説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】良好な電気的特性を有する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板10上に形成されたゲート絶縁膜20と、ゲート絶縁膜上に形成されたキャップ膜22と、キャップ膜上に形成されたシリコン酸化膜23と、シリコン酸化膜上に形成された金属ゲート電極24と、金属ゲート電極の両側の半導体基板内に形成されたソース/ドレイン拡散層48とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化に伴い、MIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタのゲート絶縁膜として、シリコン酸化膜より比誘電率の高い酸化ハフニウム膜等の高誘電率絶縁膜を用いることが注目されている。
【0003】
また、MISFETのゲート電極の材料として、ポリシリコンのゲート電極の代わりに、金属ゲート電極を用いることが注目されている。金属ゲート電極を用いれば、ゲート電極に空乏層ができるのを防止することができ、MISトランジスタの電流駆動力を向上することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−194352号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Kamimuta et al., “Comprehensive Study of VFB Shift in High-k CMOS -Dipole Formation, Fermi-level Pinning and Oxygen Vacancy Effect-”, IEEE International Electron Meeting, pp.341-344, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、高誘電率ゲート絶縁膜と金属ゲート電極とを用いたMISトランジスタにおいては、閾値電圧が深くなってしまう場合があった。
【0007】
本発明の目的は、良好な電気的特性を有する半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一観点によれば、半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたキャップ膜と、前記キャップ膜上に形成されたシリコン酸化膜と、前記シリコン酸化膜上に形成された金属ゲート電極と、前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたソース/ドレイン拡散層とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0009】
実施形態の他の観点によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜上に金属ゲート電極を形成する工程と、前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内にソース/ドレイン拡散層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
実施形態の更に他の観点によれば、半導体基板の第1の活性領域上及び第2の活性領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記第1の活性領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程と、前記第1の活性領域上の前記キャップ膜上に第1の金属ゲート電極を形成し、前記第2の活性領域上の前記シリコン酸化膜上に第2の金属ゲート電極を形成する工程と、前記第1の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第1のソース/ドレイン拡散層を形成し、前記第2の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第2のソース/ドレイン拡散層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
開示の半導体装置及びその製造方法によれば、Nチャネル型MISFETの閾値電圧を浅くするためのキャップ膜がゲート絶縁膜上に形成されているため、Nチャネル型MISFETの閾値電圧を浅くすることができる。Pチャネル型MISFETにおいては、キャップ膜上にシリコン酸化膜が形成されているため、Pチャネル型MISFETにキャップ膜が形成されているにもかかわらず、Pチャネル型MISFETの閾値電圧が深くなるのを防止することができる。従って、Nチャネル型MISFETとPチャネル型MISFETのいずれの閾値電圧をも浅くすることができ、電気的特性の良好な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】Pチャネル型MISFETのC−V特性を示すグラフである。
【図3】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図4】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図5】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図6】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図7】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図8】第2実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図9】第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図10】第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
金属ゲート電極と高誘電率ゲート絶縁膜とを用いたトランジスタにおいては、閾値電圧が深くなってしまう場合がある。
【0014】
閾値電圧を浅くするためには、閾値電圧を浅くするのに寄与するキャップ膜をゲート絶縁膜上に形成することが考えられる。
【0015】
しかしながら、Nチャネルトランジスタの閾値電圧を浅くするのに適したキャップ膜と、Pチャネルトランジスタの閾値電圧を浅くするのに適したキャップ膜とは、材料が異なる。
【0016】
材料が異なるキャップ膜をNチャネルトランジスタのゲート絶縁膜上とPチャネルトランジスタのゲート絶縁膜上とに作り分けることは容易ではない。
【0017】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図7を用いて説明する。
【0018】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【0019】
図1の紙面左側は、Nチャネル型MISFETが形成される領域(Nチャネル型MISFET形成領域)2を示しており、Pチャネル型MISFETが形成される領域(Pチャネル型MISFET形成領域)4を示している。
【0020】
図1に示すように、半導体基板10には、活性領域(素子領域)12a、12bを確定する素子分離領域14が形成されている。半導体基板10としては、例えばシリコン基板が用いられている。素子分離領域14は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成されている。図1の紙面左側の活性領域12aは、Nチャネル型MISFETが形成される活性領域である。図1の紙面右側の活性領域12bは、Pチャネル型MISFETが形成される活性領域である。
【0021】
Nチャネル型MISFET形成領域2における半導体基板10内には、P型ウェル16Pが形成されている。Pチャネル型MISFET形成領域4における半導体基板10内には、N型ウェル16Nが形成されている。
【0022】
まず、Nチャネル型MISFET形成領域2に形成されるNチャネル型MISFET(第1のトランジスタ)40について説明する。
【0023】
Nチャネル型MISFET形成領域2における活性領域12a上には、例えば膜厚0.5〜2nmのシリコン酸化膜18が形成されている。
【0024】
シリコン酸化膜18上には、例えば膜厚1.5〜3.0nmの高誘電率(High−k)絶縁膜のゲート絶縁膜(高誘電率ゲート絶縁膜)20が形成されている。高誘電率絶縁膜は、シリコン酸化膜より比誘電率の高い絶縁膜である。ゲート絶縁膜20としては、例えば、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む絶縁膜を用いることができる。具体的には、ゲート絶縁膜20の材料として、例えば、HfO、HfSiO、HfZrO、HfZrSiO、ZrO、ZrSiO、HfON、HfSiON、HfZrON、HfZrSiON、ZrON、ZrSiON等を用いることができる。ここでは、ゲート絶縁膜20として、例えば酸化ハフニウム膜を用いる。
【0025】
ゲート絶縁膜20上には、例えば膜厚0.1〜0.5nmのキャップ膜22が形成されている。キャップ膜22としては、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのものである。Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を低下させ得るキャップ膜22の材料としては、希土類金属の酸化物やMg(マグネシウム)の酸化物を用いることができる。かかる希土類金属としては、例えば、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Dy(ジスプロシウム)等が用いられる。ここでは、キャップ膜22として、例えば酸化イットリウム(Y)膜を用いる。
【0026】
希土類金属の酸化物又はMgの酸化物のキャップ膜22を形成すると、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧が低下するのは、以下のような理由によるものと考えられる。即ち、キャップ膜22中の希土類原子又はMg原子は、熱処理等により、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界(界面)にまで拡散すると考えられる。シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界にまで拡散した希土類原子又はMg原子により、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界には、ダイポール(電気双極子)が生じていると考えられる。かかるダイポールは、シリコン酸化膜18側に正極が存在し、ゲート絶縁膜20側に負極が存在する向きで形成されていると考えられる(非特許文献1参照)。このような向きのダイポールは、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を低下させるのに寄与すると考えられる。このような理由により、希土類金属の酸化物やMgの酸化物のキャップ膜22を形成した場合には、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧が低下すると考えられる。
【0027】
キャップ膜22上には、例えば膜厚5〜20nmの金属ゲート電極24が形成されている。金属ゲート電極24の材料としては、例えば、仕事関数がシリコンのバンドギャップの中央付近である材料を用いることができる。このような材料としては、例えばTiNやTaN等を挙げることができる。ここでは、金属ゲート電極24として、例えばTiN膜が用いられている。
【0028】
金属ゲート電極24上には、例えば膜厚30〜80nmのシリコン膜26が形成されている。
【0029】
シリコン酸化膜18、ゲート絶縁膜20、キャップ膜22、金属ゲート電極24及びシリコン膜26を含む積層体28の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するN型のエクステンション領域30が形成されている。
【0030】
積層体28の側壁部分には、例えばシリコン窒化膜等のサイドウォール絶縁膜32が形成されている。
【0031】
サイドウォール絶縁膜32が形成された積層体28の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するN型の不純物拡散領域34が形成されている。エクステンション領域30と不純物拡散領域34とにより、N型のソース/ドレイン拡散層36が形成されている。
【0032】
ソース/ドレイン拡散層36の上部、及び、シリコン膜26の上部には、例えばチタンシリサイドのシリサイド膜38が形成されている。ソース/ドレイン拡散層36上のシリサイド膜38は、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0033】
こうして、Nチャネル型MISFET形成領域2内に、Nチャネル型MISFET40が形成されている。
【0034】
次に、Pチャネル型MISFET形成領域4に形成されるPチャネル型MISFET(第2のトランジスタ)50について説明する。
【0035】
PチャネルMISFET形成領域4における活性領域12b上には、シリコン酸化膜18が形成されている。Pチャネル型MISFET50のシリコン酸化膜18は、Nチャネル型MISFET40のシリコン酸化膜18と同一のシリコン酸化膜により形成されている。シリコン酸化膜18の膜厚は、例えば膜厚0.5〜2nmとなっている。
【0036】
シリコン酸化膜18上には、高誘電率絶縁膜のゲート絶縁膜(高誘電率ゲート絶縁膜)20が形成されている。Pチャネル型MISFET50のゲート絶縁膜20は、Nチャネル型MISFET40のゲート絶縁膜20と同一の絶縁膜により形成されている。上述したように、ゲート絶縁膜20としては、例えば、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む絶縁膜を用いることができる。具体的には、上述したように、ゲート絶縁膜20の材料として、例えば、HfO、HfSiO、HfZrO、HfZrSiO、ZrO、ZrSiO、HfON、HfSiON、HfZrON、HfZrSiON、ZrON、ZrSiON等を用いることができる。ここでは、ゲート絶縁膜20として、例えば酸化ハフニウム膜が用いられている。ゲート絶縁膜20の膜厚は、例えば1.5〜3.0nmとなっている。
【0037】
ゲート絶縁膜20上には、キャップ膜22が形成されている。Pチャネル型MISFET50のキャップ膜22は、Nチャネル型MISFET40のキャップ膜22と同一のキャップ膜により形成されている。キャップ膜22の膜厚は、例えば膜厚0.1〜0.5nmとなっている。キャップ膜22は、上述したように、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのものである。キャップ膜22の材料としては、上述したように、希土類金属の酸化物やMgの酸化物が用いられる。かかる希土類金属としては、例えば、Y、La、Dy等が用いられる。ここでは、キャップ膜22として、例えば酸化イットリウム膜を用いる。
【0038】
上述したように、キャップ膜22中の希土類原子又はMg原子は、熱処理等により、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界にまで拡散すると考えられる。シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界にまで拡散した希土類原子又はMg原子により、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界には、ダイポールが生じていると考えられる。かかるダイポールは、シリコン酸化膜18側に正極が存在し、ゲート絶縁膜20側に負極が存在する向きで形成されていると考えられる。このような向きのダイポールは、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を低下させるのに寄与するが、Pチャネル型MISFET50においては閾値電圧を深くするように働くと考えられる。
【0039】
キャップ膜22上には、例えば膜厚0.1〜0.5nmのシリコン酸化膜23が形成されている。なお、かかるシリコン酸化膜23は、Nチャネル型MISFET40においては形成されていない。シリコン酸化膜23は、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧が深くなるのを防止するためのものである。即ち、Pチャネル型MISFET50においては、キャップ膜22上にシリコン酸化膜23が形成されているため、キャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界にもダイポールが生じると考えられる。キャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生じるダイポールは、キャップ膜22側に負極が存在し、シリコン酸化膜23側に正極が存在する向きで形成されると考えられる。即ち、Pチャネル型MISFET50においては、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生じるダイポールモーメントと反対の向きのダイポールモーメントが、キャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生じると考えられる。シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生ずるダイポールは、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧を深くするように働く。一方、キャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生ずるダイポールは、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧を浅くするように働く。このため、本実施形態によれば、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生ずるダイポールモーメントを、キャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生ずるダイポールモーメントにより減殺することが可能となる。従って、本実施形態では、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのキャップ膜22が、Pチャネル型MISFET50にも形成されているにもかかわらず、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧が深くなるのを防止し得る。
【0040】
シリコン酸化膜23上には、例えば膜厚5〜20nmの金属ゲート電極24が形成されている。金属ゲート電極24の材料としては、例えば、仕事関数がシリコンのバンドギャップの中央付近である材料を用いることができる。かかる材料としては、例えばTiNやTaN等が挙げられる。ここでは、金属ゲート電極24として、例えばTiN膜が用いられている。
【0041】
金属ゲート電極24上には、例えば膜厚30〜80nmのシリコン膜26が形成されている。
【0042】
シリコン酸化膜18、ゲート絶縁膜20、キャップ膜22、シリコン酸化膜23、金属ゲート電極24及びシリコン膜26を含む積層体42の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するN型のエクステンション領域44が形成されている。
【0043】
積層体42の側壁部分には、例えばシリコン窒化膜等のサイドウォール絶縁膜32が形成されている。
【0044】
サイドウォール絶縁膜32が形成された積層体42の両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するP型の不純物拡散領域46が形成されている。エクステンション領域44と不純物拡散領域46とにより、P型のソース/ドレイン拡散層48が形成されている。
【0045】
ソース/ドレイン拡散層48の上部、及び、シリコン膜26の上部には、例えばチタンシリサイドのシリサイド膜38が形成されている。ソース/ドレイン拡散層48上のシリサイド膜38は、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0046】
こうして、Pチャネル型MISFET形成領域4内に、Pチャネル型MISFET50が形成されている。
【0047】
Nチャネル型MISFET40とPチャネル型MISFET50とによりCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されている。
【0048】
Nチャネル型MISFET40及びPチャネル型MISFET50が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚300〜600nmのシリコン酸化膜の層間絶縁膜52が形成されている。
【0049】
層間絶縁膜52には、シリサイド膜38及びソース/ドレイン電極38に達するコンタクトホール54がそれぞれ形成されている。
【0050】
コンタクトホール54内には、例えばタングステンの導体プラグ56が埋め込まれている。
【0051】
導体プラグ56が埋め込まれた層間絶縁膜52上には、導体プラグ56にそれぞれ接続された配線層58が形成されている。
【0052】
こうして、本実施形態による半導体装置が形成されている。
【0053】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について図2を用いて説明する。
【0054】
図2は、Pチャネル型MISFETのC−V特性を示すグラフである。図2における横軸は、ゲート電圧を示している。図2における縦軸は、ゲート容量を示している。C−V特性を測定する際には、ゲート電極をGND(グラウンド)に接続し、半導体基板、ソース端子及びドレイン端子を短絡し、半導体基板、ソース端子及びドレイン端子に1MHzの高周波電圧を印加した。
【0055】
図2における比較例1は、キャップ膜20とシリコン酸化膜22のいずれをも形成しない場合を示している。
【0056】
図2における比較例2は、キャップ膜20を形成し、シリコン酸化膜22を形成しない場合を示している。
【0057】
図2における実施例1は、本実施形態の場合、即ち、キャップ膜20とシリコン酸化膜22の両方を形成した場合を示している。
【0058】
図2から分かるように、比較例2の場合には、比較例1に対してC−V特性が負側にシフトしている。
【0059】
図2において丸印で囲んだ部分は、ゲート電圧を徐々に低くしていったときにゲート容量が極端に上昇する箇所であり、閾値電圧に相当するものである。図2から分かるように、比較例2では、比較例1に対して、閾値電圧が深くなっている。
【0060】
このことから、キャップ膜20を形成した場合には、キャップ膜20とシリコン酸化膜22のいずれをも形成しない場合と比較して、Pチャネル型MISFETの閾値電圧が深くなることが分かる。
【0061】
図2から分かるように、実施例1の場合には、C−V特性が負側にシフトしておらず、比較例1とほぼ同様のC−V特性が得られている。
【0062】
図2から分かるように、実施例1の閾値電圧は、比較例1とほぼ同様となっている。
【0063】
このことから、本実施形態によれば、Pチャネル型MISFETの閾値電圧が深くなるのを防止し得ることが分かる。
【0064】
このように、本実施形態では、Pチャネル型MISFET50のキャップ膜22上にシリコン酸化膜23が形成されている。このため、本実施形態によれば、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのキャップ膜22が、Pチャネル型MISFET50にも形成されているにもかかわらず、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧が深くなるのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、Nチャネル型MISFET40とPチャネル型MISFET50のいずれの閾値電圧をも浅くすることができ、電気的特性の良好なCMISFETを有する半導体装置を提供することができる。
【0065】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図3乃至図7を用いて説明する。図3乃至図7は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0066】
まず、例えばSTI法により、活性領域(素子領域)12a、12bを確定する素子分離領域14を形成する(図3(a)参照)。半導体基板10としては、例えばシリコン基板を用いる。図3の紙面左側の活性領域12aは、Nチャネル型MISFETが形成される活性領域である。図3の紙面右側の活性領域12bは、Pチャネル型MISFETが形成される活性領域である。
【0067】
次に、全面に、スピンコート法によりフォトレジスト膜60を形成する。
【0068】
次に、Nチャネル型MISFET形成領域2を露出する開口部62をフォトレジスト膜60に形成する。
【0069】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜60をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入することにより、Nチャネル型MISFET形成領域2における半導体基板10内に、P型ウェル16Pを形成する。
【0070】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜60を剥離する。
【0071】
次に、図3(b)に示すように、全面に、スピンコート法によりフォトレジスト膜64を形成する。
【0072】
次に、Pチャネル型MISFET形成領域4を露出する開口部66をフォトレジスト膜64に形成する。
【0073】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜64をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入することにより、Pチャネル型MISFET形成領域4における半導体基板10内に、N型ウェル16Nを形成する。
【0074】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜64を剥離する。
【0075】
次に、図3(c)に示すように、全面に、例えば熱酸化法により、例えば膜厚0.5〜2nmのシリコン酸化膜18を形成する。成膜温度は、例えば1000℃とする。成膜室内の雰囲気は、例えば酸素雰囲気とする。
【0076】
次に、図3(d)に示すように、全面に、例えばALD(Atomic Layer Deposition、原子層成長)法により、例えば膜厚1.5〜3.0nmの高誘電率絶縁膜のゲート絶縁膜(高誘電率ゲート絶縁膜)20を形成する。ゲート絶縁膜20としては、例えば、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む絶縁膜を用いる。より具体的には、ゲート絶縁膜20の材料として、例えば、HfO、HfSiO、HfZrO、HfZrSiO、ZrO、ZrSiO、HfON、HfSiON、HfZrON、HfZrSiON、ZrON、ZrSiON等を用いることができる。ここでは、ゲート絶縁膜20として、酸化ハフニウム膜を形成する。ゲート絶縁膜20として酸化ハフニウム膜を形成する場合には、原料として、例えばHTB(Hafnium-Tetra-t-Butoxide)を用いる。成膜室内の雰囲気は、例えば、HTBとヘリウムと窒素との混合雰囲気とする。成膜温度は、例えば300〜600℃とする。成膜室内の圧力は、例えば0.3〜1.0Paとする。
【0077】
次に、図4(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、例えばキャップ膜22を形成する。キャップ膜22は、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのものである。Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を低下させ得るキャップ膜22の材料としては、希土類金属の酸化物やMgの酸化物を用いることができる。かかる希土類金属としては、例えば、Y、La、Dy等が用いられる。ここでは、キャップ膜22として、例えば酸化イットリウム膜を用いる。キャップ膜22の膜厚は、例えば0.1〜0.5nm程度とする。成膜温度は、例えば室温とする。成膜室内の圧力は、例えば1×10−2〜1×10−3Pa程度とする。成膜室内の雰囲気は、例えばアルゴン雰囲気とする。
【0078】
次に、図4(b)に示すように、全面に、例えばALD法により、例えば膜厚0.1〜0.5nmのシリコン酸化膜23を形成する。原料としては、ジクロロシランを用いる。成膜室内の雰囲気は、例えばジクロロシランとヘリウムと窒素との混合雰囲気とする。成膜温度は、例えば300〜600℃程度とする。成膜室内の圧力は、例えば0.3〜1.0Pa程度とする。
【0079】
次に、全面に、スピンコート法によりフォトレジスト膜68を形成する。
【0080】
次に、Nチャネル型MISFET形成領域2を露出する開口部70をフォトレジスト膜68に形成する(図4(c)参照)。
【0081】
次に、ウエットエッチングにより、Nチャネル型MISFET形成領域2内のシリコン酸化膜23をエッチング除去する。エッチング液としては、例えば濃度が0.2%程度の希フッ酸を用いる。
【0082】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜68を剥離する。
【0083】
次に、プラズマ窒化を行う。基板温度は、例えば150〜300℃程度とする。チャンバ内の圧力は、例えば0.03〜0.1Torr程度とする。
【0084】
次に、アニール(熱処理)を行う。この熱処理は、キャップ膜22中の希土類原子等をゲート絶縁膜20とシリコン酸化膜18との境界まで拡散するとともに、キャップ膜22等に加わったダメージを回復するためのものである。熱処理温度は、例えば850〜1050℃程度とする。チャンバ内の雰囲気は、例えば窒素雰囲気とする。熱処理時間は、例えば5〜10秒程度とする。
【0085】
次に、図4(d)に示すように、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚5〜20nmの導電膜24を形成する。導電膜24の材料としては、仕事関数がシリコンのバンドギャップの中央付近である材料を用いることが好ましい。かかる材料としては、例えばTiNやTaN等が挙げられる。ここでは、導電膜24として、例えばTiN膜を形成する。成膜温度は、例えば室温〜300℃程度とする。成膜室内の圧力は、例えば1×10−2〜1×10−3Pa程度とする。成膜室内の雰囲気は、例えばアルゴンと窒素との混合雰囲気とする。
【0086】
次に、図5(a)に示すように、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚30〜80nmのシリコン膜26を形成する。成膜温度は、例えば500〜700℃程度とする。シリコン膜26の結晶状態は、多結晶でもよいし、非晶質でもよい。
【0087】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜72を形成する。
【0088】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜72を金属ゲート電極24の形状にパターニングする(図5(b)参照)。
【0089】
次に、例えばRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法により、フォトレジスト膜72をマスクとして、シリコン膜26及び導電膜24をエッチングする。エッチングガスとしては、例えばCF系ガス及びCl系ガスを用いる。
【0090】
次に、フォトレジスト膜72をマスクとして、例えばウエットエッチングにより、シリコン酸化膜23、キャップ膜22、ゲート絶縁膜20及びシリコン酸化膜18をエッチングする。エッチング液としては、例えば希フッ酸等を用いる。
【0091】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜72を剥離する。
【0092】
こうして、Nチャネル型MISFET形成領域2内の活性領域12a上に、シリコン酸化膜18、ゲート絶縁膜20、キャップ膜22、金属ゲート電極24及びシリコン膜26を含む積層体28が形成される。また、Pチャネル型MISFET形成領域4内の活性領域12b上に、シリコン酸化膜18、ゲート絶縁膜20、キャップ膜22、シリコン酸化膜23、金属ゲート電極24及びシリコン膜26を含む積層体42が形成される。
【0093】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜74を形成する。
【0094】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Nチャネル型MISFET形成領域2を露出する開口部76をフォトレジスト膜74に形成する。
【0095】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜74と積層体28とをマスクとして、N型のドーパント不純物を導入することにより、金属ゲート電極24の両側の半導体基板10内にN型のエクステンション領域30を形成する(図5(c)参照)。ドーパント不純物としては、例えばAs(砒素)を用いる。加速エネルギーは、例えば1〜3keV程度とする。ドーズ量は、例えば6×1014〜2×1015cm−2程度とする。
【0096】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜74を剥離する。
【0097】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜78を形成する。
【0098】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Pチャネル型MISFET形成領域4を露出する開口部80をフォトレジスト膜78に形成する(図6(a)参照)。
【0099】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜78と積層体42とをマスクとして、P型のドーパント不純物を導入することにより、金属ゲート電極24の両側の半導体基板10内にP型のエクステンション領域44を形成する。ドーパント不純物としては、例えばB(ボロン)を用いる。加速エネルギーは、例えば0.3〜0.8keV程度とする。ドーズ量は、例えば6×1014〜2×1015cm−2程度とする。
【0100】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜78を剥離する。
【0101】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚20〜60nmの絶縁膜32を形成する。絶縁膜32としては、例えばシリコン窒化膜を形成する。成膜温度は、例えば300〜600℃程度とする。成膜室内の雰囲気は、例えばジクロロシランとアンモニアガスとの混合雰囲気とする。
【0102】
次に、例えばRIE法により、絶縁膜32をエッチバックすることにより、積層体28,42の側壁部分にサイドウォール絶縁膜32を形成する(図6(b)参照)。エッチングガスとしては、例えばCF系ガスを用いることができる。
【0103】
なお、サイドウォール絶縁膜32の材料は、シリコン窒化膜に限定されるものではない。例えば、シリコン酸化膜又はシリコン窒化酸化膜によりサイドウォール絶縁膜32を形成してもよい。
【0104】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜82を形成する。
【0105】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Nチャネル型MISFET形成領域2を露出する開口部84をフォトレジスト膜82に形成する。
【0106】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜82、積層体28及びサイドウォール絶縁膜32をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入することにより、金属ゲート電極24の両側の半導体基板10内にN型の不純物拡散領域34を形成する。ドーパント不純物としては、例えばAsを用いる。加速エネルギーは、例えば10〜20keV程度とする。ドーズ量は、例えば3×1015〜1×1016cm−2程度とする。エクステンション領域30と不純物拡散領域34とにより、N型のソース/ドレイン拡散層36が形成される(図6(c)参照)。
【0107】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜82を剥離する。
【0108】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜86を形成する。
【0109】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Pチャネル型MISFET形成領域4を露出する開口部88をフォトレジスト膜86に形成する(図7(a)参照)。
【0110】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜86、積層体42及びサイドウォール絶縁膜32をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入することにより、金属ゲート電極24の両側の半導体基板10内にP型の不純物拡散領域46を形成する。ドーパント不純物としては、例えばBFを用いる。加速エネルギーは、例えば10〜20keV程度とする。ドーズ量は、例えば3×1015〜1×1016cm−2程度とする。エクステンション領域44と不純物拡散領域46とにより、P型のソース/ドレイン拡散層48が形成される。
【0111】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜86を剥離する。
【0112】
次に、例えばPVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長)法又はCVD法により、例えば膜厚5〜20nm程度の高融点金属膜を形成する。高融点金属膜の材料としては、例えばTi(チタン)、W(タングステン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)等を用いることができる。ここでは、高融点金属膜として、例えばTi膜を形成する。
【0113】
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10中のSi原子と高融点金属膜中のTi原子とを反応させるとともに、シリコン膜26中のSi原子と高融点金属膜中のTi原子とを反応させる。
【0114】
次に、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。こうして、ソース/ドレイン拡散層36、48の上部、及び、シリコン膜26の上部に、例えばチタンシリサイドのシリサイド膜38が形成される(図7(b)参照)。ソース/ドレイン拡散層36、48上のシリサイド膜38は、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0115】
こうして、Nチャネル型MISFET形成領域2内に、Nチャネル型MISFET40が形成され、Pチャネル型MISFET形成領域4内に、Pチャネル型MISFET50が形成される。
【0116】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300〜600nmのシリコン酸化膜の層間絶縁膜52を形成する。
【0117】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリサイド膜38及びソース/ドレイン電極38に達するコンタクトホール54を形成する。
【0118】
次に、例えばスパッタリング法により、膜厚3〜10nmのTi膜と、膜厚5〜10nmのTiN膜とを順次積層する。これにより、積層膜のバリア膜(図示せず)が形成される。
【0119】
次に、例えばCVD法により、膜厚100〜300nmのタングステン膜を形成する。
【0120】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜52の表面が露出するまで、タングステン膜を研磨する。これにより、コンタクトホール54内に、例えばタングステンの導体プラグ56が埋め込まれる。
【0121】
次に、例えばPVD法により、膜厚1〜3μmの導電膜58を形成する。導電膜58としては、例えばアルミニウム等を用いることができる。
【0122】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて導電膜58をパターニングすることにより、導電膜の配線層58を形成する。こうして、導体プラグ56に接続された配線層58が形成される。
【0123】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図7(c)参照)。
【0124】
このように、本実施形態では、Nチャネル型MISFET40の閾値電圧を浅くするためのキャップ膜22を、Nチャネル型MISFET40とPチャネル型MISFET50の両方に形成する。そして、Pチャネル型MISFET50のキャップ膜22上には、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧が深くなるのを防止するためのシリコン酸化膜23を形成する。このため、本実施形態によれば、金属ゲート電極24及び高誘電率ゲート絶縁膜20を用いたNチャネル型MISFET40とPチャネル型MISFET50のいずれの閾値電圧をも浅くすることができる。
【0125】
しかも、本実施形態によれば、キャップ膜22上にシリコン酸化膜23を形成し、Nチャネル型MISFET形成領域2のシリコン酸化膜23をエッチングするだけでよい。従って、本実施形態によれば、製造コストの大幅な増加を招くことなく、電気的特性の良好な半導体装置を提供することができる。
【0126】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置及びその製造方法を図8乃至図10を用いて説明する。図1乃至図7に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0127】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態による半導体装置を示す半導体装置である。
【0128】
本実施形態による半導体装置は、Pチャネル型MISFET50aのゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化アルミニウム(Al)膜19が形成されていることに主な特徴がある。
【0129】
図8に示すように、Pチャネル型MISFET50aのゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間には、酸化アルミニウム膜21が形成されている。酸化アルミニウム膜21は、Pチャネル型MISFET50の閾値電圧を浅くするのに寄与するものである。酸化アルミニウム膜21の膜厚は、例えば0.1〜1.0nm程度とする。
【0130】
Pチャネル型MISFET形成領域4には、シリコン酸化膜18、ゲート絶縁膜20、酸化アルミニウム膜21、キャップ膜22、シリコン酸化膜23、金属ゲート電極24及びシリコン膜26を含む積層体42aが形成されている。
【0131】
一方、Nチャネル型MISFET40のゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間には、酸化アルミニウム膜21は形成されていない。
【0132】
本実施形態において、Pチャネル型MISFET50aのゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化アルミニウム膜21を形成しているのは、以下のような理由によるものである。
【0133】
即ち、本実施形態では、第1実施形態と同様に、Pチャネル型MISFET50aにもキャップ膜22が形成されているため、キャップ膜22を形成することに起因するダイポールが、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界にも生じると考えられる。キャップ膜22を形成することに起因してシリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生じるダイポールは、シリコン酸化膜18側に正極が存在し、ゲート絶縁膜20側に負極が存在する向きで形成されると考えられる。このような向きのダイポールは、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を深くするように働くと考えられる。
【0134】
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、キャップ膜22上にシリコン酸化膜23が形成されている。このため、本実施形態では、シリコン酸化膜23を形成することに起因するダイポールが、Pチャネル型MISFET50aのキャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生じると考えられる。シリコン酸化膜23を形成することに起因してキャップ膜22とシリコン酸化膜23との境界に生じるダイポールは、キャップ膜22側に負極が存在し、シリコン酸化膜23側に正極が存在する向きで形成されると考えられる。このような向きのダイポールは、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を浅くするように働くと考えられる。
【0135】
本実施形態では、更に、Pチャネル型MISFET50aのゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化アルミニウム膜21が形成されている。このため、本実施形態では、酸化アルミニウム膜21を形成することに起因するダイポールが、シリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生じると考えられる。酸化アルミニウム膜21を形成することに起因してシリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生じるダイポールは、シリコン酸化膜18側に負極が存在し、ゲート絶縁膜20側に正極が存在する向きで形成されると考えられる。このような向きのダイポールは、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を浅くするように働くと考えられる。
【0136】
このように、本実施形態では、キャップ膜22を形成することに起因して生ずるダイポールモーメントと反対向きのダイポールモーメントを、シリコン酸化膜23と酸化アルミニウム膜21とを形成することにより生じさせることができると考えられる。シリコン酸化膜23と酸化アルミニウム膜21とを形成することに起因して生ずるダイポールモーメントの大きさを、キャップ膜22を形成することに起因して生ずるダイポールモーメントの大きさより大きくすることも可能である。このため、本実施形態によれば、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を更に浅くすることが可能である。従って、本実施形態によれば、電気的特性の更に良好なCMISFETを有する半導体装置を提供することが可能となる。
【0137】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0138】
まず、素子分離領域14を形成する工程から、P型ウェル16P及びN型ウェル16Nを形成する工程までは、図3(a)及び図3(b)に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図9(a)参照)。
【0139】
次に、図3(c)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、シリコン酸化膜18を形成する(図9(b)参照)。
【0140】
次に、図3(d)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、ゲート絶縁膜20を形成する(図9(c)参照)。
【0141】
次に、図9(d)に示すように、全面に、例えばALD法により、例えば膜厚0.1〜1.0nmの酸化アルミニウム膜21を形成する。原料ガスとしては、例えばTMA(Tri-Methyl Aluminum)を用いる。反応ガスとしては、例えば酸素又はオゾンを用いる。成膜温度は、例えば300〜600℃程度とする。成膜室内の圧力は、0.3〜1.0Pa程度とする。
【0142】
次に、図10(a)に示すように、全面に、スピンコート法によりフォトレジスト膜90を形成する。
【0143】
次に、Nチャネル型MISFET形成領域2を露出する開口部92をフォトレジスト膜90に形成する。
【0144】
次に、ウエットエッチングにより、Nチャネル型MISFET形成領域2内の酸化アルミニウム膜21をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばTMAH(Tetra-Methyl Ammonium Hydroxide)を用いる。
【0145】
この後、フォトレジスト膜90を除去する。フォトレジスト膜90を除去する際には、酸化アルミニウム膜21、ゲート絶縁膜20及びシリコン酸化膜18が変質するのを防止すべく、アセトン又はシンナー等の有機溶剤を用いる。
【0146】
次に、酸化アルミニウム膜21中のアルミニウムを拡散するとともに、ゲート絶縁膜20等のダメージを回復するための熱処理(アニール)を行う。後工程において形成されるキャップ膜22から拡散される希土類金属等の量に対して、酸化アルミニウム膜21から拡散されるアルミニウムの量を十分に多くすれば、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を十分に浅くすることが可能である。このため、この熱処理においては、キャップ膜22を形成した後に行われる熱処理に対して、熱処理温度を高くするか、熱処理時間を長くすることが好ましい。熱処理温度は、例えば1000〜1100℃程度とする。熱処理時間は、例えば5〜15秒程度とする。チャンバ内の雰囲気は、例えば窒素雰囲気とする。
【0147】
次に、図4(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、キャップ膜22を形成する(図10(b)参照)。
【0148】
この後の半導体装置の製造方法は、図4(b)乃至図7(c)に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0149】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図10(c)参照)。
【0150】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0151】
例えば、上記実施形態では、Nチャネル型MISFET40の金属ゲート電極24とPチャネル型MISFET50、50aの金属ゲート電極24とに同じ材料を用いたが、異なる材料を用いてもよい。例えば、Nチャネル型MISFET40のゲート電極24の材料として、仕事関数がシリコンの導電帯付近の値の材料を用いてもよい。より具体的には、仕事関数が4.4eV以下の材料をNチャネル型MISFET40のゲート電極24の材料として用いてもよい。このような材料としては、例えばTaSiN、TaCN等が挙げられる。また、Pチャネル型MISFET50、50aのゲート電極24の材料として、仕事関数がシリコンの価電子帯付近の値の材料を用いてもよい。より具体的には、仕事関数が4.8eV以上の材料をPチャネル型MISFET50のゲート電極24の材料として用いてもよい。このような材料としては、例えばMo、Ru、Ti等が挙げられる。
【0152】
また、金属ゲート電極24として、金属シリサイドを用いてもよい。即ち、金属ゲート電極24は、金属により形成してもよいし、金属窒化物により形成してもよいし、金属シリサイド等の金属化合物により形成してもよい。
【0153】
また、第2実施形態では、ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化アルミニウム膜21を形成する場合を例に説明したが、ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に形成する膜は、酸化アルミニウム膜21に限定されるものではない。例えば、酸化チタン膜や酸化タンタル膜等を、ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に形成してもよい。ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化チタン膜を形成することに起因してシリコン酸化膜18とゲート絶縁膜20との境界に生じるダイポールは、シリコン酸化膜18側に負極が存在し、ゲート絶縁膜20側に正極が存在する向きで形成されると考えられる。このような向きのダイポールは、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を浅くするように働くと考えられる。また、ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に酸化タンタル膜を形成することに起因して生成されるダイポールも、シリコン酸化膜18側に負極が存在し、ゲート絶縁膜20側に正極が存在する向きで形成されると考えられる。このような向きのダイポールも、Pチャネル型MISFET50aの閾値電圧を浅くするように働くと考えられる。従って、酸化チタン膜や酸化タンタル膜等を、ゲート絶縁膜20とキャップ膜22との間に形成してもよい。
【0154】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0155】
(付記1)
半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたキャップ膜と、
前記キャップ膜上に形成されたシリコン酸化膜と、
前記シリコン酸化膜上に形成された金属ゲート電極と、
前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたソース/ドレイン拡散層と
を有する第1のトランジスタを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0156】
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置。
【0157】
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記キャップ膜は、希土類金属の酸化物又はMgの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置。
【0158】
(付記4)
付記3記載の半導体装置において、
前記希土類金属は、La、Y又はDyである
ことを特徴とする半導体装置。
【0159】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜と前記キャップ膜との間に形成された酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0160】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜との間に形成された他のシリコン酸化膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【0161】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
前記金属ゲート電極は、TiN又はTaNを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【0162】
(付記8)
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上に金属ゲート電極を形成する工程と、
前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内にソース/ドレイン拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0163】
(付記9)
半導体基板の第1の活性領域上及び第2の活性領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1の活性領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程と、
前記第1の活性領域上の前記キャップ膜上に第1の金属ゲート電極を形成し、前記第2の活性領域上の前記シリコン酸化膜上に第2の金属ゲート電極を形成する工程と、
前記第1の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第1のソース/ドレイン拡散層を形成し、前記第2の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第2のソース/ドレイン拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0164】
(付記10)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリコン酸化膜を形成する工程の後、前記金属ゲート電極を形成する工程の前に、熱処理を行う工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0165】
(付記11)
付記9記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の活性領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程の後、前記第1の金属ゲート電極及び前記第2の金属ゲート電極を形成する工程の前に、熱処理を行う工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0166】
(付記12)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程の後、前記キャップ膜を形成する工程の前に、前記ゲート絶縁膜上に酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0167】
(付記13)
付記9記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程の後、前記キャップ膜を形成する工程の前に、前記ゲート絶縁膜上に酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を形成する工程と、前記第1の活性領域上の前記酸化アルミニウム膜、前記酸化チタン膜又は前記酸化タンタル膜を除去する工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0168】
(付記14)
付記8乃至13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板上に他のシリコン酸化膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0169】
(付記15)
付記8乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜は、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。(11)
(付記16)
付記8乃至15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記キャップ膜は、希土類金属の酸化物又はMgの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。(12)
(付記17)
付記16記載の半導体装置の製造方法において、
前記希土類金属は、La、Y又はDyである
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0170】
(付記18)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記金属ゲート電極は、TiN又はTaNを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0171】
(付記19)
付記9記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の金属ゲート電極及び前記第2の金属ゲート電極は、TiN又はTaNを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0172】
(付記20)
付記9記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の金属ゲート電極は、TaSiN又はTaCNを含み、
前記第2の金属ゲート電極は、Mo、Ru又はTiを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0173】
2…Nチャネル型MISFET形成領域
4…Pチャネル型MISFET形成領域
10…半導体基板
12a、12b…素子領域
14…素子分離領域
16P…P型ウェル
16N…N型ウェル
18…シリコン酸化膜
20…ゲート絶縁膜
21…酸化アルミニウム膜
22…キャップ膜
23…シリコン酸化膜
24…金属ゲート電極
26…シリコン層
28…積層体
30…エクステンション領域
32…サイドウォール絶縁膜
34…不純物拡散領域
36…ソース/ドレイン拡散層
38…シリサイド膜
40…Nチャネル型MISFET
42…積層体
44…エクステンション領域
46…不純物拡散領域
48…ソース/ドレイン拡散層
50、50a…Pチャネル型MISFET
52…層間絶縁膜
54…コンタクトホール
56…導体プラグ
58…配線層
60…フォトレジスト膜
62…開口部
64…フォトレジスト膜
66…開口部
68…フォトレジスト膜
70…開口部
72…フォトレジスト膜
74…フォトレジスト膜
76…開口部
78…フォトレジスト膜
80…開口部
82…フォトレジスト膜
84…開口部
86…フォトレジスト膜
88…開口部
90…フォトレジスト膜
92…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたキャップ膜と、
前記キャップ膜上に形成されたシリコン酸化膜と、
前記シリコン酸化膜上に形成された金属ゲート電極と、
前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたソース/ドレイン拡散層と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置において、
前記キャップ膜は、希土類金属の酸化物又はMgの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記希土類金属は、La、Y又はDyである
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜と前記キャップ膜との間に形成された酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜との間に形成された他のシリコン酸化膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上に金属ゲート電極を形成する工程と、
前記金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内にソース/ドレイン拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体基板の第1の活性領域上及び第2の活性領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1の活性領域上の前記シリコン酸化膜を除去する工程と、
前記第1の活性領域上の前記キャップ膜上に第1の金属ゲート電極を形成し、前記第2の活性領域上の前記シリコン酸化膜上に第2の金属ゲート電極を形成する工程と、
前記第1の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第1のソース/ドレイン拡散層を形成し、前記第2の金属ゲート電極の両側の前記半導体基板内に第2のソース/ドレイン拡散層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程の後、前記キャップ膜を形成する工程の前に、前記ゲート絶縁膜上に酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程の後、前記キャップ膜を形成する工程の前に、前記ゲート絶縁膜上に酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化タンタル膜を形成する工程と、前記第1の活性領域上の前記酸化アルミニウム膜、前記酸化チタン膜又は前記酸化タンタル膜を除去する工程とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜は、Hfの酸化物又はZrの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記キャップ膜は、希土類金属の酸化物又はMgの酸化物を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−228395(P2011−228395A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95105(P2010−95105)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】