半導体装置
【課題】半導体装置において半導体素子間の分離を好適に達成するとともに半導体装置の小型化を図ること。
【解決手段】半導体基板1と、半導体基板1上に形成されたエピタキシャル層2と、半導体基板1とエピタキシャル層2との間に形成された埋め込み層3と、エピタキシャル層2表面から埋め込み層3に達する第1のトレンチ7と、第1のトレンチ7内に埋め込まれるとともに埋め込み層3と接続されたドレイン取出電極8bと、ドレイン取出電極8bを電極とした半導体素子と、エピタキシャル層2表面からその半導体素子を囲むように設けられた第2のトレンチ5とを備え、第2のトレンチ5内の少なくとも側壁を絶縁膜6aで被覆した。
【解決手段】半導体基板1と、半導体基板1上に形成されたエピタキシャル層2と、半導体基板1とエピタキシャル層2との間に形成された埋め込み層3と、エピタキシャル層2表面から埋め込み層3に達する第1のトレンチ7と、第1のトレンチ7内に埋め込まれるとともに埋め込み層3と接続されたドレイン取出電極8bと、ドレイン取出電極8bを電極とした半導体素子と、エピタキシャル層2表面からその半導体素子を囲むように設けられた第2のトレンチ5とを備え、第2のトレンチ5内の少なくとも側壁を絶縁膜6aで被覆した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に半導体素子が複数併設された半導体装置において素子分離に有益な構造を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化や低コスト化の進展に伴い、こうした電子機器に搭載される電力用トランジスタにおいてもその小型化が要求されている。特に、さらなる小型化が求められる携帯機器や家庭用機器などの電子機器にあっては、制御回路や複数の電力用トランジスタを同一半導体基板上に集積するための技術が必須とされている。こうした複数の半導体素子の集積化を容易とするトランジスタ構造の一つとして、例えば特許文献1に記載のトランジスタ構造が知られている。
【0003】
図17は、特許文献1に記載の縦型のNチャネル型MOSトランジスタ300の断面図を示したものである。図示の如く、P−型の単結晶シリコン基板32上にはN−型のエピタキシャル層33が形成されている。基板32とエピタキシャル層33との界面には、N+型の拡散埋め込み層34が、イオン注入及び熱処理によって拡散形成されている。このMOSトランジスタ300は、基板の深さ方向にトレンチ溝39を形成し、埋め込み層34と電気的に接続されるように多結晶ポリシリコンをトレンチ溝39に埋め込むことによってドレイン取出電極41が形成されている。エピタキシャル層33表面に形成されたソース形成領域45にゲート電極48が埋め込まれており、同ゲート電極48の側壁近傍の半導体基板側のP−型の拡散領域44をチャネル領域としている。
【0004】
上記のように形成された半導体素子は半導体基板上に複数併設される。各素子間は、半導体基板32とエピタキシャル層33との界面にイオン注入及び熱処理を施すことで拡散形成された第1の分離領域50と、エピタキシャル層33の表面からイオン注入及び熱処理を施すことで第1の分離領域に到達するように拡散形成された第2の分離領域51とによって電気的に分断され、リーク電流による素子間パンチスルー現象が発生しないようにしている。
【特許文献1】特開2003−303960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成をとるNチャネルMOSトランジスタ300では、ゲート電極48に電圧を印加し、ゲート電極48の側壁近傍の半導体基板側のP−型の拡散領域44にチャネル領域を形成させ駆動する。このNチャネルMOSトランジスタ300ではキャリアが電子であり、この電子がソース領域45からP−型の拡散領域44、エピタキシャル層33、埋め込み層34、ドレイン取出電極41を通過する。
【0006】
上述のように電子が移動する際、つまりドレイン取出電極41から埋め込み層34を通じてソース領域45へと電流が流れる際、この経路から外れるリーク電流が隣接する素子へ流れてしまうパンチスルー現象が発生する問題がある。この現象を抑制するために、MOSトランジスタ300では素子間を電気的に分断する分離領域(第1の分離領域50及び第2の分離領域51)を形成している。この分離領域50、51は、素子耐圧の向上、つまり素子分離に要求される絶縁耐性の向上のために、横方向(半導体基板平面方向)の拡散幅を増大させなければならず、近年の半導体装置小型化の需要にそぐわない。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素子間の分離領域の幅を増大することなく好適に素子分離を達成することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
こうした目的を達成するため、本発明における半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたエピタキシャル層と、半導体基板とエピタキシャル層との間に形成された埋め込み層と、エピタキシャル層表面から埋め込み層に達する第1の溝と、第1の溝内に埋め込まれるとともに埋め込み層と接続された第1の導電体と、第1の導電体を電極とした半導体素子と、エピタキシャル層表面から半導体素子を囲むように設けられた第2の溝と、を備え、第2の溝内の少なくとも側壁が絶縁膜で被覆されたことをその要旨とする。
【0009】
上記構造では、半導体装置において、半導体素子間の分離を、その内壁が絶縁膜で被覆された第2の溝によって達成している。これにより、キャリア濃度が低い絶縁材料によって構成される絶縁膜をもって素子分離を図るため、キャリア濃度が高いイオン注入した導電層によって構成される分離領域を用いるより、薄い膜厚で素子間の高い絶縁性を確保できる。このようにして素子間のリーク電流によるパンチスルー現象の発生を抑制し、好適に素子分離を図れるとともに分離領域の横方向の増大を抑制し、半導体素子の小型化を図ることができる。さらに、第2の溝の半導体横方向の幅を変えずに内壁に被覆された絶縁膜の膜厚を調節することによって素子分離の絶縁性能を向上させることができるため、素子耐圧の向上に対する素子サイズの増大を抑制することができる。
【0010】
また、上記半導体装置において、第2の溝に第2の導電体を埋め込むことが望ましい。
【0011】
第2の溝内の側壁を被覆する絶縁膜と、往々にしてシリコンを材料とする半導体基板及びエピタキシャル層とは熱膨張係数が異なるため、温度上昇時に膨張率の差によって両者間に応力が発生する。ここで上記構造をとることによって、温度上昇時の半導体基板−絶縁膜間及びエピタキシャル層−絶縁膜間の応力を、第2の溝に埋め込まれた第2の導電層が緩衝材になることによって好適に緩和し、半導体基板若しくはエピタキシャル層にクラック等の欠陥が発生することを好適に抑制することができる。
【0012】
また、上記半導体装置において、第2の導電体に所定の電圧を印加することが望ましい。
【0013】
第2の溝が半導体基板を完全に貫通していない場合、基板の少なくとも一部で素子分離されずに素子間が繋がっている部分が存在するため、第2の溝内の側壁に形成された絶縁膜で素子間を完全に分離することはできない。素子間で素子分離が施されない部分が存在する限り、この部分をパスとするリーク電流が発生する可能性がある。ここで第2の導電体に電圧を印加することによって、半導体基板全体を所定の電圧に固定することができる。電位固定された半導体基板内のキャリアの移動は抑制されるため、同基板内に素子分離が施されていない部分が存在する場合においても、この部分を介してリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより半導体素子が形成される領域である、電位固定された半導体基板と第2の溝内を被覆する絶縁膜とで囲繞された領域に、電子が流入すること、若しくは同領域から電子が流出することが抑制される。よって上記構成にすることによりリーク電流による素子間ノイズをより好適に抑制し、ひいては好適な素子分離を達成することができる。
【0014】
また、上記半導体装置において、第2の溝が前記エピタキシャル層を貫通し、第2の溝の先端部が半導体基板内部に達するとともに埋め込み層の底面よりも深くすることが望ましい。
【0015】
このように構成することにより、基板深さ方向において、第2の溝が埋め込み層を完全に包み込むことができるため、埋め込み層から横方向へのリーク電流を好適に抑制し、このリーク電流によるパンチスルー現象の発生を好適に抑制することができる。
【0016】
また、本発明における半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面に不純物を導入して埋め込み層を形成した後、半導体基板上にエピタキシャル層を堆積する工程と、エピタキシャル層表面から埋め込み層に到達する第1の溝を形成するのと並行して、エピタキシャル層表面から素子が形成される領域を囲むように設けられる第2の溝を形成する工程と、第2の溝内の少なくとも側壁を絶縁膜で被覆する工程と、を具備することをその要旨とする。
【0017】
前述のように従来の縦型MOSトランジスタの製造工程では、素子分離領域を形成するために半導体基板とエピタキシャル層との間にイオン注入および熱処理を施すことによって第1の分離領域を拡散形成する工程と、さらにエピタキシャル層の表面にイオン注入および熱処理を施して第1の分離領域に達するように拡散形成させた第2の分離領域を形成する工程が必要である。しかし、上記のように素子分離が第2の溝内の少なくとも側壁を被覆する絶縁膜によって達成できるため、上記第1の分離領域及び第2の分離領域を形成する際に必要なイオン注入及び熱拡散の製造工程を省略することができ、製造コストおよび時間の削減を実現できる。また、第1の溝及び第2の溝を同時に形成するため、分離領域を形成するための別工程を設ける必要が無く、製造コストおよび時間の削減を実現できる。
【0018】
また、前述のようにイオン注入および熱拡散によって分離領域を作製する際、埋め込み層もこの熱処理によって拡散され、基板深さ方向の層厚が増大してしまう。このように埋め込み層の基板深さ方向の層厚が必要以上に増大してしまうと、埋め込み層上に形成されたエピタキシャル層の層厚が十分に確保されず、素子耐圧が劣化する問題がある。しかし上記半導体装置の製造プロセスでは、分離領域を作製する際、熱処理をする工程を必要としないため上記素子耐圧が劣化することを防止できる。
【0019】
また、上記半導体装置の製造方法において、エピタキシャル層と半導体基板の界面に、埋め込み層とは逆導電型の分離領域を、埋め込み層を囲むように形成する工程をさらに備え、第2の溝が分離領域に達するようにしても良い。
【0020】
溝の基板深さ方向の長さと基板平面方向の断面積は比例関係にある。例えば第2の溝を第1の溝よりも深く形成する場合、第2の溝の基板平面方向の断面積が第1の溝よりも増大する。ここで上記工程により、埋め込み層から基板平面方向へのリーク電流によるパンチスルー現象は、埋め込み層とは逆導電型の分離領域を形成することによって抑制される。第2の溝は、この分離領域に到達するように形成すればよい。このため、分離領域の基板深さ方向の長さ及び第2の溝の長さを調節することによって、この分離領域及び第2の溝の基板平面方向の断面積を調節することができる。よって、分離領域及び第2の溝の断面積が最小限になるように調節できるため、素子サイズの増大を抑制することができ、ひいては半導体装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体装置によれば、複数の半導体素子が集積された半導体装置にあって、半導体素子間の分離を好適に達成するとともに半導体装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる半導体装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0023】
はじめに、図1を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の構造について詳述する。図1は、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の断面図を示したものである。
【0024】
P−型の単結晶シリコン基板1上には、例えば、比抵抗2.0Ω cm、厚さ3.0〜7.0μmのN−型のエピタキシャル層2が形成されている。基板1とエピタキシャル層2との間には、その境界面に挟まれるようにN+型の埋め込み層3が形成されている。埋め込む層3を囲繞するとともにエピタキシャル層2を貫通し、基板1の内部まで達している第2のトレンチ5によって島領域が形成されている。本実施形態では、一つの島領域のみを図示しているが、その他複数の島領域が基板平面方向に複数形成され、それらの島領域に同様に縦型のNチャネル型のMOSトランジスタ、Pチャネル型のMOSトランジスタ、NPN型のバイポーラトランジスタ等が形成されている。第2のトレンチ5内の側壁には、第2のトレンチ5―エピタキシャル層2間および第2のトレンチ5―基板1間を絶縁するシリコン酸化膜6aが被覆されている。第2のトレンチ5内底部のシリコン酸化膜6aは除去され、第2のトレンチ5内には、例えば、不純物が導入された多結晶シリコン8aが充填されている。
【0025】
エピタキシャル層2の表面から埋め込み層3に達するように第1のトレンチ7が形成されている。第1のトレンチ7内の側面には、第1のトレンチ7―エピタキシャル層2間を絶縁するシリコン酸化膜6bが被覆されている。第1のトレンチ7内底部のシリコン酸化膜6bは除去され、第1のトレンチ7内には、例えば、タングステン8bが充填されている。第1のトレンチ7内に充填されたタングステン8bと埋め込み層3は電気的に接続されている。
【0026】
エピタキシャル層2の表面には、ゲート電極9、チャネル領域11、及びソース領域10が形成されている。具体的には、チャネル領域11となるP−型の拡散領域に、ソース領域10となるN+型の拡散領域が二重拡散により形成され、エピタキシャル層2表面側からそこにゲート電極9形成用の第3のトレンチ12が等間隔で複数形成されている。この第3のトレンチ12は、上述したチャネル領域11およびソース領域10を貫通し、埋め込み層3には到達しない深さで形成されている。そして、第3のトレンチ12内は第1のトレンチ内7とは相違し、第3のトレンチ12内の略全面にシリコン酸化膜6cが被覆されている。このシリコン酸化膜6cを介して第3のトレンチ12内に、例えば、ポリシリコンが充填されている。尚、上記ポリシリコンにはN型の不純物、例えば、リン(P)が導入されている。このポリシリコンはゲート電極9として、シリコン酸化膜6cはゲート酸化膜として用いられる。
【0027】
エピタキシャル層2表面には絶縁層13が形成されている。この絶縁層13内にはコンタクトプラグ14a及び14bが埋め込まれ、絶縁層13の上にはドレイン電極15a及びソース電極15bが、例えば、タングステン又はアルミニウム(Al)により形成されている。第1のトレンチ7内に充填されているタングステン8b(ドレイン取出電極8b)及びソース領域10は、それぞれこのコンタクトプラグ14a及び14bを介してドレイン電極15a及びソース電極15bに電気的に接続されている。
【0028】
次に、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の動作について説明する。
【0029】
上述の如く、Nチャネル型MOSトランジスタ100は、第1のトレンチ7内のタングステン8b及びN+型の埋め込み層3がドレイン取出領域として用いられる。N+型の埋め込み層3の上部領域に位置するエピタキシャル層2がドリフト領域として、P−型の拡散領域がチャネル領域11として、N+型の拡散領域がソース領域10として用いられる。第1のトレンチ7内のタングステン8bには基板1と反対面から、つまり、素子表面からドレイン電極15aが接続されている。第3のトレンチ12内のポリシリコンはゲート電極9として用いられている。ソース領域10は、コンタクトプラグ14bを介して素子表面からソース電極15bと接続されている。
【0030】
ドレイン電極15aおよびソース電極15bにそれぞれドレイン電極15aの方が高電位となるように電圧が印加された状態で、ゲート電極12にある一定の電圧を印加する。そのことで、電流はドレイン電極15aからソース電極15bへと流れる。
【0031】
次に、図2〜図12を参照して、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の製造方法について、以下に説明する。
【0032】
工程1(図2参照) P−型の単結晶シリコン基板1を準備し、この基板1の表面を熱酸化して全面に0.3〜0.5μm程度のシリコン酸化膜4を形成する。その後、フォトリソグラフィおよびウェットエッチングを通じて、シリコン酸化膜4の図中の破線にて示す領域(後述する埋め込み層3の形成領域上のシリコン酸化膜4)のみを除去する。具体的には、まず、基板1上に形成されたシリコン酸化膜4の上面に感光性樹脂(フォトレジスト)として、例えばポジ型レジストを塗布する。続いて、上記破線にて示す領域上のみが開口されたフォトマスクを上記ポジ型レジストの表面に載置するとともに、シリコン酸化膜4の上方からこのフォトマスクを通じて紫外線やエキシマレーザー光線を照射して、同フォトマスクのパターンを上記ポジ型レジストに転写する。その後、現像を行ってシリコン酸化膜4の上面にレジストパターンを形成する。さらに、シリコン酸化膜4の上方から上記レジストパターンを介してエッチング液を吹き付けることにより、いわゆるウェットエッチングを行う。これにより、シリコン酸化膜4のうち、図中の破線に示す領域のみが除去される。
【0033】
工程2(図3参照) 図中の矢印にて示す方向からアンチモン(Sb)を含むN型不純物拡散剤を、上記工程1においてシリコン酸化膜4が除去された領域にスピン塗布した後、1250℃程度の熱処理を施すことにより、N+型の埋め込み層3を形成する。なお、このN+型の埋め込み層3の抵抗の値は、熱処理の温度と時間によって決定される。
【0034】
工程3(図4参照) シリコン酸化膜4を全て除去し、基板1をエピタキシャル成長装置のサセプタ上に配置する。そして、基板1に、ランプ加熱によって例えば1000℃程度の高温を与えると共に反応管内に二酸化シランガス(SiH2Cl2)とホスフィンガス(PH3)を導入する。これにより、基板1上に、例えば、比抵抗2.0Ω cm以上、厚さ3.0〜7.0μm程度のN−型のエピタキシャル層2を成長させる。ここで上記ランプ加熱によって、N+型の埋め込み層3は基板1上に形成されたエピタキシャル層2へも熱拡散し、図中に示すように基板1とエピタキシャル層2の界面に形成された埋め込み層3が完成する。
【0035】
工程4(図5参照) エピタキシャル層2の上表面に、フォトリソグラフィおよびエッチングを通じて、幅0.5μm、深さ1μm程度の第3のトレンチ12を形成する。その後、エピタキシャル層2の上面に熱酸化を施して150Å程度のゲート絶縁膜6cを形成する。
【0036】
工程5(図6参照) 第3のトレンチ12の内部に2000Å程度のポリシリコンを堆積し、オキシ塩化リン(POCL3)等を用いた熱処理によってポリシリコンへ燐(P)のドーピングを行う。その後、エッチバックを行ってゲート電極9を形成した後、ゲート電極9の上面を熱酸化し、ゲート電極9の上面にシリコン酸化膜6dを形成する。
【0037】
工程6(図7参照) 上記工程4及び工程5において形成したシリコン酸化膜6c及び6d上にフォトリソグラフィ技術を通じてチャネル領域11を形成する部分に開口部が設けられたフォトレジストを選択マスクとして形成する。そして、P型不純物、例えば、ホウ素(B)を加速電圧40〜100keV、導入量1.0×1013〜1.0×1015/cm2で上記選択マスクを通じてシリコン酸化膜6c及び6dの上方からエピタキシャル層2へイオン注入及び拡散し、P−型の拡散領域であるチャネル領域11を形成する。その後、フォトレジストを除去する。
【0038】
次にフォトリソグラフィ技術によりソース領域10を形成する部分に開口部が設けられたフォトレジストを選択マスクとして形成する。そして、N型不純物、例えば、リン(P)を加速電圧20〜65keV、導入量1.0×1013〜1.0×1015/cm2で上記選択マスクを通じてシリコン酸化膜6c及び6dの上方からエピタキシャル層2へイオン注入及び拡散し、N+型の拡散領域であるソース領域10を形成する。その後、フォトレジストを除去する。以上の工程により、チャネル領域11内にソース領域10が拡散形成された二重拡散構造が完成する。
【0039】
工程7(図8参照) シリコン酸化膜6c及び6d表面の略全面にシリコン窒化膜35を堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術を通じて、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を形成する部分に開口部が設けられるように選択的にシリコン窒化膜35を除去する。ここで、例えば第1のトレンチ7用の開口部の幅W1は1μm程度、第2のトレンチ5用の開口部の幅W2は3μm程度を有するようにシリコン窒化膜35を除去する。そして、フッ素ガスを用いたドライエッチングを通じて第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時形成する。この時、第1のトレンチ7は幅1μm、深さ3μm程度で埋め込み層3に到達するように形成され、第2のトレンチ5は幅3μm、深さ5μm程度で埋め込み層3を囲繞するとともに埋め込み層3の底面よりも深く形成される。このように第2のトレンチ5用の選択マスクの開口部の幅W2を第1のトレンチ7用の選択マスクの開口部の幅W1よりも広くすることにより、第2のトレンチ5が第1のトレンチ7よりも深く形成される。特に本実施形態では、第2のトレンチ5用の選択マスクの開口部の幅W2を調節することによって、埋め込み層3の底面よりも第2のトレンチの先端部が深くなるように形成される。
【0040】
工程8(図9参照) 工程7で用いたシリコン窒化膜35を利用して、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5の内壁を含めシリコン酸化膜(SiO2)を堆積する。その後、シリコン窒化膜35をマスクとしてドライエッチングを施し、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5の底面に形成されたシリコン酸化膜を除去し、第1のトレンチ7内の側壁を被覆する絶縁膜6b、及び第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aを形成する。その後、シリコン窒化膜35を除去する。
【0041】
工程9(図10参照) 第1のトレンチ7内及び第2のトレンチ5内にそれぞれ多結晶シリコンを堆積するとともにエッチバックを行い、ドレイン取出電極8b及び分離トレンチ取出電極8aを形成する。この時、多結晶シリコンにN型の不純物、例えば燐(P)を導入する。
【0042】
工程10(図11参照) エピタキシャル層2の上方から全面に絶縁層13として例えば、BPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜、SOG(Spin On Glass)膜等を堆積する。その後、フォトリソグラフィを通じて外部電極形成用のコンタクトホールを形成し、これらコンタクトホールにタングステン(W)を堆積させるとともにエッチバックを行い、コンタクトプラグ14a及び14bを形成する。コンタクトプラグ14a及び14bは、それぞれドレイン取出電極8b及びソース領域10に電気的に接続されている。
【0043】
工程11(図1参照) 絶縁層13上にスパッタ法を用いてトータル膜厚5000Å程度のTiN/Al−Cu/TiNの積層膜を堆積する。その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを施すことによって、上記コンタクトプラグ14a及び14bにそれぞれ電気的に接続される金属配線、ドレイン電極15a及びソース電極15bをそれぞれ形成する。このドレイン電極15a及びソース電極15bはアルミニウム(Al)等を材料としている。以上の各工程を経ることによって、本実施形態にかかる縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100が完成する。
【0044】
また、工程10において、図12に示す如く、分離トレンチ取出電極8aに電気的に接続されるコンタクトプラグ14cを新たに設けても良い。このように構成することによって、コンタクトプラグ14cの上に、同コンタクトプラグ14cを介して分離トレンチ取出電極8aと電気的に接続される分離トレンチ電極15cを形成することができる。
【0045】
なお、本実施形態において、P−型の単結晶シリコン基板1は本発明の「半導体基板」、エピタキシャル層2は本発明の「エピタキシャル層」、埋め込み層3は本発明の「埋め込み層」、第1のトレンチ7は本発明の「第1の溝」、不純物を導入した多結晶シリコン8bは本発明の「第1の導電体」、第2のトレンチ5は本発明の「第2の溝」、絶縁膜6aは本発明の「絶縁膜」、不純物が導入された多結晶シリコン8aは本発明の「第2の導電体」の、それぞれ一例である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態にかかる半導体装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
(1)半導体素子間の分離を第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aによって達成している。このように構成することによって、キャリア濃度が低い絶縁材料によって構成される絶縁膜6aをもって素子分離を図るため、キャリア濃度が高いイオン注入した導電層によって構成される分離領域を用いるより、薄い膜厚で素子間の高い絶縁性を確保できる。このようにして素子間のリーク電流によるパンチスルーの発生を抑制し、好適に素子分離を図れるとともに分離領域の横方向の増大を抑制し、半導体素子の小型化を図ることができる。さらに、第2のトレンチ5の半導体基板平面方向の幅を変えずに内壁を被覆する絶縁膜6aの膜厚を調節することによって素子分離の絶縁性能を向上させることができるため、素子耐圧の向上に対する素子サイズの増大を抑制することができる。
【0048】
(2)第2のトレンチ5に分離トレンチ取出電極8aを埋め込むようにした。第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aと、シリコン(Si)を材料とする半導体基板1及びエピタキシャル層2とは熱膨張係数が大幅に異なる。ここで上記構造をとることによって、温度上昇時に熱膨張率が異なるために発生する半導体基板1−絶縁膜6a間の応力及びエピタキシャル層2−絶縁膜6a間の応力を、第2のトレンチ5内に埋め込まれた分離トレンチ取出電極8aが緩衝材になることによって好適に緩和し、エピタキシャル層2若しくは半導体基板1にクラック等の欠陥が発生することを好適に抑制することができる。
【0049】
(3)図12に示すように、分離トレンチ取出電極8a上にコンタクトプラグ14cを形成し、さらにこのコンタクトプラグ14cの上にドレイン電極15aやソース電極15bと同様に分離トレンチ電極15cを形成し、分離トレンチ取出電極8aとコンタクトプラグ14cと分離トレンチ電極15cが電気的に接続されるようにした。このように構成することによって、分離トレンチ電極15cに電圧を印加すると、コンタクトプラグ14c及び分離トレンチ取出電極8aを介して電気的に接続されている半導体基板1全体を分離トレンチ電極15cに印加した電圧に固定することができる。電位固定された半導体基板1内のキャリアの移動は抑制されるため、同基板1内に素子分離が施されていない部分が存在する場合においても、この部分を介してリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより半導体素子が形成される領域である、電位固定された基板1と第2のトレンチ5内を被覆する絶縁膜6aとで囲繞された領域に、電子が流入すること、若しくは同領域から電子が流出することが抑制される。よって上記構成にすることによりリーク電流による素子間ノイズをより好適に抑制し、ひいては好適な素子分離を達成することができる。
【0050】
(4)第2のトレンチ5がエピタキシャル層2を貫通し、第2のトレンチ5の先端部が半導体基板1内部に達するとともに埋め込み層3の底面よりも深くなっている。このように構成することにより、基板深さ方向において、第2のトレンチ5が埋め込み層3を完全に包み込むことができるため、埋め込み層3から基板平面方向へのリーク電流を好適に抑制し、このリーク電流によるパンチスルー現象の発生を好適に抑制することができる。
【0051】
(5)上記半導体装置の製造プロセスにおいて、素子分離が第2のトレンチ5内を被覆する絶縁膜6aによって達成できるため、従来のMOSトランジスタの素子分離領域形成に必要なイオン注入及び熱拡散の製造工程を省略することができ、製造コストおよび時間の削減を実現できる。また、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時に形成するため、分離領域を形成するための別工程を設ける必要が無く、製造コストおよび時間の削減を実現できる。
【0052】
また、従来のMOSトランジスタでは、イオン注入および熱拡散によって分離領域を作製する際、埋め込み層3もこの熱処理によって拡散され、基板深さ方向の層厚が増大してしまう。このように埋め込み層3の基板深さ方向の層厚が必要以上に増大してしまうと、ゲート電極9−埋め込み層3間、チャネル領域11−埋め込み層3間のエピタキシャル層2の層厚が十分に確保されず、素子耐圧が劣化する問題がある。しかし上記半導体装置の製造プロセスでは、分離領域を作製する際、熱処理をする工程を必要としないため上記素子耐圧が劣化することを防止できる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる半導体装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。本実施形態にかかる半導体装置も、その基本的な構造は先の第1の実施形態の半導体装置に準じたものとなっている。ただし、本実施形態にかかる半導体装置では、第2のトレンチ25及び分離領域16によって素子分離を図っている。こうした半導体装置について、図13〜図16を参照しつつ説明する。なお、先の第1の実施形態と同様あるいはそれに準じた構造については、同一符合を付すと共にその詳細な説明を割愛する。
【0054】
はじめに、図13を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の構造について詳述する。図13は、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ200の断面図を示したものである。
【0055】
図示の如く、半導体基板1とエピタキシャル層2との界面に埋め込む層3を囲繞するように、イオン注入及び熱拡散を通じてP+型の分離領域16が形成されている。上記分離領域16と、エピタキシャル層2の表面から分離領域16に達する第2のトレンチ25とによって島領域が形成されている。
【0056】
次に、図14〜図16を参照して、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ200の製造方法について、以下に説明する。尚、以下の説明では、先の第1の実施形態と同様の工程については詳細な説明を割愛し、同第1の実施形態とは異なる工程についてのみ説明する。
【0057】
工程12(図14参照) 第1の実施形態における工程2の後に、シリコン酸化膜4を全て除去し、フォトリソグラフィを通じて埋め込み層3の上面を被覆するマスクを形成する。そして、同図に示すように、矢印の方向から半導体基板1の上面にボロン(B)をイオン注入するとともに、熱処理による活性化を行う。これにより、上記埋め込み層3を囲繞する素子分離領域16を形成する。
【0058】
工程13(図15参照) 基板1上に、例えば、比抵抗2.0Ω cm以上、厚さ3.0〜7.0μm程度のエピタキシャル層2を成長させる。このとき、エピタキシャル成長装置のランプ加熱によって、N+型の埋め込み層3及びP+型の分離領域16は基板1上に形成されたエピタキシャル層2へも熱拡散し、図中に示すように基板1とエピタキシャル層2の界面に形成された埋め込み層3及び分離領域16が完成する。
【0059】
工程14(図16参照) 第1の実施形態における工程6の後、シリコン酸化膜6c及び6d表面の略全面にシリコン窒化膜(図示せず)を堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術を通じて、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ25を形成する部分に開口部が設けられるように選択的に上記シリコン窒化膜を除去する。ここで、例えば第1のトレンチ7用の開口部及び第2のトレンチ5用の開口部が幅0.5μm程度有するように上記シリコン窒化膜を除去する。そして、ウェットエッチングを通じて第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時形成する。この時、第1のトレンチ7は幅0.5μm、深さ2μm程度で埋め込み層3に到達するように形成し、第2のトレンチ5は幅0.5μm、深さ2μm程度で分離領域16に到達するように形成する。
【0060】
なお、本実施形態において、P+型の分離領域16は本発明の「分離領域」の一例である。
【0061】
以上説明したように、本実施形態にかかる半導体装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
(6)トレンチの基板深さ方向の長さと基板平面方向の断面積は比例関係にある。例えば第2のトレンチ25を第1のトレンチ7よりも深く形成する場合、第2のトレンチ25の基板平面方向の断面積が第1のトレンチ7よりも増大する。ここで上記工程により、埋め込み層3から基板平面方向へのリーク電流によるパンチスルー現象は、埋め込み層3とは逆導電型の分離領域16を形成することによって抑制される。第2のトレンチ25は、この分離領域16に到達するように形成すればよい。そして、分離領域16は熱処理により基板深さ方向に拡散形成することができる。このため、分離領域16の基板深さ方向の長さ及び第2のトレンチ25の長さを調節することによって、この分離領域16及び第2のトレンチ25の基板平面方向の断面積を調節することができる。よって、分離領域16及び第2のトレンチ25の断面積が最小限になるように調節できるため、素子サイズの増大を抑制することができ、ひいては半導体装置の小型化を図ることができる。
【0063】
(その他の実施の形態)
こうした半導体装置は、上記各実施形態として示した構造に限らず、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0064】
(a)上記各実施形態においては、本発明の「第1の導電体」の材料として半導体材料との親和性が高いポリシリコンを用いたが、電気抵抗のより低いタングステン、アルミニウム、タングステンシリサイド等を採用してもよい。
【0065】
(b)上記各実施形態では、本発明の「埋め込み層」を、不純物拡散層であるN型埋め込み層3として具体化した。こうした埋め込み層は、導電性の材料によって形成されればよく、上述の不純物拡散層に限定されるものではない。例えば、P型シリコン基板1の内部に、タングステン、アルミニウム、チタン等の金属の層を埋込形成することによって上記埋め込み層を具体化するようにしてもよい。
【0066】
(c)上記各実施形態にかかる半導体装置では、エピタキシャル層にゲート電極9を形成する工程の後に、ソース領域10及びチャネル領域11を形成する工程を実行しているが、エピタキシャル層5にソース領域10およびチャネル領域11を形成する工程の後にゲート電極9を形成する工程を実行しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(d)本実施形態において、ドレイン取出電極8b及び分離トレンチ電極8aがエッチバック法を用いて形成されたが、例えばCMP法、若しくはフォトリソグラフィ及びエッチングを用いて上記取出電極を形成しても良い。
【0068】
(e)本実施形態において、本発明の「第1の導電体」をドレイン取出電極部とし、チャネル領域11内に形成されるN+型の拡散領域をソース領域10としたが、本発明の「第1の導電体」をソース取出電極部とし、上記N+型の拡散領域をドレイン領域として用いてもよい。
【0069】
(f)上述した本実施の形態では、第2のトレンチ5に囲繞された一つの島領域を示し、その島領域に縦型のNチャネル型MOSトランジスタが形成される場合について述べたが、基板平面方向に続くその他の島領域においても同様に縦型のNチャネル型MOSトランジスタが複数形成され、NPNバイポーラトランジスタ等が形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の断面図。
【図2】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図3】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図4】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図5】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図6】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図7】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図8】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図9】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面構造を模式的に示す図。
【図10】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図11】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図12】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図13】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の断面図。
【図14】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図15】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図16】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図17】従来例の縦型のNチャネル型MOSトランジスタ300の断面図。
【符号の説明】
【0071】
1…半導体基板
2…エピタキシャル層
3…埋め込み層
5、25…第2のトレンチ
6…絶縁膜
7…第1のトレンチ
8…取出電極
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に半導体素子が複数併設された半導体装置において素子分離に有益な構造を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化や低コスト化の進展に伴い、こうした電子機器に搭載される電力用トランジスタにおいてもその小型化が要求されている。特に、さらなる小型化が求められる携帯機器や家庭用機器などの電子機器にあっては、制御回路や複数の電力用トランジスタを同一半導体基板上に集積するための技術が必須とされている。こうした複数の半導体素子の集積化を容易とするトランジスタ構造の一つとして、例えば特許文献1に記載のトランジスタ構造が知られている。
【0003】
図17は、特許文献1に記載の縦型のNチャネル型MOSトランジスタ300の断面図を示したものである。図示の如く、P−型の単結晶シリコン基板32上にはN−型のエピタキシャル層33が形成されている。基板32とエピタキシャル層33との界面には、N+型の拡散埋め込み層34が、イオン注入及び熱処理によって拡散形成されている。このMOSトランジスタ300は、基板の深さ方向にトレンチ溝39を形成し、埋め込み層34と電気的に接続されるように多結晶ポリシリコンをトレンチ溝39に埋め込むことによってドレイン取出電極41が形成されている。エピタキシャル層33表面に形成されたソース形成領域45にゲート電極48が埋め込まれており、同ゲート電極48の側壁近傍の半導体基板側のP−型の拡散領域44をチャネル領域としている。
【0004】
上記のように形成された半導体素子は半導体基板上に複数併設される。各素子間は、半導体基板32とエピタキシャル層33との界面にイオン注入及び熱処理を施すことで拡散形成された第1の分離領域50と、エピタキシャル層33の表面からイオン注入及び熱処理を施すことで第1の分離領域に到達するように拡散形成された第2の分離領域51とによって電気的に分断され、リーク電流による素子間パンチスルー現象が発生しないようにしている。
【特許文献1】特開2003−303960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成をとるNチャネルMOSトランジスタ300では、ゲート電極48に電圧を印加し、ゲート電極48の側壁近傍の半導体基板側のP−型の拡散領域44にチャネル領域を形成させ駆動する。このNチャネルMOSトランジスタ300ではキャリアが電子であり、この電子がソース領域45からP−型の拡散領域44、エピタキシャル層33、埋め込み層34、ドレイン取出電極41を通過する。
【0006】
上述のように電子が移動する際、つまりドレイン取出電極41から埋め込み層34を通じてソース領域45へと電流が流れる際、この経路から外れるリーク電流が隣接する素子へ流れてしまうパンチスルー現象が発生する問題がある。この現象を抑制するために、MOSトランジスタ300では素子間を電気的に分断する分離領域(第1の分離領域50及び第2の分離領域51)を形成している。この分離領域50、51は、素子耐圧の向上、つまり素子分離に要求される絶縁耐性の向上のために、横方向(半導体基板平面方向)の拡散幅を増大させなければならず、近年の半導体装置小型化の需要にそぐわない。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素子間の分離領域の幅を増大することなく好適に素子分離を達成することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
こうした目的を達成するため、本発明における半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたエピタキシャル層と、半導体基板とエピタキシャル層との間に形成された埋め込み層と、エピタキシャル層表面から埋め込み層に達する第1の溝と、第1の溝内に埋め込まれるとともに埋め込み層と接続された第1の導電体と、第1の導電体を電極とした半導体素子と、エピタキシャル層表面から半導体素子を囲むように設けられた第2の溝と、を備え、第2の溝内の少なくとも側壁が絶縁膜で被覆されたことをその要旨とする。
【0009】
上記構造では、半導体装置において、半導体素子間の分離を、その内壁が絶縁膜で被覆された第2の溝によって達成している。これにより、キャリア濃度が低い絶縁材料によって構成される絶縁膜をもって素子分離を図るため、キャリア濃度が高いイオン注入した導電層によって構成される分離領域を用いるより、薄い膜厚で素子間の高い絶縁性を確保できる。このようにして素子間のリーク電流によるパンチスルー現象の発生を抑制し、好適に素子分離を図れるとともに分離領域の横方向の増大を抑制し、半導体素子の小型化を図ることができる。さらに、第2の溝の半導体横方向の幅を変えずに内壁に被覆された絶縁膜の膜厚を調節することによって素子分離の絶縁性能を向上させることができるため、素子耐圧の向上に対する素子サイズの増大を抑制することができる。
【0010】
また、上記半導体装置において、第2の溝に第2の導電体を埋め込むことが望ましい。
【0011】
第2の溝内の側壁を被覆する絶縁膜と、往々にしてシリコンを材料とする半導体基板及びエピタキシャル層とは熱膨張係数が異なるため、温度上昇時に膨張率の差によって両者間に応力が発生する。ここで上記構造をとることによって、温度上昇時の半導体基板−絶縁膜間及びエピタキシャル層−絶縁膜間の応力を、第2の溝に埋め込まれた第2の導電層が緩衝材になることによって好適に緩和し、半導体基板若しくはエピタキシャル層にクラック等の欠陥が発生することを好適に抑制することができる。
【0012】
また、上記半導体装置において、第2の導電体に所定の電圧を印加することが望ましい。
【0013】
第2の溝が半導体基板を完全に貫通していない場合、基板の少なくとも一部で素子分離されずに素子間が繋がっている部分が存在するため、第2の溝内の側壁に形成された絶縁膜で素子間を完全に分離することはできない。素子間で素子分離が施されない部分が存在する限り、この部分をパスとするリーク電流が発生する可能性がある。ここで第2の導電体に電圧を印加することによって、半導体基板全体を所定の電圧に固定することができる。電位固定された半導体基板内のキャリアの移動は抑制されるため、同基板内に素子分離が施されていない部分が存在する場合においても、この部分を介してリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより半導体素子が形成される領域である、電位固定された半導体基板と第2の溝内を被覆する絶縁膜とで囲繞された領域に、電子が流入すること、若しくは同領域から電子が流出することが抑制される。よって上記構成にすることによりリーク電流による素子間ノイズをより好適に抑制し、ひいては好適な素子分離を達成することができる。
【0014】
また、上記半導体装置において、第2の溝が前記エピタキシャル層を貫通し、第2の溝の先端部が半導体基板内部に達するとともに埋め込み層の底面よりも深くすることが望ましい。
【0015】
このように構成することにより、基板深さ方向において、第2の溝が埋め込み層を完全に包み込むことができるため、埋め込み層から横方向へのリーク電流を好適に抑制し、このリーク電流によるパンチスルー現象の発生を好適に抑制することができる。
【0016】
また、本発明における半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面に不純物を導入して埋め込み層を形成した後、半導体基板上にエピタキシャル層を堆積する工程と、エピタキシャル層表面から埋め込み層に到達する第1の溝を形成するのと並行して、エピタキシャル層表面から素子が形成される領域を囲むように設けられる第2の溝を形成する工程と、第2の溝内の少なくとも側壁を絶縁膜で被覆する工程と、を具備することをその要旨とする。
【0017】
前述のように従来の縦型MOSトランジスタの製造工程では、素子分離領域を形成するために半導体基板とエピタキシャル層との間にイオン注入および熱処理を施すことによって第1の分離領域を拡散形成する工程と、さらにエピタキシャル層の表面にイオン注入および熱処理を施して第1の分離領域に達するように拡散形成させた第2の分離領域を形成する工程が必要である。しかし、上記のように素子分離が第2の溝内の少なくとも側壁を被覆する絶縁膜によって達成できるため、上記第1の分離領域及び第2の分離領域を形成する際に必要なイオン注入及び熱拡散の製造工程を省略することができ、製造コストおよび時間の削減を実現できる。また、第1の溝及び第2の溝を同時に形成するため、分離領域を形成するための別工程を設ける必要が無く、製造コストおよび時間の削減を実現できる。
【0018】
また、前述のようにイオン注入および熱拡散によって分離領域を作製する際、埋め込み層もこの熱処理によって拡散され、基板深さ方向の層厚が増大してしまう。このように埋め込み層の基板深さ方向の層厚が必要以上に増大してしまうと、埋め込み層上に形成されたエピタキシャル層の層厚が十分に確保されず、素子耐圧が劣化する問題がある。しかし上記半導体装置の製造プロセスでは、分離領域を作製する際、熱処理をする工程を必要としないため上記素子耐圧が劣化することを防止できる。
【0019】
また、上記半導体装置の製造方法において、エピタキシャル層と半導体基板の界面に、埋め込み層とは逆導電型の分離領域を、埋め込み層を囲むように形成する工程をさらに備え、第2の溝が分離領域に達するようにしても良い。
【0020】
溝の基板深さ方向の長さと基板平面方向の断面積は比例関係にある。例えば第2の溝を第1の溝よりも深く形成する場合、第2の溝の基板平面方向の断面積が第1の溝よりも増大する。ここで上記工程により、埋め込み層から基板平面方向へのリーク電流によるパンチスルー現象は、埋め込み層とは逆導電型の分離領域を形成することによって抑制される。第2の溝は、この分離領域に到達するように形成すればよい。このため、分離領域の基板深さ方向の長さ及び第2の溝の長さを調節することによって、この分離領域及び第2の溝の基板平面方向の断面積を調節することができる。よって、分離領域及び第2の溝の断面積が最小限になるように調節できるため、素子サイズの増大を抑制することができ、ひいては半導体装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体装置によれば、複数の半導体素子が集積された半導体装置にあって、半導体素子間の分離を好適に達成するとともに半導体装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる半導体装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0023】
はじめに、図1を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の構造について詳述する。図1は、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の断面図を示したものである。
【0024】
P−型の単結晶シリコン基板1上には、例えば、比抵抗2.0Ω cm、厚さ3.0〜7.0μmのN−型のエピタキシャル層2が形成されている。基板1とエピタキシャル層2との間には、その境界面に挟まれるようにN+型の埋め込み層3が形成されている。埋め込む層3を囲繞するとともにエピタキシャル層2を貫通し、基板1の内部まで達している第2のトレンチ5によって島領域が形成されている。本実施形態では、一つの島領域のみを図示しているが、その他複数の島領域が基板平面方向に複数形成され、それらの島領域に同様に縦型のNチャネル型のMOSトランジスタ、Pチャネル型のMOSトランジスタ、NPN型のバイポーラトランジスタ等が形成されている。第2のトレンチ5内の側壁には、第2のトレンチ5―エピタキシャル層2間および第2のトレンチ5―基板1間を絶縁するシリコン酸化膜6aが被覆されている。第2のトレンチ5内底部のシリコン酸化膜6aは除去され、第2のトレンチ5内には、例えば、不純物が導入された多結晶シリコン8aが充填されている。
【0025】
エピタキシャル層2の表面から埋め込み層3に達するように第1のトレンチ7が形成されている。第1のトレンチ7内の側面には、第1のトレンチ7―エピタキシャル層2間を絶縁するシリコン酸化膜6bが被覆されている。第1のトレンチ7内底部のシリコン酸化膜6bは除去され、第1のトレンチ7内には、例えば、タングステン8bが充填されている。第1のトレンチ7内に充填されたタングステン8bと埋め込み層3は電気的に接続されている。
【0026】
エピタキシャル層2の表面には、ゲート電極9、チャネル領域11、及びソース領域10が形成されている。具体的には、チャネル領域11となるP−型の拡散領域に、ソース領域10となるN+型の拡散領域が二重拡散により形成され、エピタキシャル層2表面側からそこにゲート電極9形成用の第3のトレンチ12が等間隔で複数形成されている。この第3のトレンチ12は、上述したチャネル領域11およびソース領域10を貫通し、埋め込み層3には到達しない深さで形成されている。そして、第3のトレンチ12内は第1のトレンチ内7とは相違し、第3のトレンチ12内の略全面にシリコン酸化膜6cが被覆されている。このシリコン酸化膜6cを介して第3のトレンチ12内に、例えば、ポリシリコンが充填されている。尚、上記ポリシリコンにはN型の不純物、例えば、リン(P)が導入されている。このポリシリコンはゲート電極9として、シリコン酸化膜6cはゲート酸化膜として用いられる。
【0027】
エピタキシャル層2表面には絶縁層13が形成されている。この絶縁層13内にはコンタクトプラグ14a及び14bが埋め込まれ、絶縁層13の上にはドレイン電極15a及びソース電極15bが、例えば、タングステン又はアルミニウム(Al)により形成されている。第1のトレンチ7内に充填されているタングステン8b(ドレイン取出電極8b)及びソース領域10は、それぞれこのコンタクトプラグ14a及び14bを介してドレイン電極15a及びソース電極15bに電気的に接続されている。
【0028】
次に、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の動作について説明する。
【0029】
上述の如く、Nチャネル型MOSトランジスタ100は、第1のトレンチ7内のタングステン8b及びN+型の埋め込み層3がドレイン取出領域として用いられる。N+型の埋め込み層3の上部領域に位置するエピタキシャル層2がドリフト領域として、P−型の拡散領域がチャネル領域11として、N+型の拡散領域がソース領域10として用いられる。第1のトレンチ7内のタングステン8bには基板1と反対面から、つまり、素子表面からドレイン電極15aが接続されている。第3のトレンチ12内のポリシリコンはゲート電極9として用いられている。ソース領域10は、コンタクトプラグ14bを介して素子表面からソース電極15bと接続されている。
【0030】
ドレイン電極15aおよびソース電極15bにそれぞれドレイン電極15aの方が高電位となるように電圧が印加された状態で、ゲート電極12にある一定の電圧を印加する。そのことで、電流はドレイン電極15aからソース電極15bへと流れる。
【0031】
次に、図2〜図12を参照して、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100の製造方法について、以下に説明する。
【0032】
工程1(図2参照) P−型の単結晶シリコン基板1を準備し、この基板1の表面を熱酸化して全面に0.3〜0.5μm程度のシリコン酸化膜4を形成する。その後、フォトリソグラフィおよびウェットエッチングを通じて、シリコン酸化膜4の図中の破線にて示す領域(後述する埋め込み層3の形成領域上のシリコン酸化膜4)のみを除去する。具体的には、まず、基板1上に形成されたシリコン酸化膜4の上面に感光性樹脂(フォトレジスト)として、例えばポジ型レジストを塗布する。続いて、上記破線にて示す領域上のみが開口されたフォトマスクを上記ポジ型レジストの表面に載置するとともに、シリコン酸化膜4の上方からこのフォトマスクを通じて紫外線やエキシマレーザー光線を照射して、同フォトマスクのパターンを上記ポジ型レジストに転写する。その後、現像を行ってシリコン酸化膜4の上面にレジストパターンを形成する。さらに、シリコン酸化膜4の上方から上記レジストパターンを介してエッチング液を吹き付けることにより、いわゆるウェットエッチングを行う。これにより、シリコン酸化膜4のうち、図中の破線に示す領域のみが除去される。
【0033】
工程2(図3参照) 図中の矢印にて示す方向からアンチモン(Sb)を含むN型不純物拡散剤を、上記工程1においてシリコン酸化膜4が除去された領域にスピン塗布した後、1250℃程度の熱処理を施すことにより、N+型の埋め込み層3を形成する。なお、このN+型の埋め込み層3の抵抗の値は、熱処理の温度と時間によって決定される。
【0034】
工程3(図4参照) シリコン酸化膜4を全て除去し、基板1をエピタキシャル成長装置のサセプタ上に配置する。そして、基板1に、ランプ加熱によって例えば1000℃程度の高温を与えると共に反応管内に二酸化シランガス(SiH2Cl2)とホスフィンガス(PH3)を導入する。これにより、基板1上に、例えば、比抵抗2.0Ω cm以上、厚さ3.0〜7.0μm程度のN−型のエピタキシャル層2を成長させる。ここで上記ランプ加熱によって、N+型の埋め込み層3は基板1上に形成されたエピタキシャル層2へも熱拡散し、図中に示すように基板1とエピタキシャル層2の界面に形成された埋め込み層3が完成する。
【0035】
工程4(図5参照) エピタキシャル層2の上表面に、フォトリソグラフィおよびエッチングを通じて、幅0.5μm、深さ1μm程度の第3のトレンチ12を形成する。その後、エピタキシャル層2の上面に熱酸化を施して150Å程度のゲート絶縁膜6cを形成する。
【0036】
工程5(図6参照) 第3のトレンチ12の内部に2000Å程度のポリシリコンを堆積し、オキシ塩化リン(POCL3)等を用いた熱処理によってポリシリコンへ燐(P)のドーピングを行う。その後、エッチバックを行ってゲート電極9を形成した後、ゲート電極9の上面を熱酸化し、ゲート電極9の上面にシリコン酸化膜6dを形成する。
【0037】
工程6(図7参照) 上記工程4及び工程5において形成したシリコン酸化膜6c及び6d上にフォトリソグラフィ技術を通じてチャネル領域11を形成する部分に開口部が設けられたフォトレジストを選択マスクとして形成する。そして、P型不純物、例えば、ホウ素(B)を加速電圧40〜100keV、導入量1.0×1013〜1.0×1015/cm2で上記選択マスクを通じてシリコン酸化膜6c及び6dの上方からエピタキシャル層2へイオン注入及び拡散し、P−型の拡散領域であるチャネル領域11を形成する。その後、フォトレジストを除去する。
【0038】
次にフォトリソグラフィ技術によりソース領域10を形成する部分に開口部が設けられたフォトレジストを選択マスクとして形成する。そして、N型不純物、例えば、リン(P)を加速電圧20〜65keV、導入量1.0×1013〜1.0×1015/cm2で上記選択マスクを通じてシリコン酸化膜6c及び6dの上方からエピタキシャル層2へイオン注入及び拡散し、N+型の拡散領域であるソース領域10を形成する。その後、フォトレジストを除去する。以上の工程により、チャネル領域11内にソース領域10が拡散形成された二重拡散構造が完成する。
【0039】
工程7(図8参照) シリコン酸化膜6c及び6d表面の略全面にシリコン窒化膜35を堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術を通じて、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を形成する部分に開口部が設けられるように選択的にシリコン窒化膜35を除去する。ここで、例えば第1のトレンチ7用の開口部の幅W1は1μm程度、第2のトレンチ5用の開口部の幅W2は3μm程度を有するようにシリコン窒化膜35を除去する。そして、フッ素ガスを用いたドライエッチングを通じて第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時形成する。この時、第1のトレンチ7は幅1μm、深さ3μm程度で埋め込み層3に到達するように形成され、第2のトレンチ5は幅3μm、深さ5μm程度で埋め込み層3を囲繞するとともに埋め込み層3の底面よりも深く形成される。このように第2のトレンチ5用の選択マスクの開口部の幅W2を第1のトレンチ7用の選択マスクの開口部の幅W1よりも広くすることにより、第2のトレンチ5が第1のトレンチ7よりも深く形成される。特に本実施形態では、第2のトレンチ5用の選択マスクの開口部の幅W2を調節することによって、埋め込み層3の底面よりも第2のトレンチの先端部が深くなるように形成される。
【0040】
工程8(図9参照) 工程7で用いたシリコン窒化膜35を利用して、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5の内壁を含めシリコン酸化膜(SiO2)を堆積する。その後、シリコン窒化膜35をマスクとしてドライエッチングを施し、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5の底面に形成されたシリコン酸化膜を除去し、第1のトレンチ7内の側壁を被覆する絶縁膜6b、及び第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aを形成する。その後、シリコン窒化膜35を除去する。
【0041】
工程9(図10参照) 第1のトレンチ7内及び第2のトレンチ5内にそれぞれ多結晶シリコンを堆積するとともにエッチバックを行い、ドレイン取出電極8b及び分離トレンチ取出電極8aを形成する。この時、多結晶シリコンにN型の不純物、例えば燐(P)を導入する。
【0042】
工程10(図11参照) エピタキシャル層2の上方から全面に絶縁層13として例えば、BPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜、SOG(Spin On Glass)膜等を堆積する。その後、フォトリソグラフィを通じて外部電極形成用のコンタクトホールを形成し、これらコンタクトホールにタングステン(W)を堆積させるとともにエッチバックを行い、コンタクトプラグ14a及び14bを形成する。コンタクトプラグ14a及び14bは、それぞれドレイン取出電極8b及びソース領域10に電気的に接続されている。
【0043】
工程11(図1参照) 絶縁層13上にスパッタ法を用いてトータル膜厚5000Å程度のTiN/Al−Cu/TiNの積層膜を堆積する。その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを施すことによって、上記コンタクトプラグ14a及び14bにそれぞれ電気的に接続される金属配線、ドレイン電極15a及びソース電極15bをそれぞれ形成する。このドレイン電極15a及びソース電極15bはアルミニウム(Al)等を材料としている。以上の各工程を経ることによって、本実施形態にかかる縦型のNチャネル型MOSトランジスタ100が完成する。
【0044】
また、工程10において、図12に示す如く、分離トレンチ取出電極8aに電気的に接続されるコンタクトプラグ14cを新たに設けても良い。このように構成することによって、コンタクトプラグ14cの上に、同コンタクトプラグ14cを介して分離トレンチ取出電極8aと電気的に接続される分離トレンチ電極15cを形成することができる。
【0045】
なお、本実施形態において、P−型の単結晶シリコン基板1は本発明の「半導体基板」、エピタキシャル層2は本発明の「エピタキシャル層」、埋め込み層3は本発明の「埋め込み層」、第1のトレンチ7は本発明の「第1の溝」、不純物を導入した多結晶シリコン8bは本発明の「第1の導電体」、第2のトレンチ5は本発明の「第2の溝」、絶縁膜6aは本発明の「絶縁膜」、不純物が導入された多結晶シリコン8aは本発明の「第2の導電体」の、それぞれ一例である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態にかかる半導体装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
(1)半導体素子間の分離を第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aによって達成している。このように構成することによって、キャリア濃度が低い絶縁材料によって構成される絶縁膜6aをもって素子分離を図るため、キャリア濃度が高いイオン注入した導電層によって構成される分離領域を用いるより、薄い膜厚で素子間の高い絶縁性を確保できる。このようにして素子間のリーク電流によるパンチスルーの発生を抑制し、好適に素子分離を図れるとともに分離領域の横方向の増大を抑制し、半導体素子の小型化を図ることができる。さらに、第2のトレンチ5の半導体基板平面方向の幅を変えずに内壁を被覆する絶縁膜6aの膜厚を調節することによって素子分離の絶縁性能を向上させることができるため、素子耐圧の向上に対する素子サイズの増大を抑制することができる。
【0048】
(2)第2のトレンチ5に分離トレンチ取出電極8aを埋め込むようにした。第2のトレンチ5内の側壁を被覆する絶縁膜6aと、シリコン(Si)を材料とする半導体基板1及びエピタキシャル層2とは熱膨張係数が大幅に異なる。ここで上記構造をとることによって、温度上昇時に熱膨張率が異なるために発生する半導体基板1−絶縁膜6a間の応力及びエピタキシャル層2−絶縁膜6a間の応力を、第2のトレンチ5内に埋め込まれた分離トレンチ取出電極8aが緩衝材になることによって好適に緩和し、エピタキシャル層2若しくは半導体基板1にクラック等の欠陥が発生することを好適に抑制することができる。
【0049】
(3)図12に示すように、分離トレンチ取出電極8a上にコンタクトプラグ14cを形成し、さらにこのコンタクトプラグ14cの上にドレイン電極15aやソース電極15bと同様に分離トレンチ電極15cを形成し、分離トレンチ取出電極8aとコンタクトプラグ14cと分離トレンチ電極15cが電気的に接続されるようにした。このように構成することによって、分離トレンチ電極15cに電圧を印加すると、コンタクトプラグ14c及び分離トレンチ取出電極8aを介して電気的に接続されている半導体基板1全体を分離トレンチ電極15cに印加した電圧に固定することができる。電位固定された半導体基板1内のキャリアの移動は抑制されるため、同基板1内に素子分離が施されていない部分が存在する場合においても、この部分を介してリーク電流が発生することを抑制することができる。これにより半導体素子が形成される領域である、電位固定された基板1と第2のトレンチ5内を被覆する絶縁膜6aとで囲繞された領域に、電子が流入すること、若しくは同領域から電子が流出することが抑制される。よって上記構成にすることによりリーク電流による素子間ノイズをより好適に抑制し、ひいては好適な素子分離を達成することができる。
【0050】
(4)第2のトレンチ5がエピタキシャル層2を貫通し、第2のトレンチ5の先端部が半導体基板1内部に達するとともに埋め込み層3の底面よりも深くなっている。このように構成することにより、基板深さ方向において、第2のトレンチ5が埋め込み層3を完全に包み込むことができるため、埋め込み層3から基板平面方向へのリーク電流を好適に抑制し、このリーク電流によるパンチスルー現象の発生を好適に抑制することができる。
【0051】
(5)上記半導体装置の製造プロセスにおいて、素子分離が第2のトレンチ5内を被覆する絶縁膜6aによって達成できるため、従来のMOSトランジスタの素子分離領域形成に必要なイオン注入及び熱拡散の製造工程を省略することができ、製造コストおよび時間の削減を実現できる。また、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時に形成するため、分離領域を形成するための別工程を設ける必要が無く、製造コストおよび時間の削減を実現できる。
【0052】
また、従来のMOSトランジスタでは、イオン注入および熱拡散によって分離領域を作製する際、埋め込み層3もこの熱処理によって拡散され、基板深さ方向の層厚が増大してしまう。このように埋め込み層3の基板深さ方向の層厚が必要以上に増大してしまうと、ゲート電極9−埋め込み層3間、チャネル領域11−埋め込み層3間のエピタキシャル層2の層厚が十分に確保されず、素子耐圧が劣化する問題がある。しかし上記半導体装置の製造プロセスでは、分離領域を作製する際、熱処理をする工程を必要としないため上記素子耐圧が劣化することを防止できる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる半導体装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。本実施形態にかかる半導体装置も、その基本的な構造は先の第1の実施形態の半導体装置に準じたものとなっている。ただし、本実施形態にかかる半導体装置では、第2のトレンチ25及び分離領域16によって素子分離を図っている。こうした半導体装置について、図13〜図16を参照しつつ説明する。なお、先の第1の実施形態と同様あるいはそれに準じた構造については、同一符合を付すと共にその詳細な説明を割愛する。
【0054】
はじめに、図13を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の構造について詳述する。図13は、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ200の断面図を示したものである。
【0055】
図示の如く、半導体基板1とエピタキシャル層2との界面に埋め込む層3を囲繞するように、イオン注入及び熱拡散を通じてP+型の分離領域16が形成されている。上記分離領域16と、エピタキシャル層2の表面から分離領域16に達する第2のトレンチ25とによって島領域が形成されている。
【0056】
次に、図14〜図16を参照して、縦型のNチャネル型MOSトランジスタ200の製造方法について、以下に説明する。尚、以下の説明では、先の第1の実施形態と同様の工程については詳細な説明を割愛し、同第1の実施形態とは異なる工程についてのみ説明する。
【0057】
工程12(図14参照) 第1の実施形態における工程2の後に、シリコン酸化膜4を全て除去し、フォトリソグラフィを通じて埋め込み層3の上面を被覆するマスクを形成する。そして、同図に示すように、矢印の方向から半導体基板1の上面にボロン(B)をイオン注入するとともに、熱処理による活性化を行う。これにより、上記埋め込み層3を囲繞する素子分離領域16を形成する。
【0058】
工程13(図15参照) 基板1上に、例えば、比抵抗2.0Ω cm以上、厚さ3.0〜7.0μm程度のエピタキシャル層2を成長させる。このとき、エピタキシャル成長装置のランプ加熱によって、N+型の埋め込み層3及びP+型の分離領域16は基板1上に形成されたエピタキシャル層2へも熱拡散し、図中に示すように基板1とエピタキシャル層2の界面に形成された埋め込み層3及び分離領域16が完成する。
【0059】
工程14(図16参照) 第1の実施形態における工程6の後、シリコン酸化膜6c及び6d表面の略全面にシリコン窒化膜(図示せず)を堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術を通じて、第1のトレンチ7及び第2のトレンチ25を形成する部分に開口部が設けられるように選択的に上記シリコン窒化膜を除去する。ここで、例えば第1のトレンチ7用の開口部及び第2のトレンチ5用の開口部が幅0.5μm程度有するように上記シリコン窒化膜を除去する。そして、ウェットエッチングを通じて第1のトレンチ7及び第2のトレンチ5を同時形成する。この時、第1のトレンチ7は幅0.5μm、深さ2μm程度で埋め込み層3に到達するように形成し、第2のトレンチ5は幅0.5μm、深さ2μm程度で分離領域16に到達するように形成する。
【0060】
なお、本実施形態において、P+型の分離領域16は本発明の「分離領域」の一例である。
【0061】
以上説明したように、本実施形態にかかる半導体装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
(6)トレンチの基板深さ方向の長さと基板平面方向の断面積は比例関係にある。例えば第2のトレンチ25を第1のトレンチ7よりも深く形成する場合、第2のトレンチ25の基板平面方向の断面積が第1のトレンチ7よりも増大する。ここで上記工程により、埋め込み層3から基板平面方向へのリーク電流によるパンチスルー現象は、埋め込み層3とは逆導電型の分離領域16を形成することによって抑制される。第2のトレンチ25は、この分離領域16に到達するように形成すればよい。そして、分離領域16は熱処理により基板深さ方向に拡散形成することができる。このため、分離領域16の基板深さ方向の長さ及び第2のトレンチ25の長さを調節することによって、この分離領域16及び第2のトレンチ25の基板平面方向の断面積を調節することができる。よって、分離領域16及び第2のトレンチ25の断面積が最小限になるように調節できるため、素子サイズの増大を抑制することができ、ひいては半導体装置の小型化を図ることができる。
【0063】
(その他の実施の形態)
こうした半導体装置は、上記各実施形態として示した構造に限らず、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0064】
(a)上記各実施形態においては、本発明の「第1の導電体」の材料として半導体材料との親和性が高いポリシリコンを用いたが、電気抵抗のより低いタングステン、アルミニウム、タングステンシリサイド等を採用してもよい。
【0065】
(b)上記各実施形態では、本発明の「埋め込み層」を、不純物拡散層であるN型埋め込み層3として具体化した。こうした埋め込み層は、導電性の材料によって形成されればよく、上述の不純物拡散層に限定されるものではない。例えば、P型シリコン基板1の内部に、タングステン、アルミニウム、チタン等の金属の層を埋込形成することによって上記埋め込み層を具体化するようにしてもよい。
【0066】
(c)上記各実施形態にかかる半導体装置では、エピタキシャル層にゲート電極9を形成する工程の後に、ソース領域10及びチャネル領域11を形成する工程を実行しているが、エピタキシャル層5にソース領域10およびチャネル領域11を形成する工程の後にゲート電極9を形成する工程を実行しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(d)本実施形態において、ドレイン取出電極8b及び分離トレンチ電極8aがエッチバック法を用いて形成されたが、例えばCMP法、若しくはフォトリソグラフィ及びエッチングを用いて上記取出電極を形成しても良い。
【0068】
(e)本実施形態において、本発明の「第1の導電体」をドレイン取出電極部とし、チャネル領域11内に形成されるN+型の拡散領域をソース領域10としたが、本発明の「第1の導電体」をソース取出電極部とし、上記N+型の拡散領域をドレイン領域として用いてもよい。
【0069】
(f)上述した本実施の形態では、第2のトレンチ5に囲繞された一つの島領域を示し、その島領域に縦型のNチャネル型MOSトランジスタが形成される場合について述べたが、基板平面方向に続くその他の島領域においても同様に縦型のNチャネル型MOSトランジスタが複数形成され、NPNバイポーラトランジスタ等が形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の断面図。
【図2】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図3】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図4】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図5】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図6】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図7】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図8】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図9】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面構造を模式的に示す図。
【図10】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図11】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図12】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図13】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の断面図。
【図14】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図15】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図16】同実施形態に係る半導体装置の製造工程における同半導体装置の断面図。
【図17】従来例の縦型のNチャネル型MOSトランジスタ300の断面図。
【符号の説明】
【0071】
1…半導体基板
2…エピタキシャル層
3…埋め込み層
5、25…第2のトレンチ
6…絶縁膜
7…第1のトレンチ
8…取出電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層と、
前記半導体基板と前記エピタキシャル層との間に形成された埋め込み層と、
前記エピタキシャル層表面から前記埋め込み層に達する第1の溝と、
前記第1の溝内に埋め込まれるとともに前記埋め込み層と接続された第1の導電体と、
前記第1の導電体を電極とした半導体素子と、
前記エピタキシャル層表面から前記半導体素子を囲むように設けられた第2の溝と、を備え、
前記第2の溝内の少なくとも側壁が絶縁膜で被覆されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の溝に第2の導電体が埋め込まれたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の導電体に所定の電圧が印加されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の溝が前記エピタキシャル層を貫通し、前記第2の溝の先端部が前記半導体基板内部に達するとともに前記埋め込み層の底面よりも深いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の表面に不純物を導入して埋め込み層を形成した後、前記半導体基板上にエピタキシャル層を堆積する工程と、
前記エピタキシャル層表面から前記埋め込み層に到達する第1の溝を形成するのと並行して、前記エピタキシャル層表面から素子が形成される領域を囲むように設けられる第2の溝を形成する工程と、
前記第2の溝内の少なくとも側壁を絶縁膜で被覆する工程と、を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記エピタキシャル層と前記半導体基板の界面に、前記埋め込み層とは逆導電型の分離領域を、前記埋め込み層を囲むように形成する工程をさらに備え、
前記第2の溝が前記分離領域に達することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層と、
前記半導体基板と前記エピタキシャル層との間に形成された埋め込み層と、
前記エピタキシャル層表面から前記埋め込み層に達する第1の溝と、
前記第1の溝内に埋め込まれるとともに前記埋め込み層と接続された第1の導電体と、
前記第1の導電体を電極とした半導体素子と、
前記エピタキシャル層表面から前記半導体素子を囲むように設けられた第2の溝と、を備え、
前記第2の溝内の少なくとも側壁が絶縁膜で被覆されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の溝に第2の導電体が埋め込まれたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の導電体に所定の電圧が印加されたことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の溝が前記エピタキシャル層を貫通し、前記第2の溝の先端部が前記半導体基板内部に達するとともに前記埋め込み層の底面よりも深いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の表面に不純物を導入して埋め込み層を形成した後、前記半導体基板上にエピタキシャル層を堆積する工程と、
前記エピタキシャル層表面から前記埋め込み層に到達する第1の溝を形成するのと並行して、前記エピタキシャル層表面から素子が形成される領域を囲むように設けられる第2の溝を形成する工程と、
前記第2の溝内の少なくとも側壁を絶縁膜で被覆する工程と、を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記エピタキシャル層と前記半導体基板の界面に、前記埋め込み層とは逆導電型の分離領域を、前記埋め込み層を囲むように形成する工程をさらに備え、
前記第2の溝が前記分離領域に達することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−34649(P2008−34649A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206891(P2006−206891)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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