前記第1フィールド酸化膜を介して前記第1の素子と隣接して形成された第2の素子とを備え、前記第1ウェル拡散層とは逆導電型の不純物が前記第1フィールド酸化膜の側面下の前記半導体基板にはイオン注入されていないことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に第1の素子を素子分離用の第1フィールド酸化膜を介して第2の素子と隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、前記第1フィールド酸化膜の側面下の前記半導体基板には逆導電型不純物がイオン注入されないよう、第1チャネル形成用のフォトレジスト膜をパターンニングする工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、半導体装置の製造工程の工程数を低減でき、さらには、寄生MOSのVth低下を抑制するレイアウト構造及び製造方法により、フィールド酸化膜幅(素子分離領域の距離)の縮小が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の半導体装置を示す平面図と断面図とを含む展開図である。
【図2A】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図2B】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図3】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図4】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図5】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図6】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図7】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図8】従来の製造方法(CMOSトランジスタの製造方法)を説明するための断面構造図である。
【図9】ゲート電極形成後、チャネル、エクステンション、ソース及びドレイン拡散層を形成したMOSトランジスタの断面構造図である。
【図10】従来の製造方法による寄生MOS敷居値電圧(Vth)のフィールド酸化膜幅依存性を示す図である。
【図11】図9のA-A´断面におけるフィールド酸化膜幅25´が2um以上である場合の不純物プロファイルを示す図である。
【図12】図9のA-A´断面におけるフィールド酸化膜幅25´が1um以下である場合の不純物プロファイルを示す図である。
【図13】本発明の実施例1の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図14】本発明の実施例1の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図15】本発明の実施例1の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図16】本発明の実施例1の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図17】本発明の実施例1の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図18】本発明の実施例1の半導体装置およびその製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図19】本発明の実施例1のレイアウト構造(P型MOSトランジスタ)を示す図である。
【図20】本発明の実施例1における寄生MOS敷居値電圧(Vth)のフィールド酸化膜幅依存性を示す図である。
【図21】図18のB-B´断面におけるフィールド酸化膜幅105が2um以上である場合の不純物プロファイルを示す図である。
【図22】図18のB-B´断面におけるフィールド酸化膜幅105が1um以下である場合の不純物プロファイルを示す図である。
【図23】図18のB-B´断面におけるフィールド酸化膜幅105が1um以下である場合の不純物プロファイル(ND−NA)を示す図である。
【図24】図18のC-C´断面における不純物プロファイルを示す。
【図25】本発明の実施例2の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図26】本発明の実施例2の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図27】本発明の実施例2の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図28】本発明の実施例2の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図29】本発明の実施例2の製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図30】本発明の実施例2の半導体装置およびその製造方法を示すための半導体装置の断面構造図である。
【図31】本発明の実施例3に係る製造フローを示す図である。
【図32】本発明の実施例3に係る半導体装置の断面構造図である。
【図33】本発明の実施例4に係る半導体装置の断面構造図である。
【図34】本発明の実施例5に係る半導体装置の断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の半導体装置の製造方法は、ゲート電極形成後にウェル拡散層とは逆導電型のチャネル形成用の不純物をイオン注入する製造方法において、フィールド酸化膜にチャネル形成用の不純物がイオン注入されないことを特徴とする。従って、本発明の半導体装置は、図1に示すように、フィールド酸化膜30にチャネル形成用の不純物がイオン注入されていない構造となる。ここで、65はウェル拡散層21、エクステンション拡散層35及びハロー拡散層36を形成するための半導体装置製造マスク、63はゲート電極32を形成するための半導体装置製造マスク、64はアクティブ領域を形成するための半導体装置製造マスク、62はチャネル拡散層38を形成するための半導体装置製造マスク、30は半導体装置を分離するフィールド酸化膜、41は半導体装置のソース及びドレイン拡散層、35は半導体装置のエクステンション拡散層、32は半導体装置のゲート電極、39は半導体装置のサイドウォール、31は半導体装置のゲート酸化膜、38は半導体装置のチャネル拡散層、36は半導体装置のハロー拡散層、21は半導体装置のウェル拡散層、20は半導体基板である。
【0026】
従来は、MOSトランジスタの製造工程を削減するためにゲート電極形成後にウェルとは逆導電型のチャネル形成用不純物をイオン注入した場合、副作用として寄生MOSの敷居値電圧が低下し、また、フィールド酸化膜の幅が小さくなればなる程、寄生MOSの敷居値電圧はさらに低下するという問題があったが、本発明の半導体装置およびその製造方法はその問題を解決するものである。
【0027】
具体的には、本発明の半導体装置は、半導体基板と、半導体基板に形成された第1ウェル拡散層を含む第1の素子と、半導体基板に形成された第1フィールド酸化膜と、第1フィールド酸化膜を介して第1の素子と隣接して形成された第2の素子とを備え、第1ウェル拡散層とは逆導電型の不純物が前記第1フィールド酸化膜の側面下の前記半導体基板にはイオン注入されていないことを特徴とする。
【0028】
第1および第2の素子として、それぞれ、半導体基板に形成された第1ウェル拡散層と第1ソース及びドレイン高濃度拡散層と、第1ソース高濃度拡散層と第1ドレイン高濃度拡散層との間の半導体基板上に第1ゲート酸化膜を介して形成された第1ゲート電極と、第1ゲート電極の下に第1チャネル拡散層とを有する第1MOSトランジスタを適用してもよい。
【0029】
あるいは、第2の素子として、半導体基板に形成された第2ウェル拡散層と第2ソース及びドレイン高濃度拡散層と、第2ソース高濃度拡散層と第2ドレイン高濃度拡散層との間の半導体基板上に第2ゲート酸化膜を介して形成された第2ゲート電極と、第2ゲート電極の下に形成された第2チャネル拡散層とを有する第2MOSトランジスタを適用すると共に、第1の素子として、素子分離用の第2フィールド酸化膜に囲まれた第2領域の半導体基板に形成された第3ウェル拡散層と、第3ウェル拡散層内に形成された第2ソース高濃度拡散層と、第3ウェル拡散層とは間隔をもって形成された第2ドレイン高濃度拡散層と、第2ソース高濃度拡散層と第2ドレイン高濃度拡散層との間の半導体基板上に第2ゲート酸化膜を介して第2ソース高濃度拡散層に隣接し、かつ第2ドレイン高濃度拡散層とは間隔をもって形成された第2ゲート電極と、第2ドレイン高濃度拡散層に隣接し、第2ソース拡散層とは間隔をもって形成された第1ドリフト層と、第2ゲート電極の下に形成する第3チャネル拡散層と、第2ドレイン高濃度拡散層側の第2ゲート電極の側面下にチャネル拡散層とは間隔をもって形成された電界緩和用のフィールド酸化膜とを有するLDMOSトランジスタを適用してもよい。
【0030】
本発明の半導体装置においては、第1MOSトランジスタと構造が異なる第2MOSトランジスタが複数隣接して形成された構成としてもよい。
【0031】
さらに、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離が形成された構成としてもよい。
【0032】
さらに、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成された構成としてもよい。
【0033】
また、本発明の半導体装置における第2MOSトランジスタは、半導体基板に形成された第2ウェル拡散層と第2ソース及びドレイン高濃度拡散層と、第2ソース高濃度拡散層と第2ドレイン高濃度拡散層との間の半導体基板上に第2ゲート酸化膜を介して形成された第2ゲート電極と、第2ゲート電極の下に第2チャネル拡散層とをもつものとしてもよい。
【0034】
さらに、本発明の半導体装置におけるLDMOSトランジスタは、第2フィールド酸化膜に囲まれた第2領域の半導体基板に形成された第3ウェル拡散層と、第3ウェル拡散層内に形成された第2ソース高濃度拡散層と、第3ウェル拡散層とは間隔をもって形成された第2ドレイン高濃度拡散層と、第2ソース高濃度拡散層と第2ドレイン高濃度拡散層との間の半導体基板上に第2ゲート酸化膜を介して第2ソース高濃度拡散層に隣接し、かつ第2ドレイン高濃度拡散層とは間隔をもって形成された第2ゲート電極と、第2ドレイン高濃度拡散層に隣接し、第2ソース拡散層とは間隔をもって形成された第2ドリフト層と、第2ゲート電極の下であり、第2フィールド酸化膜とはある間隔を離し形成される第3チャネル拡散層と、第2ドレイン高濃度拡散層側の第2ゲート電極の側面下に第3チャネル拡散層とは間隔をもって形成された電界緩和用の第2フィールド酸化膜とをもつものとしてもよい。
【0035】
この場合も、第2MOSトランジスタにおける第2チャネル拡散層を形成する第2ウェル拡散層とは逆導電型の不純物が第2フィールド酸化膜の側面下の半導体基板にはイオン注入されない点は同様である。
【0036】
本発明の半導体装置における第2MOSトランジスタの第2チャネル拡散層と第1LDMOSトランジスタの第3チャネル拡散層とのアクセプター不純物濃度は互いに同じとするのが好適である。
【0037】
また、第2MOSトランジスタと混載する素子は第1LDMOSトランジスタ以外でも適用可能である。例えば、IGBT、バイポーラ素子、抵抗素子などを第2MOSトランジスタと混載する素子として適用してもよい。
【0038】
本発明の半導体装置においては、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離が形成される構成としてもよい。
【0039】
また、本発明の半導体装置は、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成されるように構成してもよい。
【0040】
次に、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に第1の素子を素子分離用の第1フィールド酸化膜を介して第2の素子と隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、第1フィールド酸化膜の側面下の半導体基板には逆導電型不純物がイオン注入されないよう、第1チャネル形成用のフォトレジスト膜をパターンニングする工程を含むことを特徴とする。
【0041】
例えば、第1MOSトランジスタを素子分離用の第1フィールド酸化膜を介して複数隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、以下の(a)〜(f)の工程を含むものである。
【0042】
(a) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、上記第1フィールド酸化膜を形成する工程。
【0043】
(b) 上記(a)工程の後、第1ゲート酸化膜を形成後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、第1ゲート電極を形成する工程。
【0044】
(c) 上記(b)工程の後、第1ウェル形成用フォトレジスト膜をマスクにし、第1ウェル拡散層を形成する工程。
【0045】
(d) 上記(c)工程の後、第1チャネル形成用フォトレジスト膜をマスクにし、上記第1ウェル拡散層とは逆導電型不純物を注入し、第1チャネル拡散層を形成する工程と、第1エクステンション拡散層を形成する工程と、第1ハロー拡散層を形成する工程。
【0046】
(e) 上記(d)工程の後、自己整合にて、第1サイドウォールを形成する工程。
【0047】
(f) 上記(e)工程の後、第1ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程。
【0048】
上記(d)工程では、フィールド酸化膜の側面下の半導体基板には、上記逆導電型不純物がイオン注入出来ないよう、チャネル形成用フォトレジスト膜をパターンニングする。
【0049】
また、上記(a)〜(f)で形成される第1MOSトランジスタと構造が異なる第2MOSトランジスタを複数隣接して形成してもよい。
【0050】
さらに、上記(a)工程において、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離を形成してもよい。
【0051】
さらに、上記第1MOSトランジスタにおいて、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成されるようにしてもよい。
【0052】
また、本発明の別の製造方法として、第1MOSトランジスタを素子分離用のフィールド酸化膜を介して複数隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、以下(g)〜(l)の工程を含むものとするのも好適である。
【0053】
(g) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、上記第1フィールド酸化膜を形成する工程。
【0054】
(h) 上記(g)工程の後、上記第1ウェル形成用フォトレジスト膜をマスクにし、上記第1ウェル拡散層を形成する工程。
【0055】
(i) 上記(h)工程の後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、上記第1ゲート電極を形成する工程。
【0056】
(j) 上記(i)工程の後、上記第1チャネル形成用フォトレジスト膜をマスクにし、上記第1ウェル拡散層とは逆導電型不純物を注入し、上記第1チャネル拡散層を形成する工程と、上記第1エクステンション拡散層を形成する工程と、上記第1ハロー拡散層を形成する工程。
【0057】
(k) 上記(j)工程の後、自己整合にて、上記第1サイドウォールを形成する工程。
【0058】
(l) 上記(k)工程の後、上記第1ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程。
【0059】
上記(j)工程にて、上記第1フィールド酸化膜の側面下の半導体基板には、上記逆導電型不純物がイオン注入出来ないように、上記第1チャネル形成用フォトレジスト膜をパターンニングする。
【0060】
また、上記(g)〜(l)で形成される上記第1MOSトランジスタと構造が異なる上記第2MOSトランジスタを複数隣接して形成してもよい。
【0061】
さらに、上記(g)工程において、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離を形成してもよい。
【0062】
さらに、上記(g)〜(l)で形成される第1MOSトランジスタにおいて、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成されるようにしてもよい。
【0063】
また、本発明のさらに別の製造方法として、半導体基板の第1領域に形成された第1LDMOSトランジスタと第2領域に形成された第2MOSトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、以下の(m)〜(s)の工程を含むものとするのも好適である。
【0064】
(m) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、第2フィールド酸化膜を形成する工程。
【0065】
(n) 上記(m)工程の後、第2ゲート酸化膜を形成後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、上記第1LDMOSトランジスタ及び上記第2MOSトランジスタの第2ゲート電極を形成する工程。
【0066】
(o) 上記(n)工程の後、上記第2MOSトランジスタの第2ウェル拡散層を形成する工程と、第2エクステンション拡散層を形成する工程と、第2ハロー拡散層を形成する工程。
【0067】
(p) 上記(o)工程の後、上記第1LDMOSトランジスタの第3チャネル拡散層と上記第2MOSトランジスタの上記第2ウェル拡散層とは逆導電型不純物をイオン注入し、第2チャネル拡散層を形成する工程。
【0068】
(r) 上記(p)工程の後、上記第1LDMOSトランジスタと上記第2MOSトランジスタの第2サイドウォールを形成する工程。
【0069】
(s) 上記(r)工程の後、上記第1LDMOSトランジスタと上記第2MOSトランジスタの第2ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程。
【0070】
上記(p)工程にて、上記第2MOSトランジスタの上記第2チャネル拡散層形成にあたり、上記第2フィールド酸化膜の側面下の半導体基板には、上記逆導電型不純物がイオン注入出来ないように、フォトレジスト膜のパターンニングを行う。
【0071】
さらに、上記(p)工程において、上記第1LDMOSトランジスタの上記第3チャネル拡散層と上記第2MOSトランジスタの上記第2チャネル拡散層を形成する工程の共通化することができる。
【0072】
さらに、上記(m)〜(s)の工程において、上記第2MOSトランジスタの上記第1ウェル拡散層を形成後、上記第2ゲート電極を形成し、その後、上記第2チャネル拡散層を形成してもよい。
【0073】
さらに、上記(m)工程において、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離を形成してもよい。
【0074】
さらに、上記第1LDMOSトランジスタと上記第2MOSトランジスタとにおいて、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成されるようにしてもよい。
【0075】
さらに、上記(m)〜(s)の工程において、上記第2MOSトランジスタと混載する素子は上記第1LDMOSトランジスタ以外でも適用可能である。例えば、IGBT、バイポーラ素子、抵抗素子などを上記第2MOSトランジスタと混載する素子として適用してもよい。
【0076】
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、P型MOS及びP型LDMOSトランジスタの例で説明するが、当該構造におけるすべての極性を逆にすることで得られるN型MOSについても同様である。実施例1では隣接したP型MOSを例に説明する。実施例2では、P型MOS及びP型LDMOSトランジスタを混載した半導体装置を例について説明する。なお、実施例2については、LDMOSトランジスタ以外の素子を混載した半導体装置にも活用できる。半導体基板とは、MOSのチャネル反転領域を形成する濃度層を指し、シリコンウエハの基板だけでなく、エピタキシャル成長した層、イオン打ち込みで形成された拡散層を含む一般的にMOSのウエルと呼ばれる領域を指す。
【実施例1】
【0077】
まず、本発明の一実施形態として、実施例1を説明する。図13〜18は実施例1に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための半導体装置断面図である。特に工程の最後の断面図である図18からフォトレジスト40を除いた部分全体は本実施例に係る半導体装置の断面図でもある。
【0078】
図13に示す通り、LOCOS(local oxidation of silicon)法により、半導体基板29にフィールド酸化膜30を形成し、素子分離を行う。
【0079】
次に図14に示す通り、ゲート酸化膜31を形成し、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用いて、ゲート電極32を形成する。
【0080】
次に図15に示す通り、P型MOSのウェル形成用フォトレジスト33をマスクとして、ドナー型不純物をイオン注入し、N型ウェル拡散層34を形成する。その後、マスク及びフォトレジストを変える事無く、ドナー型不純物をイオン注入し、N型エクステンション拡散層35を形成する。続いて、アクセプター型不純物をイオン注入し、P型ハロー拡散層36を形成する。なお、N型エクステンション拡散層35及びP型ハロー拡散層36は必須の構成要素ではなく、省略する事が出来る。
【0081】
以上の製造方法により、MOS製造工程を2工程削減でき(フォトレジストパターニング工程、レジスト除去工程)コスト低減となる。
【0082】
次に図16に示す通り、P型MOSのチャネル形成用フォトレジスト37をマスクとして、アクセプター型不純物をイオン注入し、N型チャネル拡散層38を形成する。図16ではN型ウェル拡散層34とは逆導電型不純物をイオン注入するため、フィールド酸化膜30界面下のN型ウェル拡散層34の濃度を薄めてしまい、寄生MOSの反転電圧が低下する。よって本発明では、フィールド酸化膜30をP型MOSのチャネル形成用フォトレジスト37で覆い、チャネル形成用の不純物がイオン注入されないようにフォトレジストをパターンニングする。
【0083】
次に図17に示す通り、サイドウォール39を形成し、LDD(Lightly Doped Drain)構造による短チャネル効果を抑制した。なお、図17の工程は必須の構成要素ではなく、省略する事が出来る。
【0084】
次に図18に示す通り、ソース及びドレイン形成用フォトレジスト40とサイドウォール39をマスクとして、アクセプター型不純物をイオン注入し、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層41を形成する。なお、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層41はフィールド酸化膜30界面下には拡散しないよう、イオン注入条件を調整する。
【0085】
次に、ゲート電極32、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層41に導電材料を配線を行い、この半導体装置は完成する。
【0086】
図19に本発明によるMOSトランジスタのレイアウト構造を示す。図19のように、チャネル形成用マスク104をゲート電極マスク103を覆うように配置する。
【0087】
図20に本発明は寄生MOS敷居値電圧のフィールド酸化膜幅105依存性を示す。本発明により、フィールド酸化膜幅(素子分離領域の距離)105を縮小しても、寄生MOSの敷居値電圧は低下しない。
【0088】
よって、図19のレイアウト構造に示したフィールド酸化膜幅105を縮小する事が出来る。即ち、チップサイズを縮小でき、コスト低減となる。
【0089】
また、P型MOSの出力電流向上及び敷居値電圧調整のため、チャネル形成のイオン注入ドーズ量及びエネルギーを増加出来る。
【0090】
次に図18のB−B´における不純物プロファイルを図21、22、23に示す。
【0091】
図21はフィールド酸化膜幅105が2um以上時の不純物プロファイルを示し、一方、図22はフィールド酸化膜幅105が1um以下時の不純物プロファイルを示す。図21、22の結果から、フィールド酸化膜幅105を1um以下まで縮小しても、アクセプター及びドナー濃度に顕著な差は見られない。本発明により、フィールド酸化膜30界面下にはアクセプター型不純物が拡散していないと考えられる。従来技術では、図11、12に示す通り、フィールド酸化膜幅25´が1um以下まで縮小すると、アクセプター濃度が1桁程度濃くなる。
【0092】
次に、図23はフィールド酸化膜幅105が1um以下時における断面B−B´のドナー濃度NDとアクセプター濃度NAの差分を示す。本発明は、フィールド酸化膜30界面下へのアクセプター型不純物の拡散を抑制しているので、従来技術よりもドナー濃度NDが濃くなる。
【0093】
次に、図24は断面C-C´の不純物プロファイルを示す。本発明により、フィールド酸化膜30界面下には、アクセプター不純物がイオン注入されないため、従来技術よりもアクセプター濃度が薄い。
【0094】
本実施例によれば、MOSトランジスタ同士を隣接して形成する半導体装置の製造工程の工程数を低減でき、さらには、フィールド酸化膜幅の縮小が可能となる。そのため、ひいてはチップサイズを縮小することができ、もってコスト低減を図ることが可能となる。
【実施例2】
【0095】
次に、本発明の別の実施形態として、実施例2を説明する。本実施例が上述の実施例1と異なる点は、MOSとMOSとを混載するのではなくMOSとLDMOSトランジスタ(以下、LDMOSとする)とを混載した半導体装置およびその製造方法の一例を示している点である。図25〜30は実施例2に係る半導体装置の製造方法の各工程を説明するための半導体装置断面図である。特に工程の最後の断面図である図30は本実施例に係る半導体装置の断面図でもある。
【0096】
図25に示す通り、初めに、半導体基板にN型ウェル拡散層42を形成後、LOCOS法にて、フィールド酸化膜43を形成し、素子分離を行う。その後、P型LDMOSのドリフト拡散層44を形成する。
【0097】
次に、図26に示す通り、ゲート酸化膜45を形成し、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用いて、ゲート電極46を形成する。また、工程削減(コスト低減)のため、ゲート酸化膜45及びゲート電極46はP型LDMOSとP型MOSトランジスタを共通化しているが、用途によってはP型LDMOS用とP型MOS用のゲート酸化膜、ゲート電極は異なった構造及び膜厚を適用することも可能である。次に、P型ドレイン領域にバッファ層47を形成する。
【0098】
次に、図27に示す通り、P型LDMOSのN型拡散層48及びエクステンション拡散層49を形成する。その後、アニール処理により、活性化及び結晶回復を行う。
【0099】
次に、図28に示す通り、P型MOSのウェル形成用フォトレジスト50をマスクとして、ドナー型不純物をイオン注入し、N型ウェル拡散層51を形成する。その後、マスク及びフォトレジストを変える事無く、アクセプター型不純物をイオン注入し、P型エクステンション拡散層52を形成する、最後に、アクセプター型不純物をイオン注入し、P型ハロー拡散層53を形成する。なお、N型エクステンション拡散層52及びP型ハロー拡散層53は必須の構成要素ではなく、省略する事が出来る。以上の製造方法により、製造工程を低減でき、コスト低減となる。
【0100】
次に、図29に示す通りに、P型LDMOSのチャネル形成用フォトレジスト54をマスクとして、アクセプタ型不純物をイオン注入し、チャネル拡散層55を形成する。一般的にN型拡散層48は高濃度なため、Vthは高くなってしまう。上記アクセプタ型不純物により、N型拡散層の濃度を薄める事ができ、Vthを低く出来る。一方、P型MOSのチャネル拡散層55はP型LDMOSのチャネル形成用フォトレジスト54を用いて形成出来る。即ち、P型LDMOSチャネル拡散層とP型MOSチャネル拡散層の形成工程を共通化する。P型MOSチャネル形成マスクは上述した実施例1と同様に、フィールド酸化膜43にアクセプタ不純物はイオン注入されないようにレイアウトする。P型LDMOSとP型MOSを混載した半導体装置した場合、上述した実施例1と比較して、製造工程を3工程(チャネル形成用フォトレジストパターンニング工程、イオン工程、フォトレジスト除去工程)削減でき、更に、マスク数を1つ削減でき、コスト低減となる。なお、混載する半導体素子はLDMOS以外の形成イオン注入でも適用できる。
【0101】
次に、図30に示す通り、サイドウォール56を形成し、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層57を形成する。なお、図30の工程は必須の構成要素ではなく、省略する事が出来る。
【0102】
次に、ゲート電極46、P型高濃度ソース及びドレイン拡散層57に導電材料を配線を行い、この半導体装置は完成する。
【0103】
本実施例によれば、MOSトランジスタとLDMOSトランジスタとを隣接して形成する半導体装置の製造工程の工程数を低減でき、さらには、フィールド酸化膜幅の縮小が可能となる。そのため、ひいてはチップサイズを縮小することができ、もってコスト低減を図ることが可能となる。
【実施例3】
【0104】
次に、本発明のさらに別の実施形態として、実施例3を説明する。本実施例が上述の実施例1と異なる点は、実施例1における隣接するMOS同士でそのゲート電極、ウェル拡散層、チャネル拡散層、エクステンション拡散層、ハロー拡散層、ソース及びドレイン拡散層のうちの少なくともいずれか1つの構造が互いに異なる点である。
【0105】
図31は本実施例に係る半導体装置の製造方法の一例を示すプロセスフローである。まず、ウェル拡散層を形成し(S01)、次にゲート電極を形成し(S02)、チャネル拡散層(S03)、エクステンション拡散層を形成し(S04)、ハロー拡散層を形成し(S05)、ソースおよびドレインを形成し(S06)、さらに配線を形成する(S07)。
【0106】
図32は本実施例に係る半導体装置の断面図である。半導体基板29上にN型ウェル拡散層34、58が形成され、そのN型ウェル拡散層34、58にP型MOSのチャネル拡散層38、P型ソース及びドレイン高濃度拡散層41、ゲート酸化膜31、ゲート電極32が形成され、さらにP型MOSのチャネル拡散層38の近傍にはP型エクステンション拡散層35およびP型ハロー拡散層36が形成されている。ゲート電極32の傍らにはサイドウォール39が形成されている。同図中、左側のP型MOSと右側のP型MOSとはフィールド酸化膜30によって互いに絶縁分離されており、共通の半導体装置上に隣接して形成される2つのP型MOSトランジスタを構成する。フィールド酸化膜30はまた、この半導体装置の製造工程においてフィールド酸化膜マスク105として機能し、不純物がインプラされない領域の形成に用いられる。
【0107】
本実施例によれば、構成要素の形態が互いに異なるMOSトランジスタ同士を隣接して形成する半導体装置の製造工程の工程数を低減でき、さらには、フィールド酸化膜幅の縮小が可能となる。そのため、ひいてはチップサイズを縮小することができ、もってコスト低減を図ることが可能となる。
【実施例4】
【0108】
次に、本発明のさらに別の実施形態として、実施例4を説明する。本実施例が上述の実施例1と異なる点は、フィールド酸化膜30の代わりにSTI(Shallow Trench Isolation)59が採用されている点である。それ以外の構成は実施例1と同様である。
【0109】
図33に示すように、微細化のため、上述した実施例1、2におけるフィールド酸化膜30がSTI59に置き換えられて素子分離を行う場合でも、本発明の半導体装置およびその製造方法は同様に適用可能である。
【0110】
本実施例によれば、STIによって互いに素子分離されたMOSトランジスタ同士、またはSTIによって互いに素子分離されたMOSトランジスタとLDMOSトランジスタとを隣接して形成する半導体装置の製造工程の工程数を低減でき、さらには、フィールド酸化膜幅の縮小が可能となる。そのため、ひいてはチップサイズを縮小することができ、もってコスト低減を図ることが可能となる。
【実施例5】
【0111】
次に、本発明のさらに別の実施形態として、実施例5を説明する。本実施例が上述の実施例1と異なる点は、フィールド酸化膜30に加え、U溝アイソレーション(酸化膜)61とBOX層60(酸化膜)とがさらに形成されている点である。それ以外の構成は実施例1と同様である。
【0112】
図34に示すように、耐圧向上あるいは素子間のリーク電流抑制のため、上述した実施例1、2におけるフィールド酸化膜30に加えてU溝アイソレーション(酸化膜)61とBOX層60(酸化膜)とがさらに形成される場合でも、本発明の半導体装置およびその製造方法は同様に適用可能である。
【0113】
以上の実施例1〜5のうち、特に実施例2以外の各実施例においては、P型MOSとP型MOSとを隣接して形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、P型MOSとN型MOSとを隣接して形成された半導体装置およびその製造方法も同様にその範囲に含まれる。
【0114】
また、図31に示す実施例3に係る製造方法のプロセスフローを実施例1、2に適用することも可能である。その場合、まずN型ウェル拡散層58を形成し、次にゲート電極を形成し、その後、チャネル拡散層形成する。
【0115】
また、実施例1、2のいずれか一方に実施例3、4、5、6、7のいづれか1つを組み合わせることもできる。
【0116】
また、実施例2ではP型MOSとP型LDMOSトランジスタとを混載した半導体装置を一例として説明したが、LDMOSトランジスタ以外の素子を混載した半導体装置にも適用可能である。例として、IGBTのチャネルを形成するイオン注入、抵抗を形成するイオン注入、共通化する製造方法にも適用できる。
【0117】
また、P型MOSトランジスタ及びP型LDMOSトランジスタの例で説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、当該構造におけるすべての極性を逆にすることで得られるN型MOSトランジスタ及びN型LDMOSトランジスタも同様にその範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
1、20、29:半導体基板、
2、25、30、43:フィールド酸化膜、
3:N型MOSのウェル形成用フォトレジスト、
4:P型ウェル拡散層、
5、33、50:P型MOSのウェル形成用フォトレジスト、
6、34、42、51、58:N型ウェル拡散層、
7:N型MOSのチャネル形成用フォトレジスト、
8:P型チャネル拡散層、
9、37:P型MOSのチャネル形成用フォトレジスト、
10:P型MOSのチャネル拡散層、
38:チャネル拡散層、
11、26、31、45:ゲート酸化膜、
12、28、32、46:ゲート電極、
13:N型エクステンション拡散層、
14、52:P型エクステンション拡散層、
35:エクステンション拡散層、
15、27、39、56:サイドウォール、
16:N型MOSのソース及びドレイン形成用フォトレジスト、
17:N型ソース及びドレイン高濃度拡散層、
18、40:P型MOSのソース及びドレイン形成用フォトレジスト、
19、57:P型ソース及びドレイン高濃度拡散層、
41:ソース及びドレイン拡散層、
21:ウェル拡散層、
22:チャネル拡散層、
23:ソース及びドレイン拡散層、
24:エクステンション拡散層、
25´:フィールド酸化膜幅、
53:P型ハロー拡散層、
36:ハロー拡散層、
44:P型LDMOSのドリフト拡散層、
47:バッファ層、
48:P型LDMOSのN型拡散層、
49:P型LDMOSのエクステンション拡散層、
54: P型LDMOSのチャネル形成用フォトレジスト、
55:P型MOSのチャネル拡散層、
59:STI(Shallow Trench Isolation)、
60:BOX層(酸化膜)、
61:U溝アイソレーション(酸化膜)、
62:チャネル拡散層を形成するための半導体装置製造マスク、
63:ゲート電極を形成するための半導体装置製造マスク、
64:アクティブ領域を形成するための半導体装置製造マスク、
65:ウェル拡散層、エクステンション拡散層及びハロー拡散層を形成するための半導体装置製造マスク、
A-A´:フィールド酸化膜25界面下の断面、
B-B´:フィールド酸化膜105界面下の断面、
C−C´:P型MOSのチャネル拡散層断面、
101:ウェルマスク、
102:アクティブマスク、
103:ゲート電極マスク、
104:チャネルマスク、
105:フィールド酸化膜マスク、
S01:ウェル拡散層形成工程、
S02:ゲート電極形成工程、
S03:チャネル拡散層形成工程、
S04:エクステンション拡散層形成工程、
S05:ハロー拡散層形成工程、
S06:ソース及びドレイン拡散層形成工程、
S07:配線形成工程。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された第1ウェル拡散層を含む第1の素子と、
前記半導体基板に形成された第1フィールド酸化膜と、
前記第1フィールド酸化膜を介して前記第1の素子と隣接して形成された第2の素子と
を備え、
前記第1ウェル拡散層とは逆導電型の不純物が前記第1フィールド酸化膜の側面下の前記半導体基板にはイオン注入されていない
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2の素子はそれぞれ、半導体基板に形成された前記第1ウェル拡散層と前記第1ソース及びドレイン高濃度拡散層と、前記第1ソース高濃度拡散層と前記第1ドレイン高濃度拡散層の間の半導体基板上に前記第1ゲート酸化膜を介して形成された前記第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極の下に前記第1チャネル拡散層とを有する第1MOSトランジスタである
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1MOSトランジスタと構造が異なる前記第2MOSトランジスタを複数隣接する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記第1および第2の素子は、STI(Shallow Trench Isolation)にて互いに素子分離される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記第1および第2の素子は、SOI基板に形成され、かつ互いにU溝分離される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1の素子は、半導体基板に形成された前記第2ウェル拡散層と前記第2ソース及びドレイン高濃度拡散層と、前記第2ソース高濃度拡散層と前記第2ドレイン高濃度拡散層の間の半導体基板上に前記第2ゲート酸化膜を介して形成された前記第2ゲート電極と、前記第2ゲート電極の下に形成された前記第2チャネル拡散層とを有してなる第2MOSトランジスタであり、
前記第2の素子は、素子分離用の前記第2フィールド酸化膜に囲まれた第2領域の半導体基板に形成された第3ウェル拡散層と、前記第3ウェル拡散層内に形成された前記第2ソース高濃度拡散層と、前記第3ウェル拡散層とは間隔をもって形成された前記第2ドレイン高濃度拡散層と、前記第2ソース高濃度拡散層と前記第2ドレイン高濃度拡散層の間の半導体基板上に第2ゲート酸化膜を介して前記第2ソース高濃度拡散層に隣接し、かつ前記第2ドレイン高濃度拡散層とは間隔をもって形成された第2ゲート電極と、前記第2ドレイン高濃度拡散層に隣接し、前記第2ソース拡散層とは間隔をもって形成された第1ドリフト層と、前記第2ゲート電極の下に形成する前記第3チャネル拡散層と、前記第2ドレイン高濃度拡散層側の前記第2ゲート電極の側面下に前記チャネル拡散層とは間隔をもって形成された電界緩和用のフィールド酸化膜とを有してなるLDMOSトランジスタである
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第2MOSトランジスタの前記第2チャネル拡散層と前記第1LDMOSトランジスタの前記第3チャネル拡散層の前記逆導電型不純物の濃度は同じである
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記半導体装置は、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離が形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項6において、
前記半導体装置は、SOI基板に形成され、かつU溝分離が形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1において、
前記第1の素子は、半導体基板に形成された前記第2ウェル拡散層と前記第2ソース及びドレイン高濃度拡散層と、前記第2ソース高濃度拡散層と前記第2ドレイン高濃度拡散層の間の半導体基板上に前記第2ゲート酸化膜を介して形成された前記第2ゲート電極と、前記第2ゲート電極の下に形成された前記第2チャネル拡散層とを有してなる第2MOSトランジスタであり、
前記第2の素子は、IGBT、バイポーラ素子、および抵抗素子のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
半導体基板に第1の素子を素子分離用の第1フィールド酸化膜を介して第2の素子と隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、
前記第1フィールド酸化膜の側面下の前記半導体基板には逆導電型不純物がイオン注入されないよう、第1チャネル形成用のフォトレジスト膜をパターンニングする工程を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1の素子としての第1MOSトランジスタを素子分離用の第1フィールド酸化膜を介して前記第2の素子としての他の第1MOSトランジスタと隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、
(a) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、前記第1フィールド酸化膜を形成する工程と、
(b) 前記(a)工程の後、第1ゲート酸化膜を形成後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、第1ゲート電極を形成する工程と、
(c) 前記(b)工程の後、第1ウェル形成用のフォトレジスト膜をマスクにし、第1ウェル拡散層を形成する工程と、
(d) 前記(c)工程の後、第1チャネル形成用のフォトレジスト膜をマスクにし、前記第1ウェル拡散層とは逆導電型不純物を注入し、第1チャネル拡散層を形成する工程と、第1エクステンション拡散層を形成する工程と、第1ハロー拡散層を形成する工程と、
(e) 前記(d)工程の後、自己整合にて、第1サイドウォールを形成する工程と、
(f) 前記(e)工程の後、第1ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程と
を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1MOSトランジスタと構造が異なる第2MOSトランジスタを複数隣接して有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12において、
前記(a)工程は、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離を形成する工程を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項12において、
前記第1MOSトランジスタは、SOI基板に形成され、かつU溝分離される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項11において、
前記第1の素子としての第1MOSトランジスタを素子分離用のフィールド酸化膜を介して前記第2の素子としての他の第1MOSトランジスタと隣接して形成する半導体装置の製造方法であって、
(g) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、前記第1フィールド酸化膜を形成する工程と、
(h) 前記(g)工程の後、前記第1ウェル形成用のフォトレジスト膜をマスクにし、前記第1ウェル拡散層を形成する工程と、
(i) 前記(h)工程の後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、前記第1ゲート電極を形成する工程と、
(j) 前記(i)工程の後、前記第1チャネル形成用のフォトレジスト膜をマスクにし、前記第1ウェル拡散層とは逆導電型不純物を注入し、前記第1チャネル拡散層を形成する工程と、前記第1エクステンション拡散層を形成する工程と、前記第1ハロー拡散層を形成する工程と、
(k) 前記(j)工程の後、自己整合にて、前記第1サイドウォールを形成する工程と、
(l) 前記(k)工程の後、前記第1ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程と
を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16において、
前記(g)工程は、STI(Shallow Trench Isolation)にて素子分離を形成する工程を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項16において、
前記第1MOSトランジスタと構造が異なる前記第2MOSトランジスタを複数隣接して有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項16において、
前記第1MOSトランジスタは、SOI基板に形成され、かつ互いにU溝分離されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
半導体基板の第1領域に形成された第1LDMOSトランジスタと、前記半導体基板の前記第1領域とは異なる第2領域に形成された第2MOSトランジスタとを形成する半導体装置の製造方法であって、
(m) 半導体基板上にLOCOS(local oxidation of silicon)法により、第2フィールド酸化膜を形成する工程と、
(n) 前記(m)工程の後、第2ゲート酸化膜を形成後、ポリシリコンを堆積し、ドライエッチング技術を用い、前記第1LDMOSトランジスタ及び前記第2MOSトランジスタの第2ゲート電極を形成する工程と、
(o) 前記(n)工程の後、前記第2MOSトランジスタの第2ウェル拡散層を形成する工程と第2エクステンション拡散層を形成する工程と、第2ハロー拡散層を形成する工程と、
(p) 前記(o)工程の後、前記第1LDMOSトランジスタの第3チャネル拡散層と前記第2MOSトランジスタの前記第2ウェル拡散層とは逆導電型不純物をイオン注入し、第2チャネル拡散層を形成する工程と、
(r) 前記(p)工程の後、前記第1LDMOSトランジスタと前記第2MOSトランジスタの第2サイドウォールを形成する工程と、
(s) 前記(r)工程の後、前記第1LDMOSトランジスタと前記第2MOSトランジスタの第2ソース及びドレイン高濃度拡散層を形成する工程と
を有し、
前記(p)工程にて、前記第2MOSトランジスタの前記第2チャネル拡散層を形成するにあたり、前記第2フィールド酸化膜の側面下の半導体基板には前記逆導電型不純物がイオン注入出来ないよう、フォトレジスト膜をパターンニングする
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2011−96862(P2011−96862A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249673(P2009−249673)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】