説明

半導体装置

【課題】作製工程が簡略化され、容量素子の面積が縮小化された昇圧回路を有する半導体
装置を提供することを課題とする。
【解決手段】直列に接続され、第1の入力端子部から出力端子部へ整流作用を示す複数の
整流素子と、第2の入力端子部に接続され、互いに反転する信号が入力される第1の配線
及び第2の配線と、それぞれ第1の電極、絶縁膜及び第2の電極を有し、昇圧された電位
を保持する複数の容量素子とから構成される昇圧回路を有し、複数の容量素子は、第1の
電極及び第2の電極が導電膜で設けられた容量素子と、少なくとも第2の電極が半導体膜
で設けられた容量素子とを有し、複数の容量素子において少なくとも1段目の容量素子を
第1の電極及び第2の電極が導電膜で設けられた容量素子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧回路を有する半導体装置に関し、特に電源電圧より高電位を供給する昇圧
回路を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昇圧回路はCCD、有機EL素子、低温ポリシリコン液晶素子、白色発光ダイオード、R
F回路、多電源システムなど多くの目的で用いられている。例えば、フラッシュメモリ等
の半導体装置における低電圧化に伴い、データの書き込みや消去に必要な高電圧を得るた
めに電源電圧の昇圧が行われている。近年、半導体装置の集積回路の高集積化に伴い、小
面積で効率がよく、高電圧を発生する昇圧回路が多くの分野で期待されている。
【0003】
昇圧回路の面積を低減するために、キャパシタ(容量素子)として、導電型を有する半導
体基板を用いたMOSキャパシタや高誘電率を有する絶縁膜を用いることが提案されてい
る(例えば、特許文献1)。特許文献1では、MOSキャパシタの一方の電極を導電型を
有する半導体基板、他方の電極をゲート電極に対応する導電膜とし、2つの電極間にトラ
ンジスタのゲート絶縁膜に対応する絶縁膜を設けることによって、単位面積当たりの静電
容量を大きくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−297936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半導体装置において昇圧回路等の素子を薄膜トランジスタ(以下、「TF
T」とも記す)で設け、容量素子の一方の電極を導電型を有する半導体膜で設ける場合、
基板上に半導体膜を形成した後に容量素子の一方の電極となる半導体膜に選択的に不純物
元素を導入する必要がある。その結果、作製工程の増加又は不純物元素を導入しない半導
体膜への汚染が懸念される。また、容量素子の電極として、不純物元素を導入しない半導
体膜を用いる場合、容量素子の一端にかかる電圧(入力電圧から整流素子のしきい値電圧
を引いた電圧)が薄膜トランジスタ型の容量素子のしきい値電圧より小さくなった際に、
容量として機能しないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、作製工程が簡略化され、容量素子の面積が縮小化された昇圧
回路を有する半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、直列に接続され、第1の入力端子部から出力端子部へ整流作用を
示す複数の整流素子と、第2の入力端子部に接続され、互いに反転する信号が入力される
第1の配線及び第2の配線と、それぞれ第1の電極、絶縁膜及び第2の電極を有する容量
素子とから構成される昇圧回路を有し、第1の電極は、複数の整流素子において、隣接し
て設けられた一方の整流素子の出力部及び他方の整流素子の入力部に接続され、第2の電
極は、第1の配線又は第2の配線に接続されており、複数の容量素子は、第1の電極及び
第2の電極が導電膜で設けられた容量素子と、少なくとも第2の電極が半導体膜で設けら
れた容量素子とを有し、複数の容量素子において、少なくとも1段目の容量素子を第1の
電極及び第2の電極が導電膜で設けられた容量素子とする。
【0008】
また、本発明の半導体装置は、上記構成において、整流素子は、ダイオード接続の薄膜ト
ランジスタであり、薄膜トランジスタのゲート電極と、1段目の容量素子の第1の電極と
、第2の電極が半導体膜で設けられた容量素子の第1の電極とが同一の材料で設けた構成
とすることができる。
【0009】
また、本発明の半導体装置は、直列に接続され、第1の入力端子部から出力端子部へ整流
作用を示す第1の整流素子、第2の整流素子及び第3の整流素子を少なくとも含む複数の
整流素子と、第2の入力部に接続された第1の配線及び第2の配線と、第1段目に設けら
れる第1の容量素子と第2段目に設けられる第2の容量素子とを具備する複数の容量素子
とから構成される昇圧回路を有し、複数の容量素子は、第1の電極及び第2の電極が導電
膜で設けられた容量素子と、少なくとも第1の電極が半導体膜で設けられた容量素子とを
有し、第1の容量素子の第1の電極は第1の整流素子の出力部と第2の整流素子の入力部
に接続され、第1の容量素子の第2の電極は第1の配線に接続され、第2の容量素子の第
1の電極は第2の整流素子の出力部と第3の整流素子の入力部に接続され、第2の容量素
子の第2の電極は第2の配線に接続され、少なくとも第1の容量素子を、第1の電極及び
第2の電極が導電膜で設けられた容量素子とする。また、第2の容量素子を、第2の電極
が半導体膜で設けられた容量素子としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、昇圧回路の容量素子に薄膜トランジスタ型の容量素子を設けることによ
って、面積を縮小化することができる。また、容量素子の一方の電極をTFTのチャネル
形成領域を構成する半導体膜と同様の半導体膜で設けることによって、半導体膜への不純
物元素の導入が不要となり作製工程を簡略化でき、マスクの削減による低コスト化を図る
ことができる。また、昇圧回路に設けられた複数段の容量素子において、少なくとも1段
目の容量素子を2つの電極が導電膜から構成される容量素子で設け、他の段の容量素子を
半導体膜を用いた容量素子で設けることによって、1段目の容量素子の一端にかかる電圧
が半導体膜を用いた容量素子の閾値電圧より低くなった場合でも電荷を蓄えることができ
るため、面積を縮小化し且つ昇圧回路の適正な動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図2】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図3】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図4】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図5】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図8】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図9】本発明の半導体装置の一例を示す図。
【図10】本発明の半導体装置の使用形態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態
様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態および詳細を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形
態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全
図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返し
の説明は省略する。
(実施の形態1)
【0013】
本実施の形態では、本発明の半導体装置の昇圧回路の一構成例に関して図面を参照して説
明する。
【0014】
本実施の形態で示す半導体装置は、2つの導電膜間に絶縁膜が設けられた容量素子と、薄
膜トランジスタ型の容量素子を用いて構成された昇圧回路を有する。薄膜トランジスタ型
の容量素子は、第1の電極がTFTのゲート電極に対応する導電膜で設けられ、絶縁膜が
TFTのゲート絶縁膜に対応する絶縁膜で設けられ、第2の電極がTFTのチャネル形成
領域を構成する半導体膜に対応する半導体膜で設けられた容量素子をいい、半導体装置に
おいて他の集積回路に設けられるスイッチ等として機能するTFTと同一の工程で形成さ
れる。以下、本実施の形態で示す昇圧回路を具備する半導体装置の具体的な構成に関して
説明する。
【0015】
本実施の形態で示す半導体装置における昇圧回路は、2つの導電膜間に絶縁膜が設けられ
た容量素子(両極性)と、少なくとも一方の電極が半導体膜で設けられた薄膜トランジス
タ型の容量素子(単極性)の2つが組み合わされて構成されている。ここでは、第1の入
力端子部101と、第2の入力端子部102と、出力端子部103と、第1の容量素子2
05_〜第nの容量素子205_と、第1のダイオード104_〜第nのダイオー
ド104_と、インバータ106とを有している。第1のダイオード104_〜第n
のダイオード104_は、直列に接続され、第1の入力端子部101から出力端子部1
03へ整流作用をもつ整流素子である。ここでは、第1の入力端子部101は、第1のダ
イオード104_の一方の電極に接続され、第1のダイオード104_の他方の電極
は第2のダイオード104_の一方の電極及び第1の容量素子205_の一方の電極
に接続されている(図1参照)。
【0016】
また、図1に示した構成において、薄膜トランジスタ型の容量素子は、一方の電極(第1
の電極)を導電膜で設け、他方の電極(第2の電極)を半導体膜で設けた構成とする。具
体的には、第1の電極をTFTのゲート電極に対応する導電膜で設け、第2の電極を他の
集積回路等に設けるTFTのチャネル形成領域を構成する半導体膜に対応する半導体膜で
設け、絶縁膜をTFTのゲート絶縁膜に対応する絶縁膜で設ける。そのため、第2の電極
となる半導体膜に不純物元素を導入する工程が不要となるため、作製工程を簡略化するこ
とができる。
【0017】
第2の入力端子部102は、第1の配線107aと第2の配線107bに接続されている
。第1の配線107aは、第1の容量素子205_、第3の容量素子205_等の奇
数段の容量素子の他方の電極にそれぞれ接続されている。また、第2の配線107bは、
第2の容量素子205_、第4の容量素子205_等の偶数段の容量素子の他方の電
極にそれぞれ接続されている。
【0018】
第1の入力端子部101には、所定の電圧(例えば、電源電圧)が入力され、出力端子部
103から昇圧された電圧が出力される。また、第2の入力端子部102には、クロック
信号が入力され、インバータ106により第1の配線107aと第2の配線107bにそ
れぞれ反転した信号(「ハイ(High)」又は「ロウ(Low)」)がそれぞれ入力さ
れる。従って、一定期間毎に、第1の配線107aに接続された奇数段の容量素子(第1
の容量素子205_、第3の容量素子205_等)の他方の電極と、第2の配線10
7bに接続された偶数段の容量素子(第2の容量素子205_、第4の容量素子205
_等)の他方の電極に、それぞれハイ、ロウが印加される。
【0019】
なお、ここでは、第1の配線107aと第2の配線107bに、それぞれ反転した(位相
が180°異なる)クロック信号を入力するために、第2の入力端子部102と第2の容
量素子205_の他方の電極と接続するようにインバータ106を設けた構成としてい
る。また、インバータ106を設けず、位相の異なるクロック信号をそれぞれ入力する構
成としても良い。
【0020】
また、本実施の形態で示す昇圧回路は、少なくとも一段目の容量素子(ここでは第1の容
量素子205_)を第1の導電膜と第2の導電膜間に絶縁膜を設けた構成とし、他の容
量素子(ここでは、第2の容量素子205_〜第nの容量素子205_)を薄膜トラ
ンジスタ型の構成で設ける。これは、第1の容量素子205_を薄膜トランジスタ型の
容量素子で設けた場合、薄膜トランジスタ型の容量素子の一端にかかる電圧(入力電圧か
ら整流素子の閾値電圧を引いた電圧)が薄膜トランジスタ型の容量素子の閾値電圧より低
くなると、容量として機能しない問題があるためである。なお、本明細書において、1段
目の容量素子とは、昇圧回路に設けられた複数の容量素子において、最も低い電位が保持
される容量素子をいう。ここでは、第1の入力端子部101と接続された一段目のダイオ
ードとなる第1のダイオード104_の出力端子部及び第2のダイオード104_
入力端子部に接続された第1の容量素子205_が1段目の容量素子となる。また、1
段目の容量素子を第1のダイオード104_の出力部でなく入力部と接続するように設
けた構成としてもよい。
【0021】
このように、昇圧回路において、第1の導電膜と第2の導電膜間に絶縁膜を設けた構成の
みからなる容量素子で設けるのではなく、薄膜トランジスタ型の容量素子を設けることに
よって、容量素子を構成する絶縁膜の膜厚を薄く形成することができるため、容量素子の
面積を小さくすることができる。さらに、薄膜トランジスタ型の容量素子を設けることに
よって、あらかじめ他方の電極と重なる半導体膜に不純物元素を導入する工程を省略する
ことができるため工程を簡略化し低コスト化を図ることが可能となる。つまり、図1で示
した構成とすることによって、容量素子の面積の低減及び昇圧回路の適正な動作を実現す
ることができる。
【0022】
また、本実施の形態では、少なくとも第1の容量素子205_を導電膜の間にゲート絶
縁膜とは異なる絶縁膜を設けた構成としており、第1の容量素子205_と他の容量素
子(ここでは、第2の容量素子205_〜第nの容量素子205_)を同じ容量値と
する場合、第1の容量素子205_と第2の容量素子は一般的に素子面積が異なる。通
常、ゲート絶縁膜はゲート絶縁膜とは異なる絶縁膜より薄く、第1の容量素子205_
は第2の容量素子205_より大きくなる。
【0023】
なお、第1のダイオード104_〜第nのダイオード104_は、整流機能を有する
素子であればよく、例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオー
ド、MIM(MetalInsulatorMetal)ダイオード、MIS(Meta
l Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続の
トランジスタ等で設けることができる。
【0024】
次に、本実施の形態の半導体装置の昇圧回路の動作について図1を用いて簡単に説明する

【0025】
図1に示す昇圧回路はn個のダイオード104_〜104_と容量素子205_
205_と、インバータ106から構成され、クロック信号を入力することにより、入
力電圧をVIN、ダイオードの順方向電圧をVFとしたときに出力は(VIN−VF)×
nの電圧を得ることができるというものである。第2の入力端子部102から出力された
クロック信号が、容量素子205_、205_の一端へ入力される。また、第2の入
力端子部102から出力され、インバータ106によって反転された信号が容量素子20
5_の一端へ入力される。ダイオード104_から見たアノードをA、カソードをB
とする。クロック信号およびその反転信号によりアノードAおよびカソードBにそれぞれ
電荷が供給される。そしてアノードAとカソードBの電位差がダイオードの順方向電圧V
Fを超えたときに電流が流れ、カソード側を昇圧する。このとき上昇する電圧は(VIN
−VF)となる。回路が直列に複数接続されている場合、一段進むたびに出力電圧が(V
IN−VF)分だけ上昇する。図1の場合はn段直列に接続されているため出力電圧は(
VIN−VF)×n分上昇することになる。このようにして図1の回路は昇圧回路として
働く。
【0026】
次に、本発明の半導体装置の昇圧回路の具体的な構成について図2、図3を用いて説明す
る。なお、図2は半導体装置の昇圧回路の上面図の模式図であり、図3は図2におけるA
1−A2間及びB1−B2間の断面図の模式図である。図2、図3では、上記図1のダイ
オードをダイオード接続の薄膜トランジスタで設けた場合を示している。
【0027】
図2、図3に示す半導体装置は、基板110上に絶縁膜111を介して島状に設けられた
半導体膜113、114と当該半導体膜113、114の上方にゲート絶縁膜115を介
して設けられた導電膜117、118と、ゲート絶縁膜115上に設けられた第1の導電
膜218と、ゲート絶縁膜115と導電膜117、118を覆って設けられた絶縁膜11
9と、当該絶縁膜119上に設けられた導電膜120a、120b、121b及び第2の
導電膜231とを有している。
【0028】
半導体膜113は、導電膜117の下方に設けられたチャネル形成領域113aと、チャ
ネル形成領域113aにより離間して設けられた不純物領域113bを有しており、離間
して設けられた不純物領域113bに導電膜120a、120bが電気的に接続されてい
る。また、離間して設けられた不純物領域113bをソース領域又はドレイン領域といい
、導電膜120a、120bをソース電極又はドレイン電極ということがある。
【0029】
半導体膜113、ゲート絶縁膜115及びゲート電極として機能する導電膜117から構
成される薄膜トランジスタは、導電膜117とソース電極又はドレイン電極として機能す
る導電膜120aとが電気的に接続されており、ダイオードとして機能する。また、導電
膜120aは図1における第1のダイオード104_の一方の電極に相当し、導電膜1
20bは第1のダイオード104_の他方の電極に相当する。
【0030】
半導体膜114は、導電膜118の下方に設けられた領域114aと、領域114aによ
り離間して設けられた不純物領域114bを有しており、離間して設けられた不純物領域
114bに導電膜121bが電気的に接続されている。また、離間して設けられた不純物
領域114bは、半導体膜113のソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領
域113bと同時に設けられる。
【0031】
また、半導体膜114において、領域114aは半導体膜113のチャネル形成領域11
3aと同様に形成される。従って、領域114aとチャネル形成領域113aに含まれる
不純物元素は概略同一となっている。
【0032】
なお、半導体膜114、ゲート絶縁膜115及び導電膜118から構成される薄膜トラン
ジスタ型の容量素子は、離間して設けられた不純物領域114bに接続する導電膜121
bが設けられている。また、半導体膜114は図1における第2の容量素子205_
第nの容量素子205_の第2の電極に相当し、導電膜118は図1における第2の容
量素子205_〜第nの容量素子205_の第1の電極に相当する。また、半導体膜
114の不純物領域114bは、導電膜121bを介して第2の配線107bと電気的に
接続されている。
【0033】
また、第1の容量素子205_は、第1の導電膜218と絶縁膜119と第2の導電膜
231で設けることができる。第1の導電膜218は、導電膜117、導電膜118と同
一の材料で設け、第2の導電膜231は、導電膜120a、120b、121bと同一の
材料で設けることができる。
【0034】
このように、容量素子の絶縁膜としてゲート絶縁膜を用いることにより容量素子の面積を
小さくすることができるため、半導体装置の小型化を達成することができる。また、薄膜
トランジスタ型の容量素子を用いる場合、一方の電極を集積回路に設けられたTFTのチ
ャネル形成領域を構成する半導体膜に対応する半導体膜で設けることによって、製造工程
の簡略化やマスクの削減が可能となり、その結果低コスト化を実現することができる。ま
た、2つの電極が導電膜で設けられた容量素子と、一方の電極が半導体膜で設けられた薄
膜トランジスタ型の容量素子を組み合わせて設ける場合、少なくとも1段目の容量素子を
2つの電極が導電膜で設けられた構成とすることによって、容量素子の面積の低減及び昇
圧回路の適正な動作を実現することができる。
【0035】
また、図2、図3では、容量素子において、不純物領域114bと電気的に接続する導電
膜121bが導電膜118と重ならない場合を示したが、導電膜121bが導電膜118
を覆うように設けてもよい(図4、図5参照)。このように設けた場合、容量が増えるこ
とによる面積の縮小化や特性の向上が得られる。なお、図4は半導体装置の昇圧回路の上
面図の模式図であり、図5は図4におけるA1−A2間及びB1−B2間の断面図の模式
図である。
【0036】
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、本明細書における他の実施の形態の半
導体装置の構成と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
【0037】
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の作製方法の一例に関して図6、
図7を参照して説明する。
【0038】
まず、基板110上に、下地となる絶縁膜111を形成する。基板110は、ガラス基板
、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの、本工程の処理
温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板110
であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板110として、例えば、1辺が
1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることがで
きる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点
である。また、高速な動作が必要とされる回路を設ける場合には、SOI(Silico
n On Insulator)基板を用いてもよい。また、基板110と絶縁膜111
との間に、剥離層を用いれば、薄膜トランジスタを有する層を、導電膜等が形成された基
板へ転置することができ、その結果、薄膜トランジスタに接続された導電膜と、転置先の
基板上の導電膜との接続を簡便なものとすることができる。
【0039】
絶縁膜111は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒
化物を含む層を形成する。珪素の酸化物材料とは、珪素(Si)と酸素(O)を含む物質
であり、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。珪素の窒化物材料とは、
珪素と窒素(N)を含む物質であり、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当す
る。下地となる絶縁膜は単層または積層であってもよく、例えば、下地となる絶縁膜が2
層構造の場合、1層目を窒化酸化珪素層で形成し、2層目を酸化窒化珪素層で形成する。
下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素層を形成し、2層目
の絶縁膜として窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素層を形成す
るとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素層を形成し、2層目の絶縁膜とし
て窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素層を形成するとよい。下
地となる絶縁膜は、基板110からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能
する。
【0040】
次に、絶縁膜111上に非晶質半導体膜(例えば非晶質珪素を含む層)を形成する。非晶
質半導体膜は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200n
m(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。続いて、非晶質半導体膜をレーザ
結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属
元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化
法を組み合わせた方法等により結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。その後、得られ
た結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして、結晶質半導体膜113、114を形
成する(図6(A)参照)。
【0041】
結晶質半導体膜113、114の作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラ
ズマCVD法を用いて、膜厚66nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長
する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導
体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を
行って結晶質半導体膜を形成する。その後、必要に応じてレーザ光を照射し、フォトリソ
グラフィ法を用いたパターニング処理によって結晶質半導体膜113、114を形成する
。レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を形成する場合、連続発振またはパルス発振の気体レ
ーザ又は固体レーザを用いる。気体レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザ、Y
VOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、Ti:
サファイアレーザ等を用いる。固体レーザとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、C
o、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO、YLF、YAlOなどの結晶
を使ったレーザを用いる。
【0042】
また、結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体膜の結晶化を行うと、低温で短時
間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある一方、金属元素が結晶
質半導体膜に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そ
こで、結晶質半導体膜上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体膜を形成す
るとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体膜には、リンやアルゴンの不純物元素
を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なス
パッタ法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用い
た熱アニール等)を行って、非晶質半導体膜中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属
元素を含む非晶質半導体膜を除去する。そうすると、結晶質半導体膜中の金属元素の含有
量を低減又は除去することができる。
【0043】
次に、結晶質半導体膜113、114を覆うゲート絶縁膜115を形成する。ゲート絶縁
膜115は、プラズマCVD法やスパッタ法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を
含む層を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む層、酸化窒化珪素を
含む層、窒化酸化珪素を含む層を、単層又は積層して形成する。
【0044】
次に、ゲート絶縁膜115上に、第1の導電膜と第2の導電膜を積層して形成する(図6
(B)参照)。第1の導電膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、20〜
100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等
により、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタ
ル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム
(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれ
らの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純
物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電
膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル層とタングステン(W)層
、窒化タングステン層とタングステン層、窒化モリブデン層とモリブデン(Mo)層等が
挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の
導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層
構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン層とアルミニウム層とモリブデン層の積層
構造を採用するとよい。
【0045】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、第1の導電膜及
び第2の導電膜にエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電膜117、1
18と容量素子の第1の電極として機能する導電膜218を形成する(図6(C)参照)

【0046】
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体
膜113、114に、イオンドープ法又はイオン注入法により、N型またはP型の所望の
不純物領域113b、114bと、チャネル形成領域113a、領域114aを形成する
。例えば、N型を付与する場合、N型を付与する不純物元素として、15族に属する元素
を用いれば良い。例えばリン(P)、砒素(As)を用いて不純物元素を添加し、N型の
不純物領域を形成する。次に、P型を付与する場合、フォトリソグラフィ法によりレジス
トからなるマスクを形成して、所望の結晶質半導体膜に、P型を付与する不純物元素、例
えばボロン(B)を添加して、P型不純物領域を形成する。
【0047】
次に、ゲート絶縁膜115と導電膜117、118を覆うように、絶縁膜119を形成す
る。絶縁膜119は、スパッタ法、CVD法、SOG法、液滴吐出法等により、珪素の酸
化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アク
リル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等で形成する。シロキサンとは、シリコン(S
i)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含
む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ
基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基とを
用いてもよい。また、ゲート絶縁膜と導電膜を覆う絶縁膜は単層または積層であってもよ
く、3層構造の場合、1層目の絶縁膜に酸化珪素を含む層を形成し、2層目の絶縁膜に樹
脂を含む層を形成し、3層目の絶縁膜に窒化珪素を含む層を形成するとよい。
【0048】
なお、絶縁膜119を形成する前、又は絶縁膜119のうちの1つ又は複数の薄膜を形成
した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体
膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニ
ール法又はRTA法などを適用するとよい。
【0049】
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜119をエッチングして、不純物領域113b
、114bを露出させるコンタクトホールを形成する(図7(A)参照)。続いて、コン
タクトホールを充填するように、導電膜154を形成する(図7(B)参照)。
【0050】
導電膜154は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、チタン(Ti)、アル
ミニウム(Al)、ネオジム(Nd)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分と
する合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分と
する合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アル
ミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当
する。導電膜120a〜121bは、例えば、バリア層とアルミニウムシリコン(Al−
Si)層とバリア層の積層構造、バリア層とアルミニウムシリコン(Al−Si)層と窒
化チタン層とバリア層の積層構造を採用するとよい。なお、バリア層とは、チタン、チタ
ンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウ
ムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜120a〜121b
を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウ
ムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高
い元素であるチタンからなるバリア層を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜
ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトを
とることができる。
【0051】
次に、導電膜154を選択的にエッチングすることによって、ソース電極又はドレイン電
極として機能する導電膜120a、120b、121a、121bと、容量素子の第2の
電極として機能する導電膜231を形成する(図7(C)参照)。
【0052】
以上の工程を経て、半導体膜113、ゲート絶縁膜となる絶縁膜115及びゲート電極と
なる導電膜117を有する薄膜トランジスタと、第1の電極となる導電膜218、絶縁膜
119及び第2の電極となる導電膜231を有する容量素子と、第2の電極となる半導体
膜114、絶縁膜115及び第1の電極となる導電膜118を有する薄膜トランジスタ型
の容量素子を含む半導体装置が得られる。
【0053】
本実施の形態で示すように、薄膜トランジスタと薄膜トランジスタ型の容量素子と2つの
電極が導電膜から構成される容量素子を同一工程において作製することができる。
(実施の形態3)
【0054】
本実施の形態では、上記実施の形態で示した昇圧回路を内蔵したメモリを有し、無線で情
報の送受信が可能な半導体装置(RFID(Radio Frequency IDen
tification system)タグ、RFタグ、IDタグ、ICタグ、無線タグ
、電子タグ、無線チップともよばれる)の構成について、図面を参照して説明する。
【0055】
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触で外部の機器(リーダ/ライタ)と情報の送受
信が可能であり、無電池で動作し、耐久性、耐候性に優れるなどの特徴を有する。このよ
うな半導体装置には機能向上のためにメモリを搭載することがしばしば行われている。
【0056】
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であるこ
とを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によ
って交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用し
て交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データ
の伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つは複数の素子および記憶素子が設
けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つは複数の素子および記憶素子が設けら
れた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける
場合がある。
【0057】
本実施の形態では、複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場
合の半導体装置の一構成例を、図8を参照して説明する。
【0058】
図8に示す半導体装置は、基板400上にアンテナ回路401、クロック発生回路404
、電源回路405、制御回路412、メモリ回路413を有する。アンテナ回路401は
アンテナ402と共振容量403を有し、電源回路405は平滑化回路406と昇圧回路
407を有する。さらに、平滑化回路406は交流信号を整流するダイオード408と平
滑化容量409を有し、昇圧回路407は電圧を昇圧するためのダイオード群410と容
量素子群411を有する。また、これらの回路以外にデータ変調/復調回路、センサーな
どを有していてもよい。
【0059】
メモリ回路にデータを書き込む動作を行うには、読み出し時に用いる電圧よりも電位が高
い第2の電圧を加える必要がある。第2の電圧を生成する方法として、アンテナから受信
した信号を平滑化した電圧(第1の電圧)を元に、昇圧回路を用いて昇圧する方法を用い
ることができる。特に、上記実施の形態で示した半導体装置の構成を適用することによっ
て、回路面積の縮小化ができるため、半導体装置の小型化を実現することが可能となる。
【0060】
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、本明細書における他の実施の形態の半
導体装置の構成と自由に組み合わせて実施することができる。またメモリ回路には、ライ
トワンスメモリ、EEPROM型メモリ、フラッシュメモリなどを用いてもよい。
(実施の形態4)
【0061】
本実施の形態では上記実施の形態で示した昇圧回路を内蔵した無線で充電可能なバッテリ
ー(RF(Radio Frequency)バッテリー)の構成について、図9を用い
て説明する。RFバッテリー(無線周波数による非接触電池)は、対象物を非接触で充電
でき、かつ持ち運びに優れるなどの特徴を有する。
【0062】
図9に示すように、RFバッテリーは、第2のアンテナ回路502、共振容量503、整
流回路の容量504、平滑化容量507、バッテリー用の容量510、交流信号を整流す
るダイオード505、506、逆流防止のダイオード509、レギュレータ回路508、
昇圧回路511を有する。これらの回路以外にセンサーなどを有していてもよい。
【0063】
次に、図9を用いてRFバッテリーの動作を説明する。
【0064】
電源500から出力された電力が第1のアンテナ回路501を介して発振され、RFバッ
テリーの第2のアンテナ回路502で受信される。次に、受信した電波の共振を共振容量
503を用いて特定の周波数に合わせる。その後、容量504、及び第1のダイオード5
05と第2のダイオード506を用いて整流する。そして、平滑化容量507によって波
形が平滑化された後、レギュレータを介して容量510に充電される。
【0065】
RFバッテリーは充電される際、電源電圧(例えば2V)があるしきい値を超えなければ
充電されない。したがって、しきい値電圧以下の電圧が入力された際、その電力は充電さ
れないという問題がある。従って、RFバッテリーに、昇圧回路511をレギュレータの
後段、もしくはレギュレータとは同一回路上の異なる場所に設けることにより、しきい値
電圧以下の電圧が入力された場合でも、電力を蓄えることが可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、本明細書における他の実施の形態の半
導体装置の構成と自由に組み合わせて実施することができる。
【0067】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した無線で情報の送受信が可能である半導体装
置の利用形態の一例について説明する。本発明の半導体装置の用途は広範にわたり、非接
触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのような
ものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券
類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類
、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関し
て図10を用いて説明する。
【0068】
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するも
の(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(
図10(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図10(B))。無記名債
券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図10(C))。包装用容器類とは
、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図10(D))。書籍類とは、書物、本等
を指す(図10(E))。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図10
(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図10(G))。身の回り品と
は、鞄、眼鏡等を指す(図10(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは
、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは
、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表
示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電
話機等を指す。
【0069】
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置80を設けることにより
、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品
、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置80を設けることにより、検品システム
やレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類
等に半導体装置80を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の
間違いを防止することができる。半導体装置80の設け方としては、物品の表面に貼った
り、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂から
なるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。
【0070】
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機
器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率
化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止
することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別
を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋
め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん体温等の健康状態を容易
に管理することが可能となる。特に、上記実施の形態で示した半導体装置を用いることに
よって、半導体装置の小型化を実現することができるため、これらの物品に当該半導体装
置が目立たないように設けることができる。
【0071】
本実施の形態で示した半導体装置の作製方法は、本明細書に記載した他の実施の形態の半
導体装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
80 半導体装置
101 入力端子部
102 入力端子部
103 出力端子部
104 ダイオード
105 容量素子
106 インバータ
110 基板
111 絶縁膜
113 半導体膜
114 半導体膜
115 絶縁膜
117 導電膜
118 導電膜
119 絶縁膜
154 導電膜
205 容量素子
218 導電膜
231 導電膜
400 基板
401 アンテナ回路
402 アンテナ
403 共振容量
404 クロック発生回路
405 電源回路
406 平滑化回路
407 昇圧回路
408 ダイオード
409 平滑化容量
410 ダイオード群
411 容量素子群
412 制御回路
413 メモリ回路
500 電源
501 アンテナ回路
502 アンテナ回路
503 共振容量
504 容量
505 ダイオード
506 ダイオード
507 平滑化容量
508 レギュレータ回路
509 ダイオード
510 容量
511 昇圧回路
107a 配線
107b 配線
113a チャネル形成領域
113b 不純物領域
114a 領域
114b 不純物領域
120a 導電膜
120b 導電膜
121a 導電膜
121b 導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第3の整流素子と、第1及び第2の容量素子と、を有し、
前記第1の容量素子は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間の第1の絶縁層と、を有し、
前記第2の容量素子は、半導体層と、第3の導電層と、前記半導体層及び前記第3の導電層の間の第2の絶縁層と、を有し、
前記第1の整流素子の出力端子は、前記第2の整流素子の入力端子と電気的に接続され、
前記第2の整流素子の出力端子は、前記第3の整流素子の入力端子と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、第1の配線と電気的に接続され、
前記第2の導電層は、前記第1の整流素子の出力端子と電気的に接続され、
前記半導体層は、第2の配線と電気的に接続され、
前記第3の導電層は、前記第2の整流素子の出力端子と電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
第1乃至第3のトランジスタと、第1及び第2の容量素子と、を有し、
前記第1の容量素子は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間の第1の絶縁層と、を有し、
前記第2の容量素子は、半導体層と、第3の導電層と、前記半導体層及び前記第3の導電層の間の第2の絶縁層と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、第1の配線と電気的に接続され、
前記第2の導電層は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記半導体層は、第2の配線と電気的に接続され、
前記第3の導電層は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
第1乃至第3のトランジスタと、
半導体層と、
前記半導体層の上方の第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上方の第1の導電層と、
前記第1の絶縁膜の上方の第3の導電層と、
前記第1の導電層及び前記第3の導電層の上方の第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜の上方の第2の導電層と、を有し、
前記第2の導電層は、前記第1の導電層と重なる領域を有し、
前記第3の導電層は、前記半導体層と重なる領域を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、第1の配線と電気的に接続され、
前記第2の導電層は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記半導体層は、第2の配線と電気的に接続され、
前記第3の導電層は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の導電層と前記第2の導電層とが重なる面積は、前記半導体層と前記第3の導電層とが重なる面積よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1の絶縁層の膜厚は、前記第2の絶縁層の膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110428(P2013−110428A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−2607(P2013−2607)
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2007−323056(P2007−323056)の分割
【原出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】