説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】周辺回路部のLV系トランジスタでの結晶欠陥の発生を抑制しつつ、HV系トランジスタでの反転リークなどの増加を抑制できるようにするNAND型フラッシュメモリの半導体装置と製造方法を提供する。
【解決手段】LV系トランジスタ領域103のSTI304の上面を、EB加工により、セル領域104のSTI404の上面と同時にエッチングする。こうして、HV系トランジスタ領域102のSTI204の上面の高さはそのままに、LV系トランジスタ領域103のSTI304の上面のみを、第1の電極膜12の上面の高さよりも下げる。上面の高さを下げた分だけ、LV系トランジスタ領域103のSTI304での素子分離用絶縁膜の膜厚を削減して、塗布膜の収縮応力を緩和させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するもので、たとえば、周辺回路部に低電圧(LV)系トランジスタ領域と高電圧(HV)系トランジスタ領域とを有し、各領域で素子分離構造の異なる不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データの電気的書き換え(書き込みおよび消去)が可能な不揮発性の半導体記憶装置として、たとえばNAND型フラッシュメモリがある。このフラッシュメモリの場合、メモリセル部の周辺に複数のトランジスタ回路(周辺回路部)が配置されている。フラッシュメモリの周辺回路部は、LV系トランジスタ領域とHV系トランジスタ領域とに大別される。
【0003】
このような構成のフラッシュメモリは、既によく知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
近年、NAND型フラッシュメモリにおいては、素子分離領域の微細化が進められている。今後は、STI(Shallow Trench Isolation)となる埋め込み素子分離用絶縁膜の形成プロセスにおいて、溝の埋め込みにPSZ(ポリシラザン)などの塗布膜を採用する可能性が有る。つまり、PSZ膜はカバレッジ特性がよいため、素子分離用溝内をPSZ膜で埋め込むことによって、微細なSTIを形成しようとするものである。
【0005】
しかしながら、PSZ膜は収縮応力が大きいといる性質がある。そのため、周辺回路部のSTIにPSZ膜を用いた場合、LV系トランジスタ領域では結晶欠陥を発生しやすく、接合リークなどの問題が懸念される。この問題は、PSZ膜の量に依存しており、膜量を減らす、つまり、STIの深さを浅くすることで軽減することが可能である。ところが、周辺回路部のSTIは同時に形成されることから、STIの深さを浅くすると、今度は、HV系トランジスタ領域でのSTI反転リークなどが問題となってくる。
【特許文献1】特開2002−064157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、トレードオフとなる、LV系トランジスタでの結晶欠陥の発生を抑制しつつ、HV系トランジスタでのSTI反転リークの増加を抑制することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の一態様によれば、半導体基板と、前記半導体基板上の第1のトランジスタ領域に設けられた第1のゲート絶縁膜、および、前記半導体基板上の第2のトランジスタ領域に設けられた、前記第1のゲート絶縁膜よりも膜厚の薄い第2のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上にそれぞれ形成された第1のゲート電極部を有する複数の第1のMOSトランジスタと、前記第2のゲート絶縁膜上にそれぞれ形成された第2のゲート電極部を有する複数の第2のMOSトランジスタと、前記第1のトランジスタ領域の、前記複数の第1のMOSトランジスタの相互間に配設された、前記半導体基板中に絶縁膜を埋め込んでなる第1の素子分離領域と、前記第2のトランジスタ領域の、前記複数の第2のMOSトランジスタの相互間に配設された、前記半導体基板中に前記絶縁膜を埋め込んでなる第2の素子分離領域とを具備し、前記第2の素子分離領域は、その上面の高さが、前記第1の素子分離領域の上面の高さよりも低く形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0008】
また、本願発明の一態様によれば、半導体基板上の第1のトランジスタ領域に第1のゲート絶縁膜を形成するとともに、前記半導体基板上の第2のトランジスタ領域に、上面が前記第1のゲート絶縁膜の上面と同じ高さになるようにして、前記第1のゲート絶縁膜よりも膜厚の薄い第2のゲート絶縁膜を形成し、前記第1のトランジスタ領域に、第1の素子分離領域を形成するための第1の溝、および、前記第2のトランジスタ領域に、第2の素子分離領域を形成するための第2の溝を形成し、前記第1のトランジスタ領域の、前記第1の溝内に絶縁膜を埋め込んで前記第1の素子分離領域を形成するとともに、前記第2のトランジスタ領域の、前記第2の溝内に前記絶縁膜を埋め込んで前記第2の素子分離領域を形成した後、前記第2の素子分離領域の形成に用いた前記絶縁膜の上部の一部を除去して、前記第2の素子分離領域の上面を前記第1の素子分離領域の上面よりも低く形成し、前記第1の素子分離領域が形成された前記第1のトランジスタ領域に、前記第1のゲート絶縁膜を介して、第1のゲート電極部をそれぞれ有する複数の第1のMOSトランジスタを形成するとともに、前記第2の素子分離領域が形成された前記第2のトランジスタ領域に、前記第2のゲート絶縁膜を介して、第2のゲート電極部をそれぞれ有する、前記複数の第1のMOSトランジスタよりも低電圧で動作する複数の第2のMOSトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トレードオフとなる、LV系トランジスタでの結晶欠陥の発生を抑制しつつ、HV系トランジスタでのSTI反転リークの増加を抑制することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的なものであり、各図面の寸法および比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係および/または比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。特に、以下に示すいくつかの実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置などによって、本発明の技術思想が特定されるものではない。この発明の技術思想は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
[第1の実施形態]
図1および図2は、本発明の第1の実施形態にしたがった、半導体装置の構成例を示すものである。なお、本実施形態では、LV系トランジスタ領域とHV系トランジスタ領域とで素子分離構造の異なる半導体装置として、不揮発性の半導体記憶装置であるNAND型フラッシュメモリを例に説明する。因みに、図1(a)は、メモリチップにおける周辺回路部のHV系トランジスタ領域を示す平面図、図1(b)は、周辺回路部のLV系トランジスタ領域を示す平面図、図1(c)は、メモリセル部の平面図である。また、図2(a)は、図1(a)の2a−2a線に沿うHV系トランジスタ領域の断面図、図2(b)は、図1(a)の2b−2b線に沿うHV系トランジスタ領域の断面図、図2(c)は、図1(b)の2c−2c線に沿うLV系トランジスタ領域の断面図、図2(d)は、図1(c)の2d−2d線に沿うメモリセル部の断面図である。
【0012】
ここで、2a−2a線、2c−2c線および2d−2d線に沿う方向をチャネル幅方向と称し、2b−2b線に沿う方向をチャネル長方向と称する。また、2d−2d線に沿う方向をWL方向と称する場合もある。また、2d−2d線に沿う方向と直交する方向をBL方向と称する。
【0013】
図1(a)に示すように、チップ上の周辺回路部101におけるHV系トランジスタ領域102には、複数のHV系トランジスタ(MOSトランジスタ)201が形成されている。HV系トランジスタ201は、素子領域202とゲート電極部203との交差部にそれぞれ配置されている。本例の場合、ゲート電極部203が、2つの素子領域202にまたがるようにして配置されて、1組(対)のHV系トランジスタ201(201a,201b)を構成している。素子領域202は、その周囲が、収縮応力の大きいPSZ膜などの塗布膜を埋め込んでなる素子分離領域(STI)204によって囲まれている。また、ゲート電極部203には開口203aが形成されている。なお、各組のHV系トランジスタ201,201は、通常、HV系トランジスタ領域102内にランダムに配置されている。
【0014】
2a−2a線に沿う断面において、STI204は、P型のSi(シリコン)基板10中に底部を有し、上部がSi基板10の上面から突出している。HV系トランジスタ201のゲート電極部203は、たとえば図2(a)に示すように、Si基板10上に、40nm厚程度のゲート下絶縁膜(第1の絶縁膜)11を介して設けられている。ゲート電極部203としては、浮遊ゲート電極を形成するための第1の電極膜12上に、開口203aを有する、ゲート間絶縁膜(第3の絶縁膜)13および第1の制御ゲート電極を形成するための第2の電極膜14が下から順に形成され、さらに、その第2の電極膜14上に、第2の制御ゲート電極を形成するための第3の電極膜15が形成されている。この第3の電極膜15は、開口203aを介して、第1の電極膜12と接続されている。そして、ゲート電極部203上には、低抵抗化のための金属サリサイド膜16が設けられている。
【0015】
チャネル幅方向において、STI204は、ゲート下絶縁膜11および第1の電極膜12と側面を接し、その上面は、第1の電極膜12の上面とほぼ一致している。ゲート間絶縁膜13および第2の電極膜14は、一部が第1の電極膜12上に位置し、素子領域202間の、STI204の上面を覆うようにして設けられている。
【0016】
一方、2b−2b線に沿う断面において、ゲート電極部203には、第1の電極膜12と第3の電極膜15との間に、開口203aを有するゲート間絶縁膜13および第2のゲート電極膜14が形成されている。この開口203aを通じて、第1の電極膜12と第3の電極膜15とが電気的に接続されている。
【0017】
素子領域202に対応するSi基板10上には、たとえば図2(b)に示すように、ゲート電極部203の側壁に沿って第4の絶縁膜からなるスペーサ膜17が設けられている。また、素子領域202に対応するSi基板10の表面部には、LDD構造を有する拡散層領域18a(n−),18b(n+)が形成されている。そして、ゲート電極部203,203間に挟まれた、この拡散層領域18a,18b上を含む、STI204上には、第5の絶縁膜19および第6の絶縁膜20が形成されている。この断面におけるSTI204の上面は、Si基板10の上面とほぼ同じ高さとなっているが、Si基板10の上面よりも高くなってもよい。
【0018】
図1(b)に示すように、チップ上の周辺回路部101におけるLV系トランジスタ領域103には、複数のLV系トランジスタ(MOSトランジスタ)301が形成されている。LV系トランジスタ301は、素子領域302とゲート電極部303との交差部にそれぞれ配置されている。本例の場合、ゲート電極部303が、2つの素子領域302にまたがるようにして配置されて、1組(対)のLV系トランジスタ301(301a,301b)を構成している。素子領域302は、その周囲が、収縮応力の大きいPSZ膜などの塗布膜を埋め込んでなる素子分離領域(STI)304によって囲まれている。なお、各組のLV系トランジスタ301,301は、通常、LV系トランジスタ領域103内にランダムに配置されている。
【0019】
2c−2c線に沿う断面において、STI304は、Si基板10中に底部を有し、上部がSi基板10の上面から突出している。LV系トランジスタ301のゲート電極部303は、たとえば図2(c)に示すように、Si基板10上に、8nm厚程度のゲート下絶縁膜(第2の絶縁膜)21を介して設けられている。本実施形態においては、LV系トランジスタ領域103に対応するSi基板10には、P−well領域10aが形成されている。その結果、LV系トランジスタ301,301はP型の拡散層を有するn型トランジスタとなっている。一方、P−well領域10aに代えてN−well領域を形成し、P型の拡散層を形成すれば、LV系トランジスタ301,301はp型トランジスタとなる。ゲート電極部303としては、浮遊ゲート電極を形成するための第1の電極膜12上に、開口303aを有する、ゲート間絶縁膜(第3の絶縁膜)13および第1の制御ゲート電極を形成するための第2の電極膜14が下から順に形成され、さらに、その第2の電極膜14上に、第2の制御ゲート電極を形成するための第3の電極膜15が形成されている。この第3の電極膜15は、開口303aを介して、第1の電極膜12と接続されている。そして、ゲート電極部303上には、低抵抗化のための金属サリサイド膜16が設けられている。ゲート間絶縁膜13および第2の電極膜14は、一部が第1の電極膜12上に位置し、素子領域302間の、STI304の上面を覆うようにして設けられている。
【0020】
チャネル長方向において、STI304は、ゲート下絶縁膜21および第1の電極膜12と側面を接し、その上面は、ゲート下絶縁膜21の上面よりも高く、第1の電極膜12の上面よりか低くなっている。また、このLV系トランジスタ領域103のゲート下絶縁膜21の上面は、HV系トランジスタ領域102のゲート下絶縁膜11の上面とほぼ同じ高さとなっている。
【0021】
図1(c)に示すように、チップ上のメモリセル部401におけるセル領域(セルアレイ)104には、複数のメモリセルトランジスタMCが形成されている。メモリセルトランジスタMCは、積層ゲート電極構造のゲート電極部403を有するMOSトランジスタであって、ワード線(制御ゲート電極)WLとビット線BLとの交差部にそれぞれ配置されている。ゲート電極部403は制御ゲート電極と浮遊ゲート電極とからなり、メモリセルトランジスタMCは、たとえば、FNトンネル電流を用いて浮遊ゲート電極に対する電荷(電子)の出し入れを行うことにより、データの書き換え(書き込みおよび消去)が行われる。通常は、浮遊ゲート電極に電子が注入された状態を“0”書き込み、電子が注入されない状態を“1”書き込みとしている。浮遊ゲート電極は素子領域402に対応して設けられ、ワード線WLは、複数の素子領域402にまたがるようにして配置されている。素子領域402は、その周囲が、収縮応力の大きいPSZ膜などの塗布膜を埋め込んでなる素子分離領域(STI)404によって囲まれている。
【0022】
2d−2d線に沿う断面において、STI404は、Si基板10中に底部を有し、上部がSi基板10の上面から突出している。メモリセルトランジスタMCのゲート電極部403は、たとえば図2(d)に示すように、Si基板10上に、トンネル絶縁膜としての8nm厚程度のゲート下絶縁膜(第2の絶縁膜)21を介して設けられた浮遊ゲート電極となる第1の電極膜12、この第1の電極膜12の上面および側面からSTI404上に連続して形成されたゲート間絶縁膜(第3の絶縁膜)13を介して設けられた第1の制御ゲート電極となる第2の電極膜14、および、第2の制御ゲート電極となる第3の電極膜15を積層してなる構成とされている。ゲート電極部403上には、低抵抗化のための金属サリサイド膜16が設けられている。
【0023】
チャネル長方向において、STI404は、ゲート下絶縁膜21および第1の電極膜12と側面を接し、その上面は、ゲート下絶縁膜21の上面よりも高く、第1の電極膜12の上面よりか低くなっている。
【0024】
また、このセル領域104のSi基板10の上面は、LV系トランジスタ領域103のSi基板10の上面とほぼ同じ高さとなっている。そのため、LV系トランジスタ領域103とセル領域104のゲート下絶縁膜21の上面は一致している。セル領域104に対応するSi基板10には、P−well領域10aが形成されている。また、このP−well領域10aの下にはN−well領域10bが形成されている。
【0025】
なお、NAND型フラッシュメモリの場合、所定個のメモリセルトランジスタMCが直列に接続され、そのセル列の一端がドレイン側セレクトトランジスタを介してビット線BLに、他端がソース側セレクトトランジスタを介してソース線に、それぞれ接続されている。
【0026】
HV系トランジスタ領域102においては、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、金属サリサイド膜16につながるコンタクト(上層配線)205と、第5の絶縁膜19、第6の絶縁膜20、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、拡散層領域18bにつながるコンタクト(上層配線)206とが、形成されている。
【0027】
また、LV系トランジスタ領域103においては、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、金属サリサイド膜16につながるコンタクト(上層配線)305が、形成されている。
【0028】
また、STI204,304,404はPSZ膜の単層膜でなく、Si基板10と接する部分にシリコン酸化膜などの絶縁膜が形成された2層構造としていてもよい。少なくとも、Si基板10間(Si基板10の主平面の表面より低い位置)に形成しないと、PSZ膜の応力により結晶欠陥が発生してしまうからである。
【0029】
本実施形態の特徴について詳細に説明する。HV系トランジスタ領域102とLV系トランジスタ領域103とで素子分離構造が異なる。すなわち、HV系トランジスタ領域102のSTI204は、その上面が、STI304の上面よりも高く形成されている。また、その底面が、LV系トランジスタ領域103のSTI304の底面よりも、ゲート下絶縁膜11とゲート下絶縁膜21との膜厚差の分だけ上方に位置している。これに対し、LV系トランジスタ領域103のSTI304は、その上面が、ゲート間絶縁膜13および第2の電極膜14の厚さの分だけ、HV系トランジスタ領域102のSTI204の最上面よりも下方に位置している。これにより、HV系トランジスタ領域102のSTI204の上面に位置する第2の電極膜14からSTI204の底部までの距離を大きく保つことができ、反転リークの増加を抑えることができる。一方、LV系トランジスタ領域103のSTI304は、結晶欠陥の発生を防止できる程度に浅く(断面積または体積を小さく)することが可能となる。
【0030】
また、HV系トランジスタ201のゲート長は、ソース・ドレイン間に高電圧を加えてもブレイクダウンしないように、1μm〜10μmと長くなっている。一方、LV系トランジスタ301のゲート長は、高速動作のために、0.15μm〜0.5μmと短くなっている。すなわち、チャネル長方向において、HV系トランジスタ201の素子領域202は、LV系トランジスタ301の素子領域302よりも長くなる。この結果、HV系トランジスタ201はPSZ膜の応力に対して強い構造を有しているといえ、チャネル長方向におけるSTI204の断面積が大きくなっても結晶欠陥が発生しにくい。
【0031】
なお、ゲート下絶縁膜11,21の上面の高さがほぼ等しいので、HV系トランジスタ201のゲート電極部203、LV系トランジスタ301のゲート電極部303、および、メモリセルトランジスタMCのゲート電極部403は、それぞれ、同一の高さとなるようにして形成されている。その結果、第8の絶縁膜23などの下面が平坦になり、加工マージンが向上する。
【0032】
次に、図3〜図16を参照して、上述したNAND型フラッシュメモリの製造方法について説明する。なお、各図(a)は図2(a)にそれぞれ対応する断面であり、各図(b)は図2(b)にそれぞれ対応する断面であり、各図(c)は図2(c)にそれぞれ対応する断面図であり、各図(d)は図2(d)にそれぞれ対応する断面図である。
【0033】
まず、図3(a)〜(d)に示すように、HV系トランジスタ201のゲート電極部203、LV系トランジスタ301のゲート電極部303、および、メモリセルトランジスタMCのゲート電極部403の高さを揃えるために、HV系トランジスタ領域102に対応するSi基板10の上面をエッチングする。
【0034】
次いで、図4(a)〜(d)に示すように、Si基板10の全面に、HV系トランジスタ201のゲート下絶縁膜11となる、たとえばシリコン酸化膜などの第1の絶縁膜を、40nm程度の厚さとなるように堆積する。なお、第1の絶縁膜の形成に前後して、LV系トランジスタ領域103およびセル領域104に対応するSi基板10の表面部には、それぞれ、P−well領域10aが形成される。さらに、セル領域104のP−well領域10aの下にはN−well領域10bが形成される。なお、LV系トランジスタ301をp型トランジスタにする場合には、P−well領域10aに代えて、N−well領域を形成する。
【0035】
次いで、図5(a)〜(d)に示すように、リソグラフィー技術とエッチング技術とを用いて、LV系トランジスタ領域103に対応するSi基板10の上面に形成された第1の絶縁膜を除去し、LV系トランジスタ301のゲート下絶縁膜21となる、たとえばシリコン酸化膜などの第2の絶縁膜を、また、セル領域104に対応するSi基板10の上面には、メモリセルトランジスタMCのゲート下絶縁膜(トンネル絶縁膜)21となる第2の絶縁膜を、それぞれ8nm程度の厚さとなるように形成する。
【0036】
次いで、図6(a)〜(d)に示すように、メモリセルトランジスタMCの浮遊ゲート電極となる、たとえばポリシリコンなどの第1の電極膜12を全面に堆積するとともに、その上に、STI204,304,404を形成するための、たとえばシリコン窒化膜などの第1のマスク材31を堆積させる。
【0037】
次いで、図7(a)〜(d)に示すように、リソグラフィー技術とエッチング技術とを用いて、STI204,304,404を形成するための素子分離溝204a,304a,404aを形成する。
【0038】
ここで、ゲート下絶縁膜11,21とSi基板10との間に選択比が有る状態でエッチングを行った場合、たとえば、ゲート下絶縁膜11,21よりもSi基板10のエッチングレートが高い場合、素子分離溝304a,404aの底面の位置は、LV系トランジスタ領域103とセル領域104とでほぼ同じである。なお、素子分離溝は幅が細くなるとエッチングレートが下がるため、LV系トランジスタ領域103の素子分離溝304aの底面よりもセル領域104の素子分離溝404aの底面のほうが浅くなる場合がある。よって、「素子分離溝304a,404aの底面の位置は、LV系トランジスタ領域103とセル領域104とでほぼ同じである」とは、LV系トランジスタ領域103とセル領域104とを同時に同じ条件でエッチングを行った場合を意味する。
【0039】
一方、素子分離溝204a,304aの底面は、ゲート下絶縁膜11の膜厚がゲート下絶縁膜21の膜厚よりも厚いため、HV系トランジスタ領域102の素子分離溝204aのほうが、LV系トランジスタ領域103の素子分離溝304aよりも、浅くなっている。ここで、ゲート下絶縁膜11,21のエッチングレートに対してSi基板10のエッチングレートが2倍の場合、ゲート下絶縁膜11,21の膜厚差の分(この例の場合、約30nm)だけ浅くなる。
【0040】
次いで、図8(a)〜(d)に示すように、素子分離溝204a,304a,404a内にそれぞれPSZ膜などの塗布膜を埋め込み、たとえばマスク材31をストッパとしてCMPを行うことにより、HV系トランジスタ領域102のSTI204、LV系トランジスタ領域103のSTI304、および、セル領域104のSTI404を形成する。
【0041】
次いで、図9(a)〜(d)に示すように、エッチングによりSTI204,304,404の上面の高さを第1の電極膜12の上面の高さに合せる。
【0042】
次いで、図10(a)〜(d)に示すように、LV系トランジスタ領域103のSTI304およびセル領域104のSTI404の上部をエッチングする。その結果、STI304およびSTI404の上面の高さが、第1の電極膜12の上面の高さよりも下がる(エッチバック加工)。このとき、HV系トランジスタ領域102はフォトレジストなどで覆われており、STI204の上部はエッチングされない。
【0043】
本実施形態においては、LV系トランジスタ領域103のSTI304の上面の高さを、セル領域104のSTI404と同様に、第1の電極膜12の上面の高さよりも下げた点がポイントとなる。つまり、従来から、セル領域においては、カップリング容量を増加させるために、STIの上面を第1の電極膜の上面よりも下げていた。しかし、素子分離用絶縁膜に収縮応力の大きいPSZ膜などを用いることにより、LV系トランジスタ領域での結晶欠陥の発生が問題となってきたため、LV系トランジスタ領域のSTIの上面もセル領域のSTIと同様に第1の電極膜の上面よりも下げることにした。
【0044】
次いで、図11(a)〜(d)に示すように、第1のマスク材31を除去した後、全面に、メモリセルトランジスタMCのゲート間絶縁膜13を形成するための第3の絶縁膜、および、メモリセルトランジスタMCの第1の制御ゲート電極を形成するための第2の電極膜14を、順に堆積する。
【0045】
次いで、図12(a)〜(d)に示すように、後工程で形成されるメモリセルトランジスタMCの第2の制御ゲート電極となる第3の電極膜15と第1,第2の電極膜12,14とを電気的に接続するため、HV系トランジスタ領域102およびLV系トランジスタ領域103の一部の第2の電極膜14と第3の絶縁膜13とを剥離して開口203a,303aを形成した後、全面に、第3の電極膜15および絶縁膜32とを順に堆積させる。
【0046】
次いで、図13(a)〜(d)に示すように、リソグラフィー技術とエッチング技術とを用いて、HV系トランジスタ201のゲート電極部203、LV系トランジスタ301のゲート電極部303、および、メモリセルトランジスタMCのゲート電極部403を、それぞれ加工(パターニング)する。また、たとえば図13(b)に示すように、素子領域202に対応するSi基板10の表面部にN型不純物を打ち込んで拡散層領域18aを形成する。そして、第4の絶縁膜を堆積した後、異方性エッチング技術を用いて、ゲート電極部203の側壁部にHV系トランジスタ201のゲート側壁構造であるスペーサ膜17を形成する(ゲート側壁構造であるスペーサ膜は、LV系トランジスタ301のゲート電極部303に対しても同様に形成される)。その後、Si基板10の表面部に選択的にN型不純物を打ち込んで拡散層領域18bを形成する。
【0047】
なお、第4の絶縁膜としては、第1の電極膜12、第2の電極膜14、および、第3の電極膜15との間に所望のエッチング選択比が得られる絶縁膜を用いることが好ましい。また、p型トランジスタを形成したい場合はN型不純物に代えてP型不純物を打ち込めばよい。
【0048】
次いで、図14(a)〜(d)に示すように、全面に、第5の絶縁膜19および第6の絶縁膜20を順に堆積させる。
【0049】
次いで、図15(a)〜(d)に示すように、エッチング技術を用いて、HV系トランジスタ201およびLV系トランジスタ301のゲート電極部203,303上の、絶縁膜32、第5の絶縁膜19、第6の絶縁膜20を剥離した後、金属サリサイド膜16を形成する。
【0050】
次いで、図16(a)〜(d)に示すように、全面に、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を順に堆積させる。
【0051】
最後に、一般的なコンタクト形成工程と配線形成工程とを経て、図1および図2に示した構成のNAND型フラッシュメモリが完成する。すなわち、HV系トランジスタ領域102においては、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、金属サリサイド膜16につながるコンタクト205と、第5の絶縁膜19、第6の絶縁膜20、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、拡散層領域18bにつながるコンタクト206とが形成される。また、LV系トランジスタ領域103においては、第7の絶縁膜22および第8の絶縁膜23を貫通し、金属サリサイド膜16につながるコンタクト305が形成される。また、セル領域104においては、図示していない、ソース線コンタクトとソース線およびビット線コンタクトとビット線などが形成される。
【0052】
上記したように、HV系トランジスタ領域のSTIとLV系トランジスタ領域のSTIとを同時に形成するプロセスにおいて、埋め込み素子分離用絶縁膜にPSZ膜のような収縮応力の大きい塗布膜を用いる場合、周辺回路部のLV系トランジスタ領域内の埋め込み素子分離用絶縁膜に対してエッチバック加工を行う、つまり、LV系トランジスタ領域のSTIの上面の高さを、セル領域のSTIと同様に、第1の電極膜の上面の高さよりも下げるようにしている。すなわち、LV系トランジスタ領域のSTIの上面の高さを、HV系トランジスタのSTIの上面の高さよりも低くするようにしている。これにより、HV系トランジスタのゲート下絶縁膜とLV系トランジスタのゲート下絶縁膜との膜厚差程度の深さの違いを有するものの、埋め込み素子分離用絶縁膜を掘り下げた分だけ、上面の高さがHV系トランジスタ領域のSTIよりも低い、LV系トランジスタ領域のSTIを形成できる。したがって、その掘り下げた分だけ、LV系トランジスタ領域のSTIでの埋め込み素子分離用絶縁膜の膜厚(膜量)を削減できるため、収縮応力を緩和することが可能となり、LV系トランジスタ領域での結晶欠陥の発生を抑制できるとともに、HV系トランジスタ領域では十分な膜厚を有する埋め込み素子分離用絶縁膜によって、STI反転リークの増加を抑制することが可能となるものである。
【0053】
また、周辺回路部のLV系トランジスタ領域の埋め込み素子分離用絶縁膜の高さを、セル領域の埋め込み素子分離用絶縁膜の落とし込みと同時に下げることにより、このLV系トランジスタ領域とHV系トランジスタ領域とで素子分離構造の異なるNAND型フラッシュメモリを容易に実現できる。
【0054】
[第2の実施形態]
図17は、本発明の第2の実施形態にしたがった、半導体装置の構成例を示すものである。なお、本実施形態では、LV系トランジスタ領域とHV系トランジスタ領域とで素子分離構造の異なる半導体装置として、不揮発性の半導体記憶装置であるNAND型フラッシュメモリを例に説明する。因みに、本実施形態は、素子分離用溝を形成する際の、ゲート下絶縁膜とSi基板とのエッチング条件を変更した場合の例である。また、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して、詳しい説明は割愛する。
【0055】
すなわち、本実施形態のNAND型フラッシュメモリは、HV系トランジスタ領域102のSTI204’の底面(下面の高さ)が、LV系トランジスタ領域103のSTI304の底面と同じ高さを有して構成されている(セル領域104のSTI404の底面も高さは同じ)。
【0056】
HV系トランジスタ領域102のSTI204’は、その上面の高さが、LV系トランジスタ領域103のSTI304の上面よりも、エッチバック加工の分だけ高くなっている。つまり、STI204’は、STI304と上面の高さの差分だけ、底部から上面までの高さがSTI304よりも高く形成されている。同様に、STI204’は、STI404と上面の高さの差分だけ、底部から上面までの高さがSTI404よりも高く形成されている。ただし、素子分離溝は幅が細くなるとエッチングレートが下がるため、「STI204’は、STI404と上面の高さの差分だけ、底部から上面までの高さがSTI404よりも高く形成」とは、HV系トランジスタ領域102とセル領域104とを同時に同じ条件でエッチングを行った場合を意味する。
【0057】
図18は、下面の高さが同じ素子分離用溝を形成する際の製造方法を示すものである。なお、図3から図6の工程までは第1の実施形態と同様の工程であるため説明を省略する。また、同図(a)は、第1の実施形態の説明で用いた図7(a)に、同図(b)は図7(b)に、同図(c)は図7(c)に、同図(d)は図7(d)に、それぞれ対応するものである。
【0058】
たとえば、図18(a)〜(d)に示すように、ゲート下絶縁膜11,21が形成されたSi基板10上に、第1の電極膜12および第1のマスク材31を順に堆積させた状態において、リソグラフィー技術とエッチング技術とを用いて、STI204’,304,404を形成するための素子分離溝204a’,304a,404aを形成する。この場合、ゲート下絶縁膜11,21とSi基板10との選択比がない状態でエッチングが行われる。
【0059】
エッチングの選択比がないと、素子分離溝204a’,304a,404aの下面は、HV系トランジスタ領域102、LV系トランジスタ領域103およびセル領域104において、共に同じ位置(深さ)になる。言い換えれば、ゲート下絶縁膜11,21の上面から素子分離溝204a’,304a,404aの底面までの高さが、全て等しいことになる。
【0060】
本実施形態の場合も、LV系トランジスタ領域103のSTI304の上面は、セル領域104のSTI404と同様に、第1の電極膜12の上面の高さよりも下げるようにしているので、各STI204’,304,404のチャネル長方向における体積(断面積)の関係は、HV系トランジスタ領域102のSTI204’>LV系トランジスタ領域103のSTI304=セル領域104のSTI404となる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態の場合(STI204)に比べて、HV系トランジスタ201のSTI204’をより深く形成することが可能となる。その結果、第1の実施形態の効果に加えて、HV系トランジスタ領域102での埋め込み素子分離用絶縁膜下の反転チャネルを効果的に防止できるようになるものである。
【0062】
なお、上記した各実施形態においては、いずれも、NAND型フラッシュメモリを例に説明したが、これに限らず、LV系トランジスタ領域とHV系トランジスタ領域とで素子分離構造の異なる各種の半導体装置に同様に適用できる。
【0063】
また、PSZ膜に限らず、NSG(Non−doped Silicate Glass)またはSOG(Spin on Glass)などの塗布膜のほか、収縮応力の大きい各種の絶縁膜を用いることも可能である。
【0064】
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態にしたがった、半導体装置(NAND型フラッシュメモリ)の構成例を示す平面図。
【図2】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの構成例を示す断面図。
【図3】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図4】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図6】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図7】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図8】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図9】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図10】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図11】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図12】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図13】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図14】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図15】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図16】第1の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【図17】本発明の第2の実施形態にしたがった、半導体装置(NAND型フラッシュメモリ)の構成例を示す断面図。
【図18】第2の実施形態に係る、NAND型フラッシュメモリの製造プロセスを説明するために示す断面図。
【符号の説明】
【0066】
101…周辺回路部、102…HV系トランジスタ領域、103…LV系トランジスタ領域、104…セル領域(セルアレイ)、201…HV系トランジスタ、204…STI(HV系用)、301…LV系トランジスタ、304…STI(LV系用)、401…メモリセル部、404…STI(セル用)、MC…メモリセルトランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上の第1のトランジスタ領域に設けられた第1のゲート絶縁膜、および、前記半導体基板上の第2のトランジスタ領域に設けられた、前記第1のゲート絶縁膜よりも膜厚の薄い第2のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上にそれぞれ形成された第1のゲート電極部を有する複数の第1のMOSトランジスタと、
前記第2のゲート絶縁膜上にそれぞれ形成された第2のゲート電極部を有する複数の第2のMOSトランジスタと、
前記第1のトランジスタ領域の、前記複数の第1のMOSトランジスタの相互間に配設された、前記半導体基板中に絶縁膜を埋め込んでなる第1の素子分離領域と、
前記第2のトランジスタ領域の、前記複数の第2のMOSトランジスタの相互間に配設された、前記半導体基板中に前記絶縁膜を埋め込んでなる第2の素子分離領域と
を具備し、
前記第2の素子分離領域は、その上面の高さが、前記第1の素子分離領域の上面の高さよりも低く形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
さらに、複数のメモリセルトランジスタが配置されるとともに、前記複数のメモリセルトランジスタの相互間に対応する前記半導体基板中に前記絶縁膜を埋め込んでなる第3の素子分離領域が配設されたメモリセル領域を有し、
前記第2の素子分離領域は、その上面および下面の高さが、前記第3の素子分離領域の上面および下面の高さと等しいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の素子分離領域は、その下面の高さが、前記第2の素子分離領域の下面の高さと等しいか、もしくは、前記第1のゲート絶縁膜と前記第2のゲート絶縁膜との膜厚差の分だけ、前記第2の素子分離領域の下面の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上の第1のトランジスタ領域に第1のゲート絶縁膜を形成するとともに、前記半導体基板上の第2のトランジスタ領域に、上面が前記第1のゲート絶縁膜の上面と同じ高さになるようにして、前記第1のゲート絶縁膜よりも膜厚の薄い第2のゲート絶縁膜を形成し、
前記第1のトランジスタ領域に、第1の素子分離領域を形成するための第1の溝、および、前記第2のトランジスタ領域に、第2の素子分離領域を形成するための第2の溝を形成し、
前記第1のトランジスタ領域の、前記第1の溝内に絶縁膜を埋め込んで前記第1の素子分離領域を形成するとともに、前記第2のトランジスタ領域の、前記第2の溝内に前記絶縁膜を埋め込んで前記第2の素子分離領域を形成した後、前記第2の素子分離領域の形成に用いた前記絶縁膜の上部の一部を除去して、前記第2の素子分離領域の上面を前記第1の素子分離領域の上面よりも低く形成し、
前記第1の素子分離領域が形成された前記第1のトランジスタ領域に、前記第1のゲート絶縁膜を介して、第1のゲート電極部をそれぞれ有する複数の第1のMOSトランジスタを形成するとともに、前記第2の素子分離領域が形成された前記第2のトランジスタ領域に、前記第2のゲート絶縁膜を介して、第2のゲート電極部をそれぞれ有する、前記複数の第1のMOSトランジスタよりも低電圧で動作する複数の第2のMOSトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
さらに、
上面が前記第2のゲート絶縁膜の上面と同じ高さになるようにして、前記半導体基板上のメモリセル領域に、前記第2のゲート絶縁膜と同じ膜厚の第3のゲート絶縁膜を形成し、
前記メモリセル領域に、前記第2の溝と同じ深さの、第3の素子分離領域を形成するための第3の溝を形成し、
前記メモリセル領域の、前記第3の溝内に前記絶縁膜を埋め込んで第3の素子分離領域を形成した後、前記第3の素子分離領域の形成に用いた前記絶縁膜の上部の一部を除去し、
前記第3の素子分離領域が形成された前記メモリセル領域に、前記第3のゲート絶縁膜を介して、第3のゲート電極部をそれぞれ有する複数のメモリセルトランジスタを形成する工程を具備し、
前記第2の素子分離領域の上面を前記第1の素子分離領域の上面よりも低く形成する工程は、前記第3の素子分離領域の形成に用いた前記絶縁膜の上部の一部を除去するのと同時に行われることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−21493(P2010−21493A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183148(P2008−183148)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】