説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】 半導体装置の小型化を可能にする。
【解決手段】 基板21上のエピタキシャル層22に、ゲート電極32と、n-型オフセットドレイン領域35、n型オフセットドレイン領域39およびn+型ドレイン領域42からなるドレイン領域と、n-型ソース領域36およびn+型ソース領域43からなるソース領域とを有するLDMOSFEを形成するとともに、n型ウエル27上に複数のショットキ電極52を形成してショットキ電極52およびn型ウエル27間にショットキ接合を形成することでショットキダイオード素子を形成している。複数のショットキ電極52はプラグ63およびアノード電極74を介して互いに電気的に接続されている。複数のショットキ接合部の間および両側に設けられたn+型半導体領域44は、プラグ63およびカソード電極73を介して互いに電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、RF(Radio Frequency)パワーモジュール、RFパワーモジュールに搭載される半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GSM(Global System for Mobile Communications)方式、PCS(Personal Communication Systems)方式、PDC(Personal Digital Cellular)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式といった通信方式に代表される移動体通信装置(いわゆる携帯電話)が世界的に普及している。
【0003】
一般に、この種の移動体通信装置は、電波の放射と受信をするアンテナ、電力変調された高周波信号を増幅してアンテナへ供給する高周波電力増幅器(RFパワーモジュール)、アンテナで受信した高周波信号を信号処理する受信部、これらの制御を行う制御部、そしてこれらに電源電圧を供給する電池(バッテリー)で構成される。
【0004】
特開2003−133557号公報には、パワートランジスタおよびショットキバリアダイオード素子を有する半導体装置に関する技術が記載されている(特許文献1参照)。
【0005】
特開平11−154748号公報には、ショットキダイオードを有するトレンチゲート型MOSFETに関する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−133557号公報
【特許文献2】特開平11−154748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
移動体通信装置のRFパワーモジュールの電力増幅回路に用いられる増幅素子として、HBT、HEMTなどの化合物半導体デバイス、シリコンバイポーラトランジスタ、LDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)などが、目的や状況に応じて使用されている。
【0007】
これらの増幅素子のうち、LDMOSFETは、ドレイン側に低不純物濃度のオフセットドレイン領域を介して高不純物濃度のドレイン領域を設けることによって、高いドレイン耐圧を確保する構造を採用したものであるが、化合物半導体デバイスに比較して電力付加効率は低いものの、バイアス制御が容易で、かつ量産性も高いという利点がある。
【0008】
移動体通信装置に用いられるRFパワーモジュールでは、RFパワーモジュール全体の出力電力を検出する検出回路が内蔵されている。この出力電力を検出する方式として、MOSFETを使用した検出回路を用いたMOSFET検波方式が考えられる。図33は、このMOSFET検波方式の検出回路を示す回路図である。図33のMOSFET検波方式の検出回路209AをRFパワーモジュールに内蔵させることで、RFパワーモジュールの電力増幅回路で増幅され出力される出力電力を、この検出回路209Aによって検出することができる。しかしながら、図33に示されるようなMOSFET検波方式の検出回路209Aは、回路構成が複雑で規模が大きく、RFパワーモジュールの小型化に不利である。また、MOSFET検波方式の検出回路209Aは、信号制御用に用いられているMOSFET(CMOSFET)で構成しているので、増幅回路と共にシリコン基板上にモノリシック化することも考えられるが、回路構成が複雑で規模が大きいため、半導体チップの比較的大きな面積を占有し、半導体チップ自体が大型化してしまう。
【0009】
また、RFパワーモジュールの出力電力を検出する他の方式として、ショットキバリアダイオード(Schottky Barrier Diode:SBD、ショットキーバリアダイオード)を使用したSBD検波方式が考えられる。図2は、このSBD検波方式の検出回路を示す回路図である。図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路109A,109BをRFパワーモジュール1に内蔵させることで、RFパワーモジュール1の電力増幅回路102A,102Bで増幅され出力される出力電力を、この検出回路109A,109Bによって高感度で検出することができる。図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路109A,109Bは、ショットキバリアダイオード素子121、容量素子122および抵抗素子123により構成されているが、SBD検波方式の検出回路を構成するこれらの素子を、チップ部品(チップダイオード、チップコンデンサおよびチップ抵抗)により形成し、RFパワーモジュールを構成する配線基板(モジュール基板)上に搭載したとすると、RFパワーモジュールの平面寸法が大きくなり、RFパワーモジュールが大型化してしまう。
【0010】
また、上記特開2003−133557号公報(特許文献1)では、ショットキダイオードとパワーMISFETとが並列に接続され、ショットキダイオードのカソード領域はパワーMISFETのドレイン領域に接続され、ショットキダイオードのアノード領域はパワーMISFETのソース領域に接続されている。しかしながら、上記SBD検波方式の検出回路で用いられるショットキバリアダイオード素子は、MISFET素子に直接接続されているような構造ではなく、他の受動素子(例えば容量素子や抵抗素子)を介してMISFET素子に電気的に接続される回路構成となっている。このため、上記特開2003−133557号公報(特許文献1)のショットキダイオードをSBD検波方式の検出回路109A,109Bのショットキダイオードに適用することはできない。
【0011】
また、SBD検波方式の検出回路の検出感度を向上させることも求められている。SBD検波方式の検出回路の検出感度を向上させるためには、ショットキバリアダイオードの順方向電流を増大させることが有効であるが、順方向電流増大のためにショットキ接合の接合面積を単純に増大させるだけでは、半導体装置の大型化を招いてしまう。
【0012】
本発明の目的は、半導体装置の小型化を可能にする技術を提供することにある。
【0013】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0015】
本発明は、半導体基板の表面にMISFETとショットキダイオードとを形成し、半導体基板の裏面にMISFETのソース領域に電気的に接続された裏面電極を形成したものである。
【0016】
また、本発明は、MISFETとショットキダイオードとを形成し、その裏面にMISFETのソース領域に電気的に接続された裏面電極を形成した半導体チップを、配線基板上に搭載したものである。
【0017】
また、本発明は、半導体基板の第1主面に形成されたMISFETとショットキダイオードとを有し、かつソース領域に電気的に接続される裏面電極を半導体基板の第1主面とは反対の第2主面に有する半導体装置の製造方法であって、(a)半導体基板を準備する工程と、(b)半導体基板の前記第1主面にMISFETを形成し、半導体基板の第1主面に第1導電型の第1半導体領域を形成し、第1半導体領域に第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電型の複数の第2半導体領域を形成する工程と、(c)複数の第2半導体領域の間の第1半導体領域上に、それぞれ第1半導体領域との間にショットキ接合を形成する複数のショットキ電極を形成する工程と、(d)半導体基板の第1主面上にMISFETおよび複数のショットキ電極を覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、(e)それぞれその底部で前記ショットキ電極を露出する複数の第1開口部と、それぞれその底部で前記第2半導体領域を露出する複数の第2開口部とを、層間絶縁膜に形成する工程と、(f)複数の第1開口部および複数の第2開口部を導体で埋め、層間絶縁膜上に配線を形成して、複数のショットキ電極を互いに電気的に接続し、複数の第2半導体領域を互いに電気的に接続する工程とを有するものである。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0019】
半導体装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0022】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態1は、例えばGSM方式のネットワークを利用して情報を伝送するデジタル携帯電話(移動体通信装置)に使用されるRF(Radio Frequency)パワーモジュールなどに搭載される半導体装置である。
【0024】
図1は、本実施の形態1のRFパワーモジュール(高周波電力増幅装置、高周波電力増幅器、半導体装置)1の回路ブロック図を示している。この図には、例えばGSM900とDCS1800との2つの周波数帯が使用可能(デュアルバンド方式)で、それぞれの周波数帯でGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)変調方式とEDGE(Enhanced Data GSM Environment)変調方式との2つの通信方式を使用可能なRFパワーモジュールの回路ブロック図(増幅回路)が示されている。
【0025】
図1に示されるように、RFパワーモジュール1の回路構成(増幅回路)は、3つの増幅段102A1,102A2,102A3からなるGSM900用の電力増幅回路102Aと、3つの増幅段102B1,102B2,102B3からなるDCS1800用の電力増幅回路102Bと、電力増幅回路102Aの増幅段102A1〜102A3にバイアス電圧を印加するバイアス回路103Aと、電力増幅回路102Bの増幅段102B1〜102B3にバイアス電圧を印加するバイアス回路103Bと、電力増幅回路102Aの各増幅段102A1〜102A3の出力用のLDMOSFETのドレイン端子に印加される電源電圧を生成する電源回路104Aと、電力増幅回路102Bの各増幅段102B1〜102B3の出力用のLDMOSFETのドレイン端子に印加される電源電圧を生成する電源回路104Bと、GSM900用の入力端子105aおよびGSM900用の電力増幅回路102A(1段目の増幅段102A1)間の整合回路106Aと、GSM900用の出力端子107aおよびGSM900用の電力増幅回路102A(3段目の増幅段102A3)間の整合回路(出力整合回路)108Aと、DCS1800用の入力端子105bおよびDCS1800用の電力増幅回路102B(1段目の増幅段102B1)間の整合回路106Bと、DCS1800用の出力端子107bおよびDCS1800用の電力増幅回路102B(3段目の増幅段102B3)間の整合回路(出力整合回路)108Bと、GSM900用の電力増幅回路102Aからの出力(出力信号、出力電力)を検出するための検出回路(出力検出回路)109Aと、DCS1800用の電力増幅回路102Bからの出力(出力信号、出力電力)を検出するための検出回路(出力検出回路)109Bとを有している。このうち、GSM900用の電力増幅回路102A(増幅段102A1〜102A3)と、DCS1800用の電力増幅回路102B(102B1〜102B3)と、バイアス回路103A,103Bと、検出回路109A,109とは、1つの半導体チップ(半導体装置、半導体増幅素子チップ、高周波用電力増幅素子チップ)2内に形成されている。また、図示は省略するけれども、増幅段102A1〜102A3間および増幅段102B1〜102B3間に整合回路(段間整合回路)を設けることもできる。
【0026】
RFパワーモジュール1のGSM900用の入力端子105aに入力されたRF入力信号は、整合回路106Aを経て半導体チップ2に入力され、半導体チップ2内の電力増幅回路102A、すなわち3つの増幅段102A1〜102A3で増幅されて半導体チップ2から出力され、整合回路108Aを経てGSM900用の出力端子107aからRF出力信号として出力される。また、RFパワーモジュール1のDCS1800用の入力端子105bに入力されたRF入力信号は、整合回路106Bを経て半導体チップ2に入力され、半導体チップ2内の電力増幅回路102B、すなわち3つの増幅段102B1〜102B3で増幅されて半導体チップ2から出力され、整合回路108Bを経てDCS1800用の出力端子107bからRF出力信号として出力される。また、RFパワーモジュール1のGSM900用のバイアス制御信号入力端子110aに入力されたバイアス制御信号は、バイアス回路103Aに入力され、このバイアス制御信号に基づいて電力増幅回路102Aの増幅段102A1〜102A3に印加するバイアス電圧が制御される。また、RFパワーモジュール1のDCS1800用のバイアス制御信号入力端子110bに入力されたバイアス制御信号は、バイアス回路103Bに入力され、このバイアス制御信号に基づいて電力増幅回路102Bの増幅段102B1〜102B3に印加するバイアス電圧が制御される。GSM900用の電力増幅回路102Aからの出力(出力信号、出力電力)は、検出回路109Aで検出され、検出回路109Aで検出された検出信号(出力電力検出信号)は、RFパワーモジュール1のGSM900用の出力検出信号の出力端子111aから出力される。DCS1800用の電力増幅回路102Bからの出力(出力信号、出力電力)は、検出回路109Bで検出され、検出回路109Bで検出された検出信号(出力電力検出信号)は、RFパワーモジュール1のDCS1800用の出力検出信号の出力端子111bから出力される。
【0027】
上記電力増幅回路102A,102Bのそれぞれは、上記3段の増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3として、3個のnチャネル型LDMOSFETを順次従属接続した回路構成を有している。すなわち、各増幅段102A1,102A2,102A3,102B1,102B2,102B3がnチャネル型LDMOSFETにより形成され、3個のnチャネル型LDMOSFETが順次接続されて電力増幅回路102Aが形成され、3個のnチャネル型LDMOSFETが順次接続されて電力増幅回路102Bが形成される。
【0028】
上記のように、携帯電話などに用いられるRFパワーモジュールでは、RFパワーモジュール全体の出力電力を検出する検出回路が内蔵されている。この出力電力を検出する方式として、MOSFETを使用した検出回路を用いたMOSFET検波方式が考えられる。図33は、このMOSFET検波方式の検出回路を示す回路図である。図33のMOSFET検波方式の検出回路209AをRFパワーモジュールに内蔵させることで、RFパワーモジュールの電力増幅回路で増幅され出力される出力電力を、この検出回路によって検出することができる。しかしながら、図33に示されるようなMOSFET検波方式の検出回路209Aは、回路構成が複雑で規模が大きく、RFパワーモジュールの小型化に不利である。また、MOSFET検波方式の検出回路209Aは、信号制御用に用いられているMOSFET(CMOSFET)で構成しているので、増幅回路と共にシリコン基板上にモノリシック化することも考えられるが、回路構成が複雑で規模が大きいため、半導体チップの比較的大きな面積を占有し、半導体チップ自体が大型化してしまう。
【0029】
RFパワーモジュールの出力電力を検出する他の方式として、ショットキバリアダイオード(Schottky Barrier Diode:SBD、ショットキーバリアダイオード)を使用したSBD検波方式が考えられる。図2は、このSBD検波方式の検出回路を示す回路図である。本実施の形態では、RFパワーモジュール1の検出回路109A,109Bは、図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路を用いている。
【0030】
図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路109A,109BをRFパワーモジュール1に内蔵させることで、RFパワーモジュール1の電力増幅回路102A,102Bで増幅され出力される出力電力を、この検出回路109A,109Bによって高感度で検出することができる。また、マイクロ波帯などで動作させることから、PN接合ダイオードよりもターンオフ特性の良いショットキバリアダイオードを用いることが好ましい。
【0031】
図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路109A,109Bは、ショットキバリアダイオード素子121、容量素子122および抵抗素子123により構成されている。もし、SBD検波方式の検出回路を構成するこれらの素子を、チップ部品(チップダイオード、チップコンデンサおよびチップ抵抗)などにより形成し、RFパワーモジュールを構成する配線基板(モジュール基板)上に搭載したとすると、RFパワーモジュールの平面寸法が大きくなり、RFパワーモジュールが大型化してしまう。
【0032】
図3は、本発明者が検討した比較例のRFパワーモジュール201の構造を示す上面図(平面図)である。図3に示される比較例のRFパワーモジュール201は、配線基板203と、配線基板3上に搭載された半導体チップ202と、配線基板203上に搭載された受動部品(チップ部品)204とを有しており、半導体チップ202および受動部品204を含む配線基板203の上面は封止樹脂(図示せず)で封止されている。半導体チップ2の電極は、ボンディングワイヤ208を介して配線基板203の基板側端子212に電気的に接続されている。
【0033】
図3の比較例のRFパワーモジュール201は、図1とほぼ同様の回路構成を有しているが、図3に示されるようなSBD検波方式の検出回路209Bが、検出回路209B用のチップSBD(チップショットキバリアダイオード)204aを含む配線基板203上に実装された受動部品204(図3において検出回路209Bを示す点線で囲まれた領域に搭載された受動部品204)により形成されている。半導体チップ202には、電力増幅回路102A,102Bは形成されているが、検出回路は形成されていない。このため、SBD検波方式の検出回路209B用の受動部品204を搭載するための領域が配線基板203に必要となり、その分、RFパワーモジュール201の平面寸法が大きくなり、RFパワーモジュール201が大型化してしまう。また、図3の比較例のRFパワーモジュール201では、SBD検波方式の検出回路209B用の受動部品204(チップSBD204a)は、電力増幅回路102A,102Bが形成された半導体チップ202から離れており、ボンディングワイヤ216および配線基板203の配線によって電気的に接続されているので、ボンディングワイヤ216および配線基板203の配線の寄生抵抗や寄生インダクタンスの影響を受けることになり、SBD検波方式の検出回路209Bの検出感度が低下する可能性がある。
【0034】
それに対して、本実施の形態は、電力増幅回路(102A,102B)とともに図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路(検出回路109A,109B)も同じ半導体チップ2内に形成(集積化)し、この半導体チップ2を配線基板(モジュール基板)3に搭載して、RFパワーモジュール1を得るものである。
【0035】
図4は、本実施の形態のRFパワーモジュール1の構造を示す上面図(平面図)であり、図5は本実施の形態のRFパワーモジュール1の概念的な断面図である。図4のA−A線の断面が、図5にほぼ対応し、図4は封止樹脂5を透視した状態が示されている。また、図4は上記図3に対応する平面図である。
【0036】
図4および図5に示される本実施の形態のRFパワーモジュール1は、配線基板(多層基板、多層配線基板、モジュール基板)3と、配線基板3上に搭載(実装)された半導体チップ(半導体素子、能動素子)2と、配線基板3上に搭載(実装)された受動部品(受動素子、チップ部品)4と、半導体チップ2および受動部品4を含む配線基板3の上面を覆う封止樹脂(封止樹脂部)5とを有している。半導体チップ2および受動部品4は、配線基板3の導体層(伝送線路)に電気的に接続されている。また、RFパワーモジュール1は、例えば図示しない外部回路基板またはマザーボードなどに実装することもできる。
【0037】
配線基板3は、例えば、複数の絶縁層(誘電体層)11と、複数の導体層または配線層(図示せず)とを積層して一体化した多層基板(多層配線基板)である。図5では、4つの絶縁層11が積層されて配線基板3が形成されているが、積層される絶縁層11の数はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。配線基板3の絶縁層11を形成する材料としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム、Al23)などのようなセラミック材料を用いることができる。この場合、配線基板3はセラミック多層基板である。配線基板3の絶縁層11の材料は、セラミック材料に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばガラスエポキシ樹脂などを用いても良い。
【0038】
配線基板3の上面(表面、主面、第1の主面)3a上と下面(裏面、主面)3b上と絶縁体層11間とには、配線形成用の導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されている。配線基板3の最上層の導体層によって、配線基板3の上面3aに導電体からなる基板側端子(端子、電極、伝送線路、配線パターン)12aが形成され、配線基板3の最下層の導体層によって、配線基板3の下面3bに導電体からなる外部接続端子(端子、電極、モジュール電極)12bが形成されている。外部接続端子12bは、例えば、図1における入力端子105a,105b、出力端子107a,107b、バイアス制御信号入力端子110a,110bおよび出力検出信号の出力端子111a,111bなどに対応するものである。配線基板3の内部、すなわち絶縁体層11の間にも導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されているが、図5では簡略化のために図示を省略している。また、配線基板3の導体層により形成される配線パターンのうち、基準電位供給用の配線パターン(例えば配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cなど)は、絶縁体層11の配線形成面の大半の領域を覆うようなベタパターンで形成し、伝送線路用の配線パターンは帯状のパターンで形成することができる。
【0039】
配線基板3を構成する各導体層(配線層)は、必要に応じて絶縁体層11に形成されたビアホール(スルーホール)13内の導体または導体膜を通じて電気的に接続されている。従って、配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、必要に応じて配線基板3の上面3aおよび/または内部の配線層(絶縁体層11間の配線層)やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。なお、ビアホール13のうち、半導体チップ2の下方に設けられたビアホール13aは、半導体チップ2で生じた熱を配線基板3の下面3b側に伝導させるためのサーマルビアとして機能することもできる。
【0040】
半導体チップ2は、図1の回路ブロック図において半導体チップ2を示す点線で囲まれた回路構成に対応する半導体集積回路が形成された半導体チップ2である。本実施の形態では、半導体チップ2内(または半導体チップ2の表層部分)に、図2に示されるようなSBD検波方式の検出回路109A,109Bが、半導体集積回路の一部として形成されている。従って、半導体チップ2内(または表層部分)には、電力増幅回路102A,102B(の増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3)を構成するLDMOSFET素子と、電力増幅回路102A,102Bの出力電力を検出するための検出回路109A,109Bを構成するショットキバリアダイオード素子、容量(キャパシタ)素子および抵抗素子とを含む半導体集積回路が形成されている。すなわち、電力増幅回路102A,102B用のLDMOSFET素子と、検出回路109A,109B用のショットキバリアダイオード素子、容量素子および抵抗素子とが、同じ半導体チップ2内に形成されている。半導体チップ2は、例えば、単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)に半導体集積回路を形成した後、必要に応じて半導体基板の裏面研削を行ってから、ダイシングなどにより半導体基板を各半導体チップ2に分離したものである。
【0041】
配線基板3の半導体チップ2搭載領域には、キャビティと称する平面矩形状の窪み(凹部)14が設けられており、半導体チップ2は配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに、例えば半田15などの接合材(接着剤)によりフェイスアップでダイボンディングされている。半導体チップ2のダイボンディングには、半田15の代わりに銀ペーストなどを用いることもできる。半導体チップ2の表面(上面)に形成された電極(ボンディングパッド)2aは、ボンディングワイヤ8を介して配線基板3の上面3aの基板側端子12aに電気的に接続されている。また、半導体チップ2の裏面には裏面電極2b(後述する裏面電極89に対応)が形成されており、この半導体チップ2の裏面電極2bは、配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに半田15などの接合材により接続(接合)され、更にビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cに電気的に接続されている。
【0042】
受動部品4は、抵抗素子(例えばチップ抵抗)、容量素子(例えばチップコンデンサ)またはインダクタ素子(例えばチップインダクタ)などの受動素子からなり、例えばチップ部品からなる。受動部品4は、配線基板3の上面3aの基板側端子12aに半田17などの導電性の良い接合材(接着剤)により実装されている。半導体チップ2または受動部品4が電気的に接続された配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、配線基板2の内部の配線層やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。また、本実施の形態では、検出回路109A,109B用のショットキバリアダイオード素子は半導体チップ2内に形成しているので、半導体チップ2内に形成されたショットキバリアダイオード以外のショットキバリアダイオード素子は、配線基板3の上面3a上には搭載されていない。
【0043】
封止樹脂5は、半導体チップ2、受動部品4およびボンディングワイヤ8を覆うように配線基板3上に形成されている。封止樹脂5は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂材料からなり、フィラーなどを含有することもできる。
【0044】
本実施の形態では、上記のように、電力増幅回路102A,102Bとともに、ショットキバリアダイオードを使用したSBD検波方式の検出回路109A,109Bも半導体チップ2内(または表層部分)に形成している。すなわち、電力増幅回路102A,102Bを構成するLDMOSFET素子と、検出回路109A,109B用を構成するショットキバリアダイオード素子、キャパシタ素子および抵抗素子とを、半導体チップ2に形成される半導体集積回路の一部として形成している。このため、SBD検波方式の検出回路109A,109B用の部品を半導体チップ2外部の配線基板3上に搭載する必要がない。従って、RFパワーモジュール1の平面寸法を小さくすることができ、RFパワーモジュール1の小型化が可能になる。例えば、図3の比較例のRFパワーモジュール201に比較して、図4および図5の本実施の形態のRFパワーモジュール1の平面寸法を(検出回路209B用の配線基板領域に対応する分だけ)小さくすることができる。また、半導体チップ2に電力増幅回路102A,102BとSBD検波方式の検出回路109A,109Bとを集積化しているので、増幅素子であるLDMOSFETのすぐ近くにSBD検波方式の検出回路109A,109Bを配置することが可能となり、検出回路109A,109Bがボンディングワイヤ8や配線基板3の配線の寄生抵抗や寄生インダクタンスの影響を受けにくく、ロスが少なく、外乱の影響を受けにくい構造とすることができる。
【0045】
次に、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の構造を図面を参照して説明する。図6は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の要部断面図である。
【0046】
図6に示される本実施の形態の半導体装置は、上記電力増幅回路102A,102Bや検出回路109A,109Bが形成された半導体チップ2に対応しており、本実施の形態の半導体装置が形成される半導体基板21は、例えば、LDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)が形成されるLDMOSFET形成領域21A、ショットキバリアダイオード素子が形成されるSBD形成領域21B、容量(キャパシタ)素子が形成されるキャパシタ形成領域21Cおよび抵抗素子が形成される抵抗素子形成領域21Dを有している。LDMOSFET形成領域21Aに形成されるLDMOSFETは、上記電力増幅回路102A,102B(の各増幅段102A1〜102A3,102B1〜102B3)を構成するLDMOSFETに対応し、SBD形成領域21Bに形成されるショットキバリアダイオード素子は、上記検出回路109A,109Bを構成するショットキバリアダイオード素子に対応し、キャパシタ形成領域21Cに形成される容量素子は、上記検出回路109A,109Bを構成する容量素子に対応し、抵抗素子形成領域21Dに形成される抵抗素子は、上記検出回路109A,109Bを構成する抵抗素子に対応する。
【0047】
図6に示されるように、例えばp+型のシリコン(Si)単結晶からなり、その抵抗率(比抵抗)が例えば1〜10mΩ・cm程度の低抵抗基板とされている半導体基板(以下、単に基板という)21の主面上には、例えば抵抗率(比抵抗)が20Ωcm程度で膜厚が2μm程度のp型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層22が形成されている。エピタキシャル層22の不純物濃度は基板21の不純物濃度よりも低く、エピタキシャル層22の抵抗率は基板21の抵抗率よりも高い。エピタキシャル層22の主面には、絶縁体からなる素子分離領域25が形成され、各素子間を電気的に分離している。
【0048】
LDMOSFET形成領域21Aのエピタキシャル層22の主面の一部には、p型ウエル26が形成されている。このp型ウエル26は、LDMOSFETのドレインからソースへの空乏層の延びを抑えるパンチスルーストッパとしての機能を有している。p型ウエル26の表面には、酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜28を介してLDMOSFETのゲート電極32が形成されている。ゲート電極32は、例えばn型多結晶シリコン膜29とタングステンシリサイド(WSiX)膜のような金属シリサイド膜30との積層膜からなる。ゲート電極32の下部のp型ウエル26は、LDMOSFETのチャネルが形成される領域となる。ゲート電極32の側壁には、酸化シリコンなどからなるサイドウォールスペーサ38が形成されている。
【0049】
LDMOSFET形成領域21Aにおいて、エピタキシャル層22の内部のチャネル形成領域を挟んで互いに離間する領域には、LDMOSFETのソース、ドレインが形成されている。ドレインは、チャネル形成領域に接するn-型オフセットドレイン領域(第1低濃度領域)35と、このn-型オフセットドレイン領域35に接し、チャネル形成領域から離間して形成されたn型オフセットドレイン領域(第2低濃度領域)39と、n型オフセットドレイン領域39に接し、チャネル形成領域からさらに離間して形成されたn+型ドレイン領域(高濃度オフセット領域)42とからなる。これらn-型オフセットドレイン領域35、n型オフセットドレイン領域39およびn+型ドレイン領域領域42のうち、ゲート電極32に最も近いn-型オフセットドレイン領域35は不純物濃度が最も低く、ゲート電極32から最も離間したn+型ドレイン領域42は不純物濃度が最も高い。n-型オフセットドレイン領域35は、ゲート電極32に対して自己整合で形成され、n型オフセットドレイン領域39は、ゲート電極32の側壁のサイドウォールスペーサ38に対して自己整合で形成されている。
【0050】
このように、LDMOSFET形成領域21Aに形成されるLDMOSFETは、ゲート電極32とn+型ドレイン領域42との間に介在するオフセットドレイン領域を二重オフセット構造とし、ゲート電極32に最も近いn-型オフセットドレイン領域35の不純物濃度を相対的に低く、ゲート電極32から離間したn型オフセットドレイン領域39の不純物濃度を相対的に高くしている。この構造により、ゲート電極32とドレインとの間に空乏層が広がるようになる結果、ゲート電極32とその近傍のn-型オフセットドレイン領域35との間に形成される帰還容量(Cgd)は小さくなる。また、n型オフセットドレイン領域39の不純物濃度が高いことから、LDMOSのオン抵抗(Ron)も小さくなる。n型オフセットドレイン領域39は、ゲート電極32から離間した位置に形成されているために、帰還容量(Cgd)に及ぼす影響は僅かである。このため、オン抵抗(Ron)と帰還容量(Cgd)を共に小さくすることができるので、電力増幅回路の電力付加効率を向上させることができる。
【0051】
一方、LDMOSFET形成領域21Aに形成されるLDMOSFETのソースは、チャネル形成領域に接するn-型ソース領域(低濃度領域)36と、このn-型ソース領域36に接し、チャネル形成領域から離間して形成されたn+型ソース領域(高濃度領域)43とからなる。チャネル形成領域に接するn-型ソース領域36は、チャネル形成領域から離間したn+型ソース領域43に較べて不純物濃度が低く、かつ浅く形成されている。また、n-型ソース領域36の下部には、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりを抑制し、さらに短チャネル効果を抑制するためのp型ハロー領域37が形成されている。n-型ソース領域36は、ゲート電極32に対して自己整合で形成され、n+型ソース領域43は、ゲート電極32の側壁のサイドウォールスペーサ38に対して自己整合で形成されている。
【0052】
LDMOSFET形成領域21Aにおいて、n+型ソース領域43の端部(n-型ソース領域36と接する側と反対側の端部)には、n+型ソース領域43と隣り合うようにp型打抜き層24が形成されている。このp型打抜き層24の表面近傍には、p型打抜き層24の表面を低抵抗化するためのp+型半導体領域46が形成されている。p型打抜き層24は、LDMOSFETのソースと基板21とを接続するための導電層であり、エピタキシャル層22に形成した溝23の内部に埋め込んだp型多結晶シリコン膜により形成されている。溝23はエピタキシャル層22を貫通しており、p型打抜き層24の底部は基板21に到達している。またp型打抜き層24は、溝23の内部に埋め込んだp型多結晶シリコン膜のかわりに高濃度かつ高エネルギーのp形不純物のイオン注入により形成してもよい。
【0053】
SBD形成領域21Bのエピタキシャル層22には、n型ウエル27が形成されている。n型ウエル27には、n型ウエル27よりも不純物濃度が高いn+型半導体領域(n+型不純物拡散層、n+型カソード領域)44が複数形成されている。複数のn+型半導体領域44の間のn型ウエル27上に、例えばタングステン(W)などの金属材料からなる複数のショットキ電極(金属電極、アノード領域、アノード電極)52が形成されている。すなわち、隣り合うn+型半導体領域のn型ウエル27上に、ショットキ電極52が形成されている。各ショットキ電極52とn型ウエル27との間には、ショットキ接合が形成されている。すなわち、ショットキ電極52がアノード領域となり、n型ウエル27がカソード領域となる。n型ウエル27の不純物濃度は、ショットキ電極52との間にショットキ接合を形成できるような不純物濃度に調整されている。また、ショットキ電極52とn型ウエル27とが接触した領域(ショットキ接合部またはショットキ接合面)は、リーク防止用のp+型ガードリング層(p+型半導体領域)47によって囲まれており、p+型ガードリング層47の内側のn型ウエル27とショットキ電極52の下面とが接触してその間にショットキ接合が形成される。ショットキ電極52の下面の端部領域はp+型ガードリング層47とオーバーラップして接触している。
【0054】
抵抗素子形成領域21Dの素子分離領域25の上部には、不純物を導入したシリコン膜、例えばn型多結晶シリコン膜(リン(P)などのn型の不純物をドープ(導入)した多結晶シリコン膜)からなる抵抗素子33が形成されている。
【0055】
エピタキシャル層22上には、ゲート電極32、ショットキ電極52および抵抗素子33を覆うように、相対的に薄い窒化シリコン膜とその上の相対的に厚い酸化シリコン膜とからなる絶縁膜(層間絶縁膜)61が形成されている。絶縁膜61にはコンタクトホール(開口部)62が形成されており、コンタクトホール62内にはタングステン(W)膜を主体とする導電膜からなるプラグ(導体部)63が形成されている。プラグ63は、LDMOSFET形成領域21Aのn+型ドレイン領域42、n+型ソース領域43、p型打抜き層24(p+型半導体領域46)、SBD形成領域21Bの複数のn+型半導体領域44、複数のショットキ電極52、および抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部の上部に形成され、それらに電気的に接続されている。
【0056】
プラグ63が埋め込まれた絶縁膜61上には、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜64が形成されている。絶縁膜64には配線溝(開口部、配線開口部)65が形成されており、配線溝65内にはタングステン(W)膜などを主体とする導電膜からなる配線(第1層配線)66が形成されている。配線66はプラグ63と電気的に接続されている。
【0057】
配線66のうちのソース電極71は、プラグ63を介してLDMOSFETのソース(n+型ソース領域43)に電気的に接続されるとともに、プラグ63を介してp型打抜き層24(p+型半導体領域46)に電気的に接続され、p型打抜き層24を介して更に基板21(および後述の裏面電極89)に電気的に接続されている。従って、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域43)は、プラグ63、ソース電極71およびプラグ63を介して、p型打抜き層24(p+型半導体領域46)に電気的に接続され、更にp型打抜き層24を介して基板21(および後述の裏面電極89)に電気的に接続される。また、配線66のうちのドレイン電極72は、プラグ63を介してLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域42)に電気的に接続されている。また、配線66のうちのカソード電極73は、プラグ63を介してSBD形成領域21Bの複数のn+型半導体領域44に電気的に接続されている。また、配線66のうちのアノード電極74は、プラグ63を介してSBD形成領域21Bの複数のショットキ電極52に電気的に接続されている。また、配線66のうちのキャパシタ形成領域21Cに形成された下部電極75は、MIM(Metal Insulator Metal)型の容量素子(MIMキャパシタ)87の下部電極となる。
【0058】
複数のショットキ電極52はプラグ63およびアノード電極74を介して互いに電気的に接続され、複数のn+型半導体領域44はプラグ63およびカソード電極73によって互いに電気的に接続されており、それによって複数のショットキ電極52とn型ウエル27との間に形成された複数のショットキ接合部は並列に接続されて、ショットキダイオード素子がSBD形成領域21Bに形成されている。ショットキバリアダイオード素子は、Siからなるn型ウエル27と金属電極であるショットキ電極52との仕事関数の差によってダイオード特性(整流特性)を得ることができる。本実施の形態では、複数のショットキ電極52により形成された複数のショットキ接合部を並列に接続してショットキダイオード素子を形成し、隣り合うショットキ接合部間のn+型半導体領域44にプラグ63を介してカソード電極73を電気的に接続することで、寄生抵抗を増大させることなくショットキ接合のトータル面積を増大させることができる。
【0059】
また、SBD形成領域21Bに形成されたショットキダイオード素子は、LDMOSFET形成領域21AのLDMOSFET素子に直接接続されているような構造ではなく、基板21(のLDMOSFET素子やショットキダイオード素子を形成する側の主面)に形成される他の受動素子(ショットキダイオード以外の受動素子、例えば容量素子87や抵抗素子33)を介してLDMOSFET形成領域21AのLDMOSFET素子に電気的に接続されている。このため、ショットキダイオード素子のアノード電極74またはカソード電極73は、基板21(のLDMOSFET素子やショットキダイオード素子を形成する側の主面)に形成された他の受動素子(ショットキダイオード以外の受動素子、例えば容量素子87や抵抗素子33)に電気的に接続されている。
【0060】
配線66が埋め込まれた絶縁膜64上には、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜81が形成されている。キャパシタ形成領域21Cの絶縁膜81には開口部82が形成されており、開口部82から露出する下部電極75上にはMIM型の容量素子87の容量絶縁膜として機能する絶縁膜83が形成されている。また、絶縁膜64には、その底部で配線66を露出する開口部84も形成されている。
【0061】
配線66には、絶縁膜81上に形成された第2層配線としての配線85が、開口部84を介して接続されている。配線85は、例えばアルミニウム(Al)合金膜を主体とする導電膜で構成されている。キャパシタ形成領域21Cでは、下部電極75上に絶縁膜83を介して形成された上部電極86により、MIM型の容量素子87が形成されている。
【0062】
絶縁膜81上には、配線85を覆うように、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などからなる表面保護膜88が形成されている。また、基板21の裏面(エピタキシャル層22を形成した側とは逆側の主面)には、例えばニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜、Ni膜および金(Au)膜の積層膜などからなる裏面電極(裏面ソース電極)89が形成されている。裏面電極89は、p型打抜き層24、プラグ63およびソース電極71を通じて、LDMOSFETのソース領域に電気的に接続されている。この裏面電極89が、半導体チップ2の上記裏面電極2bに対応する。
【0063】
次に、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程を図面を参照して説明する。図7〜図14は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程中の要部断面図であり、上記図6に対応する断面が示されている。
【0064】
まず、図7に示されるように、p型単結晶シリコンからなる基板21を準備し、この基板21の主面上に周知のエピタキシャル成長法を用いてp型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層22を形成する。
【0065】
次に、LDMOSFET形成領域21Aにおいて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてエピタキシャル層22の一部(打抜き層形成領域)をエッチングし、基板21に達する溝23を形成する。それから、溝23の内部を含む基板21上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いてp型多結晶シリコン膜を溝23内を埋めるように堆積した後、溝23の外部のp型多結晶シリコン膜をエッチバック法などで除去することにより、溝23の内部にp型多結晶シリコン膜からなるp型打抜き層24を形成する。p型打抜き層24は、エピタキシャル層22を貫通し、p型打抜き層24の底部は基板21に到達している。このように、不純物をドープしたp型多結晶シリコン膜を溝23の内部に埋め込むことにより、寄生抵抗の小さいp型打抜き層24を形成することができる。なお、多結晶シリコン膜に代えて溝23の内部に金属膜を埋め込むことにより、さらに寄生抵抗の小さい打抜き層を形成することもできる。また、寄生抵抗の小さい打ち抜き層が不要である場合には、高濃度かつ高エネルギーのp型不純物のイオン注入によりp型打抜き層24を形成してもよい。
【0066】
次に、エピタキシャル層22の主面に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより絶縁体からなる素子分離領域25を形成する。
【0067】
次に、図8に示されるように、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてエピタキシャル層22の一部にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、パンチスルーストッパ用のp型ウエル26を形成する。p型ウエル26は、LDMOSFET形成領域21Aの一部に形成され、主としてLDMOSFETのソース形成領域とチャネル形成領域とに形成される。
【0068】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてSBD形成領域21Bのエピタキシャル層22にリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n型ウエル27を形成する。
【0069】
次に、エピタキシャル層22の表面をフッ酸などで洗浄した後、基板21を例えば800℃程度で熱処理(熱酸化処理)することなどによって、エピタキシャル層22の表面に例えば膜厚11nm程度の酸化シリコン膜などからなるゲート絶縁膜形成用の絶縁膜28aを形成する。絶縁膜28aは、熱酸化膜に代えて、窒素を含む酸化シリコン膜、いわゆる酸窒化膜を適用してもよい。この場合は、絶縁膜28aの界面におけるホットエレクトロンのトラップを低減することができる。また、熱酸化膜の上部にCVD法で酸化シリコン膜を堆積し、これら2層の酸化膜で絶縁膜28aを構成してもよい。
【0070】
次に、LDMOSFET形成領域21Aの絶縁膜28aの上部にゲート電極32を形成する。ゲート電極32を形成するには、例えば、エピタキシャル層22の主面上(すなわち絶縁膜28a上)にCVD法などによりn型多結晶シリコン膜(リン(P)などのn型の不純物をドープ(導入)した多結晶シリコン膜)29を堆積し、それからn型多結晶シリコン膜29上にCVD法などによりタングステンシリサイド(WSiX)膜のような金属シリサイド膜30を堆積し、さらに金属シリサイド膜30上にCVD法などにより酸化シリコン膜などからなる絶縁膜(キャップ絶縁膜)31を堆積した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて絶縁膜31、金属シリサイド膜30およびn型多結晶シリコン膜29をパターニングする。これにより、パターニングされたn型多結晶シリコン膜29およびその上の金属シリサイド膜30からなるゲート電極32が、LDMOSFET形成領域21Aのp型ウエル26の表面に絶縁膜28aを介して形成される。ゲート電極32の下の絶縁膜28aが、LDMOSFETのゲート絶縁膜28となる。
【0071】
次に、抵抗素子形成領域21Dの素子分離領域25の上部に、不純物を導入したシリコン膜、例えばn型多結晶シリコン膜(リン(P)などのn型の不純物をドープ(導入)した多結晶シリコン膜)33aからなる抵抗素子33を形成する。例えば、エピタキシャル層22の主面上にCVD法などによりn型多結晶シリコン膜33aを堆積し、それからn型多結晶シリコン膜33a上にCVD法などにより酸化シリコン膜などからなる絶縁膜(キャップ絶縁膜)34を堆積した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて絶縁膜34およびn型多結晶シリコン膜33aをパターニングする。これにより、パターニングされたn型多結晶シリコン膜33aからなる抵抗素子33が抵抗素子形成領域21Dに形成される。p型多結晶シリコン膜により抵抗素子33を形成することもできる。抵抗素子33を構成するシリコン膜の不純物濃度は、抵抗素子33に要求される抵抗率などを勘案して選択することができる。また、抵抗素子33を形成してから、絶縁膜28aやゲート電極32を形成することもできる。
【0072】
次に、図9に示されるように、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてLDMOSFET形成領域21Aのエピタキシャル層22の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n-型オフセットドレイン領域35を形成する。n-型オフセットドレイン領域35は、その端部がチャネル形成領域と接するように、ゲート電極32の側壁下部で終端する。n-型オフセットドレイン領域35の不純物濃度を低くすることにより、ゲート電極32とドレインとの間に空乏層が広がるようになるので、両者の間に形成される帰還容量(ドレインとゲート電極間の寄生容量、Cgd)が低減される。
【0073】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてLDMOSFET形成領域21Aのp型ウエル26の表面にヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n-型ソース領域36を形成する。n-型ソース領域36は、その端部がチャネル形成領域と接するように、ゲート電極32の側壁下部で終端する。n-型ソース領域36を比較的浅く形成することにより、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりを抑制できるので、しきい値電圧の低下を抑制することができる。
【0074】
次に、上記n-型ソース領域36形成のためのイオン注入に引き続いて、LDMOSFET形成領域21Aのp型ウエル26の表面にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、n-型ソース領域36の下部にp型ハロー領域37を形成する。このとき、基板21の主面に対して斜め方向から不純物をイオン注入する斜めイオン注入法を用いる。p型ハロー領域37は、必ずしも形成する必要はないが、これを形成した場合は、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりがさらに抑制され、さらに短チャネル効果が抑制されるので、しきい値電圧の低下をさらに抑制することができる。
【0075】
次に、ゲート電極32の側壁に酸化シリコン(絶縁膜)などからなるサイドウォールスペーサ(側壁絶縁膜、側壁スペーサ)38を形成する。サイドウォールスペーサ38は、例えば、基板21上にCVD法などで酸化シリコン膜(絶縁膜)を堆積した後、この酸化シリコン膜(絶縁膜)を異方性エッチングして形成することができる。このゲート電極32の側壁へのサイドウォールスペーサ38形成工程で、抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の側壁上にも、サイドウォールスペーサ38と同様のサイドウォールスペーサ(側壁絶縁膜、側壁スペーサ)38aが形成される。
【0076】
次に、LDMOSFET形成領域21Aのn-型オフセットドレイン領域35の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、n-型オフセットドレイン領域35の一部には、ゲート電極32のドレイン側の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ38に対して自己整合的にn型オフセットドレイン領域39が形成される。n-型オフセットドレイン領域35形成のためのイオン注入工程と、n型オフセットドレイン領域39形成のためのイオン注入工程とで、イオン注入の加速エネルギーを同じにすることで、n型オフセットドレイン領域39の接合深さは、n-型オフセットドレイン領域35の接合深さとほぼ同じになる。また、n型オフセットドレイン領域39に注入された不純物は、n-型オフセットドレイン領域35に注入された不純物と同じ導電型(ここではn型)の不純物なので、n型オフセットドレイン領域39の不純物濃度は、n-型オフセットドレイン領域35の不純物濃度よりも高くなる。また、n-型オフセットドレイン領域35は、ゲート電極32に対して自己整合的に形成されるのに対し、n型オフセットドレイン領域39は、ゲート電極32の側壁のサイドウォールスペーサ38に対して自己整合的に形成されることから、n型オフセットドレイン領域39は、ゲート長方向に沿ったサイドウォールスペーサ38の膜厚に相当する分、ゲート電極32から離間して形成される。
【0077】
次に、図10に示されるように、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39の一部とソース形成領域のp型ウエル26とSBD形成領域21Bのn型ウエル27の一部のそれぞれの上部に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとして、n型オフセットドレイン領域39とp型ウエル26とn型ウエル27とのそれぞれの一部にヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39の一部には、n型オフセットドレイン領域39よりも不純物濃度が高く、かつn型オフセットドレイン領域39よりもさらにチャネル形成領域から離間したn+型ドレイン領域42が形成され、また、LDMOSFET形成領域21Aのp型ウエル26には、n-型ソース領域36よりも不純物濃度が高く、かつn-型ソース領域36よりも底部の位置(接合深さ)が深いn+型ソース領域43が形成され、また、SBD形成領域21Bのn型ウエル27には、n型ウエル27よりも不純物濃度が高い複数のn+型半導体領域(n+型不純物拡散層、n+型カソード領域)44が形成される。n+型半導体領域44は、ここからショットキバリアダイオードのカソード電極を取り出す(接続する)ために形成されている。また、n+型ソース領域43は、ゲート電極32の側壁のサイドウォールスペーサ38に対して自己整合的に形成され、n-型ソース領域36に接して形成される。このため、n+型ソース領域43は、ゲート長方向に沿ったサイドウォールスペーサ38の膜厚に相当する分、チャネル形成領域から離間して形成される。
【0078】
ここまでの工程により、図10に示されるように、n-型オフセットドレイン領域35とn型オフセットドレイン領域39とn+型ドレイン領域42とからなるドレイン(ドレイン領域)、n-型ソース領域36とn+型ソース領域43とからなるソース(ソース領域)、およびゲート電極32を有するLDMOSFETのようなMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)がLDMOSFET形成領域21A(のエピタキシャル層2の主面)に形成される。なお、本実施の形態でMOSFETというときは、ゲート絶縁膜に酸化膜(酸化シリコン膜)を用いたMISFETだけでなく、酸化膜(酸化シリコン膜)以外の絶縁膜をゲート絶縁膜に用いたMISFETも含むものとする。
【0079】
次に、図11に示されるように、LDMOSFET形成領域21Aのp型打抜き層24の上部とSBD形成領域21Bのn型ウエル27の一部上に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクにして、p型打抜き層24の表面とSBD形成領域21Bのn型ウエル27の一部とにフッ化ホウ素(BF2)などのp型の不純物をイオン注入する。これにより、p型打抜き層24の上部領域にp+型半導体領域46を形成し、SBD形成領域21Bのn型ウエル27にp+型ガードリング層(p+型半導体領域)47を形成する。p型打抜き層24の上部領域にp+型半導体領域46を形成することで、p型打抜き層24の表面を低抵抗化することができる。また、SBD形成領域21Bのn型ウエル27に形成されたp+型ガードリング層47は、ショットキバリアダイオードのショットキ接合の形成予定領域の周囲を囲むように形成され、ショットキバリアダイオードのガードリングとして機能し、リーク防止機能を有することができる。
【0080】
次に、図12に示されるように、エッチングなどによりSBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域上の絶縁膜(例えば絶縁膜28aなど)を除去してその表面(ショットキ接合形成予定領域のn型ウエル27の表面)を露出させた後、エピタキシャル層22上に例えばタングステン(W)などからなる金属膜を形成し、この金属膜をフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてパターニング(ドライエッチング)することにより、パターニングされた金属膜からなる複数のショットキ電極(金属電極、アノード電極)52をSBD形成領域21Bに形成する。エッチングによりSBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域上の絶縁膜(例えば絶縁膜28aなど)を除去する際には、ショットキ接合形成予定領域の上部に開口部を有するエッチングマスク層(例えばフォトレジストパターン、図示せず)を用いてエッチングを行うことで、ショットキ接合形成予定領域以外の領域では絶縁膜(例えば絶縁膜28aなど)を除去せずに残存させ、その後エッチングマスク層を除去してからショットキ電極52形成用の金属膜を形成すればより好ましい。ショットキ電極52を構成する金属材料としては、例えばタングステン(W)またはチタン(Ti)などを用いることができる。上記のようにショットキ接合形成予定領域のn型ウエル27の表面を露出させてからショットキ電極52形成用の金属膜を形成しているので、ショットキ接合形成予定領域のn型ウエル27と金属材料からなるショットキ電極52とは接触している。これにより、ショットキ接合形成予定領域において、ショットキ電極52とn型ウエル27との間にショットキ接合(ショットキー接合)が形成され、ショットキダイオードがSBD形成領域21Bに形成されることになる。また、ショットキ電極52とn型ウエル27とが接触した領域(ショットキ接合部またはショットキ接合面)は、p+型ガードリング層47によって囲まれており、p+型ガードリング層47の内側のn型ウエル27とショットキ電極52とが接触してその間にショットキ接合が形成される。
【0081】
次に、図13に示されるように、基板21上に絶縁膜(層間絶縁膜)61を例えばCVD法などを用いて形成する。絶縁膜61の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理して絶縁膜61の表面を平坦化する。絶縁膜61は、例えば相対的に薄い窒化シリコン膜とその上の相対的に厚い酸化シリコン膜とからなり、下層側の窒化シリコン膜は、後述するコンタクトホール62形成時のエッチングストッパ膜として機能することができる。また、絶縁膜61として、酸化シリコン膜などの単体膜を用いることもできる。
【0082】
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクにして絶縁膜61をドライエッチングすることにより、LDMOSFET形成領域21AのLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域42)、ソース(n+型ソース領域43)およびp型打抜き層24(p+型半導体領域46)、SBD形成領域21Bの複数のn+型半導体領域44および複数のショットキ電極52、抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部のそれぞれの上部にコンタクトホール(開口部)62を形成する。
【0083】
次に、コンタクトホール62の内部にタングステン(W)膜を主体とするプラグ(導電体部、コンタクト層)63を埋め込む。プラグ63は導電体からなる。例えば、コンタクトホール62の内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜61上にバリア膜(例えば窒化チタン膜など)を形成した後、タングステン膜をCVD法などによってバリア膜上にコンタクトホール62を埋めるように形成し、絶縁膜61上の不要なタングステン膜およびバリア膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグ63を形成することができる。コンタクトホール62に埋め込まれたプラグ63は、コンタクトホール62の底部でLDMOSFET形成領域21Aのn+型ドレイン領域42、n+型ソース領域43、p型打抜き層24(p+型半導体領域46)、SBD形成領域21Bのn+型半導体領域44、ショットキ電極52、または抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33に電気的に接続される。
【0084】
次に、プラグ63が埋め込まれた絶縁膜61上に例えば酸化シリコン膜などからなる絶縁膜64をCVD法などにより形成する。それから、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして絶縁膜64をドライエッチングすることにより、絶縁膜64に配線溝(開口部、配線開口部)65を形成する。このとき、配線溝65の底部では、プラグ63の上面が露出される。
【0085】
次に、配線溝65内に配線(第1層配線)66を形成する。例えば、配線溝65の底部および側壁上を含む絶縁膜64上にバリア膜(例えば窒化チタン膜)をスパッタリング法などにより形成し、タングステン膜をCVD法などによってバリア膜上に配線溝65を埋めるように形成し、CMP法またはエッチバック法などによって絶縁膜64上の不要なタングステン膜およびバリア膜を除去し、配線溝65内にバリア膜およびタングステン膜を残すことにより、配線(第1層配線)66を配線溝65内に形成する。この配線66により、ソース電極71、ドレイン電極72、カソード電極73、アノード電極74および下部電極75が形成される。
【0086】
また、配線(第1層配線)66は、Wなどの金属のスパッタリング後にフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングし、形成してもよい。ただしこの場合、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜64は形成せず、後述する絶縁膜81がこの絶縁膜64の機能を兼ねる。
【0087】
形成された配線66のうち、ソース電極71は、プラグ63を介してLDMOSFETのソース(n+型ソース領域43)に電気的に接続されるとともに、プラグ63を介してp型打抜き層24(p+型半導体領域46)に電気的に接続され、p型打抜き層24を介して更に基板21(および後で形成する裏面電極89)に電気的に接続される。従って、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域43)は、プラグ63、ソース電極71およびプラグ63を介して、p型打抜き層24(p+型半導体領域46)に電気的に接続され、更にp型打抜き層24を介して基板21(および後で形成する裏面電極89)に電気的に接続される。また、形成された配線66のうち、ドレイン電極72は、プラグ63を介してLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域42)に電気的に接続される。また、形成された配線66のうち、カソード電極73は、プラグ63を介して複数のn+型半導体領域44に電気的に接続される。また、形成された配線66のうち、アノード電極74は、プラグ63を介して複数のショットキ電極52に電気的に接続される。また、配線66のうち、キャパシタ形成領域21Cに形成された下部電極75は、キャパシタ(容量素子)の下部電極となる。
【0088】
次に、図14に示されるように、配線66が埋め込まれた絶縁膜64上に、例えば酸化シリコン膜などからなる絶縁膜81をCVD法などにより形成する。それから、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして絶縁膜81をドライエッチングすることにより、キャパシタ形成領域21Cの絶縁膜81に開口部82を形成する。開口部82の底部では下部電極75が露出する。
【0089】
次に、開口部82の底部および側壁上を含む絶縁膜81上に、キャパシタの容量絶縁膜としての絶縁膜83(例えば窒化シリコン膜または炭化シリコン膜など)を形成し、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてこの絶縁膜83をパターニングする。パターニングされた絶縁膜83が開口部82の底部の下部電極75上に残存し、キャパシタの容量絶縁膜となる。それから、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして絶縁膜81をドライエッチングすることにより、開口部(スルーホール)84を形成する。開口部84の底部では配線66が露出する。
【0090】
次に、絶縁膜81上に、開口部82,84内を埋めるように、例えばアルミニウム(Al)合金膜を主体とする導電体膜を形成し、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてこの導電体膜をパターニングすることで、パターニングされた導電体膜により配線(第2層配線)85を形成する。配線85は開口部84の底部で配線66に電気的に接続される。キャパシタ形成領域21Cでは、下部電極75上に絶縁膜83を介して形成された配線85により、キャパシタの上部電極86が形成される。従って、キャパシタ形成領域21Cに、下部電極75、容量絶縁膜としての絶縁膜83および上部電極86により、MIM(Metal Insulator Metal)型の容量素子(MIMキャパシタ)87が形成される。それから、配線85を覆うように絶縁膜81上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などからなる表面保護膜88を形成する。
【0091】
その後、表面保護膜88の一部を選択的に除去して配線85の一部(図示しないパッド部)を露出した後、基板21の裏面(エピタキシャル層22を形成した側の主面とは反対側の主面)を必要に応じて研磨し、続いて基板21の裏面の全面に裏面電極(裏面ソース電極)89を形成する。ここまでの工程により、半導体チップ2内の回路(電力増幅回路102A,102Bおよび検出回路109A,109Bを含む回路)が略完成する。裏面電極89は、例えばニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜をスパッタリング法で順次堆積することによって形成することができる。裏面電極89は、p型打抜き層24、プラグ63およびソース電極71を通じて、LDMOSFETのソースに電気的に接続される。
【0092】
そして、基板21は、半導体チップ(半導体チップ2)に個片化された後、前記図4および図5に示されるように、裏面電極89(すなわち裏面電極2b)を介して配線基板3に半田付けされる。
【0093】
本実施の形態では、上記のように、同じ半導体チップ2内に、電力増幅回路102A,102B用のLDMOSFETと、検出回路109A,109B用のショットキバリアダイオード素子とが形成されており、図6および図14に示されるように、電力増幅回路102A,102B用のLDMOSは半導体チップ2を構成する基板21のLDMOSFET形成領域21Aに形成され、検出回路109A,109B用のショットキバリアダイオード素子は基板21のSBD形成領域21Bに形成されている。
【0094】
一般的なショットキバリアダイオード素子では、n型半導体基板を用いており、アノード電極を半導体基板表面のショットキ接合部から引き出し、カソード電極を半導体基板の裏面から引き出す構造となっている。しかしながら、本実施の形態のように、RFパワーモジュールに用いる半導体装置(半導体チップ)では、電力増幅回路を構成するLDMOSFETの裏面ソース電極を半導体基板の裏面に形成しているため、一般的なショットキバリアダイオード素子のように半導体基板の裏面からカソード電極を引き出すことはできない。このため、ショットキバリアダイオードのカソード電極は、アノード電極と同じく、半導体基板の表面側から引き出すことが必要になる。
【0095】
また、検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)を向上させるためには、検出回路109A,109B用のショットキバリアダイオード素子のショットキ接合の接合面積を大きくしてショットキバリアダイオード素子を流れる電流値を増大させることが必要になる。ショットキバリアダイオード素子のショットキ接合の接合面積を大きくしてショットキバリアダイオード素子を流れる電流値を増大させることで、検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)を向上でき、RFパワーモジュール1の性能を向上させることができる。
【0096】
図15は、発明者が検討した比較例のショットキバリアダイオード素子の構造を示す要部断面図であり、図16はその要部平面図であり、図16のB−B線の断面が図15にほぼ対応する。図15には、SBD形成領域21Bに対応する領域の断面が示されている。なお、図16は平面図であるが、理解を簡単にするためにハッチングを付してある。また、図15の断面図では、簡略化のために、絶縁膜64よりも上の構造の図示を省略している。
【0097】
図15および図16に示される比較例のショットキバリアダイオード素子では、n型ウエル27の表面上に一つの大面積のショットキ電極252(本実施の形態のショットキ電極52に対応)が形成されており、このショットキ電極252とn型ウエル27の間にショットキ接合部(ショットキ接合面)253が形成されている。ショットキ電極252の上方には大面積のアノード電極274(本実施の形態のアノード電極74に対応)が形成されており、ショットキ電極252とアノード電極274とは、複数のコンタクトホール62に埋め込まれた複数のプラグ63によって電気的に接続されている。ショットキ電極252とn型ウエル27との接触領域(ショットキ接合部253)は環状のp+型ガードリング層247(本実施の形態のp+型ガードリング層47に対応)によって囲まれており、p+型ガードリング層247の外周にn+型半導体領域244(本実施の形態のn+型半導体領域44に対応)が形成されている。n+型半導体領域244は、n+型半導体領域244上に形成されたコンタクトホール62に埋め込まれたプラグ63を介して、アノード電極274と同層でアノード電極274を囲む形状のカソード電極273(本実施の形態のカソード電極273に対応)に電気的に接続されている。カソード電極273で囲まれたカソード電極273と同層のアノード電極74は、一つ上層の引き出し電極285(第2層配線に対応)で引き出す(取り出す)ことができる。
【0098】
図15および図16に示されるような比較例の構造のショットキバリアダイオード素子は、カソード電極273とアノード電極274とを基板21の表面側から引き出しており、n型ウエル27を流れる電流経路250は、ショットキ電極252とn型ウエル27との間のショットキ接合部(ショットキ接合面)253近く(すなわちn型ウエル27の表面近く)となり、更にショットキ接合面にほぼ平行(基板21の主面に対して平行)になる。このため、n型ウエル27の寄生抵抗の影響を受けやすくなる。ショットキ電極252とn型ウエル27との間のショットキ接合部253の接合面積が小さいときは、n型ウエル27の寄生抵抗の影響は小さいので電流値は接合面積にほぼ比例するが、ショットキ電極52の面積(平面寸法)を大きくしてショットキ接合の接合面積が大きくなるに従い、電流がn型ウエル27を通過する距離が長くなり(すなわち電流経路250が長くなり)、寄生抵抗が増大する。このため、ショットキ接合の接合面積が大きくなると、ショットキバリアダイオード素子を流れる電流値はショットキ接合の接合面積に比例しなくなり、所望の電流値を得るのに更に余分にショットキ電極252を大きくしてショットキ接合の接合面積を増大させなければならない。このため、ショットキバリアダイオードの面積利用効率が悪くなり、半導体装置(半導体チップ)の大型化を招いてしまう。また、ショットキ接合の接合面積を大きくしたときのショットキバリアダイオード素子の電流増加率が抑制されるので、検出回路109A,109Bの検出感度が充分には向上しない可能性がある。
【0099】
本実施の形態の半導体装置(半導体チップ2に対応)に形成されたショットキバリアダイオード素子(上記SBD形成領域21Bに形成されたショットキバリアダイオード素子)についてより詳細に説明する。図17は、本実施の形態の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の構造を示す要部断面図であり、図18〜図20はその要部平面図である。図17の断面図には、SBD形成領域21Bに対応する領域の断面が示されているが、簡略化のために、絶縁膜81およびそれより上層の構造については図示を省略している。図18のC−C線の断面が図17にほぼ対応する。また、図18〜図20は同じ領域の平面図であるが、図18では、ショットキ電極52、コンタクトホール62a,62b、カソード電極73およびアノード電極74の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略しており、図19では、ショットキ接合部53、p+型ガードリング層47およびn+型半導体領域44の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略しており、図20では、n+型半導体領域44、ショットキ電極52、ショットキ接合部53、およびコンタクトホール62a,62bの平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略している。また、図18は平面図であるが、理解を簡単にするためにハッチングを付してある。
【0100】
本実施の形態では、図17〜図20からも分かるように、SBD形成領域21Bのn型ウエル27の表面上に複数のショットキ電極52が形成され、各ショットキ電極52とn型ウエル27の間にショットキ接合(ショットキ接合部53)が形成されている。各ショットキ電極52は、例えば細長い長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有しており、複数のショットキ電極52が互いに平行に並んで(並列に)配置されている。また、各ショットキ電極52とn型ウエル27との接触領域であるショットキ接合部(ショットキ接合面)53も例えば細長い長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有しており、複数のショットキ接合部53が互いに平行に並んで(並列に)配置されている。このように、複数のショットキ電極52とn型ウエル27との接触領域により複数のショットキ接合部53が互いに離間して形成されており、隣り合うショットキ接合部53の間にはn+型半導体領域44が形成されている。また、並列に並んだ複数のショットキ接合部53のうちの両端のショットキ接合部53の外側にもn+型半導体領域44が設けられている。従って、各ショットキ接合部53の両側に、n+型半導体領域44が存在することになる。換言すれば、隣り合うn+型半導体領域44の間にショットキ接合部53形成されていることになる。各n+型半導体領域44も例えば長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有している。また、複数のショットキ接合部53は、それぞれp+型ガードリング層47によって囲まれており、ショットキ電極52の下面の端部近傍領域はp+型ガードリング層47とオーバーラップして接触している。
【0101】
各ショットキ電極52上にはコンタクトホール62a(コンタクトホール62のうちのコンタクトホール62a)が形成されており、コンタクトホール62aにはプラグ63a(プラグ63のうちのプラグ63a)が埋め込まれている。コンタクトホール62aおよびそこに埋め込まれたプラグ63aの平面形状(レイアウトパターン)は、ショットキ電極52の平面形状に合わせて、例えば細長い長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有している。複数のショットキ電極52の上方には櫛型(フィンガー構造)のアノード電極74が形成されている。各ショットキ電極52は、その上部のコンタクトホール62aに埋め込まれたプラグ63aを介して櫛型のアノード電極74と電気的に接続されている。すなわち、複数のショットキ電極52と櫛型のアノード電極74とは、複数のショットキ電極52の上に形成された複数のプラグ63aによって電気的に接続されている。
【0102】
各n+型半導体領域44上にはコンタクトホール62b(コンタクトホール62のうちのコンタクトホール62b)が形成されており、コンタクトホール62bにはプラグ63b(プラグ63のうちのプラグ63b)が埋め込まれている。コンタクトホール62bおよびそこに埋め込まれたプラグ63bの平面形状(レイアウトパターン)は、n+型半導体領域44の平面形状に合わせて、例えば細長い長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有している。複数のショットキ接合部53の間および両側に設けられた複数の各n+型半導体領域44の上方には櫛型(フィンガー構造)のカソード電極73が形成されている。各n+型半導体領域44は、その上部のコンタクトホール62bに埋め込まれたプラグ63bを介して櫛型のカソード電極73と電気的に接続されている。すなわち、複数のn+型半導体領域44と櫛型のカソード電極73とは、複数のn+型半導体領域44の上に形成された複数のプラグ63bによって電気的に接続されている。
【0103】
櫛型のカソード電極73は、各n+型半導体領域44の上に延在(位置)してプラグ63bを介してn+型半導体領域44に接続する電極部73aと、複数の電極部73aの一方の端部を連結する連結部73bとを有しており、連結部73bと複数の電極部73aとは、ほぼ直交している。カソード電極73の複数の電極部73aは、複数のプラグ63bを介して複数のn+型半導体領域44に接続されている。カソード電極73の複数の電極部73aは、例えば長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有しており、互いに平行に並んで(並列に)配置されている。複数の電極部73aの一方の端部が連結部73bに接続しており、複数の電極部73aは連結部73bによって連結されている。従って、複数のショットキ接合部53の間と両側に形成された複数のn+型半導体領域44は、その上部のコンタクトホール62bを埋める導体部(プラグ63b)およびカソード電極74によって、互いに電気的に接続される。
【0104】
櫛型のアノード電極74は、各ショットキ電極52の上に延在(位置)してプラグ63aを介してショットキ電極52に接続する電極部74aと、複数の電極部74aの一方の端部を連結する連結部74bとを有しており、連結部74bと複数の電極部74aとは、ほぼ直交している。アノード電極74の複数の電極部74aは、複数のプラグ63aを介して複数のショットキ電極52に接続されている。アノード電極74の複数の電極部74aは、例えば長方形状の平面形状(レイアウトパターン)を有しており、互いに平行に並んで(並列に)配置されている。複数の電極部74aの一方の端部が連結部74bに接続しており、複数の電極部74aは連結部74bによって連結されている。従って、複数のショットキ電極52は、その上部のコンタクトホール62aを埋める導体部(プラグ63a)およびアノード電極74によって、互いに電気的に接続される。従って、n型ウエル27上に複数のショットキバリア52を形成することによって形成された複数のショットキ接合(ショットキ接合部53)は、並列に接続されることになる。
【0105】
櫛型のカソード電極73とアノード電極74とは、同層に形成されている(すなわち同層の配線66によって形成されている)が、カソード電極73とアノード電極74とは、互いに接触しないように、カソード電極73の複数の電極部73aとアノード電極74の複数の電極部74bとが交互に並んで配置されている。すなわち、隣り合う電極部73aの間に電極部74aが配置されている。また、カソード電極73の連結部73aと複数の電極部73aの端部とが連結し、アノード電極74の連結部74bと複数の電極部74aの端部とが連結しているが、その連結する端部は、カソード電極73とアノード電極74で互いに逆側に位置している。このような構造にすることで、同層に形成されている櫛型のカソード電極73とアノード電極74とは、互いに接触しないようにすることができる。また、カソード電極73とアノード電極74とは交差しないので、カソード電極73とアノード電極74との間に寄生容量が生じるのを防止することができる。
【0106】
このように、本実施の形態では、図17〜図20に示されるような構造を採用し、ショットキ接合部53のレイアウト(平面レイアウト、レイアウトパターン、平面形状)を細長い長方形状にして、その上部にプラグ63aおよびプラグ63aに接続するアノード電極74を引き出している。そして、各ショットキ接合部53の両隣にn+型半導体領域44を設け、そこから細長い長方形のレイアウトのコンタクトホール62bおよびプラグ63bでカソード電極73を引き出している。このようなレイアウトパターンを繰り返して、全体として櫛型の平面レイアウトとしている。すなわち、一つのn型ウエル27上に、アノードとカソードとが交互に並ぶ構造となっている。
【0107】
一般に、ショットキバリアダイオードのショットキ接合部近傍におけるn型ウエルの不純物濃度は1015〜1017/cm3程度であり、そのシート抵抗値はMOSFETのソース・ドレインなどと比較するとかなり高い。アノード電極を半導体基板表面のショットキ接合部から引き出し、カソード電極を半導体基板の裏面から引き出す構造とした場合は、電流経路はショットキ接合面に対して垂直(半導体基板の主面に対して垂直)になるので、アノード電極近傍(浅い領域)でn型ウエルの不純物濃度をショットキ接合を形成できる程度の低濃度に調整し、半導体基板の深い領域から半導体基板裏面にかけての不純物濃度を高くすることで、寄生抵抗を抑制することができる。
【0108】
しかしながら、本実施の形態では、電力増幅回路102A,102Bを構成するLDMOSFET素子とともに検出回路109A,109Bを構成するショットキバリアダイオード素子を同じ半導体装置(半導体チップ2)内に形成してモノリシック化しているので、半導体装置(半導体チップ2)を構成する基板21の裏面の全面には、グランド(GND)電極となる裏面電極(裏面ソース電極)89が形成されている。このため、一般的なショットキバリアダイオード素子のように基板21の裏面からカソード電極を引き出すことはできない。このため、ショットキバリアダイオードのカソード電極は、アノード電極と同じく、基板(半導体基板)の表面側から引き出すことが必要になる。この場合、ショットキバリアダイオードの電流経路はショットキ接合面に近い領域となり、さらに電流経路はショットキ接合面に対して平行(半導体基板の主面に対して平行)となるので、半導体基板の深い領域から半導体基板裏面にかけての不純物濃度を高くしても寄生抵抗は低減されない。従って、ショットキバリアダイオードの寄生抵抗を低減するには、電流経路を短くすることが重要である。
【0109】
本実施の形態では、図17〜図20に示されるような構造を採用している。すなわち、n型ウエル27上に互いに離間するショットキ電極52を複数設けることで一つのn型ウエル27に(互いに離間する)複数のショットキ接合部53を形成し、ショットキ接合部53の両隣に(すなわち隣り合うショットキ接合部53の間に)n+型半導体領域44を設けてそこからカソード電極73を引き出している。n型ウエル27に複数のショットキ接合部53を形成し、各ショットキ接合部53の両隣から(すなわち隣り合うショットキ接合部53の間から)カソード電極73を引き出しているので、ショットキ接合部53からカソード電極73の取り出し部または接続部(n+型半導体領域44)までの電流経路(n型ウエル27の電流経路)を短くすることができる。このため、ショットキバリアダイオードの寄生抵抗を低減することができ、ショットキバリアダイオード素子を流れる電流値(すなわちショットキバリアダイオード素子の順方向電流)を増大させることができ、また、高周波動作時のロスも低減できる。
【0110】
また、本実施の形態では、ショットキ電極52の数を増やすことで(すなわちショットキ接合部53の数を増やすことで)、電流経路を長くすることなく(すなわち寄生抵抗を増大させることなく)ショットキ接合部53のトータルの接合面積(並列に接続された複数のショットキ接合部53の合計の接合面積)を増大させることができ、効率的にショットキバリアダイオード素子の電流(順方向電流)を増大させることができる。このため、ショットキバリアダイオードを用いたSBD検波方式の検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)を向上させることができる。例えば、ショットキバリアダイオードの順方向電流を大幅に増加させることができるので、整流時の損失が少なくなり、RF(高周波)からDC(直流)への変換効率が高くなり、検出感度を向上させることができる。従って、RFパワーモジュール1の性能を向上させることができる。また、図15および図16に示される比較例の構造に比較して、図17〜図20に示される本実施の形態の構造は、ショットキ接合のトータルの接合面積を同じにした場合、ショットキバリアダイオード素子の平面寸法(面積)は若干増加するが、それ以上に、寄生抵抗低減によるショットキバリアダイオードの電流(順方向電流)の増大効果が大きい。このため、所望の電流値(順方向電流)を得るのに必要なショットキバリアダイオード素子の平面寸法(面積)を最小限にすることができる。従って、ショットキバリアダイオードの面積利用効率を向上でき、半導体装置(半導体チップ)およびそれを搭載したRFパワーモジュールの小型化が可能になる。
【0111】
また、本実施の形態では、カソード電極73とアノード電極74とを同層の配線66により形成し、カソード電極73とアノード電極74とが交差しないような平面レイアウトにしているので、カソード電極73とアノード電極74との間に寄生容量(配線間容量)が生じない。これにより、配線間の寄生容量を抑制し、半導体装置の性能をより向上させることができる。
【0112】
また、本実施の形態では、ショットキバリアダイオード素子とLDMOSFET素子とを一つの基板21上に形成(集積化)しているが、基板21に形成されるショットキバリアダイオード素子は基板21に形成されるLDMOSFET素子に直接接続されているような構造ではなく、その回路構成により基板21に形成される他の受動素子(例えば容量素子87や抵抗素子33)を介してLDMOSFET素子に電気的に接続されている。また、SBD検波方式の検出回路109A,109Bで用いられる各ショットキバリアダイオード素子は、その動作目的が異なり電位を共通にはできないため、各ショットキバリアダイオード素子用の配線は、電位が共通になる基板21の裏面電極ではなく、基板21の上部(表面側の)金属配線によって形成する必要がある。従って、本実施の形態では、ショットキバリアダイオード素子は、他の受動素子(容量素子や抵抗素子など)および能動素子(LDMOSなど)と接続するために、アノード電極およびカソード電極の両方を基板21の上部(表面側)の金属配線により形成する。すなわち、本実施の形態では、カソード電極73を、アノード電極74と同じく基板21の表面側から引き出し、アノード電極74およびカソード電極73の両方を基板21の上部(表面側)の金属配線により形成している。これにより、LDMOSFET素子を有する電力増幅回路102A,102Bとショットキバリアダイオード素子を有するSBD検波方式の検出回路109A,109Bとを同じ基板21に(すなわち同じ半導体チップ2内に)形成(集積化)することができ、RFパワーモジュール1の小型化が可能になる。
【0113】
図21は、ショットキバリアダイオードの電圧−電流特性を示すグラフである。図21のグラフの横軸は、アノード電極とカソード電極との電位差に対応し、図21のグラフの縦軸は、順方向電流の電流密度(ショットキバリアダイオードの順方向電流をショットキ接合のトータル面積で割った値)に対応する。なお、図21のグラフの横軸と縦軸とは任意単位(arbitrary unit)で示されている。
【0114】
また、図21のグラフでは、図15および図16の構造に対応する「比較例(50μm×100μm)」と、図17〜図20の本実施の形態の構造に対応する「本実施の形態の第1の場合(5μm×100μm:10個並列)」および「本実施の形態の第2の場合(10μm×100μm:5個並列)」とが示されている。図21のグラフに示された3つのケースにおいて、ショットキ接合のトータル面積はいずれも同じであり、「比較例(50μm×100μm)」は、一つのショットキ電極252により50μm×100μmのショットキ接合部253が一つ形成された場合に対応し、「本実施の形態の第1の場合(5μm×100μm:10個並列)」は、10個のショットキ電極52により5μm×100μmのショットキ接合部53が10個並列に形成された場合に対応し、「本実施の形態の第2の場合(10μm×100μm:5個並列)」は、5個のショットキ電極52により10μm×100μmのショットキ接合部53が5個並列に形成されてた場合に対応する。
【0115】
図21のグラフからも分かるように、図15および図16の構造(図21のグラフの「比較例」に対応)に比較して、図17〜図20に示される本実施の形態の構造(図21のグラフの「本実施の形態の第1の場合」および「本実施の形態の第2の場合」に対応)の方が、n型ウエル27の電流経路を短くすることができるので、ショットキバリアダイオードの寄生抵抗を低減でき、ショットキバリアダイオード素子の順方向電流を増大させることができる。
【0116】
図22は、ショットキバリアダイオードのショットキ接合のトータル面積と電流値との相関を示すグラフである。図22のグラフの横軸は、ショットキバリアダイオードのショットキ接合のトータル面積に対応し、図22のグラフの縦軸は、所定の電圧を印加したときにショットキバリアダイオードに流れる電流値(順方向電流)に対応する。なお、図22のグラフの横軸と縦軸とは任意単位(arbitrary unit)で示されている。また、図22のグラフでは、図15および図16の構造に対応する「比較例」と、図17〜図20の本実施の形態の構造に対応する「本実施の形態」とが示されている。図22のグラフの「比較例」の場合は、一つのショットキ電極252の面積を増大させることで、ショットキ接合のトータル面積を増加させ、図22のグラフの「本実施の形態」の場合は、並列に接続するショットキ電極52(ショットキ接合53)の数を増やすことで、ショットキ接合のトータル面積を増加させている。
【0117】
図22のグラフからも分かるように、図15および図16の構造(図22のグラフの「比較例」に対応)では、ショットキ接合の接合面積が大きくなるに従い、電流がn型ウエル27を通過する距離が長くなり(すなわち電流経路が長くなり)、寄生抵抗が増大するので、ショットキ接合の接合面積が大きくなると、ショットキバリアダイオード素子の電流値(順方向電流)はショットキ接合の接合面積に比例しなくなる。このため、所望の電流値(順方向電流)を得るのためには、余分にショットキ接合の接合面積を増大させなければならない。
【0118】
それに対して、図17〜図20に示される本実施の形態の構造(図22のグラフの「本実施の形態」に対応)では、一つのn型ウエル27上に複数のショットキ電極52を形成し(すなわち複数のショットキ接合部53を形成し)、各ショットキ接合部53の両隣からカソード電極73を引き出しているので、電流がn型ウエル27を通過する距離(電流経路)を短くすることができる。また、各ショットキ電極52の面積を増やすのではなく、ショットキ電極52の数を増やしてショットキ接合部53の数を増やすことで、電流経路を増大させることなくショットキ接合のトータル面積を増大させることができる。このため、本実施の形態では、ショットキ接合のトータル面積を増大させても寄生抵抗は増大しないので、図22のグラフに示されるように、ショットキバリアダイオード素子の電流値(順方向電流)はショットキ接合の接合面積に比例することになる。従って、所望の電流値(順方向電流)を得るのに必要なショットキバリアダイオード素子の平面寸法(面積)を最小限にすることができる。これにより、半導体装置の小型化と、ショットキバリアダイオードを用いたSBD検波方式の検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)の向上とを両立させることができる。また、ショットキバリアダイオードの電流(順方向電流)をショットキ接合の接合面積に比例させることができるので、半導体基板に形成する半導体集積回路の設計が容易になる。
【0119】
(実施の形態2)
図23は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図であり、図24および図25はその平面図である。図23の断面図には、SBD形成領域21Bに対応する領域の断面が示されており、上記実施の形態1の図17にほぼ対応する。また、図24のD−D線の断面が図23にほぼ対応するまた、図24と図25とは同じ領域の平面図であるが、図24では、ショットキ電極52、コンタクトホール62a,62b、カソード電極73およびアノード電極74の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略しており、図25では、ショットキ電極52、ショットキ接合部53、コンタクトホール62bおよびカソード電極73の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略している。また、図24は平面図であるが、理解を簡単にするためにハッチングを付してある。
【0120】
上記実施の形態1と同様にカソード電極73およびアノード電極74は櫛型形状を有しているが、本実施の形態では、図23〜図25に示されるように、櫛型のカソード電極73の複数の電極部73aと、櫛型のアノード電極74の複数の電極部74aとが互いに直交しており、カソード電極73とアノード電極74とが接触しないように、アノード電極74は、カソード電極73よりも一つ上層の配線(配線85)により形成されている。すなわち、カソード電極73とアノード電極74とは同層には形成されず、カソード電極73を第1層配線により形成し、アノード電極74を第2層配線により形成している。
【0121】
カソード電極73の複数の電極部73aは、複数のコンタクトホール62bを埋める複数の導体部(プラグ63b)を介して複数のn+型半導体領域44に接続され、アノード電極74の複数の電極部74aは、複数のコンタクトホール62aを埋める複数の導体部(プラグ63a)を介して複数のショットキ電極52に接続されているが、アノード電極74はカソード電極73よりも一つ上層の配線により形成されているので、アノード電極74とショットキ電極52とを接続するためのコンタクトホール62aは、複数の層間絶縁膜(すなわち絶縁膜61,64,81)を貫通するように形成されている。また、アノード電極74の電極部74aの延在方向とショットキ電極52の延在方向とは直交しており、アノード電極74の各電極部74aは、ショットキ電極52と平面的に交差する領域において、コンタクトホール62aを埋める導体部(プラグ63a)を介してショットキ電極52に接続されている。従って、上記実施の形態1では、アノード電極74の各電極部74aが一つのショットキ電極52に一つのコンタクトホール62aを埋める導体部(プラグ63a)を介して接続されていたが、本実施の形態では、アノード電極74の各電極部74aが複数のショットキ電極52に複数のコンタクトホール62aを埋める複数の導体部(プラグ63a)を介して接続される。他の構成は、上記実施の形態1とほぼ同様であるのでここではその説明は省略する。例えば、n+型半導体領域44、p+型ガードリング層47、ショットキ電極52、ショットキ接合部53、コンタクトホール62b、プラグ63bおよびカソード電極73の平面レイアウトは、上記実施の形態1とほぼ同様とすることができる。
【0122】
本実施の形態においても、上記実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、寄生抵抗を増大させることなくショットキ接合のトータルの接合面積を増大させることができ、効率的にショットキバリアダイオード素子の順方向電流を増大させることができる。このため、ショットキバリアダイオードを用いたSBD検波方式の検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)を向上でき、RFパワーモジュール1の性能を向上させることができる。また、ショットキバリアダイオードの面積利用効率を向上でき、半導体装置の小型化が可能になる。
【0123】
(実施の形態3)
図26は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図であり、図27および図28はその要部平面図である。図26の断面図には、SBD形成領域21Bに対応する領域の断面が示されており、上記実施の形態1の図17にほぼ対応する。また、図27のE−E線の断面が図26にほぼ対応する。また、図27と図28とは同じ領域の平面図であるが、図27では、ショットキ電極52、コンタクトホール62a,62b、カソード電極73およびアノード電極74の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略しており、図28では、ショットキ接合部53、ショットキ電極52、コンタクトホール62bおよびカソード電極73の平面レイアウトを示して他の構成要素については図示を省略している。また、図27は平面図であるが、理解を簡単にするためにハッチングを付してある。
【0124】
本実施の形態のカソード電極73は、各n+型半導体領域44の上に延在(位置)してプラグ63bを介してn+型半導体領域44に接続する電極部73aと、複数の電極部73aの一方の端部を連結する連結部73bと、更に、複数の電極部73aの端部以外の領域同士を連結する連結部73cとを有している。連結部73b,73cは、複数の電極部73aとはほぼ直交している。複数のn+型半導体領域44にコンタクトホール62bを埋める導体部(プラグ63b)を介して電気的に接続されるカソード電極77の複数の電極部73aは、連結部73bだけでなく連結部73cによっても連結されているので、カソード電極73の電流経路をより短くすることができ、電流ロスや遅延などをより抑制することができる。
【0125】
また、隣り合うn+型半導体領域44の間でショットキ電極52は複数に分割されている。すなわち、複数のショットキ電極52が縦および横方向に並んで配置されている。複数のショットキ電極52の間の領域上を電極部73aが図28の縦方向に延在し、複数のショットキ電極52の間の領域上を電極部73cが図28の横方向に延在し、ショットキ電極52がカソード電極73と平面的に重ならないようなレイアウトになっている。これにより、ショットキ電極52とカソード電極73との間の寄生容量を低減できる。また、各ショットキ電極52とn型ウエルとの間に形成されたショットキ接合部53を囲むようにp+型ガードリング層47が形成されている。
【0126】
また、本実施の形態のアノード電極74は、上記実施の形態1と同様の櫛型形状を有している。櫛型のアノード電極74の複数の電極部74aと、カソード電極73の連結部73cとが互いに直交しており、カソード電極73とアノード電極74とが接触しないように、アノード電極74は、カソード電極73よりも一つ上層の配線(配線85)により形成されている。すなわち、カソード電極73とアノード電極74とは同層には形成されず、カソード電極73を第1層配線により形成し、アノード電極74を第2層配線により形成している。
【0127】
カソード電極73の複数の電極部73aは、複数のコンタクトホール62bを埋める複数の導体部(プラグ63b)を介して複数のn+型半導体領域44に接続され、アノード電極74の複数の電極部74aは、複数のコンタクトホール62aを埋める複数の導体部(プラグ63a)を介して複数のショットキ電極52に接続されているが、アノード電極74はカソード電極73よりも一つ上層の配線により形成されているので、アノード電極74とショットキ電極52とを接続するためのコンタクトホール62aは、複数の層間絶縁膜(すなわち絶縁膜61,64,81)を貫通するように形成されている。他の構成は、上記実施の形態1とほぼ同様であるのでここではその説明は省略する。例えば、n+型半導体領域44、コンタクトホール62b、プラグ63bおよびアノード電極74の平面レイアウトは、上記実施の形態1とほぼ同様とすることができる。
【0128】
本実施の形態においても、上記実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、寄生抵抗を増大させることなくショットキ接合のトータルの接合面積を増大させることができ、効率的にショットキバリアダイオード素子の順方向電流を増大させることができる。このため、ショットキバリアダイオードを用いたSBD検波方式の検出回路109A,109Bの検出感度(検波感度)を向上でき、RFパワーモジュール1の性能を向上させることができる。また、ショットキバリアダイオードの面積利用効率を向上でき、半導体装置の小型化が可能になる。
【0129】
(実施の形態4)
図29〜図32は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記実施の形態1における図6〜図14と同じ領域の断面が示されている。図7までの製造工程は上記実施の形態1と同様であるので、ここではその説明は省略し、図7に続く製造工程について説明する。
【0130】
上記実施の形態1と同様にして図7の構造が得られた後、図29に示されるように、上記実施の形態1と同様にしてゲート絶縁膜形成用の絶縁膜28aを形成する。それから、LDMOSFET形成領域21Aの絶縁膜28aの上部にゲート電極32を形成するが、本実施の形態では、ゲート電極32をn型多結晶シリコン膜(リン(P)などのn型の不純物をドープ(導入)した多結晶シリコン膜)29により形成する。例えば、エピタキシャル層22の主面上(すなわち絶縁膜28a上)にCVD法などによりn型多結晶シリコン膜29を堆積し、それから(金属シリサイド膜30は形成せずに)n型多結晶シリコン膜29上にCVD法などにより酸化シリコン膜などからなる絶縁膜(キャップ絶縁膜)31を堆積した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて絶縁膜31およびn型多結晶シリコン膜29をパターニングする。これにより、パターニングされたn型多結晶シリコン膜29からなるゲート電極32が、LDMOSFET形成領域21Aのp型ウエル26の表面に絶縁膜28aを介して形成される。ゲート電極32の下の絶縁膜28aが、LDMOSFETのゲート絶縁膜28となる。また、この絶縁膜31およびn型多結晶シリコン膜29をパターニング工程で、抵抗素子形成領域21Dの素子分離領域25の上部にも絶縁膜31およびn型多結晶シリコン膜29の一部を残存させ、抵抗素子形成領域21Dに残存する(パターニングされた)n型多結晶シリコン膜29からなる抵抗素子33を形成する。従って、本実施の形態では、同層のn型多結晶シリコン膜29により、ゲート電極32および抵抗素子33が形成される。
【0131】
その後、上記実施の形態1と同様にして(図9〜図11と同様の工程を行って)、n-型オフセットドレイン領域35、n-型ソース領域36、p型ハロー領域37、サイドウォールスペーサ38,38a、n型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、n+型ソース領域43、p+型半導体領域46およびp+型ガードリング層(p+型半導体領域)47を形成する。
【0132】
次に、本実施の形態では、図30に示されるように、SBD形成領域21Bのショットキ接合形成予定領域の上部とLDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、サイドウォールスペーサ38、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)の上部と抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部の上部とに開口部を有するエッチングマスク層(例えばフォトレジストパターン、図示せず)を用いてエピタキシャル層22の主面をエッチングすることで、エピタキシャル層22の主面の絶縁膜(例えば絶縁膜28aや絶縁膜31など)を選択的に除去し、SBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域と、抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部と、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)との表面を露出させる。この際、サイドウォールスペーサ38の少なくとも一部は残存させる。
【0133】
それから、例えばコバルト(Co)膜などの金属膜を基板21(エピタキシャル層22)上に堆積して熱処理することによって、SBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域、抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)のシリコン(Si)元素と、金属膜の金属元素(例えばCo)とを反応させる。これにより、図31に示されるように、SBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域、抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)の表面(上部)に、金属シリサイド膜91(例えばコバルトシリサイド膜)を選択的に形成することができる。その後、未反応の金属膜(例えばコバルト膜)は除去する。図31には、金属シリサイド膜91を形成し、未反応の金属膜を除去した状態が示されている。LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)の表面(上部)や抵抗素子形成領域21Dの抵抗素子33の両端部の表面(上部)に金属シリサイド膜91を形成することで、これら領域の拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。また、SBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域の表面(上部)に形成された金属シリサイド膜91により、ショットキダイオード素子のショットキ電極(金属電極、アノード領域、アノード電極)52が形成される。本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様に、n型ウエル27上に複数のショットキ電極52が形成される。金属シリサイド膜91からなるショットキ電極52はショットキ接合形成予定領域のn型ウエル27と接触しており、ショットキ電極52とn型ウエル27との間にショットキ接合が形成される。また、金属シリサイド膜91からなるショットキ電極52の端部領域は、ガードリングとしてのp+型ガードリング層47とオーバーラップしていることが好ましい。このように、本実施の形態では、SBD形成領域21Bに形成されるショットキダイオード素子のショットキ電極52は、例えばコバルトシリサイド膜のような金属シリサイド膜91からなり、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)プロセスを用いて形成することができる。
【0134】
本実施の形態では、上記のようにサリサイドプロセスを用いて、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)の表面(上部)に金属シリサイド膜91を形成するとともに、SBD形成領域21Bのn型ウエル27のショットキ接合形成予定領域の表面(上部)に金属シリサイド膜91からなるショットキ電極52を形成する。従って、LDMOSFET形成領域21Aのn型オフセットドレイン領域39、n+型ドレイン領域42、ゲート電極32、n+型ソース領域43およびp+型半導体領域46(p型打抜き層24)上の金属シリサイド膜91と、SBD形成領域21Bのショットキ電極52とは、同種の金属シリサイド(例えばコバルトシリサイド)からなる。このため、LDMOSFETのソース、ドレインおよびゲート電極32上に金属シリサイド膜91を形成する工程と同じ工程で、SBD形成領域21Bのショットキ電極52を形成できる。このため、製造工程数を低減でき、半導体装置の製造コストを低減できる。
【0135】
その後の製造工程は、上記実施の形態1とほぼ同様である。すなわち、図32に示されるように、上記実施の形態1と同様にして、基板21上に絶縁膜61を形成し、絶縁膜61にコンタクトホール62を形成し、コンタクトホール62内にプラグ63を形成する。それから、プラグ63が埋め込まれた絶縁膜61上に絶縁膜64を形成し、絶縁膜64に配線溝65を形成し、配線溝65内に配線(第1層配線)66を形成する。この配線66により、ソース電極71、ドレイン電極72、カソード電極73、アノード電極74および下部電極75が形成される。アノード電極74は複数のプラグ63を介して金属シリサイド膜91からなる複数のショットキ電極52に電気的に接続される。
【0136】
それから、上記実施の形態1と同様にして、配線66が埋め込まれた絶縁膜64上に絶縁膜81を形成し、絶縁膜81に開口部82を形成し、容量絶縁膜としての絶縁膜83を形成し、絶縁膜81に開口部84を形成し、開口部82,84内を埋めるように絶縁膜81上に配線を85を形成する。下部電極75上に絶縁膜83を介して形成された配線85により、キャパシタの上部電極86が形成される。その後、表面保護膜88を形成し、更に基板21の裏面に裏面電極89を形成する。
【0137】
このように、本実施の形態の半導体装置は、LDMOSFETのソース、ドレインおよびゲート電極32上の金属シリサイド膜91と同層の金属シリサイド膜91によりショットキバリアダイオード素子のショットキ電極52を形成したこと以外は、上記実施の形態1の半導体装置とほぼ同様の構成を有している。本実施の形態でも、上記実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態では、LDMOSFETのソース、ドレインおよびゲート電極32上に金属シリサイド膜91を形成する工程(サリサイドプロセス)と同じ工程で、SBD形成領域21Bに金属膜91からなるショットキ電極52を形成できる。このため、製造工程数を低減でき、半導体装置の製造コストをより低減させることができる。
【0138】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、携帯電話用の高周波電力増幅器などに用いる半導体装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の回路ブロック図である。
【図2】図2は、ショットキバリアダイオード検波方式の検出回路を示す回路図である。
【図3】比較例のRFパワーモジュールの構造を示す上面図である。
【図4】本発明の一実施の形態であるRFパワーモジュールの構造を示す上面図である。
【図5】図4のRFパワーモジュールの断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図15】比較例の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の構造を示す要部断面図である。
【図16】図15の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の要部平面図である。
【図17】本発明の一実施の形態である半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の構造を示す要部断面図である。
【図18】図17の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の要部平面図である。
【図19】図17の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の要部平面図である。
【図20】図17の半導体装置におけるショットキバリアダイオード素子の要部平面図である。
【図21】ショットキバリアダイオードの電圧−電流特性を示すグラフである。
【図22】ショットキバリアダイオードのショットキ接合のトータル面積と電流値との相関を示すグラフである。
【図23】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図24】図23の半導体装置の要部平面図である。
【図25】図23の半導体装置の要部平面図である。
【図26】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図27】図26の半導体装置の要部平面図である。
【図28】図26の半導体装置の要部平面図である。
【図29】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図32】図31に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図33】MOSFET検波方式の検出回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0141】
1 RFパワーモジュール
2 半導体チップ
2a電極
2b 裏面電極
3 配線基板
3a 上面
3b 下面
4 受動部品
5 封止樹脂
8 ボンディングワイヤ
11 絶縁層
12a 基板側端子
12b 外部接続端子
12c 基準電位供給用端子
13 ビアホール
13a ビアホール
14 窪み
14a 導体層
15 半田
17 半田
21 基板
21A LDMOSFET形成領域
21B
21C キャパシタ形成領域
21D 抵抗素子形成領域
22 エピタキシャル層
23 溝
24 p型打抜き層
25 素子分離領域
26 p型ウエル
27 n型ウエル
28 ゲート絶縁膜
28a 絶縁膜
29 n型多結晶シリコン膜
30 金属シリサイド膜
31 絶縁膜
32 ゲート電極
33 抵抗素子
33a n型多結晶シリコン膜
34 絶縁膜
35 n-型オフセットドレイン領域
36 n-型ソース領域
37 p型ハロー領域
38 サイドウォールスペーサ
38a サイドウォールスペーサ
39 n型オフセットドレイン領域
42 n+型ドレイン領域
43 n+型ソース領域
44 n+型半導体領域
46 p+型半導体領域
47 p+型ガードリング層
52 ショットキ電極
53 ショットキ接合部
61 絶縁膜
62 コンタクトホール
62a コンタクトホール
62b コンタクトホール
63 プラグ
63a プラグ
63b プラグ
64 絶縁膜
65 配線溝
66 配線
71 ソース電極
72 ドレイン電極
73 カソード電極
73a 電極部
73b 連結部
74 アノード電極
74a 電極部
74b 連結部
75 下部電極
81 絶縁膜
82 開口部
83 絶縁膜
84 開口部
85 配線
86 上部電極
87 容量素子
88 表面保護膜
89 裏面電極
91 金属シリサイド膜
102A,102B 電力増幅回路
102A1,102A2,102A3 増幅段
102B1,102B2,102B3 増幅段
103A,103B バイアス回路
104A,104B 電源回路
105a,105b入力端子
106A,106B 整合回路
107a,107b 出力端子
108A,108B 整合回路
109A,109B 検出回路
110a,110b バイアス制御信号入力端子
111a,111b 出力端子
121 ショットキバリアダイオード素子
122 容量素子
123 抵抗素子
201 RFパワーモジュール
202 半導体チップ
203 配線基板
204 受動部品
204a チップSBD
205 封止樹脂
208 ボンディングワイヤ
209A 検出回路
209B 検出回路
212 基板側端子
244 n+型半導体領域
247 p+型ガードリング層
250 電流経路
252 ショットキ電極
253 ショットキ接合部
273 カソード電極
274 アノード電極
285 引き出し電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の第1主面に形成されたMISFETと、
前記半導体基板の前記第1主面に形成されたショットキダイオードと、
前記半導体基板の前記第1主面に形成された、前記ショットキダイオード以外の受動素子と、
前記半導体基板の前記第1主面とは反対の第2主面に形成され、前記MISFETのソース領域に電気的に接続された裏面電極と、
を有し、前記ショットキダイオードのアノード電極またはカソード電極は前記受動素子に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ショットキダイオードのアノード電極とカソード電極とが前記半導体基板の前記第1主面側に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記ショットキダイオードは、
前記半導体基板の前記第1主面に形成された第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に形成され、それぞれ前記第1半導体領域との間にショットキ接合を形成する複数のショットキ電極とからなり、
前記半導体装置はさらに、前記ショットキ電極上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された、前記ショットキダイオードのアノード電極およびカソード電極を有し、
前記複数のショットキ電極は、前記アノード電極を介して互いに電気的に接続され、
前記複数のショットキ電極と前記第1半導体領域とにより形成される複数のショットキ接合の間に、前記カソード電極が電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記複数のショットキ電極と前記第1半導体領域とにより形成される前記複数のショットキ接合の間に前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電型の第2半導体領域を更に有し、
前記第2半導体領域に前記カソード電極が電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置において、
前記アノード電極および前記カソード電極が櫛型形状を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項3記載の半導体装置において、
前記アノード電極と前記カソード電極とが同層の配線により形成され、互いに交差していないことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項3記載の半導体装置において、
前記MISFETの前記ソース領域およびドレイン領域上に形成された第1金属シリサイド膜を更に有し、
前記複数のショットキ電極は、前記第1金属シリサイド膜と同種の金属シリサイドからなることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、
前記MISFETはLDMOSFETであることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体装置は携帯電話に搭載され、
前記ショットキダイオードは、前記MISFETにより形成される増幅回路の出力検出回路に用いられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板の前記第1主面から形成された溝と、
前記溝内に形成された打ち抜き層と、
を更に有し、
前記MISFETの前記ソース領域は、前記打ち抜き層を介して前記裏面電極に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板の前記第1主面に形成された第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域に形成された前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電型の複数の第2半導体領域と、
前記複数の第2半導体領域の間の第1半導体領域上に形成され、それぞれ前記第1半導体領域との間にショットキ接合を形成する複数のショットキ電極と、
を更に有し、
前記複数のショットキ電極は、前記ショットキダイオードのアノード電極を介して互いに電気的に接続され、
前記複数の第2半導体領域は、前記ショットキダイオードのカソード電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、
前記半導体基板の前記第1主面上に前記MISFETおよび前記複数のショットキ電極を覆うように形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に形成され、底部で前記複数のショットキ電極を露出する複数の第1開口部と、
前記複数の第1開口部内を埋める複数の第1導体部と、
前記層間絶縁膜に形成され、底部で前記複数の第2半導体領域を露出する複数の第2開口部と、
前記複数の第2開口部内を埋める複数の第2導体部と、
を更に有し、
前記アノード電極および前記カソード電極は前記層間絶縁膜上に形成され、
前記複数のショットキ電極は、前記複数の第1導体部および前記アノード電極を介して互いに電気的に接続され、
前記複数の第2半導体領域は、前記複数の第2導体部および前記カソード電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
配線基板と、
前記配線基板の第1主面上に搭載され、その裏面に裏面電極を有する半導体チップと、
を有し、
前記半導体チップには、MISFETとショットキダイオードとが形成され、
前記半導体チップの前記裏面電極は、前記MISFETのソース領域に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置において、
前記MISFETはLDMOSFETであることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項13記載の半導体装置において、
前記配線基板の前記第1主面上には、前記半導体チップに形成された前記ショットキダイオード以外のショットキダイオード素子が搭載されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項13記載の半導体装置において、
前記半導体チップには、電力増幅回路と前記電力増幅回路の出力を検出する検出回路とが形成されており、
前記MISFETは前記電力増幅回路に用いられ、前記ショットキダイオードは前記検出回路に用いられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項13記載の半導体装置において、
前記半導体装置は携帯電話に搭載される電力増幅装置であることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
半導体基板の第1主面に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるMISFETと前記半導体基板の前記第1主面に形成されたショットキダイオードとを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板を準備する工程と、
(b)前記半導体基板の前記第1主面にMISFETを形成し、前記半導体基板の前記第1主面に第1導電型の第1半導体領域を形成し、前記第1半導体領域に前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電型の複数の第2半導体領域を形成する工程と、
(c)前記複数の第2半導体領域の間の第1半導体領域上に、それぞれ前記第1半導体領域との間にショットキ接合を形成する複数のショットキ電極を形成する工程と、
(d)前記半導体基板の前記第1主面上に前記MISFETおよび前記複数のショットキ電極を覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、
(e)それぞれその底部で前記ショットキ電極を露出する複数の第1開口部と、それぞれその底部で前記第2半導体領域を露出する複数の第2開口部とを、前記層間絶縁膜に形成する工程と、
(f)前記複数の第1開口部および前記複数の第2開口部を導体で埋め、前記層間絶縁膜上に配線を形成して、前記複数のショットキ電極を互いに電気的に接続し、前記複数の第2半導体領域を互いに電気的に接続する工程と、
(g)前記半導体基板の前記第1主面とは反対の第2主面に、前記MISFETの前記ソース領域に電気的に接続する裏面電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数のショットキ電極は金属シリサイドからなり、
前記(c)工程では、前記MISFETの前記ソース領域および前記ドレイン領域の表面にも前記複数のショットキ電極を構成する金属シリサイドと同種の金属シリサイド膜が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2006−13070(P2006−13070A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186854(P2004−186854)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】