説明

二重金属ゲートを含む半導体構造及びその製造方法(二重金属ゲートの自己整合集積化)

【課題】二重金属ゲートを含む半導体構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのn型電界効果トランジスタ(nFET)および少なくとも1つのp型電界効果トランジスタ(pFET)を含み、その両方がそれぞれnFETの性質およびpFETの性質を有する金属ゲートを含み、上部多結晶シリコンゲート電極を含まない半導体構造を提供する。本発明は、このような半導体構造を製造する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体構造に関し、特に少なくとも一つのn型電界効果トランジスタ(nFET)および少なくとも一つのp型電界効果トランジスタ(pFET)を含み、その両方が金属ゲートを含んで、上部多結晶シリコンゲート電極を含まない半導体構造に関する。本発明は、このような半導体構造を製造する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
標準的な相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスでは、多結晶シリコンが一般的に標準的ゲート材料である。多結晶シリコンゲートを使用してCMOSデバイスを製造する技術は、常に開発状態にあり、現在は半導体産業で広く使用されている。多結晶シリコンゲートを使用する一つの利点は、これが高温に耐えられることである。しかし、多結晶シリコンゲートの使用に伴う幾つかの問題もある。例えば、ポリ空乏(poly-depletion)効果および相対的に高い電気シート抵抗(electrical sheet resistance)のために、CMOSデバイスに一般的に使用される多結晶シリコンゲートは、0.1ミクロン以下のチャネル長ではチップ性能のゲーティング要素になりつつある。多結晶シリコンゲートの別の問題は、ホウ素などの多結晶シリコンゲートのドーパントが、薄いゲート誘電体を通って容易に拡散することができ、デバイス性能のさらなる劣化を引き起こすことである。
【0003】
二酸化シリコンより大きい比誘電率を有する誘電体材料を含む多結晶シリコンゲートの別の問題は、反転(inversion)中に多結晶シリコンゲートが、これらの値を理想的な値から理想的でない値へとシフトさせる閾値電圧またはフラットバンド・シフトを受けることである。
【0004】
多結晶シリコンゲートの問題を回避するために、多結晶シリコンゲートの下に単一金属を形成することが提案されている。つまり、現在の処理では、pFETおよびnFETデバイス双方の薄い金属層が多結晶シリコンゲート電極の下に形成される。1000℃を超える熱処理を含むデバイス処理中に、多結晶シリコンは薄い金属と相互作用して仕事関数を変化させ、したがってデバイスの閾値電圧を変化させるように見える。特に、シリコンばかりでなくシランからの水素も金属層内に拡散し、中間ギャップ(mid-gap)の仕事関数を有する水素化物またはケイ化物(シリサイド)を形成する。例えば、高温のアニール中に、多結晶シリコン/金属ゲートのスタックがpFETまたはnFET用の解決策(solution)ではなく中間ギャップになってしまう。
【特許文献1】米国公開特許第20040256700号
【特許文献2】米国特許出願第10/725,850号
【特許文献3】米国特許出願第10/696,634号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に鑑みて、常に、n型の性質(behavior)を維持する金属ゲートを含むようにnFETが設計され、p型の性質を維持する金属ゲートを含むようにpFETが設計された半導体構造を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも一つのn型電界効果トランジスタ(nFET)および少なくとも一つのp型電界効果トランジスタ(pFET)を含み、その両方が金属ゲートを含んで、上部多結晶シリコンゲート電極を含まない半導体構造が提供される。特に、本発明は、n型の性質(つまりn型の仕事関数)を維持する金属ゲートを含むようにnFETが設計され、p型の性質(つまりp型の仕事関数)を維持する金属ゲートを含むようにpFETが設計された半導体構造を提供する。
【0007】
本発明の一つの実施形態では、nFETデバイスとpFETデバイスの両方として、上に載るSi含有のゲート電極がない状態で単一の金属層を準備することを含む。nFETの性質を維持するために、希土類金属(または希土類様の金属)含有層がnFETデバイスの領域で単一金属層の下に存在する。両方のデバイス領域で、二酸化シリコンより大きい比誘電率を有する誘電体材料が単一金属ゲートの下に存在する。
【0008】
本発明の別の実施形態では、両方のデバイス領域内に金属窒化物層を含むパターン化されたゲート領域を形成することを含む。次に、pFETデバイス領域内のパターン化されたゲート領域を選択的に酸化して、pFETデバイス領域内にM’Oab層を形成する。後者の化学式では、M’は元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属であり、aは5から40原子パーセントであり、bは5から40原子パーセントである。
【0009】
一般化して述べれば、本発明は、
分離領域によって分離された少なくとも一つのnFETデバイス領域および少なくとも一つのpFETデバイス領域を有する半導体基板と、
前記少なくとも一つのnFETデバイス領域内に設けられ、nFETの性質を有しかつ希土類金属含有層および第一金属層を備えた第一金属ゲートスタックと、
前記少なくとも一つのpFETデバイス領域内に設けられ、pFETの性質を有しかつ第一金属層と同じかまたは異る第二金属層を備えた第二金属ゲートスタックとを備え、前記第一金属層および前記第二金属層がSi含有ゲート電極を上部に含まない、半導体構造を提供する。
【0010】
半導体構造を提供することに加え、本発明は、本発明の半導体構造を製造する方法を提供する。一般化して述べれば、本発明の方法は、
分離領域によって分離された少なくとも一つのnFETデバイス領域および少なくとも一つのpFETデバイス領域を有する半導体基板を準備するステップと、
前記少なくとも一つのnFETデバイス領域内に設けられ、nFETの性質を有しかつ希土類金属含有層および第一金属層を備えた第一金属ゲートスタックを形成するステップと、
前記少なくとも一つのpFETデバイス領域内に設けられ、pFETの性質を有しかつ第一金属層と同じかまたは異なる第二金属層を備えた第二金属ゲートスタックを形成するステップとを含み、前記第一金属層および前記第二金属層がSi含有ゲート電極を含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、半導体構造およびそれを製造する方法を提供する本発明について、本願に付随する図面を参照することによってさらに詳細に説明する。本願の図面は例示の目的で提供され、したがって一定比率の拡大縮小で図示されていないことが分かる。図面では、同様の要素または対応する要素あるいはその両方を、同様の参照番号で言及する。
【0012】
本願の図面では、単一のnFETデバイス領域および単一のpFETデバイス領域を含む半導体基板の断片を示す。このような実施形態について特に図示し、説明するが、本発明はpFETデバイスの単一の領域およびnFETデバイスの単一の領域に制限されず、基板の残りの部分の全体に配置されたこのような各デバイス領域が複数あることを想定する。また、対応するデバイス領域に複数のnFETデバイスおよびpFETデバイスを形成することができる。
【0013】
最初に、本発明の第一の実施形態に使用される基本的な処理の流れを示す図1から図6を参照する。本発明の第一の実施形態では、上に載るSi含有ゲート電極がない単一金属層を、nFETデバイスおよびpFETデバイスの両方でゲートとして使用する。nFETの性質を維持するために、希土類金属(または希土類様)含有層が、nFETデバイスの領域で単一金属層の下に存在する。両方の場合で、二酸化シリコンより大きい比誘電率を有する誘電体材料が単一金属ゲートの下に存在する。
【0014】
図1は、本発明のこの実施形態で使用される初期構造を示す。図1に図示された初期構造は、少なくとも一つのnFETデバイス領域12(つまりその後にnFETが形成される基板10の区域)および少なくとも一つのpFETデバイス領域14(つまりその後にpFETが形成される基板10の区域)を有する半導体基板10を含む。本発明によると、少なくとも一つのnPETデバイス領域12は分離領域16によって(横方向に)分離される。初期構造は、少なくとも一つのnFETデバイス領域12内にあるpウェル領域11、および少なくとも一つのpFETデバイス領域14内にあるnウェル領域13の存在も示す。ウェル領域11および13はそれぞれ任意選択であり、全ての場合に存在する必要はない。図1は、任意選択のインタフェース層18、および両方のデバイス領域で基板上に存在する二酸化シリコンより大きい比誘電率を有する誘電体材料20の存在も示す。希土類金属(または希土類様)含有層22が、nFETデバイス領域12内で誘電体材料20上に存在する。
【0015】
図1に図示された初期構造の半導体基板10は、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、INAs、InPおよび全ての他のIII/VまたはII/VI化合物半導体を含むが、それに制限されない任意の半導体材料を有する。半導体基板10は、有機半導体またはSi/SiGeのような層状半導体、またはセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)も有してもよい。本発明の幾つかの実施形態では、半導体基板10をSi含有半導体材料、つまりシリコンを含む半導体材料で構成することが好ましい。半導体基板10は、ドーピングするかドーピングしない、または自身内にドーピングした領域およびドーピングしない領域を含んでよい。半導体基板10は単一の結晶方位を含むか、異なる結晶方位を有する少なくとも2つの共面(コプラナー)領域を含んでよい(後者の基板は、当技術分野ではハイブリッド基板と呼ばれる)。ハイブリッド基板を使用する場合、nFETは一般的に(100)結晶面上に形成され、pFETは一般的に(110)結晶面上に形成される。ハイブリッド基板は、例えば2003年6月17日に出願され、現在は米国特許公報第20040256700A1号である米国特許出願第10/250,241号、2003年12月2日に出願された米国特許出願第10/725,850号、および2003年10月29日に出願された米国特許出願第10/696,634号などに記載されたような技術によって形成することができる。
【0016】
ウェル領域11および13は、従来のイオン注入プロセスを使用して半導体基板10内に形成されるドープ領域である。この場合も、ウェル領域が任意選択であり、全ての場合に存在する必要がないことに留意すべきである。
【0017】
少なくとも一つの分離領域16が典型的に、半導体基板10内に形成される。分離領域16は、トレンチ分離領域またはフィールド酸化膜分離領域でよい。トレンチ分離領域は、当業者によく知られている従来のトレンチ分離プロセスを使用して形成される。例えば、トレンチ分離領域の形成には、トレンチ誘電体でのトレンチのリソグラフィ、エッチングおよび充填を使用してよい。任意選択で、トレンチ充填の前にトレンチ内にライナを形成し、トレンチ充填後に高密度化(densification)ステップを実行してよく、トレンチ充填後には平坦化プロセスでもよい。トレンチ分離領域の形成に使用するトレンチの深さは変動してよく、本発明には重要ではない。フィールド酸化膜は、いわゆる局所(local)酸化シリコンプロセスを使用して形成することができる。少なくとも一つの分離領域16が、一般的に隣接するゲートが反対の導電性(conductivities)を有する場合に必要な隣接ゲート領域間の分離を提供する。隣接ゲート領域は、同じ導電性を有する(つまり両方ともn型またはp型)か、異なる導電性を有する(つまり一方がn型で他方がp型)ことができる。本願の図面には後者の場合が図示されている。
【0018】
半導体基板10を処理した後、任意選択でインタフェース層18を半導体基板10の表面上に化学酸化によって形成する。任意選択のインタフェース層18は、当業者によく知られている従来のウェット化学プロセス技術を使用して形成される。あるいは、インタフェース層18は熱酸化または熱酸窒化によって形成してよい。基板10がSi含有半導体である場合、インタフェース層18はウェット処理によって成長させた化学酸化膜で構成するか、熱成長したシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜または窒化シリコン酸化膜である。基板10がSi含有半導体以外の場合、インタフェース層18は半導体酸化膜、半導体酸窒化膜または窒化された半導体酸化膜を有してよい。
【0019】
インタフェース層18の厚さは一般的に0.5nmから1.2nmであり、0.8nmから1nmの厚さがさらに一般的である。しかし、CMOS製造中に通常必要とされるさらに高い温度で処理した後は、厚さが異なることがある。
【0020】
本発明の実施形態によると、インタフェース層18は、ウェット化学酸化によって形成された0.6nmから0.8nmの厚さを有するシリコン酸化膜層である。このウェット化学酸化のプロセス・ステップは、洗浄した半導体の表面(HFラスト(HF-last)半導体表面など)を水酸化アンモニウムと過酸化水素と水との(1:1:5の比率の)混合物で65℃にて処理することを含む。あるいは、インタフェース層18は、HFラスト半導体表面をオゾン処理した水溶液中で、オゾン濃度が通常は2ppmから40ppmまで変えられるが、それに制限されない状態で処理することによって形成することもできる。
【0021】
次に、存在する場合には、インタフェース層18の表面上に、または半導体基板10の表面上に、例えば化学的気相堆積法(CVD)、プラズマ補助CVD、物理的気相堆積法(PVD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、原子層堆積法(ALD)、蒸着、反応スパッタリング、化学溶液付着法(chemical solution deposition)および他の同様の堆積プロセスなどの堆積プロセスによって誘電体材料20を形成する。本明細書では、これらのプロセスの組合せも想定される。本発明のこのステップでは、誘電体材料20を両方のデバイス領域内に形成することが分かる。
【0022】
本発明で使用される誘電体材料20は、4.0より大きい、一般的には7.0より大きい比誘電率を有する任意の誘電体材料である。シリコン酸化膜は、4.0の比誘電率を有し、したがって本発明はその比誘電率が二酸化シリコンのそれより大きい任意の誘電体を想定することに留意されたい。誘電体材料20は一般的に金属酸化膜または混合金属酸化膜である。このような誘電体の例示的な例はTiO2、Al23、LaO2、SrTiO3、LaAlO3、ZrO3、Gd23、Hf系誘電体(本明細書の以下でさらに詳細に説明)、およびその多層膜を含む組合せを含むが、それに制限されない。誘電体材料20はHf系(Hf-based)誘電体であることが好ましい。
【0023】
「Hf系誘電体」という用語は、本明細書ではハフニウムHfを含むkが高い任意の誘電体を含むものとする。このようなHf系誘電体の例は、酸化ハフニウム(HfO2)、ケイ酸ハフニウム(HfSiOx)、ハフニウムシリコン酸窒化膜(HfSiON)またはその多層膜を有する。幾つかの実施形態では、Hf系誘電体は、HfO2とZrO2または希土類酸化膜、例えばLa23の混合物を有する。一般的に、Hf系誘電体は酸化ハフニウムまたはケイ酸ハフニウム(ハフニウム・シリケート)である。Hf系誘電体は一般的に、10.0より大きい比誘電率を有する。
【0024】
誘電体材料20の物理的厚さは変動してよいが、一般的に誘電体材料20は0.5nmから10nmの厚さを有し、1nmから3nmの厚さがさらに一般的である。
【0025】
本発明の一つの実施形態では、誘電体材料20は、ハフニウム・テトラブトキサイド(tetrabutoxide)(Hf前駆体)の70mg/mから90mg/mの流量およびO2の250sccmから350sccmの流量を使用するMOCVDによって形成される。Hf酸化膜の堆積は、0.3トルから0.5トルのチャンバー圧および400℃と500℃の間の基板温度を使用して実行される。
【0026】
本発明の別の実施形態では、誘電体材料20は、以下の条件、つまり(i)前駆体Hfテトラブトキサイドの70mg/mと90mg/mの間の流量、O2の25sccmと100sccmの間の流量、SiH4の20sccmと60sccmの間の流量、(ii)0.3トルと0.5トルの間のチャンバー圧、および(iii)400℃と500℃の間の基板温度を使用してMOCVDによって形成されるケイ酸ハフニウムである。
【0027】
誘電体材料20を形成した後、次に希土類金属含有層22を両方のデバイス領域内で誘電体材料20上に形成する。希土類金属含有層22は、例えばLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Ga、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはその混合物を含む元素周期表のIIIB族からの少なくとも一つの元素の酸化物または窒化物を有する。希土類金属含有層22は、La、Ce、Y、Sm、ErまたはTb、あるいはその組合せを有することが好ましく、La23またはLaNが最も好ましい。
【0028】
希土類金属含有層22は、例えば蒸着、分子線蒸着、MOCVD、ALD、PVPおよび他の同様の堆積プロセスを含む従来の堆積プロセスを使用して形成される。本発明の一つの実施形態では、希土類金属含有層22は、ブランケット付着した誘電体材料20を分子線蒸着チャンバーのロード・ロック内に配置し、その後にこのチャンバーを10-5トルから10-8トルの範囲まで排気することによって形成される。これらのステップの後、真空を破壊せずに構造を成長室に挿入し、ここで希土類金属および酸素または窒素の原子/分子線を構造の表面上へと向けることによってLa酸化膜のような希土類金属含有層22が付着する。特に、チャンバーの圧力が低いので、放出される原子/分子種はビーム状であり、構造に到着する前に散乱することがない。約300℃の基板温度が使用される。La23の付着の場合は、La蒸着セルを1400℃から1700℃の温度範囲に保持し、分子酸素の1sccmから3sccmの流量を使用する。あるいは、原子または励起酸素も使用してよく、これは50ワットから600ワットの範囲で励起した無線周波源に酸素を通過させることによって生成することができる。付着中に、室内の圧力は1×10-5トルから8×10-5トルの範囲でよく、La酸化膜の成長率は毎分0.1nmから2nmの範囲でよく、0.5nmから1.5nmの範囲がさらに一般的である。
【0029】
希土類金属含有層22は一般的に0.1nmから3.0nmの厚さを有し、0.3nmから1.6nmの厚さがさらに一般的である。
【0030】
材料22のブランケット層を形成した後、当技術分野でよく知られている堆積およびリソグラフィを含む従来のプロセスを使用して、nFETデバイス領域1内で希土類金属含有層22の上にパターン化されたブロックマスク(図示せず)を形成する。nFETデバイス領域12内のパターン化されたブロックマスクは、その領域内に配置された材料層を保護する。次に、下にある誘電体材料20上では停止しながら、その層を除去可能であるエッチング・プロセスを使用して、pFETデバイス領域14内で露出した希土類金属含有層22を、その層から選択的に除去する。pFETデバイス領域14内から露出した希土類金属含有層22を選択的に除去する際に使用可能なエッチングプロセスの一例は、化学エッチングプロセスである。パターン化されたブロックマスクは一般的に、本発明のこの時点で、当技術分野でよく知られた従来の剥離プロセスを使用することにより少なくとも一つのnFET領域12内から除去される。
【0031】
図2に図示した構造を形成した後、上部から底部へと金属層26、水素非含有キャップ層28およびSi含有層30を有する材料スタック24を、両方のデバイス領域内に形成する。
【0032】
材料スタック24の金属層26は、MOxy金属化合物を有し、ここでMは元素周期表(CAS版)のIVB族、VB族、VIB族またはVIIB族から選択した少なくとも一つの金属を含む。一般的にMはTi、V、Zr、Nb、Mo、Hf、W、TaまたはReのうちの一つであり、Tiが最も一般的である。上式で、xは5原子パーセントから40原子パーセントであり、5原子パーセントから35原子パーセントが好ましく、25原子パーセントが最も好ましい。変数yは5原子パーセントから40原子パーセントであり、15原子パーセントから40原子パーセントが好ましく、35原子パーセントが最も好ましい。したがって、最も好ましい金属化合物はTi0.40.250.35である。
【0033】
MOxy金属化合物は、最初に金属(M)のターゲットと、Ar、N2および酸素を有する雰囲気を準備することによって形成され、酸素は、5原子パーセントから40原子パーセントの酸素を最終的な薄膜に導入可能な濃度で雰囲気中に存在する。MOxy薄膜は、前記金属ターゲットから前記雰囲気中にスパッタリングされる。スパッタリングのプロセスは、任意の従来通りのスパッタリング装置の反応器室内で生じる。本発明で使用される金属ターゲットは、上述した金属のうち一つの任意の固体ソース(solid source)を含む。
【0034】
酸素は、以下の二つの方法のうち一つを使用してスパッタリング雰囲気中に導入することができる。(I)基板とターゲットが反応器室内でそれぞれの付近に位置決めされている場合は、酸素リーク弁を使用して、酸素を雰囲気中に導入することができる。(II)基板とターゲットが多少の距離(3インチ(7.6cm)を超える)だけ離れている場合は、約1×10-4トル以下でよいプレスパッタリングのバックグラウンド圧力から酸素を導入することができる。この場合、金属ターゲットはスパッタリングプロセス中に酸素を取り込む。
【0035】
本発明で使用されるArおよびN2の流れは、Arでは1sccmから100sccmであり、N2ソースでは1sccmから100sccmである。さらに一般的には、Arの流れは20sccmであり、N2の流れは1.4sccmである。温度、ガス圧および時間などの他のスパッタリング条件は従来通りであり、当業者によく知られている。
【0036】
形成される金属層26の厚さは、使用されるスパッタリングの条件および製造すべきデバイスのタイプに応じて変化してよい、一般的に、金属層26はスパッタリング後に2nmから200nmの厚さを有し、100nm以下の厚さがさらに一般的である。金属層26は、nFETデバイス領域12およびpFETデバイス領域14の双方内に存在するゲート金属であることが分かる。
【0037】
金属層26の形成後、非晶質(アモルファス)シリコンまたはドープされた非晶質シリコンのような材料スタック24の非水素含有キャップ層28が形成される。「非水素」とは、キャップ材料が水素を含まないという意味である。キャップ層28の存在は、金属酸窒化膜層26が仕事関数の変化を受けるのを防止することが分かる。キャップ層28は、当技術分野でよく知られている従来通りの堆積プロセスを使用して形成される。キャップ層28は一般的に、現場(in-situ)堆積プロセスで、または堆積、イオン注入およびアニールによってドープされる。本発明のこの時点で形成されるキャップ層28の厚さ、つまり高さは、使用されるプロセスに応じて変化してよい。一般的に、キャップ層28は、20nmから180nmの垂直厚さを有し、40nmから150nmの厚さがさらに一般的である。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態では、キャップ層28が金属窒化物層で置換される。金属窒化物層は、元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属を含む。一例として、TiNまたはTaNが特に好ましい材料である。金属窒化物層は、従来通りの堆積プロセスを使用して形成される。金属窒化物層の形成に使用可能な従来通りの堆積の例は、CVD、PVD、ALD、スパッタリングまたは蒸着を含む。金属窒化物層の物理的厚さは変化してよいが、一般的に金属窒化物層は0.5nmから200nmの厚さを有し、5nmから100nmの厚さがさらに一般的である。
【0039】
次に、エピタキシャルシリコン、二酸化シリコンのようなSi含有層30が、非水素含有キャップ層28(または金属窒化物層)の上に形成される。Si含有層30は、例えばCVD、PECVD、蒸着などのような従来通りの堆積プロセスを使用して形成される。FETの上に後続のシリサイド接点(contact)を形成するためにシリコンソースとして働くSi含有層30は一般的に、10nmから100nmの厚さを有し、10nmから30nmの厚さがさらに一般的である。
【0040】
次に、それぞれのデバイス領域内にパターン化されたゲート領域またはスタック32を準備するように、リソグラフィおよびエッチングによって材料スタック24がパターン化される。それぞれのデバイス領域には一つのパターン化されたゲート領域(またはスタック)32が図示されているが、本発明は、複数のパターン化されたゲート領域(またはスタック)32を形成することを想定する。複数のパターン化されたゲート領域(またはスタック)32を形成する場合、ゲート領域(またはスタック)は、同じ寸法、つまり長さを有するか、デバイスの性能を改善するために可変寸法を有することができる。本発明のこの時点で、パターン化された各ゲートスタック(または領域)32は、少なくともパターン化された材料スタック24を含む。図3は、パターン化されたゲート領域(またはスタック)32形成後の構造を示す。図示の実施形態では、本発明のこのステップ中に材料スタック24がエッチングされる、つまりパターン化される。
【0041】
リソグラフィのステップは、図2で図示したブランケット層状構造の上部表面にフォトレジストを塗布することと、フォトレジストを所望のパターンの放射線に曝露することと、従来通りのレジスト現像剤を使用して曝露したフォトレジストを現像することとを含む。次に、フォトレジストのパターンが、一つまたは複数のドライエッチングステップを使用して構造に転写される。幾つかの実施形態では、パターンがブランケット層状構造の層の一つに転写された後、パターン化したフォトレジストを除去することができる。他の実施形態では、エッチングが終了した後にパターン化したフォトレジストを除去する。
【0042】
パターン化されたゲート領域(またはスタック)32の形成において本発明で使用可能な適切なドライエッチングプロセスは、反応性イオンエッチング、イオンビームエッチング、プラズマエッチングまたはレーザ研磨を含むが、それに制限されない。使用されるドライエッチングプロセスは一般的に、下にある誘電体に選択的であるが、必ずしもそうではなく、したがってこのエッチングステップは一般的に、構造からこれらの誘電体を除去しない。しかし、幾つかの実施形態(図示せず)では、このエッチングステップを使用して、以前にエッチングされたゲート領域(またはスタック)32によって保護されていない希土類金属含有層22、誘電体材料20、およびインタフェース層18の一部を除去することができる。
【0043】
本発明のこの時点で、一般的に拡張(エクステンション)領域34が当業者によく知られた従来通りのイオン注入プロセスを使用して形成される。拡張領域34は、その後に形成すべき拡散領域に対して浅く、その内縁はゲート領域32の垂直縁(エッジ)に位置合わせされる。拡張領域34を含む構造は、図3にも図示されている。
【0044】
次に図4で図示されているように、パターン化された各ゲート領域(またはスタック)32の露出した側壁上に、一般的に少なくとも一つのスペーサ36が形成されるが、必ずしも形成されるわけではない。少なくとも一つのスペーサ36は、酸化物、窒化物、酸窒化物、または任意のその組合せなどの絶縁体で構成される。少なくとも一つのスペーサ36は、堆積およびエッチングによって形成される。
【0045】
少なくとも一つのスペーサ36の幅は、ソースと(その後に形成すべき)ドレインシリサイド接点とがゲート領域(またはスタック)32の縁部の下に侵入しないように、十分に広くなければならない。一般的に、少なくとも一つのスペーサ36が底部で測定して20nmから80nmの幅を有する場合、ソース/ドレインシリサイドはゲート領域(またはスタック)32の縁部の下に侵入しない。
【0046】
ゲート領域(またはスタック)32は任意選択で、スペーサ形成の前に熱酸化、窒化または酸窒化プロセスを受けることによってパッシベーション(不動態化)することができる。パッシベーションは、非水素プロセスを使用して実行すべきことが好ましい。パッシベーション・ステップは、ゲート領域(またはスタック)32の周囲にパッシベーション材料の薄い層(図示せず)を形成する。このステップは、以前のスペーサ形成ステップの代わりに、またはそれと組み合わせて使用してよい。スペーサ形成ステップとともに使用する場合、スペーサの形成は、ゲート領域(またはスタック)32のパッシベーション・プロセスの後に実行される。本発明で使用されるパッシベーションおよびスペーサ形成のプロセスは両方とも、非水素含有材料を使用して実行されることが分かる。
【0047】
次に、ソース/ドレイン拡散領域38(スペーサが存在するか、存在しない)が基板内に形成される。ソース/ドレイン拡散領域38は、イオン注入およびアニールステップを使用して形成される。アニールステップは、以前の注入ステップによって注入されたドーパントを活性化させる働きをする。イオン注入およびアニールの条件は、当業者によく知られている。イオン注入およびアニール後に形成される構造が、図5に図示されている。
【0048】
本明細書では、ハロー注入(図示せず)も想定される。図示のように、ソース/ドレイン拡張領域34は一般的に、高濃度(deep)ソース/ドレイン領域38より低濃度で、パターン化したゲート領域(またはスタック)20の縁部と位置合わせされた縁部を含む。ソース/ドレイン領域38は、一般的に少なくとも一つのスペーサ36の最も外側の縁部と位置合わせされた縁部を含む。
【0049】
次に、希土類金属含有層22の露出部分が以前に除去されていない場合は、これをnFETデバイス領域12内から除去する。図6を参照のこと。nFETデバイス領域内で層22の露出した部分が、希土類金属(または希土類様)材料を選択的に除去するエッチングプロセスを使用して除去される。このようなエッチングプロセスの例は、化学ウェットエッチングプロセスである。
【0050】
図6も、誘電体材料20およびインタフェース層18の両方の露出部分を両方のデバイス領域から除去した後の構造を示す。本発明によると、これらの材料は、これらの絶縁材料を選択的に除去する化学エッチングプロセスを使用して除去される。このエッチングステップは、半導体基板10の上表面で停止する。高い誘電率kの誘電体14および下にあるインタフェース層12の露出部分を除去する際には、任意の化学エッチング液を使用してよいが、一つの実施形態では、希釈フッ化水素酸(DHF)を使用する。
【0051】
図6はさらに、ソース/ドレイン拡散領域38およびキャップ層28の上にシリサイド領域40が存在することを示す(シリサイドプロセス中に層30が消滅されたことに留意されたい)。シリサイド領域40は、任意の従来通りのシリサイド化プロセスを使用して形成される。幾つかの実施形態では、SI含有材料が少なくともソース/ドレイン領域38上に存在しない場合、シリサイド化の前にエピタキシャルSiのようなSi含有材料を形成することができる。
【0052】
シリサイド化プロセスは、シリサイド化(ケイ化)すべき区域の上にC、Ge、Siなどの他の合金添加剤でCo、Ti、W、Ni、Ptまたはその合金のような導電性の高融点金属を形成することを含む。CVD、PECVD、スパッタリング、蒸着またはめっきなどの従来通りの堆積プロセスを使用することができる。任意選択で、金属を酸化から保護するバリア層を金属層上に形成してもよい。任意選択のバリア層の例は、例えばSiN、TiN、TaN、TiONおよびその組合せを含む。金属堆積後、構造は少なくとも第一アニールにかけられ、これは堆積した金属とSiを反応させ、その後に金属シリサイドを形成させる。アニールは一般的に、250℃から800℃の温度で実行され、400℃から550℃の第一アニール温度がさらに一般的である。
【0053】
幾つかの実施形態では、第一アニールが金属の豊富な(金属リッチの)シリサイド相を形成し、これは選択的エッチングプロセスに高い耐性を有する。金属が豊富な相が生成されると、抵抗が低いシリサイドを形成するために、これより高い温度の第二アニールが必要である。他の実施形態では、低い抵抗シリサイドを形成するのに第一アニールで十分である。
【0054】
第一アニール後に、ウェットエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンビームエッチング、またはプラズマエッチングのような従来通りのエッチングプロセスを使用して、堆積した金属の反応せずに残っている部分を除去する。
【0055】
必要に応じて、エッチングプロセス後に第二アニールを実行する。第二アニールは一般的に、第一アニールより高い温度で実行される。任意選択の第二アニールの典型的な温度範囲は、550℃から900℃である。
【0056】
金属相互接続部を有する後工程(BEOL:back-end-of-the-line)の形成のようなさらなるCMOS処理を、当業者によく知られた処理ステップを使用して行うことができる。
【0057】
次に、本発明の構造を製造する本発明の別の実施形態を示す断面図である図7から図9を参照する。本発明のこの実施形態では、上述した材料スタック24を使用しない。代わりに、両方のデバイス領域内に金属窒化物層を形成して、パターン化し、次にnFETデバイス領域12内にパターン化したブロックマスクを形成する。次に、pFETデバイス領域14内のパターン化したゲート領域を酸化し、pFETデバイス領域14内にM’Oab層を形成する。ブロックマスクを除去し、拡張領域を形成して、図4から図6で説明したような処理を実行する。特に、第二の実施形態は、図7で示す構造から開始する。図7に図示された構造は基本的に図1に図示したものと同じであることが分かる。したがって、図1の構造の形成に使用する上記の材料および処理は、ここでは図7の構造にも適用可能である。
【0058】
図8は、上部に金属窒化物層70を形成した後の図7の構造を示す。金属窒化物層70は、元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属を含む。したがって、金属窒化物層70は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、WまたはTaを含んでもよく、TiまたはTaが非常に好ましい。一例として、TiNまたはTaNが特に好ましい材料である。金属窒化層70は、従来通りの堆積プロセスを使用して形成される。金属窒化物層70の形成に使用可能な従来の堆積プロセスの例は、CVD、PVD、ALD、スパッタリングまたは蒸着を含む。
【0059】
金属窒化物層70の物理的厚さは変化してよいが、一般的に金属窒化物層70は0.5nmから200nmの厚さを有し、5nmから100nmの厚さがさらに一般的である。
【0060】
本発明の一つの実施形態では、金属窒化物層70は、1550℃から1900℃、一般的には1600℃から1750℃の範囲に保持された浸出セル(effusion cell)からTiを蒸着させ、遠隔の無線周波源を通過する窒素の原子/励起ビームを使用することによって堆積させたTiNである。基板の温度は約300℃でよく、窒素の流量は0.5sccmと3.0sccmの間でよい。これらの範囲は例示であり、いかなる意味でも本発明を制限しない。窒素の流量は、堆積チャンバーの詳細、特にチャンバーのポンピング率に依存する。TiNは、化学的気相堆積またはスパッタリングのように他の方法でも堆積してよく、技術は必須ではない。
【0061】
両方のデバイス領域内に金属窒化物層70を形成した後、それぞれのデバイス領域内にパターン化した金属窒化物層70を含むゲートスタックを形成するリソグラフィおよびエッチングによって、図8で図示された構造がパターン化される。次に、nFETデバイス領域12内の材料層を保護するように、従来の材料を有するブロックマスク72がnFETデバイス領域12内に形成される。ブロックマスク72は、堆積およびリソグラフィによって形成される。ブロックマスク72の形成には、任意選択でエッチングを使用してよい。図9は、nFETデバイス領域12内にブロックマスク72が存在する構造を示す。次にこれも図9で図示するように、pFETデバイス領域14内の露出しパターン化された金属窒化物層70が酸化プロセスを経験し、これはパターン化した窒化物層内に酸素を導入して、pFETデバイス領域14内にM’Oab層70’を形成し、ここでM’は元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属であり、aは5原子パーセントから40原子パーセントであり、bは5原子パーセントから40原子パーセントである。M’はTi、Zr、Hf、V、Nb、WまたはTaであることが好ましく、TiまたはTaがさらに非常に好ましい。aは5原子パーセントから35原子パーセントであり、bが15原子パーセントから40原子パーセントであることが好ましい。aは25原子パーセントであり、bが35原子パーセントであることが、さらに好ましい。
【0062】
本発明のこの時点で使用される酸化は、例えばO2、オゾンまたはNOのような任意の酸素を含む雰囲気中で、これを例えばHe、Ar、N2などの不活性ガスと混合して実行される。酸化は、300℃から800℃の温度で実行される。
【0063】
酸素は、pFETデバイス領域14内で金属窒化物層に酸素原子を選択的に注入し、次にこれを300℃から800℃の温度で実行されるアニールステップにかけることによっても導入することができる。注入される酸素イオンの濃度は、上述したaおよびbの値を与えるのに十分である。pFETデバイス領域14のゲートスタック内に酸素を導入するために、ガス相ドーピングも使用してよい。
【0064】
パターン化したブロックマスク72は、従来の剥離プロセスを使用してnFETデバイス領域12から除去される。
【0065】
基板10内に拡張領域(図示せず)を形成した後、次に本発明による最終構造を提供する上で、図4から図6にて上記で概略したような手順を実行する。
【0066】
本発明をその好ましい実施形態に関して特に図示し、説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細に上記および他の変更を実施してよいことが、当業者には理解される。したがって、本発明は説明し、図示した正確な形態および細部に制限されず、請求の範囲に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図である。
【図2】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図1に続く図である。
【図3】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図1に続く図である。
【図4】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図である。
【図5】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図である。
【図6】本発明の構造を製造する本発明の一つの実施形態を(断面図で)示す図である。
【図7】本発明の構造を製造する本発明の別の実施形態を(断面図で)示す図である。
【図8】本発明の構造を製造する本発明の別の実施形態を(断面図で)示す図である。
【図9】本発明の構造を製造する本発明の別の実施形態を(断面図で)示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10 基板
11 pウェル領域
12 nFETデバイス領域
13 nウェル領域
14 pFETデバイス領域
16 分離領域
18 インタフェース層
20 誘電体材料
22 希土類金属含有層
24 材料スタック
26 金属層
28 キャップ層
30 Si含有層
32 ゲート領域
34 拡張領域
36 スペーサ
38 ソース/ドレイン領域
40 シリサイド領域
70 金属窒化物層
72 ブロックマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離領域によって分離された少なくとも一つのnFETデバイス領域および少なくとも一つのpFETデバイス領域を有する半導体基板と、
前記少なくとも一つのnFETデバイス領域内に設けられ、nFETの性質を有しかつ希土類金属含有層および第一金属層を備えた第一金属ゲートスタックと、
前記少なくとも一つのpFETデバイス領域内に設けられ、pFETの性質を有しかつ第一金属層と同じかまたは異なる第二金属層を備えた第二金属ゲートスタックと、
を備え、前記第一金属層および前記第二金属層が上部にSi含有ゲート電極を含まない、
半導体構造。
【請求項2】
前記半導体基板がバルク半導体である、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記半導体基板がセミコンダクタ・オン・インシュレータである、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記希土類金属含有層が元素周期表のIIIB族からの少なくとも1つの元素の酸化物または窒化物からなる、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記希土類金属含有層がLa、Ce、Y、Sm、ErまたはTbのうち少なくとも1つの酸化物からなる請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第一金属層と前記第二金属層が同じであり、MOxy金属化合物からなり、Mが元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族から選択した少なくとも1つの金属を含み、xが5原子パーセントから40原子パーセントであり、yが5原子パーセントから40原子パーセントである、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項7】
MがTiであり、xが25原子パーセントであり、yが35原子パーセントである、請求項6に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記第一金属層と前記第二金属層が異なり、前記第一金属層が、元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属を含む金属窒化物からなり、前記第二金属層がM’Oabを有し、M’が元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属であり、aが5原子パーセントから40原子パーセントであり、bが5原子パーセントから40原子パーセントである、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項9】
さらに、前記第一金属および第二金属ゲートスタックの下に配置された誘電体材料を有し、前記誘電体材料が、二酸化シリコンより大きい比誘電率を有する、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記誘電体材料がHf系誘電体を有する、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項11】
分離領域によって分離された少なくとも1つのnFETデバイス領域および少なくとも1つのpFETデバイス領域を有する半導体基板を準備するステップと、
前記少なくとも1つのnFETデバイス領域内に設けられ、nFETの性質を有しかつ希土類金属含有層および第一金属層を備える第一金属ゲートスタックを形成するステップと、
前記少なくとも1つのpFETデバイス領域内に設けられ、pFETの性質を有しかつ第一金属層と同じかまたは異なる第二金属層を備えた第二金属ゲートスタックを形成するステップを含み、前記第一金属層および前記第二金属層が上部にSi含有ゲート電極を含まない、
半導体構造を製造する方法。
【請求項12】
前記第一金属層と前記第二金属層が同じであり、金属ターゲット、およびAr、N2および酸素を有する雰囲気を使用するスパッタリングによって形成されるMOxy金属化合物を有し、Mが元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族から選択した少なくとも1つの金属を含み、xが5原子パーセントから40原子パーセントであり、yが5原子パーセントから40原子パーセントである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記酸素が、プレスパッタリングのバックグラウンド圧力からのものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記希土類金属含有層が、堆積によって形成された元素周期表のIIIB族からの少なくとも1つの元素の酸化物または窒化物からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第一金属層と前記第二金属層が異なり、前記第一金属層が元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属を含む金属窒化物からなり、前記第二金属層が酸素を金属窒化物層内に導入して形成されるM’Oabからなり、M’が元素周期表のIVB、VB、VIBまたはVIIB族からの金属であり、aが5原子パーセントから40原子パーセントであり、bが5原子パーセントから40原子パーセントである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記酸素が酸化によって、またはイオン注入およびアニールによって、またはガス相ドーピングによって導入される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−165872(P2007−165872A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317816(P2006−317816)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】