説明

半導体装置

【課題】 ゲート電極上のシリサイド膜の断線を抑制する。
【解決手段】 ソース・ドレイン領域をデュアルシリサイド構造とし、ゲート電極の仕事関数はn型MISトランジスタ、p型MISトランジスタそれぞれの有するメタルゲート電極により定める構造とし、且つ、メタルゲート電極上の多結晶シリコン層は共通のn+ドーピング層とし、ゲート上シリサイド膜はn型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMOSデバイスにおいて、ソース・ドレイン領域に形成されたシリサイド/シリコンの界面部分の抵抗値が高いことに起因した寄生抵抗が問題となっている。関連技術として、nMOS、pMOSのゲート電極中の多結晶シリコンの導伝型を共通とした半導体装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−19400号公報
【非特許文献1】J.K. Schaeffer, et al., IEDM Tech. Dig., 287 (2004)
【非特許文献2】V. Narayanan, et al., VLSI Tech. Dig., p192 (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゲート電極上のシリサイド成膜の不良を抑制することが可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、且つ、第1のメタルゲート電極及び当該第1のメタルゲート電極上に形成された第1の多結晶シリコン層を有するn型MISトランジスタと、前記半導体基板上に形成され、且つ、前記第1のメタルゲート電極とは異なる金属元素を少なくとも1つ含む第2のメタルゲート電極、及び前記第1の多結晶シリコン層と同じ導伝型の第2の多結晶シリコン層を有するp型MISトランジスタと、前記n型MISトランジスタのソース領域及びドレイン領域に形成された第1のシリサイド膜と、前記p型MISトランジスタのソース領域及びドレイン領域に形成され、且つ、前記第1のシリサイド膜とは異なる金属元素を少なくとも1つ含む第2のシリサイド膜と、前記第1の多結晶シリコン層上に形成された第1のゲート上シリサイド膜と、前記第2の多結晶シリコン層上に形成され、且つ、前記第1のゲート上シリサイド膜と同じ材料で構成される第2のゲート上シリサイド膜とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
ゲート電極上のシリサイド成膜の不良を抑制することが可能な半導体装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
[比較例]
CMOSデバイスにおいては、ソース・ドレイン領域に形成されたシリサイド/シリコンの界面部分の抵抗値が高いことに起因した寄生抵抗が問題となる。そのため、図22に示すように、nMOSに対してはn領域に対しショットキー障壁が低いシリサイド材料、pMOSに対してはp領域に対しショットキー障壁が低いシリサイド材料を形成することが考えられる(デュアルシリサイドプロセス)。図22は、デュアルシリサイドプロセスにより形成されるCMOSデバイスを模式的に示す断面図である。
【0007】
しかしながら、nMOSのゲート電極とpMOSのゲート電極とが同一パターン上に形成される場合、図23に示すように、nMOS領域とpMOS領域との境界部分では異なるシリサイド材料が接合することになる。図23は、デュアルシリサイドプロセスにより形成されるCMOSデバイスのゲート電極を模式的に示す上面図である。この様に、異なる導伝型の材料が接合する境界部分においては、シリサイド成膜の不良、或いはゲート電極が断線することが予想される。また、nMOSとpMOSとの接合部でドーパントが補償されるため、界面抵抗の劣化が予想される。
【0008】
更に、トランジスタ構造の微細化に伴いゲートリーク電流は増加する傾向にあるため、ゲート電極上に形成されたシリサイド/シリコンの界面部分での抵抗に起因する電圧降下が問題となる。ここでの電圧降下は、ゲート電極への印加電圧が引き下げられることを意味しており、トランジスタ特性を劣化させることに繋がる。
【0009】
出願人が見出した上記課題に対応して、以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【0011】
シリコン基板10内部のp型半導体層、或いはn型半導体層上に、素子分離絶縁膜11により互いに分離されたp型ウェル領域100、n型ウェル領域200が形成されている。p型ウェル領域100には、n型MIS(Metal-Insulator-Silicon)トランジスタNTが、n型ウェル領域には200には、p型MISトランジスタPTが形成されている。
【0012】
n型MISトランジスタNTは、チャネル領域101、ゲート絶縁膜102、n型MISトランジスタ用メタルゲート電極(以下、nMIS用メタルゲート電極)103、p型MISトランジスタ用メタルゲート電極(以下、pMIS用メタルゲート電極)203、多結晶シリコン層104、ゲート上シリサイド膜105、浅い拡散層106及び高濃度拡散層107からなるソース・ドレイン領域を有する。
【0013】
ゲート絶縁膜102は、浅い拡散層106の間に形成されたチャネル領域101上に形成されている。nMIS用メタルゲート電極103は、ゲート絶縁膜102上に形成されている。pMIS用メタルゲート電極203は、nMIS用メタルゲート電極103上に形成されている。多結晶シリコン層104は、図示せぬバリア膜を介して、pMIS用メタルゲート電極203上に形成されている。ゲート上シリサイド膜105は、多結晶シリコン層104上に形成されている。n型MISトランジスタNTのゲート長Lは、例えば25nmである。
【0014】
ゲート絶縁膜102は、例えば、HfSiON膜により構成される。尚、ゲート絶縁膜102として、HfSiO、SiO、Si、Al、Ta、TiO、La、CeO、ZrO,HfO、SrTiO、Pr等を使用しても良い。或いは、Zrシリケート、Hfシリケート等、シリコン酸化物に金属イオンを混ぜた材料も有効である。
【0015】
nMIS用メタルゲート電極103は5〜30nm程度の膜厚を有し、n型MISトランジスタとして動作可能な閾値電圧を得るため、例えば、仕事関数が4.05近くのTaCにより構成される(メタルゲート電極としてTaCを用いたn型MISトランジスタの特性に関しては、J.K. Schaeffer, et al., IEDM Tech. Dig., 287 (2004) で開示されている。)。尚、nMIS用メタルゲート電極103として、同様に仕事関数が4.05近くのTi、Ar+イオンが注入されたMo、窒素(N)濃度で仕事関数の制御を行ったTaN、RuTa、Ta等を使用しても良い。
【0016】
n型MISトランジスタNTの積層ゲート構造、即ち、ゲート絶縁膜102、nMIS用メタルゲート電極103、pMIS用メタルゲート電極203、多結晶シリコン層104、及びゲート上シリサイド膜105側面には、ゲート側壁膜108が形成されている。ゲート側壁膜108の底部は、浅い拡散層106上面に接している。
【0017】
浅い拡散層106は、n型のエクステンション領域であり、高濃度拡散層107よりもチャネル領域101側に突出している。高濃度拡散層107は、p型ウェル領域100において、浅い拡散層106よりも深い位置まで形成され、浅い拡散層106よりも高濃度のn型不純物拡散領域である。
【0018】
p型MISトランジスタPTは、チャネル領域201、ゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203、多結晶シリコン層204、ゲート上シリサイド膜205、浅い拡散層206及び高濃度拡散層207からなるソース・ドレイン領域を有する。
【0019】
ゲート絶縁膜202は、浅い拡散層206の間に形成されたチャネル領域201上に形成されている。pMIS用メタルゲート電極203は、ゲート絶縁膜202上に形成されている。多結晶シリコン層204は、図示せぬバリア膜を介して、pMIS用メタルゲート電極203上に形成されている。ゲート上シリサイド膜205は、多結晶シリコン層204上に形成されている。p型MISトランジスタPTのゲート長Lは、例えば25nmである。
【0020】
ゲート絶縁膜202は、ゲート絶縁膜102と同様に、例えば、HfSiONにより構成される。pMIS用メタルゲート電極203は、5〜30nm程度の膜厚を有し、p型MISトランジスタとして動作可能な閾値電圧を得るため、例えば、仕事関数(WF:Work Function)が5.17近くのWNにより構成される。尚、メタルゲート電極103として、同様に仕事関数が5.17近くのTiNi(WF:5.3)、NiGe(WF:5.2)、Pt(WF:5.2)、Ru、Wを使用しても良い(メタルゲート電極としてWを用いたp型MISトランジスタの特性に関しては、V. Narayanan, et al., VLSI Tech. Dig., p192 (2004) で開示されている。)。
【0021】
また、図1では明示していないが、n型MISトランジスタNT及びp型MISトランジスタPTが有するメタルゲート電極203上に、上層の多結晶シリコン層204との反応を抑制するためのバリア膜として、例えばTiNが形成されていても良い。尚、n型MISトランジスタNTが有するメタルゲート電極203は、p型MISトランジスタPTが有するメタルゲート電極203と同一プロセスで形成された金属膜であり、後述する製造方法を用いたことに伴い残存したものである。
【0022】
即ち、n型MISトランジスタNTが有するメタルゲート電極203は必ずしも必要では無く、除去されていても良い。これは、n型MISトランジスタNTの閾値電圧は、ゲート絶縁膜102直上の金属膜、ここではメタルゲート電極103のみにより定められるためである。
【0023】
p型MISトランジスタPTの積層ゲート構造、即ち、ゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203、多結晶シリコン層204、及びゲート上シリサイド膜205側面には、ゲート側壁膜208が形成されている。ゲート側壁膜208の底部は、浅い拡散層206上面に接している。
【0024】
浅い拡散層206は、p型のエクステンション領域であり、高濃度拡散層207よりもチャネル領域201側に突出している。高濃度拡散層207は、n型ウェル領域200において、浅い拡散層206よりも深い位置まで形成され、浅い拡散層206よりも高濃度のp型不純物拡散領域である。浅い拡散層206及び高濃度拡散層207からなるp型MISトランジスタPTのソース・ドレイン領域は、素子分離絶縁膜11によって、隣接するn型MISトランジスタのソース・ドレイン領域と分離されている。
【0025】
n型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域、及びp型MISトランジスタPTのソース・ドレイン領域表面には、互いに異なる材料によりシリサイド膜が形成されている(デュアルシリサイド構造)。即ち、n型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域には、n型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料を使用して、nMIS用シリサイド膜109が形成されている。同様に、p型MISトランジスタPTのソース・ドレイン領域には、p型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料を使用して、pMIS用シリサイド膜209が形成されている。
【0026】
n型のソース・ドレイン領域に形成されるnMIS用シリサイド膜109としては、例えば、YSi2−x、YSi、ErSi1.7、YbSi等が考えられる。一方、p型のソース・ドレイン領域に形成されるpMIS用シリサイド膜209としては、例えば、PtSi、PdSi、NiSi等が考えられる。
【0027】
多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204は50〜100nmの膜圧を有し、互いに同濃度のn+ドーピング層である。ゲート上シリサイド膜105及びゲート上シリサイド膜205は、互いに同じ材料で形成されており、多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204中のドーパントに対応して、n型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料を使用して構成されている。ゲート上シリサイド膜105及びゲート上シリサイド膜205として、例えば、YSi2−x、YSi、ErSi1.7、YbSi等を形成することが考えられる。
【0028】
尚、プロセスの簡略化等を考慮すると、ゲート上シリサイド膜105及びゲート上シリサイド膜205は、n型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域に形成されるnMIS用シリサイド膜109と同じ材料で形成されていることが望ましい。
【0029】
シリコン基板10、素子分離絶縁膜11、n型MISトランジスタNT、p型MISトランジスタPT、ゲート側壁膜108及びゲート側壁膜208の上には、層間絶縁膜12が全面に形成されている。層間絶縁膜12上には、所望のパターンを有する配線13が形成されている。層間絶縁膜12中には、ゲート上シリサイド膜105、ゲート上シリサイド膜205、nMIS用シリサイド膜109、及びpMIS用シリサイド膜209と配線13とを接続するコンタクトプラグ14が形成されている。層間絶縁膜12とコンタクトプラグ14との間には、コンタクトプラグ14を構成する金属元素の拡散を防止する図示せぬバリア膜が形成されている。
【0030】
層間絶縁膜12は、例えば、TEOS(Tetraethoxysilane)、BPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)等で形成される。配線13は、例えば、Al等で形成される。コンタクトプラグ14は、例えば、W等で形成される。バリア膜は、例えばTi、或いはTiN等で形成される。
【0031】
上述した構造を有する半導体装置においては、ソース・ドレイン領域をデュアルシリサイド構造とし、ゲート電極の仕事関数はn型MISトランジスタ、p型MISトランジスタそれぞれの有するメタルゲート電極により定める構造とし、且つ、メタルゲート電極上の多結晶シリコン層は共通のn+ドーピング層とし、ゲート上シリサイド膜はn型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料で形成している。
【0032】
図2は、本実施形態に係る半導体装置のゲート電極を模式的に示す上面図である。図2に示すように、デュアルシリサイド構造を有する半導体装置のゲート電極を構成する上で、n型領域とp型領域との接合面が形成されることが無い。即ち、異なる導伝型の多結晶シリコン層の接合面が存在しないから、ドーパント補償による界面抵抗の劣化を抑制できる。また、異なる材料のゲート上シリサイド膜の接合面が存在しないから、シリサイド成膜の不良を抑制し、ゲート電極の断線を防止することが可能となる。また、n型領域に対しショットキー障壁が低くなるように、ゲート上シリサイド膜の材料と多結晶シリコン層のドーパント種との組み合わせを選択することが可能であるから、ゲート電極上に形成されたシリサイド/シリコン界面部分の抵抗劣化を抑制することが可能となる。
【0033】
尚、多結晶シリコン層の導伝型によらず、ゲート絶縁膜直上のメタルゲート電極によりMISトランジスタの閾値電圧が定められることが、出願人により確認されている。この点について、図3を参照して説明する。図3は、ゲート絶縁膜としてHfSiON、メタルゲート電極としてTaC、バリア膜としてTiCを使用し、多結晶シリコン層をn+ドーピング層とした場合(直線)、ゲート絶縁膜としてHfSiON、メタルゲートとしてTaC、バリア膜としてTiCを使用し、多結晶シリコン層をp+ドーピング層とした場合(点線)における容量C(F/cm)−ゲート電圧V(V)特性を示すグラフである。
【0034】
図3から明らかなように、これら2つの曲線はほぼ等しい挙動を示し、フラットバンド電圧は一致している。即ち、多結晶シリコン層の導伝型によらず、ゲート絶縁膜直上のメタルゲート電極によってMISトランジスタの閾値電圧を制御することが可能である。
【0035】
以下、図4乃至図15を参照して、図1に示した半導体装置の製造方法を説明する。
【0036】
p型半導体層、或いは、n型半導体層を有するシリコン基板10上に、埋めこみ素子分離法により深さ200〜350nmの素子分離絶縁膜11を形成する。次に、イオン注入によるシリコン基板10表面のダメージを回避するため、能動素子部に、20nm以下の図示せぬ犠牲酸化膜を形成する。
【0037】
次に、p型ウェル領域100、n型ウェル領域200、チャネル領域101、及びチャネル領域201を形成するためのイオン注入を行う。イオン注入は、p型ウェル領域100に対して、B:260keV、2.0×1013cm−2、n型ウェル領域200に対して、P:500keV、3.0×1013cm−2、チャネル領域101に対して、As:80keV、1.0×1013cm−2、チャネル領域201に対して、B:10keV、1.5×1013cm−2の条件で行う。次に、1080℃で活性化RTA(Rapid Thermal Oxidation)を行う(図4)。
【0038】
次に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法によって、シリコン基板10上に0.5〜2nmのHfSiO膜を形成する。このHfSiO膜をプラズマ窒化して、HfSiONからなる高誘電体膜300を形成する。次に、スパッタリングによって、TaCからなるnMIS用メタル膜301を、高誘電体膜300上に5〜30nmの膜厚で堆積させる(図5)。
【0039】
次に、n型MISトランジスタ領域をフォトレジストで覆い、p型MISトランジスタ領域に堆積されたnMIS用メタル膜301を、硫酸と過酸化水素水の混合溶液でウェットエッチング、或いはRIEによって除去する。n型MISトランジスタ領域においては、高誘電体膜300上にnMIS用メタル膜301が形成されており、p型MISトランジスタ領域においては、高誘電体膜300表面が露出している。nMIS用メタル膜301の端部は、素子分離絶縁膜11上に存在する(図6)。
【0040】
次に、スパッタリングによって、WNからなるpMIS用メタル膜302を、高誘電体膜300及びnMIS用メタル膜301上に5〜30nmの膜厚で一様に堆積させる。本実施形態においては、nMIS用メタル膜301上に堆積したpMIS用メタルゲート膜302を除去しない工程を採用する。高誘電体膜300上に形成したpMIS用メタル膜302と、nMIS用メタル膜301上に形成したメタル膜pMIS用302との間で段差が生じるが、この段差は素子分離絶縁膜11上に存在するため問題とならない。
【0041】
また、上述したように、MISトランジスタの閾値電圧はゲート絶縁膜直上のメタルゲート電極により定められる。よって、nMIS用メタル膜301上にpMIS用メタル膜302が残存しても特性上の問題は生じない。pMIS用メタル膜302を除去しない工程を採用することで、製造プロセスを簡略化することができる。しかしながら、CMP(Chemical Vapor Deposition)法等により、nMIS用メタル膜301上のpMIS用メタル膜302を除去することも当然可能である(図7)。
【0042】
次に、スパッタリングによって、TiNからなる図示せぬバリア膜を、pMIS用メタル膜302上に堆積させる。次に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によって、多結晶シリコン膜を、pMIS用メタル膜302上にバリア膜を介して50〜100nmの膜厚で堆積させる。次に、イオン注入によって、この多結晶シリコン膜中全面にn+ドーピング層を形成する。ここでのn+ドーピング層の形成条件として、P:5keV、5.0×1015やAs:20keV、3〜5×1015等が考えられる。次に、多結晶シリコン膜上にシリコン窒化膜を60〜80nmの膜厚で堆積させ、ゲート配線パターンが転写されたフォトレジストをマスクとして、ゲート電極の加工を行う。
【0043】
ゲート電極加工により、n型MISトランジスタNTの積層ゲート構造であるゲート絶縁膜102、nMIS用メタルゲート電極103、pMIS用メタルゲート電極203、多結晶シリコン層104を得る。同様に、p型MISトランジスタPTの積層ゲート構造であるゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203、多結晶シリコン層204を得る。また、以下では多結晶シリコン層104上に残存したシリコン窒化膜をハードマスク110、多結晶シリコン層204上に残存したシリコン窒化膜をハードマスク210と称する。
【0044】
尚、ここでメタルゲート電極上に多結晶シリコン層を形成する理由は、メタル材料からなるゲート電極に対するRIEが困難であるため、エッチングするメタル材料の膜厚を薄く形成すると同時に、メタル材料をキャップすることで製造装置の汚染を防止するためである(図8)。
【0045】
次に、シリコン窒化膜からなる図示せぬオフセットスペーサを、積層ゲート構造側壁に3〜15nmの膜厚で形成する。これは、ゲート長Lが小さい(例えば、25nm以下)場合にあっても、イオン注入の制御性を維持するためのスペーサ膜である。次に、イオン注入により、積層ゲート構造上のハードマスク110、ハードマスク210、及びオフセットスペーサをマスクとして、浅い拡散層106及び浅い拡散層206の形成を行う。
【0046】
浅い拡散層106はn型の拡散層であり、As:1〜5keV、5.0×1014cm−2〜1.5×1015cm−2の条件で、浅い拡散層206はp型の拡散層であり、BF:1〜3keV、5.0×1014cm−2〜1.5×1015cm−2の条件で形成される。浅い拡散層206はBのイオン注入により形成しても良い。浅い拡散層106、浅い拡散層206は何れを先に形成しても良い。次に、1000℃で活性化RTAを行う。
【0047】
次に、TEOS、或いはTEOSとSiNの積層膜からなるゲート側壁膜108、ゲート側壁膜208を、積層ゲート構造側壁にオフセットスペーサを介して形成する。ゲート側壁膜108及びゲート側壁膜208のシリコン基板10上での幅は20〜70nmである。ゲート側壁膜108及びゲート側壁膜208の上端は、多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204とハードマスク110及びハードマスク210との境界まで達している(図9)。
【0048】
次に、積層ゲート構造上のハードマスク110、ハードマスク210、ゲート側壁膜108、及びゲート側壁膜208をマスクとして、イオン注入により、高濃度拡散層107、高濃度拡散層207を形成する。高濃度拡散層107は、浅い拡散層106よりも高濃度のn型の拡散層であり、As:20〜30keV、3.0×1015〜4.0×1015cm−2の条件で、高濃度拡散層207は、浅い拡散層206よりも高濃度のp型の拡散層であり、B:1.5〜3.0keV、2.0×1015〜4.0×1015cm−2の条件で形成される。高濃度拡散層107、高濃度拡散層207は何れを先に形成しても良い。次に、1050℃で活性化RTAを行う。(図10)。
【0049】
尚、高濃度拡散層107及び高濃度拡散層207形成の前に、シリコン基板10上にSi、或いはSiGeを選択エピタキシャル成長させるプロセスを適用しても良い。これにより、高濃度拡散層107及び高濃度拡散層207のイオン注入プロファイルを良好に制御することが可能となる。
【0050】
次に、ソース・ドレイン領域をデュアルシリサイドプロセスで形成するため、シリコン酸化膜(或いは、シリコン窒化膜)303をp型MISトランジスタ領域のみに被覆する。次に、弗酸処理を行って自然酸化膜を除去し、n型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域に、nMIS用シリサイド膜109を形成する。
【0051】
ErシリサイドからなるnMIS用シリサイド膜109を形成する場合、スパッタリングによりErを全面に堆積させた後、400〜500℃の条件でシリサイデーションのためのRTAを行う。これにより、n型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域に、膜厚10〜35nmのnMIS用シリサイド膜109が形成される。未反応のErは、硫酸と過酸化水素水の混合溶液でエッチングすることで除去する。以上でErサリサイドプロセスは完了する(図11)。
【0052】
次に、p型MISトランジスタ領域に被覆したシリコン酸化膜303を、120〜130℃に加熱した燐酸(ホット燐酸)、或いは弗酸で除去する。次に、同様にして、シリコン酸化膜(或いは、シリコン窒化膜)をn型MISトランジスタ領域のみに被覆する。次に、必要であれば弗酸処理を行って自然酸化膜を除去し、p型MISトランジスタPTのソース・ドレイン領域にpMIS用シリサイド膜209を形成する。
【0053】
Ptシリサイド、或いはPdシリサイドからなるpMIS用シリサイド膜209を形成する場合、スパッタリングにより、Pt、或いはPdを全面に堆積させた後、400〜500℃の条件でシリサイデーションのためのRTAを行う。これにより、p型MISトランジスタPTのソース・ドレイン領域に、膜厚10〜35nmのpMIS用シリサイド膜209が形成される。Ptシリサイド、或いはPdシリサイドの場合には、王水を用いて、シリサイドと未反応のメタルとの選択的な剥離を行うことが考えられる。以上でPt、或いはPdサリサイドプロセスは完了する(図12)。
【0054】
尚、上述したソース・ドレイン領域に対するデュアルシリサイドプロセスにおいては、nMIS用シリサイド膜109から先に形成したが、これに限らず、pMIS用シリサイド膜209から先に形成しても良い。
【0055】
次に、n型MISトランジスタ領域に被覆したシリコン酸化膜を、ホット燐酸、或いは弗酸で除去する。次に、後述するコンタクトホール形成のためのRIEによって、シリコン基板10上に形成されたnMIS用シリサイド膜109及びpMIS用シリサイド膜209が掘れ、接合リーク電流が増加することを防ぐため、層間膜絶縁膜材料に対してRIEの選択比が高い図示せぬシリコン窒化膜を、nMIS用シリサイド膜109及びpMIS用シリサイド膜209上に20〜50nmの膜厚で形成する。
【0056】
次に、TEOS、或いはBPSGからなる層間絶縁膜304を全面に堆積させ、平坦化のためCMPプロセスにより研磨する。この際、ハードマスク110及びハードマスク210をCMPのストッパー膜として使用する(図13)。
【0057】
次に、層間絶縁膜304表面から露出したハードマスク110及びハードマスク210を、ホット燐酸で除去して多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204を露出させる(図14)。
【0058】
次に、多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204中のドーパント(本実施形態では、n+ドーピング層としているのでP、或いはAs等)に合わせたシリサイド材料で、ゲート上シリサイド膜105及びゲート上シリサイド膜205を形成する。ここでは、多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204中にn+ドーピング層が形成されているため、n型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料、例えばErシリサイドによりゲート上シリサイド膜105及びゲート上シリサイド膜205を形成することが考えられる(図15)。
【0059】
次に、ゲート上シリサイド膜105、ゲート上シリサイド膜205、及び層間絶縁膜304上に、層間絶縁膜304上と同じ材料(TEOS、或いはBPSG)を堆積させ、層間絶縁膜12を形成する。次に、コンタクトホール形成のための露光工程を行い、コンタクトホールパターンが転写されたフォトレジストをマスクとして、層間絶縁膜12をRIEする。このエッチングは、上述したnMIS用シリサイド膜109及びpMIS用シリサイド膜209上のシリコン窒化膜が露出するまで続けられる。その後、このシリコン窒化膜のみをウェットエッチング等で除去することにより、ダメージの少ないシリサイド表面が得られる。
【0060】
次に、コンタクトホール内壁にバリア膜としてTi、或いはTiNを堆積させる。次に、コンタクトホール内部にブランケットにWを堆積し、CMPプロセスにより、層間絶縁膜12表面が露出するまで研磨する。これにより、nMIS用シリサイド膜109及びpMIS用シリサイド膜209に達するコンタクトプラグ14が形成される。
【0061】
次に、層間絶縁膜12上にAlからなる金属膜を堆積した後、配線形成のための露光工程を行う。次に、配線パターンが転写されたフォトレジストをマスクとしてRIEを行うことによって、層間絶縁膜12上に、コンタクトプラグ14と電気的に接続された配線13が形成される。以上の工程により、図1に示す半導体装置を得る。
【0062】
[変形例1]
図16に、変形例1に係る半導体装置の断面図を示す。変形例1は、n型MISトランジスタNT及びp型MISトランジスタPTの有する積層ゲート構造の構成が第1の実施形態と異なる。
【0063】
具体的には、n型MISトランジスタNTは、ゲート絶縁膜102、nMIS用メタルゲート電極103(及び図示せぬバリア膜)、多結晶シリコン層104、及びゲート上シリサイド膜105からなる積層ゲート構造を有する。p型MISトランジスタPTは、ゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203、nMIS用メタルゲート電極103(及び図示せぬバリア膜)、多結晶シリコン層204、及びゲート上シリサイド膜105からなる積層ゲート構造を有する。これは、以下に述べる製造プロセスの違いに起因している。
【0064】
第1の実施形態では、pMIS用メタル膜302よりも先に、nMIS用メタル膜301を高誘電体膜300上に形成していた。一方、変形例1では、nMIS用メタル膜301よりも先に、pMIS用メタル膜302を高誘電体膜300上に形成する。次に、p型MISトランジスタ形成領域をフォトレジストで覆い、n型MISトランジスタ形成領域に堆積されたpMIS用メタル膜302を除去する。次に、スパッタリングによって、高誘電体膜300及びpMIS用メタル膜302上に、nMIS用メタル膜301を堆積させる。次に、nMIS用メタル膜301上にTiN等からなるバリア膜を堆積させる。以下、第1の実施形態と同様のプロセスにより、図16に示す半導体装置を得る。
【0065】
上述したように、MISトランジスタの閾値電圧はゲート絶縁膜直上のメタルゲート電極により定められる。よって、変形例1の様に、pMIS用メタルゲート電極203上にnMIS用メタルゲート電極103が存在する場合と、第1の実施形態の様にnMIS用メタルゲート電極103上にpMIS用メタルゲート電極203が存在する場合との間で、閾値電圧等のトランジスタ特性の違いはほとんど無視できる。従って、変形例1に係る半導体装置によっても、実施例1に係る半導体装置と同様の効果を得ることができる。
【0066】
尚、第1の実施形態と同様に、CMP法等により、pMIS用メタル膜302上のnMIS用メタル膜301を除去することも当然可能である
[変形例2]
図17に、変形例2に係る半導体装置の断面図を示す。変形例2は、n型MISトランジスタNT及びp型MISトランジスタPTの有する積層ゲート構造の構成が第1の実施形態と異なる。
【0067】
具体的には、n型MISトランジスタNTは、ゲート絶縁膜102、nMIS用メタルゲート電極103、pMIS用メタルゲート電極203(及び図示せぬバリア膜)、及びゲート上シリサイド膜111からなる積層ゲート構造を有する。p型MISトランジスタPTは、ゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203(及び図示せぬバリア膜)、及びゲート上シリサイド膜211からなる積層ゲート構造を有する。即ち、第1の実施形態と異なり、メタルゲート電極上の多結晶シリコン層は全てシリサイド化されている。
【0068】
図17に示す半導体装置を得るためには、第1の実施形態と同様にpMIS用メタルゲート電極203上に多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204を形成した後、この多結晶シリコン層104及び多結晶シリコン層204が全て反応するのに十分な量の金属膜を、スパッタリングによって堆積させる。その後、400〜500℃、60秒程度の条件でRTAを行うことで、多結晶シリコン層を完全にシリサイド化させる。この様な変形例2に係る半導体装置によっても、実施例1に係る半導体装置と同様の効果を得ることができる。
【0069】
[第2の実施形態]
図18は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【0070】
本実施形態は、多結晶シリコン層をp+ドーピング層とし、多結晶シリコン層上のゲート上シリサイド膜が、p型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料により形成されている点で第1の実施形態と異なる。尚、第1の実施形態と実質的に同一な構成要素については同一の参照符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
【0071】
n型MISトランジスタNTは、ゲート絶縁膜102、nMIS用メタルゲート電極103、pMIS用メタルゲート電極203(及び図示せぬバリア膜)、多結晶シリコン層112、及びゲート上シリサイド膜113からなる積層ゲート構造を有する。p型MISトランジスタPTは、ゲート絶縁膜202、pMIS用メタルゲート電極203(及び図示せぬバリア膜)、多結晶シリコン層212、及びゲート上シリサイド膜213からなる積層ゲート構造を有する。
【0072】
多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212は、互いに同濃度のp+ドーピング層である。ゲート上シリサイド膜113及びゲート上シリサイド膜213は、互いに同じ材料で形成されており、多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212のドーパントに対応して、p型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料を使用して構成されている。ゲート上シリサイド膜113及びゲート上シリサイド膜213として、例えば、PtSi、PdSi、NiSi等を形成することが考えられる。
【0073】
尚、プロセスの簡略化等を考慮すると、ゲート上シリサイド膜113及びゲート上シリサイド膜213は、p型MISトランジスタNTのソース・ドレイン領域に形成されるpMIS用シリサイド膜109と同じ材料で形成されていることが望ましい。
【0074】
上述した構造を有する半導体装置においては、ソース・ドレイン領域をデュアルシリサイド構造とし、ゲート電極の仕事関数はn型MISトランジスタ、p型MISトランジスタそれぞれの有するメタルゲート電極により定める構造とし、且つ、メタルゲート電極上の多結晶シリコン層は共通のp+ドーピング層とし、ゲート上シリサイド膜はp型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料で形成している。
【0075】
図19は、本実施形態に係る半導体装置のゲート電極を模式的に示す上面図である。図19に示すように、デュアルシリサイド構造を有する半導体装置のゲート電極を構成する上で、n型領域とp型領域との接合面が形成されることが無い。即ち、異なる導伝型の多結晶シリコン層の接合面が存在しないから、ドーパント補償による界面抵抗の劣化を抑制できる。また、異なる材料のゲート上シリサイド膜の接合面が存在しないから、シリサイド成膜の不良を抑制し、ゲート電極の断線を防止することが可能となる。また、p型領域に対しショットキー障壁が低くなるように、ゲート上シリサイド膜の材料と多結晶シリコン層のドーパント種との組み合わせを選択することが可能であるから、ゲート電極上に形成されたシリサイド/シリコン界面部分の抵抗劣化を抑制することが可能となる。
【0076】
図20及び図21にその製造工程を追いつつ、構造を説明するが、図4乃至図15とプロセスを異にする部分のみを説明する。図20までは、第1の実施形態の図4乃至図10で示す工程と同様である。ただし、多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212中全面には、p+ドーピング層を形成する。尚、多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212中へのイオン注入は、例えば、B:2keV、5.0×1015cm−2の条件で行う。
【0077】
次に、ソース・ドレイン領域をデュアルシリサイドプロセスで形成するため、シリコン酸化膜(或いは、シリコン窒化膜)305をn型MISトランジスタ領域のみに被覆する。次に、弗酸処理を行って自然酸化膜を除去し、p型MIS用トランジスタPTのソース・ドレイン領域に、pMIS用シリサイド膜109を形成する(図20)。以降の工程は、第1の実施形態の図11乃至図14と同様である。
【0078】
次に、多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212中のドーパント(本実施形態では、p+ドーピング層としているので、B等)に合わせたシリサイド材料で、ゲート上シリサイド膜113及びゲート上シリサイド膜213を形成する。ここでは、多結晶シリコン層112及び多結晶シリコン層212にp+ドーピング層が形成されているため、p型領域に対しショットキー障壁が低くなる材料、例えばPtSi、PdSi、NiSiにより形成することが考えられる(図21)。以降は第1の実施形態と同様の工程により、図18に示す半導体装置を得る。
【0079】
尚、上述した第1の実施形態では、多結晶シリコン層をn+ドーピング層、ゲート上シリサイド膜をn型領域に対しショットキー障壁が低くなるnMIS用シリサイド膜で形成している。界面抵抗に関しては、多結晶シリコン(n+ドーピング層)/nMIS用シリサイド膜の組み合わせの方が、多結晶シリコン(p+ドーピング層)/pMIS用シリサイド膜の組み合わせよりも物理的に低い(電子のトンネリング確率が低い)ので、ゲート電極上のシリコン/シリサイド界面の抵抗を下げたいという要請に対してメリットが大きい。
【0080】
一方、第2の実施形態では、多結晶シリコン層をp+ドーピング層、ゲート上シリサイド膜をp型領域に対しショットキー障壁が低くなるpMIS用シリサイド膜で形成している。P、或いはAsをイオン注入した多結晶シリコン層に比較して、Bインプラした多結晶シリコン層上にシリサイド成膜を行う方が良好なシリサイド膜を形成しやすいので、製品の歩留まり向上の要請に対してメリットが大きい。
【0081】
即ち、現状プロセスとの整合性、実現すべき界面抵抗等に応じて、ゲート電極中のシリコン/シリサイドの組み合わせを適宜選択することが可能である。
【0082】
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態を用いて本願発明の説明を行ったが、本願発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、適宜変形例と組み合わせても良いし、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。また、本実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、本実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置のゲート電極を模式的に示す上面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置に使用されるMOSキャパシタのCV特性図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図16】本発明の変形例1に係る半導体装置を示す断面図。
【図17】本発明の変形例2に係る半導体装置を示す断面図。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置のゲート電極を模式的に示す上面図。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図22】従来技術に係る半導体装置を示す模式図。
【図23】従来技術に係る半導体装置を示す模式図。
【符号の説明】
【0084】
10 シリコン基板
11 素子分離絶縁膜
12 層間絶縁膜
13 配線
14 コンタクトプラグ
100 p型ウェル領域
200 n型ウェル領域
101、201 チャネル領域
102、202 ゲート絶縁膜
103 nMIS用メタルゲート電極
203 pMIS用メタルゲート電極
104、204 多結晶シリコン層
105、205 ゲート上シリサイド膜
106、206 浅い拡散層
107、207 高濃度拡散層
108、208 ゲート側壁膜
109 nMIS用シリサイド膜
209 pMIS用シリサイド膜
110、210 ハードマスク
111、211 ゲート上シリサイド膜
112、212 多結晶シリコン層
113、213 ゲート上シリサイド膜
300 高誘電体膜
301 nMIS用メタル膜
302 pMIS用メタル膜
303 シリコン窒化膜
304 層間絶縁膜
305 シリコン窒化膜
306 層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、且つ、第1のメタルゲート電極及び当該第1のメタルゲート電極上層に形成された第1の多結晶シリコン層を有するn型MISトランジスタと、
前記半導体基板上に形成され、且つ、前記第1のメタルゲート電極とは異なる金属元素を少なくとも1つ含む第2のメタルゲート電極、及び当該第2のメタルゲート電極上層に形成され、且つ、前記第1の多結晶シリコン層と同じ導伝型の第2の多結晶シリコン層を有するp型MISトランジスタと、
前記n型MISトランジスタのソース領域及びドレイン領域に形成された第1のシリサイド膜と、
前記p型MISトランジスタのソース領域及びドレイン領域に形成され、且つ、前記第1のシリサイド膜とは異なる金属元素を少なくとも1つ含む第2のシリサイド膜と、
前記第1の多結晶シリコン層上に形成された第1のゲート上シリサイド膜と、
前記第2の多結晶シリコン層上に形成され、且つ、前記第1のゲート上シリサイド膜と同じ材料で構成される第2のゲート上シリサイド膜とを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の多結晶シリコン層及び前記第2の多結晶シリコン層はn型であり、前記第1のゲート上シリサイド膜及び前記第2のゲート上シリサイド膜は、前記第1のシリサイド膜と同じ組成であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の多結晶シリコン層及び前記第2の多結晶シリコン層はp型であり、前記第1のゲート上シリサイド膜及び前記第2のゲート上シリサイド膜は、前記第2のシリサイド膜と同じ組成であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記n型MISトランジスタ及び前記p型MISトランジスタの閾値電圧は、前記第1の多結晶シリコン層及び前記第2の多結晶シリコン層の導伝型によらず、前記第1のメタルゲート電極及び前記第2のメタルゲート電極により定められることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1のシリサイド膜は、Y、Yb、Erから選択された少なくとも1つの金属を含み、前記第2のシリサイド膜は、Pt、Pd、Niから選択された少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−43760(P2009−43760A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204068(P2007−204068)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】